(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】レンズ部品および光源モジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 41/275 20180101AFI20241218BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20241218BHJP
F21S 41/16 20180101ALI20241218BHJP
F21S 41/27 20180101ALI20241218BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20241218BHJP
【FI】
F21S41/275
F21S41/143
F21S41/16
F21S41/27
F21V5/00 510
(21)【出願番号】P 2021551649
(86)(22)【出願日】2020-10-05
(86)【国際出願番号】 JP2020037763
(87)【国際公開番号】W WO2021070789
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】P 2019186786
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】達川 正士
(72)【発明者】
【氏名】中西 快之
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-228502(JP,A)
【文献】特開2009-087897(JP,A)
【文献】特開2012-256595(JP,A)
【文献】特表2017-522708(JP,A)
【文献】特開2007-172930(JP,A)
【文献】特開2009-043543(JP,A)
【文献】特開2015-215975(JP,A)
【文献】国際公開第2018/139081(WO,A1)
【文献】特開2016-009065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/275
F21S 41/143
F21S 41/16
F21S 41/27
F21V 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方へ光を出射する車両用灯具に用いられるレンズ部品であって、
前方に面した前面と、
後方から前記前面に向かって湾曲して延びる外側面と、
光源を通りかつ光を出射する方向に平行な軸線が通過する領域において、前記外側面から前方へ凹んだ位置に設けられ、後方へ向かって凸状の後凸面と、
前記外側面の後端部と前記後凸面との間をつなぐ内側面と、を有し、
前記後凸面と前記内側面とによって、後方に開口するキャビティが形成されており、
前記前面は、前記軸線が通過する領域に設けられ前方へ凸形状の中央凸部と、前記中央凸部の外縁から連続し前記軸線と直交する方向へ平坦に延びて前記中央凸部の外縁に環状に設けられている環状平坦部とを有し、
前記後凸面は、前記キャビティに配置される光源から出射され前記後凸面に入射した光を前記中央凸部に導く形状とされており、
前記中央凸部は、前記中央凸部に入射された光を平行光として前方へ出射させる形状とされており、
前記外側面は、前記光源から出射され前記内側面に入射した光を平行光として前記中央凸部以外の前記前面に導くように全反射する形状とされており、
前記前面の全ての領域が発光
し、
前記後凸面と前記内側面との境界に入射した光が、前記中央凸部と前記環状平坦部との境界から出射する、レンズ部品。
【請求項2】
前記中央凸部は、前記レンズ部品を前方から見たときに楕円状である、請求項1に記載のレンズ部品。
【請求項3】
前記前面には、複数条の溝からなる拡散部が設けられている、請求項1に記載のレンズ部品。
【請求項4】
前記中央凸部は、前記レンズ部品を前方から見たときに楕円状であり、
前記前面には、複数条の溝からなる拡散部が設けられており、
前記拡散部は、前記楕円状の前記中央凸部の長軸方向について、前記前面の端部に設けられている、請求項1に記載のレンズ部品。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のレンズ部品と、
前記レンズ部品の前記キャビティに配置された半導体光源と、を有する光源モジュール。
【請求項6】
前記レンズ部品はレンズホルダに取り付けられており、
前記レンズ部品を前方から見たときに、前記環状平坦部の外縁は、前記軸線を挟んで向かい合う一対の直線部と、前記直線部を結ぶ円弧部と、を有する角丸長方形であり、
前記レンズ部品を前方から見たときに前記直線部から前記軸線から離れる方向へ延びる取付部が設けられており、
前記レンズホルダは前記取付部に取り付けられている、請求項5に記載の光源モジュール。
【請求項7】
前記レンズ部品を前方から見たときに、前記環状平坦部の外縁は、前記軸線を挟んで向かい合う一対の直線部と、前記直線部を結ぶ円弧部と、を有する角丸長方形であり、
前記直線部に、前記直線部から外部へ漏れる光を検出する光センサが設けられており、
前記光センサは、前記半導体光源の蛍光体が外れたときに出射される光を検出する、請求項5に記載の光源モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具などに用いられるレンズ部品および光源モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のレンズ部品が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のレンズ部品では、レンズ部品の前面の全ての領域を発光させることができず、車両用灯具に適していない。
本発明は、車両用灯具に適したレンズ部品および光源モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面に係るレンズ部品は、
前方へ光を出射する車両用灯具に用いられるレンズ部品であって、
前方に面した前面と、
後方から前記前面に向かって湾曲して延びる外側面と、
光源を通りかつ光を出射する方向に平行な軸線が通過する領域において、前記外側面から前方へ凹んだ位置に設けられ、後方へ向かって凸状の後凸面と、
前記外側面の後端部と前記後凸面との間をつなぐ内側面と、を有し、
前記後凸面と前記内側面とによって、後方に開口するキャビティが形成されており、
前記前面は、前記軸線が通過する領域に設けられ前方へ凸形状の中央凸部と、前記中央凸部の外縁から連続し前記軸線と直交する方向へ平坦に延びて前記中央凸部の外縁に環状に設けられている環状平坦部とを有し、
前記後凸面は、前記キャビティに配置される光源から出射され前記後凸面に入射した光を前記中央凸部に導く形状とされており、
前記中央凸部は、前記中央凸部に入射された光を平行光として前方へ出射させる形状とされており、
前記外側面は、前記光源から出射され前記内側面に入射した光を平行光として前記中央凸部以外の前記前面に導くように全反射する形状とされており、
前記前面の全ての領域が発光する。
【0006】
本発明によれば、車両用灯具に適したレンズ部品および光源モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係るレンズ部品の断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る光源モジュールの断面図である。
【
図5】
図4に示した光源モジュールの斜視図である。
【
図6】変形例に係る光源モジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述される全ての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係るレンズ部品1と光源51の断面図である。
図2は、レンズ部品1の正面図である。レンズ部品1は、例えば、車両の前方へ光を出射する車両用前照灯などの車両用灯具に用いられる。
【0010】
図1及び
図2に示すように、レンズ部品1は、前面10と、外側面20と、後凸面30と、内側面40と、を備えている。レンズ部品1は、側面視において、前部から後部へ向かって径が小さくなる概略円錐台状の形状を有する。なお、以降の説明においては便宜上、レンズ部品1が光を出射する方向を前方と定義する。
図1において左方が前方となる。
【0011】
前面10は、レンズ部品1の前方に面した円形状を有する面である。前面10は、中央部に設けられる中央凸部12と、この中央凸部12の外側に設けられる環状平坦部14と、を有している。
【0012】
中央凸部12は、光源51を通りかつ光源51の光を出射する方向に平行な軸線Axが通過する前面10上の点を中心とした領域に設けられている。中央凸部12は、
図1に示すように、前方へ向かって凸状になるように形成されている。また、中央凸部12は、
図2に示すように、前方から見たときに楕円状になるように形成されている。なお、
図1は
図2のA-A線における断面図である。
【0013】
環状平坦部14は、中央凸部12の外縁から連続し軸線Axの方向に対して直交する方向へ平坦に延びるように設けられている。環状平坦部14は、中央凸部12の外縁に環状に設けられている。
【0014】
なお本実施形態においては
図2に示すように、前面10には複数の溝からなる拡散部15が形成されている。拡散部15は、光源51から出射される光を、中央凸部12の長軸方向に拡散して出射させる。拡散部15は、楕円状の中央凸部12における長軸方向(
図2における左右方向)について、前面10の両端部に形成されている。拡散部15の溝は、楕円状の中央凸部12における短軸方向(
図2における上下方向)に延びている。拡散部15は、例えば、環状平坦部14にローレット加工などの細かい凹凸加工を施すことによって形成される。
【0015】
なお、
図2に示す例では、拡散部15が、中央凸部12の長軸方向における中央凸部12よりも外側の端部に形成されているが、これに限られない。拡散部15は、例えば、中央凸部12の長軸方向における中央凸部12の両端部よりも内側に形成されていてもよい。この場合、環状平坦部の形状はC字状、あるいは一部が切り欠かれた環状となるが、このような形状であっても中央凸部12の外縁から連続し軸線Axに対して直交する方向へ平坦に延びる部位を環状平坦部14と呼ぶ。ここでいう環状とは、C字状や、一つ以上の円弧などの形状も含む意味である。
【0016】
図1に戻り、外側面20は、レンズ部品1の後方から前方に向かって湾曲して延びるように設けられている。外側面20は、軸線Axに関して回転対称な曲面で構成されている。外側面20の前方側は、前面10の外周縁につながるように設けられている。外側面20の後方側は、後述する内側面40につながるように設けられている。
【0017】
後凸面30は、外側面20の後端部から前方へ凹んだ位置に設けられている。後凸面30は、軸線Axが通過する点を中心とした領域に設けられている。後凸面30は、前面10の中央凸部12の後方に位置するように設けられている。後凸面30は、後方へ向かって凸状になるように形成されている。後凸面30は、後方から見たときに、前面10の中央凸部12の形状に対応する楕円状に形成されている。楕円状である後凸面30の長軸の長さ(長径)は、楕円状である中央凸部12の長径よりも短く設定されている。また、後凸面30の短軸の長さ(短径)は、中央凸部12の短径よりも短く設定されている。
なお、後凸面30から中央凸部12に向かう光は、レンズ部品1内で広がりをもって進む。このため、中央凸部12はこのように広がりをもって進む光を軸線Axに平行な平行光にさせる形状を有している。
【0018】
内側面40は、外側面20と後凸面30との間をつなぐように設けられている。内側面40の後方側は、外側面20の後端部につながるように設けられている。内側面40の前方側は、後凸面30の外周部につながるように設けられている。なお、内側面40から環状平坦部14に向かう光が軸線Axに平行な平行光となるように内側面40の形状が設計されている。
【0019】
後凸面30と内側面40とにより、レンズ部品1の後部には、後方へ向かって開口するキャビティ45が形成されている。キャビティ45は、後方から見たときに、上述した後凸面30の形状と同じ形状である楕円状に形成されている。光源51は、このキャビティ45を臨むようにレンズ部品1の後方に配置される。
【0020】
次に、光源51から出射された光をレンズ部品1の前方へ導く各部の働きについて説明する。
まず光源51から正面方向(軸線Ax方向)に向かって出射される光X1は、後凸面30に入射する。後凸面30に入射された光X1は、中央凸部12に入射されるように屈折される。具体的には、後凸面30の中央部に入射する光は中央凸部12の中央部に導かれる。後凸面30の外周部に入射する光は中央凸部12の外周部に導かれる。後凸面30の外縁に入射する光X2は中央凸部12の外縁(中央凸部12と環状平坦部14との境界部13)に導かれる。中央凸部12に入射された光X1は前方へ平行光として出射される。
【0021】
光源51から出射された光のうち、側方に(言い換えれば、正面方向から所定角度以上の角度をなして)出射された光X3は、内側面40に入射する。内側面40に入射された光X3は、軸線Axから離れる方向へ屈折され、外側面20に入射する。外側面20に入射した光X3は、外側面20によって平行光として全反射され、中央凸部12以外の前面10(環状平坦部14および拡散部15)に導かれる。環状平坦部14に入射された光X3は、平行光としてそのままレンズ部品100の前方に出射される。拡散部15に入射された光は、左右方向に拡散されて前方に出射される。
【0022】
このように、本実施形態のレンズ部品1においては、中央凸部12と環状平坦部14との境界部13とを含むレンズ部品1の前面10の全ての面から光が出射される。つまり、レンズ部品1は前面10の全ての領域が光るので、車両用灯具に用いるレンズ部品として適している。
【0023】
ところで、
図3は、参考例に係る特許文献1に記載のレンズ部品100を示す図である。上記本実施形態とは異なり特許文献1に記載のレンズ部品では、レンズ部品100の前面のすべての領域を発光させることができない。
図3に示すように、光源101から前方に出射され光源101に向かい合う面104に入射した光Y1は、この面104により屈折されて、レンズ部品100の前面のうち平坦部103から凹んだレンズ部105に入射し、軸線Axと平行な平行光として出射される。光源101から側方に出射され外側面102で全反射された光Y2は、前面の平坦部103に入射し、軸線Axと平行な平行光として出射される。このようにして、レンズ部105および平坦部103が発光する。しかしながら、レンズ部105と平坦部103との間の傾斜部106には光が入射せず、傾斜部106は発光しない。このため、レンズ部品100を正面から見ると、傾斜部106に該当するレンズ部105と平坦部103との境界にドーナッツ状の暗部が生じているように見える。
車両用灯具の小型化の要請に伴い、レンズ部品も小型化することが求められている。このような要請に応えるためには、限られた出射領域で出射光量を大きく確保することが好ましい。特許文献1のレンズ部品では局所的に暗部が生じてしまい、レンズ部品の小型化に対応できない。
【0024】
これに対して本実施形態のレンズ部品1によれば、レンズ部品1の前面10には中央凸部12と環状平坦部14とが設けられ、両者が連続している。本実施形態のレンズ部品1は、光源51から後凸面30の外縁部に入射した光が中央凸部12と環状平坦部14との境界部13に導かれるように構成されている。このため、中央凸部12と環状平坦部14との境界部13も光らせることができ、前面10の全ての領域に暗部を生じさせることなく、光らせることができる。このため、本実施形態のレンズ部品1は小型化が要請される車両用灯具に適している。特に本実施形態のレンズ部品1は、ヘッドランプ、コーナリングランプ、フォグランプ等の車両用灯具に適している。
【0025】
また
図2に示したように、本実施形態のレンズ部品1においては、中央凸部12の形状が正面視で楕円状に形成されているので、長軸方向へ光を広く照射することができる。このため、レンズ部品1は、車両前方の左右方向に広い配光パターンを形成することが望まれる車両用灯具に適している。
【0026】
また、本実施形態のレンズ部品1においては、楕円状に形成された中央凸部12の長軸方向における環状平坦部14の端部に、複数状の溝からなる拡散部15が形成されている。このため、前面10の中央凸部12における長軸方向への光の照射範囲をさらに広く形成することができる。
【0027】
次に、上述した実施形態のレンズ部品1を用いた光源モジュール50を説明する。
図4は、光源モジュール50の断面図である。
図5は、光源モジュール50の斜視図である。
図4及び
図5に示すように、光源モジュール50は、レンズ部品1と、光源51と、基板52と、レンズホルダ53と、ヒートシンク55と、を備えている。
【0028】
光源51は、LED(Light Emitting Diode),LD(Laser Diode)などの半導体光源によって構成されている。光源51は、基板52に搭載されている。基板52は、レンズホルダ53に取り付けられている。基板52に搭載された光源51は、レンズ部品1のキャビティ45を臨むように配置されている。
【0029】
レンズホルダ53はヒートシンク55に取り付けられている。レンズホルダ53には、基板支持台57と、取り付け台56とが設けられている。レンズホルダ53は略板状の部材である。レンズホルダ53の一方の表面に、基板支持台57と取り付け台56とが設けられている。レンズホルダ53の他方の表面にヒートシンク55が設けられている。
【0030】
図5に示したように、レンズ部品1は、一対の直線部16と、一対の直線部16を結ぶ円弧部17とを有している。一対の直線部16は、当該レンズ部品1を前方から見たとき、環状平坦部14の外縁に軸線Axを挟んで向かい合うように設けられている。直線部16は、楕円状の中央凸部12の短軸方向(
図5の上下方向)における環状平坦部14の外縁に形成されている。円弧部17は、楕円状の中央凸部12の長軸方向(
図5の左右方向)における環状平坦部14の外縁に形成されている。レンズ部品1は、前方から見たときに、角丸長方形に形成されている。
【0031】
図5に示したレンズ部品1は、取付部18を有している。取付部18は、レンズ部品1をレンズホルダ53に取り付けるための部位である。取付部18は、レンズ部品1を前方から見たときに直線部16から軸線Axから離れる方向へ延びている。取付部18はL字状の部位である。取付部18は直線部16からレンズホルダ53に向かって延びて、延びた先で軸線Axから離れる方向へ延びている。レンズホルダ53はこの取付部18に取り付けられている。図示の例では、取付部18に設けられたねじ穴19(
図4参照)に挿入されたねじ54が、レンズホルダ53の取り付け台56にねじ込まれることにより、レンズ部品1がレンズホルダ53に取り付けられている。
【0032】
ところで車両用灯具には外観の意匠性が求められ、正面から見て左右方向に延びた細長い形状のレンズ部品は見る人にシャープな印象を与えることができ、好まれている。一方で、車両用灯具に用いられるレンズ部品1には、光を中央凸部12の長軸方向に広く照射する特性が求められる。
本実施形態の光源モジュール50は、正面から見たときに上部および下部に直線部16が設けられているため、見栄えの良い車両用灯具を設計しやすい。また、環状平坦部14の一部を切り欠くように設計される直線部16が、楕円状の中央凸部12の短軸方向の端部に設けられている。このため、環状平坦部14を長軸方向に大きく形成しやすく、長軸方向に光を広く照射しやすい。
また、取付部18をレンズ部品1に設けた場合には、取付部18に入射してしまう光は有効に前方に出射させることができない。しかしながら本実施形態のレンズ部品1では、この取付部18が、レンズ部品1を前方から見たときの上部および下部に設けられている。上述したようにレンズ部品1には左右方向に広い照射範囲が求められるものの、上下方向にはそれほど広い照射範囲が求められない。このため、上部および下部に設けた取付部18に入射してしまった光を前方に照射できなくても車両用灯具が形成する配光パターンに大きな影響を与えにくく、本実施形態の光源モジュール50は、車両用灯具に適している。
【0033】
次に、光源モジュールの変形例について説明する。
図6は、変形例に係る光源モジュール60の斜視図である。
図6に示すように、光源モジュール60は、上述した光源モジュール50の構成に加えて、光センサ61を備えている。
【0034】
光センサ61は、角丸長方形を有するレンズ部品1の前面10における環状平坦部14の外縁に形成されている直線部16の近傍に取り付けられている。光センサ61は、直線部16からレンズ部品1の外部へ出射する光源51の光のうち、特定波長の光を検出することが可能なセンサである。光源51は、発光部(発光チップ)と、当該発光チップを覆うように設けられる蛍光体を有している。
【0035】
上記変形例の光源モジュール60によれば、例えば、光源51の発光チップを覆う蛍光体が外れた場合、発光チップから直接出射される光(例えば、紫外線)を光センサ61によって検出することができる。このため、レンズ部品1の出射光として例えば紫外線などの意図しない光が検出されたときに光源51の発光をオフすることにより、そのような光がレンズ部品1から外部へ漏れるのを防止することができる。
なお
図6に示したレンズ部品1においては、取付部18が円弧部17に設けられている。
【0036】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0037】
本出願は、2019年10月10日出願の日本特許出願(特願2019-186786)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によれば、車両用灯具に適したレンズ部品および光源モジュールを提供することができる。