(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】神経筋疾患の処置のためのピリダジノン化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 413/04 20060101AFI20241218BHJP
A61K 31/501 20060101ALI20241218BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20241218BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20241218BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20241218BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
C07D413/04 CSP
A61K31/501
A61P21/00
A61P25/16
A61P25/28
C07D413/14
(21)【出願番号】P 2022568794
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(86)【国際出願番号】 US2021031979
(87)【国際公開番号】W WO2021231565
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2024-05-10
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520314836
【氏名又は名称】エッジワイズ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】コック, ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ハント, ケビン
(72)【発明者】
【氏名】シュラクター, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル, アラン
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/133888(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0289698(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0280385(US,A1)
【文献】国際公開第2019/084499(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 413/04
A61K 31/501
A61P 21/00
A61P 25/16
A61P 25/28
C07D 413/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IIA)によって表される化合物:
【化56】
またはその塩[式中、
R
11は、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
15でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニルは、R
17から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、R
15から独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
12は、R
15から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるシクロブチル;およびR
17から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるエチルから選択され、
R
15はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)および-CN;ならびに
C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
16はそれぞれ、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
17はそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)および-CNから独立して選択される]。
【請求項2】
R
11が、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環が、1つまたは複数のR
15でそれぞれ必要に応じて置換される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項3】
R
11が、C
3~6炭素環および3~6員の複素環から選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環が、1つまたは複数のR
15でそれぞれ必要に応じて置換される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項4】
R
11が、C
3~6炭素環および3~6員の複素環から選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-NO
2、-CN、C
1~6アルキル、C
3~6炭素環および3~6員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
3~6炭素環および3~6員の複素環が、1つまたは複数のR
15でそれぞれ必要に応じて置換される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項5】
R
11が、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、これらがそれぞれ、R
15から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項6】
R
11が、フェニル、ピリジルおよびシクロプロピルから選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、およびC
1~3アルキル(ハロゲンから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項7】
R
11が、フェニルおよびピリジルから選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、およびC
1~3アルキル(ハロゲンから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項8】
R
11が、フェニルおよびピリジルから選択され、これらがそれぞれ、クロロ、フルオロ、-OR
16、およびC
1~3アルキル(クロロおよびフルオロから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項9】
R
11が、フェニルおよびピリジルから選択され、これらがそれぞれ、1つまたは複数の-OR
16で必要に応じて置換される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項10】
R
11が、
【化57】
から選択される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項11】
R
11が、
【化58】
から選択される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項12】
R
12が、
ハロゲン、-OR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-NO
2および-CN;ならびに
ハロゲン、-OR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-NO
2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~3アルキル
から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるシクロブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
R
12が、ハロゲン、-OR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-NO
2および-CNで必要に応じて置換されるエチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
R
12が、エチルまたはシクロブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
R
12がエチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
R
12がエチルであり、R
11が、フェニルおよびピリジルから選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、およびC
1~3アルキル(ハロゲンから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物が、
【化59】
【化60】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
前記化合物が、
【化61】
【化62】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
請求項1に記載の化合物または塩を含む、医薬組成物。
【請求項20】
神経筋状態を処置するための組成物であって、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物または塩を含む、組成物。
【請求項21】
前記神経筋状態が、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー1型、筋強直性ジストロフィー2型、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、眼咽頭型筋ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィー、腱炎、手根管症候群から選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記神経筋状態が、デュシェンヌ型筋ジストロフィーである、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
運動障害を処置するための組成物であって、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物または塩を含む、組成物。
【請求項24】
前記運動障害が筋痙縮を含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記筋痙縮が、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、または脳性麻痺、または傷害、または外傷性事
象と関連する痙縮から選択される、請求項
24に記載の組成物。
【請求項26】
前記外傷性事象が、脳卒中、外傷性脳傷害、脊髄傷害、低酸素症、髄膜炎、脳炎、フェニルケトン尿症または筋萎縮性側索硬化症を含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記化合物または塩が、不随意的筋収縮を低減するために十分な量で投与される、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
前記化合物または塩が、不随意的筋収縮を少なくとも10%低減するために十分な量で投与される、請求項25に記載の組成物。
【請求項29】
前記運動障害がホスホリラーゼ欠乏症(マックアードル病)である、請求項23に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2020年5月13日出願の米国仮出願第63/024,439号の利益を主張し、その全体が本明細書に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
骨格筋は、2つの主要な目的を果たす、人体で最大の器官系である。その第1は、筋収縮、自発運動、および姿勢維持を可能にする力の生成である;その第2は、グルコース、脂肪酸およびアミノ酸の代謝である。日々の活動およびエクササイズの間の骨格筋の収縮は、筋の適応に重要である、筋ストレス、破壊およびリモデリングへと自然につながっている。神経筋状態(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD))を有する個体では、筋収縮は、身体が修復するのに苦労する、連続したラウンドの増幅された筋破壊をもたらす。最終的には、患者が加齢するにつれて、筋における過度の炎症、線維症、および脂肪沈着の蓄積をもたらす病態生理学的プロセスが出現し、身体機能の急激な低下および死亡率への寄与を予示する。
【0003】
DMDは、骨格筋に影響を及ぼす遺伝的障害であり、進行性の筋変性および虚弱によって特徴づけられる。神経筋状態(例えば、DMD)を有する患者において筋破壊を低減する処置のニーズが未だにある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、一般に、式(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の置換ピリダジノン化合物またはその塩およびその医薬組成物に関する。本明細書で開示する式(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の置換ピリダジノン化合物または塩は、神経筋疾患の処置または予防に使用することができる。いくつかの実施形態において、式(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、骨格筋収縮の阻害剤である。いくつかの実施形態において、式(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、ミオシンの阻害剤である。いくつかの実施形態において、式(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、骨格筋ミオシンIIの阻害剤である。
【0005】
いくつかの態様において、運動障害を処置する方法は、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)のいずれか1つの化合物または塩を投与して骨格筋ミオシンIIを阻害することを含み得る。前記運動障害は、筋痙縮を含む。いくつかの実施形態において、前記筋痙縮は、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、もしくは脳性麻痺、または傷害もしくは外傷的事象、例えば、脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、低酸素症、髄膜炎、脳炎、フェニルケトン尿症、または筋萎縮性側索硬化症と関連する痙縮から選択される場合がある。
【0006】
本開示は、疾患の処置において使用するための化合物およびその塩を提供する。ある種の局面において、本開示は、式(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩、その医薬組成物、ならびに疾患の処置における使用方法を提供する。
【0007】
ある種の態様において、本開示は、式(IIA)によって表される化合物:
【化1】
またはその塩を提供し、式中、
R
11は、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
15でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニルは、R
17から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、R
15から独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
12は、R
15から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるシクロブチル;およびR
17から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるエチルから選択され、
R
15はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)および-CN;ならびに
C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
16はそれぞれ、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
17はそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)および-CNから独立して選択される。
【0008】
ある種の態様において、本開示は、式(IIB)によって表される化合物:
【化2】
またはその塩を提供し、式中、
X
21およびX
22は、NおよびC(R
23)から独立して選択され、X
21およびX
22の少なくとも1つは、Nであり、
X
23は、SおよびOから選択され、
R
21は、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-N(R
26)C(O)N(R
26)
2、-OC(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)OR
26、-S(O)R
26、-S(O)
2R
26、-NO
2、=O、=S、=N(R
26)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-N(R
26)C(O)N(R
26)
2、-OC(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)OR
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-S(O)R
26、-S(O)
2R
26、-NO
2、=O、=S、=N(R
26)、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
22は、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-N(R
26)C(O)N(R
26)
2、-OC(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)OR
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-S(O)R
26、-S(O)
2R
26、-NO
2、=O、=S、=N(R
26)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-N(R
26)C(O)N(R
26)
2、-OC(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)OR
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-S(O)R
26、-S(O)
2R
26、-NO
2、=O、=S、=N(R
26)、-CN、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
23は、
水素、
ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-NO
2および-CN;ならびに
ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-NO
2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~3アルキル
から選択され、
R
25はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-N(R
26)C(O)N(R
26)
2、-OC(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)OR
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-S(O)R
26、-S(O)
2R
26、-NO
2、=O、=S、=N(R
26)、-CN;および
C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-N(R
26)C(O)N(R
26)
2、-OC(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)OR
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-S(O)R
26、-S(O)
2R
26、-NO
2、=O、=S、=N(R
26)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
26はそれぞれ、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
3~10炭素環、3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択される。
【0009】
ある種の態様において、本開示は、式(IIC)によって表される化合物:
【化3】
またはその塩を提供し、式中、
R
31は、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36、-SR
36、-N(R
36)
2、-C(O)R
36、-C(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)R
36、-C(O)OR
36、-OC(O)R
36、-N(R
36)C(O)N(R
36)
2、-OC(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)OR
36、-S(O)R
36、-S(O)
2R
36、-NO
2、=O、=S、=N(R
36)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
35でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36、-SR
36、-N(R
36)
2、-C(O)R
36、-C(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)R
36、-N(R
36)C(O)N(R
36)
2、-OC(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)OR
36、-C(O)OR
36、-OC(O)R
36、-S(O)R
36、-S(O)
2R
36、-NO
2、=O、=S、=N(R
36)、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
35でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
32は、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36、-SR
36、-N(R
36)
2、-C(O)R
36、-C(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)R
36、-N(R
36)C(O)N(R
36)
2、-OC(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)OR
36、-C(O)OR
36、-OC(O)R
36、-S(O)R
36、-S(O)
2R
36、-NO
2、=O、=S、=N(R
36)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
35でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36、-SR
36、-N(R
36)
2、-C(O)R
36、-C(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)R
36、-N(R
36)C(O)N(R
36)
2、-OC(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)OR
36、-C(O)OR
36、-OC(O)R
36、-S(O)R
36、-S(O)
2R
36、-NO
2、=O、=S、=N(R
36)、-CN、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
35でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
35はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
36、-SR
36、-N(R
36)
2、-C(O)R
36、-C(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)R
36、-N(R
36)C(O)N(R
36)
2、-OC(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)OR
36、-C(O)OR
36、-OC(O)R
36、-S(O)R
36、-S(O)
2R
36、-NO
2、=O、=S、=N(R
36)および-CN;ならびに
C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36、-SR
36、-N(R
36)
2、-C(O)R
36、-C(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)R
36、-N(R
36)C(O)N(R
36)
2、-OC(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)OR
36、-C(O)OR
36、-OC(O)R
36、-S(O)R
36、-S(O)
2R
36、-NO
2、=O、=S、=N(R
36)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
36はそれぞれ、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される);ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択される。
【0010】
ある種の態様において、本開示は、活動誘発性筋損傷を処置する方法であって、その必要のある被験体に、式(I)
【化4】
またはその塩の化合物または塩を投与する工程を包含する方法を提供し、式中、
A環は、R
1から独立して選択される1つまたは複数の置換基によって必要に応じて置換される5員の複素芳香族環から選択され、
Xは、NまたはCHであり、
R
1はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)および-CN;
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
2は、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)、
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)および-CN、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
-C(O)NR
7R
8
から選択され、
R
4はそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-NO
2、-CNおよびC
1~6アルキル(ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-NO
2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択され、
R
5はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)および-CN;ならびに
C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
6はそれぞれ、
水素;ならびに
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される);ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
7は、水素およびC
1~6アルキル(ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-NO
2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択され、
R
8は、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)、
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)、-CN、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
pは、0、1または2である。
【0011】
ある種の態様において、本開示は、神経筋状態を処置する、または活動誘発性筋損傷を処置する、または筋肉ミオシンIIを阻害する方法であって、その必要のある被験体に、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)のいずれか1つの化合物または塩を投与する工程を包含する、方法を提供する。
【0012】
ある種の態様において、本開示は、運動障害を処置する方法であって、その必要のある被験体に、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)のいずれか1つの化合物または塩を投与する工程を包含する、方法を提供する。ある種の態様において、本開示は、疾患障害を処置する方法であって、その必要のある被験体に、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)のいずれか1つの化合物または塩を投与する工程を包含し、疾患が、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)、筋強直性ジストロフィー1型、筋強直性ジストロフィー2型、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)、眼咽頭型筋ジストロフィー(OPMD)、肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)、腱炎、手根管症候群、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、または脳性麻痺、または傷害、または外傷性事象、例えば、脳卒中、外傷性脳傷害、脊髄傷害、低酸素症、髄膜炎、脳炎、フェニルケトン尿症、筋萎縮性側索硬化症、先天性筋ジストロフィー(CMD)、エメリー-ドレフュス型筋ジストロフィー(EDMD)、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)、眼咽頭型筋ジストロフィー(OPMD)、先天性筋ジストロフィー(CMD)、ベスレム型CMD、福山型CMD、筋眼脳病(MEB)、硬脊柱症候群、ウルリッヒ型CMD、ウォーカー-ワールブルグ症候群(WWS)、先天性ミオパチー、遠位型ミオパチー、内分泌性ミオパチー、炎症ミオパチー、代謝性ミオパチー、筋原線維性ミオパチー(MFM)、肩甲腓骨ミオパチーおよび心筋症から選択される、方法を提供する。
【0013】
ある種の態様において、本開示は、式(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)のいずれか1つの化合物または塩、あるいは薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
参考文献の援用
【0014】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、あたかもそれぞれ個々の刊行物、特許、または特許出願が、参考として具体的に個々に組み込まれることが示されているのと同程度に、参考として本明細書に援用される。
【0015】
本発明の新規な特徴は、添付の請求項において詳細に示される。本発明の特徴および利点のよりよい理解は、例示的実施形態を示し、本発明の原理が利用される以下の詳細な説明および添付の図面(本明細書では、「図」および「FIG.」とも)を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、後期DMDの病理を特徴づける炎症および不可逆的線維症の前に起こる過剰収縮誘導性傷害を図示する。
【0017】
【
図2】
図2は、速筋線維骨格筋ミオシンの阻害剤であるN-ベンジル-p-トリル-スルホンアミド(BTS)が、DMDのゼブラフィッシュモデルに由来する胚における病的な筋の乱れから筋を保護することを示すことを図示する。
【0018】
【
図3】
図3は、健常な志願者、BMDを有する患者、およびDMDを有する患者における、クレアチンキナーゼ、速トロポニンおよび遅トロポニンの比較を図示する。
【0019】
【
図4】
図4は、年齢に関する、BMDを有する患者およびDMDを有する患者における、クレアチンキナーゼ、速トロポニンおよび遅トロポニンの比較を図示する。
【0020】
【
図5】
図5は、疾患進行に関する、BMDを有する患者およびDMDを有する患者における、クレアチンキナーゼ、速トロポニンおよび遅トロポニンの比較を図示する。
【0021】
【
図6】
図6は、エクササイズ前およびエクササイズ後の、BMD、LGMDおよびマックアードル病を有する被験体における、クレアチンキナーゼ、速トロポニンおよびミオグロビンの血中レベルの比較を図示する。
【0022】
【
図7】
図7は、エクササイズ前およびエクササイズ後の、BMD、LGMDおよびマックアードル病を有する被験体における、クレアチンキナーゼの血中レベルの比較を図示する。
【0023】
【
図8】
図8は、エクササイズ前およびエクササイズ後の、BMD、LGMDおよびマックアードル病を有する被験体における、ミオグロビンの血中レベルの比較を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書で示され、記載されているが、このような実施形態が例示によって提供されるに過ぎないことは、当業者に明らかである。多くのバリエーション、変更、および置換は、本発明から逸脱することなく当業者によって今や想起され得る。本明細書で記載される本発明の実施形態に対する種々の変更が、本発明を実施するにあたって使用され得ることは、理解されるべきである。以下の請求項は、本発明の範囲を規定すること、およびこれらの請求項の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物は、請求項によって網羅されることが意図される。
(詳細な説明)
【0025】
ある種の局面において、本開示は、速筋線維骨格筋ミオシンの選択的阻害を通じて神経筋状態を処置するための方法を提供する。特に、本開示の方法は、DMDおよび他の神経筋状態の処置において使用され得る。
【0026】
骨格筋は、2タイプの線維、遅筋線維(すなわち、I型)および速筋線維(すなわち、II型)から主に構成される。各筋において、その2タイプの線維は、種々の筋での、ならびに成長および発生における種々の時点での線維タイプの組成の差異に伴って、モザイク様の配置で構成される。遅筋線維は、優れた有酸素エネルギー生成能力を有する。遅筋線維の収縮速度は遅いが、耐疲労性は高い。遅筋線維は、代表的には、速筋線維が有するより高いミトコンドリアおよびミオグロビンの濃度を有し、速筋線維より多くの毛細管によって取り囲まれている。遅筋線維は、より低いミオシンATPase活性に起因して、速筋線維と比較してより低い速度で収縮し、より低い仕事率を生み出すが、それらは、より長期間にわたって、例えば、安定化、姿勢制御、および持久力エクササイズにおいて収縮機能を維持し得る。
【0027】
ヒトにおける速筋線維は、それらが発現する特異的骨格筋速筋ミオシン(IIA型、IIx/d型)に依存して、2つの主要な線維タイプにさらに分けられる。速筋線維の第3のタイプ(IIB型)は、他の哺乳動物に存在するが、ヒト筋肉においてはほとんど同定されない。速筋線維は、優れた無酸素エネルギー生成能力を有し、短期間にわたって多量の張力を生成し得る。代表的には、速筋線維は、遅筋線維と比較して、より低濃度のミトコンドリア、ミオグロビン、および毛細管を有するので、より早く疲労し得る。速筋は、パワーおよび抵抗活動に必要とされる力をより早く発生させる。
【0028】
I型およびII型の割合は、種々の個体で変動し得る。例えば、非アスリート個体は、50%に近い各筋線維タイプを有し得る。パワー系アスリートは、速筋線維の比率がより高く、例えば、短距離選手では、70~75%のII型を有し得る。持久系アスリートは、遅筋線維の比率がより高く、例えば、長距離走者では、70~80%を有し得る。I型線維およびII型線維の割合はまた、個体の年齢に依存して変動し得る。II型線維の、特に、IIx型線維の割合は、個体が加齢するにつれて減少し得、除脂肪筋量の低下を生じる。
【0029】
骨格筋の収縮作用は、神経筋疾患(例えば、DMD)を有する被験体において筋損傷をもたらし、この損傷は、速筋線維においてより顕著なようである。ジストロフィーマウスモデルにおいて、伸張性の傷害(lengthening injury)後の急激な筋力低下が、主にI型線維の遅筋と比較して主にII型線維の速筋により多いことが観察される。ジストロフィーマウスモデルにおける急激な筋力低下および組織損傷の程度が、伸張性傷害の間に発生する筋力のピークに比例することも示されている。後期DMDの病理を特徴づける炎症および不可逆的線維症の前に起こる過剰収縮誘導性傷害は、
図1に示される[改訂された図:Claflin and Brooks,Am J Brooks,Physiol Cell,2008,]。これらの患者における収縮誘導性筋傷害は、II型線維における筋力生成のピークを制限し、より健康なI型線維に対する依存性を増大させることによって、おそらく低減され得る。N-ベンジル-p-トリル-スルホンアミド(BTS)は、骨格筋速筋線維ミオシンの阻害剤であり、
図2に示されるとおりのDMDのゼブラフィッシュモデルからの胚において病的な筋の乱れから筋を保護することが示されている[出典:Li and Arner,PLoSONE,2015]。
【0030】
II型線維に対して選択的でない骨格筋ミオシンの阻害剤は、呼吸機能を含め、骨格筋収縮の過剰な阻害および骨格筋収縮の望まない阻害をもたらし得る。なぜなら心臓は、いくつかの構造的構成要素(例えば、I型ミオシン)をI型骨格筋線維と共有するからである。特定の機構的理論によって拘泥されることを望むものではないが、本開示は、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)、マックアードル病および他の神経筋状態に対する処置選択肢として、速筋線維骨格筋ミオシンの選択的阻害剤を提供する。II型骨格筋ミオシンの標的化阻害は、被験体の日常活動に対する影響を最小限にしながら、骨格筋収縮を低減し得る。
【0031】
健全な筋肉が、過度の不慣れなエクササイズを受けると、筋肉は、痛み、ならびに動きの強度および範囲の持続的な低下を呈する。タンパク質もまた、クレアチンキナーゼ(CK)、乳酸デヒドロゲナーゼおよびミオグロビンを含めた、損傷した筋線維から血液循環に漏出する。これらのバイオマーカーは、速筋線維または遅筋線維に固有のものではなく、したがって、傷害に対する線維応答の差異に関する詳細はもたらさない。トロポニンI(TNNI)は、カルシウムによる筋肉の収縮の開始を制御するトロポニン複合体の構成成分である。それは、横紋筋のタイプごとに異なるアイソフォームが存在するという点で異なる:遅骨格筋ではTNNI1、速骨格筋ではTNNI2、および心筋ではTNNI3である。選択的酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)を使用して、極限条件下でさえも、有害なエクササイズ後に、血液循環中にTNNI1ではなくTNNI2が上昇することが実証されている。
【0032】
DMDおよびBMDは、ジストロフィンタンパク質5の不在(DMD)または短縮(BMD)によって引き起こされる。ジストロフィンは、ジストロフィン-糖タンパク質複合体を介して、アクチン細胞骨格と基底膜との間に、構造面での関連性をもたらす。ジストロフィンが存在しないまたは切断されている場合、筋肉の収縮により、通常の使用では筋肉のストレスおよび傷害が高まる。傷害に対する感受性は、BMDまたは健全な筋肉よりもDMD筋肉の方がはるかに高いが、速筋線維は、遅筋線維よりも影響を受けやすいように思われ、若いDMD患者は、速筋線維7の破壊およびIIx型線維の早期喪失の組織学的証拠を示す。実施例10は、トロポニン、クレアチンキナーゼまたはミオグロビンなどの筋肉含有物を漏出させるこれらの線維の相対的な感受性があることを示している。いくつかの実施形態において、本開示は、DMD、BMD、マックアードル病または肢帯型筋ジストロフィーに対する処置選択肢として、速線維骨格筋ミオシンの選択的阻害剤を提供する。
(定義)
【0033】
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の技術者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0034】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、状況によって別段明示されない限り、複数の参照物を含む。
【0035】
用語「Cx~y」または「Cx~Cy」は、アルキル、アルケニル、またはアルキニルのような化学的部分とともに使用される場合、鎖中x~y個の炭素を含有する基を含むことを意味する。例えば、用語「C1~6アルキル」は、1~6個の炭素を含有する直線状アルキルおよび分枝鎖アルキル基を含む置換または非置換飽和炭化水素基を指す。
【0036】
用語「Cx~yアルケニル」および「Cx~yアルキニル」は、前述のアルキルに長さおよび可能な置換が類似しているが、それぞれ少なくとも1つの二重結合または三重結合を含有する置換または非置換不飽和脂肪族基を指す。
【0037】
用語「炭素環」は、本明細書で使用される場合、環の各原子が炭素である飽和、不飽和または芳香族環を指す。炭素環としては、3~10員の単環式環、5~12員の二環式環、5~12員のスピロ二環、および5~12員の架橋環が挙げられる。二環式炭素環の各環は、飽和、不飽和、および芳香族環から選択され得る。例示的な実施形態において、芳香族環、例えばフェニルは、飽和または不飽和環、例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、またはシクロヘキセンに縮合され得る。二環式炭素環としては、結合価が許容する限り、飽和、不飽和および芳香族二環式環の任意の組合せが挙げられる。二環式炭素環としては、さらに、スピロ二環式環、例えばスピロペンタンが挙げられる。二環式炭素環としては、3-3スピロ環系、4-4スピロ環系、4-5縮合環系、5-5縮合環系、5-6縮合環系、6-6縮合環系、5-7縮合環系、6-7縮合環系、5-8縮合環系、および6-8縮合環系のような環の大きさの任意の組合せが挙げられる。例示的な炭素環としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、アダマンチル、フェニル、インダニル、ナフチル、およびビシクロ[1.1.1]ペンタニルが挙げられる。
【0038】
用語「アリール」は、芳香族単環式または芳香族多環式の炭化水素環系を指す。芳香族単環式または芳香族多環式の炭化水素環系は、水素および炭素だけを含有し、5~18個の炭素原子を含有し、ここで環系中の環の少なくとも1つは芳香族であり、すなわちヒュッケル則に従って、環式の非局在化した(4n+2)π-電子系を含有する。アリール基が誘導される環系としては、それに限定されるものではないが、ベンゼン、フルオレン、インダン、インデン、テトラリンおよびナフタレンのような基が挙げられる。
【0039】
用語「シクロアルキル」は、環の各原子が炭素である飽和環を指す。シクロアルキルとしては、3~10員の単環式環、5~12員の二環式環、5~12員のスピロ二環、および5~12員の架橋環のような単環式および多環式環が挙げられ得る。ある種の実施形態において、シクロアルキルは、3~10個の炭素原子を含む。他の実施形態において、シクロアルキルは、5~7個の炭素原子を含む。シクロアルキルは、単結合によって分子の残りに結合し得る。単環式シクロアルキルの例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。多環式シクロアルキル基としては、例えば、アダマンチル、スピロペンタン、ノルボルニル(すなわち、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、デカリニル、7,7ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル等が挙げられる。
【0040】
用語「シクロアルケニル」とは、不飽和環であって、環の各原子が炭素であり、2個の環炭素の間に少なくとも1つの二重結合が存在する、上記の不飽和環を指す。シクロアルケニルは、3~10員の単環式環、6~12員の二環式環および5~12員の架橋環などの、単環式環および多環式環を含むことができる。他の実施形態において、シクロアルケニルは、5~7個の炭素原子を含む。シクロアルケニルは、単結合によって分子の残りに結合し得る。単環式シクロアルケニルの例には、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルが含まれる。
【0041】
用語「ハロ」、あるいは「ハロゲン」または「ハライド」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。いくつかの実施形態において、ハロは、フルオロ、クロロ、またはブロモである。
【0042】
用語「ハロアルキル」は、1つまたは複数のハロ基によって置換されている、先に定義されるとおりのアルキル基、例えば、トリフルオロメチル、ジクロロメチル、ブロモメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-クロロメチル-2-フルオロエチル等を指す。いくつかの実施形態において、ハロアルキルラ基のアルキル部分は、本明細書で記載されるとおり必要に応じてさらに置換されている。
【0043】
用語「複素環」は、本明細書で使用される場合、1つまたは複数のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族環を指す。例示的なヘテロ原子としては、N、O、Si、P、B、およびS原子が挙げられる。複素環としては、3~10員の単環式環、6~12員の二環式環、5~12員のスピロ二環、および5~12員の架橋環が挙げられる。二環式複素環としては、結合価が許容する限り、飽和、不飽和および芳香族二環式環の任意の組合せが挙げられる。例示的な実施形態において、芳香族環、例えばピリジルは、飽和または不飽和環、例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、モルホリン、ピペリジンまたはシクロヘキセンに縮合され得る。二環式複素環としては、4-5縮合環系、5-5縮合環系、5-6縮合環系、6-6縮合環系、5-7縮合環系、6-7縮合環系、5-8縮合環系、および6-8縮合環系のような環の大きさの任意の組合せが挙げられる。二環式複素環としては、さらに、スピロ二環式環、例えば5~12員のスピロ二環、例えば2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタンが挙げられる。
【0044】
用語「ヘテロアリール」は、2~17個の炭素原子、ならびに窒素、酸素および硫黄から選択される1~6個のヘテロ原子を含む5~18員の芳香族環基から誘導された基を指す。本明細書で使用される場合、ヘテロアリール基は、単環式、二環式、三環式または四環系環系であり、ここで環系中の環の少なくとも1つは芳香族であり、すなわちヒュッケル則に従って、環式の非局在化した(4n+2)π-電子系を含有する。ヘテロアリールとしては、縮合環系または架橋環系が挙げられる。ヘテロアリール基のヘテロ原子は、必要に応じて酸化される。1つまたは複数の窒素原子は、存在する場合、必要に応じて四級化される。ヘテロアリールは、環の任意の原子を介して分子の残りに結合する。ヘテロアリールの例としては、それに限定されるものではないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2-d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2-c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、5,8-メタノ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6-ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a-オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2-d]ピリミジニル、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,5-c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、チエノ[3,2-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニル、およびチオフェニル(すなわちチエニル)が挙げられる。
【0045】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、炭素原子および少なくとも1つのヘテロ原子を有する飽和環を指す。例示的なヘテロ原子としては、N、O、Si、P、B、およびS原子が挙げられる。ヘテロシクロアルキルとしては、3~10員の単環式環、6~12員の二環式環、5~12員のスピロ二環、および5~12員の架橋環のような単環式および多環式環が挙げられ得る。ヘテロシクロアルキル基のヘテロ原子は、必要に応じて酸化される。1つまたは複数の窒素原子は、存在する場合、必要に応じて四級化される。ヘテロシクロアルキルは、結合価が許容すれば、ヘテロシクロアルキルの任意の原子、例えばヘテロシクロアルキルの任意の炭素または窒素原子を介して分子の残りに結合する。ヘテロシクロアルキル基の例としては、それに限定されるものではないが、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキザゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキザゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン、および1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられる。
【0046】
用語「ヘテロシクロアルケニル」は、炭素原子および少なくとも1つのヘテロ原子を有し、2個の環の炭素の間に少なくとも1つの二重結合が存在する不飽和環を指す。ヘテロシクロアルケニルには、ヘテロアリール環は含まれない。例示的なヘテロ原子としては、N、O、Si、P、B、およびS原子が挙げられる。ヘテロシクロアルケニルとしては、3~10員の単環式環、6~12員の二環式環、および5~12員の架橋環のような単環式および多環式環が挙げられ得る。他の実施形態において、ヘテロシクロアルケニルは、5~7個の環原子を含む。ヘテロシクロアルケニルは、単結合によって分子の残りに結合し得る。単環式シクロアルケニルの例としては、例えば、ピロリン(ジヒドロピロール)、ピラゾリン(ジヒドロピラゾール)、イミダゾリン(ジヒドロイミダゾール)、トリアゾリン(ジヒドロトリアゾール)、ジヒドロフラン、ジヒドロチオフェン、オキサゾリン(ジヒドロオキサゾール)、イソオキサゾリン(ジヒドロイソキサゾール)、チアゾリン(ジヒドロチアゾール)、イソチアゾリン(ジヒドロイソチアゾール)、オキサジアゾリン(ジヒドロオキサジアゾール)、チアジアゾリン(ジヒドロチアジアゾール)、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピラン、ジヒドロピラン、チオピラン、ジヒドロチオピラン、ジオキシン、ジヒドロジオキシン、オキサジン、ジヒドロオキサジン、チアジン、およびジヒドロチアジンが挙げられる。
【0047】
用語「置換される」とは、化合物の1またはこれより多くの炭素または置換可能なヘテロ原子(例えば、NHまたはNH2)上での水素を置き換える置換基を有する部分を指す。「置換」または「で置換される」が、このような置換が、その置換される原子およびその置換基の許容された結合価に従い、その置換が、安定な化合物(すなわち、再配置、環化、脱離などによるような変形を自然には受けない化合物)を生じるという暗に示される条件を含むことは理解される。ある種の実施形態において、置換されるとは、同じ炭素原子上にある2個の水素原子を置き換える置換基(例えば、1個の炭素上にあるその2個の水素原子を、オキソ、イミノまたはチオキソ基で置換する)を有する部分を指す。本明細書で使用される場合、用語「置換される」は、有機化合物の全ての許容可能な置換基を含むことが企図される。広い局面において、その許容可能な置換基としては、有機化合物の非環式および環式の、分枝状および非分枝状の、炭素環式および複素環式の、芳香族および非芳香族の置換基が挙げられる。その許容可能な置換基は、適切な有機化合物に対して1個または複数であり得、同じであり得るかまたは異なり得る。
【0048】
いくつかの実施形態において、置換基は、例えば、本明細書で記載される以下の任意の置換基を含み得る:ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO2)、イミノ(=N-H)、オキシム(oximo)(=N-OH)、ヒドラジノ(=N-NH2)、-Rb-ORa、-Rb-OC(O)-Ra、-Rb-OC(O)-ORa、-Rb-OC(O)-N(Ra)2、-Rb-N(Ra)2、-Rb-C(O)Ra、-Rb-C(O)ORa、-Rb-C(O)N(Ra)2、-Rb-O-Rc-C(O)N(Ra)2、-Rb-N(Ra)C(O)ORa、-Rb-N(Ra)C(O)Ra、-Rb-N(Ra)S(O)tRa(ここでtは1または2である)、-Rb-S(O)tRa(ここでtは1または2である)、-Rb-S(O)tORa(ここでtは1または2である)、および-Rb-S(O)tN(Ra)2(ここでtは1または2である);ならびにアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキルであって、これらのうちのいずれも、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO2)、イミノ(=N-H)、オキシム(=N-OH)、ヒドラジン(=N-NH2)、-Rb-ORa、-Rb-OC(O)-Ra、-Rb-OC(O)-ORa、-Rb-OC(O)-N(Ra)2、-Rb-N(Ra)2、-Rb-C(O)Ra、-Rb-C(O)ORa、-Rb-C(O)N(Ra)2、-Rb-O-Rc-C(O)N(Ra)2、-Rb-N(Ra)C(O)ORa、-Rb-N(Ra)C(O)Ra、-Rb-N(Ra)S(O)tRa(ここでtは1または2である)、-Rb-S(O)tRa(ここでtは1または2である)、-Rb-S(O)tORa(ここでtは1または2である)および-Rb-S(O)tN(Ra)2(ここでtは1または2である)によって必要に応じて置換され得る;ここで各Raは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルから独立して選択され、ここで各Raは、結合価が許容すれば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO2)、イミノ(=N-H)、オキシム(=N-OH)、ヒドラジン(=N-NH2)、-Rb-ORa、-Rb-OC(O)-Ra、-Rb-OC(O)-ORa、-Rb-OC(O)-N(Ra)2、-Rb-N(Ra)2、-Rb-C(O)Ra、-Rb-C(O)ORa、-Rb-C(O)N(Ra)2、-Rb-O-Rc-C(O)N(Ra)2、-Rb-N(Ra)C(O)ORa、-Rb-N(Ra)C(O)Ra、-Rb-N(Ra)S(O)tRa(ここでtは1または2である)、-Rb-S(O)tRa(ここでtは1または2である)、-Rb-S(O)tORa(ここでtは1または2である)および-Rb-S(O)tN(Ra)2(ここでtは1または2である)で必要に応じて置換され得る;そしてここで各Rbは、直接結合、あるいは直線状もしくは分枝状のアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン鎖から独立して選択され、そして各Rcは、直線状もしくは分枝状のアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン鎖である。
【0049】
酸素原子との二重結合、例えばオキソ基は、本明細書では「=O」および「(O)」の両方として表される。窒素原子との二重結合は、「=NR」および「(NR)」の両方として表される。硫黄原子との二重結合は、「=S」および「(S)」の両方として表される。
【0050】
句「非経口投与」および「非経口投与される」は、本明細書で使用される場合、経腸以外の投与および通常は注射による局所投与の方法を意味し、それに限定されるものではないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、関節内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内および胸骨内注射および注入が挙げられる。
【0051】
句「薬学的に許容される」は、本明細書では、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしにヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適した、妥当な損益比に見合う、化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために使用される。
【0052】
句「薬学的に許容される賦形剤」または「薬学的に許容される担体」は、本明細書で使用される場合、薬学的に許容される材料、組成物またはベヒクル、例えば液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒または被包材料を意味する。各担体は、製剤のその他の成分と適合性があり、患者にとって有害でないという意味で「許容され」なければならない。薬学的に許容される担体として働くことができる材料のいくつかの例としては、(1)糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース、(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびバレイショデンプン、(3)セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース、(4)粉末化トラガント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)賦形剤、例えばカカオバターおよび坐剤ワックス、(9)油、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油、(10)グリコール、例えばプロピレングリコール、(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール、(12)エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル、(13)寒天、(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム、(15)アルギン酸、(16)発熱物質を含まない水、(17)等張食塩水、(18)リンガー溶液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸緩衝液、ならびに(21)医薬製剤において使用される他の非毒性の適合性物質が挙げられる。
【0053】
用語「塩」または「薬学的に許容される塩」は、当技術分野で周知の種々の有機および無機対イオンから誘導された塩を指す。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸を用いて形成することができる。塩を誘導することができる無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。塩を誘導することができる有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等が挙げられる。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機塩基を用いて形成することができる。塩を誘導することができる無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム等が挙げられる。塩を誘導することができる有機塩基としては、例えば、第一級、第二級、および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂等、例えば具体的には、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンが挙げられる。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩から選択される。
【0054】
本明細書で使用する場合、「処置」または「処置する」とは、限定はしないが、治療利益および/または予防的利益を始めとする、疾患、障害、または医学的状態に関して有益な、または所望される結果を得るための手法を指す。治療利益には、例えば、処置対象である根源的な障害の根絶または軽減が含まれ得る。また、治療利益には、例えば、被験体が根源的な障害を依然として患い得るにもかかわらず、被験体において改善が認められるような、根源的な障害と関連する生理的症状の1つまたは複数の根絶または軽減も含まれ得る。ある種の実施形態において、組成物は、予防的利益のために、この疾患の診断がなされていない場合があるとしても、特定の疾患を発症するリスクのある被験体、または疾患の身体的症状の1つまたは複数を訴える被験体に投与される。本明細書に記載の化合物の投与による処置は、医療専門家の関与を必要としない。
(化合物)
【0055】
以下は、本開示の方法において使用することができる、化合物およびその塩の考察である。ある種の実施形態において、本化合物および塩は、式(IIA)、(IIB)または(IIC)に記載されている。
【0056】
一態様において、式(IIA)によって表される化合物:
【化5】
またはその塩が本明細書で開示され、式中、
R
11は、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
15でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニルは、R
17から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、R
15から独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
12は、R
15から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるシクロブチル;およびR
17から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるエチルから選択され、
R
15はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)および-CN;ならびに
C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
16はそれぞれ、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
17はそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-C(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)R
16、-N(R
16)C(O)N(R
16)
2、-OC(O)N(R
16)
2、-N(R
16)C(O)OR
16、-C(O)OR
16、-OC(O)R
16、-S(O)R
16、-S(O)
2R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)および-CNから独立して選択される。
【0057】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R11は、
水素、
ハロゲン、-OR16、-SR16、-N(R16)2、-C(O)R16、-C(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)R16、-C(O)OR16、-OC(O)R16、-N(R16)C(O)N(R16)2、-OC(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)OR16、-S(O)R16、-S(O)2R16、-NO2、=O、=S、=N(R16)、-CN、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~6アルキル;ならびに
C3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR16、-SR16、-N(R16)2、-C(O)R16、-C(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)R16、-N(R16)C(O)N(R16)2、-OC(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)OR16、-C(O)OR16、-OC(O)R16、-S(O)R16、-S(O)2R16、-NO2、=O、=S、=N(R16)、-CN、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C1~6アルキルは、R17から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C3~10炭素環および3~10員の複素環は、R15から独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択される。
【0058】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R11は、C3~10炭素環および3~10員の複素環から選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR16、-SR16、-N(R16)2、-C(O)R16、-C(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)R16、-N(R16)C(O)N(R16)2、-OC(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)OR16、-C(O)OR16、-OC(O)R16、-S(O)R16、-S(O)2R16、-NO2、=O、=S、=N(R16)、-CN、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR15でそれぞれ必要に応じて置換される。
【0059】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R11は、ハロゲン、-OR16、-SR16、-N(R16)2、-C(O)R16、-C(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)R16、-N(R16)C(O)N(R16)2、-OC(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)OR16、-C(O)OR16、-OC(O)R16、-S(O)R16、-S(O)2R16、-NO2、=O、=S、=N(R16)、-CN、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC3~10炭素環であり、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR15でそれぞれ必要に応じて置換される。
【0060】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R11は、3~10員の複素環であり、これはそれぞれ、ハロゲン、-OR16、-SR16、-N(R16)2、-C(O)R16、-C(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)R16、-N(R16)C(O)N(R16)2、-OC(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)OR16、-C(O)OR16、-OC(O)R16、-S(O)R16、-S(O)2R16、-NO2、=O、=S、=N(R16)、-CN、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR15でそれぞれ必要に応じて置換される。
【0061】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R11は、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、これらはそれぞれ、R15から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0062】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R11は、フェニル、ピリジルおよびシクロプロピルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR16およびC1~3アルキル(ハロゲンから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0063】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R11は、フェニル、3-ピリジルおよびシクロプロピルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-OMe、-OCF3、-OCHF2および-CF3から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0064】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R
11は、
【化6】
から選択される。
【0065】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R
11は、
【化7】
から選択される。
【0066】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R12は、
ハロゲン、-OR16、-N(R16)2、-C(O)R16、-C(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)R16、-C(O)OR16、-OC(O)R16、-NO2および-CN;ならびに
ハロゲン、-OR16、-N(R16)2、-C(O)R16、-C(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)R16、-C(O)OR16、-OC(O)R16、-NO2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~3アルキル
から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるシクロブチルである。
【0067】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R12は、ハロゲン、-OR16、-N(R16)2、-C(O)R16、-C(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)R16、-C(O)OR16、-OC(O)R16、-NO2および-CNで必要に応じて置換されるエチルである。
【0068】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R12は、エチルおよびシクロブチルから選択される。
【0069】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R15は、ハロゲン、-OR16、-SR16、-N(R16)2、-C(O)R16、-C(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)R16、-N(R16)C(O)N(R16)2、-OC(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)OR16、-C(O)OR16、-OC(O)R16、-S(O)R16、-S(O)2R16、-NO2、=O、=S、=N(R16)および-CNから選択される。
【0070】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R15は、C1~3アルキル、C2~3アルケニル、C2~3アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR16、-SR16、-N(R16)2、-C(O)R16、-C(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)R16、-N(R16)C(O)N(R16)2、-OC(O)N(R16)2、-N(R16)C(O)OR16、-C(O)OR16、-OC(O)R16、-S(O)R16、-S(O)2R16、-NO2、=O、=S、=N(R16)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択される。
【0071】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R15は、ハロゲン、-OR16、-N(R16)2、=O、-CNおよびC1~3アルキル(ハロゲン、-OR16、-N(R16)2、-NO2、=Oおよび-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択される。
【0072】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R16は、水素である。
【0073】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R16は、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0074】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R16は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~6アルキルから選択される。
【0075】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R16は、C3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択される。
【0076】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R16は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC3~10炭素環である。
【0077】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R16は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される3~10員の複素環である。
【0078】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R17は、ハロゲン、-OR16、-SR16、-N(R16)2、-NO2、=O、=Sおよび-CNから選択される。
【0079】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩について、R17は、ハロゲンである。
【0080】
一態様において、式(IIA)によって表される化合物:
【化8】
またはその塩が本明細書で開示され、式中、
R
11は、
水素、
C
1~6アルキル(ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
15でそれぞれ必要に応じて置換される);ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
15でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
12は、R
15から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるシクロブチル;およびR
17から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるエチルから選択され、
R
15はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)および-CN;ならびに
C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-SR
16、-N(R
16)
2、-C(O)R
16、-NO
2、=O、=S、=N(R
16)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
16はそれぞれ、
水素、
ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6アルキル;ならびに
C
3~3炭素環および5~9員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
17はそれぞれ、ハロゲン、-OH、-OMe、-SH、-NH
2、-NO
2、=O、=Sおよび-CNから独立して選択される。
【0081】
一態様において、式(IIA)によって表される化合物:
【化9】
またはその塩が本明細書で開示され、式中、
R
11は、
C
1~6アルキル(ハロゲン、-OR
16、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
15でそれぞれ必要に応じて置換される);ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16、-NO
2、-CN、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
15でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
12は、シクロブチルおよびエチルから選択され、
R
15はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
16および-CN;ならびに
ハロゲン、-OR
16、-SR
16および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~3アルキル
から独立して選択され、
R
16はそれぞれ、
水素、
ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6アルキル;ならびに
C
3~6炭素環および5~9員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択される。
【0082】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩は、
【化10】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される。
【0083】
ある種の実施形態において、式(IIA)の化合物または塩は、
【化11】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される。
【0084】
一態様において、式(IIB)によって表される化合物:
【化12】
またはその塩が本明細書で開示され、式中、
X
21およびX
22は、NおよびC(R
23)から独立して選択され、X
21およびX
22の少なくとも1つは、Nであり、
X
23は、SおよびOから選択され、
R
21は、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-N(R
26)C(O)N(R
26)
2、-OC(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)OR
26、-S(O)R
26、-S(O)
2R
26、-NO
2、=O、=S、=N(R
26)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-N(R
26)C(O)N(R
26)
2、-OC(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)OR
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-S(O)R
26、-S(O)
2R
26、-NO
2、=O、=S、=N(R
26)、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
22は、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-N(R
26)C(O)N(R
26)
2、-OC(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)OR
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-S(O)R
26、-S(O)
2R
26、-NO
2、=O、=S、=N(R
26)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-N(R
26)C(O)N(R
26)
2、-OC(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)OR
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-S(O)R
26、-S(O)
2R
26、-NO
2、=O、=S、=N(R
26)、-CN、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
23は、
水素、
ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-NO
2および-CN;ならびに
ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-NO
2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~3アルキル
から選択され、
R
25はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-N(R
26)C(O)N(R
26)
2、-OC(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)OR
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-S(O)R
26、-S(O)
2R
26、-NO
2、=O、=S、=N(R
26)、-CN;および
C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26、-SR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-N(R
26)C(O)N(R
26)
2、-OC(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)OR
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-S(O)R
26、-S(O)
2R
26、-NO
2、=O、=S、=N(R
26)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
26はそれぞれ、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
3~10炭素環、3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択される。
【0085】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、X23はOである。ある種の実施形態において、X23はSである。ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、X21はNであり、X22はCR23である。ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、X22はNであり、X21はCR23である。ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、X22はNであり、X21はNである。ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、X23はOであり、X21はNであり、X22はNである。ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、X23はOであり、X21はCR23であり、X22はNである。ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、X23はOであり、X21はNであり、X22はCR23である。ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、X23はSであり、X21はNであり、X22はNである。ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、X23はSであり、X21はCR23であり、X22はNである。ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、X23はSであり、X21はNであり、X22はCR23である。
【0086】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R21は、必要に応じて置換されるC1~6アルキル、必要に応じて置換される炭素環および必要に応じて置換されるヘテロアリールから選択される。
【0087】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R21は、必要に応じて置換されるC1~3アルキル、必要に応じて置換されるC3~6炭素環および必要に応じて置換される5員または6員のヘテロアリールから選択され、C1~3アルキル上の置換基は、ハロゲン、-OR26、-N(R26)2、-C(O)R26、-C(O)N(R26)2、-N(R26)C(O)R26、-C(O)OR26、-OC(O)R26、-NO2および-CNから選択され、C3~6炭素環および5員または6員のヘテロアリール上の置換基は、ハロゲン、-OR26、-N(R26)2、-C(O)R26、-C(O)N(R26)2、-N(R26)C(O)R26、-C(O)OR26、-OC(O)R26、-NO2、-CNおよびC1~6アルキル(1つまたは複数のR25で必要に応じて置換される)から選択される。
【0088】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R21は、必要に応じて置換されるC1~3アルキル、必要に応じて置換されるC3~6炭素環および必要に応じて置換される5員または6員のヘテロアリールから選択され、C1~3アルキル、C3~6炭素環および6員のヘテロアリール上の置換基は、ハロゲン、-OR26、-N(R26)2、-NO2および-CNから選択される。
【0089】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R21は、C1~3アルキル、置換フェニル、C5炭素環および必要に応じて置換されるピリジルから選択され、フェニルおよびピリジル上の置換基は、ハロゲン、-OH、-NH2、-NO2および-CNから選択される。
【0090】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R
21は、-CH
3
【化13】
から選択される。
【0091】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R22は、
ハロゲン、-OR26、-N(R26)2、-C(O)R26、-C(O)N(R26)2、-N(R26)C(O)R26、-C(O)OR26、-OC(O)R26、-NO2、-CN、C3~10炭素環および3~10員の複素環(C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR25でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~6アルキル;ならびに
ハロゲン、-OR26、-N(R26)2、-C(O)R26、-C(O)N(R26)2、-N(R26)C(O)R26、-C(O)OR26、-OC(O)R26、-NO2、-CN、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環(C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR25でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC3~6炭素環
から選択される。
【0092】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R22は、
ハロゲンおよびフェニル(1つまたは複数のR25で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~3アルキル;ならびに
ハロゲン、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環(C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR25でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC3~6炭素環
から選択される。
【0093】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R22は、
ハロゲンおよびフェニル(ハロゲンから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~3アルキル;ならびに
ハロゲン、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC3~6炭素環
から選択される。
【0094】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R22は、C1~3アルキルおよびC3~6炭素環(1個または複数のハロゲンで必要に応じて置換される)から選択される。
【0095】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R
22は、-CH
2CH
3
【化14】
から選択される。
【0096】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R23は、水素、-OMe、-OH、-NH2、-COOH、-NO2および-CNから選択される。
【0097】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R23は、水素である。
【0098】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R25は、ハロゲン、-OR26、-SR26、-N(R26)2、-C(O)R26、-C(O)N(R26)2、-N(R26)C(O)R26、-N(R26)C(O)N(R26)2、-OC(O)N(R26)2、-N(R26)C(O)OR26、-C(O)OR26、-OC(O)R26、-S(O)R26、-S(O)2R26、-NO2、=O、=S、=N(R26)および-CNから選択される。
【0099】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R25は、C1~3アルキル、C2~3アルケニル、C2~3アルキニルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR26、-SR26、-N(R26)2、-C(O)R26、-C(O)N(R26)2、-N(R26)C(O)R26、-N(R26)C(O)N(R26)2、-OC(O)N(R26)2、-N(R26)C(O)OR26、-C(O)OR26、-OC(O)R26、-S(O)R26、-S(O)2R26、-NO2、=O、=S、=N(R26)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0100】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R25は、ハロゲン、-OR26、-N(R26)2、=O、-CNおよびC1~3アルキル(ハロゲン、-OR26、-N(R26)2、-NO2、=Oおよび-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択される。
【0101】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R26は、水素である。
【0102】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R26は、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0103】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R26は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~6アルキルから選択される。
【0104】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R26は、C3~10炭素環および3~10員の複素環から選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0105】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R26は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC3~10炭素環である。
【0106】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩について、R26は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される3~10員の複素環である。
【0107】
一態様において、式(IIB)によって表される化合物:
【化15】
またはその塩が本明細書で開示され、式中、
X
21およびX
22は、NおよびC(R
23)から独立して選択され、X
21およびX
22の少なくとも1つは、Nであり、
X
23は、SおよびOから選択され、
R
21は、必要に応じて置換されるC
1~3アルキル、必要に応じて置換されるフェニルおよび必要に応じて置換される5員または6員のヘテロアリールから選択され、C
1~3アルキル上の置換基は、ハロゲン、-OR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-NO
2および-CNから選択され、フェニルおよび5員または6員のヘテロアリール上の置換基は、ハロゲン、-OR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-NO
2、-CNおよびC
1~6アルキル(1つまたは複数のR
25で必要に応じて置換される)から選択され、
R
22は、
ハロゲン、-OR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-NO
2、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環(C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6アルキル;ならびに
ハロゲン、-OR
26、-N(R
26)
2、-C(O)R
26、-C(O)N(R
26)
2、-N(R
26)C(O)R
26、-C(O)OR
26、-OC(O)R
26、-NO
2、-CN、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環(C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
3~6炭素環
から選択され、
R
23は、水素、-OMe、-OH、-NH
2、-COOH、-NO
2および-CNから選択され、
R
25はそれぞれ、ハロゲン、-OR
26、-N(R
26)
2、=O、-CNおよびC
1~3アルキル(ハロゲン、-OR
26、-N(R
26)
2、-NO
2、=Oおよび-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択され、
R
26はそれぞれ、水素、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2および-NH
2から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0108】
一態様において、式(IIB)によって表される化合物:
【化16】
またはその塩が本明細書で開示され、式中、
X
21およびX
22は、NおよびC(R
23)から独立して選択され、X
21およびX
22の少なくとも1つは、Nであり、
X
23は、SおよびOから選択され、
R
21は、C
1~3アルキル、置換フェニルおよび必要に応じて置換される6員のヘテロアリールから選択され、フェニルおよび6員のヘテロアリール上の置換基は、ハロゲン、-OR
26、-N(R
26)
2、-NO
2および-CNから選択され、
R
22は、
ハロゲンおよびフェニル(ハロゲンから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~3アルキル;ならびに
ハロゲン、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
3~6炭素環
から選択され、
R
23は、水素であり、
R
25はそれぞれ、ハロゲン、-OH、-NH
2、=O、-CNおよびC
1~3アルキル(ハロゲン、-OH、-NH
2、-NO
2、=Oおよび-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択され、
R
26はそれぞれ、水素、C
1~6アルキル(ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2および-NH
2から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択される。
【0109】
ある種の実施形態において、式(IIB)の化合物または塩は、
【化17】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される。
【0110】
一態様において、式(IIC)によって表される化合物:
【化18】
またはその塩が本明細書で開示され、式中、
R
31は、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36、-SR
36、-N(R
36)
2、-C(O)R
36、-C(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)R
36、-C(O)OR
36、-OC(O)R
36、-N(R
36)C(O)N(R
36)
2、-OC(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)OR
36、-S(O)R
36、-S(O)
2R
36、-NO
2、=O、=S、=N(R
36)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
35でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36、-SR
36、-N(R
36)
2、-C(O)R
36、-C(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)R
36、-N(R
36)C(O)N(R
36)
2、-OC(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)OR
36、-C(O)OR
36、-OC(O)R
36、-S(O)R
36、-S(O)
2R
36、-NO
2、=O、=S、=N(R
36)、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
35でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
32は、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36、-SR
36、-N(R
36)
2、-C(O)R
36、-C(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)R
36、-N(R
36)C(O)N(R
36)
2、-OC(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)OR
36、-C(O)OR
36、-OC(O)R
36、-S(O)R
36、-S(O)
2R
36、-NO
2、=O、=S、=N(R
36)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
35でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36、-SR
36、-N(R
36)
2、-C(O)R
36、-C(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)R
36、-N(R
36)C(O)N(R
36)
2、-OC(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)OR
36、-C(O)OR
36、-OC(O)R
36、-S(O)R
36、-S(O)
2R
36、-NO
2、=O、=S、=N(R
36)、-CN、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
35でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
35はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
36、-SR
36、-N(R
36)
2、-C(O)R
36、-C(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)R
36、-N(R
36)C(O)N(R
36)
2、-OC(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)OR
36、-C(O)OR
36、-OC(O)R
36、-S(O)R
36、-S(O)
2R
36、-NO
2、=O、=S、=N(R
36)および-CN;ならびに
C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36、-SR
36、-N(R
36)
2、-C(O)R
36、-C(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)R
36、-N(R
36)C(O)N(R
36)
2、-OC(O)N(R
36)
2、-N(R
36)C(O)OR
36、-C(O)OR
36、-OC(O)R
36、-S(O)R
36、-S(O)
2R
36、-NO
2、=O、=S、=N(R
36)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
36はそれぞれ、
水素、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される);ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択される。
【0111】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R31は、必要に応じて置換されるC1~6アルキル、必要に応じて置換されるアリールおよび必要に応じて置換されるヘテロアリールから選択される。
【0112】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R31は、必要に応じて置換されるC1~3アルキル、必要に応じて置換されるフェニルおよび必要に応じて置換される5員または6員のヘテロアリールから選択され、C1~3アルキル上の置換基は、ハロゲン、-OR36、-N(R36)2、-C(O)R36、-C(O)N(R36)2、-N(R36)C(O)R36、-C(O)OR36、-OC(O)R36、-NO2および-CNから選択され、フェニルおよび5員または6員のヘテロアリール上の置換基は、ハロゲン、-OR36、-N(R36)2、-C(O)R36、-C(O)N(R36)2、-N(R36)C(O)R36、-C(O)OR36、-OC(O)R36、-NO2、-CNおよびC1~6アルキル(1つまたは複数のR35で必要に応じて置換される)から選択される。
【0113】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R31は、C1~3アルキル、置換フェニルおよび必要に応じて置換される6員のヘテロアリールから選択され、フェニルおよび6員のヘテロアリール上の置換基は、ハロゲン、-OR36、-N(R36)2、-NO2および-CNから選択される。
【0114】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R31は、C1~3アルキル、置換フェニルおよび必要に応じて置換されるピリジルから選択され、フェニルおよびピリジル上の置換基は、ハロゲン、-OH、-NH2、-NO2および-CNから選択される。
【0115】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R32は、
ハロゲン、-OR36、-N(R36)2、-C(O)R36、-C(O)N(R36)2、-N(R36)C(O)R36、-C(O)OR36、-OC(O)R36、-NO2、-CN、C3~10炭素環および3~10員の複素環(C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR35でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~6アルキル;ならびに
ハロゲン、-OR36、-N(R36)2、-C(O)R36、-C(O)N(R36)2、-N(R36)C(O)R36、-C(O)OR36、-OC(O)R36、-NO2、-CN、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環(C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR35でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC3~6炭素環
から選択される。
【0116】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R32は、
ハロゲンおよびフェニル(1つまたは複数のR35で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~3アルキル;ならびに
ハロゲン、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環(C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR35でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC3~6炭素環
から選択される。
【0117】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R32は、ハロゲンおよびフェニル(ハロゲンから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~3アルキルである。
【0118】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R32は、C1~3アルキルから選択される。
【0119】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R32は、-CH2CH3から選択される。
【0120】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R35は、ハロゲン、-OR36、-SR36、-N(R36)2、-C(O)R36、-C(O)N(R36)2、-N(R36)C(O)R36、-N(R36)C(O)N(R36)2、-OC(O)N(R36)2、-N(R36)C(O)OR36、-C(O)OR36、-OC(O)R36、-S(O)R36、-S(O)2R36、-NO2、=O、=S、=N(R36)および-CNから選択される。
【0121】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R35は、C1~3アルキル、C2~3アルケニル、C2~3アルキニルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR36、-SR36、-N(R36)2、-C(O)R36、-C(O)N(R36)2、-N(R36)C(O)R36、-N(R36)C(O)N(R36)2、-OC(O)N(R36)2、-N(R36)C(O)OR36、-C(O)OR36、-OC(O)R36、-S(O)R36、-S(O)2R36、-NO2、=O、=S、=N(R36)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0122】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R35は、ハロゲン、-OR36、-N(R36)2、=O、-CNおよびC1~3アルキル(ハロゲン、-OR36、-N(R36)2、-NO2、=Oおよび-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択される。
【0123】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R36は、水素である。
【0124】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R36は、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0125】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R36は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~6アルキルから選択される。
【0126】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R36は、C3~10炭素環および3~10員の複素環から選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0127】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R36は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC3~10炭素環である。
【0128】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩について、R36は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される3~10員の複素環である。
【0129】
ある種の実施形態において、式(IIC)の化合物または塩は、
【化19】
またはその塩から選択される。
【0130】
いくつかの実施形態において、式(III)によって表される化合物:
【化20】
またはその塩が本明細書で開示され、式中、
R
41は、フェニルおよびピリジルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-OH、-SH、-NH
2、-CN、C
1~6アルキル、C
1~6ハロアルキル、C
1~6アルコキシドおよびC
1~6ハロアルコキシドから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、
R
42は、ハロゲン、-OH、-SH、-NH
2、-CN、C
1~6アルキル、C
1~6ハロアルキル、C
1~6アルコキシドおよびC
1~6ハロアルコキシドから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、5員~6員の複素環である。
【0131】
ある種の実施形態において、式(III)の化合物または塩は、
【化21】
【化22】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される。
【0132】
ある種の実施形態において、式(III)の化合物または塩は、
【化23】
【化24】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される。
【0133】
炭素-炭素二重結合または炭素-窒素二重結合を有する化学実体は、Z-またはE-形態(またはcis-もしくはtrans-形態)で存在し得る。さらに、いくつかの化学実体は、種々の互変異性形態で存在し得る。別段特定されない限り、本明細書で記載される化合物は、全てのZ-、E-および互変異性形態も同様に含むことが意図される。
【0134】
「互変異性体」は、分子の1個の原子から同じ分子の別の原子へのプロトンシフトが可能な分子を指す。本明細書で提示される化合物は、ある種の実施形態において、互変異性体として存在する。互変異性化が可能な環境においては、互変異性体の化学平衡が存在する。互変異性体の正確な比は、物理的条件、温度、溶媒、およびpHを含むいくつかの因子に応じて決まる。互変異性平衡のいくつかの例としては、
【化25】
が挙げられる。
【0135】
本明細書で開示される化合物は、いくつかの実施形態において、例えば、2H、3H、11C、13Cおよび/または14Cの含量が濃縮された、異なる濃縮同位体形態で使用される。特定の一実施形態において、化合物は、少なくとも1つの位置において重水素化される。このような重水素化形態は、米国特許第5,846,514号および同第6,334,997号に記載される手順によって作成することができる。米国特許第5,846,514号および同第6,334,997号に記載されているとおり、重水素化は、代謝安定性およびまたは有効性を改善し、したがって、薬物の作用期間を増大することができる。
【0136】
別段記述されない限り、本明細書で記載される化合物は、1つまたは複数の同位体的に濃縮された原子の存在だけが異なる化合物を含むことが意図される。例えば、水素が重水素もしくはトリチウムによって置き換えられている、または炭素が13C-もしくは14C-濃縮炭素によって置き換えられていることを除き本発明の構造を有する化合物は、本開示の範囲内にある。
【0137】
本開示の化合物は、必要に応じて、このような化合物を構成する1つまたは複数の原子において非自然の割合の原子同位体を含有する。例えば、化合物は、例えば重水素(2H)、トリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)または炭素-14(14C)のような同位体で標識され得る。2H、11C、13C、14C、15C、12N、13N、15N、16N、16O、17O、14F、15F、16F、17F、18F、33S、34S、35S、36S、35Cl、37Cl、79Br、81Br、および125Iによる同位体置換は、全て企図される。本発明の化合物の全ての同位体の変形形態は、放射性であろうとなかろうと本発明の範囲内に包含される。
【0138】
ある種の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、1H原子の一部または全てが2H原子で置き換えられている。重水素含有化合物の合成法は、当技術分野で公知であり、それには、単に非限定的な例として以下の合成法が含まれる。
【0139】
重水素置換化合物は、Dean, Dennis C.; Editor. Recent Advances in the Synthesis and Applications of Radiolabeled Compounds for Drug
Discovery and Development. [In: Curr., Pharm. Des., 2000; 6(10)] 2000, 110 pp、George W.; Varma, Rajender S. The Synthesis of Radiolabeled Compounds via Organometallic Intermediates, Tetrahedron, 1989, 45(21), 6601-21、およびEvans, E. Anthony. Synthesis of radiolabeled compounds, J. Radioanal. Chem., 1981, 64(1-2), 9-32に記載されている方法のような種々の方法を使用して合成される。
【0140】
重水素化された出発材料は、容易に入手可能であり、重水素含有化合物の合成を提供するために、本明細書に記載される合成法に供される。重水素を含有する多くの試薬および構成成分が、Aldrich Chemical Co.のような化学物質の供給業者から市販されている。
【0141】
本発明の化合物はまた、例えば、化合物の多形、疑似多形、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形(無水物を含む)、立体構造多形、および非晶質形、ならびにそれらの混合物を含む、同じタイプの活性を有する化合物の結晶形および非晶質形、これらの化合物の薬学的に許容される塩、ならびに活性な代謝産物を含む。
【0142】
本開示には、本明細書で記載される化合物の塩、特に薬学的に許容される塩が含まれる。十分に酸性、十分に塩基性、または両方の官能性の基を有する本開示の化合物は、いくつかの無機塩基、ならびに無機酸および有機酸のいずれかと反応して、塩を形成することができる。あるいは、第四級窒素を有する化合物のような、本来的に荷電されている化合物は、適切な対イオン、例えば、ハロゲン化物イオン、例えば臭化物イオン、塩化物イオン、またはフッ化物イオン、特に臭化物イオンを有する塩を形成することができる。
【0143】
本明細書で記載される化合物は、ある場合には、ジアステレオマー、エナンチオマー、または他の立体異性形態として存在し得る。本明細書で提示される化合物は、全てのジアステレオマー、鏡像異性およびエピマー形態、ならびに適切なそれらの混合物を含む。立体異性体の分離は、クロマトグラフィーによって、あるいはジアステレオマーを形成し、再結晶化もしくはクロマトグラフィー、またはそれらの任意の組合せによって分離することによって実施され得る。(本開示のために参考として本明細書に援用されるJean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, ”Enantiomers, Racemates and Resolutions”, John Wiley And Sons, Inc., 1981)。立体異性体は、立体選択的合成によって得ることもできる。
【0144】
本明細書で記載される方法および組成物は、非晶質形および結晶形(多形としても公知)の使用を含む。本明細書で記載される化合物は、薬学的に許容される塩の形態であり得る。同様に、いくつかの実施形態において、同じタイプの活性を有するこれらの化合物の活性な代謝産物も、本開示の範囲に含まれる。さらに、本明細書で記載される化合物は、非溶媒和形態で存在することができ、水、エタノール等のような薬学的に許容される溶媒とともに溶媒和形態でも存在することができる。本明細書で提示される化合物の溶媒和形態も、本明細書で開示されるとみなされる。
【0145】
ある種の実施形態において、化合物または化合物の塩は、プロドラッグであり得、例えば、ここで親化合物におけるヒドロキシルは、エステルもしくはカーボネートとして提示されるか、または親化合物に存在するカルボン酸は、エステルとして提示される。用語「プロドラッグ」は、生理条件下で本開示の医薬品に変換される化合物を包含することが意図される。プロドラッグを作成するためのある方法は、生理条件下で加水分解を受けて所望の分子を曝露する、1つまたは複数の選択された部分を含むことである。他の実施形態において、プロドラッグは、宿主動物における特定の標的細胞のような、宿主動物の酵素活性によって変換される。例えば、エステルまたはカーボネート(例えば、アルコールまたはカルボン酸のエステルまたはカーボネート、およびホスホン酸のエステル)は、本開示の好ましいプロドラッグである。
【0146】
本明細書で記載されるとおり、in vivoで代謝されて化合物を生成する本明細書で記載される化合物のプロドラッグ形態は、特許請求の範囲に含まれる。ある場合には、本明細書で記載される化合物のいくつかは、別の誘導体または活性化合物のためのプロドラッグであり得る。
【0147】
プロドラッグは、ある状況においては親薬物よりも投与しやすい場合があるので、しばしば有用である。プロドラッグは、例えば、親が経口投与によって生体利用不可能であるのに対して、経口投与によって利用可能な場合がある。プロドラッグは、親薬物に対して化合物の細胞透過性を増強する一助になり得る。プロドラッグはまた、医薬組成物における溶解度が親薬物を上回って改善され得る。プロドラッグは、部位特異的組織への薬物輸送を増強し、または細胞内部の薬物滞留を増大する変性剤として使用するための、可逆的薬物誘導体として設計され得る。
【0148】
いくつかの実施形態において、プロドラッグの設計は、医薬品の親油性を増大する。いくつかの実施形態において、プロドラッグの設計は、有効な水溶性を増大する。例えば、Fedorak et al., Am. J. Physiol., 269:G210-218 (1995)、McLoed et al., Gastroenterol, 106:405-413 (1994)、Hochhaus et al., Biomed. Chrom., 6:283-286 (1992)、J. Larsen and H. Bundgaard, Int. J. Pharmaceutics, 37, 87 (1987)、J. Larsen et al., Int. J. Pharmaceutics, 47, 103 (1988)、Sinkula
et al., J. Pharm. Sci., 64:181-210 (1975)、T. Higuchi and V. Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the
A.C.S. Symposium Series; and Edward B. Roche, Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987(このような開示は全て本明細書に援用される)を参照されたい。別の実施形態によれば、本開示は、先に定義される化合物を生成する方法を提供する。化合物は、従来技術を使用して合成され得る。有利なことには、これらの化合物は、好都合には、容易に入手可能な出発材料から合成される。
【0149】
本明細書で記載される化合物の合成に有用な合成化学変形および方法論は、当技術分野で公知であり、それには、例えば、R. Larock, Comprehensive
Organic Transformations (1989)、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2d. Ed. (1991)、L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis (1994)、およびL. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis (1995)に記載されているものが含まれる。
(治療用途)
【0150】
本明細書で考察される式(I)、(IIA)、(IIB)、(IIC)もしくは(III)の化合物または塩の投与の方法は、筋肉ミオシンIIを阻害するために使用することができる。いくつかの実施形態において、本化合物およびその塩は、活動誘発性筋損傷を処置するために使用することができる。いくつかの実施形態において、本化合物は、神経筋状態および運動障害(痙縮など)を処置するために使用されてもよい。
【0151】
本明細書で考察される式(I)、(IIA)、(IIB)、(IIC)もしくは(III)の化合物または塩の投与の方法は、神経筋状態および運動障害を処置するために使用することができる。神経筋状態の例としては、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー1型、筋強直性ジストロフィー2型、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、眼咽頭型筋ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィー、腱炎および手根管症候群が挙げられるが、これらに限定されない。運動障害の例としては、筋痙縮障害、あるいは多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、または脳性麻痺と関連する痙縮、または傷害、または外傷的事象(例えば、脳卒中、外傷性脳傷害、脊髄傷害、低酸素症、髄膜炎、脳炎、フェニルケトン尿症、または筋萎縮性側索硬化症)が挙げられるが、これらに限定されない。骨格筋ミオシンII、骨格筋トロポニンC、骨格筋トロポニンI、骨格筋トロポミオシン、骨格筋トロポニンT、骨格筋調節性軽鎖、骨格筋ミオシン結合タンパク質Cまたは骨格筋アクチンの阻害に応答し得る他の状態も挙げられる。いくつかの実施形態において、神経筋状態および運動障害は、筋ジストロフィーおよびミオパチーから選択される。いくつかの実施形態において、筋ジストロフィーは、遺伝子異常(変異)が、健全な筋肉を形成するために必要なタンパク質の生成を妨害する、進行性衰弱および筋肉量の喪失を引き起こす疾患である。いくつかの実施形態において、筋ジストロフィーは、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)、先天性筋ジストロフィー(CMD)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、エメリー-ドレフュス型筋ジストロフィー(EDMD)、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)、肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)、筋強直性ジストロフィー(DM)および眼咽頭型筋ジストロフィー(OPMD)から選択される。いくつかの実施形態において、先天性筋ジストロフィー(CMD)は、ベスレム型CMD、福山型CMD、筋眼脳病(MEB)、硬脊柱症候群、ウルリッヒ型CMDおよびウォーカー-ワールブルグ症候群(WWS)から選択される。いくつかの実施形態において、ミオパチーは、神経障害によって引き起こされない筋肉の疾患である。ミオパチーは、筋肉を衰弱状態、または収縮状態(萎縮状態)にする。いくつかの実施形態において、ミオパチーは、先天性ミオパチー、遠位型ミオパチー、内分泌性ミオパチー、炎症ミオパチー、代謝性ミオパチー、筋原線維性ミオパチー(MFM)、肩甲腓骨ミオパチーおよび心筋症から選択される。いくつかの実施形態において、先天性ミオパチーは、キャップミオパチー、中心核ミオパチー、線維タイプの不均衡を伴う先天性ミオパチー、コアミオパチー、セントラルコア病、マルチミニコアミオパチー、ミオシン蓄積ミオパチー、筋管ミオパチーおよびネマリンミオパチーから選択される。いくつかの実施形態において、遠位型ミオパチーは、gneミオパチー/埜中ミオパチー/遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)、Laing型遠位型ミオパチー、Markesbery-Griggs型遅発性遠位型ミオパチー、三好型ミオパチー、Uddミオパチー/脛骨筋ジストロフィー、VCPミオパチー/IBMPFD、声帯および咽頭遠位ミオパチーおよびウェランダー型遠位型ミオパチーから選択される。いくつかの実施形態において、内分泌性ミオパチーは、甲状腺機能亢進性ミオパチーおよび甲状腺機能低下性ミオパチーから選択される。いくつかの実施形態において、炎症ミオパチーは、皮膚筋炎、封入体筋炎および多発筋炎から選択される。いくつかの実施形態において、代謝性ミオパチーは、von Gierk病、Anderson病、Fanconi-Bickel症候群、アルドラーゼA欠乏症、酸マルターゼ欠乏症(ポンペ病)、カルニチン欠乏症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ欠乏症、脱分枝酵素欠乏症(コーリ病、フォーブズ病)、乳酸デヒドロゲナーゼ欠乏症、ミオアデニレートデアミナーゼ欠乏症、ホスホフルクトキナーゼ欠乏症(垂井病)、ホスホグリセレートキナーゼ欠乏症、ホスホグリセレートムターゼ欠乏症(Her病)およびホスホリラーゼ欠乏症(マックアードル病)から選択される。いくつかの実施形態において、心筋症は、内因性心筋症および外因性心筋症から選択される。いくつかの実施形態において、内因性心筋症は、遺伝的ミオパチーおよび後天性ミオパチーから選択される。いくつかの実施形態において、遺伝的ミオパチーは、肥大性心筋症、不整脈原性右室心筋症(ARVC)、LV非圧縮性、イオンチャネロパチー、拡張型心筋症(DCM)および拘束型心筋症(RCM)から選択される。いくつかの実施形態において、後天性ミオパチーは、たこつぼ型心筋症、心筋炎、好酸球性心筋炎および虚血性心筋症から選択される。いくつかの実施形態において、外因性心筋症は、代謝性心筋症、心内膜心筋症、内分泌心筋症、心臓顔面心筋症(cardiofacial cardiomyopathy)から選択される。いくつかの実施形態において、代謝性心筋症は、Fabry病およびヘモクロマトーシスから選択される。いくつかの実施形態において、内分泌心筋症は、心内膜心筋線維症および好酸球増多症候群から選択される。いくつかの実施形態において、内分泌心筋症は、糖尿病、甲状腺機能亢進症および先端巨大症から選択される。いくつかの実施形態において、心臓顔面心筋症は、ヌーナン症候群である。
【0152】
いくつかの実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の投与によって、神経筋障害および運動障害を処置する方法が、本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物または塩;
【化26】
またはその塩の投与によって、神経筋障害および運動障害を処置する方法が本明細書で開示され、式中、
A環は、R
1から独立して選択される1つまたは複数の置換基によって必要に応じて置換される5員の複素芳香族環から選択され、
Xは、NまたはCHであり、
R
1はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)および-CN;
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
2は、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)、
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)および-CN、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
-C(O)NR
7R
8
から選択され、
R
4はそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-NO
2、-CNおよびC
1~6アルキル(ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-NO
2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択され、
R
5はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)および-CN;ならびに
C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル、C
2~3アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
6はそれぞれ、
水素;ならびに
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される);ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
7は、水素およびC
1~6アルキル(ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-NO
2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択され、
R
8は、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)、
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-C(O)R
6、-C(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)R
6、-N(R
6)C(O)N(R
6)
2、-OC(O)N(R
6)
2、-N(R
6)C(O)OR
6、-C(O)OR
6、-OC(O)R
6、-S(O)R
6、-S(O)
2R
6、-NO
2、=O、=S、=N(R
6)、-CN、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
pは、0、1または2である。
【0153】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、A環は、5員の非置換複素芳香族環である。
【0154】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、A環は、R1から独立して選択される1つまたは複数の置換基によって置換される5員の複素芳香族環である。ある種の実施形態において、A環は、2個またはそれより多いヘテロ原子を有する。ある種の実施形態において、A環は、3個のヘテロ原子を有する。
【0155】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、A環は、チオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピロール、テトラゾールおよびフランから選択され、これらはそれぞれ、R1から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0156】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、A環は、チオフェン、オキサジアゾール、オキサゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピラゾールおよびチアゾールから選択され、これらはそれぞれ、R1から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0157】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、A環は、
【化27】
から選択され、これらはそれぞれ、R
1から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0158】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、A環は、
【化28】
から選択され、これらはそれぞれ、R
1から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0159】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、A環は、
【化29】
から選択される。
【0160】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、A環は、
【化30】
から選択される。
【0161】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、XはNである。ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、XはCHである。
【0162】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R1は、
ハロゲン、-OR6、-CN、C3~10炭素環および3~10員の複素環(C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR5でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~6アルキル;ならびに
C3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR6、-CN、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR5でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択される。
【0163】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R1は、
ハロゲン、-OR6および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~6アルキル;ならびに
C3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR6、-およびC1~6アルキル(1つまたは複数のR5で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から選択される。
【0164】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R1は、
C1~6アルキル;ならびに
C3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR6、-およびC1~6アルキル(1つまたは複数のR5で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から選択される。
【0165】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R1は、ハロゲンまたは-OR6で必要に応じて置換されるC1~6アルキル;ならびにC3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR6、-およびC1~6アルキル(1つまたは複数のR5で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択される。
【0166】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R1は、ハロゲンおよび-OR6から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~3アルキルから選択される。
【0167】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R1は、ハロゲン、-OH、-OC6H5および-OCH3から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるメチルから選択される。
【0168】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R1は、ピリジン、C3~5シクロアルキルおよびフェニルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-CH3、-CN、-OH、-OCH3、-OCF3、-CF3、-CHF2、-OCHF2およびシクロプロピルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0169】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R
1は、メチル
【化31】
【化32】
から選択される。
【0170】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R
1は、メチル
【化33】
から選択される。
【0171】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R2は、ハロゲン、-OR6、-SR6、-N(R6)2、-CN、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~6アルキルから選択され、前記C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR5でそれぞれ必要に応じて置換される。
【0172】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R2は、ハロゲン、-OR6、-SR6、-N(R6)2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~6アルキルから選択される。
【0173】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R2は、C3~10炭素環および3~10員の複素環から選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR6、-SR6、-N(R6)2、CN、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR5でそれぞれ必要に応じて置換される。
【0174】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R2は、フェニル、ピリジル、ピリミジル、チアゾール、オキサジアゾールおよびオキサゾールから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR6、-SR6、-N(R6)2、CNおよびC1~6アルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0175】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R
2は、エチル、tert-ペンチル、n-プロピル、n-ブチル、イソプロピル、シクロブチル、ベンジル、
【化34】
から選択される。
【0176】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R
2は、
【化35】
から選択される。
【0177】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R2は、
ハロゲン、-OH、-OMe、-NH2およびCNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~6アルキル;
C3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OH、-SH、-NH2、-CN、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される);ならびに
-C(O)NR7R8
から選択される。
【0178】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R2は、-C(O)NR7R8である。
【0179】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R4は、ハロゲン、-OH、-OMe、-SH、-N(H)2、-NO2、-CNおよびC1~6アルキル(ハロゲン、-OH、-OMe、-SH、-N(H)2、-NO2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択される。
【0180】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R4は、ハロゲン、-OH、-OMe、-SH、-N(H)2、-NO2および-CNから選択される。
【0181】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R5は、ハロゲン、-OR6、-SR6、-N(R6)2、-C(O)R6、-C(O)N(R6)2、-N(R6)C(O)R6、-N(R6)C(O)N(R6)2、-OC(O)N(R6)2、-N(R6)C(O)OR6、-C(O)OR6、-OC(O)R6、-S(O)R6、-S(O)2R6、-NO2、=O、=S、=N(R6)および-CNから選択される。
【0182】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R5は、C1~3アルキル、C2~3アルケニル、C2~3アルキニルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR6、-SR6、-N(R6)2、-C(O)R6、-C(O)N(R6)2、-N(R6)C(O)R6、-N(R6)C(O)N(R6)2、-OC(O)N(R6)2、-N(R6)C(O)OR6、-C(O)OR6、-OC(O)R6、-S(O)R6、-S(O)2R6、-NO2、=O、=S、=N(R6)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0183】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R5は、ハロゲン、-OR6、-N(R6)2、=O、-CNおよびC1~3アルキル(ハロゲン、-OR6、-N(R6)2、-NO2、=Oおよび-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択される。
【0184】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R6は、水素である。
【0185】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R6は、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0186】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R6は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~6アルキルから選択される。
【0187】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R6は、
C3~10炭素環および3~10員の複素環から選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される。
【0188】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R6は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC3~10炭素環である。
【0189】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R6は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるフェニルである。
【0190】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R6は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2および-NH2から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるフェニルである。
【0191】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R6は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される3~10員の複素環である。
【0192】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R6は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される5~6員の複素環である。
【0193】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R6は、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO2、-NH2、=O、=S、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)2、-NH(C1~6アルキル)、C1~6アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される5員の複素環である。
【0194】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R7は、水素およびC1~6アルキル(ハロゲン、-OH、-SH、-NH2、-NO2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択される。
【0195】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R7は、水素およびC1~3アルキルから選択される。
【0196】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R7は、水素である。
【0197】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R8は、
C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR6、-SR6、-N(R6)2、-CN、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR5でそれぞれ必要に応じて置換される);ならびに
C3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR6、-SR6、-N(R6)2、-CN、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR5でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択される。
【0198】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R8は、ハロゲン、-OR6、-CN、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC1~6アルキルから選択され、前記C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR5でそれぞれ必要に応じて置換される。
【0199】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R8は、メチル、エチル、プロピルおよびブチルから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-OH、-CN、-OCH3、-CF3、-CHF2、-CH2F、フェニルまたはピリジルの1つまたは複数で必要に応じて置換され、フェニルまたはピリジルは、ハロゲン、-CH3、-OH、-OCH3、-CF3、-CHF2または-CH2Fで必要に応じて置換される。
【0200】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R8は、C3~10炭素環および3~10員の複素環から選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR6、-CN、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR5でそれぞれ必要に応じて置換される。
【0201】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R8は、C3~6炭素環および5~9員の複素環から選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR6、-CN、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C1~6アルキル、C3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR5でそれぞれ必要に応じて置換される。
【0202】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R8は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ピリジル、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピロールおよびフランから選択され、これらはそれぞれ、1つまたは複数のR5で必要に応じて置換される。
【0203】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R8は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ピリジル、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾールから選択され、これらはそれぞれ、1つまたは複数のR5で必要に応じて置換される。
【0204】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩について、R8は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ピリジル、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾールから選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-OCH3、-CF3、-CHF2または-CH2Fの1つまたは複数で必要に応じて置換される。
【0205】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物または塩;
【化36】
またはその塩の投与によって、神経筋障害および運動障害を処置する方法が本明細書で開示され、式中、
A環は、チオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピロール、テトラゾールおよびフランから選択され、これらはそれぞれ、R
1から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、
Xは、NまたはCHであり、
R
1はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
6、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環(C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6アルキル;ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-CN、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
2は、
ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環(C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6アルキル;
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、CN、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される);ならびに
-C(O)NR
7R
8
から選択され、
R
4はそれぞれ、ハロゲン、-OH、-OMe、-SH、-NH
2、-NO
2、-CNおよびC
1~6アルキル(ハロゲン、-OH、-OMe、-SH、-N(H)
2、-NO
2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択され、
R
5はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-NO
2、=O、=Sおよび-CN;ならびに
ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、=O、=Sおよび-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~3アルキル
から独立して選択され、
R
6はそれぞれ、
水素、
ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6アルキル;ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、C
3~10炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
7は、水素およびC
1~6アルキル(ハロゲン、-OH、-SH、-NH
2、-NO
2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択され、
R
8は、
C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル、C
2~6アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-CN、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される);ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-SR
6、-N(R
6)
2、-CN、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6アルキル、C
3~10炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
pは、0である。
【0206】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物または塩;
【化37】
またはその塩の投与によって、神経筋障害および運動障害を処置する方法が本明細書で開示され、式中、
A環は、
【化38】
から選択され、
Xは、NまたはCHであり、
R
1はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
6および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6アルキル;ならびに
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6、-およびC
1~6アルキル(1つまたは複数のR
5で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
2は、
ハロゲン、-OH、-OMe、-NH
2およびCNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6アルキル;
C
3~10炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OH、-SH、-NH
2、-CN、C
1~6アルキル、C
1~6ハロアルキル、C
1~6アルコキシド、C
1~6ハロアルコキシド、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される);ならびに
-C(O)NR
7R
8
から選択され、
R
4はそれぞれ、ハロゲン、-OH、-OMe、-SH、-NH
2、-NO
2および-CNから独立して選択され、
R
5はそれぞれ、ハロゲン、-OH、-OMe、-NH
2、=O、-CNおよびC
1~3アルキル(ハロゲン、-OH、-OMe、-NH
2、-NO
2、=Oおよび-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択され、
R
6はそれぞれ、
水素、
ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
3~10炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6アルキル;
ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2、-NH
2、=O、=S、-O-C
1~6アルキル、-S-C
1~6アルキル、-N(C
1~6アルキル)
2、-NH(C
1~6アルキル)、C
1~6アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
3~10炭素環
から独立して選択され、
R
7は、水素およびC
1~3アルキル(ハロゲン、-OH、-SH、-NH
2、-NO
2および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択され、
R
8は、
メチル、エチル、プロピルおよびブチル(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OH、-CN、-OCH
3、-CF
3、-CHF
2、-CH
2F、フェニルまたはピリジルの1つまたは複数で必要に応じて置換され、フェニルまたはピリジルは、ハロゲン、-CH
3、-OH、-OCH
3、-CF
3、-CHF
2または-CH
2Fで必要に応じて置換される);ならびに
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ピリジル、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピロールおよびフラン(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-OCH
3、-CF
3、-CHF
2または-CH
2Fの1つまたは複数で必要に応じて置換される)
から選択され、
pは、0である。
【0207】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩は、
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される。
【0208】
ある種の実施形態において、式(I)の化合物または塩は、
【化44】
【化45】
【化46】
【化47】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される。
【0209】
骨格筋収縮の低減による神経筋障害および運動障害を処置する方法が、本明細書で示される。式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の選択的速筋骨格筋(II型)ミオシン阻害剤での神経筋障害および運動障害を有する被験体の処置は、過剰な非協調筋収縮を防止することによって、筋破壊を低減し得、より少ない筋損傷を生じる。さらに、本開示の方法は、被験体における身体機能に対する影響を最小限にしながら、筋損傷を低減し得る。機能の保存は、II型線維における筋力の生成による損傷レベルを制限すること、およびより健康なI型線維に対する依存性を増大させることの両方によって、起こり得る。骨格筋収縮または非協調筋収縮の低減は、骨格筋ミオシンIIの阻害によって低減され得る。ある種の実施形態において、その骨格筋ミオシンIIの阻害剤は、本明細書に開示される式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩である。
【0210】
いくつかの実施形態において、本明細書では、筋肉ミオシンIIを阻害する方法であって、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を、その必要のある被験体に投与する工程を包含する方法が開示される。いくつかの実施形態において、化合物または塩は、心筋収縮を感知できるほど阻害しない。いくつかの実施形態において、化合物または塩は、心筋収縮を、感知できるほどには阻害しない。いくつかの実施形態において、化合物または塩は、心筋力を10%未満低減する。
【0211】
いくつかの局面において、神経筋状態または運動障害を処置する方法は、骨格筋収縮を阻害するために、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を投与する工程を包含し得る。いくつかの実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、心筋収縮を著しく阻害しない。いくつかの実施形態において、心筋収縮は、20%またはそれ未満阻害される。いくつかの実施形態において、心筋収縮は、15%またはそれ未満阻害される。いくつかの実施形態において、心筋収縮は、10%またはそれ未満阻害される。いくつかの実施形態において、心筋収縮は、9%またはそれ未満阻害される。いくつかの実施形態において、心筋収縮は、8%またはそれ未満阻害される。いくつかの実施形態において、心筋収縮は、7%またはそれ未満阻害される。いくつかの実施形態において、心筋収縮は、6%またはそれ未満阻害される。いくつかの実施形態において、心筋収縮は、5%またはそれ未満阻害される。いくつかの実施形態において、心筋収縮は、4%またはそれ未満阻害される。いくつかの実施形態において、心筋収縮は、3%またはそれ未満阻害される。いくつかの実施形態において、心筋収縮は、2%またはそれ未満阻害される。いくつかの実施形態において、心筋収縮は、1%またはそれ未満阻害される。
【0212】
被験体の日常生活動作(ADL)または習慣的身体活動は、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩での処置の前および後にモニターされ得る。ADLまたは習慣的身体活動は被験体依存性であり、被験体の能力および日課に依存して、単純なウォーキングから集中的なエクササイズまでの範囲に及び得る。本明細書で考察される骨格筋収縮阻害剤の処置選択肢および投与量は、そのADLおよび習慣的身体活動が変わらないままであるように、被験体に合わせて個別化され得る。
【0213】
いくつかの局面において、神経筋状態または運動障害を処置する方法は、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を投与して骨格筋収縮を阻害する工程を包含し得る。式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、骨格筋収縮を50%低減するために必要とされる量に対する量で与えられ得る。式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、骨格筋収縮を、その被験体の処置前の骨格筋収縮能力に対して50%低減するために必要とされる量より少ない量で投与され得る。式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、骨格筋収縮を、上記被験体の処置前の骨格筋収縮能力に対して5%~45%低減する量で投与され得る。いくつかの場合には、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、骨格筋収縮を、上記被験体の処置前の骨格筋収縮能力に対して10%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、35%未満、40%未満、45%未満、またはさらには50%未満低減する量で投与され得る。ある種の実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、骨格筋収縮を、上記被験体の処置前の骨格筋収縮能力に対して1%~50%低減する量で投与され得る。
【0214】
いくつかの局面において、神経筋状態または運動障害を処置する方法は、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を投与してI型骨格筋収縮を阻害する工程を包含し得る。I型骨格筋収縮の阻害剤は、I型骨格筋収縮を20%低減するために必要とされる量に対する量で与えられ得る。そのI型骨格筋収縮の阻害剤は、I型骨格筋収縮を、その被験体の処置前のI型骨格筋収縮能力に対して20%低減するために必要とされる量より少ない量で投与され得る。そのI型骨格筋収縮の阻害剤は、I型骨格筋収縮を、上記被験体の処置前のI型骨格筋収縮能力に対して0.01%~20%低減する量で投与され得る。いくつかの場合には、その阻害剤は、I型骨格筋収縮を、上記被験体の処置前のI型骨格筋収縮能力に対して0.01%未満、0.1%未満、0.5%未満、1%未満、5%未満、10%未満、15%未満、または20%未満低減する量で投与され得る。ある種の実施形態において、その阻害剤は、I型骨格筋収縮を、上記被験体の処置前のI型骨格筋収縮能力に対して0.01%~20%低減する量で投与され得る。
【0215】
いくつかの局面において、神経筋状態または運動障害を処置する方法は、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を投与してII型骨格筋収縮を阻害する工程を包含し得る。II型骨格筋収縮の阻害剤は、II型骨格筋収縮を90%低減するために必要とされる量に対する量で投与され得る。そのII型骨格筋収縮の阻害剤は、II型骨格筋収縮を、その被験体の処置前のII型骨格筋収縮能力に対して90%低減するために必要な量より少ない量で投与され得る。そのII型骨格筋収縮の阻害剤は、II型骨格筋収縮を、上記被験体の処置前のII型骨格筋収縮能力に対して5%~75%低減する量で投与され得る。いくつかの場合には、その阻害剤は、II型骨格筋収縮を上記被験体の処置前のII型骨格筋収縮能力に対して10%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、35%未満、40%未満、45%未満、50%未満、55%未満、60%未満、65%未満、70%未満、75%未満、80%未満、85%未満またはさらには90%未満だけ低減する量で投与され得る。ある種の実施形態において、その阻害剤は、II型骨格筋収縮を、上記被験体の処置前のII型骨格筋収縮能力に対して1%~50%低減する量で投与され得る。
【0216】
いくつかの局面において、骨格筋線維における収縮誘導性傷害を処置する方法は、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を投与して骨格筋収縮および/または骨格筋ミオシンIIを阻害する工程を包含し得る。ある種の実施形態において、その阻害剤は、心筋収縮を感知できるほど阻害しない。
【0217】
いくつかの局面において、代謝性筋症、例えば、マッカードル症候群を処置する方法は、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を投与することを含み得る。
【0218】
ある種の実施形態において、その骨格筋線維における収縮誘導性傷害は、不随意的骨格筋収縮に由来する。その不随意的骨格筋収縮は、神経筋状態または痙縮に関連する病気と関連し得る。ある種の実施形態において、その骨格筋線維における収縮誘導性傷害は、随意的骨格筋収縮、例えば、身体的エクササイズに由来し得る。
【0219】
ある種の実施形態において、被験体への式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の投与は、筋収縮と関連する1種またはこれより多くの生体マーカーを調節する。生体マーカーの例としては、クレアチニンキナーゼ(CK)、トロポニンT(TnT)、トロポニンC(TnC)、トロポニンI(TnI)、ピルビン酸キナーゼ(PK)、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、ミオグロビン、TnIのアイソフォーム(例えば、心筋、骨格筋遅筋、骨格筋速筋)、および炎症マーカー(IL-1、IL-6、IL-4、TNF-α)が挙げられるが、これらに限定されない。生体マーカーはまた、筋の炎症、例えば、浮腫の測定を含み得る。本明細書で記載される生体マーカーのレベルは、その生体マーカーの処置前レベルに対して、その阻害剤の投与後に増大し得る。あるいは、生体マーカーのレベルは、その生体マーカーの処置前レベルに対して、その阻害剤の投与後に減少し得る。本明細書で記載される阻害剤での1種またはこれより多くの生体マーカーの調節は、神経筋状態(例えば、本明細書で記載されるもの)の処置を示し得る。
【0220】
被験体におけるCKのレベルは、その被験体が活動していない(例えば、睡眠)場合と比較して、その被験体が活動している場合に増大するので、CKは、骨格筋収縮によって引き起こされる骨格筋破壊を評価するために潜在的な測定指標である。ある種の実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、軽度、中程度または激しい活動の前に、活動に由来する骨格筋破壊を低減または防止するために被験体に投与され得る。中程度から激しい活動は、被験体の能力に依存し得、心拍数を、その被験体の安静時心拍数に対して少なくとも20%もしくはこれより大きく(例えば、約50%もしくはこれより大きく)増大させる身体的エクササイズを含み得る。中程度から激しい活動の例としては、ウォーキング、ランニング、ウェイトリフティング、自転車をこぐ、スイミング、ハイキングなどが挙げられる。
【0221】
ある種の実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、中程度または激しい活動の前、その間、またはその後に、その活動に由来する骨格筋破壊を低減または防止するために投与される。式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、同じ活動を行っている処置していない被験体に対して、その被験体のCKレベルを低減し得る。そのCKレベルは、その活動の間または後に、その被験体の末梢血において測定され得る。本明細書で記載される阻害剤の投与は、同じ活動を行っている処置していない被験体に対して、活動的な被験体のCKレベルを5%~90%低減し得、それによって、その活動に由来する骨格筋破壊を低減または防止する。本明細書で記載される阻害剤の投与は、そのCKレベルを同じ活動を行っている処置していない被験体に対して約5%~約90%まで調節し得、それによって、その活動に由来する骨格筋破壊を低減または防止する。本明細書で記載される阻害剤の投与は、そのCKレベルを同じ活動を行っている処置していない被験体に対して少なくとも約5%低減し得、それによって、その活動に由来する骨格筋破壊を低減または防止する。本明細書で記載される阻害剤の投与は、そのCKレベルを同じ活動を行っている処置していない被験体に対して最大約90%だけ調節し得る。本明細書で記載される阻害剤の投与は、そのCKレベルを同じ活動を行っている処置していない被験体に対して約5%~約15%、約5%~約25%、約5%~約35%、約5%~約45%、約5%~約55%、約5%~約65%、約5%~約75%、約5%~約85%、約5%~約90%、約15%~約25%、約15%~約35%、約15%~約45%、約15%~約55%、約15%~約65%、約15%~約75%、約15%~約85%、約15%~約90%、約25%~約35%、約25%~約45%、約25%~約55%、約25%~約65%、約25%~約75%、約25%~約85%、約25%~約90%、約35%~約45%、約35%~約55%、約35%~約65%、約35%~約75%、約35%~約85%、約35%~約90%、約45%~約55%、約45%~約65%、約45%~約75%、約45%~約85%、約45%~約90%、約55%~約65%、約55%~約75%、約55%~約85%、約55%~約90%、約65%~約75%、約65%~約85%、約65%~約90%、約75%~約85%、約75%~約90%、または約85%~約90%低減し得、それによって、その活動に由来する骨格筋破壊を低減または防止する。本明細書で記載される阻害剤の投与は、そのCKレベルを同じ活動を行っている処置していない被験体に対して約5%、約15%、約25%、約35%、約45%、約55%、約65%、約75%、約85%、または約90%まで調節し得、それによって、その活動に由来する骨格筋破壊を低減または防止する。
【0222】
被験体への式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の投与は、処置していない被験体または処置前の被験体に対して、炎症マーカーのレベルを調節し得る(例えば、1種またはこれより多くの炎症マーカーのレベルを低減し得る)。その炎症マーカーのレベルは、その被験体の末梢血において測定され得る。炎症マーカーの例としては、IL-1、IL-6およびTNF-αが挙げられ得るが、これらに限定されない。炎症マーカーはまた、核磁気共鳴画像法を使用して測定され得る状態(例えば浮腫)の形態にあり得る。その末梢血における炎症マーカーレベルは、その被験体の炎症マーカーの処置前レベルに対して、その阻害剤の投与後に増大し得る。あるいは、その末梢血における炎症マーカーレベルは、その被験体の炎症マーカーの処置前レベルに対して、その阻害剤の投与後に減少し得る。本明細書で記載される阻害剤の投与は、炎症マーカーレベルを、その被験体の炎症マーカーの処置前レベルに対して5%~90%まで調節し得る。いくつかの場合には、その炎症マーカーレベルは、その被験体の炎症マーカーの処置前レベルに対して約5%~約90%まで調節され得る。いくつかの場合には、その炎症マーカーレベルは、その被験体の炎症マーカーの処置前レベルに対して少なくとも約5%まで調節され得る。いくつかの場合には、その炎症マーカーレベルは、その被験体の炎症マーカーの処置前レベルに対して最大で約90%まで調節され得る。いくつかの場合には、その炎症マーカーレベルは、その被験体の炎症マーカーの処置前レベルに対して約5%~約15%、約5%~約25%、約5%~約35%、約5%~約45%、約5%~約55%、約5%~約65%、約5%~約75%、約5%~約85%、約5%~約90%、約15%~約25%、約15%~約35%、約15%~約45%、約15%~約55%、約15%~約65%、約15%~約75%、約15%~約85%、約15%~約90%、約25%~約35%、約25%~約45%、約25%~約55%、約25%~約65%、約25%~約75%、約25%~約85%、約25%~約90%、約35%~約45%、約35%~約55%、約35%~約65%、約35%~約75%、約35%~約85%、約35%~約90%、約45%~約55%、約45%~約65%、約45%~約75%、約45%~約85%、約45%~約90%、約55%~約65%、約55%~約75%、約55%~約85%、約55%~約90%、約65%~約75%、約65%~約85%、約65%~約90%、約75%~約85%、約75%~約90%、または約85%~約90%まで調節され得る。いくつかの場合には、その炎症マーカーレベルは、その被験体の炎症マーカーの処置前レベルに対して約5%、約15%、約25%、約35%、約45%、約55%、約65%、約75%、約85%、または約90%まで調節され得る。
【0223】
被験体への式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の投与は、循環骨格筋速筋トロポニンI(fS-TnI)のレベルを調節し得る。そのfS-TnIレベルは、末梢血において測定され得る。その末梢血におけるfS-TnIレベルは、その被験体のfS-TnIの処置前レベルに対して、その阻害剤の投与後に増大し得る。あるいは、その末梢血におけるfS-TnIレベルは、その被験体のfS-TnIの処置前レベルに対して、その阻害剤の投与後に減少し得る。本明細書で記載される阻害剤の投与は、fS-TnIレベルを、その被験体のfS-TnIの処置前レベルに対して5%~90%まで調節し得る。いくつかの場合には、そのfS-TnIレベルは、その被験体のfS-TnIの処置前レベルに対して少なくとも約5%まで調節され得る。いくつかの場合には、fS-TnIレベルは、その被験体のfS-TnIの処置前レベルに対して最大で約90%まで調節され得る。いくつかの場合には、そのfS-TnIレベルは、その被験体のfS-TnIの処置前レベルに対して約5%~約15%、約5%~約25%、約5%~約35%、約5%~約45%、約5%~約55%、約5%~約65%、約5%~約75%、約5%~約85%、約5%~約90%、約15%~約25%、約15%~約35%、約15%~約45%、約15%~約55%、約15%~約65%、約15%~約75%、約15%~約85%、約15%~約90%、約25%~約35%、約25%~約45%、約25%~約55%、約25%~約65%、約25%~約75%、約25%~約85%、約25%~約90%、約35%~約45%、約35%~約55%、約35%~約65%、約35%~約75%、約35%~約85%、約35%~約90%、約45%~約55%、約45%~約65%、約45%~約75%、約45%~約85%、約45%~約90%、約55%~約65%、約55%~約75%、約55%~約85%、約55%~約90%、約65%~約75%、約65%~約85%、約65%~約90%、約75%~約85%、約75%~約90%、または約85%~約90%まで調節され得る。いくつかの場合には、そのfS-TnIレベルは、その被験体のfS-TnIの処置前レベルに対して約5%、約15%、約25%、約35%、約45%、約55%、約65%、約75%、約85%、または約90%まで調節され得る。
【0224】
トロポニンのアイソフォームは、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の投与前および投与後に、被験体において測定され得る。骨格筋収縮の阻害は、トロポニンのいくつかのアイソフォーム(例えば、心筋トロポニンI(cTnI)または骨格筋遅筋トロポニンI(ssTnI))を阻害しなくてもよい。いくつかの場合には、骨格筋収縮の阻害は、cTnIまたはssTnIを感知できるほど阻害しなくてもよい。cTnIまたはssTnIに関して本明細書で記載される場合、語句、感知できるほど~しないとは、その阻害剤の投与前のcTnIまたはssTnIに対して10%未満、8%未満、6%未満、4%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、またはさらに0.1%未満低減される、cTnIまたはssTnIを指す。
【0225】
式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の投与は、不随意的筋収縮を低減し得る。不随意的筋収縮は、その阻害剤の投与前の不随意的筋収縮に対して20%~90%低減され得る。いくつかの場合には、不随意的筋収縮は、処置前の不随意的筋収縮に対して少なくとも約20%低減され得る。いくつかの場合には、不随意的筋収縮は、処置前の不随意的筋収縮に対して最大で約90%低減され得る。いくつかの場合には、不随意的筋収縮は、処置前の不随意的筋収縮に対して約20%~約25%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約70%、約20%~約75%、約20%~約80%、約20%~約85%、約20%~約90%、約25%~約30%、約25%~約40%、約25%~約50%、約25%~約70%、約25%~約75%、約25%~約80%、約25%~約85%、約25%~約90%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約70%、約30%~約75%、約30%~約80%、約30%~約85%、約30%~約90%、約40%~約50%、約40%~約70%、約40%~約75%、約40%~約80%、約40%~約85%、約40%~約90%、約50%~約70%、約50%~約75%、約50%~約80%、約50%~約85%、約50%~約90%、約70%~約75%、約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約75%~約80%、約75%~約85%、約75%~約90%、約80%~約85%、約80%~約90%、または約85%~約90%低減され得る。いくつかの場合には、不随意的筋収縮は、処置前の不随意的筋収縮に対して約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約70%、約75%、約80%、約85%、または約90%低減され得る。
【0226】
式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、成熟した、機能的な、傷害していない筋が回復され得ることから、被験体における日常生活動作(ADL)または習慣的身体活動を改善するために使用され得る。ADLまたは習慣的活動の例としては、階段昇降、立ち上がる時、時間測定される椅子立ち上がり(timed chair rise)、習慣的な歩行速度、North Star歩行評価、漸増負荷/一定負荷のシャトルウォークおよび6分間歩行距離試験が挙げられるが、これらに限定されない。ADLまたは習慣的身体活動のレベルまたは能力は、骨格筋阻害剤の投与前および投与後に測定され得る。骨格筋収縮の阻害は、ADLまたは習慣的身体活動に影響を及ぼさなくてもよい。いくつかの場合には、その骨格筋収縮の阻害は、ADLまたは習慣的身体活動に感知できるほど影響を及ぼさなくてもよい。ADLまたは習慣的身体活動に関して本明細書で記載される場合、語句、感知できるほど~しない、は、その阻害剤の投与前のADLまたは習慣的活動に対して20%未満、15%未満、10%未満、8%未満、6%未満、4%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、またはさらには0.1%未満低減されるADLまたは習慣的活動のレベルを指す。被験体における骨格筋収縮または筋力は、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の投与前および投与後に測定され得る。このような測定は、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の用量応答曲線を作成するために行われ得る。式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の投与量は、II型骨格筋収縮を90%低減する用量に対して、約5%~50%まで調節され得る。いくつかの場合には、その骨格筋収縮阻害剤の投与量は、II型骨格筋収縮を90%低減する用量に対して少なくとも約5%まで調節され得る。いくつかの場合には、その骨格筋収縮阻害剤の投与量は、II型骨格筋収縮を90%低減する用量に対して最大で約50%まで調節され得る。いくつかの場合には、その骨格筋収縮阻害剤の投与量は、II型骨格筋収縮を90%低減する用量に対して、約5%~約10%、約5%~約15%、約5%~約20%、約5%~約25%、約5%~約30%、約5%~約35%、約5%~約40%、約5%~約50%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約10%~約35%、約10%~約40%、約10%~約50%、約15%~約20%、約15%~約25%、約15%~約30%、約15%~約35%、約15%~約40%、約15%~約50%、約20%~約25%、約20%~約30%、約20%~約35%、約20%~約40%、約20%~約50%、約25%~約30%、約25%~約35%、約25%~約40%、約25%~約50%、約30%~約35%、約30%~約40%、約30%~約50%、約35%~約40%、約35%~約50%、または約40%~約50%まで調節され得る。いくつかの場合には、その骨格筋収縮阻害剤の投与量は、II型骨格筋収縮を90%低減する用量に対して、約10%、約12%、約15%、約18%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または約50%まで調節され得る。骨格筋収縮は、骨格筋収縮阻害剤の投与前および投与後に、表面電極を使用する神経刺激後の筋力テスト(例えば、脚における腓骨神経刺激後の底屈)、等尺性四肢アッセイ、心拍計もしくは活動量計、またはこれらの等価物によって測定され得る。
【0227】
被験体の心筋の筋力または心筋収縮は、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の投与前および投与後に測定され得る。骨格筋収縮の阻害は、心筋収縮または心筋の筋力を阻害しなくてもよい。いくつかの実施形態において、骨格筋収縮の阻害は、心筋収縮を感知できるほど阻害しなくてもよい。心筋収縮に関するある種の実施形態において、語句、感知できるほど~しない、は、その阻害剤の投与前の心筋の筋力に対して10%未満、8%未満、6%未満、4%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、またはさらには0.1%未満低減される心筋の筋力を指す。式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の投与後の被験体の心筋の筋力または心筋収縮は、その阻害剤の投与前の心筋収縮または心筋の筋力の0.1%~10%以内であり得る。いくつかの実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の投与は、骨格筋収縮および心筋収縮または心筋力を阻害し得る。いくつかの実施形態において、心筋力は、0.1%を超えて、0.5%を超えて、1%を超えて、2%を超えて、4%を超えて、6%を超えて、8%を超えて、または10%を超えて低減される。いくつかの実施形態において、骨格筋収縮および心筋収縮の低減は、互いの比によって記載される。例えば、いくつかの実施形態において、骨格筋収縮の低減の、心筋収縮における低減に対する比は、約1:1~約100:1、約2:1~約50:1、約3:1~約40:1、約4:1~約30:1、約5:1~約20:1、約7:1~約15:1、または約8:1~約12:1である。心筋の筋力または心筋収縮は、心エコー図(左室内径短縮率)または他の等価な試験を使用して測定され得る。
【0228】
被験体の肺における1回換気量は、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の投与前および投与後に測定され得る。投与は、肺における1回換気量を阻害しなくてもよい。いくつかの場合には、投与は、肺における1回換気量を感知できるほど阻害しなくてもよい。肺における1回換気量に関するある種の実施形態において、語句、感知できるほど~しない、は、その阻害剤の投与前の肺における1回換気量に対して10%未満、8%未満、6%未満、4%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、または0.1%未満低減される肺における1回換気量を指す。被験体の肺における1回換気量は、1秒量(FEV1)もしくは努力肺活量(FVC)、またはこれらと等価の試験を使用して測定され得る。
【0229】
被験体における平滑筋収縮は、骨格筋収縮阻害剤の投与前および投与後に測定され得る。骨格筋収縮の阻害は、平滑筋収縮を阻害しなくてもよい。いくつかの場合には、その骨格筋収縮の阻害は、平滑筋収縮を感知できるほど阻害しなくてもよい。平滑筋収縮に関して本明細書で使用される場合、語句、感知できるほど~しない、は、その阻害剤の投与前の平滑筋収縮に対して10%未満、8%未満、6%未満、4%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、またはさらには0.1%未満低減される平滑筋収縮に言及される。被験体における平滑筋収縮は、被験体の血圧を測定することによって評価され得る。
【0230】
被験体における神経筋カップリングは、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩の投与前および投与後に測定され得る。本明細書で記載される阻害剤での骨格筋収縮の阻害は、被験体における骨格筋の神経伝導、神経伝達物質放出または脱分極を障害しなくてもよい。いくつかの場合には、その骨格筋収縮の阻害は、被験体における神経筋カップリングを感知できるほど障害しなくてもよい。神経筋カップリングに関して本明細書で記載される場合、用語、感知できるほど~しない、は、その阻害剤の投与前のその被験体における神経筋カップリングのレベルに対して10%未満、8%未満、6%未満、4%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、または0.1%未満低減される、被験体における神経筋カップリングのレベルを指す。被験体における神経筋カップリングは、表面電極もしくは針電極を使用する筋電図(EMG)で、電気的刺激または随意刺激後に骨格筋によって生成される電気活動を記録することによって、骨格筋の神経誘導性脱分極を測定することによって評価され得る。
【0231】
いくつかの局面において、その神経筋状態または運動障害を処置する方法は、被験体に、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を投与する工程であって、ここで式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、ミオシンATPase活性、天然の骨格筋筋原線維ATPase(カルシウム調節される)またはアクチン、トロポミオシンおよびトロポニンで再構成したS1を阻害する工程を包含し得。インビトロアッセイは、そのミオシンATPase活性に対する試験化合物または阻害剤の効果を試験するために使用され得る。試験化合物は、それらの筋収縮阻害活性を評価するためにスクリーニングされ得る。阻害活性は、アクチン活性化ATPase活性を決定するために吸光度アッセイを使用して測定され得る。ウサギの筋ミオシンサブフラグメント1(S1)は、重合化アクチンと混合され得、ヌクレオチドなしのアッセイプレートのウェルに分配され得る。次いで、試験化合物は、ピンアレイとともにそのウェルへと添加され得る。MgATPにより反応が開始され得る。その試験容器の中での規定された期間にわたるATP消費の量は、対照容器の中でのATP消費の量と比較され得る。その規定された期間は、5分間~20分間であり得る。そのATP消費は、直接的アッセイまたは間接的アッセイによって決定され得る。そのミオシンS1 ATPase活性を再現性高くかつ強力に阻害した試験化合物は、解剖した筋に対して、エキソビボでその化合物のIC50を決定する用量応答アッセイにおいてさらに評価され得る。そのアッセイは、そのミオシンを、ピルビン酸キナーゼおよび乳酸デヒドロゲナーゼにカップリングして、ADP蓄積によって駆動されるNADHからNAD+への変換に基づく340nmでの吸光度検出法を提供することによって、間接的にATPase活性を測定し得る。いくつかの場合には、ATP消費が、上記対照容器より上記試験容器において少なくとも20%減少される場合、上記試験化合物は、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩として選択され得る。試験化合物は、動力学アッセイにおいてNAD+生成を少なくとも20%より高く阻害する場合に選択され得る。
【0232】
その選択される阻害剤または試験化合物は、インビトロアッセイにおいて心筋ミオシンS1 ATPaseを阻害しなくてもよい。いくつかの場合には、その心筋ミオシンS1
ATPaseまたは心臓筋原線維または再構成システムは、試験化合物または式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩がインビトロアッセイにおいて試験される場合に10%未満、8%未満、5%未満、3%未満、2%未満、1%未満、または0.5%未満まで阻害され得る。
【0233】
骨格筋収縮の試験化合物は、除膜線維に対して試験され得る。膜を除去し、カルシウム投与後に収縮の直接的活性化を可能にするように処理された単一の骨格筋線維が、使用され得る。式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の阻害剤化合物または塩は、単一の骨格筋繊維の収縮を、処置前の値または処置されていない対照の単一骨格筋繊維に対して約5%~約90%阻害し得る。阻害剤は、単一骨格筋繊維の収縮を、処置前の値または処置されていない対照の単一骨格筋繊維に対して少なくとも約5%阻害し得る。阻害剤は、単一骨格筋繊維の収縮を、処置前の値または処置されていない対照の単一骨格筋繊維に対して最大で約90%を阻害し得る。阻害剤は、単一骨格筋繊維の収縮を、処置前の能力または処置されていない対照の単一骨格筋繊維に対して約5%~約10%、約5%~約20%、約5%~約30%、約5%~約40%、約5%~約50%、約5%~約60%、約5%~約70%、約5%~約80%、約5%~約90%、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、または約80%~約90%阻害し得る。阻害剤は、単一骨格筋繊維の収縮を、処置前の能力または処置されていない対照の単一骨格筋繊維に対して約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%阻害し得る。
【0234】
式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の阻害剤化合物または塩は、単一骨格筋の収縮を、処置前の値または未処置対照の単一骨格筋に対して約5%~約90%阻害し得る。阻害剤は、単一骨格筋の収縮を、処置前の値または未処置対照の単一骨格筋に対して少なくとも約5%阻害し得る。阻害剤は、単一骨格筋の収縮を、処置前の値または未処置対照の単一骨格筋に対して最大で約90%阻害し得る。阻害剤は、単一骨格筋の収縮を、処置前の能力または未処置対照の単一骨格筋に対して約5%~約10%、約5%~約20%、約5%~約30%、約5%~約40%、約5%~約50%、約5%~約60%、約5%~約70%、約5%~約80%、約5%~約90%、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、または約80%~約90%阻害し得る。阻害剤は、単一骨格筋の収縮を、処置前の能力または未処置対照の単一骨格筋に対して約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%阻害し得る。
【0235】
遅筋I型骨格筋線維、心筋束または肺の筋線維に対する試験化合物の効果が、評価され得る。試験化合物または式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の阻害剤化合物または塩は、遅筋I型骨格筋線維、心筋束または肺の筋線維の機能を感知できるほど調節せず、II型骨格筋に特異的であるように選択され得る。本明細書で使用される場合、用語「感知できるほど調節する」とは、その阻害剤の投与前の筋力/収縮に対して、10%未満、8%未満、6%未満、4%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、またはさらには0.1%未満低減されるその阻害剤投与後の筋肉の収縮能力に言及し得る。
【0236】
いくつかの局面において、神経筋状態または運動障害を処置する方法は、その必要のある被験体に、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を投与する工程であって、ここで式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、骨格筋収縮を、エキソビボアッセイにおいて5%~90%低減する工程を包含し得る。その使用されるエキソビボアッセイは、マウスモデルであり得る。その使用されるマウスモデルは、ジストロフィーマウスモデル(例えば、mdxマウス)であり得る。そのmdxマウスは、そのジストロフィン遺伝子において点変異を有し、コードするアミノ酸がグルタミンからスレオニンへと変化しており、機能的でないジストロフィンタンパク質を生成し、筋損傷および虚弱が増大したDMDを生じる。長趾伸筋は、mdxマウスから解剖され得、レバーアームに据え付けられ得る。その筋は、筋機能を維持するために。酸素化クレブス溶液に浸漬され得る。試験化合物または式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、その筋に適用され得る。次いで、等尺性(固定長)収縮工程が行われ得、ここでその筋は、一連の電気パルスで刺激される。通常ではない(伸張性の)収縮工程が行われ得、ここでその筋は、その静止長より10%、15%、20%、25%、または30%長く伸ばされ、弛緩するかまたは電気パルスで刺激される。いくつかの実施形態において、通常ではない収縮工程は、2~50回繰り返される。いくつかの実施形態において、通常ではない収縮工程は、2~40回繰り返される。いくつかの実施形態において、通常ではない収縮工程は、2~30回繰り返される。いくつかの実施形態において、通常ではない収縮工程は、2~20回繰り返される。いくつかの実施形態において、通常ではない収縮工程は、2~10回繰り返される。いくつかの実施形態において、通常ではない収縮工程は、筋線維傷害を引き起こすために、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15回繰り返される。いくつかの実施形態において、電気パルスは、約1Hz~約500Hzの周波数を有し得る。いくつかの実施形態において、電気パルスは、約1Hz~約400Hzの周波数を有し得る。いくつかの実施形態において、電気パルスは、約1Hz~約300Hzの周波数を有し得る。いくつかの実施形態において、電気パルスは、約1Hz~約200Hzの周波数を有し得る。いくつかの実施形態において、電気パルスは、約1Hz~約100Hzの周波数を有し得る。電気パルスは、約50Hz、55Hz、60Hz、65Hz、70Hz、75Hz、80Hz、85Hz、90Hz、95Hz、100Hz、105Hz、110Hz、115Hz、120Hz、125Hz、130Hz、135Hz、140Hz、145Hz、または150Hzの周波数を有し得る。一連の電気パルスは、種々の周波数の個々のパルスから構成され得る。その一連の電気パルスにおける各パルスの期間は、各パルスに関して0.1秒間~0.5秒間の間であり得る。各パルスに関する時間は、0.1秒間、0.2秒間、0.3秒間、0.35秒間、0.4秒間、または0.5秒間であり得る。筋肉膜損傷はまた、その等尺性または通常ではない収縮後に、プロシオンオレンジ中で筋をインキュベートすることによって測定され得る。プロシオンオレンジは、傷害した膜を有する筋線維によって取り込まれる蛍光色素である。次いで、色素陽性線維の数または割合は、組織学によって定量され得る。その試験筋力の低下および/または色素陽性線維の割合が、対照の筋力低下および/または色素取り込みの少なくとも20%未満であり得る場合、その試験化合物は、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩として選択され得る。
【0237】
等尺性または通常ではない収縮セットを使用して、筋によって生成される筋力が、測定され得る。等尺性または通常ではない収縮セットの前および後に筋によって生成される力の変化は、その試験筋力の低下として計算され得る。計算は、その試験化合物への曝露なしの対照サンプルにおけるその第1のパルスから最後のパルスまでの筋収縮によって生成される力の変化(対照の筋力低下)と比較され得る。筋力低下は、筋傷害の代替として使用され得、試験化合物または式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の阻害剤化合物または塩は、その試験筋力の低下がその対照の筋力低下の少なくとも20%未満である場合に選択され得る。
(医薬製剤)
【0238】
本明細書で記載される組成物および方法は、その必要のある被験体に投与するための医薬組成物として有用とみなされ得る。医薬組成物は、少なくとも本明細書で記載される式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩、ならびに1つまたは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、安定剤、分散化剤、懸濁化剤、および/または増粘剤を含み得る。
【0239】
式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を含む医薬組成物は、賦形剤および助剤を含む1つまたは複数の生理的に許容される担体を使用して製剤化され得る。製剤は、選択された投与経路に応じて改変され得る。化合物、塩またはコンジュゲートを含む医薬組成物は、例えば、化合物、塩またはコンジュゲートを凍結乾燥する、混合する、溶解する、乳化させる、被包する、またはコンジュゲートを捕捉することによって製造され得る。医薬組成物は、遊離塩基形態または薬学的に許容される塩形態の化合物、塩またはコンジュゲートも含み得る。
【0240】
式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を製剤化するための方法は、1つまたは複数の不活性な薬学的に許容される賦形剤または担体を用いて化合物、塩またはコンジュゲートのいずれかを製剤化して、固体、半固体、または液体組成物を形成することを含み得る。固体組成物としては、例えば、散剤、錠剤、分散性顆粒およびカプセル剤が含まれ得、いくつかの局面において、固体組成物は、非毒性の補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、および他の薬学的に許容される添加剤をさらに含有する。あるいは、化合物、塩またはコンジュゲートは、凍結乾燥され得、または使用前に、適切なベヒクル、例えば発熱物質を含まない滅菌水を用いて再構成するための粉末形態であり得る。
【0241】
式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を含む医薬組成物は、少なくとも1つの活性成分(例えば、化合物、塩またはコンジュゲートおよび他の薬剤)を含み得る。活性成分は、例えば、コアセルベーション技術もしくは界面重合によって調製されたマイクロカプセル(例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ-(メチルメタクリレート(methylmethacylate))マイクロカプセル)、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子およびナノカプセル)またはマクロエマルションに捕捉され得る。
【0242】
組成物および製剤は、滅菌され得る。滅菌は、滅菌濾過を介して濾過によって達成され得る。
【0243】
式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を含む組成物は、注射として投与するために製剤化され得る。注射のための製剤の非限定的な例としては、油性または水性ベヒクル中の滅菌懸濁剤、液剤または乳剤が挙げられ得る。適切な油性ベヒクルとしては、それに限定されるものではないが、親油性溶媒またはベヒクル、例えば脂肪油もしくは合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられ得る。水性注射懸濁剤は、懸濁液の粘度を増大する物質を含有し得る。懸濁剤は、適切な安定剤も含有し得る。注射は、ボーラス注射または連続注入のために製剤化され得る。あるいは組成物は、凍結乾燥され得、または使用前に、適切なベヒクル、例えば発熱物質を含まない滅菌水を用いて再構成するための粉末形態であり得る。
【0244】
非経口投与では、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩は、薬学的に許容される非経口ベヒクルと併せて注射可能な単位剤形(例えば、液剤、懸濁剤、乳剤)で製剤化され得る。このようなベヒクルは、本来的に非毒性であり、非治療的であり得る。ベヒクルは、水、生理食塩水、リンゲル溶液、ブドウ糖溶液、および5%ヒト血清アルブミンであり得る。非水性ベヒクル、例えば固定油およびオレイン酸エチルも使用され得る。リポソームは、担体として使用され得る。ベヒクルは、少量の、等張性および化学的安定性を増強する物質のような添加剤(例えば、緩衝剤および防腐剤)を含有し得る。
【0245】
一実施形態において、本発明は、必要のある被験体に経口送達するために製剤化された式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の方法および組成物に関する。一実施形態において、組成物は、口または食道内の粘膜層を介して1つまたは複数の薬学的に活性な薬剤を被験体に送達するように製剤化される。別の実施形態において、組成物は、胃および/または腸内の粘膜層を介して1つまたは複数の薬学的に活性な薬剤を被験体に送達するように製剤化される。
【0246】
一実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の組成物は、改変放出剤形で提供される。適切な改変放出投薬ベヒクルとしては、それに限定されるものではないが、親水性または疎水性マトリックスデバイス、水溶性分離層コーティング、腸溶コーティング、浸透圧性デバイス、複数微粒子デバイス、およびそれらの組合せが挙げられる。組成物は、非放出制御性賦形剤も含み得る。
【0247】
別の実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の組成物は、腸溶コーティング剤形で提供される。これらの腸溶コーティング剤形は、非放出制御性賦形剤を含むこともできる。一実施形態において、組成物は、経口投与のための制御放出カプセル剤として腸溶コーティングされた顆粒の形態である。組成物は、さらに、セルロース、リン酸水素二ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ピリダジン、ラクトース、マンニトール、またはラウリル硫酸ナトリウムを含むことができる。別の実施形態において、組成物は、経口投与のための制御放出カプセル剤として腸溶コーティングされたペレットの形態である。組成物はさらに、グリセロールモノステアレート40~50、ヒドロキシプロピルセルロース、ピリダジン、ステアリン酸マグネシウム、メタクリル酸コポリマータイプC、ポリソルベート80、球状糖、タルク、またはクエン酸トリエチルを含むことができる。
【0248】
別の実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の組成物は、経口投与のための腸溶コーティングされた制御放出錠剤である。組成物はさらに、カルナウバワックス、クロスポビドン、ジアセチル化モノグリセリド、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ピリダジンフタル酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、水酸化ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化チタン、または黄色酸化鉄を含むことができる。
【0249】
式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を含む徐放調製物も調製され得る。徐放調製物の例としては、化合物、塩またはコンジュゲートを含有し得る固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが挙げられ得、これらのマトリックスは、成形品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態であり得る。徐放マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド、L-グルタミン酸およびγエチル-L-グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン-ビニルアセテート、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えばLUPRON DEPO(商標)(すなわち、乳酸-グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドから構成された注射可能なミクロスフェア)、およびポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられ得る。
【0250】
式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の化合物または塩を含む医薬製剤は、化合物、塩またはコンジュゲートを、薬学的に許容される担体、賦形剤、および/または安定剤と混合することによって保存のために調製され得る。この製剤は、凍結乾燥製剤または水溶液であり得る。許容される担体、賦形剤、および/または安定剤は、使用される投薬量および濃度で、レシピエントにとって非毒性であり得る。許容される担体、賦形剤、および/または安定剤としては、緩衝剤、例えばリン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤、ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミンもしくはゼラチン;親水性ポリマー;アミノ酸;単糖、二糖、およびグルコース、マンノースもしくはデキストリンを含む他の炭水化物;キレート剤、例えばEDTA;糖、例えばスクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトール;塩形成対イオン、例えばナトリウムイオン;金属錯体;ならびに/または非イオン性界面活性剤もしくはポリエチレングリコールが挙げられ得る。
【0251】
別の実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の組成物は、ステアリン酸カルシウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酸化鉄、マンニトール、メタクリル酸コポリマー、ポリソルベート80、ポビドン、プロピレングリコール、炭酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、二酸化チタン、およびクエン酸トリエチルをさらに含むことができる。
【0252】
別の実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の組成物は、発泡性剤形で提供される。これらの発泡性剤形は、非放出制御性賦形剤を含むこともできる。
【0253】
別の実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の組成物は、活性剤の即時放出を促進することができる少なくとも1つの構成要素、および活性剤の制御放出を促進することができる少なくとも1つの構成要素を有する剤形で提供することができる。さらなる実施形態において、剤形は、0.1時間~24時間、時間的に隔てられた少なくとも2つの連続パルスの形態で化合物を不連続放出することができる場合がある。組成物は、破壊可能な半透過性膜に適した膨潤性物質としての賦形剤のような、1つまたは複数の放出制御性および非放出制御性賦形剤を含むことができる。
【0254】
別の実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の組成物は、アルカリで部分的に中和された胃液抵抗性ポリマーの層状材料を含み、カチオン交換能力を有する中間反応層に封入された1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤または担体、ならびに胃液抵抗性外層を含む、被験体に経口投与するための剤形で提供される。
【0255】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の組成物は、単位投薬形態であっても複数投薬形態であってもよい。単位投薬形態は、本明細書で使用される場合、ヒトまたは非ヒト動物被験体への投与に適した、個々にパッケージされた物理的に別個の単位を指す。各単位用量は、所望の治療効果をもたらすのに十分な所定量の活性成分を、必要な医薬担体または賦形剤と併せて含有することができる。単位投薬形態の例としては、それに限定されるものではないが、アンプル、シリンジ、ならびに個々にパッケージされた錠剤およびカプセル剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、単位投薬形態は、分割してまたはその複数で投与され得る。複数投薬形態は、単一容器にパッケージされた複数の同一単位投薬形態であり、これは、分離された単位投薬形態で投与することができる。複数投薬形態の例としては、それに限定されるものではないが、バイアル、錠剤もしくはカプセル剤のボトル、またはパイントもしくはガロンのボトルが挙げられる。別の実施形態において、複数投薬形態は、異なる薬学的に活性な薬剤を含む。
【0256】
いくつかの実施形態において、式(I)、(IIA)、(IIB)もしくは(IIC)の組成物はまた、即時放出、遅延放出、拡張放出、延長放出、持続放出、パルス状、制御放出、拡張放出、加速および急速放出、標的化放出、プログラム化放出、ならびに胃内貯留剤形を含む改変放出剤形として製剤化され得る。これらの剤形は、公知の方法および技術に従って調製することができる(その全体が参照として本明細書に援用されるRemington: The Science and Practice of Pharmacy, supra; Modified-Release Drug Delivery Technology, Rathbone et al., Eds., Drugs and the Pharmaceutical Science, Marcel Dekker, Inc.: New York, N.Y., 2002; Vol. 126を参照されたい)。
(併用療法)
【0257】
また本明細書では、例えば、開示される化合物および追加の治療剤を、これらの活性剤の共同作用から有益な効果を提供することが意図された特定の処置レジメンの一部として併用投与する併用療法が企図される。組合せの有益な効果としては、それに限定されるものではないが、治療剤の組合せから生じる薬物動態または薬力学的共同作用が挙げられる。組合せにおけるこれらの治療剤の投与は、典型的に、規定された期間(通常、選択された組合せに応じて、数時間、数日、数週、数カ月または数年)にわたって行われる。併用療法は、逐次的方式での複数の治療剤の投与(すなわち、ここでは各治療剤が、異なる時点で投与される)、および実質的に同時方式でのこれらの治療剤または治療剤の少なくとも2つの投与を包含することを意図される。
【0258】
実質的に同時の投与は、被験体に、例えば、固定比の各治療剤を有する単一製剤もしくは組成物(例えば、錠剤もしくはカプセル剤)を投与する、または治療剤のそれぞれについて複数の単一製剤(例えば、カプセル剤)で投与することによって達成される。各治療剤の逐次的投与または実質的に同時の投与は、それに限定されるものではないが、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、および粘膜組織を介する直接的な吸収を含む任意の適切な経路によって影響を受ける。治療剤は、同じ経路または異なる経路によって投与される。例えば、選択された組合せの第1の治療剤は、静脈内注射によって投与され、一方でその組合せのその他の治療剤は、経口投与される。あるいは、例えば全ての治療剤が経口投与されるか、または全ての治療剤が静脈内注射によって投与される。
【0259】
組合せの構成要素は、患者に同時にまたは逐次的に投与される。構成要素は、同じ薬学的に許容される担体中に存在し、したがって同時に投与されることが理解される。あるいは、活性成分は、従来の経口剤形のような別個の医薬担体中に存在し、これらは同時にまたは逐次的に投与される。
【0260】
ある種の実施形態において、本開示の化合物または塩は、経口副腎皮質ステロイドと組み合わせて投与され得る。ある種の実施形態において、本開示の化合物または塩は、デフラザコートと組み合わせて投与される。ある種の実施形態において、本開示の化合物または塩は、プレドニゾンと組み合わせて投与される。ある種の実施形態において、本開示の化合物または塩は、モルホリノアンチセンスオリゴマーと組み合わせて投与される。ある種の実施形態において、本開示の化合物または塩は、エクソンスキッピング治療と組み合わせて投与される。ある種の実施形態において、追加の治療剤は、エテプリルセンまたはアタルレンである。
【0261】
ある種の実施形態において、本開示の化合物または塩は、遺伝子治療と組み合わせて使用される。ある種の実施形態において、本開示の化合物または塩は、置換えタンパク質、例えば、ジストロフィン、またはその短縮バージョン、例えば、マイクロジストロフィンをコードする遺伝子を含有するアデノ随伴ウイルス(AAV)と組み合わせて使用される。ある種の実施形態において、本開示の化合物または塩は、バモロロンと組み合わせて投与される。
【実施例】
【0262】
本発明は、ここで一般に記載されるが、本発明のある種の局面および実施形態を単に例示する目的で含まれ、本発明を制限することを決して意図されない以下の実施例を参照することによって、より容易に理解されよう。
【0263】
以下の合成スキームは、制限することなく例示する目的で提供される。以下の実施例は、本明細書で記載される化合物を作成する種々の方法を例示する。当業者は、類似の方法によって、または当業者に公知の他の方法を組み合わせることによって、これらの化合物を作製し得ると理解される。当業者であれば、適切な出発材料を使用し、必要な場合には合成経路を改変することによって、下記と同様にして作製できることも理解される。一般に、出発材料および試薬は、商業的供給業者から得ることができ、または当業者に公知の供給源に従って合成することができ、または本明細書で記載されるとおり調製することができる。
(実施例1)
2-[3-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル]-N-エチルアセトアミド(化合物15)
【化48】
工程1:6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-3-カルボキシレート
【0264】
DCM(10mL)中の6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-3-カルボン酸(200mg、1.43mmol)の撹拌溶液に、N-ヒドロキシシクロプロパンカルボキシイミドアミド(157.22mg、1.57mmol)、DIC(270.24mg、2.14mmol)およびHOBt(289.35mg、2.14mmol)を加えた。得られた混合物を室温で2時間、撹拌した。析出した固体を濾過により収集し、THF(3×3mL)により洗浄した。得られた固体を真空下で乾燥すると、表題化合物が白色固体(290mg、91.42%)として得られた。MS m/z:223 [M+H]+。
工程2:6-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
【0265】
6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(290mg、1.31mmol)のピリジン(3mL)溶液を103℃で一晩、撹拌した。飽和NH4Cl水溶液(5mL)を添加することによってこの反応をクエンチし、次に、水(20mL)によって希釈し、EA(25mL)によって2回、抽出した。合わせたEA相を水(20mL)、ブライン(20mL)により洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過して真空下で濃縮すると、粗生成物が得られた。粗生成物を逆相Combi-フラッシュクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が黄色固体(220mg、82.3%)として得られた。MS m/z:205 [M+H]+。
工程3:メチル2-[3-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル]アセテート
【0266】
DMF(5mL)中の6-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(205mg、1.00mmol)の撹拌溶液に、0℃でCs2CO3(654.23mg、2.00mmol)および2-ブロモ酢酸メチル(153.58mg、1.00mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を0℃で2時間、撹拌した。0℃で飽和NH4Cl(水性)(10mL)を添加することによって、この反応をクエンチした。水層をEtOAc(3×10mL)により抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取TLCによって精製すると、表題化合物が白色固体(150mg、54.08%)として得られた。MS m/z:277 [M+H]+。
工程4:2-[3-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル]-N-エチルアセトアミド
【0267】
EtOH(5mL)中の35%エタンアミン中のメチル2-[3-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリダジン-1-イル]アセテート(120mg、0.43mmol)の溶液を80℃で4時間、撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製すると、表題化合物が白色固体(64.5mg、51.33%)として得られた。1H NMR (300 MHz, メタノール-d4): δ 8.09 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 4.93 (s, 2H), 3.29 (q, J = 7.2 Hz, 1H), 2.25-2.15 (m, 1H), 1.29-1.00 (m, 7H).LC/MS:Rt=1.782分;MS m/z:290 [M+H]+。
【0268】
以下の化合物を実施例1に従い合成した。
【表A-1】
【表A-2】
【表A-3】
【表A-4】
【表A-5】
【表A-6】
(実施例2)
2-(3-(4-(3-クロロフェニル)チアゾール-2-イル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)-N-エチルアセトアミド(化合物81)
【化49】
工程1:2-(3-シアノ-6-オキソピリダジン-1-イル)-N-エチルアセトアミド
【0269】
DMA(10.00mL)中の2-(3-ブロモ-6-オキソピリダジン-1-イル)-N-エチルアセトアミド(1.00g、0.38mmol)の撹拌溶液に、Zn(CN)2(496.70mg、0.42mmol)、キサントホス(222.47mg、0.038mmol)およびDIPEA(49.69mg、0.038mmol)を加えた。得られた溶液を100℃で16時間、撹拌した。0℃でH2O(30mL)を添加することによって、この反応物を希釈した。水層をEtOAc(3×20mL)により抽出した。有機層を合わせて減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が黄色固体(499mg、63.07%)として得られた。MS m/z:207 [M+H]+。
工程2:2-(3-カルバモチオイル-6-オキソピリダジン-1-イル)-N-エチルアセトアミド
【0270】
EtOH(2.00mL)中の2-(3-シアノ-6-オキソピリダジン-1-イル)-N-エチルアセトアミド(200.00mg、0.097mmol)の撹拌溶液に、P2S5(431.17mg、0.19mmol)を加えた。得られた溶液を80℃で3時間、撹拌した。0℃でH2O(20mL)を添加することによって、この反応物をクエンチした。水層をEtOAc(3×15mL)により抽出した。合わせた有機層を水(20mL)、ブライン(20mL)により洗浄して無水Na2SO4により脱水し、濾過して減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が白色固体(150mg、64.36%)として得られた。MS m/z:241 [M+H]+。
工程3:2-(3-(4-(3-クロロフェニル)チアゾール-2-イル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)-N-エチルアセトアミド
【0271】
エタノール(3.00mL)中の2-(3-カルバモチオイル-6-オキソピリダジン-1-イル)-N-エチルアセトアミド(100.00mg、0.083mmol)の撹拌溶液に、2-ブロモ-1-(3-クロロフェニル)エタノン(106.89mg、0.092mmol)を加えた。得られた溶液を80℃で2時間、撹拌した。0℃でH
2O(20mL)を添加することによって、この反応物を希釈した。水層をEtOAc(3×10mL)により抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製すると、表題化合物が白色固体(50mg、32.05%)として得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 8.43 (s, 1H), 8.30 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 8.22 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 8.14 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 8.04 (m, 1H), 7.53 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.46 (m, 1H), 7.16 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.74 (s, 2H), 3.13 (m, 2H), 1.06 (t, J = 7.2 Hz, 3H).LC/MS:R
t=2.571分;MS m/z:375 [M+H]
+。
(実施例3)
2-[3-[5-(3-クロロフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-エチルアセトアミド(化合物25)
【化50】
工程1:2-ブロモ-5-(3-クロロフェニル)-1,3-チアゾール
【0272】
THF(3.00mL)中の5-(3-クロロフェニル)-1,3-チアゾール(600.00mg、1.02mmol)の撹拌溶液に、-78℃でLDA(492.75mg、1.53mmol)およびCBr4(1525.42mg、1.533mmol)を加えた。得られた溶液を-78℃で30分間、および室温で1時間、撹拌した。0℃で飽和NH4Cl(水性)(20mL)水溶液を添加することによって、この反応をクエンチした。水層をEtOAc(3×10mL)により抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が黄色固体(800mg、95.02%)として得られた。MS m/z:274 [M+H]+。
工程2:N-エチル-2-[6-オキソ-3-(トリメチルスタニル)ピリダジン-1-イル]アセトアミド
【0273】
ジオキサン(5.00mL)中の2-(3-ブロモ-6-オキソピリダジン-1-イル)-N-エチルアセトアミド(1.00g、3.85mmol)の撹拌溶液に、ヘキサメチルジスタンナン(2.52g、7.69mmol)およびPd(dppf)Cl2(281.32mg、0.38mmol)を加えた。この反応物を、アルゴン雰囲気下、100℃で1時間、撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が黄色固体(800mg、60.49%)として得られた。MS m/z:346 [M+H]+。
工程3:2-[3-[5-(3-クロロフェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-エチルアセトアミド
【0274】
ジオキサン(2.00mL)中のN-エチル-2-[6-オキソ-3-(トリメチルスタニル)ピリダジン-1-イル]アセトアミド(200.00mg、0.58mmol)の撹拌溶液に、Pd(dppf)Cl
2(212.70mg、0.29mmol)および2-ブロモ-5-(3-クロロフェニル)-1,3-チアゾール(319.25mg、1.16mmol)を加えた。この反応物を、アルゴン雰囲気下、100℃で3時間、撹拌した。室温でH
2O(20mL)を添加することによって、この反応物をクエンチした。水層をEtOAc(3×10mL)により抽出した。合わせた有機層を水(20mL)により洗浄して無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。粗生成物を最初にシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、次に、分取HPLCによってさらに精製すると、表題化合物がオフホワイト色の固体(17.1mg、7.85%)として得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 8.51 (s, 1H), 8.20 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.92 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 7.72 (dd, J = 7.2, 1.6 Hz, 1H), 7.55-7.44 (m, 2H), 7.15 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 4.73 (s, 2H), 3.20-3.08 (m, 2H), 1.06 (t, J = 7.2 Hz, 3H).LC/MS:R
t=2.576分;MS m/z:375 [M+H]
+。
(実施例4)
2-ベンジル-6-(5-(3-クロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(化合物73)
【化51】
工程1:3-クロロベンゾヒドラジド
【0275】
MeOH(10.00mL)中の3-クロロ安息香酸メチル(3.00g、17.58mmol)の撹拌溶液に、ヒドラジン一水和物(3.0mL)を加えた。この反応混合物を50℃で2時間、撹拌した。析出した固体を濾過により収集し、ACN(3×3mL)によって洗浄すると、表題化合物がオフホワイト色の固体(2.5g、83.33%)として得られた。MS m/z:171 [M+H]+。
工程2:N-(3-クロロベンゾイル)-6-オキソ-1H-ピリダジン-3-カルボヒドラジド
【0276】
DMF(5.00mL)中の3-クロロベンゾヒドラジド(500.00mg、2.93mmol)の撹拌溶液に、6-オキソ-1H-ピリダジン-3-カルボン酸(451.66mg、3.22mmol)、HATU(1.33g、3.52mmol)およびDIEA(1.14g、8.79mmol)を加えた。この反応混合物を室温で2時間、撹拌した。得られた混合物を水(10mL)により希釈した。析出した固体を濾過により収集し、ACN(3×3mL)によって洗浄し、表題化合物が白色固体(400mg、46.63%)として得られた。MS m/z:293 [M+H]+。
工程3:6-[5-(3-クロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]-2H-ピリダジン-3-オン
【0277】
トルエン(3.00mL)中のN-(3-クロロベンゾイル)-6-オキソ-1H-ピリダジン-3-カルボヒドラジド(330mg、1.13mmol)の撹拌溶液に、POCl3(0.32mL、3.43mmol)を加えた。この反応混合物を100℃で一晩、撹拌した。室温で水(15mL)を添加することによって、この反応をクエンチした。水層をEtOAc(3×10mL)により抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が褐色固体(280mg、90.42%)として得られた。MS m/z:275 [M+H]+。
工程4:2-ベンジル-6-[5-(3-クロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ピリダジン-3-オン
【0278】
DMF(2.0mL)中の6-[5-(3-クロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]-2H-ピリダジン-3-オン(120.00mg、0.44mmol)の撹拌溶液に、臭化ベンジル(82.20mg、0.48mmol)およびK2CO3(181.15mg、1.31mmol)を加えた。この反応混合物を室温で2時間、撹拌した。得られた混合物を水(10mL)により希釈した。析出した固体を濾過により収集した。粗生成物を分取HPLCによって精製すると、表題化合物が白色固体(30mg、18.82%)として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.18 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 8.12-8.03 (m, 2H), 7.79-7.76 (m, 1H), 7.69 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 4.4 Hz, 4H), 7.79-7.71 (m, 1H), 7.24 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 5.42 (s, 2H).LC/MS:Rt=2.443分;MS m/z:365 [M+H]+。
【0279】
以下の化合物を実施例4に従い合成した。
【表B】
(実施例5)
2-[3-[5-(3-クロロフェニル)-1,3-オキサゾール-2-イル]-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-エチルアセトアミド(化合物27)
【化52】
工程1:2-[3-[5-(3-クロロフェニル)-1,3-オキサゾール-2-イル]-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-エチルアセトアミド
【0280】
DMA(2.00mL)中の5-(3-クロロフェニル)-1,3-オキサゾール(200.00mg、1.11mmol)の撹拌溶液に、2-(3-ブロモ-6-オキソピリダジン-1-イル)-N-エチルアセトアミド(318.6mg、1.23mmol)、K
2CO
3(384.76mg、2.78mmol)、PPh
3(58.42mg、0.22mmol)、CuI(127.25mg、0.67mmol)およびPd(OAc)
2(25.00mg、0.011mmol)を加えた。得られた反応混合物を120℃で1時間、マイクロ波照射条件下で照射した。H
2O(20mL)を添加することによって、この反応物を希釈した。水層をEtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を合わせて減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、次に、分取HPLCによりさらに精製すると、表題化合物が白色固体(35mg、8.76%)として得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 8.21 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.91 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 7.6, 1H), 7.56 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.46-7.43 (m, 1H), 7.15 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.79 (s, 2H), 3.15-3.10 (m, 2H), 1.06 (t, J = 7.2 Hz, 3H).LC/MS:R
t=1.389分;MS m/z:359 [M+H]
+。
(実施例6)
2-[3-[4-(3-クロロフェニル)-1,3-オキサゾール-2-イル]-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-エチルアセトアミド(化合物30)
【化53】
工程1:1-[(エチルカルバモイル)メチル]-6-オキソピリダジン-3-カルボキサミド
【0281】
2-(3-シアノ-6-オキソピリダジン-1-イル)-N-エチルアセトアミド(200.00mg、0.10mmol)の硫酸(2.0mL)溶液を50℃で1時間、撹拌した。この溶液のpHの値をNaOH(1mol/L)により7に調節した。水層をEtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を合わせて減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が白色固体(150mg、68.97%)として得られた。MS m/z:225 [M+H]+。
工程2:2-[3-[4-(3-クロロフェニル)-1,3-オキサゾール-2-イル]-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-エチルアセトアミド
【0282】
トルエン(5.00mL)中の1-[(エチルカルバモイル)メチル]-6-オキソピリダジン-3-カルボキサミド(100.00mg、0.22mmol)の撹拌溶液に、2-ブロモ-1-(3-クロロフェニル)エタノン(114.55mg、0.25mmol)を加えた。この反応混合物を2日間、120度Cで撹拌した。H
2O(20mL)を添加することによって、この反応物を希釈した。水層をEtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を合わせて減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製すると、表題化合物が白色固体(11.7mg、7.31%)として得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 8.87 (s, 1H), 8.21 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.92 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 7.6, 1H), 7.52 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.46-7.43 (m, 1H), 7.15 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.77 (s, 2H), 3.15-3.10 (m, 2H), 1.05 (t, J = 7.2 Hz, 3H).LC/MS:R
t=1.399分;MS m/z:359 [M+H]
+。
(実施例7)
2-[3-[5-(3-クロロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-エチルアセトアミド(化合物24)
【化54】
工程1:M-クロロベンゾイルヒドラジン
【0283】
メタノール(5.00mL)中の3-クロロ安息香酸メチル(600.00mg、3.53mmol)の撹拌溶液に、ヒドラジン一水和物(1.0mL)を加えた。得られた溶液を70℃で1時間、撹拌した。析出した固体を濾過により収集し、ACN(2×2mL)によって洗浄すると、表題化合物がオフホワイト色の固体(550mg、91.67%)として得られた。MS m/z:171 [M+H]+。
工程2:3-クロロ-N-(6-オキソ-1H-ピリダジン-3-カルボニル)ベンゾヒドラジド
【0284】
DMF(8.00mL)中の6-オキソ-1H-ピリダジン-3-カルボン酸(451.66mg、3.22mmol)の撹拌溶液に、HATU(1.23g、3.22mmol)、DIEA(568.19mg、4.396mmol、1.5当量)およびM-クロロベンゾイルヒドラジン(500.00mg、2.93mmol)を加えた。得られた溶液を室温で1時間、撹拌した。得られた混合物を水(10mL)により希釈した。析出した固体を濾過により収集し、ACN(2×2mL)によって洗浄すると、表題化合物が白色固体(350mg、40.91%)として得られた。MS m/z:293 [M+H]+。
工程3:メチル2-(3-[[(3-クロロフェニル)ホルモヒドラジド]カルボニル]-6-オキソピリダジン-1-イル)アセテート
【0285】
DMF(2.00mL)中の3-クロロ-N-(6-オキソ-1H-ピリダジン-3-カルボニル)ベンゾヒドラジド(175.00mg、0.601mmol)の撹拌溶液に、K2CO3(167.43mg、1.20mmol)および2-ブロモ酢酸メチル(82.79mg、0.54mmol)を加えた。得られた溶液を室温で1時間、撹拌した。H2O(20mL)を添加することによって、この反応物を希釈した。水層をEtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を合わせて減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が白色固体(150mg、64.97%)として得られた。MS m/z:365 [M+H]+。
工程4:メチル2-[3-[5-(3-クロロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-6-オキソピリダジン-1-イル]アセテート
【0286】
トルエン(2.00mL)中のメチル2-(3-[[(3-クロロフェニル)ホルモヒドラジド]カルボニル]-6-オキソピリダジン-1-イル)アセテート(130.00mg、0.36mmol)の撹拌溶液に、ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2ラムダ5,4ラムダ5-ジチアジホスフェタン-2,4-ジチオン(288.31mg、0.71mmol)およびTEA(108.20mg、1.069mmol)を加えた。得られた溶液を100度Cで2時間、撹拌した。H2O(20mL)を添加することによって、この反応物を希釈した。水層をEtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を合わせて減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が白色固体(50mg、36.73%)として得られた。MS m/z:363 [M+H]+。
工程5:2-[3-[5-(3-クロロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-エチルアセトアミド
【0287】
メタノール(1.00mL)中のメチル2-[3-[5-(3-クロロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-6-オキソピリダジン-1-イル]アセテート(47.42mg、0.131mmol)の撹拌溶液に、EtOH(35%)中のエチルアミン(1mL、0.66mmol)を加えた。得られた溶液を70℃で1時間、撹拌した。残渣を濾過すると、35mgの白色固体が得られた。粗生成物をMeOH(1.00mL)から再結晶化すると、表題化合物が白色固体(25mg、48.47%)として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.26-8.21 (m, 2H), 8.13 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 8.06-8.04 (m, 1H), 7.72-7.69 (m, 1H), 7.63 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 10 Hz, 1H), 4.76 (s, 2H), 3.14 (m, 2H), 1.06 (t, J = 7.2 Hz, 3H).LC/MS Rt=1.16分;MS m/z:376 [M+H]+。
【0288】
以下の化合物を実施例7に従い合成した。
【表C-1】
【表C-2】
(実施例8)
2-[3-(5-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-エチルアセトアミド(化合物32)
【化55】
工程1:6-オキソ-1H-ピリダジン-3-カルボン酸メチル
【0289】
MeOH(50.00mL)中の6-メトキシピリダジン-3-カルボン酸(1.50g、9.732mmol)の撹拌溶液に、H2SO4(1.00mL)を加えた。この反応混合物を50℃で一晩、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した。H2O(200mL)を添加することによって、この反応物を希釈した。得られた混合物をEtOAc(3×30mL)により抽出した。合わせた有機層を水(2×20mL)により洗浄し、無水Na2SO4で脱水した。濾過後、この濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が白色固体(1.20g、73.33%)として得られた。MS m/z:155 [M+H]+。
工程2:6-オキソ-1H-ピリダジン-3-カルボヒドラジド
【0290】
EtOH(5.00mL)中の6-オキソ-1H-ピリダジン-3-カルボン酸メチル(800.00mg、5.19mmol)の撹拌溶液に、ヒドラジン一水和物(1.0mL)を加えた。この反応混合物を40℃で3時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した。析出した固体を濾過により収集し、ACN(2×2mL)によって洗浄すると、表題化合物が白色固体(650mg、81.25%)として得られた。MS m/z:155 [M+H]+。
工程3:N’-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボニル]-6-オキソ-1H-ピリダジン-3-カルボヒドラジド
【0291】
DMF(8.00mL)中の6-オキソ-1H-ピリダジン-3-カルボヒドラジド(500.00mg、3.24mmol)の撹拌溶液に、ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸(363.30mg、3.24mmol)、PyBOP(2.19g、4.21mmol)およびDIPEA(1.26g、9.72mmol)を加えた。この反応混合物を室温で4時間、撹拌した。H2O(12.0mL)を添加することによって、この反応物を希釈した。析出した固体を濾過により収集し、ACN(2×2mL)によって洗浄すると、表題化合物が白色固体(450mg、48.90%)として得られた。MS m/z:249 [M+H]+。
工程4:6-(5-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2H-ピリダジン-3-チオン
【0292】
トルエン(5.00mL)中のN-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボニル]-6-オキソ-1H-ピリダジン-3-カルボヒドラジド(400.00mg、1.61mmol)の撹拌溶液に、Lawesson試薬(977.60mg、2.42mmol)を加えた。この反応混合物を60℃で1時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した。H2O(30mL)を添加することによって、この反応物を希釈した。得られた混合物をEtOAc(3×20mL)により抽出した。合わせた有機層を水(2×20mL)により洗浄し、無水Na2SO4で脱水した。濾過後、この濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が黄色固体(300mg、75.59%)として得られた。MS m/z:263 [M+H]+。
工程5:3-(5-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-6-(メチルスルファニル)ピリダジン
【0293】
DMF(5.00mL)中の6-(5-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2H-ピリダジン-3-チオン(300.00mg、1.14mmol)の撹拌溶液に、CH3I(194.77mg、1.37mmol)およびK2CO3(316.08mg、2.29mmol)を加えた。この反応混合物を室温で2時間、撹拌した。H2O(20mL)を添加することによって、この反応物を希釈した。水層をEtOAc(3×10mL)により抽出した。有機層を合わせて減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が黄色固体(260mg、82.27%)として得られた。MS m/z:277 [M+H]+。
工程6:3-(5-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-6-メタンスルホニルピリダジン
【0294】
DCM(6.00mL)中の3-(5-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-6-(メチルスルファニル)ピリダジン(280.00mg、1.01mmol)の撹拌溶液に、M-CPBA(524.48mg、3.04mmol)を加えた。この反応混合物を40℃で2時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した。H2O(20mL)を添加することによって、この反応物を希釈した。水層をDCM(3×10mL)により抽出した。有機層を合わせて減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が薄黄色固体(260mg、83.22%)として得られた。MS m/z:309 [M+H]+。
工程7:6-(5-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2H-ピリダジン-3-オン
【0295】
THF(2.00mL)中の3-(5-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-6-メタンスルホニルピリダジン(220.00mg、0.71mmol)の撹拌溶液に、H2O(1.00mL)およびKOH(160.11mg、2.85mmol)を加えた。この反応混合物を70℃で2時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した。H2O(20mL)を添加することによって、この反応物を希釈した。水層をEtOAc(3×20mL)により抽出した。有機層を合わせて減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が薄黄色固体(160mg、91.06%)として得られた。MS m/z:247 [M+H]+。
工程8:メチル2-[3-(5-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-6-オキソピリダジン-1-イル]アセテート
【0296】
DMF(5.00mL)中の6-(5-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2H-ピリダジン-3-オン(150.00mg、0.61mmol)の撹拌溶液に、2-ブロモ酢酸メチル(102.48mg、0.67mmol)およびK2CO3(168.34mg、1.22mmol)を加えた。この反応混合物を室温で2時間、撹拌した。H2O(20mL)を添加することによって、この反応物を希釈した。水層をEtOAc(3×20mL)により抽出した。有機層を合わせて減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が白色固体(160mg、82.22%)として得られた。MS m/z:319 [M+H]+。
工程9:2-[3-(5-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-エチルアセトアミド
【0297】
EtOH(4mL)中のメチル2-[3-(5-[ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-6-オキソピリダジン-1-イル]アセテート(160mg、0.50mmol)の撹拌溶液に、DMAP(6.14mg、0.05mmol)およびEtOH中のエチルアミン(35%)(1mL)を加えた。この反応混合物を70℃で一晩、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した。析出した固体を濾過により収集し、ACN(2×2mL)によって洗浄すると、表題化合物が白色固体(95.6mg、56.65%)として得られた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 8.22-8.15 (m, 2H), 7.16 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.71 (s, 2H), 3.16-3.07 (m, 2H), 2.64 (s, 1H), 2.29 (s, 6H), 1.04 (t, J = 7.2 Hz, 3H).LC/MS:Rt=1.325分;MS m/z:332 [M+H]+。
(実施例9)
骨格筋原線維ATPaseアッセイ
【0298】
概説:ミオシンATPase活性を、ミオシンATPase機能によって生じたADPが、ピルビン酸キナーゼ/乳酸デヒドロゲナーゼ(PK-LDH)系によるNADHの消失と共役する共役反応系を使用することによって評価した。ミオシンATPase活性はADPを生成し、このADPは、PKがピルビン酸を生成し、ATPを再生するための基質として使用した。次に、ピルビン酸は、LDHによってNADHをNAD+に酸化するための基質として使用した。反応速度を、NADHの時間依存的消失により、340nmにおける吸光度を使用してモニタリングした。アッセイされた化合物によるATPase活性の阻害は、実験時間枠にわたって、ビヒクルで処置した対照に対するNADH喪失の速度低減によって示された。骨格筋原線維についてアッセイされた化合物の選択性を評価するために、化合物を心筋原線維においてカウンタースクリーニングした。
【0299】
物質:以下のストック溶液および試薬を、骨格筋原線維ATPaseアッセイにおいて使用した。
【表D】
【0300】
pCa緩衝剤のストック溶液。PIPES、CaCl
2およびEGTA溶液を水70mLと合わせる。pHを7.0に調整し、最終体積を100mLにする。
【表E】
【0301】
緩衝剤Aおよび緩衝剤B。使用するまで緩衝剤を氷上で保存した。
【0302】
【0303】
骨格筋原線維ATPaseアッセイ手順:BSA、ATP、NADH、PEP、およびDTT溶液を室温で解凍し、次に氷に移した。ペレット状凍結筋原線維(必要体積のおよそ2倍)を、十分に大きい管に移し、キャップをした。室温において水浴でおよそ15分間転がすことにより筋原線維を解凍し、氷上で冷却した。緩衝液AおよびBは、必要に応じて、必要な数のウェルに合わせて体積を調整することにより調製し、氷上で保管した。アッセイする0.5μLの化合物を384ウェルプレートのウェルに加えた。緩衝液AおよびBを、使用直前に反転させることにより混合し、次いで、Multidropディスペンサーを使用して、それぞれ25μLを分注した(最初に緩衝液A、次いで緩衝液B)。1時間にわたって1.5~2分毎にウェルを読み取る動的プロトコールを使用して、ウェル内の吸光度を340nmで測定した。SoftMax ProプレートリーダーソフトウェアまたはExcelなどのスプレッドシートプログラムのいずれかを使用して、各ウェルについて最小吸光度値を最大値から減じることにより、反応速度を定性的に評価した。GraphPad Prism8.0を使用して、100%活性を1%DMSOベヒクルウェルにおける吸光度変化であると定め、実験の経過にわたって吸光度の変化がないことに0%を割り当てて、データを標準化した。標準化データを、底を0またはそれを超えるように制約した可変勾配4パラメーターのロジスティックモデルにフィットさせた。表1~3の化合物を試験した。アッセイの結果は、本明細書の表4に見られる。A=IC50が10μM未満またはこれと同等;B=IC50が10μM超かつ100μM未満;C=IC50が100μM超。
(実施例10)
筋ジストロフィーにおけるバイオマーカーの比較
【0304】
健常な志願者(HV)の凍結血漿サンプルを、BioIVT(Westbury、NY)から購入した。罹患している個体の血漿および血清を、Newcastle MRC Centre Biobank for Rare and Neuromuscular Diseases(デュシェンヌ型筋ジストロフィー)、およびBinghamton University-SUNYのベッカー型筋ジストロフィーバイオマーカー研究部(ベッカー型筋ジストロフィー)から入手した。受け取り時に、サンプルはすべて、50~100μLの作業量へと一定分量にし、-80℃で保管して、凍結融解損傷を最小限にした。シリカact凝固活性剤を含有するレッドトップ血清vacutainer採血管を血液収集に使用した。被験体が、MLPA試験を必要とする場合、EDTA管をそれらの収集のために追加したが、他のいかなる分析にも使用しなかった。血清管を30分間、静置して凝塊させた後に、これらの管を1000~1300×gで10分間、遠心分離して処理した。次に、血清(上部層)流体をvacutainer採血管からピペット操作で採取し、クライオバイアルに移し、輸送および後で-80℃において保管するため、ドライアイス上で直ちに凍結させた。血清サンプルをドライアイスで凍結させて、Binghamton Universityに送り、-80℃で保管した。サンプルは、2017~2019年に収集し、2019年に分析した。Newcastle MRC Centre Biobankからの血漿サンプルは、The John Walton Muscular Dystrophy Research Centreのクリニックに訪れた患者から収集したものであった。血液をvacutainerに抜き取り、5~10回、穏やかに反転し、確実に血液とEDTAとを適切に混合させて、次に、1,500×gで10分間、遠心分離した。上側の血漿フラクションをピペットにより、クライオバイアルに移し、直ちに-80℃で保管した。サンプルを9年間(2010~2019年)の期間にわたり収集し、分析まで-80℃に保管した。
クレアチンキナーゼアッセイ
【0305】
血漿CK活性は、Pointe Scientific(Canton、MI)から購入した共役反応キットを使用してアッセイした。血漿をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で25倍に希釈し、この2μLを384ウェルプレートに加えた。Multidrop Combi(ThermoFisher,Inc.、Waltham、MA)を使用してCKアッセイ試薬(70μL、4:1のキット緩衝液A:緩衝液B)を加え、反応の進行は、ほぼ20~30分間にわたり、SpectraMax M3プレートリーダー(Molecular Devices、San Jose、CA)を使用して、30分間、340nmにおける吸光度によってモニタリングした。反応の終了後、経路長の補正値を900nmおよび975nmにおける近IR吸光度で測定した。未処理吸光度データをMicrosoft Excelで処理し、A340>2.5なる点を除外し、システム特異的K係数0.168を使用して、経路長に対して補正を行った。時間に対する補正後の吸光度データをGraphPad Prism(GraphPad Software、San Diego、CA)における線形モデルにあてはめて反応の傾きを得て、これを、NADH(5~100μM)の標準曲線と比較すると、U/Lでの酵素速度が得られ、Uは、1μmol・L-1・分-1NADPの低下をもたらす酵素量として定義する。
TNNI ELISA
【0306】
遅筋肉および速筋肉に関するTNNIアイソフォームの血漿中濃度を捕捉ELISAによって測定した。遅アイソフォーム(TNNI1)は、市販の試験キット(LSF7068、LifeSpan Biosciences,Inc、Seattle、WA)を使用して測定し、製造業者の使用説明書に準拠して行った。速アイソフォーム(TNNI2)は、既に記載した通りにアッセイした。手短に述べると、高結合性ELISAプレートを4℃で一晩、6.4μg/mLの濃度のα-TNNI2モノクローナル抗体(クローン7G2、OriGene,Inc.、Rockville、MD)でコーティングした。ウェルをPBS中、37℃で30分間、1%w/v脱脂粉乳でブロッキングし、その後、サンプルまたは標準曲線としての組換えヒトTNNI2と共に、37℃で2時間、インキュベートした。ウェルを、0.1% Tween(登録商標)-20(PBS-T)を含有するPBSで洗浄し、1μg/mLのポリクローナルα-TNNI2抗体(PA5-76303、ThermoFisher,Inc.)と共に、37℃で90分間、インキュベートした。PBS-Tで洗浄した後、検出抗体(HRP-コンジュゲートヤギ-α-ウサギIgG、0.08μg/mL、Pierce Biosciences)を37℃で45分間、加え、Ultra-TMB比色試薬(ThermoFisher)でHRPを可視化し、次いで、2N H2SO4でクエンチして、410nmにおける吸光度を測定した。速TNNI対遅TNNIに関するこれらのアッセイの選択性は、ヒト筋肉抽出物を使用して、以前に確認されている。
【0307】
これらの検討により、DMDおよびBMD患者の血漿中の筋骨格バイオマーカーの関係性が示される。
【0308】
図3.対照としての健常な志願者(丸)と共に、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD、正方形)およびデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者(三角)に由来するサンプルにおいて、クレアチンキナーゼ(CK)酵素活性(A)、速骨格トロポニンI(TNNI1)(B)および遅骨格TNNI2(C)の血漿中濃度を測定した。各パネルにおいて、エラーバーは、メジアン+/-四分位間の範囲を表す。パネルBおよびCにおいて、検出不能なTNNI濃度を示さないサンプルをアッセイの検出限界に等しい値に割りあてた(それぞれ、速TNNIおよび遅TNNIに対して、0.1ng/mLおよび0.001ng/mL)。相互に比較する場合、有意な相関関係が、CKと速TNNI2(D)との間で見出され、R
2は0.67であった。CKと遅TNNI1(E)との間にも、速TNNI2と遅TNNI1(F)との間にも、有意な相関関係はなかった。パネルD~Fにおいて、健全なサンプルを黒三角形として、BMDを青色の菱形として、およびDMDを赤丸として表す。
****:p<0.0001。他のすべての比較は有意ではない。
【0309】
図4.デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者のサンプルにおける、患者の年齢に対する、クレアチンキナーゼ酵素活性(A)、速トロポニンI(TNNI2)(B)および遅トロポニンI(TNNI1)(C)の濃度。CK、TNNI2およびTNNI1に関して、それぞれ、パネル(D、EおよびF)に、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)に関する同じ比較を行った。
【0310】
図5.デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の場合の歩行状態を、クレアチンキナーゼ(CK)酵素活性(A)、速トロポニンI(TNNI2)(B)および遅トロポニンI(TNNI1)(C)の血漿中濃度と比較した。同じ比較をベッカー型筋ジストロフィー(BMD)に関して行った(D、EおよびF)。患者が移動するために車いすに完全に頼ると言い切れない限り、患者は、「歩行」として定義した。バーは、集団に対する平均値+/-標準誤差を表す。
****:p<0.0001、ns:有意性なし。
【0311】
図6.健常な対照被験体(対照)、およびエクササイズ後のマックアードル病(McA)またはベッカー型筋ジストロフィー(BMD)を有する被験体における血漿中速トロポニンI(A)、ミオグロビン(B)およびクレアチンキナーゼ(C)。データは、平均値±標準誤差として表されている。X軸:0=エクササイズ前、ならびに1、2、4、24および48=エクササイズの終了後の時間。アスタリスクは、エクササイズ前と比較した有意性(P<0.05)差異を示す。N=6(マックアードル)、4(BMD)および11(健常な志願者)。
【0312】
図7.健常な成人、およびBMD、LGMDおよびマックアードル病を有する被験体における、エクササイズ前およびエクササイズ後のクレアチンキナーゼ(CK)のレベルの比較。データは、平均値+標準誤差として表されている。X軸:0=エクササイズ前、ならびに1、2、4および24=エクササイズの終了後の時間。このアッセイは、22,000U/Lにおいて限界であり、これは、マックアードルのデータに関連していることに留意すべきである。
【0313】
図8.健常な成人、およびBMD、LGMDおよびマックアードル病を有する被験体における、エクササイズ前およびエクササイズ後のミオグロビンのレベルの比較。データは、平均値+標準誤差として表されている。X軸:0=エクササイズ前、ならびに1、2、4および24=エクササイズの終了後の時間。
【0314】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、以下の表1である。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0315】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、以下の表2である。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0316】
ある種の実施形態において、本明細書に記載の方法の化合物は、表3に記載されるものを始めとする、市販品として入手可能な化合物から選択してもよい。表3の化合物を試験した。IC
50は、本明細書の表4に見られる。A=IC
50が10μM未満またはこれと同等;B=IC
50が10μM超かつ100μM未満;C=IC
50が100μM超である。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【表3-6】
【表3-7】
【表3-8】
【表3-9】
【表3-10】
【表3-11】
【表3-12】
【表3-13】
【表3-14】
【表3-15】
【表3-16】
【表3-17】
【0317】
本開示の化合物の骨格IC
50値が表4に見られる。
【表4-1】
【表4-2】
【0318】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書で示され、記載されているが、このような実施形態が例示によって提供されるに過ぎないことは、当業者に明らかである。多くのバリエーション、変更、および置換は、本発明から逸脱することなく当業者によって今や想起され得る。本明細書で記載される本発明の実施形態に対する種々の変更が、本発明を実施するにあたって使用され得ることは、理解されるべきである。以下の請求項は、本発明の範囲を規定すること、およびこれらの請求項の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物は、請求項によって網羅されることが意図される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
式(IIA)によって表される化合物:
【化56】
またはその塩[式中、
R
11
は、
水素、
C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16
、-SR
16
、-N(R
16
)
2
、-C(O)R
16
、-C(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)R
16
、-C(O)OR
16
、-OC(O)R
16
、-N(R
16
)C(O)N(R
16
)
2
、-OC(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)OR
16
、-S(O)R
16
、-S(O)
2
R
16
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
16
)、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
15
でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16
、-SR
16
、-N(R
16
)
2
、-C(O)R
16
、-C(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)R
16
、-N(R
16
)C(O)N(R
16
)
2
、-OC(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)OR
16
、-C(O)OR
16
、-OC(O)R
16
、-S(O)R
16
、-S(O)
2
R
16
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
16
)、-CN、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニルは、R
17
から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、R
15
から独立して選択される1つまたは複数の置換基でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
12
は、R
15
から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるシクロブチル;およびR
17
から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるエチルから選択され、
R
15
はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
16
、-SR
16
、-N(R
16
)
2
、-C(O)R
16
、-C(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)R
16
、-N(R
16
)C(O)N(R
16
)
2
、-OC(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)OR
16
、-C(O)OR
16
、-OC(O)R
16
、-S(O)R
16
、-S(O)
2
R
16
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
16
)および-CN;ならびに
C
1~3
アルキル、C
2~3
アルケニル、C
2~3
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
16
、-SR
16
、-N(R
16
)
2
、-C(O)R
16
、-C(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)R
16
、-N(R
16
)C(O)N(R
16
)
2
、-OC(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)OR
16
、-C(O)OR
16
、-OC(O)R
16
、-S(O)R
16
、-S(O)
2
R
16
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
16
)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
16
はそれぞれ、
水素、
C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2
、-NH
2
、=O、=S、-O-C
1~6
アルキル、-S-C
1~6
アルキル、-N(C
1~6
アルキル)
2
、-NH(C
1~6
アルキル)、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2
、-NH
2
、=O、=S、-O-C
1~6
アルキル、-S-C
1~6
アルキル、-N(C
1~6
アルキル)
2
、-NH(C
1~6
アルキル)、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~10
炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
17
はそれぞれ、ハロゲン、-OR
16
、-SR
16
、-N(R
16
)
2
、-C(O)R
16
、-C(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)R
16
、-N(R
16
)C(O)N(R
16
)
2
、-OC(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)OR
16
、-C(O)OR
16
、-OC(O)R
16
、-S(O)R
16
、-S(O)
2
R
16
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
16
)および-CNから独立して選択される]。
(項目2)
R
11
が、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-OR
16
、-SR
16
、-N(R
16
)
2
、-C(O)R
16
、-C(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)R
16
、-N(R
16
)C(O)N(R
16
)
2
、-OC(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)OR
16
、-C(O)OR
16
、-OC(O)R
16
、-S(O)R
16
、-S(O)
2
R
16
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
16
)、-CN、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環が、1つまたは複数のR
15
でそれぞれ必要に応じて置換される、項目1に記載の化合物または塩。
(項目3)
R
11
が、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、これらがそれぞれ、R
15
から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、項目2に記載の化合物または塩。
(項目4)
R
11
が、フェニル、ピリジルおよびシクロプロピルから選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-OR
16
、およびC
1~3
アルキル(ハロゲンから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、項目3に記載の化合物または塩。
(項目5)
R
11
が、
【化57】
から選択される、項目4に記載の化合物または塩。
(項目6)
R
11
が、
【化58】
から選択される、項目5に記載の化合物または塩。
(項目7)
R
12
が、
ハロゲン、-OR
16
、-N(R
16
)
2
、-C(O)R
16
、-C(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)R
16
、-C(O)OR
16
、-OC(O)R
16
、-NO
2
および-CN;ならびに
ハロゲン、-OR
16
、-N(R
16
)
2
、-C(O)R
16
、-C(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)R
16
、-C(O)OR
16
、-OC(O)R
16
、-NO
2
および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~3
アルキル
から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるシクロブチルである、項目1~6のいずれか1項に記載の化合物。
(項目8)
R
12
が、ハロゲン、-OR
16
、-N(R
16
)
2
、-C(O)R
16
、-C(O)N(R
16
)
2
、-N(R
16
)C(O)R
16
、-C(O)OR
16
、-OC(O)R
16
、-NO
2
および-CNで必要に応じて置換されるエチルである、項目1~6のいずれか1項に記載の化合物。
(項目9)
R
12
が、エチルまたはシクロブチルである、項目1~6のいずれか1項に記載の化合物。
(項目10)
【化59】
【化60】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目11)
【化61】
【化62】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目12)
式(IIB)によって表される化合物:
【化63】
またはその塩[式中、
X
21
およびX
22
は、NおよびC(R
23
)から独立して選択され、X
21
およびX
22
の少なくとも1つは、Nであり、
X
23
は、SおよびOから選択され、
R
21
は、
水素、
C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26
、-SR
26
、-N(R
26
)
2
、-C(O)R
26
、-C(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)R
26
、-C(O)OR
26
、-OC(O)R
26
、-N(R
26
)C(O)N(R
26
)
2
、-OC(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)OR
26
、-S(O)R
26
、-S(O)
2
R
26
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
26
)、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25
でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26
、-SR
26
、-N(R
26
)
2
、-C(O)R
26
、-C(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)R
26
、-N(R
26
)C(O)N(R
26
)
2
、-OC(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)OR
26
、-C(O)OR
26
、-OC(O)R
26
、-S(O)R
26
、-S(O)
2
R
26
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
26
)、-CN、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25
でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
22
は、
C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26
、-SR
26
、-N(R
26
)
2
、-C(O)R
26
、-C(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)R
26
、-N(R
26
)C(O)N(R
26
)
2
、-OC(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)OR
26
、-C(O)OR
26
、-OC(O)R
26
、-S(O)R
26
、-S(O)
2
R
26
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
26
)、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25
でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26
、-SR
26
、-N(R
26
)
2
、-C(O)R
26
、-C(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)R
26
、-N(R
26
)C(O)N(R
26
)
2
、-OC(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)OR
26
、-C(O)OR
26
、-OC(O)R
26
、-S(O)R
26
、-S(O)
2
R
26
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
26
)、-CN、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25
でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
23
は、
水素、
ハロゲン、-OR
26
、-SR
26
、-N(R
26
)
2
、-C(O)R
26
、-C(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)R
26
、-C(O)OR
26
、-OC(O)R
26
、-NO
2
および-CN;ならびに
ハロゲン、-OR
26
、-SR
26
、-N(R
26
)
2
、-C(O)R
26
、-C(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)R
26
、-C(O)OR
26
、-OC(O)R
26
、-NO
2
および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~3
アルキル
から選択され、
R
25
はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
26
、-SR
26
、-N(R
26
)
2
、-C(O)R
26
、-C(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)R
26
、-N(R
26
)C(O)N(R
26
)
2
、-OC(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)OR
26
、-C(O)OR
26
、-OC(O)R
26
、-S(O)R
26
、-S(O)
2
R
26
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
26
)、-CN;および
C
1~3
アルキル、C
2~3
アルケニル、C
2~3
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
26
、-SR
26
、-N(R
26
)
2
、-C(O)R
26
、-C(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)R
26
、-N(R
26
)C(O)N(R
26
)
2
、-OC(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)OR
26
、-C(O)OR
26
、-OC(O)R
26
、-S(O)R
26
、-S(O)
2
R
26
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
26
)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
26
はそれぞれ、
水素、
C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2
、-NH
2
、=O、=S、-O-C
1~6
アルキル、-S-C
1~6
アルキル、-N(C
1~6
アルキル)
2
、-NH(C
1~6
アルキル)、C
3~10
炭素環、3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2
、-NH
2
、=O、=S、-O-C
1~6
アルキル、-S-C
1~6
アルキル、-N(C
1~6
アルキル)
2
、-NH(C
1~6
アルキル)、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~10
炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択される]。
(項目13)
X
23
がOである、項目12に記載の化合物または塩。
(項目14)
X
23
がSである、項目12に記載の化合物または塩。
(項目15)
X
21
がNであり、X
22
がCR
23
であるか、またはX
22
がNであり、X
21
がCR
23
である、項目12、13または14のいずれか1項に記載の化合物または塩。
(項目16)
CR
23
がCHである、項目12、13、14または15のいずれか1項に記載の化合物または塩。
(項目17)
X
21
およびX
22
がそれぞれNである、項目12、13または14のいずれか1項に記載の化合物または塩。
(項目18)
R
21
が、必要に応じて置換されるC
1~6
アルキル、必要に応じて置換されるアリールおよび必要に応じて置換されるヘテロアリールから選択される、項目12~17のいずれか1項に記載の化合物または塩。
(項目19)
R
21
が、必要に応じて置換されるC
1~3
アルキル、必要に応じて置換されるC
3~6
炭素環および必要に応じて置換される5員または6員のヘテロアリールから選択され、C
1~3
アルキル上の置換基は、ハロゲン、-OR
26
、-N(R
26
)
2
、-C(O)R
26
、-C(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)R
26
、-C(O)OR
26
、-OC(O)R
26
、-NO
2
および-CNから選択され、C
3~6
炭素環および5員または6員のヘテロアリール上の置換基は、ハロゲン、-OR
26
、-N(R
26
)
2
、-C(O)R
26
、-C(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)R
26
、-C(O)OR
26
、-OC(O)R
26
、-NO
2
、-CNおよび、C
1~6
アルキル(1つまたは複数のR
25
で必要に応じて置換される)から選択される、項目18に記載の化合物または塩。
(項目20)
R
21
が、-CH
3
【化64】
から選択される、項目19に記載の化合物または塩。
(項目21)
R
22
が、
ハロゲン、-OR
26
、-N(R
26
)
2
、-C(O)R
26
、-C(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)R
26
、-C(O)OR
26
、-OC(O)R
26
、-NO
2
、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25
でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6
アルキル;ならびに
ハロゲン、-OR
26
、-N(R
26
)
2
、-C(O)R
26
、-C(O)N(R
26
)
2
、-N(R
26
)C(O)R
26
、-C(O)OR
26
、-OC(O)R
26
、-NO
2
、-CN、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25
でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
3~6
炭素環
から選択される、項目12~20のいずれか1項に記載の化合物。
(項目22)
R
22
が、
ハロゲンおよびフェニル(1つまたは複数のR
25
で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~3
アルキル;ならびに
ハロゲン、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
25
でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
3~6
炭素環
から選択される、項目21に記載の化合物。
(項目23)
R
22
が、
ハロゲンおよびフェニル(ハロゲンから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~3
アルキル;ならびに
ハロゲン、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
3~6
炭素環
から選択される、項目22に記載の化合物。
(項目24)
R
22
が、-CH
2
CH
3
【化65】
から選択される、項目23に記載の化合物。
(項目25)
【化66】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される、項目12に記載の化合物。
(項目26)
式(IIC)によって表される化合物:
【化67】
またはその塩[式中、
R
31
は、
水素、
C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36
、-SR
36
、-N(R
36
)
2
、-C(O)R
36
、-C(O)N(R
36
)
2
、-N(R
36
)C(O)R
36
、-C(O)OR
36
、-OC(O)R
36
、-N(R
36
)C(O)N(R
36
)
2
、-OC(O)N(R
36
)
2
、-N(R
36
)C(O)OR
36
、-S(O)R
36
、-S(O)
2
R
36
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
36
)、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
35
でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36
、-SR
36
、-N(R
36
)
2
、-C(O)R
36
、-C(O)N(R
36
)
2
、-N(R
36
)C(O)R
36
、-N(R
36
)C(O)N(R
36
)
2
、-OC(O)N(R
36
)
2
、-N(R
36
)C(O)OR
36
、-C(O)OR
36
、-OC(O)R
36
、-S(O)R
36
、-S(O)
2
R
36
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
36
)、-CN、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
35
でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
32
は、
C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36
、-SR
36
、-N(R
36
)
2
、-C(O)R
36
、-C(O)N(R
36
)
2
、-N(R
36
)C(O)R
36
、-N(R
36
)C(O)N(R
36
)
2
、-OC(O)N(R
36
)
2
、-N(R
36
)C(O)OR
36
、-C(O)OR
36
、-OC(O)R
36
、-S(O)R
36
、-S(O)
2
R
36
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
36
)、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
35
でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36
、-SR
36
、-N(R
36
)
2
、-C(O)R
36
、-C(O)N(R
36
)
2
、-N(R
36
)C(O)R
36
、-N(R
36
)C(O)N(R
36
)
2
、-OC(O)N(R
36
)
2
、-N(R
36
)C(O)OR
36
、-C(O)OR
36
、-OC(O)R
36
、-S(O)R
36
、-S(O)
2
R
36
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
36
)、-CN、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
35
でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
R
35
はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
36
、-SR
36
、-N(R
36
)
2
、-C(O)R
36
、-C(O)N(R
36
)
2
、-N(R
36
)C(O)R
36
、-N(R
36
)C(O)N(R
36
)
2
、-OC(O)N(R
36
)
2
、-N(R
36
)C(O)OR
36
、-C(O)OR
36
、-OC(O)R
36
、-S(O)R
36
、-S(O)
2
R
36
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
36
)および-CN;ならびに
C
1~3
アルキル、C
2~3
アルケニル、C
2~3
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
36
、-SR
36
、-N(R
36
)
2
、-C(O)R
36
、-C(O)N(R
36
)
2
、-N(R
36
)C(O)R
36
、-N(R
36
)C(O)N(R
36
)
2
、-OC(O)N(R
36
)
2
、-N(R
36
)C(O)OR
36
、-C(O)OR
36
、-OC(O)R
36
、-S(O)R
36
、-S(O)
2
R
36
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
36
)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
36
はそれぞれ、
水素、
C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2
、-NH
2
、=O、=S、-O-C
1~6
アルキル、-S-C
1~6
アルキル、-N(C
1~6
アルキル)
2
、-NH(C
1~6
アルキル)、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される);ならびに
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2
、-NH
2
、=O、=S、-O-C
1~6
アルキル、-S-C
1~6
アルキル、-N(C
1~6
アルキル)
2
、-NH(C
1~6
アルキル)、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~10
炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択される]。
(項目27)
R
31
が、必要に応じて置換されるアリールまたはヘテロアリールから選択される、項目26に記載の化合物または塩。
(項目28)
R
31
が、必要に応じて置換されるフェニルから選択される、項目27に記載の化合物または塩。
(項目29)
R
31
が、
【化68】
である、項目28に記載の化合物または塩。
(項目30)
R
32
が、必要に応じて置換されるC
1
~C
6
アルキルから選択される、項目26、27または28のいずれか1項に記載の化合物または塩。
(項目31)
R
32
がエチルである、項目30に記載の化合物または塩。
(項目32)
【化69】
またはそれらの塩である、項目26に記載の化合物。
(項目33)
項目1~32のいずれか1項に記載の化合物または塩を含む、医薬組成物。
(項目34)
疾患を処置する方法であって、その必要のある被験体に、項目1~32のいずれか1項に記載の化合物または塩を投与する工程を包含する、方法。
(項目35)
神経筋状態を処置する方法であって、その必要のある被験体に、項目1~32のいずれか1項に記載の化合物または塩を投与する工程を包含する、方法。
(項目36)
前記神経筋状態が、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー1型、筋強直性ジストロフィー2型、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、眼咽頭型筋ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィー、腱炎、手根管症候群から選択される、項目34または35に記載の方法。
(項目37)
前記神経筋状態が、デュシェンヌ型筋ジストロフィーである、項目36に記載の方法。
(項目38)
運動障害を処置する方法であって、その必要のある被験体に、項目1~32のいずれか1項に記載の化合物または塩を投与する工程を包含する、方法。
(項目39)
前記運動障害が筋痙縮を含む、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記筋痙縮が、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、または脳性麻痺、または傷害、または外傷性事象、例えば、脳卒中、外傷性脳傷害、脊髄傷害、低酸素症、髄膜炎、脳炎、フェニルケトン尿症または筋萎縮性側索硬化症と関連する痙縮から選択される、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記化合物または塩が、不随意的筋収縮を低減するために十分な量で投与される、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記化合物または塩が、不随意的筋収縮を少なくとも10%低減するために十分な量で投与される、項目41に記載の方法。
(項目43)
神経筋状態または運動障害を処置する方法であって、その必要のある被験体に、式(I)によって表される化合物:
【化70】
またはその塩を投与する工程を包含し、式中、
前記A環は、R
1
から独立して選択される1つまたは複数の置換基によって必要に応じて置換される5員の複素芳香族環から選択され、
Xは、NまたはCHであり、
R
1
はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-C(O)R
6
、-C(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)R
6
、-C(O)OR
6
、-OC(O)R
6
、-N(R
6
)C(O)N(R
6
)
2
、-OC(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)OR
6
、-S(O)R
6
、-S(O)
2
R
6
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
6
)および-CN;
C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-C(O)R
6
、-C(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)R
6
、-C(O)OR
6
、-OC(O)R
6
、-N(R
6
)C(O)N(R
6
)
2
、-OC(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)OR
6
、-S(O)R
6
、-S(O)
2
R
6
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
6
)、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-C(O)R
6
、-C(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)R
6
、-N(R
6
)C(O)N(R
6
)
2
、-OC(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)OR
6
、-C(O)OR
6
、-OC(O)R
6
、-S(O)R
6
、-S(O)
2
R
6
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
6
)、-CN、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
2
は、
C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-C(O)R
6
、-C(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)R
6
、-N(R
6
)C(O)N(R
6
)
2
、-OC(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)OR
6
、-C(O)OR
6
、-OC(O)R
6
、-S(O)R
6
、-S(O)
2
R
6
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
6
)、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される)、
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-C(O)R
6
、-C(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)R
6
、-N(R
6
)C(O)N(R
6
)
2
、-OC(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)OR
6
、-C(O)OR
6
、-OC(O)R
6
、-S(O)R
6
、-S(O)
2
R
6
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
6
)および-CN、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される)、ならびに
-C(O)NR
7
R
8
から選択され、
R
4
はそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-NO
2
、-CNおよび、C
1~6
アルキル(ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-NO
2
および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から独立して選択され、
R
5
はそれぞれ、
ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-C(O)R
6
、-C(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)R
6
、-N(R
6
)C(O)N(R
6
)
2
、-OC(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)OR
6
、-C(O)OR
6
、-OC(O)R
6
、-S(O)R
6
、-S(O)
2
R
6
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
6
)および-CN;ならびに
C
1~3
アルキル、C
2~3
アルケニル、C
2~3
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-C(O)R
6
、-C(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)R
6
、-N(R
6
)C(O)N(R
6
)
2
、-OC(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)OR
6
、-C(O)OR
6
、-OC(O)R
6
、-S(O)R
6
、-S(O)
2
R
6
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
6
)および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
6
はそれぞれ、
水素;ならびに
C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2
、-NH
2
、=O、=S、-O-C
1~6
アルキル、-S-C
1~6
アルキル、-N(C
1~6
アルキル)
2
、-NH(C
1~6
アルキル)、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される);ならびに
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NO
2
、-NH
2
、=O、=S、-O-C
1~6
アルキル、-S-C
1~6
アルキル、-N(C
1~6
アルキル)
2
、-NH(C
1~6
アルキル)、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、C
3~10
炭素環、3~10員の複素環およびハロアルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から独立して選択され、
R
7
は、水素および、C
1~6
アルキル(ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-NO
2
および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)から選択され、
R
8
は、
C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-C(O)R
6
、-C(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)R
6
、-N(R
6
)C(O)N(R
6
)
2
、-OC(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)OR
6
、-C(O)OR
6
、-OC(O)R
6
、-S(O)R
6
、-S(O)
2
R
6
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
6
)、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される)、
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-C(O)R
6
、-C(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)R
6
、-N(R
6
)C(O)N(R
6
)
2
、-OC(O)N(R
6
)
2
、-N(R
6
)C(O)OR
6
、-C(O)OR
6
、-OC(O)R
6
、-S(O)R
6
、-S(O)
2
R
6
、-NO
2
、=O、=S、=N(R
6
)、-CN、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択され、
pは、0、1または2である、方法。
(項目44)
前記A環が、チオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピロール、テトラゾールおよびフランから選択され、これらがそれぞれ、R
1
から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記A環が、チオフェン、オキサジアゾール、オキサゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピラゾールおよびチアゾールから選択され、これらがそれぞれ、R
1
から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記A環が、
【化71】
から選択され、これらがそれぞれ、R
1
から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記A環が、
【化72】
から選択され、これらがそれぞれ、R
1
から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記A環が、
【化73】
から選択される、項目46に記載の方法。
(項目49)
前記A環が、
【化74】
から選択される、項目48に記載の方法。
(項目50)
R
1
が、
ハロゲン、-OR
6
、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6
アルキル;ならびに
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-CN、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択される、項目43~49のいずれか1項に記載の方法。
(項目51)
R
1
が、
C
1~6
アルキル;ならびに
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-およびC
1~6
アルキル(1つまたは複数のR
5
で必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される)
から選択される、項目50に記載の方法。
(項目52)
R
1
が、ハロゲン、-OHまたは-OCH
3
から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるメチルから選択される、項目51に記載の方法。
(項目53)
R
1
が、ピリジン、C
3~5
シクロアルキルおよびフェニルから選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-CH
3
、-CN、-OH、-OCH
3
、-OCF
3
、-CF
3
、-CHF
2
、-OCHF
2
およびシクロプロピルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、項目43~51のいずれか1項に記載の方法。
(項目54)
環Aが非置換である、項目43~47のいずれか1項に記載の方法。
(項目55)
R
2
が、
ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6
アルキル;
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、CN、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される);ならびに
-C(O)NR
7
R
8
から選択される、項目43~54のいずれか1項に記載の方法。
(項目56)
R
2
が、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6
アルキルから選択され、前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環が、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される、項目55に記載の方法。
(項目57)
R
2
が、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
および-CNから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6
アルキルから選択される、項目56に記載の方法。
(項目58)
R
2
が、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、CN、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環が、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される、項目55に記載の方法。
(項目59)
R
2
が、フェニル、ピリジル、ピリミジル、チアゾール、オキサジアゾールおよびオキサゾールから選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、CNおよびC
1~6
アルキルから独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換される、項目58に記載の方法。
(項目60)
R
2
が、-C(O)NR
7
R
8
である、項目56に記載の方法。
(項目61)
R
8
が、
C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル、C
2~6
アルキニル、(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される);ならびに
C
3~10
炭素環および3~10員の複素環(これらはそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-SR
6
、-N(R
6
)
2
、-CN、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環は、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される)
から選択される、項目60に記載の方法。
(項目62)
R
8
が、ハロゲン、-OR
6
、-CN、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されるC
1~6
アルキルから選択され、前記C
3~10
炭素環および3~10員の複素環が、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される、項目61に記載の方法。
(項目63)
R
8
が、メチル、エチル、プロピルおよびブチルから選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-OH、-CN、-OCH
3
、-CF
3
、-CHF
2
、-CH
2
F、フェニルまたはピリジルの1つまたは複数で必要に応じて置換され、前記フェニルまたはピリジルが、ハロゲン、-CH
3
、-OH、-OCH
3
、-CF
3
、-CHF
2
または-CH
2
Fで必要に応じて置換される、項目62に記載の方法。
(項目64)
R
8
が、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-OR
6
、-CN、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環から独立して選択される1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換され、C
1~6
アルキル、C
3~10
炭素環および3~10員の複素環が、1つまたは複数のR
5
でそれぞれ必要に応じて置換される、項目61に記載の方法。
(項目65)
R
8
が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ピリジル、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピロールおよびフランから選択され、これらがそれぞれ、1つまたは複数のR
5
で必要に応じて置換される、項目64に記載の方法。
(項目66)
R
8
が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ピリジル、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾールから選択され、これらがそれぞれ、1つまたは複数のR
5
で必要に応じて置換される、項目65に記載の方法。
(項目67)
R
8
が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ピリジル、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾールから選択され、これらがそれぞれ、ハロゲン、-CN、-OH、-OCH
3
、-CF
3
、-CHF
2
または-CH
2
Fの1つまたは複数で必要に応じて置換される、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記化合物が、
【化75】
【化76】
【化77】
【化78】
【化79】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される、項目43に記載の方法。
(項目69)
前記化合物が、
【化80】
【化81】
【化82】
【化83】
およびそれらのいずれか1つの塩から選択される、項目68に記載の方法。
(項目70)
前記疾患が、神経筋状態である、項目43~69のいずれか1項に記載の方法。
(項目71)
前記神経筋状態が、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー1型、筋強直性ジストロフィー2型、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、眼咽頭型筋ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィー、腱炎、手根管症候群から選択される、項目70に記載の方法。
(項目72)
前記神経筋状態が、デュシェンヌ型筋ジストロフィーである、項目71に記載の方法。
(項目73)
運動障害を処置する方法であって、その必要のある被験体に、項目43~70のいずれか1項に記載の化合物または塩を投与する工程を包含する、方法。
(項目74)
前記運動障害が筋痙縮を含む、項目73に記載の方法。
(項目75)
前記筋痙縮が、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、または脳性麻痺、または傷害、または外傷性事象、例えば、脳卒中、外傷性脳傷害、脊髄傷害、低酸素症、髄膜炎、脳炎、フェニルケトン尿症または筋萎縮性側索硬化症と関連する痙縮から選択される、項目74に記載の方法。
(項目76)
前記化合物または塩が、不随意的筋収縮を低減するために十分な量で投与される、項目73に記載の方法。
(項目77)
前記化合物または塩が、不随意的筋収縮を少なくとも10%低減するために十分な量で投与される、項目76に記載の方法。