(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/761 20060101AFI20241218BHJP
H04N 5/765 20060101ALI20241218BHJP
H04N 5/76 20060101ALI20241218BHJP
H04N 21/432 20110101ALI20241218BHJP
H04N 21/488 20110101ALI20241218BHJP
G06F 16/78 20190101ALI20241218BHJP
【FI】
H04N5/761
H04N5/765
H04N5/76
H04N21/432
H04N21/488
G06F16/78
(21)【出願番号】P 2023078391
(22)【出願日】2023-05-11
(62)【分割の表示】P 2021164563の分割
【原出願日】2017-09-12
【審査請求日】2023-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2016186973
(32)【優先日】2016-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316009762
【氏名又は名称】サターン ライセンシング エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Saturn Licensing LLC
【住所又は居所原語表記】25 Madison Avenue New York, NY, USA
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(72)【発明者】
【氏名】香月 和也
(72)【発明者】
【氏名】三ッ堀 裕之
(72)【発明者】
【氏名】亀岡 慎平
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 卓雄
(72)【発明者】
【氏名】久保田 悠之
(72)【発明者】
【氏名】伏見 俊彦
【審査官】松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-038710(JP,A)
【文献】特開2001-094912(JP,A)
【文献】特開2016-062560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F16/00-16/958
H04N5/76-5/775
5/80-5/956
7/10
7/14-7/173
7/20-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの発話の内容を表す文字列に、現在以降に提供される番組を対象とした検索を行うことを示す第1の文字列が含まれない場合、ネットワークを介して提供されるコンテンツと録画済みの番組または現在以降に提供される番組とを含む番組を対象とした検索を、
前記文字列に基づいて行うことによって第1の検索結果を取得し、
前記第1の文字列が含まれる場合、現在以降に提供される番組を対象とした検索を、前記文字列に基づいて行うことによって第2の検索結果を取得する回路を備え、
前記回路は、前記第1の検索結果または前記第2の検索結果を表示させるように制御する
情報処理装置。
【請求項2】
前記回路は、
録画予約を設定する番組として現在以降に提供される番組が前記第1の検索結果から選択された場合、選択された番組に関する情報を含む詳細画面を表示させるように制御し、選択された番組の録画予約を設定し、
録画予約を設定する番組が前記第2の検索結果から選択された場合、前記詳細画面を表示せずに、選択された番組の録画予約を設定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記回路は、
録画予約を設定する番組が選択された場合、選択された番組の録画予約の内容の表示画面を表示させるように制御する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記回路は、
ユーザの発話の内容を表す前記文字列の構文解析を行い、
前記構文解析の結果である分解文字列に基づいて番組の検索を行うことによって、前記第1の検索結果または前記第2の検索結果を取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記回路は、
前記コンテンツを提供するサーバにおいて前記文字列に基づいて行われた前記コンテンツの検索の結果を取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記回路は、
前記文字列に、録画済みの番組を再生することを表す第3の文字列が含まれる場合、録画済みの番組を対象とした検索を前記文字列に基づいて行い、
録画済みの番組の検索結果を表示させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記回路は、
前記文字列に、録画済みの番組を再生することを表す第3の文字列が含まれる場合、録画済みの番組を対象とした検索を前記文字列に基づいて行い、
再生する録画済みの番組が選択された場合、選択された番組の再生を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記回路は、
前記文字列に、録画済みの番組を対象とした検索を行うことを示す第2の文字列が含まれる場合、録画済みの番組を対象とした検索を前記文字列に基づいて行い、
録画済みの番組の検索結果を表示させるように制御する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記回路は、
前記第2の検索結果の番組を表す画像と並べて、録画予約のリストを表示するときに操作される画像を表示させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記回路は、
前記発話の音声データをサーバに送信し、前記サーバから送信されてきた前記文字列を取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
ディスプレイをさらに備える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
ユーザの発話の内容を表す文字列に、現在以降に提供される番組を対象とした検索を行うことを示す第1の文字列が含まれない場合、ネットワークを介して提供されるコンテンツと録画済みの番組または現在以降に提供される番組とを含む番組を対象とした検索を、
前記文字列に基づいて行うことによって第1の検索結果を取得し、
前記第1の文字列が含まれる場合、現在以降に提供される番組を対象とした検索を、前記文字列に基づいて行うことによって第2の検索結果を取得し、
前記第1の検索結果または前記第2の検索結果を表示させるように制御する
情報処理方法。
【請求項13】
録画予約を設定する番組として現在以降に提供される番組が前記第1の検索結果から選択された場合、選択された番組に関する情報を含む詳細画面を表示させるように制御し、選択された番組の録画予約を設定し、
録画予約を設定する番組が前記第2の検索結果から選択された場合、前記詳細画面を表示せずに、選択された番組の録画予約を設定する
請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
録画予約を設定する番組が選択された場合、選択された番組の録画予約の内容の表示画面を表示させるように制御する
請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項15】
ユーザの発話の内容を表す文字列に、現在以降に提供される番組を対象とした検索を行うことを示す第1の文字列が含まれない場合、ネットワークを介して提供されるコンテンツと録画済みの番組または現在以降に提供される番組とを含む番組を対象とした検索を、
前記文字列に基づいて行うことによって第1の検索結果を取得し、
前記第1の文字列が含まれる場合、現在以降に提供される番組を対象とした検索を、前記文字列に基づいて行うことによって第2の検索結果を取得し、
前記第1の検索結果または前記第2の検索結果を表示させるように制御する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムに関し、特に、検索結果として挙げられた番組の録画予約を容易に設定することができるようにした情報処理装置、情報処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音声認識の精度が向上してきている。例えばテレビジョン受像機の中には、ユーザがリモートコントローラなどに設けられたマイクに向かって話すことで番組の検索を行うことができるものもある。
【0003】
ユーザは、検索結果に挙がった番組の中から所定の番組を選択することによって、その番組の録画予約を設定したり、録画済みの番組の再生を開始させたりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
番組の検索のためにユーザが発話した内容に、検索によって見つかった番組をユーザがどうしようとしているのかを特定することができる情報が含まれていることがある。例えばユーザが「来週の〇〇〇〇のドラマを録画」と発話した場合、「〇〇〇〇」に関連するドラマの番組を録画しようとしていると推定することができる。
【0006】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、検索結果として挙げられた番組の録画予約を容易に設定することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の一側面の情報処理装置は、ユーザの発話の内容を表す文字列に、現在以降に提供される番組を対象とした検索を行うことを示す第1の文字列が含まれない場合、ネットワークを介して提供されるコンテンツと録画済みの番組または現在以降に提供される番組とを含む番組を対象とした検索を、前記文字列に基づいて行うことによって第1の検索結果を取得し、前記第1の文字列が含まれる場合、現在以降に提供される番組を対象とした検索を、前記文字列に基づいて行うことによって第2の検索結果を取得する回路を備え、前記回路は、前記第1の検索結果または前記第2の検索結果を表示させるように制御する。
【0008】
本技術の一側面においては、ユーザの発話の内容を表す文字列に、現在以降に提供される番組を対象とした検索を行うことを示す第1の文字列が含まれない場合、ネットワークを介して提供されるコンテンツと録画済みの番組または現在以降に提供される番組とを含む番組を対象とした検索を、前記文字列に基づいて行うことによって第1の検索結果が取得され、前記第1の文字列が含まれる場合、現在以降に提供される番組を対象とした検索を、前記文字列に基づいて行うことによって第2の検索結果が取得される。また、前記第1の検索結果または前記第2の検索結果を表示させるように制御が行われる。
【発明の効果】
【0009】
本技術によれば、検索結果として挙げられた番組の録画予約を容易に設定することができる。
【0010】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本技術の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】TVのアプリケーション構造の例を示す図である。
【
図6】TVのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図8】連携サーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図9】連携サーバの機能構成例を示すブロック図である。
【
図10】情報処理システムの動作について説明するシーケンス図である。
【
図12】ユーザの意図の特定の他の例を示す図である。
【
図14】情報処理システムの他の動作について説明するシーケンス図である。
【
図16】検索結果画面の他の表示例を示す図である。
【
図19】情報処理システムのさらに他の動作について説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.情報処理システムの構成例
2.検索結果の表示例
3.第1の検索例(粒度の異なる文字列を用いて検索を行う例)
4.第2の検索例(発話の内容に応じて検索範囲の絞り込みを行う例)
5.第3の検索例(サーバ側で番組を特定できた場合の例)
6.変形例
【0013】
<<1.情報処理システムの構成例>>
図1は、本技術の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【0014】
図1の情報処理システムは、テレビジョン受像機1(以下、適宜、TV1という)と連携サーバ2が、インターネットなどのネットワーク3を介して接続されることによって構成される。
【0015】
TV1と連携サーバ2の間では、ネットワーク3を介した通信が行われる。ネットワーク3は、有線のネットワーク、無線のネットワーク、および有線と無線を組み合わせたネットワークのいずれの形態のものであってもよい。
【0016】
TV1は、地上デジタル放送、衛星放送、ケーブル放送などのテレビジョン放送を受信する。TV1は、放送された番組の映像をディスプレイに表示するとともに、番組の音声をスピーカから出力する。番組の提供がネットワーク3を介して行われるようにしてもよい。
【0017】
また、TV1は、受信した番組を内蔵または外付けの記録媒体に録画(記録)する機能、および、録画済み番組を再生する機能をも有する。番組の録画が、TV1に接続された録画機器により行われるようにしてもよい。
【0018】
図2は、TV1のアプリケーション構造の例を示す図である。
【0019】
TV1にはTV用OS(Operating System)が搭載される。検索アプリケーション、番組再生アプリケーション、番組録画アプリケーション、番組表アプリケーションなどの各種のアプリケーションが、TV用OS上で、TV用OSと連携して動作する。
【0020】
図2の検索アプリケーションは、例えばWeb上のコンテンツの検索を行うアプリケーションである。コンテンツには、動画、静止画、音楽、ゲーム、電子書籍、アプリケーション、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる、ユーザが利用可能な各種のデジタルデータが含まれる。
【0021】
番組再生アプリケーションは、例えば、放送中の番組、録画済み番組の再生を行うアプリケーションである。番組録画アプリケーションは、番組の録画を行うアプリケーションである。番組表アプリケーションは、EPG(Electronic Program Guide)の表示、番組の録画予約の管理などを行うアプリケーションである。
【0022】
TV1には、検索アプリケーションと連携する番組検索モジュールなどの各種のモジュールも用意される。番組検索モジュールは、例えば、EPGに掲載されている番組を対象とした番組の検索、録画済み番組を対象とした番組の検索などを行う。検索アプリケーションがネットワーク3を介して提供される外部のコンテンツであるWebコンテンツの検索を行うものであるのに対して、番組検索モジュールは、TV1の内部のコンテンツの検索を行うものであるということができる。
【0023】
例えば、検索アプリケーションはTV用OSを提供する企業により用意されるソフトウェアである。一方、番組検索モジュールは、TV用OSや検索アプリケーション等のソフトウェアの提供を受けて、TV1の製造、販売等を行う企業により用意されるソフトウェアである。
【0024】
番組の受信、番組の録画、録画済み番組の再生、番組の検索などの各種の機能が、これらのプログラムが実行されることによって実現される。
【0025】
このような各種の機能を有するTV1の操作は、リモートコントローラ4を用いて行われる。リモートコントローラ4は、ユーザによる操作の内容を表す情報をTV1に送信する。
【0026】
リモートコントローラ4には、各種の操作に用いられるボタンの他にマイクロフォンが設けられる。リモートコントローラ4は、マイクボタンが押された場合、マイクロフォンによりユーザの音声を集音し、音声データをTV1に送信する。
【0027】
後述するように、TV1においては、番組を含む各種のコンテンツの検索を、音声を用いて行うことが可能とされる。当然、リモートコントローラ4に設けられるボタンを用いて手入力によって入力された文字列を用いてコンテンツの検索を行うことも可能とされる。
以下、コンテンツの検索を、音声を用いて行う場合について主に説明する。
【0028】
連携サーバ2は、TV用OSを提供する企業が管理するサーバである。連携サーバ2は、Webコンテンツの検索機能、TV1から送信されてきた音声の認識機能などの各種の機能を、TV1を含む、TV用OSを搭載する各機器に提供する。
【0029】
<<2.検索結果の表示例>>
図3は、検索結果画面の例を示す図である。
【0030】
例えば、ユーザがリモートコントローラ4を操作して検索機能を実行し、検索のキーとする言葉を発した場合、
図3に示すような検索結果画面がTV1のディスプレイに表示される。
【0031】
検索結果画面の上方には、コンテンツの検索のキーとなる文字列の表示欄である文字列表示欄11が形成される。
図3の例においては、「XXXが出ている番組」の文字列が表示されている。TV1においては、このような、ユーザが日常的に使う自然言語を用いてコンテンツの検索を行うことが可能とされる。
【0032】
ユーザがリモートコントローラ4のマイクボタンを押して言葉を発した場合、リモートコントローラ4からTV1に対して音声データが送信される。TV1に送信された音声データは、連携サーバ2に送信され、連携サーバ2において音声認識が行われる。文字列表示欄11の表示は、連携サーバ2から送信されてきた音声認識の結果に基づいて表示されることになる。
【0033】
文字列表示欄11の下には、上から順に、Web動画領域21、番組領域22、および映画領域23が形成される。各領域には、検索結果として挙げられたコンテンツを表すカード状の画像が横に並べて表示される。以下、適宜、コンテンツを表すカード状の画像を、単に、カード画像という。
【0034】
Web動画領域21は、Web上の動画を表すカード画像の行の表示領域である。例えば、連携サーバ2は、様々なユーザから投稿された動画を配信するサービスを提供する。Web動画領域21に表示されるカード画像は、連携サーバ2が、動画配信サービスによって配信する動画を対象として検索された動画を表す画像である。
【0035】
番組領域22は、番組を表すカード画像の行の表示領域である。左端のカード画像の上には、「地上D 予約」の文字が表示されている。
図3の番組領域22に表示されているカード画像は、現在放送中の番組と放送予定の番組、すなわち現在以降に放送される番組の中から検索された、録画予約を設定可能な番組を表す画像である。
【0036】
番組を表す1つのカード画像は上下2段に分けて構成される。カード画像の上段には番組のサムネイル画像が表示され、下段には番組名や放送日時などの番組情報が表示される。
【0037】
映画領域23は、Web上の映画コンテンツを表すカード画像の行の表示領域である。例えば、連携サーバ2は、映画コンテンツをダウンロードまたはストリーミングによって販売するサービスをも提供する。映画領域23に表示されるカード画像は、連携サーバ2が販売する映画コンテンツを対象として検索された映画コンテンツを表す画像である。
【0038】
なお、Web動画領域21、番組領域22、および映画領域23を示す破線は、画面に実際に表示されるものではない。
図3の検索結果画面には表示されていないが、映画領域23の下には、他のカテゴリのコンテンツの検索結果の表示領域が配置される。ユーザは、表示範囲をスクロールすることによって、表示されていない他のカテゴリのコンテンツの検索結果を見ることができる。
【0039】
詳細については後述するが、Web動画領域21と映画領域23に表示される検索結果は、ユーザが発話した内容を表す文字列、すなわち、文字列表示欄11に表示されている文字列全体をまとめてキーとして用いて検索を行うことによって得られた結果である。
【0040】
一方、番組領域22に表示される検索結果は、ユーザが発話した内容を表す文字列の構文解析結果として得られた分解文字列を用いて検索を行うことによって得られた結果である。
【0041】
1つの検索結果画面に、ユーザによって入力された文字列全体に基づいて検索を行うことによって得られた結果と、文字列を構成する分解文字列に基づいて検索を行うことによって得られた結果とが表示されることになる。
【0042】
【0043】
番組領域22には、録画予約を設定可能な番組を表すカード画像の行と、録画済み番組を表すカード画像の行が表示されることがある。
図4の番組領域22に表示されているカード画像の2行のうちの下の行は、録画済み番組を表すカード画像の行である。録画済み番組を表す左端のカード画像の上には「地上D 録画済み」の文字が表示されている。
【0044】
番組領域22には、録画予約を設定可能な番組を表すカード画像の行が表示されずに、録画済み番組を表すカード画像の行のみが表示されることがある。
【0045】
ユーザは、このような検索結果画面が表示された場合、リモートコントローラ4を操作して所定のコンテンツを選択し、Web動画の視聴、番組の録画予約、録画済み番組の再生、映画コンテンツのダウンロードなどを行うことができる。選択中のコンテンツを表すカード画像は、
図3,4の左上端のWeb動画に示すようにポップアップした状態で強調表示される。
【0046】
<<3.第1の検索例>>
ここで、ユーザによって入力された文字列全体に基づいて検索を行うとともに、文字列を構成する分解文字列に基づいて検索を行う例について説明する。
【0047】
【0048】
図5の上段に示すように例えばユーザが「来週の〇〇〇〇のドラマ」の言葉を発した場合、連携サーバ2により音声認識が行われ、「来週の〇〇〇〇のドラマ」の文字列が生成される。
【0049】
「〇〇〇〇」は固有名詞であり、俳優の名前などの人名であるものとする。この例においては、ユーザが、来週放送される、「〇〇〇〇」が出演するドラマについて調べようと意図していることになる。「来週の〇〇〇〇のドラマ」の文字列は、連携サーバ2からTV1に対して送信される。
【0050】
連携サーバ2から送信されてきた「来週の〇〇〇〇のドラマ」の文字列を受信したTV1の検索アプリケーションは、さらに、Webコンテンツの検索結果を取得する。TV1に対しては、ユーザの発話の内容を表す文字列に続けて、Webコンテンツの検索結果が連携サーバ2から送信されてくる。
【0051】
連携サーバ2においては、「来週の〇〇〇〇のドラマ」の文字列全体をひとまとまりとして用いて、Web動画と映画コンテンツの検索が行われ、TV1に対して検索結果が送信される。
【0052】
TV1は、検索結果として得られたWeb動画を表すカード画像を検索結果画面のWeb動画領域21に表示させ、映画コンテンツを表すカード画像を検索結果画面の映画領域23に表示させる。
【0053】
また、TV1は、
図5の矢印の先に示すように、「来週の〇〇〇〇のドラマ」の文字列の構文解析を行う。構文解析により、ユーザが発話した自然言語が意味を持つ最小の単位である形態素に分けられ、それぞれの形態素の品詞などが判別される。また、各形態素を組み合わせるなどして、番組の検索に用いるのに適した属性の分解文字列が生成される。
【0054】
図5の例においては、「来週の〇〇〇〇のドラマ」の文字列に基づいて、「時制」の属性の「来週」、「人名」の属性の「〇〇〇〇」、および、「ジャンル」の属性の「ドラマ」の分解文字列が生成されている。
【0055】
TV1は、構文解析の結果として得られた「来週」、「〇〇〇〇」、「ドラマ」に基づいて検索条件を設定し、番組の検索を行う。例えば、今日を基準として「来週」に放送される「ドラマ」のジャンルの番組を検索するように検索条件が設定される。TV1は、検索結果として得られた番組を表すカード画像を、検索結果画面の番組領域22に追加して表示させる。
【0056】
これにより、
図3,4を参照して説明したような、ユーザの発話の内容を表す文字列全体に基づく検索結果と、その文字列を構成する分解文字列に基づく検索結果を含む検索結果画面が表示されることになる。
【0057】
<3-1.各装置の構成例>
<3-1-1.TV1の構成>
図6は、TV1のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0058】
放送受信部101は、図示せぬアンテナから供給された放送波信号を受信し、A/D変換、復調などの各種の処理を施して、番組データをデコーダ102に出力する。
【0059】
デコーダ102は、番組データを構成するビデオストリームをデコードし、番組の映像をLCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイなどよりなるディスプレイ103に表示させる。また、デコーダ102は、番組データを構成するオーディオストリームをデコードし、映像に同期させて、番組の音声をスピーカ104から出力させる。
【0060】
CPU(Central Processing Unit)106、ROM(Read Only Memory)107、RAM(Random Access Memory)108は、バス105により相互に接続される。CPU106は、ROM107や記録部109に記録されているプログラムをRAM108を用いて実行し、TV1の全体を制御する。
【0061】
記録部109は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記録媒体により構成される。記録部109は、番組などのコンテンツ、EPGデータ、プログラムなどの各種のデータを記録する。
【0062】
通信部110は、ネットワーク3のインタフェースである。通信部110は、連携サーバ2との間で通信を行う。
【0063】
操作I/F部111は、リモートコントローラ4から送信されてきたデータを受信し、バス105を介してCPU106に出力する。
【0064】
図7は、TV1の機能構成例を示すブロック図である。
【0065】
図7に示す機能部のうちの少なくとも一部は、
図6のCPU106により、
図2の各プログラムが実行されることによって実現される。
【0066】
録画制御部121は、番組情報記録部125に記録されている情報を参照し、録画予約が設定されている番組の放送が開始された場合、放送受信部101を制御して、録画対象の番組のデータを取得する。番組情報記録部125には、番組の録画予約に関する情報が記録されている。録画制御部121は、取得した番組のデータを録画番組記録部122に出力し、記録させる。
【0067】
例えば、録画制御部121は、番組録画アプリケーションが実行されることによって実現される。
【0068】
録画番組記録部122は、記録部109において実現される。録画番組記録部122は、録画制御部121から供給された番組のデータを記録し、録画済み番組として管理する。
【0069】
再生制御部123は、録画番組記録部122に記録されている録画済み番組の中から、再生が指示された番組のデータを読み出し、デコーダ102に出力して再生させる。
【0070】
放送波受信制御部124は、放送受信部101による放送波の受信を制御する。また、放送波受信制御部124は、放送受信部101において受信された放送波信号からEPGデータを抽出し、番組情報記録部125に記録させる。
【0071】
例えば、再生制御部123と放送波受信制御部124は、番組再生アプリケーションが実行されることによって実現される。
【0072】
番組情報記録部125は、記録部109において実現される。番組情報記録部125は、放送波受信制御部124から供給されたEPGデータと、録画予約管理部126から供給された録画予約に関する情報を記録する。
【0073】
録画予約管理部126は、ユーザの操作に従って、所定の番組の録画予約を設定し、その内容を表す情報を番組情報記録部125に記録させる。
【0074】
例えば、録画予約管理部126は、番組表アプリケーションが実行されることによって実現される。
【0075】
番組検索部127は、文字列取得部129から供給された文字列を構文解析部131に出力し、構文解析を行わせる。番組検索部127は、構文解析の結果として構文解析部131から供給された分解文字列を検索のキーとして用いて、番組の検索を行う。
【0076】
具体的には、番組検索部127は、番組情報記録部125に記録されているEPGデータを参照し、放送中/放送予定の番組を対象として番組の検索を行う。また、番組検索部127は、録画番組記録部122に記録されている録画済み番組の検索を行う。番組検索部127は、検索結果の番組に関する情報を表示制御部132に出力する。
【0077】
例えば、番組検索部127は、番組検索モジュールが実行されることによって実現される。
【0078】
音声データ受信部128は、リモートコントローラ4から送信された、ユーザの発話の内容を表す音声データを操作I/F部111を制御して受信する。音声データ受信部128は、受信した音声データを文字列取得部129に出力する。
【0079】
文字列取得部129は、通信部110を制御し、受信した音声データを連携サーバ2に送信する。また、文字列取得部129は、音声データを送信することに応じて連携サーバ2から送信されてきた文字列を取得する。文字列取得部129は、取得した文字列を番組検索部127とWebコンテンツ検索部130に出力する。
【0080】
なお、検索のキーとする文字列が手入力によってユーザにより入力された場合、リモートコントローラ4から送信されてきた文字列も操作I/F部111において受信され、文字列取得部129により取得される。
【0081】
Webコンテンツ検索部130は、通信部110を制御し、連携サーバ2から送信されてきたWebコンテンツの検索結果を取得する。Webコンテンツ検索部130は、Webコンテンツの検索結果を表示制御部132に出力する。
【0082】
TV1から連携サーバ2に対して文字列が送信され、それに応じて、連携サーバ2においてWebコンテンツの検索が行われ、連携サーバ2からTV1に対して検索結果が送信されるようにしてもよい。この場合、Webコンテンツ検索部130は、文字列取得部129から供給された文字列を連携サーバ2に送信し、Webコンテンツの検索結果を取得する。
【0083】
構文解析部131は、番組検索部127から供給された文字列の構文解析を行い、分解文字列を番組検索部127に出力する。構文解析部131は、自然言語処理に用いる情報を有している。
【0084】
表示制御部132は、番組検索部127から供給された検索結果とWebコンテンツ検索部130から供給された検索結果に基づいて、検索結果画面をディスプレイ103に表示させる。
【0085】
例えば、破線L1で囲んで示す、音声データ受信部128、文字列取得部129、Webコンテンツ検索部130、および表示制御部132が、検索アプリケーションが実行されることによって実現される。
【0086】
<3-1-2.連携サーバ2の構成>
図8は、連携サーバ2のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0087】
CPU201、ROM202、RAM203は、バス204により相互に接続される。バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続される。
【0088】
入出力インタフェース205には、キーボード、マウスなどよりなる入力部206、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部207が接続される。また、入出力インタフェース205には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記録部208、ネットワークインタフェースなどよりなり、TV1との間で通信を行う通信部209、リムーバブルメディア211を駆動するドライブ210が接続される。
【0089】
図9は、連携サーバ2の機能構成例を示すブロック図である。
【0090】
図9に示す機能部のうちの少なくとも一部は、
図8のCPU201により、所定のプログラムが実行されることによって実現される。連携サーバ2においては、音声データ取得部221、音声認識部222、および検索部223が実現される。
【0091】
音声データ取得部221は、通信部209を制御し、TV1から送信されてきた音声データを取得する。音声データ取得部221は、取得した音声データを音声認識部222に出力する。
【0092】
音声認識部222は、音声データ取得部221から供給された音声データの音声認識を行う。音声認識部222は、通信部209を制御し、ユーザの発話の内容を表す文字列をTV1に送信する。また、音声認識部222は、ユーザの発話の内容を表す文字列を検索部223に出力する。
【0093】
検索部223は、音声認識部222から供給された文字列、または、適宜、TV1から送信されてきた文字列に基づいて、Webコンテンツの検索を行う。記録部208には、連携サーバ2が提供する動画配信サービスによって配信されるWeb動画のデータ、連携サーバ2が提供するコンテンツ販売サービスによって送信される映画コンテンツなどの、各種のコンテンツのデータが記録されている。検索部223は、通信部209を制御し、検索結果をTV1に送信する。
【0094】
この例においては、連携サーバ2の機能が1台のコンピュータによって実現されるものとしているが、連携サーバ2の機能が複数のコンピュータによって分散して実現されることもある。連携サーバ2の機能が複数のコンピュータによって分散して実現される場合、
図9に示す各構成は複数のコンピュータ上で実現され、それぞれ連携して処理が行われることになる。
【0095】
<3-2.情報処理システムの動作の例>
ここで、
図10のシーケンス図を参照して、以上のような構成を有するTV1と連携サーバ2の動作について説明する。
【0096】
例えば「来週の〇〇〇〇のドラマ」といったようなユーザの音声をマイクロフォンにより集音した場合、ステップS1において、リモートコントローラ4は、集音して得られた音声データをTV1に送信する。
【0097】
ステップS11において、TV1の音声データ受信部128は、リモートコントローラ4から送信されてきた音声データを受信する。受信された音声データは文字列取得部129に供給される。
【0098】
ステップS12において、文字列取得部129は、音声データを連携サーバ2に送信する。
【0099】
ステップS51において、連携サーバ2の音声データ取得部221は、TV1から送信されてきた音声データを受信する。受信された音声データは音声認識部222に供給される。
【0100】
ステップS52において、音声認識部222は、音声データに基づいて音声認識を行い、ユーザの発話の内容を表す文字列を生成する。音声認識によって得られた文字列は検索部223に供給される。
【0101】
ステップS53において、音声認識部222は、音声認識によって得られた文字列をTV1に送信する。
【0102】
ステップS54において、検索部223は、音声認識によって得られた文字列全体に基づいてWebコンテンツの検索を行い、ステップS55において検索結果をTV1に送信する。
【0103】
ステップS53において連携サーバ2から送信された文字列は、ステップS13においてTV1の文字列取得部129により受信される。また、ステップS55において連携サーバ2から送信された検索結果はステップS14においてTV1のWebコンテンツ検索部130により受信される。Webコンテンツ検索部130により受信された検索結果は表示制御部132に供給される。
【0104】
ステップS15において、文字列取得部129は、連携サーバ2から送信されてきた文字列を番組検索部127に出力する。
【0105】
ステップS16において、表示制御部132は、Webコンテンツ検索部130から供給された検索結果に基づいて、検索結果のWebコンテンツを表すカード画像が並ぶ検索結果画面をディスプレイ103に表示させる。このとき、検索されたWeb動画を表すカード画像がWeb動画領域21に表示され、映画コンテンツを表すカード画像が映画領域23に表示される。
【0106】
一方、ステップS31において、番組検索部127は、文字列取得部129から供給された文字列を受信し、ステップS32において構文解析部131に出力する。
【0107】
ステップS41において、構文解析部131は、番組検索部127から供給された文字列を受信し、ステップS42において構文解析を行う。
【0108】
ステップS43において、構文解析部131は、構文解析の結果として取得された分解文字列を、各分解文字列の属性の情報とともに番組検索部127に出力する。
【0109】
ステップS33において、番組検索部127は、構文解析部131から供給された情報を受信し、ステップS34において、放送中/放送予定の番組と録画済み番組を対象とした検索を分解文字列に基づいて行う。例えば、分解文字列により検索条件が設定され、番組の検索が行われる。
【0110】
ステップS35において、番組検索部127は、検索結果の番組に関する情報を、各番組が選択されたときに起動するアプリケーションを特定する情報とともに表示制御部132に出力する。例えば、検索された放送中/放送予定の番組については、それが選択されたときに起動させるアプリケーションとして番組表アプリケーションを表す情報が出力される。また、検索された録画済み番組については、それが選択されたときに起動させるアプリケーションとして番組再生アプリケーションを表す情報が出力される。
【0111】
ステップS17において、表示制御部132は、番組検索部127から供給された情報を受信し、ステップS18において、検索された番組のカード画像を検索結果画面に追加して表示させる。
【0112】
これにより、Web動画領域21と映画領域23の表示に加えて、放送中/放送予定の番組を表すカード画像の行と録画済み番組を表すカード画像の行のうちの一方、又は両方が番組領域22に表示される。その後、検索結果画面を表示するための一連の処理が終了となる。
【0113】
番組領域22に表示された放送中/放送予定の番組のカード画像がユーザにより選択された場合、番組表アプリケーションが起動し、番組の詳細情報の表示などが行われた後、選択された番組の録画予約が録画予約管理部126により設定される。
【0114】
また、番組領域22に表示された録画済み番組のカード画像がユーザにより選択された場合、番組再生アプリケーションが起動し、選択された録画済み番組のデータが録画番組記録部122から読み出される。読み出されたデータは再生制御部123に供給され、録画済み番組の再生が開始される。
【0115】
以上の一連の処理により、1つの検索結果画面に、ユーザによって入力された文字列全体に基づいて検索されたWebコンテンツの情報と、文字列を構成する分解文字列に基づいて検索された番組の情報が表示される。
【0116】
検索の対象となる番組の中には、文字列全体を用いて検索した場合には見つからないが、分解文字列を用いて検索した場合には見つかる番組もある。また、仮に、文字列全体を用いて番組の検索を行った場合、ユーザが探そうとしている例えば「〇〇〇〇」とは関係のない番組が、「〇〇〇〇」以外の文字列に基づいて検索されてしまうこともある。
【0117】
分解文字列を用いて検索を行うことにより、番組については、ユーザの意図に沿った、精度の高い検索を実現することが可能になる。
【0118】
分解文字列を用いた検索が、番組を対象として行われるものとしたが、Webコンテンツを対象としても行われるようにしてもよい。
【0119】
なお、
図10を参照して説明した各ステップの処理は、適宜、他のステップの処理と並行して、または他のステップの処理と前後して行われる。後述するシーケンス図の処理についても同様である。
【0120】
<<4.第2の検索例>>
ユーザの発話の内容によっては、ユーザが、放送中/放送予定の番組の中から番組を見つけてその録画予約を設定しようとしているのか、録画済み番組の中から番組を見つけてそれを視聴しようとしているのかを特定できることがある。
【0121】
ユーザの意図を特定できた場合に、検索結果の提示の仕方や画面表示の流れをユーザの意図に応じて切り替えるようにしてもよい。
【0122】
図11および
図12は、ユーザの意図の特定の例を示す図である。
【0123】
図11の上段に示すように、「録画した」の言葉に続けて特定の属性の言葉をユーザが発した場合、ユーザが、「録画した」の言葉の後に発した言葉に関連のある録画済み番組を視聴しようとしているとして特定される。この例においては、「録画した」の言葉に続けて、「時制」、「人名」、「番組名」、「ジャンル」、「放送局名」のうちの少なくともいずれかの属性の言葉をユーザが発した場合にそのようなユーザの意図が特定される。
【0124】
ユーザの発話の内容を表す文字列の構文解析を行うことによって、「録画した」の言葉に続けて特定の属性の言葉を発したことが検出された場合、矢印の先に示すように、録画リスト表示コマンドが構文解析部131から番組検索部127に出力される。録画リスト表示コマンドは、録画済み番組の検索結果を表示することを指示するコマンドである。
【0125】
録画リスト表示コマンドを受信した番組検索部127は、録画済み番組のみを対象として番組の検索を行う。検索結果画面には、「録画した」に続く分解文字列に基づいて検索された録画済み番組が検索結果として表示され、放送中/放送予定の番組は表示されない。
【0126】
例えば、
図11の下段に示すように、「録画した△△△△が見たい」をユーザが発した場合、その文字列の構文解析が構文解析部131において行われ、「番組名」の属性の「△△△△」とともに、録画リスト表示コマンドが番組検索部127に供給される。ここでは、「△△△△」は番組名を表す固有名詞であるものとする。
【0127】
番組検索部127は、録画済み番組のみを対象として、「△△△△」に基づいて番組の検索を行う。番組検索画面には、「番組名」として「△△△△」を含む録画済み番組の検索結果が表示される。
【0128】
一方、
図12の上段に示すように、特定の属性の言葉に続けて、「を予約」、「を録画」、および「を録画予約」のうちのいずれかの言葉をユーザが発した場合、ユーザが、「を予約」等の言葉の前に発した言葉に関連のある放送中/放送予定の番組の録画予約を設定しようとしているとして特定される。この例においても、「時制」、「人名」、「番組名」、「ジャンル」、「放送局名」のうちの少なくともいずれかの属性の言葉に続けて、「を予約」等の言葉をユーザが発した場合にそのようなユーザの意図が特定される。
【0129】
なお、「を予約して」の言葉をユーザが発した場合も、「を予約」の言葉をユーザが発した場合と同様の処理が行われる。また、「を録画して」の言葉をユーザが発した場合も、「を録画」の言葉をユーザが発した場合と同様の処理が行われる。
【0130】
ユーザの発話の内容を表す文字列の構文解析を行うことによって、特定の属性の言葉に続けて「を予約」等の言葉を発したことが検出された場合、矢印の先に示すように、録画予約設定コマンドが構文解析部131から番組検索部127に出力される。録画予約設定コマンドは、録画予約を設定可能な、放送中/放送予定の番組の検索結果を表示することを指示するコマンドである。
【0131】
録画予約設定コマンドを受信した番組検索部127は、放送中/放送予定の番組のみを対象として番組の検索を行う。検索結果画面には、「を予約」等の前の分解文字列に基づいて検索された放送中/放送予定の番組が検索結果として表示され、録画済み番組は表示されない。
【0132】
例えば、
図12の下段に示すように、「来週の〇〇〇〇のドラマを録画」をユーザが発した場合、その文字列の構文解析が構文解析部131において行われる。また、構文解析の結果として、「時制」の属性の「来週」、「人名」の属性の「〇〇〇〇」、および、「ジャンル」の属性の「ドラマ」の分解文字列とともに、録画予約設定コマンドが番組検索部127に供給される。
【0133】
番組検索部127は、「来週」に放送される「ドラマ」の番組のみを対象として、「〇〇〇〇」に基づいて番組の検索を行う。番組検索画面には、「〇〇〇〇」が出演する番組の検索結果が表示される。
【0134】
このように、TV1は、発話の内容からユーザの意図を特定し、検索結果の提示の仕方を変えることができる。
【0135】
すなわち、ユーザが、放送中/放送予定の番組の中から番組を見つけてその録画予約を設定しようとしている場合には、検索範囲の絞り込みが行われ、放送中/放送予定の番組の検索結果が表示される。また、ユーザが、録画済み番組の中から番組を見つけてそれを視聴しようとしている場合には、検索範囲の絞り込みが行われ、録画済み番組の検索結果が表示される。
【0136】
このように検索結果の提示の仕方を変えることにより、ユーザにとって直感的でわかりやすい検索結果画面を表示することが可能になる。
【0137】
<4-1.画面遷移の例>
図13は、画面表示の流れの例を示す図である。
【0138】
図13の左端に示す画面#1は視聴中の番組の画面である。例えばこの状態でユーザがリモートコントローラ4のマイクボタンを押した場合、矢印A1の先に示すように、TV1は、ユーザによる音声入力を待つ状態になる。ディスプレイ103の表示は、音声待ち受け画面である画面#2に切り替わる。
【0139】
リモートコントローラ4から送信されてきた音声データは連携サーバ2に送信され、ユーザの発話の内容を表す文字列が取得される。また、連携サーバ2から送信されてきた文字列の構文解析がTV1において行われ、分解文字列が取得される。分解文字列の内容に応じて、適宜、構文解析部131から番組検索部127に対して、録画リスト表示コマンドまたは録画予約設定コマンドが出力される。
【0140】
構文解析部131から出力された構文解析の結果に録画リスト表示コマンドまたは録画予約設定コマンドが含まれない場合、矢印A2の先に示すように、ディスプレイ103の表示は、番組の検索範囲の絞り込みが行われていない検索結果画面#3に切り替わる。検索結果画面#3は、放送中/放送予定の番組と録画済み番組の検索結果を含む、
図4を参照して説明した画面と同様の画面である。
【0141】
検索結果画面#3において、放送中/放送予定の所定の番組が選択された場合、矢印A3の先に示すように、ディスプレイ103の表示は番組詳細画面#4に切り替わる。番組詳細画面#4は、ユーザにより選択された番組の内容、放送日時などの詳細情報を含む画面である。番組詳細画面#4は例えば番組情報記録部125に記録されているEPGに基づいて表示される。
【0142】
番組詳細画面#4には、詳細情報を表示中の番組の録画予約を設定するときに操作される録画予約ボタン、視聴予約を設定するときに操作される視聴予約ボタン、検索結果画面#3に戻るときに操作される戻るボタンなどが表示される。
【0143】
例えば録画予約ボタンが操作された場合、矢印A4の先に示すように、ディスプレイ103の表示は予約内容確認画面#5に切り替わる。予約内容確認画面#5には、予約内容の他に、予約を確定するときに操作される確定ボタンなどが表示される。
【0144】
確定ボタンが操作された場合、矢印A5の先に示すように、番組の録画予約が完了し、その内容を表す情報が番組情報記録部125に記録される。ディスプレイ103の表示は、矢印A6に示すように番組詳細画面#4に切り替わる。番組詳細画面#4において戻るボタンが操作された場合、矢印A7に示すように、ディスプレイ103の表示は検索結果画面#3に戻る。
【0145】
検索結果画面#3において、録画済みの所定の番組が選択された場合、矢印A8の先に示すように、ディスプレイ103の表示は番組再生画面#6に切り替わる。録画済み番組のデータが録画番組記録部122から読み出され、再生制御部123により再生される。
【0146】
矢印A9の先に示すように番組の再生が終了した場合、矢印A10の先に示すように、ディスプレイ103の表示は検索結果画面#3に戻る。
【0147】
構文解析部131から出力された構文解析の結果に録画リスト表示コマンドまたは録画予約設定コマンドが含まれない場合、録画予約設定時のディスプレイ103の表示は破線L11で囲むようにして切り替えられる。
【0148】
一方、構文解析部131から出力された構文解析の結果に録画リスト表示コマンドまたは録画予約設定コマンドが含まれる場合、矢印A11の先に示すように、ディスプレイ103の表示は、番組の検索範囲の絞り込みが行われた検索結果画面#7に切り替わる。
【0149】
検索結果画面#7は、録画リスト表示コマンドが出力された場合には録画済み番組の検索結果を含む画面となり、録画予約設定コマンドが出力された場合には放送中/放送予定の番組の検索結果を含む画面となる。
【0150】
構文解析部131から出力されたコマンドが録画予約設定コマンドであり、検索結果画面#7において、放送中/放送予定の所定の番組が選択された場合、矢印A12の先に示すように、番組の録画予約が完了し、その内容を表す情報が番組情報記録部125に記録される。すなわち、この場合、ユーザが番組の録画予約を設定しようとしていることが特定されているから、番組詳細画面#4などは表示されない。
【0151】
矢印A13に示すように、番組の予約が行われている間も、ディスプレイ103には検索結果画面#7が表示され続ける。ユーザは、検索結果画面#7に検索結果として挙げられた放送中/放送予定の番組を選択するだけで、複数の番組の録画予約の設定を次々と行うことができる。
【0152】
構文解析部131から出力されたコマンドが録画リスト表示コマンドであり、検索結果画面#7において、録画済みの所定の番組が選択された場合、矢印A14の先に示すように、ディスプレイ103の表示は番組再生画面#6に切り替わる。録画済み番組のデータが録画番組記録部122から読み出され、再生制御部123により再生される。
【0153】
番組の再生が終了した場合、矢印A15の先に示すように、ディスプレイ103の表示は検索結果画面#7に戻る。
【0154】
このように、構文解析部131から出力された構文解析の結果に録画予約設定コマンドが含まれる場合、録画予約設定時のディスプレイ103の表示は破線L12で囲むようにして切り替えられる。
【0155】
特に、録画予約を設定するまでの画面表示が、発話の内容から特定したユーザの意図に応じて以上のようにして切り替えられることにより、ユーザは、検索結果として挙げられた番組の録画予約を容易に設定することが可能になる。
【0156】
<4-2.情報処理システムの動作の例>
ここで、
図14のシーケンス図を参照して、
図13に示す画面表示を実現するTV1と連携サーバ2の動作について説明する。
【0157】
図14の処理は、リモートコントローラ4から送信された音声データをTV1が受信したときに開始される。なお、
図14に示すTV1のステップS101乃至S105,S121乃至S123,S141乃至143の処理は、それぞれ、
図10のステップS12乃至S16,S31乃至S33,S41乃至43の処理と同様の処理である。また、
図14に示す連携サーバ2のステップS151乃至S155の処理は、それぞれ、
図10のステップS51乃至S55の処理と同様の処理である。重複する説明については適宜省略する。
【0158】
ステップS101において、TV1の文字列取得部129は、リモートコントローラ4から送信され、音声データ受信部128により受信された音声データを連携サーバ2に送信する。
【0159】
ステップS151において、連携サーバ2の音声データ取得部221は、TV1から送信されてきた音声データを受信する。
【0160】
ステップS152において、音声認識部222は、音声認識を行い、ユーザの発話の内容を表す文字列を生成する。
【0161】
ステップS153において、音声認識部222は、音声認識によって得られた文字列をTV1に送信する。
【0162】
ステップS154において、検索部223は、音声認識によって得られた文字列全体に基づいてWebコンテンツの検索を行い、ステップS155において検索結果をTV1に送信する。
【0163】
ステップS153において連携サーバ2から送信された文字列は、ステップS102においてTV1の文字列取得部129により受信される。また、ステップS155において連携サーバ2から送信された検索結果はステップS103においてTV1のWebコンテンツ検索部130により受信される。
【0164】
ステップS104において、文字列取得部129は、連携サーバ2から送信されてきた文字列を番組検索部127に出力する。
【0165】
ステップS105において、表示制御部132は、Webコンテンツ検索部130から供給された検索結果に基づいて、Webコンテンツを表すカード画像が並ぶ検索結果画面をディスプレイ103に表示させる。
【0166】
一方、ステップS121において、番組検索部127は、文字列取得部129から供給された文字列を受信し、ステップS122において構文解析部131に出力する。
【0167】
ステップS141において、構文解析部131は、番組検索部127から供給された文字列を受信し、ステップS142において構文解析を行う。構文解析部131は、構文解析の結果に基づいて、ユーザが、「録画した」の言葉に続けて特定の属性の言葉を発しているか、または、特定の属性の言葉に続けて「を予約」等の言葉を発しているかを検出する。
【0168】
ステップS143において、構文解析部131は、構文解析の結果として取得された分解文字列を、各分解文字列の属性の情報とともに番組検索部127に出力する。ここで送信される構文解析結果には、「録画した」の言葉に続けて特定の属性の言葉を発していることが検出された場合には録画リスト表示コマンドが含まれる。また、特定の属性の言葉に続けて「を予約」等の言葉を発していることが検出された場合には録画予約設定コマンドが含まれる。
【0169】
ステップS123において、番組検索部127は、構文解析部131から供給された情報を受信する。
【0170】
受信した情報に録画リスト表示コマンドまたは録画予約設定コマンドが含まれていない場合、ステップS124において、番組検索部127は、放送中/放送予定の番組と録画済み番組を対象とした検索を分解文字列に基づいて行う。
【0171】
ステップS125において、番組検索部127は、検索結果の番組に関する情報を、各番組が選択されたときに起動するアプリケーションを特定する情報とともに表示制御部132に出力する。
【0172】
一方、受信した情報に録画リスト表示コマンドまたは録画予約設定コマンドが含まれる場合、ステップS126において、番組検索部127は、番組の検索範囲をコマンドの種類に応じて設定する。構文解析部131から供給されたコマンドが録画リスト表示コマンドである場合、録画済み番組が検索範囲として設定され、録画予約設定コマンドである場合、放送中/放送予定の番組が検索範囲として設定される。
【0173】
ステップS127において、番組検索部127は、設定した検索範囲の番組を対象として、番組の検索を分解文字列に基づいて行う。
【0174】
ステップS128において、番組検索部127は、検索結果の番組に関する情報を、各番組が選択されたときに起動するアプリケーションを特定する情報とともに表示制御部132に出力する。
【0175】
ステップS125において出力された検索結果はステップS106において表示制御部132により受信され、ステップS128において出力された検索結果はステップS107において表示制御部132により受信される。
【0176】
ステップS108において、表示制御部132は、検索された番組のカード画像を検索結果画面に追加して表示させる。例えば、録画リスト表示コマンドが構文解析部131から出力された場合には、録画済み番組の行が番組領域22に追加して表示され、録画予約設定コマンドが構文解析部131から出力された場合には、放送中/放送予定の番組の行が番組領域22に追加して表示される。その後の画面表示の切り替えは、
図13を参照して説明したようにして行われる。
【0177】
以上のように、録画済み番組を視聴しようとして音声による検索を行った場合、録画済み番組だけが検索結果として表示されるため、ユーザは、視聴しようとする番組を容易に選択することができる。
【0178】
また、放送中/放送予定の番組の録画予約を設定しようとして音声による検索を行った場合、放送中/放送予定の番組だけが検索結果として表示されるため、ユーザは、録画したい番組を容易に選択することができる。録画したい番組を選択した場合には、詳細画面などが表示されずに録画予約が直接設定されるため、ユーザは、番組の録画予約を容易に設定することができる。
【0179】
<4-3.他の表示例>
録画予約を設定しようとして選択した番組と放送時間帯が重複する他の番組に録画予約が既に設定されている場合、
図15に示すように、そのことを通知するダイアログボックス301が検索結果画面上に表示される。
【0180】
図15に示すダイアログボックス301には、選択した番組の録画予約を設定しないことを選択するときに操作するボタンと、選択した番組の録画予約を設定するときに操作するボタンが表示される。
【0181】
このようなダイアログボックスが表示されることにより、番組の詳細画面や予約内容の確認が表示されない場合においても、ユーザは、放送時間が重複する他の番組の録画予約を既に設定していることを検索結果画面上で確認することができる。
【0182】
図16は、検索結果画面の他の表示例を示す図である。
【0183】
図16の例においては、放送中/放送予定の番組の行の右端に、検索結果の番組を表すカード画像と並べて、予約リストを表示させるときに選択されるカード画像311が表示されている。カード画像311が選択された場合、ディスプレイ103には予約リストが表示される。
【0184】
予約リストは、録画予約の設定済みの番組のリストである。予約リストから、番組の録画予約を修正したり、キャンセルしたりすることが可能とされる。
【0185】
番組のカード画像を選択するだけで録画予約の設定が完了するため、ユーザが間違えて録画予約を設定してしまうことが多くなる可能性がある。予約リスト表示用のカード画像を表示して予約リストへの導線を検索結果画面に確保しておくことにより、ユーザは、録画予約の設定を容易に修正することができる。
【0186】
【0187】
図17に示す検索結果画面#21は
図16の画面と同じ画面である。カード画像311が選択された場合、矢印A21の先に示すように、予約リストが検索結果画面#21に代えて表示される。検索結果画面#21に重ねて予約リストが表示されるようにしてもよい。
【0188】
録画済み番組だけが検索結果として表示されている場合、録画済みリストへの導線が検索結果画面#21に確保される。録画済みリストは、録画済み番組のリストである。録画済みリストは例えば録画番組記録部122に記録されている情報に基づいて表示される。
【0189】
この場合、録画済み番組の行の右端に、検索結果の番組を表すカード画像と並べて、録画済みリストを表示させるときに選択されるカード画像が表示される。録画済みリスト表示用のカード画像が選択された場合、
図17の矢印A22の先に示すように、録画済みリストが検索結果画面#21に代えて表示される。
【0190】
このように、予約リストや録画済みリストなどの他の画面への導線を検索結果画面に用意するようにしてもよい。
【0191】
<<5.第3の検索例>>
ユーザが発した言葉から、ユーザが録画済み番組を視聴しようとしているのか、放送中/放送予定の番組の録画予約を設定しようとしているのかが特定されるものとしたが、さらに、ユーザが意図している番組が特定されるようにしてもよい。この場合、番組の特定に用いられる情報が連携サーバ2において管理され、ユーザが意図している番組の特定が連携サーバ2により行われる。
【0192】
例えば、録画済みのある番組について、ユーザが視聴しようとしていることが特定された場合、連携サーバ2からTV1に対して、特定された番組の再生を開始することを指示するコマンドが送信される。TV1においては、検索結果画面を表示することなく、連携サーバ2により特定された録画済み番組の再生が開始される。
【0193】
また、放送中/放送予定のある番組について、ユーザが録画予約を設定しようとしていることが特定された場合、連携サーバ2からTV1に対して、特定された番組の録画予約を設定することを指示するコマンドが送信される。TV1においては、検索結果画面を表示することなく、連携サーバ2により特定された番組の録画予約が設定される。
【0194】
<5-1.画面遷移の例>
図18は、画面表示の流れの他の例を示す図である。
【0195】
図18の左端に示す画面#31は視聴中の番組の画面である。例えばこの状態でユーザがリモートコントローラ4のマイクボタンを押した場合、矢印A31の先に示すように、TV1は、ユーザによる音声入力を待つ状態になる。ディスプレイ103の表示は、音声待ち受け画面である画面#32に切り替わる。
【0196】
リモートコントローラ4から送信されてきた音声データは連携サーバ2に送信され、ユーザの発話の内容を表す文字列が取得される。連携サーバ2においては、取得された文字列に基づいて、ユーザが意図している番組の特定と、その番組に対する処理の種類の特定とが行われる。
【0197】
番組の特定は、例えば、ユーザの発話の内容を表す文字列中に含まれる番組名を検出することによって行われる。連携サーバ2には、各種の番組の番組名が管理されている。
【0198】
また、番組に対する処理の種類の特定は、ユーザが、特定の属性の言葉に続けて「を予約」等の言葉を発していることを検出することにより、または、「録画した」の言葉に続けて特定の属性の言葉を発していることを検出することにより行われる。連携サーバ2においては、適宜、構文解析が行われる。
【0199】
ユーザが意図している番組が特定できないものの、ある番組に対する処理の種類が特定された場合、上述した録画リスト表示コマンド、または録画予約設定コマンドが、連携サーバ2からTV1に対して送信される。
【0200】
この場合の画面表示の切り替えは、矢印A32の先に示す、破線L12で囲む流れで行われる。
図18の破線L12で囲んで示す画面表示は、
図13の破線L12で囲んで示す画面表示と同様である。
【0201】
すなわち、特定の属性の言葉に続けて「を予約」等の言葉をユーザが発している場合、検索結果画面には、分解文字列に基づいて検索された放送中/放送予定の番組が表示される。検索結果の放送中/放送予定の番組の中から所定の番組が選択された場合、矢印A12の先に示すように、番組詳細画面を表示することなく、録画予約が設定される。
【0202】
また、「録画した」の言葉に続けて特定の属性の言葉をユーザが発している場合、検索結果画面には、分解文字列に基づいて検索された録画済み番組が表示される。検索結果の録画済み番組の中から所定の番組が選択された場合、矢印A14の先に示すように、録画済み番組の再生が開始される。
【0203】
一方、ユーザが意図している番組と、その番組に対する処理の種類として録画予約を設定することが特定された場合、矢印A33の先に示すように、ディスプレイ103の表示は、予約内容確認画面#33に切り替わる。
【0204】
予約内容確認画面#33は、ユーザの発話の内容から特定された番組の録画予約の内容を提示する画面である。予約内容確認画面#33には、予約内容の他に、予約を確定するときに操作される確定ボタンなどが表示される。
【0205】
確定ボタンが操作された場合、矢印A34の先に示すように、番組の録画予約が完了し、その内容を表す情報が番組情報記録部125に記録される。その後、ディスプレイ103の表示は例えば画面#31に戻る。ユーザが意図している番組と、その番組に対する処理の種類として録画予約を設定することが特定された場合、予約内容確認画面#33が表示されずに、録画予約の設定が行われるようにしてもよい。
【0206】
また、ユーザが意図している番組と、その番組に対する処理の種類として録画済み番組を視聴することが特定された場合、矢印A35の先に示すように、ディスプレイ103の表示は番組再生画面#6に切り替わる。録画済み番組のデータが録画番組記録部122から読み出され、再生制御部123により再生される。
【0207】
このように、ユーザが意図している番組と、その番組に対する処理の種類が特定された場合、ディスプレイ103の表示は破線L21で囲むようにして切り替えられる。
【0208】
これにより、ユーザは、会話と同様の言葉を用いて、検索結果画面を操作することなく、録画済み番組の再生を直接開始させたり、番組の録画予約を直接設定したりすることができる。
【0209】
<5-2.情報処理システムの動作の例>
ここで、
図19のシーケンス図を参照して、以上のような画面表示を実現するTV1と連携サーバ2の動作について説明する。
【0210】
図19の処理も、リモートコントローラ4から送信された音声データをTV1が受信したときに開始される。
【0211】
ステップS211において、TV1の文字列取得部129は、リモートコントローラ4から送信され、音声データ受信部128により受信された音声データを連携サーバ2に送信する。
【0212】
ステップS231において、連携サーバ2の音声データ取得部221は、TV1から送信されてきた音声データを受信する。
【0213】
ステップS232において、音声認識部222は、音声データに基づいて音声認識を行い、ユーザの発話の内容を表す文字列を生成する。また、音声認識部222は、適宜、生成した文字列の構文解析を行う。音声認識部222は、ユーザの発話の内容を表す文字列に基づいて、番組に対する処理の種類を特定する。
【0214】
ステップS233において、検索部223は、構文解析によって得られた番組名を表す文字列を用いるなどして、ユーザが意図している番組を特定する。ここでは、ユーザが意図している番組が特定されたものとして説明する。番組が特定できなかった場合、
図14を参照して説明した処理と同様の処理が行われる。
【0215】
ユーザが意図していた番組として放送中/放送予定の番組が特定されるとともに、その番組に対する処理の種類として録画予約を設定することが特定された場合、ステップS234において、検索部223は、番組情報と録画予約設定コマンドをTV1に送信する。番組情報には、ユーザが意図していた番組の識別情報が含まれる。
【0216】
ステップS201において、TV1の録画予約管理部126は、連携サーバ2から送信されてきた情報を受信する。連携サーバ2から送信されてきた情報に基づいて、表示制御部132により予約内容確認画面が表示される。
図7の各部は、
図7において矢印で示す経路以外の図示せぬ経路によっても接続される。
【0217】
番組の録画予約を確定することが選択された場合、ステップS202において、録画予約管理部126は、識別情報により識別される番組の録画予約を設定する。
【0218】
一方、ユーザが意図していた番組として録画済み番組が特定されるとともに、その番組に対する処理の種類として視聴しようとしていることが特定された場合、ステップS235において、検索部223は、番組情報と再生コマンドをTV1に送信する。
【0219】
ステップS203において、TV1の録画予約管理部126は、連携サーバ2から送信されてきた情報を受信し、ステップS204において、連携サーバ2により特定された番組が録画済みであるかを番組検索部127に問い合わせる。録画予約管理部126から番組検索部127に対する問い合わせには、番組の識別情報が含まれる。
【0220】
ステップS221において、番組検索部127は、録画予約管理部126からの問い合わせを受信する。
【0221】
ステップS222において、番組検索部127は、録画番組記録部122に記録されている録画済み番組を対象として、連携サーバ2により特定された番組の検索を行い、ステップS223において問い合わせ結果を録画予約管理部126に出力する。ここでは、連携サーバ2により特定された番組、すなわち、ユーザが意図していた番組が録画済みであるものとする。
【0222】
ステップS205において、録画予約管理部126は、番組検索部127から供給された問い合わせ結果を受信する。
【0223】
ステップS206において、録画予約管理部126は、連携サーバ2により特定された番組の再生を再生制御部123に開始させ、処理を終了させる。
【0224】
以上の処理により、ユーザは、検索結果画面を操作することなく、録画済み番組の再生を直接開始させたり、番組の録画予約を直接設定したりすることができる。
【0225】
以上においては、ユーザが意図している番組の特定と、番組に対する処理の種類の特定とが連携サーバ2により行われるものとしたが、TV1により行われるようにしてもよい。
【0226】
また、音声によってTV1に行わせることができる処理が、録画予約の設定と録画済み番組の再生であるものとしたが、視聴予約の設定、録画済み番組のダビングなどの、他の種類の処理を発話によって行わせることができるようにしてもよい。また、Webコンテンツの再生、購入などの他の種類の処理を、音声によって行わせることができるようにしてもよい。
【0227】
<<6.変形例>>
以上においては、情報処理装置としてのTV1と、連携サーバ2により情報処理システムが構成されるものとしたが、放送波を受信可能な他の装置と連携サーバ2により情報処理システムが構成されるようにしてもよい。
【0228】
例えば、コンテンツを表示するディスプレイを有さないセットトップボックス、ハードディスクレコーダーなどの録画機器、タブレット端末などの携帯端末をTV1に代えて用いて、情報処理システムが構成されるようにすることが可能である。
【0229】
また、上述したTV1の機能のうちの少なくとも一部を、TV1の外部の装置に搭載するようにしてもよい。例えば、
図7に示す機能のうちの構文解析部131の機能を外部のサーバに持たせ、TV1が、その外部のサーバと連携することによって上述した各処理が行われるようにすることが可能である。また、記録部109や録画機器を外部のサーバにもたせるようにすることも可能である。さらに、放送波によりコンテンツが提供されずにインターネット経由で外部のサーバよりコンテンツが提供されるようになってもよい。
【0230】
また、TV1と通信が可能なスマートフォンなどの携帯端末に
図7に示す機能のうちの少なくとも一部を持たせ、TV1と携帯端末により、上述した各処理が行われるようにしてもよい。
【0231】
また、ユーザが発話した内容を表す文字列を処理する情報処理システムとして説明したが、ユーザが発話した内容に限らず、ユーザがキーボードやタッチ操作などにより入力した文字列を処理する情報処理システムとしてもよい。
【0232】
本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0233】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、汎用のパーソナルコンピュータなどにインストールされる。
【0234】
インストールされるプログラムは、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)や半導体メモリなどよりなる
図8に示されるリムーバブルメディア211に記録して提供される。また、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供されるようにしてもよい。プログラムは、ROM202や記録部208に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0235】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0236】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0237】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0238】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0239】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0240】
<構成の組み合わせ例>
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
(1)
ユーザの発話の内容を表す文字列に、現在以降に提供される番組の録画予約を設定することを表す第1の文字列が含まれない場合、録画済みの番組と現在以降に提供される番組とを対象とした検索を前記文字列に基づいて行うことによって第1の検索結果を取得し、前記第1の文字列が含まれる場合、現在以降に提供される番組を対象とした検索を前記文字列に基づいて行うことによって第2の検索結果を取得する番組検索部と、
前記第1の検索結果の表示画面または前記第2の検索結果の表示画面を表示させる表示制御部と、
前記第1の検索結果の表示画面から、録画予約を設定する番組として現在以降に提供される所定の番組が選択された場合、前記所定の番組に関する情報を含む詳細画面を前記第1の検索結果の表示画面に代えて表示した後に、前記所定の番組の録画予約を設定し、前記第2の検索結果の表示画面から、録画予約を設定する番組が選択された場合、前記詳細画面を表示せずに、選択された番組の録画予約を設定する設定部と
を備える情報処理装置。
(2)
ユーザの発話の内容を表す前記文字列の構文解析を行う構文解析部をさらに備え、
前記番組検索部は、前記構文解析の結果である分解文字列に基づいて番組の検索を行うことによって、前記第1の検索結果または前記第2の検索結果を取得する
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
ネットワークを介して提供されるコンテンツの、前記文字列に基づく検索結果を取得するコンテンツ検索部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記コンテンツの検索結果に追加して、前記第1の検索結果または前記第2の検索結果を表示させる
前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記コンテンツ検索部は、前記コンテンツを提供するサーバにおいて前記文字列に基づいて行われた前記コンテンツの検索の結果を取得する
前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記番組検索部は、前記文字列に、前記第1の文字列が含まれずに録画済みの番組を再生することを表す第2の文字列が含まれる場合、録画済みの番組を対象とした検索を前記文字列に基づいて行い、
前記表示制御部は、録画済みの番組の検索結果を表示させる
前記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
(6)
前記表示制御部は、前記第2の検索結果の番組を表す画像と並べて、録画予約のリストを表示するときに操作される画像を表示させる
前記(1)乃至(5)のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
(7)
前記発話の音声データをサーバに送信し、前記サーバから送信されてきた前記文字列を取得する取得部をさらに備える
前記(1)乃至(6)のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
(8)
ユーザの発話の内容を表す文字列に、現在以降に提供される番組の録画予約を設定することを表す所定の文字列が含まれない場合、録画済みの番組と現在以降に提供される番組とを対象とした検索を前記文字列に基づいて行うことによって第1の検索結果を取得し、
前記第1の検索結果の表示画面から、録画予約を設定する番組として現在以降に提供される所定の番組が選択された場合、前記所定の番組に関する情報を含む詳細画面を前記第1の検索結果の表示画面に代えて表示した後に、前記所定の番組の録画予約を設定し、
ユーザの発話の内容を表す前記文字列に、前記所定の文字列が含まれる場合、現在以降に提供される番組を対象とした検索を前記文字列に基づいて行うことによって第2の検索結果を取得し、
前記第2の検索結果の表示画面から、録画予約を設定する番組が選択された場合、前記詳細画面を表示せずに、選択された番組の録画予約を設定する
ステップを含む情報処理方法。
(9)
ユーザの発話の内容を表す文字列に、現在以降に提供される番組の録画予約を設定することを表す所定の文字列が含まれない場合、録画済みの番組と現在以降に提供される番組とを対象とした検索を前記文字列に基づいて行うことによって第1の検索結果を取得し、
前記第1の検索結果の表示画面から、録画予約を設定する番組として現在以降に提供される所定の番組が選択された場合、前記所定の番組に関する情報を含む詳細画面を前記第1の検索結果の表示画面に代えて表示した後に、前記所定の番組の録画予約を設定し、
ユーザの発話の内容を表す前記文字列に、前記所定の文字列が含まれる場合、現在以降に提供される番組を対象とした検索を前記文字列に基づいて行うことによって第2の検索結果を取得し、
前記第2の検索結果の表示画面から、録画予約を設定する番組が選択された場合、前記詳細画面を表示せずに、選択された番組の録画予約を設定する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(10)
ユーザの発話の内容を表す文字列に、現在以降に提供される番組の録画予約を設定することを表す第1の文字列が含まれる場合、録画予約の設定対象となる番組の特定を行う検索部と、
前記設定対象となる番組が特定された場合、特定された番組の第1の識別情報と録画予約を設定することを指示する第1のコマンドとを情報処理装置に送信し、前記設定対象となる番組が特定されなかった場合、前記文字列に基づくコンテンツの検索結果を前記情報処理装置に送信する通信部と
を含むサーバと、
前記発話の音声データを前記サーバに送信するとともに、前記サーバから送信されてきた情報を受信する通信部と、
前記サーバから送信されてきた前記文字列に基づいて番組の検索を行う番組検索部と、
前記コンテンツの検索結果が前記サーバから送信されてきた場合、前記コンテンツの検索結果と前記番組の検索結果を含む表示画面を表示させる表示制御部と、
前記第1の識別情報と前記第1のコマンドが前記サーバから送信されてきた場合、前記表示画面を表示せずに、前記第1の識別情報により識別される番組の録画予約を設定する設定部と
を含む前記情報処理装置と
を備える情報処理システム。
(11)
前記サーバの前記検索部は、前記文字列に、前記第1の文字列が含まれずに録画済みの番組を再生することを表す第2の文字列が含まれる場合、再生対象となる番組の特定を行い、
前記サーバの前記通信部は、前記再生対象となる番組が特定された場合、特定された番組の第2の識別情報と再生開始を指示する第2のコマンドとを前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、
前記第2の識別情報と前記第2のコマンドが前記サーバから送信されてきた場合、前記表示画面を表示せずに、前記第2の識別情報により識別される録画済みの番組の再生を開始する再生制御部をさらに含む
前記(10)に記載の情報処理システム。
(12)
ユーザの発話の内容を表す文字列に、現在以降に提供される番組の録画予約を設定することを表す所定の文字列が含まれる場合、録画予約の設定対象となる番組の特定を行い、前記設定対象となる番組が特定された場合、特定された番組の識別情報と録画予約を設定することを指示するコマンドとを送信し、前記設定対象となる番組が特定されなかった場合、前記文字列に基づくコンテンツの検索結果を送信するサーバに対して、前記発話の音声データを送信するとともに、前記サーバから送信されてきた情報を受信する通信部と、
前記サーバから送信されてきた前記文字列に基づいて番組の検索を行う番組検索部と、
前記コンテンツの検索結果が前記サーバから送信されてきた場合、前記コンテンツの検索結果と前記番組の検索結果を含む表示画面を表示させる表示制御部と、
前記識別情報と前記コマンドが前記サーバから送信されてきた場合、前記表示画面を表示せずに、前記識別情報により識別される番組の録画予約を設定する設定部と
を備える情報処理装置。
【符号の説明】
【0241】
1 テレビジョン受像機, 2 連携サーバ, 121 録画制御部, 122 録画番組記録部, 123 再生制御部, 124 放送波受信制御部, 125 番組情報記録部, 126 録画予約管理部, 127 番組検索部, 128 音声データ受信部, 129 文字列取得部, 130 Webコンテンツ検索部, 131 構文解析部, 132 表示制御部, 221 音声データ取得部, 222 音声認識部, 223 検索部