(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】移動体制御装置、移動体制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20241218BHJP
【FI】
G06F8/65
(21)【出願番号】P 2023021286
(22)【出願日】2023-02-15
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久浩
【審査官】松平 英
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/105609(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/125142(WO,A1)
【文献】特開2022-108390(JP,A)
【文献】特開2021-60797(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/174887(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R16/00-17/02
G06F 8/00-8/38
8/60-8/77
9/44-9/445
9/451
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロセッサと、
前記第1プロセッサにより使用される第1ソフトウェアが保存される第1メモリと、
第2プロセッサと、
前記第2プロセッサにより使用される第2ソフトウェアが保存される第2メモリと、
を備える移動体制御装置であって、
前記第1プロセッサは、前記第1メモリに新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存して、前記第1ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第1ソフトウェア更新可能通知を前記第2プロセッサに出力し、
前記第2プロセッサは、前記第2メモリに新バージョンの前記第2ソフトウェアを保存して、前記第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第2ソフトウェア更新可能通知を前記第1プロセッサに出力し、
前記第1プロセッサが前記第2ソフトウェア更新可能通知を認識し、且つ前記第2プロセッサが前記第1ソフトウェア更新可能通知を認識したときに、前記第1プロセッサが、使用する前記第1ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第1切替処理を実行すると共に、前記第2プロセッサが、使用する前記第2ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第2切替処理を実行する
移動体制御装置。
【請求項2】
前記第1プロセッサは、前記移動体の電源オン状態と電源オフ状態の切替指示を受け付ける電源オンオフ受付部を有して、前記電源オンオフ受付部により前記電源オフ状態への切替指示を受付けたときに、新バージョンの前記第1ソフトウェアを前記第1メモリに保存すると共に、電源オフ切替指示受付通知を前記第2プロセッサに出力し、
前記第2プロセッサは、前記電源オフ切替指示受付通知を認識したときに、新バージョンの前記第2ソフトウェアを前記第2メモリに保存する
請求項1に記載の移動体制御装置。
【請求項3】
前記第2プロセッサは、前記電源オン状態と前記電源オフ状態を切り替える電源切替回路に接続されて、前記電源オフ切替指示受付通知を認識したときに、前記電源切替回路により前記電源オフ状態に切り替え、
前記第1プロセッサは、前記電源オンオフ受付部により前記電源オフ状態への切替指示を受付け、且つ前記電源切替回路の作動状態を検出する切替検出部による検出状況に基づいて、前記電源オフ状態に切り替えられたことを認識したときに、第1メモリに新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存する
請求項2に記載の移動体制御装置。
【請求項4】
前記第1メモリには、旧バージョンの前記第1ソフトウェアを保存する領域と、新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存する領域とが設定され、
前記第2メモリには、旧バージョンの前記第2ソフトウェアを保存する領域と、新バージョンの前記第2ソフトウェアを保存する領域とが設定され、
前記第1プロセッサは、旧バージョンの前記第1ソフトウェアが前記第1メモリに保存された状態を維持して、新バージョンの前記第1ソフトウェアの前記第1メモリへの保存を行い、新バージョンの前記第1ソフトウェアの前記第1メモリへの保存に失敗した場合は、前記第1ソフトウェア更新可能通知の前記第2プロセッサへの出力を行わずに、旧バージョンの前記第1ソフトウェアの使用を継続し、
前記第2プロセッサは、旧バージョンの前記第2ソフトウェアが前記第2メモリに保存された状態を維持して、新バージョンの前記第2ソフトウェアの前記第2メモリへの保存を行い、新バージョンの前記第2ソフトウェアの前記第2メモリへの保存に失敗した場合は、前記第2ソフトウェア更新可能通知の前記第1プロセッサへの出力を行わずに、旧バージョンの前記第2ソフトウェアの使用を継続する
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の移動体制御装置。
【請求項5】
第1プロセッサと、
前記第1プロセッサにより使用される第1ソフトウェアが保存される第1メモリと、
第2プロセッサと、
前記第2プロセッサにより使用される第2ソフトウェアが保存される第2メモリと、
を備える移動体制御装置により実行される移動体制御方法であって、
前記第1プロセッサが、前記第1メモリに新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存して、前記第1ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第1ソフトウェア更新可能通知を前記第2プロセッサに出力するステップと、
前記第2プロセッサが、前記第2メモリに新バージョンの前記第2ソフトウェアを保存して、前記第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第2ソフトウェア更新可能通知を前記第1プロセッサに出力するステップと、
前記第1プロセッサが前記第2ソフトウェア更新可能通知を認識し、且つ前記第2プロセッサが前記第1ソフトウェア更新可能通知を認識したときに、前記第1プロセッサが、使用する前記第1ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第1切替処理を実行すると共に、前記第2プロセッサが、使用する前記第2ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第2切替処理を実行するステップと、
を含む移動体制御方法。
【請求項6】
第1プロセッサと、
前記第1プロセッサにより使用される第1ソフトウェアが保存される第1メモリと、
第2プロセッサと、
前記第2プロセッサにより使用される第2ソフトウェアが保存される第2メモリと、
を備える移動体制御装置において、前記第1プロセッサ及び前記第2プロセッサにより実行されるプログラムであって、
前記第1プロセッサに、前記第1メモリに新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存して、前記第1ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第1ソフトウェア更新可能通知を前記第2プロセッサに出力する処理を実行させ、
前記第2プロセッサに、前記第2メモリに新バージョンの前記第2ソフトウェアを保存して、前記第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第2ソフトウェア更新可能通知を前記第1プロセッサに出力する処理を実行させ、
前記第1プロセッサが前記第2ソフトウェア更新可能通知を認識し、且つ前記第2プロセッサが前記第1ソフトウェア更新可能通知を認識したときに、前記第1プロセッサに、使用する前記第1ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第1切替処理を実行させると共に、前記第2プロセッサに、使用する前記第2ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第2切替処理を実行する処理を実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体制御装置、移動体制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両等の移動体に搭載される制御装置において、ソフトウェアの更新をサポートする技術が提案されている。例えば、特許文献1には、車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)により実行されるプログラムを記憶する記憶部に、実行中のプログラムを記憶する領域と更新プログラムを記憶する領域とを設定する構成が開示されている。この構成によれば、プログラムの実行中であっても更新プログラムを記憶部に記憶させることが可能であり、プログラムを更新するタイミングの制約を小さくできる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体制御装置で使用されるプログラム等のソフトウェアには、移動体の基本的な作動を行う重要なソフトウェアが含まれるため、ソフトウェアの更新が正常に行われなかった場合には、移動体の動作に支障をきたすおそれがある。そこで、移動体制御装置におけるソフトウェアの更新をより確実に行うことが、本願の課題である。
本願は、上記課題の解決のため、安全性の向上を目的としたものである。そして、延いては交通の安全性をより一層改善して持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、第1プロセッサと、前記第1プロセッサにより使用される第1ソフトウェアが保存される第1メモリと、第2プロセッサと、前記第2プロセッサにより使用される第2ソフトウェアが保存される第2メモリと、を備える移動体制御装置であって、前記第1プロセッサは、前記第1メモリに新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存して、前記第1ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第1ソフトウェア更新可能通知を前記第2プロセッサに出力し、前記第2プロセッサは、前記第2メモリに新バージョンの前記第2ソフトウェアを保存して、前記第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第2ソフトウェア更新可能通知を前記第1プロセッサに出力し、前記第1プロセッサが前記第2ソフトウェア更新可能通知を認識し、且つ前記第2プロセッサが前記第1ソフトウェア更新可能通知を認識したときに、前記第1プロセッサが、使用する前記第1ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第1切替処理を実行すると共に、前記第2プロセッサが、使用する前記第2ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第2切替処理を実行する移動体制御装置が挙げられる。
【0006】
上記移動体制御装置において、前記第1プロセッサは、前記移動体の電源オン状態と電源オフ状態の切替指示を受け付ける電源オンオフ受付部を有して、前記電源オンオフ受付部により前記電源オフ状態への切替指示を受付けたときに、新バージョンの前記第1ソフトウェアを前記第1メモリに保存すると共に、電源オフ切替指示受付通知を前記第2プロセッサに出力し、前記第2プロセッサは、前記電源オフ切替指示受付通知を認識したときに、新バージョンの前記第2ソフトウェアを前記第2メモリに保存する構成としてもよい。
【0007】
上記移動体制御装置において、前記第2プロセッサは、前記電源オン状態と前記電源オフ状態を切り替える電源切替回路に接続されて、前記電源オフ切替指示受付通知を認識したときに、前記電源切替回路により前記電源オフ状態に切り替え、前記第1プロセッサは、前記電源オンオフ受付部により前記電源オフ状態への切替指示を受付け、且つ前記電源切替回路の作動状態を検出する切替検出部による検出状況に基づいて、前記電源オフ状態に切り替えられたことを認識したときに、第1メモリに新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存する構成としてもよい。
【0008】
上記移動体制御装置において、前記第1メモリには、旧バージョンの前記第1ソフトウェアを保存する領域と、新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存する領域とが設定され、前記第2メモリには、旧バージョンの前記第2ソフトウェアを保存する領域と、新バージョンの前記第2ソフトウェアを保存する領域とが設定され、前記第1プロセッサは、旧バージョンの前記第1ソフトウェアが前記第1メモリに保存された状態を維持して、新バージョンの前記第1ソフトウェアの前記第1メモリへの保存を行い、新バージョンの前記第1ソフトウェアの前記第1メモリへの保存に失敗した場合は、前記第1ソフトウェア更新可能通知の前記第2プロセッサへの出力を行わずに、旧バージョンの前記第1ソフトウェアの使用を継続し、前記第2プロセッサは、旧バージョンの前記第2ソフトウェアが前記第2メモリに保存された状態を維持して、新バージョンの前記第2ソフトウェアの前記第2メモリへの保存を行い、新バージョンの前記第2ソフトウェアの前記第2メモリへの保存に失敗した場合は、前記第2ソフトウェア更新可能通知の前記第1プロセッサへの出力を行わずに、旧バージョンの前記第2ソフトウェアの使用を継続する構成としてもよい。
【0009】
上記目的を達成するための第2態様として、第1プロセッサと、前記第1プロセッサにより使用される第1ソフトウェアが保存される第1メモリと、第2プロセッサと、前記第2プロセッサにより使用される第2ソフトウェアが保存される第2メモリと、を備える移動体制御装置により実行される移動体制御方法であって、前記第1プロセッサが、前記第1メモリに新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存して、前記第1ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第1ソフトウェア更新可能通知を前記第2プロセッサに出力するステップと、前記第2プロセッサが、前記第2メモリに新バージョンの前記第2ソフトウェアを保存して、前記第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第2ソフトウェア更新可能通知を前記第1プロセッサに出力するステップと、前記第1プロセッサが前記第2ソフトウェア更新可能通知を認識し、且つ前記第2プロセッサが前記第1ソフトウェア更新可能通知を認識したときに、前記第1プロセッサが、使用する前記第1ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第1切替処理を実行すると共に、前記第2プロセッサが、使用する前記第2ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第2切替処理を実行するステップと、を含む移動体制御方法が挙げられる。
【0010】
上記目的を達成するための第3態様として、第1プロセッサと、前記第1プロセッサにより使用される第1ソフトウェアが保存される第1メモリと、第2プロセッサと、前記第2プロセッサにより使用される第2ソフトウェアが保存される第2メモリと、を備える移動体制御装置において、前記第1プロセッサ及び前記第2プロセッサにより実行されるプログラムであって、前記第1プロセッサに、前記第1メモリに新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存して、前記第1ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第1ソフトウェア更新可能通知を前記第2プロセッサに出力する処理を実行させ、前記第2プロセッサに、前記第2メモリに新バージョンの前記第2ソフトウェアを保存して、前記第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第2ソフトウェア更新可能通知を前記第1プロセッサに出力する処理を実行させ、前記第1プロセッサが前記第2ソフトウェア更新可能通知を認識し、且つ前記第2プロセッサが前記第1ソフトウェア更新可能通知を認識したときに、前記第1プロセッサに、使用する前記第1ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第1切替処理を実行させると共に、前記第2プロセッサに、使用する前記第2ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第2切替処理を実行する処理を実行させるプログラムが挙げられる。
【発明の効果】
【0011】
上記移動体制御装置、移動体制御方法、及びプログラムによれば、移動体制御装置におけるソフトウェアの更新をより確実に行って、交通の安全性を一層改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】
図2は、移動体制御装置におけるソフトウェア更新処理のフローチャートである。
【
図3】
図3は、移動体制御装置におけるソフトウェア更新処理のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[1.移動体制御装置の構成]
図1を参照して、本実施形態の移動体制御装置1の構成について説明する。移動体制御装置1は、移動体100の作動を制御するECU(Electronic Control Unit)である。移動体100は、車両、飛行体、船舶等である。
【0014】
移動体制御装置1は、第1マイコン10と第2マイコン20を備えている。第1マイコン10は、第1プロセッサ11、第1メモリ12、第1通信回路13等を有し、第2マイコン20は、第2プロセッサ21、第2メモリ22、第2通信回路23等を有している。第1メモリ12には、第1プロセッサ11により実行される第1プログラム120、旧バージョンの第1ソフトウェア121、及び新バージョンの第1ソフトウェア122が保存されている。
【0015】
第1プログラム120は、第1マイコン10の基本的な動作を制御するために、第1プロセッサ11により実行されるプログラムである。旧バージョンの第1ソフトウェア121と新バージョンの第1ソフトウェア122は、第1プロセッサ11により使用されるソフトウェアであり、移動体100の制御用のプログラム、移動体100の制御に用いられるデータセット等が含まれる。
【0016】
第2メモリ22には、第2プログラム220、旧バージョンの第2ソフトウェア221、及び新バージョンの第2ソフトウェア222が保存されている。第2プログラム220は、第2マイコン20の基本的な動作を制御するために、第2プロセッサ21により実行されるプログラムである。旧バージョンの第2ソフトウェア221と新バージョンの第2ソフトウェア222は、第2プロセッサ21により使用されるソフトウェアであり、移動体100の制御用プログラム、移動体100の制御に用いられるデータセット等が含まれる。
【0017】
旧バージョンの第1ソフトウェア121は第1メモリ12の領域12aに保存され、新バージョンの第1ソフトウェア122は第1メモリ12の領域12bに保存されている。また、旧バージョンの第2ソフトウェア221は第2メモリ22の領域22aに保存され、新バージョンの第2ソフトウェア222は第2メモリ22bに保存されている。このように、第1ソフトウェアと第2ソフトウェアの旧バージョン及び新バージョンを共に保存可能な構成とすることにより、後述するように、旧バージョンから新バージョンへの更新に失敗した場合に、旧バージョンの第1ソフトウェア及び第2ソフトウェアを使用して、移動体100の制御を継続することができる。
【0018】
第1マイコン10には、移動体100のIG(IGNITION)オン(電源オン状態)とIGオフ(電源オフ状態)の切り替えを指示するSS(スタート/ストップ)スイッチ2が接続され、SSスイッチ2の操作信号が入力回路30を介して第1マイコン10に入力される。第2マイコン20には、IGリレー3が接続され、第2マイコン20から出力回路35を介して出力される制御信号により、IGリレー3のオンとオフが制御されて、移動体100のIGオンとIGオフが切り替えられる。
【0019】
出力回路35の出力部は入力回路32に接続され、出力回路35の出力状態(IGリレー3のオン/オフ状態)の検出信号が、入力回路32から第2マイコン20に入力される。IGリレー3の出力部は入力回路31に接続され、IGリレー3のオン/オフの検出信号が、入力回路31から第1マイコン10に入力される。
【0020】
移動体制御装置1は、接続ケーブル51により端末装置50と接続することができ、作業者Wは、端末装置50を操作して、移動体100のメンテナンスを行うことができる。以下では、作業者Wによる端末装置50に操作に応じて、旧バージョンの第1ソフトウェア121を新バージョンの第1ソフトウェア122に更新すると共に、旧バージョンの第2ソフトウェア221を新バージョンの第2ソフトウェア222に更新する処理について説明する。
【0021】
[2.第1ソフトウェアと第2ソフトウェアの更新処理]
図2に示したフローチャートに従って、第1プロセッサ11と第2プロセッサ21により実行される第1ソフトウェアと第2ソフトウェアの更新処理について説明する。第1プロセッサ11と第2プロセッサ21により実行される
図2のフローチャートによる処理は、本開示の移動体制御方法におけるステップに相当すると共に、本開示のプログラムにより実行される処理に相当する。
【0022】
図2のステップS10で、第1プロセッサ11は、入力回路30から入力される操作信号を認識して、SSスイッチ2の電源オフ操作(IGオフ操作)を受け付けたときに、ステップS11に処理を進める。ステップS11で、第1プロセッサ11は、第2プロセッサ21に対して、SSスイッチ2の電源オフ操作がなされたことを通知する電源オフ切替指示受付通知を送信する。
【0023】
第2プロセッサ21は、ステップS50で、第1プロセッサ11から送信された電源オフ切替指示受付通知を受信したときに、ステップS51に処理を進める。ステップS51で、第2プロセッサ21は、出力回路35を介してIGリレー3に出力する制御信号を、オンからオフに切り替えることによって、IGリレー3をオフ状態(遮断状態)とし、これにより移動体100はIGオフ状態となる。IGリレー3がオフ状態になることにより、入力回路31から第1マイコン10に、IGリレーオフ信号が入力されて、第1プロセッサ11は、IGオフを検出する。
【0024】
第1プロセッサ11は、ステップS12でIGオフを検出したときに、ステップS13に処理を進める。ステップS13で、第1プロセッサ11は、第2プロセッサ21に対して、IGオフを検出したことを通知するIGオフ検出通知を送信する。続くステップS14で、第1プロセッサ11は、端末装置50によるソフトウェアの更新操作の有無を判断し、更新操作があったときはステップS15に処理を進め、更新操作がなかったときにはステップS19に処理を進める。
【0025】
ステップS15で、第1プロセッサ11は、端末装置50から送信される新バージョンの第1ソフトウェア122を受信して、第1メモリ12に保存する。そして、第1プロセッサ11は、第1メモリ12に保存された新バージョンの第1ソフトウェア122が正常であることが、端末装置50との通信により確認されたときに、第1ソフトウェアの有効コードを、旧バージョンのコードから新バージョンのコードに更新する。続くステップS16で、第1プロセッサ11は、旧バージョンの第1ソフトウェア121から新バージョンの第1ソフトウェアへの更新が可能になったことを示す第1ソフトウェア更新可能通知を、第2プロセッサ21に対して送信する。
【0026】
ここで、新バージョンの第1ソフトウェア122の第1メモリ12への保存は、旧バージョンの第1ソフトウェア121が第1メモリ12に保存された状態を維持して実行される。そして、第1プロセッサ11は、第1メモリ12に保存された新バージョンの第1ソフトウェア122が正常であることが確認できなかった場合(新バージョンの第1ソフトウェア122の保存に失敗した場合)は、第1プロセッサ11は、端末装置50に対して、新バージョンの第1ソフトウェア122の取得に失敗したことを通知する。この場合、ステップS16以降の処理は実行されず、第1プロセッサ11は、旧バージョンの第1ソフトウェア121の使用を継続して、移動体100の作動を制御する。
【0027】
第2プロセッサ21は、ステップS52で第1プロセッサ11から送信されたIGオフ検出通知を受信したときに、ステップS53に処理を進める。ステップS53で、第2プロセッサ21は、端末装置50によるソフトウェアの更新操作の有無を判断し、更新操作があったときはステップS54に処理を進め、更新操作がなかったときにはステップS58に処理を進める。
【0028】
ステップS54で、第2プロセッサ21は、端末装置50から送信される新バージョンの第2ソフトウェア222を受信して、第2メモリ22に保存する。そして、第2プロセッサ21は、第2メモリ22に保存された新バージョンの第2ソフトウェア222が正常であることが、端末装置50との通信により確認されたときに、第2ソフトウェアの有効コードを、旧バージョンのコードから新バージョンのコードに更新する。続くステップS55で、第2プロセッサ21は、旧バージョンの第2ソフトウェア221から新バージョンの第2ソフトウェア222への更新が可能になったことを示す第2ソフトウェア更新可能通知を、第1プロセッサ11に対して送信する。
【0029】
ここで、新バージョンの第2ソフトウェア222の第2メモリ22への保存は、旧バージョンの第2ソフトウェア221が第2メモリ22に保存された状態を維持して実行される。そして、第2プロセッサ21は、第2メモリ22に保存された新バージョンの第2ソフトウェア222が正常であることが確認できなかった場合(新バージョンの第2ソフトウェア222の保存に失敗した場合)は、第2プロセッサ21は、端末装置50に対して、新バージョンの第2ソフトウェア222の取得に失敗したことを通知する。この場合、ステップS55以降の処理は実行されず、第2プロセッサ21は、旧バージョンの第2ソフトウェア221の使用を継続して、移動体100の作動を制御する。
【0030】
第1プロセッサ11は、ステップS17で第2プロセッサ21から第2ソフトウェア更新可能通知を受信したときに、ステップS18に処理を進めてリセット処理を実行する。また、第2プロセッサ21は、ステップS56で第1プロセッサ11から第1ソフトウェア更新可能通知を受信したときに、ステップS57に処理を進めてリセット処理を実行する。
【0031】
このように、第1プロセッサ11と第2プロセッサ21が共に、第1メモリ12に新バージョンの第1ソフトウェア122が正常に保存され、且つ第2メモリ22に新バージョンの第2ソフトウェア222が正常に保存されたことを認識したタイミングで、第1プロセッサ11と第2プロセッサ21がリセットされて、第1ソフトウェアと第2ソフトウェアが旧バージョンから新バージョンに切り替わる。これにより、第1ソフトウェアと第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの更新を、より確実に行うことができる。
【0032】
第1プロセッサ11が、リセット処理より、旧バージョンの第1ソフトウェア121から新バージョンの第1ソフトウェア122に切り替える処理は、本開示の第1切替処理に相当する。第2プロセッサ21が、リセット処理により、旧バージョンの第2ソフトウェア221から新バージョンの第2ソフトウェア222に切り替える処理は、本開示の第2切替処理に相当する。
【0033】
次に、
図3は、上述した
図2に示したフローチャートによる処理が実行されたときの、IGオンとIGオフの切り替え、第1プロセッサ11及び第2プロセッサ21の作動、及び有効な第1ソフトウェアと第2ソフトウェアのバージョンの切り替えの推移を、共通の時間軸tにより示したタイミングチャートである。
【0034】
先ず、作業者WによるSSスイッチ2のオフ操作が第1プロセッサ11により受け付けられて、第2プロセッサ21によりIGリレー3がオフされ、入力回路31から出力されるIGオフ検出信号が第1マイコン10に入力されたときに、第1プロセッサ11が、t1で、IGオフを検出する。
【0035】
第1プロセッサ11は、t2で、第2プロセッサ21に対してIGオフ検出通知を送信し、t3~t5で、端末装置50から送信される新バージョンの第1ソフトウェア122を受信して第1メモリ12に保存する。そして、第1プロセッサ11は、新バージョンの第1ソフトウェア122の保存が正常に行われたことが確認できた場合に、第1ソフトウェアの有効コードを、旧バージョンのコードから新バージョンのコードに切り替える。第1プロセッサ11は、t6で、第2プロセッサ21に対して、第1ソフトウェア更新可能通知を送信する。
【0036】
第2プロセッサ21は、t2で、第1プロセッサ11からIGオフ検出通知を受信したときに、t4~t7で、端末装置50から送信される新バージョンの第2ソフトウェア222を受信して第2メモリ22に保存する。そして、第2プロセッサ21は、新バージョンの第2ソフトウェア222の保存が正常に行われたことが確認できた場合に、第2ソフトウェアの有効コードを、旧バージョンのコードから新バージョンのコードに切り替える。第2プロセッサ21は、t8で、第1プロセッサ11に対して、第2ソフトウェア更新可能通知を送信する。
【0037】
第1プロセッサ11と第2プロセッサ21は、t8で、第2プロセッサ21が第2ソフトウェア更新可能通知送信して、第1プロセッサ11が第2ソフトウェア更新可能通知を受信するまでは、リセット不可となる。t8で、第1プロセッサ11が第2ソフトウェア更新可能通知を受信することにより、第1プロセッサ11と第2プロセッサ21は、リセットを実施して第1ソフトウェアと第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの更新なリセット可の状態となる。
【0038】
t9~t10で、第1プロセッサ11と第2プロセッサ21はリセットを実施し、第1プロセッサ11は、旧バージョンの第1ソフトウェア121から新バージョンの第1ソフトウェア122に切り替え、第2プロセッサ21は、旧バージョンの第2ソフトウェア221から新バージョンの第2ソフトウェア222に切り替える。
【0039】
t8~t10は、第1ソフトウェアと第2ソフトウェアが旧バージョンから新バージョンに更新されるまでのダウンタイム(第1ソフトウェアと第2ソフトウェアを作動させることができない期間)となる。リセットが実施されたt10で、第1ソフトウェアと第2ソフトウェアが新バージョンに切り替わる。
【0040】
第1プロセッサ11と第2プロセッサ21は、t10~t11で、リセット後の初期化を行う。作業者Wは、t13で、端末装置50を操作して、有効となっている第1ソフトウェアと第2ソフトウェアのID(identification)を読みだして、第1プロセッサ11が使用する第1ソフトウェアと第2プロセッサ21が使用する第2ソフトウェアが、新バージョンに切り替わった(更新が成功した)ことを確認する。
【0041】
[3.他の実施形態]
上記実施形態では、
図1に示したように、第2マイコン20にIGリレー3が接続されて、第2プロセッサ21によりIGリレー3のオン/オフが制御され、第1プロセッサ11が、IGリレー3の出力によりIGオンとIGオフを検出する構成を例示した。他の実施形態として、第1プロセッサ11が、IGリレー3のオン/オフを制御する等の他の構成によって、IGオンとIGオフを切り替えるようにしてもよい。
【0042】
上記実施形態では、
図2、
図3に示したように、IGオンからIGオフに切り替わったタイミングで、第1ソフトウェアと第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えを行ったが、他のタイミングで第1ソフトウェアと第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えを行ってもよい。
【0043】
上記実施形態では、
図1に示したように、第1メモリ12に旧バージョンの第1ソフトウェア122と新バージョンの第1ソフトウェア121を保存する領域12a,12bを設け、また、第2メモリ22に旧バージョンの第2ソフトウェア221と新バージョンの第2ソフトウェア222を保存する領域22a,22bを設けて、旧バージョンの第1ソフトウェア121と第2ソフトウェア221が保存された状態を維持して、新バージョンの第1ソフトウェア122と第2ソフトウェア222への切り替えを行った。他の実施形態として、このような新旧の第1ソフトウェアと第2ソフトウェアをメモリに保存する構成を省略してもよい。
【0044】
なお、
図1は、本願発明の理解を容易にするために、移動体制御装置1の構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、移動体制御装置1を他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、
図2に示した各構成要素による処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0045】
[4.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0046】
(構成1)第1プロセッサと、前記第1プロセッサにより使用される第1ソフトウェアが保存される第1メモリと、第2プロセッサと、前記第2プロセッサにより使用される第2ソフトウェアが保存される第2メモリと、を備える移動体制御装置であって、前記第1プロセッサは、前記第1メモリに新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存して、前記第1ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第1ソフトウェア更新可能通知を前記第2プロセッサに出力し、前記第2プロセッサは、前記第2メモリに新バージョンの前記第2ソフトウェアを保存して、前記第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第2ソフトウェア更新可能通知を前記第1プロセッサに出力し、前記第1プロセッサが前記第2ソフトウェア更新可能通知を認識し、且つ前記第2プロセッサが前記第1ソフトウェア更新可能通知を認識したときに、前記第1プロセッサが、使用する前記第1ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第1切替処理を実行すると共に、前記第2プロセッサが、使用する前記第2ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第2切替処理を実行する移動体制御装置。
構成1の移動体制御装置によれば、第1メモリに新バージョンの第1ソフトウェアが保存されたことと、第2メモリに新バージョンの第2ソフトウェアが保存されたことを、第1プロセッサと第2プロセッサが相互に認識した状態で、第1プロセッサによる第1ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えと、第2プロセッサによる第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが実行される。これにより、移動体制御装置におけるソフトウェアの更新をより確実に行って、交通の安全性を一層改善することができる。
【0047】
(構成2)前記第1プロセッサは、前記移動体の電源オン状態と電源オフ状態の切替指示を受け付ける電源オンオフ受付部を有して、前記電源オンオフ受付部により前記電源オフ状態への切替指示を受付けたときに、新バージョンの前記第1ソフトウェアを前記第1メモリに保存すると共に、電源オフ切替指示受付通知を前記第2プロセッサに出力し、前記第2プロセッサは、前記電源オフ切替指示受付通知を認識したときに、新バージョンの前記第2ソフトウェアを前記第2メモリに保存する構成1に記載の移動体制御装置。
構成2の移動体制御装置によれば、第1プロセッサが電源オフと電源オフの切り替えを受け付ける構成となっている場合に、電源オフへの切替指示が受け付けられたことを第2プロセッサに通知することによって、移動体が電源オフ状態である期間中に、第1メモリへの新バージョンの第1ソフトウェアの保存と、第2メモリへの第2ソフトウェアの保存を行うことができる。
【0048】
(構成3)前記第2プロセッサは、前記電源オン状態と前記電源オフ状態を切り替える電源切替回路に接続されて、前記電源オフ切替指示受付通知を認識したときに、前記電源切替回路により前記電源オフ状態に切り替え、前記第1プロセッサは、前記電源オンオフ受付部により前記電源オフ状態への切替指示を受付け、且つ前記電源切替回路の作動状態を検出する切替検出部による検出状況に基づいて、前記電源オフ状態に切り替えられたことを認識したときに、第1メモリに新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存する構成2に記載の移動体制御装置。
構成3の移動体制御装置によれば、第2プロセッサが電源オン状態と電源オフ状態の切替を制御する構成となっている場合に、第2プロセッサによる電源オフ状態への切り替えが行われたことを、切替検出回路の状況に基づいて第1プロセッサが認識することにより、第1プロセッサと第2プロセッサの双方が、電源オフ状態であることを認識して、第1メモリへの新バージョンの第1ソフトウェアの保存と、第2メモリへの第2ソフトウェアの保存を行うことができる。
【0049】
(構成4)前記第1メモリには、旧バージョンの前記第1ソフトウェアを保存する領域と、新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存する領域とが設定され、前記第2メモリには、旧バージョンの前記第2ソフトウェアを保存する領域と、新バージョンの前記第2ソフトウェアを保存する領域とが設定され、前記第1プロセッサは、旧バージョンの前記第1ソフトウェアが前記第1メモリに保存された状態を維持して、新バージョンの前記第1ソフトウェアの前記第1メモリへの保存を行い、新バージョンの前記第1ソフトウェアの前記第1メモリへの保存に失敗した場合は、前記第1ソフトウェア更新可能通知の前記第2プロセッサへの出力を行わずに、旧バージョンの前記第1ソフトウェアの使用を継続し、前記第2プロセッサは、旧バージョンの前記第2ソフトウェアが前記第2メモリに保存された状態を維持して、新バージョンの前記第2ソフトウェアの前記第2メモリへの保存を行い、新バージョンの前記第2ソフトウェアの前記第2メモリへの保存に失敗した場合は、前記第2ソフトウェア更新可能通知の前記第1プロセッサへの出力を行わずに、旧バージョンの前記第2ソフトウェアの使用を継続する構成1から構成3のうちいずれか1つの構成に記載の移動体制御装置。
構成4の移動体制御装置によれば、新バージョンの第1ソフトウェアの第1メモリへの保存に失敗した場合、或いは新バージョンの第2ソフトウェアの第2メモリへの保存に失敗した場合に、第1メモリに保存されている旧バージョンの第1ソフトウェアと、第2メモリに保存されている旧バージョンの第2ソフトウェアを使用して、移動体制御装置の作動の制御を継続することができる。
【0050】
(構成5)第1プロセッサと、前記第1プロセッサにより使用される第1ソフトウェアが保存される第1メモリと、第2プロセッサと、前記第2プロセッサにより使用される第2ソフトウェアが保存される第2メモリと、を備える移動体制御装置により実行される移動体制御方法であって、前記第1プロセッサが、前記第1メモリに新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存して、前記第1ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第1ソフトウェア更新可能通知を前記第2プロセッサに出力するステップと、前記第2プロセッサが、前記第2メモリに新バージョンの前記第2ソフトウェアを保存して、前記第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第2ソフトウェア更新可能通知を前記第1プロセッサに出力するステップと、前記第1プロセッサが前記第2ソフトウェア更新可能通知を認識し、且つ前記第2プロセッサが前記第1ソフトウェア更新可能通知を認識したときに、前記第1プロセッサが、使用する前記第1ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第1切替処理を実行すると共に、前記第2プロセッサが、使用する前記第2ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第2切替処理を実行するステップと、を含む移動体制御方法。
構成5の移動体制御方法を第1プロセッサ及び第2プロセッサにより実行することによって、構成1の移動体制御装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
(構成6)第1プロセッサと、前記第1プロセッサにより使用される第1ソフトウェアが保存される第1メモリと、第2プロセッサと、前記第2プロセッサにより使用される第2ソフトウェアが保存される第2メモリと、を備える移動体制御装置において、前記第1プロセッサ及び前記第2プロセッサにより実行されるプログラムであって、前記第1プロセッサに、前記第1メモリに新バージョンの前記第1ソフトウェアを保存して、前記第1ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第1ソフトウェア更新可能通知を前記第2プロセッサに出力する処理を実行させ、前記第2プロセッサに、前記第2メモリに新バージョンの前記第2ソフトウェアを保存して、前記第2ソフトウェアの旧バージョンから新バージョンへの切り替えが可能な状態となったときに、第2ソフトウェア更新可能通知を前記第1プロセッサに出力する処理を実行させ、前記第1プロセッサが前記第2ソフトウェア更新可能通知を認識し、且つ前記第2プロセッサが前記第1ソフトウェア更新可能通知を認識したときに、前記第1プロセッサに、使用する前記第1ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第1切替処理を実行させると共に、前記第2プロセッサに、使用する前記第2ソフトウェアを旧バージョンから新バージョンに切り替える第2切替処理を実行する処理を実行させるプログラム。
構成6のプログラムを第1プロセッサ及び第2プロセッサにより実行することによって、構成1の移動体制御装置の構成を実現することができる。
【符号の説明】
【0052】
1…移動体制御装置、2…SSスイッチ、3…IGリレー、10…第1マイコン、11…第1プロセッサ、12…第1メモリ、13…第1通信回路、20…第2マイコン、21…第2プロセッサ、22…第2メモリ、23…第2通信回路、30,32,33…入力回路、35…出力回路、50…端末装置、100…移動体、120…第1プログラム、121…旧バージョンの第1ソフトウェア、122…新バージョンの第1ソフトウェア、220…第2プログラム、221…旧バージョンの第2ソフトウェア、222…新バージョンの第2ソフトウェア、W…作業者。