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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】小動物用穿刺具
(51)【国際特許分類】
   A61D 1/00 20060101AFI20241219BHJP
   A61B 5/151 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61D1/00 B
A61B5/151 400
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020568631
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(86)【国際出願番号】 JP2020003726
(87)【国際公開番号】W WO2020158929
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2019016974
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】中神 裕之
(72)【発明者】
【氏名】工藤 辰也
(72)【発明者】
【氏名】片岡 直也
(72)【発明者】
【氏名】吉田 英美
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/003358(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/065292(WO,A1)
【文献】特開2004-242762(JP,A)
【文献】特開2004-097524(JP,A)
【文献】特開昭51-103689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61D 1/00
A61B 5/15
A61M 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空針の基端側にキャピラリ管の接続部を備えた小動物用穿刺具であって、
前記接続部が前記中空針から離れる方向に拡開して延びるテーパ状周壁部を有しており、該テーパ状周壁部の長さ方向中間部分には、挿通される前記キャピラリ管の外径よりも小さな内径をもって開口する内孔を有する弾性嵌合部が内方に突出して設けられている小動物用穿刺具。
【請求項2】
前記テーパ状周壁部における前記弾性嵌合部よりも前記中空針側の内部が、前記キャピラリ管の挿通によって変形する該弾性嵌合部の入り込みを許容する変形許容空間とされている請求項1に記載の小動物用穿刺具。
【請求項3】
前記テーパ状周壁部の内部容積について、前記弾性嵌合部よりも前記中空針側の内部容積が、該弾性嵌合部よりも基端開口部側の内部容積に比して小さくされている請求項1又は2に記載の小動物用穿刺具。
【請求項4】
中空針の基端側にキャピラリ管の接続部を備えた小動物用穿刺具であって、
前記接続部が前記中空針から離れる方向に延びる筒状周壁部を有していると共に、
該筒状周壁部の長さ方向中間部分において内方に突出して設けられて該内方への突出先端部分において前記キャピラリ管の外径よりも小さな内径をもって開口する内孔を有しており、該キャピラリ管が挿通されることにより該内孔が該筒状周壁部の軸方向で先端側に向かって且つ拡径して弾性変形する弾性嵌合部を、有していることを特徴とする小動物用穿刺具。
【請求項5】
前記筒状周壁部における前記弾性嵌合部よりも前記中空針側の内部が、前記キャピラリ管の挿通によって変形する該弾性嵌合部の入り込みを許容する変形許容空間とされている請求項4に記載の小動物用穿刺具。
【請求項6】
前記筒状周壁部の内部容積について、前記弾性嵌合部よりも前記中空針側の内部容積が、該弾性嵌合部よりも基端開口部側の内部容積に比して小さくされている請求項4又は5に記載の小動物用穿刺具。
【請求項7】
前記弾性嵌合部が前記中空針側に向かって傾斜して内方に突出している請求項1~6の何れか1項に記載の小動物用穿刺具。
【請求項8】
前記弾性嵌合部が、突出する先端側に向かって先細とされている請求項1~7の何れか1項に記載の小動物用穿刺具。
【請求項9】
前記中空針の基端部には針ハブが設けられていると共に、該針ハブよりも軟質材料で形成された接続部材が該針ハブに取り付けられており、該針ハブから基端側に延び出す該接続部材によって前記接続部が構成されている請求項1~の何れか1項に記載の小動物用穿刺具。
【請求項10】
前記針ハブの基端部には、前記弾性嵌合部に挿通される前記キャピラリ管の挿入先端面の当接により該キャピラリ管の挿入位置を規定する当接面が設けられている請求項に記載の小動物用穿刺具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小動物からの採血などに用いられる小動物用の穿刺具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、マウスのような小動物に対して経皮的に採血等の処置を行う場合には、人体用と異なる、小動物用の穿刺具が用いられている。小動物では、人体を対象にする場合と違って、採血量も微量であり、また、マウスの細い尾静脈等への穿刺も必要になるからである。
【0003】
従来構造の小動物用の穿刺具は、米国特許第4393882号明細書(特許文献1)に開示されている。具体的には、小径の中空針の基端側に円筒形状の弾性チューブが設けられており、この弾性チューブの開口端から、細径のキャピラリ管(ヘマトクリット毛細管)が接続可能とされている。そして、中空針を小動物の静脈等へ穿刺することで、毛細管現象により、中空針を経てキャピラリ管内に少量の血液を採取できるようになっている。
【0004】
ところが、このような従来構造の小動物用穿刺具について、本発明者が検討したところ、新規且つ未公知の課題を有することがわかった。
【0005】
例えば、従来構造の小動物用穿刺具では、中空針の基端側に設けられた弾性チューブへキャピラリ管を挿入して接続する際に、正しく接続されていることが判り難かった。そのために、キャピラリ管の挿入が不十分となって脱落するおそれがある一方、キャピラリ管を過度に挿入することで破損のおそれがあった。
【0006】
また、キャピラリ管を弾性チューブへ挿入して中空針へ接続した状態で穿刺を行うと、作業者の手指に触れたキャピラリ管が弾性チューブへの接続部位で傾斜しやすく、接続部位におけるシール性を安定して確保し難かった。特に小動物への穿刺では中空針の穿刺角度が小さくなる場合もあり、キャピラリ管の傾きが許容される方が操作し易いこともある。しかし、従来構造の小動物用穿刺具では、キャピラリ管の傾きの許容と、安定したシール性の確保とを両立して実現することが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第4393882号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の解決課題は、キャピラリ管の接続状況が把握しやすくされて、キャピラリ管の不用意な脱落を防止することのできる、新規な構造の小動物用穿刺具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、中空針の基端側にキャピラリ管の接続部を備えた小動物用穿刺具であって、前記接続部が前記中空針から離れる方向に拡開して延びるテーパ状周壁部を有しており、該テーパ状周壁部の長さ方向中間部分には、挿通される前記キャピラリ管の外径よりも小さな内径をもって開口する内孔を有する弾性嵌合部が内方に突出して設けられているものである。
【0010】
本態様の小動物用穿刺具では、キャピラリ管が弾性嵌合部を貫通するまではキャピラリ管の挿入抵抗が大きくなるが、キャピラリ管が弾性嵌合部を貫通した後はキャピラリ管の挿入抵抗が略一定となる。それ故、特許文献1に記載の従来構造のようにキャピラリ管の挿入抵抗が次第に大きくなるだけのものに比して、キャピラリ管の挿入操作に節度感を得ることができ、キャピラリ管の接続状況を把握しやすくなる。しかも、弾性嵌合部を貫通することで、キャピラリ管には弾性嵌合部の弾性による保持力が及ぼされることから、キャピラリ管の不用意な脱落に対する防止効果も発揮される。
【0011】
さらに、接続部がテーパ状周壁部を有していることから、キャピラリ管の挿入操作が容易になると共に、キャピラリ管が傾いた際に当接しやすい接続部の開口端側の内径を大きくして、キャピラリ管の傾きを許容することも可能になる。
【0012】
また、接続部においてキャピラリ管の先端部分が挿入されることとなる、弾性嵌合部よりも先端側の内部容積が、テーパ状周壁部によって小さくされることから、仮に穿刺針とキャピラリ管との接続部位で採取血液等の漏れが生じても、漏れ量を少なく抑えることができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、前記第1の何れかの態様に係る小動物用穿刺具において、前記テーパ状周壁部における前記弾性嵌合部よりも前記中空針側の内部が、前記キャピラリ管の挿通によって変形する該弾性嵌合部の入り込みを許容する変形許容空間とされているものである。
本態様の小動物用穿刺具では、キャピラリ管の挿通に際しての弾性嵌合部の変形態様が変形許容空間によって安定化されて、不規則な変形が防止される。その結果、キャピラリ管の挿入操作に際しての、前述の如き弾性嵌合部への貫通前後における挿入抵抗の変化による節度感を、より安定して得ることが可能になる。
本発明の第3の態様は、前記第1又は第2の何れかの態様に係る小動物用穿刺具において、前記テーパ状周壁部の内部容積について、前記弾性嵌合部よりも前記中空針側の内部容積が、該弾性嵌合部よりも基端開口部側の内部容積に比して小さくされているものである。
本態様の小動物用穿刺具では、キャピラリ管の傾きを過度に阻害することなく、テーパ状周壁部の内部におけるデッドスペースを抑えることができる。また、仮にテーパ状周壁部の内部で、中空針とキャピラリ管との接続部から採血等が漏れた場合でも、弾性嵌合部までの容積が小さくされていることで、漏れて無駄になる血液等の量を抑えることもできる。
本発明の第4の態様は、中空針の基端側にキャピラリ管の接続部を備えた小動物用穿刺具であって、前記接続部が前記中空針から離れる方向に延びる筒状周壁部を有していると共に、該筒状周壁部の長さ方向中間部分において内方に突出して設けられて該内方への突出先端部分において前記キャピラリ管の外径よりも小さな内径をもって開口する内孔を有しており、該キャピラリ管が挿通されることにより該内孔が該筒状周壁部の軸方向で先端側に向かって且つ拡径して弾性変形する弾性嵌合部を、有しているものである。
【0014】
本態様の小動物用穿刺具では、弾性嵌合部の突出先端部分が、キャピラリ管の挿通に伴って軸方向の先端側へ弾性変形することで、キャピラリ管の挿入に伴う操作抵抗が抑えられて、キャピラリ管の損傷等が軽減される。しかも、弾性嵌合部の突出先端部分は、キャピラリ管の挿通に伴って拡径して弾性変形することから、上述の如きキャピラリ管の挿入抵抗の軽減とキャピラリ管との間での良好なシール性とが、両立して実現可能となる。
【0015】
本発明の第5の態様は、前記第4の態様に係る小動物用穿刺具において、前記筒状周壁部における前記弾性嵌合部よりも前記中空針側の内部が、前記キャピラリ管の挿通によって変形する該弾性嵌合部の入り込みを許容する変形許容空間とされているものである。
本態様の小動物用穿刺具では、キャピラリ管の挿通に際しての弾性嵌合部の変形態様が変形許容空間によって安定化されて、不規則な変形が防止される。その結果、キャピラリ管の挿入操作に際しての、前述の如き弾性嵌合部への貫通前後における挿入抵抗の変化による節度感を、より安定して得ることが可能になる。
本発明の第6の態様は、前記第4又は第5の態様に係る小動物用穿刺具において、前記筒状周壁部の内部容積について、前記弾性嵌合部よりも前記中空針側の内部容積が、該弾性嵌合部よりも基端開口部側の内部容積に比して小さくされているものである。
本態様の小動物用穿刺具では、キャピラリ管の傾きを過度に阻害することなく、筒状周壁部の内部におけるデッドスペースを抑えることができる。また、仮にや筒状周壁部の内部で、中空針とキャピラリ管との接続部から採血等が漏れた場合でも、弾性嵌合部までの容積が小さくされていることで、漏れて無駄になる血液等の量を抑えることもできる。
本発明の第の態様は、前記第1~6の何れかの態様に係る小動物用穿刺具において、前記弾性嵌合部が前記中空針側に向かって傾斜して内方に突出しているものである。
【0016】
本態様の小動物用穿刺具では、弾性嵌合部の傾斜方向がキャピラリ管の挿入方向とされることで、弾性嵌合部へのキャピラリ管の挿通抵抗の軽減が図られる。また、弾性嵌合部を傾斜させたことで、弾性嵌合部の柔らかさを確保しつつキャピラリ管への接触面積を大きくして、キャピラリ管の保持性能やシール性能の向上を図ることも可能になる。
【0017】
本発明の第の態様は、前記第1~第の何れかの態様に係る小動物用穿刺具において、前記弾性嵌合部が、突出する先端側に向かって先細とされているものである。
【0018】
本態様の小動物用穿刺具では、弾性嵌合部において特にキャピラリ管への接触部付近が細くされて変形容易とされる。その結果、例えば外径の異なるキャピラリ管への対応も容易になる。また、キャピラリ管の傾きや変位に際しても、弾性嵌合部におけるキャピラリ管への接触部付近が追従して変形しやすくなるから、キャピラリ管の動きの許容量を大きくすることも可能になる。
【0019】
本発明の第の態様は、前記第1~第の何れかの態様に係る小動物用穿刺具において、前記弾性嵌合部が、前記キャピラリ管の挿通によって押し広げられるスリットを有しているものである。
【0020】
本態様の小動物用穿刺具では、スリットの拡開変形により、例えば太さの違うキャピラリ管にも容易に対応することが可能になる。また、キャピラリ管の非接続状態では、スリットが閉じることで、中空針の基端側を接続部において閉鎖又は充分に狭窄することができる。それ故、例えば血液の漏出を防止しつつ、中空針の穿刺後にキャピラリ管を接続するなど、操作の選択自由度も大きくなる。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
本発明の第10の態様は、前記第1~第の何れかの態様に係る小動物用穿刺具において、前記中空針の基端部には針ハブが設けられていると共に、該針ハブよりも軟質材料で形成された接続部材が該針ハブに取り付けられており、該針ハブから基端側に延び出す該接続部材によって前記接続部が構成されているものである。
【0026】
本態様の小動物用穿刺具では、針ハブによる中空針の支持性能を確保しつつ、接続部への当接に起因するキャピラリ管の損傷等を回避することも可能になる。
【0027】
本発明の第11の態様は、前記第10の態様に係る小動物用穿刺具において、前記針ハブの基端部には、前記弾性嵌合部に挿通される前記キャピラリ管の挿入先端面の当接により該キャピラリ管の挿入位置を規定する当接面が設けられているものである。
【0028】
本態様の小動物用穿刺具では、キャピラリ管の挿入に際して、挿入最先端の位置をより明確に把握することが可能になる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、キャピラリ管の接続状況が把握しやすくされて、キャピラリ管の不用意な脱落を防止することのできる、新規な構造の小動物用穿刺具が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態としての小動物用穿刺具を示す縦断面図であって、図2におけるI-I断面図。
図2図1に示された小動物用穿刺具の背面図。
図3図1に示された小動物用穿刺具におけるキャピラリ管の接続状態を示す縦断面図。
図4図1に示された小動物用穿刺具における雄ルアーの接続状態を示す縦断面図。
図5図1に示された小動物用穿刺具に採用される弾性嵌合部の別態様を例示する縦断面図。
図6】本発明の第2の実施形態としての小動物用穿刺具を示す縦断面図であって、図7におけるVI-VI断面図。
図7図6に示された小動物用穿刺具の背面図。
図8図6に示された小動物用穿刺具におけるキャピラリ管の接続状態を示す縦断面図であって、図9におけるVIII-VIII断面図。
図9図8に示されたキャピラリ管の接続状態での小動物用穿刺具の背面図。
図10図6に示された小動物用穿刺具に採用される弾性嵌合部の別態様を例示する背面図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0032】
先ず、図1,2には、本発明の第1の実施形態としての小動物用の穿刺具2が示されている。本実施形態の穿刺具2は、穿刺用の中空針4を有していると共に、中空針4の基端側に接続部6が設けられており、図3に示されるように、接続部6に対してキャピラリ管8が着脱可能とされている。なお、以下の説明において、軸方向とは、中空針4の針軸方向をいい、先端側及び基端側とは、中空針4の針軸方向での先端側及び基端側をいう。
【0033】
より詳細には、中空針4は、鋭利な尖頭形状の先端10を備えた略ストレートな中空構造とされている。なお、中空針4は、小動物への穿刺用に小径とされており、例えば採血用には毛細管現象も考慮される。好適には、中空針4として、例えば23ゲージ以上の小径で、金属などの硬質材からなるものが用いられる。
【0034】
中空針4の基端部分12には、針ハブ14が設けられている。針ハブ14は、全体として略円筒形状とされており、中心孔16に対して、中空針4の基端部分12が固着状態で挿入されている。針ハブ14への中空針4の固着構造は限定されるものでなく、例えば中心孔16への中空針4の圧入で固定され得るが、接着やインサート成形などによる固着も可能である。
【0035】
中空針4の基端部分12は、針ハブ14を貫通して配されることが望ましい。本実施形態では、中空針4の基端面が針ハブ14の基端面34に達して略面一となる状態で貫通している。これにより、針ハブ14の中心孔16内における不必要な段差の発生や、針ハブ14からの中空針4の突出による段付状態の発生も回避されている。
【0036】
本実施形態では、針ハブ14の中心孔16が先端側において拡径されており、中空針4の圧入による製造が容易となっている。また、中心孔16の基端側は所定長さに亘って小径とされて中空針4の外周面に嵌着固定されている。一方、拡径された中心孔16の先端側には、内周面に突出して中空針4の外周面に当接する環状突起が、中心孔16の開口部近くに形成されており、中空針4の支持力向上が図られている。
【0037】
また、針ハブ14には、外周面上に突出する翼状部20が設けられている。本実施形態では、一対の翼状部20,20が、図1において針ハブ14を挟んだ左右両側に広がって設けられている。針ハブ14は合成樹脂製が好適であり、針ハブ14が一対の翼状部20,20と一体成形されている。なお、各翼状部20の針ハブ14への連結部22は薄肉で折り曲げ可能とされており、一対の翼状部20,20を重ね合わせるようにして、使用者が片手の指先で摘むことができるようになっている。
【0038】
さらに、針ハブ14の基端側には、筒状の別部材である接続部材24が接続されている。接続部材24は、筒状周壁部の一種として円形のテーパ形状とされたテーパ状周壁部26を備えており、テーパ状周壁部26の小径側端部から略円筒形状の取付筒部28が軸方向に延びている。そして、かかる取付筒部28が、針ハブ14の基端部30に対して外挿状態で嵌着固定されており、必要に応じて接着等されている。なお、本実施形態では、針ハブ14の基端部30が、外径寸法が基端側に向かって次第に小径となるテーパ筒形状とされている。
【0039】
これにより、接続部材24は、針ハブ14と略同軸上で、針ハブ14の基端側から外方に向かって延び出しており、大径とされた基端開口部32が、キャピラリ管8の挿入口を構成している。また、テーパ状周壁部26の小径側の端部内には、針ハブ14の基端面34が位置している。かかる基端面34は、軸直角方向に広がる略平坦面とされており、テーパ状周壁部26へ挿入されるキャピラリ管8の先端面が当接することで、キャピラリ管8の挿入端を規定し得る当接面を構成している。
【0040】
なお、接続部材24は、針ハブ14よりも軟質とされることが望ましく、例えば弾性を有するポリ塩化ビニルやイソプレンゴム等で形成され得る。また、接続部材24の取付筒部28が外嵌される針ハブ14の基端部30には、外周面に僅かなテーパが付されて先細形状とされることが望ましく、それによって、取付筒部28を外挿しやすくなる。
【0041】
さらに、本実施形態では、接続部材24において針ハブ14から延び出す部分が、略全長に亘ってテーパ形状の内外周面を有するテーパ状周壁部26とされている。そして、テーパ状周壁部26の長さ方向の中間部分には、内周面から突出して弾性嵌合部36が形成されている。
【0042】
弾性嵌合部36は、弾性材で形成されており、本実施形態では接続部材24のテーパ状周壁部26と一体的に形成されている。また、弾性嵌合部36は、軸方向の先端側に向かって傾斜して突出する略テーパ筒形状とされており、テーパ状周壁部26よりも大きな傾斜角をもって、テーパ状周壁部26の小径側の端部までは達しない長さで形成されている。
【0043】
特に本実施形態の弾性嵌合部36は、突出する先端側に向かって先細となる縦断面形状とされている。即ち、弾性嵌合部36は、テーパ状周壁部26から突出する基端部の厚さ寸法よりも先端部の厚さ寸法の方が小さくされている。また、弾性嵌合部36の突出先端の最小径は、テーパ状周壁部26の小径側の端部内径となる針ハブ14の基端面34の外径よりも小さくされている。
【0044】
さらに、弾性嵌合部36の位置は、テーパ状周壁部26の長さ方向の中央に限定されるものでなく、テーパ状周壁部26の長さ方向両端を除く任意の長さ方向中間位置に設定され得るが、本実施形態では、テーパ状周壁部26の長さ方向中央よりも先端側に弾性嵌合部36が設けられている。即ち、テーパ状周壁部26は、弾性嵌合部36よりも先端側に延びる先端側テーパ部38、及び基端側に延びる基端側テーパ部40とを含んで構成されており、先端側テーパ部38よりも基端側テーパ部40の方が軸方向に長くされている。
【0045】
なお、テーパ状周壁部26において、テーパ角度や壁厚等は限定されるものでなく、長さ方向で部分的にテーパ角度や肉厚等が異なっていても良い。本実施形態では、周壁部の強度やキャピラリ管8の案内作用、後述する雄ルアー54の接続等を考慮して、先端側テーパ部38よりも基端側テーパ部40の壁厚が大きくされていると共に、基端側テーパ部40の内周面のテーパ角度が長さ方向で部分的に異ならされている。
【0046】
また、テーパ状周壁部26の内部空間42は、弾性嵌合部36よりも先端側に位置する先端側内部空間44、及び基端側に位置する基端側内部空間46を含んで構成されている。そして、弾性嵌合部36が先端側に偏倚して設けられていることから、周壁がテーパ形状であることも相俟って、端側内部空間46よりも端側内部空間44の方が小さな内部容積とされている。
【0047】
なお、先端側内部空間44の容積は、弾性嵌合部36の体積以上に設定されることが望ましい。これにより、キャピラリ管8の挿入に伴って先端側へ向けて変形する弾性嵌合部36の入り込みを許容して、弾性嵌合部36の変形自由度を確保し、キャピラリ管8の挿入抵抗の増大を抑える変形許容空間が、先端側内部空間44によって構成される。
【0048】
また、弾性嵌合部36が先端側内部空間44内へ押し込まれるように弾性変形せしめられたキャピラリ管8の挿入状態において、弾性嵌合部36の外周側には、先端側テーパ部38との間に隙間48が残存するように、弾性嵌合部36の形状や厚さ及び先端側テーパ部38の内径等が設定されることが望ましい。これにより、キャピラリ管8の挿入状態下でも、弾性嵌合部36の弾性変形が容易に許容されて、キャピラリ管8の挿入抵抗の軽減や、キャピラリ管8の軸直角方向への許容移動量の増大などが図られ得る。
【0049】
上述の如き構造とされた穿刺具2には、キャピラリ管8が接続されることとなり、図3に例示するようにキャピラリ管8を挿入接続した状態で、かかる穿刺具2は、例えば小動物の採血用穿刺具として用いられ、マウスへの尾穿刺により尾静脈から毛細管現象を利用して採血等することができる。
【0050】
かかる穿刺具2において、接続部材24の基端開口部32から軸方向へ挿し入れられるキャピラリ管8は、図3に示されるように、テーパ状周壁部26の基端側内部空間46を貫通し、更に、弾性嵌合部36を貫通して、先端側内部空間44にまで達する状態で挿し入れられる。これにより、キャピラリ管8の先端部分は、接続部材24のテーパ状周壁部26へ挿し入れられ、弾性嵌合部36によって外周面を弾性的に支持されて、中空針4の中心孔への連通状態に保持される。なお、このことから本実施形態では、接続部材24のテーパ状周壁部26と弾性嵌合部36によって、キャピラリ管8の接続部6が構成されている。
【0051】
ここにおいて、キャピラリ管8の外径寸法は限定されないが、適合サイズとして使用を予定するキャピラリ管8が弾性嵌合部36を貫通して挿入されるように、また、挿入されたキャピラリ管8の外周面に対して弾性嵌合部36が全周に亘って略密着して接触するようにされることが望ましい。具体的には、弾性嵌合部36の内径寸法が、適合するキャピラリ管8の最小外径以下に設定されることが望ましい。また、弾性嵌合部36の外径寸法となる、弾性嵌合部36の形成部位でのテーパ状周壁部26の内径寸法が、適合するキャピラリ管8の最大外径以上に設定されることが望ましい。
【0052】
そして、挿入されたキャピラリ管8が、弾性嵌合部36の特に小径とされた突出先端部分36aを軸方向先端側に向けて曲げたり伸ばしたりするように且つ径方向外方へ押し広げて拡径するように弾性変形させることで、弾性嵌合部36に嵌め入れられて挿通されている。これにより、弾性嵌合部36の弾性的な復元作用により、弾性嵌合部36がキャピラリ管8の外周面に対して全周に亘って押し付けられてシール状態が実現される。特に本実施形態では、弾性嵌合部36が軸直角方向よりも先端側に向かって傾斜しており、突出先端部分36aではかかる傾斜角度がより大きくなるように弾性変形することから、弾性嵌合部36が先細の断面形状とされていることも相俟って、キャピラリ管8の挿入抵抗の軽減と、キャピラリ管8とのシール性能の向上が図られている。
【0053】
また、キャピラリ管8の挿通状態でも、弾性嵌合部36の弾性変形によって、シール状態を維持しつつキャピラリ管8の傾きや移動が許容される。加えて、キャピラリ管8が傾いた際に軸直角方向の移動量が大きくなる基端部分では、テーパ状周壁部26の基端側テーパ部40の内径が大きくされていることから、キャピラリ管8の接続部材24への当接によって、キャピラリ管8の傾きの過度な制限が回避される。それ故、例えばキャピラリ管8を挿入接続した穿刺具2を用いて小動物への穿刺を行う際に、手指がキャピラリ管8へ触れて、中空針4とキャピラリ管8とが相互に傾いても、キャピラリ管8の損傷が防止される。
【0054】
特に本実施形態では、弾性嵌合部36が軸方向先端側に向けて傾斜しつつ小径とされており、キャピラリ管8の挿通状態では、弾性嵌合部36における最小内径部位だけでなく、軸方向に曲げられ又は伸ばされた突出先端部分36aのテーパ状内周面の広い領域がキャピラリ管8の外周面に対して密着されやすい。その結果、弾性嵌合部36へのキャピラリ管8の挿通部位において大きなシール面積を確保できて、小さな当接力をもってシール性の更なる向上が図られ得る。
【0055】
しかも、本実施形態では、弾性嵌合部36の最小内径部位が、キャピラリ管8の外径よりも小さな略円形の内孔とされている。それ故、弾性嵌合部36の内孔を押し広げるように挿通されるキャピラリ管8の外周面に対して、弾性嵌合部36の内周面形状が馴染みやすく、キャピラリ管8の外周の全周に亘って略均しい当接力をもって弾性嵌合部36が密接されることでシール性能の更なる向上と安定化が図られ得る。
【0056】
さらに、キャピラリ管8の接続操作に際しては、先ず、キャピラリ管8の先端面が弾性嵌合部36の基端側面に当接し、弾性嵌合部36の先端側への曲げ変形及び/又は軸方向の伸び変形を伴いながら、弾性嵌合部36を先端側へ押し込むこととなる。また、キャピラリ管8の挿し入れ量の増大に伴って、弾性嵌合部36の内孔は次第に押し広げられて拡径変形する。そして、弾性嵌合部36の内孔の拡径変形量が大きくなって、キャピラリ管8が弾性嵌合部36を貫通すると、弾性嵌合部36の弾性変形量の増大は略止まった状態で、キャピラリ管8の挿入量の増大が許容されることとなる。
【0057】
それ故、キャピラリ管8が弾性嵌合部36を貫通するまでは、弾性嵌合部36の伸び及び拡径の弾性変形量の増大に伴ってキャピラリ管8の挿入抵抗が次第に大きくなるが、弾性嵌合部36を貫通した瞬間から後は、キャピラリ管8の外周面に当接された弾性嵌合部36の摩擦抵抗による略一定で且つ小さな挿入抵抗に抑えられる。従って、使用者は、キャピラリ管8の挿入に際して、弾性嵌合部36をキャピラリ管8が貫通して、接続部材24によるキャピラリ管8の支持及びシール状態が実現されたことを、操作抵抗の変化による節度感をもって取得することができる。
【0058】
これにより、穿刺具2に対するキャピラリ管8の接続作業が容易になると共に、キャピラリ管8を過度に押し込むことによる損傷や、キャピラリ管8の挿入不足による採血液の漏れなどの不具合も効果的に防止される。特に本実施形態では、キャピラリ管8の最大挿入端が、針ハブ14の基端面34への当接で明確に規定されて使用者が感受できることから、キャピラリ管8の接続操作の更なる信頼性向上が実現される。また、針ハブ14の基端面34から中空針4の基端部が突出していないことから、キャピラリ管8の中空針4への接触による損傷も回避される。尤も、キャピラリ管8は、基端面34に当接するまで押し込まれる必要はない。
【0059】
さらに、本実施形態の穿刺具2は、図4に示されているように、テーパ状周壁部26の基端側内面のテーパ角度が、雄ルアー54のテーパ角度に対応して設定されており、キャピラリ管8に代えて、雄ルアー54を接続することも可能とされている。これにより、穿刺具2を利用し、中空針4の中心孔へシリンジや外部ライン等を接続して、小動物からの採血の他、小動物への輸液なども実施することができる。
【0060】
なお、本実施形態の穿刺具2において、弾性嵌合部36の具体的形状は、弾性嵌合部36の弾性等の特性やキャピラリ管8の適合サイズ、要求されるシール性能やキャピラリ管8の挿入節度感などを考慮して、適宜に変更され得る。例えば図5に示されている穿刺具56のように、テーパ状周壁部26からの突出方向において厚さ寸法が略一定とされた弾性嵌合部58などを採用することも可能である。
【0061】
次に、図6,7には、本発明の第2の実施形態としての小動物用の穿刺具70が示されている。本実施形態は、前記第1の実施形態に対して、接続部材の特に弾性嵌合部の別態様を例示する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と実質的に同一の部材及び部位には、図中に、第1の実施形態と同一の符号を付すことにより、詳細な説明を省略する。
【0062】
本実施形態の弾性嵌合部72は、テーパ状周壁部26の内部空間42を仕切るように、略一定の厚さの円板形状で軸直角方向に広がっている。
【0063】
弾性嵌合部72の中央部分には、キャピラリ管8の挿通方向となる厚さ方向に貫通するスリット76が形成されている。本実施形態では、スリット76が、径方向に直線状で延びる一文字形状とされている。また、弾性嵌合部72の中央には、小径の円形孔78が厚さ方向に貫通して形成されている。円形孔78の内径は、適合するキャピラリ管8の外径寸法よりも小さくされている。
【0064】
そして、円形孔78から径方向両側に延びる態様でスリット76が形成されており、スリット76は弾性嵌合部72の弾性に基づいて閉鎖状態に保持されている一方、円形孔78は開口状態とされている。
【0065】
図8,9には、本実施形態の穿刺具70へのキャピラリ管8の接続状態が示されている。本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、キャピラリ管8の挿入に際しては、キャピラリ管8の先端面が弾性嵌合部72の基端側面に当接して、弾性嵌合部72を先端側に押し広げるように弾性変形させた後、スリット76が開かれてキャピラリ管8が貫通してからは、弾性嵌合部72に摺接しつつキャピラリ管8が先端側へ挿し入れられることとなる。従って、第1の実施形態と同様に、キャピラリ管8の接続操作時における節度感や、接続状態下でのシール性及び傾き等の許容性能などが、何れも有効に発揮され得る。
【0066】
また、本実施形態では、スリット76の中央に円形孔78が設けられていることから、弾性嵌合部72が押し開かれてキャピラリ管8が挿通されやすくなっている。更にまた、スリット76がキャピラリ管8の非挿通状態で閉鎖されることから、円形孔78を充分に小径とすることで、キャピラリ管8の内部空間42を実質的に閉鎖状態に保つこともできる。それ故、例えば穿刺具70の中空針4を小動物に穿刺した後にキャピラリ管8を挿入接続したり、キャピラリ管8を接続した状態で穿刺したまま、キャピラリ管8を穿刺具70から離脱や交換等することも可能になる。
【0067】
なお、本実施形態の弾性嵌合部72も、外周部分から中央部分に向かって、或いは外周部分からスリット76に向かって、厚さ寸法が小さくなる先細の断面形状とされていても良い。また、弾性嵌合部72に形成されるスリットの数や形状は限定されるものでなく、例えば図10に示されている穿刺具80のように、中央から放射状に半径方向に延びる3本以上のスリット84を採用しても良い。更にまた、円形孔78の如き、弾性嵌合部72に形成される中央の貫通孔について大きさや形状は限定されるものでなく、例えば軸方向で径寸法が変化するテーパ形状やスリット方向で径寸法が大きくされた異形断面形状等の貫通孔を採用しても良いし、このような弾性嵌合部72の中央の貫通孔を設けなくても良い。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上述の実施形態や解決手段の欄における具体的乃至は限定的な記載によって制限的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良などを加えた態様で実施可能である。
【0069】
例えば図4に示されている如き、テーパ状周壁部26の基端側への雄ルアー54の接続可能構造は、本発明において採用する必要がない。また、針ハブ14の基端面34と中空針4の基端面を軸方向で異なる位置に設定しても良い。更にまた、中空針4の抜去後に針先を覆う針先カバーも必要に応じて採用され得る。また、針ハブ14における翼状部としては、各種の形状や大きさ、数が採用され得るし、翼状部を針ハブ14と別体形成したり、翼状部を設けないことも可能である。
【0070】
また、弾性嵌合部を、テーパ状周壁部とは材質を異ならせて、例えばテーパ状周壁部よりも軟質又は高弾性の弾性嵌合部を採用することもできる。テーパ状周壁部と材質の異なる弾性嵌合部は、例えば多色成形やインサート成形でテーパ状周壁部と一体成形したり、別部材とした弾性嵌合部を後固着によってテーパ状周壁部へ組み込むことで実現され得る。更にまた、針ハブ14と接続部材24とを一体成形することも可能である。
【0071】
さらに、前記実施形態では、接続部6がテーパ状周壁部26を含んで構成されていたが、接続部を構成する筒状の周壁部はテーパ状とされる必要はない。例えば、接続部を構成する筒状の周壁部は、内径寸法が一定で軸方向に延びる円筒形状の筒状周壁部とされてもよい。このような筒状周壁部を採用した場合でも、テーパ状周壁部に基づかないで発揮される技術的効果は、前記実施形態と同様に発揮される。また、キャピラリ管の挿通に際して生ぜしめられる弾性嵌合部の変形やそれに基づく作用効果は、接続部の周壁部の形状に拘らずに発揮され得る。
【0072】
更にまた、筒状の周壁部は、その形状に拘らず、軸方向で先端側と基端側に分割されて材質や柔らかさ等が異ならされてもよい。また、先端側と基端側の何れか又は両方の分割周壁部に対して弾性嵌合部が一体成形されてもよい。
【0073】
また、接続部材の周壁部がテーパ状とされる場合、軸方向の全長に亘ってテーパ形状とされる必要はなく、例えば弾性嵌合部よりも基端側だけをテーパ形状とすると共に、針ハブに取り付けられる先端側を、例えばストレートな円筒形状にしてもよい。これにより、例えば接続部材の型成形が容易とされ得る。
【0074】
さらに、針ハブの基端部分に対する接続部材の先端部分の外挿組付部位(取付筒部)の形状や構造は限定されない。例えばストレートな筒形状としたり、前記実施形態とは逆向きのテーパ筒形状とすることも可能である。また、抜け防止等のために、外挿組付部位の嵌着面に凹凸による係止部を設けてもよく、少なくとも一部での溶着や接着も可能である。
【符号の説明】
【0075】
2,56,70,80:小動物用の穿刺具、4:中空針、6:接続部、8:キャピラリ管、14:針ハブ、24:接続部材、26:テーパ状周壁部、32:基端開口部、34:基端面(当接面)、36,58,72:弾性嵌合部、36a:突出先端部分、44:先端側内部空間(変形許容空間)、76,84:スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10