(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】部品パッケージング基板構造及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20241218BHJP
H05K 3/18 20060101ALI20241218BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L23/12 N
H05K3/18 G
H05K3/46 E
H05K3/46 G
H05K3/46 N
H05K3/46 Q
(21)【出願番号】P 2023184391
(22)【出願日】2023-10-27
【審査請求日】2023-10-27
(31)【優先権主張番号】202211542879.3
(32)【優先日】2022-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【氏名又は名称】中島 彩夏
(74)【代理人】
【識別番号】100231647
【氏名又は名称】千種 美也子
(72)【発明者】
【氏名】シャンミン チェン
(72)【発明者】
【氏名】シャオウェイ シュウ
(72)【発明者】
【氏名】ジュチェン ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ベンシア ホアン
【審査官】木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-123797(JP,A)
【文献】特開2011-061052(JP,A)
【文献】特開2011-216635(JP,A)
【文献】特開2022-173930(JP,A)
【文献】特開2015-082516(JP,A)
【文献】特開2010-103518(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0015060(KR,A)
【文献】特開平05-335749(JP,A)
【文献】特開2018-78165(JP,A)
【文献】特開2011-014728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12 -23/15
H01L 23/498
H01L 23/52 -23/538
H05K 3/46
H05K 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品パッケージング基板構造の作製方法であって、
第1仮載置板を提供することと、
前記第1仮載置板に部品を貼り合わせることと、
前記第1仮載置板に第1媒体層を付与して、前記部品を前記第1媒体層に埋め込むことと、
前記第1媒体層に第2仮載置板を付与することと、
前記第1仮載置板を取り除いて、前記部品の端子面及び前記第1媒体層の第1表面を露出させることと、
前記第1表面に、前記部品の端子に接続される接続パッドを形成させることであって、前記接続パッドはアニュラリング構造を含むことと、
前記第1表面に第2媒体層をラミネートし、前記第2媒体層に回路基板をラミネートすることであって、前記回路基板の第2媒体層を貼り合わせた表面に回路層が含まれることと、
前記第2仮載置板を取り除いて、前記第1媒体層の第2表面を露出させることと、
前記第2表面に穴をあけて段付き穴を形成させることであって、前記段付き穴は、前記第1媒体層を貫通する第1ビアホールと、前記接続パッドのアニュラリング構造の開口部と、前記第2媒体層を貫通する第2ビアホールとを含み、前記第1ビアホール、前記開口部及び前記第2ビアホールによって前記回路層を露出させることと、
前記段付き穴に電気メッキを施してビアピラーを形成させることであって、前記ビアピラーは前記接続パッドと前記回路層を導通させることとを含むことを特徴とする部品パッケージング基板構造の作製方法。
【請求項2】
前記第1媒体層に、前記ビアピラーに接続されるパッドを形成させることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1ビアホール内の一部のビアピラーを除去することをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1表面に、前記部品の端子に接続される接続パッドを形成させることは、
前記第1表面に金属シード層を形成させることと、
前記金属シード層に、接続パッドを作製するためのウィンドウ付きパターンを形成させることと、
前記ウィンドウ付きパターン内に電気メッキを施して前記接続パッドを形成させることとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記回路基板は、少なくとも1層の回路層を備える多層基板であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1仮載置板に部品を貼り合わせることは、
前記第1仮載置板に粘着フィルムを形成させることと、
前記粘着フィルムにおける所定の位置に前記部品を貼り合わせ、前記部品の端子面を前記粘着フィルムに貼り合わせることとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2仮載置板は、支持板と、前記支持板上の第2金属層と、前記第2金属層に物理的に圧着される第1金属層とを含み、前記第1金属層は前記第1媒体層に積層されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1金属層及び前記第2金属層は、銅層を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記支持板は、樹脂、アルミニウム、ステンレス鋼又は銅から選ばれることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
部品パッケージング基板構造であって、
表面が回路層を備える回路基板と、
第2媒体層であって、前記回路基板の前記回路層に設けられ、前記第2媒体層を貫通し前記回路層を露出させる第2ビアホールを備える第2媒体層と、
部品であって、前記部品の端子面は前記第2媒体層を向き、前記端子面には前記部品の端子に接続される接続パッドが設けられ、前記接続パッドは、開口部を備えるアニュラリング構造を含み、前記開口部は前記第2ビアホールを露出させる部品と、
前記第2媒体層に設けられ且つ前記部品を埋め込む第1媒体層であって、前記第1媒体層を貫通し前記開口部を露出させる第1ビアホールを備える第1媒体層と、
少なくとも、前記第2ビアホール及び前記接続パッドの開口部を充填することにより、前記接続パッドと前記回路層を導通させるビアピラーとを含むことを特徴とする部品パッケージング基板構造。
【請求項11】
前記第1媒体層に、前記ビアピラーに接続されるパッドが形成されることを特徴とする請求項10に記載の部品パッケージング基板構造。
【請求項12】
前記回路基板は、少なくとも1層の回路層を備える多層基板を含むことを特徴とする請求項10に記載の部品パッケージング基板構造。
【請求項13】
前記第1ビアホール、前記接続パッドの開口部及び前記第2ビアホールは、同軸に設けられることを特徴とする請求項10に記載の部品パッケージング基板構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、半導体パッケージングの技術分野に関し、特に、部品パッケージング基板構造及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術が日増しに発展するのにつれて、電子製品の性能要件はますます高度化し、サイズは、ますます小型化、薄型化を求めるようになるため、チップなどの電子部品、パッケージング基板及びパッケージング構造の高密度集積化、小型化は必然的な趨勢となっている。
【0003】
従来の技術的解決手段では、パッケージング基板において部品がパッケージング材料に埋め込まれ、一般には、部品をキャビティ(Cavity)の中に実装してから、パッケージング及びビルドアップを行う。しかしながらキャビティの作製方法とそのプロセスは比較的複雑であり、特に、サイズの小さいキャビティを作製する場合には、パターン転写による銅ピラーエッチングの方式が必要であるため、プロセスはさらに複雑になり、工程コストと加工の時間を大幅に増やしてしまう。また、部品を埋め込んでからビルドアップするという方式では、外側基板の回路が廃棄されるため部品の損失を引き起こし、製造コストを大幅に増やしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本願の目的は、部品パッケージング基板構造及びその作製方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的から、本願は、
第1仮載置板を提供することと、
前記第1仮載置板に部品を貼り合わせることと、
前記第1仮載置板の部品を貼り合わせた面に第1媒体層を付与して、前記部品を前記第1媒体層に埋め込むことと、
前記第1媒体層に第2仮載置板を付与することと、
前記第1仮載置板を取り除いて、前記部品の端子面及び前記第1媒体層の第1表面を露出させることと、
前記第1表面に、前記部品の端子に接続される接続パッドを形成させることであって、前記接続パッドはアニュラリング構造を含むことと、
前記第1表面に第2媒体層をラミネートし、前記第2媒体層に回路基板をラミネートすることであって、前記回路基板の前記第2媒体層にラミネートされた表面に回路層が含まれることと、
前記第2仮載置板を取り除いて、前記第1媒体層の第2表面を露出させることと、
前記第2表面に穴をあけて段付き穴を形成させることであって、前記段付き穴は、前記第1媒体層を貫通する第1ビアホールと、前記接続パッドのアニュラリング構造の開口部と、前記第2媒体層を貫通する第2ビアホールとを含み、前記第1ビアホール、前記第2ビアホール及び前記開口部は、前記回路層が露出するように同軸に設けられることと、
前記段付き穴に電気メッキを施してビアピラーを形成させることであって、前記ビアピラーは前記接続パッドと前記回路層を導通させることとを含む、部品パッケージング基板構造の作製方法を提供する。
【0006】
本願の実施例は、また、
表面が回路層を備える回路基板と、
第2媒体層であって、前記回路基板の前記回路層に設けられ、前記第2媒体層を貫通し前記回路層を露出させる第2ビアホールを備える第2媒体層と、
部品であって、前記部品の端子面は前記第2媒体層を向き、前記端子面には前記部品の端子に接続される接続パッドが設けられ、前記接続パッドは、開口部を備えるアニュラリング構造を含み、前記開口部は前記第2ビアホールを露出させる部品と、
前記第2媒体層に設けられ且つ前記部品を埋め込む第1媒体層であって、前記第1媒体層を貫通し前記開口部を露出させる第1ビアホールを備える第1媒体層と、
少なくとも、前記第2ビアホール及び前記接続パッドの開口部を充填することにより、前記接続パッドと前記回路層を導通させるビアピラーとを含む、部品パッケージング基板構造を提供する。
【0007】
前記部品パッケージング基板構造は、本発明に記載の作製方法で製造されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
以上の記載から分かるように、本願によって提供される部品パッケージング基板構造及びその作製方法は、基板回路を完成させてから部品を埋め込んでもよいため、部品埋込工程を後に置くことができ、段付き穴を形成させることにより部品と基板回路との導通を後に置くことを実現し、基板回路の不良による部品の廃棄を避けて、部品パッケージングの良品率を向上させ、部品パッケージング工程のコストをある程度削減し、加工の時間を短縮させることができ、外側基板の回路品質検査を行ってから部品を埋め込んでもよいため、基板回路の不良による部品の廃棄の問題が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下、本願又は関連技術における技術的解決手段をより明瞭に説明するために、実施例又は関連技術の説明で使用する図面を簡単に紹介する。言うまでもないが、以下に説明される図面は本願の実施例に過ぎず、当業者は、新規性のある作業をすることなく、これらの図面から他の図面を得ることができる。
【
図1】
図1は、本願の実施例の例示的な部品パッケージング基板構造の一構造の断面模式図である。
【
図2】
図2は、本願の実施例の例示的な部品パッケージング基板構造の別の構造の模式図である。
【
図3(a)】
図3(a)は、本願の実施例の部品パッケージング基板構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(b)】
図3(b)は、本願の実施例の部品パッケージング基板構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(c)】
図3(c)は、本願の実施例の部品パッケージング基板構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(d)】
図3(d)は、本願の実施例の部品パッケージング基板構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(e)】
図3(e)は、本願の実施例の部品パッケージング基板構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(f)】
図3(f)は、本願の実施例の部品パッケージング基板構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(g)】
図3(g)は、本願の実施例の部品パッケージング基板構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(h)】
図3(h)は、本願の実施例の部品パッケージング基板構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(i)】
図3(i)は、本願の実施例の部品パッケージング基板構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(j)】
図3(j)は、本願の実施例の部品パッケージング基板構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(k)】
図3(k)は、本願の実施例の部品パッケージング基板構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【
図3(l)】
図3(l)は、本願の実施例の部品パッケージング基板構造の製造方法の各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の目的、技術的解決手段及び利点が一層明瞭になるように、特定の実施例を用い、図面を参照して、本願をより詳細に説明する。
【0011】
なお、特に定義がない限り、本願の実施例で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解している一般的な意味を有する。本願の実施例で使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、順番、数量又は重要度を一切表さず、異なる構成部分を区別するために使用される。「含む」又はこれに類似する用語は、当該用語より先に現れる素子又は物体が、当該用語の後ろに列挙される素子又は物体及びその同等なものをカバーし、ただし他の素子又は物体は除外しないことを意味する。「接続」又はこれに類似する用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接なのか間接なのかを問わず電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対的な位置関係だけを表すために使用され、説明対象の絶対的な位置が変わると、当該相対的な位置関係はこれに応じて変わる可能性がある。
【0012】
半導体パッケージングの技術的解決手段として、最も一般的なのは、ブラインドキャビティ(Cavity)、又はスルーキャビティ(Cavity)を作製し、次に、部品をキャビティ(Cavity)内に実装し、パッケージング及びビルドアップを行うことである。当該方式では部品が一般に最内側に置かれ、外側の廃棄は直接内側の埋込部品の損失を引き起こし、特に、埋込チップの集積度がますます高くなると、基板回路の良品率の低下は埋込部品の廃棄によりコストを増やす。他方では、キャビティ(Cavity)の作製自体はプロセスが複雑であり、パッケージングプロセス全体の工程コストを増やし加工の時間を長くする。したがって、従来の技術的解決手段では、工程コストは高く加工の時間は長く、且つ外側基板の回路の廃棄が部品の廃棄を引き起こすなどの問題がある。
【0013】
これに鑑みて、本願の実施例は、部品パッケージング基板構造及びその作製方法を提供し、外側基板の回路を完成させてから部品を埋め込むことにより、部品埋込工程を後に置き、段付き穴を形成させることにより部品と基板回路との導通を後に置くことを実現し、基板回路の不良による部品の廃棄を避けて、部品パッケージングの良品率を向上させ、部品パッケージング工程のコストをある程度削減し、加工の時間を短縮させることができ、外側基板の回路品質検査を行ってから部品を埋め込んでもよいため、基板回路の不良による部品の廃棄の問題が解決される。
【0014】
図1は、本願の実施例の例示的な部品パッケージング基板構造の模式図を示す。
【0015】
図面に示されるとおり、本願の実施例によって提供される部品パッケージング基板構造は、回路基板100と、第2媒体層200と、部品300と、第1媒体層400とを含んでもよい。
【0016】
回路基板100は、少なくとも1層の回路層を含む。回路層は、少なくとも前記回路基板100の前記部品300に近い側の表面に設けられることが理解できるだろう。回路層の数量は、実際の使用上のニーズに応じて具体的に設定することができる。例えば、回路層は、それぞれ、回路基板100の部品300から遠い側(即ち、回路基板100の下面)、回路基板100の部品300に近い側(即ち、回路基板100の上面)に設けられる第1回路層110及び第2回路層120を含んでもよい。一部の実施例では、
図1に示されるとおり、回路層は、第1回路層110と第2回路層120との間に設けられる第3回路層130をさらに含んでもよい。回路基板100は、複数の回路層を備える多層基板であってもよい。隣り合う2層の回路層の間には対応する層間ビアピラー140が設けられてもよいということを理解されたい。層間ビアピラー140の数量は、1つ又は複数と設定することができ、ニーズに応じて決定すればよい。
【0017】
第2媒体層200は、前記回路基板100の回路層を備える側(例えば、回路基板100の上面)に設けられてもよい。
図3(l)に示されるとおり、第2媒体層200は、第2媒体層200を貫通し回路基板100上の第2回路層120を露出させる第2ビアホール210を備える。
【0018】
第2ビアホール210の数量は、部品300の接続パッド310のアニュラリング構造311の数量に対応してもよく、例えば、2つと設定する。第2ビアホール210の設置位置は、それぞれ、回路基板100の回路層の間の対応する層間ビアピラー140の位置に対応してもよい。前記第2ビアホール210の孔径は、前記アニュラリング構造311の開口部312の直径と同じでもよい。
【0019】
部品300は、第2媒体層200を向く端子面を備え、前記端子面には部品300の端子に接続される接続パッド310が設けられ、
図3(e)及び
図3(f)に示されるとおり、接続パッド310は、開口部312を備えるアニュラリング構造311を含み、開口部312は、第2ビアホール210(
図3(l)を参照)及び回路基板100の第2回路層120を露出させる。接続パッド310のアニュラリング構造311の数量は、第2ビアホール210の数量に対応してもよい。アニュラリング構造311の開口部312と第2ビアホール210は同軸に設けられてもよい。
【0020】
第1媒体層400は第2媒体層200に設けられ、第1媒体層400は部品300を覆って部品300を第1媒体層400内に埋め込む。第1媒体層400は、第1媒体層400を貫通し接続パッド310のアニュラリング構造311の開口部312を露出させる第1ビアホール410を備える(
図3(k)を参照)。第1ビアホール410は、アニュラリング構造311の開口部312及び第2ビアホール210と同軸に設けられてもよい。第1ビアホール410の孔径は、アニュラリング構造311の開口部312の孔径より大きくてもよい。これにより、第1ビアホール410と開口部312と第2ビアホール210が縦方向において段付き穴530を形成させて(
図3(i)を参照)、部品300と回路基板100を連通する通路が形成される。第1媒体層400は、部品300のパッケージング層であってもよい。
【0021】
段付き穴530を充填することによりビアピラー500bを形成させ、ビアピラー500bが少なくとも第2ビアホール210及び開口部312を貫通することにより、接続パッド310は、ビアピラー500bによって回路基板100の回路層と導通することができる。
【0022】
本願の実施例によって提供される部品パッケージング基板構造は、アニュラリング構造311を備える接続パッド310を設けることにより、回路基板100(即ち、基板)を完成させてから部品300を埋め込む場合でも、接続パッド310と回路層を導通させるビアピラー500bを形成させることができ、これにより部品300の埋込工程を後に置くことができ、部品パッケージング工程のコストをある程度削減し、加工の時間を短縮させることができ、基板回路の不良による部品の廃棄の問題が解決される。
【0023】
一部の実施例では、
図1に示されるとおり、ビアピラーは、第1ビアホール410、開口部312及び第2ビアホール210を充填することができ、即ち、第1媒体層400、アニュラリング構造311及び第2媒体層200を通る。第1媒体層400に、ビアピラー500bに接続されるウィンドウ付きパッド510を形成させてもよい。
【0024】
一部の実施例では、ビアピラー500bは第2ビアホール及び接続パッド310のアニュラリング構造311の開口部312だけを充填し、第1媒体層400にウィンドウ付きパッド510を形成させなくてもよく、ビアピラー500bだけによって内側回路の導通を実現してもよい。
図2に示されるとおり、ビアピラー500bの上面は、第2媒体層の上面より高くてもよい。また一部の実施例では、ビアピラー500bの上面は第2媒体層の上面に揃ってもよい。
【0025】
一部の実施例では、第1媒体層400の厚さは第2媒体層200の厚さより大きくてもよく、これにより部品をよりよく包み込んで、「プラスチックパッケージ」のような機能を実現する。
【0026】
第1媒体層400及び/又は第2媒体層200は、樹脂フィルム又は液体パッケージング材料などであってもよく、例えば、RCC、RCF又はABFなどである。
【0027】
本実施形態において言及されるビアピラー500b/層間ビアピラー140は、貫通ビアホールを有する銅ピラーを少なくとも1つ、IOチャネルとして含んでもよく、これによって層間の導通を実現し、貫通ビアホールを有する複数の銅ピラーのサイズ及び/又は形状は、同じでもよいし、異なってもよく、貫通ビアホールを有する銅ピラーは、中実の銅ピラーであってもよいし、表面に銅メッキが施された中空ピラーであってもよい。
【0028】
なお、上記で本願の一部の実施例を説明している。他の実施例は特許請求の範囲に含まれる。
【0029】
図3(a)~
図3(l)が参照されるとおり、
図1の部品パッケージング基板構造の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図が示される。
【0030】
前記製造方法は、以下のステップを含む。
図3(a)に示されるとおり、第1仮載置板600を提供する-ステップ(a)。第1仮載置板600の素材は限定されず、ニーズに応じて具体的に選ぶことができる。例えば、金属アルのミニウム、銅、ステンレス鋼又はFR4樹脂材料などを選ぶことができる。
【0031】
続いて、
図3(b)に示されるとおり、第1仮載置板600に部品300を貼り合わせる-ステップ(b)。一般に、第1仮載置板600の表面に粘着フィルム610を形成させてから部品300を貼り合わせてもよい。
【0032】
一般に、第1仮載置板600に部品300を貼り合わせることは、具体的には、以下のサブステップを含んでもよい。
(b1)第1仮載置板600に粘着フィルム610を形成させる。一般に、コーティング又はフィルムプレスの方式で第1仮載置板600の片側において作製して1層の粘着フィルム610を形成させてもよい。粘着フィルム610の素材は、両面テープ又は粘着樹脂フィルムなどであってもよい。
【0033】
(b2)粘着フィルム610における所定の位置に部品300を貼り合わせ、部品300の端子面を粘着フィルム610に貼り合わせて部品300を固定して位置ずれを防ぐ。一般に、位置合わせにより部品300を第1仮載置板600の所定の位置に貼り合わせてもよく、これにより粘着フィルム610によって部品を第1仮載置板600の表面に仮固定することができる。
【0034】
次に、
図3(c)に示されるとおり、部品300の表面に第1媒体層400及び第2仮載置板700をラミネートする-ステップ(c)。一般に、当該ステップは以下のサブステップを含んでもよい。
(c
1)部品300の表面に第1媒体層400をラミネートする。一般に、第1仮載置板600の部品300を貼り合わせた表面に絶縁層を重ね、圧着した後に第1媒体層400を形成させ、部品に対してパッケージングによる保護を行う。第1媒体層400としては、樹脂フィルム又は液体パッケージング材料などを選ぶことができ、例えば、RCC、RCF又はABFなどである。一部の実施例では、第1媒体層400の厚さが部品300の厚さを超えており、部品300を第1媒体層400内に埋め込むことができる。
【0035】
(c2)第1媒体層400の表面に第2仮載置板700をラミネートし、第2仮載置板700は、支持板710と、支持板710に順次積層される第2銅層720及び第1銅層730とを含む。一般に、第1銅層730は第1媒体層400に貼り合わされる。第2仮載置板700は、第1仮載置板600を分離させた後にパッケージングされた部品300を支持するために用いることができる。第2仮載置板700の素材は、金属のアルミニウム、銅、ステンレス鋼又はFR4樹脂などの材料を選ぶことができる。第1銅層730と第2銅層720を物理的な圧着で結合させることができ、これにより第1銅層730と第2銅層720を簡単に分離させて、第2仮載置板700を取り除くことができる。
【0036】
続いて、
図3(d)に示されるとおり、第1仮載置板600を取り除いて、部品300の端子面及び第1媒体層400の第1表面を露出させる-ステップ(d)。一般に、セパレーターによって第1仮載置板600及び粘着フィルム610を除去することができる。
【0037】
次に、
図3(e)に示されるとおり、前記第1表面に、部品300の端子に接続される接続パッド310を形成させ、接続パッド310は、アニュラリング構造311を備える-ステップ(e)。一般に、接続パッド310を形成させるプロセスは、シード層の作製-回路パターンの作製-回路パターンの電気メッキ-フィルム剥離-エッチングであってもよく、以下のサブステップを含む。
(e
1)前記第1表面に金属シード層を形成させる。一般に、スパッタリングプロセスにより金属シード層を形成させることができる。金属シード層の素材については、具体的に限定せず、実際のニーズに応じて決定することができ、一般には、チタン又は銅又はチタン銅であってもよい。
【0038】
(e2)金属シード層の表面に、接続パッド310を作製するためのウィンドウ付きパターンを形成させる。一般に、金属シード層の表面にフォトレジスト層を付与することによってウィンドウ付きパターンを作製することができる。
【0039】
(e
3)Aの部分に示されるとおり、ウィンドウ付きパターン内に電気メッキを施して接続パッド310を形成させる。接続パッド310はアニュラリング構造311を備え、アニュラリング構造311は開口部312を備え、その拡大後の断面図は
図3(f)に示すとおりである。開口部312は、アニュラリング構造311の中心部に設けられてもよく、即ち、接続パッド310の中心は開口部312を備え、これによりフリップチップのI/O接続端子の接続パッド310(即ち、ピンファンアウト回路)と後の回路基板100の回路層(即ち、基板の回路層)の接続を満たすことができる。接続パッド310の開口部312は、レーザー孔径のサイズ要件に従って設計することができる。
【0040】
(e4)フォトレジスト層に対してフィルム剥離処理を行って、フォトレジスト層を取り除く。
【0041】
(e5)エッチング処理。
【0042】
続いて、
図3(g)に示されるとおり、回路基板100を作製する-ステップ(f)。又は、前記ステップ(a)~ステップ(e)のいずれかのステップの前に回路基板100を形成させる。回路基板100は、少なくとも、表面が少なくとも1層の回路層を含む。回路層は少なくとも回路基板100の部品300に近い側の表面に設けられ、これによって部品300と導通して相互接続することが理解できるだろう。回路層の数量は、実際の使用上のニーズに応じて具体的に設定することができる。例えば、回路層は、それぞれ、回路基板100の部品300から遠い側(即ち、回路基板100の下面)、回路基板100の部品300に近い側(即ち、回路基板100の上面)に設けられる第1回路層110及び第2回路層120を含んでもよい。一部の実施例では、
図3(g)に示されるとおり、回路層は、第1回路層110と第2回路層120との間に設けられる第3回路層130をさらに含んでもよい。これに対応して、回路基板100は、1.5層、2層又はより多くの層と設定することができる。隣り合う2層の回路層の間には対応する層間ビアピラー140が設けられてもよいということを理解されたい。層間ビアピラー140の数量は、1つ又は複数と設定することができ、ニーズに応じて決定すればよい。
【0043】
次に、
図3(h)に示されるとおり、前記第1表面に第2媒体層200及び回路基板100をラミネートし、回路基板100は、少なくとも1層の回路層を含み、第2仮載置板700を取り除いて、第1媒体層400の前記端子面から遠い第2表面を露出させる-ステップ(g)。一般に、パッケージングされた部品300を回路基板100にフリップチップ実装してもよい。第2媒体層200の素材としては、樹脂フィルム又は液体パッケージング材料などを選ぶことができ、例えば、RCC、RCF又はABFなどである。
【0044】
一部の実施例では、第1銅層730と第2銅層720が物理的に結合しているという特性を利用して、簡単に引き裂くことで第1銅層730と第2銅層720を分離させることができ、次に、第1銅層730をエッチング除去すれば、第2仮載置板700を完全に除去できる。
【0045】
続いて、
図3(i)が参照されるとおり、段付き穴530を形成させ、段付き穴530は、第1媒体層400を貫通する第1ビアホール410と、アニュラリング構造311の開口部312と、第2媒体層200を貫通する第2ビアホール210とを含む-ステップ(h)。第1ビアホール410、第2ビアホール210及び開口部312は、同軸に回路基板100に垂直な方向に設けられてもよく、第1ビアホール410及び第2ビアホール210は階段状であることが理解できるだろう。一般に、当該ステップは、以下のサブステップを含んでもよい。
(h
1)
図3(j)に示されるとおり、第1媒体層400をレーザーで処理し、
図3(k)に示されるとおり、第1媒体層400を貫通する第1ビアホール410を形成させる。第1ビアホール410の直径は、アニュラリング構造311の孔径より大きくてもよい。第1ビアホール410の数量は、部品300の接続パッド310の数量に対応してもよい。
【0046】
(h
2)
図3(l)が参照されるとおり、第2媒体層200をレーザーで処理して、第2媒体層200を貫通する第2ビアホール210を形成させる。同じアニュラリング構造311に対応する第1ビアホール410と第2ビアホール210の位置は対応している。これにより、
図3(i)が参照されるとおり、第1ビアホール410、アニュラリング構造311の開口部312及び第2ビアホール210が縦方向において段付き穴530を形成させて、部品300と回路基板100とを連通する通路が形成される。
【0047】
次に、
図1又は
図2に示されるとおり、段付き穴530を充填することにより部品300の接続パッド310と回路基板100の表面上の回路層とを導通させて接続させるためのビアピラー500bを形成させ、ビアピラー500bは、少なくとも開口部312及び第2ビアホール210を通って、接続パッド310と回路層とを導通させる-ステップ(i)。ビアピラー500bの数量はアニュラリング構造311の数量に対応してもよい。一般に、当該ステップは以下のサブステップを含んでもよい。
(i
1)第1ビアホール410及び第2ビアホール210に電気メッキ処理を行い、第1ビアホール410及び第2ビアホール210を貫通するビアピラーを形成させて、
図1に示される構造を得る。第1媒体層400において、ビアピラー500bはウィンドウ付きパッド510を備える。
【0048】
一部の実施例では、サブステップ(i
2)をさらに含んでもよく、ウィンドウ付きパッド510を除去して、第2ビアホール210及び開口部312だけを通るビアピラー500bを形成させて、
図2に示される構造を得る。一般に、機械によるディープホールドリリング法でブラインドドリリングを行って、段付き穴530の局所の金属を除去し、例えば、第1ビアホール410内のウィンドウ付きパッド510を除去するか又は第1ビアホール410内の一部のウィンドウ付きパッド510を除去することにより、内側回路だけを導通させてもよい。
【0049】
本願の実施例によって提供される部品パッケージング基板構造及びその作製方法は、回路基板100(即ち、基板)を完成させてから部品300を埋め込むことにより、部品300の埋込工程を後に置き、段付き穴530によって部品300と基板回路との導通を実現し、基板回路の故障による部品の廃棄を避けて、部品300のパッケージングの良品率を向上させる。段付き穴530は、部品300と内側回路との導通及び部品300の背面ファンアウトを実現でき、配線の自由度が高いため、複数の部品のパッケージングを実現して、パッケージングの集積度を向上させることができる。段付き穴内のビアピラーによって導通と相互接続を実現するのは、信号回路の長さを短縮させ、伝送中の信号損失を低減させることができる。
【0050】
場合によっては、特許請求の範囲に記載の動作又はステップは上記の実施例と異なる順番で実行されてもよく且つ依然として所望の結果を実現できる。また、図面で説明されているプロセスは、必ずしも示されている特定の順番又は順番の連続でしか所望の結果が実現できないとは限らない。一部の実施形態では、マルチタスク処理及び並列処理であってもよく又は役立つ可能性がある。
【0051】
当業者は、上記のいずれかの実施例に関する討論が例示的なものに過ぎず、本願の範囲(請求項を含む)がこれらの例に限られることを示唆するものではないということを理解できるだろう。本願の趣旨の下で、上記の実施例又は異なる実施例の技術的特徴を互いに組み合わせることができ、ステップを任意の順番で実施してもよく、上記の本願の実施例の異なる態様の多くの他の変化が存在してもよく、簡素化のためにそれらは詳細な説明において提供されていない。
【0052】
また、説明と討論の簡素化のために、且つ本願の実施例が理解しづらくならないよう、提供されている図面では、集積回路(IC)チップ及び他の部品の周知の電源/グランドに接続されることが示されてもよいし又は示されなくてもよい。また、本願の実施例が理解しづらくならないよう、ブロック図の形式で装置を示してもよく、且つこれについては次の事実を考慮している。これらのブロック図の装置に関する実施形態の詳細は本願の実施例を実施するプラットフォームにかなり依存している(即ち、これらの詳細が完全に、当業者が理解している範囲のうちにある)。詳細(例えば、回路)を具体的に述べて本願の例示的な実施例を説明する場合は、これらの詳細がないか又はこれらの詳細に変化がある場合でも、本願の実施例を実施できるということは当業者に自明である。したがって、これらの記載は限定のためではなく説明のためのものである。
【0053】
本願の特定の実施例を用いて本願を説明しているが、上記の説明によれば、これらの実施例の多くの差し替え、補正及び変形が当業者にとって自明なものである。例えば、他のメモリアーキテクチャ(例えば、ダイナミックRAM(DRAM))において、討論される実施例を用いることができる。
【0054】
本願の実施例は、特許請求の範囲の広い範囲に入るそのような差し替え、補正及び変形の全てを含もうとする。したがって、本願の実施例の趣旨と原則において、いずれの省略、補正、同等な差し替え、改善などを行う場合は、そのいずれも本願の請求範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0055】
100 回路基板、110 第1回路層、120 第2回路層、130 第3回路層、140 層間ビアピラー、200 第2媒体層、210 第2ビアホール、300 部品、310 接続パッド、311 アニュラリング構造、312 開口部、400 第1媒体層、410 第1ビアホール、500b ビアピラー、510 ウィンドウ付きパッド、530 段付き穴、600 第1仮載置板、610 粘着フィルム、700 第2仮載置板、710 支持板、720 第2銅層、730 第1銅層