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特許7606411電動工具システム、電動工具及び集塵装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】電動工具システム、電動工具及び集塵装置
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20241218BHJP
   B25D 17/18 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
B25F5/00 G
B25D17/18
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021090557
(22)【出願日】2021-05-28
(65)【公開番号】P2022182817
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2024-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊田 雄大
(72)【発明者】
【氏名】中村 雅道
(72)【発明者】
【氏名】田中 尚武
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-150664(JP,A)
【文献】特開2012-204084(JP,A)
【文献】特開2015-011874(JP,A)
【文献】特開2020-163538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
B25D 17/18
B23B 45/00
B23Q 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具と、
前記電動工具に取り付け可能に構成され、粉塵を収集する集塵装置と、
を備え、
前記電動工具は、前記集塵装置に電力を供給する第1コネクタを有し、
前記集塵装置は、前記電動工具の前記第1コネクタと電気的に接続される第2コネクタを有し、
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの一方は、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの他方への差込方向である第1方向に突出する凸端子を有し、
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの前記他方は、前記第1方向と直交する第2方向に沿って前記凸端子を保持可能に構成された、ばね端子及び移動規制部を有し、
前記ばね端子は、導電性を有し、前記凸端子と電気的に接続され、
前記移動規制部は、前記凸端子の前記第2方向に沿った移動を規制
前記第2コネクタは、一対の爪部を有し、
前記電動工具は、前記一対の爪部が引っかかるように構成された一対の凹部を有し、
前記一対の爪部及び前記一対の凹部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続された状態において、前記第2方向にて前記ばね端子及び前記移動規制部を挟むようにして前記ばね端子及び前記移動規制部と並ぶ、
電動工具システム。
【請求項2】
前記移動規制部及び前記ばね端子は、前記第2方向に沿って、前記凸端子を挟み込むように構成されている、
請求項1に記載の電動工具システム。
【請求項3】
前記凸端子の形状は、前記第2方向に沿った厚みを有する平板状である、
請求項2に記載の電動工具システム。
【請求項4】
前記移動規制部は、テーパ部を有し、
前記テーパ部は、
前記第1方向に沿った方向における前記移動規制部の先端に形成されており、
前記先端に近づくほど、前記テーパ部における前記第2方向に沿った幅が小さくなる向きに傾斜している、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電動工具システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の電動工具システムに用いられ、
前記第1コネクタを有し、
前記第1コネクタは、
前記ばね端子及び前記移動規制部を有する、
電動工具。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の電動工具システムに用いられ、
前記第2コネクタを有し、
前記第2コネクタは、
前記ばね端子及び前記移動規制部を有する、
集塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電動工具システム、電動工具及び集塵装置に関し、より詳細には、集塵装置を備える電動工具システム、及び、上記電動工具システムに用いられる電動工具及び集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の集塵ユニットは、ロータリーハンマに取り付けられ、ロータリーハンマから電力を供給されている。特許文献1の集塵ユニット及びロータリーハンマでは、ロータリーハンマのばね端子が集塵ユニットの金属ピンを挟み込むことで、集塵ユニットとロータリーハンマとが電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】欧州特許出願公開第1459842号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ロータリーハンマのような電動工具では、作業時の振動が激しいため、凸端子を挟み込むばね端子も激しく振動する。ばね端子の根本部には繰り返し大きな負荷がかかり、ばね端子の寿命を縮める可能性があった。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、ばね端子の長寿命化を図る電動工具システム、電動工具及び集塵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る電動工具システムは、電動工具と、集塵装置と、を備えている。前記集塵装置は、前記電動工具に取り付け可能に構成され、粉塵を収集する。前記電動工具は、第1コネクタを有する。前記第1コネクタは、前記集塵装置に電力を供給する。前記集塵装置は、第2コネクタを有する。前記第2コネクタは、前記電動工具の前記第1コネクタと電気的に接続される。前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの一方は、凸端子を有する。前記凸端子は、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの他方への差込方向である第1方向に突出している。前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの他方は、ばね端子及び移動規制部を有する。前記ばね端子及び前記移動規制部は、前記第1方向と直交する第2方向に沿って前記凸端子を保持可能に構成されている。前記ばね端子は、導電性を有し、前記凸端子と電気的に接続される。前記移動規制部は、前記凸端子の前記第2方向に沿った移動を規制する。前記第2コネクタは、一対の爪部を有する。前記電動工具は、前記一対の爪部が引っかかるように構成された一対の凹部を有する。前記一対の爪部及び前記一対の凹部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続された状態において、前記第2方向にて前記ばね端子及び前記移動規制部を挟むようにして前記ばね端子及び前記移動規制部と並ぶ。
【0007】
本開示の一態様に係る電動工具は、前記電動工具システムに用いられる。前記電動工具は、前記第1コネクタを有する。前記第1コネクタは、前記ばね端子及び前記移動規制部を有する。
【0008】
本開示の一態様に係る集塵装置は、前記電動工具システムに用いられる。前記集塵装置は、前記第2コネクタを有する。前記第2コネクタは、前記ばね端子及び前記移動規制部を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の上記態様に係る電動工具システム、電動工具及び集塵装置によれば、ばね端子の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係る電動工具システムの平面図である。
図2図2は、同上に係る集塵装置の要部の斜視図である。
図3図3は、同上に係る電動工具の要部の斜視図である。
図4図4は、同上に係る電動工具の要部の分解斜視図である。
図5図5は、図1のX-X線における断面図である。
図6図6は、同上に係る集塵装置の断面図である。
図7図7は、同上に係る集塵容器の斜視図である。
図8図8は、同上に係る集塵容器の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、各方向を示す矢印は一例であり、電動工具システム1の使用時の方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0012】
なお、本開示でいう「直交」は、2方向の角度が厳密に90度である状態だけでなく、2方向がある程度の誤差の範囲内で略直交する状態も含む意味である。つまり、直交する2方向の角度は、90度に対してある程度の誤差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。
【0013】
(1)概要
まず、本実施形態に係る電動工具システム1の概要について、図1図3を参照しつつ説明する。図1に示すように本実施形態の電動工具システム1は、電動工具2と集塵装置4とを備えている。
【0014】
電動工具2は、例えばハンマードリルであり、先端工具としてドリルビット6が取り付けられている。電動工具2は、ドリルビット6を駆動して加工対象物を加工するよう構成される。加工対象物は、例えばコンクリート又は木材などである。より詳細には、電動工具2は、ドリルビット6による回転切削によって加工対象物に孔を形成したり、ドリルビット6によって加工対象物に打撃を加えて加工対象物を破砕したりする。なお、ここでは、回転切削とは、ドリルビット6を回転させながら加工対象物を切削することを意味する。
【0015】
集塵装置4は、ドリルビット6が加工対象物に対して回転切削又は打撃を行うことで加工対象物から発生した粉塵を収集する。
【0016】
集塵装置4は、電動工具2に着脱可能に取り付けられている。より具体的には、集塵装置4は、集塵装置4の第2コネクタ44が電動工具2の第1コネクタ3(図3参照)と電気的に接続されるように、電動工具2に取り付けられている。集塵装置4は、電動工具2の電池パック27から供給される電力で駆動する。
【0017】
図2に示すように、本実施形態の第2コネクタ44は、第1コネクタ3への差込方向である第1方向(後方向)に突出する一対の凸端子441を有している。なお、以下の説明において一対の凸端子441の各々を区別しないときは、一対の凸端子441の各々のことを凸端子441という。
【0018】
また、図3に示すように、本実施形態の第1コネクタ3は、一対の凸端子受けを有している。一対の凸端子受けの各々は、ばね端子331と、移動規制部321とを有している。ばね端子331と移動規制部321とは、第1方向と直交する第2方向(左右方向)に沿って凸端子441を保持可能に構成されている。
【0019】
ばね端子331は導電性を有しており、凸端子441と電気的に接続される。また、移動規制部321は、左右方向に沿った凸端子441の移動を規制する。
【0020】
本実施形態の電動工具システム1では、電動工具2が駆動して振動する際に、振動による凸端子441の左右方向に沿った移動を移動規制部321が規制することでばね端子331の振動を低減させる。これにより、ばね端子331の長寿命化を図ることができる。
【0021】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る電動工具システム1の詳細について図1図8を参照して説明する。
【0022】
以下の説明では、第1コネクタ3と第2コネクタ44とが並んでいる方向を「前後方向」と規定する。第1コネクタ3から第2コネクタ44に向かう方向を「前方向」とし、第2コネクタ44から第1コネクタ3に向かう方向を「後方向」とする。また、後述する胴体部22と装着部24とが並んでいる方向を「上下方向」と規定する。胴体部22から装着部24に向かう方向を「下方向」とし、装着部24から胴体部22に向かう方向を「上方向」とする。また、前後方向及び上下方向の両方と直交する方向を「左右方向」とする。本開示における方向に関する記載は、電動工具システム1の使用方向を限定する趣旨ではない。図などにおける左右、上下、前後を表す矢印はそれぞれ、説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0023】
(2.1)電動工具システムの構成要素
図1に示すように、電動工具システム1は、電動工具2と集塵装置4とを備えている。上述したように、電動工具2と集塵装置4とは電気的に接続されている。
【0024】
(2.2)電動工具の構成
次に、本実施形態に係る電動工具2の詳細について図1図5を参照して説明する。
【0025】
電動工具2は、ボディ21を有している。ボディ21は、胴体部22と、グリップ部23と、装着部24と、を有している。
【0026】
胴体部22は、前後方向に延びた筒状である。胴体部22の内部には、スピンドルと、伝達機構と、モータとが前方からこの順で収容されている。
【0027】
スピンドルは、ドリルビット6などの先端工具を保持する部分である。スピンドルは、その中心軸が前後方向に沿うように、胴体部22の内部の前部に配置されている。スピンドルの先端部にはチャック部26が設けられている。チャック部26は、スピンドルがドリルビット6を保持する状態をロックし、及びそのロックを解除する部分である。
【0028】
モータは、スピンドルに保持されたドリルビット6などの先端工具を駆動させるための駆動源である。モータは、電池パック27から供給される電力によって駆動される。
【0029】
伝達機構は、モータの回転出力をスピンドルに伝達する機構である。伝達機構は、前後方向において、モータとスピンドルの間に配置されている。伝達機構は、回転機構と、打撃機構とを有している。回転機構は、モータの回転出力に応じてスピンドルを回転させることで、ドリルビット6を回転駆動させる。打撃機構は、モータの回転出力を往復運動に変換し、その往復運動によってスピンドルを後方から打撃することで、ドリルビット6を打撃駆動させる。打撃駆動とは、ドリルビット6などの先端工具を、加工対象物に打撃を与えるように駆動させることである。
【0030】
グリップ部23は、胴体部22の周面の一部から、下方向(胴体部22の径方向)に沿って突出する。グリップ部23は、作業者によって把持される部分である。グリップ部23には、トリガ25(操作部)が設けられている。
【0031】
トリガ25は、グリップ部23から前方向に突出している。トリガ25は、モータの回転を制御するための操作を受け付ける操作部である。トリガ25を引く操作により、モータのオンオフを切替え可能である。また、トリガ25を引く操作の引込み量で、モータの回転速度を調整可能である。上記引込み量が大きい程、モータの回転速度が速くなる。
【0032】
装着部24は、グリップ部23の下端部に設けられている。言い換えれば、胴体部22と装着部24とが、グリップ部23にて連結されている。装着部24は、電池パック27が取外し可能に装着されるように構成されている。電池パック27は、電動工具2の構成要素ではない。ただし、電動工具2は、電池パック27を備えていてもよい。
【0033】
図3に示すように、装着部24は、一対のガイド溝241と、一対の凹部242(図5参照)とを有している。なお、一対のガイド溝241と、一対の凹部242と、第1コネクタ3とは、左右方向において並んで配置されている。また、前後方向からの平面視において、一対のガイド溝241の間に一対の凹部242が配置され、一対の凹部242の間に第1コネクタ3が配置されている。
【0034】
一対のガイド溝241は、前後方向に沿って形成されており、左右方向において互いに近づくように窪んでいる。一対のガイド溝241は、第1コネクタ3に対する集塵装置4の第2コネクタ44(図2参照)の差し込みをガイドする部分である。一対のガイド溝241には、集塵装置4の後述する一対のガイド突起442(図2参照)が前方向から差し込まれる。
【0035】
図5に示すように、一対の凹部242は、左右方向において互いに遠ざかる方向に窪んでいる。一対の凹部242は、集塵装置4の後述する一対の爪部443が引っかかる凹部である。一対の凹部242に一対の爪部443が引っかかることにより、第2コネクタ44を、第1コネクタ3から抜けにくくすることができる。
【0036】
(2.3)第1コネクタ及び第2コネクタ
次に、図1図5を参照して、第1コネクタ3及び第2コネクタ44の詳細を説明する。
【0037】
(2.3.1)第1コネクタの構成
まず、第1コネクタの詳細について説明する。図3に示すように、装着部24の前端には、第1コネクタ3が設けられている。第1コネクタ3は、集塵装置4(図2参照)の第2コネクタ44(図2参照)と電気的に接続され、集塵装置4に電力を給電するコネクタである。
【0038】
図4は、第1コネクタ3の分解斜視図である。図4に示すように、第1コネクタ3は、ケース31と、樹脂部材32と、導電部33と、防塵部34と、を有している。
【0039】
ケース31は、凹部311と、開口部312とを有している。凹部311は、導電部33が取り付けられた樹脂部材32と、防塵部34とを収容する。開口部312には、集塵装置4の凸端子441(図5参照)が通される。
【0040】
樹脂部材32は、例えば合成樹脂で形成されている。樹脂部材32は、基部320と、一対の移動規制部321とを有している。一対の移動規制部321は、基部320から前方向に突出している。一対の移動規制部321は左右方向に沿って並んでいる。なお、以下の説明において一対の移動規制部321の各々を区別しないときは、一対の移動規制部321の各々を移動規制部321という。
【0041】
移動規制部321は、第1突出部322と、第2突出部324とを有している。第1突出部322は、凹部323を有している。凹部323に沿うようにして、導電部33が配置される。一対の移動規制部321の2つの第2突出部324は、隣り合っている。図5に示すように、電動工具2の第1コネクタ3と集塵装置4の第2コネクタ44とが電気的に接続された状態において、第2突出部324は、左右方向に沿った凸端子441の移動を規制する。
【0042】
また、第2突出部324は、テーパ部325を有している。テーパ部325は、第1方向に沿った方向(前後方向)における第2突出部324の先端(前端)に形成されている。テーパ部325は、先端すなわち前方向に近づくほど、テーパ部325の左右方向に沿った幅が小さくなる向きに傾斜している。テーパ部325がガイドとして機能することで、集塵装置4の凸端子441をばね端子331と第2突出部324との間に挿入しやすくなる。
【0043】
導電部33は、例えば銅などの金属で形成されている。導電部33は、導電性を有している。導電部33は、電線L1を介して電池パック27(図1参照)と電気的に接続されている。導電部33は、ばね端子331を有している。ばね端子331と集塵装置4の凸端子441とが接触することで、ばね端子331と凸端子441とが電気的に接続される。すなわち、ばね端子331と集塵装置4の凸端子441とが電気的に接続することで、電池パック27から集塵装置4へ電力を供給することが可能になる。
【0044】
また、導電部33が樹脂部材32に取り付けられた状態で、ばね端子331と樹脂部材32の第2突出部324とは、左右方向において対向する。ばね端子331と第2突出部324との間には、集塵装置4の凸端子441が挿入される。すなわち、電動工具2の第1コネクタ3と集塵装置4の第2コネクタ44とが電気的に接続された状態において、ばね端子331及び第2突出部324は、左右方向に沿って凸端子441を挟み込んで凸端子441を保持する。
【0045】
防塵部34は、例えばシリコーンゴムなどで形成されている。防塵部34は、粉塵がケース31の開口部312を通ってケース31の内部に入ることを防いでいる。防塵部34は、一対の孔341を有している。一対の孔341には、集塵装置4の凸端子441が挿入される。
【0046】
(2.3.2)第2コネクタの構成
次に、第2コネクタ44の詳細について説明する。図1に示すように、集塵装置4は第2コネクタ44を備えている。第2コネクタ44は、集塵装置4におけるハウジング41の後端の下部に設けられている。第2コネクタ44は、電動工具2の第1コネクタ3と電気的に接続される。
【0047】
図2に示すように、第2コネクタ44は、一対の凸端子441と、一対のガイド突起442と、一対の爪部443と、一対の操作部444(図5参照)と、を有している。なお、一対の凸端子441と、一対のガイド突起442と、一対の爪部443と、一対の操作部444とは、左右方向において並んで配置されている。また、前後方向からの平面視において、一対のガイド突起442の間に一対の爪部443が配置され、一対の爪部443の間に一対の凸端子441が配置されている。また、前後方向からの平面視において、一対の操作部444の間に一対の爪部443が配置されている。
【0048】
凸端子441は、第1コネクタ3への差込方向である後方向(第1方向)に突出している。凸端子441は、平板状であり、左右方向に厚みを有している。凸端子441は、例えば銅などの金属で形成されており、導電性を有している。図5に示すように、凸端子441が、電動工具2のばね端子331と接触することで、第2コネクタ44は第1コネクタ3と電気的に接続される。
【0049】
図2に示すように、一対のガイド突起442は、前後方向に沿って形成されており、左右方向において互いに近づくように突出している。一対のガイド突起442は、電動工具2の一対のガイド溝241に差し込まれる部分である。
【0050】
図5に示すように、一対の爪部443は、電動工具2の一対の凹部242に引っかかる部分である。一対の爪部443が一対の凹部242に引っかかることにより、第2コネクタ44を、第1コネクタ3から抜けにくくすることができる。
【0051】
一対の操作部444は、一対の爪部443と一対の凹部242との引っかかりを解除する操作部である。作業者によって一対の操作部444が押し込まれることにより、一対のばね445のばね力に逆らって一対の爪部443が互いに近づくように移動する。一対の爪部443が互いに近づくように移動することで、一対の爪部443と一対の凹部242との引っかかりが解除される。
【0052】
(2.4)集塵装置
次に、本実施形態に係る集塵装置4の詳細について図6図8を参照して説明する。
【0053】
図6に示すように、集塵装置4は、ハウジング41と、吸引部42と、連結部43と、モータ45と、ファン46と、集塵容器5と、を備えている。
【0054】
吸引部42は、粉塵を吸引する部分である。吸引部42の形状は、断面形状がL字状の筒状である。吸引部42は、入口部421と、移送部425と、スライド部426と、ホース427と、を有している。
【0055】
入口部421は、前後方向に沿って延びた筒状である。また、入口部421は、下面が開口している。入口部421の前端の開口は、吸引口422として機能する。入口部421の後端の開口には、ゴムカバー423が取り付けられている。
【0056】
ゴムカバー423の形状は、前後方向からの平面視において円形状である。ゴムカバー423の中心部には孔424が設けられている。孔424には例えばドリルビット6などの先端工具が通される。集塵装置4が電動工具2に装着された状態では、ドリルビット6などの先端工具の先端部分は、ゴムカバー423を貫通して吸引口422から前方に突出する。
【0057】
移送部425の形状は、断面形状がL字状の筒状である。移送部425の上端は入口部421の下面の開口と繋がっており、移送部425の内部空間は、入口部421の内部空間と連続している。また、移送部425の後端はホース427と接続されている。
【0058】
スライド部426は、前後方向に沿って延びる筒状である。スライド部426の内径は、移送部425における後端の開口の外形より大きい。スライド部426は、前後方向からの平面視において、移送部425の後端を囲うようにして、移送部425の後面と接続されている。
【0059】
スライド部426の後端は、ハウジング41の上部の前面に設けられた開口内に収容されており、ハウジング41の前面から前方へ突出するようにハウジング41に設けられている。スライド部426は、ハウジング41に対して前後方向に移動可能に支持されている。スライド部426は、後方へ移動するとハウジング41から前方への突出量が小さくなり、前方へ移動するとハウジング41から前方への突出量が大きくなるように構成されている。スライド部426の前後方向の移動は、ハウジング41の内壁に設けられたガイド機構によってガイドされている。
【0060】
ホース427は、蛇腹状のホースである。ホース427は、前後方向に沿って延びており、前後方向に伸縮可能である。すなわち、ホース427は、スライド部426の前後方向の移動に応じて伸縮可能である。ホース427の前側部分はスライド部426の内部に収容されており、ホース427の後側部分はハウジング41の内部に収容されている。ホース427の前端は移送部425の後端と接続されており、ホース427の内部空間と移送部425の内部空間とは連続している。また、ホース427の後端は、連結部43と接続されている。
【0061】
ハウジング41は、集塵装置4の外郭を構成する。ハウジング41の形状は、下面と、上部の前面とに開口部を有する箱状である。ハウジング41は、連結部43と、モータ45と、ファン46と、集塵容器5と、を収容している。また、上述のように、ハウジング41の後端の下部には、第2コネクタ44が設けられている。
【0062】
連結部43の形状は、断面形状がL字状の筒状である。連結部43の前端はホース427の後端と接続されており、連結部43の内部空間とホース427の内部空間とは連続している。また、連結部43の下端は、集塵容器5の上端の吸気口511と連続している。
【0063】
モータ45は、集塵装置4の駆動源である。モータ45は、ハウジング41のモータ収容空間411に収容されている。モータ収容空間411は、集塵容器5の排気口512の前方を覆うように形成された空間である。モータ45の回転軸部は左右方向に沿っている。モータ45の回転軸部の先端(右端)にはファン46が固定されている。モータ45は、第2コネクタ44の凸端子441と電気的に接続されており、電動工具2の電池パック27から供給される電力によって駆動される。
【0064】
モータ45が回転駆動することでファン46が回転する。ファン46の回転によって、モータ収容空間411の空気がハウジング41の排気口から外部に排気される。これにより、モータ収容空間411の気圧が下がり、吸引部42の吸引口422の周囲の空気が、吸引部42(入口部421、移送部425、及びホース427)と、連結部43と、集塵容器5と、の内部空間を経由してモータ収容空間411に吸引される。この結果、ドリルビット6が加工対象物を加工したときに発生した粉塵が、上記の吸引される空気と一緒に集塵容器5まで移送される。そして、集塵容器5のフィルタ部52によって空気と粉塵とが分離され、粉塵が集塵容器5の内部に溜められる。
【0065】
(2.4.1)集塵容器
次に、本実施形態に係る集塵容器5の詳細について説明する。
【0066】
集塵容器5は、集塵装置4が吸引した空気と粉塵とを分離して、粉塵を回収する(すなわち貯める)容器である。集塵容器5は、ハウジング41の内部において、連結部43の下方かつモータ収容空間の後方に配置されている。集塵容器5がハウジング41に収容された状態では、集塵容器5の下部は、ハウジング41の外部に露出するとともにハウジング41の外郭の一部を構成する(図1参照)。集塵容器5は、ハウジング41の下面の開口部からハウジング41の内部に出し入れ可能(着脱可能)である。
【0067】
図7及び図8に示すように、集塵容器5は、貯蔵部51と、フィルタ部52と、フレーム部53と、接続部54と、固定部55と、解除操作部56と、を備えている。
【0068】
貯蔵部51の形状は、左右方向から見て台形状の箱状である。貯蔵部51の長手方向は、上下方向に沿っている。言い換えると、貯蔵部51及び内部空間Sp1の長手方向は、粉塵が積もる方向に沿っている。貯蔵部51は、フィルタ部52によって捕捉された粉塵を内部空間Sp1に貯蔵する。
【0069】
貯蔵部51は、吸気口511と、排気口512と、枠部513と、一対のストッパー部514(図8参照)と、を有している。
【0070】
吸気口511は、矩形状の開口であり、貯蔵部51の上面に形成されている。吸気口511は、連結部43(図5参照)の下端と接続されており、貯蔵部51の内部空間Sp1と連結部43の内部空間とは連続している。
【0071】
排気口512は、矩形状の開口であり、貯蔵部51の前面に形成されている。排気口512の長手方向は、前後方向から見て上下方向に沿っている。上述のように、排気口512の前方はモータ収容空間411に覆われており、貯蔵部51の内部空間Sp1とモータ収容空間411の内部空間とは、フィルタ部52を介して連続している。
【0072】
枠部513は、貯蔵部51の前面において、排気口512を形成する矩形状の枠である。
【0073】
一対のストッパー部514は、集塵容器5をハウジング41の内部に入れたときに、ハウジング41の下面の開口から集塵容器5が抜け落ちないようにするための部分である。一対のストッパー部514の一方は、貯蔵部51の左面の下端に設けられ、一対のストッパー部514の他方は、貯蔵部51の右面の下端に設けられている。以下の説明において、一対のストッパー部514の各々を区別しないときは、一対のストッパー部514の各々をストッパー部514という。
【0074】
ストッパー部514は、解除操作部515と、突出部516と、爪部517と、を有している。解除操作部515の形状は、矩形状の平板状である。突出部516は解除操作部515の上端から上方向に突出している。突出部516の形状は、矩形状の平板状である。爪部517は、突出部516の上端から左右方向に突出している。一対のストッパー部514の一対の爪部517の各々は、左右方向に沿って、互いが離れるように突出している。貯蔵部51の左面に設けられているストッパー部514の爪部517は左方向に突出しており、貯蔵部51の右面に設けられているストッパー部514の爪部517は右方向に突出している。一対のストッパー部514の一対の爪部517がハウジング41に引っかかることにより、集塵容器5がハウジング41の下面の開口から抜け落ちないようになる。また、作業者が一対のストッパー部514の一対の解除操作部515を左右方向に沿って押し込むことで、一対の爪部517とハウジング41との引っかかりが解除されて、ハウジング41から集塵容器5を取り出すことができる。
【0075】
フィルタ部52は、貯蔵部51の排気口512塞ぐようして貯蔵部51に取り付けられている(図5参照)。フィルタ部52は、空気を通過させ粉塵を捕捉する。すなわち、フィルタ部52は、空気と粉塵とを分離する。フィルタ部52は、例えばHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタである。フィルタ部52は、フィルタ本体521と、枠部522(外縁)とを有している。
【0076】
フィルタ本体521は、例えば紙などで形成されるフィルタが屏風折り(蛇腹折り)されて形成されている。フィルタ本体521の前端の上端及び下端は、例えば接着されるなどして枠部522に取り付けられている。枠部522は、矩形状の枠である。枠部522の長手方向は、前後方向から見て上下方向に沿っている。枠部522は、フィルタ本体521の前端部分の上下左右を囲っている。
【0077】
フレーム部53は、貯蔵部51の枠部513の前側に取り付けられる。フレーム部53は、接続部54によって回転可能な状態で貯蔵部51に接続されている。より具体的には、固定部55によって貯蔵部51に対してフレーム部53が固定されていない状態のときに、フレーム部53は接続部54の回転軸541を中心として回転可能である。また、フレーム部53は、貯蔵部51との間にフィルタ部52の枠部522(外縁)を挟む込むことで、フィルタ部52を貯蔵部51に対して固定する。本開示では、フィルタ部52がフレーム部53及び貯蔵部51に挟み込まれる方向(フレーム部53の基部531と、フィルタ部52の枠部522と、貯蔵部51の枠部513とが並ぶ方向)のことを「挟込方向」ということがある。フレーム部53及び貯蔵部51がフィルタ部52の枠部522を挟み込んでいる状態で、固定部55によってフレーム部53が貯蔵部51に固定されることで、貯蔵部51とフィルタ部52とフレーム部53とは集塵容器5として機能する。
【0078】
フレーム部53は、基部531と、第1突出部532と、第2突出部533と、を有している。
【0079】
基部531の形状は、矩形状の枠状である。基部531の長手方向は、前後方向から見て上下方向に沿っている。基部531は、矩形状の開口部534を形成している。第1突出部532は、基部531の下端の左端から右端にわたって前方に突出している。第1突出部532の形状は、矩形状の平板状である。第2突出部533は、第1突出部532の下端の左端から右端にわたって下方に突出している。第2突出部533の形状は、矩形状の平板状である。
【0080】
接続部54は、フレーム部53と貯蔵部51とを接続する。より具体的には、接続部54は、フレーム部53が貯蔵部51に固定されていないときにフレーム部53が回転可能な状態でフレーム部53を支持する。接続部54は、回転軸541と軸受542とを有している。
【0081】
回転軸541は、貯蔵部51の枠部513の上端に設けられている。回転軸541は、左右方向に沿って延びる円柱状又は円筒状の軸である。言い換えると回転軸541は、貯蔵部51の短手方向に沿って延びている。回転軸541は、フレーム部53を回転可能な状態で接続するための軸である。回転軸541には、フレーム部53に設けられている軸受542(図5参照)が接続される。
【0082】
軸受542は、フレーム部53の基部531の上端に設けられている。言い換えると、軸受542は、フレーム部53の基部531の一対の短辺の一方に設けられている。軸受542の形状は、左右方向に延びる円筒状である。軸受542に回転軸541が通されることにより、フレーム部53が回転可能な状態で、フレーム部53は貯蔵部51に接続される。
【0083】
固定部55は、フレーム部53及び貯蔵部51がフィルタ部52の枠部522(外縁)を挟み込んでいる状態で、フレーム部53を貯蔵部51に固定する。固定部55は、固定軸551と、挟持部552とを有している。
【0084】
固定軸551は、貯蔵部51の枠部513の下部に設けられている。固定軸551は、左右方向に沿って延びる円柱状又は円筒状の軸である。言い換えると、固定軸551は、貯蔵部51の短手方向に沿って延びている。固定軸551は、フレーム部53を貯蔵部51に固定するための軸である。固定軸551には、フレーム部53に設けられている挟持部552(図5参照)に挟持される。
【0085】
挟持部552は、フレーム部53の第2突出部533の後面中央部に設けられている。図5に示すように、挟持部552の形状は、左右方向から見てU字状である。挟持部552の一対の突出部は、後方に突出しており、左右方向から見て後方にいくほど互いに近づくように形成されている。挟持部552がフレーム部53の回転方向に沿って後方に押し込まれることで、挟持部552の一対の突出部の間に固定軸551が嵌まる。一対の突出部が固定軸551を上下から挟み込むことで、フレーム部53は貯蔵部51に固定された状態になる。
【0086】
本実施形態の固定部55と、接続部54とは、挟込方向又は前後方向からの平面視において、開口部534の長手方向に沿って開口部534を挟むように設けられている。また、本実施形態では、フレーム部53と、接続部54と、固定部55とで、フィルタ部52を保持するフィルタ保持部を構成している。
【0087】
解除操作部56はフレーム部53の第2突出部533の下端中央に形成されている。言い換えると、解除操作部56は、フレーム部53及び貯蔵部51がフィルタ部52の枠部522を挟み込んでいる状態の前後方向からの平面視において、開口部534を介して接続部54及び固定部55と並ぶ位置に設けられている。解除操作部56は、左右方向に沿って形成されており、下方に突出している。挟持部552が固定軸551を挟持している状態のときに(図5参照)、作業者が解除操作部56をフレーム部53の回転方向に沿って前方向に力を加えると、挟持部552の一対の突出部の間から固定軸551が引き抜かれる。すなわち、解除操作部56は、フレーム部53と貯蔵部51との固定状態を解除操作するための部分である。
【0088】
(3)作用効果
上述のように、本実施形態の電動工具システム1は、電動工具2と集塵装置4とを備えている。電動工具2は第1コネクタ3を有し、集塵装置4は第2コネクタ44を有している。第2コネクタ44は、後方向に突出する凸端子441を有している。また、第1コネクタ3は、ばね端子331及び移動規制部321を有している。ばね端子331及び移動規制部321は、左右方向に沿って凸端子441を保持可能に構成されている。導電性を有するばね端子331が導電性を有する凸端子441と接触することにより、ばね端子331と凸端子441とが電気的に接続される。本実施形態では、ばね端子331は凸端子441に電力を供給する。移動規制部321は、凸端子441の左右方向に沿った移動を規制する。これにより、ばね端子331の振動を低減させる。ばね端子331の振動を低減することで、ばね端子331の長寿命化を図ることができる。
【0089】
また、移動規制部321及びばね端子331は、左右方向に沿って凸端子441を挟み込むように構成されている。移動規制部321及びばね端子331が凸端子441を挟み込むことで、凸端子441の保持力を向上させることができる。
【0090】
また、凸端子441の形状は、左右方向に沿った厚みを有する平板状である。左右方向に沿った厚みを有する平板状の凸端子441を、移動規制部321及びばね端子331が凸端子441を左右方向に沿って挟み込むため、凸端子441の保持力を向上させることができる。
【0091】
また、移動規制部321(第2突出部324)の先端(前端)にはテーパ部325が形成されている。テーパ部325は、先端に近づくほどテーパ部325における左右方向に沿った幅が小さくなる向きに傾斜している。テーパ部325がガイドとして機能することで、移動規制部321及びばね端子331の間に、凸端子441を挿入することが容易になる。
【0092】
本実施形態の集塵装置4は、集塵容器5とモータ45とを備えている。本実施形態の集塵容器5は、フィルタ部52と、貯蔵部51と、フレーム部53と、接続部54と、固定部55と、を備えている。本実施形態の接続部54は、フレーム部53と貯蔵部51とを接続する。固定部55は、フレーム部53及び貯蔵部51がフィルタ部52の枠部522(外縁)を挟み込んでいる状態で、フレーム部53を貯蔵部51に固定する。接続部54は、フレーム部53が貯蔵部51に固定されていないときにフレーム部53が回転可能な状態でフレーム部53を支持する。本実施形態の集塵容器5では、フレーム部53及び貯蔵部51がフィルタ部52の枠部522を挟み込んでいる状態でフレーム部53と貯蔵部51とを固定することができるため、フィルタ部52を強固に保持することができる。また、フレーム部53は、貯蔵部51に固定されていないときに回転可能な状態で接続部54に支持されるため、複数の固定部55を有する必要がなくなり、フィルタ部52の取り外しを容易にすることができる。
【0093】
また、本実施形態の集塵容器5は、解除操作部56を備えている。解除操作部56は、固定部55によるフレーム部53と貯蔵部51との固定状態を解除操作するための部分である。集塵容器5が解除操作部56を備えることで、フレーム部53と貯蔵部51との固定状態を容易に解除することができるため、フィルタ部52の取り外しをより容易にすることができる。
【0094】
また、本実施形態の接続部54と固定部55とは、挟込方向からの平面視において、フレーム部の長手方向に沿ってフレーム部53の開口部534を挟むように設けられている。これにより、フィルタ部52をより強固に保持することができる。
【0095】
(4)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0096】
集塵装置4の第2コネクタ44は、凸端子441の代わりに、ケース31と、樹脂部材32と、導電部33と、防塵部34とを有していてもよい。すなわち、第2コネクタ44が、移動規制部321及びばね端子331を有していてもよい。また、電動工具2の第1コネクタ3は、ケース31と、樹脂部材32と、導電部33と、防塵部34との代わりに、凸端子441を有していてもよい。電動工具2の第1コネクタ3が凸端子441を有し、集塵装置4の第2コネクタ44が移動規制部321及びばね端子331を有する場合、凸端子441からばね端子331に電力が供給される。なお、電動工具2の第1コネクタ3が凸端子441を有し、集塵装置4の第2コネクタ44が移動規制部321及びばね端子331を有する場合であっても、ばね端子331の長寿命化を図ることができる点は上記実施形態と同様である。
【0097】
接続部54は、フレーム部53が回転可能な状態で、フレーム部53を貯蔵部51に接続できればよい。例えば、フレーム部53に回転軸が設けられ、貯蔵部51に軸受が設けられていてもよい。また、接続部54は、複数であってもよい。
【0098】
固定部55は、フレーム部53及び貯蔵部51がフィルタ部52の枠部522を挟み込んでいる状態で、フレーム部53を貯蔵部51に固定できればよい。例えば、フレーム部53に固定軸が設けられ、貯蔵部51に挟持部が設けられていてもよい。また、固定部55は、固定軸と挟持部とを有するものに限られず、例えば、爪部と凹部又は孔とを有していてもよい。
【0099】
上記実施形態では、フレーム部53及び貯蔵部51がフィルタ部52の枠部522を挟み込んでいる状態の前後方向からの平面視において、接続部54が開口部534の上方に位置し、固定部55が開口部534の下方に位置していたが、これに限られない。例えば、フレーム部53及び貯蔵部51がフィルタ部52の枠部522を挟み込んでいる状態の前後方向からの平面視において、接続部54が開口部534の下方に位置し、固定部55が開口部534の上方に位置していてもよい。また、フレーム部53及び貯蔵部51がフィルタ部52の枠部522を挟み込んでいる状態の前後方向からの平面視において、接続部54が開口部534の右方に位置し、固定部55が開口部534の左方に位置していてもよい。なお、接続部54が開口部534の右方又は左方に位置する場合、接続部54の回転軸541は上下方向に沿って延びる円柱又は円筒となり、軸受542は上下方向に沿って延びる円筒となる。
【0100】
また、上記実施形態では、フレーム部53及び貯蔵部51がフィルタ部52の枠部522を挟み込んでいる状態の前後方向からの平面視において、接続部54及び固定部55が開口部534を挟むように設けられていたが、これに限られない。例えば、フレーム部53及び貯蔵部51がフィルタ部52の枠部522を挟み込んでいる状態の前後方向からの平面視において、接続部54が開口部534の上方に位置し、固定部55が開口部534の左方に位置していてもよい。
【0101】
また、フレーム部53及び貯蔵部51がフィルタ部52の枠部522を挟み込んでいる状態の前後方向からの平面視において、解除操作部56が開口部534の下方に設けられていることは必須ではない。ただし、解除操作部56は、固定部55の近傍に設けられていることが好ましい。例えば、フレーム部53及び貯蔵部51がフィルタ部52の枠部522を挟み込んでいる状態の前後方向からの平面視において固定部55が開口部534の右方に設けられている場合、解除操作部56も開口部534の右方に設けられていることが好ましい。
【0102】
また、集塵容器5は固定部55を複数備えていてもよい。固定部55が複数あることで、フィルタ部52をより強固に保持することができる。
【0103】
フィルタ保持部は、貯蔵部51及び解除操作部56の少なくとも一方を構成に含んでいてもよい。
【0104】
電動工具2は、例えばドリルドライバやインパクトドライバなどのハンマードリル以外の電動工具であってもよい。
【0105】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る電動工具システム(1)は、電動工具(2)と、集塵装置(4)と、を備えている。集塵装置(4)は、電動工具(2)に取り付け可能に構成され、粉塵を収集する。電動工具(2)は、第1コネクタ(3)を有する。第1コネクタ(3)は、集塵装置(4)に電力を供給する。集塵装置(4)は、第2コネクタ(44)を有する。第2コネクタ(44)は、電動工具(2)の第1コネクタ(3)と電気的に接続される。第1コネクタ(3)及び第2コネクタ(44)の一方は、凸端子(441)を有する。凸端子(441)は、第1コネクタ(3)及び第2コネクタ(44)の他方への差込方向である第1方向に突出している。第1コネクタ(3)及び第2コネクタ(44)の他方は、ばね端子(331)及び移動規制部(321)を有する。ばね端子(331)及び移動規制部(321)は、第1方向と直交する第2方向に沿って凸端子(441)を保持可能に構成されている。ばね端子(331)は、導電性を有し、凸端子(441)と電気的に接続される。移動規制部(321)は、凸端子(441)の第2方向に沿った移動を規制する。
【0106】
この態様によれば、例えば電動工具(2)が駆動して振動する際に、振動による凸端子(441)の第2方向に沿った移動を移動規制部(321)が規制することでばね端子(331)の振動を低減させる。これにより、ばね端子(331)の長寿命化を図ることができる。
【0107】
第2の態様に係る電動工具システム(1)では、第1の態様において、移動規制部(321)及びばね端子(331)は、第2方向に沿って、凸端子(441)を挟み込むように構成されている。
【0108】
この態様によれば、移動規制部(321)とばね端子(331)とで凸端子(441)を挟むことで、凸端子(441)の保持力を向上させることができる。
【0109】
第3の態様に係る電動工具システム(1)では、第2の態様において、凸端子(441)の形状は、第2方向に沿った厚みを有する平板状である。
【0110】
この態様によれば、凸端子(441)の厚み方向において移動規制部(321)とばね端子(331)とで凸端子(441)を挟むことで、凸端子(441)の保持力をより向上させることができる。
【0111】
第4の態様に係る電動工具システム(1)では、第1から第3のいずれかの態様において、移動規制部(321)は、テーパ部(325)を有する。テーパ部(325)は、第1方向に沿った方向における移動規制部(321)の先端に形成されている。テーパ部(325)は、上記先端に近づくほど、テーパ部(325)における第2方向に沿った幅が小さくなる向きに傾斜している。
【0112】
この態様によれば、移動規制部(321)がテーパ部(325)を有することにより、凸端子(441)を例えば移動規制部(321)とばね端子(331)との間に挿入しやすくすることができる。
【0113】
第1の態様以外の構成については、電動工具システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0114】
第5の態様に係る電動工具(2)は、第1から第4のいずれかの態様の電動工具システム(1)に用いられる。電動工具(2)は、第1コネクタ(3)を有する。第1コネクタ(3)は、ばね端子(331)及び移動規制部(321)を有する。
【0115】
この態様によれば、例えば電動工具(2)が駆動して振動する際に、振動による凸端子(441)の第2方向に沿った移動を移動規制部(321)が規制することでばね端子(331)の振動を低減させる。これにより、ばね端子(331)の長寿命化を図ることができる。
【0116】
第6の態様に係る集塵装置(4)は、第1から第4のいずれかの態様の電動工具システム(1)に用いられる。集塵装置(4)は、第2コネクタ(44)を有する。第2コネクタ(44)は、ばね端子(331)及び移動規制部(321)を有する。
【0117】
この態様によれば、例えば電動工具(2)が駆動して振動する際に、振動による凸端子(441)の第2方向に沿った移動を移動規制部(321)が規制することでばね端子(331)の振動を低減させる。これにより、ばね端子(331)の長寿命化を図ることができる。
【符号の説明】
【0118】
1 電動工具システム
2 電動工具
3 第1コネクタ
321 移動規制部
325 テーパ部
331 ばね端子
4 集塵装置
44 第2コネクタ
441 凸端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8