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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20241218BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20241218BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20241218BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20241218BHJP
   F21V 29/67 20150101ALI20241218BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241218BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20241218BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20241218BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241218BHJP
【FI】
G09F9/00 304B
G02F1/1333
F21S2/00 480
F21V29/503
F21V29/67
H05K7/20 G
H05K7/20 H
H04N5/64 541J
H04N5/66 102A
F21Y115:10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021073540
(22)【出願日】2021-04-23
(65)【公開番号】P2022167618
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】吉兼 匡昭
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-151218(JP,A)
【文献】特開2019-003014(JP,A)
【文献】特開2021-021926(JP,A)
【文献】特開2012-019008(JP,A)
【文献】特開2005-134849(JP,A)
【文献】特開平10-171360(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0167845(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0065108(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H05B 33/00-33/28
44/00
45/60
H10K 50/00-99/00
F21S 2/00-45/70
F21V 23/00-99/00
H05K 7/20
H04N 5/66-5/74
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
第1発熱部材と、
第2発熱部材と、
前記表示パネルが露出して配置された前面と、前記前面と反対側の背面とを有する筐体と、
前記筐体内に配置された第1シャーシと、
前記筐体内において、前記第1シャーシと対向し、前記背面側に配置された第2シャーシと、
前記筐体の前記背面に設けられた第1排気口を含み、前記第1シャーシと前記第2シャーシとの間に形成される内部空間である第1内部空間層の空気を、前記第1排気口から外部へ排気する第1排気部と、
前記筐体の前記背面に設けられた第2排気口を含み、前記第2シャーシと前記筐体の背面との間に形成される内部空間である第2内部空間層の空気を、前記第2排気口から前記外部へ排気する第2排気部と
を備え、
前記第1発熱部材は、前記第1内部空間層に配置され、
前記第2発熱部材は、前記第2内部空間層に配置され、
前記第1内部空間層と前記第2内部空間層とは互いに遮蔽され、
前記第1排気部は、前記第2シャーシを貫通し、前記第2内部空間層から遮蔽された排気ダクト部を含み、前記排気ダクト部を介して前記第1内部空間層の空気を前記第1排気口から排気する、表示装置。
【請求項2】
前記第1排気部は、前記排気ダクト部を介して前記第1内部空間層の空気を前記第1排気口へ送り出す第1ファンを含み、
前記第2排気部は、前記第2内部空間層の空気を前記第2排気口へ送り出す第2ファンを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記筐体の前記背面に設けられた第1吸気口を含み、前記第1吸気口から前記外部の空気を前記第1内部空間層に吸気する第1吸気部と、
前記筐体の前記背面に設けられた第2吸気口を含み、前記第2吸気口から前記外部の空気を前記第2内部空間層に吸気する第2吸気部と
をさらに備える、請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記前面から前記背面へ向かう方向に沿って前記第1シャーシおよび前記第2シャーシを見た場合の前記第1シャーシの面積及び前記第2シャーシの面積が、それぞれ、前記第1シャーシの投影面積及び前記第2シャーシの投影面積であるとすると、
前記第1シャーシの前記投影面積は前記第2シャーシの前記投影面積よりも大きく、
前記筐体の前記背面は、前記第1シャーシにおいて前記第2シャーシと重ならない一部領域を覆う第1背面部と、前記第2シャーシを覆う第2背面部とを含み、
前記第1吸気口は前記第1背面部に設けられ、
前記第2吸気口は前記第2背面部に設けられる、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記前面から前記第1背面部との間の厚みは、前記前面から前記第2背面部との間の厚みより小さい、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1吸気部は、前記第2シャーシ及び前記第2内部空間層を貫通し、前記第2内部空間層から遮蔽された吸気ダクト部を含み、前記吸気ダクト部を介して前記外部の空気を前記第1内部空間層へ吸気する、請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1内部空間層における前記第1発熱部材と前記第2内部空間層における前記第2発熱部材とを接続する配線と、
閉塞部材と
をさらに備え、
前記第2シャーシは、配線用開口部を有し、
前記配線は、前記配線用開口部を通り、前記第1発熱部材と前記第2発熱部材との間を接続し、
前記閉塞部材は、前記配線用開口部において前記配線が通されている部分以外の領域を閉塞する、請求項1から6のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1にはディスプレイの筐体内部を冷却する冷却構造が開示されている。特許文献1に記載のディスプレイは、表示モジュールの背面と筐体背面との間に、回路基板等の部品を支持するための第1支持板と第2支持板とが対向して配置されている。第1支持板の第2支持板側の面には、回路基板等の部品と、筐体内を冷却するための複数の第1ファンと、筐体を冷却するための第2ファンとが設けられている。第2支持板の筐体背面側の面には、回路基板等の部品が設けられている。複数の第1ファン及び第2ファンは、第1支持板の長手方向に一定の間隔を設けて配置され、第2ファンと複数の第1ファンとの間は仕切板によって仕切られている。
【0003】
筐体内は、第1支持板と第2支持板との間の空間(以下、第1空間)と、第2支持板と筐体背面との間の空間(以下、第2空間)とが完全に仕切られておらず、筐体上面側と底面側において連通している。また、第1支持板及び第2支持板において、第1ファン及び第2ファンがそれぞれ対応する位置に第1空気通流孔と第2空気通流孔とが設けられている。
【0004】
筐体の底面には筐体内部と外部とを連通する吸気孔が設けられ、第1ファンの駆動によって、筐体底面の吸気孔から外部の空気が第1空間に吸気される。筐体内に吸気された空気は、表示モジュールと第1支持板との間を通り、第1支持板の第1空気通流孔を通って第1ファンへ流れる。そして、第1ファンから流れ出た空気は第2支持板の第1空気通流孔を通り、筐体背面に設けられた排気孔から外部へ排気される。つまり、第1ファンによって吸気された外部の空気は、第1空間から第2空間を通過し、表示モジュールや、第1支持板及び第2支持板に支持された部品が発する熱を含みながら外部へ排気される。
【0005】
筐体の背面には第2空間と外部とを連通する吸気孔が設けられ、第2ファンの駆動によって、筐体背面の吸気孔から第2空間へ外部の空気が吸気される。第2空間に吸気された空気は、第2支持板の第2空気通流孔を通って第2ファンへ流れ、第2ファンから流れ出た空気は、第1支持板の第2空気通流孔を通って筐体上面に設けられた排気孔から外部へ排気される。つまり、第2ファンによって筐体背面側から吸気された外部の空気は、第2空間から第1空間を通過して筐体上部から外部へ流れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-151218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1において、第2ファンと複数の第1ファンとの間は仕切られているが、第1空間と第2空間との間は連通している。また、第1ファン及び第2ファンによる気流はそれぞれ第1空気通流孔又は第2空気通流孔を介して第1空間と第2空間とを通過する。そのため、特許文献1の冷却構造では、各空間の空気が互いに混ざり合い、筐体の内部が効率良く冷却されにくい。
【0008】
本発明は、筐体内部の熱を効率良く冷却し得る表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る表示装置は、表示パネルと、第1発熱部材と、第2発熱部材と、筐体と、第1シャーシと、第2シャーシと、第1排気部と、第2排気部とを備える。筐体は、表示パネルが露出して配置された前面と、前面と反対側の背面とを有する。第1シャーシは、筐体内に配置される。第2シャーシは、筐体内において、第1シャーシと対向し、背面側に配置される。第1排気部は、筐体の背面に設けられた第1排気口を含み、第1シャーシと第2シャーシとの間に形成される内部空間である第1内部空間層の空気を、第1排気口から外部へ排気する。第2排気部は、筐体の背面に設けられた第2排気口を含み、第2シャーシと筐体の背面との間に形成される内部空間である第2内部空間層の空気を、第2排気口から外部へ排気する。第1発熱部材は、第1内部空間層に配置される。第2発熱部材は、第2内部空間層に配置される。第1内部空間層と第2内部空間層とは互いに遮蔽される。第1排気部は、第2シャーシを貫通し、第2内部空間層から遮蔽された排気ダクト部を含み、排気ダクト部を介して第1内部空間層の空気を第1排気口から排気する。
【発明の効果】
【0010】
上記表示装置によれば、筐体内部の熱を効率良く冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態に係る表示装置の外観を示す模式図である。
図2図2は、図1に示す表示装置の概略構成を示す分解図である。
図3図3は、図1におけるIII-III線の概略断面を示す断面図である。
図4図4は、図1におけるIV-IV線の概略断面を示す断面図である。
図5A図5Aは、第1実施形態におけるファン設置部材を示す模式図である。
図5B図5Bは、図5Aに示すファン設置部材をZ軸負方向側から見た模式図である。
図5C図5Cは、図5Aに示すファン設置部材をZ軸正方向側から見た模式図である。
図5D図5Dは、図5Aに示すファン設置部材をX軸負方向側から見た模式図である。
図5E図5Eは、図5Aに示すファン設置部材をX軸正方向側から見た模式図である。
図6図6は、図1に示すVI-VI線における概略断面図である。
図7A図7Aは、第1ファンの駆動によって生じる気流の経路を示す図である。
図7B図7Bは、第2ファンの駆動によって生じる気流の経路を示す図である。
図8図8は、第2実施形態における表示装置の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態に係る表示装置について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る表示装置1の外観を示す模式図である。表示装置1は、例えば8Kの高解像度ディスプレイである。図1に示すように、表示装置1は、筐体10を備える。筐体10の前面(Y軸負方向側)は、画像を表示する表示領域Rを露出させる開口部110aを有する。また、筐体10の背面(Y軸正方向側)は、吸気口1211、1212及び排気口1221、1222を有する。
【0014】
図2は、図1に示す表示装置1の概略構成を示す分解図である。また、図3は、図1におけるIII-III線の概略断面を示す断面図である。図4は、図1におけるIV-IV線の概略断面を示す断面図である。以下、図2図4を用いて、表示装置1の内部構造について具体的に説明する。
【0015】
図2図4に示すように、表示装置1は、筐体10としての前面筐体110及び背面筐体120、第1シャーシ20、及び第2シャーシ30を備える。第1シャーシ20及び第2シャーシ30は、前面筐体110と背面筐体120との間に配置される。具体的には、第1シャーシ20は、第2シャーシ30よりも前面筐体110側に設けられ、第2シャーシ30は、第1シャーシ20と背面筐体120との間に設けられている。
【0016】
第2シャーシ30の投影面積は、第1シャーシ20の投影面積よりも小さい。背面筐体120は、第1シャーシ20を覆う第1背面部1201と、第2シャーシ30を覆う第2背面部1202とを有する。第1背面部1201と第2背面部1202との間には段差が形成されている。この段差により、図3に示すように、前面筐体110の前面(Y軸負方向側)から第2背面部1202までの厚みL2は、前面筐体110の前面(Y軸負方向側)から第1背面部1201までの厚みL1よりも厚くなっている。背面筐体120における段差の位置で、第2シャーシ30における背面筐体120側の面と背面筐体120の内面とが接触する。
【0017】
表示装置1は、筐体10内に、第1内部空間S1(第1内部空間層の一例)と第2内部空間S2(第2内部空間層の一例)とを有し、第1内部空間S1と第2内部空間S2の間に第2シャーシ30が配置される。第1内部空間S1は、第1シャーシ20側の内部空間であり、第2内部空間S2は、背面筐体120側の内部空間である。
【0018】
さらに、表示装置1は、筐体10内に、表示モジュール210、表示制御回路基板230、LED(Light-Emitting Diode)駆動回路基板240、メイン基板310、画像処理回路基板320、電源ユニット330、複数のファン設置部材370、複数の第1ファン350及び複数の第2ファン360を備える。表示モジュール210、表示制御回路基板230、LED駆動回路基板240、メイン基板310、画像処理回路基板320、電源ユニット330は、熱を発する発熱部材の一例である。
【0019】
表示モジュール210、表示制御回路基板230、LED駆動回路基板240、画像処理回路基板320、電源ユニット330、複数の第1ファン350、及び複数の第2ファン360は、メイン基板310と電気的に接続される。
【0020】
図2に示すように、第1シャーシ20は、表示モジュール210、表示制御回路基板230、LED駆動回路基板240等の第1発熱部材を支持する。図3及び図4に示すように、第1シャーシ20において、前面筐体110側に表示モジュール210が配置され、背面筐体120側に表示制御回路基板230及びLED駆動回路基板240等の第1発熱部材が配置される。表示モジュール210は前面筐体110の開口部110aから表示モジュール210の表示領域Rが露出するように、前面筐体110に接触して配置される。
【0021】
図3及び図4に示すように、表示モジュール210は、表示パネル211とバックライト212とを含む。本実施形態において、表示パネル211は、液晶表示パネルである。表示パネル211は、表示制御回路基板230と電気的に接続されている。表示制御回路基板230は、表示パネル211を駆動するためのドライバやタイミングコントローラー等の表示パネル駆動回路を含む。
【0022】
バックライト212は、表示パネル211の背面全体に光を放射する直下型のバックライトである。バックライト212は、複数のLED212aと、複数のLED212aを支持するLED基板212bとを含む。また、バックライト212には、表示パネル211に光を入射させるための反射シート等の光学部材(図示略)が含まれる。バックライト212は、LED駆動回路基板240と電気的に接続されている。LED駆動回路基板240は、表示制御回路基板230と電気的に接続され、表示制御回路基板230の制御の下、複数のLED212aを点灯又は消灯するLED駆動回路(図示略)を含む。
【0023】
図2に示すように、第2シャーシ30は、背面筐体120側において、メイン基板310、画像処理回路基板320、及び電源ユニット330等の第2発熱部材を支持する。また、第2シャーシ30は、図2に示すように、背面筐体120側において、互いに離間して配置された2組のファン設置部材370を支持する。各ファン設置部材370の底部は第2シャーシ30に連結され、各ファン設置部材370の上部に1組の第1ファン350及び第2ファン360が設置される。
【0024】
メイン基板310は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ(ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory))を含む制御回路、及び外部装置と通信を行うための通信インタフェース回路等を含む(いずれも図示略)。画像処理回路基板320は、メイン基板310の制御の下、表示画像の色や輝度等を調整する画像処理回路(図示略)を含む。電源ユニット330は、表示装置1の各部と電気的に接続され、接続された各部に電力を供給する。2組の第1ファン350及び第2ファン360のそれぞれは、メイン基板310の制御の下、ファンの回転動作を開始又は停止する。第1ファン350は、第1内部空間S1の空気を排気するために用いられ、第2ファン360は、第2内部空間S2の空気を排気するために用いられる。以下、第2シャーシ30においてX軸正方向側とX軸負方向側にそれぞれ配置されたファン設置部材をファン設置部材370R、370Lと記載する場合がある。
【0025】
図5A図5Eは、ファン設置部材370の構造を示す模式図である。図5Aは、ファン設置部材370Rを示す模式図である。図5Bは、図5Aに示すファン設置部材370RをZ軸負方向側から見た模式図である。図5Cは、図5Aに示すファン設置部材370RをZ軸正方向側から見た模式図である。図5Dは、図5Aに示すファン設置部材370RをX軸負方向側から見た模式図である。図5Eは、図5Aに示すファン設置部材370RをX軸正方向側から見た模式図である。
【0026】
図5A図5Eに示すように、ファン設置部材370Rは、第1設置部3701と第2設置部3702とを有する。第1設置部3701は、中空の略四角柱形状を有し、Y軸方向に貫通する中空領域3701hを有する。図5B図5Dに示すように、第2シャーシ30において、第1設置部3701と対向する位置に、第2シャーシ30を貫通する開口30aを有する。開口30aを介して第1設置部3701の中空領域3701hと第1内部空間S1との間が連通している。第1設置部3701の上面(Y軸正方向側)に第1ファン350が配置される。開口30aから第1ファン350の間は、第1設置部3701によって第2内部空間S2から遮蔽されている。そのため、第1ファン350の駆動によって、第1内部空間S1から開口30aを介して第1設置部3701の中空領域3701hを通り、第1ファン350の底部へと向かう気流が形成される。つまり、第1設置部3701及び第2シャーシ30の開口30aは、第1内部空間S1の空気を第1ファン350へ導く排気ダクト部の一例である。第1設置部3701及び開口30aにより、第1内部空間S1の空気が第2内部空間S2の空気と混ざらない。
【0027】
図5A図5Eに示すように、第2設置部3702は、略四角柱形状を有し、第1設置部3701との境界となる面を除く全ての面に開口部3702a~3702eを有する。図5B、5C、及び5Eに示すように、第2設置部3702の底部の開口部3702eは第2シャーシ30によって塞がれている。つまり、第2設置部3702の内部3702hは第2内部空間S2と連通するが、第1内部空間S1と連通していない。第2設置部3702の上面には第2ファン360が配置される。そのため、第2ファン360の駆動によって、第2内部空間S2から第2設置部3702の開口部3702a~3702dを通って第2ファン360の底部へ向かう気流が形成される。
【0028】
なお、図示は省略するが、ファン設置部材370Lは、ファン設置部材370Rの第1設置部3701と第2設置部3702の位置を逆転させた構造を有する。
【0029】
図6は、図1に示すVI-VI線における概略断面図である。図2及び図6に示すように、表示装置1は、筐体10内に、閉塞部材400と複数の配線410とをさらに備える。閉塞部材400は、第2シャーシ30の背面筐体120側の面に設けられる。閉塞部材400は、絶縁性材料で構成されている。図6に示すように、第2シャーシ30は、閉塞部材400が設けられた領域に、配線用開口部30bを有する。配線用開口部30bにおいて、画像処理回路基板320(第2発熱部材の一例)と表示制御回路基板230(第1発熱部材の一例)との間が配線410によって接続される。また、メイン基板310及び電源ユニット330(第2発熱部材の一例)と、表示制御回路基板230及びLED駆動回路基板240(第1発熱部材の一例)との間が配線410によって接続される。閉塞部材400は、配線410が通された配線用開口部30bの上を覆う。このように、本実施形態では、第1シャーシ20に配置された第1発熱部材と、第2シャーシ30に配置された第2発熱部材との間を接続する配線410は1か所に集約される。
【0030】
図2図4に戻り、背面筐体120には、吸気口1211、1212及び排気口1221、1222が設けられている。具体的には、背面筐体120の第1背面部1201に吸気口1211(第1吸気口及び第1吸気部の一例)が配置され、第2背面部1202に吸気口1212(第2吸気口及び第2吸気部の一例)、及び排気口1221、1222が配置される。吸気口1211によって第1内部空間S1と外部との間が連通され、第1内部空間S1に外部の空気が吸気される。吸気口1212によって第2内部空間S2と外部との間が連通され、第2内部空間S2に外部の空気が吸気される。
【0031】
図4に示すように、排気口1222(第1排気口の一例)は、第1ファン350に対向して設けられ、第1ファン350から送出された空気が排気される。具体的には、図4に示すように、第1ファン350の駆動により、開口30a及び第1設置部3701の中空領域3701hを通って第1ファン350に流れ込んだ第1内部空間S1の空気が排気口1221から排気される。つまり、開口30a、第1設置部3701、第1ファン350及び排気口1221は、本実施形態における第1排気部の一例である。
【0032】
また、図3に示すように、排気口1222(第2排気口の一例)は、第2ファン360に対向して設けられ、第2ファン360から送出された空気が排気される。具体的には、図3に示すように、第2ファン360の駆動により、第2設置部3702の内部3702hを通って第2ファン360に流れ込んだ第2内部空間S2の空気が排気口1222から排気される。つまり、第2設置部3702、第2ファン360及び排気口1222は、本実施形態における第2排気部の一例である。
【0033】
本実施形態では、表示装置1の筐体10の内部は、第1シャーシ20と第2シャーシ30によって分離され、筐体10の前面側及び背面側にそれぞれ第1内部空間S1と第2内部空間S2とが形成される。第2内部空間S2には、第1内部空間S1の空気を排気するための第1ファン350と、第2内部空間S2の空気を排気するための第2ファン360とが設けられるが、各ファンによって形成される気流は互いに異なる内部空間を通る。
【0034】
図7Aは、第1ファン350の駆動によって生じる気流の経路を示す図であり、図7Bは、第2ファン360の駆動によって生じる気流の経路を示す図である。図7Aの矢印で示す経路の通り、第1ファン350によって発生する気流は、吸気口1211から第1内部空間S1を通り、第2シャーシ30の開口30aから第1設置部3701の中空領域3701hを通って第1ファン350へ流れ込み、排気口1221から外部へ向かう。また、図7Bの矢印で示す経路の通り、第2ファン360によって発生する気流は、吸気口1212から第2内部空間S2を通り、第2設置部3702の内部3702hを通って第2ファン360へ流れ込み、排気口1222から外部へ向かう。このように、第1ファン350及び第2ファン360の駆動によって、第1内部空間S1及び第2内部空間S2における空気が互いに混ざることなく、各内部空間の空気が個別に外部へ排気される。そのため、第1内部空間S1及び第2内部空間S2に設けられた各発熱部材が発する熱を効率良く冷却することができる。
【0035】
[第2実施形態]
第2実施形態では、第2シャーシ30と第1シャーシ20の投影面積が同等である場合の表示装置の構造について説明する。図8は、本実施形態における表示装置1Aの概略構成を示す断面図である。図8において、第1実施形態と同様の構成には第1実施形態と同じ符号が付されている。以下、主として第1実施形態と異なる構成について説明する。
【0036】
図8に示すように、表示装置1Aは、筐体10として、前面筐体110と背面筐体120Aとを有する。また、表示装置1Aは、第1シャーシ20と投影面積が略同じである第2シャーシ30Aを有する。第2シャーシ30Aは、第1シャーシ20と対向し、第1シャーシ20よりも背面筐体120A側に配置されている。
【0037】
背面筐体120Aは、第2シャーシ30Aに対向する略平坦な背面部1201Aを有する。背面部1201Aには、吸気口1211、1212、及び排気口1222が設けられている。また、図7では図示されていないが、第1実施形態と同様、背面部1201Aにおいて、排気口1222に隣接する排気口1221(図1、2等参照)が設けられている。
【0038】
第2シャーシ30Aは、吸気口1211に対応する位置に、第2シャーシ30Aを貫通する吸気用開口部30cを有する。また、表示装置1Aは、第2シャーシ30Aにおける背面部1201A側の面と背面筐体120Aとの間に、吸気用ダクト500を有する。吸気用開口部30c及び吸気用ダクト500は、本実施形態における第1吸気部の一例である。
【0039】
吸気用ダクト500は、中空の筒形状を有する。吸気用ダクト500の一方の端部は吸気用開口部30cに連結され、他方の端部は吸気口1211に連結されている。つまり、吸気用ダクト500を介して、外部と第1内部空間S1とが連通している。そのため、第1ファン350の駆動により、外部の空気が吸気用ダクト500の内部を通り、第1内部空間S1へ吸気される。
【0040】
図8に示す構造により、第1ファン350によって形成される気流と、第2ファン360によって形成される気流とが同じ内部空間内に発生しない。そのため、第1内部空間S1及び第2内部空間S2における空気が互いに混ざることなく、個別に外部へ排気され、第1内部空間S1及び第2内部空間S2に設けられた発熱部材が発する熱を効率良く冷却することができる。
【0041】
以上、本発明に係る実施形態について説明した。但し、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0042】
(1)表示装置1、1Aは、液晶を用いた表示装置に限らず、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置であってもよい。
【0043】
(2)第1ファン350、第2ファン360、排気口1221、1222、及び吸気口1211、1212の位置及び数は実施形態に限定されない。表示装置において、第1内部空間S1及び第2内部空間S2のそれぞれに対し、少なくとも1つの吸気口、排気口、及びファンが設けられていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイに利用できる。
【符号の説明】
【0045】
1、1A :表示装置
10 :筐体
20 :第1シャーシ
30 :第2シャーシ
30A :第2シャーシ
30a :開口
30b :配線用開口部
30c :吸気用開口部
110 :前面筐体
120、120A :背面筐体
210 :表示モジュール
211 :表示パネル
212 :バックライト
212a :LED
212b :LED基板
230 :表示制御回路基板
240 :LED駆動回路基板
310 :メイン基板
320 :画像処理回路基板
330 :電源ユニット
350 :第1ファン
360 :第2ファン
370 :ファン設置部材
400 :閉塞部材
410 :配線
500 :吸気用ダクト
1201 :第1背面部
1201A :背面部
1202 :第2背面部
1211、1212 :吸気口
1221、1222 :排気口
3701 :第1設置部
3702 :第2設置部
S1 :第1内部空間
S2 :第2内部空間
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7A
図7B
図8