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特許7606621光学レンズ、撮像モジュール及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】光学レンズ、撮像モジュール及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20241218BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023542814
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2022071808
(87)【国際公開番号】W WO2022156590
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】202110074970.6
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】黄 山福
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134104(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0377158(US,A1)
【文献】特開2018-169425(JP,A)
【文献】特開2021-189426(JP,A)
【文献】特開2009-098513(JP,A)
【文献】特開2009-169092(JP,A)
【文献】特開2017-207658(JP,A)
【文献】特開2008-241999(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101241226(CN,A)
【文献】国際公開第2017/130478(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学レンズであって、光軸に沿って物体側から像側へ、
正の屈折力を有する第一のレンズであって、前記第一のレンズの物体側に向かう面が凸となり、前記第一のレンズの像側に向かう面が凸となる第一のレンズと、
負の屈折力を有する第二のレンズであって、前記第二のレンズの物体側に向かう面が凸となり、前記第二のレンズの像側に向かう面が凹となる第二のレンズと、
負の屈折力を有する第三のレンズであって、前記第三のレンズの物体側に向かう面が凹となり、前記第三のレンズの像側に向かう面が凸となる第三のレンズとからなり
前記第一のレンズ、第二のレンズ及び第三のレンズのアッベ数は、それぞれV1、V2、V3であり、
3.4<V1/V2<3.9であり、且つ0.45<V2/V3<0.55を満たし、
前記光学レンズの有効焦点距離は、fであり、f>20mmである、光学レンズ。
【請求項2】
前記第一のレンズの物体側に向かう面は、球面であり、曲率半径は、R1であり、0mm<R1<10mmである、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項3】
前記第一のレンズの像側に向かう面は、球面であり、曲率半径は、R2であり、-28mm<R2<-10mmであり、
前記第二のレンズの物体側に向かう面は、非球面であり、曲率半径は、R3であり、20mm<R3<50mmである、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項4】
前記第二のレンズの像側に向かう面は、非球面であり、曲率半径は、R4であり、10mm<R4<25mmである、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項5】
前記第三のレンズの物体側に向かう面は、非球面であり、曲率半径は、R5であり、-10mm<R5<-1mmであり、
前記第三のレンズの像側に向かう面は、非球面であり、曲率半径は、R6であり、-13mm<R6<-2mmである、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項6】
前記第一のレンズ、第二のレンズ及び第三のレンズの有効焦点距離は、それぞれf1、f2、f3であり、
8.0mm<f1<15mm、
-80mm<f2<-40mm、
-30mm<f3<-15mmを満たす、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項7】
前記第一のレンズ、第二のレンズ及び第三のレンズの中心厚さは、それぞれCT1、CT2、CT3であり、
1mm<CT1<3mm、
1mm<CT2<4mm、
1mm<CT3<4mmを満たす、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項8】
前記第一のレンズと第二のレンズとの間に設置される絞りをさらに含む、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項9】
前記第三のレンズの像側に設置される赤外線フィルタをさらに含む、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項10】
前記第三のレンズの像側に設置され、光線の方向を変えるためのプリズムをさらに含む、請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項11】
撮像モジュールであって、請求項1から10のいずれか1項に記載の光学レンズと、前記光学レンズの像側に設置されるイメージセンサとを含む、撮像モジュール。
【請求項12】
電子機器であって、請求項11に記載の撮像モジュールを含む、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年01月20日に中国で提出された中国特許出願No.202110074970.6の優先権を主張しており、同出願の内容のすべては、ここに参照として取り込まれる。
【0002】
本出願は、光学イメージングの技術分野に関し、特に光学レンズ、撮像モジュール及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、スマート端末技術の継続的な進歩に伴い、例えばスマートフォンなどの撮影機能がすでに不可欠なものとなり、撮影品質に対するユーザの要求も高まっている。そのため、カメラに対する要求も高くなり、画質、合焦速度又はズーム倍率に対する要求も高くなっている。
【0004】
現在、スマート端末のメインカメラの画素は、現在すでに一部の一眼レフカメラを超え、五千万画素以上に達することができるが、望遠端且つ高倍率ズームのレンズの面では、一眼レフカメラとは大きな差がある。現在のスマートフォンカメラの配置は、一般的には、等価焦点距離が約24mm~25mmの一つのメインカメラと、等価焦点距離が約16mm~18mmの一つの超広角カメラと、等価焦点距離が50mm~130mmの一つの長焦点距離レンズとの組み合わせである。上記のような配置のカメラの光学ズーム倍率は、最大5.2xまでであり、より高倍率で、より遠い撮影シナリオが必要な場合には明らかに不足である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願は、移動端末に小型高倍率レンズを提供でき、ズーム倍率を向上させ、より遠い撮影シナリオでのレンズ倍率需要を満たす光学レンズ、撮像モジュール及び電子機器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本出願は、以下のような方案を採用する。
【0007】
第一の態様によれば、本出願の実施例は、光学レンズを提供し、この光学レンズは、光軸に沿って物体側から像側へ、
正の屈折力を有する第一のレンズであって、前記第一のレンズの物体側に向かう面が凸となり、前記第一のレンズの像側に向かう面が凸となる第一のレンズと、
負の屈折力を有する第二のレンズであって、前記第二のレンズの物体側に向かう面が凸となり、前記第二のレンズの像側に向かう面が凹となる第二のレンズと、
負の屈折力を有する第三のレンズであって、前記第三のレンズの物体側に向かう面が凹となり、前記第三のレンズの像側に向かう面が凸となる第三のレンズとを含み、
前記第一のレンズ、第二のレンズ及び第三のレンズのアッベ数は、それぞれV1、V2、V3であり、
3.4<V1/V2<3.9であり、且つ0.45<V2/V3<0.55を満たし、
前記光学レンズの有効焦点距離は、fであり、f>20mmである。
【0008】
第二の態様によれば、本出願の実施例は、撮像モジュールを提供し、前記撮像モジュールは、上記第一の態様に記載の光学レンズと、前記光学レンズの像側に設置されるイメージセンサとを含む。
【0009】
第三の態様によれば、本出願の実施例は、電子機器を提供し、この電子機器は、上記第二の態様に記載の撮像モジュールを含む。
【発明の効果】
【0010】
本出願の実施例による技術案による有益な効果は、少なくとも以下を含む。光学レンズを提供し、この光学レンズは、光軸に沿って物体側から像側へ、正の屈折力を有する第一のレンズであって、前記第一のレンズの物体側に向かう面が凸となり、前記第一のレンズの像側に向かう面が凸となる第一のレンズと、負の屈折力を有する第二のレンズであって、前記第二のレンズの物体側に向かう面が凸となり、前記第二のレンズの像側に向かう面が凹となる第二のレンズと、負の屈折力を有する第三のレンズであって、前記第三のレンズの物体側に向かう面が凹となり、前記第三のレンズの像側に向かう面が凸となる第三のレンズとを含み、前記光学レンズの有効焦点距離は、fであり、f>20mmであり、上記光学レンズからなる撮像モジュールが小型イメージセンサと組み合わせられる時、200mm以上の等価焦点距離に達し、10xのズーム倍率に達することができ、本出願の実施例による撮像モジュールを搭載する電子機器、例えば移動端末がより遠い撮影シナリオの長焦点距離の需要を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本出願の実施例による光学レンズの構造概略図である。
図2】本出願の実施例による光学レンズの構造概略図である。
図3】本出願の実施例による撮像モジュールの構造概略図である。
図4】本出願の実施例による光学レンズの光学ディストーション曲線である。
図5】本出願の実施例による光学レンズの相対照度曲線である。
図6】本出願の実施例による光学レンズの軸上色収差曲線である。
図7】本出願の実施例による光学レンズの像面湾曲曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下は、本出願の実施例における図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述する。明らかに、記述された実施例は、本出願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0013】
本出願の明細書と特許請求の範囲における用語である「第一」、「第二」などは、類似している対象を区別するものであり、特定の順序又は前後手順を記述するためのものではない。理解すべきこととして、このように使用されるデータは、適切な場合に交換可能であり、それにより本出願の実施例は、ここで図示又は記述されたもの以外の順序で実施されることが可能である。なお、明細書及び請求項における「及び/又は」は、接続される対象のうちの少なくとも一つを表し、文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0014】
以下では、図面を結び付けながら、具体的な実施例及びその応用シナリオによって本出願の実施例による光学レンズ、撮像モジュールと電子機器を詳細に説明する。
【0015】
図1は、本出願の実施例による光学レンズの構造概略図であり、この光学レンズは、光軸に沿って物体側から像側へ、
正の屈折力を有する第一のレンズL1であって、前記第一のレンズL1の物体側に向かう面が凸となり、前記第一のレンズL1の像側に向かう面が凸となる第一のレンズL1と、
負の屈折力を有する第二のレンズL2であって、前記第二のレンズL2の物体側に向かう面が凸となり、前記第二のレンズL2の像側に向かう面が凹となる第二のレンズL2と、
負の屈折力を有する第三のレンズL3であって、前記第三のレンズL3の物体側に向かう面が凹となり、前記第三のレンズL3の像側に向かう面が凸となる第三のレンズL3とを含み、
前記第一のレンズ、第二のレンズ及び第三のレンズのアッベ数は、それぞれV1、V2、V3であり、
3.4<V1/V2<3.9であり、且つ0.45<V2/V3<0.55を満たし、
前記光学レンズL0の有効焦点距離は、fであり、f>20mmである。
【0016】
例示的には、図1に示す光学レンズL0は、光軸に沿って物体側から像側へ、第一のレンズL1と、第二のレンズL2と、第三のレンズL3とを含む。ここで、第一のレンズL1は、両凸レンズであり、L1の二つの面は、それぞれ光軸の中心に沿って物体側及び像側に凸となり、第二のレンズL2は、凸凹レンズであり、L2の物体側に向かう面は、光軸の中心に沿って物体側に凸となり、L2の像側に向かう面は、光軸の中心に沿って凹となり、第三のレンズL3は、凹凸レンズであり、L3の物体側に向かう面は、光軸の中心に沿って物体側に凹となり、L3の像側に向かう面は、光軸の中心に沿って像側に凸となる。
【0017】
具体的には、アッベ数が低いほど、分散制御が悪くなり、光学レンズの色性能を保証するために、前記第一のレンズ、第二のレンズ及び第三のレンズのアッベ数がそれぞれV1、V2、V3であり、以下のような比例要求を満たすことを要求する。
【0018】
3.4<V1/V2<3.9であり、且つ0.45<V2/V3<0.55である。
【0019】
なお、レンズのアッベ数と屈折率との間には、一般的には、アッベ数が高いほど、分散制御がよくなり、対応する材質の屈折率が低くなるという関係がある。
【0020】
具体的には、前記光学レンズL0の有効焦点距離は、fであり、f>20mmであり、図1に示す光学レンズL0と、第一のレンズL1と、第二のレンズL2と、第三のレンズL3との組み合わせ焦点距離は、20mmよりも大きい。前記光学レンズが電子機器、例えば移動端末に応用される場合、小型イメージセンサと組み合わせて200mm以上の等価焦点距離、及び10xのズーム倍率に達することができ、視野角を最適化することができる。ここで、小型イメージセンサは、例えば有効なイメージング大きさの対角長さが3.8mm~4.4mmの相補型金属酸化物半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor、CMOS)、電荷結合デバイス(Charge Coupled Device、CCD)感光センサである。
【0021】
具体的には、本出願に言及された有効焦点距離とは、有効焦点距離(Effective Focal Length、EFL)、即ちこの光学レンズ、又はレンズの実際焦点距離を意味する。
【0022】
等価焦点距離とは、カメラ光電センサ(イメージングセンサ)のチップ映像領域の対角線の長さが35mmカメラのサイズの対角線長さ(42.27mm)に等価する場合、そのレンズの実際焦点距離に対応する35mmカメラレンズの焦点距離を意味する。
【0023】
等価焦点距離=有効焦点距離×レンズ変換係数であり、
レンズ変換係数=43.3mm(フルサイズカメラセンサのイメージング領域の対角線長さ)÷(イメージセンサのイメージング領域の対角線長さ)であり、
一般的にはセンサのサイズが小さいほど(イメージング領域の対角線長さが小さいほど)、そのレンズ変換係数が高くなる。例えばフルサイズカメラのセンサのレンズ変換係数が1である場合、f=20mmの光学レンズのこのフルサイズカメラにおける等価焦点距離も20mmであり、
例えば1/2.7インチのイメージセンサは、対角線が6.64mm程度であり、レンズ変換係数が約6.5であり、f=20mmの光学レンズと組み合わせて、等価焦点距離が約130mmであり、
そのため、本出願による光学レンズは、小型のセンサと組み合わせて200mm以上の等価焦点距離に達することができ、例えば対角線が約4mmの1/4インチのイメージセンサを使用し、10.82のレンズ変換係数に達することができ、対角線が約3mmの1/3インチのイメージセンサを使用し、14.42のレンズ変換係数に達することができる。
【0024】
そして、センサのサイズが小さいため、本光学レンズと小型センサからなる撮像モジュールは、電子機器、例えば携帯電話、タブレットパソコンなどに搭載することができ、長焦点距離に対するユーザの使用需要を満たす。
【0025】
選択的に、前記第一のレンズL1、第二のレンズL2及び第三のレンズL3の屈折率は、それぞれN1、N2、N3であり、
N1<N3<N2を満たす。
【0026】
具体的には、第一のレンズL1は、屈折率が比較的低い材質、例えばガラスを使用し、比較的低い屈折率の材質で製造されるレンズは、一般的にはより良い分散制御を得ることができ、第二のレンズL2、第三のレンズL3は、それぞれ比較的高い屈折率のプラスチック(樹脂)レンズを使用して比較的低い屈折率のプラスチック(樹脂)レンズと組み合わせることができ、コストを低減することができるとともに、光学レンズL0の分散性能を損なうことがない。
【0027】
具体的には、第一のレンズL1の屈折率N1を第三のレンズL3の屈折率N3よりも小さく、第三のレンズL3の屈折率N3を第二のレンズL2の屈折率N2よりも小さくする。
【0028】
図2を参照し、L1、L2、L3及びそれらの各面に符号が付けられ、前記第一のレンズL1の物体側に向かう面L1S1は、球面であり、曲率半径は、R1であり、0mm<R1<10mmである。
【0029】
具体的には、上記のようなL1S1は、凸面であり、長焦点距離レンズにゴースト類の迷光が生じることを効果的に回避でき、低屈折率ガラスレンズを使用し、分散を効果的に抑制できる。
【0030】
選択的に、前記第一のレンズL1の像側に向かう面L1S2は、球面であり、曲率半径は、R2であり、-28mm<R2<-10mmであり、
前記第二のレンズL2の物体側に向かう面L2S1は、非球面であり、曲率半径は、R3であり、20mm<R3<50mmである。
【0031】
具体的には、L1S2とL2S1との組み合わせは、光線入射角度を小さくして迷光を回避することができる。
【0032】
選択的に、前記第二のレンズL2の像側に向かう面L2S2は、非球面であり、曲率半径は、R4であり、10mm<R4<25mmである。
【0033】
具体的には、L2S2の曲面は、平坦であり、球面収差を小さくすることができる。
【0034】
選択的に、前記第三のレンズL3の物体側に向かう面L3S1は、非球面であり、曲率半径は、R5であり、-10mm<R5<-1mmであり、
前記第三のレンズL3の像側に向かう面L3S2は、非球面であり、曲率半径は、R6であり、-13mm<R6<-2mmである。
【0035】
具体的には、R5とR6の組み合わせが負の屈折力のレンズによって、本出願の実施例による光学レンズは、対角長さ3.8mm~4.4mmのイメージセンサを使用する場合、像面湾曲と収差が高い変調伝達関数(Modulation Transfer Function、MTF)効果に達するように制御することができる。
【0036】
選択的に、前記第一のレンズL1、第二のレンズL2及び第三のレンズL3の有効焦点距離は、それぞれf1、f2、f3であり、
8.0mm<f1<15mm、
-80mm<f2<-40mm、
-30mm<f3<-15mmを満たす。
【0037】
具体的には、L1と、L2と、L3とを組み合わせた後に、光学レンズL0の有効焦点距離fを>20mmにすることができる。
【0038】
選択的に、前記第一のレンズ、第二のレンズ及び第三のレンズの中心厚さは、それぞれCT1、CT2、CT3であり、
1mm<CT1<3mm、
1mm<CT2<4mm、
1mm<CT3<4mmを満たす。
【0039】
具体的には、薄い中心厚さによって、本出願の実施例による光学レンズをよりコンパクトにすることができ、移動端末、例えば携帯電話、タブレットパソコンに搭載しやすい。
【0040】
選択的に、前記光学レンズは、前記第一のレンズと第二のレンズとの間に設置される絞りをさらに含む。
【0041】
具体的には、絞りL6の位置は、L1とL2との間に位置する。図3を参照し、絞りL6をL1とL2との間に配置することで、像差及び比較的に良い製造感度を効果的に制御することができる。
【0042】
選択的に、図2を参照し、前記光学レンズは、前記第三のレンズL3の像側に設置される赤外線フィルタL4をさらに含む。
【0043】
選択的に、図2を参照し、前記光学レンズは、前記第三のレンズL3の像側に設置され、光線の方向を変えるためのプリズムL5をさらに含む。
【0044】
具体的には、図3を参照し、第三のレンズL3の像側に赤外線フィルタL4、プリズムL5が順番にそれぞれ設けられる。プリズムL5の設置により、イメージングセンサC1をレンズL1-L3、及びL4、L5の上方に取り付けることができ、C1を光軸に沿って光学レンズの像側に取り付ける必要がないようにすることができる。それによって、前記光学レンズの体積を縮小することを実現し、それを電子機器に搭載する時、より空間を節約する。
【0045】
具体的には、本出願の実施例による光学レンズとイメージセンサは、撮像モジュールを構成することができ、電子機器(例えば携帯電話、タブレットパソコンなど)に応用されると、有効なイメージング大きさの対角長さが3.8mm~4.4mmのイメージセンサ(感光素子、例えばCDD、CMOSなど)と組み合わせて使用することができ、波長範囲400nm~700nmの可視光に適する。
【0046】
具体的には、図4図7を参照し、本出願の実施例による光学レンズの性能パラメータである。
【0047】
具体的には、光学レンズL0の有効焦点距離EFLは、24mm<EFL<25mmであり、絞り値は、F3.5であり、対角線視角(Diagonal Field of View、DFOV)=9.4°であり、等価焦点距離は、250mmに達することができ、ズーム倍率は、10xに達することができ、DFOVを10度以内に最適化する。
【0048】
図4は、光学ディストーション(Optical distortion)を示し、-1%<光学ディストーション<1%であり、
図5は、相対照度(Relative illumination)を示し、相対照度>95%であり、
図6は、軸上色収差を示し、それぞれは、波長が470nm、550nm、650nmの光線の軸上色収差を示し、
図7は、像面湾曲を示し、それぞれ、サジタル(Sagittal)とタンジェンシャル(Tangential)の像面湾曲を示す。
【0049】
具体的には、L2とL3の二つの面は、いずれも非球面であり、非球面係数は、非球面方程式に基づいて得られ、具体的な実施パラメータは、表1に示す。
【0050】
非球面方程式は、以下のとおりである。
【0051】


ここで、パラメータは、それぞれ、
z:非球面Z軸の位置、
c:曲率半径の逆数、
r:非球面R軸の位置、
k:円錐係数、
α:非球面係数、
ρ:等価非球面R軸の位置である。







【0052】
[表1]
光学レンズのパラメータ対照表 単位mm
非球面係数A、B及びCは、それぞれ非球面項の次数がi=1、i=2及びi=3の場合の係数値である。
【0053】
以上をまとめると、本出願の実施例による光学レンズからなる撮像モジュールが小型イメージセンサからなる撮像モジュールと組み合わせて電子機器に搭載される時、200mm以上の等価焦点距離に達し、10xのズーム倍率に達することができる。本出願の実施例による撮像モジュールを搭載する電子機器、例えば移動端末は、より遠い撮影シナリオの長焦点距離の需要を満たすことができる。
【0054】
図3を参照し、本出願の実施例は、撮像モジュール30を提供し、前記撮像モジュール30は、本出願の実施例によるいずれか1項に記載の光学レンズL0と、前記光学レンズL0の像側に設置されるイメージセンサC1とを含む。
【0055】
具体的には、光学レンズL0によって光信号をイメージセンサC1に伝送し、イメージセンサC1は、光信号を画像光信号に対応する電気信号に変換し、前記撮像モジュール30を搭載する電子機器に伝送する。
【0056】
具体的には、イメージセンサC1の有効なイメージングサイズは、対角線長さ3.8mm~4.4mmである。
【0057】
具体的には、イメージセンサC1と光学レンズL0との組み合わせによって10xのズーム倍率、及び200mm以上の等価焦点距離を実現し、長焦点距離の使用需要を満たすことができる。
【0058】
本出願の実施例は、電子機器をさらに提供し、この電子機器は、本出願の実施例による撮像モジュールを含む。前記電子機器は、表示スクリーンなどの表示モジュールがさらに搭載され、ユーザは、電子機器のスクリーンなどの表示モジュールによってビューイング効果を見ることによって、撮影することができる。
【0059】
本出願の実施例における電子機器は、移動電子機器であってもよく、非移動電子機器であってもよい。例示的には、移動電子機器は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、パームトップコンピュータ、車載電子機器、ウェアラブルデバイス、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(Ultra-Mobile Personal Computer、UMPC)、ネットブック又はパーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)などであってもよく、非移動電子機器は、パーソナルコンピュータ(Personal Computer、PC)、テレビ(Television、TV)、預入支払機又はセルフサービス機などであってもよく、本出願の実施例は、具体的に限定しない。
【0060】
本出願の実施例における電子機器は、オペレーティングシステムを有する装置であってもよい。このオペレーティングシステムは、アンドロイド(Android)オペレーティングシステムであってもよく、iosオペレーティングシステムであってもよく、他の可能なオペレーティングシステムであってもよく、本出願の実施例は、具体的に限定しない。
【0061】
本出願の実施例による電子機器は、図1から図7の光学レンズ、及び図3における撮像モジュールを搭載することができることによって、10xのズーム倍率、及び200mm以上の等価焦点距離を実現し、長焦点距離の使用需要を満たす。
【0062】
説明すべきこととして、本明細書では、用語である「含む」、「包含」又はその他の任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものであり、それによって一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素を含むだけではなく、明確にリストアップされていない他の要素も含み、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素も含む。それ以上の制限がない場合に、「・・・を1つ含む」という文章で限定された要素について、この要素を含むプロセス、方法、物品又は装置には他の同じ要素も存在することが排除されるものではない。なお、指摘すべきこととして、本出願の実施の形態における方法と装置の範囲は、図示又は討論された順序で機能を実行することに限らず、関わる機能に基づいて基本的に同時である方式又は逆の順序で機能を実行することを含んでもよく、例えば記述されたものとは異なる手順で記述された方法を実行することができるとともに、様々なステップを追加、省略又は組み合わせることができる。また、いくつかの例を参照して記述された特徴は、他の例で組み合わせられることができる。
【0063】
以上の実施の形態の記述によって、当業者であればはっきりと分かるように、上記実施例の方法は、ソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームの形態によって実現されることができる。無論、ハードウェアによって実現されてもよいが、多くの場合、前者は、より好適な実施の形態である。このような理解を踏まえて、本出願の技術案は、実質には又は従来の技術に寄与した部分がソフトウェア製品の形式によって具現化されてもよい。このコンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体(例えばリードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)/ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、一台の端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、又はネットワーク機器などであってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法を実行させるための若干の命令を含む。
【0064】
以上は、図面を結び付けながら、本出願の実施例を記述したが、本出願は、上記の具体的な実施の形態に限らない。上記の具体的な実施の形態は、例示的なものに過ぎず、制限性のあるものではない。当業者は、本出願の示唆で、本出願の趣旨と特許請求の範囲から逸脱しない限り、多くの形式を行うこともでき、いずれも本出願の保護範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7