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特許7606511スイッチング回路、スイッチング電源、スイッチング電源のゲートドライバ回路、スイッチング電源の制御回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】スイッチング回路、スイッチング電源、スイッチング電源のゲートドライバ回路、スイッチング電源の制御回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20241218BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20241218BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20241218BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H02M1/08 341C
H02M3/28 H
H02M3/155 H
H02J1/00 309R
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2022514392
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(86)【国際出願番号】 JP2021012286
(87)【国際公開番号】W WO2021205882
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-10-02
(31)【優先権主張番号】P 2020068113
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】柄澤 伸也
【審査官】上野 力
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-041999(JP,A)
【文献】特開2020-010414(JP,A)
【文献】特開2017-099194(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0036332(US,A1)
【文献】特開2016-171676(JP,A)
【文献】特開2019-068691(JP,A)
【文献】国際公開第2019/159655(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0256671(US,A1)
【文献】特開2018-182901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/08
H02M 3/28
H02M 3/155
H02J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1トランジスタおよび第2トランジスタと、
前記第1トランジスタがオン、前記第2トランジスタがオフの期間、ハイレベル電圧が発生し、前記第1トランジスタがオフ、前記第2トランジスタがオンの期間、ローレベル電圧が発生し、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタが両方オフの期間、負電圧が発生するスイッチングノードと、
第1端が前記スイッチングノードと接続されるキャパシタと、
前記キャパシタの第2端に、定電圧を印加する整流素子と、
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタのオン、オフを指示する第1制御パルスおよび第2制御パルスを生成するスイッチングコントローラと、
前記第1制御パルスに応じて前記第1トランジスタを駆動する第1ゲートドライバと、
前記第2制御パルスに応じて前記第2トランジスタを駆動する第2ゲートドライバと、
前記キャパシタの両端間のセンス電圧に応じて、前記第1制御パルスと前記第2制御パルスのエッジ間の遅延時間を制御するデッドタイムコントローラと、
を備える、スイッチング回路。
【請求項2】
第1トランジスタおよび第2トランジスタと、
前記第1トランジスタがオン、前記第2トランジスタがオフの期間、ハイレベル電圧が発生し、前記第1トランジスタがオフ、前記第2トランジスタがオンの期間、ローレベル電圧が発生し、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタが両方オフの期間、負電圧が発生するスイッチングノードと、
第1端が前記スイッチングノードと接続されるキャパシタと、
前記キャパシタの第2端に、定電圧を印加する整流素子と、
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタのオン、オフを指示する第1制御パルスおよび第2制御パルスを生成するスイッチングコントローラと、
前記第1制御パルスに応じて前記第1トランジスタを駆動する第1ゲートドライバと、
前記第2制御パルスに応じて前記第2トランジスタを駆動する第2ゲートドライバと、
前記キャパシタの両端間のセンス電圧に応じて、前記第1ゲートドライバおよび前記第2ゲートドライバの少なくとも一方の遅延時間を制御するデッドタイムコントローラと、
を備える、スイッチング回路。
【請求項3】
前記デッドタイムコントローラは、前記キャパシタの両端間電圧を所定の目標電圧と比較するコンパレータを含み、前記コンパレータの出力に応じて、前記遅延時間を増減する、請求項1または2に記載のスイッチング回路。
【請求項4】
前記デッドタイムコントローラは、前記キャパシタの両端間電圧が所定の目標電圧に近づくように、前記遅延時間をフィードバック制御する、請求項1または2に記載のスイッチング回路。
【請求項5】
前記デッドタイムコントローラは、前記第1トランジスタがターンオンするときの前記遅延時間と、前記第2トランジスタがターンオンするときの前記遅延時間と、を独立に制御する、請求項1から4のいずれかに記載のスイッチング回路。
【請求項6】
前記キャパシタと接続され、前記第1トランジスタがオンの期間に、前記キャパシタの電荷を放電する放電回路をさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載のスイッチング回路。
【請求項7】
一次巻線および二次巻線を含むトランスをさらに備え、
前記第1トランジスタは、前記一次巻線と接続され、
前記第2トランジスタは、前記二次巻線と接続され、
前記スイッチングノードは、前記二次巻線と前記第2トランジスタの接続ノードである、請求項1から6のいずれかに記載のスイッチング回路。
【請求項8】
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタは直列に接続され、前記スイッチングノードは、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタの接続ノードである、請求項1から6のいずれかに記載のスイッチング回路。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のスイッチング回路を備える、スイッチング電源。
【請求項10】
スイッチング電源の制御回路であって、
前記スイッチング電源は、
第1トランジスタおよび第2トランジスタと、
前記第1トランジスタがオン、前記第2トランジスタがオフの期間、ハイレベル電圧が発生し、前記第1トランジスタがオフ、前記第2トランジスタがオンの期間、ローレベル電圧が発生し、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタが両方オフの期間、負電圧が発生するスイッチングノードと、
第1端が前記スイッチングノードと接続されるキャパシタと、
前記キャパシタの第2端に、定電圧を印加する整流素子と、
第1制御パルスに応じて前記第1トランジスタを駆動する第1ゲートドライバと、
第2制御パルスに応じて前記第2トランジスタを駆動する第2ゲートドライバと、
を備え、
前記制御回路は、
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタのオン、オフを指示する第1制御パルスおよび第2制御パルスを生成するスイッチングコントローラと、
前記キャパシタの両端間のセンス電圧に応じて、前記第1制御パルスと前記第2制御パルスの隣接するエッジ間の遅延時間を制御するデッドタイムコントローラと、
を備える、制御回路。
【請求項11】
前記デッドタイムコントローラは、前記キャパシタの両端間電圧を所定の目標電圧と比較するコンパレータを含み、前記コンパレータの出力に応じて、前記遅延時間を増減する、請求項10に記載の制御回路。
【請求項12】
前記デッドタイムコントローラは、前記キャパシタの両端間電圧が所定の目標電圧に近づくように、前記遅延時間をフィードバック制御する、請求項10または11に記載の制御回路。
【請求項13】
前記デッドタイムコントローラは、前記第1トランジスタがターンオンするときの前記遅延時間と、前記第2トランジスタがターンオンするときの前記遅延時間と、を独立に制御する、請求項10から12のいずれかに記載の制御回路。
【請求項14】
前記キャパシタと接続され、前記第1トランジスタがオンの期間に、前記キャパシタの電荷を放電する放電回路をさらに備える、請求項10から13のいずれかに記載の制御回路。
【請求項15】
前記スイッチング電源は、一次巻線および二次巻線を含むトランスをさらに備え、
前記第1トランジスタは、前記一次巻線と接続され、
前記第2トランジスタは、前記二次巻線と接続され、
前記スイッチングノードは、前記二次巻線と前記第2トランジスタの接続ノードである、請求項10から14のいずれかに記載の制御回路。
【請求項16】
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタは直列に接続され、前記スイッチングノードは、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタの接続ノードである、請求項10から14のいずれかに記載の制御回路。
【請求項17】
請求項10から16のいずれかに記載の制御回路を備える、スイッチング電源。
【請求項18】
スイッチング電源のゲートドライバ回路であって、
前記スイッチング電源は、
第1トランジスタおよび第2トランジスタと、
前記第1トランジスタがオン、前記第2トランジスタがオフの期間、ハイレベル電圧が発生し、前記第1トランジスタがオフ、前記第2トランジスタがオンの期間、ローレベル電圧が発生し、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタが両方オフの期間、負電圧が発生するスイッチングノードと、
第1端が前記スイッチングノードと接続されるキャパシタと、
前記キャパシタの第2端に、定電圧を印加する整流素子と、
前記スイッチング電源の電気的状態が所定の目標状態に近づくように、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタのデューティサイクルを指示する制御信号を生成するスイッチングコントローラと、
を備え、
前記ゲートドライバ回路は、
前記制御信号に応じたデューティサイクルを有する第1制御パルスおよび第2制御パルスを生成するパルス生成部と、
前記第1制御パルスに応じて前記第1トランジスタを駆動する第1ゲートドライバと、
前記第2制御パルスに応じて前記第2トランジスタを駆動する第2ゲートドライバと、
前記キャパシタの両端間のセンス電圧に応じて、前記第1制御パルスおよび前記第2制御パルスの隣接するエッジ間の遅延時間を制御するデッドタイムコントローラと、
を備える、ゲートドライバ回路。
【請求項19】
前記デッドタイムコントローラは、前記キャパシタの両端間電圧を所定の目標電圧との比較結果にもとづいて、前記遅延時間を増減する、請求項18に記載のゲートドライバ回路。
【請求項20】
前記デッドタイムコントローラは、前記キャパシタの両端間電圧が所定の目標電圧に近づくように、前記遅延時間をフィードバック制御する、請求項18に記載のゲートドライバ回路。
【請求項21】
前記デッドタイムコントローラは、前記第1トランジスタがターンオンするときの前記遅延時間と、前記第2トランジスタがターンオンするときの前記遅延時間と、を独立に制御する、請求項18から20のいずれかに記載のゲートドライバ回路。
【請求項22】
前記キャパシタと接続され、前記第1トランジスタがオンの期間に、前記キャパシタの電荷を放電する放電回路をさらに備える、請求項18から21のいずれかに記載のゲートドライバ回路。
【請求項23】
前記スイッチング電源は、一次巻線および二次巻線を含むトランスをさらに備え、
前記第1トランジスタは、前記一次巻線と接続され、
前記第2トランジスタは、前記二次巻線と接続され、
前記スイッチングノードは、前記二次巻線と前記第2トランジスタの接続ノードである、請求項18から22のいずれかに記載のゲートドライバ回路。
【請求項24】
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタは直列に接続され、前記スイッチングノードは、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタの接続ノードである、請求項18から22のいずれかに記載のゲートドライバ回路。
【請求項25】
請求項18から24のいずれかに記載のスイッチング回路を備える、スイッチング電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示は、スイッチング回路に関する。
【背景技術】
【0002】
DC/DCコンバータや、AC/DCコンバータ、インバータをはじめとするパワーエレクトロニクスの分野において、ハーフブリッジ回路やフルブリッジ回路などのスイッチング回路が用いられる。
【0003】
スイッチング回路の制御において、貫通電流を防止するために、デッドタイムが挿入される。デッドタイムを長くするほど、貫通電流のリスクが低下するが、デッドタイムの間は、電流がトランジスタのボディダイオードあるいは還流ダイオード(フライホイルダイオード)に流れるため、効率が低下する。
【0004】
したがって、デッドタイムは、貫通電流が流れない限度において、なるべく短くすることが好ましい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】"Predictive Gate Drive Frequency Asked Questions"、[online]、February, 2003、[20200327検索]、インターネット<URL:https://www.ti.com/lit/an/slua285/slua285.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スイッチングトランジスタ(パワートランジスタ)が、スイッチングトランジスタを制御するパルス信号を生成する制御回路とは別のディスクリート素子で構成される場合がある。またスイッチングトランジスタを駆動するゲートドライバが、制御回路とは別IC(Integrated Circuit)である場合もある。さらに、制御回路と、スイッチングトランジスタの間にトランスが挿入される場合もある。このようなケースでは、スイッチングトランジスタのゲート容量、ゲートドライバの遅延時間、トランスの遅延時間を考慮して、デッドタイムを定める必要がある。従来は、スイッチング回路の設計者が、周辺回路の特性を考慮して、デッドタイムを経験的に、あるいは試行錯誤で決定する必要があった。
【0007】
特に近年、スイッチングトランジスタとして使用されるSi-FETやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を、より高速なスイッチングが可能なGaN-HEMTに置換する動きが見られる。この場合、スイッチング周期が短くなるため、デッドタイムの長さの調整は一層シビアになる。
【0008】
開示は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、デッドタイムを最適化可能なスイッチング回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のある態様はスイッチング回路に関する。スイッチング回路は、第1トランジスタおよび第2トランジスタと、第1トランジスタがオン、第2トランジスタがオフの期間、ハイレベル電圧が発生し、第1トランジスタがオフ、第2トランジスタがオンの期間、ローレベル電圧が発生し、第1トランジスタおよび第2トランジスタが両方オフの期間、負電圧が発生するスイッチングノードと、第1端がスイッチングノードと接続されるキャパシタと、キャパシタの第2端に、定電圧を印加する整流素子と、第1トランジスタおよび第2トランジスタのオン、オフを指示する第1制御パルスおよび第2制御パルスを生成するスイッチングコントローラと、第1制御パルスに応じて第1トランジスタを駆動する第1ゲートドライバと、第2制御パルスに応じて第2トランジスタを駆動する第2ゲートドライバと、キャパシタの両端間のセンス電圧に応じて、第1制御パルスと第2制御パルスの隣接するエッジ間の遅延時間を制御するデッドタイムコントローラと、を備える。
【0010】
本開示の別の態様も、スイッチング回路に関する。スイッチング回路は、第1トランジスタおよび第2トランジスタと、第1トランジスタがオン、第2トランジスタがオフの期間、ハイレベル電圧が発生し、第1トランジスタがオフ、第2トランジスタがオンの期間、ローレベル電圧が発生し、第1トランジスタおよび第2トランジスタが両方オフの期間、負電圧が発生するスイッチングノードと、第1端がスイッチングノードと接続されるキャパシタと、キャパシタの第2端に、定電圧を印加する整流素子と、第1トランジスタおよび第2トランジスタのオン、オフを指示する第1制御パルスおよび第2制御パルスを生成するスイッチングコントローラと、第1制御パルスに応じて第1トランジスタを駆動する第1ゲートドライバと、第2制御パルスに応じて第2トランジスタを駆動する第2ゲートドライバと、キャパシタの両端間のセンス電圧に応じて、第1ゲートドライバおよび第2ゲートドライバの少なくとも一方の遅延時間を制御するデッドタイムコントローラと、を備える。
【0011】
本開示の別の態様はスイッチング電源の制御回路である。スイッチング電源は、第1トランジスタおよび第2トランジスタと、第1トランジスタがオン、第2トランジスタがオフの期間、ハイレベル電圧が発生し、第1トランジスタがオフ、第2トランジスタがオンの期間、ローレベル電圧が発生し、第1トランジスタおよび第2トランジスタが両方オフの期間、負電圧が発生するスイッチングノードと、第1端がスイッチングノードと接続されるキャパシタと、キャパシタの第2端に、定電圧を印加する整流素子と、第1制御パルスに応じて前記第1トランジスタを駆動する第1ゲートドライバと、第2制御パルスに応じて前記第2トランジスタを駆動する第2ゲートドライバと、を備える。制御回路は、第1トランジスタおよび第2トランジスタのオン、オフを指示する第1制御パルスおよび第2制御パルスを生成するスイッチングコントローラと、キャパシタの両端間のセンス電圧に応じて、第1制御パルスと第2制御パルスの隣接するエッジ間の遅延時間を制御するデッドタイムコントローラと、を備える。
【0012】
本開示のさらに別の態様は、スイッチング電源のゲートドライバ回路に関する。スイッチング電源は、第1トランジスタおよび第2トランジスタと、第1トランジスタがオン、第2トランジスタがオフの期間、ハイレベル電圧が発生し、第1トランジスタがオフ、第2トランジスタがオンの期間、ローレベル電圧が発生し、第1トランジスタおよび第2トランジスタが両方オフの期間、負電圧が発生するスイッチングノードと、第1端がスイッチングノードと接続されるキャパシタと、キャパシタの第2端に、定電圧を印加する整流素子と、スイッチング電源の電気的状態が所定の目標状態に近づくように、第1トランジスタおよび第2トランジスタのデューティサイクルを指示する制御信号を生成するスイッチングコントローラと、を備える。ゲートドライバ回路は、制御信号に応じたデューティサイクルを有する第1制御パルスおよび第2制御パルスを生成するパルス生成部と、第1制御パルスに応じて第1トランジスタを駆動する第1ゲートドライバと、第2制御パルスに応じて第2トランジスタを駆動する第2ゲートドライバと、キャパシタの両端間のセンス電圧に応じて、第1制御パルスおよび第2制御パルスの隣接するエッジ間の遅延時間を制御するデッドタイムコントローラと、を備える。
【0013】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0014】
本開示のある態様によれば、二つのトランジスタが両方オフとなるデッドタイムの長さを最適化できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態1に係るスイッチング回路の回路図である。
図2図2は、図1のスイッチング回路の動作波形図である。
図3図3は、センスキャパシタCsの充電を説明する図である。
図4図4は、デッドタイムτの長さと、センス電圧Vsの関係を示す図である。
図5図5(a)~(c)は、スイッチング回路の利点を説明する図である。
図6図6は、図1のデッドタイムコントローラによる制御遅延Tdの最適化処理のフローチャートである。
図7図7は、実施例1に係るスイッチング電源の回路図である。
図8図8は、図7のスイッチング電源の動作波形図である。
図9図9は、実施例2に係るスイッチング電源の回路である。
図10図10は、実施例3に係るスイッチング電源のブロック図である。
図11図11は、図10のスイッチング電源の動作波形図である。
図12図12は、実施例4に係るスイッチング電源のブロック図である。
図13図13は、図12のスイッチング電源の動作波形図である。
図14図14は、実施形態2に係るスイッチング回路の回路図である。
図15図15は、実施形態3に係るスイッチング回路の回路図である。
図16図16(a)~(f)は、スイッチング電源のバリエーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態の概要)
一実施形態に係るスイッチング回路は、第1トランジスタおよび第2トランジスタと、第1トランジスタがオン、第2トランジスタがオフの期間、ハイレベル電圧が発生し、第1トランジスタがオフ、第2トランジスタがオンの期間、ローレベル電圧が発生し、第1トランジスタおよび第2トランジスタが両方オフの期間、負電圧が発生するスイッチングノードと、第1端がスイッチングノードと接続されるキャパシタと、キャパシタの第2端に、定電圧を印加する整流素子と、第1トランジスタおよび第2トランジスタのオン、オフを指示する第1制御パルスおよび第2制御パルスを生成するスイッチングコントローラと、キャパシタの両端間のセンス電圧に応じて、第1制御パルスと第2制御パルスの隣接するエッジ間の遅延時間を制御するデッドタイムコントローラと、第1制御パルスに応じて第1トランジスタを駆動する第1ゲートドライバと、第2制御パルスに応じて第2トランジスタを駆動する第2ゲートドライバと、を備える。
【0017】
この構成では、第1トランジスタおよび第2トランジスタが両方オフとなるデッドタイム(ハイインピーダンス期間ともいう)の長さと、キャパシタの両端間電圧が正の相関を有する。そこで、キャパシタの両端間のセンス電圧を監視することで、実際のデッドタイムの長さを検出できる。そして、検出したセンス電圧(つまりデッドタイムの長さ)に応じて、制御パルスのエッジ間の遅延時間を最適化することにより、第1トランジスタおよび第2トランジスタが実際にオフとなるデッドタイムの長さを最適化できる。
【0018】
別の実施形態に係るスイッチング回路は、第1トランジスタおよび第2トランジスタと、第1トランジスタがオン、第2トランジスタがオフの期間、ハイレベル電圧が発生し、第1トランジスタがオフ、第2トランジスタがオンの期間、ローレベル電圧が発生し、第1トランジスタおよび第2トランジスタが両方オフの期間、負電圧が発生するスイッチングノードと、第1端がスイッチングノードと接続されるキャパシタと、キャパシタの第2端に、定電圧を印加する整流素子と、第1トランジスタおよび第2トランジスタのオン、オフを指示する第1制御パルスおよび第2制御パルスを生成するスイッチングコントローラと、第1制御パルスに応じて第1トランジスタを駆動する第1ゲートドライバと、第2制御パルスに応じて第2トランジスタを駆動する第2ゲートドライバと、キャパシタの両端間のセンス電圧に応じて、第1ゲートドライバおよび第2ゲートドライバの少なくとも一方の遅延時間を制御するデッドタイムコントローラと、を備える。
【0019】
この構成では、ゲートドライバの遅延時間を最適化することにより、第1トランジスタおよび第2トランジスタが実際にオフとなるデッドタイムの長さを最適化できる。
【0020】
デッドタイムコントローラは、キャパシタの両端間電圧を所定の目標電圧と比較するコンパレータを含み、コンパレータの出力に応じて、エッジ間の遅延時間を増減してもよい。なお、コンパレータはデジタルコンパレータであってもよいし、アナログコンパレータであってもよい。
【0021】
デッドタイムコントローラは、キャパシタの両端間電圧が所定の目標電圧に近づくように、エッジ間の遅延時間をフィードバック制御してもよい。デッドタイムコントローラは、PI制御器やPID制御器を含むデジタル回路で構成してもよいし、エラーアンプを含むアナログ回路で構成してもよい。
【0022】
デッドタイムコントローラは、第1トランジスタがターンオンするときの遅延時間と、第2トランジスタがターンオンするときの遅延時間と、を独立に制御してもよい。
【0023】
スイッチング回路は、キャパシタと接続され、第1トランジスタがオンの期間に、キャパシタの電荷を放電する放電回路をさらに備えてもよい。
【0024】
スイッチング電源は、一次巻線および二次巻線を含むトランスをさらに備えてもよい。第1トランジスタは、一次巻線と接続され、第2トランジスタは、二次巻線と接続され、スイッチングノードは、二次巻線と第2トランジスタの接続ノードであってもよい。
【0025】
第1トランジスタおよび第2トランジスタは直列に接続され、スイッチングノードは、第1トランジスタと第2トランジスタの接続ノードであってもよい。
【0026】
(実施形態の詳細)
以下、本発明を好適な実施形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0027】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0028】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0029】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るスイッチング回路100の回路図である。スイッチング回路100は、主回路110、センスキャパシタCs、整流素子Ds、デッドタイムコントローラ120、スイッチングコントローラ130、ゲートドライバ140_1,140_2を備える。
【0030】
主回路110は、第1トランジスタM1および第2トランジスタM2を含む。主回路110には負荷2が接続され、負荷2には、第1トランジスタM1および第2トランジスタM2のオン、オフに応じた電力が供給される。典型的には、主回路110は、DC/DCコンバータやインバータ、コンバータなどのスイッチング電源の一部分であり得る。後述するように、主回路110の回路構成にはさまざまなバリエーションが存在し、その構成は特に限定されない。第1トランジスタM1と第2トランジスタM2は直接接続される場合もあれば、トランスを介して接続される場合もある。
【0031】
スイッチングコントローラ130は、負荷2に供給される電圧、電流あるいは電力、あるいは負荷の状態の少なくともひとつを制御対象とし、制御対象が目標値に近づくように、第1トランジスタM1および第2トランジスタM2のオン、オフを規定する制御パルスSp1,Sp2を生成する。ゲートドライバ140_1は、第1制御パルスSp1に応じて第1トランジスタM1を駆動する。またゲートドライバ140_2は、第2制御パルスSp2に応じて第2トランジスタM2を駆動する。
【0032】
スイッチングコントローラ130において、第1制御パルスSp1と第2制御パルスSp2のエッジ間には、意図的な制御遅延Tdが設定される。この制御遅延(この制御遅延をデッドタイムと称する場合もある)Tdは、第1トランジスタM1と第2トランジスタM2が両方オフとなる期間(デッドタイムτ)を挿入するために設けられている。ただし、制御遅延Tdは、設計上のデッドタイムであるが、実際のデッドタイムτの長さは、制御遅延Tdとは一致するとは限らない。なぜなら、2つの制御パルスSp1,Sp2が、対応するゲートに到達するまでの遅延時間は等しいとは限らず、また第1トランジスタM1と第2トランジスタM2のゲート容量が違えば、ターンオン遅延(ターンオフ遅延)も異なるからである。
【0033】
主回路110は、第1トランジスタM1がオン、第2トランジスタM2がオフの期間、ハイレベル電圧Vが発生し、第2トランジスタM2がオン、第1トランジスタM1がオフの期間、ローレベルレベル電圧Vが発生し、第1トランジスタM1、第2トランジスタM2が両方オフとなるデッドタイム(ハイインピーダンス区間ともいう)τの間、負電圧-VNEGが発生するスイッチングノードNswを含む。
【0034】
センスキャパシタCsの一端は、スイッチングノードNswと接続される。センスキャパシタCsの他端には、整流素子Dsを介して、正の定電圧VREGが印加される。整流素子Dsは典型的にはダイオードを用いることができるが、トランジスタをそれに代用してもよい。定電圧VREGは、電源電圧であってもよいし、基準電圧であってもよい。
【0035】
デッドタイムコントローラ120は、センスキャパシタCsの両端間のセンス電圧Vsにもとづいて、スイッチングコントローラ130におけるデッドタイムτを検出し、最適化設定する。
【0036】
放電回路122は、センスキャパシタCsと接続される。放電回路122は、イネーブルとなると、センスキャパシタCsの電荷を放電する。たとえば放電回路122は、センスキャパシタCsと並列に接続されるスイッチを含んでもよい。
【0037】
スイッチングコントローラ130は、制御パルスSp1、Sp2のオン、オフと同期して、放電回路122をイネーブル(アクティブ)/ディセーブル(非アクティブ)を制御してもよい。たとえば放電回路122は、第1トランジスタM1のオン期間、言い換えるとスイッチング電圧Vswがハイレベル電圧Vとなる期間に、放電回路122をイネーブルとし、残りの期間、放電回路122をディセーブルとしてもよい。
【0038】
以上がスイッチング回路100の構成である。続いてその動作を説明する。
【0039】
図2は、図1のスイッチング回路100の動作波形図である。第1トランジスタM1がオンの期間、スイッチング電圧Vswはハイレベル電圧Vであり、第2トランジスタM2がオンの期間、スイッチング電圧Vswはローレベル電圧V(0V)であり、両方がオフのデッドタイムτの間、スイッチング電圧Vswは、負電圧-VNEGである。負電圧-VNEGの大きさVNEGは、第2トランジスタM2の種類に依存する。たとえば第2トランジスタM2がSi-MOSFETである場合、そのボディダイオードの順方向電圧Vfが負電圧の大きさVNEGとなり、0.5~1V程度である。第2トランジスタM2がGaN-HEMTの場合、そのドレインソース間電圧VDSが負電圧の大きさVNEGとなり、数Vとなる。
【0040】
センスキャパシタCsの一端には、スイッチング電圧Vswが印加され、その他端には、(VREG-V)が印加される。Vは、整流ダイオードDsの順方向電圧である。したがって、(VREG-V)>Vswの期間、センスキャパシタCsの両端間には、(VREG-V)-Vswが印加される。
【0041】
図3は、センスキャパシタCsの充電を説明する図である。スイッチング電圧Vswがロー(0V)の間、センスキャパシタCsの一端にはローレベル電圧V(0V)が、他端にはVREG-Vが印加され、したがってその両端間電圧Vsは、VREG-Vとなる。その後のデッドタイムτにおいて、センスキャパシタCsの一端の電圧Vswが、負電圧-VNEGとなると、センスキャパシタCsがさらに充電され、その両端間電圧Vcがさらに上昇する。このときの上昇幅ΔVは、デッドタイムτが長いほど大きく、デッドタイムτが短いほど小さくなる。つまり、センス電圧Vsは、デッドタイムτが長いほど高くなり、短いほど低くなる。
【0042】
図4は、デッドタイムτの長さと、センス電圧Vsの関係を示す図である。センス電圧Vsは、デッドタイムτに対して単調増加し、センス電圧Vsと実際のデッドタイムτは1対1で対応付けられる。
【0043】
そこで、デッドタイムコントローラ120は、センス電圧Vsに目標値Vs(REF)を定めて、センス電圧Vsが目標値Vs(REF)より高いときには制御遅延Tdを短く、センス電圧Vsが目標値Vs(REF)より低いときには制御遅延Tdを長くするような制御を行うことにより、デッドタイムτの長さを、目標値Vs(REF)に応じた長さτD(REF)に最適化することができる。
【0044】
図5(a)~(c)は、スイッチング回路100の利点を説明する図である。図5(a)~(c)には、制御パルスSp1,Sp2と、第1トランジスタM1、第2トランジスタM2の実際のオン、オフ状態を示す。制御パルスSp2がハイ(オンレベル)からロー(オフレベル)に遷移した後、オフ遅延時間τの経過後に、第2トランジスタM2がターンオフする。また制御パルスSp1がロー(オフレベル)からハイ(オンレベル)に遷移した後、オン遅延時間τの経過後に、第1トランジスタM1がターンオンする。
【0045】
遅延時間τ,τは、ゲートドライバの能力や、第1トランジスタM1、第2トランジスタM2の素子サイズ、配線の寄生インピーダンスなどの影響を受ける。図5(a)~(c)は、遅延時間τ、τが異なる様子を示している。
【0046】
本実施形態では、センス電圧Vsが目標電圧Vs(REF)に近づくように、言い換えると、第1トランジスタM1と第2トランジスタM2が両方オフとなるデッドタイムτの長さが目標値τD(REF)に近づくように、制御パルスSp1,Sp2のレベル遷移の遅延時間である制御遅延Tdが調節される。図5(a)はτ=τである場合を示す。このとき、デッドタイムτの長さは、制御遅延Tdと実質的に等しくなる。
【0047】
図5(b)はτ>τである場合を示す。この場合、デッドタイムτの長さが目標値に近づくようにフィードバックがかかり、制御遅延Tdが長くなる。
【0048】
図5(c)はτ<τである場合を示す。この場合、デッドタイムτの長さが目標値に近づくようにフィードバックがかかり、制御遅延Tdが短くなる。
【0049】
このように本実施形態によれば、制御遅延Tdを最適化することにより、オン遅延時間やオフ遅延時間のばらつきや変動の影響をキャンセルすることができる。
【0050】
図6は、図1のデッドタイムコントローラ120による制御遅延Tdの最適化処理のフローチャートである。図2に示すように、デッドタイムτには、第2トランジスタM2のターンオフ直後(第1トランジスタM1のターンオン直前)のデッドタイムτD1と、第1トランジスタM1のターンオフ直後(第2トランジスタM2のターンオン直前)のデッドタイムτD2が存在し、それらは、独立したばらつき要因の影響を受ける。そこで、デッドタイムコントローラ120は、2つのデッドタイムτD1,τD2に対応する2つのデッドタイム(制御遅延)Td1,Td2を独立に最適化するとよい。制御遅延Td1は、制御パルスSp2のネガティブエッジと制御パルスSp2のポジティブエッジの遅延時間であり、制御遅延Td2は、制御パルスSp1のネガティブエッジと制御パルスSp2のポジティブエッジの遅延時間である。
【0051】
はじめに2つのデッドタイムTd1,Td2に初期値Td1_init,Td2_initがセットされる(S100)。
【0052】
続いて、センス電圧Vの初期値V_initを測定する(S102)。続いて、デッドタイムTd1に摂動が与えられる(S104)。デッドタイムTd1は、貫通電流が流れない範囲において、なるべく短い方が効率が高くなる。そこで摂動は、デッドタイムTd1を減少させる方向に与えられる。Δtd1は、所定の摂動幅である。
Td1=Td1-Δtd1
【0053】
摂動付与後のセンス電圧Vが測定され(S106)、摂動によるセンス電圧Vの変動幅ΔV=|V-V_init|が計算される(S108)。この状態で、摂動を解除する(S110)。
Td1=Td1+Δtd1
【0054】
図4に示すように、デッドタイムτ(すなわちデッドタイムTd1,Td2)が小さい領域では、デッドタイムTd1,Td2に対するセンス電圧Vの感度が低下する。この領域は、貫通電流が流れるリスクが高くなる。このリスクを避けるために、摂動による変動幅ΔVを微小なしきい値Aと比較する(S112)。ΔV<Aであるとき(S112のY)、貫通電流が流れるおそれがあるため、デッドタイムTd1を増大させる(S116)。
【0055】
ΔV>Aであるとき(S112のN)、貫通電流が流れるおそれは低いといえる。この場合、Vとその目標レベルVS(REF)を比較する(S114)。そしてV>VS(REF)であれば(S114のY)、デッドタイムTd1を減少させ(S116)、V<VS(REF)であれば(S114のN)、デッドタイムTd1を増大させる(S118)。
【0056】
処理S202~S218においては、処理S102~118と同じ処理が、Td2に対して実施される。なお、デッドタイムTd1,Td2の最適化の手法は、上述のそれに限定されない。
【0057】
デッドタイムTd1,Td2の最適化は、スイッチング回路100の動作中に常時行うようにしてもよいし、間欠的に行うようにしてもよい。あるいは、スイッチング回路100を備える最終製品の出荷前に実行し、そこで得られたデッドタイムTd1、Td2を、不揮発メモリに格納しておき、動作時には、不揮発メモリからロードしたデッドタイムTd1,Td2を使用するようにしてもよい。
【0058】
本発明は、図1のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、方法に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例や実施例を説明する。
【0059】
(実施例1)
図7は、実施例1に係るスイッチング電源300Aの回路図である。スイッチング電源300Aは、フォワードコンバータであり、上述のスイッチング回路100のアーキテクチャが実装されている。
【0060】
スイッチング電源300Aは、トランスTRN1、4個のトランジスタMA~MD、ゲートドライバ340A~340D、アイソレータ342A,342B、デッドタイムコントローラ320、スイッチングコントローラ330を備える。スイッチング電源300Aは、1次側と2次側が、トランスTRN1およびアイソレータ342A,342Bによって絶縁されている。デッドタイムコントローラ320およびスイッチングコントローラ330は、単一の制御回路310Aに集積化されていてもよい。放電回路122も、この制御回路310Aに集積化してもよい。
【0061】
スイッチングコントローラ330は、スイッチング電源300Aの出力電圧VOUT(あるいは別の電気的状態)が目標値に近づくように、制御パルスSpA~SpDを生成する。スイッチングコントローラ330の構成や制御方式は特に限定されず、公知技術を用いればよい。たとえばスイッチングコントローラ330は、出力電圧VOUTが目標値に近づくように、デューティサイクルや周波数などが調節されるデューティサイクル指令値を生成し、このデューティサイクル指令値に応じた内部パルスdpwmを生成してもよい。そしてこの内部パルスdpwmのポジティブエッジ、ネガティブエッジに適切な制御遅延を与えることにより、制御パルスSpA~SpDを生成してもよい。あるいは、デューティサイクル指令値から、制御パルスSpA~SpDに直接変換してもよい。
【0062】
ゲートドライバ340A,340Bは、アイソレータ342A,342Bを介して制御パルスSpA,Sp2を受け、一次側のトランジスタMA,MBを駆動する。ゲートドライバ340C,340Dは、制御パルスSpC,SpDを受け、二次側のトランジスタMC,MDを駆動する。
【0063】
この実施例において、1次側のトランジスタMBと2次側のトランジスタMDのペアが、上述の第1トランジスタM1および第2トランジスタM2に対応しており、トランスTRN2の二次巻線WsとトランジスタM2の接続ノードが、上述のスイッチングノードNswとなる。センスキャパシタCsの一端は、このスイッチングノードNswと接続される。
【0064】
デッドタイムコントローラ320は、センスキャパシタCsの両端間のセンス電圧Vsにもとづいて、制御パルスSpAとSpDの間の制御遅延Tdを最適化する。
【0065】
以上がスイッチング電源300Aの構成である。図8は、図7のスイッチング電源300Aの動作波形図である。A~Dは、トランジスタMA~MDの実際のオン、オフ状態を示す。またスイッチング電圧Vswのハイレベルは、VIN/Nである。Nは、トランスTRN1の巻線比であり、ローレベルは接地電圧である。デッドタイムτの間、スイッチング電圧Vswは、負電圧となる。このスイッチング電源300Aによれば、デッドタイムτを最適化することができる。
【0066】
図9は、実施例2に係るスイッチング電源300Bの回路図である。このスイッチング電源300Bは、非絶縁型のDC/DCコンバータ(降圧コンバータ)である。降圧コンバータは、ハイサイドトランジスタMB(スイッチングトランジスタ)、ローサイドトランジスタ(同期整流トランジスタ)MA、インダクタL1、キャパシタC1、センスキャパシタCs、整流素子Ds、デッドタイムコントローラ320、スイッチングコントローラ330、ゲートドライバ340A,340Bを備える。
【0067】
デッドタイムコントローラ320およびスイッチングコントローラ330は、単一の制御回路210Bに集積化されていてもよい。さらにゲートドライバ340A,340B、放電回路122も、この制御回路210Bに集積化してもよい。
【0068】
スイッチングコントローラ330は、スイッチング電源300Bの出力電圧VOUT(あるいは別の電気的状態)が目標値に近づくように、制御パルスSpA,SpBを生成する。スイッチングコントローラ330の構成や制御方式は特に限定されず、公知技術を用いればよい。たとえばスイッチングコントローラ330は、出力電圧VOUTが目標値に近づくように、デューティサイクルや周波数などが調節されるデューティサイクル指令値を生成し、このデューティサイクル指令値に応じた内部パルスdpwmを生成してもよい。そしてこの内部パルスdpwmのポジティブエッジ、ネガティブエッジに適切な制御遅延を与えることにより、制御パルスSpA,SpBを生成してもよい。あるいは、デューティサイクル指令値から、制御パルスSpA,SpBに直接変換してもよい。
【0069】
ゲートドライバ340A,340Bは、制御パルスSpA,Sp2に応じてトランジスタMA,MBを駆動する。
【0070】
この実施例において、ハイサイドトランジスタMBとローサイドトランジスタMAが、上述の第1トランジスタM1および第2トランジスタM2に対応しており、2つのトランジスタの接続ノードが、スイッチングノードNswとなる。センスキャパシタCsの一端は、このスイッチングノードNswと接続される。
【0071】
デッドタイムコントローラ320は、センスキャパシタCsの両端間のセンス電圧Vsにもとづいて、制御パルスSpAとSpBの間の制御遅延Tdを最適化する。
【0072】
(実施例3)
図10は、実施例3に係るスイッチング電源400のブロック図である。このスイッチング電源400は、ハーフブリッジコンバータであり、トランスTRN1、トランジスタMA~MD、キャパシタC1~C3、制御回路410、ゲートドライバ422A~422D、センスキャパシタCs1,Cs2,整流素子Ds1,Ds2を備える。
【0073】
制御回路410は、スイッチングコントローラ412およびデッドタイムコントローラ414を備える。スイッチングコントローラ412は、スイッチング電源400の出力電圧VOUT(あるいは別の電気的状態)が目標値に近づくように、制御パルスSpA~SpDを生成する。
【0074】
制御パルスSpA,SpBは、ゲートドライバ422A,422Bに入力される。絶縁アプリケーションでは、ゲートドライバ422Aおよび422Bと、制御回路410の間に、アイソレータが追加される。
【0075】
ハーフブリッジコンバータでは、トランジスタMAとMCのペアが相補的にスイッチングし、トランジスタMBとMDのペアが相補的にスイッチングする。したがって、制御パルスSpAとSpCの間に第1制御遅延TdACが導入され、制御パルスSpBとSpDの間に第2制御遅延TdBDが導入される。
【0076】
トランジスタMCのドレインが、第1スイッチングノードNsw1であり、キャパシタCs1およびダイオードDs1が接続される。デッドタイムコントローラ414は、キャパシタCs1に生ずるセンス電圧Vs1にもとづいて、第1制御遅延TdACを調節する。またトランジスタMDのドレインが、第2スイッチングノードNsw2であり、キャパシタCs2およびダイオードDs2が接続される。デッドタイムコントローラ414は、キャパシタCs2に生ずるセンス電圧Vs2にもとづいて、第2制御遅延TdBDを調節する。
【0077】
たとえばスイッチングコントローラ412は、パルス幅変調器416およびパルス生成部418を含む。パルス幅変調器416は、スイッチング電源400の出力電圧VOUT(あるいは別の電気的状態)に応じたフィードバック信号がその目標値に近づくように、デューティサイクルDonをフィードバック制御する。パルス幅変調器416からパルス生成部418には、デューティサイクルDonに応じた信号が供給される。パルス生成部418は、パルス幅変調器416が生成したデューティサイクルDonと、制御遅延TdAC,TdBDにもとづいて、制御パルスSpA~SpDを生成する。スイッチングコントローラ412の構成や制御方式は特に限定されず、公知技術を用いればよい。
【0078】
図11は、図10のスイッチング電源の動作波形図である。パルス幅変調器416によって、デューティサイクルDonがフィードバック制御される。pwm_p1、pwm_p2は、デューティサイクルDonを有するパルス信号を示す。τ12は、制御パルスSpB(あるいはSpA)のエッジの発生から、そのエッジにもとづくスイッチング電圧Vsw2(あるいはVsw1)の変化が発生するまでの遅延時間を表す。この遅延時間は、ドライバ422B(422A)の遅延、トランジスタMBのターンオン時間、トランスTRNの遅延などを含みうる。
【0079】
トランジスタペアMBおよびMDに着目すると、スイッチング電圧Vsw2が負電圧となるデッドタイムτBD1は、制御遅延TdBD1と遅延時間τ12の合計時間となる。
τBD1=TdBD1+τ12
またデッドタイムτBD2は、制御遅延TdBD2から遅延時間τ12を減じた時間となる。
τBD2=TdBD2-τ12
【0080】
デッドタイムコントローラ414は、τBD1の長さに応じたセンス電圧Vs2にもとづいて、制御遅延TdBD1を最適化する。またデッドタイムコントローラ414は、τBD2の長さに応じたセンス電圧Vs2にもとづいて、制御遅延TdBD2を最適化する。
【0081】
トランジスタペアMAおよびMCに着目すると、スイッチング電圧Vsw1が負電圧となるデッドタイムτAC1は、制御遅延TdAC1と遅延時間τ12の合計時間となる。
τAC1=TdAC1+τ12
またデッドタイムτAC2は、制御遅延TdAC2から遅延時間τ12を減じた時間となる。
τAC2=TdAC2-τ12
【0082】
デッドタイムコントローラ414は、τAC1の長さに応じたセンス電圧Vs1にもとづいて、制御遅延TdAC1を最適化する。またデッドタイムコントローラ414は、τAC2の長さに応じたセンス電圧Vs1にもとづいて、制御遅延TdAC2を最適化する。
【0083】
(実施例4)
図12は、実施例4に係るスイッチング電源400Aのブロック図である。このスイッチング電源400Aは、図10のスイッチング電源400と同様に、ハーフブリッジコンバータであり、スイッチングノードの箇所が異なっている。図12では、トランスTRNの2次巻線のタップとインダクタL1の接続ノードがスイッチングノードとなっている。スイッチング電源400Aは、スイッチングノードNswと接続されたキャパシタCsおよび整流素子Dsを備える。
【0084】
制御回路410Aのデッドタイムコントローラ414は、キャパシタCsに生ずるセンス電圧Vsにもとづいて、制御遅延TdAC,TdBDを制御する。
【0085】
図13は、図12のスイッチング電源400Aの動作波形図である。スイッチング電圧Vswは、図11の2つのスイッチング電圧Vsw1,Vsw2を合成した電圧となる。そこで、τBD1の長さに応じたセンス電圧Vsにもとづいて、制御遅延TdBD1を最適化し、τBD2の長さに応じたセンス電圧Vsにもとづいて、制御遅延TdBD2を最適化する。同様にデッドタイムコントローラ414は、τAC1の長さに応じたセンス電圧Vsにもとづいて、制御遅延TdAC1を最適化し、τAC2の長さに応じたセンス電圧Vsにもとづいて、制御遅延TdAC2を最適化する。
【0086】
実施例4によれば、部品点数および制御回路410Aのピン数を減らすことができる。
【0087】
(実施形態2)
図14は、実施形態2に係るスイッチング回路200の回路図である。実施形態1では、2つの制御パルスSp1,Sp2のエッジ間の遅延時間を最適化したのに対して、実施形態2では、ゲートドライバの遅延時間Tdを制御することにより、デッドタイムτを最適化する。
【0088】
スイッチング回路200は、主回路110、デッドタイムコントローラ120、コントローラ130、ゲートドライバ140_1、ゲートドライバ140_2を備える。ゲートドライバ140_1、ゲートドライバ140_2の少なくとも一方は、遅延時間Tdが可変に構成されている。
【0089】
たとえばゲートドライバ140_1は、制御パルスSp1のポジティブエッジに対する遅延時間と、制御パルスSp1のネガティブエッジに対する遅延時間と、が個別に制御可能であってもよい。同様にゲートドライバ140_2は、制御パルスSp2のポジティブエッジに対する遅延時間と、制御パルスSp2のネガティブエッジに対する遅延時間と、が個別に制御可能であってもよい。
【0090】
以上がスイッチング回路200の構成である。このスイッチング回路200によれば、ゲートドライバの遅延時間を制御することにより、デッドタイムτを最適化することができる。
【0091】
(実施形態3)
図15は、実施形態3に係るゲートドライバ回路500を備えるスイッチング回路200の回路図である。ゲートドライバ回路500は、デッドタイムコントローラ510、パルス生成部520、第1ゲートドライバ530_1、第2ゲートドライバ530_2を備える。
【0092】
スイッチングコントローラ130は、パルス幅変調器を含み、第1トランジスタM1および第2トランジスタM2のデューティサイクルDonを示す制御信号を生成し、ゲートドライバ回路500に供給する。この制御信号は、パルス信号であってもよいし、デジタル値であってもよいし、アナログ信号であってもよい。
【0093】
パルス生成部520は、スイッチングコントローラ130からの制御信号に応じたデューティサイクルを有する第1制御パルスSp1および第2制御パルスSp2を生成する。
【0094】
デッドタイムコントローラ510は、キャパシタCsの両端間のセンス電圧Vsに応じて、第1制御パルスSp1と第2制御パルスSp2の隣接するエッジ間の遅延時間を制御する。
【0095】
第1ゲートドライバ530_1は、第1制御パルスSp1に応じて第1トランジスタM1を駆動する。第2ゲートドライバ530_2は、第2制御パルスSp2に応じて第2トランジスタM2を駆動する。
【0096】
以上、本発明について、実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0097】
スイッチング電源のトポロジーは、実施形態で説明したそれに限定されない。図16(a)~(f)は、スイッチング電源のバリエーションを示す図である。
【0098】
図16(a)は、降圧コンバータであり、これについては、実施例2で説明した。なお、実施形態2あるいは実施形態3のアーキテクチャを、この降圧コンバータに適用してもよい。この場合、トランジスタA,Bの接続ノードをスイッチングノードとして、トランジスタA,Bのゲートドライバの遅延時間を変化させてもよい。
【0099】
図16(b)はフォワードコンバータであり、これについては実施例1で説明した。実施例1では、トランジスタA,D間のデッドタイムの制御を説明したが、それに代えて、あるいはそれに加えて、トランジスタA,Cの間のデッドタイム(制御遅延TAC)を制御してもよい。実施形態2あるいは実施形態3のアーキテクチャをこのフォワードコンバータに適用してもよい。
【0100】
図16(c)はハーフブリッジコンバータであり、実施例3、実施例4で説明した。実施形態2あるいは実施形態3のアーキテクチャを、このハーフブリッジコンバータに適用してもよい。
【0101】
図16(d)はフルブリッジブリッジコンバータである。このフルブリッジコンバータは、ハーフブリッジコンバータと2次側の構成は共通である。1次側は、トランジスタペアA1,A2が同時にオンとなり、トランジスタペアB1,B2のペアが同時にオンとなるように制御される。
【0102】
したがってデッドタイムの最適化は、実施例3あるいは実施例4のハーフブリッジコンバータと同様に行うことができる。具体的には、トランジスタAの動作を、トランジスタペアA1,A2と読み替え、トランジスタBの動作を、トランジスタペアB1,B2と読み替えればよい。最適化には、実施形態1のアーキテクチャと実施形態2のアーキテクチャのどちらを用いてもよい。
【0103】
図15(e)は、カレントダブラ同期整流器である。この構成では、トランジスタAとCのペアが相補的に動作し、それらの間の制御遅延TdACを、トランジスタCのドレインをスイッチング端子として最適化することができる。またトランジスタBとDのペアが相補的に動作し、それらの間の制御遅延TdBDを、トランジスタDのドレインをスイッチング端子として最適化することができる。
【0104】
図15(f)は、二次側フルブリッジ同期整流器である。1次側のフルブリッジ回路においては、トランジスタペアAとCが同時にオン、オフし、トランジスタペアBとDが同時にオン、オフする。また2次側のフルブリッジ回路においては、トランジスタペアEとGが同時にオン、オフし、トランジスタペアFとHが同時にオン、オフする。この構成では、トランジスタEのドレインをスイッチングノードNsw1として、そのスイッチング電圧Vsw1に応じたセンス電圧Vs1にもとづいて、トランジスタペアA,Cと、トランジスタペアE,G間の制御遅延(デッドタイム)TdAEを最適化することができる。また、トランジスタHのドレインをスイッチングノードNsw2として、そのスイッチング電圧Vsw2に応じたセンス電圧Vs2にもとづいて、トランジスタペアB,Dと、トランジスタペアF,H間の制御遅延TdBF(デッドタイム)を最適化することができる。
【0105】
あるいは図15(f)において、2次側フルブリッジ回路と2次側のインダクタの接続ノードをスイッチングノードNswとして、その電圧にもとづいて、制御遅延TdAE,TdBFを最適化してもよい。
【0106】
スイッチング回路は、電源のほか、モータ駆動回路などさまざまな用途で使用されており、本発明は電源以外の用途にも適用可能である。
【0107】
実施形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、スイッチング回路に関する。
【符号の説明】
【0109】
100 スイッチング回路
M1 第1トランジスタ
M2 第2トランジスタ
Cs キャパシタ
Ds 整流素子
110 主回路
120 デッドタイムコントローラ
122 放電回路
130 スイッチングコントローラ
140,142 ゲートドライバ
200 スイッチング回路
300 スイッチング電源
310 制御回路
320 デッドタイムコントローラ
330 スイッチングコントローラ
340 ゲートドライバ
図1
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