(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】抗CD276抗体、抗体薬物複合体、及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07K 16/18 20060101AFI20241218BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20241218BHJP
A61K 38/04 20060101ALI20241218BHJP
A61K 31/537 20060101ALI20241218BHJP
A61K 31/5517 20060101ALI20241218BHJP
A61K 31/7036 20060101ALI20241218BHJP
A61K 31/704 20060101ALI20241218BHJP
A61K 31/427 20060101ALI20241218BHJP
A61K 31/4745 20060101ALI20241218BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241218BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20241218BHJP
【FI】
C07K16/18 ZNA
A61K47/68
A61K38/04
A61K31/537
A61K31/5517
A61K31/7036
A61K31/704
A61K31/427
A61K31/4745
A61P35/00
C12N15/13
(21)【出願番号】P 2023530655
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 CN2021131785
(87)【国際公開番号】W WO2022105879
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/130409
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523173379
【氏名又は名称】ブリス バイオファーマシューティカル(ハンゾウ)カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】シァ,ビン
(72)【発明者】
【氏名】コン,ハオ
(72)【発明者】
【氏名】カオ,リシア
(72)【発明者】
【氏名】ジアン,ファンダン
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ユホン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,ジピン
【審査官】坂崎 恵美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-534260(JP,A)
【文献】特表2019-520308(JP,A)
【文献】特表2019-521973(JP,A)
【文献】特表2011-509675(JP,A)
【文献】国際公開第2021/155635(WO,A1)
【文献】特表2010-532764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 16/00
C12N 15/13
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの重鎖及び2つの軽鎖を含む単離された抗体又はその抗原結合部分であって、
各重鎖は
、配列番号1
2に示され
るアミノ酸配列を含有する重鎖ヒンジ領域
を含み;
前記重鎖はそれぞれ配列番号4に示されるアミノ酸配列を含み、
前記軽鎖はそれぞれ配列番号5に示されるアミノ酸配列を含み、
前記抗体がヒトB7-H3タンパク質に特異的に結合する、
単離された抗体又はその抗原結合部分。
【請求項2】
請求項
1に記載の抗体が、化学リンカーによって細胞毒性薬にコンジュゲートされているものを含む、抗体薬物複合体(ADC)又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記細胞毒性薬が、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)、アウリスタチンE、アウリスタチンF、メイタンシンDM1及びDM4、メイタンシノール、サンドラマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、アントラサイクリン、カリケアマイシン、ドラスタチン10、デュオカルマイシン、ドキソルビシン、タイランスタチンA、ウンシアラマイシン、アマニチン、リシン、ジフテリア毒素、
131I、インターロイキン、腫瘍壊死因子、ケモカイン、イリノテカン(SN38)、エキサテカン
及びエリブリ
ンからなる群より選択される、請求項
2に記載のADC又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
前記化学リンカーが、6-マレイミドカプロイル(MC)、マレイミドプロピオニル(MP)、バリン-シトルリン(Val-Cit)、アラニン-フェニルアラニン(ala-phe)、p-アミノベンゾキシルオキシカルボニル(p-aminobenzyloxycarbonyl、PAB)、6-マレイミドカプロイル-Val-Cit-p-アミノベンゾキシルオキシカルボニル(MC-Val-Cit-PAB)、Mal-PEG
n-Val-Cit-PAB(n=1~20)、Mal-アミド-PEG
n-Val-Cit-PAB(n=1~20)、MC-Gly-Gly-Phe-Gly、Phe-Lys(Fmoc)-PAB、Aloc-D-Ala-Phe-Lys(Aloc)-PAB-PNP、Boc-Phe-(Alloc)Lys-PAB-PNP、及びペルフルオロフェニル3-(ピリジン-2-イルジスルファニル)プロパノエートからなる群より選択される、請求項
2又は
3のいずれか1項に記載のADC又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
請求項
1に記載の単離された抗体又はその抗原結合部分、或いは請求項
2又は3のいずれか1項に記載のADC又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照:
本出願は、2020年11月20日に提出された国際出願番号PCT/CN2020/130409の優先権を主張し、その開示内容の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔背景技術〕
CD276はB7ホモログ3(B7-H3)とも呼ばれ、他のB7ファミリーメンバーと最大30%のアミノ酸同一性を共有している[1]。B7-H3タンパク質は、増殖、アポトーシス、浸潤、細胞周期、細胞分化、細胞オートファジー、及び上皮間葉転換の調節に関与している。それはほとんどの正常組織では低レベルで存在するが、膀胱がん、乳房がん、子宮頸部がん、結直腸がん、食道がん、神経膠腫、腎臓がん、肝臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、肝内胆管がん、口腔扁平上皮がん、子宮内膜がん、及び黒色腫を含む様々な癌では過剰発現している[2-6]。さらに、B7-H3タンパク質は、ヒトの肺がん、乳がん、結腸がん、子宮内膜がん、腎臓がん、及び卵巣がんの腫瘍血管で過剰発現するが、正常な卵巣の血管新生血管では発現しない[7-9]。従って、B7-H3指向の治療薬は、生理学的血管新生と病理学的血管新生を区別できない現在の抗血管新生薬よりも、腫瘍血管に対してより高い特異性を有している可能性がある。腫瘍細胞及び腫瘍内皮細胞(TEC)のB7-H3の過剰発現は、両方の細胞型を同時に破壊する治療薬の開発にとって魅力的な標的となっている。
【0003】
Fc増強ヒト化抗CD276抗体であるエノブリツズマブ(enoblituzumab)は、前臨床試験で様々な種類の原発腫瘍の増殖を遅らせる活性を示しており、既に、第I相臨床試験に入っている。イブツズマブは、黒色腫(NCT01391143)などの難治性B7-H3発現腫瘍、及び骨肉腫やユーイング肉腫(NCT02982941)などのB7-H3発現腫瘍の治療で研究された。MGA271は、B7-H3を発現する腎細胞及び膀胱がんの異種移植モデルで強力な抗腫瘍活性を示したもう一つのB7-H3標的抗体である[10]。ヒト腫瘍細胞との選択的反応性に基づいて最初に同定されたヒト化抗体である8H9は、その後にCD276を認識できることが判明され、これも第I相臨床試験に入っている[11、12]。ヒト化8H9抗体は、標的腫瘍に対するB7-H3の抑制性免疫特性を調節でき、免疫チェックポイント遮断に影響を与える[13]。
【0004】
ADCは、細胞傷害剤と結合したモノクローナル抗体である。それらは、腫瘍細胞表面タンパク質に対する標的特異性を利用し、従来の化学療法では達成できない特異性と効力で腫瘍に高い効力を持つ毒性ペイロードを送達する。現在、B7-H3を標的とするいくつかのADCが、前臨床開発と臨床開発の様々な段階に入っている。複数の前臨床モデルで、B7-H3を標的とするADCが確立された腫瘍を根絶し、全生存期間を大幅に改善できることが実証されており、これらの分子の治療の可能性を示唆している[1]。例えば、B7-H3を標的とするDXd-ADCとして薬物結合に使用されるエクサテカン(exatecan)誘導体(DX-8951誘導体、DXd)は、効率的な抗腫瘍効果と少ない副作用を示している。現在、複数の第II相臨床試験でそれに対して評価している[14]。131I標識抗B7-H3モノクローナル抗体(131I-4H7)は放射性生物製剤であり、ヒト腎細胞がんヌードマウスに治療効果があり、既に、第III相臨床試験に入っている[15]。
【0005】
〔発明の概要〕
一つの方面で、本発明は、2つの重鎖と2つの軽鎖を含み、各重鎖は、(a1)配列番号12~24に示されるいずれか1つのアミノ酸配列を含有する重鎖ヒンジ領域;(a2)それぞれ配列番号6、配列番号7、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列を含有するCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域を含む重鎖可変ドメインを含み;各軽鎖は、(a3)それぞれ配列番号9、WAS、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列を含有するCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域を含む軽鎖可変ドメインを含む、単離された抗体又はその抗原結合部分を提供する。前記抗体はヒトB7-H3タンパク質に特異的に結合できる。幾つかの実施の態様において、各重鎖ヒンジ領域に含まれるアミノ酸配列は配列番号12である。幾つかの実施の態様において、各重鎖は、ヒンジ領域の上流に位置し、それに連結されたヒトCH1ドメインをさらに含み、IMGTナンバリングスキームによると、前記CH1ドメインは第142位にシステインを含む。
【0006】
もう一つの方面で、本発明は、2つの重鎖を含み、各重鎖は、(a)アミノ酸配列:-(X1)-C-(X2)-CPPCP-を含み、ここで、X1は、0~7個のアミノ酸残基を含むポリペプチドセグメントであり、各アミノ酸残基は独立してシステイン残基ではない任意のアミノ酸残基から選択され、X2は、2~7個のアミノ酸残基を有するポリペプチドセグメントであり、各アミノ酸残基は独立してシステイン残基ではない任意のアミノ酸残基から選択されるヒンジ領域;(b)前記ヒンジ領域の上流に位置し、それに連結され、IMGTナンバリングスキームによると、第142位にシステインが含まれるヒトCH1ドメインを含み、ここで、前記抗体はヒトB7-H3タンパク質に特異的に結合する単離された抗体又はその抗原結合部分を提供する。幾つかの実施の態様において、前記ヒンジ領域に含まれるアミノ酸配列は、配列番号12~24からなる群より選択され、例えば、配列番号11、配列番号12である。幾つかの実施の態様において、抗体は重鎖可変ドメインと軽鎖可変ドメインとを含み、各重鎖可変ドメインは、配列番号6、配列番号7及び配列番号8に示されるアミノ酸配列を含有するCDR1領域、CDR2領域およびCDR3領域を含み、各軽鎖可変ドメインは、配列番号9、WAS及び配列番号10に示されるアミノ酸配列を含有するCDR1領域、CDR2領域およびCDR3領域を含む。
【0007】
幾つかの実施の態様において、本明細書に記載の抗体は、更に2つのkappa(κ)軽鎖を含んでもよく、各軽鎖は一つの重鎖と対になっている。抗体の2つの重鎖は同じであってもよい。抗体の2つの軽鎖は同じであってもよい。
【0008】
幾つかの実施の態様において、抗体のCH1ドメインは、天然ヒトIgG2、IgG3、又はIgG4サブクラス抗体のCH1ドメインと同じ配列を有しているか、又は天然ヒトIgG1抗体のCH1ドメインの配列を有し、S142C突然変異を持っている。
【0009】
幾つかの実施の態様において、各重鎖は、更に、ヒンジ領域の下流に位置し、それに接続された、天然ヒトIgG2、IgG3、またはIgG4サブクラス抗体のFcドメインを含んでもよく、ここで、Fcドメインは、任意選択で、1つまたは複数の置換を含む。
【0010】
幾つかの実施の態様において、各重鎖は、可変ドメインを含み、前記可変ドメインは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施の態様において、各重鎖は、配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む。
【0011】
幾つかの実施の態様において、各軽鎖は、可変ドメインを含み、前記可変ドメインは配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施の態様において、各軽鎖は、配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む。
【0012】
本発明の抗体はモノクローナル抗体であってもよく、それらはラクダ、キメラ、ヒト又はヒト化されたもの由来であってもよい。
【0013】
もう一つの方面において、本明細書に記載の抗体が、細胞毒性薬と化学リンカーにコンジュゲートされている、抗体薬物複合体(ADC)又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0014】
一つの実施の態様において、ADCは、(A)単離された抗体又はその抗原結合部分、及び(B)細胞毒性薬を含んでもよく、(A)単離された抗体又はその抗原結合部分は、(a1)配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む重鎖ヒンジ領域、(a2)それぞれ配列番号6、配列番号7、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列を含有するCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域を含む重鎖可変ドメイン、及び(a3)それぞれ配列番号9、WAS、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列を含有するCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0015】
ここで、前記単離された抗体又はその抗原結合部分は化学リンカーによって細胞毒性薬にコンジュゲートされている。
【0016】
前記ADCの細胞毒性薬は、エリブリン(eribulin)、モノメチルアウリスタチンE(monomethyl auristatin E、MMAE)、モノメチルアウリスタチンF(monomethyl auristatin F、MMAF)、アウリスタチンE(auristatin E)、アウリスタチンF(auristatin F)、メイタンシンDM1(maytansine DM1)及びDM4、メイタンシノール(maytansinol)、サンドラマイシン(sandramycin)、ピロロベンゾジアゼピン(pyrrolobenzodiazepine)、ピロロベンゾジアゼピン二量体、アントラサイクリン(anthracyclines)、カリケアマイシン(calicheamicin)、ドラスタチン10(dolastatin 10)、デュオカルマイシン(duocarmycin)、ドキソルビシン(doxorubicin)、タイランスタチンA(thailanstatin A)、ウンシアラマイシン(uncialamycin)、アマニチン(amanitins)、リシン(ricin)、ジフテリア毒素(diphtheria toxin)、131I、インターロイキン(interleukins)、腫瘍壊死因子、ケモカイン、イリノテカン(SN38)、エクサテカン(exatecan)及びナノ粒子からなる群より選択される。幾つかの実施の態様において、前記化学リンカーは、6-マレイミドカプロイル(6-maleimidocaproyl、MC)、マレイミドプロピオニル(maleimidopropionyl、MP)、バリン-シトルリン(Val-Cit)、アラニン-フェニルアラニン(ala-phe)、p-アミノベンゾキシルオキシカルボニル(p-aminobenzyloxycarbonyl、PAB)、6-マレイミドカプロイル-Val-Cit-p-アミノベンゾキシルオキシカルボニル(6-maleimidocaproyl-Val-Cit-p-aminobenzyloxycarbonyl、MC-Val-Cit-PAB)、Mal-PEGn-Val-Cit-PAB(n=1~20)、Mal-アミド-PEGn-Val-Cit-PAB(n=1~20)、MC-Gly-Gly-Phe-Gly、Phe-Lys(Fmoc)-PAB、Aloc-D-Ala-Phe-Lys(Aloc)-PAB-PNP、Boc-Phe-(Alloc)Lys-PAB-PNP、及びパーフルオロフェニル3-(ピリジン-2-イルジスルファニル)プロパノエート(perfluorophenyl 3-(pyridine-2-yldisulfanyl)propanoate)からなる群より選択される。1つの実施の態様において、前記細胞毒性薬はエリブリンである。もう1つの実施の態様において、前記細胞毒性薬はMMAEである。
【0017】
もう一つの方面において、本発明は本明細書に記載の単離された抗体又はその抗原結合部分、或いはADC又はその薬学的に許容される塩、及び(b)薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0018】
もう一つの方面において、本発明は有効量の本明細書に記載の医薬組成物を投与することを含む、ヒト被験者のがんを治療する方法を提供する。前記がんは、B7-H3タンパク質の過剰発現に関連するがんであってもよい。例えば、前記がんは、頭頸部がん、腎臓がん、皮膚がん、結腸がん、神経膠芽腫、神経膠腫、甲状腺がん、中皮腫、黒色腫、膵臓がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、及び膀胱がんからなる群より選択される。
【0019】
〔図面の簡単な説明〕
〔
図1〕本発明で使用される抗体のアミノ酸ナンバリングスキームの概略図である。(a)ヒトIgG1(κ)のIMGTベースのアミノ酸ナンバリングスキーム。(b)突然変異体(IgG1ヒンジ領域に対する)のナンバリングスキーム。
【0020】
〔
図2〕27B4H4L3及びBH73抗体の物理化学的試験の結果である。還元性(R)及び非還元性(NR)抗体のSDS-PAGE分析:27B4H4L3抗体(a)及びBH73抗体(b);HEK293細胞で産生された抗体の純度と収量(c);精製抗体、27B4H4L3抗体(d)及びBH73抗体(e)のSEC-HPLC分析。
【0021】
〔
図3〕27B4H4L3及びBH73抗体で調製されたADCのコンジュゲートグスペクトルである。27B4H4L3及びBH73抗体で調製されたADCのHICスペクトルである。(a)27B4H4L3-MMAE、(b)BH73-MMAE。
【0022】
〔
図4〕27B4H4L3抗体及び27B4H4L3-MMAEと組換えB7-H3タンパク質との結合曲線である。
【0023】
〔
図5〕B7-H3発現がん細胞に対する27B4H4L3-MMAE、BH73-MMAE、及びBR0102-DXdの細胞毒性曲線である。(a)U87、(b)BT-474、(c)HT-29、及び(d)A431。
【0024】
〔
図6〕結腸直腸がんHT29異種移植の無胸腺ヌードマウスにおけるBH73-MMAE及びBR0102-DXdの体内薬物効力である。
【0025】
〔発明を実施するための形態〕
本発明は、抗B7-H3抗体を使用してB7-H3を標的とする抗体及びADCを提供し、それらの強力な抗腫瘍能力を実証する。
【0026】
一つの方面において、本発明は2つの重鎖及び2つの軽鎖を含む単離された抗体又はその抗原結合部分であって、
各重鎖は、
(a1)配列番号12~24に示されるいずれか1つのアミノ酸配列を含有する重鎖ヒンジ領域;
(a2)それぞれ配列番号6、配列番号7、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列を含有するCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域を含む重鎖可変ドメインを含み、
各軽鎖は、
(a3)それぞれ配列番号9、WAS、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列を含有するCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域を含む軽鎖可変ドメインを含む、
単離された抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0027】
前記抗体はヒトB7-H3タンパク質に特異的に結合できる。幾つかの実施の態様において、前記重鎖ヒンジ領域に含まれるアミノ酸配列は配列番号12である。幾つかの実施の態様において、各重鎖は、更に、ヒンジ領域の上流に位置し、それに連結されたヒトCH1ドメインをさらに含み、IMGTナンバリングスキームによると、前記CH1ドメインは第142位にシステインを含む。
【0028】
この形式の重鎖を含む抗体は、好ましくは、CH1ドメインのC142(又は、第142位近くのシステインであり、下記でさらに説明されるIMGTナンバリングスキームによる)と軽鎖の最後のシステイン残基との間でH-L鎖間ジスルフィド結合を形成する。天然CPPCP配列の上流のヒンジ領域のシステイン残基は、3番目のH-H鎖間ジスルフィド結合を形成する。CH1ドメインのアミノ酸第142位又はその近くのシステインは、IgG1サブタイプの単一アミノ酸の突然変異又は挿入によって導入されるか、又はIgG2、IgG3、又はIgG4サブタイプのCH1ドメインの天然のシステイン残基からなるものであってもよい。IgG1の天然H-Lジスルフィド結合(IgG1抗体の重鎖ヒンジ領域のシステインと対になったアミノ酸と軽鎖の末端の間に位置する)と比較して、この形式のH-Lジスルフィド結合はより安定しており、抗体への薬物結合中に還元状態で完全な状態を保つことができる。これにより、軽鎖薬物複合体を含むADCを得る可能性を大幅に低下させる。
【0029】
免疫グロブリンスーパーファミリーのIMGTナンバリングスキームは、本明細書では、ナンバリングスキーム(
図1のaの概略図)を簡略化するために使用され、ここで、VH又はVL領域はそれぞれアミノ酸残基1~128を含む。従って、CH1ドメインのアミノ酸の番号はaa 129~226であり;κドメインはaa 129~235であり;ヒンジ領域はaa 227~241(IgG1による)であり;CH2はaa 242~351であり、CH3はaa 352~456である。このナンバリングスキームに基づいて、野生型IgG1(κ)におけるH-L鎖間ジスルフィド結合は、H(C231)~L(C235)の間で形成されるが、IgG2(κ)(又はIgG3(κ)又はIgG4(κ))においては、H(C142)-L(C235)の間で形成できる。重鎖230位のセレインがシステインに変更されたIgG1突然変異体はIgG1(S230C)と命名され、C231が欠損したIgG1突然変異体はIgG1(Δ231)と命名される。C231後に一つのリジンが挿入されたIgG1突然変異体はK231.1と命名され、C231後に2つのアミノ酸KLが挿入されたIgG1突然変異体はK231.1 L231.2と命名される(IgG1のヒンジ領域に導入された突然変異の象徴的な例をいくつか示す
図1のbを参照)。例えば、対照/参照抗体27B4H4L3のヒンジ領域は、EPKSCDKTHTCPPCP(配列番号11)のアミノ酸配列を含み、本発明の修飾された抗体の一例であるクローンBH73は、EPPKSDCKTKTVECPPCP(配列番号12)を含有する修飾されたヒンジアミノ酸配列を含む。対照抗体27B4H4L3はヒトIgG1 CH1を含む一方、抗体BH73はヒトIgG2 CH1を含むことに注意されたい。
【0030】
もう一つの方面において、本発明は2つの重鎖を含む単離された抗体又はその抗原結合部分であって、各重鎖は、(a)アミノ酸配列:-(X1)-C-(X2)-CPPCP-を含み、ここで、X1は、0~7個のアミノ酸残基を含むポリペプチドセグメントであり、各アミノ酸残基は独立してシステイン残基ではない任意のアミノ酸残基から選択され、X2は、2~7個のアミノ酸残基を含むポリペプチドセグメントであり、各アミノ酸残基は独立してシステイン残基ではない任意のアミノ酸残基から選択されるヒンジ領域;(b)IMGTナンバリングスキームによると、第142位にシステインが含まれるヒンジ領域の上流に位置し、それに連結されたヒトCH1ドメインを含み、ここで、前記抗体がヒトB7-H3タンパク質に特異的に結合する単離された抗体又はその抗原結合部分を提供する。
【0031】
いくつかの実施の形態において、前記ヒンジ領域に含まれるアミノ酸配列は、例えば、配列番号11又は配列番号12等の配列番号11~24からなる群から選択される。いくつかの実施の形態において、本明細書に記載の抗体は、2つのκ軽鎖を含むことができ、各軽鎖は1つの重鎖と対になっている。抗体における2つの重鎖は同一であってもよい。抗体における2つの軽鎖は同一であってもよい。
【0032】
幾つかの実施の形態において、抗体のCH1ドメインは、天然ヒトIgG2、IgG3、又はIgG4サブクラス抗体のCH1ドメインの配列と同じ配列を有するか、又は天然ヒトIgG1抗体のCH1ドメインの配列と同じ配列を有し、S142C突然変異を有する。
【0033】
幾つかの実施の形態において、各重鎖は、更に、天然ヒトIgG1、IgG2、IgG3、IgG4サブクラス抗体のFcドメインを含んでもよく、それはヒンジ領域の下流に位置し、それに連結され、ここで、Fcドメインは、任意選択で1つ又は複数の置換を含む。
【0034】
幾つかの実施の形態において、各重鎖は、可変ドメインを含み、前記可変ドメインは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施の形態において、各重鎖は、配列番号4に示されるアミノ酸配列を含む。
【0035】
幾つかの実施の形態において、各軽鎖は、可変ドメインを含み、前記可変ドメインは配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施の形態において、各軽鎖は、配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む。
【0036】
幾つかの実施の形態において、抗体の各重鎖は、可変ドメインを含み、前記可変ドメインは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含み、前記抗体の各軽鎖は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含有する可変ドメインを含む。
【0037】
幾つかの実施の形態において、前記抗体は、配列番号4に示されるアミノ酸配列を含有する重鎖と配列番号5に示されるアミノ酸配列を含有する軽鎖を含む。
【0038】
本明細書で使用される「単離された抗体」という用語は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す。抗原に特異的に結合する単離された抗体は、当該抗原に結合しない抗体を実質的に含まない。
【0039】
本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な分子組成の抗体分子群の製剤を指し、ここで、抗体分子群における個々抗体は、ごく少量存在可能性な自然に発生することができる突然変異を除いて同一である。
【0040】
「ヒトB7-H3に特異的に結合する」抗体又は分子は、ヒトB7-H3タンパク質に結合するが、非ヒトB7-H3タンパク質のタンパク質には実質的に結合しない抗体又はポリペプチド分子を指す。
【0041】
当業者は様々な方法/システムを使用して前記抗体のCDR(相補性決定領域)を定義する。これらのシステムおよび/または定義は、何年にもわたって開発および改良されており、Kabat、Chothia、IMGT、AbM、およびContactを含む。一般的に使用されるKabatの定義は、配列の可変性に基づいている。Chothiaの定義は、構造リング領域の位置に基づいている。IMGTシステムは、配列の可変性と可変ドメイン構造内の位置に基づいている。AbMの定義は、KabatとChothiaの間の妥協案である。Contactの定義は、利用可能な抗体の結晶構造の分析に基づいている。一つの例示的なシステムは、KabatとChothiaの組み合わせである。
【0042】
出発ポリペプチドのアミノ酸配列突然変異体をコードするDNAは、当技術分野で知られている様々な方法によって調製することができる。これらの方法は、ポリペプチドをコードする以前に調製されたDNAの部位特異的(又はオリゴヌクレオチドによって媒介される)突然変異誘発、PCR突然変異誘発、およびカセット突然変異誘発による調製を含むが、これらに限定されない。組換え抗体の突然変異体は、制限断片操作、又は合成オリゴヌクレオチドを用いたオーバーラップ伸長PCRによっても構築され得る。変異原性プライマーは、システインコドン置換をコードする。標準的な突然変異誘発技術を用いて、そのような突然変異操作された抗体をコードするDNAを生成させることができる。
【0043】
もう一つの方面において、本発明は、本明細書に記載の抗体又はいずれかの抗体の抗原結合部分をコードする核酸分子を提供する。核酸分子を含む発現ベクターを有する宿主細胞(例えば、CHO細胞、リンパ球細胞、ヒト胎児腎細胞又は微生物、例えば大腸菌及び酵母なような真菌)を本発明の抗体の生産に使用でき、好ましくは、モノクローナル抗体である。一つの実施形態において、本発明の部分的又は完全長抗体をコードするDNAは、標準的な分子生物学技術によって得ることができ、遺伝子は、1つ又は複数の発現ベクターへの挿入によって、転写及び翻訳調節配列に作動可能に連結される。「作動可能に連結される(operatively linked)」という用語は、ベクター内の転写及び翻訳制御配列が抗体遺伝子の転写及び翻訳を調節するという意図された機能を果たすように、抗体遺伝子がベクターに連結されていることを示す。「調節配列(regulatory sequence)」という用語は、抗体遺伝子の転写又は翻訳を制御するプロモーター、エンハンサー、及び他の発現制御要素(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図している。このような調節配列は、例えば、Goeddel(Gene Expression Technology. Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, Calif.(1990))に記載された通りである。哺乳動物の宿主細胞発現のための好ましい調節配列には、サイトメガロウイルス(CMV)、シミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルスから由来し、例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP)及びポリオーマプロモーター及び/又はエンハンサーなどのアデノウイルスが含まれる。或いは、ユビキチンプロモーター又はβグロビンプロモーターなどの非ウイルス調節配列を使用することができる。さらに、調節エレメントは、SV40初期プロモーター及びヒトT細胞白血病ウイルス1型の長い末端反復からの配列を含むSRαプロモーター系などの、異なる供給源からの配列で構成される(Takebe et al., (1988) Mol. Cell. Biol. 8:466-472)。発現ベクター及び発現制御配列は、使用される発現宿主細胞と適合するように選択される。
【0044】
抗体をコードするDNAを発現ベクターに挿入することができる。組換え発現ベクターは、宿主細胞からの抗体鎖の分泌を促進するシグナルペプチドをコードすることができる。抗体をコードするDNAは、シグナルペプチドがDNAによってコードされる抗体のアミノ末端にインフレームで連結されるように、ベクターにクローニングすることができる。シグナルペプチドは、免疫グロブリンシグナルペプチド又は異種シグナルペプチド(即ち、非免疫グロブリンタンパク質由来のシグナルペプチド)であり得る。
【0045】
もう一つの方面において、抗体-薬物複合体(ADC)又はその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施の形態において、ADCは、本発明に記載の化学リンカーによって細胞毒性薬にコンジュゲートされた本発明の抗体を含む。
【0046】
幾つかの実施の態様において、ADCの抗体部分は、(a1)配列番号12~24のいずれか一つに示されるアミノ酸配列を含む重鎖ヒンジ領域、(a2)それぞれ配列番号6、配列番号7、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列を含有するCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域を含む重鎖可変ドメイン、(a3)更に、それぞれヒンジ領域の上流に位置し、それに連結されたヒトCH1ドメインをさらに含有し、IMGTナンバリングスキームによると、前記CH1ドメインの第142位にシステインが含まれる重鎖、及び(a4)それぞれ配列番号9、WAS、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列を含有するCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域を含む軽鎖可変ドメインを含む。一つの実施の形態において、ADCの抗体部分はBH73抗体である。
【0047】
幾つかの実施の形態において、ADCは、(A)単離された抗体又はその抗原結合部分、及び(B)細胞毒性薬を含み、前記(A)単離された抗体又はその抗原結合部分は、(a1)配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む重鎖ヒンジ領域、及び(a2)それぞれ配列番号6、配列番号7、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列を含有するCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域を含む重鎖可変ドメイン、及び(a3)それぞれ配列番号9、WAS、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列を含有するCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域を含む軽鎖可変ドメインを含み、
ここで、単離された抗体又はその抗原結合部分は化学リンカーによって細胞毒性薬にコンジュゲートされている。一つの実施の形態において、ADCの抗体部分は27B4H4L3である。
【0048】
いくつかの実施の形態において、前記細胞毒性薬は、エリブリン、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)、アウリスタチンE、アウリスタチンF、メイタンシンDM1及びDM4、メイタンシノール、サンドラマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、アントラサイクリン、カリケアマイシン、ドラスタチン10、デュオカルマイシン、ドキソルビシン、タイランスタチンA、ウンシアラマイシン、アマニチン、リシン、ジフテリア毒素、131I、インターロイキン、腫瘍壊死因子、ケモカイン、イリノテカン(SN38)、エキソテカン及びナノ粒子からなる群より選択される。特定の実施の形態において、ADC中の細胞毒性薬はエリブリンである。他の実施の形態において、ADC中の細胞毒性薬はMMAEである。
【0049】
抗体部分と細胞傷害性薬物を連結する化学リンカーは、切断可能又は切断不可能であり得る。いくつかの実施の形態において、リンカーは、nが1~20(即ち、1~20の反復単位(CH2CH2O)を有する)であるPEGnスペーサーを含む。いくつかの実施の形態において、前記化学リンカーは、PEGnスペーサーに連結されたリンカーセグメントをさらに含む。いくつかの実施の形態において、前記化学リンカーはリンカーセグメントを含むが、PEGnスペーサーは含まない。いくつかの実施の形態において、前記化学リンカーは、6-マレイミドカプロイル(MC)、マレイミドプロピオニル(MP)、バリン-シトルリン(Val-Cit)、アラニン-フェニルアラニン(ala-phe)、p-アミノベンゾキシルオキシカルボニル(PAB)、6-マレイミドカプロイル-Val-Cit-p-アミノベンゾキシルオキシカルボニル(MC-Val-Cit-PAB)、Mal-PEGn-Val-Cit-PAB(n=1~20)、Mal-アミド-PEGn-Val-Cit-PAB(n=1~20)、MC-Gly-Gly-Phe-Gly、Phe-Lys(Fmoc)-PAB、Aloc-D-Ala-Phe-Lys(Aloc)-PAB-PNP、Boc-Phe-(Alloc)Lys-PAB-PNP、パーフルオロフェニル3-(ピリジン-2-イルジスルファニル)プロパノエート及びその組み合わせからなる群より選択されるフラグメントを含む。
【0050】
本発明において、ADCの薬学的に許容される塩には、無機酸、カルボン酸及びスルホン酸の酸付加塩が含まれ、例えば、下記の酸の塩:塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸及び安息香酸である。
【0051】
本発明の抗体にコンジュゲートされた薬物の薬学的に許容される塩は、従来の塩基の塩をさらに含み、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩及びカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩及びマグネシウム塩)とアンモニア又は1~16個の炭素原子を含む有機アミンから誘導されるアンモニウム塩が含まれ、ここで、有機アミンは、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンズアミド、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、アルギニン、リジン、1,2-エチレンジアミンである。
【0052】
本明細書で使用されるADCは、薬物分子と抗体(又はその抗原結合部分)を含む分子を指し、ここで、薬物と抗体(又はその抗原結合部分)はリンカーによって共有結合されている。本明細書における「ADC製剤」は、ADC分子のコレクション又は群を指し、その構造は化学リンカーと抗体(又はその抗原結合部分)の異なる付着部位によって異なる場合がある。いくつかの実施の形態において、化学リンカーは主に又は大部分(例えば、≧80%、≧85%、≧90%、≧95%、又は≧98%)で重鎖上のシステインとコンジュゲートして、ADC製剤が実質的にコンジュゲートする軽鎖がない結果を引き起こす。いくつかの実施の形態において、化学リンカーは、主に抗体の重鎖ヒンジ領域のシステインを介して抗体とコンジュゲートする。いくつかの実施の形態において、薬物対抗体比(DAR)が2であるADC分子は、ADC分子の総量の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%を占める。
【0053】
もう一つの方面において、本発明は本発明の1つ又は複数の抗体、ADC、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。本明細書に使用される場合、「薬学的に許容される担体」には、薬学的に許容される担体、賦形剤又は安定剤が含まれる。これらには、生理学的に適合した溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤、界面活性剤、増粘剤又は乳化剤、固体結合剤、分散剤又は懸濁助剤、可溶化剤、着色剤、調味剤、崩壊剤、潤滑剤、甘味料、防腐剤、等張剤などが含まれるが、これらに限定されない。適切な担体の選択は、当業者の知識の範囲内にある。
【0054】
当該組成物は、別の抗体、薬物、例えば、細胞傷害剤又は抗腫瘍剤などの薬物の1つ又は複数の追加的な薬学的に活性成分を含んでもよい。本発明の医薬組成物は、例えば、別の抗がん剤、別の抗炎症剤などとの併用療法で投与することもできる。
【0055】
前記医薬組成物は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、表皮、及びその他の投与経路に適している。投与経路に応じて、活性成分を材料でコーティングするか、又は材料又は構造に充填して、酸及びそれを不活性化させる可能性のある他の自然条件から保護することができる。本発明で使用される「非経口投与」という語句は、通常は注射による経腸及び局所投与以外の投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外、及び胸骨内注射及び注入を含むが、これらに限定されない。或いは、本発明の組成物は、例えば、鼻腔内、経口、膣内、直腸内、舌下又は局所などの局所、表皮又は粘膜投与経路などの非経口経路を介して投与することができる。
【0056】
もう一つの方面において、本発明は有効量の本明細書の医薬組成物を投与することを含む、ヒト被験者におけるがんを治療する方法を提供する。がんは、B7-H3タンパク質の過剰発現に関連するがんであり得る。例えば、がんは、頭頸部がん、腎臓がん、皮膚がん、結腸がん、神経膠芽腫、神経膠腫、甲状腺がん、中皮腫、黒色腫、膵臓がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がんからなる群より選択され得る。がんは、転移性がん、難治性がん、又は再発性がんであり得る。
【0057】
被験者に組成物を投与する時、最適な所望の応答(例えば、治療応答)を提供するように投与量を調節することができる。被験者、治療する疾患などに応じて、単回ボーラス又は分割投与が可能である。本明細書で使用される投与量の単位形態は、治療される対象のための単位投与量として適した物理的に分離された単位を指す。各単位投与量には、必要な薬学的担体と関連して、所望の治療効果を生み出すように計算された所定の量の有効成分が含まれる。徐放性製剤を使用することができるが、その場合、より少ない頻度で投与する必要がある。
【0058】
本発明の抗体又はそのADCの薬学的に許容される塩の投与について、投与量の範囲は、被験者の体重に応じて、約0.0001~100mg/kgであり得、より通常は0.01~10mg/kg体重であり得る。例えば、投薬量は、0.3mg/kg体重、1mg/kg体重、3mg/kg体重、5mg/kg体重、又は10mg/kg体重、又は1~10mg/kgの範囲内であり得る。適切な治療法案は、週に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、月に1回などであり得る。本発明の抗B7-H3抗体の投与方案の実例には、1mg/kg体重又は3mg/kg体重の静脈内投与が含まれ得る。
【0059】
本発明の抗体又はADC又はその薬学的許容可される塩の「治療有効量」は、好ましくは、疾患症状の重症度の低下、疾患症状のない期間の頻度及び/又は持続期間の増加、或いは疾患による怪我又は障害可能性の予防又は軽減、或いは疾患の進行の阻害又は遅延である。例えば、腫瘍担持被験者の治療では、未治療の被験者と比較して、抗体組成物の「治療有効量」は、腫瘍増殖を少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、さらにより好ましくは、少なくとも約80%を阻害することができる。
実施例
1. 27B4H43L3(参照)及びBH73抗体の生成
簡単に説明すると、Balb/Cメスマウス(6~8週齢)を組換えヒトB7-H3抗原で免疫させ、SP2/0骨髄腫細胞で電気融合した最高力価のマウスの脾臓リンパ球を使用した。陽性結合体をB7-H3 ELISAによってスクリーニングし、複数回のサブクローニング及び増幅によってクローン選択を実行した。クローン27B4が、最高バインダーの1つとして識別され、それを選択して遺伝子クローニングに使用した。CDR移植によりヒト化し、B7-H3結合活性を確認して、ヒト化クローン27B4H43L3であり、huIgG1フォーマットに調製した。当該参照抗体の重鎖及び軽鎖の配列は、それぞれ配列番号3及び配列番号5に示される通りである。
【0060】
本発明の修飾された抗体の例であるBH73抗体は、27B4H4L3抗体の可変配列、IgG2のCH1ドメイン、EPPKSDCKTKTVECPPCP(配列番号12)を含むヒンジ配列、及びLALA突然変異(配列番号L234A、L235A)を含むIgG1 Fcによって調製された。その目的は、特定部位(部位特異的結合)に2つの薬物ペイロードを含むADCを生成させることである。当該BH73クローンの重鎖及び軽鎖配列は、それぞれ配列番号4及び配列番号5に示される通りである。
2. 27B4H4L3及びBH73抗体の発現と精製
27B4H4L3及びBH73抗体の発現については、HEK293細胞での産生を改善するために、コドン最適化と遺伝子合成を実行した。全長の重鎖と軽鎖のDNAをそれぞれ個別のpcDNA3プラスミドにクローニングした。対になったプラスミドはHEK293細胞に一過性トランスフェクションされ、プロテインAを1ステップの精製により、テストに十分な量のタンパク質を調製した。この形式で作製された抗体は、発見が良好で、収量で十分で、プロテインAの1ステップ精製プロセスで高純度に精製することができた(
図2)。
3. 27B4H4L3抗体及びBH73抗体のコンジュゲートによるADCの生成
コンジュゲート薬物を生成させるために、中性のpHでTCEPを精製抗体を含むPBS溶液に加えた。穏やかな還元条件(TCEP:mAb=1~3、中性pH、室温で240分未満)で、抗体の鎖間ジスルフィド結合を部分的に還元した。DMAに薬物―リンカー(MC-Val-Cit-PAB-MMAE)を加えて抗体と反応させて、所望の薬物対抗体比(DAR)を得た。ADCを特徴付けるために、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)を使用して、ADCにおける薬物分布及び薬物と抗体のモル比を評価し、ADCにおける薬物と代表的なHICクロマトグラムは
図3に示された通りである。これらの穏やかな還元/コンジュゲート条件下では、27B4H4L3で調製されたADCは2、4、及び6個の薬物分子(それぞれDAR2、DAR4、DAR6)に結合した27B4H4L3のメインピークを含有していた。マイナーピーク(minor peak)は27B4H4L3(DAR0)及び8個の薬物分子(DAR8)と27B4H4L3の結合であった(図の3a)。BH73抗体で調製されたADCは主にDAR2 ADC種からなり、マイナーピークはBH73(DAR0)と4個の薬物分子(DAR4)に結合したBH73であった(図の3b)。
4. 抗体及びそれに対応するADCのB7-H3結合活性の測定
ELISA測定を使用して、比較抗体(27B4H4L3及びBH73)とそれらに対応するADC(27B4H4L3-MMAE、BH73-MMAE)のB7-H3結合能力を評価及び比較した。ヒトB7-H3タンパク質(1000ng/mL)を96ウェルプレートにコーティングし、ウェルレートを4℃で一晩培養した。次に、希釈した試料をB7-H3でコーティングしたウェルプレートに移し、室温で1.5時間培養した。HRP標識ヤギ抗ヒトIgG Fc抗体(Sigma、A0170)を検出試薬とし、TMBを使用して比色反応を実行し、マイクロプレートリーダー(Molecular Devices、SpectraMax 190)でプレートの450/650nmにおける吸光度を読み取り、用量応答曲線形式の4パラメータロジスティックモデルを使用してデータ分析を実行した。
【0061】
図4及び表1の結果は、27B4H4L3で修飾されたBH73が27B4H4L3と同様のEC
50でB7-H3に結合し、27B4H4L3抗体又はBH73抗体で調製されたADC(27B4H4L3-MMAE及びBH73-MMAE)は、対応する裸抗体と比較して、B7-H3と同様の結合活性を有していることを示し、ペイロード結合がADCの標的結合能力に影響を与えないことを示唆している。
【0062】
【0063】
5. B7-H3発現細胞への測定抗体及びADCの結合の測定
27B4H4L3抗体のFACS及び27B4H4L3のMFIを使用して、表2に示される細胞に対してB7-H3発現細胞のスクリーニングを実行した。FACS測定を使用して、27B4H4L3抗体、BH73抗体、27B4H4L3-MMAE及びBH73-エリブリンのB7-H3発現細胞への結合能力を試験及び比較した。測定のために、標的細胞と試料を4℃で1時間培養した。洗浄した後、試料と二次抗体(ヤギpAb抗ヒトIgG(FITC)(Abcam、ab97224))を培養した。低サイトメーター(BD、Accuri C6 Plus)でFACSを実行し、平均蛍光強度(MFI)を記録した。B7-H3高発現及び低発現細胞を代表する3つの細胞株(U87MG、BT-474及びHT-29)を使用して、異なる抗体構築物とADCの結合能力を比較した。BH73抗体は、試験したすべての細胞で27B4H4L3抗体と同様のMFIレベルを示し、異なる形態のADC(27B4H4L3-MMAE及びBH73-MMAE)も同様のMFIレベルを示し(表3)、それらのB7-H3結合活性が工程とコンジュゲートの影響を受けないことを示した。
【0064】
【0065】
【0066】
6. B7-H3発現細胞に対するADCの細胞毒性
27B4H4L3又はBH73を含む抗体部分のADCの細胞毒性を評価し、体外細胞毒性測定で、異なるB7-H3発現レベルの複数の細胞株と比較した。測定を実施するために、標的細胞を各細胞株の最適化細胞密度で96ウェル平底組織培養プレートに播種し、37℃、5%のCO
2で一晩培養した。ADC試料の勾配希釈液を細胞プレートに移し、測定ウェルプレートを所定の時間(細胞株に応じて3~7日)培養して、最適な殺傷を実現した。4パラメータロジスティックモデルの用量反応曲線を用いてデータ分析を実行した。
図5に示されるように、27B4H4L3-MMAE及びBH73-MMAEは、BH-73を高発現するがん細胞に対して細胞毒性を発揮した。
7. 体内動物モデルと治療
BH73の抗体部分を含むADCの体内抗腫瘍活性を評価し、BR0102-DXd ADC(WO_2020_130125_A1)と比較した。ヌードマウスでHT29結腸直腸がん異種移植片モデルを確立した。HT29細胞を無胸腺ヌードマウスの背中に移植した。担癌マウスは、ビヒクル(対照群)又はADC溶液で、1回尾静脈注射により処理された。ADCの投与量は20mg/kgであった。
図6に示される結果は、HT29モデルにおいて、BH73-MMAE治療が腫瘍抑制に効果的であるのに対して、同じ投与量レベルでのBR0102-DXdの治療効果は低いことを示ている。
【0067】
引用文献:
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本明細書に記載されたすべての特許文献及び非特許文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0068】
以上、本発明を1つまたは複数の実施形態と結合してして説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、この説明は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内に含まれる可能性のあるすべての代替物、修正物、及び均等物を網羅することを意図していることを理解されたい。
【0069】
配列表
27B4H4L3及びBH73のVH:
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKASGYTFTTYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGDGGSRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARGGNYISFPMYYWGQGTLVTVSS(配列番号1)。
【0070】
27B4H4L3及びBH73のVL:
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCKASRGVSTALAWYQQKPGQAPRLLIYWASTRATGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYYCQQHYDTPYTFGQGTKLEIK(配列番号2)。
【0071】
27B4H4L3の重鎖:
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKASGYTFTTYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGDGGSRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARGGNYISFPMYYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELVGGPSVFLLPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPPEEQYNSTLRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPLVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号3)。
【0072】
BH73の重鎖:
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKASGYTFTTYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGDGGSRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARGGNYISFPMYYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVEPPKSDCKTKTVECPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号4)。
【0073】
27B4H4L3及びBH73のVL-CL(ヒトKappa):
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCKASRGVSTALAWYQQKPGQAPRLLIYWASTRATGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYYCQQHYDTPYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号5)。
【0074】
BH73(及び27B4H4L3)の重鎖CDR1:
GYTFTTYW(配列番号6)。
【0075】
BH73(及び27B4H4L3)の重鎖CDR2:
IYPGDGGS(配列番号7)。
【0076】
BH73(及び27B4H4L3)の重鎖CDR3:
ARGGNYISFPMYY(配列番号8)。
【0077】
BH73(及び27B4H4L3)の軽鎖CDR1:
RGVSTA(配列番号9)。
【0078】
BH73(及び27B4H4L3)の軽鎖CDR2:
WAS。
【0079】
BH73(及び27B4H4L3)の軽鎖CDR3:
QQHYDTPYT(配列番号10)。
【0080】
27B4H4L3重鎖ヒンジ配列:
EPKSCDKTHTCPPCP(配列番号11)。
【0081】
BH73重鎖ヒンジ配列:
EPPKSDCKTKTVECPPCP(配列番号12)。
【0082】
重鎖ヒンジ配列のその他の例:
CKTHTCPPCP(配列番号13);
DKTCHTCPPCP(配列番号14);
ERKSCVECPPCP(配列番号15);
EPKSDCKTHTCPPCP(配列番号16);
EPKSDKCTHTCPPCP(配列番号17);
EPKSDCKTHTVECPPCP(配列番号18);
EPKSDCKTVECPPCP(配列番号19);
EPKSDKCTHTVECPPCP(配列番号20);
EPPKSCDKTHTVECPPCP(配列番号21);
EPPKSDCKTHTVECPPCP(配列番号22);
EPPPKSCDKTHTVECPPCP(配列番号23);
EPPPPKSCDKTHTVECPPCP(配列番号24)。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【
図1】本発明で使用される抗体のアミノ酸ナンバリングスキームの概略図である。(a)ヒトIgG1(κ)のIMGTベースのアミノ酸ナンバリングスキーム。(b)突然変異体(IgG1ヒンジ領域に対する)のナンバリングスキーム。
【
図2】27B4H4L3及びBH73抗体の物理化学的試験の結果である。還元性(R)及び非還元性(NR)抗体のSDS-PAGE分析:27B4H4L3抗体(a)及びBH73抗体(b);HEK293細胞で産生された抗体の純度と収量(c);精製抗体、27B4H4L3抗体(d)及びBH73抗体(e)のSEC-HPLC分析。
【
図3】27B4H4L3及びBH73抗体で調製されたADCのコンジュゲートグスペクトルである。27B4H4L3及びBH73抗体で調製されたADCのHICスペクトルである。(a)27B4H4L3-MMAE、(b)BH73-MMAE。
【
図4】27B4H4L3抗体及び27B4H4L3-MMAEと組換えB7-H3タンパク質との結合曲線である。
【
図5】B7-H3発現がん細胞に対する27B4H4L3-MMAE、BH73-MMAE、及びBR0102-DXdの細胞毒性曲線である。(a)U87、(b)BT-474、(c)HT-29、及び(d)A431。
【
図6】結腸直腸がんHT29異種移植の無胸腺ヌードマウスにおけるBH73-MMAE及びBR0102-DXdの体内薬物効力である。
【配列表】