(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】建物のプランを生成する方法、プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20241218BHJP
【FI】
G06F30/13
(21)【出願番号】P 2024158011
(22)【出願日】2024-09-12
【審査請求日】2024-09-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522487055
【氏名又は名称】株式会社ZISEDAI
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】角谷 亘
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-085299(JP,A)
【文献】特開2016-122284(JP,A)
【文献】特開2020-123240(JP,A)
【文献】特開2019-078028(JP,A)
【文献】特開2003-150655(JP,A)
【文献】特開2005-209017(JP,A)
【文献】国際公開第2013/161824(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0165929(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 - 30/28
G06Q 50/08
G06Q 50/16
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が建物のプランを生成する方法であって、
前記建物の各階における施工可能な床の範囲を、施工可能領域と呼び、
平面視において矩形の形状を持ち、当該矩形形状における1つの辺に窓が設けられた住戸を標準住戸と呼び、
前記標準住戸と、前記標準住戸が持つ矩形形状において前記窓が設けられた辺と対向する辺に面した廊下とを含み、平面視において矩形の形状を持ったブロックを、標準住戸ブロックと呼び、
1つ又は複数の前記標準住戸ブロックの集まりを住戸ブロック群と呼び、
前記住戸ブロック群に含まれる複数の前記標準住戸ブロックにおいて、複数の前記標準住戸が隣接するとともに、当該複数の標準住戸に面する前記廊下が直線状に繋がっており、
前記建物の各階の前記施工可能領域に1以上の前記住戸ブロック群を配置する住戸配置工程を有し、
前記住戸配置工程は、1つの前記施工可能領域に前記標準住戸ブロックを配置する場合、当該1つの施工可能領域において1以上の前記住戸ブロック群を配置可能な隙間を探索し、当該探索より見つかった当該隙間へ所定の配置条件を満たすように当該1以上の住戸ブロック群を配置する処理を反復することを含み、
前記所定の配置条件は、
前記建物が建築される敷地の境界線に前記標準住戸の前記窓が面していることと、
1つの前記施工可能領域に2以上の前記住戸ブロック群を含む場合、当該2以上の住戸ブロック群の前記廊下が繋がっていることとを含む、
方法。
【請求項2】
前記住戸ブロック群は、平面視において、前記窓側の第1辺と、前記第1辺に対向する前記廊下側の第2辺と、前記第1辺及び前記第2辺に垂直な2つの第3辺とからなる矩形の形状を持ち、
前記住戸配置工程は、1つの前記施工可能領域に前記標準住戸ブロックを配置する場合、当該1つの施工可能領域において互いの前記廊下が垂直に繋がった2つの前記住戸ブロック群であって、当該2つの住戸ブロック群における前記第2辺の長さの和が最大へ近づくように、平面視におけるそれぞれの前記住戸ブロック群の位置、延伸方向、長さ及び前記窓の向きを選択した当該2つの住戸ブロック群を、それぞれ第1住戸ブロック群として決定する第1住戸ブロック群決定工程を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
互いの前記廊下が垂直に繋がった2つの前記住戸ブロック群の一方を主住戸ブロック群、他方を副住戸ブロック群と呼び、
前記副住戸ブロック群の前記第3辺と、前記主住戸ブロック群の前記第2辺とが接しており、
前記第1住戸ブロック群決定工程は、前記主住戸ブロック群の前記第2辺の長さと前記副住戸ブロック群の前記第2辺の長さとの和が同一の状態で前記副住戸ブロック群が異なる位置をとり得る場合、前記副住戸ブロック群の前記第1辺と前記敷地の前記境界線との距離が最も近くなる前記副住戸ブロック群の位置を選択することを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記住戸配置工程は、前記第1住戸ブロック群決定工程において決定された2つの前記第1住戸ブロック群における一方の前記第1住戸ブロック群の前記廊下と垂直につながる前記廊下を持った前記住戸ブロック群であって、前記施工可能領域の内側で最も前記第2辺が長い前記住戸ブロック群を、第2住戸ブロック群として決定する第2住戸ブロック群決定工程を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記住戸配置工程は、前記第1住戸ブロック群決定工程において決定された2つの前記第1住戸ブロック群のうち、前記第2住戸ブロック群と接していない他方の前記第1住戸ブロック群の前記廊下と垂直につながる前記廊下を持った前記住戸ブロック群であって、前記施工可能領域の内側で最も前記第2辺が長い前記住戸ブロック群を、第3住戸ブロック群として決定する第3住戸ブロック群決定工程を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
平面視における前記施工可能領域の形状を、床形状と呼び、
1階の前記床形状を、第1床形状と呼び、
第i床形状(iは1以上の整数を示す。)の階より上の階において前記第i床形状と異なる前記床形状を、第(i+1)床形状と呼び、
平面視において、前記第(i+1)床形状は前記第i床形状の内側に含まれており、
前記建物が複数の前記床形状の前記施工可能領域を持つ場合、当該複数の床形状の各々について前記住戸配置工程を行い、
一つの前記床形状について行う前記住戸配置工程は、
当該1つの床形状の前記施工可能領域に前記住戸ブロック群を配置する主配置工程と、
当該1つの床形状の階より上の階に当該1つの床形状と異なる前記床形状の前記施工可能領域がある場合、当該上の階における当該異なる床形状の前記施工可能領域に前記住戸ブロック群を配置する上階配置工程と、
当該1つの床形状の階より下の階に当該1つの床形状と異なる前記床形状の前記施工可能領域がある場合、当該下の階における当該異なる床形状の前記施工可能領域に前記住戸ブロック群を配置する下階配置工程とを含み、
前記上階配置工程は、前記主配置工程によって配置された前記標準住戸ブロックと平面視において同じ位置に、前記所定の配置条件を満たすように前記標準住戸ブロックを配置することを含み、
前記下階配置工程は、前記主配置工程によって前記住戸ブロック群の配置が行われた階より下の階にある前記第i床形状の前記施工可能領域に前記標準住戸ブロックを配置する場合、
前記第(i+1)床形状の前記施工可能領域に配置された前記標準住戸ブロックと平面視において同じ位置に、前記標準住戸ブロックを配置する初期配置工程と、
前記初期配置工程によって前記標準住戸ブロックの配置が行われた前記施工可能領域に前記住戸ブロック群を配置可能な隙間が残っている場合、前記所定の配置条件を満たすように、当該隙間へ前記住戸ブロック群を配置する追加配置工程とを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記住戸ブロック群は、平面視において、前記窓側の第1辺と、前記第1辺に対向する前記廊下側の第2辺と、前記第1辺及び前記第2辺に垂直な2つの第3辺とからなる矩形の形状を持ち、
互いの前記廊下が垂直に繋がった2つの前記住戸ブロック群の一方を主住戸ブロック群、他方を副住戸ブロック群と呼び、
前記副住戸ブロック群の前記第3辺と、前記主住戸ブロック群の前記第2辺とが接しており、
前記追加配置工程は、前記施工可能領域の隙間に配置する1以上の前記標準住戸ブロックを決定する標準住戸ブロック決定工程を1回以上繰り返すことを含み、
1回の前記標準住戸ブロック決定工程は、
予め定めた1以上の配置パターンの各々について、前記隙間に追加する前記標準住戸ブロックの数が最も多くなる前記標準住戸ブロックの配置を特定することと、
前記1以上の配置パターンの各々について特定した前記標準住戸ブロックの配置の中から、前記隙間に追加する前記標準住戸ブロックの数が最も多くなる前記標準住戸ブロックの配置を選択することとを含み、
前記複数の配置パターンは、
前記施工可能領域に配置済みの前記住戸ブロック群に対して、前記第2辺が伸びるように前記標準住戸ブロックを追加するパターンと、
前記施工可能領域に配置済みの前記住戸ブロック群を前記主住戸ブロック群として、当該主住戸ブロック群に接する前記副住戸ブロック群を追加するパターンと、
前記施工可能領域に配置済みの前記住戸ブロック群を前記副住戸ブロック群として、当該副住戸ブロック群に接する前記主住戸ブロック群を追加するパターンと
の少なくとも一部を含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
階段を含み、平面視において所定の形状を持ったブロックを、階段ブロックと呼び、
前記住戸配置工程は、前記主配置工程において1以上の前記住戸ブロック群が配置された前記施工可能領域の隙間へ、前記住戸ブロック群の前記廊下と接するように前記階段ブロックを配置する階段配置工程を含み、
前記上階配置工程は、前記階段配置工程によって配置された前記階段ブロックと平面視において同じ位置に前記階段ブロックを配置することを含み、
前記下階配置工程の前記初期配置工程は、前記階段配置工程によって配置された前記階段ブロックと平面視において同じ位置に前記階段ブロックを配置することを含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記階段配置工程は、前記主配置工程において1以上の前記住戸ブロック群が配置された前記施工可能領域に、前記階段ブロックを配置可能な隙間がない場合、前記住戸ブロック群における1以上の前記標準住戸ブロックを前記階段の配置場所に置き換えることを含み、
前記上階配置工程は、前記階段配置工程によって1以上の前記標準住戸ブロックの換わりに配置された前記階段と平面視において同じ位置に前記階段を配置することを含み、
前記下階配置工程の前記初期配置工程は、前記階段配置工程によって1以上の前記標準住戸ブロックの換わりに配置された前記階段と平面視において同じ位置に前記階段を配置することを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
敷地に前記建物を建築可能な3次元の範囲であって、前記敷地の所在地において適用される建築の規制の要件を満たした3次元の範囲を、建築範囲と呼び、
前記建物の階数と前記建物の各階の前記施工可能領域とに関するプランであって、前記建物が前記建築範囲内に収まり、かつ、前記建物の各階が所定の階高を持つ条件の下で、前記建物の総戸数が最大へ近づくように作成されたプランを、第1建物プランと呼び、
前記施工可能領域の面積を床面積と呼び、
前記建物の各階の前記床面積に占める各前記住戸の専有部分の面積と、前記建物の各階の前記床面積に占める共用部分の面積とに関するプランであって、前記建物の各階の前記施工可能領域が前記第1建物プランによって定められ、前記規制における容積率の要件を満たし、前記建物の総戸数が最大へ近づくように作成されたプランを、第2建物プランと呼び、
前記住戸配置工程は、与えられた前記第1建物プラン若しくは前記第2建物プランに応じて定まる前記建物の各階の前記施工可能領域に、1以上の前記住戸ブロック群を配置することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記規制には、前記住戸において前記窓からの採光を確保することに関連する採光規制が含まれており、
所定の面積の前記標準住戸が持つ所定のサイズの前記窓と前記敷地の前記境界線との距離であって、与えられた前記第1建物プラン若しくは前記第2建物プランに応じて定まる前記採光規制の要件を満たした最小の距離である採光距離を算出する採光距離算出工程を有し、
前記所定の配置条件は、前記標準住戸の前記窓が、算出した前記採光距離以上、前記境界線から離れることを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記採光規制は、前記敷地の前記境界線に接する敷地外の領域の地理的属性に応じて前記採光距離に関わる要件が異なっており、
前記採光距離算出工程は、前記境界線の各部分に接する敷地外の領域の前記地理的属性に関する情報に基づいて、前記境界線の前記部分ごとに前記採光距離を算出することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記規制には、前記敷地の前記境界線に対して前記建物の外壁を後退させることに関する外壁後退規制が含まれており、
前記建物の外壁と前記敷地の前記境界線との距離であって、与えられた前記第1建物プラン若しくは前記第2建物プランに応じて定まる前記外壁後退規制の要件を満たした最小の距離である外壁後退距離を算出する外壁後退距離算出工程と、
与えられた前記建築範囲に対応する前記建物の外壁において前記敷地の前記境界線との距離が前記外壁後退距離より短くなっている部分がある場合、当該部分と前記敷地の前記境界線との距離が前記外壁後退距離以上となるように変形された前記建物の外形に対応する、変形された前記施工可能領域を特定する施工可能領域特定工程とを有し、
前記住戸配置工程は、前記施工可能領域特定工程において変形された前記施工可能領域を特定した場合、当該特定した施工可能領域の内側に前記住戸ブロック群を配置することを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記規制には、前記建物に含まれる前記共用部分に関連する共用部分規制が含まれており、
前記住戸配置工程により前記建物に配置された前記標準住戸の数と、前記住戸配置工程により前記建物に配置された前記標準住戸に関連する面積と、前記建物の高さと、前記建物の階数との少なくとも一部に基づいて、前記共用部分規制の要件を満たすために必要な前記共用部分を判定する共用部分判定工程と、
前記共用部分判定工程の判定結果に基づいて、前記共用部分規制の要件を満たすように前記共用部分の調整を行う共用部分調整工程とを有し、
前記共用部分の前記調整は、
前記住戸配置工程で配置された前記標準住戸ブロックの一部を、前記共用部分判定工程において前記共用部分規制の要件を満たすために必要と判定された前記共用部分に置き換えることと、
前記住戸配置工程で配置された前記標準住戸ブロックにおける前記廊下の幅を、前記共用部分判定工程において前記共用部分規制の要件を満たすために必要と判定された最小の幅に変更することと
の少なくとも一方を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記規制には、前記建物に含まれる前記住戸の面積と戸数に関連する住戸規制が含まれており、
前記住戸規制において前記建物内の戸数が規定された前記住戸であって、第1面積未満の前記専有部分を持つ前記住戸を、基本住戸と呼び、
前記標準住戸は前記基本住戸に該当し、
前記住戸規制において前記建物内の戸数が規定された前記住戸であって、前記第1面積と等しいか前記第1面積より大きい第2面積以上の前記専有部分を持つ前記住戸を、特定住戸と呼び、
平面視において矩形の形状を持ち、当該矩形形状における1つの辺に窓が設けられた前記特定住戸を標準特定住戸と呼び、
前記標準特定住戸と、前記標準特定住戸が持つ矩形形状において前記窓が設けられた辺と対向する辺に面した前記廊下とを含み、前記標準住戸ブロックの前記廊下側から前記窓側までの奥行と同じ長さの辺を含んだ矩形形状のブロックを、標準特定住戸ブロックと呼び、
前記住戸配置工程により前記建物に配置された前記標準住戸の数と、前記住戸配置工程により前記建物に配置された前記標準住戸に関連する面積と、前記建物の高さと、前記建物の階数との少なくとも一部に基づいて、前記住戸配置工程により前記標準住戸を配置された前記建物が前記住戸規制の要件を満たすか判定する住戸規制判定工程と、
前記住戸規制判定工程において前記建物が前記住戸規制の要件を満たしていないと判定された場合、前記住戸配置工程において前記標準住戸ブロックが配置された範囲の内側に収まり、かつ、前記建物が前記住戸規制の要件を満たすように、前記住戸配置工程において配置されたK個(Kは2以上の整数を示す。)の前記標準住戸ブロックをM個(MはKより小さい整数を示す。)の前記標準特定住戸ブロックに置き換える住戸置き換え工程とを有する、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記住戸規制判定工程において前記建物が前記住戸規制の要件を満たしていないと判定された場合、
前記共用部分判定工程は、前記住戸置き換え工程により前記住戸の置き換えが行われた前記建物に含まれる前記住戸の数と、前記住戸置き換え工程により前記住戸の置き換えが行われた前記建物に含まれる前記住戸に関連する面積と、前記建物の高さと、前記建物の階数との少なくとも一部に基づいて、前記共用部分規制の要件を満たすために必要な前記共用部分を判定することを含み、
前記共用部分調整工程は、前記住戸置き換え工程により前記住戸の置き換えが行われた前記建物において、前記共用部分判定工程の判定結果に基づいて、前記共用部分の前記調整を行うことを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記規制は、前記住戸の前記窓に面した空地である窓先空地に関する窓先空地規制を含み、
前記窓先空地規制は、道路を含む所定の地理的属性の領域に直接面していない前記窓の前記窓先空地が持つべき幅を必要空地幅として規定しており、
前記住戸配置工程は、
前記敷地の前記境界線の各部分に接する敷地外の領域の前記地理的属性に関する情報に基づいて、前記住戸ブロック群に含まれる前記標準住戸の前記窓が前記境界線を介して前記所定の地理的属性の領域に直接面しているか判定することと、
一の前記住戸ブロック群に含まれる前記標準住戸の前記窓が前記所定の地理的属性の領域に直接面していない場合、前記窓先空地規制において規定された前記必要空地幅以上の前記窓先空地が確保されるように、当該一の住戸ブロック群の配置範囲を制限することとを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記所定の地理的属性の領域に直接面する前記窓を持たない前記住戸を、窓先空地対象住戸と呼び、
前記建物における前記窓先空地対象住戸の面積の総和を、窓先空地対象住戸面積と呼び、
前記窓先空地規制は、前窓先空地対象住戸面積が大きくなるほど、前記窓先空地対象住戸の前記窓に面する前記窓先空地が持つべき前記必要空地幅が大きくなるように、複数段階の前記必要空地幅を規定しており、
前記住戸配置工程は、
一の前記住戸ブロック群に含まれる前記標準住戸が前記窓先空地対象住戸である場合、前記窓先空地規制において規定された最大の前記必要空地幅以上の前記窓先空地を確保するように、当該一の住戸ブロック群の配置範囲を制限することと、
当該最大の必要空地幅の前記窓先空地を確保するために当該一の住戸ブロック群の配置範囲を制限すると、前記施工可能領域に当該一の住戸ブロック群を配置できない場合は、前記施工可能領域に当該一の住戸ブロック群を配置できるようになるまで、確保する前記窓先空地の前記必要空地幅を段階的に小さくすることとを含み、
前記住戸配置工程により前記標準住戸が配置された前記建物の前記窓先空地対象住戸面積と、前記住戸配置工程において前記住戸ブロック群の配置のために確保した前記窓先空地の前記必要空地幅について前記窓先空地規制が定める前記窓先空地対象住戸面積の上限とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記建物の前記窓先空地対象住戸面積が当該上限を超えない面積になるまで、前記窓先空地対象住戸を含んだ前記標準住戸ブロックを減らす窓先空地対象住戸削減工程を有する、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記規制には、前記敷地に接した道路に通じる避難通路に関する避難通路規制が含まれており、
前記共用部分調整工程により前記共用部分の前記調整が行われた前記建物に含まれる前記住戸の数と、前記共用部分調整工程により前記共用部分の前記調整が行われた前記建物に含まれる前記住戸に関連する面積と、前記建物の高さと、前記建物の階数との少なくとも一部に基づいて、前記敷地の前記境界線と前記建物との間に形成される通路が前記避難通路規制において規定された前記避難通路の要件を満たすか判定する避難通路判定工程と、
前記避難通路判定工程において前記避難通路の要件を満たさないと判定された前記通路が見つかった場合、当該通路に隣接する1階の前記標準住戸ブロックの少なくとも一部を、前記建物内を通る前記避難通路に置き換える避難通路形成工程とを有する、
請求項14に記載の方法。
【請求項20】
所定の乗り物の置き場所として利用される前記共用部分を、乗り物置場と呼び、
平面視において所定の形状を持ち、前記所定の乗り物を1台以上収容可能な前記乗り物置場を、標準乗り物置場と呼び、
前記共用部分規制には、前記乗り物置場の設置に関する乗り物置場規制が含まれており、
前記共用部分判定工程は、前記住戸配置工程により前記建物に配置された前記標準住戸の数と、前記住戸配置工程により前記建物に配置された前記標準住戸に関連する面積と、前記建物の高さと、前記建物の階数との少なくとも一部に基づいて、前記乗り物置場規制の要件を満たすために必要な前記乗り物置場の乗り物収容台数を判定することを含み、
判定した前記乗り物収容台数を収容可能な1以上の前記標準乗り物置場を、前記建物の外の前記敷地内に配置する第1乗り物置場配置工程を有する、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1乗り物置場配置工程により前記建物の外に配置された前記標準乗り物置場と前記敷地に接する道路との間に、前記所定の乗り物に応じた所定の幅以上の乗り物通路を確保できない場合、当該道路に面した前記窓を持つ1階の前記標準住戸ブロックの少なくとも1つを、当該標準乗り物置場に通じる前記乗り物通路に置き換える乗り物通路形成工程を有する、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記共用部分判定工程において判定された前記乗り物収容台数に比べて、前記第1乗り物置場配置工程により前記建物の外に配置された前記標準乗り物置場における乗り物収容台数が不足している分を、不足台数として算出する不足台数算出工程と、
前記敷地に接する道路に面した前記窓を持つ1階の前記標準住戸ブロックの少なくとも1つを、不足台数算出工程において算出された前記不足台数分の前記所定の乗り物を収容可能な前記乗り物置場に置き換える第2乗り物置場配置工程とを有する、
請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記建物の1階に設置される所定の前記共用部分を、1階共用部分と呼び、
前記共用部分判定工程は、前記住戸配置工程により前記建物に配置された前記標準住戸の数と、前記住戸配置工程により前記建物に配置された前記標準住戸に関連する面積と、前記建物の高さと、前記建物の階数との少なくとも一部に基づいて、前記共用部分規制の要件を満たすために必要な前記1階共用部分を判定することを含み、
1階の前記標準住戸ブロックの少なくとも1つを、判定した前記1階共用部分に置き換える1階共用部分配置工程を有する、
請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記敷地の前記境界線に関する情報、前記境界線に接した敷地外の領域の地理的属性に関する情報、及び、前記敷地の所在地において適用され得る前記規制に関する情報を取得する規制情報取得工程と、
前記規制情報取得工程において取得された情報に基づいて前記建築範囲を決定する建築範囲決定工程と、
前記建築範囲決定工程において決定した前記建築範囲と、前記建物の各階に設定された階高とに基づいて、前記第1建物プランを生成する第1建物プラン生成工程と、
前記建築範囲及び前記第1建物プランに基づいて前記第2建物プランを生成する第2建物プラン生成工程とを有する、
請求項10~請求項23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
建物のプランを生成する処理を情報処理装置に行わせる命令を含んだプログラムであって、
前記命令に従って前記情報処理装置が行う処理は、請求項1~請求項23のいずれか一項に記載された方法の各工程を含む、
プログラム。
【請求項26】
建物のプランを生成する処理を行う情報処理装置であって、
処理部と、
前記処理部において実行される命令を記憶した記憶部とを有し、
前記処理部が前記命令に従って行う処理は、請求項1~請求項23のいずれか一項に記載された方法の各工程を含む、
情報処理装置。
【請求項27】
建物のプランを生成する処理を行う情報処理装置であって、
請求項1~請求項23のいずれか一項に記載された方法の各工程を行う手段を備えた
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物のプランを生成する方法、プログラム及び情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献には、敷地に建築する建物のプランを自動的に生成する方法の発明が記載される。この発明では、敷地の所在地における建築の規制(斜線制限、高さ制限、建蔽率等)の要件を満たし、かつ、収益性を高めるために住戸の数がなるべく多くなるように建物のプランが決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献に記載の発明によって生成される建物のプランは、主に建物の各階における住戸の戸数、住戸の専有部分の面積、共用部分の面積に関するものであり、住戸の形状や配置が考慮されていない。そのため、より実際の状態に近い建物のプランとして、建物内における住戸の配置も含めたプランを生成することが望まれる。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、建物内における住戸の配置も含めた建物のプランを生成する方法、プログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、情報処理装置が建物のプランを生成する方法であって、建物の各階における施工可能な床の範囲を、施工可能領域と呼び、平面視において矩形の形状を持ち、当該矩形形状における1つの辺に窓が設けられた住戸を標準住戸と呼び、標準住戸と、標準住戸が持つ矩形形状において窓が設けられた辺と対向する辺に面した廊下とを含み、平面視において矩形の形状を持ったブロックを、標準住戸ブロックと呼び、1つ又は複数の標準住戸ブロックの集まりを住戸ブロック群と呼び、住戸ブロック群に含まれる複数の標準住戸ブロックにおいて、複数の標準住戸が隣接するとともに、当該複数の標準住戸に面する廊下が直線状に繋がっており、建物の各階の施工可能領域に1以上の住戸ブロック群を配置する住戸配置工程を有し、住戸配置工程は、1つの施工可能領域に標準住戸ブロックを配置する場合、当該1つの施工可能領域において1以上の住戸ブロック群を配置可能な隙間を探索し、当該探索より見つかった当該隙間へ所定の配置条件を満たすように当該1以上の住戸ブロック群を配置する処理を反復することを含み、所定の配置条件は、建物が建築される敷地の境界線に標準住戸の窓が面していることと、1つの施工可能領域に2以上の住戸ブロック群を含む場合、当該2以上の住戸ブロック群の廊下が繋がっていることとを含む、方法である。
【0007】
本発明の第2の態様は、建物のプランを生成する処理を情報処理装置に行わせる命令を含んだプログラムであって、命令に従って情報処理装置が行う処理は、上記第1の態様に係る方法の各工程を含む、プログラムである。
【0008】
本発明の第3の態様は、建物のプランを生成する処理を行う情報処理装置であって、処理部と、処理部において実行される命令を記憶した記憶部とを有し、処理部が命令に従って行う処理は、上記第1の態様に係る方法の各工程を含む、情報処理装置である。
【0009】
本発明の第4の態様は、建物のプランを生成する処理を行う情報処理装置であって、上記第1の態様に係る方法の各工程を行う手段を備えた、情報処理装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、建物内における住戸の配置も含めた建物のプランを生成する方法、プログラム及び情報処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、面積情報に含まれる情報の一例を説明するための図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る建物プラン生成処理の一例を説明するための第1のフローチャートである。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る建物プラン生成処理の一例を説明するための第2のフローチャートである。
【
図5】
図5A~
図5Cは、建築範囲を決定する方法の一例を説明するための図である。
【
図6】
図6A及び
図6Bは、第1建物プランを生成する方法の一例を説明するための図である。
【
図7】
図7A~
図7Cは、天空率の要件を満たした建物の外形を決める方法の一例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、第2建物プランの生成処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9Aは、標準住戸ブロックの一例を示す図である。
図9Bは、住戸ブロック群の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、施工可能領域に住戸ブロック群を配置した例を示す図である。
【
図13】
図13Aは、施工可能領域に内接する最大面積の長方形の例を示す図である。
図13Bは、廊下が垂直に繋がった2つの住戸ブロック群の例を示す図である。
【
図14】
図14A及び
図14Bは、長さの和が最大となる主住戸ブロック群及び副住戸ブロック群を探索する方法の例を示す図である。
【
図15】
図15A及び
図15Bは、長さの和が最大となる主住戸ブロック群及び副住戸ブロック群を探索する方法の例を示す図である。
【
図16】
図16Aは、長さの和が最大となる2つの第1住戸ブロック群の例を示す図である。
図16Bは、長さが最大となる第2住戸ブロック群を探索する方法の例を示す図である。
【
図17】
図17は、階段及びエレベータを配置する例を示す図である。
【
図19】
図19Aは、長さが最大となるように決定した第3住戸ブロック群の例を示す図である。
図19Bは、階段及びエレベータを配置する例を示す図である。
【
図20】
図20は、複数種類の異なる形状の施工可能領域が建物に含まれる場合の住戸配置処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図21】
図21A及び
図21Bは、第1床形状の施工可能領域における配置結果に基づいた上階配置工程の例を示す図である。
【
図22】
図22Aは、第2床形状の施工可能領域における主配置工程の例を示す図である。
図22Bは、第2床形状の施工可能領域の配置結果に基づいた上階配置工程の例を示す図である。
【
図23】
図23A及び
図23Bは、第2床形状の施工可能領域の配置結果に基づいた下階配置工程の例を示す図である。
【
図24】
図24Aは、第3床形状の施工可能領域における主配置工程の例を示す図である。
図24Bは、第3床形状の施工可能領域の配置結果に基づいた下階配置工程の例を示す図である。
【
図25】
図25Aは、第3床形状の施工可能領域の配置結果に基づいた下階配置工程の例を示す図である。
図25Bは、第2床形状の施工可能領域の配置結果に基づいた下階配置工程の例を示す図である。
【
図26】
図26は、第2床形状の施工可能領域における配置結果に基づいた下階配置工程の例を示す図である。
【
図27】
図27は、下階配置工程における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図28】
図28A~
図28Cは、下階配置工程において住戸ブロック群を配置する場合の配置パターンの例を示す図である。
【
図33】
図33Aは、屋外にバイク置場を配置する例を示す図である。
図33Bは、屋外に駐輪場を配置する例を示す図である。
【
図34】
図34Aは、1階の標準住戸ブロックを所定の共用部に置き換える例を示す図である。
図34Bは、1階の標準住戸ブロックを駐車場に置き換える例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本明細書で使用される用語の一部について説明する。
【0013】
「通常規制」:
通常規制は、建築に関する規制のうち、建物のプランに依存することなく常に適用される規制である。例えば建蔽率に関する規制、容積率に関する規制等が通常規制に該当する。
【0014】
「特殊規制」:
特殊規制は、建築に関する規制のうち、所定の条件に該当するか否かに応じて適用の有無が決まる規制である。特殊規制は、建物のプラン(住戸数、延床面積、階数、建物の高さ、建築面積等)に依存して規制の内容が変化する。例えば、ワンルーム住戸に関する規制、乗り物置場(駐車場等)に関する規制、管理人室に関する規制、防災備蓄倉庫に関する規制、廊下幅に関する規制、階段に関する規制などが特殊規制に該当する。
【0015】
「採光規制」:
採光規制は、住戸において窓からの採光を確保することに関連する特殊規制であり、具体的には、居室の開口部(窓)に必要な面積を定める。例えば、居室の面積が大きいほど、窓から敷地の境界線までの水平距離が短いほど、あるいは、窓とその直上にある建築物の部分との垂直距離が長いほど(高い建物の下階になるほど)、採光規制が要求する窓の面積は大きくなる。
【0016】
「窓先空地規制」:
窓先空地規制は、窓先空地(住戸の窓に面した空地)に関する特殊規制である。窓先空地規制において規定される窓先空地の要件は、建物のプランに応じて変化する。
【0017】
「必要空地幅」:
必要空地幅は、窓先空地規制により規定された窓先空地の幅であり、道路を含む所定の地理的属性の領域に直接面していない住戸の窓の窓先空地が持つべき幅を示す。
【0018】
「窓先空地対象住戸」:
窓先空地対象住戸は、窓先空地規制の要件に関わる住戸であって、所定の地理的属性の領域(道路等)に直接面する窓を持たない住戸を示す。
【0019】
「窓先空地対象住戸面積」:
窓先空地対象住戸面積は、建物における窓先空地対象住戸の面積の総和である。
【0020】
「外壁後退規制」:
外壁後退規制は、敷地の境界線に対して建物の外壁を後退させることに関する規制である。各地域の条例等によって定められた外壁後退規制は、建物のプラン(建物の高さ、建築面積等)に応じて規制の内容が変化する特殊規制の場合がある。
【0021】
「共用部分規制」:
共用部分規制は、建物(共同住宅)の共用部分に関する規制であり、例えば廊下、階段、エレベータ、管理人室、集会所、廃棄物保管所、防災備蓄倉庫、駐車場、駐輪場等に関する規制である。各地域の条例等によって定められた共用部分規制は、建物のプランに応じて規制の内容が変化する特殊規制の場合がある。
【0022】
「乗り物置場」:
乗り物置場は、所定の乗り物(乗用車、バイク、自転車等)の置き場所として利用される共用部分である。
【0023】
「乗り物置場規制」:
乗り物置場規制は、乗り物置場の設置に関する共用部分規制である。
【0024】
「住戸規制」:
住戸規制は、建物に含まれる住戸の面積と戸数に関連する特殊規制であり、例えばワンルーム住戸に関する特殊規制がこれに該当する。
【0025】
「避難通路規制」:
避難通路規制は、敷地に接した道路に通じる避難通路に関する規制である。各地域の条例等によって定められた避難通路規制は、建物のプラン(建物の高さ、建築面積等)に応じて規制の内容が変化する特殊規制の場合がある。
【0026】
「第1共用部分」:
第1共用部分は、個々の住戸に対応した面積を持つ共用部分であり、例えば廊下、バルコニーなどがこれに該当する。
【0027】
「第2共用部分」:
第2共用部分は、個々の住戸から独立した面積を持つ共用部分であり、例えば階段、エレベータ、管理人室、駐輪場などがこれに該当する。
【0028】
「1階共用部分」:
1階共用部分は、1階に配置される特定の第2共用部分であり、例えばエントランス、管理人室、メールコーナー、廃棄物保管所、駐車場、駐輪場、バイク置場等がこれに該当する。
【0029】
「基本住戸」:
基本住戸は、住戸規制において建物内の戸数が規定された住戸であって、所定の面積(第1面積)より小さい専有部分を持つ住戸である。基本住戸はワンルーム住戸とも呼ばれる。
【0030】
「特定住戸」:
特定住戸は、住戸規制において建物内の戸数が規定された住戸であって、基本住戸の基準となる第1面積と等しいか第1面積より大きい所定の面積(第2面積)以上の専有部分を持つ住戸である。特定住戸はファミリー住戸とも呼ばれる。
【0031】
「規格住戸」:
規格住戸は、所定の面積の専有部分を持つ住戸である。
【0032】
「基本規格住戸」:
基本規格住戸は、基本住戸の基準となる第1面積より小さい所定の最小面積の専有部分を持つ規格住戸である。
【0033】
「特定規格住戸」:
特定規格住戸は、特定住戸の基準となる第2面積と等しい面積の専有部分を持つ規格住戸である。
【0034】
「施工可能領域」:
施工可能領域は、建物の1つの階において施工の対象となり得る床の範囲である。
【0035】
「床面積」:
床面積は、1つの階における施工可能領域の面積である。
【0036】
「規格床面積」:
規格床面積は、全ての住戸が規格住戸である1つの階の床面積である。
【0037】
「面積セット」:
面積セットは、規格床面積に含まれる各規格住戸の専有部分の面積と共用部分の面積との組み合わせである。面積セットは、規格住戸の戸数に応じた第1共用部分の面積と、第2共用部分の面積とを含む。
【0038】
「建築範囲」:
建築範囲は、敷地に建物を建築可能な3次元の範囲である。建築範囲は、敷地の所在地において適用される規制の要件を満たすように決定される。例えば建築範囲は、建物の高さの制限、斜線制限(道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限)、敷地境界からのセットバック、建蔽率などの要件を満たす。
【0039】
「第1建物プラン」:
第1建物プランは、建物の階数と建物の各階の施工可能領域とに関するプランである。第1建物プランは、建物が建築範囲内に収まり、かつ、建物の各階が所定の階高を持つ条件の下で、建物の総戸数が最大へ近づくように作成される。
【0040】
「第2建物プラン」:
第2建物プランは、建物の各階の床面積に占める各住戸の専有部分の面積と、建物の各階の床面積に占める共用部分の面積とに関するプランである。第2建物プランは、少なくとも以下の要件を満たしつつ、建物の総戸数が最大へ近づくように作成される。
・建物の各階が、第1建物プランによって定められた施工可能領域を持つ。
・建物の延べ床面積が、容積率の要件を満たす。
【0041】
次に、
図1に示すシステムの各装置について説明する。
【0042】
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
図1の例に示すシステムは、インターネットなどの通信ネットワーク9を介して通信可能な情報処理装置1及び端末装置3を有する。
情報処理装置1は、本発明の情報処理装置の一例である。
【0043】
図1に示すシステムでは、情報処理装置1にアクセスした端末装置3に対して建物プランに関する情報を提供する処理が行われる。ユーザが操作する端末装置3において特定の敷地が指定されると、その敷地の所在地における建築の規制(斜線制限、高さ制限、建蔽率、容積率など)を満たすとともに、出来るだけ大きい収益が得られるように住戸の数が最大化された建物のプランが生成され、この建物のプランが端末装置3において表示される。
【0044】
[情報処理装置1]
情報処理装置1は、指定された敷地における建物のプランを自動的に生成する処理を行う。例えば情報処理装置1は、通信ネットワーク9に接続された1台若しくは複数台のコンピュータを含んで構成される。
図1の例に示す情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、処理部13を有する。
【0045】
通信部11は、通信ネットワーク9を介して他の装置(端末装置3など)と通信を行う。通信部11は、例えばイーサネット(登録商標)や無線LANなどの所定の通信規格に準拠して通信を行う装置(ネットワークインターフェースカードなど)を含む。
【0046】
記憶部12は、処理部13において実行可能な命令を含む1以上のプログラム121や、処理部13による処理の過程で一時的に保存されるデータ、処理部13の処理に利用されるデータ、処理部13の処理の結果として得られたデータ等を記憶する。記憶部12は、例えば、主記憶装置(RAM、ROM等)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、メモリカード、光ディスク等)を含んでよい。記憶部12は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部12が複数の記憶装置から構成される場合、各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意の通信手段を介して処理部13に接続される。
【0047】
処理部13は、情報処理装置1の全体的な動作を統括的に司り、所定の情報処理を実行する。処理部13は、例えば、記憶部12に格納された1以上のプログラム121の命令に応じて処理を実行する1以上のプロセッサ(CPU(central processing unit)、MPU(micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、NPU(neural network processing unit)等)を含む。処理部13は、記憶部12に記憶される1以上のプログラム121の命令を1以上のプロセッサが実行することにより、1以上のコンピュータとして動作する。情報処理装置1は、複数のコンピュータを有していてもよく、本実施形態に係る処理の少なくとも一部を複数のコンピュータが連携して実行してもよい。
【0048】
処理部13は、特定の機能を実現するように構成された1以上の専用のハードウェア(ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field-programmable gate array)等)を含んでもよい。処理部13は、本実施形態において説明する全ての処理を1以上のコンピュータにおいて実行してもよいし、1以上のコンピュータと専用のハードウェアにおいて処理を分担して実行してもよいし、全ての処理を専用のハードウェアにおいて実行してもよい。
【0049】
プログラム121は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体(光ディスク、メモリカード、USBメモリ、その他の非一時的な有形の媒体)に記録されていてもよい。処理部13は、そのような記録媒体に記録された1以上のプログラム121の少なくとも一部を不図示の記録媒体読み取り装置(光ディスク装置等)やインターフェース装置(USBインターフェース等)により読み込んで、記憶部12に書き込んでもよい。あるいは処理部13は、通信ネットワーク9に接続される他の装置から通信部11により1以上のプログラム121の少なくとも一部をダウンロードして、記憶部12に書き込んでもよい。1以上のプログラム121は、後述する本実施形態に係る処理の少なくとも一部を処理部13において実行させる命令を含んでよい。
【0050】
記憶装置2は、情報処理装置1の処理において使用される種々の情報を記憶する。情報処理装置1と記憶装置2は、任意の通信手段(LAN、専用回線網、インターネット等)介して通信可能である。例えば記憶装置2は、複数の装置からのアクセスを受け付けるファイルサーバやデータベースサーバ等に含まれていてもよいし、情報処理装置1のみアクセス可能な専用の記憶装置でもよい。
図1の例において、記憶装置2は、規制データベース21と、地図データベース22と、面積情報データベース23とを記憶する。以下の説明では、データベースを「DB」と省略して記載する場合がある。
【0051】
規制DB21は、敷地の所在地に応じて定められた建築の規制に関する規制情報を含む。規制情報は、例えば、敷地の所在地に関する情報と、その所在地において適用される規制(斜線制限、高さ制限、建蔽率、容積率、ワンルーム条例など)に関する情報を含む。
【0052】
地
図DB22は、地図を構成する各種の情報を含む。例えば地
図DB22は、土地の境界に関する情報、土地の地理的属性(敷地、公園、道路、河川など)に関する情報、所在地(住所)に関する情報などを含む。
【0053】
面積情報DB23は、建物の1つの階に含まれる建物要素(住戸、共用部分など)の面積に関する面積情報を含む。
図2は、1つの面積情報に含まれる情報の例を示す。
図2の例において、1つの面積情報は、専有部分情報と、第1共用部分情報と、第2共用部分情報と、特殊規制情報を含む。
【0054】
専有部分情報は、1つの階に含まれる規格住戸の専有部分の面積に関する情報を含む。例えば専有部分情報は、基本住戸の基準となる第1面積の情報と、特定住戸の基準となる第2面積の情報を含む。住戸規制において複数の第2面積が規定されている場合、専有部分情報は当該複数の第2面積を含む。
【0055】
第1共用部分情報は、個々の規格住戸に対応した面積を持つ第1共用部分の面積に関する情報を含む。共用部分規制が特殊規制であり、建物のプランに応じて第1共用部分の面積が変化する場合、第1共用部分情報は、第1共用部分の面積を算出するための計算式や計算手順に関する情報を含んでもよい。例えば第1共用部分情報は、対応する規格住戸の面積、建物の総戸数、延べ床面積、対象のフロアの階数、建物全体の階数、建物の高さ、敷地面積、建築面積等のパラメータに基づいて第1共用部分の面積を算出する計算式等を含んでもよい。
【0056】
第2共用部分情報は、個々の規格住戸から独立した面積を持つ第2共用部分の面積に関する情報を含む。共用部分規制が特殊規制であり、建物のプランに応じて第2共用部分の面積が変化する場合、第2共用部分情報は、第2共用部分の面積を算出するための計算式や計算手順に関する情報を含んでもよい。例えば第2共用部分情報は、建物の総戸数、延べ床面積、対象のフロアの階数、建物全体の階数、建物の高さ、敷地面積、建築面積等のパラメータに基づいて第2共用部分の面積を算出する計算式等を含んでもよい。
【0057】
特殊規制情報は、専有部分や共用部分の面積に関係する特殊規制を示す情報を含む。建物を建築する敷地において適用される特殊規制の情報が規制DB21において得られると、この特殊規制の情報と適合する特殊規制情報が含まれた面積情報を面積情報DB23から取得することが可能となる。
【0058】
情報処理装置1は、面積情報の上述した専有部分情報、第1共用部分情報、第2共用部分情報を用いて、規格床面積の面積セットに含まれる各住戸の専有部分の面積と共用部分の面積を取得する。
【0059】
[端末装置3]
端末装置3は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備えた装置であり、建物のプランに関する情報を閲覧するユーザによって操作される。
図1の例において端末装置3は1つであるが、端末装置3は複数であってもよい。端末装置3は、情報処理装置1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備える。また端末装置3は、ユーザの指示を処理部に入力する入力部(タッチパネル、マウス、キーボード等)、情報を表示する表示部(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プロジェクタ等)を備える。
【0060】
ここで、上述した構成を有する情報処理装置1において行われる建物のプランの生成に関する処理について説明する。
図3及び
図4は、本実施形態に係る建物プラン生成処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST100は、本発明の規制情報取得工程の一例である。
ステップST105は、本発明の建築範囲決定工程の一例である。
ステップST110は、本発明の第1建物プラン生成工程の一例である。
ステップST115は、本発明の第2建物プラン生成工程の一例である。
ステップST120は、本発明の採光距離算出工程の一例である。
ステップST125は、本発明の外壁後退距離算出工程の一例である。
ステップST135は、本発明の施工可能領域特定工程の一例である。
ステップST140は、本発明の住戸配置工程の一例である。
ステップST145は、本発明の住戸規制判定工程の一例である。
ステップST150、ST155は、本発明の住戸置き換え工程の一例である。
ステップST160、ST165は、本発明の共用部分判定工程の一例である。
ステップST170は、本発明の共用部分調整工程の一例である。
ステップST185は、本発明の窓先空地対象住戸削除工程の一例である。
ステップST190は、本発明の避難通路判定工程の一例である。
ステップST200は、本発明の避難通路形成工程の一例である。
ステップST205、ST220は、本発明の第1乗り物置場配置工程の一例である。
ステップST215は、本発明の乗り物通路形成工程の一例である。
ステップST230は、本発明の不足台数算出工程の一例である。
ステップST240は、本発明の第2乗り物置場配置工程の一例である。
ステップST225は、本発明の1階共用部分配置工程の一例である。
【0061】
ST100:
端末装置3は、入力されるユーザの指示に応じて、特定の敷地に建築可能な建物のプランを生成するように求める建物プラン生成要求を情報処理装置1に送信する。例えば端末装置3は、ディスプレイに表示した地図上で特定の敷地を指定するユーザの操作や、特定の敷地の住所を入力するユーザの操作に応じて、建物のプランの生成を求める特定の敷地の情報を入力し、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、建物プラン生成要求を端末装置3から受信すると、要求された建物のプランの生成に必要な情報を取得する。例えば情報処理装置1は、建物が建築される敷地の境界線に関する情報、敷地周辺の領域の地理的な属性(敷地、道路、公園、河川等)に関する情報、敷地の所在地において適用される建築の規制に関する情報を、規制DB21や地
図DB22から取得する。この場合、情報処理装置1は、ユーザが希望する建物の仕様に関する情報として、建物の階高(1階あたりの高さ)に関する情報、住戸の専有部分の最小面積に関する情報、建物の間口に関する情報、バルコニーの有無を指定する情報などを端末装置3から取得してもよい。
【0062】
ST105:
次に情報処理装置1は、ステップST100において取得された情報に基づいて、敷地における建物の3次元の建築範囲を決定する。すなわち、情報処理装置1は、建築の規制として適用される建築範囲に関連する規制(以下、「建築範囲規制」と呼ぶ。)の要件と建蔽率の要件とをそれぞれ満たすように建築範囲を決定する。建築範囲規制には、例えば、建物の高さの制限、斜線制限(道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限)、敷地境界からのセットバックなどが含まれる。例えば情報処理装置1は、建築範囲規制の要件を満たすとともに建蔽率の要件を満たした最も範囲の広い建築範囲を決定する。
【0063】
情報処理装置1は、建築範囲を決定する場合、敷地の各境界線を敷地の内側へ後退させることにより形成される2次元の領域(以下、「敷地内領域」と呼ぶ。)を設定する。例えば情報処理装置1は、敷地の各境界線を所定の距離だけ内側へ後退させることにより、初期状態の敷地内領域を形成する。
【0064】
敷地内領域の少なくとも1つの領域境界線が、建築範囲規制における敷地の境界線からの後退距離に関する規制(セットバック)の要件に反している場合、情報処理装置1は、この規制の要件を満たすように、当該少なくとも1つの領域境界線を敷地の境界線に対して後退させた敷地内領域を形成する。
【0065】
高さ制限や斜線制限に関する建築範囲規制が適用される場合、情報処理装置1は、これらの規制の要件を満たすように、建築範囲の上方の境界面を設定する。また情報処理装置1は、敷地内領域の領域境界線上に、鉛直方向へ伸びた建築範囲の側方の境界面を設定する。
【0066】
敷地内領域の面積に対応する建物の建築面積が建蔽率の要件を満たしていない場合、情報処理装置1は、この建蔽率の要件を満たすように、建築範囲の上方の境界面と最も低い位置で接した側方の境界面に対応する敷地内領域の領域境界線を敷地の境界線に対して後退させる。なお情報処理装置1は、敷地内領域の領域境界線を敷地の境界線に対して後退させているとき、建築範囲の上方の境界面と最も低い位置で接した側方の境界面が変化した場合は、変化後の側方の境界面に対応する敷地内領域の領域境界線を敷地の境界線に対して後退させる。
【0067】
図5A~
図5Cは、それぞれ建築範囲の例を示す。
図5A~
図5Cにおける左側の図は、敷地4の上方から鉛直方向に沿って見た建築範囲6の領域である敷地内領域5を示す。
図5A~
図5Cにおける右側の図は、斜め上方から見た建築範囲6を示す。
【0068】
図5Aは、初期状態の建築範囲6を示す。
図5Aの例において、敷地4は4つの境界線41~44を有する。初期状態の敷地内領域5は、境界線41~44をそれぞれ所定の距離だけ内側へ後退させた位置に領域境界線51~54を持つ。初期状態における領域境界線51~54の少なくとも1つが建築範囲規制における敷地の境界線からの後退距離に関する規制(セットバック)の要件に反している場合、情報処理装置1は、要件に反している領域境界線(51~54)を敷地4の境界線(41~44)に対して更に後退させる。
【0069】
図5Aの右側に示す建築範囲6は、2つの上方の境界面65及び66と、4つの側方の境界面61~64を有する。水平な上方の境界面65は、建築範囲規制における高さ制限の限界に対応し、水平に対して傾いた上方の境界面66は、建築範囲規制における斜線制限の限界に対応する。4つの側方の境界面61~64は、それぞれ敷地内領域5の領域境界線51~54上に位置し、鉛直方向へ伸びている。
【0070】
図5Bは、建蔽率の要件を満たすように、敷地内領域5の領域境界線54を敷地4の境界線44に対して後退させた状態の建築範囲6を示す。
図5A、
図5Bに示すように、建築範囲6の上方の境界面66と最も低い位置で接しているのは、側方の境界面64である。従って、情報処理装置1は、側方の境界面64に対応する敷地内領域5の領域境界線54を、敷地4の境界線44に対して後退させる。情報処理装置1は、敷地内領域5の面積に対応する建物の建築面積が、建蔽率の要件を満たす最大の面積になる位置まで、敷地内領域5の領域境界線54を後退させる。
【0071】
図5Cは、建蔽率の要件を満たす状態よりも更に境界線44に対して後退させた状態の建築範囲6を示す。
図5Cに示すように、上方の境界面66と最も低い位置で接している側方の境界面64に対応した敷地内領域5の領域境界線54を後退させることにより、斜線制限による境界面66が小さくなり、建築範囲6の形状が角柱に近くなる。
【0072】
ST110:
図3に戻る。
情報処理装置1は、ステップST105において決定された建築範囲と、建物の各階に設定された階高とに基づいて、建物の階数と建物の各階の床面積とに関する第1建物プランを生成する。情報処理装置1は、建物における住戸の数(総戸数)が最も多くなるように第1建物プランを生成する。
【0073】
情報処理装置1は、1つの階の床面積を算出する場合、当該1つの階の床面と当該1つの階に対して1つ上の階の床面との間の所定の位置を通る水平面において建築範囲の側方の境界面により囲まれた領域に基づいて、当該1つの階における施工可能領域の形状を決定し、この決定した施工可能領域の形状に基づいて床面積を算出する。
【0074】
図6Aは、ステップST105において決定された建築範囲の一例を示す。
図6Aに示す建築範囲6は、6階以上7階未満の高さを有する。領域606は、7階の床面の位置を通る水平面において建築範囲6の側方の境界面61~64により囲まれた領域である。
図6Bは、
図6Aに示す敷地内領域5に基づいて決定される建物7の一例を示す。
図6Bに示す建物7における6階の床面(施工可能領域)706の形状は、
図6Aに示す領域606に基づいて決定される。同様に、建物7における1~5階の床面701~705の形状は、それぞれ
図6Aに示す領域601~605に基づいて決定される。第1建物プランにおける各階の床面積は、それぞれ床面701~706の形状に基づいて算出される。
また、
図6Aに示す建築範囲6は6階以上7階未満の高さを有するため、建築範囲6に基づく第1建物プランにおける建物7の階数は6に決定される。
【0075】
なお、斜線制限には天空率に基づく緩和の条件が定められている。すなわち、建物の敷地に面した所定の測定ポイントで測定した天空率が、斜線制限の適用を受けた建物の天空率と同等以上である場合、この建物には斜線制限が適用されないことが定められている。そこで、情報処理装置1は、ステップST105において決定された建築範囲に基づいて第1建物プラン(建物の階数、各階の床面積)を決定する場合、建築範囲規制における斜線制限の適用を受けない天空率の条件を満たすように建物の外形を決定し、その外形に基づいて第1建物プランを生成してもよい。
【0076】
例えば情報処理装置1は、建築範囲の敷地内領域に対応する底面を持つ角柱状の建物であって、高さの制限に関する建築範囲規制の要件を満たすとともに最上階が所定の階高(ユーザにより設定された階高)を持つ角柱状の建物を想定した場合に、この角柱状の建物から、水平面に対して垂直な面で一部の角を切り取ることにより、斜線制限の適用を受けない建物の天空率の条件を満たすように(斜線制限の適用を受けた建物の天空率と同等の天空率となるように)、角柱状の建物の形状を決定する。そして情報処理装置1は、決定した角柱状の建物に基づいて、第1建物プラン(建物の階数、各階の床面積)を決定する。
【0077】
図7A~
図7Cは、それぞれ建物の外形の例を示す。
図7A~
図7Cにおける左側の図は、敷地4の上方から鉛直方向に沿って見た敷地内領域5を示す。
図7A~
図7Cにおける右側の図は、斜め上方から見た建物7を示す。
【0078】
図7Aは、ステップST105において決定された建築範囲6(
図5B)において、斜線制限がないものとみなした場合に得られる角柱状の建物7を示す。
図7Aに示す建物7では、上側の一部が斜線制限による境界面66からはみ出している。
図7Aに示す建物7において、6階より上の部分は所定の階高を有していない。
図7Bは、
図7Aに示す建物7における6階より上の部分を切り取った状態を示す。
図7Bに示す建物7は、高さの制限に関する建築範囲規制の要件を満たすとともに、最上階(6階)が所定の階高を有する最も高い角柱状の建物となっている。しかしながら、
図7Bに示す建物7においても、上側の一部が斜線制限による境界面66からはみ出している。
図7Cは、この
図7Bに示す建物7における領域境界線54側の角の一部が水平面に対して垂直な面で切り取られた状態を示す。角を切り取られた部分には、水平面に対して垂直な境界面76、77が形成されている。
図7Cに示すように、角柱状の建物7における角の一部を切り取ることにより、斜線制限の適用を受けない建物の天空率の条件を満たした建物7の外形を決定することができる。
【0079】
ST115:
図3に戻る。
ステップST110において第1建物プラン(建物の階数、各階の床面積)が決定されると、情報処理装置1は、この決定された第1建物プランと、住戸の専有部分の最小面積とに基づいて、建物各階の床面積に占める各住戸の専有部分の面積と、建物の各階の床面積に占める共用部分の面積とに関する第2建物プランを生成する。
【0080】
図8は、第2建物プランを生成する処理(ST115:
図3)の一例を説明するためのフローチャートである。
【0081】
情報処理装置1は、ステップST105において生成した第1建物プランに基づいて、全ての住戸が基本規格住戸であると仮定した場合の第2建物プラン(以下、「仮第2建物プラン」と呼ぶ。)を生成する(ST305)。
【0082】
具体的には、情報処理装置1は、建物の各階について、第1建物プランで定められた床面積を超えない最大の規格床面積を示す面積セットを決定する。この場合、情報処理装置1は、各住戸の専有部分面積として基本規格住戸の面積(基本住戸の基準となる第1面積より小さい所定の最小面積)を含むように各階の面積セットを決定する。情報処理装置1は、ステップST100において取得した特殊規制の情報に適合する特殊規制情報が含まれた面積情報(
図2)を面積情報DB23から読み出し、この面積情報を用いて、基本規格住戸の専有部分面積が含まれた面積セットを生成する。例えば情報処理装置1は、基本規格住戸の戸数が異なる複数の面積セットを生成し、生成した複数の面積セットの規格床面積と、第1建物プランで定められた床面積とをそれぞれ比較することにより、第1建物プランで定められた床面積を超えない最大の規格床面積を示す面積セットを特定する。
【0083】
なお情報処理装置1は、面積情報(
図2)の第1共用部分情報及び第2共用部分情報を用いて面積セットの共用部分の面積を取得する場合、この段階では面積計算用のパラメータ(総戸数、延べ床面積等)が分からないため、比較的小さい面積が得られる仮のパラメータを計算式等に設定して共用部分の面積を取得してもよい。また情報処理装置1は、1階の面積における1階共用部分面積については、暫定的にゼロとしてもよい。各階の面積セットにおいて共用部分の面積を小さくすることにより、仮第2建物プランにおける建物の総戸数が想定上の最大値と見なされ易くなる。
【0084】
情報処理装置1は、1つの階について面積セットを決定すると、当該1つの階の面積セットが示す規格床面積と当該1つの階について第1建物プランが定める床面積との差(以下、「差分面積」と呼ぶ。)を算出する。情報処理装置1は、この算出した差分面積を、当該1つの階における住戸の専有部分の面積に組み入れる。例えば情報処理装置1は、当該1つの階の面積セットにおける各基本規格住戸の専有部分の面積に対して、差分面積を均等に配分し加算する。情報処理装置1は、建物の各階において上述した差分面積の配分と加算を行うことにより、仮第2建物プランにおける各階の各基本住戸の専有部分面積を決定する。また情報処理装置1、各階の面積セットにおける共用部分面積により、仮第2建物プランにおける各階の共用部分面積を決定する。
【0085】
情報処理装置1は、ステップST205において生成した仮第2建物プランに基づいて、建物内の基本住戸の戸数と特定住戸の戸数との組み合わせである住戸数セットを決定する(ST310)。
【0086】
ここで、仮第2建物プランにおける建物の総戸数を「第1仮総戸数」と呼び、仮第2建物プランにおいて容積率の要件の対象となる延べ床面積を「第1仮延べ床面積」と呼ぶ。情報処理装置1は、ステップST305において生成した仮第2建物プランにより算出される第1仮総戸数と第1仮延べ床面積との少なくとも一方に基づいて、建物内の特定住戸の戸数が住戸規制の要件を満たす最小の戸数となり、かつ、建物の延べ床面積が第1仮延べ床面積に近づくように、住戸数セット(基本住戸の戸数と特定住戸の戸数との組み合わせ)を決定する。
【0087】
例えば情報処理装置1は、第1仮総戸数及び第1仮延べ床面積の少なくとも一方に基づいて、住戸規制が定める特定住戸の要件(特定住戸の戸数の要件、延べ床面積に対する特定住戸の面積割合の要件等)を満たしているか判定する。情報処理装置1は、住戸規制の要件を満たしていないと判定した場合、建物の延べ床面積が第1仮延べ床面積を超えない最大の面積となる基本規格住戸の戸数と特定規格住戸の戸数との組み合わせ(以下、「仮住戸数セット」と呼ぶ)を特定する。例えば情報処理装置1は、特定規格住戸の戸数を変更しながら(例えば1住戸ずつ増やしながら)、仮住戸数セットを特定する処理、及び、特定した仮住戸数セットが住戸規制の要件を満たすか判定する処理を繰り返す。情報処理装置1は、この処理の繰り返しにより、建物内の特定規格住戸の戸数が住戸規制の要件を満たす最小の戸数となる仮住戸数セットを探索し、探索により見つかった仮住戸数セットを最終的な住戸数セットとして決定する。
【0088】
情報処理装置1は、ステップST310において決定した住戸数セットに基づいて、共用部分規制の要件を満たす1階共用部分(管理人室、駐輪場等)の面積を決定する。例えば情報処理装置1は、住戸数セットが示す建物の総戸数(基本住戸の戸数+特定住戸の戸数)に基づいて共用部分規制の要件を満たす最小の1階共用部分面積を決定する(ST315)。
【0089】
情報処理装置1は、ステップST110(
図3)で生成した第1建物プランと、ステップST315で決定した1階共用部分の面積とに基づいて、建物内の特定住戸の戸数が当該住戸数セットにおいて定める特定住戸の戸数となるように、1階共用部分の面積が含まれた第2建物プランを生成する(ST320)。
【0090】
例えば情報処理装置1は、住戸数セットにおいて定める特定住戸を、所定の配分パターンに従って建物の各階へ均等に(各階における特定住戸の戸数のばらつきが1以下となるように)配分する。特定住戸の配分パターンには、複数のパターン(上階側から優先的に特定住戸を配分するパターン、下階側から優先的に特定住戸を配分するパターン等)が設定されていてもよく、その場合、情報処理装置1は、複数の配分パターンの各々について第2建物プランを生成してよい。
【0091】
情報処理装置1は、配分パターンに従って建物の各階の特定住戸の戸数が決まると、ステップST110(
図3)で生成した第1建物プランが定める床面積を超えない最大の規格床面積を示す面積セットを、建物の各階について決定する。ここで情報処理装置1は、1つの階について面積セットを決定する場合、当該1つの階について決定した特定住戸の戸数に対応する特定規格住戸の専有部分の面積が含まれるように面積セットを決定する。
【0092】
情報処理装置1は、ステップST100において取得した特殊規制の情報に適合する特殊規制情報が含まれた面積情報(
図2)を面積情報DB23から読み出し、この面積情報を用いて、面積セットを生成する。情報処理装置1は、1つの階について面積セットを決定する場合、当該1つの階について所定の配分パターンに従って決定した特定住戸の戸数に対応する特定規格住戸の専有部分の面積が含まれた面積セットを生成する。例えば情報処理装置1は、所定の配分パターンに従って決定した特定住戸の戸数に対応する専有部分の面積を含みつつ、基本規格住戸の戸数が異なる複数の面積セットを生成する。情報処理装置1は、生成した複数の面積セットの規格床面積と、第1建物プランで定められた当該1つの階の床面積とをそれぞれ比較することにより、複数の面積セットの中から、第1建物プランで定められた床面積を超えない最大の規格床面積を示す面積セットを決定する。
【0093】
なお情報処理装置1は、面積情報(
図2)の第1共用部分情報及び第2共用部分情報を用いて面積セットの共用部分の面積を取得する場合、ステップST305(
図8)において生成した仮第2建物プランが示す第1仮総戸数及び第1仮延べ床面積を用いて共用部分の面積を算出してもよい。すなわち情報処理装置1は、第1共用部分情報及び第2共用部分情報(
図2)に含まれる面積の計算式のパラメータとして、仮第2建物プランが示す第1仮総戸数及び第1仮延べ床面積を用いることにより、第1共用部分及び第2共用部分の面積を算出してもよい。
【0094】
また情報処理装置1は、建物の1階については、ステップST315(
図8)で決定した1階共用部分の面積を含むように面積セットを決定する。すなわち情報処理装置1は、建物の1階については、所定の配分パターンに従って決定した1階の特定住戸の戸数に対応する特定規格住戸の専有部分の面積を含み、ステップST315(
図7)で決定した1階共用部分の面積を含み、かつ、第1建物プランで定められた1階の床面積を超えない最大の規格床面積を示すように、基本規格住戸の戸数が調整された面積セットを決定する。
【0095】
情報処理装置1は、建物の1つの階について面積セットを決定すると、この決定した面積セットが示す規格床面積と、ステップST110(
図3)で生成した第1建物プランが定める当該1つの階の床面積との差を、当該1つの階の差分面積として算出する。
【0096】
情報処理装置1は、建物の各階について差分面積を算出すると、各階の差分面積が住戸の専有部分の面積であるとみなした場合における建物の延べ床面積(以下、「第2仮延べ床面積」と呼ぶ。)を算出する。すなわち情報処理装置1は、建物の各階について決定した面積セットから求められる建物の延べ床面積と、建物の各階について算出した差分面積との和を、第2仮延べ床面積として算出する。
【0097】
また情報処理装置1は、建物の各階について決定した面積セットが示す各階の住戸数に基づいて、建物の総戸数(以下、「第2仮総戸数」と呼ぶ。)を算出する。
【0098】
情報処理装置1は、この第2仮延べ床面積と第2仮総戸数の少なくとも一方に基づいて、共用部分規制の要件を満たす各階の共用部分の面積を再決定する。例えば、情報処理装置1は、面積情報(
図2)の第1共用部分情報及び第2共用部分情報に含まれる面積の計算式のパラメータとして、第2仮延べ床面積及び第2仮総戸数を用いることにより、第1共用部分及び第2共用部分の面積を再計算する。特に情報処理装置1は、建物の1階については、面積情報の第2共用部分情報に含まれる1階共用部分の計算式のパラメータとして第2仮総戸数を用いることにより、1階共用部分の面積を再計算する。
【0099】
第2仮延べ床面積は第1仮延べ床面積以下であり、また、第2仮総戸数は第1仮総戸数以下である。そのため、第2仮延べ床面積、第2仮総戸数に基づいて再計算される共用部分の面積は、第1仮延べ床面積、第1仮総戸数に基づいて計算された共用部分の面積以下となる。再計算により共用部分の面積が小さくなる場合、その減少分の面積は、住戸の専有部分の面積に組み入れることが可能となる。
【0100】
そこで、情報処理装置1は、第2仮延べ床面積、第2仮総戸数に基づいて再決定した各階の共用部分の面積と、ステップST110(
図3)で生成した第1建物プランが定める各階の床面積と、建物の各階について決定した面積セットとに基づいて、建物の各住戸における専有部分の面積を決定する。すなわち情報処理装置1は、1つの階について再決定した共用部分の面積を含むように、当該1つの階について決定した面積セットを更新し、更新した面積セットが示す当該1つの階の規格床面積と、第1建物プランが定める当該1つの階の床面積との差を、当該1つの階の差分面積として算出する。情報処理装置1は、当該1つの階について算出した差分面積を、当該1つの階における住戸の専有部分の面積に組み入れる。例えば情報処理装置1は、当該1つの階の面積セットにおける各規格住戸の専有部分の面積に対して、差分面積を均等に配分して加算する。情報処理装置1は、建物の各階において上述した差分面積の配分と加算を行うことにより、第2建物プランにおける各階の各基本住戸の専有部分面積を決定する。
【0101】
情報処理装置1は、ステップST320における上述した処理によって、1階共用部分の面積を含んだ第2建物プランを決定する。なお、情報処理装置1は、建物の各階に特定住戸を配分する複数の配分パターンの各々について第2建物プランを決定した場合、決定した複数の第2建物プランの中から、建物の総戸数が最も多くなる第2建物プランを選択してよい。
【0102】
このように、第2建物プランを生成する上述した処理によれば、第1建物プランに基づいて、全ての住戸が基本住戸であると仮定した場合の仮第2建物プランが生成され、この仮第2建物プランにより算出される第1仮総戸数及び第1仮延べ床面積の少なくとも一方に基づいて、建物内の特定住戸の戸数が住戸規制の要件を満たす最小の戸数となり、かつ、延べ床面積が第1仮延べ床面積に近づくように、住戸数セット(特定住戸の戸数と基本住戸の戸数との組み合わせ)が決定される。住戸数セットが決定されると、共用部分規制の要件を満たす1階共用部分の面積が住戸数セットに基づいて決定される。更に、この住戸数セットと1階共用部分面積とに基づいて、建物内の特定住戸の戸数が当該住戸数セットにおいて定める特定住戸の戸数となるように、1階共用部分の面積が含まれた第2建物プランが生成される。すなわち、建物内における特定住戸の戸数の目安、及び、1階共用部分の面積の目安を得た上で、これらの目安に基づいて、第1建物プランに応じた第2建物プランを生成すること可能となる。
【0103】
また、第2建物プランを生成する上述した処理によれば、仮第2建物プランにより決定された住戸数セットと1階共用部分の面積とに基づいて、各階の面積セット(1階については1階共用部分の面積を含む面積セット)が決定される。各階の面積セットが決定されると、これらの面積セットにより算出される第2仮総戸数と第2仮延べ床面積との少なくとも一方に基づいて、各階の共用部分の面積が再決定される。そして、再決定された共用部分の面積に基づいて、各住戸の専有面積が決定される。これにより、主として延べ床面積と総戸数が変化することに起因して共用部分規制の要件が変化しても、この要件を満たしつつ総戸数が多くなるように第2建物プランを生成することができる。
【0104】
ST120:
図3に戻る。
情報処理装置1は、ステップST110において生成された第1建物プラン若しくはステップST115において生成された第2建物プランに応じて採光規制の要件が定まると、次に述べる標準住戸711(
図9A)の窓714と敷地の境界線との距離であって、採光距離の要件を満たした最小の距離である採光距離を算出する。
【0105】
図9Aは、標準住戸ブロックの一例を示す図である。
図9Aに示す標準住戸ブロック71は、標準住戸711と、廊下712と、バルコニー713を含んだ建物要素であり、平面視において矩形の形状を持つ。
標準住戸711は、平面視において矩形の形状を持つ基本規格住戸である。標準住戸711の専有部分は、基本規格住戸に該当する所定の最小面積を有する。標準住戸711の矩形の形状における1つの辺には、所定のサイズの窓714が設けられている。
廊下712は、標準住戸711が持つ矩形形状において窓714が設けられた辺と対向する辺に面している。
バルコニー713は、標準住戸711が持つ矩形形状において窓714が設けられた辺に面している。
【0106】
例えば情報処理装置1は、第1建物プラン(ST110)若しくは第2建物プラン(ST115)において得られる建物の高さと、標準住戸711の面積(所定の最小面積)と、窓714の所定の面積とに基づいて、建物の1階における標準住戸711の窓714が採光規制の要件を満たすために必要な敷地境界線までの距離を、採光距離として算出する。この場合、採光距離を算出するために用いられる建物の高さは、第1建物プラン(ST110)において得られる高さでもよいし、第2建物プラン(ST115)において得られる高さでもよいし、それらの高さの中間に含まれる高さでもよい。
【0107】
なお、採光規制における採光規制に関わる要件(窓から敷地の境界線までの水平距離)は、敷地の境界線に接する敷地外の領域の地理的属性に応じて異なる。すなわち、敷地の境界線に接する敷地外の領域が道路や公園、河川等の場合、当該領域が敷地である場合に比べて、窓から敷地の境界線までの水平距離の要件が緩和される。従って、情報処理装置1は、ステップST100(
図3)において取得した敷地周辺の領域の地理的属性に関する情報に基づいて、敷地の境界線の各部分に接する敷地外の領域の地理的属性を特定し、特定した地理的属性に応じて、境界線の部分ごとに採光距離を算出する。
【0108】
情報処理装置1は、ステップST120において敷地の境界線の部分ごとに算出した採光距離を、後述する住戸配置処理(ST140)における住戸の配置条件を定めるために用いる。
【0109】
ST125:
情報処理装置1は、ステップST110において生成された第1建物プラン若しくはステップST115において生成された第2建物プランに応じて外壁後退規制の要件が定まると、建物の外壁と敷地の境界線との距離であって、外壁後退規制の要件を満たした最小の距離である外壁後退距離を算出する。
【0110】
例えば建物の高さに応じて外壁後退規制の要件が定まる場合、情報処理装置1は、第1建物プラン(ST110)において得られる建物の高さ、第2建物プラン(ST115)において得られる建物の高さ、若しくは、それらの高さの中間に含まれる建物の高さに基づいて、外壁後退規制の要件を特定し、特定した外壁後退規制の要件を満たした外壁後退距離を算出する。
【0111】
ST130、ST135:
情報処理装置1は、ステップST105において決定された建築範囲に対応する建物の外壁において、敷地の境界線との距離が外壁後退距離より短くなっている部分があるか判定する(ST130)。建物の外壁において外壁後退距離よりも敷地の境界線に近接している部分がある場合(ST130のYes)、情報処理装置1は、当該部分と敷地の境界線との距離が外壁後退距離以上となるように変形された建物の外形に対応する、変形された施工可能領域を特定する(ST135)。
【0112】
図10A及び
図10Bは、外壁後退規制に従って施工可能領域を変更する例を示す図である。
図10Aの例において、敷地4の境界線40の内側には、ステップST105において決定された建築範囲に基づく建物の外形が二重線で表されており、その建物の内部には、ステップST110において生成された第1建物プランに基づく施工可能領域A11~A13が表されている。二重線における内側の線で囲まれた領域が施工可能領域A11~A13を示し、二重線における外側の線が建物の外形を示す。
図10Aに示す建物には、3種類の形状の施工可能領域A11~A13が含まれる。
【0113】
この例において、外壁後退規制は、境界線40に接した領域が敷地である場合において、その境界線40から建物の外壁までの距離を定めている。境界線40に接する領域が道路の場合、外壁後退規制は外壁後退距離を定めていない。境界線40に接する領域が道路の場合における道路から建物までの距離は、建物のプランに依存しない通常規制において、セットバック距離として定められている。ステップST105の建築範囲は、通常規制のセットバック距離の要件を満たすように決定されている。
図10A及び
図10Bに示す外壁後退距離Lbは、隣の敷地に接した境界線40から建物の外壁までの外壁後退距離(ST125)を示す。
【0114】
図10Aに示す建物の外形の一部(隣の敷地に面した部分)は、ステップST125において算出した外壁後退距離Lbよりも境界線40に近接している。この場合、外壁後退距離Lbよりも境界線40に近接している建物の外壁が、
図10Bに示すように、境界線40との距離が外壁後退距離Lbと等しくなる位置まで後退するように、建物の外形が変形される。そして、この変形された建物の外形と対応するように、建物内の施工可能領域も変形される。
図10Bの例では、最も範囲の広い施工可能領域A11が施工可能領域A11’に変形されている。
【0115】
情報処理装置1は、ステップST135において変形された施工可能領域を特定した場合、この特定した施工可能領域の内側で、後述する住戸配置処理(ST140)における住戸の配置を行う。
【0116】
ST140:
図3に戻る
情報処理装置1は、第1建物プラン(ST110)において得られた建物の各階の施工可能領域に1以上の住戸ブロック群(
図9B)を配置する。
【0117】
図9Bは、住戸ブロック群の一例を示す図である。住戸ブロック群は、1つ又は複数の標準住戸ブロック71の集まりである。
図9Bに示す住戸ブロック群Gは8つの標準住戸ブロック71からなる。住戸ブロック群Gに含まれる複数の標準住戸ブロック71において、複数の標準住戸711が隣接するとともに、当該複数の標準住戸711に面する廊下712が直線状に繋がっている。住戸ブロック群Gは、
図9Bに示すように、平面視において矩形の形状を持つ。住戸ブロック群Gの矩形形状は、窓714側の第1辺S1と、第1辺S1に対向する廊下712側の第2辺S2と、第1辺S1及び第2辺S2に垂直な2つの第3辺S3とからなる。
【0118】
なお、上述したステップST135において変形された施工可能領域を特定した場合、情報処理装置1は、この特定した施工可能領域の内側に住戸ブロック群を配置する。
【0119】
情報処理装置1は、1つの施工可能領域に標準住戸ブロック71を配置する場合、当該1つの施工可能領域において1以上の住戸ブロック群を配置可能な隙間を探索し、当該探索より見つかった隙間へ所定の配置条件を満たすように当該1以上の住戸ブロック群を配置する処理を反復する。この所定の配置条件は、少なくとも次の条件を含む。
・建物が建築される敷地の境界線に標準住戸711の窓714が面していること
・1つの施工可能領域に2以上の住戸ブロック群Gを含む場合、当該2以上の住戸ブロック群Gの廊下712が繋がっていること
【0120】
この住戸配置処理では、廊下712が直線状に繋がった1以上の標準住戸ブロック71からなる住戸ブロック群Gが、建物の基本的な要素として住戸の配置に用いられる。そのため、様々な形状の施工可能領域に対して、標準住戸ブロック71が密に配置された住戸数の多い建物のプランを自動的に生成できる。また、住戸ブロック群Gが単純な矩形の形状を有するため、施工可能領域において住戸ブロック群Gの配置が可能な隙間を比較的単純な処理で探索することができる。しかも、住戸ブロック群Gの配置が可能な隙間を探索して配置する処理が繰り返されることで、住戸数の多い建物のプランが得られ易くなる。また、上述した所定の配置条件を満たすように住戸ブロック群Gが配置されるため、窓714が敷地の境界線に面しているとともに、建物の各階において廊下712が繋がっている現実的な建物のプランを生成できる。
【0121】
なお情報処理装置1は、ステップST105において決定した建築範囲が定める敷地の境界線と建物との距離に比べて、ステップST120において算出した採光距離が大きい場合、所定の配置条件として採光距離の条件を更に満たすように住戸ブロック群Gを配置する。すなわち情報処理装置1は、標準住戸711の窓714が、ステップST120において算出した採光距離以上、敷地の境界線から離れるように住戸ブロック群Gを配置する。
【0122】
また情報処理装置1は、建物が建築される敷地の所在地において窓先空地規制が適用される場合、窓先空地規制の要件を更に満たすように住戸ブロック群Gを配置する。
【0123】
窓先空地規制では、道路を含む所定の地理的属性の領域に直接面していない住戸の窓の窓先空地が持つべき必要空地幅が規定される。情報処理装置1は、この必要空地幅が確保されるように住戸ブロック群Gを配置する。すなわち情報処理装置1は、敷地の境界線の各部分に接する敷地外の領域の地理的属性に関する情報(ステップST100において取得した情報)に基づいて、住戸ブロック群Gに含まれる標準住戸711の窓714が境界線を介して所定の地理的属性の領域(道路等)に直接面しているか判定する。一の住戸ブロック群Gに含まれる標準住戸711の窓714が所定の地理的属性の領域(道路等)に直接面していない場合、情報処理装置1は、窓先空地規制において規定された必要空地幅以上の窓先空地が確保されるように、当該一の住戸ブロック群の配置範囲を制限する(敷地の境界線に近づけないようにする)。
【0124】
窓先空地規制の中には、所定の地理的属性の領域(道路等)に直接面する窓を持たない住戸(窓先空地対象住戸)の面積の総和(窓先空地対象住戸面積)が大きくなるほど、窓先空地対象住戸の窓に面する窓先空地が持つべき必要空地幅が大きくなるように、複数段階の必要空地幅を規定しているものがある。このような窓先空地規制が適用される場合、情報処理装置1は、住戸ブロック群Gの配置の状況に応じて必要空地幅の要件を緩和してもよい。例えば情報処理装置1は、一の住戸ブロック群Gに含まれる標準住戸711が窓先空地対象住戸である場合、原則として、窓先空地規制において規定された最大の必要空地幅以上の窓先空地を確保するように、当該一の住戸ブロック群Gの配置範囲を制限する。しかしながら、当該最大の必要空地幅の窓先空地を確保するために当該一の住戸ブロック群Gの配置範囲を制限すると、施工可能領域に当該一の住戸ブロック群を配置できない場合(例えば1つの標準住戸ブロック71からなる最小の住戸ブロック群Gを配置できない場合)、情報処理装置1は、施工可能領域に当該一の住戸ブロック群Gを配置できるようになるまで、確保する窓先空地の必要空地幅を段階的に小さくする。なお情報処理装置1は、必要空地幅を最大値より小さくした場合、後述するステップST180において窓先空地規制の要件を満たさなければ、窓先空地規制の要件を満たす窓先空地対象住戸面積になるように、窓先空地対象住戸を削減する(ST185)。
【0125】
図11は、住戸配置処理によって施工可能領域Aに住戸ブロック群Gを配置した例を示す図である。
図11の例では、施工可能領域A内に3つの住戸ブロック群Gが配置されている。3つの住戸ブロック群Gは、それぞれの廊下712が繋がるように配置されている。
図11において斜線のハッチングを施された範囲は、住戸ブロック群Gの窓714側に設定され窓側規制範囲Bを示す。採光規制及び窓先空地規制の要件を満たすためには、この窓側規制範囲Bが敷地4の境界線40より内側に含まれている必要がある。3つの住戸ブロック群Gのうち、隣の敷地に接する境界線40に面した窓714を持った2つの住戸ブロック群Gは、施工可能領域A内において、窓側規制範囲Bが境界線40の内側に含まれる場所に配置されている。
【0126】
図12Aは、住戸配置処理(ST140:
図3)の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST400は、本発明の第1住戸ブロック群決定工程の一例である。
ステップST405は、本発明の第2住戸ブロック群決定工程の一例である。
ステップST420は、本発明の階段配置工程の一例である。
【0127】
まず、以下の住戸配置処理の説明で使用される用語について説明する。
「主住戸ブロック群」「副住戸ブロック群」:
互いの廊下712が垂直に繋がった2つの住戸ブロック群Gの一方を主住戸ブロック群と呼び、他方を副住戸ブロック群と呼ぶ。
図13Bは、主住戸ブロック群Gmと副住戸ブロック群Gsの例を示す。
図13Bに示すように、主住戸ブロック群Gmと副住戸ブロック群Gsは、互いの廊下712が垂直に繋がっている。また副住戸ブロック群Gsの第3辺S3と、主住戸ブロック群Gmの第2辺S2とが接する。
【0128】
情報処理装置1は、1つの施工可能領域に標準住戸711を配置する場合、当該1つの施工可能領域において互いの廊下712が垂直に繋がった2つの住戸ブロック群Gを、それぞれ第1住戸ブロック群G11m、G11sとして決定する(ST400)。第1住戸ブロック群G11mは主住戸ブロック群、第1住戸ブロック群G11sは副住戸ブロック群である。このとき、情報処理装置1は、第1住戸ブロック群G11m、G11sにおける第2辺S2(廊下712側の辺)の長さの和が最大へ近づくように、平面視における第1住戸ブロック群G11m、G11sの位置、延伸方向、長さ及び窓714の向きをそれぞれ選択する。
【0129】
例えば情報処理装置1は、第1住戸ブロック群G11m、G11sの延伸方向を選択するために、施工可能領域に内接する面積が最大の矩形を利用する。すなわち情報処理装置1は、施工可能領域に内接する面積が最大の矩形(長方形又は正方形)を特定し、この矩形の直交する2辺の延伸方向を、第1住戸ブロック群G11m、G11sの第2辺S2の延伸方向として選択する。
【0130】
図13Aは、敷地4の施工可能領域A1に内接する面積最大の矩形Rmの例を示す。矩形Rmの直交する2辺は、図の左右方向(X方向)と上下方向(Y方向)に伸びている。以下、敷地4を表した図において、右方向をX1方向、左方向をX2方向、上方向をY1方向、下方向をY2方向と呼ぶ。情報処理装置1は、
図13Aに示す面積最大の矩形Rmを特定した場合、矩形Rmの直交する2辺が伸びるX方向とY方向を、第1住戸ブロック群G11m、G11sの第2辺S2の延伸方向として選択する
【0131】
図14A、
図14B、
図15A、
図15Bは、第2辺S2の長さの和が最大となる主住戸ブロック群Gm及び副住戸ブロック群Gsを探索する方法の例を示す図である。面積最大の矩形Rm(
図13A)に基づいて第1住戸ブロック群G11m、G11sの第2辺S2の延伸方向を選択した場合、主住戸ブロック群Gmの延伸方向と窓714の向きとの組み合わせには4つのパターンが存在する。すなわち、主住戸ブロック群Gmの第2辺S2がX方向に伸び、かつ、窓714がY2側を向く
図14Aのパターンと、主住戸ブロック群Gmの第2辺S2がY方向に伸び、かつ、窓714がX2側を向く
図14Bのパターンと、主住戸ブロック群Gmの第2辺S2がX方向に伸び、かつ、窓714がY1側を向く
図15Aのパターンと、主住戸ブロック群Gmの第2辺S2がY方向に伸び、かつ、窓714がX1側を向く
図15Bのパターンとが存在する。情報処理装置1は、4つのパターンの各々について、第2辺S2の長さの和が最大となる主住戸ブロック群Gm及び副住戸ブロック群Gsを探索する。
【0132】
例えば情報処理装置1は、主住戸ブロック群Gmの延伸方向と窓714の向きが1つのパターンに該当するとき、当該1つのパターンにおいて、窓側規制範囲Bが境界線40より内側にあり、かつ、施工可能領域の内部に含まれる主住戸ブロック群Gmの複数の位置を特定する。情報処理装置1は、特定した複数の位置の各々について、第2辺S2の長さが最大となる主住戸ブロック群Gmを特定する。また情報処理装置1は、複数の位置について特定した複数の主住戸ブロック群Gmの各々について、廊下712が主住戸ブロック群Gmと垂直に繋がり、窓側規制範囲Bが境界線40より内側にあり、かつ、施工可能領域の内部に含まれる副住戸ブロック群Gsの複数の位置を特定する。情報処理装置1は、特定した複数の位置の各々について、第2辺S2の長さが最大となる副住戸ブロック群Gsを特定し、当該副住戸ブロック群Gsの第2辺S2の長さと、当該副住戸ブロック群Gsに繋がる主住戸ブロック群Gmの第2辺S2の長さとの和を算出する。情報処理装置1は、主住戸ブロック群Gm及び副住戸ブロック群Gsの第2辺S2の長さの和を算出する代わりに、主住戸ブロック群Gm及び副住戸ブロック群Gsに含まれる標準住戸ブロック71の個数の和を算出してもよい。情報処理装置1は、4つのパターンの各々について特定した主住戸ブロック群Gm及び副住戸ブロック群Gsの複数の組み合わせから、第2辺S2の長さの和(標準住戸ブロック71の個数の和)が最大となる主住戸ブロック群Gm及び副住戸ブロック群Gsの組み合わせを、第1住戸ブロック群G11m、G11sとして決定する。
【0133】
なお、第1住戸ブロック群G11m、G11sを決定するステップST400の処理では、主住戸ブロック群Gmの第2辺S2の長さと副住戸ブロック群Gsの第2辺S2の長さとの和が同一の状態で、副住戸ブロック群Gsが異なる位置をとり得る場合がある。この場合、情報処理装置1は、副住戸ブロック群Gsの第1辺S1(窓714側の辺)と敷地4の境界線40との距離が最も近くなる副住戸ブロック群Gsの位置を、第1住戸ブロック群G11sの位置として選択する。これにより、第1住戸ブロック群G11sの第2辺S2(廊下712側の辺)と敷地4の境界線40との距離が大きくなるため、第1住戸ブロック群G11m、G11sの廊下712に繋がる住戸ブロック群G(後述する第2住戸ブロック群G12)に対して広いスペースを確保できる。
【0134】
図16Aは、第2辺S2の長さの和が最大となる第1住戸ブロック群G11m、G11sの例を示す図である。
図16Aの例では、
図14Aに示すパターンにおいて探索された主住戸ブロック群Gm及び副住戸ブロック群Gsの組み合わせの中から、第1住戸ブロック群G11m、G11sが決定される。
【0135】
図12Aに戻る。
情報処理装置1は、ステップST400において第1住戸ブロック群G11m、G11sを決定すると、決定した第1住戸ブロック群G11m及びG11sの一方の廊下712と垂直に繋がる廊下712を持った住戸ブロック群Gであって、施工可能領域の内側で最も第2辺S2が長い住戸ブロック群Gを、第2住戸ブロック群G12として決定する(ST405)。
【0136】
図16Bは、長さが最大となる第2住戸ブロック群G12を探索する方法の例を示す図である。例えば情報処理装置1は、廊下712が第1住戸ブロック群G11mと垂直に繋がり、窓側規制範囲Bが境界線40より内側にあり、かつ、施工可能領域の内部に含まれる住戸ブロック群Gの複数の位置を特定し、特定した複数の位置の各々について、第2辺S2の長さが最大となる住戸ブロック群Gを特定する。また情報処理装置1は、廊下712が第1住戸ブロック群G11sと垂直に繋がり、窓側規制範囲Bが境界線40より内側にあり、かつ、施工可能領域の内部に含まれる住戸ブロック群Gの複数の位置を特定し、特定した複数の位置の各々について、第2辺S2の長さが最大となる住戸ブロック群Gを特定する。そして情報処理装置1は、第1住戸ブロック群G11m及びG11sの各々について特定した複数の住戸ブロック群Gの中から、最も第2辺S2の長い住戸ブロック群Gを第2住戸ブロック群G12として決定する。最も第2辺S2の長い住戸ブロック群Gが2以上ある場合、情報処理装置1は、この2以上の住戸ブロック群Gの中から、第1辺S1(窓714側の辺)と敷地4の境界線40との距離が最も近い住戸ブロック群Gを第2住戸ブロック群G12として決定する。
【0137】
図12Aに戻る。
情報処理装置1は、ステップST405において第2住戸ブロック群G12を決定すると、複数の住戸ブロック群G(G11m、G11s、G12)が配置された施工可能領域の隙間へ、住戸ブロック群Gの廊下712と接するように、階段を含んだ所定の建物要素(階段ブロック)を配置する(ST420)。
【0138】
図18A~
図18Cは、それぞれ階段ブロックの例を示す。
図18A~
図18Cに示す階段ブロック73A~73Cは、平面視において所定の形状(図の例では矩形形状)を持ち、所定の形態の階段を含む。
図18Dは、エレベータを含んだエレベータブロックの例を示す。
図18Dに示すエレベータブロック73Dは、平面視において所定の形状(図の例では矩形形状)を持ち、所定の形態のエレベータを含む。
【0139】
情報処理装置1は、ステップST420において、複数の住戸ブロック群G(G11m、G11s、G12)が配置された施工可能領域の隙間であって、かつ、住戸ブロック群Gの廊下712に面した範囲を特定し、特定した範囲に階段ブロック73A~73Cを配置できる場所があるか探索する。この場合、例えば情報処理装置1は、3種類の階段ブロック73A~73Cに予め与えられた優先順位に従って、優先順位の高い階段ブロックから順番に、階段ブロックを配置可能な場所を探索する。情報処理装置1は、階段ブロックを配置可能な場所が見つかった場合、この見つかった場所において、所定の配置規則に従って階段ブロックを配置する位置を決定する。この配置規則は、例えば、2つの住戸ブロック群Gの廊下712が垂直に交わる場所に近い位置へ優先的に階段ブロックを配置させるものでもよい。
【0140】
情報処理装置1は、ステップST420において配置する階段ブロック(73A~73D)の数を、例えば第2建物プラン(ST115)により得られた建物の階段の数に基づいて決定する。
【0141】
また情報処理装置1は、ステップST420において、階段ブロック(73A~73D)とともにエレベータブロック73Dを配置する。エレベータブロック73Dの配置の方法は、階段ブロック(73A~73D)と同じである。情報処理装置1は、ステップST420において配置するエレベータブロック73Dの数を、例えば第2建物プラン(ST115)により得られた建物のエレベータの数に基づいて決定する。
【0142】
なお情報処理装置1は、第2建物プラン(ST115)等に基づいて予め決定された数の階段ブロック(73A~73C)やエレベータブロック73Dを施工可能領域の隙間に配置できない場合、既に配置された住戸ブロック群Gにおける1以上の標準住戸ブロック71を、階段やエレベータの配置場所に置き換える。
【0143】
図18Eは、階段とエレベータを含んだ階段・エレベータブロック73Eの一例を示す図である。階段・エレベータブロック73Eは、平面視において標準住戸ブロック71と同一の形状を持ち、階段とエレベータをそれぞれ含む。情報処理装置1は、1つの標準住戸ブロック71を階段及びエレベータの配置場所に置き換える場合、既存の標準住戸ブロック71を例えば
図18Eに示す階段・エレベータブロック73Eに置き換える。
【0144】
図17は、複数の住戸ブロック群G(G11m、G11s、G12)が配置された施工可能領域A1の隙間に2つの階段ブロック73Aと2つのエレベータブロック73Dが配置された例を示す。この例に示すように、情報処理装置1は、階段ブロックとエレベータブロックとを隣接させたもの(
図17の例では階段ブロック73Aとエレベータブロック73Dを隣接させたもの)を1つのブロック(階段・エレベータブロック)とみなして、この階段・エレベータブロックを住戸ブロック群Gの廊下712と接するように配置してもよい。
【0145】
上述した
図12Aに示す住戸配置処理では、施工可能領域に3つの住戸ブロック群G(G11m、G11s、G12)が配置されるが、住戸配置処理の他の例において、施工可能領域に4つの住戸ブロック群Gが配置されてもよい。
【0146】
図12Bは、住戸配置処理(ST140:
図3)の一変形例を説明するためのフローチャートである。
図12Bに示すフローチャートは、
図12Aに示すフローチャートにステップST410及びST415を追加したものであり、他のステップは
図12に示すフローチャートと同じである。
ステップST415は、本発明の第3住戸ブロック群決定工程の一例である。
【0147】
情報処理装置1は、ステップST405において施工可能領域の隙間に第2住戸ブロック群G12を配置することができた場合(ST410のYes)、2つの第1住戸ブロック群(G11m、G11s)のうち第2住戸ブロック群G12と接していない他方の1住戸ブロック群の廊下712と垂直に繋がる廊下712を持った住戸ブロック群Gであって、施工可能領域の内側で最も第2辺S2の長い住戸ブロック群Gを、第3住戸ブロック群G13として決定する(ST415)。
【0148】
例えば情報処理装置1は、廊下712が他方の第1住戸ブロック群(第2住戸ブロック群G12と接していない方の第1ブロック群)と垂直に繋がり、窓側規制範囲Bが境界線40より内側にあり、かつ、施工可能領域の内部に含まれる住戸ブロック群Gの複数の位置を特定し、特定した複数の位置の各々について、第2辺S2の長さが最大となる住戸ブロック群Gを特定する。情報処理装置1は、特定した複数の住戸ブロック群Gの中から、最も第2辺S2の長い住戸ブロック群Gを第3住戸ブロック群G13として決定する。最も第2辺S2の長い住戸ブロック群Gが2以上ある場合、情報処理装置1は、この2以上の住戸ブロック群Gの中から、第1辺S1(窓714側の辺)と敷地4の境界線40との距離が最も近い住戸ブロック群Gを第3住戸ブロック群G13として決定する。
【0149】
なお情報処理装置1は、決定した第3住戸ブロック群G13と第2住戸ブロック群G12との間に隙間がある場合、この隙間が埋まるように第3住戸ブロック群G13の第2辺S2の長さを伸ばしてもよい。例えば情報処理装置1は、決定した第3住戸ブロック群G13に含まれる各標準住戸ブロック71の第2辺S2に平行な方向の長さをそれぞれ均等に伸ばすことにより、第3住戸ブロック群G13の第2辺S2の長さを伸ばしてもよい。これにより、4つの住戸ブロック群(G11m、G11s、G12、G13)の廊下712を回廊状に繋げることができる。
【0150】
図19Aは、長さが最大となるように決定した第3住戸ブロック群G13の例を示す図である。
図19Bは、
図19Aに示す施工可能領域A1の隙間に階段ブロック73A及びエレベータブロック73Dを配置する例を示す図である。
図12Bに示す変形例の住戸配置処理によれば、施工可能領域に配置する標準住戸711の戸数を更に増やすことができる。
【0151】
次に、複数の階の施工可能領域にそれぞれ住戸ブロック群Gを配置する処理について説明する。全ての階の施工可能領域が平面視において同一の形状を持つ場合、情報処理装置1は、全ての階の施工可能領域に同一のレイアウトで同一の建物要素(住戸ブロック群G、階段ブロック、エレベータブロック等)を配置する。この場合、情報処理装置1は、建物の1つの階について上述した住戸配置処理(
図12A、
図12B)を行えばよい。他方、複数種類の異なる形状の施工可能領域が建物に含まれる場合、情報処理装置1は、各形状の施工可能領域について住戸ブロック群Gのレイアウトを決定する。
【0152】
図20は、複数種類の異なる形状の施工可能領域が建物に含まれる場合の住戸配置処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST505は、本発明の主配置工程の一例である。
ステップST525は、本発明の上階配置工程の一例である。
ステップST545は、本発明の下階配置工程の一例である。
【0153】
まず、以下の住戸配置処理の説明で使用される用語について説明する。
「床形状」:
床形状は、平面視における施工可能領域の形状である。
【0154】
「第1床形状」:
第1床形状は、建物の1階の床形状である。
【0155】
「第i床形状」「第(i+1)床形状」:
第i床形状(iは1以上の整数を示す。)の階より上の階において第i床形状と異なる床形状を、第(i+1)床形状と呼ぶ。平面視において、第(i+1)床形状は第i床形状の内側に含まれる。
【0156】
建物に複数の床形状の施工可能領域がある場合、情報処理装置1は、個々の床形状についてステップST505の住戸配置処理を行う(ST500、ST505、ST555、ST560)。例えば、建物に3つの床形状の施工可能領域がある場合、情報処理装置1は、第1床形状~第3床形状の各々についてステップST505の住戸配置処理を行う。
【0157】
なお情報処理装置1は、複数の床形状に対応した複数の住戸配置処理を行うことにより複数の住戸配置結果を得た場合、複数の住戸配置結果の各々について後述するステップST145以降の処理を行い、複数の住戸配置結果に対応した複数の建物プランを生成する。この場合、例えば情報処理装置1は、生成した複数の建物プランの中から総住戸数が最も多くなるプランを最終的な建物プランとして選択してもよい。
【0158】
第i床形状についてステップST505の住戸配置処理を行う場合、情報処理装置1は、まず第i床形状の施工可能領域に住戸ブロック群Gを配置する(ST510)。ステップST510の主配置工程における住戸ブロック群Gの配置方法は、既に説明した住戸配置処理(
図12A、
図12B)と同じである。
【0159】
次に情報処理装置1は、第i床形状の階より上の階に第i床形状と異なる1以上の床形状の施工可能領域がある場合、当該1以上の床形状の施工可能領域について、それぞれステップST525の上階配置工程を行う(ST515~ST530)。
【0160】
情報処理装置1は、ステップST525の上階配置工程において、主配置工程(ST510)により配置された標準住戸ブロック71と平面視において同じ位置に、主配置工程(ST510)と同一の配置条件を満たすように標準住戸ブロック71を配置する。
【0161】
また情報処理装置1は、ステップST525の上階配置工程において、主配置工程(ST510)の階段配置工程(ST420)により配置された階段ブロックと平面視において同じ位置に、同一の階段ブロックを配置する。情報処理装置1は、主配置工程(ST510)の階段配置工程(ST420)によってエレベータブロックも配置された場合、そのエレベータブロックと平面視において同じ位置に、同一のエレベータブロックを配置する。
【0162】
また情報処理装置1は、主配置工程(ST510)の階段配置工程(ST420)によって1以上の標準住戸ブロック71が階段、エレベータの配置場所に置き換えられた場合、ステップST525の上階配置工程において、当該置き換えられた階段、エレベータと平面視において同じ位置に、同一の階段、エレベータを配置する。
【0163】
なお情報処理装置1は、第(i+p)床形状(pは1以上の整数を示す。)の施工可能領域を対象とする上階配置工程において、標準住戸ブロック71を1つも配置できない場合や、階段ブロックを1つも配置できない場合、第(i+p)床形状の施工可能領域及びこれより上の階の施工可能領域には住戸を配置できないと判定する。
【0164】
次に情報処理装置1は、第i床形状の階より下の階に第i床形状と異なる1以上の床形状の施工可能領域がある場合(すなわちi≧2の場合)、当該1以上の床形状の施工可能領域について、それぞれステップST545の下階配置工程を行う(ST535~ST550)。
【0165】
情報処理装置1は、第(i-p)床形状の施工可能領域についてステップST545の下階配置工程を行う場合、まず、第(i-p+1)床形状の施工可能領域に配置された標準住戸ブロック71と平面視において同じ位置に、標準住戸ブロック71を配置する(初期配置工程)。
【0166】
また情報処理装置1は、下階配置工程(ST545)の初期配置工程において、主配置工程(ST510)の階段配置工程(ST420)により配置された階段ブロックと平面視において同じ位置に、同一の階段ブロックを配置する。情報処理装置1は、主配置工程(ST510)の階段配置工程(ST420)によってエレベータブロックも配置された場合、そのエレベータブロックと平面視において同じ位置に、同一のエレベータブロックを配置する。
【0167】
また情報処理装置1は、主配置工程(ST510)の階段配置工程(ST420)によって1以上の標準住戸ブロック71が階段、エレベータの配置場所に置き換えられた場合、下階配置工程(ST545)の初期配置工程において、当該置き換えられた階段、エレベータと平面視において同じ位置に、同一の階段、エレベータを配置する。
【0168】
そして情報処理装置1は、上述した初期配置工程によって標準住戸ブロック71の配置が行われた施工可能領域に、住戸ブロック群Gを配置可能な隙間が残っている場合、主配置工程(ST510)と同一の配置条件を満たすように、当該隙間へ住戸ブロック群Gを配置する(追加配置工程)。
【0169】
図21A及び
図21Bは、第1床形状の施工可能領域A1における主配置工程(ST510)の配置結果に基づいた上階配置工程(ST525)の例を示す図である。この例において、建物には3つの床形状の施工可能領域(A1~A3)が存在する。第1床形状の施工可能領域A1には、主配置工程(ST510)により、3つの住戸ブロック群G(第1住戸ブロック群G11m及びG11s、第2住戸ブロック群G12)と、2つの階段ブロック73Aと、2つのエレベータブロック73Dとが配置されている。
【0170】
第2床形状の施工可能領域A2は、
図21Aに示すように、平面視において第1床形状の施工可能領域A1の内側に含まれるが、施工可能領域A1の標準住戸ブロック71を1つも含んでいない。従って情報処理装置1は、第1床形状の施工可能領域A1について主配置工程(ST510)を行った場合、第2床形状の施工可能領域A2には住戸を配置できないと判定する。
【0171】
第3床形状の施工可能領域A3は、
図21Bに示すように、平面視において第2床形状の施工可能領域A2の内側に含まれるが、施工可能領域A1の標準住戸ブロック71を1つも含んでいない。情報処理装置1は、第2床形状の施工可能領域A2に住戸を配置できないため、その内側に含まれる第3床形状の施工可能領域A3にも住戸を配置できないと判定する。
【0172】
図22Aは、第2床形状の施工可能領域A2における主配置工程(ST510)の例を示す図である。第2床形状の施工可能領域A2には、主配置工程(ST510)により、2つの住戸ブロック群G(第1住戸ブロック群G21m及びG21s)と、階段ブロック73Aと、エレベータブロック73Dとが配置されている。
【0173】
図22Bは、
図22Aに示す第2床形状の施工可能領域A2の配置結果に基づいた、第3床形状の施工可能領域A3に対する上階配置工程(ST525)の例を示す図である。第3床形状の施工可能領域A3は、平面視において、標準住戸ブロック71を1つも含んでいない。従って情報処理装置1は、第2床形状の施工可能領域A2について主配置工程(ST510)を行った場合、第3床形状の施工可能領域A3には住戸を配置できないと判定する。
【0174】
図23A及び
図23Bは、
図22Aに示す第2床形状の施工可能領域A2の配置結果に基づいた、第1床形状の施工可能領域A1に対する下階配置工程(ST545)の例を示す図である。まず情報処理装置1は、第1床形状の施工可能領域A1に対して、
図22Aに示す主配置工程(ST510)の配置結果と平面視において同じ位置に、標準住戸ブロック71、階段ブロック73A、エレベータブロック73Dをそれぞれ配置する(初期配置工程)。これにより、第1床形状の施工可能領域A1には、
図23Aに示すように、施工可能領域A2(
図22A)と同様な2つの住戸ブロック群G(第1住戸ブロック群G31m及びG31s)と、階段ブロック73Aと、エレベータブロック73Dとが配置される。
【0175】
図23Aに示す初期配置工程のあと、情報処理装置1は、第1床形状の施工可能領域A1における隙間に対して、住戸ブロック群Gを配置する追加配置工程を行う。この追加配置工程により、
図23Bに示すように、第1住戸ブロック群G31sに対して垂直に廊下712が繋がった第2住戸ブロック群G32と、1つの階段ブロック73Aと、1つのエレベータブロック73Dとが施工可能領域A1に追加される。
【0176】
図24Aは、第3床形状の施工可能領域A3における主配置工程(ST510)の例を示す図である。第3床形状の施工可能領域A3には、主配置工程(ST510)により、1つの住戸ブロック群G41と、階段ブロック73Aと、エレベータブロック73Dとが配置されている。
【0177】
図24Bは、
図24Aに示す第3床形状の施工可能領域A3の配置結果に基づいた、第2床形状の施工可能領域A2に対する下階配置工程(ST545)の例を示す図である。まず情報処理装置1は、第2床形状の施工可能領域A2に対して、
図24Aに示す主配置工程(ST510)の配置結果と平面視において同じ位置に、標準住戸ブロック71、階段ブロック73A、エレベータブロック73Dをそれぞれ配置する(初期配置工程)。これにより、第2床形状の施工可能領域A2には、
図24Bに示すように、施工可能領域A3(
図24A)と同様な住戸ブロック群G51と、階段ブロック73Aと、エレベータブロック73Dとが配置される。
【0178】
図24Bに示す初期配置工程のあと、情報処理装置1は、第2床形状の施工可能領域A2における隙間に対して、住戸ブロック群Gを配置する追加配置工程を行う。この追加配置工程により、
図25Aに示すように、第2床形状の施工可能領域A2には、住戸ブロック群G51のX2側とX1側にそれぞれ標準住戸ブロック71を追加されるとともに、標準住戸ブロック71を追加された住戸ブロック群G51’に対して垂直に廊下712が繋がった住戸ブロック群G52が追加される。
【0179】
図25Bは、
図25Aに示す第2床形状の施工可能領域A2の配置結果に基づいた、第1床形状の施工可能領域A1に対する下階配置工程(ST545)の例を示す図である。まず情報処理装置1は、第1床形状の施工可能領域A1に対して、
図25Aに示す下階配置工程(ST545)の配置結果と平面視において同じ位置に、標準住戸ブロック71、階段ブロック73A、エレベータブロック73Dをそれぞれ配置する(初期配置工程)。これにより、第1床形状の施工可能領域A1には、
図25Bに示すように、施工可能領域A2(
図25A)と同様な2つの住戸ブロック群G61及びG62と、階段ブロック73Aと、エレベータブロック73Dとが配置される。
【0180】
図25Bに示す初期配置工程のあと、情報処理装置1は、第1床形状の施工可能領域A1における隙間に対して、住戸ブロック群Gを配置する追加配置工程を行う。この追加配置工程により、
図26に示すように、第1床形状の施工可能領域A1には、住戸ブロック群G61のX2側とX1側にそれぞれ標準住戸ブロック71を追加され、住戸ブロック群G62のY1側にも標準住戸ブロック71が追加され、更に、標準住戸ブロック71を追加された住戸ブロック群G62’に対して垂直に廊下712が繋がった住戸ブロック群G63が追加される。
【0181】
次に、上述した下階配置工程(ST545:
図20)のより具体的な処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップST605は、本発明の標準住戸ブロック決定工程の一例である。
【0182】
情報処理装置1は、第i床形状の施工可能領域について下階配置工程(ST545)を行う場合、第(i+1)床形状の施工可能領域に配置された標準住戸ブロック71と平面視において同じ位置に、第i床形状の施工可能領域の標準住戸ブロック71を配置する(ST600)。また情報処理装置1は、第(i+1)床形状の施工可能領域に配置された階段ブロック、エレベータブロックと平面視において同じ位置に、第i床形状の施工可能領域の階段ブロック、エレベータブロックを配置する。すなわち情報処理装置1は、第(i+1)床形状の施工可能領域に配置された建物要素(標準住戸ブロック71、階段ブロック、エレベータブロック等)と平面視において同じ位置に、これらと同一の建物要素を、第i床形状の施工可能領域にも配置する。
【0183】
ステップST600の初期配置工程によって標準住戸ブロック71の配置が行われた第i床形状の施工可能領域に住戸ブロック群Gを配置可能な隙間が残っている場合、情報処理装置1は、主配置工程(ST510)と同じ所定の配置条件(窓側規制範囲Bが敷地の境界線より内側にあること等)を満たすように、当該隙間へ住戸ブロック群Gを配置する処理を行う。このとき、情報処理装置1は、第i床形状の施工可能領域の隙間に配置する1以上の標準住戸ブロック71を決定する標準住戸ブロック決定工程(ST605)を、1回以上繰り返す。
【0184】
1回の標準住戸ブロック決定工程(ST605)において、情報処理装置1は、予め定めた1以上の配置パターンの各々について、隙間に追加する標準住戸ブロック71の数が最も多くなる標準住戸ブロック71の配置を特定する(ST610)。
【0185】
1以上の配置パターンは、例えば、
図28A~
図28Cに示す3つのパターンの少なくとも1つを含む。
図28Aは、施工可能領域に配置済みの住戸ブロック群G100を副住戸ブロック群として、この副住戸ブロック群に接する主住戸ブロック群G101を追加する配置パターンを示す。
図28Bは、施工可能領域に配置済みの住戸ブロック群G100を主住戸ブロック群として、この主住戸ブロック群に接する副住戸ブロック群G102を追加する配置パターンを示す。
図28Cは、施工可能領域に配置済みの住戸ブロック群G100に対して、第2辺S2が伸びるように標準住戸ブロック71を追加する配置パターンを示す。
【0186】
情報処理装置1は、例えば上述した配置パターンの1つについて、施工可能領域の隙間に標準住戸ブロック71を追加できる配置があるか探索し、標準住戸ブロック71を追加できる配置が1以上ある場合は、それらの配置の中で標準住戸ブロック71を最も多く追加できる配置を特定する。情報処理装置1は、他の配置パターンについても同様に、標準住戸ブロック71を最も多く追加できる配置を特定する。
【0187】
情報処理装置1は、標準住戸ブロック71の追加が可能な配置を少なくとも1つ特定した場合(ST615のYes)、1以上の配置パターンの各々について特定した標準住戸ブロック71の配置の中から、隙間に追加する標準住戸ブロック71の数が最も多くなる標準住戸ブロック71の配置を選択し、その選択した配置によって施工可能領域の隙間に標準住戸ブロック71を追加する(ST620)。
【0188】
情報処理装置1は、標準住戸ブロック71の追加が可能な配置を特定できなくなるまで(ST615のNo)、上述したステップST610~ST620の処理を繰り返す。
【0189】
ST145:
図3に戻る。
情報処理装置1は、ステップST140の住戸配置処理により建物に配置された標準住戸711の数、住戸配置処理により建物に配置された標準住戸711に関連する面積(延べ床面積等)、建物の高さ、建物の階数等に基づいて、住戸配置処理により標準住戸711を配置された建物が住戸規制の要件を満たすか判定する。情報処理装置1は、住戸規制の要件を満たすと判定した場合や、敷地の所在地において住戸規制がない場合、ステップST165に移行する。他方、住戸規制の要件を満たさないと判定した場合、情報処理装置1はステップST150に移行する。
【0190】
ステップST150:
住戸配置処理により標準住戸711を配置された建物が住戸規制の要件を満たしていない場合(ST145のNo)、情報処理装置1は、建物内の延べ床面積を変更せずに、基本規格住戸である標準住戸711の一部を、それより数の少ない特定住戸へ置き換えることにより、建物の総戸数を減らしつつ、住戸規制の要件を満たすようにする住戸数セット(建物内の基本住戸の戸数と特定住戸の戸数との組み合わせ)を決定する。例えば情報処理装置1は、2以上の標準住戸711を1つの特定住戸へ置換することを繰り返し、その置換の度に、建物の総戸数、建物の延べ床面積等に基づいて、置換後の建物が住戸規制の要件を満しているか判定する。情報処理装置1は、特定住戸への置換と住戸規制の判定を繰り返し行うことにより、住戸規制の要件を満たす住戸数セットを特定する。住戸規制の判定の際、情報処理装置1は、建物内の延べ床面積が変化していないと仮定する。
【0191】
ステップST155:
情報処理装置1は、ステップST150において決定した住戸数セットに従って、住戸配置処理により配置されたK個(Kは2以上の整数を示す。)の標準住戸ブロック71をM個(MはKより小さい整数を示す。)の標準特定住戸ブロック72に置き換える。
【0192】
図29Cは、標準特定住戸ブロック72の例を示す図である。
図29Cに示す標準特定住戸ブロック72は、標準特定住戸721と、廊下722と、バルコニー723を含む。
標準特定住戸721は、平面視において矩形の形状を持つ特定規格住戸である。標準特定住戸721は、特定規格住戸に該当する面積(=第2面積)を有する。標準特定住戸721の矩形の形状における1つの辺には、所定のサイズの窓724が設けられている。標準特定住戸721の窓724のサイズは、標準住戸711の窓714について算出される採光距離と同等若しくはそれより小さい採光距離となるように設定されている。
廊下722は、標準特定住戸721が持つ矩形形状において窓724が設けられた辺と対向する辺に面している。廊下722の幅は、標準住戸ブロック71の廊下712と同じである。
バルコニー723は、標準特定住戸721が持つ矩形形状において窓724が設けられた辺に面している。
【0193】
標準特定住戸ブロック72は、
図29Cに示すように矩形の形状を持つ。標準特定住戸ブロック72の矩形の形状における廊下722側からバルコニー723側までの辺の長さは、標準住戸ブロック71の矩形の形状における廊下712側からバルコニー713側までの辺の長さと等しい。また、標準特定住戸ブロック72の矩形の形状における廊下722の長手方向に沿った辺の長さは、標準住戸ブロック71の矩形の形状における廊下712の長手方向に沿った辺の長さよりも長い。そのため、隣接して並んだ複数の標準住戸ブロック71を、その矩形形状の範囲内に収まる1つの標準特定住戸ブロック72に置き換えることができる。すなわち、住戸ブロック群Gの配置とサイズを維持したまま、住戸ブロック群Gの一部の標準住戸ブロック71をそれより少ない標準特定住戸ブロック72に置き換えることができる。
【0194】
図29Cに示す標準特定住戸ブロック72は、
図29Bに示す2つの隣接した標準住戸ブロック71に置き換えることができる。2つの隣接した標準住戸ブロック71を1つの標準特定住戸ブロック72に置き換えた場合、
図29Cに示すように、2つの隣接した標準住戸ブロック71が形成する矩形形状の範囲に対して余りが生じる。この余りは、後述するステップST170、ST175の処理において調整される。
【0195】
図29Aは、住戸配置処理(ST140)により施工可能領域A1に配置された第1住戸ブロック群G11mに含まれる2つの標準住戸ブロック71を1つの標準特定住戸ブロック72に置き換えた状態を示す。
【0196】
情報処理装置1は、ステップST150において決定した住戸数セットが示す特定住戸の戸数に基づいて、建物の各階に振り分ける特定住戸の戸数を決定する。例えば情報処理装置1は、建物の各階における特定住戸の戸数のばらつきが1以下となるように、建物の各階に振り分ける特定住戸の戸数を決定する。この場合、例えば情報処理装置1は、建物の2階以上の下階側へ優先的に特定住戸を振り分けてもよい。情報処理装置1は、建物の各階に振り分ける特定住戸の戸数を決定すると、次に、建物の各階において標準特定住戸ブロック72に置き換える標準住戸ブロック71を決定する。例えば情報処理装置1は、道路に面した住戸ブロック群Gから優先的に置換対象の標準住戸ブロック71を決定してよい。情報処理装置1は、建物の各階において決定した2以上の置換対象の標準住戸ブロック71を、
図29Aに示すように標準特定住戸ブロック72へ置き換える。
【0197】
ステップST160:
情報処理装置1は、ステップST155において住戸の置き換えが行われた建物に含まれる住戸の数、当該住戸の置き換えが行われた建物に含まれる住戸に関連する面積(延べ床面積等)、建物の高さ、建物の階数等に基づいて、共用部分規制の要件を満たすために必要な共用部分(廊下、階段、エレベータ、管理人室、集会所、廃棄物保管所、防災備蓄倉庫、駐車場、駐輪場、バイク置場等)を判定する。情報処理装置1は、共用部分規制の1つである乗り物置場規制の要件を満たすために必要な乗り物置場の乗り物収容台数も判定する。
【0198】
この場合、情報処理装置1は、建物の延べ床面積が住戸の置き換え(ST155)により変化していないと仮定して(住戸配置処理後の建物の延べ床面積から変化していないと仮定して)、共用部分の判定を行う。これにより、後述するステップST175の処理で建物の延べ床面積が増えても、共用部分の判定はそれより大きい延べ床面積を基準として行われるため、共用部分規制の要件を満たすため必要な共用部分の数やサイズが、判定結果の共用部分より大きくなることを回避できる。
【0199】
ステップST165:
住戸配置処理により標準住戸711を配置された建物が住戸規制の要件を満たしている場合や敷地の所在地において住戸規制がない場合(ST145のYes)、情報処理装置1は、住戸配置処理(ST140)により建物に配置された標準住戸711の数、住戸配置処理により建物に配置された標準住戸711に関連する面積(延べ床面積等)、建物の高さ、建物の階数等に基づいて、共用部分規制の要件を満たすために必要な共用部分(廊下、階段、エレベータ、管理人室、集会所、廃棄物保管所、防災備蓄倉庫、駐車場、駐輪場、バイク置場等)を判定する。情報処理装置1は、共用部分規制の1つである乗り物置場規制の要件を満たすために必要な乗り物置場の乗り物収容台数も判定する。
【0200】
ST170:
情報処理装置1は、ステップST160又はステップST165における共用部分の判定結果に基づいて、共用部分規制の要件を満たすように建物の共用部分の調整を行う。
【0201】
情報処理装置1は、ステップST160の共用部分の判定結果に基づいて、住戸の置き換え(ST155)が行われた建物における一部の標準住戸ブロック71を、共用部分規制の要件を満たすために必要と判定された共用部分(防災備蓄倉庫等)に置き換える。また情報処理装置1は、ステップST160の共用部分の判定結果に基づいて、住戸の置き換え(ST155)が行われた建物における廊下の幅を、共用部分規制の要件を満たすために必要と判定された最小の幅に変更する。この場合、情報処理装置1は、住戸の置き換え(ST155)によって生じた住戸ブロック群Gの余りのスペース(
図29A、
図29C)を、共用部分規制の要件を満たすために必要と判定された共用部分の配置場所に転用してもよい。
【0202】
また情報処理装置1は、ステップST165の共用部分の判定結果に基づいて、住戸配置処理(ST140)により建物に配置された一部の標準住戸ブロック71を、共用部分規制の要件を満たすために必要と判定された共用部分(防災備蓄倉庫等)に置き換える。また情報処理装置1は、ステップST160の共用部分の判定結果に基づいて、住戸配置処理(ST140)により配置された住戸ブロック群Gの廊下の幅を、共用部分規制の要件を満たすために必要と判定された最小の幅に変更する。
【0203】
ST175:
情報処理装置1は、住戸の置き換え(ST155)によって生じた住戸ブロック群Gの余りのスペース(
図29A、
図29C)を、この住戸ブロック群Gに含まれる各住戸の専有部分に振り分ける。
【0204】
ST180:
情報処理装置1は、共用部分の調整(ST170)が行われた建物の窓先空地対象住戸面積と、住戸配置処理において住戸ブロック群Gの配置のために確保した窓先空地の必要空地幅について窓先空地規制が定める窓先空地対象住戸面積の上限とを比較し、建物の窓先空地対象住戸面積が窓先空地規制の定める上限を超えているか判定する。
【0205】
ST185:
建物の窓先空地対象住戸面積が窓先空地規制の上限を超えている場合(ST180のYes)、情報処理装置1は、建物の窓先空地対象住戸面積が当該上限を超えない面積になるまで、窓先空地対象住戸を含んだ標準住戸ブロック71を施工可能領域から削除する。例えば情報処理装置1は、建物の最上階の施工可能領域から、住戸ブロック群Gの端部に位置する窓先空地対象住戸の標準住戸ブロック71を削除する。
【0206】
ST190:
情報処理装置1は、共用部分の調整(ST170)が行われた建物に含まれる住戸の数、共用部分の調整(ST170)が行われた建物に含まれる住戸に関連する面積(延べ床面積等)、建物の高さと、建物の階数等に基づいて、敷地の境界線と建物との間に形成される通路が避難通路規制において規定された避難通路の要件を満たすか判定する。
【0207】
図30は、避難通路規制において定められた避難通路の範囲の例を示す図である。
図30に示す避難通路規制範囲Cに建物の一部が含まれる場合、情報処理装置1は、当該建物の一部に近接する通路が、避難通路規制の要件を満たしていないと判定する。
【0208】
ST195、ST200:
ステップST190において避難通路規制の要件を満たしていない通路が見つかった場合(ST195のNo)、情報処理装置1は、当該通路に隣接する1階の標準住戸ブロック71の少なくとも一部を、建物内を通る避難通路に置き換える(ST200)。例えば情報処理装置1は、該当する1階の標準住戸ブロック71を、所定の避難通路用の建物要素に置き換える。
【0209】
ST205~ST220:
情報処理装置1は、建物外の敷地に乗り物置場(乗用車の駐車場)を配置する処理を行う(ST205)。すなわち情報処理装置1は、ステップST160又はステップST165において判定した乗り物収容台数を収容可能な1以上の標準乗り物置場(乗用車の駐車場)を、建物の外の敷地内に配置する。
【0210】
標準乗り物置場は、平面視において所定の形状(例えば矩形の形状)を持ち、所定の乗り物を1台以上収容可能な乗り物置場である。
図31A~
図31Dは、屋外に配置する標準乗り物置場の例を示す図である。
図31Aに示す標準乗り物置場は、自転車の駐輪場81A、81Bを示し、
図31Bに示す標準乗り物置場は、バイク置場82A、82Bを示し、
図31Cに示す標準乗り物置場は、乗用車の通常サイズの駐車場83A、83Bを示し、
図31Dに示す標準乗り物置場は、乗用車の身障者用の駐車場84A、84Bを示す。これらの図に示す標準乗り物置場において、白色の領域は乗り物の置き場所を示し、灰色の領域は乗り物の出し入れに用いられる乗り物転回用スペースを示す。
【0211】
情報処理装置1は、複数種類の乗り物置場のうち、比較的サイズの乗り物置場から優先的に配置を行う。
【0212】
図32A及び
図32Bは、屋外に乗用車の駐車場を配置する例を示す図である。
まず情報処理装置1は、敷地4における屋外の隙間において、最もサイズの大きい駐車場84A、84Bの配置場所を探索する。ことのき、乗り物転回用スペース(灰色の領域)は、避難通路規制範囲Cと重なることが許容される。
図32Aの例では、住戸ブロック群G11mの廊下側に1つの駐車場84Aが配置されている。
【0213】
屋外に乗用車の駐車場84A、84Bを配置できる場所がなくなるか、若しくは、ステップST160、ST165において判定した所定の乗用車の収容台数に達した場合、情報処理装置1は、駐車場83A、83Bの配置場所を探索する。このとき、駐車場の乗り物転回用スペースは、別の駐車場の乗り物転回用スペースと重なることが許容される。
図32Aの例では、配置済の駐車場84Aの乗り物転回用スペースと重なる場所に、駐車場83Aが配置されている。
【0214】
ここで情報処理装置1は、屋外に配置された乗用車の駐車場と敷地に接する道路との間に、乗用車用の所定の幅以上の通路(乗り物通路)を確保できるか判定する(ST210)。乗り物通路を確保できない場合(ST210のNo)、情報処理装置1は、道路に面した窓714を持つ1階の標準住戸ブロック71の少なくとも1つを、屋外に配置された駐車場に通じる乗り物通路に置き換える(ST215)。
図32Bの例では、2つの標準住戸ブロック71が1つの車路74(乗り物通路)に置き換えられている。
【0215】
なお情報処理装置1は、屋外に配置した乗用車の駐車場の数が所定数より少ない場合、ステップST215において標準住戸ブロック71を乗り物通路に置き換えることはせず、この駐車場を後述のステップST240において建物の1階に配置するようにしてもよい。
【0216】
屋外に乗用車の駐車場83A、83Bを配置できる場所がなくなるか、若しくは、ステップST160、ST165において判定した所定の乗用車の収容台数に達した場合、情報処理装置1は、屋外にバイク置場を配置する(ST220)。
【0217】
情報処理装置1は、敷地4における屋外の隙間において、バイク置場82A、82Bの配置場所を探索する。このとき、乗り物転回用スペース(灰色の領域)は、避難通路規制範囲Cと重なることが許容される。
図33Aは、屋外にバイク置場を配置する例を示す。
【0218】
屋外にバイク置場82A、82Bを配置できる場所がなくなるか、若しくは、ステップST160、ST165において判定したバイクの収容台数に達した場合、情報処理装置1は、屋外に自転車の駐輪場を配置する(ST220)
【0219】
情報処理装置1は、敷地4における屋外の隙間において、駐輪場81A、81Bの配置場所を探索する。このとき、乗り物転回用スペース(灰色の領域)は、避難通路規制範囲Cと重なることが許容される。
図33Bは、屋外に駐輪場を配置する例を示す。
【0220】
ST225:
情報処理装置1は、ステップST160、ST165における1階共用部分についての判定結果に基づいて、共用部分規制の要件を満たすために必要な1階共用部分を建物の1階に配置する。すなわち情報処理装置1は、1階の標準住戸ブロック71の少なくとも1つを、ステップST160、ST165において判定した1階共用部分に置き換える。
図34Aは、1階の標準住戸ブロックを所定の1階共用部(エントランス、管理人室、ごみ置場等)に置き換える例を示す。
【0221】
ST230:
情報処理装置1は、ステップST160、ST165において判定された乗り物収容台数に比べて、ステップST205、ST220において建物の外に配置した標準乗り物置場における乗り物収容台数が不足している分を、不足台数として算出する。
【0222】
ST235、ST240:
情報処理装置1は、ステップST230において不足台数を算出した場合(ST235のYes)、敷地に接する道路に面した窓714を持つ1階の標準住戸ブロック71の少なくとも1つを、ステップST230で算出した不足台数分の所定の乗り物を収容可能な乗り物置場に置き換える。
図34Bは、1階の標準住戸ブロック71を駐車場に置き換える例を示す。
図34Bの例では、車路74を挟んだ4つの標準住戸ブロック71が5台分の駐車場に置き換えられている。
【0223】
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0224】
上述した実施形態では情報処理装置1が端末装置3からの要求に応じて建物のプランの情報を端末装置3に提供しているが、本発明の他の実施形態では、情報処理装置1に設けられたディスプレイ等においてユーザが建物のプランを閲覧できるようにしてもよい。
【0225】
上述した情報処理装置1により実行される処理の一部は、他の装置(端末装置3等)により実行されてもよい。この場合、情報処理装置1の処理部13と他の装置の処理部とを含む複数のコンピュータによって本実施形態に係る情報処理装置としての処理が実行されていると言える。
【符号の説明】
【0226】
1…情報処理装置、11…通信部、12…記憶部、121…プログラム、13…処理部、2…記憶装置、21…規制DB、22…地
図DB、23…面積情報DB、3…端末装置、4…敷地、40…境界線、5…敷地内領域、6…建築範囲、7…建物、71…標準住戸ブロック、711…標準住戸、712…廊下、713…バルコニー、714…窓、72…標準特定住戸ブロック、73A,73B,73C…階段ブロック、73D…エレベータブロック、73E…階段・エレベータブロック、74…車路、75…1階共用部、76…屋内駐車場、9…通信ネットワーク、G…住戸ブロック群
【要約】
【課題】建物内における住戸の配置も含めた建物のプランを生成する方法、プログラム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】建物のプランを生成する方法は、建物の各階の施工可能領域Aに1以上の住戸ブロック群Gを配置する住戸配置工程を有する。住戸配置工程は、1つの施工可能領域Aに標準住戸ブロック71を配置する場合、当該1つの施工可能領域Aにおいて1以上の住戸ブロック群Gを配置可能な隙間を探索し、当該探索より見つかった隙間へ所定の配置条件を満たすように当該1以上の住戸ブロック群Gを配置する処理を反復する。所定の配置条件は、敷地4の境界線40に標準住戸711の窓714が面していることと、1つの施工可能領域Aに2以上の住戸ブロック群Gを含む場合、当該2以上の住戸ブロック群Gの廊下712が繋がっていることとを含む。
【選択図】
図11