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特許7606284サーバのプログラム、情報処理方法、サーバ、および、端末のプログラム、情報処理方法、端末
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】サーバのプログラム、情報処理方法、サーバ、および、端末のプログラム、情報処理方法、端末
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20241218BHJP
   G16H 40/00 20180101ALI20241218BHJP
【FI】
G16H20/10
G16H40/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020082556
(22)【出願日】2020-05-08
(65)【公開番号】P2021177330
(43)【公開日】2021-11-11
【審査請求日】2023-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001759
【氏名又は名称】弁理士法人よつ葉国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100168468
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 曜
(74)【代理人】
【識別番号】100166176
【弁理士】
【氏名又は名称】加美山 豊
(72)【発明者】
【氏名】濱窄 亮介
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-003570(JP,A)
【文献】特開2019-193797(JP,A)
【文献】特開2013-114315(JP,A)
【文献】特開2005-301741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
G06Q 30/0207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と通信するサーバによって実行されるプログラムであって、
前記端末から前記端末のユーザによる服薬に関する服薬情報を、前記サーバの通信部に よって受信することと、
前記服薬情報に基づいて、前記ユーザが所定条件を満たしたことを前記サーバの制御部によって特定することと、
前記ユーザが前記所定条件を満たしたことに基づいて、前記ユーザに対する対価に関する対価情報を前記通信部によって前記端末に送信することと、
前記端末から余った薬剤を示す残余情報を前記通信部によって受信することと、
前記残余情報に基づいて、薬剤の処分方法を前記制御部によって決定することと、
前記処分方法を示す第情報を、前記通信部によって前記端末に送信することとが前記サーバによって実行される。
【請求項2】
請求項に記載のプログラムであって、
前記服薬情報に基づいて、前記ユーザに対応するスコアを前記制御部によって決定することと、
前記スコアに基づいて、前記対価を前記制御部によって決定することと、
前記対価に基づく対価情報を前記通信部によって前記端末に送信することが前記サーバ によって実行される。
【請求項3】
請求項に記載のプログラムであって、
前記服薬情報は、少なくとも、前記ユーザが服薬した薬剤を示す薬剤情報と、服薬した服薬量と、服薬したタイミングを示す服用タイミングのうちのいずれか一つを含む。
【請求項4】
請求項に記載のプログラムであって、
前記スコアは、前記服薬情報に基づく薬剤と、薬剤の服薬量と、薬剤の服用タイミングとに基づいて決定される。
【請求項5】
請求項または請求項に記載のプログラムであって、
前記薬剤情報は、前記ユーザが服薬した薬剤の画像データ、前記ユーザが服薬した薬剤 を示す識別情報、薬剤に設けられる発信装置が前記薬剤を開封した際に発する電波信号の うちの、少なくともいずれか一つに基づく情報を含む。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記対価情報は、前記ユーザが加入する保険の料金を示す保険料、前記ユーザが利用する施設を利用するための料金を示す利用料、前記ユーザが購買する物品の料金を示す購買 料、のうちのいずれかに関する情報である。
【請求項7】
端末と通信するサーバの情報処理方法であって、
前記端末から前記端末のユーザによる服薬に関する服薬情報を、前記サーバの通信部に よって受信することと、
前記服薬情報に基づいて、前記ユーザが所定条件を満たしたことを前記サーバの制御部によって特定することと、
前記ユーザが前記所定条件を満たしたことに基づいて、前記ユーザに対する対価に関する対価情報を前記通信部によって前記端末に送信することと、
前記端末から余った薬剤を示す残余情報を前記通信部によって受信することと、
前記残余情報に基づいて、薬剤の処分方法を前記制御部によって決定することと、
前記処分方法を示す第情報を、前記通信部によって前記端末に送信することとを含む。
【請求項8】
端末と通信するサーバであって、
前記端末から、前記端末のユーザによる服薬に関する服薬情報と、余った薬剤を示す残余情報とを受信する通信部と、
前記服薬情報に基づいて、前記ユーザが所定条件を満たしたことを特定し、前記ユーザが前記所定条件を満たしたことに基づいて、前記ユーザに対する対価に関する対価情報を前記通信部によって前記端末に送信する制御を行い、前記残余情報に基づいて、薬剤の処分方法を決定し、前記処分方法を示す第情報を前記通信部によって前記端末に送信する制御を行う制御部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバのプログラム、情報処理方法、サーバおよび端末のプログラム、情報処理方法、端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、傷病を負った患者には、規定の薬剤が処方される。処方された薬剤は、予め定められた用法・容量を守って服用されることが望まれる。特許文献1には、ユーザが処方された薬剤を服用したか否かを管理することができる服用管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-174786号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明の第一の態様は、端末と通信するサーバによって実行されるプログラムであって、
端末から端末のユーザによる服薬に関する服薬情報を、サーバの通信部によって受信することと、服薬情報に基づいて、ユーザに対する対価に関する対価情報を通信部によって端末に送信することとがサーバによって実行される。
本発明の第二の態様は、サーバと通信する端末によって実行されるプログラムであって、端末のユーザによる服薬に関する服薬情報を、端末の通信部によってサーバに送信することと、サーバから、服薬情報に基づくユーザに対する対価に関する対価情報を、通信部によって受信することとが、端末によって実行される。
本発明の第三の態様は、端末と通信するサーバの情報処理方法であって、端末から端末のユーザによる服薬に関する服薬情報を、サーバの通信部によって受信することと、服薬情報に基づいて、ユーザに対する対価に関する対価情報を通信部によって端末に送信することとを含む。
本発明の第四の態様は、端末と通信するサーバであって、端末から端末のユーザによる服薬に関する服薬情報を受信する通信部と、服薬情報に基づいて、ユーザに対する対価に関する対価情報を通信部によって端末に送信する制御を行う制御部とを備える。
本発明の第5の態様は、端末と通信するサーバであって、メモリに記憶されたプログラムを読み出し、プログラムに基づく処理を実行するプロセッサーを備え、プロセッサーは、端末から端末のユーザによる服薬に関する服薬情報を、サーバの通信部によって受信することと、服薬情報に基づいて、ユーザに対する対価に関する対価情報を通信部によって端末に送信することとを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】通信システムの構成例を示し、端末及びサーバの構成例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る通信システムの概要を説明する概要図である。
図3】ユーザの服薬情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図4】通信システムにおける各装置のやり取りの一例を示すシーケンス図である。
図5図4に関連する端末の動作例を示すフローチャートである。
図6図4に関連するサーバの動作例を示すフローチャートである。
図7】端末の表示例を示す画面図である。
図8】服薬情報を受信できないときのサーバの動作例を示すフローチャートである。
図9】端末の動作例を示すフローチャートである。
図10】端末の表示例を示す画面図である。
図11】薬剤を誤飲したときの端末の動作例を示すフローチャートである。
図12】端末の表示例を示す画面図である。
図13】薬剤の処分方法に係る通信システムにおける各装置のやり取りの例を示すシーケンス図である。
図14】薬剤処分方法を規定する処分情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図15図13に関連するサーバの動作例を示すフローチャートである。
図16図13に関連する端末の動作例を示すフローチャートである。
図17】端末の薬剤処分情報の表示例を示す画面図である。
図18】通信システムにおける各装置のやり取りの一例を示すシーケンス図である
図19】対応情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図20図18に関連するサーバの動作例を示すフローチャートである。
図21】(a)、(b)薬剤を服用するユーザに関連するユーザの端末の表示例を示す画面図である。
図22】実施形態2に係る通信システムの構成例を示すブロック図である。
図23】実施形態2に係る通信システムにおける各装置のやり取りの一例を示すシーケンス図である。
図24】開封検出装置の動作例を示すフローチャートである。
【0006】
<法的事項の遵守>
本明細書に記載の開示は、通信の秘密など、本開示の実施に必要な実施国の法的事項遵守を前提とすることに留意されたい。
【0007】
本開示に係る端末による送信または受信に係る状況を確認できる表示方法等を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、限定ではなく例であり、本願に係る発明が以下の実施形態に限定されるものではない。
【0008】
<システム構成>
【0009】
図1は、本開示の一実施形態に係る通信システム1の構成を示す。図1に開示されるように、通信システム1では、ネットワーク30を介してサーバ10と、端末20(端末20A,端末20B,端末20C)とが接続される。サーバ10は、ネットワーク30を介してユーザが所有する端末20に、端末20間でのメッセージの送受信を実現するサービスを提供する。なお、ネットワーク30に接続される端末20の数は限定されない。
【0010】
ネットワーク30は、1以上の端末20と、1以上のサーバ10とを接続する役割を担う。すなわち、ネットワーク30は、端末20がサーバ10に接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。
【0011】
ネットワーク30のうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよいし、そうでなくてもよい。ネットワーク30は、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(ad hoc network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(virtual private network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network:LAN)、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ワイヤレスWAN(wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(metropolitan area network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDN(integrated service digital networks)、無線LAN、LTE(long term evolution)、CDMA(code division multiple access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。ネットワーク30は、1つまたは複数のネットワーク30を含むことができる。
【0012】
端末20(端末20A,端末20B,端末20C)は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理端末であればどのような端末であってもよい。端末20は、限定ではなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA(personal digital assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、または他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、端末20は情報処理端末と表現されてもよい。
【0013】
端末20A、端末20Bおよび端末20Cの構成は基本的には同一であるため、以下の説明においては、端末20について説明する。また、必要に応じて、ユーザXが利用する端末を端末20Xと表現し、ユーザXまたは端末20Xに対応づけられた、所定のサービスにおけるユーザ情報をユーザ情報Xと表現する。なお、ユーザ情報とは、所定のサービスにおいてユーザが利用するアカウントに対応付けられたユーザの情報である。ユーザ情報は、限定でなく例として、ユーザにより入力される、または、所定のサービスにより付与される、ユーザの名前、ユーザのアイコン画像、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの住所、ユーザの趣味趣向、ユーザの識別子などのユーザに対応づけられた情報を含み、これらのいずれか一つまたは、組み合わせであってもよいし、そうでなくてもよい。
【0014】
サーバ10は、端末20に対して、所定のサービスを提供する機能を備える。サーバ10は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよい。サーバ10は、限定でなく例として、サーバ装置、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、サーバ10は情報処理装置と表現されてもよい。サーバ10と端末20とを区別する必要がない場合は、サーバ10と端末20とは、それぞれ情報処理装置と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0015】
<ハードウェア(HW)構成>
【0016】
図1を用いて、通信システム1に含まれる各装置のHW構成について説明する。
【0017】
(1)端末のHW構成
【0018】
端末20は、制御部21(CPU:central processing unit(中央処理装置))、記憶部28、通信I/F22(インタフェース)、入出力部23、表示部24、位置情報取得部25を備える。端末20のHWの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。なお、端末20のHW構成として、すべての構成要素を含むことは必須ではない。限定ではなく例として、端末20は、マイク232、カメラ234、位置情報取得部25等、個々の構成要素、または複数の構成要素を取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0019】
通信I/F22は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F22は、ネットワーク30を介して、サーバ10との通信を実行する機能を有する。通信I/F22は、各種データを制御部21からの指示に従って、サーバ10に送信する。また、通信I/F22は、サーバ10から送信された各種データを受信し、制御部21に伝達する。また、通信I/F22を単に通信部と表現する場合もある。また、通信I/F22が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0020】
入出力部23は、端末20に対する各種操作を入力する装置、および、端末20で処理された処理結果を出力する装置を含む。入出力部23は、入力部と出力部が一体化していてもよいし、入力部と出力部に分離していてもよいし、そうでなくてもよい。
【0021】
入力部は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を制御部21に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入力部は、限定でなく例として、タッチパネル231、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ234(動画像を介した操作入力)、マイク232(音声による操作入力)を含む。
【0022】
出力部は、制御部21で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力部は、限定でなく例として、 タッチパネル、タッチディスプレイ、スピーカ233(音声出力)、レンズ(限定でなく例として3D(three dimensions)出力や、ホログラム出力)、プリンターなどを含む。
【0023】
表示部24は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。表示部24は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display))、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよいし、そうでなくてもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置を含む。なお、これらの表示部24は、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0024】
入出力部23がタッチパネルの場合、入出力部23と表示部24とは、略同一の大きさおよび形状で対向して配置されていてもよい。
【0025】
制御部21は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、限定でなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。そのため、制御部21は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0026】
制御部21は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)を含む。
【0027】
記憶部28は、端末20が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部28は、限定でなく例として、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)など各種の記憶媒体を含む。また、記憶部28は、メモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0028】
端末20は、プログラムPを記憶部28に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御部21が、制御部21に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部28に記憶されるプログラムPは、端末20に、制御部21が実行する各機能を実現させる。また、このプログラムPは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0029】
マイク232は、音声データの入力に利用される。スピーカ233は、音声データの出力に利用される。カメラ234は、動画像データの取得に利用される。
【0030】
(2)サーバのHW構成
【0031】
サーバ10は、制御部11(CPU)、記憶部15、通信I/F14(インタフェース)、入出力部12、表示部13を備える。サーバ10のHWの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。なお、サーバ10のHWは、サーバ10のHWの構成として、全ての構成要素を含むことは必須ではない。限定ではなく例として、サーバ10のHWは、表示部13を取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0032】
制御部11は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、限定でなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。
【0033】
制御部11は、代表的には中央処理装置(CPU)、であり、その他にマイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGAであってもよいし、そうでなくてもよい。本開示において、制御部11は、これらに限定されない。
【0034】
記憶部15は、サーバ10が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部15は、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。ただし、本開示において、記憶部15は、これらに限定されない。また、記憶部15は、メモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0035】
通信I/F14は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F14は、ネットワーク30を介して、端末20との通信を実行する機能を有する。通信I/F14は、各種データを制御部11からの指示に従って、端末20に送信する。また、通信I/F14は、端末20から送信された各種データを受信し、制御部11に伝達する。また、通信I/F14を単に通信部と表現する場合もある。また、通信I/F14が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0036】
入出力部12は、サーバ10に対する各種操作を入力する装置により実現される。入出力部12は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を制御部11に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入出力部12は、代表的にはキーボード等に代表されるハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイスで実現される。なお、入出力部12、限定でなく例として、タッチパネルやカメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含んでいてもよいし、そうでなくてもよい。ただし、本開示において、入出力部12は、これらに限定されない。
【0037】
表示部13は、代表的にはモニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display))で実現される。なお、表示部13は、ヘッドマウントディスプレイ(HDM)などであってもよいし、そうでなくてもよい。なお、これらの表示部13は、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。ただし、本開示において、表示部13は、これらに限定されない。
【0038】
サーバ10は、プログラムPを記憶部15に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御部11が、制御部11に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部15に記憶されるプログラムPは、サーバ10に、制御部11が実行する各機能を実現させる。このプログラムPは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0039】
本開示の各実施形態においては、端末20および/または、サーバ10のCPUがプログラムPを実行することにより、実現するものとして説明する。
【0040】
なお、端末20の制御部21、および/または、サーバ10の制御部11は、制御回路を有するCPUだけでなく、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各処理を実現してもよいし、そうでなくてもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよいし、そうでなくてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。そのため、制御部21は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0041】
また、本開示の各実施形態のプログラムP(限定ではなく、例として、ソフトウェアプログラム、コンピュータプログラム、またはプログラムモジュール)は、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよいし、されなくてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムPを記憶可能である。また、プログラムPは、本開示の各実施形態の機能の一部を実現するためのものであってもよいし、そうでなくてもよい。さらに、本開示の各実施形態の機能を記憶媒体にすでに記録されているプログラムPとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0042】
記憶媒体は、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カード、またはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムPを記憶可能であれば、どのようなデバイスまたは媒体であってもよい。また、記憶媒体をメモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0043】
サーバ10および/または端末20は、記憶媒体に記憶されたプログラムPを読み出し、読み出したプログラムPを実行することによって、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現することができる。
【0044】
また、本開示のプログラムPDDは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ10および/または端末20に提供されてもよいし、されなくてもよい。サーバ10および/または端末20は、限定でなく例として、インターネット等を介してダウンロードしたプログラムPを実行することにより、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現する。
【0045】
また、本開示の各実施形態は、プログラムPが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0046】
サーバ10および/または端末20における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよいし、そうでなくてもよい。
【0047】
端末20における処理の少なくとも一部を、サーバ10により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、端末20の制御部21の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、サーバ10で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。
【0048】
サーバ10における処理の少なくとも一部を、端末20により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、サーバ10の制御部11の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、端末20で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。
【0049】
明示的な言及のない限り、本開示の実施形態における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよいし、そうでなくてもよい。
【0050】
なお、本開示のプログラムは、限定でなく例として、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装される。
【0051】
<実施形態1>
図2に示すように、本実施形態に係る通信システム1では、ユーザは自身のユーザ端末20から、ユーザが薬剤220を服薬したことを示す服薬情報221を、サーバ10に送信する。これによって、サーバ10は、ユーザが実際に服薬したかどうかを管理することができる。ユーザ端末20は、前述の通り、限定ではなく例として、ユーザの情報処理端末であるスマートフォン等により実現されてよいし、ヘッドマウントディスプレイなどで実現されてもよい。
【0052】
ここで服薬情報221は、ユーザ自身が打ち込んだテキスト情報であってもよいし、服用する薬剤に関する画像であってもよいし、服用する薬剤に関するコード情報であってもよい。また、服薬情報221は、薬包に設けられたセンサにより薬包が開封されたことを検知するセンサによるセンシングデータであってもよい。
【0053】
サーバ10は、ユーザから服薬情報221を受信することで、ユーザが実際に服薬しているのか、正しい薬剤を服用しているのか、用法や容量を守っているのかを確認することができる。そして、サーバ10は、ユーザが所定の基準を満たした場合に、ユーザに対して、対価を与える。即ち、サーバ10は、対価の内容を示す対価情報222を、ユーザ端末20に送信する。
【0054】
ここで、対価情報222は、ユーザが受領する対価の内容を示す情報であって、限定ではなく一例として、ユーザが加入している保険料の低減を示す情報であってもよいし、そうでなくてもよい。また、あるいは、対価情報222は、限定ではなく一例として、ユーザに対してユーザが利用する施設やサービス等を利用するための料金や物品を購入する際の料金を割り引くことを示す情報やクーポン情報であってもよいし、そうでなくてもよく、施設やサービスの優先的利用権を示す情報であってもよいし、そうでなくてもよい。また、対価情報222は、物品(限定ではなく一例として、サプリメント、健康飲料など)の贈与そのものであってもよいし、そうでなくてもよく、その物品はユーザが定期的に購入するものであってもよいし、そうでなくてもよい。また、対価情報222は、ユーザが加入している保険(健康保険やがん保険、生活習慣病保険など様々な保険)の適用を受けるにあたってユーザが服薬情報221を送信したことに伴って保険の適用を確約することを示す情報であってもよいし、そうでなくてもよい。また、対価情報222は、ユーザが所属する組織(限定ではなく一例として、勤務先の企業等)から受ける福利厚生の質の向上を示す情報であったり、福利厚生の適用の確約を示す情報であったりしてもよく、そうでなくてもよい。また、対価情報222は、限定ではなく一例として、何らかの物品そのものを送付したことを示す情報であってもよいし、そうでなくてもよい。また、対価情報222は、ユーザにとってマイナスになる情報であってもよい。即ち、ユーザが服薬情報を送らず薬剤を服用していないような場合にはユーザに対してペナルティとなるような内容の対価情報を送信することとしてもよい。限定ではなく一例として、対価情報222は、ユーザが加入している保険料が割り増し料金となったり、施設の利用料等のサービス料が通常よりも多くなったりするような内容の情報であってもよいし、そうでなくてもよい。
以下、詳細に説明する。
【0055】
(1)ユーザの端末の機能構成
図2に示すように、端末20の制御部21は、メッセージ処理部211と、表示処理部212と、判定部213と、を備える。
【0056】
メッセージ処理部211は、サーバ10が提供するメッセージングサービスから提供されるメッセージングアプリケーションに従って、ユーザからの入力および/または通信I/F12が受信したメッセージを含むコンテンツの入力を受け付けて、表示処理部212に表示するように指示する。なお、ユーザからの入力を受け付けた場合には、その受け付けた入力内容を通信I/F22にサーバ10に宛てて送信するように指示する。また、ここでメッセージ処理部211が処理する対象として、トークルームに対してユーザが入力したテキストメッセージに限らず、写真やスタンプなどを含む画像情報、音声ファイル、動画ファイル、データファイルなどを含んでよい。ここで、トークルームとは、限定ではなく一例として、サーバ10が提供するメッセージングサービスにおいて、メッセージングサービスを利用するユーザ同士によって、送受信されたコンテンツをユーザの端末に表示可能にするユーザインターフェースである。トークルームは、チャットルームと呼称されてもよい。
【0057】
メッセージ処理部211は、ユーザから入力された服薬情報221を、通信部22を介して、サーバ10に送信する。端末20から送信する服薬情報221には、服用した薬剤を特定可能な情報、服用した量や服用に係る用法(限定ではなく一例として、服用のタイミングや服用の方法など)を特定可能な情報のうち少なくともいずれかを含む。薬剤を特定可能な情報は、例えば、薬剤の名称や薬剤に固有の識別子である薬剤ID、薬剤を撮像した画像、薬剤に対応するコード情報(限定ではなく一例として二次元バーコード)などであってよい。服用のタイミングとは、薬剤毎に指定される服用の時期に合致するかを特定可能な情報であればよく、限定ではなく一例として、ユーザによる打ち込まれたテキスト情報が示す時刻であってもよいし、撮像画像にメタデータとして含まれる撮像時刻であってもよいし、端末20から服薬情報221を送信する送信時刻あるいはサーバ10で服薬情報221を受信する受信時刻で代替されてよい。また、服用のタイミングは、薬剤毎に指定される服用の時期に合致しているか否かの情報であってもよい。また、薬剤毎に指定される服用の時期とは、薬剤を服用するにあたって、服用するのに望ましいと医療従事者や薬機法等で定められる時期を示す情報であり、限定ではなく一例として、朝食後であったり、朝夕であったり、食間であったりしてもよいし、そうでなくてもよい。また、服用のタイミングは、他の服用時期からの差分を示す情報であってもよく、限定ではなく一例として、前回の服用から所定時間(限定ではなく一例として4時間)が経過していることを示す情報であってもよいし、そうでなくてもよい。また、服用の方法とは、薬剤を服用する際の服用方法を示す情報のことであり、限定ではなく一例として、飲料の要否であってもよいし、そうでなくてもよい。また、服用の方法は、限定ではなく一例として、飲料の指定(限定ではなく一例として水または白湯)であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0058】
判定部213は、ユーザが服用しようとしている薬剤が正しいか否かを判定する。判定部213は、限定ではなく一例として、ユーザが服用しようとしている薬剤の撮像画像を取得する。そして、取得した撮像画像に対してパターンマッチングにより、何の薬剤を服用しようとしているかを特定する。そして、服用しようとしている薬剤が正しい薬剤であるかを判定する。この判定は、例えば、予め記憶部28に、ユーザが服用する薬剤の服用タイミングを規定したスケジュール情報を保持することで判定することができる。そして、判定部213は、ユーザが服用しようとしているユーザが誤っている場合には、その旨を通知する。この通知は、音声による通知であってもよいし、画像や文字による通知であってもよい。判定部213は、ユーザが入力した薬剤のテキスト情報に基づいて、ユーザが服用しようとしている薬剤が正しいか否かを判定することとしてもよい。
【0059】
表示処理部212は、サーバ10が提供するメッセージングサービスから提供されるメッセージングアプリケーションに従って、ユーザからの入力および/または通信I/F22が受信したメッセージを含むコンテンツの入力を受け付けて、表示部24の表示領域に表示するように指示する。表示処理部212は、対価情報222を表示する。
以上が、端末20の機能構成である。
【0060】
(2)サーバの機能構成
図2に示すように、サーバ10の制御部11は、メッセージ処理部111と、更新部112と、算出部113と、生成部114と、を備える。
【0061】
メッセージ処理部111は、各ユーザ間のやり取りを行うためのトークルームを管理する機能を備える。メッセージ処理部111は、サーバ10が提供するメッセージングサービスの提供を受ける端末間のコンテンツを含むコンテンツのやり取りを中継する。即ち、あるユーザからトークルームへのコンテンツが送信された場合に、そのトークルームを特定し、トークルームに属する他のユーザにコンテンツを送信する。また、ここでは、メッセージ処理部111は、ユーザとの間でやり取りするためのトークルームを介して、服薬情報を受信する。また、服薬情報に基づく対価情報を、トークルームに送信する。
【0062】
更新部112は、受信した服薬情報に基づいて、服薬管理情報を更新する。更新部112は、受信した服薬情報を送信した端末20を特定し、特定した端末20に対応するユーザの服薬管理情報を記憶部15から取得する。そして、取得した服薬管理情報において受信した日付であって服薬管理情報に含まれる薬剤IDに対応する服用履歴と服用タイミングとに情報を追加することで服薬管理方法を更新する。
【0063】
算出部113は、服薬情報に基づく、ユーザの服薬の履歴に基づいて、ユーザがどれだけ用法、用量を守って服薬をしているかを評価するためのスコアを算出する。算出部113は、限定ではなく一例として、服薬した薬剤が正しいものか否か、服薬した量を守っているか否か、服薬したタイミングが正しいか否かによって、スコアを算出する。算出部113は、限定ではなく一例として、所定期間(限定ではなく一例として、1ヶ月と固定の期間であってもよいし、処方された薬剤の日数分を所定期間としてもよい)における服用履歴に基づいてスコアを算出する。
【0064】
限定ではなく一例として、服用した薬剤が正しい場合に「1」、間違っている場合に「0」としてよい。また、服薬した量(錠剤や薬包であれば個数、薬液であればミリリットル数)が規定されている量と同一か、それに対して多寡があるか否かによって、第1係数を決定することとしてよい。例えば、規定されている量と同一である場合に第1係数を「1」とし、基準の量に対してずれが発生した場合に、基準量からの乖離率に応じた値を第1係数としてよい。例えば、3錠を服用しなければならないところ、2錠しか服用しなかった場合に、第1係数を0.66(=2/3)とすることができる。また、服用タイミングが規定されているタイミングからどれだけ乖離しているか否かによって、第2係数を決定することとしてよい。例えば、規定されている時間内の服用であれば、第2係数を1とし、規定されている時間から遠ざかるほど値が0に近づくように第2係数を決定するようにしてよい。そして、服用した薬剤が正しい場合の値「1」または間違っている場合の値「0」に第1係数と第2係数とを乗じることとしてよい。これによって、1回分の服用についての仮スコアが算出される。そして、所定期間分の服用履歴についての仮スコアを算出した後に、その仮スコアの平均値をスコアとして算出することとしてよい。したがって、スコアが1に近いほど、評価が高く、0に近いほど評価が低いことになる。算出部113は、算出したスコアを生成部114に送信する。
【0065】
なお、ここに示すスコアの算出方法は、一例に過ぎない。スコアの算出方法は、服薬が規定されている用法・容量に近ければ近いほど評価値が高く、規定されている用法・容量から離れるほど低くなるように算出されるスコアであれば、どのような手法により算出されてもよい。限定ではなく一例として、上述した算出方法の他、例えば、正しい薬剤の服薬を行えば「5点」、容量について正しい容量を服用している場合に「5点」として正しい容量から遠ざかるほどに減点し、タイミングについて、正しい時間帯内で服用している場合に「5点」としてその時間帯から10分離れるほどに1点減点とすることとしてもよい。そして、1回の服薬についてのスコアを加算形式で算出するとともに、所定期間(限定ではなく一例として、1週間や1ヶ月)の合計値をユーザのスコアとして算出することとしてもよい。そして、算出したスコアが所定の閾値を上回った場合に、対価としての対価情報をユーザの端末20に送信することとしてもよい。また、算出部113は、単純に、ユーザが、規定通りに薬剤を服用していなかった場合に、ユーザの評価が下がる方向で、スコアを加減算するようにしてもよいし、そうしなくてもよい。限定ではなく一例として、算出部113は、ユーザの所定期間のスコアの基準値を規定し、ユーザが規定通りに薬剤を服用しなかった場合に所定点(限定ではなく一例として10点)減点することとしてもよいし、そうしなくてもよい。
【0066】
生成部114は、算出部113が算出したスコアが所定の基準を満たした場合に、ユーザに対する対価を決定し、決定した対価の内容を示す対価情報を、通信部I/F22を介して、ユーザの端末20に送信する。生成部114は、算出部113が算出したスコアが予め定められた閾値を超えている場合には、ユーザが一定以上正しく服薬を行ったものとして、対価として、ユーザにとって得となる対価情報を生成する。限定ではなく一例として、生成部114は、対価情報として、保険料の割引や免除、診察料の割引や施設利用料の軽減、物品の想定などを示す情報を生成することとしてよい。また、このときに、生成部は、スコアの値に応じて対価として額面や物品の良し悪しを定めてもよい。即ち、生成部は、スコアが高ければ高いほど、保険料等の割引率が高くなるようにして対価情報を決定してもよいし、対価が物品である場合には、スコアを複数の閾値で区分けを行い、どの区域になるかによって物品の内容を変更するようにして対価情報を決定してもよい。
【0067】
また、生成部114は、スコアが所定の閾値(前述の所定の閾値と同値であってもよいし、それよりも低い値であってもよい)よりも低かった場合には、ユーザは正しく服薬を行っていなかったということで、何らかのペナルティとなるような対価情報を生成することとしてもよい。サーバ10が、ユーザの端末20から服薬情報を受信できなかった場合にはスコアは低いものとなりペナルティが課される可能性が高くなる。
【0068】
以上が、サーバ10の機能構成である。
【0069】
<データ>
図3は、服薬管理情報300の構成例を示すデータ概念図である。図3に示す服薬管理情報300は、一ユーザについての服薬の管理を行うための情報であり、サーバ10の記憶部14には、各ユーザについて、の服薬管理情報300を保持する。
【0070】
図3に示すように服薬管理情報300は、ユーザID301と、服用予定日302と、服用予定タイミング303と、薬剤ID304と、服用履歴305と、服用タイミング306とが対応付けられた情報である。
【0071】
ユーザID301は、通信システム1上で、各ユーザを一意に識別する識別情報である。即ち、ユーザID301は、その服薬管理情報300が誰の服薬管理情報であるかを規定する情報である。
【0072】
服用予定日302は、ユーザが処方された薬剤を服用する予定の日時を示す情報である。
【0073】
服用予定タイミング303は、対応する日時において、ユーザが処方された薬剤を服用する予定の時間帯を示す情報である。服用予定タイミング303は、厳密な時間帯により定められてもよいし、午前中、昼食後というような抽象的な情報であってもよい。抽象的な情報により規定される場合には、サーバ10は、予め、その概念として適切とされる時間帯の情報を予め保持する。
【0074】
薬剤ID304は、対応する服用予定日302、服用予定タイミング303において服用すべき薬剤を一意に特定するための薬剤の識別情報である。
【0075】
服用履歴305は、対応する服用予定日302、服用予定タイミング303に関する服薬情報として、ユーザの端末20から送信された服薬情報221に基づく服薬の証拠となる情報を示す情報である。服用履歴305は、まだ、服用情報を受け付けていない場合には、空欄となる。
【0076】
服用タイミング306は、対応する服用履歴305で示される薬剤の服用を行ったタイミングを示す情報である。服用タイミング306は、まだ、服用情報を受け付けていない場合には、空欄となる。
【0077】
図3の例では、ユーザID「U0201524」で示されるユーザは、服用予定日「2020年4月10日」の「朝食後」に、薬剤ID「M009082」で示される薬剤を、「7時30分」に服用しており、その証拠として、「H009201.jpg」という画像情報が保持されている例を示している。なお、図3に示す服薬管理情報300には、図示していない服薬に関する情報であれば、他の情報も対応付けられてもよい。限定ではなく一例として、ユーザが服薬した薬剤の服薬量に関する情報や、服薬に用いた飲料、服薬の前後の食事内容などの情報が対応付けられてもよいし、対応付けられなくてもよい。
【0078】
<動作>
図4は、通信システム1における端末20とサーバ10との間のやり取りの例を示すシーケンス図である。図4に示すやり取りは、ユーザが端末20を用いて服薬したことを示す情報を送信し、対価を得るためのやり取りである。
【0079】
図4に示すように、端末20は、服薬情報の入力を受け付ける(ステップS401)。この服薬情報の入力は、ユーザによりタッチパネル231を用いて入力されたテキスト情報による入力であってもよいし、カメラ234により撮像された薬剤の撮像画像による入力であってもよいし、カメラ234により読みとられた薬剤に対応付けられたコード情報を読み取った情報の入力であってもよい。そして、端末20は、サーバ10に、受け付けた服薬情報を送信する(ステップS402)。
【0080】
サーバ10は、受信した服薬情報に基づき、対応するユーザの服薬管理情報を更新する(ステップS403)。
【0081】
サーバ10は、ユーザの服薬管理情報に基づき、ユーザが所定の基準を満たしたか否かを判断する。そして、ユーザが所定の基準を満たしている場合に、ユーザに送信する対価情報を生成する(ステップS404)。そして、サーバ10は、生成した対価情報を、端末20に送信する(ステップS405)。
【0082】
端末20は、受信した対価情報を表示する(ステップS406)。
【0083】
図5は、図4に示すやり取りを実現するための端末20の動作例を示すフローチャートである。
【0084】
図5に示すように、端末20は、服薬情報の入力を受け付ける(ステップS501)。端末20の入出力部23は、服薬情報の入力を受け付けて、制御部21に送信する。
【0085】
制御部21のメッセージ処理部211は、服薬情報を、通信I/F14を介して、サーバ10に送信する(ステップS502)。
【0086】
メッセージ処理部211は、通信I/F14を介して、対価情報を受信しているか否かを判定する(ステップS503)。対価情報を受信していない場合には(ステップS503のNO)、ステップS501の処理に戻る。
【0087】
対価情報を受信している場合には(ステップS503のYES)、表示処理部212は、表示部24に表示し(ステップS504)、ステップS501の処理に戻る。
以上が、端末20の動作である。
【0088】
図6は、図4に示すやり取りを実現するためのサーバ10の動作例を示すフローチャートである。
【0089】
図6に示すように、通信I/F14は、端末20から送信された服薬情報を受信する(ステップS601)。通信I/F14は、受信した服薬情報を制御部11に送信する。
【0090】
制御部11の更新部112は、受信した服薬情報を用いて、対応するユーザの服薬管理情報300を更新する(ステップS602)。更新部112は、服薬情報を服用履歴305に登録し、服薬情報を受信した時刻を服用タイミング306に登録する。
【0091】
算出部113は、受信した服薬情報に対応するユーザのスコアを算出する(ステップS603)。算出部113は、算出したスコアを生成部114に送信する。そして、生成部114は、受信したスコアが所定の閾値を超えているか否かを判定する(ステップS604)。超えていないと判定した場合には(ステップS604のNO)、処理を終了する。
【0092】
生成部114は、スコアが所定の閾値を超えていると判定した場合に(ステップS604のYES)、対価情報を生成する(ステップS605)。そして、生成部114は、生成した対価情報を、通信I/F14を介して、端末20に送信し(ステップS606)、処理を終了する。生成部114は、サーバ10と端末20との間のトークルームを介して対価情報を送信してもよい。
【0093】
なお、図6では、算出部113は、ユーザから服薬情報を受信するごとにスコアを算出する構成を示しているが、算出部113によるスコアの算出は、服薬情報を受信するごとでなくてもよい。算出部113は、例えば、一定のタイミングでの算出を行うこととしてよく、限定ではなく一例として、一ヶ月の所定の日が到来するごとに算出することとしてもよい。
【0094】
図4から図6に示す処理の結果、端末20の表示部24には、図7に示すような情報が表示される。
【0095】
図7(a)は、対価情報として、施設の利用料が安くなることを示す情報を表示している例を示している。また、図7(b)は、対価情報として、ユーザが加入している保険の保険料が安くなることを示す情報を表示している例を示している。このような対価情報で示される対価が得られることで、ユーザに服薬のモチベーションを持たせることができる。なお、図7では、端末20とサーバ10との間のトークルームに対価情報を表示する例を示しているが、これはその限りではない。対価情報は、限定ではなく一例として、メールにより送信されてもよく、メールアプリで表示されることとしてもよい。
【0096】
なお、実施形態1において、サーバ10がユーザに対する対価情報を決定している構成を示したが、対価情報を生成するのは、サーバ10とは異なるサーバ装置であってもよい。即ち、このサーバ装置は、ユーザの服薬情報を収集し、収集した服薬情報に基づいてスコアを算出し、算出したスコアに基づいて対価情報を生成する機能を有し、サーバ10は、サーバ装置とユーザとの間のトークルーム上で、服薬情報と対価情報のやり取りを中継するという態様であってもよい。また、上記実施形態1では、スコアは対価情報を特定するために用いる例を示したが、算出部113が算出したスコアは、医療の診断における参照情報として利用されてもよいし、そうでなくてもよい。限定ではなく一例として、容体が改善されないユーザがいる場合に、スコアが高い場合にはユーザは薬剤を処方通りに服用していることがわかるので、他の薬剤の服用の提案をしたり、スコアが低い場合にはユーザが正しく薬剤を服用していないことがわかるので、正しい服用の方法を教示したりすることができる。
【0097】
<実施形態1の効果>
ユーザの端末20は、サーバ10に服薬を行ったことを示す服薬情報を送信する。そして、サーバ10は、服薬情報に基づいて、ユーザに対して対価情報を送信する。
これにより、ユーザは、服薬を正しく行うことで対価を得られることが認識でき、服薬に対するモチベーションを高めることができる。その結果、ユーザは、適切に治療を行うことができる。
【0098】
また、サーバ10は、服薬情報に基づいてスコアを算出する算出部と、算出したスコアに基づいて対価を示す対価情報を生成する生成部を備えることとしてもよい。
この構成により、サーバ10は、各ユーザの服薬状況を定量的に評価し、対価情報を送信することができる。
【0099】
また、端末20からサーバ10に送信される服薬情報には、服薬した薬剤を示す情報、服薬量、服用タイミングのいずれかを一つを含むこととしてよい。
これにより、サーバ10は、服薬情報に薬剤を示す情報が含まれていれば、ユーザが正しい薬剤を服用したかどうかを特定することができ、服薬量が含まれていれば、適量を服用したどうかを特定することができ、服用タイミングが含まれていれば、正しいタイミングで服用したかどうかを特定することができる。なお、服用タイミングは、服薬情報を受信したタイミングで代用することとしてもよい。
【0100】
また、算出部は、薬剤と、その服薬量、服用タイミングとの少なくともいずれかからスコアを算出することとしてもよい。即ち、薬剤が正しい場合に高く、服薬量が適切に近いほど高く、服用タイミングが適切な時間帯に近いほど高くなるように、算出部はスコアを算出することとしてもよい。
これにより生成部は、算出部が算出したスコアに応じて、傾斜を設けた対価情報を生成することができる。したがって、適切な用法、容量を守ることでよりよい対価を得ることができることから、ユーザに薬剤の用法・容量を守らせるためのモチベーションを向上させることができる。
【0101】
また、服薬情報は、薬剤の情報として、薬剤の画像データ、薬剤を示す識別情報、薬剤に設けられた発信装置が薬剤を開封した際に検出する電波信号のいずれかであってよい。
これにより、ユーザが服薬を行ったことのエビデンスとしての確度を向上させることができる。
【0102】
また、対価情報は、ユーザが加入する保険の保険料、ユーザが利用する施設の利用料、ユーザが購買する物品の購買料のいずれかに関するものであってよい。例えば、スコアが高い場合に、保険料が安くなったり、施設の利用料が安くなったり、物品の購買料が安くなったりする。
これにより、ユーザが薬剤の用法や容量を積極的にまもるモチベーションを提供することができる。
【0103】
また、対価情報は、ユーザに対して何らかの物品を送付することを示す情報であってもよい。
これにより、ユーザは、対価として物品を受領することができ、薬剤の用法や容量を守るためのモチベーションとすることができる。
【0104】
また、算出部は、ユーザが服薬情報を送信しなかった場合、即ち、サーバ10が服薬情報を受信しなかった場合には、算出部により算出されるスコアは低くなるように算出することとしてもよい。そして、生成部は、スコアが低い場合には、ユーザに対してペナルティを課す対価情報を生成することとしてもよい。
これにより、ユーザは服薬の用法や容量を守らない場合にペナルティが課される可能性があることから、ユーザに服薬の用法や容量を守らせる可能性を高くすることができる。
【0105】
<実施形態2>
上記実施形態1では、ユーザが服薬情報を送信することを前提としているが、ユーザが服薬を忘れたり、ユーザが負っている傷病が自身で癒えたと判断したりして服薬しなかったりすることがある。薬剤は、基本的に、処方された全てが用法を守って服用されることが望ましい。そこで、サーバ10は、ユーザに服薬を促すこととしてもよい。
【0106】
図8は、ユーザに服薬情報の送信を促すサーバ10の動作例を示すフローチャートである。服薬情報の送信を催促することで、ユーザが服薬を忘れていた場合に服薬を促すことができる。
【0107】
図8に示すように、サーバ10の制御部11は、現在時刻を取得する(ステップS801)。これは、サーバ10に設けられた計時部(図示せず)から取得することとしてもよいし、外部のサーバ等から現在時刻を取得することで実現してもよい。
【0108】
制御部11は、現在時刻と、各ユーザの服薬管理情報で示される服用予定日302と服用予定タイミング303とに基づいて、服薬情報を送信していない(服用履歴305と服用タイミング306とが対応付けられていない)ユーザがいるか否かを判定する(ステップS802)。服薬情報を送信していないユーザがいない場合には(ステップS802のNO)、処理を終了する。
【0109】
服薬情報を送信していないユーザがいる場合には(ステップS802のYES)、制御部11は通信I/F14を介して、特定したユーザの端末20に服薬情報を催促する催促情報を送信し(ステップS803)、処理を終了する。
【0110】
サーバ10は、図8に示す処理を所定時間ごと(限定ではなく一例として10分ごと)に実行することとしてもよいし、予め定められたタイミング(限定ではなく一例として、午前10時と、午後14時と、午後20時など)において実行することとしてもよい。
【0111】
図9は、図8に対応する端末20の動作例を示すフローチャートである。
【0112】
図9に示すように、端末20の通信I/F22は、催促情報を受信する(ステップS901)。通信I/F22は、受信した催促情報を制御部21に送信する。
【0113】
制御部21の表示処理部212は、受信した催促情報を表示部24に表示して(ステップS902)、処理を終了する。
【0114】
図10は、この処理によって、端末20の表示部24に表示される催促情報の表示例を示している。図10に示すように、端末20は、催促情報を受信した場合には、ユーザに対して、服薬情報の送信、服薬を促すメッセージを表示する。なお、サーバ10による図8に示す処理は、端末20が、服薬管理情報に相当する情報を保持することでユーザの服薬のスケジュールを保持し、そのスケジュールに基づいて、服薬を行っていない(服薬情報を規定の時間までに送信していない)場合にユーザに服薬に関する通知を行うことで端末20単体により同様の処理を実現することができる。
【0115】
<実施形態2の効果>
サーバ10は、ユーザの端末20から服薬に関する服薬情報を受信できない場合に、端末20に対して、服薬情報を催促する催促情報を送信する。そして、端末20は、受信した催促情報を受信する。
これにより、ユーザの服薬情報の送信忘れ、ユーザの服薬忘れを防止することができるので、ユーザに適切に服薬を行わせることができる。
【0116】
<実施形態3>
上記実施形態1、2においては、服薬情報の送信により、サーバ10がユーザの服薬を確認できる例を示した。ところで、ユーザが服薬しようとする薬剤を間違える可能性がある。そこで、本実施形態3においては、薬剤の誤飲を防止する例について説明する。
【0117】
図11は、端末20による薬剤の誤飲防止の動作例を示すフローチャートである。
【0118】
図11に示すように、端末20は、ユーザが服用しようとしている薬剤の情報を取得する(ステップS1101)。端末20は、ユーザからタッチパネル231を介してユーザがこれから服用しようとしている薬剤の情報の入力を受け付けることで薬剤の情報を取得することとしてもよいし、そうでなくてもよい。あるいは、端末20は、ユーザの操作に基づいて、カメラ234を用いて撮像された薬剤の撮像情報を薬剤の情報として取得することとしてもよいし、そうでなくてもよい。また、このカメラ234は、ユーザが装着しているヘッドマウントディスプレイに設けられたカメラであってもよい。
【0119】
制御部21は、取得した薬剤の情報に基づいて、ユーザが服用しようとしている薬剤が正しいか否かを判定する(ステップS1102)。制御部21は、限定ではなく一例として、記憶部28に記憶されるユーザが服用する薬剤のスケジュール情報(限定ではなく一例として、図3に示す服薬管理情報と同様の情報)を参照することで、この判定を行うことができる。
【0120】
服薬する薬剤が正しい場合には(ステップS1102のYES)、処理を終了する。服薬する薬剤が正しくない場合には(ステップS1102のNO)、制御部11は、入出力部23に服用対象の薬剤が異なることを示すことを通知させて処理を終了する。
【0121】
ユーザが服用すべきではない薬剤を服用しようとしている薬剤が間違っている場合には、図12に示すように、ユーザに、服用しようとしている薬剤が間違っていることを示す情報を表示することで、注意喚起をすることができる。なお、図12では、表示による注意喚起をする例を示しているが、これは、音声による出力であってもよいし、そうでなくてもよい。なお、図12には、ユーザの端末20として、スマートフォンに表示した例を示しているが、端末20がヘッドマウントディスプレイ等の場合には、そのヘッドマウントディスプレイに適した態様で、同内容の情報が表示される。ヘッドマウントディスプレイを使用する場合には、スマートフォンを使用する場合に比して、ユーザが注意喚起を受けていることを気づきやすいといえる。
【0122】
なお、ここでは、端末20が、ユーザが服用しようとしている薬剤が正しいかを検出する例を示しているが、これは、端末20ではなくサーバ10により判定するものであってもよい。即ち、ユーザが端末20から服用情報を送信した場合に、サーバ10は、その服用情報で示される薬剤が対応するユーザの服薬管理情報300に登録されているか否かを判定する。そして、登録されていない(もしくはその時間に服薬すべきでない薬剤である)薬剤であった場合に、サーバ10は、服用しようとしている(または服薬した)薬剤が間違っていることを、端末20に通知する。そして、端末20は、サーバ10からの通知にしたがって、薬剤が誤っていることをユーザに通知する。このように、ユーザが服薬する薬剤の正誤の判断は、サーバ10が行うこととしてもよい。
【0123】
<実施形態3の効果>
端末20またはサーバ10は、ユーザが使用しようとしている薬剤が正しいか否かを判定する。そして、正しくない場合には、端末20を介してユーザに使用しようとしている薬剤が正しくないことを通知する。
これにより、ユーザによる薬剤の誤飲を防止することができる。
【0124】
<実施形態4>
上記実施形態1においては、薬剤を服用した場合に服用情報を送信し、その見返りとして対価情報を受け取る例を示した。ところで、薬剤は多めにユーザに処方されることから、ユーザによっては、薬剤を余らせてしまうことがある。しかし、ユーザは余った薬剤の処分方法を知らない可能性がある。そこで、サーバ10は、ユーザに薬剤の処分方法を通知することとしてもよい。
【0125】
図13は、サーバ10が端末20に薬剤の処分方法を通知する際のサーバ10と端末20との間のやり取りの例を示すシーケンス図である。
【0126】
図13に示すように、端末20は、ユーザから治療完了の入力を受け付ける(ステップS1301)。端末20は、ユーザに処方された薬剤のうち、余っている薬剤がある場合に、余っている薬剤を示す残余薬剤情報をサーバ10に送信する(ステップS1302)。
【0127】
サーバ10は、残余薬剤情報を受信すると、残余薬剤情報に基づいて、薬剤の処分方法を特定する(ステップS1303)。そして、サーバ10は特定した薬剤の処分方法を示す薬剤処分情報を端末20に送信する(ステップS1304)。
【0128】
端末20は、薬剤処分情報を受信すると、受信した薬剤処分情報を表示する(ステップS1305)。
【0129】
サーバ10の記憶部15は、図13に示すやり取りを実現するために薬剤の処分方法を示す薬剤情報1400を記憶する。
【0130】
図14は、薬剤情報1400の構成例を示すデータ概念図である。図14に示すように、薬剤情報1400は、薬剤ID1401と、処分方法1402とが対応付けられた情報である。
【0131】
薬剤ID1401は、薬剤を一意に特定することが可能な薬剤の識別情報である。
【0132】
処分方法1402は、対応する薬剤ID1401で示される薬剤を処分する際の処分方法を示す情報である。
【0133】
薬剤情報1400により、サーバ10は、ユーザの端末20から受信した残余薬剤情報で示される薬剤IDから薬剤の処分方法を特定することができる。
【0134】
図15は、図13に示すやり取りを実現するためのサーバ10の動作例を示すフローチャートである。
【0135】
図15に示すように、サーバ10の通信I/F14は、端末20から残余薬剤情報を受信する(ステップS1501)。残余薬剤情報には、ユーザの手元に残っている薬剤を示す薬剤IDが含まれる。通信I/F14は、受信した残余薬剤情報を制御部11に送信する。
【0136】
制御部11は、受信した残余薬剤情報に含まれる薬剤IDを特定する。そして、特定した薬剤IDと、薬剤情報1400を参照して、対応する処分方法1402を特定する(ステップS1502)。
【0137】
そして、制御部11は、特定した処分方法を示す薬剤処分情報を、通信I/F14を介して、端末20に送信する(ステップS1503)。
以上がサーバ10の動作である。
【0138】
次に、図13に示すやり取りを実現するための端末20の動作例を図16に示すフローチャートを用いて説明する。
【0139】
図16に示すように、端末20の入出力部23は、ユーザから治療完了の入力を受け付ける(ステップS1601)。
【0140】
そして、端末20の入出力部23は、ユーザから余っている場合に、残余の薬剤に関する情報の入力を受け付ける(ステップS1602)。残余の薬剤に関する情報の入力は、ユーザによる薬剤を示すテキストの入力であってもよいし、カメラ234により撮像された薬剤の撮像画像による入力であってもよい。入出力部23は、受け付けた情報を制御部21に送信する。
【0141】
制御部21は、通信I/F22を介して、サーバ10に受信した残余薬剤情報を送信する(ステップS1603)。
【0142】
制御部21は、通信I/F22を介して、サーバ10から薬剤処分情報を受信しているか否かを判定する(ステップS1604)。薬剤処分情報を受信していない場合には(ステップS1604のNO)、制御部21は、受信するまで、待機する。
【0143】
薬剤処分情報を受信すると(ステップS1604のYES)、制御部21の表示処理部212は、表示部24に薬剤処分情報を表示させ(ステップS1605)、処理を終了する。
【0144】
図17は、端末20における薬剤処分情報の表示例を示す図である。図17は、端末20からサーバ10に送信した残余薬剤情報と、サーバ10から端末20に送信した薬剤処分情報とを、サーバ10と端末20との間のトークルームを介して送受信した場合の表示例を示している。図17に示されるように、端末20から送信した残余薬剤情報に対応する薬剤の処分方法が、サーバ10から通知されることにより、端末20により表示される。
【0145】
<実施形態4の効果>
ユーザは、端末20から薬剤が余っていることを示す残余薬剤情報をサーバ10に送信する。そして、サーバ10は、残余薬剤情報が示す薬剤に関する処分方法を示す処分情報を端末20に送信し、端末20は、受信した処分情報を表示する。
これにより、端末20のユーザは、余っている薬剤の処分方法を認識することができ、認識した処分方法で適切に薬剤を処分することができる。薬剤によっては処分を誤るとなんらかの不具合を起こす(限定ではなく一例として、水道管に流してはいけない薬剤を流して有毒ガスを発生させたりなど)可能性を抑制することができるとともに、薬剤が残ることによって後日適切でない患者が残っている薬剤を服用することによって副作用が発生したりする可能性を抑制することができる。
【0146】
<実施形態5>
上記実施形態1においては、ユーザの端末20からサーバ10に服用情報を送信することで、サーバ10が、ユーザが薬剤を服用したかどうかを確認できる例を示した。ところで、薬剤を服用したかどうかを確認したいのはサーバ10に限定されない。即ち、ユーザの家族等が、ユーザが実際に薬剤を服用したかどうかを確認したい場合もありえる。そこで、ユーザ以外の他のユーザが、ユーザが実際に薬剤を服用したかどうかを確認できる態様を説明する。
【0147】
図18は、実施形態4に係る通信システム1におけるサーバ10と端末20(20A、20B)との間のやり取りの例を示すシーケンス図である。図18に示すシーケンス図は、図4に示すシーケンス図と、ステップS1801~S1803に係る処理が実行される点において異なり、それ以外の処理については、図4に示すシーケンス図における処理と同様であるので、説明を省略する。
【0148】
図18に示すようにサーバ10は、服薬管理情報をユーザの端末20から受信すると、服薬管理情報を受信したことを示す服薬確認情報を生成する(ステップS1801)。そして、サーバ10は、服薬確認情報を、端末20Aのユーザが服薬したかを確認したいユーザの端末20Bに送信する(ステップS1802)。
【0149】
サーバ10からの服薬確認情報を受信した端末20Bは、服薬確認情報を表示する(ステップS1803)。これにより、端末20Bのユーザは、端末20Aのユーザが服薬を行ったかを確認できる。
【0150】
なお、ステップS1801、S1802の処理は、S404、S405の処理と同時に実行されてもよいし、S404、S405の処理の後に実行されてもよい。
【0151】
図19は、図18に示すやり取りを実現するためにサーバ10の記憶部15に記憶される対応情報1900の構成例を示すデータ構成例である。
【0152】
図19に示すように、対応情報1900は、第1ユーザID1901と、第2ユーザID1902と、関係1903とが対応付けられた情報である。
【0153】
第1ユーザID1901は、ユーザを一意に特定可能な識別情報であり、服薬を行う必要があるユーザを示す情報である。
【0154】
第2ユーザID1902は、対応する第1ユーザID1901が示すユーザが服薬したかどうかを確認したいユーザを一意に識別可能な識別情報である。
【0155】
関係1903は、対応する第1ユーザID1901と第2ユーザID1902とが示すユーザ同士の関係を示す情報である。
【0156】
図19に示す例では、第1ユーザID1901が「U0201524」で示されるユーザが、第2ユーザID1902が「U0390020」で示されるユーザによる薬剤の服用の確認を受けることになっており、両ユーザの関係は、「親子」となっている。なお、対応情報1900は、第1ユーザID1901と第2ユーザID1902とが対応付けられていればよく、関係1903は、必須の情報ではない。
【0157】
図20は、図18に示すやり取りを実現するためのサーバ10の動作例を示すフローチャートである。図20に示すフローチャートは、図6に示すフローチャートとで、ステップS2001、S2002の処理が行われることにおいて相違し、その他の処理については、図6と共通するので、共通する処理については、説明を省略する。
【0158】
図20に示すように、サーバ10の制御部11は、服薬管理情報を更新すると、受信した服薬情報を送信した端末20に対応するユーザが、対応情報1900において対応付けられた第2ユーザがいるか否かを確認する(ステップS2001)。いない場合には(ステップS2001のNO)、ステップS603の処理に移行する。
【0159】
対応するユーザがいる場合には(ステップS2001のYES)、制御部11は、服薬情報を送信した端末20のユーザに対応付けられている他のユーザの端末に、ユーザが服薬を行ったことを示す服薬確認情報を、通信I/F14を介して、送信する(ステップS2002)。なお、制御部11は、服薬確認情報として、上記実施形態2において示したように、ユーザが服薬情報を送信していなかったことが確認できた場合に、服薬を行っていないことを示す服薬確認情報を他のユーザの端末に送信することとしてよい。
【0160】
図21は、他のユーザの端末において表示される服薬確認情報の表示例を示す図である。図21(a)は、他のユーザが服薬を確認したいAというユーザが服薬を行ったことを示す服薬確認情報を受信した場合の表示例を示している。一方で、図21(b)は、ユーザAが服薬情報を、規定時間にサーバ10に送信しなかった場合に、他のユーザの端末に表示される例を示している。図21(b)では、他のユーザに対して、ユーザAに服薬の確認を依頼する例を示している。なお、図21では、サーバ10と他のサーバとの間のトークルームに服薬確認情報を表示する例を示しているが、服薬確認情報は、トークルームを介した送信に限定するものではなく、限定ではなく一例としてメールによる送信であってもよい。
【0161】
<実施形態5の効果>
サーバ10は、服薬するユーザに関連する他のユーザの情報を保持する。そして、サーバ10は、ユーザから服薬を行ったことを示す服薬情報を受信した場合には、他のユーザの端末に、ユーザが服薬したことを示す情報を送信する。
この構成により、サーバ10だけでなく、ユーザに関連する他のユーザに対しても、ユーザが服薬したかどうかを示す情報を送信する。したがって、他のユーザが服薬状態を確認することで、他のユーザがユーザに対して服薬を実行するよう通知することができるので、ユーザによる服薬忘れの可能性を低減することができる。
【0162】
<実施形態6>
上記実施の形態1から4においては、ユーザが端末20を用いて服薬情報をサーバ10に送信する例を示したが、服薬情報の送信方法はこれに限定するものではない。本実施形態5においては、服薬情報の他の例を示す。
【0163】
図22は、実施形態5に係る通信システム1の構成例を示す図である。図22に示すように、発信器が含まれていることが図1に示すシステム構成例と異なる。
【0164】
<発信器の構成>
発信器は、ユーザが服用する薬剤を開封されたことを検知するセンサである。発信器は、限定ではなく一例として、薬包の開封部に設けられた接触センサにより実現されてよく、接触状態が解除されたことを検出することで薬包が開封されたと検出することとしてよい。発信器は、薬包ごとに設けられてよい。
【0165】
発信器は、通信部41と、検出部42とを備える。
【0166】
通信部41は、検出部42から、薬包が開封されたことを示す開封情報を受信した場合に、サーバ10に、薬包が開封されたことに基づく服薬情報を送信する。各発信器は、固有の識別情報(センサID)を保持し、服薬情報には、センサIDが含まれる。
【0167】
検出部42は、薬包が開封されたことを検出し、開封情報を通信部41に送信する。
【0168】
また、サーバ10の記憶部15は、各センサのセンサIDと、そのセンサIDに対応する薬剤がどの薬剤で、どのユーザに処方されたかを示す情報を保持する。この情報を保持していることで、サーバ10の制御部11は、服薬情報を受信した場合に、どのユーザが薬剤を服用したのかを特定できる。
【0169】
<動作>
図23は、実施形態5に係る通信システム1に係る発信器と、サーバ10と、端末20とのやり取りの例を示すシーケンス図である。図23に示すシーケンス図は、発信器がサーバ10に服薬情報を送信する点においてのみ図4に示すシーケンス図と異なり、その他の動作については図4と共通する。よって、ここでは、図4と異なる構成についてのみ説明する。
【0170】
図23に示すように、薬包に設けられた発信器は、ユーザにより薬包が開封されたことを検出する(ステップS2301)。そして、発信器は、服薬情報を、サーバ10に送信する(ステップS2302)。サーバ10は、発信器から服薬情報を受信して、その服薬情報に含まれるセンサIDから、どのユーザが何の薬剤を服薬したのかを特定し、ステップS403以降の処理を実行する。
【0171】
図24は、発信器の動作例を示すフローチャートである。
【0172】
図24に示すように、発信器の検出部42は、ユーザにより薬包が開封されたか否かを判定する(ステップS2401)。薬包が開封されていない場合には(ステップS2401のNO)、待機する。薬包が開封されたことを検出した場合には(ステップS2402)、検出部42は、薬包が開封されたことを示す開封情報を通信部41に送信する。
【0173】
通信部41は、開封情報を受信すると、発信器の識別情報であるセンサIDを含む服薬情報をサーバ10に送信する。
【0174】
なお、本実施形態5において、発信器は、直接サーバ10に服薬情報を送信する構成としているが、発信器は、一端ユーザの端末20に服薬情報を送信し、端末20が、その服薬情報を中継してサーバ10に送信する構成としてもよいし、そうしなくてもよい。
【0175】
<実施形態6の効果>
実施形態6によれば、薬包には発信器40が設けられ、発信器40がユーザにより薬包が開封されたことを検知して、サーバ10に、薬包が開封されたことに基づく服薬情報を送信する。
この構成によれば、ユーザは、自身で服薬の都度、服薬情報をサーバ10に送信しなくともよいので、ユーザにとってサーバ10を利用するうえでの利便性が向上する。
【符号の説明】
【0176】
1 通信システム
10 サーバ
11 制御部
111 メッセージ処理部
112 更新部
113 算出部
114 生成部
12 入出力部
13 表示部
14 通信I/F(通信部)
15 記憶部
20 端末
21 制御部
211 メッセージ処理部
212 表示処理部
213 判定部
22 通信I/F
23 入出力部
231 タッチパネル
232 マイク
233 スピーカ
234 カメラ
24 表示部(ディスプレイ)
25 位置情報取得部
28 記憶部
30 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24