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特許7606269価値評価システム、システム、プログラムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】価値評価システム、システム、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20240101AFI20241218BHJP
【FI】
G06Q50/16
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024135616
(22)【出願日】2024-08-15
【審査請求日】2024-08-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524307058
【氏名又は名称】株式会社ファンドクラウドホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【弁理士】
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100135530
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 智代
(72)【発明者】
【氏名】中澤 晴彦
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-039930(JP,A)
【文献】特開2024-084912(JP,A)
【文献】特開2018-013905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
宿泊施設の価値の評価を行う価値評価システムであって、
評価されるべき宿泊施設の位置情報を含む宿泊施設情報を取得する情報取得手段と、
観光客に貸与されたユーザ端末に搭載されているGPSにより特定される前記ユーザ端末の位置に基づいて人流統計情報を取得する人流統計情報提供システムから前記位置情報に関連する人流統計情報を取得する人流統計情報取得手段と、
土地の取引価格を示す所定の第1のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する土地の取引価格、所定の旅行会社の第2のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する宿泊価格、宿泊施設の客室稼働率または空室率を示す所定の第3のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率、および前記人流統計情報取得手段により前記人流統計情報提供システムから取得された前記位置情報に関連する人流統計情報を用い、前記情報取得手段により取得された宿泊施設の価値の評価を行う評価手段と、
前記評価手段により評価された宿泊施設の価値の出力を行う出力手段と、
を備え
前記評価手段は、前記情報取得手段により取得された前記位置情報に基づいて宿泊施設の立地の評価を行うとともに前記人流統計情報取得手段により取得された人流統計情報に基づいて特定のイベントや時期における集客力およびシーズナリティの評価を行い、前記位置情報に関連する宿泊価格、前記位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率、ならびに前記人流統計情報取得手段により取得された人流統計情報に基づいて評価される集客力またはシーズナビリティに基づいて売上可能性、収益性および投資可能性の評価を行う、価値評価システム。
【請求項2】
前記評価手段により評価された宿泊施設の価値に基づいて、宿泊施設の前記収益性を予測する予測手段を更に備え、
前記出力手段は、前記予測手段により予測された宿泊施設の前記収益性の情報の出力を行う、請求項1記載の価値評価システム。
【請求項3】
前記第1のウエブサイトにアクセスすることにより前記第1のウエブサイトに掲載されている前記位置情報に関連する土地の取引価格の情報を取得する取引価格取得手段を更に備えた、請求項1記載の価値評価システム。
【請求項4】
前記第2のウエブサイトを巡回することにより前記第2のウエブサイトに掲載されている前記位置情報に関連する宿泊価格の情報を収集するクローリング手段を更に備えた、請求項1記載の価値評価システム。
【請求項5】
前記第3のウエブサイトにアクセスすることにより前記第3のウエブサイトに掲載されている前記位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率の情報を取得する宿泊状況取得手段を更に備えた、請求項1記載の価値評価システム。
【請求項6】
コンピュータの制御部を、
評価されるべき宿泊施設の位置情報を含む宿泊施設情報を取得する情報取得手段と、
観光客に貸与されたユーザ端末に搭載されているGPSにより特定される前記ユーザ端末の位置に基づいて人流統計情報を取得する人流統計情報提供システムから前記位置情報に関連する人流統計情報を取得する人流統計情報取得手段と、
土地の取引価格を示す所定の第1のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する土地の取引価格、所定の旅行会社の第2のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する宿泊価格、宿泊施設の客室稼働率または空室率を示す所定の第3のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率、および前記人流統計情報取得手段により前記人流統計情報提供システムから取得された前記位置情報に関連する人流統計情報を用い、前記情報取得手段により取得された宿泊施設の価値の評価を行う評価手段と、
前記評価手段により評価された宿泊施設の価値の出力を行う出力手段と、
して機能させ
前記評価手段は、前記情報取得手段により取得された前記位置情報に基づいて宿泊施設の立地の評価を行うとともに前記人流統計情報取得手段により取得された人流統計情報に基づいて特定のイベントや時期における集客力およびシーズナリティの評価を行い、前記位置情報に関連する宿泊価格、前記位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率、ならびに前記人流統計情報取得手段により取得された人流統計情報に基づいて評価される集客力またはシーズナビリティに基づいて売上可能性、収益性および投資可能性の評価を行う、プログラム。
【請求項7】
宿泊施設の価値の評価を行う価値評価システムにより行われる情報処理方法であって、
前記価値評価システムが、評価されるべき宿泊施設の位置情報を含む宿泊施設情報を取得する工程と、
前記価値評価システムが、観光客に貸与されたユーザ端末に搭載されているGPSにより特定される前記ユーザ端末の位置に基づいて人流統計情報を取得する人流統計情報提供システムから前記位置情報に関連する人流統計情報を取得する工程と、
前記価値評価システムが、土地の取引価格を示す所定の第1のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する土地の取引価格、所定の旅行会社の第2のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する宿泊価格、宿泊施設の客室稼働率または空室率を示す所定の第3のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率、および前記人流統計情報提供システムから取得された前記位置情報に関連する人流統計情報を用い、宿泊施設の価値の評価を行う工程と、
前記価値評価システムが、評価された宿泊施設の価値の出力を行う工程と、
を備え
宿泊施設の価値の評価を行う工程において、取得された前記位置情報に基づいて宿泊施設の立地の評価を行うとともに取得された人流統計情報に基づいて特定のイベントや時期における集客力およびシーズナリティの評価を行い、前記位置情報に関連する宿泊価格、前記位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率、ならびに取得された人流統計情報に基づいて評価される集客力またはシーズナビリティに基づいて売上可能性、収益性および投資可能性の評価を行う、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、宿泊施設の価値の評価を行う価値評価システム、システム、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
宿泊施設への投資は、投資家にとって複雑かつ重要な決定であるため、その収益性や将来性を正確に評価する必要がある。ここで、従来の宿泊施設の価値の評価方法では、主に財務データや市場の動向に基づいて評価が行われていた(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-013905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述したような従来の評価方法では、宿泊施設の持つ固有の特性や将来の成長潜在力を完全に把握することが困難である。
【0005】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、宿泊施設の価値の評価をより精度良く行うことができる価値評価システム、システム、プログラムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、宿泊施設の価値の評価を行う価値評価システムであって、
評価されるべき宿泊施設の位置情報を含む宿泊施設情報を取得する情報取得手段と、
土地の取引価格を示す所定の第1のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する土地の取引価格、所定の旅行会社の第2のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する宿泊価格、宿泊施設の客室稼働率または空室率を示す所定の第3のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率、インバウンド統計データを示す所定の第4のウエブサイトから取得された来日観光客に関する情報および人流統計情報提供システムから取得された前記位置情報に関連する人流統計情報のうち少なくともいずれかの情報を用い、前記情報取得手段により取得された宿泊施設の価値の評価を行う評価手段と、
前記評価手段により評価された宿泊施設の価値の出力を行う出力手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
本開示の価値評価システムは、前記評価手段により評価された宿泊施設の価値に基づいて、宿泊施設の収益性を予測する予測手段を更に備え、
前記出力手段は、前記予測手段により予測された宿泊施設の前記収益性の情報の出力を行ってもよい。
【0008】
本開示の価値評価システムは、前記第1のウエブサイトにアクセスすることにより前記第1のウエブサイトに掲載されている前記位置情報に関連する土地の取引価格の情報を取得する取引価格取得手段を更に備えていてもよい。
【0009】
本開示の価値評価システムは、前記第2のウエブサイトを巡回することにより前記第2のウエブサイトに掲載されている前記位置情報に関連する宿泊価格の情報を収集するクローリング手段を更に備えていてもよい。
【0010】
本開示の価値評価システムは、前記第3のウエブサイトにアクセスすることにより前記第3のウエブサイトに掲載されている前記位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率の情報を取得する宿泊状況取得手段を更に備えていてもよい。
【0011】
本開示の価値評価システムは、前記第4のウエブサイトにアクセスすることにより前記第4のウエブサイトに掲載されている来日観光客に関する情報を取得するインバウンド情報取得手段を更に備えていてもよい。
【0012】
本開示の価値評価システムは、前記人流統計情報提供システムから前記位置情報に関連する人流統計情報を取得する人流統計情報取得手段を更に備えていてもよい。
【0013】
前記人流統計情報提供システムは、観光客に貸与されたユーザ端末に搭載されているGPSにより特定される前記ユーザ端末の位置に基づいて人流統計情報を取得してもよい。
【0014】
本開示のシステムは、宿泊施設の価値の評価を行う価値評価システムと、
人流統計に関する情報を提供する人流統計情報提供システムと、
を備え、
前記価値評価システムは、
評価されるべき宿泊施設の位置情報を含む宿泊施設情報を取得する情報取得手段と、
前記人流統計情報提供システムから取得された前記位置情報に関連する人流統計情報を用い、前記情報取得手段により取得された宿泊施設の価値の評価を行う評価手段と、
前記評価手段により評価された宿泊施設の価値の出力を行う出力手段と、
を有しており、
前記人流統計情報提供システムは、観光客に貸与されたユーザ端末に搭載されているGPSにより特定される前記ユーザ端末の位置に基づいて人流統計情報を取得することを特徴とする。
【0015】
本開示のプログラムは、コンピュータの制御部を、
評価されるべき宿泊施設の位置情報を含む宿泊施設情報を取得する情報取得手段と、
土地の取引価格を示す所定の第1のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する土地の取引価格、所定の旅行会社の第2のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する宿泊価格、宿泊施設の客室稼働率または空室率を示す所定の第3のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率、インバウンド統計データを示す所定の第4のウエブサイトから取得された来日観光客に関する情報および人流統計情報提供システムから取得された前記位置情報に関連する人流統計情報のうち少なくともいずれかの情報を用い、前記情報取得手段により取得された宿泊施設の価値の評価を行う評価手段と、
前記評価手段により評価された宿泊施設の価値の出力を行う出力手段と、
して機能させることを特徴とする。
【0016】
本開示の情報処理方法は、宿泊施設の価値の評価を行う価値評価システムにより行われる情報処理方法であって、
前記価値評価システムが、評価されるべき宿泊施設の位置情報を含む宿泊施設情報を取得する工程と、
前記価値評価システムが、土地の取引価格を示す所定の第1のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する土地の取引価格、所定の旅行会社の第2のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する宿泊価格、宿泊施設の客室稼働率または空室率を示す所定の第3のウエブサイトから取得された前記位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率、インバウンド統計データを示す所定の第4のウエブサイトから取得された来日観光客に関する情報および人流統計情報提供システムから取得された前記位置情報に関連する人流統計情報のうち少なくともいずれかの情報を用い、取得された宿泊施設の価値の評価を行う工程と、
前記価値評価システムが、評価された宿泊施設の価値の出力を行う工程と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本開示の価値評価システム、システム、プログラムおよび情報処理方法によれば、宿泊施設の価値の評価をより精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の実施の形態によるシステムの構成を概略的に示す概略構成図である。
図2】本開示の実施の形態のシステムによる情報処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
図3】本開示の実施の形態の表示部に表示される宿泊施設の価値や収益性を示す画面である。
図4】来日観光客に関する情報を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。図1乃至図4は、本実施の形態に係るシステム1およびこのようなシステム1による情報処理方法等を示す図である。
【0020】
図1は、本実施の形態によるシステム1の構成を概略的に示す概略構成図である。図1に示すように、本実施の形態によるシステム1は、これから建設しようとするあるいは既存の宿泊施設の価値の評価を行う価値評価システムとして機能するコンピュータ10と、人流統計情報提供システム50とを備えている。これらのコンピュータ10および人流統計情報提供システム50はインターネット回線等の通信ネットワーク70を介して互いに通信可能となるよう接続されている。また、コンピュータ10はインターネット回線等の通信ネットワーク70を介して土地総合情報システムのウエブサーバ40、旅行会社のウエブサーバ42、官公庁のウエブサーバ44および民間会社のウエブサーバ46にそれぞれ通信可能となるよう接続されている。これらの各構成要素の詳細について以下に説明する。
【0021】
価値評価システムとして機能するコンピュータ10は、制御部12、表示部32、操作部34、記憶部36および通信部38を有している。表示部32、操作部34、記憶部36および通信部38は、それぞれバス等を介して制御部12と電気的に接続されている。
【0022】
制御部12は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、コンピュータ10の動作を制御する。具体的には、制御部12は、後述する記憶部36に記憶されている各種プログラムを実行することにより、情報取得手段14、評価手段16、出力手段18、予測手段20、取引価格取得手段22、クローリング手段24、宿泊状況取得手段26、インバウンド情報取得手段28および人流統計情報取得手段30として機能する。これらの各手段14、16、18、20、22、24、26、28、30の機能の詳細については後述する。
【0023】
表示部32は、例えば、ディスプレイであり、入力、出力等を表示するのに利用される。ディスプレイは、公知の液晶ディスプレイ等を用いることができる。操作部34は、キーボードなどであり、上述した入力を行うためのものである。また、表示部32および操作部34を兼ねたタッチパネルディスプレイを用いることもできる。以下では、一例として、操作部34による入力は、タッチ入力で行うこととする。
【0024】
記憶部36は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはSSD(Solid State Drive)等から構成されている。記憶部36には、制御部12により実行される各種プログラムが記憶されている。
【0025】
通信部38は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、有線または無線通信を行うためのインターフェースである。すなわち、通信部38は、他の装置と通信を行うように構成された通信インターフェースの一例である。
【0026】
コンピュータ10は、スタンドアローンタイプまたは持ち運び可能なパーソナルコンピュータであってもよく、サーバであってもよい。また、コンピュータ10は、スマートフォンや携帯用のPCタブレット等であってもよい。また、宿泊施設の価値の評価を行う価値評価システムは、単一のコンピュータ10ではなく複数のコンピュータから構成されていてもよい。この場合、上述した各手段14、16、18、20、22、24、26、28、30は、複数のコンピュータに分散して設けられていてもよく、この場合、複数のコンピュータが有線ケーブルや通信ネットワークを介して相互に接続されてもよい。
【0027】
土地総合情報システムのウエブサーバ40は、コンピュータ10からウエブ閲覧のアクセス(具体的には、コンピュータ10における操作部34による土地総合情報システムのウエブサイトのURLの入力等)があると、コンピュータ10の表示部32のブラウザに土地総合情報システムのウエブサイトを表示させるものである。具体的には、土地総合情報システムのウエブサーバ40には、各地点(各住所)の土地の取引価格や不動産の取引価格に関する情報が記憶部(図示せず)に記憶されている。そして、土地総合情報システムのウエブサイトで住所情報等を入力すると、入力された地点に対応する土地の取引価格や不動産の取引価格に関する情報が土地総合情報システムのウエブサイトに表示されるようになる。このような土地総合情報システムとして、例えば国土交通省により提供されるものが用いられるが、このような態様に限定されることはなく、民間会社により提供される土地総合情報システムが用いられてもよい。
【0028】
旅行会社のウエブサーバ42は、コンピュータ10からウエブ閲覧のアクセス(具体的には、コンピュータ10における操作部34による旅行会社のウエブサイトのURLの入力等)があると、コンピュータ10の表示部32のブラウザに旅行会社のウエブサイトを表示させるものである。このような旅行会社のウエブサイトでは、顧客が宿泊したい地域や施設名を入力すると、その施設の宿泊価格が表示されるとともに施設の宿泊の予約が可能となる。本実施の形態では、後述するように、クローリング手段24によって旅行会社のウエブサイトを巡回することによりこのウエブサイトに掲載されている宿泊価格の情報を収集することができるようになっている。
【0029】
官公庁のウエブサーバ44は、コンピュータ10からウエブ閲覧のアクセス(具体的には、コンピュータ10における操作部34による官公庁のウエブサイトのURLの入力等)があると、コンピュータ10の表示部32のブラウザに官公庁のウエブサイトを表示させるものである。このような官公庁のウエブサーバ44には、各地域の宿泊施設の客室稼働率または空室率が記憶部(図示せず)に記憶されている。そして、官公庁のウエブサイトで住所情報や地域情報等を入力すると、入力された住所や地域に対応する宿泊施設の客室稼働率または空室率に関する情報が官公庁のウエブサイトに表示されるようになる。このような官公庁のウエブサイトとして、例えば国土交通省により提供されるものが用いられるが、このような態様に限定されることはない。また、官公庁のウエブサーバ44として、インバウンド統計データおよび来日観光客に関する情報(例えば、将来の来日観光客の月毎の人数や日本での消費額)が記憶部(図示せず)に記憶されたものが用いられてもよい。この場合は、このような官公庁のウエブサイトにアクセスすると、インバウンド統計データおよび来日観光客に関する情報をこのウエブサイトで閲覧することができるようになる。
【0030】
なお、上述した各地域の宿泊施設の客室稼働率または空室率や、インバウンド統計データおよび来日観光客に関する情報が、官公庁のウエブサーバ44の記憶部ではなく、民間会社のウエブサーバ46の記憶部に記憶されていてもよい。この場合は、官公庁のウエブサーバ46は、コンピュータ10からウエブ閲覧のアクセス(具体的には、コンピュータ10における操作部34による民間会社のウエブサイトのURLの入力等)があると、コンピュータ10の表示部32のブラウザに民間会社のウエブサイトを表示させるようになる。具体的には、そして、民間会社のウエブサイトで住所情報や地域情報等を入力すると、入力された住所や地域に対応する宿泊施設の客室稼働率または空室率に関する情報が民間会社のウエブサイトに表示されるようになる。また、民間会社のウエブサーバ46として、インバウンド統計データおよび来日観光客に関する情報(例えば、将来の来日観光客の月毎の人数や日本での消費額)が記憶部(図示せず)に記憶されたものが用いられる場合は、このような民間会社のウエブサイトにアクセスすると、インバウンド統計データおよび来日観光客に関する情報をこのウエブサイトで閲覧することができるようになる。
【0031】
人流統計情報提供システム50は、制御部52、記憶部54および通信部56を有している。記憶部54および通信部56はバス等により制御部52に電気的に接続されている。制御部52は、記憶部54に記憶されている各種プログラムを実行することにより、人流統計に関する情報をコンピュータ10に提供する。具体的には、人流統計の情報を収集するにあたり、スマートフォンやPCタブレット等のユーザ端末60が国内や外国から来日した観光客に貸し出される。このようなユーザ端末60にはGPS62(全地球測位システム)が搭載されており、GPS62により取得されたユーザ端末60の位置情報に基づいて、人流統計情報提供システム50の制御部52は、各ユーザ端末60の移動情報を検出する。このようにして、人流統計の情報が制御部52により取得される。制御部52により取得された人流統計の情報は記憶部54に記憶される。このような人流統計情報提供システム50では、地域毎の人流統計の情報を提供することができるようになっている。通信部56は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、有線または無線通信を行うためのインターフェースである。すなわち、通信部56は、他の装置と通信を行うように構成された通信インターフェースの一例である。
【0032】
次に、コンピュータ10において記憶部36に記憶されている各種プログラムを制御部12が実行することにより機能する各手段14、16、18、20、22、24、26、28、30の概要について説明する。
【0033】
情報取得手段14は、評価されるべき宿泊施設の位置情報を含む宿泊施設情報が例えば操作部34によって入力されると、入力された宿泊施設の位置情報を含む宿泊施設情報を取得する。ここで、宿泊施設の位置情報は、この宿泊施設の緯度および経度の情報であってもよく、あるいは宿泊施設の住所や市町村名等であってもよい。また、宿泊施設情報は、宿泊施設の広さ、階数、収容人数、既存の施設の解体や修繕の費用、見取り図、間取り図等の様々な情報を含む。
【0034】
評価手段16は、情報取得手段14により取得された宿泊施設の価値の評価を行う。具体的には、評価手段16は、土地の取引価格を示す土地総合情報システムのウエブサイトから取得された、宿泊施設の位置情報に関連する土地の取引価格、旅行会社のウエブサイトから取得された、宿泊施設の位置情報に関連する宿泊価格、宿泊施設の客室稼働率または空室率を示す官公庁または民間会社のウエブサイトから取得された、宿泊施設の位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率、インバウンド統計データを示す官公庁または民間会社のウエブサイトから取得された来日観光客に関する情報、および人流統計情報提供システム50から取得された、宿泊施設の位置情報に関連する人流統計情報のうち少なくともいずれかの情報を用い、宿泊施設の価値の評価を行う。ここで、宿泊施設の位置情報に関連する土地の取引価格とは、評価されるべき宿泊施設の緯度および経度に対応する土地の取引価格、または評価されるべき宿泊施設の住所や市町村名に対応する土地の取引価格のことをいう。また、宿泊施設の位置情報に関連する宿泊価格とは、評価されるべき宿泊施設の緯度および経度あるいは住所の近傍(例えば、予め設定されている所定の距離の範囲内)にある既存の宿泊施設の宿泊価格、あるいは評価されるべき宿泊施設の市町村に位置する既存の宿泊施設の宿泊価格のことをいう。また、宿泊施設の位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率とは、評価されるべき宿泊施設の市町村名に対応する既存の宿泊施設の客室稼働率または空室率の統計情報のことをいう。また、宿泊施設の位置情報に関連する人流統計情報とは、評価されるべき宿泊施設の市町村を訪問した観光客の人流統計の情報のことをいう。
【0035】
出力手段18は、評価手段16により評価された宿泊施設の価値の出力を行う。出力手段18により出力された情報は表示部32に表示されたり通信部38を介して他の情報処理装置に送信されてこの他の情報処理装置のモニタに表示されたりする。予測手段20は、評価手段16により評価された宿泊施設の価値に基づいて、宿泊施設の収益性を予測する。この場合、出力手段18は、予測手段20により予測された宿泊施設の収益性の情報の出力を行ってもよい。具体的には、予測手段20により予測された宿泊施設の収益性の情報は表示部32に表示されたり通信部38を介して他の情報処理装置に送信されてこの他の情報処理装置のモニタに表示されたりする。
【0036】
取引価格取得手段22は、土地総合情報システムのウエブサーバ40により提供されるウエブサイトにアクセスすることによりこのウエブサイトに掲載されている土地の取引価格の情報を取得する。この際に、取引価格取得手段22は、情報取得手段14により取得された、評価されるべき宿泊施設の位置情報に関連する土地の取引価格の情報を取得する。具体的には、上述したように、取引価格取得手段22は、評価されるべき宿泊施設の緯度および経度に対応する土地の取引価格、または評価されるべき宿泊施設の住所や市町村名に対応する土地の取引価格を土地総合情報システムのウエブサイトから取得する。
【0037】
クローリング手段24は、旅行会社のウエブサイトを巡回することによりこのウエブサイトに掲載されている宿泊価格の情報を収集する。この際に、クローリング手段24は、情報取得手段14により取得された、評価されるべき宿泊施設の位置情報に関連する宿泊価格の情報を収集する。具体的には、上述したように、クローリング手段24は、評価されるべき宿泊施設の緯度および経度あるいは住所の近傍(例えば、予め設定されている所定の距離の範囲内)にある既存の宿泊施設の宿泊価格、あるいは評価されるべき宿泊施設の市町村に位置する既存の宿泊施設の宿泊価格の情報を取得する。クローリング手段24により取得された情報は記憶部36に記憶される。なお、クローリング手段24は、旅行会社のウエブサイトに掲載されている全ての宿泊価格の情報を収集し、収集された宿泊価格の情報を記憶部36に記憶させてもよい。この場合は、評価手段16によって宿泊施設の価値の評価を行う際に、この宿泊施設の近傍にある既存の宿泊施設の現在の宿泊価格だけではなく、既存の宿泊施設の過去の宿泊価格も参照することができるようになる。
【0038】
宿泊状況取得手段26は、官公庁または民間会社のウエブサイトにアクセスすることによりこのウエブサイトに掲載されている宿泊施設の客室稼働率または空室率の情報を取得する。この際に、宿泊状況取得手段26は、情報取得手段14により取得された、評価されるべき宿泊施設の位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率の情報を収集する。具体的には、上述したように、宿泊状況取得手段26は、評価されるべき宿泊施設の市町村名に対応する既存の宿泊施設の客室稼働率または空室率の統計情報を取得する。
【0039】
インバウンド情報取得手段28は、官公庁または民間会社のウエブサイトにアクセスすることによりこのウエブサイトに掲載されている来日観光客に関する情報を取得する。具体的には、図4は、官公庁または民間会社のウエブサイトに掲載されているインバウンド統計データおよび来日観光客に関する情報(例えば、将来の来日観光客の月毎の人数)を示すグラフである。このような官公庁または民間会社のウエブサイトに掲載されている情報について、当該ウエブサイトにアクセスすることにより来日観光客に関する情報を取得することが可能となる。
【0040】
人流統計情報取得手段30は、人流統計情報提供システム50から人流統計情報を取得する。この際に、人流統計情報取得手段30は、情報取得手段14により取得された、評価されるべき宿泊施設の位置情報に関連する人流統計情報を取得する。具体的には、上述したように、人流統計情報取得手段30は、評価されるべき宿泊施設がある市町村を訪問した観光客の人流統計の情報を取得する。ここで、人流統計情報提供システム50から取得された人流統計情報を用いて評価手段16が宿泊施設の価値の評価を行う際に、評価されるべき宿泊施設がある市町村を訪問した観光客が、この宿泊施設の近くにある観光施設をどれくらの割合で訪問したか、また、評価されるべき宿泊施設がある市町村にどれくらの期間滞在したか、等の情報が参照される。
【0041】
次に、本実施の形態のシステム1による情報処理の流れについて図2に示すフローチャートを用いて説明する。
【0042】
まず、これから建設しようとするあるいは既存の宿泊施設の価値の評価を行おうとするユーザは、コンピュータ10において操作部34により宿泊施設の位置情報を含む宿泊施設情報を入力する。ここで、上述したように、宿泊施設の位置情報は、この宿泊施設の緯度および経度の情報、あるいは宿泊施設の住所や市町村名等の情報である。また、宿泊施設情報は、宿泊施設の広さ、階数、収容人数、既存の施設の解体や修繕の費用、見取り図、間取り図等の様々な情報を含む。操作部34により入力された情報は情報取得手段14に取得される(図2のステップS1)。なお、ユーザがコンピュータ10において操作部34により宿泊施設の位置情報を含む宿泊施設情報を入力する代わりに、ユーザが外部装置で宿泊施設の位置情報を含む宿泊施設情報を入力し、入力された情報が外部装置からコンピュータ10に送信されるようになっていてもよい。この場合は、外部装置からコンピュータ10に送信された宿泊施設情報が情報取得手段14に取得される。
【0043】
次に、評価手段16は、情報取得手段14により宿泊施設情報が取得された宿泊施設の価値の評価を行う(図2のステップS2)。具体的には、上述したように、土地の取引価格を示す土地総合情報システムのウエブサイトから取得された、宿泊施設の位置情報に関連する土地の取引価格、旅行会社のウエブサイトから取得された、宿泊施設の位置情報に関連する宿泊価格、宿泊施設の客室稼働率または空室率を示す官公庁または民間会社のウエブサイトから取得された、宿泊施設の位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率、インバウンド統計データを示す官公庁または民間会社のウエブサイトから取得された来日観光客に関する情報、および人流統計情報提供システム50から取得された、宿泊施設の位置情報に関連する人流統計情報のうち少なくともいずれかの情報を用いることにより、評価手段16は宿泊施設の価値の評価を行う。より詳細には、図3に示すように、評価手段16は、これらの情報に基づいて、立地・集客力、シーズナリティ、売上可能性、収益性、投資可能性の5軸評価を行う。ここで、宿泊施設の立地は、その宿泊施設への投資の成功に大きく影響する。観光地の近く、交通の便が良い場所、またはビジネス街の中心など、立地によって宿泊施設のターゲット顧客層が異なる。良い立地は、集客力を高め、長期的な成功につながる可能性がある。宿泊施設の集客力は、その地域の魅力や、宿泊施設自体の設備、サービスの質によって決まる。シーズナリティについて、宿泊施設は季節によって需要が変動する。例えば、リゾート地では夏季や冬季に需要が高まることがある。投資の収益性を高めるためには、シーズナリティを理解し、オフシーズンの低迷を補うことが重要である。売上可能性は、宿泊施設が生成する収益の潜在的な最大値を指す。これは、部屋の料金設定、追加サービスの提供、イベントの開催などによって決まる。効果的な収益管理は、宿泊施設への投資の成功に不可欠である。収益性は、宿泊施設が生み出す利益の健全さを示す。高い収益性は、コスト管理、効率的な運営、市場ニーズへの適応能力に依存する。収益性の高い宿泊施設は、長期的な投資にとって魅力的である。投資可能性は、市場のトレンド、競合他社との比較、将来の成長見込みを考慮して決定される。強固なビジネスモデルと成長潜在力を備えたホテルは投資可能性が高くなり、投資家にとって魅力的な選択肢となる。
【0044】
次に、予測手段20は、評価手段16により評価された宿泊施設の価値に基づいて、宿泊施設の収益性を予測する(図2のステップS3)。具体的には、予測手段20は、収益性として月次平均利益、年次平均利益、投資の表面利回りや実質利回り、投資の回収にかかる年月を予測する。そして、出力手段18は、評価手段16により評価された宿泊施設の価値や、予測手段20により予測された宿泊施設の収益性の情報を出力する(図2のステップS4)。出力手段18により出力された情報は、コンピュータ10の表示部32に表示されたり、通信部38によって外部装置に送信されることによりこの外部装置のモニタ等に表示されたりする。このことにより、宿泊施設の価値の評価を行いたいユーザは、評価手段16により評価された宿泊施設の価値や、予測手段20により予測された宿泊施設の収益性の情報を知ることができる。
【0045】
以上のような構成からなる本実施の形態のコンピュータ10(価値評価システム)、システム1、プログラムおよび情報処理方法によれば、情報取得手段14は、評価されるべき宿泊施設の位置情報を含む宿泊施設情報を取得し、評価手段16は、土地の取引価格を示す所定の第1のウエブサイト(具体的には、土地総合情報システムのウエブサーバ40により提供されるウエブサイト)から取得された、宿泊施設の位置情報に関連する土地の取引価格、所定の旅行会社の第2のウエブサイト(具体的には、旅行会社のウエブサーバ42により提供されるウエブサイト)から取得された、宿泊施設の位置情報に関連する宿泊価格、宿泊施設の客室稼働率または空室率を示す所定の第3のウエブサイト(具体的には、官公庁のウエブサーバ44または民間会社のウエブサーバ46により提供されるウエブサイト)から取得された、宿泊施設の位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率、インバウンド統計データを示す所定の第4のウエブサイト(具体的には、官公庁のウエブサーバ44または民間会社のウエブサーバ46により提供されるウエブサイト)から取得された、来日観光客に関する情報および人流統計情報提供システム50から取得された、宿泊施設の位置情報に関連する人流統計情報のうち少なくともいずれかの情報を用い、取得された宿泊施設の価値の評価を行い、出力手段18は、評価された宿泊施設の価値の出力を行う。このようなコンピュータ10(価値評価システム)、システム1、プログラムおよび情報処理方法によれば、宿泊施設の価値を評価するために、地域の土地取引価格、宿泊価格、客室稼働率または空室率、来日観光客の予測情報、近隣の人流統計情報を総合的に分析する。この多角的なアプローチにより、宿泊施設の市場価値をより正確かつ包括的に評価することが可能となる。これにより、投資家や経営者は、より精度の高い情報に基づいた意思決定を行うことができる。なお、評価手段16は、上述した5つの情報(地域の土地取引価格、宿泊価格、客室稼働率または空室率、来日観光客の予測情報および近隣の人流統計情報)の全てを用いて宿泊施設の評価を行ってもよく、あるいは5つの情報のうち一部(1つの情報または2~4つの情報)を用いて宿泊施設の評価を行ってもよい。
【0046】
また、本実施の形態のコンピュータ10(価値評価システム)、システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、予測手段20は、評価手段16により評価された宿泊施設の価値に基づいて、宿泊施設の収益性を予測し、出力手段18は、予測手段20により予測された宿泊施設の収益性の情報の出力を行う。このことにより、評価された宿泊施設の価値を基に、その収益性を予測することが可能となる。この予測は、将来的な収益の見込みや、投資収益率の評価に役立つ。投資家や経営者は、この情報を利用して、長期的な事業計画や資金計画を立てる際の重要な基準とすることができる。
【0047】
また、本実施の形態のコンピュータ10(価値評価システム)、システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、取引価格取得手段22は、第1のウエブサイトにアクセスすることにより第1のウエブサイトに掲載されている、宿泊施設の位置情報に関連する土地の取引価格の情報を取得する。このことにより、宿泊施設の周辺地域の土地取引価格を自動で収集し、価値評価の基礎データとして利用することができる。この情報は、宿泊施設の立地価値を反映し、全体的な価値評価に重要な要素を提供する。
【0048】
また、本実施の形態のコンピュータ10(価値評価システム)、システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、クローリング手段24は、第2のウエブサイトを巡回することにより第2のウエブサイトに掲載されている、宿泊施設の位置情報に関連する宿泊価格の情報を収集する。このことにより、近隣にある宿泊施設の宿泊価格を自動的に収集し、市場競争力や価格設定の基準として利用することができる。これにより、宿泊施設の価値を市場との比較に基づいて評価することが可能となる。
【0049】
また、本実施の形態のコンピュータ10(価値評価システム)、システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、宿泊状況取得手段26は、第3のウエブサイトにアクセスすることにより第3のウエブサイトに掲載されている位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率の情報を取得する。このことにより、近隣にある宿泊施設の客室稼働率または空室率を自動で収集し、宿泊施設の運営効率や人気度を評価する基礎データとして利用することができる。この情報は、宿泊施設の需要と供給のバランスを反映し、価値評価における重要な要素となる。
【0050】
また、本実施の形態のコンピュータ10(価値評価システム)、システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、インバウンド情報取得手段28は、第4のウエブサイトにアクセスすることにより第4のウエブサイトに掲載されている来日観光客に関する情報を取得する。このことにより、来日観光客に関する予測情報を収集し、将来の市場動向や需要予測に基づいて宿泊施設の価値を評価することができる。この情報は、長期的な市場の成長見込みや潜在的な顧客層を理解するのに役立つ。
【0051】
また、本実施の形態のコンピュータ10(価値評価システム)、システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、人流統計情報取得手段30は、人流統計情報提供システム50から位置情報に関連する人流統計情報を取得する。このことにより、宿泊施設の近隣の人流統計情報を収集し、地域の人気度やアクセシビリティを評価するための基礎データとして利用することができる。この情報は、宿泊施設の立地の魅力や市場への露出度を理解するのに重要である。
【0052】
また、本実施の形態のコンピュータ10(価値評価システム)、システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、人流統計情報提供システム50は、観光客に貸与されたユーザ端末60に搭載されているGPS62により特定されるユーザ端末60の位置に基づいて人流統計情報を取得する。このことにより、観光客が所持するユーザ端末60に搭載されているGPS62のデータに基づいて人流統計情報を収集し、宿泊施設の立地に対する実際の人の動きや関心を評価することができる。このリアルタイムデータは、宿泊施設の立地の実際の魅力や、特定のイベントや時期における集客力をより正確に把握するのに役立つ。
【0053】
なお、本発明による価値評価システム、プログラムおよび情報処理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0054】
例えば、評価手段16により評価された宿泊施設の価値や、予測手段20により予測された宿泊施設の収益性の情報は、図3に示すような各種情報に限定されることはない。評価手段16により評価された宿泊施設の価値や、予測手段20により予測された宿泊施設の収益性の情報として、図3に表示される各種情報以外のものが出力手段18により出力されるようになっていてもよい。
【0055】
また、人流統計情報提供システム50は、観光客に提供されるスマートフォン等のユーザ端末60に搭載されるGPS62から取得される位置情報ではなく、また、GPS62から取得される位置情報に加えて、他の情報(例えば、SuicaやPASMO等の交通ICカードのデータ)を用いて人流統計の情報を収集するようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 システム
10 コンピュータ
12 制御部
14 情報取得手段
16 評価手段
18 出力手段
20 予測手段
22 取引価格取得手段
24 クローリング手段
26 宿泊状況取得手段
28 インバウンド情報取得手段
30 人流統計情報取得手段
32 表示部
34 操作部
36 記憶部
38 通信部
40 ウエブサーバ
42 ウエブサーバ
44 ウエブサーバ
46 ウエブサーバ
50 人流統計情報提供システム
52 制御部
54 記憶部
56 通信部
60 ユーザ端末
62 GPS
70 通信ネットワーク
【要約】
【課題】宿泊施設の価値の評価をより精度良く行うことができる価値評価システム、システム、プログラムおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】評価手段16は、土地の取引価格を示す所定の第1のウエブサイトから取得された、宿泊施設の位置情報に関連する土地の取引価格、所定の旅行会社の第2のウエブサイトから取得された、宿泊施設の位置情報に関連する宿泊価格、宿泊施設の客室稼働率または空室率を示す所定の第3のウエブサイトから取得された、宿泊施設の位置情報に関連する宿泊施設の客室稼働率または空室率、インバウンド統計データを示す所定の第4のウエブサイトから取得された来日観光客に関する情報および人流統計情報提供システム50から取得された、宿泊施設の位置情報に関連する人流統計情報のうち少なくともいずれかの情報を用い、宿泊施設の価値の評価を行う。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4