(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】画像処理システム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/523 20060101AFI20241218BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20241218BHJP
G06Q 30/02 20230101ALI20241218BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
H04M3/523
G06F13/00
G06Q30/02
H04N1/00 127A
(21)【出願番号】P 2020174379
(22)【出願日】2020-10-16
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】佐枝 政夫
(72)【発明者】
【氏名】中井 康博
(72)【発明者】
【氏名】村上 光一
(72)【発明者】
【氏名】早野 康友
(72)【発明者】
【氏名】松尾 恵美子
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-185805(JP,A)
【文献】特開2019-28783(JP,A)
【文献】特開2020-154652(JP,A)
【文献】松浦 法子,LINE公式アカウント 集客・販促ガイド,初版,株式会社 翔泳社,2020年02月10日,p.163-170
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
G06Q30/015
G06Q30/02
H04M3/00
H04M3/16-3/20
H04M3/38-3/58
H04M7/00-7/16
H04M11/00-11/10
H04N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のサービスをユーザに提供する画像処理装置に関する質問を受けて自動的に回答を生成するチャットボット機能を有する情報処理装置と、コールセンターのオペレータが操作するコールセンター端末とを備える、画像処理システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記チャットボット機能による応対からオペレータの応対に切り替える所定の切替操作を受け付けた場合、前記切替操作を受け付けたときまでの、前記質問の内容および前記回答の内容を含むチャットボットの応対履歴を生成する応対履歴生成手段、
前記応対履歴の情報量が所定の閾値を超えるかどうかを判断する判断手段、
前記応対履歴の情報量が所定の閾値を超える場合に、前記応対履歴に基づく応対履歴の概要を生成する概要生成手段
、
前記画像処理装置に関する付加情報を取得する付加情報取得手段、および
前記応対履歴の概要のデータ
を前記付加情報のデータを紐づけて前記コールセンター端末に送信する送信手段を備え、
前記コールセンター端末は、
前記応対履歴の概要のデータ
および前記付加情報を取得する取得手段、および
前記応対履歴の概要を
、前記付加情報とともに、オペレータに提示する提示手段を備える、画像処理システム。
【請求項2】
前記概要生成手段は、要約処理または文短縮処理によって前記応対履歴から前記応対履歴の概要を生成する、請求項1記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記送信手段は、前記応対履歴のデータに前記応対履歴の概要のデータを紐づけて前記コールセンター端末に送信する、請求項1または2記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記画像処理装置の位置情報に応じた前記付加情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記情報処理装置は、前記画像処理装置の位置情報を取得する位置情報取得手段をさらに備え、
前記付加情報取得手段は、前記画像処理装置の位置情報に応じて、前記付加情報を取得する、請求項
1ないし3のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項5】
所定のサービスをユーザに提供する画像処理装置に関する質問を受けて自動的に回答を生成する自動応対機能を有する情報処理装置と、コールセンターのオペレータが操作するコールセンター端末とを備える、画像処理システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記自動応対機能による応対からオペレータの応対に切り替える所定の切替操作を受け付けた場合、前記切替操作を受け付けたときまでの、前記質問の内容および前記回答の内容を含む応対履歴を生成する応対履歴生成手段、
前記応対履歴の情報量が所定の閾値を超えるかどうかを判断する判断手段、
前記応対履歴の情報量が所定の閾値を超える場合に、前記応対履歴に基づく応対履歴の概要を生成する概要生成手段
、
前記画像処理装置に関する付加情報を取得する付加情報取得手段、および
前記応対履歴の概要のデータ
を前記付加情報のデータを紐づけて前記コールセンター端末に送信する送信手段を備え、
前記コールセンター端末は、
前記応対履歴の概要のデータ
および前記付加情報を取得する取得手段、および
前記応対履歴の概要を
、前記付加情報とともに、オペレータに提示する提示手段を備える、画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理システムに関し、特にたとえば、チャットボットを利用してユーザを支援する、画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の背景技術の一例が特許文献1に開示される。背景技術のメッセージサービスシステムは、ユーザが利用するユーザ端末およびチャットサービスサーバを含み、ユーザは、ユーザ端末を操作してクラウド上のチャットサービスサーバにアクセスし、チャットボットとメッセージをやり取りして、チャットボットに対してプリントサービス等のサービスを実行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術のようなチャットボットを用いたユーザサポートサービスでは、チャットボットが回答出来ない質問があったり、問題が解決できなかったりする場合には、チャットボットに代わってオペレータが応対することがある。この場合、オペレータがユーザの問い合わせに適切に回答するためには、オペレータがそれまでのユーザとチャットボットとのやり取りの内容、すなわちチャットボットの応対履歴を素早く適切に認識することが望ましい。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、画像処理システムを提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、ユーザサポートサービスにおいてチャットボットに代わってオペレータが応対する場合に、オペレータがユーザの問い合わせに適切に回答することができる、画像処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の実施例は、所定のサービスをユーザに提供する画像処理装置に関する質問を受けて自動的に回答を生成するチャットボット機能を有する情報処理装置と、コールセンターのオペレータが操作するコールセンター端末とを備える、画像処理システムである。情報処理装置は、チャットボット機能による応対からオペレータの応対に切り替える所定の切替操作を受け付けた場合、切替操作を受け付けたときまでの、質問の内容および回答の内容を含むチャットボットの応対履歴を生成する応対履歴生成手段、応対履歴の情報量が所定の閾値を超えるかどうかを判断する判断手段、応対履歴の情報量が所定の閾値を超える場合に、応対履歴に基づく応対履歴の概要を生成する概要生成手段、画像処理装置に関する付加情報を取得する付加情報取得手段、および応対履歴の概要のデータを付加情報のデータを紐づけてコールセンター端末に送信する送信手段を備える。コールセンター端末は、応対履歴の概要のデータおよび付加情報を取得する取得手段、および応対履歴の概要を、付加情報とともに、オペレータに提示する提示手段を備える。
【0008】
第2の実施例は、第1の実施例に従属する画像処理システムであって、概要生成手段は、要約処理または文短縮処理によって応対履歴から応対履歴の概要を生成する。
【0009】
第3の実施例は、第1または第2の実施例に従属する画像処理システムであって、送信手段は、応対履歴のデータに応対履歴の概要のデータを紐づけてコールセンター端末に送信する。
【0011】
第4の発明は、第1ないし第3実施例のいずれかに従属する画像処理システムであって、画像処理装置の位置情報に応じた付加情報を記憶する記憶手段をさらに備え、情報処理装置は、画像処理装置の位置情報を取得する位置情報取得手段をさらに備え、付加情報取得手段は、画像処理装置の位置情報に応じて、付加情報を取得する。
【0012】
第5の実施例は、所定のサービスをユーザに提供する画像処理装置に関する質問を受けて自動的に回答を生成する自動応対機能を有する情報処理装置と、コールセンターのオペレータが操作するコールセンター端末とを備える、画像処理システムにおいて、情報処理装置は、自動応対機能による応対からオペレータの応対に切り替える所定の切替操作を受け付けた場合、切替操作を受け付けたときまでの、質問の内容および回答の内容を含む応対履歴を生成する応対履歴生成手段、応対履歴の情報量が所定の閾値を超えるかどうかを判断する判断手段、応対履歴の情報量が所定の閾値を超える場合に、応対履歴に基づく応対履歴の概要を生成する概要生成手段、画像処理装置に関する付加情報を取得する付加情報取得手段、および応対履歴の概要のデータを付加情報のデータを紐づけてコールセンター端末に送信する送信手段を備え、コールセンター端末は、応対履歴の概要のデータおよび付加情報を取得する取得手段、および応対履歴の概要を、付加情報とともに、オペレータに提示する提示手段を備える、画像処理システムである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、ユーザサポートサービスにおいてチャットボットに代わってオペレータが応対する場合に、オペレータがユーザの問い合わせに適切に回答することができる。
【0014】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1はこの発明の一実施例である画像処理システムの構成を示す図解図である。
【
図2】
図2は
図1に示す画像処理装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は
図1に示す携帯端末の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は
図1に示すコールセンター端末の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5はホーム画面の一例を示す図解図である。
【
図6】
図6は第1設定画面の一例を示す図解図である。
【
図7】
図7は接続用ウインドウを含む操作画面の一例を示す図解図である。
【
図8】
図8はチャット画面の一例を示す図解図である。
【
図9】
図9は質問入力後のチャット画面の一例を示す図解図である。
【
図10】
図10は切替選択ウインドウを含むチャット画面の一例を示す図解図である。
【
図13】
図13は
図2に示す画像処理装置のRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【
図14】
図14は
図3に示す携帯端末のRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【
図15】
図15は
図1に示すサーバのRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【
図16】
図16は
図4に示すコールセンター端末のRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【
図17】
図17は
図2に示す画像処理装置のCPUの情報処理の一例を示すフロー図である。
【
図18】
図18は
図3に示す携帯端末のCPUの情報処理の一例を示すフロー図である。
【
図19】
図19は
図1に示すサーバのCPUの情報処理の一例を示すフロー図である。
【
図20】
図20は
図4に示すコールセンター端末のCPUの情報処理の一例を示すフロー図である。
【
図21】
図21は第2実施例における確認画面の一例を示す図解図である。
【
図22】
図22は第2実施例における確認画面の他の例を示す図解図である。
【
図23】
図23は第2実施例におけるコールセンター端末の情報処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施例]
図1はこの発明の画像処理システム10の構成の一例を示す図である。
図1を参照して、この発明の第1実施例である画像処理システム10はサーバ(情報処理装置)12、画像処理装置14、携帯端末16およびコールセンター端末80を含む。サーバ12は、インターネットまたはLANのようなネットワーク18を介して、画像処理装置14、携帯端末16およびコールセンター端末80と通信可能に接続される。
【0017】
サーバ12は、汎用のサーバであり、CPU12a、RAM12bおよび通信モジュールなどのコンポーネントを備える。また、サーバ12は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROMなどの不揮発性メモリまたはSSDのような半導体メモリで構成される記憶部を備える。
【0018】
画像処理装置14は、複写(コピー)機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ(FAX)機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。この画像処理装置14は、不特定多数の者(ユーザ)により使用されることを前提として、スーパーマーケット、レストランまたはコンビニエンスストアなどの店舗、並びに駅、バスターミナル、空港、役所または図書館などの公共施設に配置(設置)され、設置場所に応じて所定のサービス(機能)を利用者(ユーザ)に提供する。
【0019】
図2は
図1に示す画像処理装置14の電気的な構成を示すブロック図である。
図2を参照して、画像処理装置14はCPU22を含む。CPU22には、バス20を介してRAM24、補助記憶部26、入力制御回路28、表示制御回路30、符号読取部32、紙片用プリンタ34、写真用プリンタ36、近距離通信部38、画像読取部40、画像形成部42、記憶媒体接続部44、貨幣処理部46、人検出センサ48および通信部50が接続される。また、入力制御回路28には入力装置52が接続され、表示制御回路30にはディスプレイ54が接続される。
【0020】
CPU22は、画像処理装置14の全体的な制御を司る。RAM24は、CPU22の主記憶部であり、ワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
【0021】
補助記憶部26は、CPU22が画像処理装置14の各コンポーネントの動作を制御するための制御プログラムおよび各種データなどを記憶する画像処理装置14の補助記憶装置である。ただし、補助記憶部26としては、HDD等のメモリが用いられる。これらのことは、後述する補助記憶部66および補助記憶部86も同様である。
【0022】
入力装置52は、ユーザの入力操作(ユーザ操作)を受け付けるための装置であり、たとえばタッチパネルおよびハードウェアの操作ボタンないし操作キー(ハードウェアキー)等を含む。タッチパネルは、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。また、タッチパネルは、ディスプレイ54の表示面上に設けられても良いし、ディスプレイ54とは別に設けられてもよい。ただし、タッチパネルがディスプレイ54と一体的に形成されたタッチディスプレイが設けられてもよい。タッチパネルがディスプレイ54の表示面上に設けられる場合、ディスプレイ54には、アイコンなどのソフトウェアキーを含むグラフィカルユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)が表示され、GUIを介してユーザ操作を受け付ける。
【0023】
なお、ソフトウェアキーとは、たとえばディスプレイの表示面にソフトウェア的に再現されたキーまたはアイコンのことを言う。これに対して、ハードウェアキーとは、物理的な装置として設けられたキーまたは押しボタンのことを言う。
【0024】
入力制御回路28は、入力装置52の操作に応じた操作信号ないし操作データをCPU22に出力する。たとえば、入力制御回路28は、入力装置52に含まれるタッチパネルに必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネルのタッチ有効範囲内でタッチ操作(タッチ入力)が行われると、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU22に出力する。また、入力制御回路28は、入力装置52に含まれる操作ボタンまたはハードウェアキーの操作に応じた操作信号ないし操作データをCPU22に出力する。
【0025】
表示制御回路30は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU22の指示の下、GPUは、RAM24に記憶された画像生成データを用いてディスプレイ54に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイ54に出力する。ディスプレイ54としては、LCDまたはELディスプレイなどを用いることができる。
【0026】
符号読取部32は、たとえばレーザスキャナまたはカメラなどを含み、商品、カード、レシートなどに付された符号または携帯端末16の画面に表示された符号(符号画像)などを読み取ることができる。符号読取部32で読み取ることができる符号には、バーコード(1次元バーコード)または2次元コード(たとえばQRコード(登録商標)、マイクロQRコード、DataMATRIX、MaxiCODEおよびVeriCODEなど)などがある。
【0027】
紙片用プリンタ34は、たとえばサーマルプリンタ(感熱式プリンタ)またはドットインパクトプリンタであり、レシート、領収書、ジャーナルまたはクーポン券などの画像が印刷された紙片を発行する。具体的には、紙片用プリンタ34は、ロール紙上に各種の文字列、画像、コードパターン(バーコードなど)などを印刷し、印刷済の紙片を排出する。
【0028】
写真用プリンタ36は、たとえば昇華型プリンタまたはインクジェットプリンタであり、写真用の用紙(写真用紙)上に画像を印刷する。写真用プリンタ36で印刷された写真は、画像処理装置14の側面に設けられる写真排出部に排出される。ただし、用紙上に画像を形成するための画像データとしては、記憶媒体接続部44に接続された記憶媒体に記憶された画像データ、または外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。
【0029】
近距離通信部38は、たとえば、ISO/IEC18092等の通信規格(いわゆるNFC(Near Field Communication))等に従って、ICカード(身分証、会員証または社員証など)またはユーザ端末等の通信対象との間で無線による非接触のデータ通信を行うものである。近距離通信部38の通信可能距離は、数cm~数m程度である。たとえば、近距離通信部38は、通信対象に対して、通信対象に記憶されたデータの読み出しを指示する信号(読出し命令)を送信する。この場合、通信対象は、読出し命令に対する応答として所望のデータを近距離通信部38に送信する。また、近距離通信部38は、通信対象に書き込むデータ(書き込みデータ)とともに書き込みを指示する信号(書き込み命令)を送信する。この場合、通信対象は、書き込み命令に従って、受信した書き込みデータを通信対象の記憶部に書き込む(記憶する)。
【0030】
画像読取部40は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える。この画像読取部40は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度および色度が検出され、原稿表面の画像に基づく読取画像データが生成される。
【0031】
画像形成部(印刷装置)42は、汎用のレーザプリンタであり、感光体、帯電器、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置などを備え、印刷画像データに対応する画像(印刷画像)を記録紙(用紙)などに印刷する。ただし、画像形成部42は、レーザプリンタに限定されず、インクジェットプリンタで構成されてもよい。
【0032】
なお、詳細な説明は省略するが、画像形成部42は、カラーのプリント機能を備えており、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色について、感光体、帯電器および現像装置等を含む画像形成ステーションが構成される。
【0033】
記憶媒体接続部44は、各種の記憶媒体を装着するための装着部(たとえばドライブおよびメモリスロット)を含む。たとえば、記憶媒体は、光ディスク(たとえばCD-R、DVD-RおよびBD-Rなど)およびフラッシュメモリ(たとえばUSBメモリ、SDメモリカードおよびメモリースティックなど)などである。ただし、光ディスクは、ドライブに装着され、フラッシュメモリは、メモリスロットに装着される。
【0034】
貨幣処理部46は、貨幣投入部および硬貨返却口を含む。貨幣投入部は、硬貨投入口、紙幣投入口および釣銭返却レバー等を含む。硬貨投入口から投入された硬貨および紙幣投入口から投入された紙幣は、それぞれ種類毎に分類されて所定の貨幣格納部に収容される。貨幣格納部は、硬貨用の格納部および紙幣用の格納部を含む。硬貨または紙幣が投入されると、硬貨用の格納部に収容された硬貨の種類および枚数と、紙幣用の格納部に収容された紙幣の種類および枚数とに応じて、投入金額が算出される。画像処理装置14において所定のサービス等が実行されると、そのサービスの内容に応じた費用が投入金額から減算され、投入金額の残高が算出される。また、釣銭返却レバーが操作されると、投入金額の残高に応じて、硬貨または紙幣が返却される。ただし、硬貨は、硬貨返却口から返却され、紙幣は、紙幣投入口から返却される。
【0035】
人検出センサ48は、画像処理装置14の前方に設定される所定の領域(区域)に、人(ユーザ)が存在するかどうかを検出するためのセンサであり、たとえば距離センサである。たとえば、距離センサとしては、赤外線センサ、超音波センサおよびレーザ距離センサ等が用いられる。この距離センサは、距離データをCPU22に出力する。CPU22は、人検出センサ48から出力された距離データが示す距離が所定の領域を規定する所定距離以内であるかどうかに応じて、画像処理装置14の前方の所定領域に人が存在するかどうかを判断する。
【0036】
通信部50は、ネットワーク18に接続するための通信回路である。この通信部50は、有線通信回路または無線通信回路を含み、CPU22からの指示に従って、公知の通信規格に準拠した通信方式に基づき、ネットワーク18を介して、サーバ12、携帯端末16およびコールセンター端末80等の外部コンピュータ(外部端末)と通信する。ただし、通信部50は、ネットワーク18を介さずに、無線(たとえば赤外線方式、WiFi(登録商標)方式またはブルートゥース(Bluetooth;登録商標)方式)で、携帯端末16などの他の外部コンピュータと直接通信することも可能である。
【0037】
なお、
図2に示す画像処理装置14の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定されない。
【0038】
携帯端末16は、たとえば、汎用のスマートフォン、フューチャーフォンまたはタブレットPCなどの持ち運びが可能な携帯型(可搬型)の端末(携帯端末)であり、たとえば通話機能、電子メール機能、ブラウザ機能などの様々な機能を備える。また、携帯端末16としては、ユーザが所持する端末に限定されず、画像処理装置14の設置場所(店舗等)に備え付けられる端末を用いることもできる。
【0039】
図3は
図1に示す携帯端末16の電気的な構成を示すブロック図である。
図3を参照して、携帯端末16はCPU62を含む。CPU62には、バス60を介してRAM64、補助記憶部66、タッチパネル制御回路68、表示制御回路70、カメラ72および通信部74が接続される。また、タッチパネル制御回路68にはタッチパネル76が接続され、表示制御回路70にはディスプレイ78が接続される。
【0040】
CPU62は、携帯端末16の全体的な制御を司る。RAM64は、CPU62のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。補助記憶部66は、携帯端末16の補助記憶装置である。
【0041】
タッチパネル制御回路68は、タッチパネル76に必要な電圧などを付与するとともに、タッチ入力が検出されると、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU62に出力する。
【0042】
表示制御回路70は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU62の指示の下、GPUは、RAM64に記憶された画像生成データを用いてディスプレイ78に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイ78に出力する。
【0043】
カメラ72は、撮像素子(イメージセンサ)および位置の調節が可能なフォーカスレンズを有し、撮像素子から取り込んだ可視光としての撮像光を、電気信号へと変換することによって撮像を行う。この撮像素子の例としては、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子が挙げられる。カメラ72から出力された撮影画像データは、RAM64に記憶される。
【0044】
通信部74は、ネットワーク18に接続するための無線通信回路を含み、CPU22からの指示に従って、ネットワーク18を介して、サーバ12、画像処理装置14およびコールセンター端末80等の外部コンピュータと通信する。ただし、通信部74は、ネットワーク18を介さずに、無線で、画像処理装置14などの他の外部コンピュータと直接通信することも可能である。また、通信部74は、携帯電話基地局との間で無線通信を行い、電話通信可能な他の端末装置との音声通話を実現させることも可能である。
【0045】
なお、
図3に示す携帯端末16の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。また、図示は省略するが、携帯端末16は、音声入出力部を含む。音声入出力部は、スピーカおよびマイク(マイクロフォン)を含む。スピーカは、電話の着信および電子メールの受信をユーザに報知するための着信音などのサウンドや、電話通信による音声通話時の相手側電話装置からの音声を出力する。マイクには、電話通信による音声通話時にユーザの音声が入力される。さらに、携帯端末16には、他の入力手段として、ハードウェアの操作ボタンが設けられることがある。
【0046】
コールセンター端末80は、コールセンターのオペレータが使用する汎用のコンピュータ(端末)であり、たとえば、デスクトップPC、ノート(ラップトップ)PCおよびタブレットPCなどが該当する。
【0047】
図4は
図1に示すコールセンター端末80の電気的な構成を示すブロック図である。
図4を参照して、コールセンター端末80はCPU82を含む。CPU82には、バス98を介して、RAM84、補助記憶部86、入力検出回路88、表示制御回路90および通信部92が接続される。また、入力検出回路88には入力装置94が接続され、表示制御回路90にはディスプレイ96が接続される。入力装置94は、たとえばキーボードまたは/およびコンピュータマウスであり、入力装置94がキーボードである場合には、ハードウェアの操作ボタンないし操作キーが含まれる。また、入力装置94としては、タッチパネルが用いられても良い。
【0048】
CPU82は、コールセンター端末80の全体的な制御を司る。RAM84は、CPU82のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。補助記憶部86は、コールセンター端末80の補助記憶装置である。
【0049】
入力検出回路88は、上述した入力装置94の操作に応じた操作信号ないし操作データをCPU82に出力する。表示制御回路90は、GPUおよびVRAMなどを含み、CPU82の指示の下、GPUは、RAM84に記憶された画像生成データを用いてディスプレイ96に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイ96に出力する。
【0050】
通信部92は、ネットワーク18に接続するための、有線通信回路または無線通信回路を含み、CPU82からの指示に従って、ネットワークを介して、サーバ12、画像処理装置14および携帯端末16等の外部コンピュータと通信する。
【0051】
なお、
図4に示すコールセンター端末80の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。また、図示は省略するが、コールセンター端末80に付随して、コールセンター用の通話装置が設けられる。コールセンター用の通話装置は、コールセンターのオペレータが使用する汎用の通話装置であり、たとえば電話機またはヘッドセットなどを含む。コールセンター用の通話装置は、ネットワーク18または公衆電話回線等を介して、他の通話装置と接続される。また、コールセンター用の通話装置は、小型の液晶ディスプレイを備え、コールセンター用の通話装置と他の通話装置とが接続された場合、すなわちコールセンター用の通話装置と他の通話装置とで通話を行うことが可能な状態となった場合、コールセンター用の通話装置に接続された通話装置(接続先の通話装置)の識別情報が液晶ディスプレイに表示される。したがって、コールセンターのオペレータは、接続先の通話装置の識別情報を認識することができる。
【0052】
上述したように、画像処理装置14は、ディスプレイ54に表示されるGUIを介して入力装置52へのユーザ操作を受け付ける。たとえば、画像処理装置14の動作条件を設定するための複数の操作画面(設定画面)をユーザに提示し、各操作画面で設定された内容(動作条件)に応じて、サービスが提供される。
【0053】
たとえば、画像処理装置14の主電源がオンされて、各機能を実行可能な待機状態にある場合、画像処理装置14のディスプレイ54には、
図5に示すようなホーム画面100が表示される。
【0054】
ホーム画面100は、実行されるサービスを選択するための操作画面である。このホーム画面100には、サービスを選択するための、ソフトウェアキーとして機能する複数の選択アイコン102が表示される。
【0055】
複数の選択アイコン102の各々には、「コピー」、「スマホからプリント」、「記録メディアからプリント」、「ファクス」、「スキャン」、「写真・文書プリント」、「ネットワークプリント」および「行政サービス」等の、画像処理装置14で提供可能なサービスが割り当てられている。
【0056】
なお、「スマホからプリント」のサービスは、スマートフォン等の携帯端末に記憶されている画像データを利用するプリントサービスのことであり、「記録メディアからプリント」のサービスは、記憶媒体に記憶された画像データを利用するプリントサービスのことであり、「ネットワークプリント」のサービスは、外部コンピュータ(ネットワークプリントサービス用のサーバ)から送信された画像データを利用するプリントサービスのことである。さらに、「行政サービス」は、行政証明書を印刷するプリントサービスのことである。また、コピーサービスには、書類などの原稿の画像を通常用紙にコピー(複写)するサービス(通常コピーサービス)、および写真の画像を写真用紙にコピーするサービス(写真コピーサービス)などが含まれる。
【0057】
ホーム画面100において選択アイコン102が操作された場合、すなわち、実行されるサービスが選択された場合、ディスプレイ54には、選択されたサービスの動作条件を設定するための複数の操作画面が順次表示される。以下、コピーサービスが選択された場合を例に挙げて説明する。
【0058】
ホーム画面100においてコピーサービスが割り当てられた選択アイコン102が操作される(コピーサービスが選択される)と、ディスプレイ54には、コピーサービスの動作条件(コピー条件)の設定を行うための複数の操作画面(コピー設定画面)が順次表示される。
図6に示す第1設定画面120は、コピー設定画面の一例であり、コピーサービスの動作条件の設定を行うための複数の操作画面のうちの1つの画面(たとえば最初に表示される画面)である。
【0059】
第1設定画面120は、コピーサービスにおけるカラーモード(カラー条件)を設定するための画面であり、通知文122、設定部124および遷移アイコン126を含む。
【0060】
通知文122は、たとえば「カラーの種類を選んで、「つぎへ」を押してください。」のように、ユーザに、コピーサービスにおけるカラー条件の設定(選択)およびカラー条件が設定された場合に次の画面への遷移を促すためのメッセージである。
【0061】
設定部124は、コピーサービスにおけるカラー条件(カラー/白黒)を設定するために設けられており、互いに異なるカラー条件(カラー/白黒)が割り当てられた複数の設定アイコンを含む。これらの設定アイコンのいずれかが操作されることによって、コピーサービスにおけるカラー条件が設定される。
【0062】
遷移アイコン126は、次の操作画面に進む(画面遷移する)ための操作アイコンである。遷移アイコン126が操作されると、ディスプレイ54にはそれまで表示されていた操作画面の次の操作画面が表示される。
【0063】
たとえば、第1設定画面120では、遷移アイコン126が操作されると、ディスプレイ54には、カラー条件以外のコピーサービスの動作条件(用紙サイズ、倍率、部数等)の設定を行うための種々の操作画面が順次表示される。各操作画面に割り当てられたコピーサービスの動作条件が設定され、コピーサービスの動作条件の設定が完了し、ソフトウェアキーまたはハードウェアキーとして設けられるスタートキーが押下されると、各設定画面で設定された動作条件に従って、コピーサービスが実行される。
【0064】
以上、コピーサービスが選択された場合を例に挙げて説明したが、コピーサービス以外のサービスが選択された場合も同様に、動作条件の設定を行うための種々の操作画面が順次表示される。
【0065】
ここで、画像処理装置14に不慣れなユーザは、画像処理装置14のサービス内容または操作方法が分からないことがある。このようなユーザを支援するためのサービスとして、チャットボット(chatbot)機能によるユーザ支援サービス(チャットボットサービス)がある。なお、チャットとは、テキストのやりとりによってリアルタイムに対話を行うことを意味し、チャットボットサービスとは、人工知能等の技術を用いることによって、ユーザの問い合わせ内容(質問)に対しチャットボットが自動的に応答するサービスのことである。このようなチャットボット機能は、自動会話機能、自動応答機能、あるいは自動対応機能などと呼ばれることもある。
【0066】
本実施例の画像処理システム10では、チャットボットサービスを開始(起動)させるための所定の操作(以下、「起動操作」ということがある。)があった場合またはチャットボットサービスの起動条件を満たした場合に、
図7に示すように、チャットボットサービスを起動するための接続用ウインドウ138がディスプレイ54に表示される。接続用ウインドウ138は、ディスプレイ54にそれまで表示されていた操作画面の前面に重なって、ディスプレイ54の表示領域の中央部に表示される。すなわち、接続用ウインドウ138は、ポップアップで表示される。なお、
図7は、第1設定画面120の前面に接続用ウインドウ138が表示される場合を示している。
【0067】
起動操作としては、各操作画面に設けられる操作アイコン(たとえば設定部124および遷移アイコン126)以外の部分における所定のタッチ操作が該当する。起動操作としてのタッチ操作には、所定時間以上のロングタップ(長押し)、スライド(ドラッグ)、フリック、ダブルタッチ、ピンチインおよびピンチアウト等が含まれる。また、チャットボットサービスの起動条件としては、ユーザが画像処理装置14の周囲の所定範囲内に留まっており、かつ、画像処理装置14の各部のいずれも操作されない状態が所定時間継続すること等が該当する。なお、ユーザが画像処理装置14の周囲の所定範囲内に留まっているかどうかは、人検出センサ48の出力(距離データ)に応じて判断される。
【0068】
接続用ウインドウ138には、通知文140、符号画像142および接続先情報144が表示される(設けられる)。ただし、接続用ウインドウ138は、表示された時点から所定時間(たとえば180~300秒)経過したときに、非表示にされる。
【0069】
通知文140は、たとえば「チャットボットのコードを読み取るか、チャットボットのURLにアクセスしてください。」のように、符号画像142を携帯端末16で読み取ることまたは接続先情報144が示す接続先にアクセスすることを促すためのメッセージである。なお、接続先情報144は、チャットボット機能を有する(チャットボットサービスを提供する)サーバ12のURL(Uniform Resource Locator)を示す文字列等を含む。
【0070】
符号画像142は、たとえばバーコードまたは2次元コードである。この符号画像142には、起動用データが埋め込まれている。起動用データには、チャットボットサービスを提供するサーバ(本実施例ではサーバ12)にアクセスするための接続用データおよび画像処理装置14の識別情報のデータ(画像処理装置識別データ)等が含まれる。接続用データとしては、たとえばサーバ12のURLのデータ等が該当する。画像処理装置識別データとしては、他の装置ないし端末で画像処理装置14を識別するための情報、たとえば画像処理装置14のIDのデータまたは画像処理装置14の配置場所の情報のデータ等が該当する。
【0071】
接続用ウインドウ138がディスプレイ54に表示された状態で、携帯端末16において符号画像142を読み取るための所定のアプリケーションが起動され、カメラ72で符号画像142が撮影されると、携帯端末16は、撮影画像から符号画像142を抽出して、抽出された符号画像142を復号する。
【0072】
携帯端末16は、符号画像142を復号すると、符号画像142に埋め込まれた起動用データを取得し、起動用データに従って、チャットボットサービスを提供するサーバ12へのアクセスを開始する。すなわち、携帯端末16とサーバ12との通信が開始される。
【0073】
携帯端末16とサーバ12との通信が開始されると、携帯端末16は、サーバ12の記憶部にアクセスして、チャットボットサービスの操作画面のデータ(操作画面データ)を取得する。携帯端末16がチャットボットサービスの操作画面データを取得すると、
図8に示すように、携帯端末16のディスプレイ78には、チャットボットサービスの操作画面(チャット画面)180が表示される。
【0074】
チャット画面180は、チャットボットとのテキストのやりとりを行うための画面であり、通知文182、および質問入力部(文字入力部)184を含む。
【0075】
通知文182は、たとえば「質問を入力してください。自動で回答します。」のように、ユーザに質問の入力を促し、質問に対し自動で回答することを通知するためのメッセージである。質問入力部184は、ユーザが質問の内容(質問文)を入力するための入力欄(テキストボックス)である。質問入力部184に質問の内容が入力された状態で、所定の操作(文字入力アプリケーションに含まれるエンターキーの操作等)を受け付けると、質問が確定する。
【0076】
質問入力部184に質問が入力され、質問が確定されると、質問のデータ(質問データ)が携帯端末16からサーバ12に送信され、サーバ12において質問に対する回答(回答文)が生成される。質問に対する回答が生成されると、回答のデータ(回答データ)がサーバ12から質問元の携帯端末16に送信(返信)される。
図9に示すように、携帯端末16は、回答データを受信すると、回答データに従って回答文186を表示する。なお、複数の質問がされた場合には、それぞれの質問に対して回答文186が表示される。
【0077】
なお、入力された質問に対してチャットボットが自動的に回答する方法については、本出願人による特開2019-128914号公報に記載されているので、参照されたい。簡単に説明すると、まず、想定し得る質問文(登録文)と、各登録文に対する回答文を予めデータベースに登録(記憶)しておく。その上で、ユーザによって入力された質問文から、質問文の主語または目的語である話題語と、当該話題語に対応する述語とを抽出し、質問文に話題語が含まれている場合、話題語、述語、及び当該話題語及び述語の関連語を検索ワードとして、ユーザの質問文に関連する登録文を検索し、検索ワードに対し最も関連度が高い登録文に対する回答文をユーザの質問文に対する回答文として選択する。
【0078】
このようなチャットボットサービスでは、チャットボットが回答出来ない質問があったり、問題が解決できなかったりする場合には、チャットボットに代わってコールセンターのオペレータが応対することがある。たとえば、オペレータの応対に切り替える所定の条件(切替条件)を満たした場合には、
図10に示すように、オペレータの応対に切り替えるための切替選択ウインドウ(切替選択画面)186がディスプレイ78に表示される。
【0079】
切替条件としては、ユーザが画像処理装置14の周囲の所定範囲内に留まっており、かつ、画像処理装置14の各部のいずれも操作されない状態が所定時間継続すること等が該当する。また、チャット画面180に、オペレータの応対に切り替えるための(切替選択ウインドウ186を表示させるための)操作アイコンを設け、この操作アイコンが操作されることを切替条件としてもよい。
【0080】
切替選択ウインドウ186には、通知文188、第1選択アイコン190、第2選択アイコン192および閉じるアイコン194が表示される(設けられる)。
【0081】
通知文188は、たとえば「オペレータに切り替えますか?」のように、チャットボットの応対に代わってオペレータの応対に切り替えるかどうかの選択を促すためのメッセージである。
【0082】
第1選択アイコン190は、オペレータとの音声通話を行うための操作アイコンである。図示は省略するが、第1選択アイコン190が操作されると、通話機能が有効にされ、コールセンター用の通話装置に自動的に接続され、ユーザとコールセンターのオペレータとが通話を行うことが可能な状態となる。携帯端末16とコールセンター用の通話装置とが接続された場合、コールセンター用の通話装置の液晶ディスプレイには、携帯端末16の識別情報が表示される。携帯端末16の識別情報は、たとえば、電話回線を利用した音声通話であれば電話番号、ネットワーク18を利用した音声通話であれば端末の名称、通話アプリにおけるユーザのIDなどである。したがって、コールセンターのオペレータは、コールセンター用の通話装置に接続された携帯端末16を特定できる。
【0083】
第2選択アイコン192は、オペレータとのチャットを行うための操作アイコンである。図示は省略するが、第2選択アイコン192が操作されると、ディスプレイ54にはそれまで表示されていたチャット画面180に代えて、オペレータとのチャットを行うための(人同士のチャットを行うための)画面が表示される。したがって、ユーザは、テキストのやりとりによってオペレータと対話を行うことができる。また、第2選択アイコン192が操作されると、携帯端末16の識別情報がコールセンター端末80に送信される。
【0084】
閉じるアイコン194は、切替選択ウインドウ186を閉じる(オペレータの応対に切り替えない)ための操作アイコンである。閉じるアイコン194が操作されると、切替選択ウインドウ186が閉じられ(非表示にされ)、切替選択ウインドウ186が表示される前に表示されていた操作画面に戻る。
【0085】
ただし、切替選択ウインドウ186が表示されている状態では、操作画面のうち、切替選択ウインドウ186以外の領域はグレーアウト表示されており、切替選択ウインドウ186以外の領域へのタッチ入力は無効化されている。このため、切替選択ウインドウ186が表示されている状態では、切替選択ウインドウ186に含まれるアイコン以外のアイコンは、操作できない。
【0086】
なお、切替条件を満たした場合に、ユーザにチャットボットサービスの満足度または問題が解決できたかどうかを問いかける選択肢を提示し、ユーザの回答に応じて、切替選択ウインドウ186が表示されるようにしてもよい。たとえば、「やや不満である」ないし「不満である」との回答、または「問題が解決できなかった」または「チャットボットが役に立たなかった」との回答を受け付けた場合など、チャットボットサービスではユーザの要求に応えられないと推定される場合に、切替選択ウインドウ186が表示されるようにしてもよい。
【0087】
以上のように、第1選択アイコン190または第2選択アイコン192の操作(切替操作)を受け付けた場合、すなわち、チャットボットに代わってオペレータが応対する場合、オペレータがユーザの問い合わせに適切に回答するためには、オペレータがそれまでのユーザとチャットボットとのやり取りの内容(チャットボットの応対履歴)を認識することが望ましい。他方、オペレータがチャットボットの応対履歴を確認するのに時間がかかってしまうと、ユーザの利便性を損なうという問題がある。したがって、チャットボットに代わってオペレータが応対する場合には、オペレータがチャットボットの応対履歴を簡捷かつ適切に認識することが望ましい。
【0088】
そこで、本実施例では、チャットボットの応対履歴の情報量が所定の閾値以下の場合、チャットボットの応対履歴の全体をオペレータが確認できるようにし、チャットボットの応対履歴の情報量が閾値を超える場合、チャットボットの応対履歴の全体の内容に基づく応対履歴の概要をオペレータが確認できるようにした。
【0089】
以下、
図11および
図12等を参照して第1実施例のチャットボットサービスの動作例を説明する。まず、本実施例のチャットボットサービスでは、ユーザとチャットボットとのやり取りがある度に、サーバ12の記憶部にチャットボットの応対履歴のデータ(応対履歴データ)が蓄積されている。ただし、チャットボットの応対履歴には、ユーザからの質問の内容およびユーザからの質問に対するチャットボットの回答の内容などが含まれる。
【0090】
チャットボットに代わってオペレータが応対する場合、チャットボットを利用していたユーザの応対履歴データをコールセンター端末80に送信する旨の指示(履歴送信指示)のデータ(履歴送信指示データ)が携帯端末16からサーバ12に送信される。ただし、履歴送信指示データには、符号画像142を生成した(起動用データを生成した)画像処理装置14の識別情報のデータ(画像処理装置識別データ)および携帯端末16自身の識別情報のデータ(携帯端末識別データ)が含まれる。サーバ12が履歴送信指示を受け付けると、応対履歴データ、画像処理装置識別データおよび携帯端末識別データが互いに紐づけられた状態で、サーバ12からコールセンター端末80に送信される。なお、上述した各種データは、ネットワーク18を介して各装置(端末)間で送受信される。
【0091】
図11および
図12に示すように、コールセンター端末80は、支援用データを取得(受信)すると、コールセンター端末80のディスプレイ96には、チャットボットの応対履歴の内容を含む確認画面200が表示される。
【0092】
チャットボットの応対履歴の情報量が所定の閾値以下の場合、確認画面200には、チャットボットの応対履歴の全体(全文または原文)を示す全体情報(図示せず)が表示される。チャットボットの応対履歴の情報量は、たとえば文字数であり、この場合、閾値は、たとえば800~1200文字に設定される。
【0093】
一方、チャットボットの応対履歴の情報量が閾値を超える場合、確認画面200には、チャットボットの応対履歴の全体の内容に基づく応対履歴の概要を示す応対履歴の概要情報202が表示される。応対履歴の概要は、チャットボットの応対履歴の原文に含まれる重要な部分(重要部分)ないし重要な単語(キーワード)を含み、チャットボットの応対履歴の原文に対し情報量(文字数)を削減したものである。
【0094】
応対履歴の概要は、
図11に示すように、概要文として表現されたり、
図12に示すように、短縮された文章が箇条書きで表現されたりする。
【0095】
たとえば、応対履歴の概要は、チャットボットの応対履歴の原文に対し、文短縮処理または要約処理等が施されることによって生成される。文短縮処理とは、原文に含まれる、接続詞、副詞等を削除する事で、キーワードを残しながら文を短縮する(文字数を削減する)処理のことである。要約処理とは、たとえば、原文を複数の単語に分離し、単語の頻度に基づく重要度を算出し、単語の重要度に基づいて、文書の要約を生成する処理のことである。なお、要約処理の内容については、本出願人による特開2009-217802号公報に記載されているので、参照されたい。
【0096】
図11および
図12では、
図9実施例におけるチャットボットの応対履歴の概要を示す。
図9に示すチャットボットの応対履歴には、ユーザからの質問の内容として、「コピーのカラーモードを変更したい」、「コピーを大きくしたい」、「はみ出さずにコピーしたい」および「新聞をコピーしたい」等が含まれ、これらの質問に対するチャットボットの回答の内容も含まれる。このようなチャットボットの応対履歴の概要は、たとえば、
図11に「示すように、「新聞をカラーで、大きく、はみ出さずにコピーしたい」というような概要文として提示されたり、
図12に示すように、「カラーモード変更」、「大きくコピー」、「はみ出さずコピー」および「新聞コピー」というように、短縮された文章が箇条書きで提示されたりする。
【0097】
また、確認画面200には、全体情報または概要情報202に加えて、チャットボットサービス起動時にユーザが操作していた画像処理装置14に関する付加情報204が表示される。付加情報204は、チャットボットサービス起動時にユーザが操作していた画像処理装置14についての情報を含み、たとえば、画像処理装置14の配置場所(店舗情報または施設情報など)の情報(位置情報)、画像処理装置14の配置場所の地域情報、画像処理装置14の配置場所または地域におけるイベント情報、画像処理装置14で提供可能な特殊サービス(たとえば行政サービス)の有無についての情報等を含む。画像処理装置14の配置場所の情報は、たとえば、画像処理装置14の、店舗情報(店舗の名称)および施設情報(駅名などの施設の名称)等を含む。また、特殊サービスとしては、たとえば行政サービス(住民票の写しおよび公的証明書を発行するサービス)などが該当する。この付加情報204は、画像処理装置識別データが示す画像処理装置14の設置場所等に応じて表示される。
【0098】
したがって、本実施例によれば、コールセンター端末80のディスプレイ96に表示される確認画面200に、チャットボットの応対履歴を示す情報が含まれるので、コールセンターのオペレータがチャットボットの応対履歴を適切に認識することができる。
【0099】
また、確認画面200には、チャットボットの応対履歴の情報量が閾値以下の場合、チャットボットの応対履歴の全体を示す全体情報が表示され、チャットボットの応対履歴の情報量が閾値を超える場合、チャットボットの応対履歴に基づく応対履歴の概要を示す概要情報202の少なくとも一方が表示されるので、チャットボットの応対履歴の情報量が多い場合であっても、コールセンターのオペレータがチャットボットの応対履歴を簡捷に認識することができる。
【0100】
さらに、確認画面200には、チャットボットサービス起動時にユーザが操作していた画像処理装置14に関する付加情報204が表示されるので、画像処理装置14の状況に応じて適切にユーザを支援することができる。
【0101】
画像処理システム10の上記のような動作は、画像処理装置14のCPU22がRAM24に記憶された画像処理装置用の制御プログラムを実行し、携帯端末16のCPU62がRAM64に記憶された携帯端末用の制御プログラムを実行し、サーバ12のCPU12aがRAM12bに記憶されたサーバ用の制御プログラムを実行し、コールセンター端末80のCPU82がRAM84に記憶されたコールセンター端末用の制御プログラムを実行することによって実現される。具体的な処理については、後でフロー図を用いて説明する。
【0102】
図13は
図2に示す画像処理装置14のRAM24のメモリマップ300の一例を示す図解図である。
図13に示すように、RAM24は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。RAM24のプログラム記憶領域302には、上述したように、画像処理装置用の制御プログラムが記憶される。この画像処理装置用の制御プログラムは、通信プログラム302a、操作検出プログラム302b、表示プログラム302c、起動用データ生成プログラム302dおよび符号画像生成プログラム302eを含む。
【0103】
通信プログラム302aは、ネットワーク18を介して、サーバ12、携帯端末16およびコールセンター端末80等の外部コンピュータないし他の機器とデータを通信(送受信)するためのプログラムである。また、通信プログラム302aは、携帯端末16と無線通信によって直接通信するためのプログラムでもある。
【0104】
操作検出プログラム302bは、入力装置52に含まれる操作ボタンおよびタッチパネルへのユーザの操作入力を検出するためのプログラムである。CPU22は、操作検出プログラム302bに従って、ユーザが操作ボタンを操作したことによる操作データないし操作信号を検出したり、タッチパネルを操作したことにより入力されるタッチ座標データを検出したりする。
【0105】
表示プログラム302cは、後述する画像生成データ304bを用いて、表示画像データ、すなわち、上述した各種の操作画面などの画面データを生成し、ディスプレイ54に出力するためのプログラムである。また、表示プログラム302cは、後述する符号画像データに従って符号画像をディスプレイ54に出力するためのプログラムでもある。
【0106】
起動用データ生成プログラム302dは、携帯端末16等においてチャットボットサービスを起動するための、接続用データおよび画像処理装置識別データ等を含む起動用データを生成するためのプログラムである。
【0107】
符号画像生成プログラム302eは、起動用データが埋め込まれた符号画像を生成するためのプログラムである。
【0108】
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、符号読取部32を制御して、レーザスキャナまたはカメラによって撮影された撮影画像から符号画像を抽出し、抽出した符号画像を復号するための符号読取プログラム、紙片用プリンタ34を制御して、ロール紙上に文字列、画像、バーコードなどを印刷するための紙片印刷プログラム、写真用プリンタ36を制御して、写真用紙上に画像を印刷するための写真印刷プログラム、近距離通信部38を制御して、通信対象(たとえば身分証、会員証または電子マネー媒体など)との間でのデータ通信を実現するための近距離通信プログラム、画像読取部40を制御して、原稿の画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像信号(送信画像)を出力するための画像読取プログラム、画像形成部42を制御して、印刷データに応じて多色または単色の印刷画像を用紙に印刷するための画像形成プログラム、記憶媒体接続部44に装着された各種の記録媒体へのデータの書込みおよび各種の記録媒体からのデータの読み出しを制御するための記憶媒体接続プログラム、画像処理装置14におけるサービス等の料金を設定するためのプログラム、貨幣処理部46を制御して、投入金額を算出し、投入金額から所定のサービス等の料金を差し引いて残った残額に応じて、硬貨を硬貨返却口46bから返却したり、紙幣を紙幣投入口から返却したりするためのプログラムおよび画像処理装置14が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0109】
また、RAM24のデータ記憶領域304には、操作データ304a、画像生成データ304b、接続用データ304c、画像処理装置識別データ304d、起動用データ304eおよび符号画像データ304fなどが記憶される。
【0110】
操作データ304aは、操作検出プログラム302bに従って検出された操作データまたは/およびタッチ座標データを含む操作入力データである。画像生成データ304bは、ディスプレイ54に表示する各種の画面に対応する表示画像データを生成するためのポリゴンデータまたはテクスチャデータ等のデータである。
【0111】
接続用データ304cは、チャットボットサービスを提供するサーバにアクセスするためのデータである。画像処理装置識別データ304dは、他の装置ないし端末で画像処理装置14を識別するための情報のデータである。
【0112】
起動用データ304eは、起動用データ生成プログラム302dに従って生成される、携帯端末16等においてチャットボットサービスを起動するためのデータである。起動用データ304eは、たとえば接続用データ304cおよび画像処理装置識別データ304d等を含む。
【0113】
符号画像データ304fは、符号画像生成プログラム302eに従って生成される、起動用データが埋め込まれた符号画像のデータである。
【0114】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、画像処理装置用の制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、画像処理装置用の制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
【0115】
図14は
図3に示す携帯端末16のRAM64のメモリマップ400の一例を示す図解図である。
図14に示すように、RAM64は、プログラム記憶領域402およびデータ記憶領域404を含む。RAM64のプログラム記憶領域402には、上述したように、携帯端末用の制御プログラムが記憶される。この携帯端末用の制御プログラムは、通信プログラム402a、操作検出プログラム402b、表示プログラム402c、撮影プログラム402d、復号プログラム402e、接続プログラム402f、受信プログラム402g、送信プログラム402hおよび通話プログラム402iを含む。
【0116】
通信プログラム402aは、ネットワーク18を介して、サーバ12、画像処理装置14およびコールセンター端末80などの外部コンピュータないし他の機器とデータを通信するためのプログラムである。また、通信プログラム402aは、画像処理装置14と無線通信によって直接通信するためのプログラムでもある。さらに、通信プログラム402aは、携帯電話基地局との間で無線通信するためのプログラムでもある。
【0117】
操作検出プログラム402bは、タッチパネル76へのユーザの操作入力を検出するためのプログラムである。表示プログラム402cは、後述する画像生成データ404bを用いて、各種の操作画面などの画面データを生成し、ディスプレイ78に出力するためのプログラムである。
【0118】
撮影プログラム402dは、カメラ72を制御して、撮影画像を生成するためのプログラムである。復号プログラム402eは、撮影画像から符号画像を抽出して、抽出された符号画像を復号するためのプログラムである。
【0119】
接続プログラム402fは、符号画像を復号することによって得られる起動用データ(接続用データ)に従って、チャットボット機能を有するサーバ12に接続(アクセス)するためのプログラムである。
【0120】
受信プログラム402gは、サーバ12から送信される回答データを受信するためのプログラムである。ただし、データを受信する場合には、通信プログラム402aに従って通信処理が実行される。
【0121】
送信プログラム402hは、チャットボットサービスにおいてユーザが入力した質問のデータ(質問データ)をサーバ12に送信するためのプログラムである。また、送信プログラム402hは、後述する履歴送信指示データ404hをサーバ12に送信するためのプログラムでもある。ただし、データを送信する場合には、通信プログラム402aに従って通信処理が実行される。
【0122】
通話プログラム402iは、音声通話処理を実行するためのプログラムである。ただし、音声通話処理を実行する場合には、通信プログラム402aに従って通信処理が実行される。
【0123】
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域402には、携帯端末16が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0124】
また、RAM84のデータ記憶領域404には、操作データ404a、画像生成データ404b、撮影画像データ404c、起動用データ404d、質問データ404e、回答データ404f、携帯端末識別データ404gおよび履歴送信指示データ404hなどが記憶される。
【0125】
操作データ404aは、操作検出プログラム402bに従って検出されたタッチ座標データを含む操作入力データである。画像生成データ404bは、ディスプレイ78に表示する各種の画面に対応する表示画像データを生成するためのポリゴンデータまたはテクスチャデータ等のデータである。
【0126】
撮影画像データ404cは、撮影プログラム402dに従ってカメラ72で撮影された撮影画像のデータである。
【0127】
起動用データ404dは、符号画像を復号することによって得られるデータであり、チャットボットサービスを提供するサーバにアクセスするための接続用データおよび起動用データを生成した画像処理装置14を識別するための画像処理装置識別データを含む。
【0128】
質問データ404eは、チャットボットサービスにおいてユーザが入力した質問のデータである。回答データ404fは、サーバ12から送信される、質問に対する回答のデータである。
【0129】
携帯端末識別データ404gは、携帯端末16自身の識別情報のデータである。
【0130】
履歴送信指示データ404hは、チャットボットに代わってオペレータが応対する操作を受け付けた場合に、チャットボットの応対履歴のデータをコールセンター端末80に送信する旨の履歴送信指示のデータである。また、履歴送信指示データ404hは、起動用データに含まれていた画像処理装置識別データおよび携帯端末識別データ404gを含む。
【0131】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域404には、携帯端末用の制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、携帯端末用の制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
【0132】
図15は
図1に示すサーバ12のRAM12bのメモリマップ500の一例を示す図解図である。
図15に示すように、RAM12bは、プログラム記憶領域502およびデータ記憶領域504を含む。RAM12bのプログラム記憶領域502には、上述したように、サーバ用の制御プログラムが記憶される。このサーバ用の制御プログラムは、通信プログラム502a、受信プログラム502b、回答生成プログラム502c、応対履歴生成プログラム502d、判断プログラム502e、概要生成プログラム502f、送信プログラム502gを含む。
【0133】
通信プログラム502aは、ネットワーク18を介して、画像処理装置14、携帯端末16およびコールセンター端末80などの外部コンピュータないし他の機器とデータを通信するためのプログラムである。
【0134】
受信プログラム502bは、携帯端末16から送信される質問データ等を受信するためのプログラムである。また、受信プログラム502bは、携帯端末16から送信される履歴送信指示データを受信するためのプログラムでもある。ただし、データを受信する場合には、通信プログラム502aに従って通信処理が実行される。
【0135】
回答生成プログラム502cは、質問データが示す質問に対する回答を自動的に生成するためのプログラムである。
【0136】
応対履歴生成プログラム502dは、質問データを受信したときおよび回答を生成(送信)したときに、応対履歴データを生成ないし更新するためのプログラムである。また、応対履歴生成プログラム502dは、履歴送信指示データを受信し、履歴送信指示を受け付けたときに、その時点の応対履歴データを抽出するためのプログラムでもある。
【0137】
判断プログラム502eは、履歴送信指示を受け付けたときに抽出された応対履歴データが示す応対履歴の情報量が閾値を超えるかどうかを判断するためのプログラムである。
【0138】
概要生成プログラム502fは、応対履歴の情報量が閾値を超えると判断された場合に、上述したような方法等で、応対履歴の全体の内容に基づく応対履歴の概要のデータ(概要データ)を生成するためのプログラムである。
【0139】
送信プログラム502gは、回答生成プログラム502cに従って生成された回答のデータ(回答データ)を携帯端末16に送信するためのプログラムである。また、送信プログラム502gは、履歴送信指示を受け付けた場合に、当該履歴送信指示に係る携帯端末識別データおよび画像処理装置識別データを紐づけた、応対履歴データを、コールセンター端末80に送信するためのプログラムである。また、応対履歴データに対応する概要データが存在する場合には、応対履歴データにさらに概要データが紐づけられてコールセンター端末80に送信され、応対履歴データに対応する付加情報データが存在する場合には、応対履歴データにさらに付加情報データが紐づけられてコールセンター端末80に送信される。なお、データを送信する場合には、通信プログラム502aに従って通信処理が実行される。
【0140】
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域502には、サーバ12が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0141】
また、RAM12bのデータ記憶領域504には、質問データ504a、回答データ504b、応対履歴データ504c、履歴送信指示データ504d、付加情報データ504eおよび概要データ504fなどが記憶される。
【0142】
質問データ504aは、携帯端末16から送信される、チャットボットサービスにおいてユーザが入力した質問のデータである。回答データ504bは、回答生成プログラム502cに従って生成される、受信した質問データが示す質問に対する回答のデータである。
【0143】
応対履歴データ504cは、チャットボットの応対履歴の全体のデータである。履歴送信指示データ504dは、携帯端末16から送信される履歴送信指示のデータである。付加情報データ504eは、画像処理システム10に含まれる画像処理装置14毎の付加情報のデータである。概要データ504fは、チャットボットの応対履歴の全体の内容に基づく応対履歴の概要のデータである。
【0144】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域504には、サーバ用の制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、サーバ用の制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
【0145】
図16は
図4に示すコールセンター端末80のRAM84のメモリマップ600の一例を示す図解図である。
図16に示すように、RAM84は、プログラム記憶領域602およびデータ記憶領域604を含む。RAM84のプログラム記憶領域602には、上述したように、コールセンター端末用の制御プログラムが記憶される。このコールセンター端末用の制御プログラムは、通信プログラム602a、操作検出プログラム602b、表示プログラム602cおよび受信プログラム602dを含む。
【0146】
通信プログラム602aは、ネットワーク18を介して、サーバ12、画像処理装置14および携帯端末16などの外部コンピュータないし他の機器とデータを通信するためのプログラムである。
【0147】
操作検出プログラム602bは、入力装置94に含まれる操作ボタンおよびタッチパネルへのユーザの操作入力に応じて、操作データないし操作信号を検出したり、タッチ座標データを検出したりする。
【0148】
表示プログラム602cは、後述する画像生成データ604bを用いて、確認画面200を含む各種の操作画面などの画面データを生成し、ディスプレイ96に出力するためのプログラムである。また、表示プログラム602cは、確認画面200をディスプレイ96に表示させることによって、応対履歴の概要をオペレータに提示するためのプログラム(提示プログラム)でもある。
【0149】
受信プログラム602dは、サーバ12から送信される、画像処理装置識別データ、携帯端末識別データ、付加情報データおよび概要データ等が紐づけられた応対履歴データを受信するためのプログラムである。ただし、データを受信する場合には、通信プログラム502aに従って通信処理が実行される。
【0150】
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域602には、コールセンター端末80が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0151】
また、RAM84のデータ記憶領域604には、操作データ604a、画像生成データ604b、画像処理装置識別データ604c、携帯端末識別データ604d、応対履歴データ604e、付加情報データ604fおよび概要データ604gなどが記憶される。
【0152】
操作データ604aは、操作検出プログラム602bに従って検出された操作データまたは/およびタッチ座標データを含む操作入力データである。画像生成データ604bは、ディスプレイ96に表示する各種の画面に対応する表示画像データを生成するためのポリゴンデータまたはテクスチャデータ等のデータである。
【0153】
画像処理装置識別データ604c、携帯端末識別データ604d、応対履歴データ604e、付加情報データ604fおよび概要データ604gは、それぞれ、サーバ12から送信されたデータである。
【0154】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域504には、サーバ用の制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、サーバ用の制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
【0155】
図17は、
図2に示す画像処理装置14のCPU22で実行される情報処理(画像処理装置14の情報処理)の一例を示すフロー図である。この情報処理は、起動操作を受け付けたときまたはチャットボットサービスの起動条件を満たしたときに開始される。
【0156】
図17に示すように、画像処理装置14のCPU22は、情報処理を開始すると、ステップS1で、接続用データおよび画像処理装置識別データを含む起動用データを生成して、ステップS3で、起動用データが埋め込まれた符号画像を生成して、ステップS5で、符号画像を含む接続用ウインドウ138を表示して、ステップS7で、情報処理を終了するかどうかを判断する。たとえば、ステップS7では、接続用ウインドウ138が表示された時点から所定時間経過したかどうかを判断する。
【0157】
ステップS7で“NO”であれば、つまり、情報処理を終了しないと判断した場合は、ステップS5に戻る。一方、ステップS7で“YES”であれば、情報処理を終了する。
【0158】
図18は携帯端末16のCPU62の情報処理(携帯端末16の情報処理)の一例を示すフロー図である。この情報処理は、起動用データを取得した場合に開始される。
図18に示すように、携帯端末16のCPU62は、情報処理を開始すると、ステップS31で、起動用データに含まれる接続用データに従って、チャットボットサービスを提供するサーバ12へのアクセスを開始して、ステップS33で、サーバ12からチャットボットサービスの操作画面のデータを取得して、チャットボットサービスの操作画面(チャット画面)をディスプレイ78に表示して、ステップS35で、質問が確定したかどうかを判断する。ここでは、質問入力部184に質問が入力され、質問を確定するための操作を受け付けたかどうかを判断する。
【0159】
ステップS35で“NO”であれば、つまり、質問が確定していないと判断した場合は、後述するステップS43に進む。一方、ステップS35で“YES”であれば、つまり、質問が確定したと判断した場合は、ステップS37で、質問を示すデータ(質問データ)をサーバ12に送信して、ステップS39で、回答データを受信したかどうかを判断する。
【0160】
ステップS39で“NO”であれば、つまり、回答データを受信していないと判断した場合は、ステップS39に戻る。一方、ステップS39で“YES”であれば、つまり、回答データを受信したと判断した場合は、ステップS41で、回答データが示す回答の内容をディスプレイ78に表示して、ステップS43に進む。
【0161】
続いて、ステップS43で、オペレータの応対に切り替える切替条件を満たすかどうかが判断する。ステップS43で“NO”であれば、つまり、切替条件を満たさないと判断した場合は、ステップS45で、チャットボットサービスを終了するかどうかを判断する。
【0162】
ステップS45で“NO”であれば、つまり、チャットボットサービスを終了しない(チャットボットサービスを継続する)と判断した場合は、ステップS35に戻る。一方、ステップS45で“YES”であれば、つまり、チャットボットサービスを終了すると判断した場合は、チャットボットサービスを提供するサーバ12へのアクセスを終了して、情報処理を終了する。
【0163】
一方、ステップS43で“YES”であれば、つまり、つまり、切替条件を満たすと判断した場合は、ステップS47で、切替選択ウインドウをディスプレイ78に表示して、ステップS49で、オペレータの応対に切り替えるかどうかを判断する。ステップS49で“NO”であれば、つまり、オペレータの応対に切り替えないと判断した場合は、ステップS45に進む。
【0164】
一方、ステップS49で“YES”であれば、つまり、オペレータの応対に切り替えると判断した場合は、ステップS51で、履歴送信指示のデータ(履歴送信指示データ)をサーバ12に送信して、ステップS53で、オペレータの応対(音声通話またはオペレータとのチャット)に切り替えて、情報処理を終了する。
【0165】
図19はサーバ12のCPU12aの情報処理(サーバ12の情報処理)の一例を示すフロー図である。
図19に示すように、サーバ12のCPU12aは、情報処理を開始すると、ステップS61で、履歴送信指示を受け付けたか(履歴送信指示データを受信したか)どうかを判断する。
【0166】
ステップS61で“NO”であれば、つまり、履歴送信指示を受け付けていないと判断した場合は、ステップS61に戻る。一方、ステップS61で“YES”であれば、つまり、履歴送信指示を受け付けたかと判断した場合は、ステップS63で、それまでの応対履歴データを抽出して、ステップS65で、応対履歴の情報量が所定の閾値以下かどうかを判断する。
【0167】
ステップS65で“YES”であれば、つまり、応対履歴の情報量が閾値以下である場合は、後述するステップS71に進む。一方、ステップS65で“NO”であれば、つまり、応対履歴の情報量が閾値以下でない(応対履歴の情報量が閾値を超える)場合は、ステップS67で、チャットボットの応対履歴に基づく応対履歴の概要のデータ(概要データ)を生成して、ステップS69で、概要データを応対履歴のデータに紐づけて、ステップS71に進む。
【0168】
続いて、ステップS71で、サービス起動時にユーザが操作していた画像処理装置14に関する付加情報があるかどうかを判断する。ステップS71で“NO”であれば、つまり、付加情報がないと判断した場合は、後述するステップS77に進む。一方、ステップS71で“YES”であれば、つまり、付加情報があると判断した場合は、ステップS73で、付加情報のデータ(付加情報データ)を生成して、ステップS75で、付加情報データを応対履歴のデータに紐づけて、ステップS77に進む。
【0169】
続いて、ステップS77で、応対履歴データをコールセンター端末80に送信して、情報処理を終了する。ただし、ステップS73では、応対履歴データに概要データおよび/または付加情報のデータが紐づけられている場合には、それらのデータも応対履歴データとあわせてコールセンター端末80に送信する。
【0170】
図20はコールセンター端末80のCPU82の情報処理(コールセンター端末80の情報処理)の一例を示すフロー図である。この情報処理は、応対履歴のデータを取得(受信)したときに開始される。
【0171】
図20に示すように、コールセンター端末80のCPU82は、情報処理を開始すると、ステップS91で、応対履歴データに紐づけられた付加情報データがあるかどうかを判断する。ステップS91で“NO”であれば、つまり、付加情報データがないと判断した場合には、後述するステップS95に進む。一方、ステップS91で“YES”であれば、つまり、付加情報データがあると判断した場合は、ステップS93で、付加情報データが示す付加情報を読み出して、ステップS95に進む。
【0172】
続いて、ステップS95で、応対履歴データに紐づけられた概要データがあるかどうかを判断する。ステップS95で“NO”であれば、つまり、概要データがないと判断した場合は、ステップS97で、応対履歴データが示す応対履歴の全体を読み出して、後述するステップS101に進む。一方、ステップS95で“YES”であれば、つまり、概要データがあると判断した場合は、ステップS99で、概要データが示す応対履歴の概要を読み出して、ステップS101に進む。
【0173】
続いて、ステップS101で、確認画面を表示して、ステップS103で、確認画面の表示を終了するかどうかを判断する。ステップS103で“NO”であれば、ステップS101に戻る。一方、ステップS103で“YES”であれば、情報処理を終了する。
【0174】
この第1実施例によれば、チャットボットの応対履歴の情報量が多い場合であっても、コールセンターのオペレータがチャットボットの応対履歴を簡捷に認識することができる。
[第2実施例]
第2実施例の画像処理システム10は、チャットボットの応対履歴に基づく応対履歴の概要が表示されている場合に、オペレータの操作に応じて応対履歴の概要に対応する応対履歴の原文を表示させることができるようにした以外は、第1実施例と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略する。
【0175】
図21および
図22は第2実施例における確認画面200の一例を示す図解図である。
図21および
図22に示すように、第2実施例では、応対履歴の概要情報202の一部または全部が操作アイコン(表示切替アイコン)となっている。たとえば、概要情報202に含まれる概要文の表示部分が表示切替アイコンとなっている。
【0176】
また、概要情報202のうち表示切替アイコンとして機能する部分は、模様が付されたり、適当な色彩が付されたり、下線が付されたり、太字で表示されたりするなど、強調表示される。
【0177】
なお、
図21および
図22に示す例では、概要情報202に含まれる概要文の全体が表示切替アイコンとなっている場合を示しているが、概要情報202に含まれる概要文の一部、たとえばキーワードの部分のみが表示切替アイコンとなっていてもよい。
【0178】
表示切替アイコンの操作(詳細表示操作)を受け付けると、
図22に示すように、選択された表示切替アイコンに対応する部分の原文(詳細内容)が表示される。すなわち、選択された202に対応する概要文または箇条書きの文章の、文短縮処理または要約処理等が施される前の原文が表示される。
【0179】
以下、フロー図を用いて、第2実施例におけるコールセンター端末80の情報処理について説明するが、第1実施例で説明したコールセンター端末80の情報処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。
【0180】
図23は第2実施例のコールセンター端末80の情報処理の一例を示すフロー図である。
図23に示すように、コールセンター端末80のCPU82は、情報処理を開始すると、ステップS101で、確認画面を表示して、ステップS121で、応対履歴の概要が表示されているかどうかを判断する。ステップS121で“NO”であれば、ステップS103に進む。一方、ステップS121で“YES”であれば、ステップS123で、詳細表示操作があるかどうかを判断する。ステップS123で“NO”であれば、ステップS103に進む。一方、ステップS123で“YES”であれば、ステップS125で、選択された表示切替アイコンに対応する部分の詳細内容を表示して、ステップS103に進む。
【0181】
なお、ステップS103までの処理の内容については、第1実施例と同じであるので詳しい説明を省略する。また、画像処理装置14の情報処理、携帯端末16の情報処理およびサーバ12の情報処理については、第1実施例と同じであるので説明を省略する。
【0182】
第2実施例によれば、応対履歴の概要が表示されている場合であっても、オペレータが必要に応じて提示される情報量を切り替えることができ、オペレータがチャットボットの応対履歴を簡捷かつ適切に認識することができる。
【0183】
なお、上述の実施例では、第1選択アイコン190または第2選択アイコン192の操作(切替操作)があると、チャットボットに代わってオペレータが応対するようにしたが、コールセンターの状況によっては、切替操作があったときからオペレータの応対が開始されるまで数分~数十分程度の時間を要する場合がある。このような場合には、チャットボットの応対履歴がサーバ12またはコールセンター端末80の少なくとも一方に一時的に記憶されるとともに、携帯端末16(またはそれを使用するユーザ)と、携帯端末16に紐づいたチャットボットの応対履歴とを識別するための問い合わせ識別情報が発行され、問い合わせ識別情報が携帯端末16およびコールセンター端末80のそれぞれに記憶される。このようにすれば、オペレータの応対が開始されたときに、チャットボットの応対履歴を問い合わせ識別情報から検索することができる。
【0184】
また、上述の実施例で挙げた具体的な構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。さらにまた、上述の実施例で示したフロー図の各ステップは、同じ結果が得られるのであれば、処理される順番は適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0185】
10 …画像処理システム
12 …サーバ
14 …画像処理装置
16 …携帯端末