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特許7606366トレーニング補助装置、及びトレーニング補助システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】トレーニング補助装置、及びトレーニング補助システム
(51)【国際特許分類】
   A63B 21/072 20060101AFI20241218BHJP
   A63B 21/078 20060101ALI20241218BHJP
   A63B 24/00 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
A63B21/072 B
A63B21/078
A63B24/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021035202
(22)【出願日】2021-03-05
(65)【公開番号】P2022135414
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100217021
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 進吾
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】松葉 一寛
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-179066(JP,A)
【文献】特開平7-241354(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0046830(US,A1)
【文献】米国特許第6280361(US,B1)
【文献】米国特許第4998721(US,A)
【文献】特開2020-179166(JP,A)
【文献】特開2011-251067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00-26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトを吊る吊り部材と、
前記吊り部材を動作させることによって前記シャフトを動作させる駆動装置と、
前記シャフトの周囲で発せられた音声が集音される集音装置と、
を備え、
前記駆動装置は、前記集音装置で集音された音声に基づいて前記シャフトを動作させ、
前記集音装置は、前記吊り部材における前記シャフトの周囲を囲んでいる部分に配置さ
れている、
トレーニング補助装置。
【請求項2】
シャフトを吊る吊り部材と、
前記吊り部材を動作させることによって前記シャフトを動作させる駆動装置と、
前記シャフトの周囲で発せられた音声が集音される集音装置と、
を備え、
前記駆動装置は、前記集音装置で集音された音声に基づいて前記シャフトを動作させ、
前記吊り部材は、前記駆動装置に引き込まれる索を有し、
前記駆動装置は、前記索の前記駆動装置からの送出量を制御すること、及び前記索に掛
かる引張力を制御することにより前記シャフトを動作させる、
トレーニング補助装置。
【請求項3】
シャフトを吊る吊り部材と、
前記吊り部材を動作させることによって前記シャフトを動作させる駆動装置と、
前記シャフトの周囲で発せられた音声が集音される集音装置と、
を備え、
前記駆動装置は、前記集音装置で集音された音声に基づいて前記シャフトを動作させ、
前記駆動装置は、予め定められた複数の文言のそれぞれに別々に対応した複数の動作を
前記シャフトに行わせる、
トレーニング補助装置。
【請求項4】
前記吊り部材は、一対の支持部を有しており、
一対の前記支持部は、前記シャフトの長手方向に間隔をあけて前記シャフトを支持して
いる、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のトレーニング補助装置。
【請求項5】
管理インターフェイス装置と、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のトレーニング補助装置と、
を備え、
前記管理インターフェイス装置と前記トレーニング補助装置とは、互いに通信可能に接
続され、
前記管理インターフェイス装置は、前記トレーニング補助装置の状態を示す表示装置を
有している、トレーニング補助システム。
【請求項6】
前記管理インターフェイス装置は、前記トレーニング補助装置に対する指令が入力され
る入力装置を備え、
前記駆動装置は、前記入力装置により入力された指令に基づいて、前記シャフトを動作
させる、
請求項に記載のトレーニング補助システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、筋力トレーニングにおけるトレーニング補助装置、及びトレーニング補助システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トレーニー自身の脚でフットプレス台を押すことで、トレーニーの手と腕とに掛かっているトレーニング負荷を軽減することができるベンチプレス用のトレーニング補助装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-236009号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のベンチプレス用のトレーニング補助装置では、トレーニーの手と腕とに掛かっているトレーニング負荷の大きさ、トレーニーの疲労度、又はトレーニーの脚の状態によって、トレーニー自身の脚力にてトレーニーの手と腕に掛かっているトレーニング負荷を十分に軽減することができないという問題があった。
【0005】
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、トレーニーの要望に基づき、トレーニーの手と腕とに掛かっているトレーニング負荷をより確実に軽減することができるトレーニング補助装置、及びトレーニング補助システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るトレーニング補助装置は、シャフトを吊る吊り部材と、吊り部材を動作させることによってシャフトを動作させる駆動装置と、シャフトの周囲で発せられた音声が集音される集音装置と、を備え、駆動装置は、集音装置で集音された音声に基づいてシャフトを動作させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るトレーニング補助装置、及びトレーニング補助システムによれば、トレーニーの要望に基づき、トレーニーの手と腕とに掛かっているトレーニング負荷をより確実に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1によるトレーニング補助装置を示す概略図である。
図2図1の駆動装置の機能を示す概略図である。
図3】実施の形態1によるトレーニング補助装置の使用態様を示す概略図である。
図4図3のトレーニング補助装置のIV-IV視野からみた概略図である。
図5図1の支持部のシャフトを支持する様態を示す斜視図である。
図6】実施の形態1によるトレーニング補助装置の異なる使用態様を示す概略図である。
図7】実施の形態1の変形例1におけるトレーニング補助装置の使用様態を示す概略図である。
図8】実施の形態2によるトレーニング補助システムを示す概略図である。
図9図8の駆動装置の機能を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるトレーニング補助装置を示す概略図である。トレーニング補助装置1は、吊り部材10と、駆動装置20と、一対の集音装置である一対のマイクロフォン30と、架設具40とを備えている。トレーニング補助装置1は、図示しないトレーニング器具のシャフトを動作させる。
【0010】
吊り部材10は、一対の索11と、一対の索11のそれぞれに1個ずつ設けられた一対の支持部12と、一対の支持部12のそれぞれに1個ずつ設けられた接続具13と、を有している。それぞれの索11の先端部には、支持部12が設けられている。それぞれの索11の先端部とは反対側の端部である基端部は、駆動装置20に接続されている。それぞれの索11は、個別に駆動装置20に巻き取られることで、駆動装置20に引き込まれる。索11の形状は、帯状の形状である。
【0011】
支持部12は、図示しないシャフトを支持する部分である。それぞれの支持部12には、接続具13が設けられている。それぞれの接続具13は、互いに嵌り合い固定することができる、雄ボタン13a、及び雌ボタン13bを有している。支持部12は、索11と同一の材料から構成されている。また、支持部12の断面形状は、索11の断面形状と同一となっている。また、支持部12は、索11と一体に形成されている。
【0012】
支持部12において、雄ボタン13aは、雌ボタン13bよりも支持部12の先端側に設けられている。雌ボタン13bは、支持部12の先端部が折り返され、雄ボタン13aに対応する位置に設けられている。支持部12において、雄ボタン13aと雌ボタン13bとの間には、マイクロフォン30が設置されている。
【0013】
なお、マイクロフォン30は、一対でなくてもよい。マイクロフォン30の数は、例えば、1個であってもよい。この場合には、マイクロフォン30は、一対の索11のうちいずれか一方のみに設置される。
【0014】
駆動装置20は、駆動装置20に接続されたそれぞれの索11を動作させることができる。それぞれの索11を動作させることによって、駆動装置20は、吊り部材10を介してシャフトを動作させることができる。
【0015】
それぞれのマイクロフォン30は、駆動装置20と有線又は無線にて接続されている。それぞれのマイクロフォン30には、マイクロフォン30の周囲の音声が集音される。集音された音声は、音声信号として駆動装置20に入力される。
【0016】
架設具40は、吊り部材10を支持する。架設具40には、複数の滑車41が設けられている。一対の索11のそれぞれは、複数の滑車41に沿うように配置されている。
【0017】
図2は、図1の駆動装置の機能を示す概略図である。駆動装置20は、制御部21と、駆動部22と、検出部23と、記憶部24と、手動操作部25とを有している。
【0018】
制御部21は、図示しない音声解析部を有している。制御部21は、マイクロフォン30から入力された音声信号を、音声解析部で解析する。制御部21は、音声信号の解析結果を制御に用いる。入力された音声信号が予め設定されていた文言と一致したと制御部21によって判断された場合、制御部21は、その文言に対応して駆動部22を制御する。即ち、制御部21は、マイクロフォン30から入力された音声信号を指令として認識することができる。
【0019】
駆動部22は、例えば、モータ、歯車、プーリーといった図示しない機械機構を有している。駆動部22は、一対の索11のそれぞれに対して駆動装置20からの送り出し、及び駆動装置20への引き込みを実施すること、及び一対の索11のそれぞれに任意の引張力を付与することができる。これにより、駆動装置20は、それぞれの索11を動作させることができる。
【0020】
検出部23は、図示されていない送出量検出機構と引張力検出機構とを有している。送出量検出機構は、それぞれの索11について、索11の駆動装置20から送り出された量である送出量を常に検出する機構である。引張力検出機構は、それぞれの索11に掛かる引張力を常に検出する機構である。送出量検出機構と引張力検出機構とは、従来周知な機器により構成される。
【0021】
検出部23により検出された索11の送出量、及び索11に掛かる引張力は、常に制御部21に出力される。制御部21は、検出部23から入力された索11の送出量、及び索11に掛かる引張力に基づいて、駆動部22を制御する。
【0022】
記憶部24には、制御部21が駆動部22を制御するために必要な各種設定値といった情報が記憶されている。
【0023】
手動操作部25は、駆動装置20を手動で操作するための各種操作ボタン、設定値を入力するためのテンキーといった入力装置を有している。入力装置によって手動操作部25に入力された操作情報は、制御部21に出力される。制御部21は、入力された手動操作部25からの操作情報に基づき、駆動装置20の制御を実施する。
【0024】
次に、駆動装置20の動作について説明する。駆動装置20は、複数の種類の動作を実施することができる。それぞれの動作は、それぞれの動作に対応する制御ロジックに基づいて制御部21が駆動部22を制御することで実施される。それぞれの制御ロジックは、事前に記憶部24に記憶されている。
【0025】
駆動装置20は、駆動装置20に入力された音声信号が予め定められた文言と合致した場合に、その音声に対応する動作を実施する。駆動装置20には、複数の文言が予め定められている。駆動装置20は、予め定められた複数の文言のそれぞれに対応して、別々の動作を実施する。
【0026】
駆動装置20は、一対の索11を動作させることで、吊り部材10を動作させる。ここでは、駆動装置20の動作として、「通常」動作、「STOP」動作、「UP」動作、及び「DOWN」動作といった動作について説明する。
【0027】
「通常」動作では、駆動装置20は、一対の索11のそれぞれがたわまないように、各索11を操作する。「通常」動作では、制御部21は、それぞれの索11が通常引張力を付与されるように、駆動部22を制御する。通常引張力とは、それぞれの索11において、索11と、索11に設けられた支持部12と、支持部12に設けられた接続具13と、マイクロフォン30とに掛かる重力と釣り合う引張力である。
【0028】
通常引張力は、索11の送出量により変化する。そのため、トレーニング補助装置1の使用者は、トレーニング補助装置1の設置時といった初期段階で、通常引張力を駆動装置20に記憶させる。具体的には、架設具40と駆動装置20とが設定された位置に設置され、駆動装置20に接続された吊り部材10が架設具40に支持され、各索11に設けられた支持部12に接続具13およびマイクロフォン30が設置された状態で、使用者は、通常引張力を決定する。
【0029】
通常引張力の決定するためには、まず、使用者は、それぞれの支持部12が床面に届くまで索11を引き出す。次いで、使用者は、手動操作部25にて駆動装置20を操作して、それぞれの索11を駆動装置20に引き込む動作を実施させる。
【0030】
制御部21は、索11を引き込む動作をするように駆動部22を制御する。索11を引き込む動作は、索11を一定長さ引き込む動作と、索11の引き込みを停止している動作とを交互に繰り返す動作である。索11を引き込む動作を実施している間に、制御部21は、検出部23で検出された索11の送出量と索11に掛かる引張力とに基づいて、それぞれの索11の送出量に対応した通常引張力を算出する。制御部21は、決定した通常引張力を、記憶部24に記憶する。
【0031】
制御部21は、それぞれの索11に対して記憶された通常引張力に基づいた引張力を付与するように駆動部22を制御する。これにより、駆動装置20の「通常」動作が実施される。
【0032】
なお、使用者は、上述の通り、通常引張力を決定する際に、それぞれの支持部12が床面に届くまで索11を引き出している。使用者は、この時の、それぞれの索11の送出量を床面送出量として記憶部24に記憶させる。なお、床面送出量に基づいた制御については後述する。
【0033】
駆動装置20は、常に「通常」動作を実施している。駆動装置20は、以下に説明する「STOP」動作、「UP」動作、及び「DOWN」動作の実施の指令が入った場合、「通常」動作に代えてそれぞれの指令に対応する動作を実施する。
【0034】
「STOP」動作では、駆動装置20は、吊り部材10を駆動装置20から送り出されないようにし、かつ吊り部材10を駆動装置20に引き込まれないようするようにそれぞれの索11を動作させる。
【0035】
「STOP」動作は、マイクロフォン30から駆動装置20に入力された音声信号が「STOP」であると制御部21が判断した場合に実施される。制御部21は、駆動部22を制御して、駆動装置20に「STOP」動作を実施させる。
【0036】
「STOP」動作では、制御部21は、一対の索11のそれぞれについての駆動装置20からの送り出し、及び駆動装置20への引き込みを停止するように駆動部22を制御する。「STOP」動作を終了するという指令を駆動装置20が受けるまで、駆動装置20は、継続して「STOP」動作を実施している。即ち、「STOP」動作中には、それぞれの索11の送出量は、維持されており、それぞれの索11は、その場で停止している。
【0037】
「UP」動作では、駆動装置20は、まず、それぞれの索11の送出量が停止送出量に達するまでそれぞれの索11を駆動装置20に引き込み、その後、それぞれの索11の送出量が停止送出量と等しくなるようにそれぞれの索11を停止させる。それぞれの索11の停止送出量は、トレーニング補助装置1に対して実施するティーチング操作の際に設定される。ティーチング操作については、後述する。
【0038】
なお、「UP」動作開始時にそれぞれの索11の送出量が停止送出量に既に達している場合又は停止送出量を越している場合には、それぞれの索11の送出量は「UP」動作開始時の送出量と等しい送出量に維持され、それぞれの索11はその場で停止している。
【0039】
「UP」動作は、マイクロフォン30から駆動装置20に入力された音声信号が「UP」であると制御部21が判断した場合に実施される。制御部21は、駆動部22を制御して、駆動装置20に「UP」動作を実施させる。
【0040】
「UP」動作では、制御部21は、まず、それぞれの索11をUP速度にて駆動装置20に引き込むように駆動部22を制御する。UP速度は、事前に手動操作部25から入力され、記憶部24に記憶されている。UP速度は、特に限定されるものではないが、本実施の形態1では索11を1秒間に3cmの速さで駆動装置20に引き込む速度とする。
【0041】
なお、それぞれの索11の送り出し及び引き込み速度は、検出部23から制御部21に入力されるそれぞれの索11の送出量に基づいて算出される。制御部21は、それぞれの索11の送り出し及び引き込み速度が目標の速度となるように、駆動部22を制御する。
【0042】
それぞれの索11を駆動装置20に引き込んでいる間、制御部21は、入力されるそれぞれの索11の送出量が予め設定された停止送出量に達したか否かを判断している。それぞれの索11の送出量が予め設定された停止送出量に達した場合、制御部21は、それぞれの索11の駆動装置20からの送り出し及び駆動装置20への引き込みを停止するように駆動部22を制御する。
【0043】
即ち、「UP」動作においてそれぞれの索11の送出量が予め設定された停止送出量に達した場合、駆動装置20は、「UP」動作の一環として「STOP」動作と同様の動作を実施する。「UP」動作の終了指令を駆動装置20が受けるまで、駆動装置20は、継続して「UP」動作を実施する。「UP」動作中では、最終的に、それぞれの索11の送出量は、停止送出量に等しい送出量に維持され、それぞれの索11はその場で停止している。
【0044】
「DOWN」動作では、駆動装置20は、それぞれの索11を駆動装置20から送り出す。
【0045】
「DOWN」動作は、マイクロフォン30から駆動装置20に入力された音声信号が「DOWN」であると制御部21が判断した場合に実施される。制御部21は、駆動部22を制御して、駆動装置20に「DOWN」動作を実施させる。
【0046】
「DOWN」動作では、制御部21は、駆動部22を制御して、一対の索11のそれぞれを徐々に駆動装置20から送り出す。この時の索11の送り出し速度をDOWN速度とする。
【0047】
DOWN速度は、事前に手動操作部25から入力され、記憶部24に記憶されている。DOWN速度は、特に限定されるものではないが、本実施の形態1では、索11を1秒間に3cmの速さで駆動装置20から索11を送り出す速度とする。
【0048】
それぞれの索11について、送り出しを続け送出量が床面送出量に達した場合、制御部21は、索11の送り出しを停止するように駆動部22を制御する。なお、それぞれの索11の送出量が床面送出量に達した場合、駆動装置20は、「DOWN」動作を終了し、「通常」動作を実施する。床面送出量は、前述したように、通常引張力の決定の際に、記憶部24に記憶されている。
【0049】
駆動装置20の「STOP」動作、「UP」動作、及び「DOWN」動作を終了もしくは中断する場合には、例えば、「終了」という音声信号を制御部21に入力する。制御部21が入力された音声信号が「終了」であると判断した場合、制御部21は、駆動装置20に「通常」動作を実施させるように駆動部22を制御する。
【0050】
次に、本実施の形態1によるトレーニング補助装置1の使用方法を説明する。図3は、実施の形態1によるトレーニング補助装置の使用態様を示す概略図である。図4は、図3のトレーニング補助装置のIV-IV視野からみた概略図である。
【0051】
トレーニング補助装置1は、トレーニング器具300を使用したトレーニー310のトレーニングを補助するものである。図3及び図4にあるようにトレーニング補助装置1は、トレーニング器具300に対して用いられる。
【0052】
実施の形態1において、トレーニング器具300は、1本のシャフト301と、シャフト301の両端に設けられた一対のウエイト302と、ベンチ303と、一対のシャフト保持台304とを有している。トレーニングを実施するトレーニー310は、ベンチ303に仰向けに横たわり、シャフト301を両手で持つ。トレーニー310は、シャフト301を上下に動かすことで、いわゆるベンチプレストレーニングを実施する。
【0053】
トレーニング器具300は、従来から使用されているものである。一対のウエイト302を両端に設けた1本のシャフト301を使用したベンチプレストレーニングでは、トレーニー310は、シャフト301の左右の微妙なバランスを保ちながらトレーニングを実施する。
【0054】
これにより、1本のシャフトを使ったベンチプレストレーニングでは、トレーニー310は、上半身の左右の筋肉に対して統合的なトレーニングを実施することができる。従って、トレーニー310は、トレーニー310自身の上半身の左右の筋肉に対してバランスの取れたトレーニングを実施することができる。
【0055】
トレーニング補助装置1は、トレーニング器具300の傍らに設置されている。架設具40は、ベンチ303に横たわるトレーニー310の頭側に設置されている。吊り部材10は、滑車41に沿って配置される。
【0056】
この状態で、まず、トレーニング補助装置1に対してティーチング操作を実施する。ティーチング操作では、「UP」動作における停止送出量を記憶部24に記憶させる。具体的には、トレーニー310は、一対の索11が所望の位置まで送り出されるように手動操作部25を介して駆動装置20を操作する。所望の位置に一対の索11が送り出されたところで、トレーニー310は、この時の送出量を、停止送出量とするように、駆動装置20を操作する。制御部21は、この時の送出量を停止送出量として記憶部24に記憶する。
【0057】
ティーチング操作の後、トレーニー310は、吊り部材10にてシャフト301を吊る。一対の支持部12は、シャフト301の長手方向に間隔をあけてシャフト301を支持している。
【0058】
図5は、図1の索の先端部にてシャフトを支持する様態を示す斜視図である。図5の左側は、シャフト301を支持部12が支持する前の状態を示している。図5の右側は、シャフト301を支持部12が支持した後の状態を示している。
【0059】
それぞれの支持部12において、トレーニー310は、支持部12の雄ボタン13aと雌ボタン13bとの間の部分を折り返し、支持部12の折り返された部分にシャフト301を挟み込む。シャフト301が挟み込まれた後に、トレーニー310は、雄ボタン13aと雌ボタン13bとを互いに嵌め合わせる。これにより、支持部12にてシャフト301が支持される。即ち、シャフト301と吊り部材10とが互いに接続され、吊り部材10は、シャフト301を吊ることができる。
【0060】
吊り部材10とシャフト301との接続が解除されないように、支持部12とシャフト301とは、図示しない留め具によりさらに固定されてもよい。支持部12にはマイクロフォン30が設けられているため、マイクロフォン30は、索11におけるシャフト301の周囲を囲んでいる部分に設けられる。このため、マイクロフォン30は、シャフト301上に位置している。マイクロフォン30には、シャフト301の周囲で発せられた音声が集音される。
【0061】
吊り部材10とシャフト301とを互いに接続させる作業は、シャフト301を一対のシャフト保持台304に保持させている状態で実施することがよい。シャフト301の両端には、トレーニー310に適した一対のウエイト302を設置されている。なお、一対のウエイト302のシャフト301への設置するタイミングは、特に限定されない。
【0062】
トレーニング補助装置1を設置し、ティーチング操作を実施した後、トレーニー310は、トレーニング補助装置1を作動させる。この時から、駆動装置20は、「通常」動作を実施する。従って、シャフト301は、一対のシャフト保持台304に保持されており、この時、吊り部材10は、たわんでいない。
【0063】
ベンチ303に仰向けに横たわったトレーニー310は、シャフト301を持ちあげて、トレーニー310は、一対のシャフト保持台304からシャフト301を取り外す。そして、トレーニー310は、ベンチプレストレーニングを開始する。トレーニー310は、トレーニー310自身の胸の前で、シャフト301を上昇及び下降させる往復運動を実施する。即ち、トレーニー310は、ベンチプレストレーニングを実施する。
【0064】
ベンチプレストレーニングの最中においても、吊り部材10がたわまないように駆動装置20は、「通常」動作を実施している。
【0065】
駆動装置20にて「STOP」動作を実施する場合、トレーニー310は「STOP」と発声する。トレーニー310の発声がマイクロフォン30により集音される。集音された音声信号が「STOP」であると制御部21により認識された場合、駆動装置20は「STOP」動作を実施する。これにより、吊り部材10に吊られたシャフト301は、トレーニー310が「STOP」と発声した時の高さを維持して停止する動作をする。
【0066】
トレーニー310がシャフト301から手を離しても、シャフト301は、トレーニー310が「STOP」と発声した時の位置を概ね維持して停止する動作をしている。このように、シャフト301及び一対のウエイト302による負荷は、トレーニング補助装置1に掛かっている。
【0067】
「STOP」動作を終了させる場合、トレーニー310は、「終了」と発声する。トレーニー310の発声がマイクロフォン30により集音される。集音された発声した音声信号が「終了」であると制御部21により認識された場合、駆動装置20の「STOP」動作は中止される。
【0068】
駆動装置20の「STOP」動作が中止されると、駆動装置20は、「通常」動作を実施する。即ち、制御部21は、駆動部22を制御して、吊り部材10がたわまないようにする。「STOP」動作によって高さ位置を保持されていたシャフト301は、トレーニー310の「終了」の発声により、何ら支えがない場合には、自重により落下する。
【0069】
駆動装置20にて「UP」動作を実施する場合、トレーニー310は「UP」と発声する。トレーニー310の発声がマイクロフォン30により集音される。集音された音声信号が「UP」であると制御部21により認識された場合、駆動装置20は、「UP」動作を実施する。
【0070】
「UP」動作が実施されると、シャフト301は、吊り部材10と共に1秒間に3cmの速さで上昇する動作をする。そして、それぞれの索11の送出量が停止送出量に達したとき、それぞれの索11は止まる。これと同時に、シャフト301は、上昇する動作に変わり停止する動作をする。その後、シャフト301の高さ位置は、維持される。この時のシャフト301の高さ位置を停止位置とする。停止位置は、床面からの高さで示される。
【0071】
「UP」動作では、「UP」動作が終了されない限り、シャフト301は、停止位置に停止する動作をしている。このように、「UP」動作によってシャフト301が上昇し、かつ、シャフト301が停止位置にて停止している場合、シャフト301及び一対のウエイト302による負荷は、トレーニング補助装置1に掛かっている。
【0072】
トレーニー310の「終了」の発声で、駆動装置20の「UP」動作は、終了する。その後、駆動装置20の動作は、「通常」動作となる。「UP」動作によって停止位置に停止しているシャフト301は、トレーニー310の「終了」の発声により、何ら支えがない場合には、自重により落下する。
【0073】
駆動装置20にて「DOWN」動作を実施する場合、トレーニー310は「DOWN」と発声する。集音された音声信号が「DOWN」であると制御部21により認識された場合、駆動装置20は「DOWN」動作を実施する。
【0074】
「DOWN」動作が実施されると、シャフト301は、1秒間に3cmの速さで下降する動作をする。
【0075】
トレーニー310の「終了」の発声により、又はそれぞれの索11の送出量が床面送出量に達した場合に、駆動装置20は、「DOWN」動作を終了する。その後、駆動装置20の動作は、「通常」動作となる。
【0076】
例えば、トレーニー310が、トレーニング中に介助が必要であると考えた場合には、「UP」又は「STOP」の発声をする。これにて、駆動装置20が「UP」動作又は「STOP」動作を実施する。これにより、トレーニング負荷がトレーニング補助装置1に掛かり、トレーニー310は、トレーニング補助装置1の介助を得ることができる。
【0077】
トレーニー310は、駆動装置20の「STOP」動作、「UP」動作、「DOWN」動作及び「通常」動作を適宜連続的に実施することができる。これにより、トレーニー310は、シャフト301に対する任意の動作をトレーニング補助装置1の力を借りて実施することができる。
【0078】
例えば、トレーニー310は、「UP」動作の次に「STOP」動作を実施することで、ネガティブトレーニングの準備をすることができる。
【0079】
ネガティブトレーニングとは、トレーニー310が、持ち上げられたシャフト301を重力に抗ってゆっくり下降させるトレーニングである。トレーニング補助装置1を用いない場合のネガティブトレーニングでは、トレーナーといった介助者による介助が必要となる。
【0080】
介助者の協力を得て行うネガティブトレーニングでは、ベンチ303に仰向けに横たわったトレーニー310は、介助者の介助により持ち上げられたシャフト301を手で持つ。その後、介助者は、介助をやめる。トレーニー310は、持ち上げられたシャフト301をトレーニー310自身の力のみで持つ。次いで、トレーニー310は、シャフト301をトレーニー310自身の力のみで重力に抗いつつ下降させていく。その間も介助者は、トレーニー310を見守り、必要があれば、介助者は、トレーニー310を介助する。
【0081】
トレーニング補助装置1を使ったネガティブトレーニングでは、介助者は、不要である。ベンチ303に仰向けに横たわったトレーニー310は、「UP」の発声により、駆動装置20に「UP」動作をさせる。
【0082】
駆動装置20の「UP」動作により、シャフト301は、上昇する動作をする。適切な位置にシャフト301が上昇したところでトレーニー310は、「STOP」の発声をして、駆動装置20に「STOP」動作をさせる。「STOP」動作によって、シャフト301は、トレーニー310の指定した適切な位置で停止する動作をする。
【0083】
トレーニー310は、体勢を整え、シャフト301を握りネガティブトレーニングに入る準備をする。トレーニー310は、ネガティブトレーニングに入る準備が整ったときに、「終了」の発声をする。「終了」の発声により、駆動装置20は、「通常」動作を実施する。これにより、シャフト301は、重力によって落下する。
【0084】
トレーニー310は、落下するシャフト301を重力に抗って徐々に下降させる。トレーニー310が介助を必要とする場合には、トレーニー310は、「UP」又は「STOP」の発声をする。駆動装置20は、「UP」動作又は「STOP」動作を実施する。これにより、トレーニー310は、トレーニング補助装置1の介助を得ることができる。
【0085】
このように、トレーニー310は、トレーニング補助装置1を用いてネガティブトレーニングを実施することができる。
【0086】
ネガティブトレーニングの準備においては、トレーニー310は、トレーニング補助装置1を用いて、シャフト301を適切な高さになるように微調整することができる。この場合、トレーニー310は、「UP」動作、「DOWN」動作、及び「STOP」動作を駆動装置20に適宜実施させる。
【0087】
また、シャフト301を一対のシャフト保持台304に置く際に、トレーニー310は、トレーニング補助装置1の力を借りることができる。
【0088】
まず、トレーニー310は、「UP」動作を実施する。「UP」動作によって、シャフト301は、床面から150cmの高さの停止位置に停止する動作をする。この時、停止位置としてシャフト301が床面から150cmの高さに停止するように、事前に停止送出量を設定している。シャフト301が停止位置に停止している状態で、トレーニー310は、駆動装置20に「DOWN」動作を実施させる。
【0089】
「DOWN」動作により、シャフト301は、徐々に下降する動作をする。この時、トレーニー310は、シャフト301が一対のシャフト保持台304に保持されるように介助する。シャフト301が一対のシャフト保持台304に完全に設置された時、トレーニー310は、「終了」と発声する。これにより、駆動装置20の動作は、「通常」動作となる。従って、一対の索11がたわまない状態でシャフト301は、一対のシャフト保持台304上に保持されている。
【0090】
実施の形態1によるトレーニング補助装置1によれば、マイクロフォン30で集音した音声に基づきシャフト301を動作させている。従って、トレーニー310の発した音声に基づき、シャフト301は、駆動装置20によって動作される。これにより、トレーニングの最中にトレーニーの要望に基づき、トレーニー310の手と腕とに掛かっているトレーニング負荷をより確実に軽減することができる。
【0091】
また、駆動装置20は、マイクロフォン30により集音された音声に基づいてシャフト301を動作させることができる。従って、トレーニー310は、トレーニー310の身体の動作を必要とせずにシャフト301を操作することができる。これにより、トレーニー310が身体の動作を実施できない場合でも、トレーニー310は、トレーニングの最中にトレーニー310の要望に基づき、トレーニー310の手と腕とに掛かっているトレーニング負荷をより確実に軽減することができる。
【0092】
また、トレーニー310自身が駆動装置20を操作して、トレーニング補助装置1にトレーニングの介助をさせることができる。これによって、トレーニング中のトレーナーといった他者との接触を極力防ぐことができ、感染症の予防対策を実施することができる。
【0093】
また、駆動装置20に対して、スイッチ操作といった操作をする必要がない。従って、シャフト301を握っている手を持ち替える必要がない。これによって、トレーニングを安全に実施しながら、トレーニング補助装置1を操作することができる。
【0094】
実施の形態1によるトレーニング補助装置1によれば、トレーニング補助装置1は、シャフト301を吊る吊り部材10を備えている。従って、使用者は、既存のトレーニング器具300に対してトレーニング補助装置1を使用することができる。これにより、新規トレーニング器具の購入のコストを抑えられる。
【0095】
また、トレーニー310は、トレーニング補助装置1を用いて1本のシャフト301を用いた従来のベンチプレストレーニングを継続して行うことができる。これにより、従来のベンチプレストレーニングを実施でき、上半身の左右の筋肉に対してバランスの取れたトレーニングをすることができる。
【0096】
実施の形態1によるトレーニング補助装置1によれば、マイクロフォン30は、吊り部材10のシャフト301の周囲を囲んでいる部分に配置されている。従って、マイクロフォン30は、トレーニング補助装置1を使用しているトレーニー310の声を効率的に拾うことができる。これにより、トレーニー310は、小さな声で発声しても、シャフト301を動作させることができる。また、他者の声を集音することが少なくなり、他者の声による駆動装置20の誤作動を防ぐことができる。
【0097】
実施の形態1によるトレーニング補助装置1によれば、駆動装置20によって、それぞれの索11は、索11の送出量を制御することと、索11に掛かる引張力を制御することにより操作される。従って、それぞれの索11の操作についてより多彩な操作を実現することができる。これにより、トレーニー310の欲するシャフト301の動作を、より多様に再現することができる。
【0098】
実施の形態1によるトレーニング補助装置1によれば、一対の索11を有している。従って、一対の索11は、シャフト301をバランスよく引き上げることができる。これにより、シャフト301の不用意な落下を防ぐことができる。
【0099】
実施の形態1によるトレーニング補助装置1によれば、一対の支持部12は、シャフト301の長手方向に間隔をあけてシャフト301を支持している。従って、それぞれの支持部12は、互いに間隔をあけて長尺のシャフト301を支持している。これにより、一対の支持部12は、よりバランスよくシャフト301を引き上げることができる。これにより、シャフト301の不用意な落下を更に防ぐことができる。
【0100】
実施の形態1によるトレーニング補助装置1によれば、支持部12の形状は、帯状の形状である。帯状である支持部12は、折り返され、その折り返された部分で、支持部12は、シャフト301を挟み込み支持する。これにより、支持されたシャフト301の長手方向のバランスは、より保ちやすくなり、支持部12は、シャフト301をよりバランスよく支持することができる。これにより、シャフト301の不用意な落下を防ぐことができる。
【0101】
実施の形態1によるトレーニング補助装置1によれば、駆動装置20を操作する文言が事前に決められている。従って、トレーニー310は、定められた文言を記憶すればよい。これにより、駆動装置20の誤作動を防ぐことができる。
【0102】
なお、実施の形態1では、吊り部材10は、架設具40によって支持されていた。また、駆動装置20は、床面に配置されていた。しかし、これに限られたものではない。例えば、駆動装置20を架設具40上に配置してもよい。これにより、トレーニング補助装置1の配置スペースを小さくすることができる。更に、架設具40を用いなくてもよい。例えば、駆動装置20を、トレーニング室の天井に設けてもよい。これにより、トレーニング補助装置1の配置スペースを更に小さくすることができる。
【0103】
また、実施の形態1では、トレーニング補助装置1は一対の索11でシャフト301を支持していた。しかし、これに限られたものではない。例えば、索11を1本としてもよい。これにより、トレーニング補助装置1の小型化が可能である。更に、例えば、索11を3本以上としてもよい。これにより、3本以上の索11にてシャフト301を支持することとなり、シャフト301をより安定的に支持することができる。
【0104】
また、実施の形態1では、索11の形状は、帯状の形状である。しかし、これに限られたものではない。例えば、索11は、断面円形の綱でもよい。また、索11は、金属製のワイヤーでもよい。これにより、索11は、索11自身が空間に対して占有している体積を減らすことができ、索11自身の小型化を図ることができる。
【0105】
また、索11は、帯状の形状の支持部12と、支持部12に続く断面円形の綱、又は金属製のワイヤーで構成される部分とを有していてもよい。これにより、索11は、シャフト301をバランスよく支持することができ、かつ、索11自身の小型化を図ることができる。
【0106】
また、実施の形態1では、接続具13は、雄ボタン13aと雌ボタン13bとから構成されていた。しかし、これに限られたものではない。接続具13には、それぞれの支持部12がシャフト301を支持することができる器具であれば、周知の器具を適宜用いることができる。
【0107】
例えば、雄ボタン13aと雌ボタン13bとの代わりに、面ファスナーを用いてもよい。また、接続具13として、バックルといった器具を用いてもよい。また、支持部12の雄ボタン13aと雌ボタン13bとが設けられていた箇所に穴を設け、それぞれの穴とボルトとナットとを利用して、シャフト301とそれぞれの支持部12とを固定してもよい。また、接続具13をフック状の器具として、シャフト301を接続具13に引っ掛けるようにして固定してもよい。この場合に、接続具13が吊り部材10の支持部を構成する。
【0108】
また、実施の形態1では、それぞれの支持部12にマイクロフォン30を配置していた。しかし、これに限られたものではない。例えば、1つの支持部12のみにマイクロフォン30を配置してもよい。
【0109】
また、実施の形態1では、マイクロフォン30をシャフト301上に配置するようにしていた。しかし、これに限られたものではない。例えば、マイクロフォン30をピンマイク又はインカムといった装置を用いてトレーニー310に取り付けてもよい。この場合であってもマイクロフォン30には、シャフト301の周囲で発せられた音声が集音される。
【0110】
また、実施の形態1では、駆動装置20は、「通常」動作、「STOP」動作、「UP」動作、及び「DOWN」動作を実施するものとした。しかし、これに限られたものではない。例えば、更に異なる動作を付加してもよい。駆動装置20の動作は、使用様態に基づいて適宜考案され、設定されるものである。
【0111】
また、実施の形態1では、音声信号による駆動装置20に対する指令として、「終了」、「STOP」、「UP」、及び「DOWN」という文言を用いていた。しかし、これに限られたものではない。使用する文言は、適宜設定されうるものである。
【0112】
また、実施の形態1では、吊り部材10の引き込み速度として、UP速度といった1種類の速度を設定した。しかし、これに限られたものではない。例えば、緊急時に使用するために、UP速度より高速な引き込み速度を設定してもよい。更に、例えば、UP速度より高速な引き込み速度を設定した場合には「UP」動作ではなく、新たに「緊急」動作として追加してもよい。
【0113】
また、実施の形態1では、トレーニング補助装置1は、ベンチプレストレーニングに使用されていた。しかし、これに限られたものではない。例えば、デッドリフトトレーニングに使用されてもよい。図6は、実施の形態1におけるトレーニング補助装置の異なる使用様態を示す概略図である。デッドリフトトレーニングでは、トレーニング器具300は、シャフト301とシャフト301の両端に設置される一対のウエイト302とを有している。
【0114】
また、実施の形態1では、ティーチング操作をトレーニー310が行っていた。しかし、これに限られたものではない。例えば、トレーニングを実施するトレーニー310の身体状況をしったトレーナーといった第三者が、ティーチング操作を行ってもよい。
【0115】
さらには、トレーニー310は、他のトレーニーが実施したティーチング操作による設定をそのまま引き継いで、トレーニング補助装置1を使用してもよい。
【0116】
実施の形態1.の変形例1.
図7は、実施の形態1の変形例1におけるトレーニング補助装置の使用様態を示す概略図である。実施の形態1のトレーニング補助装置1では、マイクロフォン30は、一対の索11のそれぞれの支持部12に配置されていた。本変形例1では、マイクロフォン30は、架設具40に設けられた屈曲可能な支持体42の先端に設けられている。この構成であっても、マイクロフォン30には、シャフト301の周囲で発せられた音声が集音される。その他のトレーニング補助装置1の構成は、実施の形態1のトレーニング補助装置1と同様であるから説明を省略する。
【0117】
本変形例1のトレーニング器具300は、シャフト301と一対のウエイト302とを有している。トレーニー310は、スクワットトレーニングを実施している。本変形例1のトレーニング補助装置1は、スクワットトレーニングに用いられる。本変形例1のトレーニング補助装置1の取り付け方法、及び使用方法は、実施の形態1のトレーニング補助装置1と同様であるから、説明を省略する。
【0118】
スクワットトレーニングでは、トレーニー310は、シャフト301をトレーニー310の背中側で持つ。従って、実施の形態1における支持部12に設けられたマイクロフォン30では、トレーニー310の発音を効率的に集音することができない。本変形例1のトレーニング補助装置1では、トレーニー310の発声を効率よく集音するために、マイクロフォン30の配置場所を適宜変更している。
【0119】
実施の形態1の変形例1によるトレーニング補助装置1によれば、マイクロフォン30は、支持体42によって支持されている。支持体42は、吊り部材10以外の場所に設置される。従って、マイクロフォン30を任意の位置に設置することができる。これにより、トレーニー310は、様々なトレーニングについてトレーニング補助装置1を用いることができる。
【0120】
なお、実施の形態1の変形例1では、架設具40に支持体42を配置している。しかし、これに限られたものではない。マイクロフォン30は、トレーニングの様態によって、より効率的にトレーニー310の発声を集音することができる場所に配置することができる。例えば、支持体42自身を単独で床面上に設置してもよい。また、シャフト301上に支持体42を配置してもよい。
【0121】
また、支持体42をピンとすることで、支持体42とマイクロフォン30とは、ピンマイクを構成することとしてもよい。これにより、トレーニー310は、ピンマイクとしてマイクロフォン30を自身の胸元に取り付けることができる。また、支持体42とマイクロフォン30とは、インカムマイクを構成することとしてもよい。これにより、トレーニー310は、口元にマイクロフォン30が配置するように、インカムマイクを取り付けることがきる。
【0122】
また、実施の形態1、及び実施の形態1の変形例1では、トレーニング補助装置1は、ベンチプレス、デッドリフト、及びスクワットといったトレーニングに用いられている。しかし、これに限られたものではない。トレーニング補助装置1は、吊り部材10に接続されたシャフト301の上昇、及び下降動作を補助するものである。従って、上下運動を伴うトレーニングに適用することができる。
【0123】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2によるトレーニング補助システムを示す概略図である。トレーニング補助システム100は、トレーニング補助装置1と、管理インターフェイス装置101とを備えている。トレーニング補助装置1と、管理インターフェイス装置101とは、有線又は無線により互いに通信することができる。
【0124】
本実施の形態2でも、実施の形態1と同様に、トレーニング補助装置1は、トレーニング器具300の傍らに配置されている。管理インターフェイス装置101は、トレーニング器具300及びトレーニング補助装置1とは離れた場所に設置することができる。本実施の形態2では、トレーニング器具300とトレーニング補助装置1とは同室に配置され、管理インターフェイス装置101は、トレーニング器具300とトレーニング補助装置1とが配置されている部屋とは別室に配置されている。
【0125】
図9は、図8の駆動装置の機能を示す概略図である。本実施の形態2のトレーニング補助装置1では、駆動装置20は、更に通信部26を有している。通信部26は、トレーニング補助装置1と管理インターフェイス装置101との間の通信のために設けられている。制御部21は、通信部26を介して、トレーニング補助装置1に関する情報を管理インターフェイス装置101に送信することができる。制御部21には、通信部26を介して、管理インターフェイス装置101からの情報が入力される。
【0126】
管理インターフェイス装置101は、モニターといった表示装置120と、キーボードといった入力装置121と、スピーカー122とを備えている。表示装置120は、受信したトレーニング補助装置1の状態を表示する。トレーニング補助装置1の情報としては、駆動装置20の動作状態、それぞれの索11の送出量、それぞれの索11に掛かる引張力、及びトレーニー310の発声した音声といった情報である。
【0127】
入力装置121は、管理者320が管理インターフェイス装置101に対して情報を入力する装置である。管理者320が入力する情報には、トレーニング補助装置1に対する指令が含まれている。指令とは、駆動装置20に対する指令であって、駆動装置20に対して「STOP」動作、「UP」動作、「DOWN」動作、及び「終了」動作を実施させる指令である。
【0128】
管理インターフェイス装置101から送信された指令により、制御部21は、駆動部22を制御する。管理インターフェイス装置101から送信された指令により駆動装置20が実施する動作は、実施の形態1において、トレーニー310の発声により駆動装置20が実施した動作と同様の動作である。
【0129】
スピーカー122は、制御部21に入力される音声信号を音声として出力することができる。他の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0130】
実施の形態2におけるトレーニング補助システム100では、トレーニング補助装置1に通信可能に接続された管理インターフェイス装置101は、トレーニング補助装置1の状態を表示装置120に表示すことができる。従って、管理者320は、トレーニングを実施している場所から離れた場所で、トレーニング補助装置1の状態を確認することができる。これによって、トレーニー310の単独でのトレーニングにおいて、管理者320は、トレーニー310の安全を常に確認することができる。また、管理者320とトレーニー310との接触を極力防ぐことができ、感染症の予防対策を実施することができる。
【0131】
実施の形態2におけるトレーニング補助システム100では、管理インターフェイス装置101からトレーニング補助装置1を操作することができる。従って、トレーナーといった管理者320の知識に基づいてトレーニング補助装置1を制御することができる。これにより、トレーニー310が単独でトレーニング器具300を使ってトレーニングを実施していても、トレーニー310は、より質の高いトレーニングを実施することができる。
【0132】
なお、実施の形態2では、トレーニング補助装置1に対して1つの管理インターフェイス装置101を接続している。しかし、これに限られたものではない。1つの管理インターフェイス装置101に対して、複数のトレーニング補助装置1を接続してもよい。これにより、1人の管理者320は、複数のトレーニング補助装置1を介して、複数のトレーニングを管理することができる。
【0133】
また、実施の形態2では、トレーニング補助システム100は、トレーニー310の発声をスピーカー122に出力していた。しかし、これに限られたものではない。例えば、管理インターフェイス装置101は、更にマイクを備え、トレーニング補助装置1は、更にスピーカーを備えるようにしてもよい。トレーニング補助システム100は、管理者320の発声を管理インターフェイス装置101のマイクで集音し、集音した管理者320の発声を音声信号としてトレーニング補助装置1のスピーカーで出力することができる。
【0134】
これにより、管理者320は、トレーニー310に対して声をかけることができる。管理者320は、より的確な指示をトレーニー310に伝達することができる。従って、トレーニー310は、より質の高いトレーニングを実施することができる。
【0135】
また、実施の形態2では、トレーニング補助システム100は、トレーニー310の発声をスピーカー122に出力していた。しかし、これに限られたものではない。例えば、トレーニング補助装置1は、更に撮像装置を備えてもよい。撮像装置は、トレーニー310の状況を常に撮影し、トレーニング補助装置1は、その撮影データを、管理インターフェイス装置101に送信するようにしてもよい。これにより、管理者320は、より明確にトレーニー310の状況を把握することができる。
【0136】
また、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、及び実施の形態2に記載されたトレーニング補助装置1又はトレーニング補助システム100構成は、それぞれのトレーニング補助装置1又はトレーニング補助システム100において適宜使用することができる。
【符号の説明】
【0137】
1 トレーニング補助装置、10 吊り部材、11 索、12 支持部、13 接続具、13a 雄ボタン、13b 雌ボタン、20 駆動装置、21 制御部、22 駆動部、23 検出部、24 記憶部、25 手動操作部、26 通信部、30 マイクロフォン、40 架設具、41 滑車、42 支持体、100 トレーニング補助システム、101 管理インターフェイス装置、120 表示装置、121 入力装置、122 スピーカー、300 トレーニング器具、301 シャフト、302 ウエイト、303 ベンチ、304 シャフト保持台、310 トレーニー、320 管理者。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9