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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/79 20180101AFI20241218BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20241218BHJP
   F24F 11/65 20180101ALI20241218BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20241218BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20241218BHJP
   F24F 120/12 20180101ALN20241218BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20241218BHJP
【FI】
F24F11/79
F24F11/80
F24F11/65
F24F11/52
F24F11/46
F24F120:12
F24F110:10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023098878
(22)【出願日】2023-06-16
【審査請求日】2023-09-12
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薄田 健太
(72)【発明者】
【氏名】高野 哲宏
(72)【発明者】
【氏名】大石 剛久
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-055424(JP,A)
【文献】特開2015-059731(JP,A)
【文献】特開2023-040740(JP,A)
【文献】特開2014-081144(JP,A)
【文献】特開2018-146209(JP,A)
【文献】特開2015-038402(JP,A)
【文献】特開2016-173198(JP,A)
【文献】特開2006-183974(JP,A)
【文献】特開2009-180459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/79
F24F 11/80
F24F 11/65
F24F 11/52
F24F 11/46
F24F 120/12
F24F 110/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内ユニットと、
ユーザーが設定した設定温度及び設定風量で空調運転を実行可能である制御部と、
を備え、
前記室内ユニットは、
室内に吹き出される空調空気の風向を調整する風向板と、
前記室内における生体の位置を検知する生体センサと、
を有し、
前記制御部は、第1のモードにおいて、前記生体センサで前記生体の現在の位置が検知される場合、前記生体の現在の位置の連続的な検知結果に応じて、前記生体を追跡対象として前記生体の現在の位置に風が向かうように前記風向板を向け、前記設定温度より高い目標温度で且つ前記設定風量で冷房運転又は除湿運転を行うように制御し、前記生体センサで検知される生体の数が所定数を超える場合、前記第1のモードから第2のモードへ遷移させ、前記第2のモードにおいて、前記設定温度で冷房運転又は除湿運転を行うように制御する
空気調和装置。
【請求項2】
前記生体センサは、レーダーを含む
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記生体センサで複数の生体が検知される場合、前記複数の生体のうち所定の条件を満たす生体を特定し、前記第1のモードにおいて、前記特定された生体の位置に風が向かうように前記風向板を制御する
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記生体センサで複数の生体が検知される場合、前記第1のモードに変えて、前記複数の生体が存在する方向範囲を特定し、前記風向板を前記方向範囲でスイングさせる第3のモードに遷移させ、前記第3のモードにおいて、前記設定温度より高い目標温度で冷房運転又は除湿運転を行うように制御する
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記制御部に指令を送信する操作端末を備え、
前記操作端末は、前記設定温度が表示可能である表示部を有する
請求項1からのいずれか1項に記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記表示部に第1のモードに関する情報を表示する
請求項に記載の空気調和装置。
【請求項7】
室内ユニットと、
ユーザーが設定した設定温度及び設定風量で空調運転を実行可能である制御部と、
前記制御部に指令を送信する操作端末と、
を備え、
前記室内ユニットは、
室内に吹き出される空調空気の風向を調整する風向板と、
前記室内における生体の位置を検知する生体センサと、
を有し、
前記制御部は、第1のモードにおいて、前記生体センサで前記生体の現在の位置が検知される場合、前記生体の現在の位置の連続的な検知結果に応じて、前記生体を追跡対象として前記生体の現在の位置に風が向かうように前記風向板を向け、前記設定温度より高い目標温度で且つ前記設定風量で冷房運転又は除湿運転を行うように制御し、
前記操作端末は、前記設定温度が表示可能である表示部を有し、
前記室内ユニット又は前記操作端末は、前記室内の温度を検知する室温センサを有し、
前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記室内の温度と前記設定温度との差に応じて、前記目標温度を変化させる
気調和装置。
【請求項8】
前記室内ユニット又は前記操作端末は、生体の表面の温度を検知する体表温センサをさらに有し、
前記制御部は、前記第1のモードにおいて、生体の表面の温度に応じて、前記目標温度を変化させる
請求項に記載の空気調和装置。
【請求項9】
前記制御部は、第4のモードにおいて、前記生体センサで検知される生体の位置に風が向かうように前記風向板を向け、前記設定温度より低い目標温度で暖房運転を行うように制御する
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第4のモードにおいて、前記生体の足元に風が向かうように前記風向板を向け、前記目標温度で暖房運転を行うように制御する
請求項に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
室内ユニット及び室外ユニットを有する空気調和装置では、室内ユニットは、吸い込み口を介して室内から吸い込んだ空気に対して熱交換等の空気調和処理を行い、空気調和処理が施された空調空気を室内に向けて吹き出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2023-034260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空気調和装置は、その消費電力を低減するように要求されることがある。
【0005】
本開示は、消費電力を低減できる空気調和装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態に係る空気調和装置は、室内ユニットと制御部とを有する。制御部は、ユーザーが設定した設定温度で空調運転を実行させる。室内ユニットは、風向板と生体センサとを有する。風向板は、室内に吹き出される空調空気の風向を調整する。生体センサは、室内における生体の位置を検知する。制御部は、第1のモードにおいて、生体センサで検知される生体の位置に風が向かうように風向板を向け、設定温度より高い目標温度で冷房運転又は除湿運転を行うように制御する。
【0007】
生体センサは、レーダーを含む。
【0008】
制御部は、生体センサで複数の生体が検知される場合、複数の生体のうち所定の条件を満たす生体を特定し、第1のモードにおいて、特定された生体の位置に風が向かうように風向板を制御する。
【0009】
制御部は、生体センサで検知される生体の数が所定数を超える場合、第1のモードから第2のモードへ遷移させ、第2のモードにおいて、設定温度で冷房運転又は除湿運転を行うように制御する。
【0010】
制御部は、生体センサで複数の生体が検知される場合、第1のモードに変えて、複数の生体が存在す方向範囲を特定し、風向板を方向範囲でスイングさせる第3のモードに遷移させ、第3のモードにおいて、設定温度より高い目標温度で冷房運転又は除湿運転を行うように制御する。
【0011】
空気調和装置は、制御部に指令を送信する操作端末を備える。操作端末は、設定温度が表示可能である表示部を有する。
【0012】
空気調和装置は、表示部に第1のモードに関する情報を表示する。
【0013】
室内ユニット又は操作端末は、室内の温度を検知する室温センサを有し、制御部は、第1のモードにおいて、室内の温度と設定温度との差に応じて、目標温度を変化させる。
【0014】
室内ユニット又は操作端末は、生体の表面の温度を検知する体表温センサをさらに有し、制御部は、第1のモードにおいて、生体の表面の温度に応じて、目標温度を変化させる。
【0015】
操作端末は、設定風量を指令する操作部をさらに有し、制御部は、第1のモードにおいて、設定風量より強い目標風量で冷房運転又は除湿運転を行うように制御する。
【0016】
操作端末は、着衣量を受け付け可能であり、制御部は、操作端末から送信された着衣量に関する情報に応じて風量を決定し、第1のモードにおいて、決定された風量で冷房運転又は除湿運転を行うように制御する。
【0017】
制御部は、生体センサで検知される室内ユニットから生体までの距離に応じて風量を決定し、第1のモードにおいて、決定された風量で冷房運転又は除湿運転を行うように制御する。
【0018】
制御部は、第4のモードにおいて、生体センサで検知される生体の位置に風が向かうように風向板を向け、設定温度より低い目標温度で暖房運転を行うように制御する。
【0019】
制御部は、第4のモードにおいて、生体の足元に風が向かうように風向板を向け、目標温度で暖房運転を行うように制御する。
【0020】
本発明の他の実施形態に係る空気調和装置は、室内ユニットと制御部と室外ユニットとを有する。室内ユニットは、室内熱交換器と室内ファンと風向板と生体センサと室温センサとを有する。室内熱交換器は、室内の空気と冷媒との間で熱交換を行う。室内ファンは、室内熱交換器で熱交換された空調空気を室内に吹き出す。風向板は、室内に吹き出される空調空気の風向を調整する。生体センサは、室内における生体の位置を検知する。室温センサは、室内の温度を検知する。室外ユニットは、室外熱交換器と室外ファンと圧縮機とを有する。室外熱交換器は、室外の空気と前記冷媒との間で熱交換を行う。室外ファンは、室外熱交換器で熱交換された空調空気を室外に吹き出す。圧縮機は、室内ユニットと室外ユニットとの間で循環する冷媒を圧縮可能である。制御部は、第1のモードにおいて、冷房運転時又は除湿運転時に、生体センサで検知される生体の位置に風が向かうように風向板を向け、設定温度と室内の温度との差に基づく第1の駆動周波数より低い第2の駆動周波数で圧縮機を動作させるように制御する。
【0021】
以上の空気調和装置によれば、例えば、生体センサが、室内における生体の位置を検知し、空気調和装置が、第1のモードにおいて、検知される生体の位置を追跡しながら、風向板を生体の位置に向かう方向に向け、設定温度より高い目標温度で冷房運転を行う。これにより、生体が室内で移動した場合に、空調空気が生体に当たるようにして生体の体感温度を効果的に下げることができ、設定温度に相当する負荷より低い負荷で冷房運転を行うことができる。この結果、室内に存在する生体の快適性を動的に向上でき、空気調和装置の消費電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態に係る空気調和装置の概略構成を示すブロック図。
図2】実施形態における室内ユニットの構成を示す断面図。
図3】実施形態における室内ユニットの構成及び動作を示す断面図。
図4】実施形態における室内ユニットの構成及び動作を示す斜視図。
図5】実施形態に係る空気調和装置の生体センサの動作を示す図。
図6】実施形態に係る空気調和装置の生体センサで検知される情報を示す図。
図7】実施形態における操作端末の外観構成を示す斜視図。
図8】実施形態に係る空気調和装置の制御モードを示す状態遷移図。
図9】実施形態に係る空気調和装置の室内ユニットの風当て制御を示す上面図。
図10】実施形態に係る空気調和装置の室内ユニットの風当て制御を示す側面図。
図11】実施形態に係る空気調和装置の室内ユニットの風当て制御を示す側面図。
図12】実施形態の第1の変形例における節電冷房モード用の補正情報を示す図。
図13】実施形態の第2の変形例における節電暖房モード用の補正情報を示す図。
図14】実施形態の第3の変形例における節電冷房モード用の補正情報を示す図。
図15】実施形態の第4の変形例における節電暖房モード用の補正情報を示す図。
図16】実施形態の第5の変形例における操作端末の表示部の動作を示す図。
図17】実施形態の第6の変形例に係る空気調和装置の室内ユニットの風当て制御を示す上面図。
図18】実施形態の第6の変形例に係る空気調和装置の室内ユニットの風当て制御を示す上面図。
図19】実施形態の第8の変形例に係る空気調和装置の室内ユニットの風当て制御を示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る空気調和装置の実施形態について説明する。
【0024】
(実施形態)
実施形態にかかる空気調和装置は、図1に示すように、構成され得る。図1は、空気調和装置の概略構成を示すブロック図である。
【0025】
空気調和装置1は、操作端末94a、室内ユニット10、及び室外ユニット100を有する。室内ユニット10は、室内RM内に配され、室外ユニット100は、室外に配される。操作端末94aは、室内RMに存在する生体CRから操作指示を受け付け、受け付けられた操作指示に応じて、室内ユニット10に指令を送信する。操作端末94aは、例えばリモートコントローラである。また、操作端末94aは、例えばスマートフォンまたはタブレット端末装置のような携帯端末装置でもよく、パーソナルコンピュータなどでもよい。操作端末94aは、ネットワークやネットワークに接続されたサーバー等を介して、室内ユニット10に指令を送信してもよい。操作端末94aは、設定温度を指令するボタンを有してもよい。設定温度を指令するボタンは、物理的なボタンであってもよいし、画面に表示される表示オブジェクトのボタンであってもよい。
【0026】
なお、本明細書において、設定温度とは、操作端末94aを介して空気調和装置1に指令される温度を意味する。目標温度とは、空気調和装置1が室内RMから吸い込む空気に対する制御の目標としての温度を意味する。
【0027】
室内ユニット10は、生体センサ2、制御部3、風向板4、風向板5、室温センサ7、体表温センサ8を有する。室外ユニット100は、制御部103を有する。制御部3及び制御部103は、操作端末94aから室内ユニット10で受信された指令に応じて、互いに協働して空気調和処理を行う。すなわち、制御部3及び制御部103は、ユーザーが操作端末94aを介して設定した設定温度で空調運転を実行可能である。それとともに、制御部3は、生体センサ2を用いた制御を行う。生体CRは、例えば人であり、その場合、生体センサ2は、人感センサであってもよい。生体センサ2は、例えばレーダーである。制御部3は、制御モードとして、追跡制御モードと節電冷房モード(第1のモード)と節電暖房モード(第4のモード)と通常制御モード(第2のモード)とを有する。
【0028】
なお、空気調和処理を主体的に行うのは制御部3であってもよい。その場合、室外ユニット100は制御部103が省略された構成であってもよい。あるいは、空気調和処理を主体的に行うのは制御部103であってもよい。その場合、室外ユニット100は制御部3が省略された構成であってもよい。
【0029】
追跡制御モードは、生体センサ2を用いた生体CRの追跡制御を行うためのモードである。生体の追跡制御は、生体CRの位置を追跡しながら行う制御を含む。節電冷房モードは、生体センサ2を用いた生体の追跡制御と節電制御とを含む冷房運転を行うためのモードである。節電暖房モードは、生体センサ2を用いた生体の追跡制御と節電制御とを含む暖房運転を行うためのモードである。通常制御モードは、生体センサ2を用いない通常の制御を行うためのモードである。
【0030】
節電冷房モードにおいて、生体センサ2は、制御部3による制御の下、室内RMにおける生体CRの位置を検知する。制御部3は、検知される生体CRの位置を追跡しながら、検知される生体CRの位置に向かう方向に向く動作を行うように、風向板4,5を制御する。すなわち、生体CRの位置に風が向かうように風向板を向ける。このとき、室温センサ7は、制御部3による制御の下、室内RMの空気の温度を検知する。空気調和装置1は、目標温度を操作端末94aで指令された設定温度より高い温度に補正する。空気調和装置1は、室温センサ7で検知される室内RMの空気の温度が目標温度に近づくように冷房運転を行う。
【0031】
これにより、室内RMに存在する生体CRが室内RMを移動する場合に、室内ユニット10からの空調空気が生体CRに当たるようにして生体の体感温度を効果的に下げることができ、空気調和装置1は、設定温度に相当する運転負荷より低い運転負荷で冷房運転を行うことができる。例えば、生体センサ2がレーダーであれば、制御の追従性を容易に向上できる。すなわち、空調空気がリアルタイムに生体CRに当たるようにすることができ、快適性が損なわれにくい。この結果、室内RMに存在する生体CRの快適性を動的に向上でき、空気調和装置1の消費電力を低減できる。
【0032】
なお、節電冷房モードにおいて、生体CRの位置に風が向かうように風向板を向ける制御は、ぴったりと生体CRの方向に風向板が向く制御に加えて、ぴったりと生体CRの方向に風向板が向いていなくても生体CRに風が当たる方向に風向板が向く制御を含んでもよい。生体CRの位置に風が向かうように風向板を向ける制御は、例えば室内を3~4エリアくらいに分け、どのエリアに生体CRがいるのかを特定し、そのエリア(広めの範囲)に向けて風を送る制御を含んでもよい。生体CRの位置に風が向かうように風向板を向ける制御は、生体CRの位置を中央として風が外れない範囲で風向板を左右にスイングさせる制御を含んでもよい。
【0033】
節電暖房モードにおいて、生体センサ2は、制御部3による制御の下、室内RMにおける生体CRの位置を検知する。制御部3は、検知される生体CRの位置を追跡しながら、検知される生体CRの足元の位置に向かう方向に向く動作を行うように、風向板4,5を制御する。すなわち、生体CRの位置に風が向かうように風向板を向ける。このとき、室温センサ7は、制御部3による制御の下、室内RMの空気の温度を検知する。空気調和装置1は、目標温度を操作端末94aで指令された設定温度より低い温度に補正する。空気調和装置1は、室温センサ7で検知される室内RMの空気の温度が目標温度に近づくように暖房運転を行う。
【0034】
これにより、室内RMに存在する生体CRが室内RMを移動する場合に、室内ユニット10からの空調空気が生体CRの足元に届き、足元から生体CRを温めるようにして生体の体感温度を効果的に上げることができ、空気調和装置1は、設定温度に相当する運転負荷より低い運転負荷で暖房運転を行うことができる。例えば、生体センサ2がレーダーであれば、制御の追従性を容易に向上できる。すなわち、空調空気がリアルタイムに生体CRの足元に届くようにすることができ、快適性が損なわれにくい。この結果、室内RMに存在する生体CRの快適性を動的に向上でき、空気調和装置1の消費電力を低減できる。
【0035】
なお、節電暖房モードにおいて、生体CRの足元の位置に風が向かうように風向板を向ける制御は、ぴったりと生体CRの足元の方向に風向板が向く制御に加えて、ぴったりと生体CRの足元の方向に風向板が向いていなくても生体CRの足元に風が当たる方向に風向板が向く制御を含んでもよい。生体CRの足元の位置に風が向かうように風向板を向ける制御は、例えば室内を3~4エリアくらいに分け、どのエリアに生体CRがいるのかを特定し、そのエリア(広めの範囲)に向けて風を送る制御を含んでもよい。生体CRの足元の位置に風が向かうように風向板を向ける制御は、生体CRの足元の位置を中央として風が外れない範囲で風向板を左右にスイングさせる制御を含んでもよい。
【0036】
節電冷房モード又は節電暖房モードにおいて、体表温センサ8は、生体CRの表面の温度(体表温度)を検知してもよい。体表温センサ8は、制御部3による制御の下、室内RMにおける生体CRの位置近傍のエリアをスキャンして温度スキャンデータを取得可能である。体表温センサ8は、例えば、赤外線センサである。制御部3は、温度スキャンデータにおける生体CRの位置の部分を切り出し、切り出された部分の温度データに応じて体表温度を求めることができる。これにより、制御部3は、体表温度に応じた制御を行うことができる。
【0037】
なお、節電冷房モード及び節電暖房モード以外の制御モード(例えば、追跡制御モード及び通常制御モード)では、空気調和装置1は、操作端末94aで指令された設定温度で冷房運転又は暖房運転を行う。
【0038】
具体的には、室内ユニット10は、吸い込み口を介して室内RMから吸い込んだ空気に対して空気調和処理を行い、空気調和処理が施された空調空気を室内RMに向けて吹き出す。空気調和処理は、例えば、吸熱処理、加熱処理、除湿処理、加湿処理、送風処理、空気清浄処理を含む。吸熱処理、加熱処理、除湿処理、加湿処理、送風処理、空気清浄処理は、それぞれ、空気調和装置1の運転モード(主運転モード)としての、冷房運転モード、暖房運転モード、除湿運転モード、加湿運転モード、送風運転モード、空気清浄運転モードに対応する。
【0039】
なお、主運転モードは、制御モード(例えば、追跡制御モード、通常制御モード、節電冷房モード、節電暖房モード)と任意に組み合わせ可能である。空気調和装置1は、追跡制御モードにおいて、冷房運転モード、暖房運転モード、除湿運転モード、加湿運転モード、送風運転モード、空気清浄運転モードのいずれも取り得る。通常制御モードについても同様である。空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、冷房運転モードを取り得る。空気調和装置1は、節電暖房モードにおいて、暖房運転モードを取り得る。
【0040】
空気調和処理において、加湿処理は、省略されてもよい。このとき、空気調和装置1の運転モードとして、加湿運転モードは、省略されてもよい。
【0041】
空気調和装置1は、補助運転モードとして、無風感モードオン、無風感モードオフを有する。補助運転モードは、制御モード(例えば、追跡制御モード、通常制御モード、節電冷房モード、節電暖房モード)と任意に組み合わせ可能であり、主運転モードと任意に組み合わせ可能である。無風感モードオンでは、室内ユニット10から空調空気を吹き出す際に2種類の流速の風を混在させることで広範囲に拡散する乱流を発生させ自然の風(いわゆる、無風感の風)を発生させる。
【0042】
空気調和装置1は、運転モードとして、自動運転モードを有してもよい。空気調和装置1は、室温センサ7で室内RMの温度を検知する。室温センサ7は、室内RMの空気を検知可能な場所に設けられる。室温センサ7は、吸い込み口付近に設けられ、室内RMから吸い込み口に吸い込まれる空気の温度を検知してもよい。空気調和装置1は、自動運転モードにおいて、室温センサ7の検知温度が設定温度より高ければ、暖房運転モードで動作し、室温センサ7の検知温度が設定温度より低ければ、暖房運転モードで動作する。
【0043】
空気清浄処理は、様々な方式が適用可能であり、電気集塵方式が適用されてもよいし、ファン方式が適用されてもよい。電気集塵方式では、ほこりを帯電させた空気をフィルタに通し、反対極性に帯電させたフィルタにほこりを吸着させることで、空気中からほこりが除去される。ファン方式では、HEPAフィルタなどの目の細かいフィルタに空気を通し、フィルタでほこりがろ過されることで、空気中からほこりが除去される。あるいは、空気清浄処理は、空気中にイオンを放出する方式が適用されてもよいし、紫外線(UV)を空気調和装置1の筐体内部に照射して除菌する方式が適用されてもよい。
【0044】
空気調和装置1において、室内ユニット10は、生体センサ2、制御部3、風向板4、風向板5、室温センサ7、体表温センサ8に加えて、ファン23、熱交換器22、通風部材6、受信装置94を有する。制御部3は、制御装置80、駆動回路81、駆動回路82、駆動回路83、ファンモータ84、風向板モータ85、風向板モータ86、切替モータ87を含む。室外ユニット100は、ファン123、熱交換器122、四方弁124、圧縮機125、制御部103を有する。制御部103は、制御装置180、駆動回路181、駆動回路182、駆動回路183、ファンモータ184、切替モータ185、モータ186を含む。
【0045】
室内ユニット10において、ファン23は、熱交換器22付近に配される。ファン23は、室内ユニット10の吸い込み口を介して室内RMから吸い込んだ空気を熱交換器22へ導くとともに、熱交換器22で熱交換された空調空気を室内ユニット10の吹き出し口へ導く。制御部3は、駆動回路81でファンモータ84を駆動し、ファン23を回転軸周りに回転させる。制御部3は、ファン23の回転数を変更可能である。
【0046】
熱交換器22は、種々の構成をとり得る。例えば、熱交換器22は、複数のフィンとそれらに接続される冷媒回路(図示せず)とを含む。複数のフィンは、その近くを冷媒回路が通り、冷媒回路に熱的に接触する。熱交換器22は、室内RMから吸い込まれた空気に対して冷媒と熱交換させる。
【0047】
室外ユニット100において、ファン123は、熱交換器122付近に配される。ファン123は、制御部103による制御に応じて、回転する。これにより、ファン123は、外気を吸い込み熱交換器122へ導くとともに、熱交換器122で熱交換された外気を室外ユニット100外へ排出する。制御部103は、駆動回路181でファンモータ184を駆動し、ファン123を回転軸周りに回転させる。制御部3は、制御部103を介して、ファン123の回転数を変更可能である。
【0048】
熱交換器122は、種々の構成をとり得る。例えば、熱交換器122は、複数のフィンとそれらに接続される冷媒回路とを含む。複数のフィンは、その近くを冷媒回路が通り、冷媒回路に熱的に接触する。熱交換器122は、外気に対して冷媒と熱交換させる。
【0049】
四方弁124は、冷媒回路内に配される。四方弁124は、制御部103による制御に応じて、冷媒回路における冷媒の流路を冷房側と暖房側とで切り替え可能である。制御部103は、駆動回路182で切替モータ185を駆動し、四方弁124を冷房側と暖房側とで切り替え可能である。制御部3は、制御部103を介して、四方弁124を冷房側と暖房側とで切り替え可能である。
【0050】
圧縮機125は、冷媒回路内に配される。圧縮機125は、制御部3による制御に応じて、冷媒を圧縮して冷媒回路内に送り出す。制御部103は、駆動回路183でモータ186を駆動し、圧縮機125に冷媒の圧縮のサイクル動作を行わせる。制御部3は、制御部103を介して、圧縮機125の回転数(単位時間当たりの圧縮サイクルの実行回数)を変更可能である。
【0051】
冷房運転及び暖房運転では、圧縮機125の回転数が多いほど(あるいは、駆動周波数が高いほど)、空気調和装置1の運転負荷が高くなり、空気調和装置1の消費電力が大きくなる傾向にある。
【0052】
例えば、空気調和装置1は、制御部3及び制御部103により、(制御モード、運転モード)=(通常制御モード、冷房運転モード)において、四方弁124を冷房側に切り替える。空気調和装置1は、制御部3及び制御部103により、圧縮機125の駆動周波数を操作端末94aで指令された設定温度と室内温度との温度差に基づく第1の駆動周波数に決定する。空気調和装置1は、圧縮機125を第1の駆動周波数で動作するように制御しながら、熱交換器22で吸熱処理を行い、室内RMの空気から冷媒に熱を吸収させ、吸熱された空調空気を室内RMへ吹き出す。あるいは、空気調和装置1は、圧縮機125の回転数を操作端末94aで指令された設定温度に対応する第1の回転数に決定する。空気調和装置1は、圧縮機125を第1の回転数で動作するように制御しながら、熱交換器22で吸熱処理を行い、室内RMの空気から冷媒に熱を吸収させ、吸熱された空調空気を室内RMへ吹き出す。熱交換器122で放熱処理を行い、冷媒に吸収された熱を外気へ放出させる。
【0053】
あるいは、空気調和装置1は、制御部3及び制御部103により、(制御モード、運転モード)=(節電冷房モード、冷房運転モード)において、四方弁124を冷房側に切り替える。空気調和装置1は、制御部3及び制御部103により、圧縮機125の駆動周波数を操作端末94aで指令された設定温度と室内温度との温度差より小さい温度差に基づく第2の駆動周波数に決定する。第2の駆動周波数は、第1の駆動周波数より低い。空気調和装置1は、圧縮機125を第2の駆動周波数で動作するように制御しながら、熱交換器22で吸熱処理を行い、室内RMの空気から冷媒に熱を吸収させ、吸熱された空調空気を室内RMへ吹き出す。あるいは、空気調和装置1は、圧縮機125の回転数を操作端末94aで指令された設定温度より高い温度に対応する第2の回転数に決定する。第2の回転数は、第1の回転数より少ない。空気調和装置1は、圧縮機125を第2の回転数で動作するように制御しながら、熱交換器22で吸熱処理を行い、室内RMの空気から冷媒に熱を吸収させ、吸熱された空調空気を室内RMへ吹き出す。熱交換器122で放熱処理を行い、冷媒に吸収された熱を外気へ放出させる。
【0054】
(制御モード、運転モード)=(節電冷房モード、冷房運転モード)では、(制御モード、運転モード)=(通常制御モード、冷房運転モード)に比べて、より低い駆動周波数で圧縮機125を動作制御するので、空気調和装置1の消費電力をより低減できる。あるいは、より少ない回転数で圧縮機125を動作制御するので、空気調和装置1の消費電力をより低減できる。
【0055】
あるいは、空気調和装置1は、制御部3及び制御部103により、(制御モード、運転モード)=(通常制御モード、暖房運転モード)において、四方弁124を暖房側に切り替える。空気調和装置1は、制御部3及び制御部103により、圧縮機125の駆動周波数を操作端末94aで指令された設定温度と室内温度との温度差に基づく第3の駆動周波数に決定する。空気調和装置1は、圧縮機125を第3の駆動周波数で動作するように制御しながら、熱交換器122で吸熱処理を行い、外気から冷媒に熱を吸収させる。あるいは、空気調和装置1は、圧縮機125の回転数を操作端末94aで指令された設定温度に対応する第3の回転数に決定する。空気調和装置1は、圧縮機125を第3の回転数で動作するように制御しながら、熱交換器122で吸熱処理を行い、外気から冷媒に熱を吸収させる。熱交換器22で加熱処理を行い、冷媒に吸収された熱で室内RMの空気を加熱し、加熱された空調空気を室内RMへ吹き出す。
【0056】
あるいは、空気調和装置1は、制御部3及び制御部103により、(制御モード、運転モード)=(節電暖房モード、暖房運転モード)において、四方弁124を暖房側に切り替える。空気調和装置1は、制御部3及び制御部103により、圧縮機125の駆動周波数を操作端末94aで指令された設定温度と室内温度との温度差より小さい温度差に基づく第4の駆動周波数に決定する。第4の駆動周波数は、第3の駆動周波数より低い。空気調和装置1は、圧縮機125を第4の駆動周波数で動作するように制御しながら、熱交換器122で吸熱処理を行い、外気から冷媒に熱を吸収させる。あるいは、空気調和装置1は、圧縮機125の回転数を操作端末94aで指令された設定温度より低い温度に対応する第4の回転数に決定する。第4の回転数は、第3の回転数より少ない。空気調和装置1は、圧縮機125を第4の回転数で動作するように制御しながら、熱交換器122で吸熱処理を行い、外気から冷媒に熱を吸収させる。熱交換器22で加熱処理を行い、冷媒に吸収された熱で室内RMの空気を加熱し、加熱された空調空気を室内RMへ吹き出す。
【0057】
(制御モード、運転モード)=(節電暖房モード、暖房運転モード)では、(制御モード、運転モード)=(通常制御モード、暖房運転モード)に比べて、より低い駆動周波数で圧縮機125を動作制御するので、空気調和装置1の消費電力をより低減できる。あるいは、より少ない回転数で圧縮機125を動作制御するので、空気調和装置1の消費電力をより低減できる。
【0058】
風向板4,5は、それぞれ、室内RMに吹き出される空調空気の風向を調整する。風向とは、風の向きを意味する。本明細書では、制御部3は直接的に風向板4,5が向く方向を制御するが、風向板4,5が向く方向と室内ユニット10の吹き出し口から吹き出された直後の風の向き(風向)とは、おおむね一致するものとして扱う。すなわち、風向板4,5は、その向きで風向を調整可能であり、制御部3は、風向板4,5の向きを制御することで、風向を制御可能である。なお、複数の風向板4,5は、それぞれ個別にその向きを制御することができる。これにより、室内ユニット10の吹き出し口全体から風向が一方向にそろえられた風を吹き出すこともできるし、室内ユニット10の吹き出し口のうち複数の風向板4,5等で区画される2以上の領域からそれぞれ風向が異なる2以上の風を吹き出すこともできる。
【0059】
風向板4は、閉じ位置と開き位置とで切り替え可能である。風向板4は、閉じ位置に切り替えられた状態で、吹き出し口を閉塞する。風向板4は、開き位置に切り替えられた状態で、吹き出し口を開口する。吹き出し口が開口された状態で、風向板4,5は、室内RMに吹き出される空調空気の風向を調整する。風向板4は、空調空気の風向を上下方向に調整する。風向板5は、空調空気の風向を左右方向に調整する。
【0060】
例えば、風向板4,5は、図2図4に示すように構成され得る。図2は、室内ユニット10の構成を示す断面図であり、風向板4が閉じ位置にある状態を示す。図3は、室内ユニット10の構成及び動作を示す断面図であり、風向板4が開き位置にある状態を示す。図4は、室内ユニット10の構成及び動作を示す斜視図であり、風向板4が開き位置にある状態を示す。以下では、室内ユニット10の長手方向をX方向とし、室内ユニット10の高さ方向をZ方向とし、X方向及びZ方向に垂直な方向をY方向とする。
【0061】
室内ユニット10は、図2図4に示すように、図1に示す構成に加えて、筐体21及びフィルタ24をさらに有する。
【0062】
筐体21は、X方向に延びた略直方体状に形成される。なお、筐体21は、他の形状に形成されてもよい。筐体21は、例えば、室内RMの壁等に架けられる。筐体21は、上面21aと、下面21bとを有する。上面21aは、筐体21の上方向の端部またはその近傍に設けられ、略上方向に向く。下面21bは、筐体21の下方向の端部またはその近傍に設けられ、略下方向に向く。
【0063】
筐体21に、通風路31、吸い込み口32、及び吹き出し口33が設けられる。通風路31は、筐体21の内部に設けられる。吸い込み口32は、例えば、筐体21の上面21aに開口する。吹き出し口33は、例えば、筐体21の下面21bに開口する。吸い込み口32及び吹き出し口33は、筐体21の他の部分に開口してもよい。
【0064】
室内ユニット10は、通風路31に風を通すことができる。風は、空気などの気体の流れである。吸い込み口32は、通風路31の一方の端に設けられ、通風路31を室内ユニット10の外部に連通する。吹き出し口33は、通風路31の他方の端に設けられ、通風路31を室内ユニット10の外部に連通する。言い換えると、通風路31は、筐体21の内部において、吸い込み口32と吹き出し口33との間に設けられる。
【0065】
熱交換器22は、通風路31に設けられる。熱交換器22は、通風路31において周囲の気体と熱交換を行う。これにより、熱交換器22は、冷房運転時に通風路31を流れる風を冷却し、暖房運転時に通風路31を流れる風を加熱する。
【0066】
ファン23は、通風路31に設けられる。ファン23は、X方向に延びる回転軸Axfまわりに回転することで、通風路31において吸い込み口32から吹き出し口33へ風を送る。これにより、室内ユニット10は、吸い込み口32から室内の空気を通風路31へ吸い込み、吹き出し口33から通風路31の空気(風)を吹き出す。このため、本明細書では、通風路31において吸い込み口32に近い側を上流、吹き出し口33に近い側を下流と称する。
【0067】
ファン23は、熱交換器22の下流に位置する。このため、ファン23が風を生じさせると、吸い込み口32から吸い込まれた空気が熱交換器22のフィンを通過する。これにより、通風路31を流れる空気が熱交換器22と熱交換を行う。
【0068】
フィルタ24は、吸い込み口32、または通風路31における吸い込み口32の近傍に設けられる。フィルタ24は、熱交換器22の上流に位置する。フィルタ24は、筐体21の内部から吸い込み口32を覆う。フィルタ24は、例えば、吸い込み口32から吸い込まれた空気を濾過し、当該空気中の塵埃を捕捉する。
【0069】
風向板4は、複数の風向板25A,25Bを含んでもよい。複数の風向板25A,25Bは、それぞれ、空調空気の風向を上下方向に調整する部材であり、上下ルーバーとも呼ばれる。風向板25Aは、空調空気の流路C1を形成し、風向板25Bは、空調空気の流路C2を形成する。複数の風向板25A,25Bは、それぞれ、軸部41と板部42とを有する。
【0070】
軸部41は、X方向に延びる略円柱状に形成される。軸部41は、X方向に延びる回転軸Axlまわりに回転可能に筐体21に支持される。なお、複数の風向板25A,25Bはそれぞれ、個別の回転軸Axlを有する。板部42は、軸部41から回転軸Axlと略直交する方向に突出する。板部42は、X方向に延びる略矩形の板状に形成される。
【0071】
風向板25Aは、回転軸Axlによって支持され、駆動回路82によって風向板モータ85が制御され、閉じ位置Pc1と開き位置Po1との間で移動可能である。風向板25Bは、回転軸Axlによって支持され、駆動回路82によって風向板モータ85が制御され、閉じ位置Pc2と開き位置Po2との間で移動可能である。
【0072】
図2に示すように、風向板25Aは、閉じ位置Pc1に切り替えられた状態で、流路C1の出口となる通風口C1を閉塞する。風向板25Bは、閉じ位置Pc1に切り替えられた状態で、第2の流路の出口となる通風口C2を閉塞する。通風口C1及び通風口C2は、室内ユニット10の吹き出し口33を形成する。
【0073】
図3及び図4に示すように、風向板25Aは、開き位置Po1に切り替えられた状態で、通風口C1を開口する。風向板25Bは、開き位置Po1に切り替えられた状態で、通風口C2を開口する。
【0074】
開き位置Po1は、風向板25A,25Bが吹き出し口33の一部を開放する種々の位置を含む。例えば、開き位置Po1は、図3のように風向板25A,25Bが略水平方向に向く位置と、風向板25A,25Bが下方に向く位置と、これら二つの位置の間の複数の位置とを含む。すなわち、風向板25A,25Bは、略水平方向に向く位置と、下方に向く位置との間で回動可能である。
【0075】
開き位置Po1に位置する風向板25A,25Bは、当該風向板25A,25Bの向きにより、吹き出し口33から放出された風の上下方向(+Z方向・-Z方向)における向きを調整する。すなわち、図3のように風向板25A,25Bが略水平方向に向くことで、室内ユニット10は略水平方向に風を放出する。一方、風向板25A,25Bが下方に向くことで、室内ユニット10は下方向に風を放出する。
【0076】
風向板5は、回転軸Ax2(図示せず)によって支持され、駆動回路82によって風向板モータ86が制御され、-X側端の開き位置と+X側端の開き位置との間で移動可能である。
【0077】
風向板5は、複数の風向板29-1~29-k,29-(k+1)~29-2kを含んでもよい。複数の風向板29-1~29-k,29-(k+1)~29-2kは、それぞれ、空調空気の風向を左右方向(-X方向・+X方向)に調整する部材であり、左右ルーバーとも呼ばれる。なお、-X側の風向板29-1~29-kと+X側の風向板29-(k+1)~29-2kとは、その向きが制御部3により独立に制御可能であってもよい。
【0078】
-X側の風向板29-1~29-kは、共通の回転軸Ax2に連結され、駆動回路82によって風向板モータ86が制御され、-X側端の開き位置と+X側端の開き位置との間で一括して移動可能であってもよい。+X側の風向板29-(k+1)~29-2kは、共通の回転軸Ax2に連結され、駆動回路82によって風向板モータ86が制御され、-X側端の開き位置と+X側端の開き位置との間で一括して移動可能であってもよい。
【0079】
図1に示す生体センサ2は、室内RMにおける生体CRの位置及び速度を検知可能である。生体CRは例えば人であり、その場合、生体センサ2は、人感センサであってもよい。生体センサ2は、例えばレーダーであり、ミリ波レーダー、マイクロ波レーダーなどのドップラーレーダであってもよい。
【0080】
生体センサ2は、送信部2a、受信部2b、信号処理部2cを有する。生体センサ2は、ミリ波・マイクロ波などの電波を信号処理部2cで生成して送信部2aから生体CRに送信し、その反射波を受信部2bで受信して信号処理部2cへ渡す。信号処理部2cは、信号処理の機能がハードウェア的に信号処理回路として実現されてもよい。
【0081】
生体センサ2は、室内ユニット10における任意の位置に設けられるが、室内RMにおける生体CRの位置及び速度を検知しやすい位置に設けられることが望ましい。生体センサ2は、図2図4に破線で示すように、筐体21の+Y側の部分におけるX方向中央近傍の位置に埋め込まれていてもよい。
【0082】
生体センサ2は、信号処理部2cで送信波・受信波の位相差及び方位などから、図5に示すように、生体CRの位置を検知可能である。図5は、生体センサ2(例えば、レーダー)の動作を示す図である。図5では、検知される生体CRの位置が点で示されている。
【0083】
生体センサ2は、制御部3による制御に応じて、対象空間及び対象空間内の生体CRの位置を検知する。生体センサ2は、生体CRに対して周期的に又は連続的に電波を送受信し、生体CRの位置を検知し、検知結果を制御部3へ周期的に又は連続的に供給する。
【0084】
このとき、信号処理部2cにおける信号処理の機能がハードウェア的に信号処理回路として実現されれば、信号処理の機能がソフトウェアで実現される場合に比べて、高速に信号処理を行うことができる。信号処理回路で高速に信号処理が行われることで、送信波・受信波の位相差などから生体CRの位置を検知する処理を高速に行うことができる。これにより、生体CRの現在の位置をほぼリアルタイムに検知でき、生体CRの現在の位置に追従した制御を行うことが容易になる。
【0085】
例えば、生体センサ2は、長さL1、幅W1、面積L1×W1を有する室内RMを検知する。制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、図6(a)に示すように、長さL1、幅W1、面積L1×W1を有する室内RMを対象空間として特定し、空間の識別子SP1を割り当てる。図6は、生体センサ2で検知される情報を示す図であり、図6(a)は、生体センサ2で検知される空間に関する情報を示し、図6(b)は、生体センサ2で検知される生体CRに関する情報を示す。
【0086】
制御部3は、対象空間SP1内に座標を設定する。生体センサ2は、空間の高さをさらに含めた形で対象空間を検知してもよい。この場合、対象空間の体積も検知できる。図5では、特定された対象空間が長方形で示され、横方向座標及び縦方向座標が示されている。生体センサ2は、制御部3による制御に応じて、対象空間SP1内の生体CRの位置を検知する。生体センサ2は、2つの生体CRのそれぞれについて、距離、水平角度、垂直角度を検知する。
【0087】
制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、図6(b)に示すように、2つの生体CRに、それぞれ、生体の識別子ID1,ID2を割り当てる。制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、ID1の生体CRの距離D1、水平角度θ1、垂直角度α1を特定し、ID2の生体CRの距離D2、水平角度θ2、垂直角度α2を特定する。
【0088】
制御部3は、2つの生体CRの距離、水平角度、垂直角度を対象空間内の座標(横方向座標及び縦方向座標)に変換する。制御部3は、図5に点で示すように、2つの生体CRがその座標に存在すると把握する。制御部3は、2つの生体CRのそれぞれについて、移動した場合でも、時間的に連続する検知結果に対して空間的に近い座標が同じ識別子に対応すると判断する。
【0089】
生体センサ2で1つの生体CRが検知される場合、制御部3は、検知された生体CRにロックオンする。生体センサ2で複数の生体CRが検知される場合、制御部3は、所定の条件により、複数の生体CRのうち1つの生体CRを選択し、選択された生体CRにロックオンする。制御部3は、生体センサ2の連続的な検知結果に応じて、ロックオンした生体CRの位置を連続的に認識できる。これにより、制御部3は、ロックオンした生体CRを追跡できる。
【0090】
また、生体センサ2は、生体CRの複数個所の位置をそれぞれ検知できる。制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、空間的に近接する複数の検知位置の集まり毎に生体の識別子を割り当ててもよい。図5の場合、制御部3は、2つの生体CRのそれぞれについて、複数の検知位置の集まりにおける複数の検知位置間の位置関係を特定する。これにより、制御部3は、2つの生体CRのそれぞれについて、その姿勢(例えば、床に座った姿勢、椅子に座った姿勢、立った姿勢、寝た姿勢、うずくまった姿勢など)を把握できる。
【0091】
また、生体センサ2は、図5に示すように、信号処理部2cで送信波・受信波の周波数差(又は、波長差)などから、ドップラー効果により、生体CRの速度を検知可能である。
【0092】
図5の場合、生体センサ2は、2つの生体CRのそれぞれについて、速度をさらに検知する。制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、図6(b)に示すように、ID1の生体CRの速度v1、ID2の生体CRの速度v2を特定する。図5では、制御部3で特定された各生体CRの速度が線の長さで示されている。
【0093】
図1に示す受信装置94は、操作端末94aから指令を受信する。受信装置94は、受信された指令を制御部3へ供給する。制御部3は、指令を制御部103へ転送してもよい。例えば、操作端末94aは、図7に示すように、節電冷房モード又は節電暖房モードの使用を指令するボタンを有してもよい。図7は、操作端末94aの外観構成を示す斜視図であり、操作端末94aがリモートコントローラである場合の構成を例示する。
【0094】
操作端末94aは、生体CRによる操作に適した形状及び寸法を有し、略直方体状の外観を有する。操作端末94aは、その操作面上に複数のボタン及び表示部949を有する。複数のボタンは、例えば、生体センサボタン941、冷房ボタン942、暖房ボタン943、空清ボタン944、温度設定ボタン945、除湿ボタン946、無風感ボタン947、停止ボタン948、節電冷房ボタン9410、節電暖房ボタン9411、節電設定ボタン9412、設定風量ボタン9413を含む。生体センサ2がレーダーである場合、生体センサボタン941はレーダーボタンであってもよい。表示部949は、ディスプレイであってもよいし、表示器であってもよい。ディスプレイは、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイを含む。表示器は、7セグメントLED表示器を含む。
【0095】
操作端末94aは、生体センサボタン941、冷房ボタン942、暖房ボタン943、空清ボタン944、除湿ボタン946、無風感ボタン947、停止ボタン948、節電冷房ボタン9410、節電暖房ボタン9411が押されると、その押下を検知する。操作端末94aは、温度設定ボタン945について、△ボタン又は▽ボタンの押下を検知する。操作端末94aは、風量設定ボタン9413について、△ボタン又は▽ボタンの押下を検知する。操作端末94aは、節電設定ボタン9412について、△ボタン又は▽ボタンの押下を検知する。操作端末94aは、押下を検知すると、押下されたボタンに応じた指令の情報を表示部949に表示するとともに、押下されたボタンに応じた指令を示す信号(例えば、赤外線信号又は無線信号)をその端部から送信する。
【0096】
操作端末94aは、節電冷房ボタン9410を介して、節電冷房モードのオン・オフの指令を受け付け可能であってもよい。
【0097】
操作端末94aは、節電冷房モードのオンを指令するボタンの押下(例えば、節電冷房ボタン9410の押し)を検知すると、節電冷房モードのオンの指令を室内ユニット10へ送信する。受信装置94は、節電冷房モードのオンの指令が受信されると、その指令を制御部3へ供給する。制御部3は、節電冷房モードのオンの指令を制御部103へ転送する。
【0098】
なお、操作端末94aは、節電冷房モードのオンの指令を受け付けた際に、節電冷房モードに関する情報(第1のモードに関する情報)を表示部949に表示してもよい。節電冷房モードに関する情報は、例えば、「節電冷房」等の節電冷房モードを示す文字情報であってもよいし、「節電冷房」を表す図形、記号などの表示オブジェクトであってもよい。
【0099】
また、制御部3が節電冷房モードのオンの指令を制御部103へ転送するのは、制御部3及び制御部103が協働して節電冷房モードの運転を制御するためであるが、空気調和処理を主体的に行うのは制御部3であってもよい。その場合、制御部3が節電冷房モードのオンの指令を制御部103へ転送する処理は省略されてもよい。室外ユニット100は制御部103が省略された構成であってもよい。あるいは、空気調和処理を主体的に行うのは制御部103であってもよい。その場合、室外ユニット100は制御部3が省略された構成であってもよい。受信装置94は、節電冷房モードのオンの指令を直接的に制御部103へ転送してもよい。
【0100】
操作端末94aは、節電冷房モードのオフを指令するボタンの押下(例えば、停止ボタン948の押し又は節電冷房ボタン9410の再押し)を検知すると、節電冷房モードのオフの指令を室内ユニット10へ送信する。受信装置94は、節電冷房モードのオフの指令が受信されると、その指令を制御部3へ供給する。制御部3は、節電冷房モードのオフの指令を制御部103へ転送する。
【0101】
操作端末94aは、節電暖房ボタン9411を介して、節電暖房モードのオン・オフの指令を受け付け可能であってもよい。
【0102】
操作端末94aは、節電暖房モードのオンを指令するボタンの押下(例えば、節電暖房ボタン9411の押し)を検知すると、節電暖房モードのオンの指令を室内ユニット10へ送信する。受信装置94は、節電暖房モードのオンの指令が受信されると、その指令を制御部3へ供給する。制御部3は、節電暖房モードのオンの指令を制御部103へ転送する。
【0103】
なお、操作端末94aは、節電暖房モードのオンの指令を受け付けた際に、節電暖房モードに関する情報(第4のモードに関する情報)を表示部949に表示してもよい。節電暖房モードに関する情報は、例えば、「節電暖房」等の節電暖房モードを示す文字情報であってもよいし、「節電暖房」を表す図形、記号などの表示オブジェクトであってもよい。
【0104】
また、制御部3が節電暖房モードのオンの指令を制御部103へ転送するのは、制御部3及び制御部103が協働して節電暖房モードの運転を制御するためであるが、空気調和処理を主体的に行うのは制御部3であってもよい。その場合、制御部3が節電暖房モードのオンの指令を制御部103へ転送する処理は省略されてもよい。室外ユニット100は制御部103が省略された構成であってもよい。あるいは、空気調和処理を主体的に行うのは制御部103であってもよい。その場合、室外ユニット100は制御部3が省略された構成であってもよい。受信装置94は、節電暖房モードのオンの指令を直接的に制御部103へ転送してもよい。
【0105】
操作端末94aは、節電暖房モードのオフを指令するボタンの押下(例えば、停止ボタン948の押し又は節電暖房ボタン9411の再押し)を検知すると、節電暖房モードのオフの指令を室内ユニット10へ送信する。受信装置94は、節電暖房モードのオフの指令が受信されると、その指令を制御部3へ供給する。制御部3は、節電暖房モードのオフの指令を制御部103へ転送する。
【0106】
操作端末94aは、温度設定ボタン945を介して、設定温度の指令を受け付け可能であってもよい。
【0107】
操作端末94aは、温度設定ボタン945の△ボタンの押下を検知すると、設定温度の値を現在の値から増加させ、増加後の設定温度の値を表示部949に表示させるとともに、増加後の設定温度の指令を室内ユニット10へ送信する。操作端末94aは、温度設定ボタン945の▽ボタンの押下を検知すると、設定温度の値を現在の値から減少させ、減少後の設定温度の値を表示部949に表示させるとともに、減少後の設定温度の指令を室内ユニット10へ送信する。受信装置94は、増加後又は減少後の設定温度の指令が受信されると、その指令を制御部3へ供給する。制御部3は、設定温度の指令を制御部103へ転送してもよい。
【0108】
操作端末94aは、風量設定ボタン9413を介して、設定風量の指令を受け付け可能であってもよい。
【0109】
操作端末94aは、風量設定ボタン9413の△ボタンの押下を検知すると、設定風量の大きさを現在の大きさから大きくし、変更後の設定風量の値を表示部949に表示させるとともに、変更後の設定風量の指令を室内ユニット10へ送信する。操作端末94aは、風量設定ボタン9413の▽ボタンの押下を検知すると、設定風量の大きさを現在の大きさから小さくし、変更後の設定風量の値を表示部949に表示させるとともに、変更後の設定風量の指令を室内ユニット10へ送信する。受信装置94は、設定風量の指令が受信されると、その指令を制御部3へ供給する。制御部3は、設定風量の指令を制御部103へ転送する。
【0110】
制御部3は、室内ユニット10を統括的に制御する。制御部3は、制御モードとして、図8に示すように、追跡制御モード、節電冷房モード、節電暖房モード及び通常制御モードを有する。図8は、空気調和装置1の制御モードを示す状態遷移図である。
【0111】
空気調和装置1の停止中において、操作端末94aが節電冷房モードのオンを指令するボタンの押下(例えば、節電冷房ボタン9410の押し)を検知すると、節電冷房モードのオンの指令が操作端末94aから室内ユニット10に送信される。制御部3は、節電冷房モードのオンの指令を受けると、節電冷房モードのオンの指令に応じて、制御モードを「停止」から節電冷房モードへ遷移させる。
【0112】
空気調和装置1の停止中において、操作端末94aが通常運転のボタン(例えば、冷房ボタン942、暖房ボタン943、空清ボタン944、除湿ボタン946)の押下を検知すると、通常運転の指令が操作端末94aから室内ユニット10に送信される。制御部3は、通常運転の指令を受けると、通常運転の指令に応じて、制御モードを「停止」から通常制御モードへ遷移させる。
【0113】
通常制御モードにおいて、操作端末94aが節電冷房モードのオンを指令するボタンの押下(例えば、節電冷房ボタン9410の押し)を検知すると、節電冷房モードのオンの指令が操作端末94aから室内ユニット10に送信される。制御部3は、節電冷房モードのオンの指令を受けると、節電冷房モードのオンの指令に応じて、制御モードを通常制御モードから節電冷房モードへ遷移させる。
【0114】
節電冷房モードにおいて、操作端末94aが節電冷房モードのオフ及び通常運転オンを指令するボタンの押下(例えば、節電冷房ボタン9410の再押し)を検知すると、節電冷房モードのオフ及び通常運転オンの指令が操作端末94aから室内ユニット10に送信される。制御部3は、節電冷房モードのオフ及び通常運転オンの指令を受けると、節電冷房モードのオフ及び通常運転オンの指令に応じて、制御モードを節電冷房モードから通常制御モードへ遷移させる。
【0115】
なお、節電冷房モードから通常制御モードへの遷移は、所定時間(例えば、2時間)経過をトリガーとして行われてもよい。例えば、制御部3は、所定時間が設定されたタイマ(図示せず)を有してもよい。所定時間は、操作端末94aを介してタイマへ任意に設定可能であってもよい。制御部3は、制御モードが節電冷房モードなると、タイマによる計時を開始する。制御部3は、タイマの時間が所定時間に達すると、節電冷房モードを自動で終了させ、制御モードを節電冷房モードから通常制御モードへ遷移させる。
【0116】
節電冷房モードにおいて、操作端末94aが節電冷房モードのオフ及び運転停止のボタンの押下(例えば、停止ボタン948の押し)を検知すると、節電冷房モードのオフ及び運転停止の指令が操作端末94aから室内ユニット10に送信される。制御部3は、節電冷房モードのオフ及び運転停止の指令に応じて、制御モードを節電冷房モードから「停止」へ遷移させる。
【0117】
通常制御モードにおいて、操作端末94aが節電暖房モードのオンを指令するボタンの押下(例えば、節電暖房ボタン9411の押し)を検知すると、節電暖房モードのオンの指令が操作端末94aから室内ユニット10に送信される。制御部3は、節電暖房モードのオンの指令を受けると、節電暖房モードのオンの指令に応じて、制御モードを通常制御モードから節電暖房モードへ遷移させる。
【0118】
節電暖房モードにおいて、操作端末94aが節電暖房モードのオフ及び通常運転オンを指令するボタンの押下(例えば、節電暖房ボタン9411の再押し)を検知すると、節電暖房モードのオフ及び通常運転オンの指令が操作端末94aから室内ユニット10に送信される。制御部3は、節電暖房モードのオフ及び通常運転オンの指令を受けると、節電暖房モードのオフ及び通常運転オンの指令に応じて、制御モードを節電暖房モードから通常制御モードへ遷移させる。
【0119】
なお、節電暖房モードから通常制御モードへの遷移は、所定時間(例えば、2時間)経過をトリガーとして行われてもよい。例えば、制御部3は、所定時間が設定されたタイマ(図示せず)を有してもよい。所定時間は、操作端末94aを介してタイマへ任意に設定可能であってもよい。制御部3は、制御モードが節電暖房モードなると、タイマによる計時を開始する。制御部3は、タイマの時間が所定時間に達すると、節電暖房モードを自動で終了させ、制御モードを節電暖房モードから通常制御モードへ遷移させる。
【0120】
節電暖房モードにおいて、操作端末94aが節電冷房モードのオフ及び運転停止のボタンの押下(例えば、停止ボタン948の押し)を検知すると、節電冷房モードのオフ及び運転停止の指令が操作端末94aから室内ユニット10に送信される。制御部3は、節電冷房モードのオフ及び運転停止の指令に応じて、制御モードを節電暖房モードから「停止」へ遷移させる。
【0121】
通常制御モードにおいて、操作端末94aが運転停止のボタンの押下(例えば、停止ボタン948の押し)を検知すると、運転停止の指令が操作端末94aから室内ユニット10に送信される。制御部3は、運転停止の指令に応じて、制御モードを通常制御モードから「停止」へ遷移させる。
【0122】
制御部3は、節電冷房モードにおいて、生体センサ2から検知結果を周期的に又は連続的に受ける。制御部3は、節電冷房モードにおいて、室内RMにおける生体CRの位置を追跡しながら、所定の動作を行うように風向板4,5を制御する。それとともに、制御部3及び制御部103は、設定温度より高い目標温度で冷房運転を行うように、冷媒回路を制御する。制御部103は、圧縮機125を設定温度に対応する第1の回転数より少ない第2の回転数で動作するように制御する。
【0123】
所定の動作は、風向板4,5が生体CRの位置に向かう方向に向く動作である。風向板4,5が所定の動作を行うようにする制御部3による制御は、風当て制御とも呼ばれる。節電冷房モード又は追跡制御モードにおいて制御部3が風向板4,5に対して所定の動作を行う制御は、予め、操作端末94aを通じて制御部3に設定されていてもよい。
【0124】
節電冷房モードの風当て制御又は追跡制御モードの風当て制御は、例えば、図9及び図10に示すように行われてもよい。図9は、空気調和装置の室内ユニットの風当て制御を示す上面図であり、図10は、空気調和装置の室内ユニットの風当て制御を示す側面図である。図9(a)~図9(d)は、XY上面視における風当て制御の時間的な推移を例示する。図10(a)~図10(d)は、YZ側面視における風当て制御の時間的な推移を例示する。
【0125】
例えば、図9(a)、図10(a)に示すように、操作端末94aが生体CRにより操作され、節電冷房ボタン9410が押される。これに応じて、節電冷房モードのオンの指令と設定温度の指令とが操作端末94aから室内ユニット10に送信され、室内ユニット10の受信装置94で受信される。室内ユニット10の制御部3は、制御モードを節電冷房モードにし、運転モードを冷房運転モードにする。制御部3は、設定温度より低い目標温度を求める。空気調和装置1は、四方弁124を冷房側に切り替え、ファン23,123を回転し始め、目標温度に対応する回転数で圧縮機125を制御し始める。これにより、空気調和装置1は、室温センサ7で検知される室内RMの温度が目標温度に近付くように冷房運転を行い始める。空気調和装置1は、設定風量で冷房運転を行ってもよい。
【0126】
図9(b)、図10(b)に示すように、室内ユニット10の制御部3は、制御モードが節電冷房モードになったことに応じて、生体センサ2で室内RMの生体CRの位置を検知する。制御部3は、生体センサ2で室内RMにおける1つの生体CRが検知されたことを認識し、追跡対象として生体CRにロックオンする。
【0127】
生体センサ2は、図9(b)に示すように、室内RMにおける-X側且つY方向中央付近の平面位置P12bに生体CRがいることを検知する。また、生体センサ2は、図10(b)に示すように、生体CRが床に座った姿勢であることを検知する。生体センサ2は、検知結果を制御部3へ供給する。図9(b)に示すように、制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、XY上面視で、風向板5が平面位置P12bに向かう方向を向くように制御し、一点鎖線の矢印で示すように空調空気を吹き出させる。
【0128】
図10(b)に示すように、制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、YZ側面視で、風向板4が生体CRに対応する生体CRの高さ位置(例えば、生体CRの顔の位置)P13bに向かう方向を向くように制御し、一点鎖線の矢印で示すように空調空気を吹き出させる。なお、空調空気を吹き出す高さ位置は、例えば、胴体等、生体CRにおける任意の位置に対応して設定可能である。一点鎖線の矢印は、主流となる空調空気の流れを示す。
【0129】
これにより、室内ユニット10から吹き出される風が生体CRに当たるように、その風向が制御され得る。風が生体CRに当たるようにすることで、生体CRの体感温度を効果的に下げることができる。この結果、節電冷房モードの風当て制御においては、目標温度で冷房運転を行いながら、生体CRの体感温度を設定温度に近付けることができる。
【0130】
図9(c)、図10(c)に示すように、室内ユニット10の制御部3は、図9(b)、図10(b)に引き続き、生体センサ2で室内RMの生体CRの位置を検知する。
【0131】
生体センサ2は、図9(c)に示すように、室内RMにおけるX方向中央且つY方向中央付近の平面位置P12cに生体CRがいることを検知する。また、生体センサ2は、図10(c)に示すように、生体CRが椅子に座った姿勢であることを検知する。生体センサ2は、検知結果を制御部3へ供給する。図9(c)に示すように、制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、XY上面視で、風向板5が平面位置P12cに向かう方向を向くように制御し、一点鎖線の矢印で示すように空調空気を吹き出させる。
【0132】
図10(c)に示すように、制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、YZ側面視で、風向板4が生体CRの姿勢に応じた生体CRの高さ位置(例えば、生体CRの顔の位置)P13cに向かう方向を向くように制御し、一点鎖線の矢印で示すように空調空気を吹き出させる。
【0133】
これにより、ロックオンされた生体CRが追跡されながら、室内ユニット10から吹き出される風が生体CRに当たるように、その風向が制御され得る。風が生体CRに当たるようにすることで、生体CRの体感温度を効果的に下げることができる。この結果、節電冷房モードの風当て制御においては、目標温度で冷房運転を行いながら、生体CRの体感温度を設定温度に近付けることができる。
【0134】
図9(d)、図10(d)に示すように、室内ユニット10の制御部3は、図9(c)、図10(c)に引き続き、生体センサ2で室内RMの生体CRの位置を検知する。
【0135】
生体センサ2は、図9(d)に示すように、室内RMにおける+X側且つ+Y側の平面位置P12dに生体CRがいることを検知する。また、生体センサ2は、図10(d)に示すように、生体CRが立った姿勢であることを検知する。生体センサ2は、検知結果を制御部3へ供給する。図9(d)に示すように、制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、XY上面視で、風向板5が平面位置P12dに向かう方向を向くように制御し、一点鎖線の矢印で示すように空調空気を吹き出させる。
【0136】
図10(d)に示すように、制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、YZ側面視で、風向板4が生体CRの姿勢に応じた生体CRの高さ位置(例えば、生体CRの顔の位置)P13dに向かう方向を向くように制御し、一点鎖線の矢印で示すように空調空気を吹き出させる。
【0137】
これにより、ロックオンされた生体CRが追跡されながら、室内ユニット10から吹き出される風が生体CRに当たるように、その風向が制御され得る。風が生体CRに当たるようにすることで、生体CRの体感温度を効果的に下げることができる。この結果、節電冷房モードの風当て制御においては、目標温度で冷房運転を行いながら、生体CRの体感温度を設定温度に近付けることができる。
【0138】
なお、節電冷房モードにおいて、目標温度を設定温度より何度高くするかの補正値は、制御部3及び制御部103に、固定的に設定されていてもよい。例えば、補正値は、+1℃に固定されていてもよい。
【0139】
あるいは、節電冷房モードにおいて、補正値は、操作端末94aを介して、任意に設定可能であっても良い。例えば、補正値は、+1℃~+3℃の範囲で設定可能であっても良い。
【0140】
操作端末94aは、節電設定ボタン9412を介して、節電冷房モードにおける補正値の設定を受け付け可能であってもよい。
【0141】
操作端末94aは、節電設定ボタン9412の△ボタンの押下を検知すると、補正値を現在の値から増加させ、増加後の補正値を表示部949に表示させるとともに、増加後の補正値の指令を室内ユニット10へ送信する。操作端末94aは、温度設定ボタン945の▽ボタンの押下を検知すると、補正値を現在の値から減少させ、減少後の補正値を表示部949に表示させるとともに、減少後の補正値の指令を室内ユニット10へ送信する。受信装置94は、増加後又は減少後の補正値の指令が受信されると、その指令を制御部3へ供給する。制御部3は、設定温度を補正値で補正して目標温度を求めて制御部103へ転送する。制御部3及び制御部103は、目標温度で冷房運転を制御する。
【0142】
これにより、補正値の設定に応じて、節電冷房モードにおける節電レベルが調節され得る。補正値を大きく設定するほど、節電冷房モードにおける節電レベルを大きく調節できる。
【0143】
制御部3は、節電暖房モードにおいて、生体センサ2から検知結果を周期的に又は連続的に受ける。制御部3は、節電暖房モードにおいて、室内RMにおける生体CRの位置を追跡しながら、所定の動作を行うように風向板4,5を制御する。それとともに、制御部3及び制御部103は、設定温度より低い目標温度で暖房運転を行うように、冷媒回路を制御する。制御部103は、圧縮機125を設定温度に対応する第3の回転数より少ない第4の回転数で動作するように制御する。
【0144】
所定の動作は、風向板4,5が生体CRの位置に向かう方向に向く動作である。風向板4,5が所定の動作を行うようにする制御部3による制御は、風当て制御とも呼ばれる。節電暖房モード又は追跡制御モードにおいて制御部3が風向板4,5に対して所定の動作を行う制御は、予め、操作端末94aを通じて制御部3に設定されていてもよい。
【0145】
節電暖房モードの風当て制御又は追跡制御モードの風当て制御は、例えば、図9及び図11に示すように行われてもよい。図11は、空気調和装置の室内ユニットの風当て制御を示す側面図である。図11(a)~図11(d)は、YZ側面視における風当て制御の時間的な推移を例示する。
【0146】
例えば、図9(a)、図11(a)に示すように、操作端末94aが生体CRにより操作され、節電暖房ボタン9411が押される。これに応じて、節電暖房モードのオンの指令と設定温度の指令とが操作端末94aから室内ユニット10に送信され、室内ユニット10の受信装置94で受信される。室内ユニット10の制御部3は、制御モードを節電暖房モードにし、運転モードを暖房運転モードにする。制御部3は、設定温度より高い目標温度を求める。空気調和装置1は、四方弁124を暖房側に切り替え、ファン23,123を回転し始め、目標温度に対応する回転数で圧縮機125を制御し始める。これにより、空気調和装置1は、室温センサ7で検知される室内RMの温度が目標温度に近付くように暖房運転を行い始める。空気調和装置1は、設定風量で暖房運転を行ってもよい。
【0147】
図9(b)、図11(b)に示すように、室内ユニット10の制御部3は、制御モードが節電暖房モードになったことに応じて、生体センサ2で室内RMの生体CRの位置を検知する。制御部3は、生体センサ2で室内RMにおける1つの生体CRが検知されたことを認識し、追跡対象として生体CRにロックオンする。
【0148】
生体センサ2は、図9(b)に示すように、室内RMにおける-X側且つY方向中央付近の平面位置P12bに生体CRがいることを検知する。また、生体センサ2は、図11(b)に示すように、生体CRが床に座った姿勢であることを検知する。生体センサ2は、検知結果を制御部3へ供給する。図9(b)に示すように、制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、XY上面視で、風向板5が平面位置P12bに向かう方向を向くように制御し、一点鎖線の矢印で示すように空調空気を吹き出させる。
【0149】
図11(b)に示すように、制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、YZ側面視で、風向板4が生体CRの姿勢に応じた生体CRの足元の高さ位置P14bに向かう方向を向くように制御し、一点鎖線の矢印で示すように空調空気を吹き出させる。一点鎖線の矢印は、主流となる空調空気の流れを示す。
【0150】
これにより、室内ユニット10から吹き出される風が生体CRの足元に届くように、その風向が制御され得る。風が生体CRの足元に届くようにすることで、生体CRを足元から暖め、生体CRの体感温度を効果的に上げることができる。この結果、節電暖房モードの風当て制御においては、目標温度で暖房運転を行いながら、生体CRの体感温度を設定温度に近付けることができる。
【0151】
図9(c)、図11(c)に示すように、室内ユニット10の制御部3は、図9(b)、図11(b)に引き続き、生体センサ2で室内RMの生体CRの位置を検知する。
【0152】
生体センサ2は、図9(c)に示すように、室内RMにおけるX方向中央且つY方向中央付近の平面位置P12cに生体CRがいることを検知する。また、生体センサ2は、図11(c)に示すように、生体CRが椅子に座った姿勢であることを検知する。生体センサ2は、検知結果を制御部3へ供給する。図9(c)に示すように、制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、XY上面視で、風向板5が平面位置P12cに向かう方向を向くように制御し、一点鎖線の矢印で示すように空調空気を吹き出させる。
【0153】
図11(c)に示すように、制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、YZ側面視で、風向板4が生体CRの姿勢に応じた生体CRの足元の高さ位置P14cに向かう方向を向くように制御し、一点鎖線の矢印で示すように空調空気を吹き出させる。
【0154】
これにより、ロックオンされた生体CRが追跡されながら、室内ユニット10から吹き出される風が生体CRの足元に届くように、その風向が制御され得る。風が生体CRの足元に届くようにすることで、生体CRを足元から暖め、生体CRの体感温度を効果的に上げることができる。この結果、節電暖房モードの風当て制御においては、目標温度で暖房運転を行いながら、生体CRの体感温度を設定温度に近付けることができる。
【0155】
図9(d)、図11(d)に示すように、室内ユニット10の制御部3は、図9(c)、図11(c)に引き続き、生体センサ2で室内RMの生体CRの位置を検知する。
【0156】
生体センサ2は、図9(d)に示すように、室内RMにおける+X側且つ+Y側の平面位置P12dに生体CRがいることを検知する。また、生体センサ2は、図11(d)に示すように、生体CRが立った姿勢であることを検知する。生体センサ2は、検知結果を制御部3へ供給する。図9(d)に示すように、制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、XY上面視で、風向板5が平面位置P12dに向かう方向を向くように制御し、一点鎖線の矢印で示すように空調空気を吹き出させる。
【0157】
図11(d)に示すように、制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、YZ側面視で、風向板4が生体CRの姿勢に応じた生体CRの足元の高さ位置P14dに向かう方向を向くように制御し、一点鎖線の矢印で示すように空調空気を吹き出させる。
【0158】
これにより、ロックオンされた生体CRが追跡されながら、室内ユニット10から吹き出される風が生体CRの足元に届くように、その風向が制御され得る。風が生体CRの足元に届くようにすることで、生体CRを足元から暖め、生体CRの体感温度を効果的に上げることができる。この結果、節電暖房モードの風当て制御においては、目標温度で暖房運転を行いながら、生体CRの体感温度を設定温度に近付けることができる。
【0159】
なお、節電暖房モードにおいて、目標温度を設定温度より何度低くするかの補正値は、制御部3及び制御部103に、固定的に設定されていてもよい。例えば、補正値は、-1℃に固定されていてもよい。
【0160】
あるいは、節電暖房モードにおいて、補正値は、操作端末94aを介して、任意に設定可能であっても良い。例えば、補正値は、-1℃~-3℃の範囲で設定可能であっても良い。
【0161】
操作端末94aは、節電設定ボタン9412を介して、節電暖房モードにおける補正値の設定を受け付け可能であってもよい。
【0162】
操作端末94aは、節電設定ボタン9412の△ボタンの押下を検知すると、補正値を現在の値から増加させ、増加後の補正値を表示部949に表示させるとともに、増加後の補正値の指令を室内ユニット10へ送信する。操作端末94aは、温度設定ボタン945の▽ボタンの押下を検知すると、補正値を現在の値から減少させ、減少後の補正値を表示部949に表示させるとともに、減少後の補正値の指令を室内ユニット10へ送信する。受信装置94は、増加後又は減少後の補正値の指令が受信されると、その指令を制御部3へ供給する。制御部3は、設定温度の指令を制御部103へ転送する。
【0163】
これにより、補正値の設定に応じて、節電暖房モードにおける節電レベルが調節され得る。補正値を小さく(絶対値を大きく)設定するほど、節電暖房モードにおける節電レベルを大きく調節できる。
【0164】
以上のように、実施形態では、例えば、生体センサ2が、室内RMにおける生体CRの位置を検知する。空気調和装置1が、節電冷房モードにおいて、検知される生体CRの位置を追跡しながら、風向板4,5を生体CRの位置に向かう方向に向け、設定温度より高い目標温度で冷房運転を行う。これにより、生体CRが室内RMで移動した場合に、空調空気が生体CRに当たるようにして生体CRの体感温度を効果的に下げることができ、設定温度に相当する負荷より低い負荷で冷房運転を行うことができる。この結果、室内RMに存在する生体CRの快適性を動的に向上でき、空気調和装置1の消費電力を低減できる。
【0165】
なお、実施形態では、室内ユニット10が1つの生体センサ2を有する場合を例示しているが、室内ユニット10は複数の生体センサを有してもよい。この場合、室内ユニット10は複数の生体センサで生体CRの位置を検知するので、位置検出の精度を容易に向上できる。また、実施形態では、節電冷房モードを例示しているが、節電冷房モードと同様の制御を行う節電除湿モード(第1のモード)を備えても良い。すなわち、生体CRの位置に風が向かうように風向板を向け、設定温度より高い目標温度で除湿運転を行うモードを備えても良い。
【0166】
空気調和装置1は、室温センサ7で検知される室内RMの温度が目標温度を含む所定の温度範囲に収まることに応じて、制御モードを節電冷房モードに維持しながら、サーモオフ制御を行い運転モードを送風運転モードにしてもよい。所定の温度範囲は、目標温度に近いと見なせる温度範囲であり、例えば、目標温度-0.5℃以上目標温度+0.5℃以下の温度範囲であってもよい。サーモオフ制御では、圧縮機125が停止され、冷媒回路内の冷媒の循環が停止される。
【0167】
例えば、室内RMの温度が所定の温度範囲に収まる場合、ロックオンされた生体CRが追跡されながら、室内ユニット10から吹き出される風が生体CRに当たるように、その風向が制御され得る。風が生体CRに当たるようにすることで、生体CRの体感温度を効果的に下げることができる。この結果、所定の温度範囲で送風運転を行いながら、生体CRの体感温度を設定温度に近付けることができる。すなわち、空気調和装置1の運転負荷をさらに低減でき、空気調和装置1の消費電力をさらに低減できる。
【0168】
空気調和装置1は、室内RMの温度が所定の温度範囲から外れると、制御モードを節電冷房モードに維持しながら、サーモオフ制御を解除して運連モードを冷房運転モードに戻してもよい。
【0169】
(実施形態の第1の変形例)
節電冷房モードにおける目標温度は、室温センサ7で検知される室内RMの温度と操作端末94aで指令される設定温度との差(温度差)に応じて変化させてもよい。
【0170】
節電冷房モードにおいて、制御部3は、室内温度を示す検知結果を室温センサ7から受け、設定温度の指令を操作端末94aから受ける。制御部3は、室内温度と設定温度との差分を取り、温度差を求める。制御部3は、温度差に応じて、補正値を求める。
【0171】
このとき、制御部3には、図12に示すような節電冷房モード用の補正情報が設定されていてもよい。図12は、実施形態の第1の変形例における節電冷房モード用の補正情報を示す図である。
【0172】
節電冷房モード用の補正情報は、温度差の区分と補正値とが複数の温度差の区分について対応づけられている。図12の場合、温度差が小さくなることに応じて、補正値が段階的に小さくなるように決められている。
【0173】
補正情報を参照することで、制御部3は、節電冷房モードにおいて、室内温度と設定温度との差(温度差)に対応する補正値を求めることができる。制御部3は、操作端末94aで指令される設定温度を受けると、設定温度を補正値で補正して目標温度を求めることができる。
【0174】
図12の場合、温度差がD1以上であれば、補正情報から、補正値が+3℃と求まる。温度差がD2(<D1)以上D1未満であれば、補正情報から、補正値が+2℃と求まる。温度差がD3(<D2)以上D2未満であれば、補正情報から、補正値が+1℃と求まる。温度差が0以上D3未満であれば、補正情報から、補正値が+0.5℃と求まる。
【0175】
例えば、D1=9℃、D2=5℃、D3=3℃であるとする。この場合、室内温度=36℃、設定温度=26℃であれば、温度差=10℃であり、温度差がD1以上未満であるので、図12に示す補正情報から、補正値が+3℃と求まる。制御部3は、設定温度=26℃を補正値=+3℃で補正して、目標温度=26℃+3℃=29℃を求める。
【0176】
あるいは、室内温度=32℃、設定温度=26℃であれば、温度差=6℃であり、温度差がD2以上D1未満であるので、図12に示す補正情報から、補正値が+2℃と求まる。制御部3は、設定温度=26℃を補正値=+2℃で補正して、目標温度=26℃+2℃=28℃を求める。
【0177】
あるいは、室内温度=30℃、設定温度=26℃であれば、温度差=4℃であり、温度差がD3以上D2未満であるので、図12に示す補正情報から、補正値が+1℃と求まる。制御部3は、設定温度=26℃を補正値=+1℃で補正して、目標温度=26℃+1℃=27℃を求める。
【0178】
あるいは、室内温度=28℃、設定温度=26℃であれば、温度差=2℃であり、温度差が0以上D3未満であるので、図12に示す補正情報から、補正値が+0.5℃と求まる。制御部3は、設定温度=26℃を補正値=+0.5℃で補正して、目標温度=26℃+0.5℃=26.5℃を求める。
【0179】
このように、実施形態の第1の変形例では、空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、室内RMの温度と設定温度との差(温度差)に応じて、目標温度を変化させる。例えば、空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、温度差が小さくなることに応じて、補正値を段階的に小さくし、その補正値で設定温度を補正して目標温度を求める。これにより、空調負荷が小さくなることに応じて、目標温度が設定温度に段階的に近くなるようにすることができる。この結果、空気調和装置1の消費電力を低減しながら、生体CRの快適性を段階的に向上できる。
【0180】
(実施形態の第2の変形例)
節電暖房モードにおける目標温度は、室温センサ7で検知される室内RMの温度(室内温度)と操作端末94aで指令される設定温度との差(温度差)に応じて変化させてもよい。
【0181】
節電暖房モードにおいて、制御部3は、室内温度を示す検知結果を室温センサ7から受け、設定温度の指令を操作端末94aから受ける。制御部3は、室内温度と設定温度との差分を取り、温度差を求める。制御部3は、温度差に応じて、補正値を求める。
【0182】
このとき、制御部3には、図13に示すような節電暖房モード用の補正情報が設定されていてもよい。図13は、実施形態の第2の変形例における節電暖房モード用の補正情報を示す図である。
【0183】
節電暖房モード用の補正情報は、温度差の区分と補正値とが複数の温度差の区分について対応づけられている。図13の場合、温度差が小さくなることに応じて、補正値が段階的に大きく(絶対値が小さく)なるように決められている。
【0184】
補正情報を参照することで、制御部3は、節電暖房モードにおいて、室内温度と設定温度との差(温度差)に対応する補正値を求めることができる。制御部3は、操作端末94aで指令される設定温度を受けると、設定温度を補正値で補正して目標温度を求めることができる。
【0185】
図13の場合、温度差がD11以上であれば、補正情報から、補正値が-3℃と求まる。温度差がD12(<D11)以上D11未満であれば、補正情報から、補正値が-2℃と求まる。温度差がD13(<D12)以上D12未満であれば、補正情報から、補正値が-1℃と求まる。温度差が0以上D13未満であれば、補正情報から、補正値が-0.5℃と求まる。
【0186】
例えば、D11=9℃、D12=5℃、D13=3℃であるとする。この場合、室内温度=36℃、設定温度=26℃であれば、温度差=10℃であり、温度差がD11以上未満であるので、図13に示す補正情報から、補正値が-3℃と求まる。制御部3は、設定温度=26℃を補正値=-3℃で補正して、目標温度=26℃-3℃=23℃を求める。
【0187】
あるいは、室内温度=32℃、設定温度=26℃であれば、温度差=6℃であり、温度差がD12以上D11未満であるので、図13に示す補正情報から、補正値が-2℃と求まる。制御部3は、設定温度=26℃を補正値=-2℃で補正して、目標温度=26℃-2℃=24℃を求める。
【0188】
あるいは、室内温度=30℃、設定温度=26℃であれば、温度差=4℃であり、温度差がD13以上D12未満であるので、図13に示す補正情報から、補正値が-1℃と求まる。制御部3は、設定温度=26℃を補正値=-1℃で補正して、目標温度=26℃-1℃=25℃を求める。
【0189】
あるいは、室内温度=28℃、設定温度=26℃であれば、温度差=2℃であり、温度差が0以上D13未満であるので、図13に示す補正情報から、補正値が-0.5℃と求まる。制御部3は、設定温度=26℃を補正値=-0.5℃で補正して、目標温度=26℃-0.5℃=25.5℃を求める。
【0190】
このように、実施形態の第2の変形例では、空気調和装置1は、節電暖房モードにおいて、室内RMの温度と設定温度との差(温度差)に応じて、目標温度を変化させる。例えば、空気調和装置1は、節電暖房モードにおいて、温度差が小さくなることに応じて、補正値を段階的に小さくし、その補正値で設定温度を補正して目標温度を求める。これにより、空調負荷が小さくなることに応じて、目標温度が設定温度に段階的に近くなるようにすることができる。この結果、空気調和装置1の消費電力を低減しながら、生体CRの快適性を段階的に向上できる。
【0191】
(実施形態の第3の変形例)
節電冷房モードにおける目標温度は、生体CRの表面の温度(体表温度)に応じて変化させてもよい。
【0192】
節電冷房モードにおいて、制御部3は、生体CRの位置を示す検知結果を生体センサ2から受ける。制御部3は、室内RMにおける生体CRの位置近傍のエリアの温度スキャンデータを体表温センサ8から受ける。制御部3は、温度スキャンデータにおける生体CRの位置の部分を切り出し、切り出された部分の温度データに応じて体表温度を求める。制御部3は、体表温度に応じて、補正値を求める。
【0193】
このとき、制御部3には、図14に示すような節電冷房モード用の補正情報が設定されていてもよい。図14は、実施形態の第3の変形例における節電冷房モード用の補正情報を示す図である。
【0194】
節電冷房モード用の補正情報は、体表温度の区分と補正値とが複数の体表温度の区分について対応づけられている。図14の場合、体表温度が低くなることに応じて、補正値が段階的に大きくなるように決められている。
【0195】
補正情報を参照することで、制御部3は、節電冷房モードにおいて、体表温度に対応する補正値を求めることができる。制御部3は、操作端末94aで指令される設定温度を受けると、設定温度を補正値で補正して目標温度を求めることができる。
【0196】
図14の場合、体表温度がT1以上であれば、補正情報から、補正値が+1℃と求まる。体表温度がT2(<T1)以上T1未満であれば、補正情報から、補正値が+2℃と求まる。体表温度がT2未満であれば、補正情報から、補正値が+3℃と求まる。
【0197】
このように、実施形態の第3の変形例では、空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、体表温度に応じて、目標温度を変化させる。例えば、空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、体表温度が低くなることに応じて、補正値を段階的に大きくし、その補正値で設定温度を補正して目標温度を求める。これにより、体表温度が低くなることに応じて、目標温度が設定温度から段階的に遠くなるようにすることができる。この結果、生体CRの快適性を維持しながら、空気調和装置1の消費電力を段階的に低減できる。
【0198】
(実施形態の第4の変形例)
節電暖房モードにおける目標温度は、生体CRの表面の温度(体表温度)に応じて変化させてもよい。
【0199】
節電暖房モードにおいて、制御部3は、生体CRの位置を示す検知結果を生体センサ2から受ける。制御部3は、室内RMにおける生体CRの位置近傍のエリアの温度スキャンデータを体表温センサ8から受ける。制御部3は、温度スキャンデータにおける生体CRの位置の部分を切り出し、切り出された部分の温度データに応じて体表温度を求める。制御部3は、体表温度に応じて、補正値を求める。
【0200】
このとき、制御部3には、図15に示すような節電暖房モード用の補正情報が設定されていてもよい。図15は、実施形態の第4の変形例における節電暖房モード用の補正情報を示す図である。
【0201】
節電暖房モード用の補正情報は、体表温度の区分と補正値とが複数の体表温度の区分について対応づけられている。図15の場合、体表温度が高くなることに応じて、補正値が段階的に小さく(絶対値が大きく)なるように決められている。
【0202】
補正情報を参照することで、制御部3は、節電暖房モードにおいて、体表温度に対応する補正値を求めることができる。制御部3は、操作端末94aで指令される設定温度を受けると、設定温度を補正値で補正して目標温度を求めることができる。
【0203】
図15の場合、体表温度がT11以上であれば、補正情報から、補正値が-3℃と求まる。体表温度がT12(<T11)以上T11未満であれば、補正情報から、補正値が-2℃と求まる。体表温度がT12未満であれば、補正情報から、補正値が-1℃と求まる。
【0204】
このように、実施形態の第4の変形例では、空気調和装置1は、節電暖房モードにおいて、体表温度に応じて、目標温度を変化させる。例えば、空気調和装置1は、節電暖房モードにおいて、体表温度が高くなることに応じて、補正値を段階的に小さく(絶対値を大きく)し、その補正値で設定温度を補正して目標温度を求める。これにより、体表温度が高くなることに応じて、目標温度が設定温度から段階的に遠くなるようにすることができる。この結果、生体CRの快適性を維持しながら、空気調和装置1の消費電力を段階的に低減できる。
【0205】
(実施形態の第5の変形例)
節電冷房モードにおける風量は、操作端末94aで指令された設定風量と異なる風量であってもよい。
【0206】
例えば、空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、設定風量より強い目標風量で冷房運転を行ってもよい。
【0207】
節電冷房モードにおいて、制御部3は、設定風量の指令を操作端末94aから受ける。制御部3は、設定風量より強い目標風量を求める。風量が複数段階で設定可能であれば、制御部3は、設定風量の指令で指令された段階数を強い側へ変更し、変更後の段階数を目標風量としてもよい。この変更段階数は、固定的に(例えば、+1段階に)決められてもよい。制御部3は、目標風量に応じた回転数でファン23を回転させる。これにより、空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、設定風量より強い目標風量で冷房運転を行うことができる。
【0208】
あるいは、空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、温度差に応じて決められた目標風量で冷房運転を行ってもよい。
【0209】
節電冷房モードにおいて、制御部3は、室内温度を示す検知結果を室温センサ7から受け、設定温度の指令を操作端末94aから受ける。制御部3は、室内温度と設定温度との差分を取り、温度差を求める。制御部3は、温度差に応じて、基準風量の変更段階数を決める。基準風量は、変更の基準となる風量である。操作端末94aで指令される設定風量を受ける場合、基準風量は、操作端末94aで指令された設定風量であってもよい。操作端末94aで指令される自動風量を受ける場合、基準風量は、複数段階の中央の風量であってもよい。
【0210】
風量が複数段階で設定可能であり、段階数が大きいほど強い風量に対応するとする。制御部3は、温度差が小さくなることに応じて、変更段階数が段階的に小さくなるように決めてもよい。温度差がD1以上であれば、変更段階数が+3段階と決められ、温度差がD2(<D1)以上D1未満であれば、変更段階数が+2段階と決められ、温度差がD2未満であれば、変更段階数が+1段階と決められてもよい。
【0211】
制御部3は、基準風量を変更段階数で変更して目標風量を求めることができる。制御部3は、目標風量に応じた回転数でファン23を回転させる。これにより、空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、温度差に応じて決められた目標風量で冷房運転を行うことができる。
【0212】
あるいは、空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、生体CRまでの距離に応じて決められた目標風量で冷房運転を行ってもよい。
【0213】
節電冷房モードにおいて、制御部3は、生体センサ2の検知結果を受け、検知結果に応じて、生体CRまでの距離を求める。図9(b)、図10(b)に示す場合、制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、生体センサ2から水平位置P12bまでのXY距離と生体センサ2のZ高さ及び位置P13bのZ高さの差分とに応じて、生体CRまでの距離を求める。
【0214】
風量が複数段階で設定可能であり、段階数が大きいほど強い風量に対応するとする。制御部3は、生体CRまでの距離が遠くなることに応じて、変更段階数が段階的に大きくなるように決めてもよい。風速1メートルにつき体感温度が1度下がることを考慮し、制御部3は、生体CRがいる位置で所定の風速以上(例えば1m/s以上)になるように制御してもよい。
【0215】
制御部3は、基準風量を変更段階数で変更して目標風量を求めることができる。制御部3は、目標風量に応じた回転数でファン23を回転させる。これにより、空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、生体CRまでの距離に応じて決められた目標風量で冷房運転を行うことができる。
【0216】
あるいは、空気調和装置1は、生体CRの服装に関する着衣設定を受け付け可能であり、節電冷房モードにおいて、着衣設定に応じて決められた風向及び風量で冷房運転を行ってもよい。すなわち、空気調和装置1は、設定された着衣量に関する情報(着衣量に限らず、着衣量に対応する数字、文字、図形を含む)に応じて決められた風向及び風量で冷房運転を行ってもよい。
【0217】
図7に示す操作端末94aは、節電モード設定画面の呼び出しを指令するボタンの押下(例えば、節電設定ボタン9412の長押し)を検知すると、表示部949に図16(a)に示す節電モード設定画面9491を表示させてもよい。図16は、実施形態の第5の変形例における操作端末の表示部949の動作を示す図である。図16(a)~図16(d)は、節電モード設定画面9491の遷移を示す。節電モード設定画面9491は、節電冷房モード又は節電暖房モードで用いられる情報を設定するための画面である。
【0218】
図16(a)に示す節電モード設定画面9491は、初期画面である。節電モード設定画面9491は、着衣設定欄9492、節電量欄9495を有する。着衣設定欄9492は、上側着衣設定欄9496及び下側着衣設定欄9497を含む。上側着衣設定欄9496は、ボタン9496を含む。ボタン9496には、現在の上側の着衣の設定(例えば、「厚着」)が表示される。下側着衣設定欄9497は、ボタン9497を含む。ボタン9497には、現在の下側の着衣の設定(例えば、「普通」)が表示される。節電量欄9495は、ボタン9498を含む。ボタン9498には、現在の節電量の設定(例えば、「大」)が表示される。
【0219】
図16(a)に示す節電モード設定画面9491が表示部949に表示された状態で、操作端末94aは、節電設定ボタン9412の▽ボタンの押下を検知すると、図16(b)に示す節電モード設定画面9491を表示部949に表示させる。図16(b)に示す節電モード設定画面9491では、ボタン9496の下にドロップダウンメニュー9496aが表示される。ドロップダウンメニュー9496aは、上側着衣設定の候補として、「厚着」、「普通」、「薄着」、「半そで」を含む。図16(b)では、ボタン9496がハイライト表示され選択状態であることが示されるが、操作端末94aは、節電設定ボタン9412の▽ボタンの押下を検知するたびに、ドロップダウンメニュー9496a内の各候補を順次にハイライト表示させ、節電設定ボタン9412の△ボタンの押下を検知するとハイライト表示された候補を選択可能である。ドロップダウンメニュー9496aで「薄着」が選択された場合、操作端末94aは、ボタン9496の表示を、「厚着」から「薄着」へ変化させる。
【0220】
さらに、操作端末94aは、節電設定ボタン9412の▽ボタンの押下を検知すると、図16(c)に示す節電モード設定画面9491を表示部949に表示させる。図16(c)に示す節電モード設定画面9491では、ボタン9497の下にドロップダウンメニュー9497aが表示される。ドロップダウンメニュー9497aは、下側着衣設定の候補として、「厚着」、「普通」、「薄着」、「半ズボン」を含む。図16(c)では、ボタン9497がハイライト表示され選択状態であることが示されるが、操作端末94aは、節電設定ボタン9412の▽ボタンの押下を検知するたびに、ドロップダウンメニュー9497a内の各候補を順次にハイライト表示させ、節電設定ボタン9412の△ボタンの押下を検知するとハイライト表示された候補を選択可能である。ドロップダウンメニュー9497aで「薄着」が選択された場合、操作端末94aは、ボタン9497の表示を、「普通」から「薄着」へ変化させる。
【0221】
さらに、操作端末94aは、節電設定ボタン9412の▽ボタンの押下を検知すると、図16(d)に示す節電モード設定画面9491を表示部949に表示させる。図16(d)に示す節電モード設定画面9491では、ボタン9498の下にドロップダウンメニュー9498aが表示される。ドロップダウンメニュー9498aは、節電量の候補として、「大」、「中」、「小」を含む。図16(d)では、ボタン9498がハイライト表示され選択状態であることが示されるが、操作端末94aは、節電設定ボタン9412の▽ボタンの押下を検知するたびに、ドロップダウンメニュー9497a内の各候補を順次にハイライト表示させ、節電設定ボタン9412の△ボタンの押下を検知するとハイライト表示された候補を選択可能である。ドロップダウンメニュー9498aで「中」が選択された場合、操作端末94aは、ボタン9498の表示を、「大」から「中」へ変化させる。
【0222】
その後、操作端末94aは、節電モード設定画面9491を閉じて、通常の画面を表示部949に表示させる。それとともに、着衣設定欄9492及び節電量欄9495で設定された着衣設定情報及び節電量設定情報が、それぞれ、操作端末94aから受信装置94経由で制御部3へ送信される。
【0223】
節電冷房モードにおいて、制御部3は、着衣設定情報を受けると、着衣設定情報に応じて、風向及び目標風量を決める。制御部3は、節電冷房モードにおいて、生体CRの位置を追跡しながら、風向及び目標風量で冷房運転を行う。
【0224】
例えば、制御部3は、上側着衣設定=「厚着」、下側着衣設定=「厚着」に応じて、風向を生体CRの顔に向かう風向とし、基準風量を強い側へ変更して目標風量とする。基準風量は、変更の基準となる風量である。操作端末94aで指令される設定風量を受ける場合、基準風量は、操作端末94aで指令された設定風量であってもよい。操作端末94aで指令される自動風量を受ける場合、基準風量は、複数段階の中央の風量であってもよい。
【0225】
制御部3は、上側着衣設定=「薄着」、下側着衣設定=「薄着」に応じて、風向を生体CRの顔に向かう風向とし、基準風量を弱い側へ変更して目標風量とする。
【0226】
制御部3は、上側着衣設定=「厚着」、「普通」又は「薄着」、下側着衣設定=「半ズボン」に応じて、風向を生体CRの上半身に向かう風向とし、基準風量を弱い側へ変更して目標風量とする。
【0227】
制御部3は、上側着衣設定=「半そで」、下側着衣設定=「厚着」、「普通」又は「薄着」に応じて、風向を生体CRの下半身に向かう風向とし、基準風量を弱い側へ変更して目標風量とする。
【0228】
このように、空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、着衣設定に応じて決められた風向及び目標風量で冷房運転を行うことができる。
【0229】
なお、着衣設定情報は、自動で生成されてもよい。例えば、室内ユニット10がカメラ(図示せず)を有する場合、制御部3は、生体CRの位置を示す検知結果を生体センサ2から受ける。制御部3は、室内RMにおける生体CRの位置近傍のエリアをカメラで撮像し、生体CRの画像をカメラから取得する。制御部3は、生体CRの画像に対してその服装を自動判別し、判別結果に応じて、着衣設定情報を生成してもよい。
【0230】
節電冷房モードにおいて、さらに、制御部3は、節電量設定情報を受けると、節電量設定情報に応じて、目標温度を決めてもよい。制御部3は、節電冷房モードにおいて、生体CRの位置を追跡しながら、目標温度で冷房運転を行う。
【0231】
制御部3は、節電量=「大」に応じて、補正値=+3℃とし、(設定温度)+3℃=(目標温度)とする。
【0232】
制御部3は、節電量=「中」に応じて、補正値=+2℃とし、(設定温度)+2℃=(目標温度)とする。
【0233】
制御部3は、節電量=「小」に応じて、補正値=+1℃とし、(設定温度)+1℃=(目標温度)とする。
【0234】
また、節電暖房モードにおいて、さらに、制御部3は、節電量設定情報を受けると、節電量設定情報に応じて、目標温度を決めてもよい。制御部3は、節電暖房モードにおいて、生体CRの位置を追跡しながら、目標温度で暖房運転を行う。
【0235】
制御部3は、節電量=「大」に応じて、補正値=-3℃とし、(設定温度)-3℃=(目標温度)とする。
【0236】
制御部3は、節電量=「中」に応じて、補正値=-2℃とし、(設定温度)-2℃=(目標温度)とする。
【0237】
制御部3は、節電量=「小」に応じて、補正値=-1℃とし、(設定温度)-1℃=(目標温度)とする。
【0238】
(実施形態の第6の変形例)
節電冷房モードにおいて、制御部3は、生体センサ2で複数の生体CRが検知される場合に、複数の生体CRのうち所定の条件を満たす生体CRを特定し、特定された生体CRにロックオンして、風当て制御及び節電制御を行ってもよい。風当て制御は、風向板4,5が生体CRの位置に向かう方向に向く動作を行うようにする制御を含む。節電制御は、設定温度より低い目標温度で冷房運転を行うようにする制御を含む。このとき、所定の条件は、図17又は図18に示すような条件であってもよい。図17及び図18は、それぞれ、実施形態の第6の変形例に係る空気調和装置1の室内ユニット10の風当て制御を示す上面図である。
【0239】
図17(a)の場合、室内ユニット10は、節電冷房モードオンの指令が操作端末94aから受信装置94で受信されると、生体センサ2で室内RMの複数の生体CR1~CR3の位置と操作端末94aの位置とを検知する。制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、複数の生体CR1~CR3のうち操作端末94aに空間的に最も近い生体が生体CR1であると特定し、生体CR1にロックオンする。これ以降、図17(b)に示すように、制御部3は、生体CR1を追跡しながら、風当て制御などの制御を行う。
【0240】
なお、制御部3は、複数の生体CR1~CR3のうち操作端末94aに空間的に最も近い生体が入れ替わったら、それに応じて、ロックオンする対象を入れ替えてもよい。例えば、制御部3は、生体CR1にロックオンし生体CR1を追跡している状態で、複数の生体CR1~CR3のうち操作端末94aに空間的に最も近い生体が生体CR2であると特定すると、生体CR1に代えて生体CR2にロックオンする。これ以降、制御部3は、操作端末94aに空間的に最も近い生体が再び入れ替わるまで、生体CR2を追跡しながら、風当て制御などの制御を行う。
【0241】
図17(c)の場合、室内ユニット10は、節電冷房モードオンの指令が操作端末94aから受信装置94で受信されると、生体センサ2で室内RMの複数の生体CR1~CR3の位置と複数の生体CR1~CR3までの距離とを検知する。制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、複数の生体CR1~CR3のうち生体センサ2(又は室内ユニット10)に空間的に最も近い生体が生体CR2であると特定し、生体CR2にロックオンする。これ以降、図17(d)に示すように、制御部3は、生体CR2を追跡しながら、風当て制御などの制御を行う。
【0242】
なお、制御部3は、複数の生体CR1~CR3のうち生体センサ2(又は室内ユニット10)に空間的に最も近い生体が入れ替わったら、それに応じて、ロックオンする対象を入れ替えてもよい。例えば、制御部3は、生体CR2にロックオンし生体CR2を追跡している状態で、複数の生体CR1~CR3のうち生体センサ2(又は室内ユニット10)に空間的に最も近い生体が生体CR1であると特定すると、生体CR2に代えて生体CR1にロックオンする。これ以降、制御部3は、生体センサ2(又は室内ユニット10)に空間的に最も近い生体が再び入れ替わるまで、生体CR1を追跡しながら、風当て制御などの制御を行う。
【0243】
あるいは、制御部3には、節電冷房モードオンの指令に相当する生体センサ2の所定の検知パターンが予め登録されている。室内ユニット10は、生体センサ2で室内における生体のジェスチャーを検知する。制御部3は、検知されるジェスチャーのパターンが所定の検知パターンに一致するか判断し、一致すれば、節電冷房モードオンが指令されたと特定できる。これに応じて、制御部3は、制御モードを節電冷房モードに遷移させることができる。これにより、生体CRが操作端末94aの操作に不慣れな場合でも、節電冷房モードオンを指令することができる。
【0244】
図18(a)の場合、室内ユニット10は、節電冷房モードオンのジェスチャーによる指令が生体センサ2で検知されると、生体センサ2でジェスチャーを行った生体CR1の位置を検知する。制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、ジェスチャーを行った生体CR1にロックオンする。これ以降、図18(b)に示すように、制御部3は、生体CR1を追跡しながら、風当て制御などの制御を行う。
【0245】
図18(c)の場合、室内ユニット10は、節電冷房モードオンの指令が操作端末94aから受信装置94で受信されると、生体センサ2で室内RMの複数の生体CR1~CR3の位置と複数の生体CR1~CR3の運動量とを検知する。運動量は、単位時間当たりの移動量、又は、検知した瞬間の移動速度であってもよい。図18(c)では、各生体CR1~CR3の運動量を、破線で示す位置から実線で示す位置までの距離(破線の矢印で示すような所定時間における移動距離)で示している。制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、複数の生体CR1~CR3のうちに最も運動量が多い生体が生体CR3であると特定し、生体CR3にロックオンする。これ以降、図18(d)に示すように、制御部3は、生体CR3を追跡しながら、風当て制御などの制御を行う。なお、制御部3は、図18(c)に例示する制御以外に、生体センサ2の検知結果に応じて、生体センサ2に近づいてくる生体のうち一番運動量が多い生体にロックオンするように制御してもよい。
【0246】
このように、空気調和装置1は、生体センサ2で複数の生体CR(例えば、生体CR1~CR3)が検知される場合、複数の生体のうち所定の条件を満たす生体を特定できる。空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、風向板4,5をその特定された生体CRの位置に向かう方向に向ける風当て制御を行いながら、設定温度より低い目標温度で冷房運転を行う節電制御を行うことができる。
【0247】
なお、節電暖房モードにおいても、同様に、制御部3は、生体センサ2で複数の生体CRが検知される場合に、複数の生体CRのうち所定の条件を満たす生体CRを特定し、特定された生体CRにロックオンして、風当て制御及び節電制御を行ってもよい。
【0248】
(実施形態の第7の変形例)
節電冷房モードにおいて、制御部3は、生体センサ2で検知される生体CRの数が所定数を超える場合に、節電冷房モードを解除してもよい。例えば、制御部3は、節電冷房モードにおいて、生体センサ2の検知結果を受けると、生体センサ2の検知結果に応じて、生体CRの数を特定できる。制御部3は、特定された生体CRの数を所定数(例えば、4人)と比較し、生体CRの数が所定数を超えていれば、図8に括弧書きで示すように、制御モードを節電冷房モードから通常制御モードへ遷移させる。
【0249】
これにより、空気調和装置1は、節電冷房モードにおいて、生体センサ2で検知される生体CRの数が所定数を超える場合に、節電冷房モードを通常制御モードへ遷移させ、通常制御モードにおいて、設定温度で冷房運転を行うことができる。
【0250】
同様に、節電暖房モードにおいて、制御部3は、生体センサ2で検知される生体CRの数が所定数を超える場合に、節電暖房モードを解除してもよい。例えば、制御部3は、節電暖房モードにおいて、生体センサ2の検知結果を受けると、生体センサ2の検知結果に応じて、生体CRの数を特定できる。制御部3は、特定された生体CRの数を所定数(例えば、4人)と比較し、生体CRの数が所定数を超えていれば、図8に括弧書きで示すように、制御モードを節電暖房モードから通常制御モードへ遷移させる。
【0251】
これにより、空気調和装置1は、節電暖房モードにおいて、生体センサ2で検知される生体CRの数が所定数を超える場合に、節電暖房モードを通常制御モードへ遷移させ、通常制御モードにおいて、設定温度で暖房運転を行うことができる。
【0252】
(実施形態の第8の変形例)
節電冷房モードにおいて、制御部3は、生体センサ2で複数の生体CRが検知される場合、複数の生体CRの方向範囲を特定し、風向板4,5をその方向範囲でスイングさせてもよい。
【0253】
節電冷房モード(第3のモード)において、制御部3は、生体センサ2で複数の生体CRが検知される場合に、複数の生体CRの位置をそれぞれ特定し、複数の生体CRの位置を順次に選択して、風当て制御及び節電制御を行ってもよい。風当て制御は、風向板4,5が生体CRの位置に向かう方向に向く動作を行うようにする制御を含む。複数の生体CRの位置を順次に選択する風当て制御は、風向板4,5を複数の生体CRの方向範囲でスイングさせる制御を含む。節電制御は、設定温度より高い目標温度で冷房運転を行うようにする制御を含む。このとき、風当て制御は、図19に示すような制御であってもよい。図19は、それぞれ、実施形態の第8の変形例に係る空気調和装置1の室内ユニット10の風当て制御を示す上面図である。
【0254】
図19(a)の場合、制御部3は、節電冷房モードオンの指令が操作端末94aから受信装置94で受信されると、生体センサ2で室内RMの複数の生体CR1~CR3の位置と操作端末94aの位置とを検知する。制御部3は、生体センサ2の検知結果に応じて、複数の生体CR1~CR3の位置の選択の順番として、生体CR1→生体CR3→生体CR2→生体CR3→生体CR1を特定する。
【0255】
特定された順番に従って、図19(b)に示すように、制御部3は、生体CR1を選択し、風向板4,5を生体CR1の位置に向かう方向に向ける風当て制御と節電制御とを行う。
【0256】
次に、図19(c)に示すように、制御部3は、生体CR3を選択し、風向板4,5を生体CR3の位置に向かう方向に向ける風当て制御と節電制御とを行う。
【0257】
次に、図19(d)に示すように、制御部3は、生体CR2を選択し、風向板4,5を生体CR2の位置に向かう方向に向ける風当て制御と節電制御とを行う。
【0258】
次に、図19(c)に示すように、制御部3は、生体CR3を選択し、風向板4,5を生体CR3の位置に向かう方向に向ける風当て制御と節電制御とを行う。
【0259】
次に、図19(b)に示すように、制御部3は、生体CR1を選択し、風向板4,5を生体CR3の位置に向かう方向に向ける風当て制御と節電制御とを行う。
【0260】
これ以降、制御部3は、特定された順番に従って複数の生体CR1~CR3の位置を順次に選択して、風当て制御及び節電制御を繰り返し行う。
【0261】
なお、制御部3は、生体センサ2で複数の生体CRが検知される場合に、複数の生体CRのうち風向板5の可動範囲における両端の生体CRの位置を特定し、両端の生体CRの間を方向範囲として、風向板5を方向範囲でスイングさせる風当て制御を行ってもよい。
【0262】
制御部3は、生体センサ2で複数の生体CRが検知され、複数の生体CRのうち一部の生体CRの位置が風向板5の可動範囲外となる場合に、風向板5の可動範囲を方向範囲として、風向板5を方向範囲でスイングさせる風当て制御を行ってもよい。
【0263】
このように、空気調和装置1は、生体センサ2で複数の生体CR(例えば、生体CR1~CR3)が検知される場合、複数の生体CRの方向範囲を特定し、風向板4,5をその方向範囲でスイングさせることができる。
【0264】
なお、空気調和装置1は、節電暖房モードと無風感モードオンとを組み合わせてもよい。例えば、通風部材26は開位置(図3に示す位置)と閉位置(通風部材26をX軸周り回動し吹出口33(第1の流路C1)を通風部材26で塞ぐ位置)とで切り替え可能である。
【0265】
無風感モードオンにおいて、図3に示すように、通風部材26は、閉位置に切り替えられる。通風部材26は、閉位置において、ファン23により送られてくる風が通風口56を通って外部に放出される第1の吹出流路(第1の流路C1)と、通風口56を通らずに第1の吹出流路(第1の流路C1)に隣接して外部に放出される第2の吹出流路(第2の流路C2)を形成できる。つまり、通風部材26は、閉位置に切り替えられた状態で、室内に吹き出される空調空気の流路の一部に挿入され、流路の一部の開口率を変更する。
【0266】
この場合、第1の流路C1の開口率が小さくなったことに応じて、風W2aの流速が早くなる。このため、風W2aは、風W1aを引き込む。これにより、風W1aが風W2aに当たる。また、乱流に遷移した風W2aは拡散することで、当該風W2aに隣接して流れる風W1aに当たる。このように、流速や状態(層流または乱流)が異なる風W1a及び風W2aは、隣り合って流れることで、互いに当たる。すなわち、通風部材26(通風口56)を通過しない風W1aと、通風部材26(通風口56)を通過した風W2aとが互いに干渉する。
【0267】
風W1aと風W2aとが互いに当たることで、例えば、風W1a及び風W2aの塊が砕かれ、乱流である風W2aが風W1aに運ばれる。風W1a及び風W2aは、このような種々の相互作用を生じて、広範囲に拡散する乱流Ws(混合風)を発生させる。その結果、室内機10から放出される乱流Wsは、吹出口33から放出された直後の風よりも自然の風(いわゆる、無風感の風)に近い状態になる。
【0268】
制御部3は、(制御モード、運転モード、補助運転モード)=(節電暖房モード、暖房モード、無風感モードオン)において、生体CRの位置を検知し、生体CRにロックオンし、通風部材26を閉位置に切り替える。制御部3は、生体CRの位置を追跡しながら、風向板4,5を生体CRの足元に向かう方向に向け、目標温度で暖房運転を行うように制御する。
【0269】
これにより、ロックオンされた生体CRが追跡されながら、室内ユニット10から吹き出される風が自然の風(いわゆる、無風感の風)に近い状態で生体CRの足元に届くように、その風向が制御され得る。無風感の風が生体CRの足元に届くようにすることで、生体CRが足元から暖かい無風感の風(拡散された柔らかい風)に包まれるようにでき、生体CRの体感温度を効果的に上げることができる。この結果、節電暖房モードと無風感モードオンとの組み合わせにおいては、目標温度で暖房運転を行いながら、生体CRの体感温度を設定温度に近付けることができる。
【0270】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0271】
1 空気調和装置、 2 生体センサ、 3 制御部、 4,5 風向板、7 室温センサ、8 体表温センサ、 10 室内ユニット、 22 熱交換器、 23 ファン、 94a,194a 操作端末、122 熱交換器、 125 圧縮機
【要約】
【課題】本開示は、消費電力を低減できる空気調和装置を提供する。
【解決手段】本発明の一つの実施形態に係る空気調和装置は、室内ユニットと制御部とを有する。制御部は、ユーザーが設定した設定温度で空調運転を実行させる。室内ユニットは、風向板と生体センサとを有する。風向板は、室内に吹き出される空調空気の風向を調整する。生体センサは、室内における生体の位置を検知する。制御部は、第1のモードにおいて、生体センサで検知される生体の位置に風が向かうように風向板を向け、設定温度より高い目標温度で冷房運転又は除湿運転を行うように制御する。
【選択図】図1
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