(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】廃水中の亜リン酸塩イオンを回収する装置および方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/28 20230101AFI20241219BHJP
B01J 20/06 20060101ALI20241219BHJP
B01J 20/30 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
C02F1/28 P
B01J20/06 C
B01J20/30
(21)【出願番号】P 2022113469
(22)【出願日】2022-07-14
【審査請求日】2022-07-14
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】202210512836.4
(32)【優先日】2022-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517428687
【氏名又は名称】重▲慶▼文理学院
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】関偉
(72)【発明者】
【氏名】袁明杰
(72)【発明者】
【氏名】張勇
(72)【発明者】
【氏名】宋丹
(72)【発明者】
【氏名】李寧
(72)【発明者】
【氏名】楊粛博
(72)【発明者】
【氏名】欧忠文
(72)【発明者】
【氏名】曾文
(72)【発明者】
【氏名】謝志剛
(72)【発明者】
【氏名】劉永勝
【合議体】
【審判長】三崎 仁
【審判官】増山 淳子
【審判官】金 公彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-178682(JP,A)
【文献】特開2013-184122(JP,A)
【文献】国際公開第2015/083840(WO,A1)
【文献】特開2013-146660(JP,A)
【文献】国際公開第2011/108195(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/28,1/42,1/58-1/64
B01J20/00-20/28,20/30-20/34
C02F 1/00-17/38
C01G 1/00-23/08,49/00-49/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃水中の亜リン酸塩イオンを回収する装置であって、
上から下へ順次、
TiO
2
変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを調製するための攪
拌タンク(1)および材料投入タンク(2)、および廃水中の亜リン酸塩イオンを吸着す
るための吸着タンク(4)を含み、
前記攪拌タンク(1)内に研磨機構(3)が設けられ、
前記攪拌タンク(1)に第1排水管(11)が設けられ、前記第1排水管(11)内にス
トレーナーおよびドレインバルブが設けられ、
前記材料投入タンク(2)内に、その内壁に摺動かつ密閉可能に接続された支持板(21
)が設けられ、支持板(21)の円心に第1伝達軸(22)が垂直に貫通して回転可能に
設けられ、前記第1伝達軸(22)の下端に第1ベベルギア(221)が設けられ、第1
伝達軸(22)の上端に円筒カム(222)が設けられ、支持板(21)に、前記円筒カ
ム(222)に当接されて上下に往復運動するトップバー(211)が設けられ、
材料投入タンク(2)の上端口にバッフル(23)が設けられ、前記バッフル(23)は
少なくとも2つのスリーブ(24)を介して支持板(21)に接続され、
支持板(21)に、各スリーブ(24)と1対1に摺動可能に嵌設された支持ロッド(2
5)が貫通して設けられ、支持ロッド(25)の下端が材料投入タンク(2)底面に固定
され、
前記第1ベベルギア(221)の真下に攪拌ロッド(41)が設けられ、前記攪拌ロッド
(41)の上端が吸着タンク(4)を貫通して材料投入タンク(2)内に延伸し、攪拌ロ
ッド(41)の上端に第2ベベルギア(411)が設けられ、
前記材料投入タンク(2)内に、それぞれ第1ベベルギア(221)、第2ベベルギア(
411)と噛み合う第3ベベルギア(42)が設けられ、前記第3ベベルギア(42)に
その回転を駆動するための駆動部材が接続され、
バッフル(23)と支持板(21)の間に位置する材料投入タンク(2)の側壁が材料投
入管(43)を介して吸着タンク(4)と連通し、
前記攪拌タンク(1)に第1材料添加口(12)が設けられ、前記攪拌タンク(1)の内
壁および前記バッフル(23)の底部にそれぞれ電気ヒーターが設けられ、前記吸着タン
ク(4)に第2材料添加口(44)および第2排水管(45)が設けられ、前記第2排水
管(45)内にストレーナーおよびドレインバルブが設けられ、
前記攪拌タンク(1)の上面に昇降可能な載置板が設けられ、前記載置板は昇降モータを
介して攪拌タンク(1)の上面に接続され、
前記研磨機構(3)は、ハウジング(31)を含み、前記ハウジング(31)は前記載置
板に固定的に接続され、ハウジング(31)の内部は中空であり、ハウジング(31)内
に上から下へ順次ハウジング(31)に回転可能に接続されたねじディスク(32)およ
び研磨ディスク(33)が設けられ、研磨ディスク(33)に位置するハウジング(31
)の底面に貫通穴が設けられ、
前記研磨ディスク(33)にその回転を駆動するための摺動軸が設けられ、前記摺動軸に
第2伝達軸(34)が嵌設され、摺動軸に少なくとも1組の摺動条が設けられ、前記摺動
条の上端に係合ブロックが設けられ、前記第2伝達軸(34)内に摺動条と係合ブロック
を制限して摺動させるための摺動溝が設けられ、前記摺動溝の下端に係合ブロックに回転
可能に係合された係合溝が設けられ、第2伝達軸(34)の下端にストッパーが設けられ
、前記第2伝達軸(34)
が順次ハウジング(31)、載置板、攪拌タンク(1)を貫通
し、
攪拌タンク(1)の上方に位置する前記第2伝達軸(34)に上から下へ順次第6ベベル
ギア(343)、第5ベベルギア(342)が固定的に嵌設され、前記第6ベベルギア(
343)と前記ストッパーの間に位置する第2伝達軸(34)にばねが嵌設され、前記第
6ベベルギア(343)と第5ベベルギア(342)の間に第6ベベルギア(343)ま
たは第5ベベルギア(342)と噛み合って伝達された第4ベベルギア(35)が設けら
れ、前記第4ベベルギア(35)は攪拌タンク(1)に設けられた回転モータの出力軸に
接続され、
前記第2伝達軸(34)の上端に、第4ベベルギア(35)と第6ベベルギア(343)
または第5ベベルギア(342)と噛み合いを押圧により切り替えるためのボタン(34
4)が設けられ、
ねじディスク(32)の上方に複数組の焼成ノズル(321)が設けられ、前記焼成ノズ
ル(321)は係合爪を介してねじディスク(32)の平面ねじ山にねじ込まれ、ハウジ
ング(31)の側壁に焼成ノズル(321)が制限された状態で摺りだすための出口が設
けられ、
ハウジング(31)とねじディスク(32)の間に位置する摺動軸に第2摩擦ディスク(
341)が設けられ、第2摩擦ディスク(341)の位置に対応する前記ねじディスク(
32)に第2摩擦ディスク(341)と協力して摩擦により伝達するための第1摩擦ディ
スク(322)が設けられる、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記トップバー(211)に、前記円筒カム(222)に接触するためのローラーが設け
られ、前記吸着タンク(4)の底板は取り外し可能な底板であり、吸着タンク(4)の底
板に電気ヒーターが設けられ、吸着タンク(4)の外壁に吸着タンク(4)を支持するた
めのラック(46)が嵌設される、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記研磨機構(3)は、ダイヤモンド研磨ディスクであり、攪拌タンク(1)の上部に昇
降可能な載置板が設けられ、前記研磨機構(3)は前記載置板に設けられた回転モータの
出力軸に接続され、前記載置板は昇降モータを介して攪拌タンク(1)の内部上面に接続
され、載置板に焼成ノズル(321)が設けられ、前記焼成ノズル(321)は配管を介
して外部ガス供給タンクに接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ハウジング(31)は前記載置板と少なくとも2つの伸縮ロッド(311)を介して
固定的に接続され、第2摩擦ディスク(341)と第1摩擦ディスク(322)の間隔と
、第6ベベルギア(343)と第4ベベルギア(35)の噛み合いを切り替えるための移
動距離と、第5ベベルギア(342)と第4ベベルギア(35)の噛み合いを切り替える
ための移動距離と、は等しい、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の装置を使用して廃水中の亜リン酸塩イオンを回収す
る方法であって、
ステップ1:Mg
2+、Fe
3+およびTiCl
4を用量比2~3mol:1mol:2.
4~7.2gで100ml脱イオン水に混合して混合液を得た後、前記混合液を攪拌タン
ク(1)内に加え、攪拌タンク(1)で攪拌し、攪拌中NaOHを加えて混合液のpHを
11~12に調節し、その中で、前記攪拌タンク(1)の攪拌速度は150rpmで、攪
拌時間は0.5~1hである、ステップと、
ステップ2:攪拌終了後、攪拌タンク(1)の内壁上の電気ヒーターをオンにして、混合
液を120~150℃で1~3h水熱反応させ、水熱反応終了後、混合液のpHを7~9
に調節し、次に第1排水管(11)のドレインバルブを開き、ストレーナーの濾過により
固体粒子をバッフル(23)に残留させるステップと、
ステップ3:バッフル(23)の底部の電気ヒーターをオンにして、前記固体粒子を乾燥
させ、攪拌タンク(1)内の載置板を降下制御し、研磨機構(3)によりバッフル(23
)上の固体粒子を研磨した後、攪拌タンク(1)内に窒素ガスを通し、焼成ノズル(32
1)を開き、固体粒子を560~610℃で1~2h焼成し、焼成終了後
TiO
2
変性マ
グネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを調製するステップと、
ステップ4:吸着タンク(4)内の廃水のpHを2~8に調節した後、材料投入タンク(
2)内の駆動部材をオンにして、バッフル(23)上の
TiO
2
変性マグネシウム‐鉄ハ
イドロタルサイトを間欠的に廃水に投入し、駆動部材により攪拌ロッド(41)を同時に
駆動して廃水を攪拌し、その中で、攪拌ロッド(41)の攪拌速度は120~150rp
mで、攪拌時間は5~60minであり、
TiO
2
変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサ
イトおよび廃水中の亜リン酸塩イオンの質量濃度比は1~1.5:1である、ステップと
、
を含む、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気メッキ廃水処理の技術分野に関し、具体的には、廃水中の亜リン酸塩イオ
ンを回収する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術で用いられている亜リン酸塩を除去するための2段階の「酸化-沈殿」プロセス
は、1)システムが複雑でコストがかかる、2)水体中のリン酸塩濃度が低いため速度論
が遅い、3)凝集剤/塩基により2次汚染が起こりやすい、という問題点がある。
ハイドロタルサイト化合物は、陰イオン汚染処理のための吸着材としてよく使用されるが
、ハイドロタルサイト化合物は亜リン酸塩イオンの吸着には適しておらず、他の陰イオン
が存在する水体環境では亜リン酸塩イオンに対する吸着性が深刻な障害を引き起こすため
、上記の問題を解決するために、廃水から亜リン酸塩イオンを効率的に回収する装置及び
方法が求められている。
【発明の概要】
【0003】
廃水中の亜リン酸塩イオンを回収する装置は、上から下へ順次、TiO2変性マグネシウ
ム‐鉄ハイドロタルサイトを調製するための攪拌タンクおよび材料投入タンク、および廃
水中の亜リン酸塩イオンを吸着するための吸着タンクを含み、前記攪拌タンク内に研磨機
構が設けられ、前記攪拌タンクに第1排水管が設けられ、前記第1排水管内にストレーナ
ーおよびドレインバルブが設けられ、
前記材料投入タンク内に、その内壁に摺動かつ密閉可能に接続された支持板が設けられ、
支持板の円心に第1伝達軸が垂直に貫通して回転可能に設けられ、前記第1伝達軸の下端
に第1ベベルギアが設けられ、第1伝達軸の上端に円筒カムが設けられ、支持板に、前記
円筒カムに当接されて上下に往復運動するトップバーが設けられ、
材料投入タンクの上端口にバッフルが設けられ、前記バッフルは少なくとも2つのスリー
ブを介して支持板に接続され、支持板に、各スリーブと1対1に摺動可能に嵌設された支
持ロッドが貫通して設けられ、支持ロッドの下端が材料投入タンク底面に固定され、
第1ベベルギアの真下に攪拌ロッドが設けられ、前記攪拌ロッドの上端が吸着タンクを貫
通して材料投入タンク内に延伸し、攪拌ロッドの上端に第2ベベルギアが設けられ、材料
投入タンク内に、それぞれ第1ベベルギア、第2ベベルギアと噛み合う第3ベベルギアが
設けられ、前記第3ベベルギアにその回転を駆動するための駆動部材が接続され、ッフル
と支持板間の材料投入タンクの側壁が材料投入管を介して吸着タンクと連通し、攪拌タン
クに第1材料添加口が設けられ、前記攪拌タンクの内壁および前記バッフルの底部にそれ
ぞれ電気ヒーターが設けられ、前記吸着タンクに第2材料添加口および第2排水管が設け
られ、前記第2排水管内にストレーナーおよびドレインバルブが設けられる。攪拌タンク
と吸着タンクの一体化設置により、占有空間がより小さくなり、使用しやすく、円筒カム
とトップバーの配合により、バッフルが上下往復に材料を間欠的に投入し、かつ駆動部材
は攪拌ロッドを駆動して攪拌する同時に材料を間欠的に投入し、TiO2変性マグネシウ
ム‐鉄ハイドロタルサイトを攪拌する同時に廃水に徐々に加え、このように、TiO2変
性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトをより迅速に、より均一に廃水に分布して亜リン
酸塩イオンを吸着する。
本発明の一側面によれば、トップバーに円筒カムと接触するローラーが設けられ、トップ
バーと円筒カム間の摩耗を低減し、吸着タンクの底板は取り外し可能な底板であり、吸着
タンクの底板に電気ヒーターが設けられ、吸着タンク外壁に吸着タンクを支持するための
ラックが嵌設され、取り外し可能な底板により、吸着終了後、底板を取り外してTiO2
変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを回収し、ラックの設置により装置全体がより
安定になる。
本発明の選択可能な解決策として、研磨機構は市販されているダイヤモンド研磨ディスク
であり、攪拌タンク上部に昇降可能な載置板が設けられ、研磨機構は載置板に設けられた
回転モータの出力軸に接続され、載置板は昇降モータを介して攪拌タンク内部の上面に接
続され、載置板に焼成ノズルが設けられ、焼成ノズルは配管を介して外部ガス供給タンク
に接続され、昇降可能な研磨ディスクと焼成ノズルの設計により、攪拌タンク内でTiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを直接に調製し、使用がより便利である。
本発明の別の選択可能な解決策によれば、攪拌タンクの上面に昇降可能な載置板が設けら
れ、載置板は昇降モータを介して攪拌タンクの上面に接続され、研磨機構はハウジングを
含み、ハウジングは載置板に固定的に接続され、ハウジング内部は中空でありハウジング
内に上から下へ順次にハウジングに回転可能に接続されたねじディスクおよび研磨ディス
クが設けられ、研磨ディスクに位置するハウジングの底面に貫通穴が設けられ、
研磨ディスクにその回転を駆動するための摺動軸が設けられ、摺動軸に第2伝達軸が嵌設
され、摺動軸に少なくとも1組の摺動条が設けられ、摺動条の上端に係合ブロックが設け
られ、第2伝達軸内に摺動条および係合ブロックを制限して摺動させるための摺動溝が設
けられ、摺動溝の下端に係合ブロックに回転可能に係合された係合溝が設けられ、第2伝
達軸の下端にストッパーが設けられ、第2伝達軸の上端が順次ハウジング、載置板、攪拌
タンクを貫通し、攪拌タンク上方に位置する第2伝達軸に上から下へ順次第6ベベルギア
、第5ベベルギアが固定的に嵌設され、第6ベベルギアとストッパー間に位置する第2伝
達軸にばねが嵌設され、第6ベベルギアと第5ベベルギア間に第6ベベルギアまたは第5
ベベルギアと噛み合って伝達された第4ベベルギアが設けられ、第4ベベルギアは攪拌タ
ンクに設けられた回転モータの出力軸に接続され、第2伝達軸上端に第4ベベルギアと第
6ベベルギアまたは第5ベベルギアの噛み合いを押圧により切り替えるためのボタンが設
けられ、ねじディスクの上方に複数組の焼成ノズルが設けられ、焼成ノズルは係合爪を介
してねじディスクの平面にねじ山でねじ込まれ、ハウジング側壁に焼成ノズルが制限され
た状態で摺りだすための出口が設けられ、ハウジングとねじディスク間の摺動軸に第2摩
擦ディスクが設けられ、第2摩擦ディスク位置に対応するするねじディスクに、第2摩擦
ディスクと協力して摩擦により伝達するための第1摩擦ディスクが設けられ、上記設計の
研磨機構により、焼成ノズルと研磨ディスクの組合せ式設置により、攪拌タンクの空間を
節約する同時に、ボタンを通じて第2伝達軸の昇降を制御することでねじディスクの回転
を制御し、ねじディスク上の焼成ノズルにより、焼成する必要があるときのみ出口から展
開するため、研磨時発生した粉末による焼成ノズルの詰まりを回避することができる。
本発明の一側面によれば、ハウジングは載置板に少なくとも2つの伸縮ロッドを介して固
定的に接続され、少なくとも2つの伸縮ロッドの接続により、載置板と研磨機構がより安
定的に降下し、第2摩擦ディスクと第1摩擦ディスクの間隔、第6ベベルギアおよび第4
ベベルギアの噛み合いを切り替えるための移動距離、第5ベベルギアと第4ベベルギアの
噛み合いを切り替えるための移動距離は等しく、第4ベベルギアと第6ベベルギアの噛み
合いに切り替える時に、第2摩擦ディスクと第1摩擦ディスクは効果的に摩擦伝達され得
る。
本発明の別の側面によれば、本発明は、上記装置を使用して廃水中の亜リン酸塩イオンを
回収する方法を提供し、この方法は以下のステップを含む。
ステップ1:Mg2+、Fe3+およびTiCl4を用量比2~3mol:1mol:2.
4~7.2gで100ml脱イオン水に混合して混合液を得た後、前記混合液を攪拌タン
ク内に加え、攪拌タンクで攪拌し、攪拌中NaOHを加えて混合液のpHを11~12に
調節し、その中で、前記攪拌タンクの攪拌速度は150rpmで、攪拌時間は0.5~1
hであり、
ステップ2:攪拌終了後、攪拌タンクの内壁上の電気ヒーターをオンにして、混合液を1
20~150℃で1~3h水熱反応させ、水熱反応終了後、混合液のpHを7~9に調節
し、次に第1排水管のドレインバルブを開き、ストレーナーの濾過により固体粒子をバッ
フルに残留させ、
ステップ3:バッフルの底部の電気ヒーターをオンにして、前記固体粒子を乾燥させ、攪
拌タンク内の載置板を降下制御し、研磨機構によりバッフル上の固体粒子を研磨した後、
攪拌タンク内に窒素ガスを通し、焼成ノズルを開き、固体粒子を560~610℃で1~
2h焼成し、焼成終了後TiO2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを調製し、
ステップ4:吸着タンク内の廃水のpHを2~8に調節した後、材料投入タンク内の駆動
部材をオンにして、バッフル上のTiO2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを間
欠的に廃水に投入し、駆動部材により攪拌ロッドを同時に駆動して廃水を攪拌し、その中
で、攪拌ロッドの攪拌速度は120~150rpmで、攪拌時間は5~60minであり
、TiO2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトおよび廃水中の亜リン酸塩イオンの
質量濃度比は1~1.5:1である。
上記方法は、ハイドロタルサイト構造の成形前にTiCl4を加え、水熱環境下で、層状
性質のマグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを形成する同時に、TiCl4とアルカリが
反応して同期してTi(OH)4を生成し、マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトの層間お
よび表面に均一に分布させ、560~610℃温度での焼成中、Ti(OH)4が分解して
現場でTiO2を生成し、TiO2の分散均一性を確保する同時にその凝集を抑制し、ハ
イドロタルサイト層間にTi(OH)4の分解反応が起こると、ハイドロタルサイト内部の
熱を吸収し、高温・高熱によるマグネシウム‐鉄ハイドロタルサイト層状構造に対する不
可逆的な破壊を抑制し、共沈法では、2つの材料のエネルギーバンド位置が互いに交差す
るように直接担持してヘテロ接合を形成し、電子とホールを一方の半導体から他方の半導
体に移動できるようにすることで、電子とホールを分離し、ハイドロタルサイトとTiO
2半導体間のエネルギー準位差によりハイドロタルサイトとTiO2半導体の電荷分離効
率を高め、吸着活性を向上させる。
【0004】
本発明は、攪拌タンクと吸着タンクの一体化設置により、使用しやすく、吸着タンク内の
攪拌ロッドを動作させる同時に、TiO2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを吸
着タンクの廃水に間欠的に投入して、TiO2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイト
を廃水により均一に分布させる。
本発明の装置は、研磨ディスクとねじディスクをハウジング内に配置することで、攪拌タ
ンク内の空間を節約し、関連構造の設置により、第2伝達軸を上下に昇降させて研磨と焼
成の2つのモードを切り替え、焼成ノズルを隠して、研磨時に焼成ノズルへの摩耗を回避
することができる。
本発明の方法で調製されたTiO2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトおよびTi
O2がマグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトの層状構造内部に効率的かつ均一に分布され
、マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトの吸着活性を高め、亜リン酸塩イオンの吸着量が
157.4mg/gに達し、平衡吸着時間はわずか30分で、多数の妨害イオンが存在し
ても優れた吸着安定性を示し、リサイクル中も吸着性は安定したままである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本発明の実施例1の装置全体の概略図である。
【
図3】本発明の実施例1の研磨機構の構造概略図である。
【
図4】本発明の実施例1および実施例2の材料投入タンクの内部構造の概略図である。
【
図5】本発明の実施例2の装置全体の概略図である。
【
図7】本発明の実施例2の研磨機構の正面図である。
【
図8】本発明の実施例2の研磨機構の構造概略図である。
【
図9】本発明の実施例2の研磨機構の断面図である。
【
図10】本発明の実施例2のねじディスクの構造概略図である。
【
図11】本発明の実施例2の第2伝達軸の断面図である。
【
図12】本発明で調製されたTiO
2変性マグネシウム‐鉄型ハイドロタルサイトのXRD図である。
【
図13】本発明で調製されたTiO
2変性マグネシウム‐鉄型ハイドロタルサイトによる亜リン酸塩の回収時間の吸着量に対する影響を示す図である。
【
図14】本発明で調製されたTiO
2変性マグネシウム‐鉄型ハイドロタルサイトによる亜リン酸塩を回収するとき干渉イオンの吸着量に対する影響を示す図である。
【
図15】本発明で調製されたTiO
2変性マグネシウム‐鉄型ハイドロタルサイトによる亜リン酸塩を回収するときpHの吸着量に対する影響を示す図である。
【
図16】本発明で調製されたTiO
2変性マグネシウム‐鉄型ハイドロタルサイトによる亜リン酸塩を回収するとき温度の吸着量に対する影響を示す図である。
【0006】
[符号の説明]
1 攪拌タンク
11 第1排水管
12 第1材料添加口
2 材料投入タンク
21 支持板
211 トップバー
22 第1伝達軸
221 第1ベベルギア
222 円筒カム
23 バッフル
24 スリーブ
25 支持ロッド
3 研磨機構
31 ハウジング
311 伸縮ロッド
32 ねじディスク
321 焼成ノズル
322 第1摩擦ディスク
33 研磨ディスク
34 第2伝達軸
341 第2摩擦ディスク
342 第5ベベルギア
343 第6ベベルギア
344 ボタン
35 第4ベベルギア
4 吸着タンク
41 攪拌ロッド
411 第2ベベルギア
42 第3ベベルギア
43 材料投入管
44 第2材料添加口
45 第2排水管
46 ラック
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の利点をより良く反映するために、以下、具体的な実施形態を参照して本発明をよ
り詳細に説明する。
【0008】
実施例1
図1、2に示すように、廃水中の亜リン酸塩イオンを回収する装置は、上から下へ順次、
TiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを調製するための攪拌タンク1および
材料投入タンク2、および廃水中の亜リン酸塩イオンを吸着するための吸着タンク4を含
み、攪拌タンク1内に研磨機構3が設けられ、
攪拌タンク1に第1排水管11が設けられ、第1排水管11内にストレーナーおよびドレ
インバルブが設けられ、
材料投入タンク2内に、その内壁に摺動かつ密閉可能に接続された支持板21が設けられ
、支持板21の円心に第1伝達軸22が垂直に貫通して回転可能に設けられ、第1伝達軸
22の下端に第1ベベルギア221が設けられ、第1伝達軸22の上端に円筒カム222
が設けられ、支持板21に、円筒カム222に当接されて上下に往復運動するトップバー
211が設けられ、第1伝達軸22上端に円筒カム222が設けられ、支持板21に円筒
カム222に当接されて上下に往復運動するトップバー211が設けられ、トップバー2
11に円筒カム222に接触するローラーが設けられ、
図4に示すように、材料投入タンク2の上端口にバッフル23が設けられ、バッフル23
は少なくとも2つのスリーブ24を介して支持板21に接続され、
支持板21に、各スリーブ24と1対1に摺動可能に嵌設された支持ロッド25が貫通し
て設けられ、支持ロッド25の下端が材料投入タンク2底面に固定され、
第1ベベルギア221の真下に攪拌ロッド41が設けられ、攪拌ロッド41の上端が吸着
タンク4を貫通して材料投入タンク2内に延伸し、攪拌ロッド41の上端に第2ベベルギ
ア411が設けられ、
材料投入タンク2内に、それぞれ第1ベベルギア221、第2ベベルギア411と噛み合
う第3ベベルギア42が設けられ、第3ベベルギア42にその回転を駆動するための駆動
部材が接続され、駆動部材はバンド式ブレーキ付きのステッピングモータを使用し、ステ
ッピングモータは市販されているモータであり、または市販されているモータの外形を調
整して本装置に適合させ、
バッフル23と支持板21間の材料投入タンク2の側壁が材料投入管43を介して吸着タ
ンク4と連通し、
攪拌タンク1に第1材料添加口12が設けられ、攪拌タンク1の内壁およびバッフル23
の底部にそれぞれ電気ヒーターが設けられ、吸着タンク4に第2材料添加口44および第
2排水管45が設けられ、第2排水管45内にストレーナーおよびドレインバルブが設け
られ、吸着タンク4の底板は取り外し可能な底板であり、吸着タンク4の底板に電気ヒー
ターが設けられ、吸着タンク4の外壁に吸着タンク4を支持するためのラック46が嵌設
され、電気ヒーターは市販されている電気ヒーターであり、または市販されている電気ヒ
ーターを調整して本装置に適合させ、
図3に示すように、研磨機構3は市販されているダイヤモンド研磨ディスクであり、攪拌
タンク1の上部に昇降可能な載置板が設けられ、研磨機構3は載置板に設けられた回転モ
ータの出力軸に接続され、載置板は昇降モータを介して攪拌タンク1の内部の上面に接続
され、載置板に焼成ノズル321が設けられ、焼成ノズル321は配管を介して外部ガス
供給タンクに接続され、本装置は居住用電力を使用して電力使用装置に電力を供給し、
上記装置を使用して廃水中の亜リン酸塩イオンを回収する方法は、以下のステップを含む
。
ステップ1:Mg
2+、Fe
3+およびTiCl
4を用量比2mol:1mol:2.4g
で脱イオン水に混合して混合液を得た後、混合液を第1材料添加口12を介して攪拌タン
ク1内に加え、攪拌タンク1で攪拌し、攪拌中NaOHを加えて混合液のpHを12に調
節し、その中で、攪拌タンク1の攪拌速度は150rpmで、攪拌時間は0.5hであり
、
ステップ2:攪拌終了後、攪拌タンク1の内壁上の電気ヒーターをオンにして、混合液を
150℃で2h水熱反応させ、水熱反応終了後、混合液のpHを8に調節し、次に第1排
水管11のドレインバルブを開き、ストレーナーの濾過により固体粒子をバッフル23に
残留させ、
ステップ3:バッフル23の底部の電気ヒーターをオンにして、固体粒子を乾燥させ、攪
拌タンク1内の載置板を降下制御し、研磨機構3によりバッフル23上の固体粒子を研磨
した後、攪拌タンク1内に窒素ガスを通し、焼成ノズル321を開き、固体粒子を580
℃で1.5h焼成し、焼成終了後TiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを調
製し、
ステップ4:第2材料添加口44を介して吸着タンク4内に廃水を加え、吸着タンク4内
の廃水のpHを5に調節した後、材料投入タンク2内の駆動部材をオンにして、バッフル
23上のTiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを材料投入管43を介して間
欠的に吸着タンク4内に投入し、ステッピングモータにより攪拌ロッド41を同時に駆動
して廃水を攪拌し、その中で、攪拌ロッド41の攪拌速度は150rpmで、攪拌時間は
60minであり、TiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトおよび廃水中の亜
リン酸塩イオンの質量濃度比は1.5:1である。
吸着終了後、第2排水管45上のドレインバルブを開き、排水終了後、ドレインバルブを
閉じ、次に吸着タンク4内にアンモニア水を加えて脱着し、脱着終了後アンモニア水を排
出し、吸着タンク4内に水を加えて洗浄し、洗浄終了後、吸着タンク4の底板上の電気ヒ
ーターをオンにしてTiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを乾燥させた後、
吸着タンク4の底板を開いてTiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを回収す
る。
その中で、上記装置は、材料を間欠的に投入する動作原理は以下のとおりである。バッフ
ル23は支持板21とスリーブ24を介して固定的に接続され、スリーブ24は支持ロッ
ド25に摺動可能に接続され、バッフル23は支持板21とともに支持ロッド25上で摺
動可能であり、円筒カム222が回転すると、トップバー211は円筒カム222の回転
とともに上下に往復運動し、トップバー211が支持板21に固定的に接続されているた
め、バッフル23も円筒カム222の回転とともに上下に往復運動し、バッフル23が材
料投入管43の位置まで降下すると、バッフル23上のTiO
2変性マグネシウム‐鉄ハ
イドロタルサイトが材料投入管43を介して吸着タンク4に投入され、
円筒カム222は第1伝達軸22からの動力により回転し、ステッピングモータは第3ベ
ベルギア42を介して第1ベベルギア221と噛み合って第1伝達軸22に動力を伝達す
る同時に、ステッピングモータも第3ベベルギア42を介して第2ベベルギア411と噛
み合って攪拌ロッド41に動力を伝達するため、ステッピングモータが作動すると、攪拌
ロッド41が攪拌する同時に、円筒カム222も回転し、バッフル23により材料を間欠
的に投入する。
【0009】
実施例2
図5、6に示すように、本実施例は以下の点で実施例1と異なり、攪拌タンク1の上面に
昇降可能な載置板が設けられ、載置板は昇降モータを介して攪拌タンク1の上面に接続さ
れ、
図7、8、9に示すように、研磨機構3は、ハウジング31を含み、ハウジング31は載
置板に固定的に接続され、ハウジング31の内部は中空であり、ハウジング31内に上か
ら下へ順次ハウジング31に回転可能に接続されたねじディスク32および研磨ディスク
33が設けられ、研磨ディスク33に位置するハウジング31の底面に貫通穴が設けられ
、
図11に示すように、研磨ディスク33にその回転を駆動するための摺動軸が設けられ、
摺動軸に第2伝達軸34が嵌設され、摺動軸に少なくとも2組の摺動条が設けられ、摺動
条の上端に係合ブロックが設けられ、第2伝達軸34内に摺動条と係合ブロックを制限し
て摺動させるための摺動溝が設けられ、摺動溝の下端に係合ブロックに回転可能に係合さ
れた係合溝が設けられ、第2伝達軸34の下端にストッパーが設けられ、第2伝達軸34
の上端が順次ハウジング31、載置板、攪拌タンク1を貫通し、
攪拌タンク1の上方に位置する第2伝達軸34に上から下へ順次第6ベベルギア343、
第5ベベルギア342が固定的に嵌設され、第6ベベルギア343とストッパー間に位置
する第2伝達軸34にばねが嵌設され、第6ベベルギア343と第5ベベルギア342間
に第6ベベルギア343または第5ベベルギア342と噛み合って伝達された第4ベベル
ギア35が設けられ、第4ベベルギア35は攪拌タンク1に設けられた回転モータの出力
軸に接続され、回転モータは、市販されているモータであり、または市販されているモー
タの外形を調整して本装置に適合させ、
第2伝達軸34の上端に、第4ベベルギア35と第6ベベルギア343または第5ベベル
ギア342と噛み合いを押圧により切り替えるためのボタン344が設けられ、
図10に示すように、ねじディスク32の上方に複数組の焼成ノズル321が設けられ、
焼成ノズル321は係合爪を介してねじディスク32の平面ねじ山にねじ込まれ、ハウジ
ング31の側壁に焼成ノズル321が制限された状態で摺りだすための出口が設けられ、
ハウジング31とねじディスク32間に位置する摺動軸に第2摩擦ディスク341が設け
られ、第2摩擦ディスク341の位置に対応するねじディスク32に第2摩擦ディスク3
41と協力して摩擦により伝達するための第1摩擦ディスク322が設けられ、第2摩擦
ディスク341と第1摩擦ディスク322の間隔、第6ベベルギア343と第4ベベルギ
ア35の噛み合いを切り替えるための移動距離、第5ベベルギア342と第4ベベルギア
35の噛み合いを切り替えるための移動距離は等しい。
上記研磨機構3の動作原理は以下のとおりである。第2伝達軸34の初期状態で、第5ベ
ベルギア342と第4ベベルギア35が噛み合って、研磨するとき、攪拌タンク1上の載
置板を降下させ、研磨ディスク33とバッフル23を接触させ、モータをオンにして第4
ベベルギア35により第5ベベルギア342を回転させ、第2伝達軸34は研磨ディスク
33を駆動して研磨し、研磨終了後、ボタン344を回転して、第2伝達軸34内の係合
溝と摺動軸上の係合ブロックを係合させ、ボタン344を押圧して第2伝達軸34により
摺動軸を降下させ、第6ベベルギア343が第4ベベルギア35と噛み合って、この時、
第1摩擦ディスク322と第2摩擦ディスク341も接触し、モータをオンにして第4ベ
ベルギア35により第6ベベルギア343を回転させ、摩擦力の作用により、第2摩擦デ
ィスク341は第1摩擦ディスク322を回転させ、第1摩擦ディスク322はねじディ
スク32を回転させ、焼成ノズル321はハウジング31の出口の回転が制限されるため
、焼成ノズル321は与ねじディスク32上の平面ねじ山との協力作用下で、焼成ノズル
321がハウジング31の出口から外側へ展開し、焼成ノズル321が展開した後モータ
をオフにして、焼成ノズル321を開き、バッフル23上の固体粒子を焼成する。
【0010】
実施例3
本実施例は以下の点で実施例1と異なる。
ステップ1では、Mg2+、Fe3+およびTiCl4を用量比3mol:1mol:7.
2gで100ml脱イオン水に混合し、
攪拌中、NaOHを加えて混合液のpHを11に調節し、その中で、攪拌タンク1の攪拌
時間は1hであり、
ステップ2では、混合液を120℃で3h水熱反応させ、水熱反応終了後、混合液のpH
を7に調節し、
ステップ3では、焼成ノズル321を開き、固体粒子を610℃温度で1h焼成し、
ステップ4では、吸着タンク4内の廃水のpHを5に調節し、
攪拌ロッド41の攪拌速度は130rpmであり、攪拌時間は30minであり、TiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトおよび亜リン酸塩イオンの質量濃度比は1.
5:1である。
【0011】
実施例4
本実施例は以下の点で実施例1と異なる。
ステップ1:Mg2+、Fe3+およびTiCl4を用量比2.5mol:1mol:5g
で100ml脱イオン水に混合し、
攪拌中、NaOHを加えて混合液のpHを12に調節し、その中で、攪拌タンク1の攪拌
時間は0.5hであり、
ステップ2では、混合液を140℃で1h水熱反応させ、水熱反応終了後、混合液のpH
を9に調節し、
ステップ3では、焼成ノズル321を開き固体粒子を560℃温度で2h焼成し、
ステップ4では、吸着タンク4内の廃水pHを2に調節し、
攪拌ロッド41の攪拌速度は120rpmであり、攪拌時間は5minであり、TiO2
変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトおよび廃水中の亜リン酸塩イオンの質量濃度比
は1.2:1である。
【0012】
実験例
本発明の実施例で調製されたTiO2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトが30m
in経って亜リン酸塩イオンに対する吸着量は表1に示され、同時に、実施例1に基づい
て四塩化チタンの添加および焼成ステップを削除し、他のステップは実施例1と同じであ
り、調製されたマグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトを対照組とし、調製されたマグネシ
ウム‐鉄ハイドロタルサイトをMg-Fe-LDHと記し、同時に亜リン酸塩イオンに対す
る吸着性が高いハイドロタルサイトを探索するときに、複数組の異なる成分のハイドロタ
ルサイトを調製し、亜リン酸塩イオンに対する吸着性が表1に示される。
表1 異なるハイドロタルサイトの亜リン酸塩イオンに対する30min吸着量
【0013】
【0014】
表1から分かるように、TiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトは30min
経って亜リン酸塩イオンに対する吸着量が、他のハイドロタルサイトよりも顕著に高く、
また、本発明TiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトは30min経って亜リ
ン酸塩イオンに対する吸着量がより高く、TiO
2担持したマグネシウム‐鉄ハイドロタ
ルサイトのXRDは
図12に示され、
図12から分かるように、水熱合成法と高温焼成作
用により、TiO
2担持したマグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトの構造は基本的に維持
され、結晶性が変化せず、マグネシウム‐鉄イオンの含有量が高いほど、結晶性がより良
く維持され、
前駆体の結晶性と直接関係しており、担持前後の(003)、(006)、(012)、(11
0)結晶面の回折ピークの2θ角は基本的に変化せず、25.6°、48.9°、55.
1°にも酸化チタンのアナターゼの特徴ピークが確認され、ハイドロタルサイトの構造は
破壊されず、TiO
2がマグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトにうまく担持されたことが
分かる。
【0015】
比較例1
本比較例では実施例1中のTiCl
4をTiO
2に置き換え、ステップ1の処理終了後、
ポリテトラフルオロエチレンを混合液に加え、その後のステップは実施例1と基本的に同
じであり、本比較例は、固体粒子を焼成処理せずに、TiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイ
ドロタルサイトを調製する点のみが異なる。
XRD測定により、比較例1中のTiO
2もマグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトにうま
く担持され、比較例1および実施例1で調製されたTiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイド
ロタルサイトは亜リン酸塩イオンに対する吸着結果が
図13に示され、比較例1で調製さ
れたTiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトと未変性のマグネシウム‐鉄ハイ
ドロタルサイトを比較すると、それらの吸着性が基本的に同じであるため、この体系では
、TiO
2は亜リン酸塩イオンの吸着に促進作用を果たさなく、実施例1で調製されたT
iO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトと未変性のマグネシウム‐鉄ハイドロタ
ルサイトを比較すると、吸着性がある程度向上し、つまりTiO
2はこの体系で亜リン酸
塩イオンに対する吸着に一定の促進作用を果たす。
【0016】
比較例2
本比較例は、比較例1に基づいて、ステップ3では固体粒子を500℃で1.5h焼成す
る。
比較例2で調製された焼成後のTiO2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトは、焼
成後、TiO2のマグネシウム‐鉄ハイドロタルサイト層間での凝集がさらに悪化し、焼
成によりTiO2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトの吸着性が向上したが、Ti
O2の凝集により、内部TiO2の安定性および吸着促進作用が減少し、550℃以上で
焼成すると、層間構造が不可逆的に破壊され、構造が復元できず、比表面積、細孔構造が
破壊されて減少し、最終的に吸着性の重大な低下を招く。
【0017】
比較例3
本発明で調製されたTiO2変性ハイドロタルサイトを、亜リン酸イオンに陰イオンCO
3
2-、NO3
-、SO4
2-、Cl-を同時に含有する模擬廃水中に加えて吸着試験を行い
、30min経った後の吸着性が表2に示される。
表2 本発明で調製TiO2変性ハイドロタルサイトの異なる陰イオン環境で亜リン酸塩
イオンに対する飽和吸着性
【0018】
【0019】
図14に示すように、本発明で調製されたTiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサ
イトに同時に他の陰イオンが含まれると、亜リン酸イオンの吸着効果がやや低下するが、
依然として高い吸着性を持つため、優れた選択性を有し、安定性が高く、対照組のMg-
Fe-LDHは元の150.1mg/gから最も低い103.2mg/gに低下し、比較
例1で調製されたTiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトも元の147.4m
g/gから116.9mg/gに低下したことが分かる。
本発明で調製されたTiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトは、酸性および弱
アルカリ性環境下でも、良好な吸着効果を果たし、
図15に示すように、pHが大きい場
合、吸着効果に大きく影響し、これは、pHが大きい場合、OH
-が多くなり、イオン競
争が発生し、25~65℃で亜リン酸塩の吸着がほとんど変化せず、
図16に示すように
、温度が本発明のTiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイドロタルサイトの亜リン酸の吸着性
にほとんど影響を与えなく、コストを節約するために、室温環境で吸着することを選択す
ることができ、上記の説明から、本発明で調製されたTiO
2変性マグネシウム‐鉄ハイ
ドロタルサイトは優れた安定性を有することを示している。