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特許7606402制御装置、空調換気システム、制御方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】制御装置、空調換気システム、制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/77 20180101AFI20241218BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
F24F11/77
F24F7/007 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021072746
(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2022167150
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2024-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】林 卓人
【審査官】塩田 匠
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-068252(JP,A)
【文献】特開平04-244541(JP,A)
【文献】特開2000-121132(JP,A)
【文献】特開2005-274105(JP,A)
【文献】特開平02-140551(JP,A)
【文献】特開2017-003203(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2002-0037623(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0078492(US,A1)
【文献】実開昭58-126631(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
F24F 7/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機、及び、換気扇を制御する制御装置であって、
室内のCO2濃度、外気温、及び、室温を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記CO2濃度が閾値を超えると、前記空調機に設定する空調温度を、前記外気温と前記室温との関係に応じて、現在の空調温度よりも空調能力を高めた空調温度に設定する空調制御手段と、
前記取得手段が取得した前記室温が、前記空調制御手段が設定した前記空調温度と等しくなると、前記換気扇を稼働させる換気制御手段と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記換気制御手段は、前記換気扇を強運転で稼働させ、
前記空調制御手段は、前記換気制御手段が前記換気扇を強運転で稼働させると、前記空調機の風量を増大させると共に、前記空調機の風向をスイングさせる、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記空調制御手段は、前記空調機が冷房運転時において、前記空調機に設定する前記空調温度を、現在の空調温度よりも低くした空調温度に設定し、前記空調機が暖房運転時において、前記空調機に設定する前記空調温度を、現在の空調温度よりも高くした空調温度に設定する、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記換気扇を稼働させた際における室温の変化度合いを学習する学習手段を更に備え、
前記空調制御手段は、前記空調機が冷房運転時において、前記空調機に設定する前記空調温度を、現在の空調温度よりも、前記学習手段が学習した前記変化度合いに応じて低くした空調温度に設定し、前記空調機が暖房運転時において、前記空調機に設定する前記空調温度を、現在の空調温度よりも、前記学習手段が学習した前記変化度合いに応じて高くした空調温度に設定する、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記取得手段が取得した前記CO2濃度の時系列の変化に基づいて、前記CO2濃度が前記閾値を超える時刻を推定する推定手段を更に備え、
前記空調制御手段は、前記推定手段が推定した時刻が一定時間内であれば、前記取得手段が取得した前記CO2濃度が閾値を超える前であっても、前記空調機が冷房運転時において、前記空調機に設定する前記空調温度を、現在の空調温度よりも低くした空調温度に設定し、前記空調機が暖房運転時において、前記空調機に設定する前記空調温度を、現在の空調温度よりも高くした空調温度に設定する、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記空調機及び前記換気扇の制御を、快適性を優先する第1モード、又は、換気を優先する第2モードの何れかに設定するモード設定手段を更に備え、
前記空調制御手段は、前記モード設定手段が前記第1モードに設定されている場合に、前記取得手段が取得した前記CO2濃度が閾値を超えると、前記空調機に設定する空調温度を、前記外気温と前記室温との関係に応じて、現在の空調温度よりも空調能力を高めた空調温度に設定し、
前記換気制御手段は、前記モード設定手段が前記第1モードに設定されている場合に、前記取得手段が取得した前記室温が、前記空調制御手段が設定した前記空調温度と等しくなると、前記換気扇を稼働させ、前記モード設定手段が前記第2モードに設定されている場合に、前記取得手段が取得した前記CO2濃度が閾値を超えると、前記換気扇を稼働させる、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項7】
制御装置が、空調機、及び、換気扇を制御する空調換気システムであって、
室内のCO2濃度、外気温、及び、室温を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記CO2濃度が閾値を超えると、前記空調機に設定する空調温度を、前記外気温と前記室温との関係に応じて、現在の空調温度よりも空調能力を高めた空調温度に設定する空調制御手段と、
前記取得手段が取得した前記室温が、前記空調制御手段が設定した前記空調温度と等しくなると、前記換気扇を稼働させる換気制御手段と、
を備える空調換気システム。
【請求項8】
空調機、及び、換気扇を制御する制御装置が実行する制御方法であって、
室内のCO2濃度、外気温、及び、室温を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得した前記CO2濃度が閾値を超えると、前記空調機に設定する空調温度を、前記外気温と前記室温との関係に応じて、現在の空調温度よりも空調能力を高めた空調温度に設定する空調制御ステップと、
前記取得ステップにて取得した前記室温が、前記空調制御ステップにて設定した前記空調温度と等しくなると、前記換気扇を稼働させる換気制御ステップと、
を備える制御方法。
【請求項9】
空調機、及び、換気扇を制御するコンピュータに、
室内のCO2濃度、外気温、及び、室温を取得する取得ステップ、
前記取得ステップにて取得した前記CO2濃度が閾値を超えると、前記空調機に設定する空調温度を、前記外気温と前記室温との関係に応じて、現在の空調温度よりも空調能力を高めた空調温度に設定する空調制御ステップ、
前記取得ステップにて取得した前記室温が、前記空調制御ステップにて設定した前記空調温度と等しくなると、前記換気扇を稼働させる換気制御ステップ、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、空調換気システム、制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスビル、商業ビル等に代表される建物には、空調換気システムが導入されている。この空調換気システムでは、例えば、空調機を制御しつつ、室内のCO2濃度を逐次計測しており、このCO2濃度が上昇して基準値を超えた場合に、在室人数の増加に対処するための換気が必要と判別し、換気扇を動作させ、若しくは、動作中の換気扇の換気量を増大させることで室内の空気環境を改善させている。
【0003】
なお、このように換気扇を作動させながら空調制御を行う場合、特に夏季、又は、冬季において、室内温度が大きく上昇、又は、大きく下降してしまい、室内の快適性が損なわれることになる。
そのため、換気を行う際に、空調機の空調能力を高める制御を行う空調換気システムも開発されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、室内のCO2濃度が閾値以上となり換気がなされた際に、空調機の吹出風量を増大させる天井埋込型空気調和機用室内機の技術が開示されている。つまり、換気を行う際に、空調能力を高める制御を行うことで、空調温度がなるだけ維持されるように試み、室内の快適性の低下を軽減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-304661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術では、換気による温度変化には即時に対応できず、空調温度が戻るまでに室内の快適性が一時的に損なわれてしまうという課題があった。
【0007】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、換気中における室内の快適性の低下を防止することのできる制御装置、空調換気システム、制御方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本開示に係る制御装置は、
空調機、及び、換気扇を制御する制御装置であって、
室内のCO2濃度、外気温、及び、室温を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記CO2濃度が閾値を超えると、前記空調機に設定する空調温度を、前記外気温と前記室温との関係に応じて、現在の空調温度よりも空調能力を高めた空調温度に設定する空調制御手段と、
前記取得手段が取得した前記室温が、前記空調制御手段が設定した前記空調温度と等しくなると、前記換気扇を稼働させる換気制御手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る制御装置では、取得手段が、室内のCO2濃度、外気温、及び、室温を取得し、空調制御手段が、CO2濃度が閾値を超えると、空調機に設定する空調温度を、外気温と室温との関係に応じて、現在の空調温度よりも空調能力を高めた空調温度に設定し、換気制御手段が、室温が空調温度と等しくなると、換気扇を稼働させる。
この結果、換気中における室内の快適性の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態1に係る空調換気システムの全体構成の一例を示す図
図2】実施形態1に係る各構成の一例を示す図
図3】実施形態1に係る空調換気システムにおける全体動作を説明するためのシーケンス図
図4】実施形態1に係る空調換気制御処理を説明するためのフローチャート
図5】実施形態1に係るデータ取得処理を説明するためのフローチャート
図6】実施形態1に係る空調温度設定処理を説明するためのフローチャート
図7】実施形態1に係る換気制御開始処理を説明するためのフローチャート
図8】実施形態1に係る風量制御開始処理を説明するためのフローチャート
図9】実施形態1に係る風向制御開始処理を説明するためのフローチャート
図10】本開示の実施形態2に係る空調換気システムの全体構成の一例を示す図
図11】実施形態2に係る各構成の一例を示す図
図12】実施形態2に係る空調換気制御処理を説明するためのフローチャート
図13】実施形態2に係るデータ取得処理を説明するためのフローチャート
図14】実施形態2に係る空調温度設定処理を説明するためのフローチャート
図15】本開示の実施形態3に係る空調換気システムの全体構成の一例を示す図
図16】実施形態3に係る各構成の一例を示す図
図17】実施形態3に係る空調換気制御処理を説明するためのフローチャート
図18】本開示の実施形態4に係る空調換気システムの全体構成の一例を示す図
図19】実施形態4に係る各構成の一例を示す図
図20】実施形態4に係る空調換気制御処理を説明するためのフローチャート
図21】他の実施形態に係る空調換気システムの全体構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、室内機と換気扇とを個別に備える空調換気システムについて説明するが、換気機能を有する室内機を備える空調換気システムにおいても、同様に本開示を適用することができる。すなわち、以下に述べる実施形態は説明のためのものであり、本開示の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本開示の範囲に含まれる。つまり、本開示は、以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
また、以下の実施形態で説明する各図においては、共通する要素に同一の符号を付けるものとする。
【0012】
(実施形態1)
図1は、本開示の実施形態1に係る空調換気システム1の全体構成の一例を示す図である。この空調換気システム1は、例えば、オフィスビル、商業ビル等の建物に導入され、室内における空調及び換気を制御する。なお、空調換気システム1は、戸建ての住宅内、アパート、マンション等の各部屋内に導入されてもよい。
図1に示すように、空調換気システム1は、CO2濃度センサ10と、制御装置20と、室外機30と、室内機40と、換気扇50とを備えている。なお、CO2濃度センサ10、制御装置20、及び、室内機40は、室内空間に設置されている。
【0013】
図2は、空調換気システム1の各構成の一例を示す図である。以下、図2を参照して、CO2濃度センサ10、制御装置20、室外機30、室内機40、及び、換気扇50についてそれぞれ説明する。なお、以降において、室外機30と室内機40とをまとめて、空調機と記載する場合もある。
【0014】
CO2濃度センサ10は、室内のCO2濃度を検出するセンサ機器であり、取得部11と、送信部12とを備えている。
【0015】
取得部11は、室内のCO2濃度を検出し、その値を示すCO2濃度情報を取得する。
【0016】
送信部12は、取得部11が取得したCO2濃度情報を制御装置20に送信する。
【0017】
制御装置20は、取得手段の一例であるデータ受信部21と、空調制御手段、及び、換気制御手段の一例である空調換気連結管理部22と、送信部23とを備え、空調換気システム1全体を制御する。
【0018】
データ受信部21は、CO2濃度センサ10から送信されるCO2濃度情報、室外機30から送信される外気温情報、及び、室内機40から送信される室温情報をそれぞれ受信する。
【0019】
空調換気連結管理部22は、CO2濃度の閾値判定を行うと共に、空調制御、及び、換気制御の設定を行う。なお、空調換気連結管理部22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)が、RAM(Random Access Memory)をワークメモリとして用い、ROM(Read Only Memory)に記憶されているプログラムを適宜実行することにより実現される。
【0020】
送信部23は、空調換気連結管理部22が設定した空調制御に応じた制御指令を室内機40に送信し、また、空調換気連結管理部22が設定した換気制御に応じた制御指令を換気扇50に送信する。
【0021】
室外機30は、冷媒を循環させるための配管を通じて室内機40と接続されおり、受信部31と、外気温取得部32と、送信部33とを備える。なお、より詳細に室外機30は、図示せぬ圧縮機、熱源側熱交換器等を更に備えており、室外機30と室内機40との間で圧縮させた冷媒を循環させる。
【0022】
受信部31は、制御装置20から送信される各種指令を受信する。例えば、受信部31は、外気温の取得指令を受信する。
【0023】
外気温取得部32は、外気温を検出し、その値を示す外気温情報を取得する。
【0024】
送信部33は、外気温取得部32が取得した外気温情報を制御装置20に送信する。
【0025】
室内機40は、上述した配管を通じて室外機30と接続されおり、受信部41と、制御部42と、室温取得部43と、送信部44とを備える。なお、より詳細に室内機40は、図示せぬ膨張弁、負荷側熱交換器等を更に備えており、室外機30と協働して室内の空気調和を行う。
【0026】
受信部41は、制御装置20から送信される各種指令を受信する。例えば、受信部41は、空調制御の内容を示す制御指令、室温の取得指令等を受信する。
【0027】
制御部42は、室内機40全体を制御する。例えば、制御部42は、受信部41が受信した制御指令に従って、室内の空調制御を行う。
【0028】
室温取得部43は、室温を検出し、その値を示す室温情報を取得する。
【0029】
送信部44は、室温取得部43が取得した室温情報を制御装置20に送信する。
【0030】
換気扇50は、受信部51と、制御部52とを備え、図示せぬファンを回転させ、室内の空気を室外へ排出し、または、室外の空気を室内へ給気する。
【0031】
受信部51は、制御装置20から送信される各種指令を受信する。例えば、受信部51は、換気制御の内容を示す制御指令を受信する。
【0032】
制御部52は、換気扇50全体を制御する。例えば、制御部52は、受信部51が受信した制御指令に従って、換気制御を行う。
【0033】
以下、このような構成の空調換気システム1の動作について、最初に図3を参照して全体動作を説明し、続いて、図4図9を参照して詳細に説明する。
図3は、空調換気システム1における全体動作を説明するためのシーケンス図である。
【0034】
図3に示すように、まず、CO2濃度センサ10は、CO2濃度を制御装置20へ送信する(sq1)。
【0035】
制御装置20は、このCO2濃度と閾値とを比較し、CO2濃度が閾値を超えていると判別した場合に、以降のシーケンスに移る。
つまり、制御装置20は、外気温の取得を室外機30に指示する(sq2)。これに応答して、室外機30は、外気温を制御装置20へ送信する(sq3)。
また、制御装置20は、室温の取得を室内機40に指示する(sq4)。これに応答して、室内機40は、室温を制御装置20へ送信する(sq5)。
【0036】
制御装置20は、空調温度を設定する(sq6)。例えば、制御装置20は、後述するように、固定値による自動調節によって、空調温度を設定する。
【0037】
制御装置20は、設定した空調温度を室内機40へ送信する(sq7)。これに応答して、室内機40は、設定温度で稼働する(sq8)。
そして、室内機40は、室温を制御装置20へ送信する(sq9)。
【0038】
制御装置20は、この室温と設定温度とを比較し、室温が設定温度と等しいと判別した場合に、以降のシーケンスに移る。
つまり、制御装置20は、強運転設定を換気扇50へ送信する(sq10)。これに応答して、換気扇50は、強運転で稼働する(sq11)。
また、制御装置20は、風量・風向設定を室内機40へ送信する(sq12)。これに応答して、室内機40は、設定条件に沿って稼働する(sq13)。
【0039】
続いて、図4図9を参照して、空調換気システム1の動作を詳細に説明する。
図4は、空調換気制御処理を説明するフローチャートである。また、図5図9は、図4の空調換気制御処理における各サブルーチンを説明するフローチャートである。つまり、図5は、データ取得処理を説明するためのフローチャートであり、図6は、空調温度設定処理を説明するためのフローチャートであり、図7は、換気制御開始処理を説明するためのフローチャートであり、図8は、風量制御開始処理を説明するためのフローチャートであり、そして、図9は、風向制御開始処理を説明するためのフローチャートである。
【0040】
図4に示すように、まず、空調換気システム1は、空調機が稼働しているか否かを判別する(ステップS11)。つまり、制御装置20は、室外機30及び室内機40が稼働しているかどうかを判別する。
【0041】
空調換気システム1は、空調機が稼働していないと判別すると(ステップS11;No)、そのまま、空調換気制御処理を終える。
【0042】
一方、空調機が稼働していると判別した場合(ステップS11;Yes)に、CO2濃度センサ10がCO2濃度を取得する(ステップS12)。つまり、CO2濃度センサ10の取得部11が、室内のCO2濃度を検出し、その値を示すCO2濃度情報を取得する。
【0043】
CO2濃度センサ10が制御装置20にCO2濃度情報を送信する(ステップS13)。つまり、CO2濃度センサ10の送信部12が、上記のステップS12にて取得されたCO2濃度情報を制御装置20に送信する。
【0044】
空調換気システム1は、CO2濃度が閾値を超えているか否かを判別する(ステップS14)。つまり、制御装置20は、CO2濃度センサ10が検出した現在のCO2濃度が閾値を超えているかどうかを判別する。なお、閾値には、換気が必要となるCO2濃度の値が定められている。
【0045】
空調換気システム1は、CO2濃度が閾値を超えていないと判別すると(ステップS14;No)、上述したステップS12に処理を戻す。
【0046】
一方、CO2濃度が閾値を超えていると判別した場合(ステップS14;Yes)に、空調換気システム1は、データ取得処理を実行する(ステップS15)。
なお、詳細については後述するが、データ取得処理では、外気温、及び、室温が取得される。
また、このデータ取得処理が、取得ステップの一例となる。
【0047】
空調換気システム1は、空調温度設定処理を実行する(ステップS16)。
なお、詳細については後述するが、空調温度設定処理では、室内機40に設定するための空調温度が定められる。
また、この空調温度設定処理が、空調制御ステップの一例となる。
【0048】
制御装置20が、室内機40に設定温度情報を送信する(ステップS17)。すなわち、制御装置20が、上記のステップS16にて設定された空調温度の内容を示す設定温度情報を室内機40に送信する。
【0049】
室内機40が、設定温度での稼働を開始する(ステップS18)。つまり、室内機40の制御部42が、上記のステップS17にて制御装置20から送られた設定温度情報に沿った空調温度の空調制御を開始する。
【0050】
室内機40が、室温を取得する(ステップS19)。つまり、室内機40の室温取得部43が、室内の温度を検出し、その値を示す室温情報を取得する。
【0051】
室内機40が、制御装置20に室温情報を送信する(ステップS20)。つまり、室内機40の送信部44が、上記のステップS19にて取得した室温情報を制御装置20に送信する。
【0052】
空調換気システム1は、室温が設定温度と等しいか否かを判別する(ステップS21)。すなわち、制御装置20は、上述したステップS18にて室内機40が設定温度での稼働を開始したことに伴い、室温がその設定温度まで到達したかどうかを判別する。
【0053】
空調換気システム1は、室温が設定温度と等しくないと判別すると(ステップS21;No)、上述したステップS19に処理を戻す。
【0054】
一方、室温が設定温度と等しいと判別した場合(ステップS21;Yes)に、空調換気システム1は、換気制御開始処理を実行する(ステップS22)。
なお、詳細については後述するが、換気制御開始処理では、換気扇50を強運転で稼働させる。
また、この換気制御開始処理が、換気制御ステップの一例となる。
【0055】
空調換気システム1は、風量制御開始処理を実行する(ステップS23)。
なお、詳細については後述するが、風量制御開始処理では、室内機40を最大風量で稼働させる。
【0056】
空調換気システム1は、風向制御開始処理を実行する(ステップS24)。
なお、詳細については後述するが、風量制御開始処理では、風向をスイングさせて室内機40を稼働させる。
【0057】
次に、上記の空調換気制御処理におけるステップS15にて実行されるデータ取得処理の詳細について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0058】
図5のデータ取得処理において、まず、制御装置20が室外機30に外気温取得指令を送信する(ステップS31)。つまり、制御装置20の送信部23が、外気温取得指令を室外機30に送信する。
【0059】
室外機30が、外気温を取得する(ステップS32)。つまり、室外機30の外気温取得部32が、室外の温度を検出し、その値を示す外気温情報を取得する。
【0060】
室外機30が、制御装置20に外気温情報を送信する(ステップS33)。つまり、室外機30の送信部33が、上記のステップS32にて取得された外気温情報を制御装置20に送信する。
【0061】
制御装置20が室内機40に室温取得指令を送信する(ステップS34)。つまり、制御装置20の送信部23が、室温取得指令を室内機40に送信する。
【0062】
室内機40が、室温を取得する(ステップS35)。つまり、室内機40の室温取得部43が、室内の温度を検出し、その値を示す室温情報を取得する。
【0063】
室内機40が、制御装置20に室温情報を送信する(ステップS36)。つまり、室内機40の送信部44が、上記のステップS35にて取得された室温情報を制御装置20に送信する。
【0064】
そして、空調換気システム1は、データ取得処理を終え、図4の空調換気制御処理に戻る。
【0065】
次に、図4の空調換気制御処理におけるステップS16にて実行される空調温度設定処理の詳細について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0066】
図6の空調温度設定処理において、まず、空調換気システム1は、空調機が冷房モードで稼働しているか否かを判別する(ステップS41)。つまり、制御装置20は、室内機40に対して、冷房運転の空調制御を指令しているかどうかを判別する。
【0067】
空調換気システム1は、空調機が冷房モードで稼働していると判別すると(ステップS41;Yes)、室温が外気温以下であるか否かを判別する(ステップS42)。すなわち、制御装置20は、上述した図5のデータ取得処理にて取得した室温と外気温とを比較して、室温が外気温以下であるかどうかを判別する。
【0068】
空調換気システム1は、室温が外気温以下でないと判別すると(ステップS42;No)、そのまま、空調温度設定処理を終え、図4の空調換気制御処理に戻る。すなわち、外気温の方が室温よりも温度が低いことから、換気によって室温が上昇することがないため、空調換気システム1は、空調温度を設定することなく、空調温度設定処理を終える。
【0069】
一方、室温が外気温以下であると判別した場合(ステップS42;Yes)に、現在の空調温度よりも2℃低い空調温度を制御装置20が設定する(ステップS43)。つまり、制御装置20の空調換気連結管理部22が、空調温度を2℃だけ低く設定する。なお、この2℃は一例であり、他の温度まで空調温度を低く設定するようにしてもよい。例えば、予めユーザが決めた温度まで、空調換気連結管理部22が、空調温度を低く設定するようにしてもよい。
【0070】
また、上述したステップS41にて、室内機40が冷房モードで稼働していないと判別した場合(ステップS41;No)に、空調換気システム1は、空調機が暖房モードで稼働しているか否かを判別する(ステップS44)。つまり、制御装置20は、室内機40に対して、暖房運転の空調制御を指令しているかどうかを判別する。
【0071】
空調換気システム1は、空調機が暖房モードで稼働していないと判別すると(ステップS44;No)、そのまま、空調温度設定処理を終え、図4の空調換気制御処理に戻る。
【0072】
一方、空調機が暖房モードで稼働していると判別した場合(ステップS44;Yes)に、空調換気システム1は、室温が外気温より高いか否かを判別する(ステップS45)。すなわち、制御装置20は、図5のデータ取得処理にて取得した室温と外気温とを比較して、室温が外気温よりも温度が高いかどうかを判別する。
【0073】
空調換気システム1は、室温が外気よりも高くないと判別すると(ステップS45;No)、そのまま、空調温度設定処理を終え、図4の空調換気制御処理に戻る。すなわち、室温が外気温以下であることから、換気によって室温が下降することがないため、空調換気システム1は、空調温度を設定することなく、空調温度設定処理を終える。
【0074】
一方、室温が外気温よりも高いと判別した場合(ステップS45;Yes)に、現在の空調温度よりも2℃高い空調温度を制御装置20が設定する(ステップS46)。つまり、制御装置20の空調換気連結管理部22が、空調温度を2℃だけ高く設定する。なお、この2℃は一例であり、他の温度まで空調温度を高く設定するようにしてもよい。例えば、予めユーザが決めた温度まで、空調換気連結管理部22が、空調温度を高く設定するようにしてもよい。
【0075】
そして、空調換気システム1は、空調温度設定処理を終え、図4の空調換気制御処理に戻る。
【0076】
次に、図4の空調換気制御処理におけるステップS22にて実行される換気制御開始処理の詳細について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0077】
図7の換気制御開始処理において、まず、制御装置20が、換気扇50の運転を強運転に設定する(ステップS51)。つまり、制御装置20の空調換気連結管理部22が、換気扇50に定める運転を強運転に設定する。
【0078】
制御装置20が、換気扇50に強運転情報を送信する(ステップS52)。つまり、制御装置20の送信部23が、上記のステップS51にて設定した強運転を示す強運転情報を換気扇50に送信する。
【0079】
換気扇50が、強運転で稼働する(ステップS53)。つまり、上記のステップS52にて制御装置20から送信された強運転情報に応答して、換気扇50が、強運転で稼働する。
【0080】
そして、空調換気システム1は、換気制御開始処理を終え、図4の空調換気制御処理に戻る。
【0081】
次に、図4の空調換気制御処理におけるステップS23にて実行される風量制御開始処理の詳細について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0082】
図8の風量制御開始処理において、まず、制御装置20が、室内機40の風量を最大風量に設定する(ステップS61)。つまり、制御装置20の空調換気連結管理部22が、室内機40に定める風量を最大風量に設定する。
【0083】
制御装置20が、室内機40に最大風量情報を送信する(ステップS62)。つまり、制御装置20の送信部23が、上記のステップS61にて設定した最大風量を示す最大風量情報を室内機40に送信する。
【0084】
室内機40が、最大風量で稼働する(ステップS63)。つまり、上記のステップS62にて制御装置20から送信された最大風量情報に応答して、室内機40が、最大風量で稼働する。
【0085】
そして、空調換気システム1は、風量制御開始処理を終え、図4の空調換気制御処理に戻る。
【0086】
次に、図4の空調換気制御処理におけるステップS24にて実行される風向制御開始処理の詳細について、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0087】
図9の風向制御開始処理において、まず、制御装置20が、室内機40の風向をスイングに設定する(ステップS71)。つまり、制御装置20の空調換気連結管理部22が、室内機40に定める風向をスイングに設定する。
【0088】
制御装置20が、室内機40に風向情報を送信する(ステップS72)。つまり、制御装置20の送信部23が、上記のステップS71にて設定したスイングを示す風向情報を室内機40に送信する。
【0089】
室内機40が、風向をスイングする(ステップS73)。つまり、上記のステップS72にて制御装置20から送信された風向情報に応答して、室内機40が、風向をスイングさせて稼働する。
【0090】
そして、空調換気システム1は、風向制御開始処理を終え、図4の空調換気制御処理に戻る。
【0091】
このような図4の空調換気制御処理を中心とする各処理によって、換気扇50を強運転させる前に、室温を自動調整することで、換気扇50を強運転させた際に、夏季であれば室温上昇を抑え、また、冬季であれば室温下降を抑え、室内の快適性の低下を防止することができる。
しかも、換気扇50を強運転させる際に、室内機40の風量を最大とし、また、風向をスイングさせることで、室内の淀んだ空気の循環を促してCO2濃度を低下させるため、空気環境を速やかに改善することができる。
【0092】
(実施形態2)
上記の実施形態1では、換気扇50を強運転させる前に、空調温度を固定温度だけ上げ下げする場合について説明したが、換気時の室温変化を実際に学習し、環境に応じて空調温度を適切に調節するようにしてもよい。
以下、換気時の室温変化を学習し、換気前に空調温度を適切に調節することを特徴とする実施形態2に係る空調換気システム2について説明する。
【0093】
図10は、本開示の実施形態2に係る空調換気システム2の全体構成の一例を示す図である。この空調換気システム2も、実施形態1と同様に、建物の室内における空調及び換気を制御する。
図10に示すように、空調換気システム2は、CO2濃度センサ10と、制御装置60と、室外機30と、室内機40と、換気扇50と、サーバ70とを備えている。なお、CO2濃度センサ10、制御装置60、及び、室内機40は、室内空間に設置されている。また、サーバ70は、インターネットに代表されるネットワークNを介して、制御装置60と通信可能に接続されている。
【0094】
図11は、空調換気システム2の各構成の一例を示す図である。なお、CO2濃度センサ10、室外機30、室内機40、及び、換気扇50の構成は、図2の空調換気システム1と同様である。
そのため、図11を参照して、制御装置60、及び、サーバ70について説明する。
【0095】
制御装置60は、データ受信部21と、空調換気連結管理部22と、送信部23と、データ取得部61と、データ記憶部62と、学習手段の一例である学習部63と、モデル記憶部64とを備え、空調換気システム2全体を制御する。なお、データ受信部21、空調換気連結管理部22、及び、送信部23は、図2の制御装置20と同じ構成である。
そのため、データ取得部61、データ記憶部62、学習部63、及び、モデル記憶部64について説明する。
【0096】
データ取得部61は、サーバ70から気象情報を取得する。
【0097】
データ記憶部62は、学習部63での学習に必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部62は、データ取得部61が取得した気象情報の他に、室外機30から送信された外気温情報、及び、室内機40から送信された室温情報を記憶する。
【0098】
学習部63は、換気時における室温の変化度合いを学習する。例えば、学習部63は、換気扇50を強運転にて稼働させている間において、気象情報、及び、内外温度を基に、室温がどの程度変化するのかを学習する。
【0099】
モデル記憶部64は、上記の学習部63の学習に伴って生成される学習モデルを記憶する。
【0100】
サーバ70は、気象情報をネットワークNを介して提供するサーバであり、気象情報記憶部71を備えている。
【0101】
気象情報記憶部71は、各地域の気象情報を蓄積して記憶する。
【0102】
以下、このような構成の空調換気システム2の動作について、図12図14を参照して説明する。
図12は、実施形態2に係る空調換気制御処理を説明するフローチャートである。そして、図13は、図12の空調換気制御処理におけるデータ取得処理を説明するフローチャートである。また、図14は、図12の空調換気制御処理における空調温度設定処理を説明するフローチャートである。
【0103】
最初に、図12の空調換気制御処理について説明する。なお、図12の空調換気制御処理において、上述した実施形態1に係る図4の空調換気制御処理と同じ処理内容については、同じ参照符号が付されている。
つまり、図12の空調換気制御処理において、ステップS15αに示すデータ取得処理、及び、ステップS16αに示す空調温度設定処理が、図4の空調換気制御処理と異なっており、その他の処理は、図4の空調換気制御処理と同じである。
そのため、図12の空調換気制御処理については簡単に説明し、その後に、ステップS15αに示すデータ取得処理、及び、ステップS16αに示す空調温度設定処理について、図13、及び、図14を参照して説明する。
【0104】
図12に示すように、まず、空調換気システム2は、空調機が稼働しているか否かを判別し(ステップS11)、空調機が稼働していないと判別すると(ステップS11;No)、そのまま、空調換気制御処理を終える。
【0105】
一方、空調機が稼働していると判別した場合(ステップS11;Yes)に、CO2濃度センサ10が、CO2濃度を取得し(ステップS12)、制御装置60にCO2濃度情報を送信する(ステップS13)。
【0106】
空調換気システム2は、CO2濃度が閾値を超えているか否かを判別し(ステップS14)、CO2濃度が閾値を超えていないと判別すると(ステップS14;No)、上述したステップS12に処理を戻す。
【0107】
一方、CO2濃度が閾値を超えていると判別した場合(ステップS14;Yes)に、空調換気システム2は、データ取得処理を実行する(ステップS15α)。
なお、詳細については後述するが、データ取得処理では、外気温情報、室温情報、及び、気象情報が取得される。
【0108】
空調換気システム2は、空調温度設定処理を実行する(ステップS16α)。
なお、詳細については後述するが、この空調温度設定処理では、室内機40に設定するための空調温度が、学習部63の学習に基づいて定められる。
【0109】
制御装置20が、室内機40に設定温度情報を送信し(ステップS17)、そして、室内機40が、設定温度での稼働を開始する(ステップS18)。
【0110】
室内機40が、室温を取得し(ステップS19)、制御装置60に室温情報を送信する(ステップS20)。
【0111】
空調換気システム2は、室温が設定温度と等しいか否かを判別し(ステップS21)、室温が設定温度と等しくないと判別すると(ステップS21;No)、上述したステップS19に処理を戻す。
【0112】
一方、室温が設定温度と等しいと判別した場合(ステップS21;Yes)に、空調換気システム2は、換気制御開始処理を実行し(ステップS22)、風量制御開始処理を実行し(ステップS23)、そして、風向制御開始処理を実行する(ステップS24)。
【0113】
次に、図12の空調換気制御処理におけるステップS15αにて実行されるデータ取得処理の詳細について、図13のフローチャートを参照して説明する。
なお、図13のデータ取得処理において、上述した実施形態1に係る図5のデータ取得処理と同じ処理内容については、同じ参照符号が付されている。
つまり、図13のデータ取得処理において、ステップS31~ステップS36までが、図5のデータ取得処理と同じであり、それ以降のステップS81~ステップS83までが追加されている点で、図5のデータ取得処理と異なっている。
そのため、ステップS31~ステップS36までは、簡単に説明する。
【0114】
図13のデータ取得処理において、まず、制御装置60が、室外機30に外気温取得指令を送信し(ステップS31)、そして、室外機30が、外気温を取得し(ステップS32)、制御装置60に外気温情報を送信する(ステップS33)。
【0115】
制御装置60が、室内機40に室温取得指令を送信し(ステップS34)、そして、室内機40が、室温を取得し(ステップS35)、制御装置60に室温情報を送信する(ステップS36)。
【0116】
制御装置60が、室温情報と外気温情報とを保存する(ステップS81)。つまり、制御装置60が、上述したステップS33にて室外機30から送信された外気温情報と、上記のステップS36にて室内機40から送信された室温情報とを、データ記憶部62に保存する。
【0117】
制御装置60が、サーバ70から気象情報を取得する(ステップS82)。つまり、制御装置60のデータ取得部61が、サーバ70から気象情報を取得する。
【0118】
制御装置60が、気象情報を保存する(ステップS83)。つまり、制御装置60が、上記のステップS82にて取得した気象情報を、データ記憶部62に保存する。
【0119】
そして、空調換気システム2は、データ取得処理を終え、図12の空調換気制御処理に戻る。
【0120】
次に、図12の空調換気制御処理におけるステップS16αにて実行される空調温度設定処理の詳細について、図14のフローチャートを参照して説明する。
なお、図14の空調温度設定処理において、上述した実施形態1に係る図6の空調温度設定処理と同じ処理内容については、同じ参照符号が付されている。
つまり、図14の空調温度設定処理において、ステップS41,ステップS42,ステップS44,ステップS45が、図6の空調温度設定処理と同じであり、ステップS91~ステップS96が、図6の空調温度設定処理と異なっている。
そのため、ステップS41,ステップS42,ステップS44,ステップS45については、簡単に説明する。
【0121】
図14の空調温度設定処理において、まず、空調換気システム2は、空調機が冷房モードで稼働しているか否かを判別し(ステップS41)、空調機が冷房モードで稼働していると判別すると(ステップS41;Yes)、室温が外気温以下であるか否かを判別する(ステップS42)。
【0122】
空調換気システム2は、室温が外気温以下でないと判別すると(ステップS42;No)、そのまま、空調温度設定処理を終え、図12の空調換気制御処理に戻る。
【0123】
一方、室温が外気温以下であると判別した場合(ステップS42;Yes)に、空調換気システム2は、取得した内外気温、気象情報に応じて、現在の室温が換気により変化する変化度合いを回帰モデルに基づき学習する(ステップS91)。例えば、学習部63は、換気扇50を強運転にて稼働させている間において、室温、外気温、及び、気象情報を基に、室温がどの程度上昇するのかを学習する。
【0124】
制御装置60が、学習結果を保存する(ステップS92)。つまり、制御装置60が、学習部63の学習に伴って生成される学習モデルをデータ記憶部62に記憶する。
【0125】
現在の空調温度よりも、変化する温度分だけ低い空調温度を制御装置60が設定する(ステップS93)。つまり、制御装置60の空調換気連結管理部22が、上述したステップS91にて学習した変化度合いに応じた温度分だけ、空調温度を低く設定する。
【0126】
また、上述したステップS41にて、空調機が冷房モードで稼働していないと判別した場合(ステップS41;No)に、空調換気システム2は、空調機が暖房モードで稼働しているか否かを判別し(ステップS44)、空調機が暖房モードで稼働していないと判別すると(ステップS44;No)、そのまま、空調温度設定処理を終え、図12の空調換気制御処理に戻る。
【0127】
一方、空調機が暖房モードで稼働していると判別した場合(ステップS44;Yes)に、空調換気システム2は、室温が外気温より高いか否かを判別し(ステップS45)、室温が外気よりも高くないと判別すると(ステップS45;No)、そのまま、空調温度設定処理を終え、図12の空調換気制御処理に戻る。
【0128】
一方、室温が外気温よりも高いと判別した場合(ステップS45;Yes)に、空調換気システム2は、取得した内外気温、気象情報に応じて、現在の室温が換気により変化する変化度合いを回帰モデルに基づき学習する(ステップS94)。例えば、学習部63は、換気扇50を強運転にて稼働させている間において、室温、外気温、及び、気象情報を基に、室温がどの程度下降するのかを学習する。
【0129】
制御装置60が、学習結果を保存する(ステップS95)。つまり、制御装置60が、学習部63の学習に伴って生成される学習モデルをデータ記憶部62に記憶する。
【0130】
現在の空調温度よりも、変化する温度分だけ高い空調温度を制御装置60が設定する(ステップS96)。つまり、制御装置60の空調換気連結管理部22が、上述したステップS94にて学習した変化度合いに応じた温度分だけ、空調温度を高く設定する。
【0131】
そして、空調換気システム2は、空調温度設定処理を終え、図12の空調換気制御処理に戻る。
【0132】
このような図12の空調換気制御処理を中心とする各処理によって、換気扇50を強運転させる前に、学習した室温の変化度合いに応じて室温を自動調整することで、換気扇50を強運転させた際に、夏季であれば室温上昇を抑え、また、冬季であれば室温下降を抑え、室内の快適性の低下を防止することができる。
しかも、換気扇50を強運転させる際に、室内機40の風量を最大とし、また、風向をスイングさせることで、室内の淀んだ空気の循環を促してCO2濃度を低下させるため、空気環境を速やかに改善することができる。
【0133】
(実施形態3)
上記の実施形態1,2では、CO2濃度が閾値を超えた後に、換気前の空調温度の設定を開始する場合について説明したが、CO2濃度が閾値を超える前であっても、CO2濃度が増加傾向である場合に、換気前の空調温度の設定を開始するようにしてもよい。
以下、CO2濃度が増加傾向である場合にも、換気前の空調温度の設定を開始することを特徴とする実施形態3に係る空調換気システム3について説明する。
【0134】
図15は、本開示の実施形態3に係る空調換気システム3の全体構成の一例を示す図である。この空調換気システム3も、実施形態1と同様に、建物の室内における空調及び換気を制御する。
図15に示すように、空調換気システム3は、CO2濃度センサ10と、制御装置80と、室外機30と、室内機40と、換気扇50とを備えている。なお、CO2濃度センサ10、制御装置80、及び、室内機40は、室内空間に設置されている。
【0135】
図16は、空調換気システム3の各構成の一例を示す図である。なお、CO2濃度センサ10、室外機30、室内機40、及び、換気扇50の構成は、図2の空調換気システム1と同様である。
そのため、図16を参照して、制御装置80について説明する。
【0136】
制御装置80は、データ受信部21と、空調換気連結管理部22と、送信部23と、データ記憶部81と、推定手段の一例である推定部82とを備え、空調換気システム3全体を制御する。なお、データ受信部21、空調換気連結管理部22、及び、送信部23は、図2の制御装置20と同じ構成である。
そのため、データ記憶部81、及び、推定部82について説明する。
【0137】
データ記憶部81は、推定部82での推定に必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部81は、CO2濃度センサ10が逐次取得したCO2濃度を時系列に記憶する。
【0138】
推定部82は、CO2濃度の上昇傾向から、CO2濃度が閾値を超える時刻を推定する。例えば、推定部82は、CO2濃度センサ10が取得した現在のCO2濃度と、データ記憶部81に記憶された過去のCO2濃度とから、CO2濃度の上昇傾向を把握し、CO2濃度が閾値を超える時刻を推定する。
【0139】
以下、このような構成の空調換気システム3の動作について、図17を参照して説明する。図17は、実施形態3に係る空調換気制御処理を説明するフローチャートである。
なお、図17の空調換気制御処理において、実施形態1に係る図4の空調換気制御処理と同じ処理内容については、同じ参照符号が付されている。
つまり、図17の空調換気制御処理において、ステップS101、及び、ステップS102に示す処理が、図4の空調換気制御処理と異なっており、また、ステップS24に示す風向制御開始処理の順番が前に移動している点が、図4の空調換気制御処理と異なっており、その他の処理は、図4の空調換気制御処理と同じである。
そのため、図4の空調換気制御処理と同じ処理内容については、簡単に説明する。
【0140】
図17に示すように、まず、空調換気システム3は、空調機が稼働しているか否かを判別し(ステップS11)、空調機が稼働していないと判別すると(ステップS11;No)、そのまま、空調換気制御処理を終える。
【0141】
一方、空調機が稼働していると判別した場合(ステップS11;Yes)に、空調換気システム3は、風向制御開始処理を実行する(ステップS24)。
なお、このタイミングで風量制御開始処理を実行することにより、風向をスイングさせて室内機40を稼働させ、CO2濃度が上昇しないように、空気淀みを解消し空気の流れを作ることを意図している。
【0142】
CO2濃度センサ10がCO2濃度を取得し(ステップS12)、制御装置20にCO2濃度情報を送信する(ステップS13)。
【0143】
空調換気システム3は、CO2濃度が閾値を超えているか否かを判別し(ステップS101)、CO2濃度が閾値を超えていないと判別すると(ステップS101;No)、CO2濃度が上昇傾向であるか否かを判別する(ステップS102)。例えば、制御装置80の推定部82は、例えば、上述したステップS13にてCO2濃度センサ10から送信された現在のCO2濃度と、データ記憶部81に記憶された過去のCO2濃度とから、CO2濃度が上昇傾向であるかどうかを判別する。
【0144】
空調換気システム3は、CO2濃度が上昇傾向でないと判別すると(ステップS102;No)、上述したステップS24に処理を戻す。
【0145】
一方、CO2濃度が閾値を超えていると判別した場合(ステップS101;Yes)、若しくは、CO2濃度が上昇傾向であると判別した場合(ステップS102;Yes)に、空調換気システム3は、データ取得処理を実行し(ステップS15)、そして、空調温度設定処理を実行する(ステップS16)。
なお、CO2濃度が上昇傾向であると判別した場合に加え、推定部82が推定した、CO2濃度が閾値を超える時刻が、一定時間内である場合に、ステップS15に処理を進めるようにしてもよい。
【0146】
制御装置20が、室内機40に設定温度情報を送信し(ステップS17)、そして、室内機40が、設定温度での稼働を開始する(ステップS18)。
【0147】
室内機40が、室温を取得し(ステップS19)、制御装置20に室温情報を送信する(ステップS20)。
【0148】
空調換気システム3は、室温が設定温度と等しいか否かを判別し(ステップS21)、室温が設定温度と等しくないと判別すると(ステップS21;No)、上述したステップS19に処理を戻す。
【0149】
一方、室温が設定温度と等しいと判別した場合(ステップS21;Yes)に、空調換気システム3は、換気制御開始処理を実行し(ステップS22)、そして、風量制御開始処理を実行する(ステップS23)。
【0150】
このような図17の空調換気制御処理を中心とする各処理によって、CO2濃度が閾値を超えていなくとも、CO2濃度が上昇傾向であれば、換気扇50を強運転させる前に、室温を自動調整することで、換気扇50を強運転させた際に、夏季であれば室温上昇を抑え、また、冬季であれば室温下降を抑え、室内の快適性の低下を防止することができる。
しかも、換気扇50を強運転させる際に、風向をスイングさせている室内機40の風量を最大とすることで、室内の淀んだ空気の循環を促してCO2濃度を低下させるため、空気環境を速やかに改善することができる。
【0151】
(実施形態4)
上記の実施形態1~3では、室内の快適性を優先し、CO2濃度が増加した場合に、換気前の空調温度の設定を開始し、設定した空調温度に達すると、換気を開始する場合について説明したが、快適性を優先するだけでなく、他に、換気を優先したり、空調を優先できるようにしてもよい。
以下、快適性優先モード、換気優先モード、及び、空調優先モードの中からユーザが自由に選択でき、選択されたモードに応じて、空調制御、換気制御を行うことを特徴とする実施形態4に係る空調換気システム4について説明する。
【0152】
図18は、本開示の実施形態4に係る空調換気システム4の全体構成の一例を示す図である。この空調換気システム4も、実施形態1と同様に、建物の室内における空調及び換気を制御する。
図18に示すように、空調換気システム4は、CO2濃度センサ10と、制御装置90と、室外機30と、室内機40と、換気扇50とを備えている。なお、CO2濃度センサ10、制御装置90、及び、室内機40は、室内空間に設置されている。
【0153】
図19は、空調換気システム4の各構成の一例を示す図である。なお、CO2濃度センサ10、室外機30、室内機40、及び、換気扇50の構成は、図2の空調換気システム1と同様である。
そのため、図19を参照して、制御装置90について説明する。
【0154】
制御装置90は、データ受信部21と、空調換気連結管理部22と、送信部23と、モード設定手段の一例であるモード設定部91とを備え、空調換気システム4全体を制御する。なお、データ受信部21、空調換気連結管理部22、及び、送信部23は、図2の制御装置20と同じ構成である。
そのため、モード設定部91について説明する。
【0155】
モード設定部91は、ユーザの指示に従って、空調機のモードを設定する。例えば、モード設定部91は、室内の快適性を優先する快適性優先モード、室内の換気を優先する換気優先モード、及び、室内の空調を優先する空調優先モードのうちから、ユーザの指示に従って、何れかのモードを設定する。
なお、快適性優先モードを第1モードとし、換気優先モードを第2モードとしてもよい。また、これら快適性優先モード、換気優先モード、及び、空調優先モードは一例であり、例えば、省電力を優先する省電力優先モードを更に含めた中から、何れかのモードを設定できるようにしてもよい。
【0156】
以下、このような構成の空調換気システム4の動作について、図20を参照して説明する。図20は、実施形態4に係る空調換気制御処理を説明するフローチャートである。
なお、図20の空調換気制御処理において、実施形態1に係る図4の空調換気制御処理と同じ処理内容については、同じ参照符号が付されている。
つまり、図20の空調換気制御処理において、ステップS111、及び、ステップS112に示す処理が、図4の空調換気制御処理と異なっており、その他の処理は、図4の空調換気制御処理と同じである。
そのため、図4の空調換気制御処理と同じ処理内容については、簡単に説明する。
【0157】
図20に示すように、まず、空調換気システム4は、空調機が稼働しているか否かを判別し(ステップS11)、空調機が稼働していないと判別すると(ステップS11;No)、そのまま、空調換気制御処理を終える。
【0158】
一方、空調機が稼働していると判別した場合(ステップS11;Yes)に、空調換気システム4は、設定されているモードが、空調優先モードであるか否かを判別する(ステップS111)。つまり、制御装置90は、モード設定部91に設定されている現在のモードが、空調優先モードであるかどうかを判別する。
【0159】
空調換気システム4は、空調優先モードであると判別すると(ステップS111;Yes)、そのまま、空調換気制御処理を終える。
【0160】
一方、空調優先モードでないと判別した場合(ステップS111;No)に、CO2濃度センサ10がCO2濃度を取得し(ステップS12)、制御装置90にCO2濃度情報を送信する(ステップS13)。
【0161】
空調換気システム4は、CO2濃度が閾値を超えているか否かを判別し(ステップS14)、CO2濃度が閾値を超えていないと判別すると(ステップS14;No)、上述したステップS12に処理を戻す。
【0162】
一方、CO2濃度が閾値を超えていると判別した場合(ステップS14;Yes)に、空調換気システム4は、設定されているモードが、快適性優先モードであるか否かを判別する(ステップS112)。つまり、制御装置90は、モード設定部91に設定されている現在のモードが、快適性優先モードであるかどうかを判別する。
【0163】
空調換気システム4は、快適性優先モードでないと判別すると(ステップS112;No)、つまり、換気優先モードであると判別すると、後述するステップS22に処理を進める。
【0164】
一方、快適性優先モードであると判別した場合(ステップS112;Yes)に、空調換気システム4は、データ取得処理を実行し(ステップS15)、そして、空調温度設定処理を実行する(ステップS16)。
【0165】
制御装置90が、室内機40に設定温度情報を送信し(ステップS17)、そして、室内機40が、設定温度での稼働を開始する(ステップS18)。
【0166】
室内機40が、室温を取得し(ステップS19)、制御装置90に室温情報を送信する(ステップS20)。
【0167】
空調換気システム3は、室温が設定温度と等しいか否かを判別し(ステップS21)、室温が設定温度と等しくないと判別すると(ステップS21;No)、上述したステップS19に処理を戻す。
【0168】
一方、室温が設定温度と等しいと判別した場合(ステップS21;Yes)、若しくは、上述したステップS112にて換気優先モードであると判別した場合に、空調換気システム3は、換気制御開始処理を実行し(ステップS22)、風量制御開始処理を実行し(ステップS23)、そして、風向制御開始処理を実行する(ステップS24)。
【0169】
このような図20の空調換気制御処理を中心とする各処理によって、快適性優先モード、換気優先モード、及び、空調優先モードの中からユーザが自由に選択でき、ユーザの好みや状況に合わせて空調制御、換気制御を行うことができる。そして、快適性優先モードが選択された場合では、換気扇50を強運転させる前に、室温を自動調整することで、換気扇50を強運転させた際に、夏季であれば室温上昇を抑え、また、冬季であれば室温下降を抑え、室内の快適性の低下を防止することができる。
しかも、換気扇50を強運転させる際に、室内機40の風量を最大とし、室内機40の風向をスイングさせることで、室内の淀んだ空気の循環を促してCO2濃度を低下させるため、空気環境を速やかに改善することができる。
【0170】
(他の実施形態)
上記の実施形態1~4では、室内に設置された制御装置20,60,80,90を用いて、室外機30、室内機40、及び、換気扇50を制御する場合について説明したが、制御装置20,60,80,90に相当するクラウドサーバを外部に設置し、このクラウドサーバを用いて、室外機30、室内機40、及び、換気扇50を制御するようにしてもよい。
【0171】
以下、インターネットに代表されるネットワークN上のクラウドサーバ110を用いて、室外機30、室内機40、及び、換気扇50を制御することを特徴とする他の実施形態に係る空調換気システム5について、図21を参照して簡単に説明する。
【0172】
図21は、他の実施形態に係る空調換気システム5の全体構成の一例を示す図である。この空調換気システム5も、実施形態1と同様に、建物の室内における空調及び換気を制御する。
図21に示すように、空調換気システム5は、CO2濃度センサ10と、ルータ100と、室外機30と、室内機40と、換気扇50、クラウドサーバ110とを備えている。なお、CO2濃度センサ10、ルータ100、及び、室内機40は、室内空間に設置されている。また、クラウドサーバ110は、インターネットに代表されるネットワークNを介して、ルータ100と通信可能に接続されている。
【0173】
ルータ100は、建物内とネットワークNとの通信を中継する通信装置である。
例えば、ルータ100は、CO2濃度センサ10が取得したCO2濃度情報を、ネットワークNを介して、クラウドサーバ110へ送信する。また、ルータ100は、室外機30が取得した外気温情報、及び、室内機40が取得した室温情報を、ネットワークNを介して、クラウドサーバ110へ送信する。また、ルータ100は、クラウドサーバ110からネットワークNを介して送信された各種指令を、室外機30、室内機40、及び、換気扇50に送信する。
【0174】
クラウドサーバ110は、例えば、サーバコンピュータであり、上述した制御装置20,60,80,90の何れかと同様の構成を有しており、ルータ100を中継して、CO2濃度センサ10、室外機30、室内機40、及び、換気扇50と通信を行いつつ、上述した図4図12図17図20の何れかに示す空調換気制御処理と同様の処理を行い、空調制御、換気制御を行う。
【0175】
このような空調換気システム5のように、制御装置20,60,80,90に相当するクラウドサーバ110を外部に設置した場合でも、換気扇50を強運転させる前に、室温を自動調整することで、換気扇50を強運転させた際に、夏季であれば室温上昇を抑え、また、冬季であれば室温下降を抑え、室内の快適性の低下を防止することができる。
しかも、換気扇50を強運転させる際に、室内機40の風量を最大とし、室内機40の風向をスイングさせることで、室内の淀んだ空気の循環を促してCO2濃度を低下させるため、空気環境を速やかに改善することができる。
【0176】
また、上記の実施形態では、室内機40と、換気扇50とを個別に備える場合について説明したが、室内機40に換気機能を持たせた場合でも、上記と同様に本開示を適用することができる。
【0177】
また、上記の実施形態では、CO2濃度センサ10を個別に備える場合について説明したが、室内機40にCO2濃度を検出するセンサ機能を持たせた場合でも、上記と同様に本開示を適用することができる。
【0178】
また、上記の実施形態では、制御装置20,60,80,90において、CPUが、RAMをワークメモリとして用い、ROMに記憶されている制御プログラムを適宜実行することにより、上述した動作を行う場合について説明した。
【0179】
しかし、制御部の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。専用のハードウェアとは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせ等である。
【0180】
また、上記の制御プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、光磁気ディスク(Magneto-Optical Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、HDD等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布することも可能である。
【0181】
そして、制御装置20,60,80,90とは別体の装置によってこのような制御プログラムを実行する構成を採用する場合では、上記のように配布したプログラムを特定の又は汎用のコンピュータにインストールすることによって、当該コンピュータを制御装置20,60,80,90として機能させることも可能である。また、制御プログラムをインターネット上の他のサーバが有するディスク装置に格納しておき、当該サーバから制御装置に制御プログラムがダウンロードされるようにしてもよい。
【0182】
本開示は、広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能である。また、上述した実施形態は、本開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。つまり、本開示の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の意義の範囲内で施される様々な変形が、本開示の範囲内とみなされる。
また、特許請求の範囲内における制御装置の従属項の内容は、空調換気システムにも従属させることが可能である。
【符号の説明】
【0183】
1,2,3,4,5 空調換気システム、10 CO2濃度センサ、11 取得部、12 送信部、20,60,80,90 制御装置、21 データ受信部、22 空調換気連結管理部、23 送信部、61 データ取得部、62,81 データ記憶部、63 学習部、64 モデル記憶部、82 推定部、91 モード設定部、30 室外機、31 受信部、32 外気温取得部、33 送信部、40 室内機、41 受信部、42 制御部、43 室温取得部、44 送信部、50 換気扇、51 受信部、52 制御部、70 サーバ、71 気象情報記憶部、100 ルータ、110 クラウドサーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21