(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】毛髪洗浄キット及び毛髪の洗浄方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/86 20060101AFI20241218BHJP
A61K 8/33 20060101ALI20241218BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20241218BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20241218BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
A61K8/86
A61K8/33
A61K8/73
A61K8/81
A61Q5/02
(21)【出願番号】P 2022535695
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(86)【国際出願番号】 IB2020061796
(87)【国際公開番号】W WO2021116986
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-09-21
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002620
【氏名又は名称】弁理士法人大谷特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン ユンチェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン シュフェン
(72)【発明者】
【氏名】福原 智佳子
【審査官】中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-508789(JP,A)
【文献】特開2012-1512(JP,A)
【文献】特開2015-168666(JP,A)
【文献】特開2018-177652(JP,A)
【文献】特開2017-66114(JP,A)
【文献】特開2014-37403(JP,A)
【文献】特開2014-131988(JP,A)
【文献】特開2014-40569(JP,A)
【文献】特開2013-155143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
Science Direct
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡吐出容器、及び
以下の成分(A)~(C)と、成分(D-1)及び成分(D-2)からなる群より選択される1種以上とを含
み、成分(C)の含有量が当該毛髪洗浄剤組成物全体に対して0.1質量%以上3質量%以下であり、成分(B)の含有量に対する成分(C)の含有量の質量割合((C)/(B))が2以上50以下であり、泡吐出容器に充填し使用される毛髪洗浄剤組成物
を含む、
毛髪洗浄キット。
成分(A) アニオン性界面活性剤を含む界面活性剤
成分(B) カチオン化ポリマー
成分(C) ジアルキルエーテル
成分(D-1) 下記一般式(5)で表される化合物
R
a-O-(AlkO)
m-R
b(5)
〔上記一般式(5)中、R
aは炭素数8以上10以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、AlkOは炭素数2以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレンオキシ基を示し、mはアルキレンオキシ基の数であり、平均0.5以上3.5以下の数を示し、R
bは水素原子又はメチル基を示す。〕
成分(D-2) ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル
【請求項2】
毛髪洗浄剤組成物が補充パッケージ用又は当該泡吐出容器に充填されるものである、請求項
1に記載の毛髪洗浄キット。
【請求項3】
泡吐出容器がノンガス型の泡吐出容器である、請求項1又は2に記載の毛髪洗浄キット。
【請求項4】
毛髪洗浄剤組成物に更に成分(E-1)としてポリプロピレングリコールを含む、請求項1
~3のいずれかに記載の
毛髪洗浄キット。
【請求項5】
当該毛髪洗浄剤組成物中の前記成分(A)の含有量が、当該毛髪洗浄剤組成物全体に対して5質量%以上25質量%以下である、請求項1
~4のいずれかに記載の
毛髪洗浄キット。
【請求項6】
前記成分(A)が更にカチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤からなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含む、請求項1~
5のいずれか1項に記載の
毛髪洗浄キット。
【請求項7】
当該毛髪洗浄剤組成物中の前記成分(B)の含有量が、当該毛髪洗浄剤組成物全体に対して0.01質量%以上1質量%以下である、請求項1~
6のいずれか1項に記載の
毛髪洗浄キット。
【請求項8】
当該毛髪洗浄剤組成物中の前記成分(B)の含有量が、当該毛髪洗浄剤組成物全体に対して0.03質量%以上0.25質量%以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の毛髪洗浄キット。
【請求項9】
前記成分(B)が、カチオン化グァーガム、PPG-2 ヒドロキシプロピルトリモニウムセルロース、カチオン化ガラクトマンナン、カチオン化デンプン、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-22およびポリクオタニウム-52からなる群より選択される1種以上のカチオン化ポリマーを含む、請求項1~
8のいずれか1項に記載の
毛髪洗浄キット。
【請求項10】
上記成分(C)は、下記の一般式(4)で表されるものである、請求項1~
9のいずれか1項に記載の
毛髪洗浄キット。
R
4-O-R
5 (4)
〔上記一般式(4)中、R
4及びR
5は同じでも異なってもよく、それぞれ独立に、炭素数3以上18以下の直鎖または分岐のアルキル基を示す。〕
【請求項11】
毛髪洗浄剤組成物中の成分(A)の含有量に対するアニオン性界面活性剤の含有量の質量割合((アニオン性界面活性剤)/(A))が、0.25以上1以下である、請求項1~
10のいずれか1項に記載の
毛髪洗浄キット。
【請求項12】
前記成分(A)が更にノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤を含む、請求項1~
10のいずれか1項に記載の
毛髪洗浄キット。
【請求項13】
毛髪洗浄剤組成物中の成分(B)の含有量に対する成分(C)の含有量の質量割合((C)/(B))が3以上30以下である、請求項1~12のいずれか1項に記載の毛髪洗浄キット。
【請求項14】
請求項1~
13いずれか一項に記載の
毛髪洗浄キットにおいて、毛髪洗浄剤組成物を泡吐出容器から吐出して毛髪に適用し、洗い流すことを含む、毛髪の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪洗浄剤組成物、そのキットおよびそれを用いた毛髪の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪洗浄剤組成物を泡状にして毛髪に適用することにより、塗布時に毛髪全体に広げやすく、毛髪になじませ易くすることができる。したがって、近年、泡吐出容器に充填して用いる毛髪洗浄剤が開発されている。
例えば、特許文献1には、特定のアミドアミン型両性界面活性剤および特定のカチオン化セルロースを含有する泡吐出容器に充填して用いる頭髪洗浄剤組成物が記載されている。
特許文献2には、アニオン性界面活性剤、カチオン化ポリマー、及びポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルを含有する泡吐出容器に充填して用いる毛髪洗浄剤組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-155143号公報
【文献】特開2018-177652号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明は、以下の成分(A)~(C)と、成分(D-1)及び成分(D-2)からなる群より選択される1種以上とを含む、毛髪洗浄剤組成物を提供するものである。
成分(A) アニオン性界面活性剤を含む界面活性剤
成分(B) カチオン化ポリマー
成分(C) ジアルキルエーテル
成分(D-1) 下記一般式(5)で表される化合物
Ra-O-(AlkO)m-Rb(5)
〔上記一般式(5)中、Raは炭素数8以上10以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、AlkOは炭素数2以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレンオキシ基を示し、mはアルキレンオキシ基の数であり、平均0.5以上3.5以下の数を示し、Rbは水素原子又はメチル基を示す。〕
成分(D-2) ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル
【0005】
また、本発明は、泡吐出容器及び上記本発明の毛髪洗浄剤組成物を含む毛髪洗浄キットを提供するものである。
【0006】
さらに、本発明は、上記本発明における毛髪洗浄剤組成物を毛髪に適用し、泡立てるまたはすすぐことを含む、毛髪の洗浄方法を提供するものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1および特許文献2に示す組成物は、泡吐出容器に応用できるが、これらの組成物では低温下(特に5℃までの低温)の粘度、性質はまだまだ改善の余地があった。例えば、特許文献1および特許文献2に示す組成物は、低温時に良好な保存安定性を示すが、一部の組成物の態様では、低温時の粘度が高すぎるため、泡吐出容器から泡を吐出しにくいという問題があり、また、低温時の泡質はまだまだ改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者の研究の結果、アニオン性界面活性剤およびカチオン化ポリマーを含む毛髪洗浄剤組成物中に、ジアルキルエーテルと、下記一般式(5)で表される化合物及びポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルからなる群より選択される1種以上の化合物とを添加することで、上記課題を解決し得るとともに、泡立て時またはすすぎ時でも毛髪に十分な滑らかさを付与できることを見出した。
Ra-O-(AlkO)m-Rb(5)
〔上記一般式(5)中、Raは炭素数8以上10以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、AlkOは炭素数2以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレンオキシ基を示し、mはアルキレンオキシ基の数であり、平均0.5以上3.5以下の数を示し、Rbは水素原子又はメチル基を示す。〕
【発明の効果】
【0009】
本発明の毛髪洗浄剤組成物によれば、低温時(例えば、5℃)でもより低粘度であり、低温時の泡の吐出性を改善できるため、低温環境下の使用者の操作便利性を向上できる。また、本発明の毛髪洗浄剤組成物は、低温時でも泡量および泡質が良好であり、泡立て時またはすすぎ時でも毛髪に十分な滑らかさを付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳しく説明する。
【0011】
本実施形態における毛髪洗浄剤組成物は、以下の成分(A)~(C)と、成分(D-1)及び成分(D-2)からなる群より選択される1種以上とを含む。
成分(A) アニオン性界面活性剤を含む界面活性剤
成分(B) カチオン化ポリマー
成分(C) ジアルキルエーテル
成分(D-1) 下記一般式(5)で表される化合物
Ra-O-(AlkO)m-Rb(5)
〔上記一般式(5)中、Raは炭素数8以上10以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、AlkOは炭素数2以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレンオキシ基を示し、mはアルキレンオキシ基の数であり、平均0.5以上3.5以下の数を示し、Rbは水素原子又はメチル基を示す。〕
成分(D-2) ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル
【0012】
(成分(A))
成分(A)は少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含む界面活性剤である。アニオン性界面活性剤のほか、成分(A)として添加できる界面活性剤の具体例として、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。ここでは、アニオン性界面活性剤を単独で用いてもよく、又は上記の例に挙げられる界面活性剤における1種類以上をアニオン性界面活性剤と併用してもよい。
【0013】
成分(A)の総含有量は、組成物の低温吐出時の泡質を向上させる観点、洗髪時の良好な泡立ち(泡量)を付与する観点ならびに泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、毛髪洗浄剤組成物全体に対して例えば5質量%以上であり、好ましくは6質量%以上、より好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上、さらにより好ましくは9質量%以上、殊更好ましくは11質量%以上である。また、同様の観点から、例えば25質量%以下、好ましくは22質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは19質量%以下であり、さらにより好ましくは17質量%以下、殊更好ましくは15質量%以下である。
より具体的には、上記の観点から、例えば5質量%以上25質量%以下、好ましくは6質量%以上22質量%以下、より好ましくは7質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは8質量%以上19質量%以下、さらにより好ましくは9質量%以上17質量%以下、さらにより好ましくは11質量%以上15質量%以下である。
【0014】
(アニオン性界面活性剤)
アニオン性界面活性剤は、毛髪洗浄剤組成物に用いられるものであればよく、その具体例として、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩等の硫酸塩型アニオン性界面活性剤;スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、アルカンスルホン酸塩等のスルホン酸型アニオン性界面活性剤;高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸またはその塩等のカルボン酸型アニオン性界面活性剤が挙げられる。これらは単独で用いても2種類以上併用してもよい。
【0015】
中でも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩が好ましく、中でも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩としては、下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
【0016】
R1O(CH2CH2O)aSO3M (1)
〔上記一般式(1)中、R1は炭素数8以上18以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミンまたは塩基性アミノ酸を示し、aはエチレンオキシドの平均付加モル数であり、質量平均で0.5以上5以下の数を示す。〕
【0017】
これらの中でも、すばやい泡立ちと良好な泡の感触を両立する観点から、一般式(1)中のR1が炭素数12以上14以下の直鎖のアルキル基であるものが好ましい。また、エチレンオキシド(EO)の平均付加モル数aは、0.9以上4以下であるのが好ましく、1以上3以下であるのがより好ましい。さらに、Mがアンモニウムまたはナトリウムであるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましく、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウムがより好ましい。
【0018】
また、アニオン性界面活性剤がカルボン酸型アニオン性界面活性剤を含むとき、カルボン酸型アニオン性界面活性剤は、好ましくはポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩であり、より好ましくは下記一般式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルである。
【0019】
R3O-(CH2-CH2O)s-CH2COOX (2)
〔上記一般式(2)中、R3は炭素数10以上18以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミンまたは塩基性アミノ酸由来のカチオンを示し、sはエチレンオキシドの平均付加モル数であり、質量平均で0.5以上15以下の数を示す。〕
【0020】
これらの中でも、洗浄時の泡立ちを豊かにする観点から、一般式(2)中のR3が炭素数12以上16以下の直鎖のアルキル基であるものが好ましい。また、エチレンオキシド(EO)の平均付加モル数sは、1以上6以下であるのが好ましい。さらに、Xがアンモニウムまたはナトリウムであるポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩が好ましく、ラウレスカルボン酸アンモニウム、ラウレスカルボン酸ナトリウムがより好ましい。
また、アニオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩と前述のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩とを含むことも好ましい。
【0021】
毛髪洗浄剤組成物中のアニオン性界面活性剤の含有量は、泡立ちをさらにより向上させる観点から、毛髪洗浄剤組成物全体に対して、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは6質量%以上、さらにより好ましくは7質量%以上、殊更好ましくは8質量%以上である。また、泡質の向上、泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、毛髪洗浄剤組成物全体に対するアニオン性界面活性剤の含有量は、好ましくは25質量%以下、より好ましくは22質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下、さらにより好ましくは19質量%以下、殊更好ましくは17質量%以下、殊更好ましくは15質量%以下であり、殊更好ましくは13質量%以下であり、殊更好ましくは12質量%以下である。
より具体的には、上記の観点から、例えば5質量%以上25質量%以下、好ましくは6質量%以上22質量%以下、より好ましくは7質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは8質量%以上19質量%以下、さらにより好ましくは8質量%以上17質量%以下、さらにより好ましくは8質量%以上15質量%以下、さらにより好ましくは8質量%以上13質量%以下、さらにより好ましくは8質量%以上12質量%以下である。
【0022】
また、毛髪洗浄剤組成物中の成分(A)の含有量に対するアニオン性界面活性剤の含有量の質量割合((アニオン性界面活性剤)/(A))は、洗浄効果を向上させる観点から、好ましくは0.25以上であり、より好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.5以上である。また、同様の観点から、好ましくは1以下であり、より好ましくは0.9以下、さらに好ましくは0.8以下である。
より具体的には、上記の観点から、例えば0.25以上1以下、好ましくは0.3以上0.9以下、より好ましくは0.5以上0.8以下である。
【0023】
(カチオン性界面活性剤)
本発明の毛髪洗浄剤組成物において、必要に応じてカチオン性界面活性剤を用いることができ、その具体例として、第3級アミン化合物またはその塩および第4級アンモニウム塩が挙げられる。より具体的には、特開2017-019748号公報に記載のカチオン性界面活性剤を用いることができる。これらは単独で用いても2種類以上併用してもよい。
【0024】
カチオン性界面活性剤を添加する場合、毛髪洗浄剤組成物中のカチオン性界面活性剤の含有量は、泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、毛髪洗浄剤組成物全体に対して好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、さらにより好ましくは0.3質量%以上である。また、同様の観点から、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.7質量%以下である。
より具体的には、上記の観点から、例えば0.05質量%以上2質量%以下、好ましくは0.1質量%以上1質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上0.7質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以上0.7質量%以下である。
【0025】
(ノニオン性界面活性剤)
成分(A)は、必要に応じてノニオン性界面活性剤を更に含むことができる。ノニオン性界面活性剤を添加することで、洗浄効果を向上できる。
ノニオン性界面活性剤は、毛髪洗浄剤組成物に用いられるものであればよく、その具体例として、アルキルポリグリコシド;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;グリセリン脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の(ポリ)エチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、イソデシルグリセリルエーテル等のモノアルキルグリセリルエーテル;モノアルケニルグリセリルエーテル;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N-メチルモノエタノールアミド等の脂肪酸モノアルカノールアミド等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤におけるアルキル基は直鎖であってもよいし分岐であってもよい。これらは単独で用いても2種類以上併用してもよい。
【0026】
これらの中でも下記の一般式(3)で表される化合物を含む化合物を含むノニオン性界面活性剤が、良好な泡立ちを得る観点から好ましい。
R2-O-(CH2CH2-O)n-H (3)
〔上記一般式(3)中、R2は炭素数12~24の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基を示し、nは1~50の数を示す。〕
これらの中でも、一般式(3)中のR2が炭素数12以上20以下の直鎖のアルキル基であるものが好ましい。また、nは、1以上25以下であるのが好ましい。
【0027】
ノニオン性界面活性剤を添加する場合、毛髪洗浄剤組成物中のノニオン性界面活性剤の含有量は、組成物の低温(5℃)吐出時の泡質を向上させる観点、洗髪時の良好な泡立ち(泡量)を付与する観点ならびに泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、毛髪洗浄剤組成物全体に対して好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。また、同様の観点から、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
より具体的には、上記の観点から、例えば0.1質量%以上10質量%以下、好ましくは0.5質量%以上7質量%以下、より好ましくは1質量%以上5質量%以下である。
【0028】
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤は、毛髪洗浄剤組成物に用いられるものであればよく、ベタイン型界面活性剤、アミノ酸型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤、アミノキサイド型界面活性剤等が挙げられる。これらは単独で用いても2種類以上併用してもよい。
このうち、ベタイン型界面活性剤の具体例として、アルキルカルボベタイン等のカルボベタイン型界面活性剤;アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン(例えば、ラウリルヒドロキシスルタインなど)、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型界面活性剤;アルキルアミドアミン型ベタイン;アルキルイミダゾリン型ベタイン等が挙げられる。
このうち、泡質、泡立て時またはすすぎ時の使用感の点から、両性界面活性剤は、好ましくは炭素数8~18のアルキル基を有するアルキルアミドプロピルベタインまたはアルキルヒドロキシスルホベタインであり、より好ましくはアルキルヒドロキシスルホベタインであり、例えば、ラウリルヒドロキシスルホベタイン又はミリスチルヒドロキシスルホベタインであり、さらにより好ましくはラウリルヒドロキシスルホベタインである。
また、炭素数8~14のアルキル基を有するアルキルアミドプロピルベタインは、好ましくはラウラミドプロピルベタインである。
【0029】
毛髪洗浄剤組成物中の両性界面活性剤の含有量は、泡立ちを向上させる観点、泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、毛髪洗浄剤組成物全体に対して好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、同様の観点から、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
より具体的には、上記の観点から、例えば0.1質量%以上10質量%以下、好ましくは0.2質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上4質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上3質量%以下、さらにより好ましくは0.5質量%以上2質量%以下である。
【0030】
(成分(B))
成分(B)は、カチオン化ポリマーである。カチオン化ポリマーは、四級アンモニウムなどを有するカチオン基、又はイオン化でカチオン基になる基(例えば、一級、二級又は三級アンモニウム基)を含有するポリマーである。
【0031】
カチオン化ポリマーの具体例として、カチオン化グァーガム(例えば、ソルベイ社製のジャガーC14、ジャガーC17やジャガーExcel)、カチオン化タラガム(例えば、東邦化学社製のカチナールCTR-100)、カチオン化ローカストビーンガム(ローカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;例えば、東邦化学社製のカチナールCLB-100)、カチオン化フェヌグリークガム(例えば、東邦化学社製のカチナールCF-100)等のカチオン化ガラクトマンナンのほか、カチオン化キサンタンガム、カチオン化セルロース(例えば、PPG-2 ヒドロキシプロピルトリモニウムセルロース、ポリクオタニウム-10(例えば、花王社製のポイズC-60H、ポイズC-80M、ポイズC-150L))、カチオン化デンプン、ジアリルジメチル四級アンモニウム塩のホモポリマー(ポリクオタニウム-6;例えば、ルーブリゾール社製のマーコート100)、ジアリルジメチル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物(ポリクオタニウム-7;例えば、ルーブリゾール社製のマーコート550、マーコート740、マーコート2200)、ジアリルジメチル四級アンモニウム塩/アクリル酸共重合物(ポリクオタニウム-22;例えば、ルーブリゾール社製のマーコート280)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体(ポリクオタニウム-52;例えば、花王社製のソフケアKG-101E、ソフケアKG-301W)、四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体(ポリクオタニウム-4;例えば、アクゾノーベル社製のセルコートL200)、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(ポリクオタニウム-11;例えば、アシュランド社製のガフカット755)、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体(例えば、アシュランド社製のコポリマー845、937、958)、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体(アシュランド社製のガフカットHS-100)、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体(米国サンドス社製カルタレチン)、特開昭53-139734号公報、特開昭60-36407号公報に記載されているカチオン化ポリマー等が挙げられる。
【0032】
中でも、洗髪時の良好な泡立ち(泡量)および良好な泡質を付与する観点ならびに泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、成分(B)が、カチオン化グァーガム、PPG-2 ヒドロキシプロピルトリモニウムセルロース、カチオン化ガラクトマンナン、カチオン化デンプン、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-22およびポリクオタニウム-52からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。更に、成分(B)は、カチオン化グァーガム、PPG-2 ヒドロキシプロピルトリモニウムセルロース、カチオン化ガラクトマンナン、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10およびポリクオタニウム-22からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。これら成分(B)は、いずれかを単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0033】
毛髪洗浄剤組成物中の成分(B)の含有量は、洗髪時の良好な泡質を付与する観点、泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、毛髪洗浄剤組成物全体に対して好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.015質量%以上、さらに好ましくは0.03質量%以上である。また、吐出時の泡質を向上させる観点から、好ましくは1.0質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.7質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.30質量%以下、さらに好ましくは0.25質量%以下である。
より具体的には、上記の観点から、例えば0.01質量%以上1.0質量%以下、好ましくは0.015質量%以上0.8質量%以下、より好ましくは0.03質量%以上0.7質量%以下、さらに好ましくは0.03質量%以上0.5質量%以下、さらにより好ましくは0.03質量%以上0.30質量%以下、さらにより好ましくは0.03質量%以上0.25質量%以下である。
【0034】
(成分(C))
成分(C)はジアルキルエーテルである。本発明者は、毛髪洗浄剤組成物中にジアルキルエーテル(以下、成分(C)とも称す)を添加することで、毛髪洗浄剤組成物の低温時の粘度の大幅な上昇を避けることができ、それにより、泡吐出容器から泡を吐出させやすく、操作便利性を大幅に向上でき、また、良好な低温時の泡質を得られるとともに、泡立て時またはすすぎ時でも毛髪に十分な滑らかさを付与できることを見出した。
成分(C)は、下記の一般式(4)で表されるものである。
R4-O-R5 (4)
〔上記一般式(4)中、R4及びR5は同じでも異なってもよく、それぞれ独立に、炭素数3以上18以下の直鎖または分岐のアルキル基を示し、例えば、炭素数3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18の直鎖または分岐のアルキル基を示し、例えば、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基又はデシル基であるが、これらの例示に限定されない。〕
上記一般式(4)中、R4及びR5は独立に、炭素数5以上14以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数6以上10以下のアルキル基であることがより好ましい。
【0035】
毛髪洗浄剤組成物中の成分(C)の含有量は、毛髪洗浄剤の粘度をさらに低下させるとともに、低温吐出時の泡質を向上させる観点から、毛髪洗浄剤組成物全体に対して好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。また、同様の観点から、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
より具体的には、上記の観点から、例えば0.01質量%以上5質量%以下、好ましくは0.05質量%以上4質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上3質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上2質量%以下、さらにより好ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。
【0036】
また、毛髪洗浄剤組成物中の成分(B)の含有量に対する成分(C)の含有量の質量割合((C)/(B))は、組成物の低温吐出時の泡質を向上させる観点、洗髪時の良好な泡立ち(泡量)を付与する観点、泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、例えば2以上であり、好ましくは3以上、より好ましくは5以上ある。また、同様の観点から、好ましくは50以下であり、より好ましくは30以下、さらに好ましくは25以下である。
より具体的には、上記の観点から、例えば2以上50以下、好ましくは3以上30以下、より好ましくは5以上25以下である。
【0037】
(成分(D-1))
成分(D-1)は、下記一般式(5)で表される化合物である。
Ra-O-(AlkO)m-Rb(5)
上記一般式(5)中、Raは炭素数8以上10以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、AlkOは炭素数2以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレンオキシ基(例えば、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2CH2CH2CH2O-又は-CH2CH(CH3)O-)を示し、mはアルキレンオキシ基の数であり、平均0.5以上3.5以下の数を示し、Rbは水素原子又はメチル基を示す。
成分(D-1)としては、例えば、PPG-3 カプリリルエーテルが挙げられる。成分(D-1)の含有量は、泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、毛髪洗浄剤組成物全体に対し、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。また、同様の観点から、3質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましい。
より具体的には、上記の観点から、例えば0.05質量%以上3質量%以下、好ましくは0.1質量%以上1.5質量%以下である。
【0038】
(成分(D-2))
成分(D-2)は、ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルであり、ここでは、2分子以上のグリセリンと2分子以上のプロピレンオキシド(又はプロピレングリコール)との縮合物を示し、更には、2分子以上のグリセリンが縮合したポリグリセリンと、2分子以上のプロピレンオキシド(又はプロピレングリコール)の縮合物である。
【0039】
成分(D-2)中のグリセリンの重合度は、毛髪洗浄剤組成物の粘度を低下させる観点および洗髪時の良好な泡質を得る観点、泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、2以上であり、好ましくは2以上10以下、より好ましくは2以上5以下、さらに好ましくは2以上3以下、さらにより好ましくは2である。
【0040】
また、成分(D-2)におけるプロピレンオキシドの付加モル数は、洗髪時の良好な泡質の付与、泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、好ましくは3以上であり、より好ましくは5以上、さらに好ましくは7以上、さらにより好ましくは9以上であり、また、好ましくは24以下であり、より好ましくは20以下、さらに好ましくは15以下、さらにより好ましくは14以下である。
より具体的には、上記の観点から、例えば3%以上24以下、好ましくは5以上20以下、より好ましくは7以上15以下、さらに好ましくは9以上14以下である。
プロピレングリコールを使用する場合、成分(D-2)におけるプロピレングリコールの付加モル数は、好ましくは3以上24以下であり、より好ましくは3以上20以下、さらに好ましくは5以上15以下、さらにより好ましくは7以上14以下、殊更好ましくは8以上13以下である。
【0041】
成分(D-2)として用いることができる市販品の例として、日油社製のポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルであるユニルーブ DGP-700(PPG-9ジグリセリル)、ユニルーブ DGP-700F(PPG-9ジグリセリル)、ユニルーブ DGP-950(PPG-14ジグリセリル);阪本薬品工業社製のポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルであるSY-DP9(PPG-9ジグリセリル)、SY-DP14(PPG-14ポリグリセリル-2エーテル)、SY-DP14T(PPG-14ポリグリセリル-2エーテル);ならびに阪本薬品工業社製のポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルであるSC-P750(POP(9)ポリグリセリルエーテル)、SC-P1000(POP(14)ポリグリセリルエーテル)、SC-P1600(POP(24)ポリグリセリルエーテル)が挙げられる。これらは単独で用いても2種類以上併用してもよい。
【0042】
毛髪洗浄剤組成物中の成分(D-2)の含有量は、必要に応じて調整することができる。たとえば、より良い効果を得るために、成分(B)の種類および含有量等の因子に応じて調整することができる。洗髪時の良好な泡立ち(泡量)および良好な泡質を付与する観点ならびに泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、例えば0.01質量%以上であり、好ましくは0.025質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.075質量%以上、さらにより好ましくは0.1質量%以上、さらにより好ましくは0.2質量%以上である。また、同様の観点から、例えば10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、さらにより好ましくは2質量%以下、さらにより好ましくは1.0質量%以下、さらにより好ましくは0.75質量%以下、さらにより好ましくは0.6質量%以下である。
より具体的には、上記の観点から、例えば0.01質量%以上10質量%以下、好ましくは0.025質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上4質量%以下、さらに好ましくは0.075質量%以上3質量%以下、さらにより好ましくは0.1質量%以上2質量%以下、さらにより好ましくは0.2質量%以上1.0質量%以下、さらにより好ましくは0.2質量%以上0.75質量%以下、さらにより好ましくは0.2質量%以上0.6質量%以下である。
【0043】
(水性媒体)
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、水性媒体を含有する。水性媒体としては、水;エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;1,3-ブチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の炭素数6以下の低分子ジオール及びトリオール、並びにこれらの混合物が挙げられ、水が好ましい。水としては、水道水、脱イオン水、蒸留水等を用いることができる。毛髪洗浄剤組成物中の水性媒体の含有量は、毛髪洗浄剤組成物全体に対し、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。また、同様の観点から、95質量%以下が好ましく、92質量%以下がより好ましい。
【0044】
(他の成分(E))
本実施形態における毛髪洗浄剤組成物は、前述した成分(A)、(B)、(C)、(D-1)、(D-2)及び水性媒体のほか、本発明が属する技術の分野における常用のその他の成分(E)をさらに含んでもよい。
以下、本実施形態における毛髪洗浄剤組成物に用いられるその他の成分(E)をいくつか挙げて説明するが、本発明のその他の成分(E)はこれに限定されない。
【0045】
(成分(E-1))
毛髪洗浄剤組成物は、更に成分(E-1)としてポリプロピレングリコール(PPG)を含有し得る。成分(E-1)は、ここでは、3分子以上のプロピレングリコールの重合体を示す。
【0046】
成分(E-1)におけるプロピレングリコールの重合度は、洗髪時の良好な泡立ち(泡量)および良好な泡質を付与する観点ならびに泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、3以上であり、好ましくは5以上、さらに好ましくは7以上であり、また、好ましくは30以下であり、より好ましくは26以下、さらに好ましくは20以下、さらにより好ましくは17以下である。また、同様の観点から、プロピレングリコールの重合度は好ましくは3以上30以下であり、より好ましくは重合度が5以上26以下、さらに好ましくは重合度が6以上20以下である。
【0047】
成分(E-1)のポリプロピレングリコールの具体例として、PPG-3、PPG-7、PPG-9、PPG-17およびPPG-61が挙げられる。これらは単独で用いても2種類以上併用してもよい。
【0048】
毛髪洗浄剤組成物中の成分(E-1)の含有量は、必要に応じて調整することができる。たとえば、より良い効果を得るために、成分(A)の種類および含有量等の因子に応じて調整することができる。洗髪時の良好な泡立ち(泡量)および良好な泡質を付与する観点ならびに泡立て時またはすすぎ時の毛髪への滑らかさ付与の観点から、例えば0.01質量%以上であり、好ましくは0.025質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.075質量%以上、さらにより好ましくは0.10質量%以上である。また、同様の観点から、例えば5質量%以下であり、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、さらにより好ましくは1質量%以下である。
より具体的には、上記の観点から、例えば0.01質量%以上5質量%以下、好ましくは0.025質量%以上4質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上3質量%以下、さらに好ましくは0.075質量%以上2質量%以下、さらにより好ましくは0.10質量%以上1質量%以下である。
【0049】
(成分(E-2))
また、本実施形態における毛髪洗浄剤組成物には、pH値を所望の範囲に調整させるために、pH調整剤(成分(E-2))を添加してもよい。pH調整剤の具体例として、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸等の有機カルボン酸が挙げられる。また、他のpH調整剤として、これら有機酸と合わせて、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化アンモニウム等の塩基を用いてもよい。
【0050】
(成分(E-3))
また、本実施形態における毛髪洗浄剤組成物には、洗浄性能の向上、乾燥後の毛髪の仕上がりの向上等について所望の効果を得るために、さらに、油剤(成分(E-3))を含有させてもよく、油剤の具体例として、ラウリン酸等の脂肪酸、シリコーン類が挙げられる。
【0051】
(上記成分以外の成分(E))
本実施形態の毛髪洗浄剤組成物においては、上記成分のほか、通常の毛髪洗浄剤組成物に用いられる成分を所望の効果に応じて適宜配合できる。このような任意成分としては、例えば、抗フケ剤;ビタミン剤;殺菌剤;グリチルリチン酸ジカリウム等のグリチルリチン酸およびその塩、グリチルレチン酸およびその塩等の抗炎症剤;安息香酸およびその塩等の防腐剤;キレート剤;ソルビトール、パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ユーカリの極性溶媒抽出物等のユーカリエキス、コンキオリンまたはその加水分解物、蜂蜜、ローヤルゼリー、シルクから得られる蛋白質またはその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、アロエ抽出物、ハス抽出物、ザクロ抽出物、ノバラ抽出物、カモミラ抽出物、カンゾウ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;酸化チタン等のパール化剤;香料;紫外線吸収剤;酸化防止剤;シアバター;ローズ水;ヒマワリ油;オレンジ油;ユーカリ油等が挙げられる。
【0052】
次に、毛髪洗浄剤組成物のpHについて説明する。
本実施形態において、pHは、毛髪洗浄剤組成物の25℃における測定値である。
毛髪洗浄剤組成物の洗髪時の泡立ちや汚れ落ち性能を向上させる観点から、本実施形態の毛髪洗浄剤組成物のpHは例えば7以下、好ましくは6.5以下、より好ましくは6以下である。また、同様の観点から、上記pHが、好ましくは2.5以上であり、より好ましくは3以上であり、さらに好ましくは3.5以上である。
より具体的には、上記の観点から、例えば2.5以上7以下、好ましくは3以上6.5以下、より好ましくは3.5以上6以下である。
【0053】
また、本実施形態における毛髪洗浄剤組成物は好ましくは液状の組成物である。このとき、毛髪洗浄剤組成物の5℃における粘度は、前述の成分の量ならびに比率、ならびに用いる泡吐出容器の構造や機構にもよるが、毛髪へ塗布しやすい泡質とする観点から、好ましくは1mPa・s以上であり、より好ましくは2mPa・s以上、さらに好ましくは3mPa・s以上であり、また、ノンガス型の泡吐出容器に充填して用いられる際の吐出性を向上させる観点から、好ましくは300mPa・s以下であり、より好ましくは250mPa・s以下、さらに好ましくは200mPa・s以下であり、さらに好ましくは50mPa・s以下である。
より具体的には、上記の観点から、例えば1mPa・s以上300mPa・s以下、好ましくは2mPa・s以上250mPa・s以下、より好ましくは3mPa・s以上200mPa・s以下、さらにより好ましくは3mPa・s以上50mPa・s以下である。
【0054】
(毛髪洗浄剤組成物の製造方法)
本発明の毛髪洗浄剤組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、成分(A)~(C)、成分(D-1)及び成分(D-2)からなる群より選択される1種以上および適宜他の成分を混合することで製造される。さらに具体的には、水を含む毛髪洗浄剤組成物は、成分(A)~(C)、成分(D-1)及び成分(D-2)からなる群より選択される1種以上および適宜他の成分を混合して水に溶解または分散することで製造される。
本発明のある実施態様では、50~100℃程度に加熱した水に、成分(A)、成分(B)、成分(C)、および成分(D-1)を加え撹拌し均一にした後、冷却しながら成分(D-2)および適宜その他の成分を加え撹拌し均一にして、室温まで冷却することにより得ることができる。
【0055】
(毛髪洗浄剤組成物の使用方法、及び毛髪洗浄剤組成物を含むキット)
本発明の毛髪洗浄剤組成物の使用方法は特に限定されない。例えば、本発明の毛髪洗浄剤組成物及び泡吐出容器を含むキットを提供し使用する。例えば、本発明の毛髪洗浄剤組成物を泡吐出容器に充填し使用されてもよく、又は本発明の毛髪洗浄剤組成物を補充パッケージとし、泡吐出容器とともに提供し使用されてもよい。
上記泡吐出容器は、好ましくはノンガス型の泡吐出容器に充填されて用いられる。
ノンガス型の泡吐出容器としては、空気と混合して泡として吐出できるものであればいずれのものでも用いることができるが、例えば、ポンプヘッドを押すことで、空気室のシリンダーと液体洗浄剤組成物のシリンダーが加圧されて、空気と液体洗浄剤組成物とが混合されて泡状となって吐出するポンプフォーマー容器や、押圧変形可能な容器の胴体部分を押すことで、容器が変形して吐出するスクイズフォーマー容器が挙げられ、これらの容器の毛髪洗浄剤組成物の吐出流路にメッシュ等の多孔質膜フィルターが設けられていることが好ましい。
ノンガス型の泡吐出容器の具体例として、吉野工業所社製、大和製罐社製のフォーマー容器が挙げられる。また、特開平7-315463号公報、特開平8-230961号公報、特開2005-193972号公報等に記載された泡吐出容器を使用することもできる。
【0056】
本実施形態における毛髪洗浄剤組成物を用いた毛髪の洗浄方法は、例えば、毛髪洗浄剤組成物を毛髪に適用し、洗い流すことを含む。また、本実施形態における毛髪洗浄剤組成物を用いた毛髪の洗浄方法は、好ましくは、毛髪洗浄剤組成物を泡吐出容器から吐出して毛髪に適用し、洗い流すことを含み、より好ましくは、泡吐出容器からから吐出した毛髪洗浄剤組成物を毛髪に適用し、適用した毛髪洗浄剤組成物を泡立てた後、洗い流すことを含む。毛髪洗浄剤組成物を泡状にして毛髪に塗布することにより、塗布時に毛髪全体に広げやすく、毛髪になじませ易くすることができる。
【0057】
本実施形態における毛髪洗浄剤組成物では、特定の成分(A)~(C)と、成分(D-1)及び成分(D-2)からなる群より選択される1種以上とを組み合わせて用いられているため、室温時(例えば、30℃)でも優れた泡の吐出性を有し、良質な泡を吐出できるとともに、低温時(5℃)でもより低い粘度であるため、良好な泡の吐出性を維持することができ、更に毛髪泡立て時またはすすぎ時に優れた滑らかさを得ることができる。
【0058】
さらに具体的には、本願発明によれば、5℃程度の低温下(例えば、寒冷地域の冬場浴室の環境)においても優れた泡の吐出性を有する毛髪洗浄剤組成物を得ることができる。また、吐出した泡の外観に優れた毛髪洗浄剤組成物が得られ、例えば吐出した泡をきめ細かく一様に均質なものとすることができる。
【0059】
また、本実施形態における毛髪洗浄剤組成物は、上述した良好の泡質及び泡の吐出性を担保しつつ、容器から吐出した泡を毛髪上に適用する時も優れた泡立ちを生じ、泡立て時またはすすぎ時でも毛髪に十分な滑らかさを付与できる毛髪洗浄剤組成物が得られることにより、例えば、洗髪時に使用者が良好な清潔感や、皮脂汚れの優れた洗浄効果及び毛髪の良好な滑らかさを実感することも可能となる。
【0060】
上述の実施形態に関し、本発明は泡吐出容器に充填して用いる毛髪洗浄剤組成物、キット及び毛髪洗浄方法を開示する。
<1>
以下の成分(A)~(C)と、成分(D-1)及び成分(D-2)からなる群より選択される1種以上とを含む、毛髪洗浄剤組成物。
成分(A) アニオン性界面活性剤を含む界面活性剤
成分(B) カチオン化ポリマー
成分(C) ジアルキルエーテル
成分(D-1) 下記一般式(5)で表される化合物
Ra-O-(AlkO)m-Rb(5)
〔上記一般式(5)中、Raは炭素数8以上10以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、AlkOは炭素数2以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレンオキシ基を示し、mはアルキレンオキシ基の数であり、平均0.5以上3.5以下の数を示し、Rbは水素原子又はメチル基を示す。〕
成分(D-2) ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル
<2>
更に成分(E-1)としてポリプロピレングリコールを含む、<1>に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<3>
当該毛髪洗浄剤組成物中の前記成分(A)の含有量が、当該毛髪洗浄剤組成物全体に対して5質量%以上25質量%以下である、<1>又は<2>に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<4>
前記成分(A)が更にカチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤からなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含む、<1>~<3>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<5>
当該毛髪洗浄剤組成物中の前記成分(B)の含有量が、当該毛髪洗浄剤組成物全体に対して0.01質量%以上1質量%以下である、<1>~<4>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<6>
前記成分(B)が、カチオン化グァーガム、PPG-2 ヒドロキシプロピルトリモニウムセルロース、カチオン化ガラクトマンナン、カチオン化デンプン、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-22およびポリクオタニウム-52からなる群より選択される1種以上のカチオン化ポリマーを含む、<1>~<5>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<7>
当該毛髪洗浄剤組成物中の前記成分(C)の含有量が、当該毛髪洗浄剤組成物全体に対して0.05質量%以上5質量%以下である、<1>~<6>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<8>
上記成分(C)は、下記の一般式(4)で表されるものである、<1>~<7>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
R4-O-R5 (4)
〔前記一般式(4)中、R4及びR5は同じでも異なってもよく、それぞれ独立に、炭素数3以上18以下の直鎖または分岐のアルキル基を示す。〕
<9>
前記成分(A)の含有量に対するアニオン性界面活性剤の含有量の質量割合((アニオン性界面活性剤)/(A))が、0.25以上1以下である、<1>~<8>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<10>
前記成分(A)が更にノニオン性界面活性剤および両性界面活性剤を含む、<1>~<9>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<11>
前記毛髪洗浄剤組成物全体に対して、前記成分(A)の総含有量が、好ましくは6質量%以上22質量%以下、より好ましくは7質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは8質量%以上19質量%以下、さらにより好ましくは9質量%以上17質量%以下、さらにより好ましくは11質量%以上15質量%以下である、<1>~<10>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<12>
前記成分(A)におけるアニオン性界面活性剤が、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩等の硫酸塩型アニオン性界面活性剤、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、アルカンスルホン酸塩等のスルホン酸型アニオン性界面活性剤、高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸またはその塩等のカルボン酸型アニオン性界面活性剤からなる群から選択される1種以上であり、好ましくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩からなる群から選択される1種以上である、<1>~<11>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<13>
前記成分(A)におけるアニオン性界面活性剤が、下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩である、<1>~<12>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
R1O(CH2CH2O)aSO3M (1)
〔上記一般式(1)中、R1は炭素数8以上18以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミンまたは塩基性アミノ酸を示し、aはエチレンオキシドの平均付加モル数であり、質量平均で0.5以上5以下の数を示す。〕
<14>
前記R1が、好ましくは炭素数12以上14以下の直鎖のアルキル基であり、前記aが、好ましくは0.9以上4以下であり、より好ましくは1以上3以下であり、前記Mが、好ましくはアンモニウムまたはナトリウムであるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩である、<13>に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<15>
前記成分(A)におけるアニオン性界面活性剤が、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウムである、<1>~<14>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<16>
前記成分(A)におけるアニオン性界面活性剤が、下記一般式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルである、<1>~<12>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
R3O-(CH2-CH2O)s-CH2COOX (2)
〔上記一般式(2)中、R3は炭素数10以上18以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミンまたは塩基性アミノ酸由来のカチオンを示し、sはエチレンオキシドの平均付加モル数であり、質量平均で0.5以上15以下の数を示す。〕
<17>
前記R3が、好ましくは炭素数12以上16以下の直鎖のアルキル基であり、前記sが、好ましくは1以上6以下であり、前記Xが、好ましくはアンモニウムまたはナトリウムであるポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩である、<16>に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<18>
前記成分(A)におけるアニオン性界面活性剤が、ラウレスカルボン酸アンモニウム、ラウレスカルボン酸ナトリウムである、<1>~<12>、<16>、<17>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<19>
前記毛髪洗浄剤組成物全体に対して、前記成分(A)におけるアニオン性界面活性剤の含有量は5質量%以上25質量%以下で、好ましくは6質量%以上22質量%以下、より好ましくは7質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは8質量%以上19質量%以下、さらにより好ましくは8質量%以上17質量%以下、さらにより好ましくは8質量%以上15質量%以下、さらにより好ましくは8質量%以上13質量%以下、さらにより好ましくは8質量%以上12質量%以下である、<1>~<18>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<20>
毛髪洗浄剤組成物中の成分(A)の含有量に対する前記アニオン性界面活性剤の含有量の質量割合((アニオン性界面活性剤)/(A))が、好ましくは0.3以上0.9以下、より好ましくは0.5以上0.8以下である、<1>~<19>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<21>
前記ノニオン性界面活性剤が、アルキルポリグリコシド;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリプロピレングリコールカプリリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;グリセリン脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の(ポリ)エチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、イソデシルグリセリルエーテル等のモノアルキルグリセリルエーテル;モノアルケニルグリセリルエーテル;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N-メチルモノエタノールアミド等の脂肪酸モノアルカノールアミドからなる群から選択される1種以上である、<4>~<20>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<22>
前記ノニオン性界面活性剤が、下記の一般式(3)で表される化合物を含む化合物を含む、<4>~<21>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
R2-O-(CH2CH2-O)n-H (3)
〔上記一般式(3)中、R2は炭素数12~24の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基を示し、nは1~50の数を示す。〕
<23>
前記毛髪洗浄剤組成物全体に対して、前記ノニオン性界面活性剤の含有量は0.1質量%以上10質量%以下で、好ましくは0.5質量%以上7質量%以下、より好ましくは1質量%以上5質量%以下である、<4>~<22>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<24>
前記両性界面活性剤が、ベタイン型界面活性剤、アミノ酸型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤、アミノキサイド型界面活性剤からなる群から選択される1種以上であり、好ましくは炭素数8~18のアルキル基を有するアルキルアミドプロピルベタインまたはアルキルヒドロキシスルホベタインであり、より好ましくはアルキルヒドロキシスルホベタインであり、さらにより好ましくはラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウラミドプロピルベタインである、<4>~<23>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<25>
前記毛髪洗浄剤組成物全体に対して、前記両性界面活性剤の含有量は0.1質量%以上10質量%以下で、好ましくは0.2質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上4質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上3質量%以下、さらにより好ましくは0.5質量%以上2質量%以下である、<4>~<24>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<26>
前記毛髪洗浄剤組成物全体に対して、前記カチオン性界面活性剤の含有量は0.05質量%以上2質量%以下で、好ましくは0.1質量%以上1質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上0.7質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以上0.7質量%以下である、<4>~<25>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<27>
前記毛髪洗浄剤組成物全体に対して、前記カチオン化ポリマーの含有量が、好ましくは0.015質量%以上0.8質量%以下、より好ましくは0.03質量%以上0.7質量%以下、さらに好ましくは0.03質量%以上0.5質量%以下、さらにより好ましくは0.03質量%以上0.30質量%以下、さらにより好ましくは0.03質量%以上0.25質量%以下である、<1>~<26>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<28>
前記R4及びR5は独立に、炭素数5以上14以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数6以上10以下のアルキル基であることがより好ましい、<8>~<27>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<29>
前記毛髪洗浄剤組成物全体に対して、前記成分(C)の含有量が、好ましくは0.05質量%以上4質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上3質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上2質量%以下、さらにより好ましくは0.1質量%以上1質量%以下である、<1>~<28>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<30>
前記成分(B)の含有量に対する前記成分(C)の含有量の質量割合((C)/(B))は2以上50以下で、好ましくは3以上30以下、より好ましくは5以上25以下である、<1>~<29>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<31>
前記成分(D-1)がPPG-3 カプリリルエーテルである、<1>~<30>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<32>
前記毛髪洗浄剤組成物全体に対して、前記成分(D-1)の含有量は0.05質量%以上3質量%以下で、好ましくは0.1質量%以上1.5質量%以下である、<1>~<31>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<33>
前記成分(D-2)として、2分子以上のグリセリンが縮合したポリグリセリンと、2分子以上のプロピレンオキシド(又はプロピレングリコール)の縮合物が好ましい、<1>~<32>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<34>
前記成分(D-2)が、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルであるユニルーブ DGP-700(PPG-9ジグリセリル)、ユニルーブ DGP-700F(PPG-9ジグリセリル)、ユニルーブ DGP-950(PPG-14ジグリセリル)、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルであるSY-DP9(PPG-9ジグリセリル)、SY-DP14(PPG-14ポリグリセリル-2エーテル)、SY-DP14T(PPG-14ポリグリセリル-2エーテル)、ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルであるSC-P750(POP(9)ポリグリセリルエーテル)、SC-P1000(POP(14)ポリグリセリルエーテル)、SC-P1600(POP(24)ポリグリセリルエーテル)からなる群から選択される1種以上である、<1>~<33>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<35>
前記毛髪洗浄剤組成物全体に対して、前記成分(D-2)の含有量は0.01質量%以上10質量%以下で、好ましくは0.025質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上4質量%以下、さらに好ましくは0.075質量%以上3質量%以下、さらにより好ましくは0.1質量%以上2質量%以下、さらにより好ましくは0.2質量%以上1.0質量%以下、さらにより好ましくは0.2質量%以上0.75質量%以下、さらにより好ましくは0.2質量%以上0.6質量%以下である、<1>~<34>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<36>
前記成分(E-1)におけるプロピレングリコールの重合度が、好ましくは3以上30以下であり、より好ましくは5以上26以下、さらに好ましくは6以上20以下である、<2>~<35>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<37>
前記成分(E-1)がPPG-3、PPG-7、PPG-9、PPG-17およびPPG-61からなる群から選択される1種以上である、<2>~<36>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<38>
前記毛髪洗浄剤組成物全体に対して、前記成分(E-1)の含有量は0.01質量%以上5質量%以下で、好ましくは0.025質量%以上4質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上3質量%以下、さらに好ましくは0.075質量%以上2質量%以下、さらにより好ましくは0.10質量%以上1質量%以下である、<2>~<37>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<39>
pH調整剤、油剤をさらに含む、<1>~<38>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<40>
pHが2.5以上7以下で、好ましくは3以上6.5以下、より好ましくは3.5以上6以下である、<1>~<39>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<41>
粘度が1mPa・s以上300mPa・s以下で、好ましくは2mPa・s以上250mPa・s以下、より好ましくは3mPa・s以上200mPa・s以下、さらにより好ましくは3mPa・s以上50mPa・s以下である、<1>~<40>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
<42>
泡吐出容器、及び
<1>~<41>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物を含む、
毛髪洗浄キット。
<43>
当該毛髪洗浄剤組成物が補充パッケージ用又は当該泡吐出容器に充填されるものである、<42>に記載の毛髪洗浄キット。
<44>
<1>~<41>のいずれか1に記載の毛髪洗浄剤組成物を泡吐出容器から吐出して毛髪に適用し、洗い流すことを含む、毛髪の洗浄方法。
【実施例】
【0061】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。なお本実施例において、各種測定及び評価は以下の方法により行った。
【0062】
(pH測定)
pHメーター(例えば、Mettler ToledoTM FiveEasy PlusTM FEP20 pH Meter、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて、毛髪洗浄剤組成物により得られる毛髪洗浄剤の25℃におけるpHを測定した。
【0063】
(粘度測定)
粘度計(例えば、Brookfield DV-E Viscometer、ブルックフィールド社製)を用いて、1号のローター、60 rpmの回転速度の条件で、毛髪洗浄剤組成物の5℃及び30℃における粘度をそれぞれ測定した。
【0064】
(泡質の評価)
約200mLの毛髪洗浄剤組成物を、ポンプフォーマー容器(吉野工業所社製;泡吐出流路に設けた多孔質膜フィルターのメッシュサイズ:1枚が#200で、1枚が#305である;1プッシュあたりの液吐出量;約1g;1プッシュあたりの空気吐出量(泡吐出量):約13cm3、容器の容積;約300mL)に充填し、5℃及び30℃の定温恒温室にてそれぞれ4時間静置した。その後、該容器を水平な台上に置き、ポンプヘッドを鉛直に最後まで押し下げて泡を吐出する操作を行った。その際の泡の吐出性を、以下の5段階の基準で官能評価した。
5:吐出性がとても良い
4:吐出性が良い
3:吐出性が普通
2:吐出性が悪い
1:吐出性がとても悪い
上記と同様な環境条件を使用するが、押す回数を4プッシュに変更した。得られた泡質を、以下の5段階の基準で官能評価した。
5:泡質がとても良い
4:泡質が良い
3:泡質が普通
2:泡質が悪い
1:泡質がとても悪い
【0065】
(泡立て時及びすすぎ時の毛髪の滑らかの評価)
長さ45cm、幅2.5cm、重さ20gの毛髪束を評価用の毛髪束とした。当該毛髪束を40℃の温水で軽くすすいだ後、2回プッシュで得られた毛髪洗浄剤により洗浄を行った。泡立て時の当該毛髪束の滑らかさを、以下の5段階の基準で官能評価した。
5:滑らかさがとても良い
4:滑らかさが良い
3:滑らかさが普通
2:滑らかさが悪い
1:滑らかさがとても悪い
その後、泡の付いた毛髪束を、40℃の温水、2L/minの流速ですすいだ。すすぎ時の当該毛髪束の滑らかさを、以下の5段階の基準で官能評価した。
5:滑らかさがとても良い
4:滑らかさが良い
3:滑らかさが普通
2:滑らかさが悪い
1:滑らかさがとても悪い
【0066】
(実施例1~11、比較例1~6)
表1~3に示す組成に基づいて調製して各例の毛髪洗浄剤組成物を得て、上記の方法に従って評価した。
【0067】
【0068】
【0069】
上表によれば、比較例に対して、ジアルキルエーテルと、成分(D-1)及び成分(D-2)からなる群より選択される1種以上の化合物とを添加する本発明の実施例は、泡立て時またはすすぎ時の毛髪に十分な滑らかさを付与することができ、また、低温時により低粘度を示すため、低温時の泡の吐出性及び泡質は明らかに良くなる。
【0070】
例えば、本発明の実施例1と比較例1との対比により、本発明の毛髪洗浄組成物にジアルキルエーテルを添加すれば、5℃時の粘度がより低くなり、泡の吐出性及び泡質は明らかに良くなることが分かる。また、泡立て時またはすすぎ時の毛髪の滑らかさもよくなる。
本発明の実施例3と比較例2との対比結果、及び本発明の実施例5と、比較例4、5との比較結果により、本発明の毛髪洗浄組成物にジアルキルエーテルを添加すれば、5℃時の粘度がより低くなり、泡の吐出性及び泡質は明らかに良くなることも分かる。また、泡立て時またはすすぎ時の毛髪の滑らかさもよくなる。
本発明の実施例1、5、11と比較例3との対比結果により、本発明の毛髪洗浄組成物に成分(D-1)及び成分(D-2)からなる群より選択される1種以上の化合物を添加すれば、泡立て時またはすすぎ時の毛髪の滑らかさが明らかによくなる。
本発明の他の実施例も、上記の効果を示している。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、ヘアシャンプー等の分野で好適に利用することができる。また、人間のほか、犬、猫などの動物にも好適である。