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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】携帯マット
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/15 20060101AFI20241218BHJP
   A47C 27/00 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
A47C27/15 D
A47C27/00 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024126504
(22)【出願日】2024-08-02
【審査請求日】2024-08-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502256778
【氏名又は名称】宇都宮測量株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129056
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 信雄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 達男
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-004351(JP,A)
【文献】実開平07-003404(JP,U)
【文献】米国特許第04923247(US,A)
【文献】特開平05-211917(JP,A)
【文献】米国特許第06783175(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/15
A47C 27/00
A47C 27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外で座る際に用いる携帯マットであって、
弾力性があり、断熱性があり、変形可能な平板状のマット部と、該マット部を人の腰部に固定するためのベルト部と、から成り、
該マット部が腰部に固定された状態においての上下方向を長手方向として、該マット部の長手方向の端部付近に、該ベルト部が配置され、
該マット部は、該ベルト部が上方となるように、該ベルト部で腰部に固定され、
該腰部に固定された状態において、該マット部は、上下方向の中間部分の折曲線で、2つに折り畳み可能であり、
該折曲線よりも上を上マット部、下を下マット部とし、
該マット部は、該上マット部と該下マット部を折り畳んだ収納状態と、開いた使用状態を有し、
該使用状態で、腰部に当接する面を内側とし、反対側を外側とし、
該使用状態において、該マット部は、腰部の側面を覆うように、内側を内径とした円弧筒状に変形し、
該収納状態において、該上マット部と該下マット部とは、該折曲線を軸に、それぞれの外側を合わせるように折曲がり、該上マット部が、腰部の側面を覆うように、内側を内径とした円弧筒状に変形し、該折曲線は円弧状となり、該折曲線に接続された該下マット部は、外側を内径とした円弧筒状に変形し、該下マット部は、折曲線が円弧状であることにより、折り畳んだ状態を維持し、
該マット部は、両面がアルミ蒸着されており、
該収納状態で、該上マット部と該下マット部とは、互いに対向する位置に配置された面ファスナで固定されることを特徴とする携帯マット。
【請求項2】
前記マット部の使用状態において、前記上マット部の両側辺は、前記腰部と前記ベルト部の間にあり、
前記ベルト部が、前記上マット部の両側辺を前記腰部の方向に付勢し、前記上マット部の両側辺を前記腰部に圧接することで、
前記マット部は、前記腰部の側面を覆うように、円弧筒状に変形することを特徴とする請求項1に記載の携帯マット。
【請求項3】
前記マット部の長手方向において、前記上マット部よりも前記下マット部の長さが短いことを特徴とする請求項1に記載の携帯マット。
【請求項4】
前記マット部の前記上マット部側の端部に折返部があり、前記マット部の収納状態において、該折返部が前記下マット部の端辺を覆い、保持することを特徴とする請求項1に記載の携帯マット。
【請求項5】
前記上マット部の上部に2つの孔を備え、前記ベルト部は、該2つの孔を通り、且つ、該2つの孔の間で前記腰部に接する側を通ることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の携帯マット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯マットに関し、詳しくは、取出しが容易で、収納時目立ちにくくする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋外で休憩するために腰を下ろそうとした際、地面や岩が湿っていたり、汚れていたりしたときに、クッションマットをリュックやポケットから取り出し、汚れに対する予防をしなければならなかった。
マットを携帯容易にするために、折り畳み型にしたり、空気等で広げたりするものがあった。しかしながら、休憩のたびにバッグ等から取り出し、広げるのは迂遠であった。
また、ベルト等を用い、腰にマットを固定する方法もあった。この方法は、腰を下ろす際に、マットを取り出す必要は無いので便利であるが、腰部のマットが目立ち、見た目に格好悪く、使用しにくいものであった。
そこで、マットを取り出す手間が少なく、未使用時の見た目も気にならないマットが求められていた。
【0003】
このような問題に対して、従来からも様々な技術が提案されている。例えば、屋外用携帯マット(特許文献1参照)が提案され、公知技術となっている。より詳しくは、屋外で座りたい時に、汚れずに座れたり仰向けになったり、持つ煩わしさや入れ物に入れる煩わしさを省き、入れ物からの取り出しの手間を省ける携帯マットであって、折りたたみマットに接続されるベルトと、ベルト端部に配置される係止と、折りたたみマットを束ねるショックコードを含む構成態様となっている。
しかしながら、上記技術提案によれば、マットをショックコードで束ねる作業が、度重なると煩雑であり、未だ上記問題の根本的解決には至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】登録実用新案第3244274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑み、腰を下ろす際、マットを取り出す手間が少なく、マットを使用しない状態での見た目が気にならない携帯マットを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決すため、本発明は、屋外で座る際に用いる携帯マットであって、弾力性があり、断熱性があり、変形可能な平板状のマット部と、該マット部を人の腰部に固定するためのベルト部と、から成り、該マット部が腰部に固定された状態においての上下方向を長手方向として、該マット部の長手方向の端部付近に、該ベルト部が配置され、該マット部は、該ベルト部が上方となるように、該ベルト部で腰部に固定され、該腰部に固定された状態において、該マット部は、上下方向の中間部分の折曲線で、2つに折り畳み可能であり、該折曲線よりも上を上マット部、下を下マット部とし、該マット部は、該上マット部と該下マット部を折り畳んだ収納状態と、開いた使用状態を有し、該使用状態で、腰部に当接する面を内側とし、反対側を外側とし、該使用状態において、該マット部は、腰部の側面を覆うように、内側を内径とした円弧筒状に変形し、該収納状態において、該上マット部と該下マット部とは、該折曲線を軸に、それぞれの外側を合わせるように折曲がり、該上マット部が、腰部の側面を覆うように、内側を内径とした円弧筒状に変形し、該折曲線は円弧状となり、該折曲線に接続された該下マット部は、外側を内径とした円弧筒状に変形し、該下マット部は、折曲線が円弧状であることにより、折り畳んだ状態を維持し、該マット部は、両面がアルミ蒸着されており、該収納状態で、該上マット部と該下マット部とは、互いに対向する位置に配置された面ファスナで固定される手段を採る。
【0007】
また、本発明は、前記マット部の使用状態において、前記上マット部の両側辺は、前記腰部と前記ベルト部の間にあり、前記ベルト部が、前記上マット部の両側辺を前記腰部の方向に付勢し、前記上マット部の両側辺を前記腰部に圧接することで、前記マット部は、前記腰部の側面を覆うように、円弧筒状に変形する手段を採る。
【0008】
さらに、本発明は、前記マット部の長手方向において、前記上マット部よりも前記下マット部の長さが短い手段を採る。
【0009】
またさらに、本発明は、前記マット部の前記上マット部側の端部に折返部があり、前記マット部の収納状態において、該折返部が前記下マット部の端辺を覆い、保持する手段を採る。
【0010】
さらにまた、本発明は、前記上マット部の上部に2つの孔を備え、前記ベルト部は、該2つの孔を通り、且つ、該2つの孔の間で前記腰部に接する側を通る手段を採る。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る携帯マットによれば、腰を下ろす際、マットを取り出す手間が少なく、マットを使用しない状態での見た目が気にならないので、屋外で容易に休憩をとることができ、便利である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る携帯マットの実施形態を示す全体斜視図である。
図2】本発明に係る携帯マットの形態の変化を示す斜視図である。
図3】本発明に係る携帯マットの形態の変化を示す側面模式図である。
図4】本発明に係る携帯マットの他の実施形態を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る携帯マットは、腰を下ろす際、マットを取り出す手間が少なく、マットを使用しない状態での見た目が気にならないことを最大の特徴とする。
以下、本発明に係る携帯マットの実施形態を、図面に基づいて説明する。
なお、本発明に係る携帯マット全体構成及び各部の構成は、下記に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、構造等の範囲内で適宜変更することができるものである。
本実施例において、上下とは、人が携帯マットを装着して立った状態での上、下とする。また、携帯マットを広げた状態で、人に密着する面を内側、反対側の面を外側とする。
【0014】
図1から図4に従って、本発明を説明する。
図1は、本発明に係る携帯マットの実施形態を示しており、(a)は携帯マットの使用前の形態を示す斜視図、(b)は携帯マットの使用例を示す斜視図である。
図2は、本発明に係る携帯マットの形態の変化を示しており、(a)は携帯マットの折畳状態を示す斜視図、(b)は携帯マットの展開状態を示す斜視図、(c)はマットと腰部の関係を示す断面模式図である。
図3は、本発明に係る携帯マットの形態の変化を示しており、(a)は側面模式図、(b)はマット部の断面図である。
図4は、本発明に係る携帯マットの他の実施形態を示す側面模式図である。
【0015】
携帯マット1は、屋外で腰を下ろす際に使用するマットであり、常に腰に固定しておき、未使用時は畳んでおき、使用時は広げて、座る場所と使用者の間に挟むものである。
携帯マット1は、弾力性があり、断熱性があり、変形可能な平板状のマット部10と、マット部10を人の腰部Kに固定するためのベルト部40と、から構成されている。
マット部10は、座る際に、腰等が汚れることを防ぐものである。
大きさは、長手方向が、50cm程度で、幅方向が35cm程度である。
付勢の無い状態では、平板状である。
長手方向は、概ね腰から大腿部までの長さであり、幅方向は、概ね腰の側面の一部を覆う程度の長さである。
厚さは、5mmから10mm程度である。素材は、例えば、ウレタンフォーム等であり、地面や岩の凸凹をある程度吸収できる程度の弾力性がある。
また、冬場など、地面や岩の冷たさを軽減できる程度の断熱性を備える。
マット部10のベース部分は、断熱部12であり、マット部10の両面には、アルミ蒸着13が施されている(図3(b))。
アルミ蒸着13を施すことで、防水効果を高めることができる。また、表面が滑らかになることから、地面や岩の汚れの付着を軽減でき、さらに、断熱効果を高めることができる。
【0016】
マット部10は、図1(a)のように、全体として、上下に長い長方形である。マット部10の長手方向の端部付近には、ベルト部40が配置されている。
マット部10は、ベルト部40が上方となるように、ベルト部40で腰部Kに固定される(図1(b))。
マット部10が、ベルト部40により、腰部Kに固定された状態において、マット部10は、上下方向の中間部分に、水平方向に延びた折曲線11で、2つに折り畳み可能である。折曲線11よりも上を上マット部20、下を下マット部30とし、マット部10は、上マット部20と下マット部30を折り畳んだ収納状態と、上マット部20と下マット部30が開いた使用状態を持つ。
収納状態は、マットを使用せず、身に着け、携帯している状態である。
使用状態は、屋外で、地面等にマットを敷き、腰を下ろす状態である。マットは常に腰に装着されているので、地面等と体の間にマットを挟んだ状態で腰を下ろすことになる。
使用状態で、マット部10における腰部Kに当接する側の面を内側とし、反対側の面、つまり、地面等に接触する側の面を外側とする。
上マット部20の端部付近には、端部に沿ってベルト用孔22が2つある。2つのベルト用孔22は、ベルト部40を通すための孔である。ベルト部40を2つのベルト用孔22に通すことで、ベルト部40とマット部10は、一体となる。
【0017】
上マット部20と下マット部30は、収納状態において、互いの外側を合わせるように折曲がる。上マット部20の外側には面ファスナ21が複数配置され、下マット部30の外側には面ファスナ31が複数配置されている。
面ファスナ21と面ファスナ31は、収納状態で、互いに対抗する位置に配置され、これらを合わせることで固定され、不用意に離れることがないようになっている。
野外での休憩等で、マット部10を使用する際は、図2(b)のように、使用状態として使用する。休憩等が終われば、図3(a)のように、下マット部30を折曲11を軸に持ち上げ、上マット部20と合わせる。上マット部20、下マット部30の外側15には、面ファスナが配置されているので、上マット部20と下マット部30の外側15を合わせるだけで固定でき、作業が容易である。
また、再度休憩等する際は、下マット部30を上マット部20から離す方向に引っ張るだけで面ファスナが外れるので、作業が容易である。
また、使用状態では、腰から大腿部までをマット部で覆うことができるので、地面等に座った際の汚れを大幅に軽減できる。
さらに、収容状態では、マット部10の大きさが約半分になるので、コンパクトになり、見た目に目立ちにくくなる。
また、マット部10は、腰部Kに沿った形状であるので、体形から出っ張った形状とはならず、目立つことがない。さらに、体形に沿った形状となっているので、図3(a)に示すように、容易に上着の下に隠れるため、目立ちにくい。
【0018】
マット部10は、ベースがウレタン素材等で作られ、断熱部12となっている。断熱部の両面には、アルミ蒸着13がなされている(図3(b))。アルミ蒸着されることで、表面がなめらかになり、地面等に敷いた際に汚れが付着しにくくなり、好適である。また、アルミ蒸着13とすることで、保温効果を高めることができる。
また、アルミ蒸着13とすることで、防水効果を高めることもできる。
【0019】
ベルト部40は、マット部10を腰部Kに固定するものである。ベルト部40の全長は、概ね人のお腹周りを周回可能な程度の長さである。
ベルト部40は、2つのベルト用孔22を通る。2つのベルト用孔22の間では、ベルト部40が、腰部Kに接する側である内側にある。2つのベルト用孔22から遠くなる部分では、ベルト部40は、上マット部20の外側に配置される。
両端部にロック部41があり、ロック部41で、ベルト部の端部同士を接続することで、ベルト部40は腰部Kに固定される。ベルト部40に固定されたマット部10も腰部Kに固定され、マット部10は、手を使うことなく、常に携行することができる。
【0020】
図1(b)は、携帯マット1を人Hが装着した様子を示す模式図である。マット部10の上部に取り付けられたベルト部40によって、腰部Kに固定されている。収納状態を示し、マット部10を折り畳んだ状態である。下方の点線は、折り曲げていない状態、つまり、使用状態を示している。
図2(c)に示すように、ベルト部40は、マット部10の側辺23を覆うようにして固定しているので、マット部10は、全体として腰部Kの水平方向の形に添った形状となる。
言い換えれば、マット部10は、使用状態において、上マット部20の両側辺23が腰部Kとベルト部40の間にあり、ベルト部40が上マット部10の両側辺23を腰部Kの方向に付勢し、上マット部20の両側辺23を腰部Kに圧接することで、マット部10は、腰部Kの側面を覆うように円弧筒状に変形する。
【0021】
マット部10が、収納状態、使用状態とも、円弧筒状となることの効果を説明する。
一般的に、薄い平面状のものは、容易に変形可能であるし、折り曲げた状態と開いた状態の変更も少ない力で可能である。
従って、本実施例の収納状態において、マット部10が平面であると、面ファスナでの固定が外れた場合、下マット部30が上マット部から容易に離れ、下方向に開いてしまうと考えられる。
ところで、一般的に、円筒状、円弧筒状等にすると、強度が増すと考えられている。例えば、円弧筒状のものを、折り畳もうとした場合、折り畳む軸となる箇所を変形し、一旦、直線状にしないと、容易に折り畳むことができない。
また、折り畳んだ後、円弧筒状としたものを展開しようとすると、やはり、折り畳む軸となる箇所を変形し、一旦、直線状にしないと、容易に展開することができない。
本実施例では、この原理を用いて、収納状態を維持しやすい携帯マットとしている。
【0022】
具体的には、収納状態で、上マット部20の上部は、図2(c)に示すように、ベルト部40によって、腰部Kの側面に沿うように変形する。この形状は、概ね円弧筒状である。
上マット部20は、変形可能な平板状であるので、上マット部20の上部が円弧筒状に変形すれば、上マット部20全体も円弧筒状に変形する。
すると、上マット部20の端部の折曲線11も、円弧筒状に準じた曲線になる。
折曲線11は、下マット40の端部でもあるので、下マット40全体も円弧筒状に変形する。
そのため、全体としては、図2(a)のように、2つの円弧筒状の板が重なっている形状となる。
この状態で、面ファスナ21での固定が外れた場合、下マット部40は、自重により、折曲線11を軸に下方向に回転しようとする。
しかし、折曲線11は、曲線状であるため、回転するには、折曲線11が直線状となる必要がある。折曲線11の曲線形状は、ベルト部40による上マット部20への付勢で規制されているので、軽量の下マット部の自重のみでは、直線状には変形しない。
従って、下マット部30は、面ファスナ21がなくても、収納状態を維持することができる。
そのため、利用者は、不用意に、下マット部30が展開してしまうことがなく、利便性を高めることができる。
また、収納状態から使用状態に変更するには、手で下マット部30を押し下げればよい。厚さ5mm程度のウレタンフォームであれば、手の力で、容易に変形可能であるので、折曲線11も直線状に容易に変形させることができ、下マット部30を展開することができる。
このように、収納状態では、例えば、面ファスナが外れてしまっても、下マット部30の位置を維持できるので、便利である。
【0023】
マット部10の長手方向において、上マット部20よりも下マット部30の長さを短くしている。これにより、地面等の汚れが服に付着せず、好適である。図3(a)は、収納状態であるが、下マット部30の端部は、上マット部20の端部よりも低い。下マット部30の外側15には、地面等の汚れが付着している。上マット部20よりも下マット部30の長さが長いと、収納時、下マット部30の外側が、上マット部20を乗り越えて、使用者の服に接触する。下マットの外側は地面等に接触する側であるので、汚れていると、衣服に付着する恐れがある。
しかし、上マット部20よりも下マット部30の長さを短くすることで、図3(a)のように、下マット部30の外側15である汚れた面は、全て下マット部30で受けとめることになるので、下マット部30の汚れで服が汚れることはない。
【0024】
また、折畳状態の下マット部30の安定性をさらに向上させる構造として、上マット部20の上部に、折返し部24を設けることもできる。
図4に示すように、上マット部20の上部に、折返し部24を設けることで、折畳状態で、下マット部30の上端部を折返し部24で押さえることができ、体を大きく動かしたりしても、下マット部30が上マット部20から離れることがない。
また、下マット部30の外側15を折返し部24で完全に覆うこととなるため、下マット部30に付着した汚れが、衣服に着くことが全くなく、好適である。
【0025】
このように、本発明に係る携帯マットは、二つ折りになっており、ベルトで装着できるため、常に両手の空いている状態を維持でき、安全である。また、持ち運び用の入れ物は不要で、腰部に装着することにより簡単に使用できる状態にし、即座に座ることが可能である。立ち上がり歩き出す際にはすぐに折り畳み収納が可能であり、余計な時間を消費せずに済む。
また、軽いために老若男女誰でも使用可能である。更に、腰や尻の保温効果があり、防水仕様により汚れや水分で衣服が重くなることを防止できるので、体力の消耗を軽減できる。
さらに、スキーやスノーボードの時、リフト乗車の際に使用すると、イスに水滴や雪が付いていても、ウエアが濡れることを防止できるため、非常に便利である。しかも折り畳めるため、滑走中に邪魔にならない。
【0026】
またさらに、本発明に係る携帯マットによれば、腰を下ろす際、マットを取り出す手間が少なく、マットを使用しない状態での見た目が気にならないので、屋外で容易に休憩をとることができ、便利である。
【0027】
さらにまた、上マット部の側辺を腰方向に押さえるので、マット全体が、腰部にて横方向の形に沿った形状となり、凹凸が少なく、見た目の違和感が軽減し、便利である。
【0028】
またさらに、上マットよりも下マットの上下方向の長さが短いことによって、収納状態で衣服を汚すことなく、便利である。
【0029】
そしてまた、上マットの上に折返し部があることによって、下マットが不用意に上マットから離れることを防ぎ、下マットの汚れで衣服が汚れることを防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明に係る携帯マットは、携帯しやすく、使用状態、収納状態を維持しやすいマットであって、腰を下ろす際、マットを取り出す手間が少なく、マットを使用しない状態での見た目が気にならないことから、日常生活やイベント等における外出時をはじめ、スキー等のウインタースポーツや、登山、キャンプといったアウトドア・アクティビティなど、あらゆる分野で利用可能である。よって、本発明の産業上の利用可能性は大きいと解する。
【符号の説明】
【0031】
1 携帯マット
10 マット部
11 折曲線
12 断熱部
13 アルミ蒸着
14 内側
15 外側
20 上マット部
21 面ファスナ
22 ベルト用孔
23 側辺
24 折返し部
30 下マット部
31 面ファスナ
40 ベルト部
41 ロック部
H 人
K 腰部
U 上着

【要約】
【課題】屋外で用いる携帯マットであって、マットを取り出す手間が少なく、未使用時の見た目も気にならないマットを提供する。
【解決手段】弾力性があり、断熱性があり、変形可能な平板状のマット部と、マット部を人の腰部に固定するためのベルト部とから成る。使用状態において、マット部は、腰部の側面を覆うように、内側を内径として、円弧筒状に変形し、収納状態において、マット部は、折り曲げ線を軸に、上下それぞれの外側を合わせるように折曲がりつつ、円弧筒状に変形し、面ファスナで固定されつつ、折畳状態が維持される。マット部は、両面がアルミ蒸着されている。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4