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▶ 日東精工株式会社の特許一覧

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  • 特許-貫入ロッド用レンチ 図1
  • 特許-貫入ロッド用レンチ 図2
  • 特許-貫入ロッド用レンチ 図3
  • 特許-貫入ロッド用レンチ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】貫入ロッド用レンチ
(51)【国際特許分類】
   E02D 1/02 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
E02D1/02
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020113183
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2022011808
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000227467
【氏名又は名称】日東精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】熊中 忠雄
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-094714(JP,A)
【文献】特開2009-098018(JP,A)
【文献】特開2004-211523(JP,A)
【文献】特開2016-043448(JP,A)
【文献】実開昭50-116197(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第108789244(CN,A)
【文献】特開2006-132216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の把持部と、その先端に設けられ、貫入ロッドの外周面に設けられた溝状の係止部に係合可能なフック部とから構成され、ねじ接続により連結された貫入ロッドを緩めるための貫入ロッド用レンチであって、
前記貫入ロッドの係止部は、当該貫入ロッドの一端部の外周面を円周方向に等間隔をおいて三個所に設けられる縦溝であり、
前記フック部は、貫入ロッドの係止部のいずれか一つと、残りの係止部間の外周面とに当接して係合することにより、貫入ロッドに対して垂直に取り付けられる一方、
ねじ接続により連結されたもう一方の貫入ロッドの他端部の外周面をパイプレンチで保持した状態で、ねじ接続を解除可能な方向に貫入ロッドを回転させることにより、貫入ロッド同士の連結を解くように構成されていること、
を特徴とする貫入ロッド用レンチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、スウェーデン式サウンディング試験およびこれに準ずる貫入試験において利用される溝付き貫入ロッドの連結を解くための貫入ロッド用レンチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スウェーデン式サウンディング試験およびこれに準ずる貫入試験(例えば、スクリュードライバーサウンディング試験)等の地盤調査には、貫入試験機が使用されている。そして、この貫入試験機に使用される器具としては、特許文献1に示す貫入ロッドが知られている。
【0003】
上記貫入ロッドは、先端にスクリューポイントを接続し、このスクリューポイントを地中に突き刺して貫入するように構成されている。また、外周面には溝状の係止部を備えており、この係止部に貫入試験機のチャックユニットの係合手段を係合することで貫入試験機に保持される。チャックユニットは、貫入試験機の支柱に沿って昇降可能な昇降台に載置されているため、昇降台の下降に伴って貫入ロッドが地中に貫入する。
【0004】
また、貫入ロッドは、両端に雄ねじ部と雌ねじ部を備えており、貫入ロッドの雄ねじ部に延長用の貫入ロッドの雌ねじ部を螺合することにより継ぎ足す。続いて、チャックユニットと貫入ロッドの係合を解いた後、昇降台を上昇させてチャックユニットの係合手段を延長用の貫入ロッドの係止部に係合させる。最後に、再度昇降台を下降させることにより、地中深くまで貫入ロッドが貫入するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-265451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記貫入試験終了時には、貫入ロッドを引き抜き、双方の貫入ロッドにパイプレンチを固定し、貫入ロッドのねじ部を緩める。しかしながら、二個のパイプレンチを操作することは難しく、貫入ロッドのねじ部を緩めることができないことがあった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みて創成されたものであり、連結された貫入ロッドのねじ部を簡単に緩めることが可能な工具を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、棒状の把持部と、その先端に設けられ、貫入ロッドの外周面に設けられた溝状の係止部に係合可能なフック部とから構成され、ねじ接続により連結された貫入ロッドを緩めるための貫入ロッド用レンチであって、前記貫入ロッドの係止部は、当該貫入ロッドの一端部の外周面を円周方向に等間隔をおいて三個所に設けられる縦溝であり、前記フック部は、貫入ロッドの係止部のいずれか一つと、残りの係止部間の外周面とに当接して係合することにより、貫入ロッドに対して垂直に取り付けられる一方、ねじ接続により連結されたもう一方の貫入ロッドの他端部の外周面をパイプレンチで保持した状態で、ねじ接続を解除可能な方向に貫入ロッドを回転させることにより、貫入ロッド同士の連結を解くように構成されている貫入ロッド用レンチによって解決できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の貫入ロッド用レンチは、貫入ロッドの係止部に係合可能なフック部を備えているので、簡単に貫入ロッドのねじ部を緩めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の貫入ロッド用レンチを示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
図2】貫入試験機を示す図である。。
図3】本発明の貫入ロッド用レンチの使用状態を示す図である。
図4】本発明の貫入ロッド用レンチの使用状態を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図2において10は貫入試験機であり、支柱11を有し、モータ12の駆動により昇降台13が支柱11に沿って昇降自在に配置されている。この昇降台13には駆動源であるモ-タ14と、このモ-タ14の駆動を受けて回転するチャックユニット15が装備されている。このチャックユニット15には前記貫入ロッド1が挿通され保持される。
【0012】
貫入ロッド1は、図3に示すように、軸状の本体軸部2と、この本体軸部2の一端に設けられる略円錐形状の貫入体3と、本体軸部2他端に一体成形される雄ねじ部4とからなり、本体軸部2他端側の雄ねじ部4が成形されていない外周には、外周を3等分して同一長さの係止部5aが成形されている。
【0013】
係止部5aは、横断面形状が円弧状を成す長溝であり、前述のチャックユニット15に内蔵された係合手段の一例である鋼球が係合するに適当な深さ・形状に形成されている。
【0014】
なお、貫入試験に際してはこの貫入ロッド1だけでは長さが不足するため、延長ロッド6も用意されている。この延長ロッド6は一端に貫入ロッド1の雄ねじ部に螺合する雌ねじ部7が成形され、また他端には貫入ロッド1同様雄ねじ部4および係止部5a,5bが一体成形されている。つまり、この延長ロッド6は貫入ロッド1の貫入体3に代え、雌ねじ部7を成形したものである。
【0015】
試験方法としては、昇降台12を下降させるとともに、モ-タ13を駆動してチャックユニット15に回転を与え、貫入体3を回転させながら地中に貫入すると、土中で貫入体3が受ける回転負荷トルクはトルク検出部20によって検出され、また所定貫入量ごとの貫入体3の回転量も逐次記録される。これらの試験デ-タは貫入試験終了後、土質判定のための判断材料として用いられる。
【0016】
さらに、試験中には何回か延長ロッド6の継ぎ足しが行われる。ここでは貫入ロッド1に延長ロッド6を継ぎ足す作業について説明するが、延長ロッド6同士の継ぎ足し作業も同様である。
【0017】
貫入ロッド1に延長ロッド6を継ぎ足すには、まずモ-タ13の駆動を停止し、地中に貫入している貫入ロッド1の雄ねじ部4に延長ロッド6の雌ねじ部7を螺合させる。次に、チャックユニット15の摺動スリ-ブを下方に摺動しつつ、チャックユニットに内蔵された鋼球(図示せず)が係止部5aから外れるまでチャックユニット15を回転させると、前述のように摺動スリ-ブは鋼球に阻まれて上方に復帰できなくなる。この状態から昇降台12を上昇させてチャックユニット15を延長ロッド6の係止部5aが形成されている位置に移動させ、再度チャックユニット15を回転させると、鋼球は延長ロッド6の係止部5aに嵌合して延長ロッド6を保持することができる。その後は、貫入試験機が再起動され、前述同様にして貫入試験が続行される。
【0018】
所定の深度まで貫入ロッド1を貫入させることにより貫入試験が完了すると、最後に貫入ロッド1を引き抜く。引き抜きは、公知の専用引き抜き機(図示せず)を用いて行われる。引き抜いた貫入ロッド1同士は、ねじ部4,7で連結されているため、本発明である貫入ロッド用レンチ50を用いて緩める。
【0019】
図1は、貫入ロッド用レンチ50であり、棒状の把持部51と、この先端に一体成形されるフック部52とから構成される。
【0020】
図4に示すように、フック部52は、貫入ロッド1の係止部5bに横方向から挿入させて、貫入ロッド1の円周方向に対して係合するように構成されている。このため、一方の貫入ロッド6をパイプレンチ100で保持し、もう一方の貫入ロッド1に貫入ロッド用レンチ50のフック部52を係合させ、貫入ロッド1のねじ部4,7が緩まる方向に把持部51を回転させることにより、貫入ロッドには、てこの原理でねじ部4,7を緩められる大きな力が加わる。これにより、簡単に貫入ロッド1と延長用ロッド6のねじ部を緩めることができる。
【符号の説明】
【0021】
1 貫入ロッド
5a 係止部
6 延長用ロッド
10 貫入試験機
15 チャックユニット
50 貫入ロッド用レンチ
51 把持部
52 フック部
図1
図2
図3
図4