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  • 特許-迅速逆転写定量的ポリメラーゼ連鎖反応 図1
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  • 特許-迅速逆転写定量的ポリメラーゼ連鎖反応 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】迅速逆転写定量的ポリメラーゼ連鎖反応
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/686 20180101AFI20241218BHJP
【FI】
C12Q1/686 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021541470
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 US2020013827
(87)【国際公開番号】W WO2020150442
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】62/793,701
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513208191
【氏名又は名称】ノースウエスタン ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】NORTHWESTERN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】633 Clark Street,Evanston,Illinois 60208,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】リード,ジェニファー エル.
(72)【発明者】
【氏名】マクフォール,サリー エム.
(72)【発明者】
【氏名】バツラー,マシュー エイ.
【審査官】天野 皓己
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-538007(JP,A)
【文献】特表2013-538585(JP,A)
【文献】特表2011-502467(JP,A)
【文献】特表2017-504356(JP,A)
【文献】特表2013-542713(JP,A)
【文献】特開2008-253263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/00 - 3/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中の標的RNAの検出方法であって、以下:
a.(i)前記試料、
(ii)デオキシヌクレオチド三リン酸、緩衝液、マグネシウム塩またはマンガン塩から選択される補因子であって、当該補因子は3mM~8mMの濃度で提供される補因子、及び前記標的RNAを増幅するように構成されたオリゴヌクレオチドプライマーであって、当該オリゴヌクレオチドプライマーは少なくとも6μMの濃度で提供されるオリゴヌクレオチドプライマー、を含む、増幅試薬、ならびに
(iii)少なくとも0.4U/μLの濃度で提供されるRNA及びDNA両依存性ポリメラーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を含有する反応混合物を用意すること、
b.64~72℃の温度で、30秒以下の逆転写時間の間インキュベートすることにより、前記RNAをDNAへと逆転写すること、
c.複数の増幅サイクルを含む熱サイクルプロトコルにより前記DNAを増幅することであって、ただし、各増幅サイクルは、少なくとも、91~98℃の温度で、5秒間未満行われる熱変性工程及び、45~70℃の温度で、10秒間未満行われるアニーリング工程を含む、前記増幅すること、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記オリゴヌクレオチドプライマーは、フォワードプライマー及びリバースプライマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記オリゴヌクレオチドプライマーは、12μMの濃度で提供される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリメラーゼ酵素は、0.8U/μLの濃度で提供される、請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記補因子は、マンガン塩である、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記マンガン塩は、MnClである、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記補因子は、4mMの濃度で提供される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記逆転写時間は、12秒以下である、請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記逆転写時間は、5秒以下である、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記逆転写時間は、1秒以下である、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記逆転写は、68℃の温度で起こる、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
各熱変性工程は、95℃で1秒間行われ、及び各アニーリング工程は68℃で4秒間行われる、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記熱サイクルプロトコルは、少なくとも30回の増幅サイクルを含む、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記熱サイクルプロトコルは、少なくとも40回の増幅サイクルを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
関連出願の相互参照
本出願は、2019年1月17日出願の米国仮特許出願番号第62/793,657号の優先権を主張し、この出願はそのまま全体が本明細書により参照として援用される。
【0002】
本明細書中提供されるのは、試料中のRNAを迅速に増幅及び検出する方法である。特定の実施形態において、開示される方法は、臨床診断、例えば、対象におけるウイルス感染の検出などに使用することができる。
【0003】
〔背景技術〕
感染症は、核酸検査で診断されることが多い。しかしながら、核酸の増幅に最も広く実施されている方法である、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)または定量的PCRまたはリアルタイムPCR(qPCRまたはRT-PCR)は、時間もエネルギーも大量に必要とする。RNAの検出は、特にウイルス感染症に関して、臨床診断にも必須となる可能性があるが、RNAは、PCRにより直接増幅することができない。RNAは、逆転写の第一工程を必要とし、この工程で、逆転写酵素と呼ばれる酵素が、酵素作用により、RNAテンプレートからDNAコピー(cDNA)を作製する。RT-qPCRでは、次いで、このcDNAが、PCR反応で増幅される。
【0004】
RT-qPCRアッセイは、1段階または2段階反応いずれかで行うことができる。1段階RT-qPCRでは、cDNA合成及びqPCRを、単一反応容器において、共通する反応緩衝液中で行う。2段階RT-qPCRでは、cDNAを1つの反応で合成し、次いで分割量のcDNAを、続くqPCR実験に使用する。1段階反応は、最小限の試料取り扱い及び密閉管反応を可能にするので、ピペット誤差及び相互汚染の可能性を低下させる。しかしながら、単一管RT-qPCRアッセイの場合、混合されたRT試薬とPCR試薬は、それらの反応が1つの試験管中で一緒に進行することを許容するものでなければならない。このため、個々の反応それぞれにとって最適な試薬及び条件を使用することが妨げられ、その結果、潜在的に反応条件を妥協することになり、効率及び収率に悪影響を及ぼす。
【0005】
したがって、高い効率及び収率を可能にする、試料中の標的RNAを迅速検出する改善された方法が必要とされている。
【0006】
〔発明の概要〕
本明細書中提供されるのは、試料中の標的RNAを検出する方法である。実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、(a)試料、増幅試薬、ならびにRNA及びDNA両依存性ポリメラーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を含有する反応混合物を用意すること、(b)5分以下の逆転写時間の間インキュベートすることにより、RNAからDNAへと逆転写すること、ならびに(c)複数の増幅サイクルを含む熱サイクルプロトコルを行うことによりDNAを増幅させることであって、ただし、各増幅サイクルは、少なくとも熱変性工程及びアニーリング工程を含む、増幅させること、を含む、試料中の標的RNAを検出する方法である。
【0007】
実施形態によっては、増幅試薬は、デオキシヌクレオチド三リン酸、緩衝液、補因子、及び試料中の標的RNAを増幅するように構成されたオリゴヌクレオチドプライマーを含む。実施形態によっては、オリゴヌクレオチドプライマーは、フォワードプライマー及びリバースプライマーを含む。実施形態によっては、オリゴヌクレオチドプライマーは、少なくとも6μM(例えば、6μM、7μM、8μM、9μM、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、またはそれらの間の範囲)の濃度で提供される。
【0008】
実施形態によっては、オリゴヌクレオチドプライマーは、12μMの濃度で提供される。実施形態によっては、ポリメラーゼ酵素は、少なくとも0.4U/μL(例えば、0.4U/μL、0.5U/μL、0.6U/μL、0.7U/μL、0.8U/μL、0.9U/μL、1.0U/μL、1.1U/μL、1.2U/μL、またはそれらの間の範囲)の濃度で提供される。実施形態によっては、ポリメラーゼ酵素は、0.8U/μLの濃度で提供される。
【0009】
実施形態によっては、補因子は、マグネシウム塩またはマンガン塩である。実施形態によっては、補因子は、マンガン塩である。実施形態によっては、マンガン塩は、MnClである。実施形態によっては、補因子は、3mM~8mM(例えば、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、またはそれらの間の範囲)の濃度で提供される。実施形態によっては、補因子は、4mMの濃度で提供される。
【0010】
実施形態によっては、逆転写時間は、2分以下である。実施形態によっては、逆転写時間は、30秒以下である。実施形態によっては、逆転写時間は、12秒以下である。実施形態によっては、逆転写時間は、5秒以下である。実施形態によっては、逆転写時間は、1秒以下である。
【0011】
実施形態によっては、逆転写工程は、64~72℃(例えば、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、またはそれらの間の範囲)の温度で起こる。実施形態によっては、逆転写工程は、68℃の温度で起こる。実施形態によっては、各熱変性工程は、91~99℃(例えば、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、またはそれらの間の範囲)で1秒間行われる。実施形態によっては、各アニーリング工程は、64~72℃(例えば、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、またはそれらの間の範囲)で4秒間行われる。実施形態によっては、各熱変性工程は、95℃で1秒間行われ、各アニーリング工程は、68℃で4秒間行われる。実施形態によっては、熱サイクルプロトコルは、少なくとも30回(例えば、30回、35回、40回、45回、50回、55回、60回、またはそれ以上、またはそれらの間の範囲)の増幅サイクルを含む。実施形態によっては、熱サイクルプロトコルは、40回の増幅サイクルを含む。
【0012】
〔図面の簡単な説明〕
図1〕MS2RT-qPCRのRT時間を変化させた場合のCqの箱ひげ図であり、単位は秒である。反復数をグラフに示す。
【0013】
図2〕Mg2+補因子またはMn2+補因子いずれかを用いて増幅させたMS2RNAの増幅曲線。
【0014】
図3〕Mg2+補因子またはMn2+補因子いずれかを用いた、閉じたHCV cDNA及びプラスミドからin vitro転写したRNAを含有するプラスミドの増幅曲線。
【0015】
〔発明を実施するための形態〕
定義
本明細書中記載されるものと同様または同等である任意の方法及び材料が、本明細書中記載される実施形態の実施または試験に使用可能であるものの、一部の好適な方法、組成物、装置、及び材料について、本明細書中記載する。しかしながら、本発明の材料及び方法を記載する前に、当然のことながら本発明は、本明細書中記載される特定の分子、組成物、方法、またはプロトコルに限定されず、それらは、常用実験及び最適化に従って変更可能である。同じく当然のことながら、説明で使用される用語は、特定の形態または実施形態を説明することのみを目的とし、本明細書中記載される実施形態の範囲を限定することを意図しない。
【0016】
特に定義されない限り、本明細書中使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当該分野の当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。しかしながら、矛盾する場合は、定義を含めて本明細書が優先されることになる。したがって、本明細書中記載される実施形態の文脈において、以下の定義が適用される。
【0017】
本明細書及び添付の特許請求の範囲中使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈から明白に特に指定されない限り、複数についての言及を含む。すなわち、例えば、「1種のペプチド両親媒性物質(a peptide molecule)」という言及は、1種または複数のペプチド両親媒性物質及び当業者に既知であるその等価物についての言及であるといった具合である。
【0018】
本明細書中使用される場合、「含む(comprise)」という用語及びそれが変化した語形は、列挙される特長(複数可)、要素(複数可)、方法工程(複数可)などが存在することを示すが、さらなる特長(複数可)、要素(複数可)、方法工程(複数可)などが存在することを排除しない。反対に、「からなる(consisting of)」という用語及びそれが変化した語形は、列挙される特長(複数可)、要素(複数可)、方法工程(複数可)などが存在することを示すとともに、通常付随する不純物を除いて、あらゆる列挙されない特長(複数可)、要素(複数可)、方法工程(複数可)などが存在することを排除する。「本質的に~からなる(consisting essentially of)」という語句は、列挙される特長(複数可)、要素(複数可)、方法工程(複数可)などが存在することを示すとともに、組成物、システム、または方法の基本的性質に実質的に影響しない任意のさらなる特長(複数可)、要素(複数可)、方法工程(複数可)などが存在することを示す。本明細書中の多くの実施形態は、「含む(comprise)」という非限定語を用いて記載される。そのような実施形態は、複数の限定された「からなる(consisting of)」及び/または「本質的に~からなる(consisting essentially of)」実施形態を包含し、これらの限定された実施形態は、代替的に当該言語を用いて特許請求されるまたは記載される場合がある。
【0019】
本明細書中使用される場合、「分析する」という用語及びそれと等価な言語は、試料あるいはその1種または複数の構成要素を特性決定するために取られる任意の工程を示す。分析工程の例として、例えば、試料構成要素(例えば、標的核酸)の定量、試料構成要素の配列決定などが挙げられる。
【0020】
本明細書中使用される場合、「調製する」という用語及びそれと等価な言語は、例えば、その後の分析工程または検出工程で使用するために、試料あるいはその1種または複数の構成要素を改変するために取られる任意の工程を示す。試料調製工程の例として、例えば、試料の希釈または濃縮、試料構成要素の単離または精製、試料の加熱または冷却、試料構成要素(例えば、核酸)の増幅、試料構成要素の標識化などが挙げられる。
【0021】
本明細書中使用される場合、「試料」及び「検体」という用語は、同義で及びそれらの最も広義において使用される。1つの意味において、試料は、生物学的試料及び環境試料だけでなく、任意の試料源から得られた検体または培養物を含むことを意味する。生物学的試料は、動物(ヒトを含む)か得られる場合があり、流体、固体、組織、及び気体を包含する。生物学的試料として、血液産物、例えば、血漿、血清、糞便、尿などが挙げられる。環境試料として、環境物質、例えば、表面物質、土壌、泥、汚泥、バイオフィルム、水、及び産業試料などが挙げられる。しかしながら、これらの例は、本発明を適用することができる試料の種類を限定するものと解釈されるべきではない。
【0022】
「システム」という用語は、本明細書中使用される場合、特定の目的のため任意の適切な様式でひとまとまりにグループ化された(例えば、物理的に会合している;液体的、電子的、またはデータ的に連通している;一緒にパッケージ化されている、など)組成物、装置、物品、材料などの集合を示す。
【0023】
詳細な説明
本明細書中提供されるのは、試料中の標的RNAを検出する方法である。本明細書中記載される方法は、逆転写用に1種類の酵素及びポリメラーゼ連鎖反応用に1種類の酵素というのではなく、単一酵素を用いた迅速な転写及びポリメラーゼ連鎖反応を可能にする。本方法は、試料、増幅試薬、ならびにRNA及びDNA両依存性ポリメラーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を含有する反応混合物を用意すること;逆転写時間(例えば、5分間以下)の間インキュベートすることにより、RNAからDNAへと逆転写すること;ならびに複数の増幅サイクルを含む熱サイクルプロトコルを行うことによりDNAを増幅させることであって、ただし、各増幅サイクルは、少なくとも熱変性工程及びアニーリング工程を含む、増幅させること、を含む。
【0024】
a.反応混合物
任意の適切なPCR試薬を、反応混合物に使用することができる。適切なPCR試薬として、水、緩衝液、dNTP、プライマー、対照物、触媒、開始剤、プロモーター、補因子、塩、キレート化剤、プローブ、蛍光色素、及びそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、反応混合物は、増幅試薬を含有することができる。増幅試薬として、dNTP、緩衝液、補因子、及び試料中の標的RNAを増幅するように構成されたオリゴヌクレオチドプライマーを挙げることができる。
【0025】
「プライマー」及び「オリゴヌクレオチドプライマー」という用語は、本明細書中同義で使用される。一般に、プライマーとは、長いテンプレートと相補的な、それより短い核酸である。複製中、プライマーは、テンプレート配列に基づいて延長され、テンプレートの相補的コピーであるそれより長い核酸を生成することができる。延長は、個別ヌクレオチドの連続付加(例えば、ポリメラーゼの作用により)により起こすことができる。プライマーは、DNA、RNA、それらの類似体(例えば、人工核酸)、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。プライマーは、任意の適切な長さを有することができる。例えば、プライマーは、少なくとも10ヌクレオチドである場合がある。例えば、プライマーは、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、または少なくとも30ヌクレオチドである場合がある。例示プライマーは、化学合成されたものである。
【0026】
オリゴヌクレオチドプライマーは、少なくとも1つの核酸標的を増幅するための少なくとも1対のプライマーとして供給することができる。例えば、1対のプライマーは、得られるアンプリコンの対向する末端(したがって、その長さ)を集団で定義するフォワードプライマー(すなわちセンスプライマー)及びリバースプライマー(すなわちアンチセンスプライマー)である場合がある。任意の適切なプライマー濃度を使用することができる。実施形態によっては、オリゴヌクレオチドプライマーは、少なくとも6μMの濃度で提供される。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーは、少なくとも6μM、少なくとも7μM、少なくとも8μM、少なくとも9μM、少なくとも10μM、少なくとも11μM、または少なくとも12μMの濃度で提供される場合がある。実施形態によっては、オリゴヌクレオチドプライマーは、12μMの濃度で提供される。
【0027】
ポリメラーゼ酵素は、RNA及びDNA両依存性ポリメラーゼ活性を有する任意の適切な酵素であってもよい。RNA及びDNA両依存性ポリメラーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素は、市販されているポリメラーゼでもよい(例えば、Boehringer Mannheim Corp., Indianapolis, Ind.;Life Technologies, Inc., Rockville, Md.;New England Biolabs, Inc., Beverley, Mass.;Perkin Elmer Corp., Norwalk, Conn.;Pharmacia LKB Biotechnology, Inc., Piscataway, N.J.;Qiagen, Inc., Valencia, Calif.;Stratagene, La Jolla, Calif.製)。例えば、ポリメラーゼ酵素は、HawkZ05 Fastポリメラーゼであってもよい。任意の適切なポリメラーゼ酵素濃度を使用することができる。実施形態によっては、ポリメラーゼ酵素は、少なくとも0.4U/μLの濃度で提供される場合がある。例えば、ポリメラーゼ酵素は、少なくとも0.4U/μL、少なくとも0.5U/μL、少なくとも0.6U/μL、少なくとも0.7U/μL、または少なくとも0.8U/μLの濃度で提供される場合がある。実施形態によっては、ポリメラーゼ酵素は、0.8U/μLの濃度で提供される。
【0028】
実施形態によっては、ポリメラーゼは、DNA及びRNA両依存性ポリメラーゼ活性を有する。実施形態によっては、ポリメラーゼは、ホットスタートPCRに適合性がある。実施形態によっては、ポリメラーゼは、ホットスタートPCRを可能にするアプタマー/酵素システムの一部である(例えば、ポリメラーゼは、域値より低い温度では不活化している)。実施形態によっては、Thermus属の種Z05由来のポリメラーゼが提供される。
【0029】
補因子は、使用されるポリメラーゼ酵素に適した任意の補因子であってもよい。例えば、補因子は、マグネシウム塩の場合がある。例えば、マグネシウム塩は、MgClまたはMgSOの場合がある。別の例として、補因子は、マンガン塩の場合がある。例えば、マンガン塩は、MnClまたはMnSOの場合がある。任意の適切な補因子濃度を使用することができる。実施形態によっては、補因子は、3mM~8mMの濃度で提供される。例えば、補因子は、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、または8mMの濃度で提供される場合がある。実施形態によっては、補因子は、4mMの濃度で提供される。
【0030】
本明細書中提供される実施形態に従って、PCR試薬は、1種または複数のプローブ、または少なくとも1つの標識、例えば少なくとも1種の色素が接続された任意の核酸も含むことができる。プローブは、核酸標的及び/またはアンプリコンの配列特異的結合パートナーである場合がある。プローブは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)に基づき標的増幅の検出を可能にするように設計されている場合があり、お互いに接近したときに集団で蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を呈する1対の色素が接続された1つまたは複数の核酸を含む。1対の色素は、とりわけ、第一エミッター及び第二エミッター、またはエミッター及びクエンチャーを提供する場合がある。1対の色素からの蛍光発光は、プライマー延長中にプローブ切断によるなどして色素がお互いに離れたとき(例えば、TAQMANプローブを用いる5’ヌクレアーゼアッセイなど)、またはプローブがアンプリコンとハイブリダイズしたとき(例えば、分子ビーコンプローブ)に変化する。プローブの核酸部分は、任意の適切な構造または起源を有することができ、例えば、この部分は、ロックド核酸、普遍的プローブライブラリーの一員などであることが可能である。他の場合では、プローブとプライマー対のプライマーの一方が、同一分子中で組み合わされている場合がある。例えば、プライマープローブ分子は、その3’末端にプライマー配列を、及び5’末端に分子ビーコン型プローブを有する場合がある。この配置を用いて、異なる色素で標識化された関連プライマープローブ分子を、同一リバースプライマーを用いる多重化アッセイに使用して、1つのヌクレオチドが異なる標的配列(一塩基遺伝子多型(SNP))を定量することができる。
【0031】
b.逆転写
逆転写は、試料中に存在するRNAテンプレートから相補DNA鎖(cDNA)を生成させるプロセスを示す。本明細書中記載される方法は、RNAテンプレートからcDNA産物を生成させるのに短いインキュベーション時間を必要とする。詳細には、開示される方法は、逆転写時間(例えば、5分間以下)の間インキュベートすることにより、RNAからDNAへと逆転写することを含む。例えば、逆転写時間は、5分以下、4分以下、3分以下、2分以下、90秒以下、60秒以下、30秒以下、15秒以下、12秒以下、10秒以下、8秒以下、5秒以下、または1秒以下の場合がある。実施形態によっては、逆転写時間は、0秒である。
【0032】
逆転写工程は、使用されるポリメラーゼ酵素に応じて任意の適切な温度で起こすことができる。実施形態によっては、逆転写工程は、逆転写法に典型的に使用される温度に比べて高温で行われる。例えば、HawkZ05 Fastポリメラーゼは、55℃未満では酵素活性が阻止されるアプタマーとともに販売されている。したがって、HawkZ05 Fastポリメラーゼを使用する方法の場合、逆転写工程は、55℃を超える温度で行われる。実施形態によっては、逆転写工程は、60~70℃の温度で行われる場合がある。例えば、逆転写工程は、55℃超、60℃超、または65℃超の温度で起こる場合がある。実施形態によっては、逆転写工程は、68℃の温度で起こる。他のポリメラーゼは、逆転写工程に代替温度を必要とする場合がある。
【0033】
ある種のRNA標的は、RNAをRT-PCR反応物に加える前に、RNAを先行して熱変性させる必要がある。例えば、ロタウイルスの熱変性またはC型肝炎ウイルスで見られるRNA二次構造の熱変性は、一般的に使用される逆転写酵素の最適温度範囲より相当高い融解温度を必要とする。この結果、逆転写ポリメラーゼ酵素の熱変性がもたらされる。例えば、Maloneyマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素またはトリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素などの一般的に使用される逆転写酵素は、最適温度範囲が37~42℃である。したがって、ロタウイルスまたはC型肝炎などの標的は、予備RNA熱変性工程、すなわち、1段階密閉カートリッジ設計に適合しないプロセスを必要とする。対照的に、本明細書中記載される方法は、逆転写工程が、60~70℃の範囲などの高温範囲で来なわれることを可能にする。これにより、予備RNA熱変性を必要とせずに、RNA標的の逆転写及び続く検出が可能になる。
【0034】
c.DNA増幅
PCR反応には、一般に、増幅プロセス、すなわち複製が経時的に繰り返し起こることでテンプレート分子の少なくとも1セグメントのコピーが複数形成される反応も関与する。一般に、増幅は、複製ラウンドを連続して達成するために、加熱と冷却を交互に行うサイクル(すなわち、熱サイクル)に頼る。
【0035】
本明細書中開示される方法は、複数の増幅サイクルを含む熱サイクルプロトコルを行うことにより、DNAを増幅させることを含む。増幅は、上記のとおりの任意の適切な試薬を用いて行うことができる。各増幅サイクルは、少なくとも熱変性工程及びアニーリング工程を含む。例えば、各増幅サイクルは、2つ以上の温度設定点、例えば、高温側の溶融(熱変性)温度及び低温側のアニーリング/延長温度の間を行き来する場合がある。他の実施形態において、各増幅サイクルは、3つ以上の温度設定点、例えば、高温側の溶融温度、低温側のアニーリング温度、及び中間の延長温度の間を行き来する場合がある。
【0036】
増幅サイクルの各工程について任意の適切な温度及び期間を使用することができる。一般に、各熱変性工程は、91~98℃の温度で行われる。例えば、各熱変性工程は、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃、または98℃で行われる場合がある。実施形態によっては、各熱変性工程は、95℃で行われる。実施形態によっては、各熱変性工程は、20秒間未満行われる場合がある。例えば、各熱変性工程は、20秒間未満、10秒間未満、5秒間未満、4秒間未満、3秒間未満、2秒間未満、または1秒間未満行われる場合がある。実施形態によっては、各熱変性工程は、95℃で1秒間行われる。
【0037】
適切なアニーリング温度は、プライマー対に依存し、一般に45~70℃で行われる場合がある。例えば、各アニーリング工程は、45℃、50℃、55℃、58℃、60℃、65℃、または68℃の温度で行われる場合がある。各アニーリング工程は、20秒間未満行われる場合がある。例えば、各アニーリング工程は、20秒間未満、10秒間未満、5秒間未満行われる場合がある。実施形態によっては、各アニーリング工程は、68℃で4秒間行われる。
【0038】
実施形態によっては、熱サイクルプロトコルは、複数の増幅サイクルを行う前に、初期高温保持期(例えば95℃)を含む場合がある。例えば、熱サイクルプロトコルは、95℃で2分間以下の初期高温保持期を含む場合がある。実施形態によっては、熱サイクルプロトコルは、95℃で2分間、90秒間、1分間、30秒間、または15秒間の初期保持期を含む場合がある。
【0039】
増幅は、進行するにつれて、コピー数の指数関数的または直線的増加をもたらすことができる。典型的な増幅は、コピー数及び/またはシグナルの1,000倍を超える増大をもたらす。増幅サイクルを任意の適切な回数行なって、所望のシグナルを生成させることができる。例えば、熱サイクルプロトコルは、少なくとも30回の増幅サイクルを含む場合がある。実施形態によっては、熱サイクルプロトコルは、40回の増幅サイクルを含む。
【0040】
d.装置
開示される方法は、任意の適切な装置を用いて行うことができる。例えば、開示されるRT-qPCR法を行うのに適した装置は、試料容器、第一温度帯、第二温度帯、及び輸送機構を備える場合がある。輸送機構は、試料容器を、第一温度帯と第二温度帯の間で物理的に移動させる。試料容器は、液体試料を含有することができるウェルであってもよい。あるいは、試料容器は、液体試料を吸着することができる多孔質材料であってもよい。各温度帯は、温度帯内で固定された温度を維持する温度レギュレータを備える場合がある。実施形態によっては、適切な装置は、さらに、検出帯、例えば、蛍光光度計を備える検出帯を備える。実施形態によっては、温度帯の一方または両方ともが、検出帯である場合がある。装置の例は、国際出願第PCT/US2018/034443号に開示されており、この全内容は、本明細書中参照として援用される。
【0041】
e.キット
本明細書中記載されるPCR試薬は、試料中の標的RNAを迅速検出するためのキットに組み込まれている場合がある。例えば、開示される構成要素は、迅速な臨床診断のための、例えば、試料中のウイルスRNAを検出するための、キットに組み込まれている場合がある。適切なキットは、試料中の任意の所望RNAを検出するための任意の適切なプライマー及び/またはプローブを含有する場合がある。例えば、キットは、RNAの熱変性に高温(例えば60~70℃)を必要とするウイルスRNA検出に適切な構成要素を含む場合がある。そのようなキットは、先行するRNA熱変性工程を必要とせずに、ロタウイルスまたはC型肝炎ウイルスなどのRNA標的の迅速な逆転写及び増幅を可能にすると思われる。実施形態によっては、キットは、試料中の標的RNAを検出するための単一密閉カートリッジ中に、適切なPCR試薬を含むことができる。
【0042】
〔実施例〕
実施例1
ファストRT-qPCRアッセイ
方法
HawkZ05 Fastポリメラーゼは、ファストRT-qPCRアッセイとして市販されている。製造元は、RT工程を2~5分間行うことを推奨している(4)。より高いレベルのプライマー及び酵素を含む反応条件がRT-qPCRアッセイにどのように影響を及ぼすかを試験した。驚いたことに、RT時間が、5分、2分、30秒、12秒、及び5秒だった場合に非常によく似たCqが測定された。Beck, et al.(5)を応用したMS2 RT-qPCRプライマー及びプローブを用いて、MS2バクテリオファージから抽出したRNAを増幅した。PCRデータは、LinRegPCR(6、7)を用いて分析した。試作機器を用いて、15μlの試料でRT-qPCRを行なった。RT工程は、0秒から5分まで68℃、95℃で15秒保持、次いで95℃で1秒間及び68℃で4秒間のサイクルを40回行った。
【0043】
反応組成物
RT-qPCR反応組成物は、以下を含むものであった:
10%グリセロール(ACROS)
0.2%Tween20(Pierce)
150mMのトレハロース(Life Sciences Advanced Technologies)
6mg/mlの超純水BSA(Ambion)
65mMのTris pH8.0(Thermo Scientific)
62.4mMのビシン/KOH pH8.0(USB)
65mMのグルタミン酸カリウム(Sigma)
0.4mMのdNTP(Thermo Scientific)
4.0mMのMnCl(Sigma)
12μMのMS2フォワードプライマー及びリバースプライマー混合物(IDT;以下の配列を参照)
500nMのMS2 FAM標識化加水分解プローブ(IDT;以下の配列を参照)
0.8U/μLのHawkZ05 Fastポリメラーゼ(Roche Custom Biotech)
Dynal MyOne Silane Viral Isolationキット(Thermo Scientific)によりMS2バクテリオファージ(Zeptometrix 0810066)から単離されたMS2 RNA約5000コピー
フォワードプライマー:5’-agg tcg gta cta aca tca agt-3’
リバースプライマー:5’-gat atg ttg cac gtt gtc tgg a-3’
加水分解プローブ:5’-/56-FAM/cgt ctg tcg/zen/tat cca gct gca aac t/3IABkFQ-3’
結果
RTの長さが5秒から5分(300秒)までのRT-qPCRアッセイで測定されたCqに違いはなかった(図1)。68℃で0秒しか保持しなかった場合でさえも、顕著なRT活性を観察することができる。しかしながら、平均12秒のRTと0秒のRTの間の差は、1.4Cqであった。これは、cDNAの収率が約2.5~3倍少ないことに相当する。
【0044】
驚いたことに、0秒のRTをファストPCRサイクル条件と組み合わせた場合も、生成物をもたらした。Z05の第一選択補因子は、PCRにはMg2+であり、RT-PCRにはMn2+である。したがって、0秒RTで観察されたCqの原因が混入ファージDNAであるかどうかを試験するため、MS2 RNAを、Mg2+補因子を用いて増幅させ、Mn2+補因子の結果と比較した。Mn2+補因子反応のPCR曲線は、Mg2+補因子反応より約6サイクル早く、バックグラウンドから立ち上がった(図2)。増幅のこの違いは、RT工程中に生成したcDNAの量が約2桁異なることに相当する。テンプレートを含まない対照反応(NTC)で増幅がなかったことは、試薬にMS2 DNAが混入していなかったことを実証する。
【0045】
同様な試験を、C型肝炎in vitro転写RNAを用いて行なった。このRNAは、転写プロトコルの一部としてDNAアーゼIで処理されていた(MEGAshortscriptキット、Applied Biosystems)。DNA Mn2+は、Mn2+補因子がPCRアッセイに受け入れ可能であることを実証するための陽性対照である。その他の2つの曲線は、補因子としてMn2+を用いて増幅させたRNAが、補因子としてMg2+を用いた反応より非常に早くから視認できるほど増幅すること、及び推定Cqは、補因子としてMn2+を用いたRNAの収率パーセントの比として8~10離れていると思われることを示す。
【0046】
当然のことながら、上記の詳細な説明及び付随する実施例は、例示にすぎず、本開示の範囲にかけられる制限として受け取られるべきではない。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物によってのみ定義される。
【0047】
開示される実施形態に対する様々な変更及び修飾が、当業者に明らかである。そのような変更及び修飾は、化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、組成、配合物、または本開示の使用法に関連するものに限定されないが、それらも含めて、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、行うことができる。
【0048】
本明細書中参照されるあらゆる特許及び刊行物は、そのまま全体が、本明細書中参照として援用される。
【0049】
参照
以下の参照は、一部が上記に引用されているが、そのまま全体が、本明細書中参照として援用される。
1. Farrar JS, Wittwer CT. Extreme PCR: efficient and specific DNA amplification in 15-60 seconds. Clinical chemistry. 2015;61(1):145-53.
2. Wittwer CT, Houskeeper JA, Myers Bigel PA, inventors;University of Utah Research Foundation, assignee. Extreme Reverse Transcription PCR2017 11 May 2017.
3. Mijatovic-Rustempasic S, Tam KI, Kerin TK, Lewis JM, Gautam R, Quaye O, et al. Sensitive and specific quantitative detection of rotavirus A by one-step real-time reverse transcription-PCR assay without antecedent double-stranded-RNA denaturation. Journal of clinical microbiology. 2013;51(9):3047-54.
4. Nakerakanti S, Sammeta N. Guidelines for the optimization of assays using HawkZ05 Fast Polymerase. In: Biotech RC, editor. 2018.
5. Beck ET, Jurgens LA, Kehl SC, Bose ME, Patitucci T, LaGue E, et al. Development of a rapid automated influenza A, influenza B, and respiratory syncytial virus A/B multiplex real-time RT-PCR assay and its use during the 2009 H1N1 swine-origin influenza virus epidemic in Milwaukee, Wisconsin. The Journal of molecular diagnostics: JMD. 2010;12(1):74-81.
6. Ramakers C, Ruijter JM, Deprez RH, Moorman AF. Assumption-free analysis of quantitative real-time polymerase chain reaction (PCR) data. Neuroscience letters. 2003;339(1):62-6.
7. Ruijter JM, Ramakers C, Hoogaars WM, Karlen Y, Bakker O, van den Hoff MJ, et al. Amplification efficiency: linking baseline and bias in the analysis of quantitative PCR data. Nucleic acids research. 2009;37(6):e45.
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】MS2RT-qPCRのRT時間を変化させた場合のCqの箱ひげ図であり、単位は秒である。反復数をグラフに示す。
図2】Mg2+補因子またはMn2+補因子いずれかを用いて増幅させたMS2RNAの増幅曲線。
図3】Mg2+補因子またはMn2+補因子いずれかを用いた、閉じたHCV cDNA及びプラスミドからin vitro転写したRNAを含有するプラスミドの増幅曲線。
図1
図2
図3