(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/19 20200101AFI20241218BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20241218BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20241218BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/18
H05B47/105
(21)【出願番号】P 2021136396
(22)【出願日】2021-08-24
【審査請求日】2024-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】村木 健佑
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-094325(JP,A)
【文献】特開2016-058197(JP,A)
【文献】特開2015-222910(JP,A)
【文献】特開2019-153475(JP,A)
【文献】特開2021-057116(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0306609(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3226659(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信方式のネットワークを形成して相互に無線通信可能とする複数の照明装置と;
所定の機器の動作に応じた動作情報を取得する取得部と、前記照明装置と無線通信可能とする第1通信部と、前記第1通信部で無線通信可能とする前記照明装置を特定する特定部と、前記取得部で取得された前記動作情報および前記特定部で特定された前記照明装置の器具情報を送信する第2通信部と、を有する制御装置と;
前記制御装置の前記第2通信部から送信される前記動作情報および前記器具情報を取得し、前記動作情報に応じて前記器具情報の前記照明装置を制御する処理装置と;
を備えることを特徴とする照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の照明装置で無線通信方式のネットワークを形成し、このネットワークを通じて各照明装置を制御する照明システムがある。
【0003】
この照明システムに、他の機器を組み込み、連動した制御を行いたいという要望があるが、他の機器に照明システムのネットワークに対応した機能を備えていない場合、他の機器を組み込み、連動した制御を行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、所定の機器の動作に応じて照明装置を連動制御できる照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明システムは、複数の照明装置と、制御装置と、処理装置と、を備える。複数の照明装置は、無線通信方式のネットワークを形成して相互に無線通信可能とする。制御装置は、所定の機器の動作に応じた動作情報を取得する取得部と、照明装置と無線通信可能とする第1通信部と、第1通信部で無線通信可能とする照明装置を特定する特定部と、取得部で取得された動作情報および前記特定部で特定された前記照明装置の器具情報を送信する第2通信部と、を有する。処理装置は、制御装置の第2通信部から送信される動作情報および器具情報を取得し、動作情報に応じて器具情報の照明装置を制御する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態によれば、所定の機器の動作に応じて照明装置を連動制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態を示す照明システムの構成図である。
【
図2】同上照明システムの照明装置のブロック図である。
【
図3】同上照明システムの制御装置のブロック図である。
【
図4】第2の実施形態を示す照明システムの構成図である。
【
図5】同上照明システムの制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態を、
図1ないし
図3を参照して説明する。
【0010】
図1に照明システム10の構成図を示す。照明システム10は、複数の照明装置11を備えている。照明装置11は、例えば天井や壁に固定的に設置されている。なお、照明装置11には、床や机などに載置される移動可能な照明装置11が含まれていてもよい。
【0011】
複数の照明装置11は、電波による無線通信方式のネットワーク12を形成し、相互に無線通信可能とする。ネットワーク12は、例えばメッシュネットワークであり、直接通信可能範囲内にある照明装置11間で相互に無線通信可能とするとともに、直接通信範囲外の離れた位置にある照明装置11との間では別の照明装置11が中継することで相互に通信可能とする。メッシュネットワークとしては、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)メッシュネットワークなどが用いられる。
【0012】
さらに、照明システム10は、制御装置13を備えている。制御装置13は、所定の機器16の動作に連動して照明装置11を制御するのに用いられる。つまり、制御装置13は、照明システム10に、機器16を組み込み、機器16の動作に連動して照明装置11を制御するのに用いられる。
【0013】
機器16としては、例えばテレビ14やプロジェクターなどの映像機器や、エアコン15などの空調機器が含まれる。制御装置13は、テレビ14の映像出力や、エアコン15の空調出力などの出力動作に連動して照明装置11を制御する。また、機器16としては、一般日常的に用いられる家庭用電気機器(例えば、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、電子レンジなど)が含まれていてもよい。
【0014】
制御装置13は、移動可能で、例えばテレビ14の前の机や床面に載置されたり、エアコン15が設置された部屋に載置されるなど、天井に固定的に設置される照明装置11とは異なる位置に移動可能に配置されることが好ましい。
【0015】
また、
図2に照明装置11のブロック図を示す。照明装置11は、光源部20と、通信部21と、制御部22と、電源部23と、を備えている。
【0016】
光源部20は、例えばLEDや有機ELなどの固体発光素子や、ランプなどを含み、可視光、紫外光、赤外光のうち少なくともいずれかの光を照射する光源を備えている。光源部20は、照明状態を変更可能な照明機能を備えている。照明機能としては、例えば、明るさを変える調光に対応していたり、光色を変える調色に対応しており、あるいは配光を変える配光制御などに対応していてもよい。調色については、赤、緑および青の例えばLEDを用い、それに加えてアンバー、シアン、ホワイトなどの例えばLEDを用い、カラー照明に対応していてもよい。
【0017】
通信部21は、複数の照明装置11の通信部21との間で所定の無線通信方式のネットワーク12を形成し、このネットワーク12に繋がる全ての照明装置11と相互に無線通信可能(直接通信範囲外の離れた位置にある照明装置11との間では別の照明装置11が中継することで無線通信可能)とする。通信部21の無線通信方式には、例えばBluetooth(登録商標)が用いられる。
【0018】
通信部21は、通信ソフトウエアにより動作する。通信ソフトウエアは、照明装置11の制御可能な照明機能に対応したバージョンが用いられている。例えば、通信ソフトウエアのバージョンには、照明装置11の調光のみ可能な照明機能に対応した通信ソフトウエアのバージョンと、照明装置11の調光に加えて調色も可能な照明機能に対応した通信ソフトウエアのバージョンとが存在する。この通信ソフトウエアのバージョンが、照明装置11の制御可能な照明機能を示す照明機能情報である。なお、通信ソフトウエアは、制御部22が備えていてもよい。また、照明装置11の照明機能情報は、通信ソフトウエアのバージョンに限らず、照明機能情報自体を制御部22が有していてもよい。
【0019】
通信部21または制御部22は、各照明装置11に固有のアドレスやIDなどの自己の器具情報を有している。通信部21は、自己の器具情報を用いて、他の照明装置11や制御装置13と相互に通信する。
【0020】
制御部22は、電源部23を制御し、電源部23による光源部20の点灯状態を制御する。制御部22は、通信部21で受信する信号を取得し、その信号に応じて電源部23を制御し、光源部20の点灯状態を制御する。
【0021】
制御部22は、制御装置13から送信されて通信部21で受信される制御信号を取得し、かつ、制御装置13との距離が短いことから、取得した制御信号の電波強度が予め設定された閾値となる所定の電波強度よりも強い場合に、制御信号に基づいた照明状態に制御する。
【0022】
なお、制御装置13から送信される制御信号を複数の照明装置11で受信する場合、各照明装置11で制御信号の電波強度からそれぞれ個別に判断して制御信号に基づいた照明状態に制御してもよいし、制御信号を受信した複数の照明装置11で相互に通信し、受信した制御信号の電波強度が最も強い照明装置11が制御信号に基づいた照明状態に制御してもよい。
【0023】
電源部23は、制御部22による制御により、商用交流電源などの外部電源からの外部電力を光源部20が点灯する所定の点灯電力に変換して光源部20に供給し、光源部20を点灯させる。電源部23は、制御部22による制御により、制御可能な照明機能に応じて、光源部20に供給する点灯電力を調整して調光したり、光源部20の各光色のLEDに供給する点灯電力を調整して調色する。さらに、電源部23は、外部電力を通信部21および制御部22が動作する所定の制御電力に変換し、通信部21および制御部22に供給する。
【0024】
また、
図3に制御装置13のブロック図を示す。制御装置13は、取得部30と、通信部31と、制御部32と、電源部33と、を備えている。
【0025】
取得部30は、機器16の動作に応じた動作情報を取得する。取得部30は、例えば、機器16の動作に応じた動作情報を検知するセンサ部である。センサ部である取得部30は、テレビ14に映し出される映像を撮像し、映像シーンの明るさ情報や色情報を含む映像情報を動作情報として検知する撮像センサが含まれる。また、センサ部である取得部30は、エアコン15の運転時に調整される部屋の温度を検知し、この温度情報を動作情報として検知する温度センサなどが含まれる。また、センサ部である取得部30は、機器16が発する音を検知する音センサなどが含まれる。
【0026】
なお、取得部30は、機器16から無線または有線で送信される動作情報を受信する受信部でもよい。このとき、機器16から送信される動作情報は、ネットワーク12とは異なる方式で送信されることが望ましい。例えば、受信部である取得部30は、テレビ14から映像信号を受信し、この映像信号から映像シーンの明るさや色を解析し、これら明るさ情報や色情報を含む映像情報を動作情報として取得してもよい。また、受信部である取得部30は、機器16であるテレビ14に入力される前の映像信号を受信してもよく、この場合、テレビ14の映像信号は制御装置13を介してテレビ14へ入力される。また、エアコン15の運転時にエアコン15が備える温度センサで検知する温度情報や、エアコン15の設定温度や、設定風量、設定風向を受信し、この温度情報により動作情報を取得してもよい。
【0027】
通信部31は、照明装置11の通信部21と同じ無線通信方式が用いられ、ネットワーク12を形成する各照明装置11の通信部21と相互に無線通信可能とする。
【0028】
制御部32は、取得部30で取得された動作情報に応じて照明装置11の照明状態を判断し、その判断に基づく制御信号を作成し、通信部31により照明装置11に送信させる。
【0029】
そして、照明システム10を運用するには、制御装置13を、機器16の動作に応じた動作情報を取得可能な位置に配置する。例えば、連動制御したい照明装置11との距離が連動制御させない照明装置11との距離よりも短くなる位置に配置してもよい。
【0030】
機器16がテレビ14の場合、制御装置13を、テレビ14の近傍でかつテレビ14の画面を取得部30の撮像センサで撮像可能な位置に配置すればよく、さらにテレビ14に最も近い照明装置11との距離が他の照明装置11よりも短くなる位置に配置すればよい。また、機器16がエアコン15の場合、部屋の温度を把握したい位置で、その位置の領域を照明する照明装置11との距離が他の照明装置11よりも短くなる位置に配置すればよい。
【0031】
照明装置11および制御装置13の動作時において、制御装置13は、通信部31により通信可能な照明装置11と相互に通信し、照明装置11から制御可能な照明機能情報を取得する。制御装置13での照明機能情報の取得は、照明装置11および制御装置13の動作開始時に取得してもよいし、照明装置11を連動制御する際に取得してもよい。
【0032】
そして、機器16の動作時において、制御装置13の取得部30で機器16の動作に応じた動作情報を取得する。例えば、取得部30の撮像センサで、テレビ14に映し出される映像を撮像し、映像シーンの明るさ情報や色情報を含む映像情報を動作情報として取得したり、取得部30の温度センサで、エアコン15の運転により調整される部屋の温度情報を動作情報として取得する。
【0033】
制御装置13の制御部32では、取得部30で取得された動作情報と、照明装置11の制御可能な調光や調色などの照明機能情報とに応じて、照明装置11の照明状態を制御するための調光信号や調色信号(各光色の調光信号)などの制御信号を作成し、この制御信号を通信部31により送信させる。
【0034】
制御装置13の通信部31から送信された制御信号は、照明装置11の通信部21が受信する。制御信号は、制御装置13からの距離が最も短い1つの照明装置11で受信する場合もあれば、複数の照明装置11で受信する場合もある。
【0035】
制御装置13からの制御信号を受信した照明装置11では、受信した制御信号の電波強度が予め設定された閾値となる所定の電波強度よりも強い場合に、制御信号に基づいた照明状態に制御する。
【0036】
なお、制御装置13から送信される制御信号を複数の照明装置11で受信する場合、各照明装置11で制御信号の電波強度からそれぞれ個別に判断して制御信号に基づいた照明状態に制御してもよいし、制御信号を受信した複数の照明装置11で相互に通信し、受信した制御信号の電波強度が最も強い照明装置11が制御信号に基づいた照明状態に制御してもよい。
【0037】
連動制御の具体例としては、制御装置13の取得部30が撮像センサである場合、テレビ14で青色の海の映像が流れたとき、制御装置13から照明装置11を青色に調色するための制御信号を送信し、この制御信号を受信して照明状態を制御する照明装置11では光色を青色に調色する。これにより、テレビ14の映像に合わせて、テレビ14の周辺の天井、壁および床が青色に照明されるため、演出効果を高めることができる。
【0038】
この場合、テレビ14の周辺の照明装置11のみを連動制御し、テレビ14の周辺以外の照明装置11は連動制御しないため、テレビ14から離れた場所での作業の妨げとなったり、テレビ14から離れた場所での照明装置11の不要な連動制御を防止できる。
【0039】
さらに具体例としては、制御装置13の取得部30が温度センサである場合、制御装置13で取得する部屋内の温度が予め設定された所定の閾値よりも高いと、照明装置11の色温度の低い暖色系や赤色系に調光するための制御信号を送信し、この制御信号を受信して照明状態を制御する照明装置11では光色を色温度の低い暖色系や赤色系に調光する。これにより、部屋内の温度が高いことを可視化し、例えば熱中症予防になる。一方、制御装置13で取得する部屋内の温度が予め設定された所定の閾値よりも低いと、照明装置11の色温度の高い昼光色系や青色系に調光するための制御信号を送信し、この制御信号を受信して照明状態を制御する照明装置11では光色を色温度の高い昼光色系や青色系に調光する。これにより、部屋内の温度が低いことを可視化できる。このように、部屋内の温度に応じて照明装置11の光色を変化させることにより、部屋内の温度を可視化できる。
【0040】
なお、広い部屋の場合、部屋の複数の位置に複数の制御装置13を配置してもよい。この場合、制御装置13を配置した部屋の各位置において、制御装置13により照明装置11の光色が連動制御されるため、各照明装置11の光色を確認することで、部屋内での温度分布を可視化することができる。
【0041】
このように、制御装置13では、所定の機器16に応じた動作情報を取得し、動作情報に応じた制御信号を作成して照明装置11に送信することにより、所定の機器16の動作に応じて照明装置11を連動制御できる。
【0042】
つまり、制御装置13は、照明システム10に、機器16を組み込み、機器16の動作に連動して照明装置11を制御できる。
【0043】
さらに、制御装置13では、照明装置11から制御可能な照明機能情報を取得し、照明装置11の制御可能な照明機能に応じた制御信号を作成して送信するため、照明装置11を適切に制御できる。
【0044】
また、照明システム10に制御装置13を用いることにより、この照明システム10の照明装置11では、制御装置13から送信された制御信号を受信し、かつ受信した制御信号の電波強度が予め設定された閾値となる所定の電波強度よりも強い場合に、制御信号に基づいた照明状態に制御するため、制御装置13との距離が所定の距離内に位置する照明装置11のみを連動制御できる。
【0045】
【0046】
図4に照明システム10の構成図を示す。照明システム10は、複数の照明装置11と、中央通信装置40と、制御装置13と、処理装置41と、を備えている。
【0047】
照明装置11は、第1の実施形態の
図2に示したように、光源部20と、通信部21と、制御部22と、電源部23とを備えている。制御部22については、制御装置13から送信されてくる位置検知用の信号を通信部21で受信した場合、その通信部21により受信した位置検知用の信号の電波強度を求め、その電波強度情報を自己の器具情報と紐付けて制御装置13に送信する。このとき、照明装置11の制御可能な照明機能情報を、電波強度情報とともに器具情報に紐付けて送信してもよく、以下紐付けて送信するものとして説明する。制御部22は、中央通信装置40から自己の器具情報に紐付けられている制御信号を受信し、その制御信号に基づいた照明状態に制御する。
【0048】
なお、制御装置13から送信されてくる位置検知用の信号を複数の照明装置11で受信した場合、複数の照明装置11で相互に通信して各照明装置11の電波強度を比較し、電波強度が最も強い照明装置11から電波強度情報を自己の器具情報および照明機能情報と紐付けて制御装置13に送信するようにしてもよい。
【0049】
中央通信装置40は、複数の照明装置11とともに無線通信方式のネットワーク12を形成し、全ての照明装置11と相互に通信可能とする。中央通信装置40は、ネットワーク12とは別の無線通信方式または有線通信方式により例えばインターネットなどの公衆ネットワークを介して処理装置41と相互に通信可能とする。中央通信装置40は、処理装置41から送信されてくる制御信号および器具情報を受信し、受信した制御信号および器具情報をネットワーク12にて照明装置11に送信する。
【0050】
図5に制御装置13のブロック図を示す。制御装置13は、第1の実施形態と同様に、取得部30と、通信部31と、制御部32と、電源部33と、を備えている。
【0051】
取得部30および電源部33は、第1の実施形態と同様に構成されている。
【0052】
通信部31は、複数の照明装置11の通信部21との間で所定の無線通信方式のネットワーク12を形成し、このネットワーク12に繋がる全ての照明装置11と相互に無線通信可能とする第1通信部51と、ネットワーク12とは別の無線通信方式で処理装置41と相互に無線通信可能とする第2通信部52と、を備えている。第2通信部52は、例えば4G(Generation)および5Gや、LTE(Long Term Evolution)などのモバイルデータ通信規格による無線通信方式、またはWiFi(登録商標)により例えばインターネットなどの公衆ネットワークを介して、処理装置41と相互に通信可能とする。
【0053】
制御部32は、第1通信部51により、位置検知用の信号を送信させ、この位置検知用の信号を受信した照明装置11から送信される紐付けられた電波強度情報と器具情報および照明機能情報とを受信する。
【0054】
制御部32は、第1通信部51で無線通信可能とする照明装置11を特定する特定部53の機能を有している。特定部53は、第1通信部51で無線通信可能とする照明装置11のうち、電波強度が所定の電波強度よりも強い照明装置11を特定してもよく、また、第1通信部51で無線通信可能とする照明装置11のうち、最も電波強度の強い照明装置11を特定してもよい。
【0055】
処理装置41は、例えばクラウドを構成するサーバである。処理装置41は、制御装置13および中央通信装置40とそれぞれ対応する所定の通信方式により通信可能とする。
【0056】
処理装置41は、制御装置13の第2通信部52から送信される紐付けられた動作情報、器具情報および照明機能情報を受信し、動作情報と照明機能情報とに応じて照明装置11の照明状態を制御する制御信号を作成し、作成した制御信号を器具情報と紐付けて中央通信装置40に送信する。
【0057】
そして、照明システム10を運用するには、制御装置13を、機器16の動作に応じた動作情報を取得可能な位置に配置する。例えば、連動制御したい照明装置11との距離が連動制御させない照明装置11との距離よりも短くなる位置に配置してもよい。
【0058】
機器16がテレビ14の場合、制御装置13を、テレビ14の近傍でかつテレビ14の画面を取得部30の撮像センサで撮像可能な位置に配置すればよく、さらにテレビ14に最も近い照明装置11との距離が他の照明装置11よりも最も短くなる位置に配置すればよい。また、機器16がエアコン15の場合、部屋の温度を把握したい位置で、その位置の領域を照明する照明装置11との距離が最も短くなる位置に配置すればよい。
【0059】
図6に照明システム10のシーケンス図を示す。照明装置11および制御装置13の動作時において、制御装置13は、第1通信部51により照明装置11に対して位置検知用の信号を送信する(ステップS1)。
【0060】
複数の照明装置11のうち、制御装置13からの位置検知用の信号を受信した照明装置11では、受信した位置検知用の信号の電波強度を求め、その電波強度情報を自己の器具情報および照明機能情報と紐付けて制御装置13に送信する(ステップS2)。
【0061】
制御装置13は、第1通信部51により照明装置11から送信される紐付けられた電波強度情報と器具情報および照明機能情報とを受信し、特定部53により照明装置11を特定する(ステップS3)。このとき、特定部53は、第1通信部51で無線通信可能とする照明装置11のうち、電波強度が所定の電波強度よりも強い照明装置11を特定してもよく、また、第1通信部51で無線通信可能とする照明装置11のうち、最も電波強度の強い照明装置11を特定してもよい。
【0062】
そして、機器16の動作時において、制御装置13の取得部30で機器16の動作に応じた動作情報を取得する(ステップS4)。例えば、取得部30の撮像センサで、テレビ14に映し出される映像を撮像し、映像シーンの明るさ情報や色情報を含む映像情報を動作情報として取得したり、取得部30の温度センサで、エアコン15の運転により調整される部屋の温度情報を動作情報として取得する。
【0063】
制御装置13は、取得部30で取得された動作情報と、特定部53で特定された照明装置11の器具情報および照明機能情報とを紐付けて、第2通信部52により処理装置41に送信する(ステップS5)。
【0064】
処理装置41は、制御装置13から紐付けられている動作情報と器具情報および照明機能情報とを受信することにより、動作情報と照明機能情報とに応じて、照明装置11の照明状態を制御するための調光信号や調色信号(各光色の調光信号)などの制御信号を作成し(ステップS6)、この制御信号を器具情報と紐付けて中央通信装置40に送信する(ステップS7)。なお、このとき、処理装置41から送信される制御信号は、制御装置13に送信され、制御装置13から中央通信装置40に送信されてもよい。制御装置13と中央通信装置40との距離が離れている場合は、照明装置11を介して送信されてもよい。
【0065】
中央通信装置40は、処理装置41から紐付けられている制御信号と器具情報とを受信することにより、紐付けられている制御信号と器具情報とをネットワーク12を介して照明装置11に送信する(ステップS8)。
【0066】
照明装置11は、中央通信装置40から送信される自己の器具情報に紐付けられている制御信号を受信し、制御信号に基づいた照明状態に制御する(ステップS9)。
【0067】
なお、連動制御の具体例は、第1の実施形態で説明したとおりである。
【0068】
このように、照明システム10では、制御装置13で所定の機器16に応じた動作情報を取得し、処理装置41で動作情報に応じた制御信号を作成し、照明装置11に送信することにより、所定の機器16の動作に応じて照明装置11を連動制御できる。
【0069】
つまり、制御装置13により、照明システム10に、機器16を組み込み、機器16の動作に連動して照明装置11を制御できる。
【0070】
さらに、制御装置13では、照明装置11から制御可能な照明機能情報を取得し、照明装置11の制御可能な照明機能に応じた制御信号を作成して送信するため、照明装置11を適切に制御できる。
【0071】
しかも、制御装置13では、無線通信可能とする照明装置11を特定し、この特定された照明装置11の器具情報と動作情報とを紐付けることにより、特定された器具情報の照明装置11のみを連動制御できる。
【0072】
なお、照明装置11の1つを処理装置41との通信機能を有する親機とすることにより、中央処理装置40は用いなくてもよい。
【0073】
また、制御装置13を用い、複数の照明装置11でネットワーク12を形成する照明システム10と、別の照明システムのネットワークや家電のネットワークと、を繋いで連動させるようにしてもよい。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
10 照明システム
11 照明装置
12 ネットワーク
13 制御装置
16 機器
30 取得部
41 処理装置
51 第1通信部
52 第2通信部
53 特定部