(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】同期電気機械の電磁トルクを推定するための方法
(51)【国際特許分類】
H02P 21/14 20160101AFI20241218BHJP
【FI】
H02P21/14 ZHV
(21)【出願番号】P 2022545364
(86)(22)【出願日】2021-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2021052300
(87)【国際公開番号】W WO2021156202
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2023-12-06
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ガネス, マレク
(72)【発明者】
【氏名】ハミダ, モハメド
(72)【発明者】
【氏名】マルーム, アブデルマーレク
(72)【発明者】
【氏名】タヘルザデ, メディ
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-033876(JP,A)
【文献】特開2019-062661(JP,A)
【文献】特開平9-182499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車またはハイブリッド自動車用の永久磁石三相同期電気機械の電磁トルクを推定するための方法であって、
- 固定子に関連付けられた固定三相基準系において、前記機械の前記固定子の複数の位相について電流および電圧を測定するステップと、
- 前記三相基準系での前記電流および電圧の測定値の関数として、前記固定子に関連付けられた固定二相基準系における電流および電圧(i
αβ、v
αβ)を決定するステップと、
- 起電力の積分値を計算することにより前記機械の線束
の第1の推定値を計算するステップであり、前記起電力が前記固定子に関連付けられた前記固定二相基準系で示された前記電圧および電流に基づいて計算される、第1の推定値を計算するステップと、
- 前記第1の推定値により推定された前記線束に基づいて前記電磁トルク
を推定するステップと
を含む方法において、前記方法は、
- 前記固定二相基準系で示された前記電流および電圧(i
αβ、v
αβ)ならびに前記固定子に対する回転子の位置(θ
e)の関数として、前記回転子に関連付けられた回転二相基準系における電流および電圧(i
dq、v
dq)を決定するステップと、
- 前記回転子に関連付けられた前記回転二相基準系で示された前記電流を使用して前記機械の前記線束
の第2の推定値を並行して計算するステップであり、線束の前記第2の推定値が前記機械の磁気的不確定性を特徴付ける変数を導入することにより補正され、前記変数が前記回転子に関連付けられた前記回転二相基準系で示された前記固定子の電流および電圧(i
dq、v
dq)に基づいて観測装置により決定される、第2の推定値を決定するステップと、
- 前記第1の推定値により推定された前記線束に基づいて推定されるトルク
と設定値トルク(T
*
e)とを比較するステップと、
- 前記第1の推定値により推定された前記線束に基づいて推定された前記トルクと前記設定値トルクとの間の差異が予め定められたしきい値(ε)を超えるときに、前記第2の推定値により推定された前記線束に基づいて前記第1の推定値に則して前記線束の初期条件をリセットするステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1の推定値により推定された前記線束に基づいて推定された前記トルクと前記設定値トルクとの間の前記差異が前記しきい値以下であるときに、前記第2の線束推定値の前記計算を停止するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の線束推定値の前記計算が、前記機械の動作時間に対する起動時間の割合を決定するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
計算された起電力が線束の前記第1の推定で使用される前に計算された起電力のオフセットを補償するステップを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記機械の前記線束の前記第2の推定は、
- 前記機械の線束-電流モデルを決定するステップであって、前記モデルにおいて、前記機械の磁気飽和および消磁により引き起こされる前記機械の磁気パラメータの変動を考慮するために、前記機械の飽和関数を考慮して前記機械の線束-電流モデルを決定するステップと、
- 前記機械の前記磁気パラメータの変動に固有の、前記機械の前記磁気的不確定性を特徴付ける前記変数を、前記モデルへと導入するステップと、
- 前記観測装置により実行される、前記モデルの前記変数を推定するステップと、
- 推定された変数に基づいて前記第2の線束推定値を計算するステップと
を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
考慮される前記磁気パラメータは、前記回転子に関連付けられた前記回転二相基準系の、それぞれ各々の軸の前記固定子の線形インダクタンス、および前記機械の前記回転子の前記永久磁石より発生された磁束であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記飽和関数は前記機械における磁気飽和および交差飽和を表すことを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
カルマンアルゴリズムを使用して前記観測装置を調節するステップを含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
電気自動車またはハイブリッド自動車用の永久磁石三相同期電気機械の電磁トルクを推定するためのデバイスであって、前記デバイスが、固定子に関連付けられた固定二相基準系へと変換される、前記固定子に関連付けられた固定三相基準系において前記機械の前記固定子の複数の位相について測定された電流および電圧を受信するように構成され、前記デバイスが、
前記固定子に関連付けられた前記固定二相基準系において前記機械の線束を推定するための第1の線束推定装置(10)であり、前記固定子に関連付けられた前記固定二相基準系の2つのダイレクト軸およびクワドラチャ軸に沿った前記線束のそれぞれの成分
を推定するための2つの起電力積分器(103)を備え、前記起電力が前記固定子に関連付けられた前記固定二相基準系の各々の軸に印加される電流および電圧(i
αβ、v
αβ)に基づいて計算される、第1の線束推定装置(10)と、
前記固定子に関連付けられた前記固定二相基準系の2つの軸において推定された前記線束の前記それぞれの成分
に基づいて前記機械のトルク
を推定するように構成されたトルク推定装置(20)と
を備えるデバイスにおいて、前記デバイスは、
前記固定子に対する回転子の位置(θ
e)の関数として、前記回転子に関連付けられた回転二相基準系へと変換される、前記固定二相基準系で示された前記電流および電圧(i
αβ、v
αβ)を受信するように構成された第2の線束推定装置(40)であり、前記第2の線束推定装置(40)が、前記回転子に関連付けられた前記回転二相基準系で示された前記電流(i
dq)を使用して前記線束を推定するように構成され、前記第2の線束推定装置(40)が、前記機械の磁気的不確定性を特徴付ける変数を決定するように構成され、前記回転子に関連付けられた前記回転二相基準系で示された前記固定子の電流および電圧(i
dq、v
dq)に基づく観測装置を備え、前記変数が前記第2の線束推定装置(40)の線束推定値を補正するために使用される、第2の線束推定装置(40)と、
前記固定子に関連付けられた前記固定二相基準系の前記2つの軸において推定された前記線束の前記それぞれの成分
に基づいて前記トルク推定装置(20)により推定された前記トルク
を、設定値トルク
と比較し、推定された前記トルクと前記設定値トルクとの間の差異が予め定められたしきい値(ε)よりも大きいときに、前記第1の線束推定装置(10)の前記2つの起電力積分器(103)の前記線束の初期条件をリセットすることを命令できる信号(RES)を発生させるように構成された検出装置(30)であり、前記初期条件が前記第2の線束推定装置(40)により供給される前記線束推定値に基づいてリセットされる、検出装置(30)と
を備えることを特徴とする、デバイス。
【請求項10】
前記信号(RES)は、前記推定されたトルクと前記設定値トルクとの間の前記差異が前記しきい値以下であるときに、前記第2の線束推定装置(40)による前記第2の線束推定値の前記計算を停止できることを特徴とする、請求項9に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三相同期電気機械、特に、永久磁石三相同期電気機械(PMSM)の電磁トルクを推定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ハイブリッド-電気自動車および電気自動車の分野に有利に適用され、上記自動車では、このタイプの機械が、車両の電気走行モードでは、特に、その堅固さ、単純さおよび低維持費用のために走行用モータとして広く使用される。
【0003】
電気走行をともなう自動車では、特に安全性および/または制御性の理由で、電気機械により供給されるモータトルクの真の値を知ることが必要である。一般に、機械の機械的駆動トルクは、シャフトのトルクを測定するトルクメータから得られる。しかしながら、コスト、信頼性、および大きさなどの多くの理由で、駆動システムからトルクメータを削除することおよびトルクメータをトルク推定装置で置き換えることが望ましい。
【0004】
トルク推定装置は、電圧、電流および回転子の位置などのある種の利用可能な変数を使用して電気機械により供給されるトルクの真の値を推定するように構成される。
【0005】
従来の方式では、電気機械は、固定子に関連付けられた固定二相基準系に基づくクラーク変換、および回転子に関連付けられた回転二相基準系に基づくパーク変換をそれぞれ使用する2つの二相モデルを使用して表されることがある。固定子および回転子に関連付けられた基準系においてこのようにして変換された量は、それぞれ、固定二相基準系における2つの軸におよび回転二相基準系における2つの軸に対応し、一方では添え字α、βを、他方ではd、qを使用して示される。
【0006】
機械の磁束と供給されるトルクとの間の強い関係のために、機械のトルクは、機械の線束の推定値を通して観測されることが可能である。いくつかの技術が、二相電流および電圧に基づいて永久磁石三相同期電気機械の線束を推定するために現在のところ知られている。これらの技術は、それぞれ電圧モデルおよび電流モデルに基づいて、2つのカテゴリへと分類される。
【0007】
電圧モデルに基づく線束推定技術に関して、起電力は、固定子に関連付けられた基準系で測定された電圧および電流を使用して計算される。固定子線束は、次いで、起電力の積分値を計算することにより得られる。
【0008】
しかしながら、この推定方法は、初期の磁気的条件(永久磁石の線束および固定子インダクタンス)の精密な知識を暗に含み、上記は、現実的であるとは限らない。これゆえ、この不確定性のために、機械の真の線束に比して線束の振幅の推定値に結果としてのオフセットがあり得る。電圧-線束モデルを使用する線束推定値のこのオフセットは、次いで推定されるトルクに振動項を発生させる。
【0009】
その上、機械の動作中に生じがちである消磁および磁気飽和の問題もまた、機械の電圧-線束モデルを使用して推定されるトルクの振動項を発生させる。
【0010】
このように推定されたトルクの乖離のもう1つの源は、機械が電力を供給されるインバータの非線形性、および/または計算される起電力の値そしてこれゆえ推定される線束値にオフセットを発生させる測定不確定性にある。
【0011】
解決すべきもう1つの問題は、低速またはゼロ速度における観測可能性を確実にすることである。
【0012】
低速における観測可能性の問題は、ある種のフィルタが上記の問題(知られていない磁気的条件および起電力のオフセット)を解決するために追加されるときに生じる。
【0013】
先行技術は、電圧モデルに基づく線束の推定に関する次の文書を開示している。
【0014】
米国特許第9985564B2は、二相基準系α、βにおける電圧モデルに基づいて永久磁石三相同期電気機械の固定子線束を推定するための方法を記載している。起電力を積分するために純粋な積分器を使用する代わりに、上記特許は、起電力ローパスフィルタを使用すること、次いでフィルタにより引き起こされた利得および位相変化を補正するために補償装置を追加することを提案している。
【0015】
CN103346726Aもまた、起電力に基づいて永久磁石三相同期電気機械の線束を推定することを提案している。上記特許は、純粋な積分器の代わりに二次フィルタを使用することを提案している。上記特許はまた、電圧モデルを用いた推定値を改善するために二相基準系のq軸のインダクタンスを推定することも提案している。
【0016】
米国特許第7098623B2は、二相基準系d、qにおいて電圧モデルを用いて固定子線束を推定することにより回転子の位置を推定するための方法を記載している。上記特許は、低速で高周波信号の注入に基づく線束を適応的に観測することを提案している。
【0017】
EP1513250は、電圧モデルに基づいて線束を推定するための方法と位置を推定するための高周波信号の注入とを組み合わせるための方法を記載している。
【0018】
電流モデルに基づく方法に関して、線束は、好ましくは回転子に関連付けられた基準系における電流を使用して推定される。電流モデルに基づくこれらの方法は、電流モデルに基づく方法が開ループ積分器の使用を含まないので、電圧モデルに基づく方法に結びつけられた上に述べた制限を克服することを可能にする。しかしながら、これらの方法に関して解決すべき問題は、磁気飽和、永久磁石磁束の不確定性、および位置センサの必要性に起因するインダクタンスの変動に関する。
【0019】
電流モデルに基づく線束の推定に関する次の文書が、先行技術から知られる。
【0020】
米国特許第7774148B2は、電流モデルを使用する線束推定値に基づいて永久磁石三相同期電気機械のトルクを推定するための方法を記載している。d軸およびq軸の線束が、2つの非線形電流関数により表される。
【0021】
CN103872951Aは、電流モデルと組み合わせた電圧モデルに適用されたスライディングモード観測装置を用いた線束推定値に基づいた、永久磁石三相同期電気機械用のトルク推定装置を記載している。
【0022】
特開2004-166408Aは、電流モデルに基づく補正項をともなった電圧モデルに基づいた、永久磁石三相同期電気機械用の適応線束推定装置を記載している。
【発明の概要】
【0023】
この文脈では、本発明の狙いは、電気機械、特に電気自動車またはハイブリッド自動車用の永久磁石同期電気機械のトルクを推定するための方法を提案することであり、上記方法は、上に述べた制限に関しては堅固である。
【0024】
この目的を達成するために、本発明は、電気自動車またはハイブリッド自動車用の永久磁石三相同期電気機械の電磁トルクを推定するための方法に関し、上記方法は、
- 固定子に関連付けられた固定三相基準系での上記機械の上記固定子の複数の位相について電流および電圧を測定するステップと、
- 上記三相基準系での上記電流および電圧測定値の関数として、上記固定子に関連付けられた固定二相基準系における電流および電圧を決定するステップと、
- 起電力の積分値を計算することにより上記機械の線束の第1の推定値を計算するステップであって、上記起電力が上記固定子に関連付けられた上記固定二相基準系で示された上記電圧および電流に基づいて計算される、第1の推定値を計算するステップと、
- 上記第1の推定値により推定された上記線束に基づいて上記電磁トルクを推定するステップと
を含む方法において、前記方法が、
- 上記固定二相基準系で示された上記電流および電圧ならびに上記固定子に対する回転子の位置の関数として、上記回転子に関連付けられた回転二相基準系における電流および電圧を決定するステップと、
- 上記回転子に関連付けられた上記回転二相基準系で示された上記電流を使用して上記機械の上記線束の第2の推定値を並行して計算するステップであって、前記第2の線束推定値が上記機械の磁気的不確定性を特徴付ける変数を導入することにより補正され、前記変数が上記回転子に関連付けられた上記回転二相基準系で示された上記固定子電流および電圧に基づいて観測装置により決定される、第2の推定値を計算するステップと、
- 上記推定されたトルクと設定値トルクとを比較するステップと、
- 上記推定されたトルクと上記設定値トルクとの間の差異が予め定められたしきい値を超えるときに上記第2の推定値により推定される上記線束に基づいて上記第1の推定値に則して上記線束の初期条件をリセットするステップと
を含むことを特徴とする。
【0025】
有利なことに、上記方法は、上記推定されたトルクと上記設定値トルクとの間の上記差異が前記しきい値以下であるときに前記第2の線束推定値の上記計算を停止するステップを含むことができる。
【0026】
有利なことに、上記方法は、前記第2の線束推定値の上記計算が上記機械の動作時間に対する起動されている時間の割合を決定するステップを含むことができる。
【0027】
有利なことに、上記方法は、上記計算された起電力が前記第1の線束推定で使用される前に上記計算された起電力のオフセットを補償するステップを含むことができる。
【0028】
有利なことに、上記機械の上記線束の前記第2の推定は、
- 機械の線束-電流モデルを決定するステップであって、前記モデルにおいて、上記機械の磁気飽和および消磁により引き起こされる上記機械の磁気パラメータの変動を考慮するように、上記機械の飽和関数を考慮して上記機械の線束-電流モデルを決定するステップと、
- 上記機械の上記磁気パラメータの上記変動に固有の、上記機械の上記磁気的不確定性を特徴付ける前記変数を、上記モデルへと導入するステップと、
- 前記観測装置により実行され、上記モデルの前記変数を推定するステップと、
- 前記推定された変数に基づいて前記第2の線束推定値を計算するステップと
を含む。
【0029】
有利なことに、検討中の上記磁気パラメータが、上記回転子に関連付けられた上記回転二相基準系の、それぞれ各々の軸の上記固定子の線形インダクタンスおよび上記機械の上記回転子の上記永久磁石より発生された上記磁束である。
【0030】
有利なことに、上記飽和関数が上記機械における磁気飽和および交差飽和を表す。
【0031】
有利なことに、上記方法は、カルマンアルゴリズムを使用して上記観測装置を調節するステップを含む。
【0032】
本発明はまた、電気自動車またはハイブリッド自動車用の永久磁石三相同期電気機械の電磁トルクを推定するためのデバイスにも関し、前記デバイスが、固定子に関連付けられた固定二相基準系へと変換される、上記固定子に関連付けられた固定三相基準系において上記機械の上記固定子の上記複数の位相について測定された電流および電圧を受信するように構成され、前記デバイスが、
- 上記固定子に関連付けられた上記固定二相基準系において上記機械の上記線束を推定するための第1の線束推定装置であって、上記固定子に関連付けられた上記固定二相基準系の2つのダイレクト軸およびクワドラチャ軸に沿った上記線束のそれぞれの成分を推定するための2つの起電力積分器を備え、前記起電力が上記固定子に関連付けられた上記固定二相基準系の各々の軸に印加される電流および電圧に基づいて計算される、第1の線束推定装置と、
- 上記固定子に関連付けられた上記固定二相基準系の上記2つの軸において推定された上記線束の前記それぞれの成分に基づいて上記機械の上記トルクを推定するように構成されたトルク推定装置と
を備えるデバイスにおいて、前記デバイスが、
- 上記固定子に対する上記回転子の位置の関数として、上記回転子に関連付けられた回転二相基準系へと変換される、上記固定二相基準系で示された上記電流および電圧を受信するように構成された第2の線束推定装置であり、前記第2の推定装置が、上記回転子に関連付けられた上記回転二相基準系で示された上記電流を使用して上記線束を推定するように構成され、前記第2の推定装置が、上記機械の磁気的不確定性を特徴付ける変数を決定するように構成され、上記回転子に関連付けられた上記回転二相基準系で示された上記固定子電流および電圧に基づく観測装置を備え、前記変数が前記第2の推定装置の上記線束推定値を補正するために使用される、第2の線束推定装置と、
- 上記トルク推定装置により推定された上記トルクを設定値トルクと比較し、そして上記推定されたトルクと上記設定値トルクとの間の差異が予め定められたしきい値よりも大きいときに、前記第1の線束推定装置の上記2つの積分器の上記線束の上記初期条件をリセットすることを命令できる信号を発生させるように構成された検出装置であって、前記初期条件が上記第2の線束推定装置により供給される上記線束推定値に基づいてリセットされる、検出装置と
を備えることを特徴とする。
【0033】
有利なことに、前記信号は、上記推定されたトルクと上記設定値トルクとの間の上記差異が前記しきい値以下であるときに上記第2の線束推定装置による前記第2の線束推定値の上記計算を停止できる。
【0034】
本発明の他の特徴および利点は、次の単一の図を参照して、例示でありそして非限定的な例として与えられる次の説明を読むともっとはっきりと明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】発明による電磁トルク推定方法を実施するためのデバイスの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
これゆえ、本明細書の文脈では、さらに特に関心のあるものは、ハイブリッド車両および電気車両用途で使用される永久磁石三相同期電気機械のケースである。
【0037】
第1のステップでは、電流および電圧が、永久磁石三相同期機械の固定子の3つの位相の各々について測定される。
【0038】
次に、パーク変換が、ダイレクト電圧成分vdおよびクワドラチャ電圧成分vqとともに、ダイレクト電流成分idおよびクワドラチャ電流成分iqを得るために3つの位相に関して測定した量に適用される。
【0039】
三相系の3つの位相に関する固定子の3つの電流および3つの正弦波電圧を3つの正弦波電流および電圧信号が2つの定電流および電圧信号、それぞれダイレクト軸の成分およびクワドラチャ軸qの成分の形態で示される空間へと変換することが、このように可能である。この目的で、パーク基準系は、回転子に関係付けられた基準系に基づく。
【0040】
この文脈において説明されるであろうトルク推定装置は、機械の改善された電圧-線束モデルに基づいて実行される機械の線束推定に基づく。
【0041】
で記される、機械の電磁トルクの推定値は、次の数式(1)により与えられる:
ここでは、
- i
αおよびi
βは、クラークドメインにおける固定子電流の、それぞれダイレクト成分およびクワドラチャ成分であり、αがクラークドメインのダイレクト軸およびβがクワドラチャ軸に関係し、
- λ
αおよびλ
βは、クラークドメインにおいて固定子から見た全線束の、それぞれダイレクト成分およびクワドラチャ成分であり、
- pは機械の極対の数である。
【0042】
永久磁石同期電気機械の固定子から見た全線束は、等式の次のセット(2)を使用して起電力の積分値を計算することにより推定されることがある:
ここでは、R
Sは固定子の抵抗であり、ν
αおよびν
βはクラークドメインにおける固定子電圧のそれぞれダイレクト成分およびクワドラチャ成分を表し、
はクラークドメインにおけるそれぞれダイレクト成分およびクワドラチャ成分による線束の初期条件を表す。
【0043】
下記により詳細に説明されるように、機械の電圧モデルを使用して線束を推定することの問題を克服するために、本発明は、積分器の初期条件
をリセットするために修正された電流モデルと電圧モデルとを組み合わせることにより上記モデルを改善することを提案する。
【0044】
より具体的に、これらの初期線束条件は、電流モデルならびに、磁気飽和および消磁によって引き起こされるモデルの磁気的不確定性を推定するように構成された適切な観測装置を使用して決定される。
【0045】
実際に、線束と固定子位相電流との間の関係は、低電流レベルに関して線形である。しかしながら、大電流に関しては、この直線性は、もはや維持されず、これにより一般に飽和した動作に導く。加えて、機械の高温動作は、永久磁石磁束の変動(消磁)を引き起こす。機械の永久磁石のインダクタンスおよび磁束は、機械の磁気飽和および消磁に起因して予測可能な方式でこのように大きく変わる。これゆえ、モデルの振る舞いを改善するために、これらの変動を考慮に入れて修正された線束-電流モデルを採用することが提案される。
【0046】
このために、電流モデルにおける機械の知られていない磁気条件に検討が行われるであろう。検討中の知られていない磁気条件は、固定子の線形インダクタンス、永久磁石の磁束、および機械における磁気飽和および交差飽和を表す機械の飽和関数である。
【0047】
モデルにおける機械の上記の知られていない磁気条件の検討は、パーク空間において、等式の次の系という結果になる:
ここでは、
は機械のパーク平面のそれぞれダイレクトd軸およびクワドラチャq軸上で発生された固定子線束の成分であり、ν
dおよびν
qは機械のパーク平面のそれぞれ2つのダイレクトd軸およびクワドラチャq軸に印加された電圧であり、i
dおよびi
qは機械のパーク平面のそれぞれ2つのダイレクトd軸およびクワドラチャq軸上で機械内を流れる電流であり、R
Sは機械の固定子の等価抵抗であり、L
d0およびL
q0は機械のパーク平面のそれぞれ各々のダイレクトd軸およびクワドラチャq軸上の固定子の線形インダクタンスであり、φ
fは回転子の永久磁石により発生された磁束であり、そしてω
eは回転子の角速度である。
【0048】
fsat(1,2)は、機械内の磁気飽和および交差飽和を表す関数である。
【0049】
そして:
ここでは、L
d0mおよびL
q0mは機械のパーク平面のそれぞれ各々のダイレクトd軸およびクワドラチャq軸上の線束と固定子電流との間の線形係数の正確な値であり、φ
fmは、回転子の永久磁石により発生された磁束の真の値であり、そしてf
sat(1,2)mは機械のそれぞれの真の飽和関数である。したがって、パラメータ
は、等式(3)および(4)により提案されたモデル内の上記パラメータの真の値と基準値との間の差異を表す。
【0050】
2つの変数g
1およびg
2が、次いで電流モデルへと導入され、上記変数は、上記の知られていない磁気条件に対応する。このために、状態変数として固定子電流i
dおよびi
qを先ず検討すると、等式(3)が等式(4)では置き換えられて、次式を与える:
ここでは:
【0051】
したがって、変数g1およびg2は、磁気飽和に起因するインダクタンスの変動および永久磁石磁束の不確定性からの結果として、機械のすべての磁気的不確定性とともにグループ化する。言い換えると、観測されるであろう変数g1およびg2は、磁気飽和に起因して変化する機械の磁気的振る舞いを表すことを可能にさせる。変数g1およびg2により記述されるパラメータの不確定性の電流モデルへの導入は、系の磁気パラメータ(インダクタンスおよび永久磁石磁束)の値が機械の飽和および消磁に起因してモデルとは異なることがあるという事実を反映することを可能にさせる。上記の変数を観測することは、下記に説明されるように、上記の不確定性を補正することを可能にさせるであろう。
【0052】
したがって、モデルに提示された上記の変数は、適切な観測装置を使用して推定されるであろう。これゆえ、基本は、インダクタンスおよび永久磁石磁束である機械の磁気パラメータにおいて、ならびに観測可能性の概念および状態観測装置を含む観測装置理論で、機械の磁気飽和および消磁により引き起こされる変動を考慮に入れる上に説明した機械の線束-電流モデルである。したがって、系の状態が測定できないときには、観測装置が系のモデルおよび他の状態の測定値に基づいてこの状態を再現するように構成され、かつ再現することを可能にする。状態は、観測した系を規定する物理的な値のセットを意味するように理解される。カルマン観測装置は、変数g1およびg2により特徴付けられるような機械の磁気的不確定性を観測するようにここでは使用されるであろう。
【0053】
これゆえ、変数g
1およびg
2は、2つの新しい状態変数であるように考えられる。このモデルでは、g
1およびg
2は、区分的定数関数である、ということは、その値が複数の区間にわたって一定な関数であるように仮定される。電気機械をモデル化する等式の系は、非線形系の一般的な形式に再定式化されることがあり:
y=h(x)
ここでは:
【0054】
このようにモデル化した系に関して、観測装置は、次の数式により定式化されることがあり:
ここでは、
は状態ベクトルに対応する推定した状態のベクトルであり:
そしてKは観測装置の利得である。
【0055】
誤差項を倍増させる利得Kの選択は、観測装置を調節することを可能にさせる。この利得は、カルマンアルゴリズムにより計算される。
【0056】
回転子の電気角速度は、行列系Aに関する入力として考えられる。これは状態が観測されることを可能にする。これゆえ、使用は、下記のような時間変化する観測装置利得Kから成り立っていて:
K=P
-1C
TR
-1 (9)
ここでは、変数Pのダイナミックレンジは、次のように規定され:
【0057】
行列QおよびRは、正定値対称重み行列である。
【0058】
このように、観測装置を使用して2つの変数g
1およびg
2を推定した後で、全体の固定子線束が、上に規定した等式(4)および(7)に基づいて推定されることがあり:
【0059】
機械の線束-電圧モデルは、機械の線束が起電力の積分値を計算することにより推定され得ることに基づいて、上に説明した等式のセット(2)により示されていることが分かる。これゆえ、電圧モデルによる固定子線束の推定は、本発明にしたがって、積分器に関する線束の初期条件が独立した観測装置により決定される限りにおいて、リセット可能な積分器の使用に基づき、上に説明したように、等式のセット(11)を適用することにより、修正された電流モデルに基づいて線束を推定することを可能にさせる。
【0060】
使用は、このように、固定二相基準系の2つの軸に対応する2つの軸αおよびβにおいて線束を推定するために2つの純積分器を実装する電圧モデルに基づく第1の推定装置から成り立ち、そして使用は、並行して、2つの積分器に関する初期線束条件を推定するために観測装置を用いて修正された回転二相基準系dqでの電流モデルに基づくもう1つの線束推定装置から成り立つ。
【0061】
次いで、電流モデルに基づく他の線束推定装置の使用によりこのように改善された電圧モデルを使用して実行される線束推定に基づいて、永久磁石同期電気機械により発生される電磁トルクが数式(1)を適用することにより計算されることがある。
【0062】
リアルタイム処理における計算時間を最短にするために、積分器を初期化することが必ずしも必要ないときには観測装置にリンクされた処理を停止することが提案される。初期化の時刻を定めるための検出装置が、このように提案される。この検出装置は、
で記される電圧モデルにより推定されたトルクを、車両の電気機械により供給されるべきトルクに対応しそして特に運転者によるアクセルペダルの踏み込みに基づいて車両の制御システムにより与えられるT
*
eで記される設定値トルクと比較する。設定値トルクと推定されたトルクとの間の誤差の絶対値が予め定められたしきい値εを超えるのであれば、観測装置が起動されるであろう、そして電圧モデルに基づく線束推定装置の2つの積分器は、観測装置を用いて修正された線束-電流モデルにより決定される初期線束条件に基づいてリセットされるであろう。したがって、積分器をリセットすることをトリガするためのブール演算子が電圧モデルへと導入され、下記のように規定される:
【0063】
観測装置は、演算子「RES」が、それぞれ「1」へそして「0」へと変化するときに起動されそして停止される。
【0064】
車両を駆動するための機械の全動作時間と比較して観測装置が起動される時間の割合を確認することは、意味深いものであり得る。したがって、新たなモニタリング変数が導入され、次のようである:
ここでは、Σt
iは観測装置が起動されている時間の総和であり、そしてt
totは全動作時間である。モニタされた変数OTは、スタートアップにおいて知られていない初期線束条件、磁石の品質、モータの飽和条件、設定値トルクの変動、等の関数として0から100%まで変わることがある。
【0065】
測定の不確定性および/または機械が電力を供給されるインバータの非線形性が、計算される起電力のオフセットをもたらすことがある。これゆえ、経時的に推定された線束値の乖離を避けるように上記オフセットを補償するために、次のように推定された線束値の平均値を計算することが行われる:
ここでは、Tは電流の期間である。
【0066】
eαβ-offsetは計算された起電力のオフセットを表す。この値は、線束-電圧モデルに基づいて線束推定装置の積分器で使用される前にオンラインで計算される起電力から差し引かれるべきものである。
【0067】
図1は、機械の電磁トルクを推定するための方法のブロック図を記載する。
【0068】
先ず初めに、電流および電圧の測定値が、永久磁石三相同期機械の固定子の3つの位相の各々について集められる。
【0069】
固定二相、それぞれダイレクトおよびクワドラチャ、基準系の2つの固定された軸(α,β)上への3つの位相に関する測定された固定子電気量の投影が、クラーク変換を適用することによって得られる。したがって、クラークドメインの、それぞれ2つのダイレクト軸およびクワドラチャ軸へ印加される電流成分および電圧成分i
αβおよびV
αβは、
図1のデバイスの入力部のところで考えられ、そして電圧モデルに基づいて第1の線束推定装置10へ供給される。
【0070】
第1の線束推定装置10は、入力部のところに供給される成分iαβおよびVαβならびに固定子抵抗RSに基づいてクラークドメインの2つの軸の各々の起電力eαβのそれぞれダイレクト成分およびクワドラチャ成分を最初に決定する。
【0071】
したがって、第1の線束推定装置10は、クラークドメインの、それぞれ各々のダイレクト成分およびクワドラチャ成分について、固定子の抵抗の値R
Sと検討中の軸についての電流i
αβのそれぞれの成分とを掛け算し、そしてそれぞれの加算器102へその出力を供給する乗算器101を備える。検討中の各々の成分について、対応する加算器102は、次いで、対応する固定子電圧成分が受け取られる加算器入力から乗算器101の出力を引き算し、そして出力部のところで、検討中の軸についての起電力e
αβのそれぞれの成分をそれぞれの積分器103へ供給する。検討中の各々の成分について、対応する積分器103は、起電力の積分を計算し、クラークドメインにおいて固定子から見た全線束の、それぞれダイレクト成分およびクワドラチャ成分
を出力部のところで供給する。
【0072】
クラークドメインにおいて固定子から見た全線束の、それぞれこれらのダイレクト成分およびクワドラチャ成分
が、上に説明した数式(1)を適用することによって、機械により供給される電磁トルク
を計算するであろうトルク推定装置20へ供給される。
【0073】
上に説明したように、トルク推定装置は、電圧モデルに基づいてトルク推定装置20により推定されたトルク
を設定値トルクT
*
eと比較するように構成された検出装置30へトルク推定装置の出力
を供給する。したがって、検出装置30は、トルク推定装置20により供給される出力
から上記の設定値トルク値T
*
eを引き算し、検出装置の出力を絶対値として比較器32へ供給する加算器31を備える。前記比較器は、推定されたトルクと設定値トルクとの間の誤差の絶対値を予め定められたしきい値εと比較し、そして推定されたトルクと設定値トルクとの間の絶対値での差異が予め定められたしきい値よりも大きいことを意味する値「1」へと変化するときに、第1の線束推定装置10の2つの積分器103をリセットすることを命令するものであるブール演算子RESを、出力部のところで供給する。
【0074】
第1の線束推定装置10の2つの積分器103のこのリセットの実施は、本発明によれば、上に説明したように、機械のモデルの磁気的不確定性を考慮に入れて推定された線束を補正するために観測装置を用いて修正された基準系(d、q)において電流モデルに基づいて、第2の線束推定装置40の起動に基づく。これゆえ、信号RESは、上記信号が「1」および「0」へそれぞれ変化するときに、この第2の線束推定装置40を起動しそして好ましくは停止するために使用される。
【0075】
パーク変換回路41は、角度位置センサにより検出される固定子に対する回転子の位置θeの関数として基準系(α、β)から基準系(d、q)への交替を実行する。したがって、測定された固定子電気量のクラーク変換は、基準系(α、β)の成分iαβおよびVαβを機械のパーク平面の2つのダイレクトd軸およびクワドラチャq軸に沿った連続する成分へと変換する軸の交替に続く。
【0076】
したがって、機械のパーク平面の、それぞれ、2つのダイレクトd軸およびクワドラチャq軸に印加される電流および電圧成分iαβおよびVαβは、電流モデルに基づき、観測装置を用いて修正される第2の線束推定装置40の入力部のところに供給される。
【0077】
回転子の回転速度ωeもまた、この第2の線束推定装置40の入力部のところに供給される。
【0078】
上に説明したように、観測装置を使用して2つの変数g
1およびg
2を推定した後で、第2の線束推定装置40は、出力部のところで、上に説明した等式のセット(11)を適用することにより、パーク平面内の全線束の、それぞれ、推定されたダイレクトdおよびクワドラチャq成分
を供給する。
【0079】
これらの成分は、固定子に対する回転子の位置θ
eの関数として、基準系(d,q)から基準系(α,β)への交替を実行する逆パーク変換42を使用して変換される。これゆえ、逆パーク変換42は、機械の線束-電流モデルの磁気的不確定性を考慮に入れるために、観測装置にともなう、機械の線束-電流モデルに基づいて推定された二相基準系α、βにおける全線束の成分
を、出力部のところで供給する。
【0080】
これゆえ、線束-電流モデルに基づく第2の線束推定装置40が、線束-電圧モデルに基づく第1の推定装置10の2つの積分器103をリセットするための信号RESの関数として起動されるときに、これらの成分は、積分器の初期条件
をリセットするために2つの積分器103へ供給される。
【0081】
図1のデバイスはまた、上に説明した変数OTを通して、観測装置を用いて、第2の推定装置40の起動期間を測定することを目的とするモニタリング回路50も備える。
【0082】
最後に、
図1のデバイスはまた、上に述べた原理に則して決定された値e
αβ-offsetを出力部のところで供給し、起電力のオフセットを推定するための回路60も説明する。このオフセット値は、加算器102の出力部のところで計算された起電力から引き算されるために加算器102へ供給される。
【0083】
したがって、機械のトルクは、初期磁気条件の知識がなくてさえそして機械の動作中の磁気パラメータにおけるすべての変動を考慮に入れて、的確で強健な方式で推定され得る。