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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】物理量測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/14 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
G01L19/14
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023517450
(86)(22)【出願日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 JP2022017982
(87)【国際公開番号】W WO2022230698
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2023-10-24
(31)【優先権主張番号】P 2021075983
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000150707
【氏名又は名称】長野計器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】有賀 大貴
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼澤 良介
(72)【発明者】
【氏名】久保 亮介
(72)【発明者】
【氏名】村松 秀樹
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-260051(JP,A)
【文献】実開平06-002765(JP,U)
【文献】特開2014-225497(JP,A)
【文献】実開昭55-052890(JP,U)
【文献】実開平04-088834(JP,U)
【文献】国際公開第2007/004313(WO,A1)
【文献】特開2004-281870(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112254873(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0348030(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02236998(EP,A1)
【文献】中国実用新案第210638759(CN,U)
【文献】実開昭63-047229(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32,27/00-27/02
H05K 7/14
G01F 15/00-15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定流体の物理量を検出する検出部を有するセンサモジュールと、
前記センサモジュールと電気的に接続され、互いに対向して配置される第1基板および第2基板を有する回路基板と、
前記センサモジュールおよび前記第1基板を収納する第1ケースと、
前記第1ケースに取り付けられ、前記第2基板を収納する第2ケースと、
前記第2ケースに設けられる表示部と、
前記第2ケースに収納され、前記表示部を保持する表示保持部を有する支持部材と、を備え、
前記第1基板には、複数の第1切欠き部が形成され、
前記第2基板には、複数の第2切欠き部が形成され、
前記第1ケースには、前記第1切欠き部に挿通され、前記第2基板を支持する複数の第1支持部が一体に形成され、
前記支持部材には、前記第2切欠き部に挿通され、前記第1基板を支持する複数の第2支持部が一体に形成される
ことを特徴とする物理量測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の物理量測定装置において、
前記第1ケースと前記第2ケースとの間には溝部が形成され、
複数の前記第1支持部によって位置決めされ環状に形成される本体部と、前記本体部よりも厚さが小さくなるように前記本体部から外周側に延出され前記溝部に配置される封止部と、を有する封止部材を備える
ことを特徴とする物理量測定装置。
【請求項3】
被測定流体の物理量を検出する検出部を有するセンサモジュールと、
前記センサモジュールと電気的に接続され、互いに対向して配置される第1基板および第2基板を有する回路基板と、
前記センサモジュールおよび前記第1基板を収納する第1ケースと、
前記第1ケースに取り付けられ、前記第2基板を収納する第2ケースと、を備え、
前記第1基板には、複数の第1切欠き部が形成され、
前記第2基板には、複数の第2切欠き部が形成され、
前記第1ケースには、前記第1切欠き部に挿通され、前記第2基板を支持する複数の第1支持部が一体に形成され、
前記第2ケースには、前記第2切欠き部に挿通され、前記第1基板を支持する複数の第2支持部が一体に形成され
前記第1基板には、外部端子部が設けられ、
前記第1ケースには、前記外部端子部に対応する位置に開口部が形成され
前記第1ケースと前記第2ケースとの間には溝部が形成され、
複数の前記第1支持部によって位置決めされ環状に形成される本体部と、前記本体部よりも厚さが小さくなるように前記本体部から外周側に延出され前記溝部に配置される封止部と、を有する封止部材を備える
ことを特徴とする物理量測定装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の物理量測定装置において、
前記本体部は、前記第1基板に支持される
ことを特徴とする物理量測定装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の物理量測定装置において、
前記第1ケースには、当接部が設けられ、
前記当接部と前記第1基板との間には、弾性支持部が介挿される
ことを特徴とする物理量測定装置。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の物理量測定装置において、
複数の前記第1支持部は、前記第2ケースに向かって突出する柱状に形成され、
複数の前記第2支持部は、前記第1ケースに向かって突出する柱状に形成される
ことを特徴とする物理量測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回路基板を筒状ケースによって支持する構造を備える物理量測定装置が知られている(例えば、特許文献1等)。
特許文献1では、筒状ケースに形成した段差部に第1回路基板を係合させ、当該第1回路基板を、蓋部の押さえ部と筒状ケースの段差部とで挟持している。これにより、第1回路基板を確実に保持できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-211260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、第2回路基板は、第1回路基板と第2回路基板との間に配置された接合用ピンおよびコネクタを介して、第1回路基板に支持されている。すなわち、第2回路基板は、筒状ケースにより直接的に支持されているわけではなく、第1回路基板、接合用ピン、および、コネクタの電子部品を介して支持されている。この場合、通常、第1回路基板、接合用ピン、および、コネクタ等の電子部品は、部材を支持する部品ではないので、第2回路基板の支持が不十分になってしまう可能性がある。しかし、第2回路基板を支持するために新たな部品を設けると、部品点数が増えてしまい、製造工程が煩雑になってしまう。そのため、部品点数を増やすことなく、確実に複数の回路基板を支持可能な構造が望まれていた。
【0005】
本発明の目的は、部品点数を増やすことなく、確実に複数の回路基板を支持可能な物理量測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の物理量測定装置は、被測定流体の物理量を検出する検出部を有するセンサモジュールと、前記センサモジュールと電気的に接続され、互いに対向して配置される第1基板および第2基板を有する回路基板と、前記センサモジュールおよび前記第1基板を収納する第1ケースと、前記第1ケースに取り付けられ、前記第2基板を収納する第2ケースと、を備え、前記第1基板には、複数の第1切欠き部が形成され、前記第2基板には、複数の第2切欠き部が形成され、前記第1ケースには、前記第1切欠き部に挿通され、前記第2基板を支持する複数の第1支持部が一体に形成され、前記第2ケースには、前記第2切欠き部に挿通され、前記第1基板を支持する複数の第2支持部が一体に形成され、前記第1基板には、外部端子部が設けられ、前記第1ケースには、前記外部端子部に対応する位置に開口部が形成されることを特徴とする。
【0007】
本発明では、第1基板に複数の第1切欠き部が形成され、第2基板に複数の第2切欠き部が形成される。そして、第1基板は、第1ケースに設けられる第1支持部が第1切欠き部に挿通され、かつ、第2ケースに設けられる第2支持部によって支持される。すなわち、第1基板は、第1支持部によって位置決めされ、かつ、第2支持部に支持される。同様に、第2基板は、第2ケースに設けられる第2支持部が第2切欠き部に挿通され、かつ、第1ケースに設けられる第1支持部によって支持される。すなわち、第2基板は、第2支持部によって位置決めされ、かつ、第1支持部に支持される。このように、回路基板を構成する第1基板および第2基板は、第1ケースおよび第2ケースと一体に形成される第1支持部および第2支持部により位置決めされ、かつ、支持される。そのため、部品点数を増やすことなく、確実に第1基板および第2基板を支持することができる。
【0008】
本発明の物理量測定装置は、被測定流体の物理量を検出する検出部を有するセンサモジュールと、前記センサモジュールと電気的に接続され、互いに対向して配置される第1基板および第2基板を有する回路基板と、前記センサモジュールおよび前記第1基板を収納する第1ケースと、前記第1ケースに取り付けられ、前記第2基板を収納する第2ケースと、前記第2ケースに設けられる表示部と、前記第2ケースに収納され、前記表示部を保持する表示保持部を有する支持部材と、を備え、前記第1基板には、複数の第1切欠き部が形成され、前記第2基板には、複数の第2切欠き部が形成され、前記第1ケースには、前記第1切欠き部に挿通され、前記第2基板を支持する複数の第1支持部が一体に形成され、前記支持部材には、前記第2切欠き部に挿通され、前記第1基板を支持する複数の第2支持部が一体に形成されることを特徴とする。
【0009】
本発明では、第1基板に複数の第1切欠き部が形成され、第2基板に複数の第2切欠き部が形成される。そして、第1基板は、第1ケースに設けられる第1支持部が第1切欠き部に挿通され、かつ、表示部を保持する支持部材に設けられる第2支持部によって支持される。すなわち、第1基板は、第1支持部によって位置決めされ、かつ、第2支持部に支持される。同様に、第2基板は、支持部材に設けられる第2支持部が第2切欠き部に挿通され、かつ、第1ケースに設けられる第1支持部によって支持される。すなわち、第2基板は、第2支持部によって位置決めされ、かつ、第1支持部に支持される。このように、回路基板を構成する第1基板および第2基板は、第1ケースおよび支持部材と一体に形成される第1支持部および第2支持部により位置決めされ、かつ、支持される。そのため、部品点数を増やすことなく、確実に第1基板および第2基板を支持することができる。
【0010】
本発明の物理量測定装置において、前記第1ケースには、当接部が設けられ、前記当接部と前記第1基板との間には、弾性支持部が介挿されることが好ましい。
この構成では、第1ケースの当接部と第1基板との間には、弾性支持部材が介挿されるので、仮に、第1基板の厚さに製造上の公差が生じていたとしても、その公差を弾性支持部材によって吸収することができる。そのため、第1基板を確実に支持することができる。
【0011】
本発明の物理量測定装置において、複数の前記第1支持部は、前記第2ケースに向かって突出する柱状に形成され、複数の前記第2支持部は、前記第1ケースに向かって突出する柱状に形成されることが好ましい。
この構成では、柱状に突出して形成された第1支持部および第2支持部によって第1基板および第2基板を支持するので、簡素な構造で第1基板および第2基板を支持することができる。
【0012】
本発明の物理量測定装置において、前記第1ケースと前記第2ケースとの間には溝部が形成され、複数の前記第1支持部によって位置決めされ環状に形成される本体部と、前記本体部よりも厚さが小さくなるように前記本体部から外周側に延出され前記溝部に配置される封止部と、を有する封止部材を備えることが好ましい。
この構成では、封止部材の本体部は、複数の第1支持部によって位置決めされるので、物理量測定装置を組み立てる際に、封止部材の位置がずれることを抑制できる。そのため、物理量測定装置の組み立てを容易にできる。さらに、この構成では、本体部よりも厚さが小さくなるように延出された封止部が、第1ケースと第2ケースとの間に形成された溝部に配置されるので、当該溝部の幅を小さくすることができる。そのため、封止部材を配置するために必要な第1ケースおよび第2ケースの壁部の厚さを小さくできるので、物理量測定装置を小型化することができる。
【0013】
本発明の物理量測定装置において、前記本体部は、前記第1基板に支持されることが好ましい。
この構成では、封止部材の本体部を第1基板によって支持できるので、封止部材を支持するための構造を別途設ける必要がない。そのため、第1ケースおよび第2ケースの構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係る物理量測定装置の概略を示す斜視図。
図2図1とは別の方向から見た物理量測定装置の概略を示す斜視図。
図3】第1実施形態の物理量測定装置の概略を示す分解斜視図。
図4図3とは別の方向から見た物理量測定装置の概略を示す分解斜視図。
図5】第1実施形態の物理量測定装置の概略を示す断面図。
図6】第1実施形態の第1基板および第1ケースの概略を示す正面図。
図7】第1実施形態の第2基板および第2ケースの概略を示す正面図。
図8図5におけるVIII領域を拡大した断面図。
図9】第2実施形態に係る物理量測定装置の概略を示す斜視図。
図10図9とは別の方向から見た物理量測定装置の概略を示す斜視図。
図11】第2実施形態の物理量測定装置の概略を示す分解斜視図。
図12図11とは別の方向から見た物理量測定装置の概略を示す分解斜視図。
図13】第2実施形態の物理量測定装置の概略を示す断面図。
図14】第2実施形態の第1基板および第1ケースの概略を示す正面図。
図15】第2実施形態の第2基板および第2ケースの概略を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る物理量測定装置1を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の物理量測定装置1の概略を示す斜視図であり、図2は、図1とは別の方向から見た物理量測定装置1の概略を示す斜視図であり、図3は、物理量測定装置1の概略を示す分解斜視図であり、図4は、図3とは別の方向から見た物理量測定装置1の分解斜視図であり、図5は、物理量測定装置1の概略を示す断面図である。なお、本実施形態の物理量測定装置1は、差圧センサ、より具体的には、小型デジタル微差圧センサとして構成される。
図1図5に示すように、物理量測定装置1は、第1ケース2と、第2ケース3と、回路基板4と、センサモジュール5と、ベース部材61と、ポート62と、封止部材7とを備えている。
【0016】
[第1ケース2]
第1ケース2は、四角筒状に形成され、センサモジュール5等を収納する部材である。
本実施形態では、第1ケース2は、第1ケース本体21と、嵌合部22とを有する。
第1ケース本体21は、内部にセンサモジュール5等を収納可能に構成されている。本実施形態では、第1ケース本体21には、第1支持部211および当接部212が設けられている。
【0017】
第1支持部211は、第1ケース本体21の四隅において、第2ケース3に向かって突出する円柱状に形成されている。すなわち、本実施形態では、第1支持部211は、第1ケース本体21と一体に4つ設けられている(図6参照)。
当接部212は、第1支持部211の内側の位置において、第1ケース本体21の対角位置に設けられている。すなわち、本実施形態では、当接部212は、第1ケース本体21において、2箇所設けられている。そして、それぞれの当接部212は、後述する弾性支持部材415が当接されている。
【0018】
また、本実施形態では、第1ケース本体21には、後述する第1基板41に設けられた外部端子部413に対応する位置に、開口部214が形成されている。これにより、当該外部端子部413が第1ケース2の外部から露出するように構成されている。
さらに、本実施形態では、第1ケース本体21の内周側には、後述する第1基板41と当接して支持する支持構造215が設けられている。
【0019】
嵌合部22は、第1ケース本体21の先端側において薄肉とされた箇所である。そして、嵌合部22は、後述する第2ケース3の第2ケース本体31の内周側に挿入されて嵌合するように構成されている。
さらに、本実施形態では、嵌合部22と、後述する第2ケース3の第2ケース本体31との間には、溝部Gが形成されている。
【0020】
[第2ケース3]
第2ケース3は、前述した第1ケース2と同様に四角筒状に形成され、後述する回路基板4の第2基板42等を収納する部材である。
本実施形態では、第2ケース3は、第2ケース本体31と、パネルシート32とを有し、前述した第1ケース2に嵌合される。すなわち、本実施形態では、第2ケース3は、第1ケース2に取り付けられる。
第2ケース本体31は、内部に第2基板42等を収納可能に構成されている。本実施形態では、第2ケース本体31には、第2支持部311と、内壁部312と、突起部313とが設けられている。また、第2ケース本体31は、第1ケース2に取り付けられた際に、第1ケース本体21と面一になるように形成されている。さらに、第2ケース本体31の底部の外面側、すなわち、第2ケース本体31の正面には、パネルシート32が貼付されている。なお、パネルシート32には、図示は省略するが、物理量測定装置1の型番や仕様等が表示されていてもよい。
【0021】
第2支持部311は、第2ケース本体31の四隅の近傍において、第1ケース2に向かって突出する円柱状に形成されている。すなわち、本実施形態では、第2支持部311は、第2ケース本体31と一体に4つ設けられている(図7参照)。また、本実施形態では、第2支持部311は、前述した第1ケース2の第1支持部211よりも内側に配置されるように形成されている。
【0022】
内壁部312は、第2ケース本体31の内面側において厚肉とされた部分であり、第1ケース2と第2ケース3とが嵌合された際に、第1ケース2の嵌合部22と対向する。すなわち、前述した溝部Gは、第1ケース2の嵌合部22と、第2ケース3の内壁部312との間に形成される。
突起部313は、第2ケース本体31の底部から円柱状に突出して設けられており、後述する第2基板42と当接するように構成されている。
【0023】
[回路基板4]
図6は、第1基板41および第1ケース2の概略を示す正面図であり、図7は、第2基板42および第2ケース3の概略を示す正面図である。
図3図7に示すように、回路基板4は、互いに対向して配置される第1基板41および第2基板42を有する。
【0024】
第1基板41は、前述したように、第1ケース本体21に収納される基板である。そして、本実施形態では、第1基板41には、前述した第1ケース本体21の第1支持部211に対応する位置、つまり、四隅の位置に第1切欠き部411が形成されている。すなわち、第1基板41には、4箇所に第1切欠き部411が形成されている。これにより、第1ケース本体21に第1基板41が収納された際に、第1支持部211は第1切欠き部411に挿通される。
また、本実施形態では、第1基板41には、コネクタ受部412と、外部端子部413と、内部端子部414と、弾性支持部材415とが設けられている。
【0025】
コネクタ受部412は、第1基板41において第2基板42と対向する側の面に配置されている。そして、コネクタ受部412は、後述する第2基板42のコネクタ部422と接続可能に構成されている。これにより、コネクタ受部412とコネクタ部422とが接続することにより、第1基板41と第2基板42とが電気的に接続される。
【0026】
外部端子部413は、前述したように、第1ケース本体21の開口部214に対応する位置に配置され、開口部214を介して第1ケース本体21の外部に露出している。これにより、外部端子部413は、外部出力用の配線や電源用の配線等が接続可能とされている。すなわち、外部端子部413は、外部出力用端子部および電源用端子部を備えて構成されている。
【0027】
内部端子部414は、後述するセンサモジュール5の接続ピン55に対応する位置に配置され、当該接続ピン55と接続可能に構成されている。これにより、接続ピン55が内部端子部414に接続されることにより、第1基板41とセンサモジュール5とが電気的に接続される。すなわち、本実施形態では、第1基板41および第2基板42は、センサモジュール5と電気的に接続される。
【0028】
弾性支持部材415は、金属製であり、断面視でZ字状とされたバネ部材である。本実施形態では、弾性支持部材415は、第1ケース本体21の対角位置において、第1ケース本体21の当接部212と、後述する回路基板4の第1基板41との間に介挿されている。
【0029】
第2基板42は、前述したように、第2ケース本体31に収納される基板である。そして、本実施形態では、第2基板42には、前述した第2ケース本体31の第2支持部311に対応する位置、つまり、四隅の近傍の位置に第2切欠き部421が形成されている。すなわち、第2基板42には、4箇所に第2切欠き部421が形成されている。これにより、第2ケース本体31に第2基板42が収納された際に、第2支持部311は第2切欠き部421に挿通される。
【0030】
また、本実施形態では、第2基板42には、コネクタ部422が設けられている。
コネクタ部422は、前述したように、第1基板41のコネクタ受部412に対応する位置に配置され、当該コネクタ受部412と接続可能とされている。
【0031】
[センサモジュール5]
センサモジュール5は、センサ基板51と、センサカバー52と、電子部品53と、検出部54と、接続ピン55とを備えて構成されている。
センサ基板51は、電子部品53や検出部54等の部品が取り付けられる基板である。本実施形態では、センサ基板51は、前述した第1基板41と対向して配置されている。そして、センサ基板51の第1基板41側の面は、センサカバー52によって覆われている。
【0032】
電子部品53は、センサ基板51において第1基板41と対向する面に配置され、センサカバー52によって覆われている。本実施形態では、電子部品53は、検出部54から出力された信号を変換・調整する信号変換器等を備えて構成されている。
検出部54は、ポート62を通じて導入される被測定流体の圧力を検出して、当該圧力に応じた信号を電子部品53に出力可能に構成されている。
接続ピン55は、前述したように、第1基板41の内部端子部414に対応する位置に配置され、当該内部端子部414に接続可能に構成されている。
【0033】
[ベース部材61およびポート62]
ベース部材61は、板状に形成された部材であり、第1ケース本体21背面に取り付けられている。本実施形態では、ベース部材61には、ポート62が2つ取り付けられており、当該ポート62が取り付けられた位置には図示略の孔部が形成されている。さらに、ベース部材61の裏側、すなわち第1ケース本体21側には、図示略のフィルタが挿入されている。
ポート62は、筒状に形成され、被測定流体が導入される。これにより、当該ポート62および前述のフィルタを介して、被測定流体が第1ケース本体21の内部において検出部54が配置された空間に導入される。また、本実施形態では、前述したように、ポート62はベース部材61に2つ取り付けられている。すなわち、本実施形態では、物理量測定装置1は、2つのポート62に導入される被測定流体の差圧を検出する差圧センサとして構成されている。
なお、上記構成に限られることはなく、例えば、ベース部材61の裏側にフィルタが挿入されていなくてもよい。
【0034】
[封止部材7]
図8は、図5におけるVIII領域を拡大した断面図である。
図5図6図8に示すように、封止部材7は、ゴムや樹脂部材により形成され、第1ケース2と第2ケース3との間の空間を封止する部材である。これにより、第1ケース2と第2ケース3とを嵌合させた際に、第1ケース2および第2ケース3の内部の空間を密閉することができる。
本実施形態では、封止部材7は、本体部71と、封止部72とを有する。
【0035】
本体部71は、四角環状とされている。そして、本実施形態では、本体部71は第1基板41に支持されている。これにより、第1ケース2において、封止部材7の本体部71を支持するための構造を別途設ける必要がない。
また、本実施形態では、本体部71は、第1ケース本体21の四隅に設けられた第1支持部211の外側に配置されている。すなわち、本体部71は、4つの第1支持部211によって位置決めされている。これにより、物理量測定装置1を組み立てる際に、封止部材7の位置がずれることを抑制できるので、物理量測定装置1の組み立てを容易にできる。
【0036】
封止部72は、本体部71から外周側に延出して設けられ、前述した溝部Gに配置されている。これにより、第1ケース2と第2ケース3との間が封止される。
また、本実施形態では、封止部72は、本体部71よりも厚さが小さくなるように形成されている。これにより、封止部72を配置するための溝部Gの幅を小さくすることができる。そのため、封止部材7を配置するために必要な第1ケース2および第2ケース3の壁部の厚さを小さくできるので、物理量測定装置1を小型化することができる。
【0037】
[第1基板41および第2基板42の支持構造について]
次に、第1基板41および第2基板42の支持構造について説明する。
前述したように、第1基板41は、センサモジュール5と対向する面に第1ケース2の支持構造215が当接する。これにより、第1基板41は、第1ケース2によって支持される。さらに、第1基板41は、第2基板42と対向する面に、第2基板42の第2切欠き部421に挿通された第2支持部311が当接する。すなわち、第1基板41は、第2ケース3によっても支持される。このように、第1基板41は、第1ケース2の支持構造215と、第2ケース3の第2支持部311によって挟持されて支持される。
さらに、第1基板41は、第1切欠き部411に第1支持部211が挿通される。これにより、第1基板41は、第1ケース2の第1支持部211によって位置決めされる。
このように、本実施形態では、第1基板41は、第1ケース2および第2ケース3によって挟持されるとともに、第1ケース2によって位置決めされて支持される。そのため、第1基板41を確実に支持することができる。
【0038】
同様に、第2基板42は、第2ケース3の底部と対向する面に第2ケース3の突起部313が当接する。これにより、第2基板42は、第2ケース3によって支持される。さらに、第2基板42は、第1基板41と対向する面に、第1基板41の第1切欠き部411に挿通された第1支持部211が当接する。すなわち、第2基板42は、第1ケース2によっても支持される。このように、第2基板42は、第2ケース3の突起部313と、第1ケース2の第1支持部211によって挟持されて支持される。
さらに、第2基板42は、第2切欠き部421に第2支持部311が挿通される。これにより、第2基板42は、第2ケース3の第2支持部311によって位置決めされる。
このように、本実施形態では、第2基板42は、第1ケース2および第2ケース3によって挟持されるとともに、第2ケース3によって位置決めされて支持される。そのため、第2基板42を確実に支持することができる。
【0039】
さらに、本実施形態では、前述したように、第1ケース2の当接部212と、第1基板41との間には、バネ部材として構成される弾性支持部材415が介挿されている。これにより、第1基板41は、弾性支持部材415によって第2ケース3側に付勢される。そのため、仮に、第1基板41の厚さに製造上の公差が生じていたとしても、その公差を弾性支持部材415によって吸収することができる。そのため、第1基板41と第2支持部311とを確実に当接させることができるので、第1基板41を確実に支持することができる。
【0040】
[第1実施形態の効果]
以上のような本実施形態では、次の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、第1基板41には、4箇所に第1切欠き部411が形成され、第2基板42には、4箇所に第2切欠き部421が形成される。そして、第1基板41は、第1ケース2に設けられる第1支持部211が第1切欠き部411に挿通され、かつ、第2ケース3に設けられる第2支持部311によって支持される。すなわち、第1基板41は、第1支持部211によって位置決めされ、かつ、第2支持部311に支持される。同様に、第2基板42は、第2ケース3に設けられる第2支持部311が第2切欠き部421に挿通され、かつ、第1ケース2に設けられる第1支持部211によって支持される。すなわち、第2基板42は、第2支持部311によって位置決めされ、かつ、第1支持部211に支持される。このように、回路基板4を構成する第1基板41および第2基板42は、第1ケース2および第2ケース3と一体に形成される第1支持部211および第2支持部311により位置決めされ、かつ、支持される。そのため、部品点数を増やすことなく、確実に第1基板41および第2基板42を支持することができる。
【0041】
(2)本実施形態では、第1ケース2の当接部212と第1基板41との間には、弾性支持部材415が介挿されるので、仮に、第1基板41の厚さに製造上の公差が生じていたとしても、その公差を弾性支持部材415によって吸収することができる。そのため、第1基板41を確実に支持することができる。
【0042】
(3)本実施形態では、柱状に突出して形成された第1支持部211および第2支持部311によって第1基板41および第2基板42を支持するので、簡素な構造で第1基板41および第2基板42を支持することができる。
【0043】
(4)本実施形態では、封止部材7の本体部71は、4つの第1支持部211によって位置決めされるので、物理量測定装置1を組み立てる際に、封止部材7の位置がずれることを抑制できる。そのため、物理量測定装置1の組み立てを容易にできる。さらに、本体部71よりも厚さが小さくなるように延出された封止部72が、第1ケース2と第2ケース3との間に形成された溝部Gに配置されるので、当該溝部Gの幅を小さくすることができる。そのため、封止部材7を配置するために必要な第1ケース2および第2ケース3の壁部の厚さを小さくできるので、物理量測定装置1を小型化することができる。
【0044】
(5)本実施形態では、封止部材7の本体部71を第1基板41によって支持できるので、封止部材7を支持するための構造を別途設ける必要がない。そのため、第1ケース2および第2ケース3の構造を簡素化することができる。
【0045】
(6)本実施形態では、第1ケース2には、第1基板41と当接して支持する支持構造215が設けられる。これにより、第1基板41は、第1ケース2の支持構造215と、第2ケース3の第2支持部311とにより挟持されるので、第1基板41を確実に支持することができる。
【0046】
(7)本実施形態では、第2ケース3には、第2基板42と当接して支持する突起部313が設けられる。これにより、第2基板42は、第1ケース2の第1支持部211と、第2ケース3の突起部313とにより挟持されるので、第2基板42を確実に支持することができる。
【0047】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る物理量測定装置1Aについて図面に基づいて説明する。
第2実施形態に係る物理量測定装置1Aでは、第1基板41Aは、表示部8Aを保持する支持部材9Aに設けられる第2支持部93Aによって支持され、第2基板42Aは、当該第2支持部93Aによって位置決めされる点で第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略する。なお、第2実施形態の第1基板41Aは、前述した第1実施形態の第1基板41と同様に、第1切欠き部411A、コネクタ受部412A、外部端子部413A、内部端子部414A、および、弾性支持部材415Aを有する。また、第2基板42Aは、前述した第1実施形態の第2基板42と同様に、第2切欠き部421A、および、コネクタ部422Aを有する。
【0048】
図9は、本実施形態の物理量測定装置1Aの概略を示す斜視図であり、図10は、図9とは別の方向から見た物理量測定装置1Aの概略を示す斜視図であり、図11は、物理量測定装置1Aの概略を示す分解斜視図であり、図12は、図11とは別の方向から見た物理量測定装置1Aの分解斜視図であり、図13は、物理量測定装置1Aの概略を示す断面図である。
図9図13に示すように、物理量測定装置1Aは、第2ケース3Aと、回路基板4Aと、表示部8Aと、支持部材9Aとを備えている。
【0049】
[第2ケース3A]
第2ケース3Aは、前述した第2ケース3と同様に四角筒状に形成され、後述する回路基板4Aの第2基板42A、表示部8A、支持部材9A等を収納する部材である。
本実施形態では、第2ケース3Aは、第2ケース本体31Aと、パネルシート32Aとを有し、前述した第1ケース2に嵌合される。すなわち、本実施形態では、第2ケース3Aは、第1ケース2に取り付けられる。
第2ケース本体31Aは、内部に第2基板42A、表示部8A、支持部材9A等を収納可能に構成されている。また、第2ケース本体31Aは、第1ケース2に取り付けられた際に、第1ケース本体21と面一になるように形成されている。さらに、第2ケース本体31Aの底部には開口部314Aが形成されている。これにより、当該開口部314Aを通して表示部8Aをユーザーが視認できるように構成されている。そして、第2ケース本体31Aの底部の外面側、すなわち、第2ケース本体31Aの正面には、開口部314Aを囲うようにパネルシート32Aが貼付されている。また、開口部314Aの下部には、ボタン操作部315Aが設けられている。本実施形態では、ボタン操作部315Aが3つ設けられており、これによりユーザーがボタン操作部315Aを操作することにより、各種の操作をできるように構成されている。
【0050】
[表示部8A]
表示部8Aは、センサモジュール5で検出された差圧をデジタル表示する液晶ディスプレイ(LCD)であり、回路基板4Aの第2基板42Aに電気的に接続されている。本実施形態では、後述する支持部材9Aの表示保持凹部92Aに嵌合され、かつ、表示保持爪部94Aに挟持されて保持されている。
そして、前述したように、表示部8Aにデジタル表示された差圧は、第2ケース本体31Aの開口部314Aを通して視認できるように構成されている。
【0051】
[支持部材9A]
支持部材9Aは、第2ケース本体31Aに収納され、表示部8Aを保持する部材である。さらに、本実施形態では、支持部材9Aは、第2基板42Aを位置決めするとともに、第1基板41Aを支持するように構成されている。
支持部材9Aは、支持部材本体部91Aと、表示保持凹部92Aと、第2支持部93Aと、表示保持爪部94Aとを備える。
【0052】
支持部材本体部91Aは、略直方体状に形成され、表示部8Aと第2基板42Aとの間に配置されている。そして、支持部材本体部91Aの表示部8A側の面には、表示部8Aの形状に応じて窪んだ表示保持凹部92Aが形成されている。さらに、支持部材本体部91Aの外周側には、表示部8Aに向かって延出された表示保持爪部94Aが2つ形成されている。これにより、支持部材本体部91Aは、表示保持凹部92Aに表示部8Aを嵌合させ、かつ、表示保持爪部94Aにより表示部8Aを挟持することで、表示部8Aを保持できるように構成されている。なお、表示保持凹部92Aおよび表示保持爪部94Aは、本発明の表示保持部を構成する。
また、支持部材本体部91Aの第2基板42A側には、第1ケース2に向かって突出する第2支持部93Aが設けられている。
【0053】
第2支持部93Aは、支持部材9Aの四隅の近傍において、第1ケース2に向かって突出して設けられている。本実施形態では、第2支持部93Aは、爪状支持部931Aと、円柱状支持部932Aとを有している。
爪状支持部931Aは、支持部材9Aと一体に爪状に形成されている。本実施形態では、爪状支持部931Aは、2つ設けられている。円柱状支持部932Aは、支持部材9Aと一体に円柱状に形成されている。本実施形態では、円柱状支持部932Aは、2つ設けられている。すなわち、本実施形態では、第2支持部93Aは4つ設けられている。
【0054】
[第1基板41Aおよび第2基板42Aの支持構造について]
次に、回路基板4Aの第1基板41Aおよび第2基板42Aの支持構造について説明する。
図14は、第1基板41および第1ケース2の概略を示す正面図であり、図15は、第2基板42Aおよび第2ケース3Aの概略を示す正面図である。
図9図15に示すように、第1基板41Aは、センサモジュール5と対向する面に第1ケース2の支持構造215が当接する。これにより、第1基板41Aは、第1ケース2によって支持される。さらに、第1基板41Aは、第2基板42Aと対向する面に、第2基板42Aの第2切欠き部421Aに挿通された第2支持部93Aが当接する。すなわち、第1基板41Aは、第2ケース3Aに収納された支持部材9Aによっても支持される。このように、第1基板41Aは、第1ケース2の支持構造215と、支持部材9Aの第2支持部93Aによって挟持されて支持される。
さらに、第1基板41Aは、第1切欠き部411Aに第1支持部211が挿通される。これにより、第1基板41Aは、第1ケース2の第1支持部211によって位置決めされる。
このように、本実施形態では、第1基板41Aは、第1ケース2および支持部材9Aによって挟持されるとともに、第1ケース2によって位置決めされて支持される。そのため、第1基板41Aを確実に支持することができる。
【0055】
同様に、第2基板42Aは、支持部材9Aの支持部材本体部91Aと対向する面に、支持部材本体部91Aの表示保持凹部92Aが形成される面とは反対側の面が当接する。これにより、第2基板42Aは、支持部材9Aによって支持される。さらに、第2基板42Aは、第1基板41Aと対向する面に、第1基板41Aの第1切欠き部411Aに挿通された第1支持部211が当接する。すなわち、第2基板42Aは、第1ケース2によっても支持される。このように、第2基板42Aは、支持部材9Aと、第1ケース2の第1支持部211とによって挟持されて支持される。
さらに、第2基板42Aは、第2切欠き部421Aに第2支持部93Aが挿通される。これにより、第2基板42Aは、支持部材9Aの第2支持部93Aによって位置決めされる。
このように、本実施形態では、第2基板42Aは、第1ケース2および支持部材9Aによって挟持されるとともに、支持部材9Aによって位置決めされて支持される。そのため、第2基板42Aを確実に支持することができる。
【0056】
[第2実施形態の効果]
以上のような本実施形態では、次の効果を奏することができる。
(8)本実施形態では、第1基板41Aは、第1ケース2に設けられる第1支持部211が第1切欠き部411Aに挿通され、かつ、支持部材9Aに設けられる第2支持部93Aによって支持される。すなわち、第1基板41Aは、第1支持部211によって位置決めされ、かつ、第2支持部93Aに支持される。同様に、第2基板42Aは、支持部材9Aに設けられる第2支持部93Aが第2切欠き部421Aに挿通され、かつ、第1ケース2に設けられる第1支持部211によって支持される。すなわち、第2基板42Aは、第2支持部93Aによって位置決めされ、かつ、第1支持部211に支持される。このように、回路基板4Aを構成する第1基板41Aおよび第2基板42Aは、第1ケース2および支持部材9Aと一体に形成される第1支持部211および第2支持部93Aにより位置決めされ、かつ、支持される。そのため、部品点数を増やすことなく、確実に第1基板41Aおよび第2基板42Aを支持することができる。
【0057】
[変形例]
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0058】
前記各実施形態では、第1ケース2の当接部212に当接される弾性支持部材415,415Aは、断面視でZ字状とされバネ部材として構成されていたが、これに限定されない。例えば、弾性支持部材は、コイルバネ部材として構成されていてもよく、第1基板を第2ケース側に付勢可能に構成されていればよい。さらに、弾性支持部材が設けられない態様も、本発明に含まれる。
【0059】
前記各実施形態では、第1基板41,41Aは、第1ケース2に収納されていたが、これに限定されない。例えば、第1基板は、第2ケースに収納されていてもよい。
同様に、前記各実施形態では、第2基板42,42Aは、第2ケース3,3Aに収納されていたが、これに限定されない。例えば、第2基板は、第1ケースに収納されていてもよい。
【0060】
前記第1実施形態では、第1支持部211および第2支持部311は、円柱状に形成されていたが、これに限定されない。例えば、第1支持部および第2支持部は角柱状とされていてもよく、あるいは、内部が中空とされた筒状に形成されていてもよい。
同様に、前記第2実施形態では、第2支持部93Aは、爪状または円柱状に形成されていたが、これに限定されない。例えば、第1支持部および第2支持部は角柱状とされていてもよく、あるいは、内部が中空とされた筒状に形成されていてもよい。
【0061】
前記各実施形態では、第1支持部211および第2支持部311,93Aは、それぞれ4つ設けられていたが、これに限定されない。例えば、第1支持部および第2支持部は、5つ以上設けられていてもよく、あるいは3つ以下設けられていてもよく、それぞれ複数設けられていればよい。
【0062】
前記各実施形態では、封止部材7は、四角環状に形成された本体部71と、当該本体部71から外周側に延出された封止部72とを備えて構成されていたが、これに限定されない。例えば、封止部材は、第1ケースと第2ケースとの間に形成される溝部に配置される本体部のみにより構成されていてもよい。
【0063】
前記各実施形態では、物理量測定装置1は、2つのポート62に導入される被測定流体の差圧を検出する差圧センサとして構成されていたが、これに限定されない。例えば、物理量測定装置は、1つのポートを備え、当該ポートに導入される被測定流体の圧力を検出する圧力センサとして構成されていてもよく、あるいは、被測定流体の温度を検出する温度センサとして構成されていてもよく、被測定流体の物理量を検出可能に構成されていればよい。
【0064】
前記各実施形態では、第1基板41,41Aには、四隅に第1切欠き部411,411Aが形成されていたが、これに限定されない。例えば、第1基板には、中央部の近傍に複数の第1切欠き部が形成され、当該第1切欠き部に、第1ケースの第1支持部が挿通されるように構成されていてもよく、第1基板における第1切欠き部の位置や数は任意とすることができる。
同様に、前記各実施形態では、第2基板42,42Aには、四隅の近傍に第2切欠き部421,421Aが形成されていたが、これに限定されない。例えば、第2基板には、中央部の近傍に複数の第2切欠き部が形成され、当該第2切欠き部に、第2ケースの第2支持部が挿通されるように構成されていてもよく、第2基板における第2切欠き部の位置や数は任意とすることができる。
【符号の説明】
【0065】
1,1A…物理量測定装置、2…第1ケース、3,3A…第2ケース、4,4A…回路基板、5…センサモジュール、7…封止部材、8A…表示部、9A…支持部材、21…第1ケース本体、22…嵌合部、31,31A…第2ケース本体、32,32A…パネルシート、41,41A…第1基板、42,42A…第2基板、51…センサ基板、52…センサカバー、53…電子部品、54…検出部、55…接続ピン、61…ベース部材、62…ポート、71…本体部、72…封止部、91A…支持部材本体部、92A…表示保持凹部、93A…第2支持部、94A…表示保持爪部、211…第1支持部、212…当接部、214…開口部、215…支持構造、311…第2支持部、312…内壁部、313…突起部、314A…開口部、315A…ボタン操作部、411,411A…第1切欠き部、412,412A…コネクタ受部、413,413A…外部端子部、414,414A…内部端子部、415,415A…弾性支持部材、421,421A…第2切欠き部、422,422A…コネクタ部、931A…爪状支持部、932A…円柱状支持部、G…溝部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15