(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】蒸着マスクの製造方法
(51)【国際特許分類】
C23C 14/04 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
C23C14/04 A
(21)【出願番号】P 2020175205
(22)【出願日】2020-10-19
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】松本 優子
(72)【発明者】
【氏名】山田 哲行
【審査官】宮崎 園子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-039062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板の第1面に、開口パターンを有するマスク本体を形成し、
前記マスク本体の上に、マスクフレームを配置し、
前記支持基板の前記第1面と反対側の第2面に、強磁性体を含む仮固定具を
複数配置し、前記仮固定具の磁力によって前記マスク本体に前記マスクフレームを密着させ、
前記マスク本体と前記マスクフレームとを接続する接続部を形成し、
前記マスク本体から前記仮固定具および前記支持基板を分離する、蒸着マスクの製造方法。
【請求項2】
前記マスク本体および前記接続部は、電鋳によって形成される、請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
【請求項3】
前記仮固定具は、平板状である、請求項1または請求項2に記載の蒸着マスクの製造方法。
【請求項4】
前記仮固定具は、第1形状を有する第1固定部と、第2形状を有する第2固定部と、を含む、請求項1または請求項2に記載の蒸着マスクの製造方法。
【請求項5】
前記第1形状は、前記マスクフレームの枠部の形状に対応し、
前記第2形状は、前記マスクフレームの桟部の形状に対応する、請求項
4に記載の蒸着マスクの製造方法。
【請求項6】
前記第1固定部の材料は、前記第2固定部の材料と異なる、請求項
4または請求項
5に記載の蒸着マスクの製造方法。
【請求項7】
前記第1固定部と前記第2固定部とが連結部によって連結されている、請求項
4乃至請求項
6のいずれか一項に記載の蒸着マスクの製造方法。
【請求項8】
前記連結部は、弾性体を含む、請求項
7に記載の蒸着マスクの製造方法。
【請求項9】
前記強磁性体は、鉄、アルミニウム、サマリウム、コバルト、およびニッケルの少なくとも1つを含む、請求項1乃至請求項
8のいずれか一項に記載の蒸着マスクの製造方法。
【請求項10】
前記蒸着マスクは、前記マスク本体と前記マスクフレームとが重畳する、請求項1乃至請求項
9のいずれか一項に記載の蒸着マスクの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸着マスクに関する。また、本発明は、蒸着マスクの製造方法に関する。特に、本発明は、薄膜状のマスク本体を備えた蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(Electroluminescence)表示装置は、フラットパネル型表示装置の一つである。有機EL表示装置では、各画素に有機EL素子が設けられる。有機EL素子は、アノード電極およびカソード電極から成る一対の電極間に、有機EL材料を含む層(以下、「有機EL層」という)を挟んだ構造を有する。有機EL層は、発光層、電子注入層、または正孔注入層などの機能層から構成される。有機EL素子は、発光層の有機材料の選択により様々な波長の色で発光させることが可能である。
【0003】
有機EL材料が低分子化合物である場合、有機EL層には、真空蒸着法を用いて薄膜が形成される。真空蒸着法においては、蒸着材料が、高真空下においてヒーターによって加熱され、昇華する。昇華した蒸着材料を、基板の表面に堆積(蒸着)させることで薄膜が形成される。また、真空蒸着法においては、多数の微細な開口パターンを有するマスク(蒸着マスク)を用いることで、開口パターンに対応した高精細な薄膜パターンを形成することができる。
【0004】
蒸着マスクは、製法により分類することができ、エッチングでパターニングされたファインメタルマスク(FMM)と、電鋳技術を用いるエレクトロファインフォーミングマスク(EFM)と、に大別することができる。例えば、特許文献1には、微細な開口パターンを有するマスク本体を電鋳で形成した後、さらに電鋳を用いて、マスク本体とマスクフレームとを接続する蒸着マスクの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のEFMの製造方法においては、蒸着マスクの被蒸着基板と向かい合う面にバリ(より具体的には、マスク本体の面から突出した突起)が生じる。蒸着マスクにバリがある場合、蒸着時に、バリが被蒸着基板と接し、被蒸着基板を傷つける場合がある。その結果、被蒸着基板上に形成された素子が破壊される場合がある。また、蒸着マスクと被蒸着基板との間に間隙が生じ、被蒸着基板上に形成される蒸着パターンがぼやけてしまう場合がある。これらの現象は、最終的には、表示装置の欠陥となるため、表示装置の歩留まりを低下させる要因となっていた。したがって、従来の蒸着マスクの製造方法においては、蒸着マスクのバリをカッターなどで切断し、蒸着マスクからバリを除去する工程が必要であった。
【0007】
蒸着マスクからバリを除去する工程は、一般的には、手作業で行われる。すなわち、作業者が、蒸着マスクのバリの位置を顕微鏡で確認し、バリを切断する。したがって、蒸着マスクからバリを除去する工程においては、作業者の熟練度によって作業時間が異なるだけでなく、作業者の熟練度によって蒸着マスクの品質が異なるという問題があった。また、蒸着マスクから切断されたバリが、異物として蒸着マスクに付着するという問題もあった。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑み、バリを有しない蒸着マスクおよびバリが形成されない蒸着マスクの製造方法を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの製造方法は、支持基板の第1面に、開口パターンを有するマスク本体を形成し、マスク本体の上に、マスクフレームを配置し、支持基板の第1面と反対側の第2面に、強磁性体を含む仮固定具を配置し、仮固定具の磁力によってマスク本体に対してマスクフレームを固定し、マスク本体とマスクフレームとを接続する接続部を形成し、仮固定具および支持基板を取り外す。
【0010】
本発明の一実施形態に係る蒸着マスクは、開口パターンを有するマスク本体と、マスク本体と重畳するマスクフレームと、マスク本体とマスクフレームとを接続する接続部と、を含み、マスクとマスクフレームとが直接接する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの平面図である。
【
図1B】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの平面図である。
【
図1C】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの断面図である。
【
図2A】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの平面図である。
【
図2B】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの断面図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
【
図3B】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
【
図3C】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
【
図3D】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
【
図3E】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
【
図3F】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
【
図3G】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
【
図3H】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
【
図4A】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの製造方法で用いる固定具の平面図である。
【
図4B】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの製造方法で用いる固定具の平面図である。
【
図4C】本発明の一実施形態に係る蒸着マスクの製造方法で用いる固定具の平面図である。
【
図5A】従来の蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
【
図5B】従来の蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
【
図5C】従来の蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
【
図5D】従来の蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
【
図5E】従来の蒸着マスクの製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。ただし、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0013】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。しかし、図面に示す例は、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の構成には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0014】
本発明において、ある一つの膜に対してエッチングや光照射を行うことで複数の膜を形成した場合、これら複数の膜は異なる機能、役割を有することがある。しかしながら、これら複数の膜は同一の工程で同一層として形成された膜に由来し、同一の層構造、同一の材料を有する。したがって、これら複数の膜は同一層に存在しているものと定義する。
【0015】
本明細書および特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体が配置された態様を表現する際に、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、その構造体の直上に他の構造体が配置される場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体が配置される場合と、の両方を含むものと定義される。
【0016】
<第1実施形態>
図1A~
図1Cを参照して、本発明の一実施形態に係る蒸着マスク10の構成について説明する。
【0017】
図1Aおよび
図1Bは、本発明の一実施形態に係る蒸着マスク10の平面図である。具体的には、
図1Aは、蒸着マスク10のマスク本体110の第1面110-1から眺めた平面図であり、
図1Bは、蒸着マスク10のマスク本体110の第1面110-1の反対側の第2面110-2から眺めた平面図である。また、
図1Cは、本発明の一実施形態に係る蒸着マスク10の断面図である。具体的には、
図1Cは、
図1Aまたは
図1Bに示すA-A’線に沿って切断した蒸着マスク10の断面図である。
【0018】
蒸着マスク10は、マスク本体110、マスクフレーム120、および接続部130を含む。
図1Aおよび
図1Bに示すように、マスクフレーム120および接続部130は、マスク本体110の第1面110-1に設けられている。また、平面視において、マスクフレーム120および接続部130は、マスク本体110と重畳している。
図1Aに示すように、マスク本体110の第1面110-1から眺めた平面視において、マスクフレーム120および接続部130は、マスク本体110上に露出している。一方、
図1Bに示すように、マスク本体110の第2面110-2から眺めた平面視において、マスクフレーム120および接続部130は、マスク本体110から露出していない。換言すれば、マスク本体110の第2面110-2から眺めた平面視において、マスクフレーム120および接続部130は、マスク本体110によって覆われているということもできる。
【0019】
マスク本体110は、開口領域111および非開口領域112を含む。開口領域111には、マスク本体110を貫通し、蒸着パターンに対応する開口113が設けられている。一方、非開口領域112には、開口113が設けられていない。開口領域111と非開口領域112との境界は必ずしも明確ではない。しかしながら、多くの場合、開口113は蒸着パターンにしたがって設けられるため、隣接する2つの開口113の間隔は所定のピッチを有する。そのため、蒸着パターンの所定のピッチを基準にして、開口領域111と非開口領域112とを区別することが可能である。
【0020】
マスク本体110の厚さは、例えば、1μm以上10μm以下である。また、マスク本体110は、電鋳(または電解メッキ)で用いる材料で形成されることが好ましい。マスク本体110は、例えば、ニッケルまたはニッケル合金などの材料で形成されることができる。
【0021】
蒸着マスク10を用いて蒸着する場合、マスク本体110の第2面110-2が被蒸着基板と接する。本実施形態に係る蒸着マスク10は、マスク本体110の第2面110-2が一様にマスク本体110で構成されているため、段差またはバリを有しない。そのため、被蒸着基板がバリによって傷つけられることがない。
【0022】
なお、蒸着において、有機材料は、マスク本体110の開口113のみを通過して堆積することができるため、被蒸着基板には、開口113に対応するパターン(蒸着パターン)が形成される。そのため、開口113は、表示装置の画素の配列と対応して設けることができ、例えば、マトリクス状に配置することができる。
【0023】
マスクフレーム120は、蒸着マスク10の外周に位置する枠部121および枠部121の内側に位置する桟部122を含む。マスクフレーム120は、枠部121の内側が開口されているが、その開口は、格子状に配置された桟部122によって、区画化されている。マスクフレーム120のサイズが大きくなると、枠部121の反りまたはねじれによってマスクフレーム120の平行度を所定の基準に保持することが困難な場合がある。蒸着マスク10では、桟部122が枠部121の剛性を高めることにより、マスクフレーム120の平行度を所定の基準に保持することができる。なお、蒸着マスク10のサイズが小さく、枠部121の剛性が十分高い場合には、桟部122を設けなくてもよい。
【0024】
マスクフレーム120は、枠部121と桟部122とが一体化して形成されていてもよく、枠部121と桟部122とが別々に作製され、枠部121と桟部122とが、例えば、溶接などにより接合されて形成されていてもよい。
【0025】
図1Aでは、マスクフレーム120は、桟部122によって12個の開口に区画化されているが、区画化された開口の数は、これに限られない。区画化された開口の数は、被蒸着基板の大きさや蒸着パターンに合わせて適宜決定することができる。また、桟部122の配置は、格子状に限られない。マスクフレーム120が短辺および長辺を有する長方形である場合、短辺よりも長辺で反りまたはねじれが生じやすい。そのため、向かい合う長辺を接続するように桟部122が設けられていることが好ましい。また、桟部122の配置は、蒸着パターンに応じた形状としてもよい。
【0026】
枠部121の幅および桟部122の幅は、蒸着マスク10の大きさに合わせて適宜決定することができる。なお、蒸着パターンの領域をできる限り大きくするため、桟部122の幅は枠部121の幅よりも小さいことが好ましい。
【0027】
マスクフレーム120の厚さは、例えば、10μm以上2000μm以下である。また、マスクフレーム120は、熱膨張係数の小さい材料で形成されることが好ましい。マスクフレーム120は、例えば、鉄およびニッケルを含有するインバーまたは鉄、ニッケル、およびコバルトを含有するスーパーインバーなどの材料で形成されることができる。
【0028】
接続部130は、マスク本体110とマスクフレーム120とを接続することができる。
図1Cに示すように、マスク本体110とマスクフレーム120とは直接接しているが、マスク本体110とマスクフレーム120とは接着または接合されていない。接続部130が、マスク本体110とマスクフレーム120とに接合されることにより、マスク本体110とマスクフレーム120とは、接続部130を介して、接続され、固定されることができる。
【0029】
接続部130は、マスクフレーム120の枠部121または桟部122の側面の少なくとも一部に設けられていればよい。ただし、マスク本体110とマスクフレーム120との接合強度を大きくするため、接続部130は、枠部121または桟部122の側面の1/2以上に設けられていることが好ましく、枠部121または桟部122の側面の全面に設けられていることがさらに好ましい。また、接続部130は、電鋳で用いる材料で形成されることが好ましい。接続部130は、例えば、ニッケルまたはニッケル合金などの材料で形成されることができる。
【0030】
蒸着マスク10では、上述したように、マスク本体110とマスクフレーム120とは直接接しているが、マスク本体110とマスクフレーム120とは直接固定されていない。そのため、マスク本体110とマスクフレーム120とが熱膨張係数の異なる材料であっても、マスク本体110またはマスクフレーム120の応力を分散させることができる。なお、マスク本体110とマスクフレーム120とが直接接しておらず、マスク本体110とマスクフレーム120との間に間隙が設けられていてもよい。この場合においても、マスク本体110またはマスクフレーム120の応力を分散させることができる。
【0031】
以上、本実施形態に係る蒸着マスク10によれば、被蒸着基板と接するマスク本体110の第2面110-2が一様にマスク本体110で構成されているため、段差またはバリを有しない。そのため、被蒸着基板がバリによって傷つけられることがない。したがって、蒸着マスク10を用いて製造された表示装置は、蒸着工程による不良が低減し、歩留まりが向上する。
【0032】
<変形例>
図2Aおよび
図2Bを参照して、本発明の一実施形態に係る蒸着マスク10の変形例である蒸着マスク10Aの構成について説明する。なお、蒸着マスク10Aの構成の説明において、蒸着マスク10と同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0033】
図2Aは、本発明の一実施形態に係る蒸着マスク10Aの平面図である。具体的には、
図1Aは、蒸着マスク10Aのマスク本体110Aの第2面110A-2から眺めた平面図である。また、
図2Bは、本発明の一実施形態に係る蒸着マスク10Aの断面図である。具体的には、
図2Bは、
図2Aに示すB-B’線に沿って切断した蒸着マスクの断面図である。
【0034】
蒸着マスク10Aでは、マスク本体110Aの大きさが、マスクフレーム120の大きさよりも小さい。そのため、マスク本体110Aの第2面110A-2から眺めた平面視において、マスクフレーム120が、マスク本体110Aから露出している。具体的には、マスクフレーム120の枠部121が露出している。換言すれば、マスク本体110Aの第2面110A-2から眺めた平面視において、枠部121の少なくとも一部が、マスク本体110Aによって覆われていないということもできる。
【0035】
上述した蒸着マスク10では、マスク本体110とマスクフレーム120とが接着または接合されていない。蒸着マスク10の外周部においては、マスク本体110と枠部121との間に間隙が露出されているため、外部からの力によってマスク本体110が変形され、またはマスクフレーム120から剥離される場合がある。この現象は、マスク本体110と枠部121とが接着または接合されていない面積が大きくなるほど生じる可能性が高くなる。一方、蒸着マスク10Aでは、蒸着マスク10Aの外周部において、マスク本体110Aと枠部121とが接着または接合されていない面積が小さくなるように、マスク本体110Aが設けられている。そのため、マスク本体110Aが変形され、またはマスクフレーム120から剥離される現象が生じにくい。
【0036】
以上、本実施形態の変形例に係る蒸着マスク10Aによれば、被蒸着基板と接するマスク本体110Aの第2面110A-2にバリを有しない。そのため、被蒸着基板がバリによって傷つけられることがない。また、マスク本体110Aが、マスクフレーム120よりも小さくなるように設けられているため、蒸着マスク10Aの外周部において、マスク本体110Aが変形され、またはマスクフレーム120から剥離されにくい。したがって、蒸着マスク10Aを用いて製造された表示装置は、蒸着工程による不良が低減し、歩留まりが向上する。
【0037】
<第2実施形態>
図3A~
図3Gを参照して、本発明の一実施形態に係る蒸着マスク10の製造方法について説明する。
【0038】
図3A~
図3Gは、本発明の一実施形態に係る蒸着マスク10の製造方法を示す断面図である。
【0039】
【0040】
まず、
図3Aに示すように、支持基板210の第1面210-1上に金属層220を形成し、金属層220上に所定のパターンを有するフォトレジスト層230を形成する。
【0041】
支持基板210は、蒸着マスク10の製造工程において、各層を支持することができる。そのため、支持基板210は、剛性基板であることが好ましい。蒸着マスク10の製造工程には、支持基板210を加熱する工程が含まれる。加熱処理によって支持基板210が膨張または縮小すると、支持基板210上に形成されるフォトレジスト層230の位置ズレが生じるだけでなく、応力によって剥離される場合もある。そのため、蒸着マスク10の製造工程を安定させるためにも、支持基板210は、熱膨張係数が小さい剛性基板であることがさらに好ましい。支持基板210の材料としては、例えば、ステンレス(SUS304またはSUS430など)、42アロイ、インバー、スーパーインバー、またはステンレスインバーなどである。
【0042】
金属層220は、第1電鋳工程における下地金属として機能することができる。金属層220の材料としては、例えば、ニッケルまたはニッケル合金である。金属層220は、スパッタリングなどによって形成することができる。
【0043】
なお、金属層220は、最終的には分離されて除去される。そのため、金属層220を分離させやすくするために、金属層220上に剥離層が設けられてもよい。この場合、剥離層を剥離することで、金属層220を容易に分離することができる。また、剥離層自身が導電性を有していてもよい。
【0044】
蒸着マスク10は、電鋳ではなく、無電解メッキを用いて製造することもできる。この場合、金属層220の代わりに、絶縁層を用いることもできる。
【0045】
フォトレジスト層230は、第1電鋳工程におけるマスクとして機能することができる。フォトレジスト層230は、所定の膜厚を有するように、金属層220上に1つまたは複数の感光性ドライフィルムレジストを配置し、熱圧着によって形成される。感光性ドライフィルムレジストは、ポジ型またはネガ型のいずれであってもよい。なお、以下では、感光性ドライフィルムがネガ型であるとして説明する。
【0046】
フォトレジスト層230は、蒸着マスク10のマスク本体110の開口パターンに対応するパターンを有する。フォトレジスト層230のパターンは、フォトリソグラフィーにより形成することができる。すなわち、フォトレジスト層230のパターンは、ドライフィルムレジストにフォトマスクを密着させ、紫外線を照射してドライフィルムを露光し、未露光部分を溶解除去することによって形成することができる。
【0047】
次に、
図3Bに示すように、フォトレジスト層230をマスクとして、第1メッキ層240を形成する。第1メッキ層240は、電鋳により形成することができる。具体的には、金属層220およびフォトレジスト層230を所定の条件に建浴した電鋳漕に入れ、フォトレジスト層230に覆われていない金属層220の表面から、フォトレジスト層230の膜厚を超えない程度の高さまで金属メッキを形成する。第1メッキ層240の材料としては、例えば、ニッケルまたはニッケルおよびコバルトの合金などである。
【0048】
次に、
図3Cに示すように、フォトレジスト層230を剥離する。フォトレジスト層230は、例えば、アミン系の剥離液によって剥離することができる。
【0049】
フォトレジスト層230を剥離する前に、電鋳によって形成された第1メッキ層240を研磨してよい。第1メッキ層240を研磨することにより、第1メッキ層240の表面を平坦化することができる。
【0050】
なお、第1メッキ層240は、蒸着マスク10のマスク本体110に対応する。そのため、以下では、便宜上、第1メッキ層240をマスク本体110として説明する。
【0051】
図3Dおよび
図3Eは、マスクフレーム密着工程を説明する図である。
【0052】
図3Dに示すように、マスク本体110の開口領域111上に、保護層250を形成する。保護層250は、後述の工程によって発生するパーティクルが開口領域111の開口113に入り込み、開口113が塞がれることを防止することができる。また、保護層250は、後述する第2電鋳工程におけるマスクとして機能することができる。
【0053】
保護層250は、フォトレジスト層230と同様の材料を用いることができる。また、保護層250は、フォトレジスト層230と同様の方法で形成することができる。
【0054】
次に、
図3Eに示すように、マスク本体110上に、マスクフレーム120を配置する。マスクフレーム120は、枠部121および桟部122がマスク本体110の開口領域111と重畳しないように配置される。すなわち、マスクフレーム120は、マスク本体の非開口領域112上に配置される。また、支持基板210の第2面210-2に仮固定具260を配置する。マスクフレーム120および仮固定具260を配置する順序は特に限定されない。マスクフレーム120を配置した後に仮固定具260を配置してもよく、仮固定具260を配置した後にマスクフレーム120を配置してもよい。
【0055】
仮固定具260は、磁力によって、マスクフレーム120をマスク本体110に密着させることができる。そのため、仮固定具260は、強磁性体を含む。強磁性体として、例えば、サマリウムおよびコバルトを含有するサマリウムコバルト磁石、鉄、ニッケル、およびコバルトを含有するアルニコ磁石、またはネオジム、鉄、およびホウ素を含有するネオジム磁石などを用いることができる。また、仮固定具260は、フェライト磁石、電磁石、またはプラスチック磁石などを用いることもできる。
【0056】
仮固定具260は、平坦面である支持基板210の第2面210-2に配置されることから、仮固定具260の形状は、支持基板210の第2面210-2と密着できるように平板状であることがことが好ましい。ただし、仮固定具260は、平板状に限られない。仮固定具260は、支持基板210の第2面210-2の形状に沿った形状であればよい。
【0057】
仮固定具260の大きさは、特に限定されない。仮固定具260の大きさは、マスク本体110およびマスクフレーム120の大きさを考慮して適宜決定することができる。仮固定具260は、マスク本体110またはマスクフレーム120よりも大きくてもよく、小さくてもよい。ただし、マスク本体110とマスクフレーム120の枠部121とが密着できるように、仮固定具260は、マスク本体110を挟んで、少なくともマスクフレーム120の枠部121と重畳することが好ましい。
【0058】
仮固定具260の磁力を調整する場合、支持基板210と仮固定具260との間に、支持基板210と仮固定具260との距離を調整するスペーサーが配置されていてもよい。スペーサーは、平板状、棒状、または球状など、様々な形状が可能である。ただし、スペーサーは、支持基板210の第2面210-2内において、支持基板210と仮固定具260とが一定の距離を保持するように配置されることができることが好ましい。また、スペーサーは、金属であってもよく、絶縁体であってもよい。なお、スペーサーは、仮固定具260に設けられていてもよい。
【0059】
【0060】
図3Fに示すように、マスク本体110とマスクフレーム120とを接続する第2メッキ層270を形成する。第2メッキ層270は、金属層220またはマスクフレーム120に通電する電鋳によって形成することができる。第2メッキ層270は、第1メッキ層240と同様の方法で形成することができる。
【0061】
第2メッキ層270は、マスク本体110の非開口領域112上に設けられ、マスク本体110とマスクフレーム120の側面とを接続する。すなわち、第2メッキ層270は、蒸着マスク10の接続部130に対応する。そのため、以下では、便宜上、第2メッキ層270を接続部130として説明する。
【0062】
【0063】
図3Gに示すように、保護層250を剥離する。保護層250は、フォトレジスト層230と同様の方法で剥離することができる。
【0064】
次に、
図3Hに示すように、マスク本体110から、支持基板210、金属層220、および仮固定具260を分離する。始めに、支持基板210から仮固定具260を分離する。仮固定具260は、磁力によって支持基板210に固定されているのみである。そのため、仮固定具260に物理的な力を加え、支持基板210から引き離すことにより、仮固定具260は、容易に支持基板210から分離することができる。また、仮固定具260を分離した後、マスク本体110から支持基板210および金属層220を分離する。支持基板210および金属層220は、同時に分離されてもよく、支持基板210を分離した後、金属層220が分離されてもよい。
【0065】
以上の工程により、マスクフレーム120および接続部130がマスク本体110と重畳する蒸着マスク10を作製することができる。
【0066】
なお、蒸着マスク10の製造方法における工程の順序は、上述したものに限られない。例えば、
図3Dに示した保護層250の形成は、
図3Eに示したマスクフレーム120をマスク本体に密着させた後に行ってもよい。また、
図3Gに示した保護層250の剥離は、
図3Hに示した支持基板210の分離後に行ってもよい。
【0067】
ここで、比較のために、
図5A~
図5Eを参照して、従来の蒸着マスク30の製造方法について説明する。蒸着マスク30は、マスク本体310、マスクフレーム320、および接続部330を含む。なお、従来の蒸着マスク30の製造方法の説明において、蒸着マスク10の製造方法と同様の工程については説明を省略する場合がある。
【0068】
図5A~
図5Eは、従来の蒸着マスク30の製造方法を示す断面図である。
【0069】
図5Aおよび
図5Bは、マスクフレーム密着工程を説明するずである。
【0070】
図5Aに示すように、マスク本体310の開口領域311上に、保護層250を形成する。マスク本体310は、開口領域311だけでなく、非開口領域312にも開口が設けられている。開口領域311の開口は、保護層によって覆われる。一方、非開口領域312の開口は、保護層250によって覆われていない。マスク本体310は、支持基板210および金属層220を用いて、マスク本体110と同様に形成することができるため、ここでは説明を省略する。
【0071】
次に、
図5Bに示すように、マスク本体310の非開口領域312上、接着層280を設け、接着層280上にマスクフレーム320を接着する。接着層280は、後述の工程で除去されるため、完全に硬化されなくてもよい。接着層280の材料としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シアノアクリレート樹脂、またはアクリル樹脂などを用いることができる。また、接着層280の材料としては、ドライフィルムレジストを用いることもできる。接着層280の材料としてドライフィルムレジストを用いる場合、ドライフィルムレジストを弱く露光しておいてもよい。ドライフィルムレジストを露光しておくことで、後述する工程においてドライフィルムレジストを除去しやすくすることができる。
【0072】
【0073】
図5Cに示すように、マスク本体310とマスクフレーム320とを接続する第2メッキ層290を形成する。第2メッキ層290は、蒸着マスク10の第2メッキ層270と同様に形成することができる。第2メッキ層290は、非開口領域312の開口を埋めるように設けられるため、第2メッキ層290は、金属層220と接する。また、第2メッキ層290は、マスク本体310の非開口領域312の上面および側面と、マスクフレーム320とを接続する。すなわち、第2メッキ層290は、蒸着マスク30の接続部330に対応する。そのため、以下では、便宜上、第2メッキ層290を接続部330として説明する。
【0074】
【0075】
【0076】
次に、
図5Eに示すように、支持基板210および金属層220を分離する。金属層220の分離において、マスクフレーム320と重畳する金属層220の領域では、金属層220だけでなく、マスク本体310の一部および接着層280も剥離される。その結果、マスクフレーム320の下方に間隙340が形成されるが、マスク本体310と融着していた接続部330が破壊(例えば、せん断破壊など)されると、バリ331が発生する。また、金属層220とマスク本体310との間隙に接続部330が形成されている場合もあり、この場合も同様に、バリ331が発生する。バリ331は、金属層220の剥離とともに形成されるため、バリ331はマスク本体310の第2面310-2に突出して形成される。
【0077】
バリ331が発生すると、蒸着マスク30を被蒸着基板に密着させることができない。この場合、蒸着マスク30と被蒸着基板との間に間隙が生じるため、被蒸着基板の蒸着パターンは、蒸着マスク30の開口パターンよりも幅が大きなものとなる。その結果、表示装置の画素間の混色や発光ボケなどの問題が発生する。
【0078】
一方、本実施形態に係る蒸着マスク10の製造方法では、金属層220の剥離する際に、マスク本体110を剥離しない。そのため、蒸着マスク10では、従来の蒸着マスク30で形成されていたバリ331が形成されない。
【0079】
以上、本実施形態に係る蒸着マスク10の製造方法によれば、被蒸着基板と接するマスク本体110の第2面110-2にバリが形成されない。そのため、被蒸着基板がバリによって傷つけられることがない。したがって、蒸着マスク10を用いて製造された表示装置は、蒸着工程による不良が低減し、歩留まりが向上する。
【0080】
<変形例>
仮固定具260は、マスク本体110またはマスクフレーム120とほぼ同じ大きさの平板状に限られない。以下では、
図4A~
図4Cを参照して、仮固定具260の形状のいくつかの例について説明する。
【0081】
図4Aは、本発明の一実施形態に係る蒸着マスク10の製造方法で用いる仮固定具260Aの平面図である。
【0082】
仮固定具260Aは、マスクフレーム120の形状に対応する形状を有し、第1固定部261Aおよび第2固定部262Aを含む。すなわち、仮固定具260Aは、マスクフレーム120の枠部121を固定する(枠部121をマスク本体110に密着させる)第1固定部261Aおよびマスクフレーム120の桟部122を固定する(桟部122をマスク本体に密着させる)第2固定部262Aを含む。また、仮固定具260Aは、格子状に配置された第2固定部262Aによって区画化された開口263Aを含む。
【0083】
仮固定具260Aの第1固定部261Aおよび第2固定部262Aの各々の幅は、マスクフレーム120の枠部121および桟部122の幅と同じであってもよく、小さくてもよく、または大きくてもよい。また、仮固定具260Aの第2固定部262Aの数は、マスクフレーム120の桟部122の数と同じであってもよく、少なくてもよく、または多くてもよい。
【0084】
また、支持基板210の第2面に、仮固定具260Aの形状に対応する溝を設け、仮固定具260Aが嵌合するようにしてもよい。この場合、支持基板210に対して仮固定具260Aの位置が固定されるため、マスクフレーム120の位置合わせが安定する。
【0085】
本変形例に係る仮固定具260Aによれば、マスクフレーム120の形状に合わせて磁力を発生させることができるため、マスクフレーム120とマスク本体110とを安定して密着させることができる。
【0086】
図4Bは、本発明の一実施形態に係る蒸着マスク10の製造方法で用いる仮固定具260Bの平面図である。
【0087】
仮固定具260Bは、複数に分割された第1固定部261Bおよび第2固定部262Bを含む。第1固定部261Bの形状は、第2固定部262Bの形状と異なっていてもよい。
【0088】
第2固定部262Bの形状は、矩形に限られない。第2固定部262Bの形状は、円形、楕円形、または多角形などであってもよい。また、第2固定部262Bは、全てが同じ形状ではなく、異なる形状が含まれていてもよい。
【0089】
また、仮固定具260Bの第1固定部261Bおよび第2固定部262Bならびに第2固定部262B同士は、同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。第1固定部261Bまたは第2固定部262Bを異なる材料とすることで、磁力を調整することができる。
【0090】
第2固定部262Bは、マスクフレーム120の桟部122と重畳して配置されることが好ましいが、第2固定部262Bの配置はこれに限られない。第2固定部262Bは、第1固定部261Bと一体化していないため、マスクフレーム120とマスク本体110との密着状態に応じて、自由に配置することができる。
【0091】
本変形例に係る仮固定具260Bによれば、仮固定具260Bの第1固定部261Bを用いて、マスクフレーム120の枠部121をマスク本体110と密着させることができる。その上で、仮固定具260Bの第2固定部262Bを用いて、マスクフレーム120の桟部122とマスク本体110との密着状態のばらつきを調整することができる。
【0092】
図4Cは、本発明の一実施形態に係る蒸着マスク10の製造方法で用いる仮固定具260Cの平面図である。
【0093】
仮固定具260Cは、複数に分割された第1固定部261Cおよび第2固定部262Cを含む。第1固定部261Cの形状は、第2固定部262Cの形状と異なっていてもよい。また、第1固定部261Cおよび第2固定部262Cならびに第2固定部262C同士は、連結部264Cによって連結されている。
【0094】
連結部264Cは、第1固定部261Cまたは第2固定部262Cを連結することができればよく、第1固定部261Cおよび第2固定部262Cの材料と異なっていてもよい。連結部264Cの材料は、金属または樹脂などを用いることができる。また、連結部264Cは、バネまたはスプリングのような弾性体を用いることもできる。連結部264Cが弾性体である場合、第2固定部262Cの配置を調整することができる。
【0095】
本変形例に係る仮固定具260Cによれば、第1固定部261Cおよび第2固定部262Cが連結部264Cによって連結されているため、マスクフレーム120とマスク本体110とを安定して密着させることができる。その上で、第2固定部262Cの配置を調整することで、マスクフレーム120の桟部122とマスク本体110との密着状態のばらつきを微調整することができる。
【0096】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除または設計変更を行ったもの、もしくは、工程の追加、省略または条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0097】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0098】
10、10A:蒸着マスク、 110、110A:マスク本体、 110-1:第1面
110-2、110A-2:第2面、 111:開口領域、 112:非開口領域、 113:開口、 120:マスクフレーム、 121:枠部、 122:桟部、 130:接続部、210:支持基板、 210-1:第1面、210-2:第2面、 220:金属層、 230:フォトレジスト層、 240:第1メッキ層、 250:保護層、 260、260A、260B、260C:仮固定具、 261A、261B、261C:第1固定部、 262A、262B、262C:第2固定部、 263A:開口、 264C:連結部、 270:第2メッキ層、 30:蒸着マスク、 280:接着層 、290:第2メッキ層 、310:マスク本体、 310-2:第2面、 311:開口領域、 312:非開口領域、 320:マスクフレーム、 330:接続部、 331:バリ、 340:間隙