(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】ルアーホルダ、及び、ルアーホルダを備えたジャケット
(51)【国際特許分類】
A01K 97/06 20060101AFI20241218BHJP
A01K 97/00 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
A01K97/06 501
A01K97/00 Z
(21)【出願番号】P 2021203828
(22)【出願日】2021-12-16
【審査請求日】2024-01-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和3年8月2日,https://www.daiwa.com/jp/fishing/item/wear/jacket_wr/dj-9321/index.html (2)令和3年8月25日,http://www.daiwa.globeride.jp/catalog/choshu/2021/a-w_wear/html5.html?_ga=2.116538437.2119929618.1638145617-2076004884.1607394304#page=17 (3)令和3年10月2日,https://search.rakuten.co.jp/search/mall/dj-9321/ (4)令和3年10月2日,https://paypaymall.yahoo.co.jp/store/casting/item/4550133194696/?sc_i=shp_pc_search_itemlist_shsrg_title
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (5)令和3年10月6日,https://www.amazon.co.jp/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%AF-%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88-DJ-9321-%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%AF/dp/B09HTB65N5/ref=sr_1_17?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88&qid=1638245224&sr=8-17&th=1 (6)令和3年10月6日,https://tsuribitokan.com/?pid=163375448 (7)令和3年10月6日,https://www.ps-katsuki.co.jp/item_page/723
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 遥水
【審査官】伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-204308(JP,A)
【文献】登録実用新案第3052045(JP,U)
【文献】登録実用新案第3146029(JP,U)
【文献】特開2019-170320(JP,A)
【文献】特開2001-333680(JP,A)
【文献】特開2007-037471(JP,A)
【文献】特開2015-070830(JP,A)
【文献】登録実用新案第3158680(JP,U)
【文献】米国特許第06301826(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 97/00 - A01K 97/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルアーのフックを引っ掛けてルアーを保持するルアーホルダであって、
前記フックが引っ掛からない素材で形成された基材と、
前記基材に保持され、前記ルアーのフックを掛けた状態で保持する係止部が形成された保持部材と、
を備え、
前記基材は、複数のフックを備えたルアーを前記係止部に掛けた状態で、係止部に掛けていないフックが当て付く大きさに形成され
ており、
前記保持部材は、リング状に形成されており、
前記係止部は、断面凹状に形成されていることを特徴とするルアーホルダ。
【請求項2】
前記基材は、樹脂マットで形成されており、
前記リング状に形成された保持部材を、複数個所で前記樹脂マットに止着したことを特徴とする請求項1に記載のルアーホルダ。
【請求項3】
前記基材は、シート状の部材を重ねて周囲を止着することで形成されるポケットを有することを特徴とする請求項1または2に記載のルアーホルダ。
【請求項4】
前記基材には、磁石が装着されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のルアーホルダ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のルアーホルダの基材を、胸部領域に取着したことを特徴とするルアーホルダを備えたジャケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルアー釣りに用いられるルアーホルダ、及び、ルアーホルダを備えたジャケットに関する。
【背景技術】
【0002】
ルアーを使用する釣りでは、実釣中にルアー交換することが頻繁に行われる。交換するルアーや、交換した後のルアーについての取り扱いについては、例えば、タックルボックス、バック、ポーチに収納する、或いは、地面に置く等、釣人によって様々である。
ところが、ルアーをタックルボックス、バック、ポーチに収納する場合、収納しているルアーのフック同士が絡まってしまい、片手で作業することができない。また、地面にルアーを置くと汚れたり、見失うことがある。また、ルアーを衣服に収納しようとすると、フックによって生地を傷付けたり、フックが生地に深く刺さって、生地を傷めることがある。
【0003】
このような問題を解消するように、特許文献1には、磁石が配設された挟持部を有する一対の小物保持部を連結体で連結し、これを袖口等に挟着して、ルアーの釣針を挟持部の磁石で吸着保持させるホルダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1に開示されているホルダは、小さい針や1個所にフックが設けられたスプーン等を取り扱う際には、特に問題は生じないが、フックが2個所以上設けられているルアーでは問題が生じる。すなわち、フックが2個所以上のルアーは本体が大きく、1つのフックを磁石に吸着しても、磁石に吸着していない別のフックが衣服に引っ掛かってしまう。特に、フックに返しがあると外れ難く衣服を傷付けることもある。また、本体が大きいルアーは、重いことから、磁石のみの固定では、衝撃等で落下して紛失することもある。
【0006】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、ルアーの取り扱いが容易で、紛失等が防止できるルアーホルダ、及び、そのようなルアーホルダを備えたジャケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係るルアーホルダは、ルアーのフックが引っ掛からない素材で形成された基材と、前記基材に保持され、前記ルアーのフックを掛けた状態で保持する係止部が形成された保持部材と、を備え、前記基材は、複数のフックを備えたルアーを前記係止部に掛けた状態で、係止部に掛けていないフックが当て付く大きさに形成されていることを特徴とする。
【0008】
上記した構成では、複数のフックを備えたルアーのいずれかのフックを保持部材の係止部に引っ掛けて保持しても、それ以外のフックは、基材に当て付いて保持された状態となる。このため、ルアーホルダの基材が衣服に取着された構成では、ルアーの大きさに関係なく、フックが生地に引っ掛かることはない。また、単にフックを係止部に掛けるだけで良いため、前記基材が胸部に取着されたジャケットでは、ルアーを引っ掛けた状態で両手を使用することができ、ルアーの取り扱い性の向上が図れる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るルアーホルダ、及び、ルアーホルダを備えたジャケットによれば、ルアーの取り扱いが容易になり、紛失等を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係るルアーホルダを備えたジャケットの一例を示す図。
【
図3】ルアーホルダに複数のフックを有するルアーを引っ掛けた状態を示す図。
【
図5】ルアーホルダの保持部材の変形例を示す図であり、(a)は表側から見た図、(b)は裏側から見た図。
【
図6】ルアーホルダの保持部材の別の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明に係るルアーホルダを備えたジャケットの一例を示す図である。
ジャケット1については、そのデザイン、素材、大きさ等については限定されることはないが、図に示すように、ジャケット本体(前身頃)1Aの胸部領域に、以下に詳述するルアーホルダ10が取着されている。ルアーホルダ10の取着方法については、ジャケット1の素材にもよるが、基材11をジャケット本体1Aに対し、縫着、熱溶着、接着等によって取着することが可能である。
【0012】
上記したようにジャケット1に取着されるルアーホルダ10の構成について、
図2から
図4を参照して説明する。
ルアーホルダ10は、様々な形態のルアーを引っ掛けて保持できるように構成されている。ルアーには、様々な形態のものが存在しており、
図3に示すように、例えば、シーバス釣りに用いられるルアー30は、小魚の形状を模した本体31の後端にリアフック(トリプルフック)32が設けられるとともに、腹部の下面に1つ又は2つのフック(図では1つのフック(トリプルフック)33)が設けられた構成となっている。この場合、本体31の大きさや重さも様々であり、大きいものは、例えば、全長が100~160mm程度で、重さも20~50g程度のものが存在している。
本発明のルアーホルダは、上記したような大型のルアーであっても、取り扱いが容易になるように構成されている。
【0013】
本実施形態のルアーホルダ10は、ルアー30のリアフック32を保持部材20に引っ掛けて本体31をぶら下げて保持するよう構成されている。ルアーホルダ10は、いずれかのフック(図では、リアフック32とされる)を引っ掛けた際、それ以外のフック33が引っ掛からない素材で形成された基材11を備えている。本実施形態の基材11は、薄い板状(シート状)に形成されており、例えば、樹脂マットを矩形状に裁断することで構成され、軽量化されている。
なお、基材11を構成する材料については、ルアーのフック32,33が引っ掛からない素材であれば良く、例えば、ラバー、樹脂、マグネット(シート)等で形成されていても良い。
【0014】
前記基材11には、上記したように、リアフック32を掛けた状態で保持する保持部材20が保持されており、保持部材20には、リアフック32が掛けられる係止部21が形成されている。本実施形態の保持部材20は、リング状(フレーム状)に形成されており、リアフック32を掛け易いように構成されている。すなわち、係止部21は、本体であるリング部20Aで構成されており、そのままリアフック32を引っ掛けることが可能となっている。
【0015】
また、本実施形態の係止部21は、
図3及び
図4に示すように、断面視で凹状に形成されており、リアフック32を、その窪んだ部分となる凹部21Aに上側から差し込むことができるようにしている。このように凹部21Aにリアフック32を差し込んで引っ掛けるようにすることで、係止操作が容易に行えるようになり、また、リアフック32の返し32aが露出しないことから、不用意に他物に引っ掛かることを防止することができる。
【0016】
上記した保持部材20については、例えば、樹脂、金属、木等によって構成することができ、その形状も特に限定されることはない。本実施形態では、上記したようにリング形状に形成されており、リング状に形成されたリング部20Aの中間部分の両サイドと、リング部20Aの上部の中央部分に連結される略逆T字形状の連結片20Bを備えている。この連結片20Bによって、リング部20Aの上方側には、両側に開口20Cが形成された状態となっており、この開口20Cを利用して保持部材20を複数個所で基材11に止着するようにしている。
【0017】
すなわち、両側の開口20Cに、それぞれテープ部材25を挿入し、これをリング部に巻回し、その基端側を基材11に接着、縫着等することで保持部材20を取着している。
このように、保持部材20を複数個所で基材11に取着することで、保持部材20が動くことが防止され、ぶら下げた状態のルアー30が動くことを防止できる。
【0018】
前記基材11は、
図3に示すように複数のフック32,33を備えたルアー30を係止部21に掛けた状態で、係止部に掛けていないフック33(本実施形態では、リアフック32を掛けるため、フック33が該当する)が当て付く大きさに形成されている。具体的には、基材の上下方向の大きさについては、実釣時に携行されるルアー30の大きさを考慮すると、係止部21の下端21Pから基材11の下端までの長さが3cm~30cmの大きさであれば良い。すなわち、ルアーをぶら下げた際に、リアフック32以外のフック(本実施形態では、フック33)を当接させることができるので、そのフック33でジャケット1の生地を傷めることはない。また、ルアーを地面に置く必要もなくなるので、ルアーが紛失したり、汚れることが防止される。
【0019】
また、上記した構成では、保持部材20を複数個所で基材11に取着し、かつ、凹部21Aにリアフック32を差し込んで引っ掛けるように取り付けるため、上半身が大きく動いてもルアー30は動き難くなるとともに、ルアーが落下することなく、安定してルアーの交換操作が行なえるようになる。特に、本実施形態のようなジャケット1によれば、ルアーホルダ10を胸部領域に取着したことで、両手を使うことが出来、交換作業等のルアーの取り扱い性の向上が図れる。
【0020】
図5(a)及び(b)は、上記した保持部材20の変形例を示す図である。
この変形例は、ルアーを引っ掛ける係止部を平坦状の面にした構成を示す図である。上記した実施形態では、係止部21を、ルアーのリアフックが差し込まれるように凹部21Aで構成したが、この変形例のように、人体側に向けて次第に下降する平坦状の傾斜面21Bで構成しても良い。このような傾斜面21Bによれば、リアフックを差し込んだり、或いは、前端縁21Cに掛けることが可能となる。すなわち、傾斜面21Bを柔らかい素材で形成することで、差し込んで固定することも可能であり、また、上記したように係止部21の背面側は基材が位置するので、前端縁21Cに掛けてもフックが刺さるようなことはない。
【0021】
なお、この変形例の保持部材20は、略U字状のフレーム20A´と、その上端側に配設されるブリッジ部20Dで構成すると共に、ブリッジ部20Dとフレーム20A´を略逆T字形状の連結片20Bで連結した構造となっている。すなわち、保持部材20の形状については、適宜、変形することが可能である。
【0022】
図6は、保持部材の別の変形例を示す図である。
この変形例では、
図5の変形例の傾斜面21Bの向きを露出側に変えた例を示している(傾斜面21B´)。このような構成でも、傾斜面21B´にリアフックを差し込んだり、或いは、後端縁21C´に掛けることが可能となる。
上記した
図5、
図6に示すような係止部であっても、上記した実施形態と同様な効果を得ることが可能である。
【0023】
図7は、ルアーホルダの別の実施形態を示す図である。
この実施形態のルアーホルダ10Aは、同一の大きさの基材11A,11Bを重ねて周囲を止着することで、内部に小物などを収納できるポケット13を備えた構造となっている。
【0024】
このような構成のルアーホルダ10Aを、
図1に示すようなジャケット1の胸部領域に取着することで、ルアーを保持する機能に加え、小物を収納できる胸ポケットとしても活用することが可能となる。
【0025】
また、本実施形態では、前記ポケット13の内部に磁石28が装着されている。
このような磁石28を基材に配設することで、ルアー30のフック33を磁力によって吸着させておくことが出来、ルアーの落下や紛失等を確実に防止することが可能となる。なお、磁石28は、
図2に示した構成の基材11に止着することも可能である。
【0026】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
上記した保持部材20については、ルアー30のフックが係止できれば、その形状や構成、素材については、限定されることはない。例えば、カラビナフックのような形状のものを基材に取り付けた構造であっても良く、基材11と保持部材20の取り付け方についても限定されることはない。例えば、基材11に保持部材20用の係止片を設けておき、実釣時に、その係止片に保持部材20を係止させて使用するものであっても良い。さらに、係止部21の形状についても、種々、変形することが可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 ジャケット
10,10A ルアーホルダ
20 保持部材
21 係止部
21A 凹部
30 ルアー
31 本体
32,33 フック