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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】施設状況管理装置及び施設状況管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241218BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020104546
(22)【出願日】2020-06-17
(65)【公開番号】P2021197011
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-06-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516329543
【氏名又は名称】株式会社バカン
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100183081
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 大志
(72)【発明者】
【氏名】影井 秀都
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-086736(JP,A)
【文献】特開2018-192073(JP,A)
【文献】TBSテレビのNスタでバカンのIoTトイレ空き個室数配信サービスが紹介されました,[online],2019年12月26日,[令和6年4月12日検索], インターネット<URL:https://corp.vacan.com/company/news/page/28>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施設の空き状況を管理する管理装置であって、
前記施設それぞれは、少なくとも1つの個室を含み、
前記個室の利用状況を示す利用状況情報を記憶するデータベースと、
前記データベースに記憶された前記個室の前記利用状況情報に基づいて、前記施設毎の空き状況を示す第1画面を、第1ユーザにより参照される表示端末に表示させる第1表示制御部と、
前記データベースに記憶された前記個室それぞれの前記利用状況情報に基づいて、前記施設毎の空き状況を示す第2画面を、第2ユーザにより操作される操作端末に表示させる第2表示制御部と、を備え
前記施設はトイレ施設であって、
前記第1画面のレイアウトは、性別ごとにまとめて前記複数の施設の空き状況が配置されたレイアウトであり、前記第2画面のレイアウトは、各施設の位置に基づいて前記複数の施設の空き状況が配置されたレイアウトであることを特徴とする、管理装置。
【請求項2】
さらに前記データベースは、前記個室又は前記施設において所定の作業が実施中か否かを示す作業状況情報を記憶し、
前記第2表示制御部は、前記第2ユーザによる前記第2画面に対する操作を受け付け、
前記操作の内容を示す操作情報に基づいて前記データベースに記憶された前記作業状況情報を更新する更新部を更に備える、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
さらに前記第2表示制御部は、前記第2ユーザの操作に応じて、性別ごとにまとめて前記複数の施設の空き状況が配置されたレイアウトと、各施設の位置に基づいて前記複数の施設の空き状況が配置されたレイアウトとを切り換え可能なように前記第2画面を表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記第2ユーザに提供されるユーザインタフェースにより、前記少なくとも1つの個室を含む指定エリアについて、現時点から所定期間後の将来時点に前記第2ユーザによる所定の作業が実施中でない第1状態から前記所定の作業が実施中である第2状態に変更することを示す予約設定が受け付けられた場合、前記予約設定がされていることを示す通知情報を前記指定エリア内の前記個室に設けられた端末に表示させる第3表示制御部を更に備える、請求項に記載の管理装置。
【請求項5】
複数の施設の空き状況を管理する管理装置を有する管理システムであって、
前記施設のそれぞれは、少なくとも1つの個室を含み、
前記管理装置は、
前記個室の利用状況を示す利用状況情報を記憶するデータベースと、
第1ユーザにより参照される表示端末からのリクエストに応じて、前記表示端末に前記利用状況情報を送信し、
第2ユーザによる操作される操作端末からのリクエストに応じて前記操作端末に前記利用状況情報を送信し、
前記表示端末は、前記利用状況情報に基づく前記施設毎の空き状況を示す第1画面を表示し、
前記操作端末は、前記利用状況情報に基づく前記施設毎の空き状況を示す第2画面を表示し
前記施設はトイレ施設であって、
前記第1画面のレイアウトは、性別ごとにまとめて前記複数の施設の空き状況が配置されたレイアウトであり、前記第2画面のレイアウトは、各施設の位置に基づいて前記複数の施設の空き状況が配置されたレイアウトであることを特徴とする、管理システム。
【請求項6】
コンピュータを請求項1乃至のいずれか1項に記載の管理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
コンピュータが実行する、複数の施設の空き状況を管理する管理方法であって、
前記施設それぞれは、少なくとも1つの個室を含み、
前記個室の利用状況を示す利用状況情報を記憶するデータベースと、前記データベースに記憶された前記個室の前記利用状況情報と、に基づいて、前記施設毎の空き状況を示す第1画面を、第1ユーザにより参照される表示端末に表示させ、
前記データベースに記憶された前記個室それぞれの前記利用状況情報に基づいて、前記施設毎の空き状況を示す第2画面を、第2ユーザにより操作される操作端末に表示させ
前記施設はトイレ施設であって、
前記第1画面のレイアウトは、性別ごとにまとめて前記複数の施設の空き状況が配置されたレイアウトであり、前記第2画面のレイアウトは、各施設の位置に基づいて前記複数の施設の空き状況が配置されたレイアウトであることを特徴とする、管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、施設状況管理装置及び施設状況管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば公衆化粧室等の施設の入口にできる行列の長さを計測する行列計測システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。上記行動計測システムによれば、計測された行列の長さに基づいて、施設の待ち時間が算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-159947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、デジタルサイネージ等を介して、上述したような技術によって把握された各施設の待ち時間をユーザに提示することで、ユーザに待ち時間の少ない施設を把握させることができる。しかしながら、上記特許文献1に開示された仕組みでは、行列が形成されない施設の利用状況(空き状況)を的確に把握することはできない。さらに、施設内の個室に空きがあったとしても、施設の作業状況(例えば清掃作業の実施の有無)によっては施設を利用できない状況もあり得る。従って、上記仕組みには、ユーザの利便性を向上させる観点において、改善の余地がある。
【0005】
そこで、本開示の一側面は、施設に関するユーザの利便性を向上させることができる施設状況管理装置及び施設状況管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る管理装置は、複数の施設の空き状況を管理する管理装置であって、
前記施設それぞれは、少なくとも1つの個室を含み、前記個室の利用状況を示す利用状況情報を記憶するデータベースと、前記データベースに記憶された前記個室の前記利用状況情報に基づいて、前記施設毎の空き状況を示す第1画面を、第1ユーザにより参照される表示端末に表示させる第1表示制御部と、前記データベースに記憶された前記個室それぞれの前記利用状況情報に基づいて、前記施設毎の空き状況を示す第2画面を、第2ユーザにより操作される操作端末に表示させる第2表示制御部と、を備え、前記第1画面において空き状況が示される施設の配置と、前記第2画面において空き状況が示される施設の配置とは異なることを特徴とする
【0007】
上記管理装置では、第1ユーザの表示端末には施設毎の空き状況を含む第1画面が、第2ユーザの操作端末に表示される施設毎の空き状況を含む第2画面が表示される。前記第1画面において空き状況が示される施設の配置と、前記第2画面において空き状況が示される施設の配置とは異なる。これにより、施設に関する第1ユーザ及び第2ユーザの双方の利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一側面によれば、施設に関するユーザの利便性を向上させることができる施設状況管理装置及び施設状況管理方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る施設状況管理システムの全体構成を示す図である。
図2図2は、施設の一例を示す図である。
図3図3は、図1に示されるサーバの機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、図1に示されるサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、データベースに記憶される利用状況情報及び作業状況情報の一例を示す図である。
図6図6は、デジタルサイネージ又は利用者端末に表示される画面の一例を示す図である。
図7図7は、操作端末に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。
図8図8は、操作ログの一例を示す図である。
図9図9は、図1に示されるサーバの動作の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、第2実施形態に係るサーバの機能構成を示すブロック図である。
図11図11は、第2実施形態に係るデータベースに記憶される情報の一例を示す図である。
図12図12は、図10に示されるサーバの動作の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、操作端末に表示されるユーザインタフェースのレイアウトの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本開示の一実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る施設状況管理システム1の全体構成を示す図である。図1に示されるように、施設状況管理システム1は、複数の施設90の状況を管理するためのシステムである。各施設90は、例えば、ビル等の建物内に設けられたトイレ施設である。施設状況管理システム1は、サーバ10(施設状況管理装置)と、GW(gate way)20と、デジタルサイネージ30(表示端末)と、利用者端末40(表示端末)と、操作端末50と、を備えている。サーバ10、GW20、デジタルサイネージ30、利用者端末40、及び操作端末50は、ネットワーク60を介して接続されている。
【0012】
GW20は、施設90毎に設けられた中継装置である。GW20は、施設90の各個室91(図2参照)に設けられたセンサ93(図2参照)とサーバ10との間の通信、及び各個室91に設けられた個室端末94(図2参照)とサーバ10との間の通信を中継する。
【0013】
デジタルサイネージ30は、例えば、建物のエントランス、壁面等に設けられた映像表示装置である。デジタルサイネージ30は、例えば液晶ディスプレイである。デジタルサイネージ30には、各施設90の状況を示す画面SC(図6参照)が表示される。なお、デジタルサイネージ30には、各施設90の状況以外にも、建物の案内情報、広告等が表示されてもよい。
【0014】
利用者端末40は、利用者U1(第1ユーザ)によって利用される端末である。利用者端末40は、例えば、利用者U1が所有するスマートフォン又はタブレット等の携帯端末である。利用者端末40には、予めウェブブラウザ又は専用アプリケーション等がインストールされている。また、利用者端末40は、ディスプレイ(例えばタッチパネルディスプレイ等)を備えている。利用者端末40のディスプレイには、各施設90の状況を示す画面SC(図6参照)が、上述したウェブブラウザ又は専用アプリケーション等によって表示される。デジタルサイネージ30及び利用者端末40は、主に施設90の利用者U1によって参照される。
【0015】
操作端末50は、作業者U2(第2ユーザ)によって利用される端末である。作業者U2は、施設90に対する所定の作業(例えば清掃作業等)を実施する。操作端末50は、例えば、作業者U2に貸与されるスマートフォン又はタブレット等の携帯端末であって、作業者U2により参照及び操作される。操作端末50には、予めウェブブラウザ又は専用のアプリケーション等がインストールされている。また、操作端末50は、ディスプレイ(例えばタッチパネルディスプレイ等)を備えている。操作端末50のディスプレイには、ネットワーク60を介してサーバ10から送信される各施設90の状況を示す画面を含むと共に各施設90の作業状況を設定するためのユーザインタフェースUI(図7参照)が、上述したウェブブラウザ又は専用アプリケーション等によって表示される。
【0016】
ネットワーク60は、有線又は無線の任意の通信ネットワークである。ネットワーク60は、例えば、インターネット、公衆回線網、専用回線網等である。GW20、デジタルサイネージ30、利用者端末40及び操作端末50のそれぞれは、ネットワーク60を介してサーバ10と通信可能に接続されている。
【0017】
図2は、施設90の一例を示す図である。図2に示される施設90は、利用者U1に提供されるトイレ施設である。施設90は、複数の個室91を含んでいる。本実施形態では、1つの施設90が1つのエリアを構成している。
【0018】
各個室91には、扉92と、センサ93と、個室端末94と、が設けられている。センサ93は、各扉92に設けられており、扉92の開閉状態を検知する。センサ93は、例えばマグネットセンサ等である。センサ93は、扉92の開閉状態を所定間隔(例えば3秒)毎に検出し、扉92が開いている状態(すなわち、個室が空いている状態)又は扉92が閉まっている状態(すなわち、個室が使用中である状態)を示す検知情報を生成する。検知情報には、個室91を識別するための情報(例えば、センサ93を識別するセンサID等)が含まれる。ある施設90の各個室91に設けられた各センサ93は、当該施設90に設けられたGW20と通信可能とされている。各センサ93によって生成された検知情報は、GW20及びネットワーク60を介して、サーバ10に送信される。
【0019】
個室端末94は、個室91を使用中の利用者U1によって参照される端末である。個室端末94は、例えば個室91の壁に固定された小型の液晶ディスプレイ等の映像表示装置である。個室端末94は、例えば温水洗浄機能等を利用するための操作盤と一体化されていてもよいし、当該操作盤とは別に設けられていてもよい。個室端末94は、ネットワーク60を介してサーバ10と通信可能に接続されている。
【0020】
図3は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。図3に示されるように、サーバ10は、機能的構成要素として、データベース11と、第1表示制御部12と、第2表示制御部13と、更新部14と、を備えている。
【0021】
図4は、サーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4に示されるように、サーバ10は、物理的には、プロセッサである一以上のCPU(Central Processing Unit)101と、一以上のROM(Read Only Memory)102と、主記憶装置である一以上のRAM(Random Access Memory)103と、補助記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)104と、例えばネットワーク60と通信を行うための通信インタフェース等の通信部105と、を含むコンピュータシステムとして構成され得る。例えば、CPU101が、HDD104に予め格納されている処理プログラムをRAM103に読み出して実行することにより、CPU101の制御のもとで各ハードウェアが動作し、ROM102、RAM103及びHDD104におけるデータの読み出し及び書き込みが行われる。これにより、図3に示されるサーバ10の各機能が実現される。なお、利用者端末40及び操作端末50も、図4に示されるサーバ10のハードウェアと同様のハードウェアによって構成され得る。
【0022】
データベース11は、エリア単位(本実施形態では施設90毎)で、管理情報を記憶する。管理情報は、利用状況情報及び作業状況情報を含んでいる。あるエリア(施設90)の利用状況情報は、当該施設90内の個室91の利用状況を示す情報である。本実施形態では、利用状況情報は、個室91毎に空室であるか使用中であるかを示す情報である。ある施設90に関する利用状況情報は、当該施設90の各個室91に設けられたセンサ93から当該施設90のGW20を介して送信される検知信号に基づいて適宜更新される。
【0023】
あるエリア(施設90)の作業状況情報は、当該施設90において作業者U2によって清掃(所定の作業)が実施中でない通常状態(第1状態)、又は、当該施設90において作業者U2によって清掃が実施中である清掃状態(第2状態)を示す情報である。つまり、作業状況情報は、施設90が清掃中であるか否かを示す情報である。作業状況情報は、操作端末50に表示されるユーザインタフェースUI(図7参照)に対する作業者U2の操作に応じて適宜更新される。
【0024】
図5は、データベース11に記憶される施設90毎の管理情報の一例を示す図である。一例として、1つの管理情報(すなわち、データベース11に記憶される1レコード分の情報)は、施設ID、施設名称、作業状況情報、及び利用状況情報を含んでいる。施設IDは、施設90を一意に特定するための識別情報である。施設名称は、施設IDにより特定される施設90の名称である。
【0025】
作業状況情報は、施設IDにより特定される施設90において清掃が実施中であるか否かを示す情報である。図5の例では、作業状況情報として、清掃が実施中でない状態(第1状態)を示す「通常状態」と、清掃が実施中である状態(第2状態)を示す「清掃状態」と、のいずれかが格納されている。
【0026】
利用状況情報は、施設IDにより特定される施設90に含まれる各個室91の空き情報(「空室」であるか「使用中」であるかを示す情報)を含んでいる。また、この例では、利用状況情報は、予め施設90に関連付けられた個室91の総数と、各個室91の空き情報に基づいてカウントされた空室数(すなわち、「空室」に設定されている個室91の数)と、を更に含んでいる。
【0027】
例えば、図5に例示された管理情報L1は、施設ID「F1」により特定される施設(施設名称が「B1F(婦人)」である施設90)が、通常状態であって、7つの個室91の全てが空室であることを示している。管理情報L2は、施設ID「F2」により特定される施設(施設名称が「9F(婦人)」である施設90)が、清掃状態であって、7つの個室91の全てが空室であることを示している。管理情報L3は、施設ID「F3」により特定される施設(施設名称が「12F(婦人)」である施設90)が、通常状態であって、4つの個室91の全てが使用中であることを示している。管理情報L4は、施設ID「F4」により特定される施設(施設名称が「B1F(紳士)」である施設90)が、通常状態であって、2つの個室91のうち1つが空室であることを示している。
【0028】
第1表示制御部12は、データベース11にアクセスすることにより、データベース11に記憶された施設90毎の管理情報(利用状況情報及び作業状況情報)を参照(取得)する。そして、第1表示制御部12は、施設90毎の管理情報に基づいて、施設90毎の利用状況(すなわち空き状況)及び作業状況(すなわち清掃中か否か)を示す画面SC(図6参照)を、デジタルサイネージ30及び利用者端末40に表示させる。
【0029】
例えば、第1表示制御部12は、施設90毎の管理情報に基づいて画面SCを生成し、画面SCの情報をデジタルサイネージ30又は利用者端末40に送信してもよい。この場合、デジタルサイネージ30又は利用者端末40は、サーバ10(第1表示制御部12)から送信された画面SCをそのまま自装置のディスプレイに表示すればよい。或いは、デジタルサイネージ30又は利用者端末40が、第1表示制御部12から送信される施設90毎の管理情報に基づいて画面SCを生成し、生成した画面SCを自装置のディスプレイに表示してもよい。
【0030】
図6は、デジタルサイネージ30又は利用者端末40に表示される画面SCの一例を示す図である。この例では、画面SCは、施設90毎の利用状況及び作業状況を表示するための複数の表示領域Aを含んでいる。図6における表示領域A1~A4は、それぞれ図5における管理情報L1~L4に対応している。なお、表示領域Aには、管理情報として直接記憶されている情報以外の表示情報が含まれていてもよい。図6の例では、「空」、「混雑」、又は「満」を示す表示情報が、各表示領域Aに含まれている。「空」は、「空室数/総数」が0.5より大きいことを示している。「混雑」は、「空室数/総数」が0より大きく0.5未満であることを示しており、「満」は、「空室数」が0であることを示している。このような表示情報は、施設90毎の管理情報(図5参照)に基づいて生成され得る。また、デジタルサイネージ30又は利用者端末40に表示される画面のレイアウトは、図6に例示した横長の画面に限られない。例えば、利用者端末40が縦向きに利用されているときには、横長の画面ではなく、縦長の画面が表示されてもよい。
【0031】
第2表示制御部13は、第1表示制御部12と同様に、データベース11にアクセスすることにより、データベース11に記憶された施設90毎の管理情報(利用状況情報及び作業状況情報)を参照(取得)する。そして、第2表示制御部13は、施設90毎の管理情報に基づいて、施設90毎の利用状況及び作業状況を示す画面を含むユーザインタフェースUI(図7参照)を操作端末50に表示させる。
【0032】
ユーザインタフェースUIは、画面SC(図6参照)と同様に施設90毎の利用状況及び作業状況を示す画面を含むと共に、施設90単位で通常状態と清掃状態とを切り替える操作を受け付ける。例えば、作業者U2は、操作端末50のディスプレイに表示されたユーザインタフェースUIを介して、所定の施設90の作業状況を通常状態から清掃状態に切り替える操作、又は所定の施設90の作業状況を清掃状態から通常状態に切り替える操作を行うことができる。ユーザインタフェースUIによって受け付けられた操作の内容を示す操作情報は、ネットワーク60を介して、操作端末50からサーバ10へと送信される。
【0033】
図7は、操作端末50に表示されるユーザインタフェースUIの一例を示す図である。図7に示されるように、ユーザインタフェースUIは、施設90毎の利用状況及び作業状況を表示するための複数の表示領域Bを含んでいる。図7における表示領域B1~B4は、それぞれ図5における管理情報L1~L4に対応している。なお、図7の例のように、表示領域Bには、管理情報以外の表示情報(例えば、「空」、「混雑」、又は「満」を示す情報)が含まれてもよい。また、操作端末50に表示される画面(ユーザインタフェースUI)のレイアウトは、図7に例示した縦長のレイアウトに限られない。例えば、操作端末50が横向きに利用されているときには、縦長の画面ではなく、横長の画面が表示されてもよい。
【0034】
ユーザインタフェースUIに含まれるアイコン状の表示領域Bは、作業者U2からの操作を受付可能とされている点で、画面SCに含まれる表示領域Aと相違している。例えば、作業者U2は、所定の表示領域Bに対する選択操作(例えばタップ操作)を実行することによって、当該表示領域Bが示す施設90の作業状況を変更することができる。例えば、各施設90の作業状況がデフォルトで通常状態に設定されている場合には、ある施設90に対応する表示領域Bに対して選択操作が奇数回実行されると、当該施設90の作業状況は清掃状態に設定される。一方、当該施設90に対して選択操作が偶数回実行されると、当該施設90の作業状況は通常状態に設定される。すなわち、表示領域Bに対する選択操作(タップ操作)がされる毎に、当該表示領域Bに対応する施設90の作業状況が、通常状態と清掃状態との間で相互に切り替えられる。
【0035】
このように、作業者U2は、該当する施設90の表示領域Bに対するタップ操作を行うことにより、当該施設90の作業状況を容易に切り替えることができる。ここで、ユーザインタフェースUIは、作業者U2の操作によって第1の施設90(第1エリア)が通常状態から清掃状態に変更された場合、当該第1の施設90が再度通常状態に設定されるまで、当該第1の施設90以外の第2の施設90(第2エリア)を清掃状態に設定することを禁止してもよい。つまり、ユーザインタフェースUIは、1人の作業者U2が、2以上の施設90を同時に清掃状態に設定することを禁止してもよい。上記構成によれば、作業者U2が誤って同時に2つ以上の施設90を清掃状態に設定することを防止することができる。
【0036】
一例として、ユーザインタフェースUIを介して、第1の施設90が清掃状態に変更された後に、第1の施設90が通常状態に戻される前に第2の施設90に対するタップ操作が受け付けられた場合、ユーザインタフェースUIは、操作端末50のディスプレイ上にエラー画面を表示させてもよい。なお、第1の施設90が清掃状態であるにもかかわらず第2の施設90の作業状況を清掃状態に切り替えるタップ操作(すなわち、奇数回目のタップ操作)がされたこと(すなわち、許可されていない禁止操作)は、操作端末50側で検知されてもよいし、サーバ10側で検知されてもよい。禁止操作が操作端末50側で検知される場合、例えば、操作端末50は、ある時点(例えば、全施設90の作業状況が通常状態と設定されている基準時点)から現時点までの各施設90に対する選択操作の回数を記憶しておくことにより、禁止操作を検知できる。また、禁止操作がサーバ10側で検知される場合、例えば、サーバ10(例えば後述する更新部14)は、操作端末50から操作情報(ある施設90に対する選択操作を示す情報)を受信した際に、データベース11に記憶された各施設90の作業状況情報を参照することにより、禁止操作を検知できる。
【0037】
更新部14は、データベース11に記憶される利用状況情報又は作業状況情報を更新する。まず、更新部14による利用状況情報の更新処理について説明する。更新部14は、各GW20及びネットワーク60を介して、各センサ93から検知情報を取得する。上述したように、検知情報には、個室91を識別するための情報(センサID等)が含まれている。更新部14は、検知情報に含まれているセンサIDに基づいて、当該検知情報がどの施設90のどの個室91に対応する情報であるかを特定することができる。
【0038】
更新部14は、以下のようにして、データベース11に記憶される利用状況情報を更新することができる。更新部14は、扉92が開いている状態を示す検知情報を受信した場合には、当該検知情報に対応する施設90の個室91の空き情報を「空室」に設定する。一方、更新部14は、扉92が閉じている状態を示す検知情報を受信した場合には、当該検知情報に対応する施設90の個室91の空き情報を「使用中」に設定する。
【0039】
次に、更新部14による作業状況情報の更新処理について説明する。更新部14は、ネットワーク60を介して、操作端末50から操作情報を取得する。操作情報は、所定の施設90に対する選択操作が実行されたことを示す情報である。更新部14は、操作情報に基づいて、データベース11に記憶された施設90毎の作業状況情報を更新する。例えば、更新部14は、作業状況が「通常状態」に設定されている施設90に対する選択操作がされたことを示す操作情報を受信した場合には、当該施設90の作業状況を「清掃状態」に切り替える。なお、このとき、更新部14は、作業状況が「清掃状態」に設定されている他の施設90が存在する場合には、上記切替操作を実行することなく、禁止操作(同時に2以上の施設90を清掃状態に設定する操作)がされたことを示すエラー情報を操作端末50に送信してもよい。また、更新部14は、作業状況が「清掃状態」に設定されている施設90に対する選択操作がされたことを示す操作情報を受信した場合には、当該施設90の作業状況を「通常状態」に切り替える。
【0040】
データベース11には、操作端末50(ユーザインタフェースUI)を介した作業者U2の操作の履歴が記憶されてもよい。例えば、上述したような更新部14による作業状況情報の更新処理が実行される度に、作業者U2の操作の履歴を示す操作ログが、データベース11に保存されてもよい。
【0041】
図8は、データベース11に記憶される操作ログの一例を示す図である。この例では、操作ログは、ユーザID、操作時刻、施設ID、及び操作内容を含む。ユーザIDは、操作端末50のユーザインタフェースUIを利用して所定の施設90に対する選択操作を行った作業者U2を一意に特定するための識別情報である。例えば、ユーザIDは、操作端末50からサーバ10に送信される操作情報に含まれ得る。操作端末50が作業者U2と一対一に関連付けられている場合(すなわち、各作業者U2が専用の操作端末50を所有している場合)には、操作端末50を識別する端末ID(例えば、MACアドレス等)が、上記ユーザIDとして機能し得る。また、複数の作業者U2が共通の操作端末50を共有する場合には、作業者U2は、操作端末50の利用を開始する際に自身のユーザIDを入力するログイン操作を実行してもよい。この場合、ログイン操作時に入力されたユーザIDが、操作情報に含まれる。操作時刻は、ユーザインタフェースUIに対する操作が行われた時刻である。操作内容は、清掃状態に設定する操作(すなわち、奇数回目の選択操作)であるか通常状態に設定する操作(すなわち、偶数回目の選択操作)であるかを示す情報である。
【0042】
図8に例示された1つ目の操作ログは、ユーザID「U0001」により特定される作業者U2が時刻t1に施設ID「F2」により特定される施設90の作業状況を清掃状態に設定したことを示している。一方、図8に例示された2つ目の操作ログは、ユーザID「U0001」により特定される作業者U2が時刻t2に施設ID「F2」により特定される施設90の作業状況を通常状態に設定したことを示している。上記構成によれば、ある施設90が清掃状態に設定されていた期間(すなわち、ユーザIDにより特定される作業者U2によって当該施設90の清掃作業が実施された期間)を容易に管理することができる。例えば、図8に例示した操作ログによれば、ユーザID「U0001」により特定される作業者U2が、時刻t1から時刻t2までの期間に、施設ID「F1」により特定される施設90の清掃作業を実施していたことを把握することができる。
【0043】
次に、図9を参照して、サーバ10の動作の一例について説明する。更新部14は、各施設90に設けられたGW20から、当該施設90の各個室91に設けられた各センサ93において生成された検知情報を取得する(ステップS1)。ステップS1における検知情報の取得処理は、例えば、所定間隔(例えば3秒)毎に定期的に実行される。
【0044】
また、更新部14は、作業者U2によってユーザインタフェースUIに対する操作が実行される度に、操作端末50から送信される操作情報を取得する(ステップS2)。
【0045】
続いて、更新部14は、ステップS1において取得された検知情報又はステップS2において取得された操作情報に基づいて、データベース11に記憶された管理情報を更新する(ステップS3)。更新部14は、検知情報を取得した場合には、当該検知情報に対応する施設90の利用状況情報(本実施形態では、各個室91の空き情報及び空室数(図5参照))を更新する。更新部14は、操作情報を取得した場合には、当該操作情報に対応する施設90の作業状況情報を更新する。具体的には、更新部14は、当該施設90の作業状況が「通常状態」であった場合には、当該施設90の作業状況を「清掃状態」に変更し、当該施設90の作業状況が「清掃状態」であった場合には、当該施設90の作業状況を「通常状態」に変更する。
【0046】
続いて、第1表示制御部12は、データベース11にアクセスすることにより、施設90毎の管理情報を参照(取得)し、施設90毎の管理情報に基づいて生成された画面SC(図6参照)を、デジタルサイネージ30及び利用者端末40に表示させる(ステップS4)。例えば、デジタルサイネージ30については、定期的にステップS1~S4の処理が実行されることにより、施設90毎の最新の利用状況及び作業状況が反映された画面SCがほぼリアルタイムに表示される。一方、利用者端末40には、デジタルサイネージ30と同様に、定期的に最新の画面SCの情報が配信されてもよいが、利用者端末40側での通信量及び処理負荷を軽減するために、以下のように処理されてもよい。すなわち、第1表示制御部12は、利用者端末40から更新要求を受け付けたことをトリガとして、最新の画面SCの情報を利用者端末40に配信してもよい。
【0047】
また、第2表示制御部13は、データベース11にアクセスすることにより、施設90毎の管理情報を参照(取得)し、施設90毎の管理情報に基づいて生成された画面を含むユーザインタフェースUI(図7参照)を、操作端末50に表示させる(ステップS5)。操作端末50には、デジタルサイネージ30と同様に、定期的に最新の利用状況及び作業状況が反映された画面の情報が配信されてもよいが、操作端末50側での通信量及び処理負荷を軽減するために、以下のように処理されてもよい。すなわち、第2表示制御部13は、操作端末50から更新要求を受け付けたことをトリガとして、最新の画面の情報を操作端末50に配信してもよい。
【0048】
サーバ10は、ステップS1~S5の処理を適宜実行することによって、施設90毎の最新の利用状況及び作業状況を、デジタルサイネージ30、利用者端末40及び操作端末50に表示させることができる。なお、ステップS5の処理は、ステップS4の処理よりも先に実行されてもよいし、ステップS4の処理と同時並行的に実行されてもよい。
【0049】
以上説明したように、サーバ10では、利用者U1に対しては、デジタルサイネージ30又は利用者端末40を介して、施設90毎の利用状況及び作業状況を示す画面SCが提示される。一方、作業者U2に対しては、操作端末50を介して、施設90毎の利用状況及び作業状況を示す画面と共に作用状況を施設90毎に切り換えることが可能なユーザインタフェースUIが提供される。これにより、作業者U2は、施設90毎の利用状況を参照しながら、利用者U1への影響が少ない施設90(例えば、空室が多い施設90)を清掃状態に切り換えて清掃を実施することが可能となる。また、作業者U2によりある施設90の作業状況が清掃状態に切り換えられたことは、更新部14によってデータベース11に反映され、デジタルサイネージ30又は利用者端末40を介して利用者U1に提示される。これにより、利用者U1は清掃が実施されていない通常状態の施設90のうちから使用する施設90を適切に選択することができる。つまり、利用者U1が清掃状態の施設90に向かうことを未然に防止することができる。以上により、施設90に関するユーザ(利用者U1及び作業者U2の双方)の利便性を向上させることができる。
【0050】
上述した仕組みにより、ユーザインタフェースUIを介して作業者U2が1つの施設90(エリア)を選択する操作を行った場合、第1表示制御部12によってデジタルサイネージ30又は利用者端末40に表示される画面SCにおいて、作業者U2によって選択された施設90に対応する表示領域Aの表示が変更される。例えば、作業者U2が、通常状態であった施設90を選択する操作を行った場合、画面SC上の当該施設90に対応する表示領域Aの表示が、通常状態を示す表示態様から清掃状態を示す表示態様へと変更される。このように、作業者U2の操作に応じて画面SCの表示を更新することにより、利用者U1に対して有用な情報をタイムリーに提供することが可能となる。
【0051】
また、更新部14は、個室91毎に設けられたセンサ93から個室91が空室であるか否かを示す検知情報を取得し、検知情報に基づいてデータベース11に記憶された利用状況情報を更新する。上記構成によれば、個室91毎に設けられたセンサ93からの検知情報に基づいて、利用状況情報をリアルタイムで自動的に更新することができる。これにより、任意の時点において、デジタルサイネージ30又は利用者端末40を参照する利用者U1、及び操作端末50を参照する作業者U2に正確な利用状況情報を提供することが可能となるため、利用者U1及び作業者U2の利便性を更に向上させることができる。
【0052】
なお、上記実施形態では、デジタルサイネージ30又は利用者端末40に表示される画面SC(図6参照)のレイアウトとして、性別毎に施設90をまとめて表示するレイアウトが採用されている。具体的には、画面SCは、男性用(紳士用)トイレ施設の表示領域Aをまとめた領域(図6の例では画面SCの下半分の領域)と、女性用(婦人用)トイレ施設の表示領域Aをまとめた領域(図6の例では画面SCの上半分の領域)とに分かれている。トイレ施設の利用状況を確認したい利用者U1は、通常、自身が利用するトイレ施設(すなわち、利用者U1の性別に対応するトイレ施設)のみを確認する。このため、図6の例のように、画面SCにおいて性別毎に施設90をまとめて表示するレイアウトを採用した場合、利用者U1が、自身が利用する可能性のあるトイレ施設の状況を確認し易くなるため、利用者U1の利便性を向上させることができる。
【0053】
[第2実施形態]
図10を参照して、第2実施形態に係る施設状況管理システム1Aについて説明する。図10に示されるように、施設状況管理システム1Aは、サーバ10の代わりにサーバ10Aを備える点、及び操作端末50に表示されるユーザインタフェースUIにおいて予約設定(詳しくは後述)の操作が可能な点で、第1実施形態に係る施設状況管理システム1と主に相違している。
【0054】
施設状況管理システム1Aにおいては、操作端末50に表示されるユーザインタフェースUIは、予約設定を更に受け付け可能に構成されている。予約設定は、現時点から所定期間後の将来時点(以下「清掃開始予定時刻」ともいう。)に、指定された施設90(以下「指定施設」ともいう。)を通常状態から清掃状態に変更することを示す設定である。
【0055】
例えば、図7に示されるユーザインタフェースUIに対する作業者U2による操作端末50の操作によって、所定の施設90の作業状況が通常状態から清掃状態に変更されると、予約設定を行うか否かを作業者U2に問い合わせるポップアップウィンドウが表示される。ポップアップウィンドウには、例えば、「次に清掃する施設を設定しますか?」というメッセージと共に、「はい」及び「いいえ」のボタンが表示される。ここで、作業者U2が「はい」を選択すると、操作端末50には、図7に示されるユーザインタフェースUIが再度表示される。ここで、作業者U2が、清掃予約をしたい施設90の表示領域Bを選択すると、操作端末50には、清掃開始予定時刻を入力するための入力ウィンドウが表示される。作業者U2が当該入力ウィンドウに対して清掃開始予定時刻を入力することによって、予約設定が完了する。上述のように予約設定が完了すると、予約設定を示す予約設定情報(すなわち、指定施設及び清掃開始予定時刻を含む情報)が、ネットワーク60を介して、操作端末50からサーバ10Aへと送信される。なお、予約設定の操作は、上記に例示した操作手順とは異なる操作手順によって行われてもよい。
【0056】
サーバ10Aは、更新部14の代わりに更新部14Aを備え、第3表示制御部15を更に備える点で、サーバ10と主に相違している。
【0057】
更新部14Aは、以下の処理を更に実行するように構成されている点で、更新部14と相違している。更新部14Aは、ユーザインタフェースUIにより受け付けられた予約設定に基づいて、データベース11に記憶された指定施設の作業状況情報を、清掃開始予定時刻に通常状態から清掃状態に更新する。すなわち、更新部14Aは、現在時刻が清掃開始予定時刻になったことを検知すると、指定施設の作業状況情報を通常状態から清掃状態に自動的に更新する。上記処理を実行するために、例えば、更新部14Aは、以下のような処理を実行する。
【0058】
更新部14Aは、操作端末50から予約設定情報を受信すると、データベース11に記憶された指定施設の管理情報に予約情報を関連付ける。予約情報は、予約設定の有無(予約設定がされている場合には清掃開始予定時刻の情報を含む)を示す情報である。図11は、施設ID「F2」により特定される施設90に対して、清掃開始予定時刻が「15:00」である予約設定がされた例を示している。このような仕組みによれば、更新部14Aは、例えば定期的にデータベース11を参照することにより、現在時刻が「15:00」になった際に、施設ID「F1」により特定される施設90の作業状況を通常状態から清掃状態に自動的に更新することができる。
【0059】
第3表示制御部15は、ユーザインタフェースUIにより予約設定が受け付けられた場合に、予約設定がされていることを示す通知情報を指定施設内の各個室91に設けられた個室端末94に表示させる。例えば、第3表示制御部15は、定期的にデータベース11にアクセスすることにより、各施設90の予約情報を参照する。そして、予約設定がされた指定施設(すなわち、予約情報が関連付けられた施設90)が存在しており、且つ、現時点から清掃開始予定時刻までの残り時間が予め定められた時間(例えば10分)以内である場合に、第3表示制御部15は、当該指定施設内の各個室91に設けられた個室端末94に通知情報を表示させる。通知情報は、例えば「10分後、清掃予定です。」や「10分後、このトイレ施設に清掃員が入る可能性があります。」等の文字を含んだ表示情報である。なお、通知情報には、画像が含まれていてもよい。また、通知情報を構成する文字、画像等の表示情報は、予め個室端末94に保存されていてもよいし、サーバ10Aに保存されていてもよい。
【0060】
なお、作業者U2によって上述した予約設定が行われた場合には、第1表示制御部12及び第2表示制御部13は、データベース11に記憶された施設90毎の予約情報(図11参照)を参照することにより、指定施設が予約設定されていることを示す情報をデジタルサイネージ30、利用者端末40及び操作端末50に表示させてもよい。例えば、指定施設の表示領域A,B(図6及び図7参照)には、「15:00清掃開始予定」等の予約設定に関する情報が表示されてもよい。
【0061】
次に、図12を参照して、サーバ10Aの動作の一例について説明する。作業者U2による操作端末50の操作によって予約設定がされた場合、更新部14Aは、操作端末50から予約設定情報(指定施設及び清掃開始予定時刻を含む情報)を取得する(ステップS11)。続いて、更新部14Aは、予約設定情報に基づいて、データベース11に記憶された指定施設の予約情報を更新する(ステップS12)。図11の例では、更新部14Aによって、指定施設(施設ID「F2」により特定される施設90)の予約情報が設定される。
【0062】
続いて、第3表示制御部15は、データベース11に定期的にアクセスすることにより、各施設90の予約情報を参照し、現時点から所定時間(ここでは一例として10分)以内の清掃開始予定時刻が設定されている施設90が存在するか否かを判定する(ステップS13)。上記に該当する施設90が存在する場合(ステップS13:YES)、第3表示制御部15は、通知情報を上記施設90の個室端末94に表示させる。
【0063】
以上説明したように、施設状況管理システム1Aでは、ユーザインタフェースUIが、予約設定を受け付け可能に構成されている。そして、更新部14Aは、ユーザインタフェースUIにより受け付けられた予約設定に基づいて、データベース11に記憶された指定施設の作業状況情報を、清掃開始予定時刻に通常状態から清掃状態に自動的に更新する。上記構成によれば、作業者U2は、予め清掃予定の施設90について予約設定を行っておくことにより、各施設90の清掃作業を円滑に実施することが可能となる。
【0064】
また、第3表示制御部15は、ユーザインタフェースUIにより予約設定が受け付けられた場合、予約設定がされていることを示す通知情報を指定施設内の個室91に設けられた個室端末94に表示させる。上記構成によれば、指定施設の個室91を利用している利用者U1に対して、個室端末94を介して、予約設定がされていることを通知することができる。これにより、当該利用者U1に、清掃開始予定時刻までに個室91の利用を完了することを促すことができる。また、予約設定されている個室91の利用を利用者U1に控えさせることができる。
【0065】
以上、実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されない。上記実施形態では、1つの施設90によって1つのエリアが構成される例を示したが、施設90とエリアとの関係は上記に限られない。例えば、高速道路のサービスエリアに設けられたトイレのように比較的大型の施設90については、複数の区画に分割されてもよく、区画毎に管理単位としてのエリアが構成されてもよい。また、1つの施設90は、必ずしも複数の個室91を含んでいなくてもよく、1つの個室91のみを含むものであってもよい。また、利用者U1に供される施設90は、上記実施形態で例示したトイレ施設に限られず、同時に利用可能な数に限りがある個室を含む施設であればよい。
【0066】
また、個室91の空き情報を判別する手法は、上記実施形態で例示した扉92の開閉状態によって判別する手法に限られない。例えば、多目的トイレ等のように、使用中か否かにかかわらず、常時扉が閉まっている個室トイレも存在する。このような個室トイレについては、例えば、個室内に人感センサが設けられてもよい。この場合、更新部14,14Aは、人感センサからの情報に基づいて、個室の空き情報を判別してデータベース11を更新することができる。
【0067】
また、所定の作業は、上記実施形態で例示した清掃作業に限られない。所定の作業は、作業実施中に施設90内の個室91を利用できなくなるものであればよい。例えば、所定の作業は、施設90の工事作業、施設90内の備品の修理作業(メンテナンス)等であってもよい。
【0068】
また、デジタルサイネージ30、利用者端末40、及び操作端末50に表示される画面(図6及び図7参照)のレイアウト及び表示内容は、上記実施形態で例示した内容に限られない。例えば、上記画面には、上記実施形態で例示した清掃中であることを示す「清」という表示に代えて(或いは加えて)、より詳細な案内情報(例えば、「5分ほど清掃員が入ります。」、「使用可能ですが、清掃しています。」等のテキスト情報)が表示されてもよい。
【0069】
また、ユーザインタフェースUIを用いて施設90の作業状況を切り替えるための操作方法は、上記実施形態で例示した方法(該当する施設90の表示領域Bに対するタップ操作)に限られない。例えば、上記操作方法は、該当する施設90の表示領域Bの長押し操作であってもよい。或いは、上記操作方法は、該当する施設90の表示領域Bをタップした後に表示される確認用のウィンドウ(例えば、「作業状況を○○に変更しますか?」というメッセージと共に「はい」及び「いいえ」のボタンを含むウィンドウ)で「はい」ボタンを押下する操作であってもよい。
【0070】
また、操作端末50は、作業者U2が所持するスマートフォン又はタブレット等の携帯端末に限られない。操作端末50は、例えば、各施設90内に設置(固定)された端末(例えば、利用者U1が利用できないように管理されたロッカー等に配置された端末)であってもよい。また、このような操作端末には、通常状態と清掃状態とを切り替えるためのスイッチが設けられていてもよい。この場合、作業者U2は、施設90内に設置された操作端末のスイッチ操作を行うことで、当該施設90の作業状況を通常状態と清掃状態との間で切り替えることができる。また、サーバ10,10Aは、予め操作端末と施設90との対応関係(例えば、端末IDと施設IDとの対応関係)を示す情報を保持していてもよい。この場合、サーバ10,10A(更新部14,14A)は、操作端末から受信したスイッチ操作の情報(操作端末の端末IDとスイッチ操作により設定された作業状況とを示す情報)に基づいて、端末IDに対応する施設90の作業状況を更新することができる。
【0071】
また、上記実施形態では、画面SC(図6参照)のレイアウトとして、性別毎に施設90をまとめて表示するレイアウトが採用されたが、表示領域を束ねる分類は、上記例(ここでは性別)に限られない。例えば、施設90が年代毎に分かれている場合(例えば、子供用と成人用とに分かれている場合等)には、年代毎に施設90をまとめて表示するレイアウトが採用されてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、操作端末50に表示されるユーザインタフェースUI(図7参照)についても、画面SC(図6参照)と同様のレイアウト(すなわち、性別毎に施設90をまとめて表示するレイアウト)が採用されている。このように、ユーザインタフェースUIのレイアウトは、画面SCのレイアウトと同一であってもよい。或いは、以下に説明するように、ユーザインタフェースUIのレイアウトは、画面SCのレイアウトとは異なっていてもよい。
【0073】
例えば、同一の作業者U2が、男性用トイレ施設及び女性用トイレ施設の両方を清掃する場合があり得る。このとき、作業者U2は、各トイレ施設の清掃作業を効率的に行うために、互いに近い位置に配置された複数のトイレ施設を順に清掃すると考えられる。このような場合、作業者U2にとっては、性別毎に施設90をまとめて表示するレイアウトよりも、設置場所(例えば、フロア単位等)毎に施設90をまとめて表示するレイアウトの方が、清掃の順序を検討し易い可能性がある。そこで、例えば、図7に示されるユーザインタフェースUIにおいて、図13に示されるレイアウトが採用されてもよい。図13の例では、フロア(例えば「9F」等)毎の領域R(例えば矩形状の領域)が設定され、各領域R内に同一のフロアに属する各施設90に対応する表示領域BAがまとめて配置されたレイアウトが採用されている。表示領域BAは、フロア情報(階数を示す情報)の代わりに性別を示す情報(男性又は女性)が表示される点で、図7に示される表示領域Bと相違している。このように、各施設90に対応する表示領域に表示される情報は、採用されるレイアウト(例えば、複数の施設90を束ねる分類)に応じて、適宜変更され得る。図13に示されるようにフロア毎に施設90をまとめて表示するレイアウトによれば、作業者U2が清掃作業の実施順序(例えば、各フロアを回る順序)を検討し易くなるため、作業者U2の利便性を向上させることができる。
【0074】
以上説明したように、利用者U1に提供される画面SC又は作業者U2に提供されるユーザインタフェースUIにおいては、様々なレイアウトを採用することができる。また、画面SC又はユーザインタフェースUIのレイアウトは、予め用意された複数のレイアウトの中から任意に選択できるように構成されていてもよい。この場合、利用シーンに応じてレイアウトを適切に設定することが可能となる。例えば、男性用トイレ施設のみを清掃する作業者U2は、図7に示されるように性別毎に施設90をまとめて表示するレイアウトを選択することで、自身が清掃する対象の施設90(この場合、男性用トイレ施設)の状況のみを容易に確認することができる。一方、男性用トイレ施設及び女性用トイレ施設の両方を清掃する作業者U2は、図13に示されるレイアウトを選択することで、上述したメリットを享受することができる。
【符号の説明】
【0075】
10,10A…サーバ(施設状況管理装置)、11…データベース、12…第1表示制御部、13…第2表示制御部、14,14A…更新部、15…第3表示制御部、30…デジタルサイネージ(表示端末)、40…利用者端末(表示端末)、50…操作端末、90…施設、91…個室、94…個室端末、U1…利用者(第1ユーザ)、U2…作業者(第2ユーザ)、UI…ユーザインタフェース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13