(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】単段階の高効率な水洗固液分離を実現するプロセスシステム
(51)【国際特許分類】
C02F 11/122 20190101AFI20241218BHJP
【FI】
C02F11/122 ZAB
(21)【出願番号】P 2021202342
(22)【出願日】2021-12-14
【審査請求日】2023-07-28
(31)【優先権主張番号】202011517376.1
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521471268
【氏名又は名称】宝武集団環境資源科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】盧四平
(72)【発明者】
【氏名】鐘偉
(72)【発明者】
【氏名】許▲れい▼鳴
(72)【発明者】
【氏名】王翔
(72)【発明者】
【氏名】徐莉
(72)【発明者】
【氏名】季玉玄
(72)【発明者】
【氏名】趙倩倩
(72)【発明者】
【氏名】朱誠
(72)【発明者】
【氏名】金芳
(72)【発明者】
【氏名】李文
(72)【発明者】
【氏名】陳在根
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-011234(JP,A)
【文献】特開2018-153766(JP,A)
【文献】特開2010-137141(JP,A)
【文献】特開2017-008384(JP,A)
【文献】特開平07-116700(JP,A)
【文献】特開平02-258003(JP,A)
【文献】特開2017-123088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 11/00-11/20
B09B 1/00- 5/00
B09C 1/00- 1/10
B01D 21/01
C02F 1/52- 1/56
B01D 24/00-37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気制御ボックスと、オンライン監視装置と、加圧ろ過機と、加圧ろ過機補助装置と、ろ液及び固相の排出装置と、薬剤装置とを備え、前記電気制御ボックスは、それぞれ前記オンライン監視装置と、前記加圧ろ過機と、前記加圧ろ過機補助装置と、前記薬剤装置とに接続され、前記加圧ろ過機の入口端は前記加圧ろ過機補助装置に接続され、前記加圧ろ過機の出口端は前記ろ液及び固相の排出装置に接続され、
前記加圧ろ過機補助装置がいくつかの錐状タンクと混合反応器とを含み、前記錐状タンクを前記加圧ろ過機に接続し、前記混合反応器を前記薬剤装置に接続し、
前記オンライン監視装置がpHオンライン検出器とTDSメーターと導電率計と液面計とを含み、前記導電率計と前記液面計とを前記錐状タンクに設け、前記pHオンライン検出器と前記TDSメーターとを前記ろ液収集タンクの入口に設け、
前記薬剤装置が粉末薬剤タンクと液体薬剤タンクと二酸化炭素薬剤タンクとを含み、前記粉末薬剤タンクと前記液体薬剤タンクと前記二酸化炭素薬剤タンクがそれぞれ計量ポンプを介して前記混合反応器に接続され、
前記液体薬剤タンクが酸薬剤タンクとアルカリ薬剤タンクと凝集剤薬剤タンクとを含み、
前記電気制御ボックスにPLCコントローラを設け、前記PLCコントローラがそれぞれ前記オンライン監視装置と前記加圧ろ過機と前記加圧ろ過機補助装置と前記薬剤装置とに接続され、
前記薬剤装置が、粉末、液体及び気体
の薬剤形態により、
薬剤の比率に応じ
た添加方法で
前記薬剤を前記混合反応器に入れ、
前記加圧ろ過機によって分離された第1ろ液中のpH及びTDSを検出することにより、検出データを前記電気制御ボックスにフィードバックし、前記電気制御ボックスが、第1ろ液からフィードバックされたデータを、PLCコントローラによってプリセットされたPLCプログラムデータと比較すると、検出されたpHが設定値よりも高い場合に、前記薬剤装置が、計量ポンプを介して酸薬剤タンク中の配合済の酸を前記加圧ろ過機補助装置によって指定された混合反応器に注入し、TDSが設定値よりも高い場合に、前記薬剤装置が、計量ポンプを介して脱塩水を前記加圧ろ過機補助装置によって指定された混合反応器に注入し、混合反応を継続した後、前記オンライン監視装置が前記加圧ろ過機から得られた第2ろ液のモニタリング指標をモニタリングし続ける場合に、モニタリング指標が前記電気制御ボックスによって設定されたプログラム要件を満たした後、設定されたプログラムに従って生産を行い、前記加圧ろ過機から得られた第2ろ液及び固相残留物が、対応する排出装置を通って、ろ液及び固相の排出装置に対応するろ液収集タンクと残留物収集ビンに入る、
ことを特徴とする単段階の高効率な水洗固液分離を実現するプロセスシステム。
【請求項2】
前記加圧ろ過機が加圧板フィルターまたは隔膜加圧ろ過機または横レバー式加圧ろ過機又は吊桁式加圧ろ過機であることを特徴とする請求項1に記載のプロセスシステム。
【請求項3】
前記ろ液及び固相の排出装置は、ろ液収集タンクと残留物収集ビンとを含み、前記ろ液収集タンクと前記残留物収集ビンとはそれぞれ前記加圧ろ過機の出口端に接続されることを特徴とする請求項1に記載のプロセスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害固形廃棄物の再資源化処分のための生産ライン用の装置、より具体的に単段階の高効率な水洗固液分離を実現するプロセスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
国内経済の継続的な快速発展と国民の生活水準の急速な改善に伴い、都市固形廃棄物の年間産出量も大幅に増加している。目下の段階では、ごみ焼却による発電が都市ごみ処理の重要な手段の1つとなる。都市ごみを高温で焼却することにより、有効的に殺菌、減量、縮小することができることに加えて、暖房または発電に大量の熱エネルギーを提供してエネルギーの回収を最大化することができる。しかし、廃棄物の焼却中に生じた焼却フライアッシュに含まれた重金属や可溶性塩などの有機汚染物質は、有害廃棄物に属して適切に処理されなれば、環境に二次汚染を引き起こすことがある。
【0003】
従来技術では、焼却フライアッシュを固形にし安定にした後に埋め立て、物理化学的方法によって有害物質を不活性固化ベース材料に固定し又は包み込んだ後で、埋め立てのために埋め立て地に送る。しかし、この方法は、埋め立て地を建設するために多くの土地資源を費やす必要があり、且つ二次的な環境危害が生ずるリスクがある。
【0004】
そのため、業界ではセメント入れ協調加工など、他の安定した高効率的なフライアッシュ処理技術をさらに開発している。焼却フライアッシュを水で洗浄することにより、焼却フライアッシュに含まれた大量の塩化物イオン及び重金属元素を除去した後で、予備処理されたフライアッシュを原料としてセメント製造工程に投入してそれの資源利用がかなう。
【0005】
この方法の枢要なことは、焼却フライアッシュに含まれた大量の塩化物イオンを除去することであり、焼却フライアッシュに含まれた塩化物イオンの大部分は除去されなければ、セメントの品質に影響を及ぼすことがある。先行技術にも、焼却フライアッシュに対する水洗浄プロセス関連研究がある。
【0006】
例えば、出願番号201710905024.5は、ごみ及びフライアッシュに対する高効率的な節水の水洗浄及び脱塩素方法及びシステムを開示した。このシステムは、供給箱、第1攪拌ポット、第1加圧板フィルター、第2攪拌ポット、第2加圧板フィルター、第3攪拌ポット、第3加圧板フィルター及び乾燥装置を備え、前記供給箱と前記第1攪拌ポットの供給口とに第1フライアッシュ残留物排出管を取り付けることに加えて、前記第1攪拌ポットの排出口と前記第1加圧板フィルターの供給口との間に第1固液混合管を取り付け、前記第1加圧板フィルターの排出口と前記第2攪拌ポットの供給口との間に第2フライアッシュ残留物排出管を取り付ける。
【0007】
また例えば、出願番号201811427894.7は、フライアッシュに対する多段階脱塩素及び洗浄液に対する脱灰軟化のシステム及びそのプロセスを開示した。このシステムは、フライアッシュ貯蔵ビン、フライアッシュ洗浄ユニット、泥水分離ユニット及び軟水化ユニットを備え、前記フライアッシュ洗浄ユニットには第1級洗浄タンクと第2級洗浄タンクを順番に配置することにより、前記フライアッシュ貯蔵ビン内のフライアッシュ原料に対して二段階向流洗浄を行い、第2級洗浄タンクでの洗浄後に分離された液相が第1級洗浄タンク内に水を供給する。前記泥水分離ユニットは、前記第1級洗浄タンクに接続された重力沈降分離ユニットと、前記第2級洗浄タンクに接続された第1機械的分離ユニットとを含む。前記軟水化ユニットは、脱灰反応器と第1凝集分離装置と第2凝集分離装置とを含む。
【0008】
また例えば、出願番号202010042428.8は、循環段階式フライアッシュ洗浄システム及び方法を開示した。このシステムは、浄水タンクと予混合タンクを備え、前記予混合タンクをすべて第1パルプ化タンクに接続し、前記浄水タンクをすべて第2パルプ化タンクに接続し、第1パルプ化タンクの排液端を第1加圧ろ過機に接続し、前記第1加圧ろ過機は、複数の濾液出口及び残留物排出口を含み、複数の濾液出口は、それぞれ、対応する液体貯蔵装置に接続され、前記液体貯蔵装置の出口を水処理システムに接続し、前記残留物排出口は、第2パルプ化タンクに接続され、前記第2パルプ化タンクを第2加圧ろ過機に接続し、第2加圧ろ過機の残留物排出口は乾燥システムに接続される。設備とシステムとの有効的な連携により、繰り返し洗浄工程を経ってフライアッシュ中の塩分を徹底的に洗浄し、1回洗浄後の濃度の異なっている濾液を別々に保管し、循環洗浄し、再回収利用できる一定濃度の塩溶液を得るために最後に分離及び抽出を行う。上記考案は、二段階または多段階の水洗浄プロセスを用いて焼却フライアッシュ中の塩化物イオンを有効的に除去することができるが、煩わしい洗浄プロセスと低い洗浄効率を有することに加えて、洗浄工程で使用された設備や水処理槽が数多く、その敷地面積が大きく、投資コストや運用コストが高くなる。
【0009】
環境保護要件の向上に伴い、現在廃棄物焼却フライアッシュ又は粉塵に対する再資源化利用は、有害固形廃棄物を専用処理装置で処理する必要である。通常、市販している一般的な工業設備は処理のために用いられたが、3段階水洗や複雑な処理装置及びプロセスや頻繁な設備故障点や高い維持費など、多くの技術的な問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】中国出願番号201710905024.5
【文献】中国出願番号201811427894.7
【文献】中国出願番号202010042428.8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、単段階の高効率な水洗固液分離を実現するプロセスシステムを提供して、従来技術で一般的な工業化設備を使って廃棄物焼却フライアッシュ又は粉塵を再資源化利用する時、多くのプロセスや3段階水洗や複雑な処理装置及びプロセスや頻繁な設備故障点や高い維持費などの技術問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の技術的目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決策を用いる。
単段階の高効率な水洗固液分離を実現するプロセスシステムは、電気制御ボックスと、オンライン監視装置と、加圧ろ過機と、加圧ろ過機補助装置と、濾液及び固相の排出装置と、薬剤装置とを備え、前記電気制御ボックススは、それぞれ前記オンライン監視装置と、前記加圧ろ過機と、前記加圧ろ過機補助装置と、前記薬剤装置とに接続され、前記加圧ろ過機の入口端は前記加圧ろ過機補助装置に接続され、前記加圧ろ過機の出口端は、前記濾液及び固相の排出装置に、接続される。
【0013】
また本発明には、前記加圧ろ過機が加圧板フィルターまたは隔膜加圧ろ過機または横レバー式加圧ろ過機又は吊桁式加圧ろ過機である。
【0014】
また本発明には、前記加圧ろ過機補助装置はいくつかの錐状タンクと混合反応器と含み、前記錐状タンクを前記加圧ろ過機に接続し、前記混合反応器を前記薬剤装置に接続する。
【0015】
また本発明には、前記濾液及び固相の排出装置は、濾液収集タンクと残留物収集ビンとを、含み、前記濾液収集タンクと前記残留物収集ビンとは、それぞれ前記加圧ろ過機の出口端に、接続される。
【0016】
また本発明には、前記オンライン監視装置はPHオンライン検出器とTDSメーターと導電率計と液面計とを含み、前記導電率計と前記液面計とを前記錐状タンクに設け、前記PHオンライン検出器と前記TDSメーターとを、前記濾液収集タンクの入口に、設ける。
【0017】
また本発明には、前記薬剤装置は粉末薬剤タンクと液体薬剤タンクと二酸化炭素薬剤タンクとを含み、前記粉末薬剤タンクと前記液体薬剤タンクと前記二酸化炭素薬剤タンクとはそれぞれ計量ポンプを介して前記混合反応器に接続される。
【0018】
また本発明には、前記液体薬剤タンクは酸薬剤タンクとアルカリ薬剤タンクと凝集剤薬剤タンクとを含む。
【0019】
また本発明には、前記電気制御ボックスにPLCコントローラを設け、前記PLCコントローラはそれぞれ前記オンライン監視装置と前記加圧ろ過機と前記加圧ろ過機補助装置と前記薬剤装置とに接続される。
【発明の効果】
【0020】
上記の技術的解決策を用いることにより、本発明は以下の利点を有する。
本発明により、単段階の高効率な水洗固液分離を実現するプロセスシステムは、原材料の様々なロットに応じて、溶液濃度を自動的に調整設定し、電気制御ボックスはオンライン監視装置を介して原料及び濾液のデータを収集して、設定されたプログラムを介してプロセスパラメータを調整し、加圧ろ過機は高圧押出しにより耐用年数の確保を前提として、材料の水分含有量をより適切に減らすことができる。加圧ろ過機補助装置は、さまざまな製造段階での濾液を分類収集し、並びモニタリングするために専門化してデータを電気制御ボックスにフィードバックする。薬剤装置は、電気制御ボックスを介して薬剤を混合反応器に入れる。濾液及び固相の排出装置は、加圧ろ過機の残留物を粉砕し、加圧ろ過機の濾液を収集する。当該固液分離を実現するプロセスシステムは、オンラインで生産を自動的に制御し、原材料の様々なロットに応じて、溶液濃度を自動的に調整設定することができ、水洗前処理プロセスで取り除け尽くす必要である特定の塩に対して一度に完了することができ、簡単なプロセスや少ない故障や低い維持費という利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下の図面を参照して非限定的な実施形態に対する詳細な説明を読み取ることにより、本発明の他の特徴と目的と利点とはより明らかになる。
【
図1】
図1は、本発明による単段階の高効率な水洗固液分離の一体型装置の構造図である。
【
図2】
図2は、本発明の加圧ろ過機補助装置と加圧ろ過機との間の接続関係図である。
【
図3】
図3は、本発明のオンライン監視装置の構造概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の薬剤装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の詳細な技術的解決策及び利点は、以下の特定の実施形態により詳細に説明される。当業者は誰でも、本発明の技術的内容を理解してそれを実施できることに加えて、本明細書に開示された明細書と請求項と図面によれば、本発明の関連する目的及び利点を容易に理解することができる。
【実施例】
【0023】
図1には、本発明による単段階の高効率な水洗固液分離の一体型装置の構造図が表れる。固液分離を実現するプロセスシステムは、具体的に
図1に示すように、電気制御ボックス1と、オンライン監視装置3と、加圧ろ過機4と、加圧ろ過機補助装置2と、濾液及び固相の排出装置5と、薬剤装置6とを備え、ここでは、前記電気制御ボックスス1は、それぞれオンライン監視装置3と、加圧ろ過機4と、加圧ろ過機補助装置2と、薬剤装置6とに接続され、前記加圧ろ過機4の入口端は前記加圧ろ過機補助装置2に接続され、前記加圧ろ過機4の出口端は前記濾液及び固相の排出装置5に接続されることを特徴とするプロセスシステムである。
【0024】
単段階の高効率な水洗固液分離の一体型装置を実現する原理は以下の通りである。加圧ろ過機補助装置2は、オンライン監視装置3からフィードバックされたデータを電気制御ボックス1に送ることにより制御され、加圧ろ過機補助装置2が電気制御ボックス1にプログラムを設定し終わるまで作動すると、電気制御ボックス1は加圧ろ過機4の作動を制御して、加圧ろ過機4が電気制御ボックス1にプログラムを設定し終わるまで作動すると、オンライン監視装置3は濾液及び固相の排出装置5に対してデータ採取を実行し、採取されたデータを電気制御ボックス1にフィードバックし、電気制御ボックス1は、採取されたデータを電気制御ボックスに設定されたパラメータと比較して、電気制御ボックスの設定要件を満たすまで加圧ろ過機4及び製薬機器6の動作パラメータを調整する。
【0025】
一実施形態で、プロセス装置全体の制御に使われた電気制御ボックス1は、要求に応じて従来の純粋な回路制御方法の利用を決めることができることに加えて、オンライン監視装置3と、加圧ろ過機4と、加圧ろ過機補助装置2と、薬剤装置6とに信号データを介してそれぞれ接続されたPLCコントローラも設けることができる。本発明は、PLCコントローラによって事前に作成されたPLCプログラムに基づいて電気制御ボックス1と加圧ろ過機補助装置2 との間の作業を実行し、様々な処理材料または組成変動が発生した場合、フィードバックデータが生産指導の要件を満たすまでオンライン監視装置3を継続的に調整する必要がある。
【0026】
一実施形態で、加圧ろ過機4は、加圧板フィルターまたは隔膜加圧ろ過機または横レバー式加圧ろ過機又は吊桁式加圧ろ過機に加えて他の型式になる加圧ろ過機を用いるかもしれない。電気制御ボックス1は、後置にある濾液及び固相の排出装置を要件満たしに制御して、固相等の含水率等の続く生産必要を満たすまで加圧ろ過機4の作動を制御する。
【0027】
一実施形態で、オンライン監視装置3はPHオンライン検出器とTDSメーターと導電率計10と液面計9とを含む。
【0028】
一実施形態で、濾液及び固相の排出装置5は濾液収集タンクと残留物収集ビンとを含み、濾液収集タンクと前記残留物収集ビンとはそれぞれ加圧ろ過機4の出口端に接続される。濾液収集タンクは、加圧ろ過機4の固液分離後に濾液を収集するために用いられる。残留物収集ビンは、加圧ろ過機4の固液分離後に固相残留物を収集するために用いられる。
【0029】
一実施形態で、
図2には加圧ろ過機補助装置と加圧ろ過機との間の接続関係図が現れ、
図3にはオンライン監視装置の構造概略図が現れ、
図4には、薬剤装置の構造概略図が表れる。
【0030】
加圧ろ過機補助装置は、錐状タンク7と混合反応器8と含み、混合反応器8を薬剤装置6に接続し、
図2に示すように、錐状タンク7の数は3つであり、3つの錐状タンク7を加圧ろ過機4に接続している。特定の作業中、導電率計10と液面計9とはそれぞれ3つの錐状タンク7に取り付けられる。
図2中において加圧ろ過機4に向く矢印方向の線は、ポンプを介して材料を錐状タンク7から加圧ろ過機4に輸送することを示し、錐状タンク7に向く矢印方向の線は、材料が加圧ろ過機4から錐状タンク7に流れ込むことを指す。錐状タンク7の液面は、錐状タンク7に取り付けられた液面計9を操作してバルブの開き角度を制御することにより調節される。加圧ろ過機4内の液体は、オンライン導電率計10を介して分類され、様々な錐状タンク7に流入するように制御される。例えば、加圧ろ過機から流出している濾液の濃度に応じて、混合反応時の塩化物濃度を調整することができる。濾液の導電率が高い場合は、前端における混合反応に対して、必要に応じて原料供給量を減らしたり、給水量を増やしたりすることができる。
【0031】
薬剤装置6は、
図4に示すように粉末薬剤タンク14と液体薬剤タンクと二酸化炭素薬剤タンク15とを含み、粉末薬剤タンクと前記液体薬剤タンクと前記二酸化炭素薬剤タンクとは、それぞれ計量ポンプ16を介して混合反応器8に接続される。薬剤装置6は、主に、様々な薬剤形態(粉末、液体、気体)により、特定の比率に応じて薬剤を様々な添加方法で混合反応器8に入れる。液体薬剤タンクは酸薬剤タンク11(塩酸、硫酸などを含む)とアルカリ薬剤タンク(水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどを含む) 12と凝集剤薬剤タンク13(陰イオン凝集剤、陽イオン凝集剤、中性凝集剤)とを含む。
【0032】
装置全体の動作プロセスは次のとおりである。廃棄物焼却の場合、塩化カリウムや塩化ナトリウムや塩化鉄を含むフライアッシュや粉塵を除去する必要がある。まず、廃棄物焼却フライアッシュ又は粉塵を加圧ろ過機補助装置2でパルプ化・混合反応させた後、加圧ろ過機4に入れて固液分離を行う。PHオンライン検出器及びTDSメーターは、濾液及び固相の排出装置5の濾液収集タンクの入口に設置され、加圧ろ過機4によって分離された第1濾液中のPH及びTDSを検出することにより、検出データを電気制御ボックス1にフィードバックする。電気制御ボックス1は、第1濾液からフィードバックされたデータを、PLCコントローラによってプリセットされたPLCプログラムデータと比較すると、検出されたpHが設定値よりも高い場合、薬剤装置6は、計量ポンプを介して酸薬剤タンク11中の配合済の酸を加圧ろ過機補助装置2によって指定された混合反応器に注入し、TDSが設定値よりも高い場合、薬剤装置6は、計量ポンプを介して脱塩水を加圧ろ過機補助装置2によって指定された混合反応器8に注入する。混合反応を継続した後、
図3及び
図4に示すように、オンライン監視装置が加圧ろ過機から得られた第2濾液のモニタリング指標をモニタリングし続ける場合、モニタリング指標が電気制御ボックス1によって設定されたプログラム要件を満たした後、設定されたプログラムに従って生産を行う。加圧ろ過機から得られた第2濾液及び固相残留物は、対応する排出装置を通って、濾液及び固相の排出装置5に対応する濾液収集タンクと残留物収集ビンに入る。
【0033】
本発明のプロセス装置において、加圧ろ過機は加圧板フィルターと隔膜加圧ろ過機と横レバー式加圧ろ過機と吊桁式加圧ろ過機とを含むが、もちろん、他の形態の加圧ろ過機も使用できることを指摘すべきである。
【0034】
本発明は、目下の具体的な実施形態を参照して説明されてきたが、当業者は、上記の実施形態が本発明を説明するためにのみ使用されて本発明を限定するものではないため、本発明の構想から逸脱することなく、様々な同等の変更又は置換を行うことができることを認識すべきである。したがって、上記の実施形態の変化及び変型は、本発明の趣旨にある限り、全て本発明の請求範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1:電気制御ボックス
2:加圧ろ過機補助装置
3:オンライン監視装置
4:加圧ろ過機
5:濾液及び固相の排出装置
6:薬剤装置
6:製薬機器
7:錐状タンク
8:混合反応器
9:液面計
10:導電率計
11:酸薬剤タンク
12:アルカリ薬剤タンク
13:凝集剤薬剤タンク
14:粉末薬剤タンク
15:液体薬剤タンクと二酸化炭素薬剤タンク
16:計量ポンプ