(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】ケトル蓋、ケトルおよび電気ケトル
(51)【国際特許分類】
A47J 27/21 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
A47J27/21 101Q
A47J27/21 101N
(21)【出願番号】P 2024166736
(22)【出願日】2024-09-25
【審査請求日】2024-09-25
(31)【優先権主張番号】202422041022.4
(32)【優先日】2024-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522021918
【氏名又は名称】東莞市美印電器有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 帆
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-37833(JP,U)
【文献】特開2017-231(JP,A)
【文献】登録実用新案第3245618(JP,U)
【文献】特開2008-212315(JP,A)
【文献】特開2012-152363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水出口を有するケトルを覆うケトル蓋であって、
ボトムケース、それぞれボトムケースに設けられる駆動レバーおよび伝動ユニットを含み、
前記駆動レバーは、ボトムケースに摺動して設けられるように制御されることが可能であり、
前記伝動ユニットは、押えレバーを含み、
前記押えレバーは、ボトムケースの径方向の一側に設けられるとともに、駆動レバーが第1方向に沿って運動する場合、駆動レバーによって押し下げられてボトムケースの底端から突出し、水出口開閉ユニットでケトルの水出口を塞ぐようにケトルの水出口開閉ユニットに作用し、駆動レバーが第1方向と反対の方向である第2方向に沿って移動場合、ボトムケースに引き込み、水出口開閉ユニットでケトルの水出口を開くことを特徴とするケトル蓋。
【請求項2】
前記ボトムケースの押えレバーから離れる一側には、ボトムケースの底面を貫通する吹出孔が開設され、
ケトル蓋がケトルに取り付けられると、ケトル内の水蒸気は、前記吹出孔によりボトムケース内に流入するとともに、前記ケトル蓋から外部へ排出され、
前記ケトル蓋は、ボトムケースに着脱可能に連結される装飾蓋をさらに含み、
装飾蓋には、吹出孔に連通する排気孔が開設され、
ケトル内の水蒸気は、吹出孔と排気孔との間の通路に沿って、排気孔によりケトル蓋の外部に排出され、
前記駆動レバーは、第1方向に沿って運動する場合に前記排気孔を開き、第2方向に沿って運動する場合に前記排気孔を閉じることを特徴とする請求項1に記載のケトル蓋。
【請求項3】
前記吹出孔と排気孔との間には、排気通路が形成され、
前記排気通路は、通気柱を含み、
前記通気柱には、上下両端を貫通する通気孔が設けられ、
前記駆動レバーは、一体成型される封止カバープレート、押えヘッドおよびプッシャープレートを含み、
前記封止カバープレートは、駆動レバーが第2方向に沿って移動する場合、通気柱の通気孔を覆うことが可能であり、
押えヘッドは、駆動レバーが第1方向に沿って移動する場合、前記伝動ユニットに付勢して押えレバーをボトムケースから突出させ、
前記プッシャープレートは、前記装飾蓋から上方へ突出して外部の駆動力を受けることを特徴とする請求項2に記載のケトル蓋。
【請求項4】
前記駆動レバーの底面には、封止カバープレートと押えヘッドとの間に位置規制突起が設けられ、
前記位置規制突起には、開口が下向きの位置規制溝が設けられ、
前記ボトムケースには、前記位置規制突起に対応してスプリングピンが設けられ、
前記スプリングピンは、前記位置規制溝内に弾性的に係入可能であることを特徴とする請求項3に記載のケトル蓋。
【請求項5】
前記伝動ユニットは、伝動ブロックを含み、
前記押えレバーは、伝動ブロックの下方に伝動ブロックと固定され、
前記伝動ブロックは、駆動レバーからの作用力を受けると、押えレバーを下方に運動させるとともに、ボトムケースに予め設けられる第1退避孔に貫通させて水出口開閉ユニットに作用することを特徴とする請求項1に記載のケトル蓋。
【請求項6】
前記ボトムケースには、縦方向に延びるガイド溝が設けられ、
前記伝動ユニットは、支持ブロックおよびガイドレバーをさらに含み、
前記支持ブロックは、伝動ブロックの押えレバーから離れる一側に固着されるとともに、駆動レバーの下方に支持され、
前記ガイドレバーは、前記ガイド溝内に上下動可能に挿着され、
前記伝動ブロックは、伝動傾斜面を有し、
前記伝動傾斜面は、前記支持ブロックから伝動ブロックへの方向に上方へ傾斜することを特徴とする請求項5に記載のケトル蓋。
【請求項7】
ケトル体と、ケトル体の一側に連結される持ち手とを含むケトルであって、
前記ケトル体の頂端の、持ち手から離れる一側には、注ぎ口が設けられ、
ケトル体内には、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のケトル蓋に係合する止水リングが設けられ、
前記止水リングの注ぎ口に近接する箇所には、注ぎ口に連通する水出口が設けられ、
水出口開閉ユニットをさらに含み、
前記水出口開閉ユニットは、水出口に近接して前記ケトル体に連結され、水出口に係合する封止ブロックを含み、
前記封止ブロックは、伝動ユニットによって前記水出口を塞ぐことを特徴とするケトル。
【請求項8】
前記水出口開閉ユニットは、取付台、隆起プレートおよびリターンスプリングを含み、
前記取付台は、前記ケトル体の内側に固定され、
前記隆起プレートは、一体成型される押え端と、封止端と、この両者の間に横設される回転軸とを含み、
前記隆起プレートは、回転軸によって取付台に回動可能に取り付けられ、
前記押え端は、伝動ユニットの下方に設けられるとともに、伝動ユニットによる下向きの圧力を受けると下方に移動して前記封止端を持ち上げ、
前記封止ブロックは、前記封止端に設けられ、
前記リターンスプリングは、前記押え端と取付台との間に弾圧され、伝動ユニットによる押え端への作用力が解除されると押え端を上昇、復帰させ、封止端で封止ブロックを水出口から離間させることを特徴とする請求項7に記載のケトル。
【請求項9】
伝動ユニットに押さえレバーが設けられる場合、前記押え端が止水リングの下方に設けられ、
前記押えレバーに対応して退避切欠口が前記止水リングに設けられることで、前記押えレバーが退避切欠口を貫通して前記押え端に付勢することを特徴とする請求項8に記載のケトル。
【請求項10】
前記水出口は、常時開放式の水出口であり、
前記封止ブロックは、ケトルにケトル蓋を閉めなかったり、押えレバーがボトムケースから突出しなかったりする場合に、水出口と互いに分離することを特徴とする請求項7に記載のケトル。
【請求項11】
ケトルと、ケトルの頂端を覆うケトル蓋とを含む電気ケトルであって、
前記ケトル蓋は、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載されるケトル蓋であり、
前記ケトルは、ケトル体と、ケトル体の一側に連結される持ち手とを含み、
前記ケトル体の頂端の、持ち手から離れる一側には、注ぎ口が設けられ、
ケトル体内には、前記ケトル蓋に係合する止水リングが設けられ、
前記止水リングの注ぎ口に近接する箇所には、注ぎ口に連通する水出口が設けられ、
水出口開閉ユニットをさらに含み、
前記水出口開閉ユニットは、水出口に近接して前記ケトル体に連結され、水出口に係合する封止ブロックを含み、
前記封止ブロックは、伝動ユニットによって前記水出口を塞ぐことを特徴とする電気ケトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用電気製品の技術分野に関し、特に、ケトル蓋、ケトルおよび電気ケトルに関する。
【背景技術】
【0002】
電気ケトルは、お湯を急速に沸かすための一般的な電気製品である。現在、生活水準の向上に伴い、電気で加熱を行う電気ケトルの普及が進んでいる。電気ケトルは、水蒸気によって水が沸騰したかどうかを判断し、水が沸騰した後に自動的に電源を切ることができる。従来の電気ケトルは、通常、ケトル本体、サーモエレメントおよびケトル蓋を含み、ケトル本体に水出口が直接に設置され、水の注ぎだしを容易にするために、ケトル蓋が開閉式の構造であることが多い。このような構造の電気ケトルは、構造が簡単で、製造が容易であるため、広く使われている。しかしながら、このような電気ケトルは、ケトル本体の内タンクが水出口に直接に連通するため、ケトルが傾いたり転倒したりすると、ケトル内のお湯が流出してやけどをしやすくなる。そのため、安全上の問題が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、電気ケトルの水出口の開閉を容易に制御し、安全性の高いケトル蓋、ケトルおよび電気ケトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を実現するために、本発明に係る技術案は以下通りである。
第1態様として、本発明は、水出口を有するケトルを覆うケトル蓋を提供する。前記ケトル蓋は、ボトムケース、それぞれボトムケースに設けられる駆動レバーおよび伝動ユニットを含む。前記駆動レバーは、ボトムケースに摺動して設けられるように制御されることが可能である。前記伝動ユニットは、押えレバーを含む。前記押えレバーは、ボトムケースの吹出孔から離れる一側に設けられるとともに、駆動レバーが第1方向に沿って運動する場合、駆動レバーによって押し下げられてボトムケースから突出し、水出口開閉ユニットでケトルの水出口を塞ぐようにケトルの水出口開閉ユニットに作用し、駆動レバーが第1方向と反対の方向である第2方向に沿って移動する場合、ボトムケースに引き込み、水出口開閉ユニットでケトルの水出口を開く。
【0005】
一実施形態では、前記ボトムケースの径方向に沿う一側には、ボトムケースの底面を貫通する吹出孔が開設される。ケトル蓋がケトルに取り付けられると、ケトル内の水蒸気は、前記吹出孔によりボトムケース内に流入するとともに、前記ケトル蓋から外部へ排出される。前記ケトル蓋は、ボトムケースに着脱可能に連結される装飾蓋をさらに含む。装飾蓋には、吹出孔に連通する排気孔が開設される。ケトル内の水蒸気は、吹出孔と排気孔との間の通路に沿って、排気孔によりケトル蓋の外部に排出される。前記駆動レバーは、第1方向に沿って運動する場合に前記排気孔を開き、第2方向に沿って運動する場合に前記排気孔を閉じる。
【0006】
一実施形態では、前記ボトムケースの吹出孔から離れる一側には、伝動ユニット取付溝が設けられる。前記伝動ユニットは、前記伝動ユニット取付溝内に昇降可能に設置される。前記吹出孔と伝動ユニット取付溝との間には、摺動通路が形成される。前記駆動レバーは、前記摺動通路内に設けられる。
【0007】
一実施形態では、前記吹出孔と排気孔との間には、排気通路に形成される。前記排気通路は、通気柱を含む。前記通気柱には、上下両端を貫通する通気孔が設けられる。前記駆動レバーは、一体成型される封止カバープレート、押えヘッドおよびプッシャープレートを含む。前記封止カバープレートは、駆動レバーが第2方向に沿って移動する場合、通気柱の通気孔を覆うことが可能である。押えヘッドは、駆動レバーが第1方向に沿って移動する場合、前記伝動ユニットに付勢する。前記プッシャープレートは、前記装飾蓋から上方へ突出して外部の駆動力を受ける。
【0008】
一実施形態では、前記駆動レバーの底面には、封止カバープレートと押えヘッドとの間に位置規制突起が設けられる。前記位置規制突起には、開口が下向きの位置規制溝が設けられる。前記ボトムケースには、前記位置規制突起に対応してスプリングピンが設けられる。前記スプリングピンは、前記位置規制溝内に弾性的に係入可能である。
【0009】
一実施形態では、前記伝動ユニットは、伝動ブロックと、伝動ブロックの下方に伝動ブロックと固定される押えレバーとを含む。前記伝動ブロックは、駆動レバーからの作用力を受けると、押えレバーを下方に運動させるとともに、ボトムケースに予め設けられる第1退避孔に貫通させて水出口開閉ユニットに作用する。
【0010】
一実施形態では、前記ボトムケースには、縦方向に延びるガイド溝が設けられる。前記伝動ユニットは、支持ブロックおよびガイドレバーをさらに含む。前記支持ブロックは、伝動ブロックの吹出孔に近接する一側に固着されるとともに、駆動レバーの下方に支持される。前記ガイドレバーは、前記ガイド溝内に上下動可能に挿着される。前記伝動ブロックは、伝動傾斜面を有する。前記伝動傾斜面は、前記支持ブロックから伝動ブロックへの方向に上方へ傾斜する。
【0011】
第2態様として、本発明は、ケトル体と、ケトル体の一側に連結される持ち手と、水出口開閉ユニットとを含むケトルをさらに提供する。前記ケトル体の頂端の、持ち手から離れる一側には、注ぎ口が設けられる。ケトル体内には、上記のケトル蓋に係合する止水リングが設けられる。当該止水リングの注ぎ口に近接する箇所には、注ぎ口に連通する水出口が設けられる。前記水出口開閉ユニットは、水出口に近接して前記ケトル体に連結され、水出口に係合する封止ブロックを含む。前記封止ブロックは、伝動ユニットによって前記水出口を塞ぐことが可能である。
【0012】
一実施形態では、前記水出口開閉ユニットは、取付台、隆起プレートおよびリターンスプリングを含む。前記取付台は、前記ケトル体の内側に固定される。前記隆起プレートは、一体成型される押え端と、封止端と、この両者の間に横設される回転軸とを含む。前記隆起プレートは、回転軸によって取付台に回動可能に取り付けられる。前記押え端は、伝動ユニットの下方に設けられるとともに、伝動ユニットによる下向きの圧力を受けると下方に移動して前記封止端を持ち上げる。前記封止ブロックは、前記封止端に設けられる。前記リターンスプリングは、前記押え端と取付台との間に弾圧され、伝動ユニットによる押え端への作用力が解除されると押え端を上昇、復帰させ、封止端で封止ブロックを水出口から離間させる。
【0013】
一実施形態では、伝動ユニットに押えレバーが設けられる場合、前記押え端が止水リングの下方に設けられる。前記押えレバーに対応して退避切欠口が前記止水リングに設けられることで、前記押えレバーが退避切欠口を貫通して前記押え端に付勢する。
【0014】
一実施形態では、前記水出口は、常時開放式の水出口である。前記封止ブロックは、ケトル蓋がケトルを覆わなかったり、押えレバーがボトムケースから突出しなかったりする場合、水出口と互いに分離する。
【0015】
第3態様として、本発明は、ケトルと、ケトルの頂端を覆う上記のケトル蓋とを含む電気ケトルをさらに提供する。前記ケトル蓋は、ケトル体、ケトル体の一側に連結される持ち手および水出口開閉ユニットを含む。前記ケトル体の頂端の、持ち手から離れる一側には、注ぎ口が設けられる。ケトル体内には、前記ケトル蓋に係合する止水リングが設けられる。前記止水リングの注ぎ口に近接する箇所には、注ぎ口に連通する水出口が設けられる。電気ケトルは、水出口開閉ユニットをさらに含む。前記水出口開閉ユニットは、水出口に近接して前記ケトル体に連結され、水出口に係合する封止ブロックを含む。前記封止ブロックは、伝動ユニットによって前記水出口を塞ぐことが可能である。
【発明の効果】
【0016】
従来技術に比べて、本発明は以下の利点を有する。本発明に係るケトル蓋では、駆動レバーと伝動ユニットがケトル内の水出口開閉ユニットに間接的に作用して水出口を閉じる。これにより、ケトル蓋の駆動レバーを操作することで、ケトルの水出口の開閉を制御し、ユーザにとって使い勝手が良く、ケトルの安全性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施例に係るケトル蓋の斜視図である。
【
図2】
図1に示されるケトル蓋を他の角度から見た場合の斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るボトムケースの斜視図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る駆動レバーの斜視図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る伝動ユニットの斜視図である。
【
図6】本発明の駆動レバーと伝動ユニットの取付、ボトムケースの構造を示す図である。
【
図7】本発明の一実施例に係るケトルの斜視図である。
【
図8】本発明の一実施例に係る止水口ユニットの斜視図である。
【
図9】本発明の一実施例に係る電気ケトルの斜視図であり、排気孔を閉じて水出口を開く状態を示す。
【
図10】
図9に示される電気ケトルの断面図である。
【
図11】本発明の一実施例に係る電気ケトルの斜視図であり、排気孔を開いて水出口を閉じる状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面および例示的な実施例を参照しながら本発明をさらに説明し、図面において同じ符号は全て同じ部品を指す。また、既知の技術の詳細な説明が本発明の特徴を示すことについて必要ではない場合には、それを省略する。
【0019】
図1~
図12を参照し、本発明は、ケトル蓋100、ケトル200、およびケトル蓋100とケトル200からなる電気ケトルに関する。当該ケトル蓋100は、使用時に、排気孔121および水出口2121の一方を開状態にし、他方を閉状態にするように制御可能であり、優れた安全性能を有し、ユーザにとって使い勝手もよい。
【0020】
なお、
図1~
図6を参照し、前記ケトル蓋100は、ボトムケース10、装飾蓋20、駆動レバー30および伝動ユニット40を含む。
【0021】
前記ボトムケース10の径方向に沿う一側には、ボトムケース10の底面を貫通する吹出孔122が開設される。前記吹出孔122は、ケトル蓋100がケトル200に取り付けられる場合にケトル200内の水蒸気をボトムケース10内に流入させる。
【0022】
前記装飾蓋20は、ボトムケース10の上方を覆うとともに、ボトムケース10に連結されて収納スペースを画定する。装飾蓋20には、排気孔121が開設される。当該排気孔121が吹出孔122に連通することで、ケトル内の水蒸気を排気孔121によって排出し、ケトル内の圧力を軽減する。一実施形態では、前記装飾蓋20は、ボトムケース10に係合して連結されることで、ボトムケースとの組み立てを容易にする。
【0023】
前記駆動レバー30は、ボトムケース10に摺動可能に設けられるとともに、第1方向に沿って運動する場合、排気孔121を開くように制御されることが可能であり、第1方向と反対の方向である第2方向に沿って運動する場合、前記排気孔121を閉じる。一実施形態では、駆動レバー30が装飾蓋20から突出するプッシャープレート34を有し、これにより、ユーザによる押圧を容易にして駆動レバー30の摺動を果たす。
【0024】
前記伝動ユニット40は、ボトムケース10の排気通路120から離れる一側に設けられるとともに、駆動レバー30が第1方向に沿って運動する場合、駆動レバー30によって押し下げられてボトムケース10に対して下方に移動する。これにより、伝動ユニット40は、ケトル200の水出口開閉ユニット220に作用することで、水出口開閉ユニット220でケトル200の水出口2121を塞ぐ。一方、前記伝動ユニット40は、駆動レバー30が第2方向に沿って移動する場合、ボトムケース10に対して上方へ移動し、水出口開閉ユニット220でケトル200の水出口2121を開く。
【0025】
本発明のケトル蓋100では、駆動レバー30によって水蒸気の排気孔121の開閉を果たす。駆動レバー30は、排気孔121を開く場合、伝動ユニット40によってケトル内の水出口開閉ユニット220に間接的に作用して水出口2121を閉じる。これにより、排気孔121および水出口2121の一方が開くとともに他方が閉じ、ユーザにとって使い勝手がよく、ケトル200の安全性も向上する。
【0026】
一実施形態では、前記ボトムケース10の吹出孔122から離れる一側には、伝動ユニット取付溝110が設けられる。前記伝動ユニット40は、前記伝動ユニット取付溝110内に昇降可能に設置される。前記吹出孔122と伝動ユニット取付溝110との間には、摺動通路が形成される。前記駆動レバー30は、前記摺動通路内に設けられる。
【0027】
吹出孔122と伝動ユニット取付溝110との間に摺動通路が設置されることで、駆動レバー30は、摺動通路内に摺動し、駆動レバー30の摺動軌跡を直線にすることで、ケトル蓋100の設計を容易にし、駆動レバー30によるケトル200の排気機能と水出口2121の閉塞機能をより正確に制御する。
【0028】
一実施形態では、前記吹出孔122と排気孔121との間には、排気通路120が形成される。前記排気通路120は、通気柱123を含む。前記通気柱123には、上下の両端を貫通する通気孔が設けられる。
【0029】
前記駆動レバー30は、一体成型される封止カバープレート31と押えヘッド32を含む。前記プッシャープレート34は、封止カバープレート31と押えプレートとの間に設けられるとともに、装飾蓋20から上方へ突出する。前記封止カバープレート31は、駆動レバー30が第2方向に沿って移動する場合、通気柱123の通気孔を覆うことができる。押えヘッド32は、駆動レバー30が第1方向に沿って移動する場合、前記伝動ユニット40に付勢する。
【0030】
一実施形態では、前記駆動レバー30の底面には、封止カバープレート31と押えヘッド32との間に位置規制突起33が設けられる。前記位置規制突起33には、開口が下向きの位置規制溝331が設けられる。前記ボトムケース10には、前記位置規制突起33に対応してスプリングピン50が設けられる。前記スプリングピン50は、前記位置規制溝331内に弾性的に係入可能である。
【0031】
位置規制溝331とスプリングピン50が設置されてロック部材を構成することで、駆動レバー30のロックを果たし、駆動レバー30の自動復帰によるユーザの使用への影響を回避し、ユーザにとって使い勝手が良くて安全性を向上させる。
【0032】
一実施形態では、前記伝動ユニット40は、伝動ブロック42と、伝動ブロック42の下方に伝動ブロック42と固定される押えレバー421とを含む。前記伝動ブロック42は、駆動レバー30からの作用力を受けると、押えレバー421を下方へ運動させ、ボトムケース10に予め設けられた第1退避孔111に貫通させて水出口開閉ユニット220に作用する。
【0033】
一実施形態では、前記ボトムケース10には、縦方向に延びるガイド溝112が設けられる。当該ガイド溝112は、伝動ユニット取付溝110内に設けられるとともに、第1退避孔111と吹出孔122との間に位置する。
【0034】
前記伝動ユニット40は、支持ブロック41およびガイドレバー411をさらに含む。前記支持ブロック41は、伝動ブロック42の吹出孔122に近接する一側に固着されるとともに、駆動レバー30の下方に支持される。前記ガイドレバー411は、前記ガイド溝112内に上下動可能に挿着される。
【0035】
前記伝動ブロック42は、伝動傾斜面420を有する。前記伝動傾斜面420は、前記支持ブロック41から伝動ブロック42への方向に上方へ傾斜する。これにより、駆動レバーは、第1方向に沿って移動する場合、前記伝動ブロック42を漸次に押し下げる。
【0036】
こうすることで、駆動レバー30が支持ブロック41から伝動ブロック42への方向、かつ伝動傾斜面に沿って移動して伝動ブロック42を押し下げる過程において、伝動ブロック42および押えレバー421の移動を位置規制したりガイドしたりし、伝動ブロック42の回動を防止し、駆動レバー30で水出口2121を通常に閉じることができる。
【0037】
第2態様として、本発明は、ケトル200をさらに提供する。ケトル200は、ケトル体210、ケトル体210の一側に連結される持ち手および水出口開閉ユニット220を含む。
【0038】
前記ケトル体210の頂端の、持ち手から離れる一側には、注ぎ口211が設けられる。ケトル体210内には、上記のケトル蓋100に係合する止水リング212が設けられる。当該止水リング212の注ぎ口211に近接する箇所には、注ぎ口211に連通する水出口2121が設けられる。
【0039】
前記水出口開閉ユニット220は、水出口2121に近接して前記ケトル体210に連結され、水出口2121に係合する封止ブロック2223を含む。前記封止ブロック2223は、伝動ユニット40によって前記水出口2121を塞ぐことが可能である。
【0040】
前記水出口2121は、常時開放式の水出口である。前記封止ブロック2223は、ケトル蓋100がケトルを覆わなかったり、押えレバー421がボトムケース10から突出しなかったりする場合、水出口2121と互いに分離する。水出口2121を常時開放にして注ぎ口211に近接して設置することで、ケトル体210内の水を完全に排水することを容易にし、ケトル200内に水が溜まって水の劣化や臭いを引き起こすという問題を回避する。
【0041】
一実施形態では、前記水出口開閉ユニット220は、取付台221、隆起プレート222およびリターンスプリング223を含む。
【0042】
前記取付台221は、前記ケトル体210の内側に固定される。前記隆起プレート222は、一体成型される押え端2222と、封止端2221と、両者の間に横設される回転軸2220とを含む。前記封止ブロック2223は、前記封止端2221に設けられる。前記隆起プレート222は、回転軸2220によって取付台221に回動可能に取り付けられる。前記押え端2222は、押えレバー421の下方に設けられるとともに、押えレバー421からの下向きの圧力を受けると下方に移動することで、水出口2121を塞ぐように前記封止端2221を持ち上げる。前記リターンスプリング223は、前記押え端2222と取付台221との間に弾圧され、押えレバー421による押え端2222への作用力が解除されると、押え端2222を上昇、復帰させ、封止端2221が封止ブロック2223を水出口2121から離間させ、水出口2121を開く。
【0043】
一実施形態では、前記押え端2222は、止水リング212の下方に設けられる。前記止水リング212には、前記押えレバー421に対応して退避切欠口2122が設けられる。これにより、前記押えレバー421は、退避切欠口2122を貫通して前記押え端2222に付勢する。水出口開閉ユニット220が止水リング212の下方に設置されることで、水出口開閉ユニット220がケトル口から露出することを避け、ケトル200の外観を向上させる。
【0044】
第3態様として、本発明は、上記のケトル200と、ケトル200の頂端を覆う上記のケトル蓋100と、ケトル200の下方に設けられる通電ベース300とを含む電気ケトルをさらに提供する。前記通電ベース300は、電気エネルギーを受けてケトル200内の液体を加熱する。前記電気ケトルは、上記のケトル蓋100およびケトル200を有するため、ケトル蓋100およびケトル200の利点を必ず有することになり、ここでは、その詳細を省略する。
【0045】
以上の内容は本発明のいくつかの例示的な実施例を示したが、当業者にとって、本発明の原理または精神から逸脱しない場合、これらの例示的な実施例を変更することができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲およびその同等物により限定されることを理解できる。
【要約】 (修正有)
【課題】ユーザにとって使い勝手が良く、ケトルの安全性も向上するケトル蓋を提供する。
【解決手段】ケトル蓋、ケトルおよび電気ケトルに関する。ケトル蓋は、ボトムケース10、それぞれボトムケース10に設けられる駆動レバー30および伝動ユニット40を含む。駆動レバー30は、制御されてボトムケース10に摺動可能に設けられる。伝動ユニット40は、押えレバーを含む。押えレバーは、ボトムケース10の径方向の一側に設けられるとともに、駆動レバー30が第1方向に沿って運動する場合、駆動レバー30によって押し下げられてボトムケース10の底端から突出し、水出口開閉ユニットでケトルの水出口を塞ぐように水出口開閉ユニットに作用し、駆動レバー30が第1方向と反対の方向である第2方向に移動する場合、ボトムケース10に引き込み、水出口開閉ユニットでケトルの水出口を開く。
【選択図】
図6