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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】熱伝達装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 36/24 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
A47J36/24
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021072663
(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2022167108
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2023-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】貝原 啓之
(72)【発明者】
【氏名】西 貢志
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】実公昭55-054433(JP,Y2)
【文献】特開昭54-097165(JP,A)
【文献】中国実用新案第203987665(CN,U)
【文献】中国実用新案第203914483(CN,U)
【文献】中国実用新案第206026011(CN,U)
【文献】特開2003-107946(JP,A)
【文献】実開昭50-146852(JP,U)
【文献】実開昭60-071879(JP,U)
【文献】特開平06-275367(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102697377(CN,A)
【文献】中国実用新案第210144474(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 36/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源と、
熱伝達対象に接触可能な熱伝導性を有する接触部と、
前記熱源と前記接触部との間に配置された第1熱伝達部と
熱伝導性を有する第2熱伝達部とを備えており、
前記第1熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有しており、
前記第1部は、前記熱源に直接接触し、前記接触部に間接的に接触しており且つ前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第1空隙を有しており、前記少なくとも一つの第1空隙は前記接触部側に開口しており、
前記第2部は、前記熱源に直接的に非接触である一方、前記接触部に間接的に接触しており、
前記第2熱伝達部は、前記第1熱伝達部と前記接触部との間に配置されており、前記第1熱伝達部の前記第1部及び前記第2部に直接接触し、前記接触部に直接接触しており且つ前記第1熱伝達部の前記第1部の前記少なくとも一つの第1空隙を前記接触部側から閉塞する熱伝達装置。
【請求項2】
熱源と、
熱伝達対象に接触可能な熱伝導性を有する接触部と、
前記熱源と前記接触部との間に配置された第1熱伝達部と、
熱伝導性を有する第2熱伝達部とを備えており、
前記第1熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有しており、
前記第1部は、第1方向における断面視略U字状であって、前記熱源に直接接触し、前記接触部に間接的に接触しており且つ前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第1空隙を有しており、前記少なくとも一つの第1空隙は一つであり、前記第1方向は、前記熱源、前記第1熱伝達部及び前記接触部の並び方向であり、
前記第2部は、前記熱源に直接的に非接触である一方、前記接触部に間接的に接触しており、
前記第2熱伝達部は、前記第1熱伝達部と前記接触部との間に配置されており、前記第1熱伝達部の前記第1部及び前記第2部に直接接触し、前記接触部に直接接触しており且つ前記第1熱伝達部の前記第1部の前記少なくとも一つの第1空隙を前記接触部側から閉塞する熱伝達装置。
【請求項3】
熱源と、
熱伝達対象に接触可能な熱伝導性を有する接触部と、
前記熱源と前記接触部との間に配置された第1熱伝達部と、
熱伝導性を有する第2熱伝達部とを備えており、
前記第1熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有しており、
前記第1部は、前記熱源に直接接触し、前記接触部に直接的又は間接的に接触しており且つ前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第1空隙を有しており、
前記第2部は、前記熱源に直接的に非接触である一方、前記接触部に直接的又は間接的に接触しており、
前記第2熱伝達部は、前記第1熱伝達部と前記接触部との間に配置されており、
前記第2熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有しており、
前記第2熱伝達部の前記第1部は、前記第1熱伝達部及び前記接触部に直接接触しており且つ前記第2熱伝達部の前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有しており、
前記第2熱伝達部の前記第2部は、前記第1熱伝達部に直接的に非接触である一方、前記接触部に直接接触している熱伝達装置。
【請求項4】
熱源と、
熱伝達対象に接触可能な熱伝導性を有する接触部と、
前記熱源と前記接触部との間に配置された第1熱伝達部と、
熱伝導性を有する複数の第2熱伝達部とを備えており、
前記第1熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有しており、
前記第1部は、前記熱源に直接接触し、前記接触部に直接的又は間接的に接触しており且つ前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第1空隙を有しており、
前記第2部は、前記熱源に直接的に非接触である一方、前記接触部に直接的又は間接的に接触しており、
前記複数の第2熱伝達部は、第1方向に積み重ねられており、前記第1方向は、前記熱源、前記第1熱伝達部及び前記接触部の並び方向であり、
前記複数の第2熱伝達部は、前記第1熱伝達部に直接接触する第1の第2熱伝達部と、前記接触部に直接接触する第2の第2熱伝達部とを含んでいる熱伝達装置。
【請求項5】
請求項3又は4記載の熱伝達装置において、
前記第1熱伝達部の前記第1部の前記少なくとも一つの第1空隙は前記接触部側に開口している熱伝達装置。
【請求項6】
請求項3又は4記載の熱伝達装置において、
前記第1熱伝達部の前記第1部の前記少なくとも一つの第1空隙は一つであり、
前記第1熱伝達部の前記第1部は、第1方向における断面視略U字状であり、
前記第1方向は、前記熱源、前記第1熱伝達部及び前記接触部の並び方向である熱伝達装置。
【請求項7】
請求項3又は4記載の熱伝達装置において、
前記第1熱伝達部の前記第1部の前記少なくとも一つの第1空隙は、密閉空間である熱伝達装置。
【請求項8】
請求項1又は2記載の熱伝達装置において、
前記第2熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有しており、
前記第2熱伝達部の前記第1部は、前記第1熱伝達部及び前記接触部に直接接触しており且つ前記第2熱伝達部の前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有しており、
前記第2熱伝達部の前記第2部は、前記第1熱伝達部に直接的に非接触である一方、前記接触部に直接接触している熱伝達装置。
【請求項9】
熱源と、
熱伝達対象に接触可能な熱伝導性を有する接触部と、
前記熱源と前記接触部との間に配置された第1熱伝達部と、
熱伝導性を有する複数の第2熱伝達部とを備えており、
前記第1熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有しており、
前記第1部は、前記熱源に直接接触し、前記接触部に直接的又は間接的に接触しており且つ前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第1空隙を有しており、前記少なくとも一つの第1空隙は前記接触部側に開口しており、
前記第2部は、前記熱源に直接的に非接触である一方、前記接触部に直接的又は間接的に接触しており、
前記複数の第2熱伝達部は、第1方向に積層されており、前記第1方向は、前記熱源、前記第1熱伝達部及び前記接触部の並び方向であり、
前記複数の第2熱伝達部は、前記第1熱伝達部に直接接触し且つ前記第1熱伝達部の前記第1部の前記少なくとも一つの第1空隙を前記接触部側から閉塞する第1の第2熱伝達部と、前記接触部に直接接触する第2の第2熱伝達部とを含んでいる熱伝達装置。
【請求項10】
熱源と、
熱伝達対象に接触可能な熱伝導性を有する接触部と、
前記熱源と前記接触部との間に配置された第1熱伝達部と、
熱伝導性を有する複数の第2熱伝達部とを備えており、
前記第1熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有しており、
前記第1部は、第1方向における断面視略U字状であって、前記熱源に直接接触し、前記接触部に直接的又は間接的に接触しており且つ前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第1空隙を有しており、前記少なくとも一つの第1空隙は一つであり、前記第1方向は、前記熱源、前記第1熱伝達部及び前記接触部の並び方向であり、
前記第2部は、前記熱源に直接的に非接触である一方、前記接触部に直接的又は間接的に接触しており、
前記複数の第2熱伝達部は、前記第1方向に積層されており、
前記複数の第2熱伝達部は、前記第1熱伝達部に直接接触し且つ前記第1熱伝達部の前記第1部の前記少なくとも一つの第1空隙を前記接触部側から閉塞する第1の第2熱伝達部と、前記接触部に直接接触する第2の第2熱伝達部とを含んでいる熱伝達装置。
【請求項11】
請求項4、9又は10記載の熱伝達装置において、
前記第1の第2熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有しており、
前記第1の第2熱伝達部の前記第1部は、前記第1熱伝達部に直接接触し、前記複数の第2熱伝達部のうちの前記第1の第2熱伝達部に対して前記接触部側に位置する第2熱伝達部に直接接触しており且つ前記第1の第2熱伝達部の前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有しており、
前記第1の第2熱伝達部の前記第2部は、前記第1熱伝達部に直接的に非接触である一方、前記複数の第2熱伝達部のうちの前記第1の第2熱伝達部に対して前記接触部側に位置する前記第2熱伝達部に直接接触している熱伝達装置。
【請求項12】
請求項4、9又は10記載の熱伝達装置において、
前記第2の第2熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有しており、
前記第2の第2熱伝達部の前記第1部は、前記複数の第2熱伝達部のうちの前記第2の第2熱伝達部に対して前記熱源側に位置する第2熱伝達部に直接接触し、前記接触部に直接接触しており且つ前記第2の第2熱伝達部の前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有しており、
前記第2の第2熱伝達部の前記第2部は、前記第2の第2熱伝達部に対して前記熱源側に位置する前記第2熱伝達部に直接的に非接触である一方、前記接触部に直接接触している熱伝達装置。
【請求項13】
請求項4、9又は10記載の熱伝達装置において、
前記複数の第2熱伝達部は、前記第1の第2熱伝達部と前記第2の第2熱伝達部との間に位置する第3の第2熱伝達部を更に含んでおり、
前記第3の第2熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有しており、
前記第3の第2熱伝達部の前記第1部は、前記複数の第2熱伝達部のうちの前記第3の第2熱伝達部に対して前記熱源側に位置する第2熱伝達部に直接接触し、前記複数の第2熱伝達部のうちの前記第3の第2熱伝達部に対して前記接触部側に位置する第2熱伝達部に直接接触しており且つ前記第3の第2熱伝達部の前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有しており、
前記第3の第2熱伝達部の前記第2部は、前記第3の第2熱伝達部に対して前記熱源側に位置する前記第2熱伝達部に直接的に非接触である一方、前記第3の第2熱伝達部に対して前記接触部側に位置する前記第2熱伝達部に直接接触している熱伝達装置。
【請求項14】
熱源と、
熱伝達対象に接触可能な熱伝導性を有する接触部と、
前記熱源と前記接触部との間に配置されており且つ前記熱源に直接接触する熱伝導性を有する第1熱伝達部と、
熱伝導性を有する複数の第2熱伝達部とを備えており、
前記複数の第2熱伝達部は、第1方向に積み重ねられており、前記第1方向は、前記熱源、前記第1熱伝達部及び前記接触部の並び方向であり、
前記複数の第2熱伝達部は、前記第1熱伝達部に直接接触する第1の第2熱伝達部と、前記接触部に直接接触する第2の第2熱伝達部とを含んでおり、
前記第1の第2熱伝達部及び/又は前記第2の第2熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有しており、
前記第1の第2熱伝達部の前記第1部は、前記第1熱伝達部に直接接触し、前記複数の第2熱伝達部のうちの前記第1の第2熱伝達部に対して前記接触部側に位置する第2熱伝達部に直接接触しており且つ前記第1の第2熱伝達部の前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有しており、
前記第1の第2熱伝達部の前記第2部は、前記第1熱伝達部に直接的に非接触である一方、前記複数の第2熱伝達部のうちの前記第1の第2熱伝達部に対して前記接触部側に位置する前記第2熱伝達部に直接接触しており、
前記第2の第2熱伝達部の前記第1部は、前記複数の第2熱伝達部のうちの前記第2の第2熱伝達部に対して前記熱源側に位置する第2熱伝達部に直接接触し、前記接触部に直接接触しており且つ前記第2の第2熱伝達部の前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有しており、
前記第2の第2熱伝達部の前記第2部は、前記第2の第2熱伝達部に対して前記熱源側に位置する前記第2熱伝達部に直接的に非接触である一方、前記接触部に直接接触している熱伝達装置。
【請求項15】
熱源と、
熱伝達対象に接触可能な熱伝導性を有する接触部と、
前記熱源と前記接触部との間に配置されており且つ前記熱源に直接接触する熱伝導性を有する第1熱伝達部と、
熱伝導性を有する複数の第2熱伝達部とを備えており、
前記複数の第2熱伝達部は、第1方向に積み重ねられており、前記第1方向は、前記熱源、前記第1熱伝達部及び前記接触部の並び方向であり、
前記複数の第2熱伝達部は、前記第1熱伝達部に直接接触する第1の第2熱伝達部と、前記接触部に直接接触する第2の第2熱伝達部と、前記第1の第2熱伝達部と前記第2の第2熱伝達部との間に位置する第3の第2熱伝達部とを含んでおり、
前記第1の第2熱伝達部、前記第2の第2熱伝達部及び前記第3の第2熱伝達部の少なくとも一つは、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有しており、
前記第1の第2熱伝達部の前記第1部は、前記第1熱伝達部に直接接触し、前記複数の第2熱伝達部のうちの前記第1の第2熱伝達部に対して前記接触部側に位置する第2熱伝達部に直接接触しており且つ前記第1の第2熱伝達部の前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有しており、
前記第1の第2熱伝達部の前記第2部は、前記第1熱伝達部に直接的に非接触である一方、前記複数の第2熱伝達部のうちの前記第1の第2熱伝達部に対して前記接触部側に位置する前記第2熱伝達部に直接接触しており、
前記第2の第2熱伝達部の前記第1部は、前記複数の第2熱伝達部のうちの前記第2の第2熱伝達部に対して前記熱源側に位置する第2熱伝達部に直接接触し、前記接触部に直接接触しており且つ前記第2の第2熱伝達部の前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有しており、
前記第2の第2熱伝達部の前記第2部は、前記第2の第2熱伝達部に対して前記熱源側に位置する前記第2熱伝達部に直接的に非接触である一方、前記接触部に直接接触しており、
前記第3の第2熱伝達部の前記第1部は、前記複数の第2熱伝達部のうちの前記第3の第2熱伝達部に対して前記熱源側に位置する第2熱伝達部に直接接触し、前記複数の第2熱伝達部のうちの前記第3の第2熱伝達部に対して前記接触部側に位置する第2熱伝達部に直接接触しており且つ前記第3の第2熱伝達部の前記第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有しており、
前記第3の第2熱伝達部の前記第2部は、前記第3の第2熱伝達部に対して前記熱源側に位置する前記第2熱伝達部に直接的に非接触である一方、前記第3の第2熱伝達部に対して前記接触部側に位置する前記第2熱伝達部に直接接触している熱伝達装置。
【請求項16】
請求項1~15の何れかに記載の熱伝達装置において、
前記熱源に電気的に接続された第1端子及び第2端子を備えており、
前記第1端子が、前記第1熱伝達部を兼ねる熱伝達装置。
【請求項17】
請求項1~16の何れかに記載の熱伝達装置において、
前記熱源がPTCヒーターである熱伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の熱伝達装置が下記特許文献1に記載されている。この熱伝達装置は、容器ホルダーと、熱源であるサーミスタと、金属製のサーミスタケースと、スプリングとを備えている。容器ホルダーは、飲料缶が挿入される挿入部を有している。挿入部は、円筒状の側壁と、円板状の底部とを有している。サーミスタは、サーミスタケース内に収容されており且つ当該サーミスタケースの上側部に当接している。サーミスタケースがスプリングで付勢され、容器ホルダーの底部に当接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平01-190320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の伝熱装置は、サーミスタの熱が、サーミスタケース及び容器ホルダーの底部を介して飲料缶に伝達されるようになっている。このため、サーミスタケース及び容器ホルダーの底部のサーミスタの真上に位置する部分が、他の部分よりも局所的に温度が高くなり、当該部分に接する飲料缶の底部の中央部のみが、飲料缶の底部の周縁部よりも温度が高くなる。
【0005】
本発明は、局所的な熱伝達を抑制できる熱伝達装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の熱伝達装置は、熱源と、熱伝達対象に接触可能な熱伝導性を有する接触部と、熱源と接触部との間に配置された第1熱伝達部とを備えている。
【0007】
第1熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有する構成とすることが可能である。第1部は、熱源に直接接触し、接触部に直接的又は間接的に接触しており且つ第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第1空隙を有する構成とすることが可能である。第2部は、熱源に直接的に非接触である一方、接触部に直接的又は間接的に接触する構成とすることが可能である。
【0008】
このような態様の熱伝達装置による場合、熱源の熱が、第1熱伝達部の第1部に受熱され、第1熱伝達部を介して接触部に熱伝達される。第1熱伝達部の第1部には少なくとも一つの第1空隙が設けられているので、第1熱伝達部の第1部から接触部に対する熱伝達が、第1熱伝達部の第2部から接触部に対する熱伝達に比べて抑制される。このため、熱源の熱が、第1熱伝達部の第1部を介して、接触部に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0009】
第1熱伝達部の第1部の少なくとも一つの第1空隙は接触部側に開口していても良いし、密閉された密閉空間であっても良い。
【0010】
少なくとも一つの第1空隙が開口している場合、少なくとも一つの第1空隙は一つとすることが可能である。この場合、第1熱伝達部の第1部は、第1方向における断面視略U字状とすることが可能である。なお、第1方向は、熱源、第1熱伝達部及び接触部の並び方向とすることが可能である。
【0011】
上記熱伝達装置は、熱伝導性を有する少なくとも一つの第2熱伝達部(一の第2熱伝達部又は複数の第2熱伝達部)を更に備えた構成とすることが可能である。
【0012】
一の第2熱伝達部は、第1熱伝達部と接触部との間に配置されており、第1熱伝達部に直接接触し且つ接触部に直接接触する構成とすることが可能である。
【0013】
少なくとも一つの第1空隙が開口している場合、一の第2熱伝達部は、少なくとも一つの第1空隙を接触部側から閉塞する構成とすることが可能である。
【0014】
一の第2熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有する構成とすることが可能である。一の第2熱伝達部の第1部は、第1熱伝達部及び接触部に直接接触しており且つ一の第2熱伝達部の第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有する構成とすることが可能である。一の第2熱伝達部の第2部は、第1熱伝達部に直接的に非接触である一方、接触部に直接接触する構成とすることが可能である。
【0015】
複数の第2熱伝達部は、第1方向に積み重ねられた構成とすることが可能である。この場合、複数の第2熱伝達部は、第1熱伝達部に直接接触する第1の第2熱伝達部と、接触部に直接接触する第2の第2熱伝達部とを含むことが可能である。
【0016】
第1の第2熱伝達部は、第1熱伝達部の第1部の少なくとも一つの第1空隙を接触部側から閉塞する構成とすることが可能である。
【0017】
第1の第2熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有する構成とすることが可能である。第1の第2熱伝達部の第1部は、第1熱伝達部に直接接触し、複数の第2熱伝達部のうちの第1の第2熱伝達部に対して接触部側に位置する第2熱伝達部に直接接触しており且つ第1の第2熱伝達部の第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有する構成とすることが可能である。第1の第2熱伝達部の第2部は、第1熱伝達部に直接的に非接触である一方、複数の第2熱伝達部のうちの第1の第2熱伝達部に対して接触部側に位置する第2熱伝達部に直接接触する構成とすることが可能である。
【0018】
第2の第2熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有する構成とすることが可能である。第2の第2熱伝達部の第1部は、複数の第2熱伝達部のうちの第2の第2熱伝達部に対して熱源側に位置する第2熱伝達部に直接接触し、接触部に直接接触しており且つ第2の第2熱伝達部の第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有する構成とすることが可能である。第2の第2熱伝達部の第2部は、第2の第2熱伝達部に対して熱源側に位置する第2熱伝達部に直接的に非接触である一方、接触部に直接接触する構成とすることが可能である。
【0019】
複数の第2熱伝達部は、第1の第2熱伝達部と第2の第2熱伝達部との間に位置する第3の第2熱伝達部を更に含んでいても良い。
【0020】
第3の第2熱伝達部は、熱伝導性を有する第1部及び第2部を有する構成とすることが可能である。第3の第2熱伝達部の第1部は、複数の第2熱伝達部のうちの第3の第2熱伝達部に対して熱源側に位置する第2熱伝達部に直接接触し、複数の第2熱伝達部のうちの第3の第2熱伝達部に対して接触部側に位置する第2熱伝達部に直接接触しており且つ第3の第2熱伝達部の第1部の内部に設けられた少なくとも一つの第2空隙を有する構成とすることが可能である。第3の第2熱伝達部の第2部は、第3の第2熱伝達部に対して熱源側に位置する第2熱伝達部に直接的に非接触である一方、第3の第2熱伝達部に対して接触部側に位置する第2熱伝達部に直接接触する構成とすることが可能である。
【0021】
上記した第1熱伝達部は、第1熱伝達部の第1部及び第2部を有しておらず、且つ熱源に直接接触する構成とすることが可能である。この場合、熱伝達装置は、上記一の第2熱伝達部を備えており、この一の第2熱伝達部が、上記一の第2熱伝達部の第1部及び第2部を有する構成とすることが可能である。この場合、熱源の熱が、第1熱伝達部に受熱され、第1熱伝達部及び一の第2熱伝達部を介して接触部に熱伝達される。一の第2熱伝達部の第1部には少なくとも一つの第2空隙が設けられているので、一の第2熱伝達部の第1部から接触部に対する熱伝達が、一の第2熱伝達部の第2部から接触部に対する熱伝達に比べて抑制される。このため、熱源の熱が、第1熱伝達部及び一の第2熱伝達部の第1部を介して、接触部に局所的に熱伝達され難くなる。又は、熱伝達装置は、上記第1の第2熱伝達部及び第2の第2熱伝達部を備えており、第1の第2熱伝達部が、上記第1の第2熱伝達部の第1部及び第2部を有する構成、及び/又は、第2の第2熱伝達部が、上記第2の第2熱伝達部の第1部及び第2部を有する構成とすることが可能である。この場合、熱源の熱が、第1熱伝達部に受熱され、第1熱伝達部、第1の第2熱伝達部及び第2の第2熱伝達部を介して接触部に熱伝達される。第1の第2熱伝達部及び第2の第2熱伝達部のうちの少なくとも一方の第1部には少なくとも一つの第2空隙が設けられているので、第1の第2熱伝達部の第1部から第2の第2熱伝達部のうちの当該第1部に接触する部分に対する熱伝達が、第1の第2熱伝達部の第2部から第2の第2熱伝達部のうちの当該第2部に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される、及び/又は、第2の第2熱伝達部の第1部から接触部のうちの当該第1部に接触する部分に対する熱伝達が、第2の第2熱伝達部の第2部から接触部のうちの当該第2部に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される。このため、熱源の熱が、第1熱伝達部と、第1の第2熱伝達部の第1部及び第2の第2熱伝達部の第1部のうちの少なくとも一方とを介して、接触部に局所的に熱伝達され難くなる。又は、熱伝達装置は、上記第1の第2熱伝達部、第2の第2熱伝達部及び第3の第2熱伝達部を備えており、この第1の第2熱伝達部が、上記第1の第2熱伝達部の第1部及び第2部を有する構成、第2の第2熱伝達部が、上記第2の第2熱伝達部の第1部及び第2部を有する構成、及び、第3の第2熱伝達部が、上記第3の第2熱伝達部の第1部及び第2部を有する構成のうちの少なくとも一つの構成を有する構成とすることが可能である。この場合、熱源の熱が、第1熱伝達部に受熱され、少なくとも、第1熱伝達部、第1の第2熱伝達部、第2の第2熱伝達部及び第3の第2熱伝達部を介して接触部に熱伝達される。第1の第2熱伝達部、第2の第2熱伝達部及び第3の第2熱伝達部のうちの少なくとも一つの第1部には少なくとも一つの第2空隙が設けられているので、第1の第2熱伝達部の第1部からその接触部側に位置する第2熱伝達部のうちの当該第1部に接触する部分に対する熱伝達が、第1の第2熱伝達部の第2部からその接触部側に位置する第2熱伝達部のうちの当該第2部に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される、第2の第2熱伝達部の第1部から接触部のうちの当該第1部に接触する部分に対する熱伝達が、第2の第2熱伝達部の第2部から接触部のうちの当該第2部に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される、及び、第3の第2熱伝達部の第1部からその接触部側に位置する第2熱伝達部のうちの当該第1部に接触する部分に対する熱伝達が、第3の第2熱伝達部の第2部からその接触部側に位置する第2熱伝達部のうちの当該第2部に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制されることのうちの少なくとも一つが生じる。このため、熱源の熱が、第1熱伝達部と、第1の第2熱伝達部の第1部、第2の第2熱伝達部の第1部及び第3の第2熱伝達部の第1部のうちの少なくとも一つとを介して、接触部に局所的に熱伝達され難くなる。
【0022】
熱伝達装置は、熱源に対して電気的に接続された第1端子及び第2端子を備えた構成とすることが可能である。第1端子が、第1熱伝達部を兼ねていても良いし、第1熱伝達部と別体であっても良い。
【0023】
熱源は、例えば、PTCヒーター、電熱線又はペルチェ素子で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】本発明の実施例1に係る熱伝達装置の正面、平面及び右側面から表した斜視図である。
図1B】実施例1の熱伝達装置の正面、底面及び右側面から表した斜視図である。
図2A】実施例1の熱伝達装置の図1A中の2A-2A断面図である。
図2B】実施例1の熱伝達装置の図1A中の2B-2B断面図である。
図3A】実施例1の熱伝達装置の正面、平面及び右側面から表した分解斜視図である。
図3B】実施例1の熱伝達装置の正面、底面及び右側面から表した分解斜視図である。
図4】実施例1の熱伝達装置第1設計変形例を示す断面図である。
図5】実施例1の熱伝達装置第2設計変形例を示す断面図である。
図6】実施例1の熱伝達装置第3設計変形例を示す断面図である。
図7】実施例1の熱伝達装置第4設計変形例を示す断面図である。
図8】本発明の実施例2に係る熱伝達装置の断面図である。
図9】実施例2の熱伝達装置の第1設計変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例1、2及びその設計変形例を含む複数の実施例について説明する。なお、後述する実施例及び設計変更例の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施例の各態様及び設計変形例における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能であることにも留意されたい。
【実施例1】
【0026】
以下、本発明の実施例1及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る熱伝達装置D1について、図1A図7を参照しつつ説明する。図1A図3Bには、実施例1の熱伝達装置D1が示されている。図4には、実施例1の熱伝達装置D1の第1設計変形例が示されている。図5には、実施例1の熱伝達装置D1の第2設計変形例が示されている。図6には、実施例1の熱伝達装置D1の第3設計変形例が示されている。図7には、実施例1の熱伝達装置D1の第4設計変形例が示されている。図2A図2B及び図4図7には、Z-Z’方向(第1方向)が示されている。Z-Z’方向は、Z方向及びZ’方向を含む。
【0027】
熱伝達装置D1は、接触部200を備えている。接触部200は、熱伝導性を有する素材(例えば、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン(図2A図2B及び図4図6参照)やシリコーン樹脂等)、弾性体(例えば、シリコーンゴム等)、金属(例えば、アルミニウム(図7参照)や銅)又は炭素繊維等)で構成されており且つ熱伝達対象に接触可能な構成であれば良い。例えば、熱伝達装置D1が保温及び/又は保冷機能付きの飲料ホルダーであり且つ熱伝達対象が飲料入りの缶やペットボトルである場合、熱伝達装置D1は、缶やペットボトルを収容可能なZ方向に開口した有底の筒を備え、この有底の筒は、Z-Z’方向に延びる側壁と、この側壁のZ’方向側の開口を閉塞する底部とを有する。この場合、接触部200は、有底の筒自体であっても良いし、有底の筒の側壁又は底部であっても良い。熱伝達装置D1が保温及び/又は保冷機能付きの弁当箱等の食材保存容器であり且つ熱伝達対象が食材保存容器内部の食材である場合(図示なし)、熱伝達装置D1は、食材を収容可能なZ方向に開口した有底の筒(例えば、有底の円筒又は多角筒)を備え、この有底の筒は、Z-Z’方向に延びる側壁と、この側壁のZ’方向側の開口を閉塞する底部とを有する。この場合も、接触部200は、有底の筒自体であっても良いし、有底の筒の側壁又は底部であっても良い。なお、接触部200は、熱伝達対象が載置可能(接触可能)な板であっても良い。
【0028】
熱伝達装置D1は、熱源100を更に備えている。熱源100は、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒーター、電熱線、サーミスタ又はペルチェ素子等で構成されている。PTCヒーターは、セラミック系PTCヒーター又は有機質PTCヒーター等とすることが可能である。
【0029】
セラミック系PTCヒーターは、チタン酸バリウム(BaTiO3)や酸化バナジウム(V2O3)等を主成分とする素子で構成されており且つ素子のキュリー温度が所定の温度となるように設定されている。素子の温度がキュリー温度未満である状態で、セラミック系PTCヒーターに通電がなされると、素子の抵抗値が低いため、素子に電流が流れて発熱し、素子の温度がキュリー温度付近に達するまで上昇する。素子の温度がキュリー温度付近まで上昇すると、素子の抵抗値が増大するため、素子に流れる電流が抑制され、素子の温度が低下する。この素子の温度上昇と温度低下が繰り返されることによって、セラミック系PTCヒーターの素子の温度は、キュリー温度付近で維持されるようになっている。なお、キュリー温度は素子の材料組成によって自在に温度設定が可能である。
【0030】
有機質PTCヒーターは、一対の電極と、この一対の電極の間に設けられた結晶性高分子重合体にカーボンブラックや金属等の導電性粒子を分散させて成形された素体とを有する構成となっている。素体の温度が、素体の特定の温度に達するまでは、素体の結晶性高分子重合体が熱膨張しておらず、素体の導電性粒子の分散状態が略均一であり、一対の電極間に無数の導電経路が形成されており且つ素体の抵抗値が低い状態にあるので、有機質PTCヒーターに通電がなされると、一対の電極及び素体に電流が流れて素体が発熱し、素体の温度が特定の温度付近に達するまで上昇する。素体の温度が特定の温度付近まで上昇すると、素体の結晶性高分子重合体が熱膨張し、素体の導電性粒子の分散状態が偏在し、一対の電極間の導電経路が遮断されて素体の抵抗値が増大するので、素体の温度が低下する。この素子の温度上昇と温度低下が繰り返されることによって、有機質PTCヒーターの素体の温度は、特定の温度付近で維持されるようになっている。なお、特定の温度は結晶性高分子重合体と導電性粒子との配合比率によって自在に温度設定が可能である。
【0031】
電熱線は、通電されることによって発熱するようになっている。サーミスタは、通電されることによって発熱するようになっている。
【0032】
ペルチェ素子は、一対の基板(例えば、セラミック基板や金属板等)と、一対の基板の間に交互に配置されたN型半導体とP型半導体とを有する構成であって、当該ペルチェ素子に通電がなされると、ペルチェ効果によって、一対の基板のうちの一方が加熱され、他方が冷却される構成となっている。ペルチェ素子が加熱素子として使用される場合、一方の基板がZ方向側(接触部200側)に向き、他方の基板がZ’方向を向くようにペルチェ素子が配置されている。ペルチェ素子が冷却素子として使用される場合、他方の基板がZ方向側(接触部200側)に向き、一方の基板がZ’方向を向くようにペルチェ素子が配置されている。ペルチェ素子が切り替え可能な加熱素子及び冷却素子として使用される場合、一方の基板がZ方向側(接触部200側)に向き、他方の基板がZ’方向を向くようにペルチェ素子が配置されている。この場合、ペルチェ素子に通電により印加される直流電流の向きが第1の向きである状態で、ペルチェ効果によって、一方の基板が加熱され、他方の基板が冷却される一方、ペルチェ素子に通電により印加される直流電流の向きが第1向きと逆の第2向きである状態で、一方の基板が冷却され、他方の基板が加熱されるようになっている。このように直流電流の向きを切り替えることで、ペルチェ素子は加熱と冷却を切り替えることができる。
【0033】
熱伝達装置D1は、第1熱伝達部300を更に備えている。第1熱伝達部300は、熱源100と接触部200との間に配置されている。第1熱伝達部300は、第1部310及び第2部320を有している。第1部310及び第2部320は、熱伝導性を有する素材(例えば、金属(例えば、アルミニウムや銅))で構成されている。なお、Z-Z’方向は、熱源100、第1熱伝達部300及び接触部200の並び方向に相当する。
【0034】
第1部310は、第2部320からZ’方向に延びた柱部又は凸部等であって、熱源100に対してZ方向側(接触部200側)から直接接触し且つ接触部200に直接的又は間接的に接触している。第1部310は、第1部310の内部に設けられた少なくとも一つの第1空隙301を有している。少なくとも一つの第1空隙301は、一又は複数であって、Z方向側(接触部200側)に開口していても良いし、第1部310の外部に開口しない密閉空間であっても良い。開口した少なくとも一つの第1空隙301内には空気が存在する。密閉空間である少なくとも一つの第1空隙301内には空気又はその他のガスが充填されている。この空気又はその他のガスの熱伝導率は、第1熱伝達部300の第1部310及び第2部320の熱伝導率よりも低い。少なくとも一つの第1空隙301が一つである場合、第1部310は、Z-Z’方向における断面視略U字状とすることが可能である。この第1部310は、Z-Z’方向に延びた筒状の側壁と、この側壁のZ’方向側の開口を閉塞する底部とを有しており、底部は、熱源100に対してZ方向側(接触部200側)から熱源100に直接接触している。第1部310が、熱源100によって加熱又は冷却される。換言すると、第1部310が、熱源100の熱を受熱するようになっている。
【0035】
例えば、第1部310が熱源100に加熱される場合、第1部310が、熱源100であるPTCヒーター、電熱線、サーミスタ又はペルチェ素子の一方の基板に対してZ方向側(接触部200側)からPTCヒーター、電熱線、サーミスタ又はペルチェ素子の一方の基板に直接接触している。第1部310が熱源100に冷却される場合、第1部310が、熱源100であるペルチェ素子の他方の基板に対してZ方向側(接触部200側)からペルチェ素子の他方の基板に直接接触している。第1部310に対して加熱及び冷却が切り替えて行われる場合、熱源100であるペルチェ素子の一方の基板に対してZ方向側(接触部200側)からペルチェ素子の一方の基板に直接接触している。
【0036】
第2部320は、例えば、第1部310からZ-Z’方向に略直交する直交方向に鍔状に延びた板(図2A図7参照)又は第1部310から前記直交方向に片持ち梁状に延びた一又は複数の板(図示なし)を有する構成とすることが可能である。第2部320は、熱源100に直接的に非接触である一方、接触部200に直接的又は間接的に接触している。
【0037】
熱伝達装置D1は、少なくとも一つの第2熱伝達部400を更に備えた構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2熱伝達部400は、第1熱伝達部300と接触部200との間に配置されている。少なくとも一つの第2熱伝達部400は、一又は複数とすることが可能である。以下、説明の便宜上、少なくとも一つの第2熱伝達部400を「一又は各第2熱伝達部400」とも称する。「一又は各第2熱伝達部400」のうちの一の第2熱伝達部400は、第2熱伝達部400が一つである場合の一の第2熱伝達部400に相当し、各第2熱伝達部400は、第2熱伝達部400が複数である場合の各々の第2熱伝達部400に相当する。一又は各第2熱伝達部400は、熱伝導性を有する素材(例えば、合成樹脂(例えば、ポリプロピレンやシリコーン樹脂等)、弾性体(例えば、シリコーンゴムやシリコーンパッド等)、金属(例えば、アルミニウムや銅)、接着剤(例えば、シリコーン系の接着剤)、接着テープ(例えば、熱伝導性両面粘着シリコーンテープ等)又は炭素繊維等)で構成されている。第2熱伝達部400の熱伝導率は、第1熱伝達部300の熱伝導率と同じであってもよいし、低くてもよいし、高くてもよい。
【0038】
少なくとも一つの第2熱伝達部400が一つである場合、一の第2熱伝達部400は、第1熱伝達部300に対してZ方向側に位置し、接触部200に対してZ’方向側に位置する。一の第2熱伝達部400は、例えば、以下の(1)~(3)の何れかの構成とすることが可能である。
【0039】
(1)一の第2熱伝達部400は、上記直交方向に延びたフラットな板状である(図7参照)。この場合、一の第2熱伝達部400は、第1熱伝達部300(例えば、第1部310及び/又は第2部320)に直接接触し且つ接触部200に直接接触している。
【0040】
(2)一の第2熱伝達部400は、Z-Z’方向における断面視略U字状である(図示なし)。この場合、一の第2熱伝達部400は、Z-Z’方向に延びた筒状の側壁と、この側壁のZ’方向側の開口を閉塞する底部とを有している。一の第2熱伝達部400の底部が第1熱伝達部300(例えば、第1部310及び/又は第2部320)に直接接触し、且つ一の第2熱伝達部400の側壁及び/又は底部が、接触部200に直接接触している。
【0041】
(3)一の第2熱伝達部400は、第1部410及び第2部420を有している(図6参照)。一の第2熱伝達部400の第1部410及び第2部420は、上記した熱伝導性を有する素材で構成されている。一の第2熱伝達部400の第1部410は、第1熱伝達部300(例えば、第1部310及び/又は第2部320)及び接触部200に直接接触する以外、第1熱伝達部300の第1部310と同様の構成とすることが可能である。一の第2熱伝達部400の第1部410が、第1熱伝達部300の第1部310に直接接触する場合、一の第2熱伝達部400の第1部410は、熱源100に対してZ方向側に位置している。一の第2熱伝達部400の第2部420は、第1熱伝達部300に対して直接的に非接触である一方、接触部200に直接接触する以外、第1熱伝達部300の第2部320と同様の構成とすることが可能である。一の第2熱伝達部400の第1部410には、少なくとも一つの第2空隙401が設けられている。少なくとも一つの第2空隙401は、一又は複数であって、Z方向側(接触部200側)に開口していても良いし、一の第2熱伝達部400の第1部410の外部に開口しない密閉空間であっても良い。開口した少なくとも一つの第2空隙401内には空気が存在する。密閉空間である少なくとも一つの第2空隙401内には空気又はその他のガスが充填されている。この空気又はその他のガスの熱伝導率は、一の第2熱伝達部400の第1部410及び第2部420の熱伝導率よりも低い。接触部200が有底の筒である場合、一の第2熱伝達部400は、第3部430(図2A図3Bを借りて参照)を更に有する構成とすることが可能である。一の第2熱伝達部400の第3部430は、一の第2熱伝達部400の第2部420の外周縁部からZ方向に延びており且つ接触部200の側壁に外嵌する構成とすることが可能である。なお、一の第2熱伝達部400の第3部430は、省略可能である。
【0042】
第1熱伝達部300の少なくとも一つの第1空隙301が開口している場合、一の第2熱伝達部400は、少なくとも一つの第1空隙301をZ方向側から閉塞するように配置されていても良いが、少なくとも一つの第1空隙301を閉塞しないように配置されていても良い。
【0043】
少なくとも一つの第2熱伝達部400が複数である場合、複数の第2熱伝達部400はZ-Z’方向において積み重ねられている。複数の第2熱伝達部400は、第1熱伝達部300に直接接触する第1の第2熱伝達部400と、接触部200に直接接触する第2の第2熱伝達部400とを含んでいる。第1の第2熱伝達部400は、第1熱伝達部300に対してZ方向側に位置し、第2の第2熱伝達部400は、接触部200に対してZ’方向側に位置している。複数の第2熱伝達部400は、第1の第2熱伝達部400と第2の第2熱伝達部400との間に位置する第3の第2熱伝達部400(図示しない)を更に含んでいても良い。
【0044】
複数の第2熱伝達部400は、Z-Z’方向において互いに隣り合い且つ接触する二つの第2熱伝達部400を少なくとも一組含んでいる。少なくとも一つの組が一つである場合(すなわち、第2熱伝達部400が二つである場合)、隣り合う二つの第2熱伝達部400のうちの一つが第1の第2熱伝達部400となり、別の一つが第1の第2熱伝達部400に対してZ方向側(接触部200側)に位置する第2の第2熱伝達部400となる。この場合、第3の第2熱伝達部400は省略される。
【0045】
少なくとも一つの組が二組である場合(すなわち、第2熱伝達部400が三つである場合)、二組は第1組及び第2組を含む。第1組の隣り合う二つの第2熱伝達部400のうちの一つが第1の第2熱伝達部400となり、別の一つが第1の第2熱伝達部400に対してZ方向に位置する第3の第2熱伝達部400となる。第2組の隣り合う二つの第2熱伝達部400のうちの一つが第3の第2熱伝達部400となり、別の一つが第3の第2熱伝達部400に対してZ方向に位置する第2の第2熱伝達部400となる。
【0046】
上記組が三組以上である場合(すなわち、第2熱伝達部400が四つ以上である場合)、三組以上の組は、少なくとも第一組、第二組及び第三組を含む。第一組の隣り合う二つの第2熱伝達部400のうちの一つが、第1の第2熱伝達部400となり、もう一つが第1の第2熱伝達部400に対してZ方向に位置する第2熱伝達部400(第3の第2熱伝達部400又は第3の第2熱伝達部400以外の第2熱伝達部400)となる。第二組の隣り合う二つの第2熱伝達部400のうちの一つが第3の第2熱伝達部400となり、別の一つが第3の第2熱伝達部400に対してZ方向に位置する第2熱伝達部400(第2の第2熱伝達部400又は第2の第2熱伝達部400以外の第2熱伝達部400)となる。第三組の隣り合う二つの第2熱伝達部400のうちの一つが第2の第2熱伝達部400となり、別の一つが第2の第2熱伝達部400に対してZ’方向に位置する第2熱伝達部400(第3の第2熱伝達部400又は第3の第2熱伝達部400以外の第2熱伝達部400)となる。
【0047】
第1の第2熱伝達部400は、例えば、以下の(4)~(6)の何れかの構成を有することが可能である。
【0048】
(4)第1の第2熱伝達部400は、上記直交方向に延びたフラットな板状である(図2A図3B及び図5参照)。この場合、第1の第2熱伝達部400は、第1熱伝達部300(例えば、第1部310及び/又は第2部320)に直接接触し且つ複数の第2熱伝達部400のうちの第1の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400に直接接触している。
【0049】
(5)第1の第2熱伝達部400は、Z-Z’方向における断面視略U字状である(図示なし)。この場合、第1の第2熱伝達部400は、Z-Z’方向に延びた筒状の側壁と、この側壁のZ’方向側の開口を閉塞する底部とを有している。第1の第2熱伝達部400の底部が第1熱伝達部300(例えば、第1部310及び/又は第2部320)に直接接触し、且つ第1の第2熱伝達部400の側壁及び/又は底部が、複数の第2熱伝達部400のうちの第1の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400に直接接触している。
【0050】
(6)第1の第2熱伝達部400は、第1部410及び第2部420を有している(図4参照)。第1の第2熱伝達部400の第1部410及び第2部420は、上記した熱伝導性を有する素材で構成されている。第1の第2熱伝達部400の第1部410は、第1熱伝達部300(例えば、第1部310及び/又は第2部320)及び複数の第2熱伝達部400のうちの第1の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400に直接接触する以外、第1熱伝達部300の第1部310と同様の構成とすることが可能である。第1の第2熱伝達部400の第1部410が第1熱伝達部300の第1部310に直接接触する場合、第1の第2熱伝達部400の第1部410は、熱源100に対してZ方向側に位置している。第1の第2熱伝達部400の第2部420は、第1熱伝達部300に対して直接的に非接触である一方、複数の第2熱伝達部400のうちの第1の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400に直接接触する以外、第1熱伝達部300の第2部320と同様の構成とすることが可能である。第1の第2熱伝達部400の第1部410には、少なくとも一つの第2空隙401が設けられている。少なくとも一つの第2空隙401は、一又は複数であって、Z方向側(接触部200側)に開口していても良いし、第1の第2熱伝達部400の第1部410の外部に開口しない密閉空間であっても良い。開口した少なくとも一つの第2空隙401内には空気が存在する。密閉空間である少なくとも一つの第2空隙401内には空気又はその他のガスが充填されている。この空気又はその他のガスの熱伝導率は、第1の第2熱伝達部400の第1部410及び第2部420の熱伝導率よりも低い。
【0051】
第1熱伝達部300の開口した少なくとも一つの第1空隙301が設けられている場合、第1の第2熱伝達部400は、少なくとも一つの第1空隙301をZ方向側から閉塞するように配置されていても良いが、少なくとも一つの第1空隙301を閉塞しないように配置されていても良い。
【0052】
第2の第2熱伝達部400は、例えば、以下の(7)~(9)の何れかの構成を有することが可能である。
【0053】
(7)第2の第2熱伝達部400は、上記直交方向に延びたフラットな板状である(図4参照)。この場合、第2の第2熱伝達部400は、複数の第2熱伝達部400のうちの第2の第2熱伝達部400に対してZ’方向側に位置する第2熱伝達部400に直接接触し、且つ接触部200に直接接触している。
【0054】
(8)第2の第2熱伝達部400は、Z-Z’方向における断面視略U字状である(図示なし)。この場合、第2の第2熱伝達部400は、Z-Z’方向に延びた筒状の側壁と、この側壁のZ’方向側の開口を閉塞する底部とを有している。第2の第2熱伝達部400の底部が複数の第2熱伝達部400のうちの第2の第2熱伝達部400に対してZ’方向側に位置する第2熱伝達部400接触し、且つ第2の第2熱伝達部400の側壁及び/又は底部が接触部200に直接接触している。
【0055】
(9)第2の第2熱伝達部400は、第1部410及び第2部420を有している(図2A図3B及び図5参照)。第2の第2熱伝達部400の第1部410及び第2部420は、上記した熱伝導性を有する素材で構成されている。第2の第2熱伝達部400の第1部410は、複数の第2熱伝達部400のうちの第2の第2熱伝達部400に対してZ’方向側に位置する第2熱伝達部400及び接触部200に直接接触する以外、第1熱伝達部300の第1部310と同様の構成とすることが可能である。第2の第2熱伝達部400の第1部410は、熱源100に対してZ方向側に位置する構成とすることが可能である。第2の第2熱伝達部400の第2部420は、複数の第2熱伝達部400のうちの第2の第2熱伝達部400に対してZ’方向側に位置する第2熱伝達部400に対して直接的に非接触である一方、接触部200に直接接触する以外、第1熱伝達部300の第2部320と同様の構成とすることが可能である。第2の第2熱伝達部400の第1部410には、少なくとも一つの第2空隙401が設けられている。少なくとも一つの第2空隙401は、一又は複数であって、Z方向側(接触部200側)に開口していても良いし、第2の第2熱伝達部400の第1部410の外部に開口しない密閉空間であっても良い。開口した少なくとも一つの第2空隙401内には空気が存在する。密閉空間である少なくとも一つの第2空隙401内には空気又はその他のガスが充填されている。この空気又はその他のガスの熱伝導率は、第2の第2熱伝達部400の第1部410及び第2部420の熱伝導率よりも低い。第2の第2熱伝達部400の開口した少なくとも一つの第2空隙401が設けられている場合、接触部200は、少なくとも一つの第2空隙401をZ方向側から閉塞するように配置されていても良い(図2A図2B及び図5参照)が、少なくとも一つの第2空隙401を閉塞しないように配置されていても良い。第2の第2熱伝達部400は、第3部430を更に有有する構成とすることが可能である。第2の第2熱伝達部400の第3部430は、第2の第2熱伝達部400の第2部420の外周縁部からZ方向に延びており且つ接触部200の側壁に外嵌する構成とすることが可能である。なお、第2の第2熱伝達部400の第3部430は、省略可能である。
【0056】
第3の第2熱伝達部400は、例えば、以下の(10)~(12)の何れかの構成を有することが可能である。
【0057】
(10)第3の第2熱伝達部400は、上記直交方向に延びたフラットな板状である(図示なし)。この場合、第3の第2熱伝達部400は、複数の第2熱伝達部400のうちの第3の第2熱伝達部400に対してZ’方向側に位置する第2熱伝達部400に直接接触し且つ複数の第2熱伝達部400のうちの第3の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400に直接接触している。
【0058】
(11)第3の第2熱伝達部400は、Z-Z’方向における断面視略U字状である(図示なし)。この場合、第3の第2熱伝達部400は、Z-Z’方向に延びた筒状の側壁と、この側壁のZ’方向側の開口を閉塞する底部とを有している。第3の第2熱伝達部400の底部が複数の第2熱伝達部400のうちの第3の第2熱伝達部400に対してZ’方向側に位置する第2熱伝達部400に直接接触し、且つ第3の第2熱伝達部400の側壁及び/又は底部が、複数の第2熱伝達部400のうちの第3の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400に直接接触している。
【0059】
(12)第3の第2熱伝達部400は、第1部410及び第2部420を有している(図示なし)。第3の第2熱伝達部400の第1部410及び第2部420は、上記した熱伝導性を有する素材で構成されている。第3の第2熱伝達部400の第1部410は、複数の第2熱伝達部400のうちの第3の第2熱伝達部400に対してZ’方向側に位置する第2熱伝達部400及び複数の第2熱伝達部400のうちの第3の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400に直接接触する以外、第1熱伝達部300の第1部310と同様の構成とすることが可能である。第3の第2熱伝達部400の第1部410は、熱源100に対してZ方向側に位置する構成とすることが可能である。第3の第2熱伝達部400の第2部420は、複数の第2熱伝達部400のうちの第3の第2熱伝達部400に対してZ’方向側に位置する第2熱伝達部400に対して直接的に非接触である一方、複数の第2熱伝達部400のうちの第3の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400に直接接触する以外、第1熱伝達部300の第2部320と同様の構成とすることが可能である。第3の第2熱伝達部400の第1部410には、少なくとも一つの第2空隙401が設けられている。少なくとも一つの第2空隙401は、一又は複数であって、Z方向側(接触部200側)に開口していても良いし、第3の第2熱伝達部400の第1部410の外部に開口しない密閉空間であっても良い。開口した少なくとも一つの第2空隙401内には空気が存在する。密閉空間である少なくとも一つの第2空隙内には空気又はその他のガスが充填されている。この空気又はその他のガスの熱伝導率は、第3の第2熱伝達部400の第1部410及び第2部420の熱伝導率よりも低い。第3の第2熱伝達部400の開口した少なくとも一つの第2空隙401が設けられている場合、第3の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400は、少なくとも一つの第2空隙401をZ方向側から閉塞するように配置されていても良いが、少なくとも一つの第2空隙401を閉塞しないように配置されていても良い。
【0060】
なお、少なくとも一つの第2熱伝達部400は省略可能である。
【0061】
熱伝達装置D1は、第1端子を備えた構成とすることが可能である。第1端子は、第1熱伝達部300を兼ねていても良い(図2A図7参照)。この場合、第1熱伝達部300は、熱源100に直接接触して熱源100の熱を受熱するだけでなく、熱源100に直接接触することによって、熱源100に電気的に接続されている。第1端子は、第1熱伝達部300と別体であっても良い(図示なし)。この場合、別体の第1端子が熱源100に接続され、第1熱伝達部300が、熱源100に直接接触して熱源100の熱を受熱する一方、熱源100に電気的に接続されていない。
【0062】
熱伝達装置D1は、第2端子500を更に備えた構成とすることが可能である(図2A図4及び図6図7参照)。第2端子500は、熱源100に直接接触することによって、熱源100に電気的に接続されている。第2端子500は、少なくとも一つの接点部510を有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの接点部510は、一又は複数であって、Z’方向側から熱源100に弾性接触した接点バネである。第1熱伝達部300が第1端子を兼ねており且つ第2端子500の少なくとも一つの接点部510が接点バネである場合、第1熱伝達部300の第1部310は、Z方向側から熱源100に直接接触し、且つ、第2端子500の少なくとも一つの接点部510が、Z’方向側から熱源100に弾性接触することによって、熱源100が第1熱伝達部300と第2端子500とによってZ-Z’方向において弾性的に挟持される。第1熱伝達部300が第1端子と別体である場合、第1端子がZ方向側から熱源100に直接接触し、且つ、第2端子500の少なくとも一つの接点部510が、Z’方向側から熱源100に弾性接触することによって、熱源100が第1端子と第2端子500とによってZ-Z’方向において弾性的に挟持される。なお、少なくとも一つの接点部510は、熱源100に対して、Z’方向側から単に接触する(弾性接触しない)突起であっても良い。なお、図5では、第2端子500は図示省略されている。
【0063】
熱伝達装置D1は、第1基板600と、第1ケーブル700と、第2ケーブル700とを更に備えた構成とすることが可能である。第1基板600には、熱源100を収容するための収容孔610が設けられていても良い。この収容孔610は省略可能である。この場合、第1基板600は、熱源100に干渉しないように配置されている。第1ケーブル700は、第1基板600に接続されており且つ第1基板600を介して第1端子(第1熱伝達部300を兼ねる又は第1熱伝達部300と別体)に電気的に接続された構成とすることが可能である。第2ケーブル700は、第1基板600に接続されており且つ第1基板600を介して第2端子500に電気的に接続された構成とすることが可能である。この場合、第1端子は、第1基板600に電気的に接続される接続部(第1熱伝達部300を兼ねる場合、接続部330)を有している。第2端子500は、第1基板600に電気的に接続される接続部520を有している。
【0064】
熱伝達装置D1は、ケース1000を更に備えた構成とすることが可能である。このケース1000は、Z-Z’方向において、接触部200に固定されている。ケース1000と接触部200との間に、熱源100と、第1端子を兼ねる第1熱伝達部300と、少なくとも一つの第2熱伝達部400と、第1基板600と、第2端子500と、第1、第2ケーブル700の一部が収容されている。第1端子と第1熱伝達部300が別体である場合、ケース1000と接触部200との間に、第1端子も収容される。
【0065】
なお、第1基板600が省略され、第1ケーブル700が第1端子に接続され且つ第2ケーブル700が第2端子500に接続された構成とすることも可能である。又は、第1熱伝達部300と別体の第1端子と、第2端子500と、第1基板600が省略され、第1ケーブル700及び第2ケーブル700が、熱源100に接続されていても良い。
【0066】
熱伝達装置D1は、第2基板800、操作部900、コネクタC及び図示しない制御部を更に備えた構成とすることが可能である(図2A図3B参照)。この場合、第2基板800は、接触部200に設けられた保持部に保持されている。第2基板800は、第1ケーブル700及び第2ケーブル700に接続されている。また、第2基板800には、操作部900と、コネクタCと、制御部とが実装されている。コネクタCは、電源に電気的に接続された相手方コネクタが接続可能となっている。操作部900は、操作部本体910と、カバー920とを有する構成とすることが可能である。操作部本体910は、押下スイッチ、スライドスイッチ、静電容量型のタッチスイッチ、抵抗膜方式のタッチスイッチ又は光学式のタッチスイッチ等であって、操作されることによって、電気信号を出力する又は操作部本体910の電気信号(例えば、電圧)を変化させる構成となっている。カバー920は操作部本体910を覆っている。カバー920を介して操作部本体910が操作可能となっている。カバー920は省略可能である。制御部は、ICなどの論理回路であって、操作部本体910の電気信号の入力又は操作部本体910の電気信号(例えば、電圧)の変化に応じて、熱源100に対する通電のオン/オフを制御する構成及び/又は熱源100に対して通電により印加される直流電流の向きを第1向きから第2向きへ又はその逆に切り替える構成となっている。
【0067】
熱伝達装置D1は、第2基板800の代わりに、第3基板800a及び第4基板800bを備えた構成とすることが可能である(図5及び図7参照)。第3基板800aには、コネクタCが実装されており、第4基板800bには、制御部及び操作部900が実装されている。第3基板800aと第1基板600とが第1ケーブル700a及び第2ケーブル700aによって接続されている。第4基板800bと第1基板600とが第3ケーブル700b及び第4ケーブル700bによって接続されている。
【0068】
熱伝達装置D1は、ケース1000の代わりに、第1、第2ケース1000a、1000bを備えた構成とすることが可能である(図7参照)。第1、第2ケース1000a、1000bは、Z-Z’方向において組み合わされ、第1、第2ケース1000a、1000bの間で接触部200が保持されている。第1ケース1000aと接触部200との間には、熱源100と、第1端子を兼ねる第1熱伝達部300と、少なくとも一つの第2熱伝達部400と、第1基板600と、第2端子500と、第1、第2ケーブル700の一部又は第1、第2ケーブル700a及び第3、第4ケーブル700bの一部とが収容されている。第1端子と第1熱伝達部300が別体である場合、ケース1000と接触部200との間に、第1端子も収容される。
【0069】
コネクタCに代えて、バッテリーが設けられていても良い。この場合、第1ケーブル700及び第2ケーブル700はバッテリーに接続されている。コネクタCは省略可能である。この場合、第1ケーブル700及び第2ケーブル700は電源に電気的に接続可能となっていれば良い。
【0070】
なお、第2基板800、操作部900、コネクタC及び制御部、又は、第3基板800a、第4基板800b、操作部900、コネクタC及び制御部は省略可能である。この場合、第1ケーブル700及び第2ケーブル700は、電源に電気的に接続可能となっており、且つ熱伝達装置D1が接続される電子機器の制御部及び操作部を、熱伝達装置D1の制御部及び操作部900の代わりに使用することが可能である。なお、熱伝達装置D1が電子機器に搭載され且つ接触部200が電子機器から露出する場合、ケース1000や第1、第2ケース1000a、1000bも省略可能である。上記電子機器には、自動車等の車両も含まれる。
【0071】
以上のような熱伝達装置D1による場合、以下の技術的特徴及び効果を奏する。
【0072】
(A)少なくとも一つの第2熱伝達部400が設けられておらず、且つ第1熱伝達部300の第1部310及び第2部320が接触部200に直接接触している場合、第1熱伝達部300の第1部310によって受熱された熱源100の熱(加熱又は冷却の熱)が、第1熱伝達部300を介して接触部200に熱伝達される。第1熱伝達部300の第1部310には、少なくとも一つの第1空隙301が設けられているので、第1熱伝達部300の第1部310から接触部200のうちの第1部310に接触する部分に対する熱伝達が、第1熱伝達部300の第2部320から接触部200のうちの第2部320に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される。このため、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310を介して、接触部200の当該第1部310に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0073】
(B)一の第2熱伝達部400が設けられている場合、第1熱伝達部300の第1部310によって受熱された熱源100の熱(加熱又は冷却の熱)が、第1熱伝達部300及び一の第2熱伝達部400を介して接触部200に熱伝達される。(B-1)第1熱伝達部300の第1部310には、少なくとも一つの第1空隙301が設けられているので、第1熱伝達部300の第1部310から一の第2熱伝達部400のうちの第1部310に接触する部分に対する熱伝達が、第1熱伝達部300の第2部320から一の第2熱伝達部400のうちの第2部320に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される(以下、この熱伝達の抑制を第1の熱伝達の抑制ともいう。)。このため、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310及び一の第2熱伝達部400を介して、接触部200の当該第1部310に対してZ方向側の部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0074】
(B-2)(B-1)の構成に加えて、一の第2熱伝達部400が第1部410及び第2部420を有し、一の第2熱伝達部400の第1部410が熱源100に対してZ方向側に位置し且つ少なくとも一つの第2空隙401を有する場合、(B-1)の第1の熱伝達の抑制がなされ、且つ、一の第2熱伝達部400の第1部410から接触部200のうちの第1部410に接触する部分に対する熱伝達が、一の第2熱伝達部400の第2部420から接触部200のうちの第2部420に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310及び一の第2熱伝達部400の第1部410を介して、接触部200の第1部310に対してZ方向側に位置し且つ第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0075】
(C)二つの第2熱伝達部400(第1の第2熱伝達部400及び第2の第2熱伝達部400)が設けられている場合、第1熱伝達部300の第1部310によって受熱された熱源100の熱(加熱又は冷却の熱)が、第1熱伝達部300、第1の第2熱伝達部400及び第2の第2熱伝達部400を介して接触部200に熱伝達される。(C-1)第1熱伝達部300の第1部310には、少なくとも一つの第1空隙301が設けられているので、第1熱伝達部300の第1部310から第1の第2熱伝達部400のうちの第1部310に接触する部分に対する熱伝達が、第1熱伝達部300の第2部320から第1の第2熱伝達部400のうちの第2部320に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される(以下、この熱伝達の抑制を第2の熱伝達の抑制ともいう。)。このため、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310、第1の第2熱伝達部400及び第2の第2熱伝達部400を介して、接触部200の当該第1部310に対してZ方向側の部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0076】
(C-2)(C-1)の構成に加えて、第1の第2熱伝達部400が第1部410及び第2部420を有し、第1の第2熱伝達部400の第1部410が熱源100に対してZ方向側に位置し且つ少なくとも一つの第2空隙401を有する場合、(C-1)の第2の熱伝達の抑制がなされ、且つ、第1の第2熱伝達部400の第1部410から第2の第2熱伝達部400のうちの第1の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対する熱伝達が、第1の第2熱伝達部400の第2部420から第2の第2熱伝達部400のうちの第1の第2熱伝達部400の第2部420に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される(以下、この熱伝達の抑制を第3の熱伝達の抑制ともいう。)。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310、第1の第2熱伝達部400の第1部410及び第2の第2熱伝達部400を介して、接触部200の第1熱伝達部300の第1部310及び第1の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0077】
(C-3)(C-1)の構成に加えて、第2の第2熱伝達部400が第1部410及び第2部420を有し、第2の第2熱伝達部400の第1部410が熱源100に対してZ方向側に位置し且つ少なくとも一つの第2空隙401を有する場合、(C-1)の第2の熱伝達の抑制がなされ、且つ、第2の第2熱伝達部400の第1部410から接触部200のうちの当該第1部410に接触する部分に対する熱伝達が、第2の第2熱伝達部400の第2部420から接触部200のうちの当該第2部420に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される(以下、この熱伝達の抑制を第4の熱伝達の抑制ともいう。)。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310、第1の第2熱伝達部400及び第2の第2熱伝達部400の第1部410を介して、接触部200の第1熱伝達部300の第1部310に対してZ方向側に位置し且つ第2の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0078】
(C-4)(C-1)の構成に加えて、(C-2)及び(C-3)の構成が設けられている場合、(C-1)の第2の熱伝達の抑制がなされ、(C-2)の第3の熱伝達の抑制がなされ、且つ(C-4)の第4の熱伝達の抑制がなされる。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310、第1の第2熱伝達部400の第1部410及び第2の第2熱伝達部400の第1部410を介して、接触部200の第1熱伝達部300の第1部310及び第1の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置し且つ第2の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0079】
(D)3以上の第2熱伝達部400(第1の第2熱伝達部400、第2の第2熱伝達部400及び第3の第2熱伝達部400を含む。)が設けられている場合、第1熱伝達部300の第1部310によって受熱された熱源100の熱(加熱又は冷却の熱)が、第1熱伝達部300及び3以上の第2熱伝達部400を介して接触部200に熱伝達される。(D-1)第1熱伝達部300の第1部310には、少なくとも一つの第1空隙301が設けられているので、(C-1)の第2の熱伝達の抑制がなされる。このため、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310及び3以上の第2熱伝達部400を介して、接触部200の当該第1部310に対してZ方向側の部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0080】
(D-2)(D-1)の構成に加えて、第1の第2熱伝達部400が第1部410及び第2部420を有し、第1の第2熱伝達部400の第1部410が熱源100に対してZ方向側に位置し且つ少なくとも一つの第2空隙401を有する場合、(C-1)の第2の熱伝達の抑制がなされ、且つ第1の第2熱伝達部400の第1部410から、第1の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400のうちの第1の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対する熱伝達が、第1の第2熱伝達部400の第2部420から、第1の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400のうちの第1の第2熱伝達部400の第2部420に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される(以下、この熱伝達の抑制を第5の熱伝達の抑制ともいう。)。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310、第1の第2熱伝達部400の第1部410及び第1の第2熱伝達部400よりもZ方向側の二以上の第2熱伝達部400を介して、接触部200の第1熱伝達部300の第1部310及び第1の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0081】
(D-3)(D-1)の構成に加えて、第3の第2熱伝達部400が第1部410及び第2部420を有し、第3の第2熱伝達部400の第1部410が熱源100に対してZ方向側に位置し且つ少なくとも一つの第2空隙401を有する場合、(C-1)の第2の熱伝達の抑制がなされ、且つ第3の第2熱伝達部400の第1部410から、第3の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400のうちの第3の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対する熱伝達が、第3の第2熱伝達部400の第2部420から、第3の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400のうちの第3の第2熱伝達部400の第2部420に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される(以下、この熱伝達の抑制を第6の熱伝達の抑制ともいう。)。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310と、第3の第2熱伝達部400の第1部410と、第3の第2熱伝達部400を除く二以上の第2熱伝達部400とを介して、接触部200の第1熱伝達部300の第1部310及び第3の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0082】
(D-4)(D-1)の構成に加えて、第2の第2熱伝達部400が第1部410及び第2部420を有し、第2の第2熱伝達部400の第1部410が熱源100に対してZ方向側に位置し且つ少なくとも一つの第2空隙401を有する場合、(C-1)の第2の熱伝達の抑制がなされ、且つ、(C-3)の第4の熱伝達の抑制がなされる。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310と、第2の第2熱伝達部400を除く二以上の第2熱伝達部400と、第2の第2熱伝達部400の第1部410とを介して、接触部200の第1熱伝達部300の第1部310に対してZ方向側に位置し且つ第2の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0083】
(D-5)(D-1)の構成に加えて、(D-2)及び(D-3)の構成が設けられている場合、(C-1)の第2の熱伝達の抑制がなされ、(D-2)の第5の熱伝達の抑制がなされ、且つ(D-3)の第6の熱伝達の抑制がなされる。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310と、第1の第2熱伝達部400の第1部410と、第3の第2熱伝達部400の第1部410と、第1の第2熱伝達部400及び第3の第2熱伝達部400を除く一以上の第2熱伝達部400とを介して、接触部200の第1熱伝達部300の第1部310、第1の第2熱伝達部400の第1部410及び第3の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0084】
(D-6)(D-1)の構成に加えて、(D-2)及び(D-4)の構成が設けられている場合、(C-1)の第2の熱伝達の抑制がなされ、(D-2)の第5の熱伝達の抑制がなされ、且つ(C-3)の第4の熱伝達の抑制がなされる。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310と、第1の第2熱伝達部400の第1部410と、第1の第2熱伝達部400及び第2の第2熱伝達部400を除く一以上の第2熱伝達部400と、第2の第2熱伝達部400の第1部410とを介して、接触部200の第1熱伝達部300の第1部310及び第1の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置し且つ第2の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0085】
(D-7)(D-1)の構成に加えて、(D-3)及び(D-4)の構成が設けられている場合、(C-1)の第2の熱伝達の抑制がなされ、(D-3)の第6の熱伝達の抑制がなされ、且つ(C-3)の第4の熱伝達の抑制がなされる。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300の第1部310と、第3の第2熱伝達部400の第1部410と、第3の第2熱伝達部400及び第2の第2熱伝達部400を除く一以上の第2熱伝達部400と、第2の第2熱伝達部400の第1部410とを介して、接触部200の第1熱伝達部300の第1部310及び第3の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置し且つ第2の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0086】
(D-8)(D-1)の構成に加えて、(D-2)~(D-4)の構成が設けられている場合、(C-1)の第2の熱伝達の抑制がなされ、(D-2)の第5の熱伝達の抑制がなされ、(D-3)の第6の熱伝達の抑制がなされ、且つ(C-3)の第4の熱伝達の抑制がなされる。この場合、熱源100の熱が、少なくとも、第1熱伝達部300の第1部310と、第1の第2熱伝達部400の第1部410と、第3の第2熱伝達部400の第1部410と、第2の第2熱伝達部400の第1部410とを介して、接触部200の第1熱伝達部300の第1部310、第1の第2熱伝達部400の第1部410及び第3の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置し且つ第2の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0087】
第1熱伝達部300が第1端子を兼ねている場合、第1熱伝達部300が第1端子と別体として設けられている場合に比べて、熱伝達装置D1の部品点数が低減される。
【0088】
熱源100がPTCヒーターで構成されている場合、通電時の熱源100の温度が、上記キュリー温度付近又は上記特定の温度付近で自動的に維持される。
【実施例2】
【0089】
以下、本発明の実施例2及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る熱伝達装置D2について、図8図9を参照しつつ説明する。図8図9には、熱伝達装置D1と同様に、Z-Z’方向が示されている。
【0090】
熱伝達装置D2は、熱伝達装置D2の第1熱伝達部300が第1部310及び第2部320を有しておらず且つ少なくとも一つの第2熱伝達部400を備えている点で、熱伝達装置D1と相違している以外、熱伝達装置D1と同様の構成である。以下、この相違点についてのみ詳しく説明し、熱伝達装置D2の説明のうち、熱伝達装置D1の説明と重複する説明は省略する。
【0091】
熱伝達装置D2の第1熱伝達部300は、例えば、Z-Z’方向に直交する直交方向に延びたフラットな板状である。熱伝達装置D2の第1端子(図示なし)が設けられている場合、第1端子は第1熱伝達部300と別体である。
【0092】
熱伝達装置D2の少なくとも一つの第2熱伝達部400が一つである場合、熱伝達装置D2の一の第2熱伝達部400は、以下の点を除き、上記(3)の構成と同じ構成を有する。
【0093】
熱伝達装置D2の一の第2熱伝達部400の第1部410は、第1熱伝達部300及び接触部200に直接接触している。一の第2熱伝達部400の第1部410は、熱源100に対してZ方向側に位置している。
【0094】
熱伝達装置D2の少なくとも一つの第2熱伝達部400が、複数であって、第1の第2熱伝達部400及び第2の第2熱伝達部400を含む場合、第1の第2熱伝達部400が、以下の点を除き、上記(6)の構成と略同じ構成の第1部410及び第2部420を有する構成(図9参照)、及び、第2の第2熱伝達部400が、以下の点を除き、上記(9)の構成と略同じ構成の第1部410及び第2部420を有する構成(図8参照)の少なくとも一方の構成を備えている。
【0095】
第1の第2熱伝達部400の第1部410は、第1熱伝達部300及び複数の第2熱伝達部400のうちの第1の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400に直接接触している。第1の第2熱伝達部400の第1部410は、熱源100に対してZ方向側に位置している。なお、第1の第2熱伝達部400が、第1部410及び第2部420を有していない場合、第1の第2熱伝達部400は、上記(4)の構成(図8参照)又は上記(5)の構成とすることが可能である。
【0096】
第2の第2熱伝達部400の第1部410は、複数の第2熱伝達部400のうちの第2の第2熱伝達部400に対してZ’方向側に位置する第2熱伝達部400及び接触部200に直接接触している。第1の第2熱伝達部400の第1部410は、熱源100に対してZ方向側に位置している。なお、第2の第2熱伝達部400が、第1部410及び第2部420を有していない場合、第1の第2熱伝達部400は、上記(7)の構成(図9参照)又は上記(8)の構成とすることが可能である。
【0097】
熱伝達装置D2の複数の第2熱伝達部400が、第3の第2熱伝達部400を含む場合、熱伝達装置D2は、第1の第2熱伝達部400が上記した第1の第2熱伝達部400の第1部410及び第2部420を有する構成、第2の第2熱伝達部400が上記した第2の第2熱伝達部400の第1部410及び第2部420を有する構成、及び、第3の第2熱伝達部400が、以下の点を除き、上記(12)の構成と略同じ構成の第1部410及び第2部420を有する構成の少なくとも一つの構成を備えている。
【0098】
第3の第2熱伝達部400の第1部410は、熱源100に対してZ方向側に位置している。なお、第3の第2熱伝達部400が、第1部410及び第2部420を有していない場合、第3の第2熱伝達部400は、上記(10)又は上記(11)の構成とすることが可能である。
【0099】
以上のような熱伝達装置D2による場合、以下の技術的特徴及び効果を奏する。
【0100】
(B’)一の第2熱伝達部400が設けられている場合、第1熱伝達部300によって受熱された熱源100の熱(加熱又は冷却の熱)が、第1熱伝達部300及び一の第2熱伝達部400を介して接触部200に熱伝達される。一の第2熱伝達部400の第1部410が熱源100に対してZ方向側に位置し且つ少なくとも一つの第2空隙401を有しているので、一の第2熱伝達部400の第1部410から接触部200のうちの第1部410に接触する部分に対する熱伝達が、一の第2熱伝達部400の第2部420から接触部200のうちの第2部420に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300及び一の第2熱伝達部400の第1部410を介して、接触部200の第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0101】
(C’)二つの第2熱伝達部400(第1の第2熱伝達部400及び第2の第2熱伝達部400)が設けられている場合、第1熱伝達部300によって受熱された熱源100の熱(加熱又は冷却の熱)が、第1熱伝達部300、第1の第2熱伝達部400及び第2の第2熱伝達部400を介して接触部200に熱伝達される。具体的には、(C-2’)、(C-3’)又は(C-4’)の通りである。
【0102】
(C-2’)第1の第2熱伝達部400が第1部410及び第2部420を有し、第1の第2熱伝達部400の第1部410が熱源100に対してZ方向側に位置し且つ少なくとも一つの第2空隙401を有する場合、第1の第2熱伝達部400の第1部410から第2の第2熱伝達部400のうちの第1の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対する熱伝達が、第1の第2熱伝達部400の第2部420から第2の第2熱伝達部400のうちの第1の第2熱伝達部400の第2部420に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される(以下、この熱伝達の抑制を第3の熱伝達の抑制ともいう。)。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300、第1の第2熱伝達部400の第1部410及び第2の第2熱伝達部400を介して、接触部200の第1の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0103】
(C-3’)第2の第2熱伝達部400が第1部410及び第2部420を有し、第2の第2熱伝達部400の第1部410が熱源100に対してZ方向側に位置し且つ少なくとも一つの第2空隙401を有する場合、第2の第2熱伝達部400の第1部410から接触部200のうちの当該第1部410に接触する部分に対する熱伝達が、第2の第2熱伝達部400の第2部420から接触部200のうちの当該第2部420に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される(以下、この熱伝達の抑制を第4の熱伝達の抑制ともいう。)。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300、第1の第2熱伝達部400及び第2の第2熱伝達部400の第1部410を介して、接触部200の第2の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0104】
(C-4’)(C-2’)及び(C-3’)の構成が設けられている場合、(C-2’)の第3の熱伝達の抑制がなされ、且つ(C-4’)の第4の熱伝達の抑制がなされる。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300、第1の第2熱伝達部400の第1部410及び第2の第2熱伝達部400の第1部410を介して、接触部200の第1の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置し且つ第2の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0105】
(D’)3以上の第2熱伝達部400(第1の第2熱伝達部400、第2の第2熱伝達部400及び第3の第2熱伝達部400を含む。)が設けられている場合、第1熱伝達部300によって受熱された熱源100の熱(加熱又は冷却の熱)が、第1熱伝達部300及び3以上の第2熱伝達部400を介して接触部200に熱伝達される。具体的には、(D-2’)、(D-3’)、(D-4’)、(D-5’)、(D-6’)、(D-7’)又は(D-8’)の通りである。
【0106】
(D-2’)第1の第2熱伝達部400が第1部410及び第2部420を有し、第1の第2熱伝達部400の第1部410が熱源100に対してZ方向側に位置し且つ少なくとも一つの第2空隙401を有する場合、第1の第2熱伝達部400の第1部410から、第1の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400のうちの第1の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対する熱伝達が、第1の第2熱伝達部400の第2部420から、第1の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400のうちの第1の第2熱伝達部400の第2部420に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される(以下、この熱伝達の抑制を第5の熱伝達の抑制ともいう。)。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300、第1の第2熱伝達部400の第1部410及び第1の第2熱伝達部400よりもZ方向側の二以上の第2熱伝達部400を介して、接触部200の第1の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0107】
(D-3’)第3の第2熱伝達部400が第1部410及び第2部420を有し、第3の第2熱伝達部400の第1部410が熱源100に対してZ方向側に位置し且つ少なくとも一つの第2空隙401を有する場合、第3の第2熱伝達部400の第1部410から、第3の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400のうちの第3の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対する熱伝達が、第3の第2熱伝達部400の第2部420から、第3の第2熱伝達部400に対してZ方向側に位置する第2熱伝達部400のうちの第3の第2熱伝達部400の第2部420に接触する部分に対する熱伝達に比べて抑制される(以下、この熱伝達の抑制を第6の熱伝達の抑制ともいう。)。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300と、第3の第2熱伝達部400の第1部410と、第3の第2熱伝達部400を除く二以上の第2熱伝達部400とを介して、接触部200の第3の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0108】
(D-4’)第2の第2熱伝達部400が第1部410及び第2部420を有し、第2の第2熱伝達部400の第1部410が熱源100に対してZ方向側に位置し且つ少なくとも一つの第2空隙401を有する場合、(C-3’)の第4の熱伝達の抑制がなされる。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300と、第2の第2熱伝達部400を除く二以上の第2熱伝達部400と、第2の第2熱伝達部400の第1部410とを介して、接触部200の第2の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0109】
(D-5’)(D-2’)及び(D-3’)の構成が設けられている場合、(D-2’)の第5の熱伝達の抑制がなされ、且つ(D-3’)の第6の熱伝達の抑制がなされる。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300と、第1の第2熱伝達部400の第1部410と、第3の第2熱伝達部400の第1部410と、第1の第2熱伝達部400及び第3の第2熱伝達部400を除く一以上の第2熱伝達部400とを介して、接触部200の第1の第2熱伝達部400の第1部410及び第3の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0110】
(D-6’)(D-2’)及び(D-4’)の構成が設けられている場合、(D-2’)の第5の熱伝達の抑制がなされ、且つ(C-3’)の第4の熱伝達の抑制がなされる。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300と、第1の第2熱伝達部400の第1部410と、第1の第2熱伝達部400及び第2の第2熱伝達部400を除く一以上の第2熱伝達部400と、第2の第2熱伝達部400の第1部410とを介して、接触部200の第1の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置し且つ第2の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0111】
(D-7’)(D-3’)及び(D-4’)の構成が設けられている場合、(D-3’)の第6の熱伝達の抑制がなされ、且つ(C-3’)の第4の熱伝達の抑制がなされる。この場合、熱源100の熱が、第1熱伝達部300と、第3の第2熱伝達部400の第1部410と、第3の第2熱伝達部400及び第2の第2熱伝達部400を除く一以上の第2熱伝達部400と、第2の第2熱伝達部400の第1部410とを介して、接触部200の第3の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置し且つ第2の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0112】
(D-8’)(D-2’)~(D-4’)の構成が設けられている場合、(D-2’)の第5の熱伝達の抑制がなされ、(D-3’)の第6の熱伝達の抑制がなされ、且つ(C-3’)の第4の熱伝達の抑制がなされる。この場合、熱源100の熱が、少なくとも、第1熱伝達部300と、第1の第2熱伝達部400の第1部410と、第3の第2熱伝達部400の第1部410と、第2の第2熱伝達部400の第1部410とを介して、接触部200の第1の第2熱伝達部400の第1部410及び第3の第2熱伝達部400の第1部410に対してZ方向側に位置し且つ第2の第2熱伝達部400の第1部410に接触する部分に対して局所的に熱伝達され難くなる。
【0113】
熱源100がPTCヒーターで構成されている場合、通電時の熱源100の温度が、上記キュリー温度付近又は上記特定の温度付近で自動的に維持される。
【0114】
なお、上記した熱伝達装置は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0115】
上記した何れかの態様の熱伝達装置は、保温又は冷却機能付きの飲料ホルダーや食材保存容器に限定されず、上記何れかの通りに熱源の熱を接触部に熱伝達し得る構成であれば良い。例えば、上記した何れかの態様の熱伝達装置は、凍結防止用の保温装置であり且つ熱伝達対象が水道管等の流水管等である場合、接触部200は、流水管に接続されるバルブや流水管を覆う筒状又は円弧状等のカバー等の少なくとも一部で構成されていてもよい。
【0116】
なお、本発明の第1方向は、本発明の熱源、第1熱伝達部及び接触部の並び方向である限り任意に設定可能である。
【符号の説明】
【0117】
D1、D2:熱伝達装置
100:熱源
200:接触部
300:第1熱伝達部
310:第1部 301:第1空隙 320:第2部
400:第2熱伝達部(第1の第2熱伝達部、第2の第2熱伝達部、第3の第2熱伝達部)
410:第1部 401:第2空隙 420:第2部 430:第3部
500:第2端子
510:接点部
600:第1基板
700:第1、第2ケーブル
800:第2基板 800a:第3基板 800b:第4基板
900:操作部
910:操作部本体 920:カバー
C:コネクタ
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9