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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/16 20060101AFI20241219BHJP
   B65F 1/06 20060101ALI20241219BHJP
   B65F 1/00 20060101ALI20241219BHJP
   B65D 43/26 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65F1/16
B65F1/06 Z
B65F1/00 A
B65D43/26
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019219035
(22)【出願日】2019-12-03
(65)【公開番号】P2021088435
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】足立 優輔
(72)【発明者】
【氏名】岡本 文人
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09233793(US,B1)
【文献】実開平06-023909(JP,U)
【文献】実開平06-056011(JP,U)
【文献】登録実用新案第3183169(JP,U)
【文献】特開平09-323803(JP,A)
【文献】特開平07-010203(JP,A)
【文献】特開2016-210571(JP,A)
【文献】中国実用新案第203903229(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第107934313(CN,A)
【文献】特開2001-225902(JP,A)
【文献】米国特許第9067731(US,B1)
【文献】米国特許第6138855(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/16
B65D 43/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する容器本体と、前記開口部を覆う蓋体とを備える容器において、
前記蓋体の開閉を行う操作部が、前記容器本体の上端側に配置されており、
前記操作部は、軸部によって回動可能に軸支されると共に、前記蓋体の一部と連結する連結部を備え、
前記操作部を回動させることで、前記操作部に連結された前記蓋体が、前記開口部の外側へ開き、
前記蓋体は、蓋本体部と、前記蓋本体部の一部に設けられた開口部を開閉するフラップとを備えており、
前記操作部の連結部は、前記フラップの連結孔に連結されており、
前記操作部の軸部は、前記蓋本体部の軸孔に連結されており、
前記操作部を回動させることで、前記操作部に連結された前記フラップが、前記開口部の外側へ開き、
前記蓋本体部は、前記容器本体の開口部を開閉するように回動可能に構成されており、
前記フラップの連結孔は、前記フラップの開閉を可能にする可動孔部と、前記フラップが開閉しないように固定する固定孔部とを備えており、
前記操作部を持ち上げて上方へ回動させた際には、前記操作部と共に前記蓋本体部が上方へ回動して、前記容器本体の開口部の外側へ開くと同時に、前記操作部の連結部が、前記フラップの固定孔部に移動し、
前記操作部を押圧して下方へ回動させた際には、前記操作部の連結部が、前記フラップの可動孔部に移動し、前記操作部に連結された前記フラップが、前記開口部の外側へ開くことを特徴とする容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ごみや小物等の収容物を投入する投入口を開閉する蓋体を備えた、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、収容物を収容する、様々な種類の容器が知られているが、例えば、特許文献1に開示されている容器は、収容物としてごみを収容する容器本体と、ごみを投入するための押開き式のごみ投入用扉を備えている。
【0003】
ただ、この特許文献1に開示されている容器では、ごみを投入する際に、ごみ投入用扉を手で押し込む必要があり、ごみを投入した後にごみ投入用扉で手を挟む虞がある。また、容器本体に収容されているごみの量が増えた場合は、投入したごみが、ごみ投入用扉によって押し戻され、容器から飛び出す虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-208804
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、上記問題に鑑み、本願発明は、収容物を投入した後に手を挟むことを防止すると共に、投入した収容物が容器から飛び出ることを防止する容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明に係る容器は、開口部を有する容器本体と、前記開口部を覆う蓋体とを備える容器において、前記蓋体の開閉を行う操作部が、前記容器本体の上端側に配置されており、前記操作部は、前記容器本体に対して回動可能に取り付けられると共に、前記蓋体の一部と連結する連結部を備え、前記操作部を、閉じられた前記蓋体よりも下側の位置において回動させることで、前記蓋体は開き始め、前記操作部を更に回動させることで、前記操作部に連結された前記蓋体が、前記開口部の外側へ開くことを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、収容物を投入する際、蓋体の開閉を操作部によって行うため、蓋体に指を挟むことを防止できる。さらに、蓋体は外側へ開くことから、蓋体によって投入した収容物が容器本体から飛び出ることを防止できる。また、操作部は、容器本体の上端側に配置されているので、使用者が手で操作部を操作しやすい。
さらに、本願発明に係る容器は、開口部を有する容器本体と、前記開口部を覆う蓋体とを備える容器において、前記蓋体の開閉を行う操作部が、前記容器本体の上端側に配置されており、前記蓋体は、蓋本体部と、前記蓋本体部の一部に設けられた開口部を開閉するフラップとを備えており、前記操作部の連結部は、前記フラップの連結孔に連結されており、前記操作部の軸部は、前記蓋本体部の軸孔に回動可能に連結されており、前記操作部を、閉じられた前記蓋体よりも下側の位置において回動させることで、前記フラップは開き始め、前記操作部を更に回動させることで、前記操作部に連結された前記フラップが、前記開口部の外側へ開くことを特徴とする。
【0008】
上記特徴によれば、比較的小さな収容物を投入する際は、フラップよりも大きな蓋体を開閉しなくても、フラップのみを開閉して開口部から収容物を容器本体へ投入できるため、利便性が良い。また、操作部を回動させることで、フラップが外側へ開くように構成されているので、収容物を投入する際、フラップに指を挟むことを防止できると共に、フラップによって投入した収容物が容器本体から飛び出ることを防止できる。
さらに、本願発明の請求項1に係る容器は、前記蓋本体部は、前記容器本体の開口部を開閉するように回動可能に構成されており、前記フラップの連結孔は、前記フラップの開閉を可能にする可動孔部と、前記フラップが開閉しないように固定する固定孔部とを備えており、前記操作部を持ち上げて上方へ回動させた際には、前記操作部と共に前記蓋本体部が上方へ回動して、前記容器本体の開口部の外側へ開くと同時に、前記操作部の連結部が、前記フラップの固定孔部に移動し、前記操作部を押圧して下方へ回動させた際には、前記操作部の連結部が、前記フラップの可動孔部に移動し、前記操作部に連結された前記フラップが、前記開口部の外側へ開くことを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、蓋体を開く際に、操作部を持ち上げて上方へ回動させれば、操作部の連結部がフラップの固定孔部へ移動し、フラップが開かないように固定される。そのため、蓋体を開閉しても、フラップは閉じた状態を維持できるため、フラップが勝手に開閉せず、蓋体の開閉が行い易い。一方、操作部を押圧して下方へ回動させれば、操作部の連結部がフラップの可動孔部へ移動して、フラップが開くように構成されている。そのため、蓋体は閉じたままで、フラップのみを開くことができ、比較的小さな収容物を投入する際に利便性が良いのである。
【発明の効果】
【0010】
本願発明の容器によれば、収容物を投入した後に手を挟むことを防止すると共に、投入した収容物が容器から飛び出ることを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)は、本願発明の容器の蓋枠の全体斜視図、(b)は蓋枠の平面図、(c)は蓋枠の側面図である。
図2】(a)は、本願発明の容器の蓋本体部の全体斜視図、(b)は蓋本体部の平面図、(c)は蓋本体部の側面図である。
図3】(a)は、本願発明の容器のフラップを裏面側から示した全体斜視図、(b)はフラップの平面図、図3(c)はフラップの側面図である。
図4】(a)は、本願発明の容器の操作部の全体斜視図、(b)は操作部の平面図、(c)はA-A断面図である。
図5】(a)は、本願発明の容器の袋止め部材の全体斜視図、(b)は袋止め部材の平面図である。
図6】(a)は、本願発明の容器の容器本体の全体斜視図、(b)は容器本体を底壁側から示した全体斜視図、(c)は容器本体の底壁のコーナー付近を拡大した斜視図、(d)は容器本体の底壁のコーナー付近を拡大した底面図である。
図7】本願発明の容器の分解斜視図である。
図8】(a)は、本願発明の容器の蓋本体部にフラップを取り付ける状態の斜視図、(b)は、蓋本体部とフラップを備える蓋体に操作部を取り付ける状態の斜視図である。
図9】操作部を取り付けた蓋体を蓋枠に取り付ける状態の斜視図である。
図10】蓋体を取り付けた蓋枠を容器本体に取り付けた状態の斜視図である。
図11】(a)は、フラップが閉じた状態の蓋体周辺を拡大した斜視図、(b)は、B―B断面図であって、フラップ周辺を拡大した断面図、(c)は、蓋体のフラップ周辺を拡大した側面図である。
図12】(a)は、図11(b)に示す状態からフラップが開いた状態の断面図、(b)は、図11(c)に示す状態からフラップが開いた状態の側面図である。
図13】(a)は、操作部周辺を拡大した側面図、(b)は、図13(a)に示す状態から操作部を上方へ回動させた状態の側面図、(c)は、図13(a)に示す状態から操作部を上方へ回動させた状態の側面図であって、フラップの軸孔周辺を拡大した側面図である。
図14】(a)は、蓋体が上方へ回動して開いた状態の斜視図、(b)及び(c)は、容器本体の開口部周辺を拡大した斜視図である。
【符号の説明】
【0012】
300 フラップ
400 操作部
430 連結部
440 軸部
600 容器本体
601 上端
640 開口部
900 ごみ容器
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0014】
まず、図1に、本願発明のごみ容器900の蓋枠100を示す。なお、図1(a)は蓋枠100の全体斜視図、図1(b)は蓋枠100の平面図、図1(c)は蓋枠100の側面図である。
【0015】
図1に示すように、蓋枠100は、全体がポリプロピレン等の合成樹脂で形成されており、平面視で略長方形の枠体となっている。蓋枠100は、後述する容器本体600の開口部640周辺の上端601に嵌め合わせて固定するものであり、前辺部110と、前辺部110の両端に連結された側辺部120と、側辺部120同士を連結する後辺部130とを備え、前辺部110と側辺部120と後辺部130で囲まれた投入口140を備える。投入口140は、後述するように、容器本体600の開口部640と重なるため、投入口140から容器本体600内に、収容物としてごみを投入できる。なお、ごみ以外にも、小物やその他の任意の収容物を、容器本体600内に収納してもよい。
【0016】
さらに、側辺部120の前辺部110側には、傾斜面121を備えた収容溝122が形成されており、収容溝122は、後述する操作部400の軸部440を収容する。また、収容溝122の後側には、収容凹部123が形成されており、収容凹部123は、後述する操作部400の連結部430を収容する。また、後辺部130の両端には、内側へ向けて突出する軸部131が形成されており、軸部131は、後述する蓋本体部200を回動可能に軸支する。
【0017】
また、側辺部120の内面の略中央には、係止溝128が設けられており、係止溝128には、後述する袋B3の持手部B4を掛けることが出来る。さらに、係止溝128を挟んで前後には、軸孔126が形成されており、軸孔126は、後述する袋止め部材500の軸部521を連結する。一方、側辺部120の外面には、収容溝122に隣接する位置に外側へ突出する凸部127が形成されている。
【0018】
次に、図2に、本願発明のごみ容器900の蓋本体部200を示す。なお、図2(a)は蓋本体部200の全体斜視図、図2(b)は蓋本体部200の平面図、図2(c)は蓋本体部200の側面図である。
【0019】
図2に示すように、蓋本体部200は、全体が合成樹脂で形成されており、平面視で略長方形となっている。この蓋本体部200は、蓋枠100と対応した形状をしており、蓋枠100の投入口140を覆う様に蓋枠100に取り付けることが出来る。また、蓋本体部200は、平坦な板状の被閉部210と、被閉部210の両端から前方へ延出する側辺部220と、側辺部220同士を連結する前辺部230と、側辺部220と前辺部230とで囲まれた開口部240とを備える。被閉部210の両端の裏面側には、軸孔211が形成されており、軸孔211は、蓋枠100の軸部131と連結する。そのため、蓋本体部200は、軸孔211を中心に回動することが出来る。
【0020】
さらに、側辺部220の略中央には、傾斜した長孔が形成されており、この長孔は、後述する操作部400の軸部440を連結する軸孔221となる。また、軸孔221の後側には、内側へ向けて突出する軸部222が形成されており、軸部222は、後述するフラップ300の軸孔311に連結して、フラップ300を回動可能に軸支する。
【0021】
次に、図3に、本願発明のごみ容器900のフラップ300を示す。なお、図3(a)はフラップ300を裏面側から示した全体斜視図、図3(b)はフラップ300の平面図、図3(c)はフラップ300の側面図である。
【0022】
図3に示すように、フラップ300は、全体がポリプロピレン等の合成樹脂で形成されており、平面視で略長方形となっている。このフラップ300は、蓋本体部200の開口部240を覆うことが出来るように、開口部240と対応した形状をしている。具体的には、フラップ300は、平坦な板状の被閉部310と、被閉部310の両端の裏面側に軸孔311を備える。軸孔311は、蓋本体部200の軸部222と連結し、フラップ300は軸孔311を中心に回動することが出来る。また、軸孔311の外周には、下方へ突出した係止凸部314が形成されている。また、被閉部310の後辺312には、後辺312に沿って延びる帯状の突起313が設けられている。なお、突起313は連続して設けられているが、これに限定されず、突起313は部分的に設けられてもよい。
【0023】
さらに、フラップ300は、被閉部310の両端の裏面側に連結孔320を備える。連結孔320は、略L字形状となっており、上下方向に延びる長尺状の可動孔部330と、可動孔部330の上端側から後側へ延びる固定孔部340とを備える。可動孔部330は、後述するように、フラップ300の開閉を可能にする部分であり、固定孔部340は、フラップ300が開閉しないように固定する部分となっている。また、可動孔部330は、滑らかに円弧を描く円弧部331と、円弧部331から内側へ屈曲した係止端部332とを備える。係止端部332は、後述するように、フラップ300が開いた状態を維持できるように、操作部400の連結部430と係止する部分である。また、固定孔部340は、直線状の当接端部341を備えており、後述するように、フラップ300が閉じた状態を維持できるように、操作部400の連結部430と当接する部分である。なお、連結孔320は略L字形状となっているが、これに限定されず、フラップ300の回転軌道に沿った略円弧形状であってもよい。
【0024】
次に、図4に、本願発明のごみ容器900の操作部400を示す。なお、図4(a)は操作部400の全体斜視図、図4(b)は操作部400の平面図、図4(c)はA-A断面図である。
【0025】
図4に示すように、操作部400は、全体がポリプロピレン等の合成樹脂で形成されており、平面視で略コ字形状となっている。この操作部400は、前辺部410と、前辺部410の両端に連結された側辺部420とを備える。前辺部410は、傾斜した押圧面411を備えており、操作部400を下方へ回動させる際に、人が指で押圧し易いようになっている。また、前辺部410は、裏面側に凹状の指掛け部412を備えており、操作部400を上方へ回動させる際に、人が指をかけて持ち上げ易くなっている。
【0026】
さらに、側辺部420は、内側へ突出した連結部430と、軸部440とを備える。連結部430は、フラップ300の連結孔320に連結する部分であり、連結孔320に挿通する略円柱状の挿通部431と、挿通部431の先端から上方へ突出した抜止部432を備え、側面視で略L字形状をしている。また、連結部430の挿通部431に隣接する位置には、後側へ突出した係止突起433が形成されている。また、軸部440は、蓋本体部200の軸孔221に連結する部分であり、軸孔221に挿通する略円柱状の挿通部441と、挿通部441の先端から側方へ突出した抜止部442を備え、側面視で略楕円形状をしている。また、側辺部420は、軸部440に隣接する位置に、内側へ突出した固定用凸部450を備える。
【0027】
次に、図5に、本願発明のごみ容器900の袋止め部材500を示す。なお、図5(a)は袋止め部材500の全体斜視図、図5(b)は袋止め部材500の平面図である。
【0028】
図5に示すように、袋止め部材500は、全体がポリプロピレン等の合成樹脂で形成されており、平面視で略コ字形状となっている。この袋止め部材500は、長辺部510と、長辺部510の両端に連結された側辺部520とを備える。長辺部510は、外側へ突出した直線状の係止部511を備えており、後述するように袋B1の端部B2を係止させることができる。また、側辺部520は、外側へ突出した軸部521を備えており、軸部521は蓋枠100の軸孔126に連結する。また、長辺部510と側辺部520との間のコーナー部530は、内側へ窪む傾斜面531となっている。さらに、傾斜面531の上端には、袋B3の持手部B4を掛けられる凹部532が形成されている。
【0029】
次に、図6に、本願発明のごみ容器900の容器本体600を示す。なお、図6(a)は容器本体600の全体斜視図、図6(b)は容器本体600を底壁側から示した全体斜視図、図6(c)は容器本体600の底壁のコーナー付近を拡大した斜視図、図6(d)は容器本体600の底壁のコーナー付近を拡大した底面図である。
【0030】
図6に示すように、容器本体600は、全体がポリプロピレン等の合成樹脂で形成されており、底壁602と、底壁602の周囲から上方へ立ち上がる前壁610、側壁620、及び後壁630とを備える。容器本体600の上端601側は開口部640となっており、開口部640は、ごみ等を収容する収容空間650へごみを投入する投入口となる。
【0031】
また、底壁602の四隅のコーナーには、ローラー700を取り付けるためのローラー取付部660が設けられている。ローラー700は、床面等に接触する円盤状の本体部710と、本体部710の両側から突出した軸部720とを備える。また、ローラー取付部660は、底壁602から内側へ窪んだ凹部661内に、取付溝662が形成された突起状の取付部664を備える。この取付溝662は、略半円状に窪んでおり、ローラー700の軸部720を軸支する。また、略L字状に連結している内側の取付部664では、取付溝662の先端に、内側に突出する抜止突起663が設けられている。そのため、取付溝662に、ローラー700の軸部720を嵌め込んで軸支した際に、抜止突起663が軸部720の外側を囲むように係止するので、ローラー700が取付溝662から不用意に外れることを防止できる。また、内側の取付部664では、外側の端部に空間666が形成されている。なお、図6(c)及び(d)に示すように、内側の取付部664の取付溝662のみに、抜止突起663を設けているが、これに限定されず、外側の取付部664の取付溝662のみに、抜止突起663を設ける、又は、外側と内側の両方の取付部664の取付溝662に、抜止突起663を設けてもよい。また、図6(c)及び(d)に示すように、取付溝662の両側の先端に抜止突起663を設けているが、これに限定されず、取付溝662の片側の先端のみに抜止突起663を設けてもよい。また、図6(c)及び(d)に示すように、外側の取付部664には、補強リブ665を任意に設けてもよい。
【0032】
また、図6(c)に示すように、ローラー取付部660は、略L字形状に連結されている内側の取付部664と、内側の取付部664のそれぞれに相対する様に配置された外側の取付部664とを備えている。そして、ローラー700は、相対する任意の取付部664に取り付けることが出来るので、図6(c)に示すように、ローラー700に直交する方向にもローラー700’を取り付けることができ、ローラーの取付方向の変更が可能となる。また、ローラー取付部660を成形する方法として、上下抜き金型、又はスライド金型を使用してもよい。上下抜きの際は、取付溝662に金型の割り面を形成しないようになっている。
【0033】
また、図6(d)に示すように、外側の取付部664と凹部661の外縁との間の幅L1は、取付溝662の幅L2よりも小さくなっている。また、外側の取付部664と凹部661の外縁との間の幅L1は、相対する取付部664同士の幅L3よりも小さくなっている。そのため、ローラー取付部660を設けるスペースを小さくすることができる。また、ローラー取付部660を設けるスペースが小さくなったことで、容器本体600の内側の突出部分を小さくできるため、容器本体600内の収容空間650は狭くならない。さらに、ローラー取付部660を設けるスペースを、底壁602のコーナーの外縁近くに形成することが出来るため、容器本体600を支持するローラー700が外側に配置され、容器本体600を床面等に立てた状態で安定させることができる。なお、外側の取付部664と凹部661の外縁との間の幅L1は、10mm(ミリメートル)以下、好ましくは、5mm以下、更には3mm以下であることが好ましい。また、外側の取付部664と凹部661の外縁との間の幅L1は、取付溝662の幅L2と同等、外側の取付部664と凹部661の外縁との間の幅L1は、相対する取付部664同士の幅L3と同等、取付溝662の幅L2は、相対する取付部664同士の幅L3と同等であってもよい。
【0034】
次に、図7から図10に、本願発明のごみ容器900を示す。なお、図7は、ごみ容器900の分解斜視図、図8(a)は、蓋本体部200にフラップ300を取り付ける状態の斜視図、図8(b)は、蓋本体部200とフラップ300を備える蓋体800に操作部400を取り付ける状態の斜視図、図9は、操作部400を取り付けた蓋体800を蓋枠100に取り付ける状態の斜視図、図10は、蓋体800を取り付けた蓋枠100を容器本体600に取り付けた状態の斜視図である。
【0035】
図7に示すように、ごみ容器900は、ごみを収容する容器本体600と、蓋枠100と、蓋本体部200とフラップ300とを備えた蓋体800と、操作部400とを備えており、蓋枠100、蓋体800、及び操作部400は、容器本体600の上端601側に組付けられる。
【0036】
各部材の組付け方について具体的に説明すると、まず、図8(a)に示すように、蓋本体部200とフラップ300とを備える蓋体800において、フラップ300の両側の軸孔311を、蓋本体部200の側辺部220の軸部222に連結する。すると、フラップ300は、軸部222に軸支されて軸部222を中心に回動するので、フラップ300は開口部240を開閉できるようになる。
【0037】
次に、図8(b)に示すように、蓋本体部200の側辺部220の外側に操作部400の側辺部420を宛がうように近づけ、操作部400の軸部440を蓋本体部200の軸孔221に連結し、操作部400の連結部430をフラップ300の連結孔320に連結する。すると、図9に示すように、操作部400は蓋体800に取り付けられた状態となる。そして、操作部400は、側辺部420の略中央付近の軸部440で軸支されて軸部440を中心に回動できるようになる。さらに、操作部400が回動すると、側辺部420の後側の連結部430に連結されているフラップ300も、軸部222を中心に回動するのである。
【0038】
次に、図9に示すように、操作部400が取り付けられた蓋体800を、蓋枠100の上方から重ねるように近づけ、蓋本体部200の軸孔211を蓋枠100の軸部131に連結させる。すると、蓋体800は軸部131を中心に回動するので、投入口140を開閉できるようになる。そして、蓋体800が投入口140を閉じた状態で、蓋枠100を容器本体600の上端601に嵌め合わせて取り付けると、図10に示す状態となり、ごみ容器900の組み立てが完了する。
【0039】
なお、図10に示すように、蓋体800が投入口140を閉じた状態では、蓋本体部200の側辺部220と、操作部400の側辺部420の間に、蓋枠100の側辺部120が位置している。そして、図9に示すように、操作部400の軸部440は蓋枠100の収容溝122に収容され、操作部400の連結部430は蓋枠100の収容凹部123に収容されるので、操作部400が側辺部120に干渉しないようになっている。
【0040】
次は、図11及び図12を参照して、操作部400を回動させてフラップ300を開く方法について説明する。なお、図11(a)は、フラップ300が閉じた状態の蓋体800周辺を拡大した斜視図、図11(b)は、B―B断面図であって、フラップ300周辺を拡大した断面図、図11(c)は、蓋体800のフラップ300周辺を拡大した側面図、図12(a)は、図11(b)に示す状態からフラップ300が開いた状態の断面図、図12(b)は、図11(c)に示す状態からフラップ300が開いた状態の側面図である。
【0041】
図11に示すように、フラップ300が閉じた状態では、容器本体600の開口部640がフラップ300によって閉じられており、フラップ300の被閉部310と蓋本体部200の被閉部210が並んで平坦な状態となっている。また、図11(b)に示すように、フラップ300の後辺312側には、蓋本体部200の被閉部210との間に僅かな隙間があるが、フラップ300の突起313が被閉部210の下側に位置して重なっているため、フラップ300の後辺312と被閉部210との間の隙間が、突起313によって埋められる。そのため、隙間にごみ等が詰まることを防止できる。
【0042】
また、図11(a)及び(b)に示すように、操作部400は、容器本体600の上端601側に略水平に配置されており、操作部400の側辺部420と蓋本体部200の側辺部220は、互いに略平行に配置されている。また、操作部400の軸部440の挿通部441は、蓋本体部200の側辺部220の軸孔221に挿通し、操作部400の連結部430の挿通部431は、フラップ300の連結孔320に挿通している。
【0043】
そして、フラップ300を開く際は、使用者が手で操作部400の前側の押圧面411を下方へ(図11(b)の矢印R1参照)押圧して、操作部400を、軸部440を中心にして下方へ向けて回動させる。すると、押圧面411の反対側の連結部430は、軸部440を中心にして上方へ(図11(b)の矢印R2参照)回動することになる。
【0044】
一方、連結部430と連結しているフラップ300の連結孔320の後方では、フラップ300の軸孔311が蓋本体部200の軸部222と連結している。そのため、図12(a)に示すように、連結部430が上方へ回動すると、連結部430の上方への回動力によって、フラップ300は、軸部222を中心に上方へ(図12(b)の矢印R3参照)回動して開くのである。
【0045】
また、連結部430が上方へ回動してフラップ300が開く際は、図11(b)及び図12(a)に示すように、連結部430の挿通部431は、連結孔320の可動孔部330内を、円弧部331に沿って移動している。また、係止端部332は円弧部331から内側へ屈曲した形状をしている。そのため、図12(a)に示すように、連結部430の挿通部431は、円弧部331に沿って係止端部332まで到達すると、係止端部332に入り込んで係止することになる。そして、連結部430の挿通部431が連結孔320の係止端部332と係止して、連結部430が連結孔320内で移動しないように固定されたことで、フラップ300は開いた状態を維持できる。そのため、操作部400から手を離しても、フラップ300は開いたままなので、開口部240から容易にごみを投入できる。なお、図12(a)に示すように、フラップ300の開口角度は略90°となっているが、これに限定されず、80°から90°、又は、90°、又は、90°から100°としてもよい。また、連結部430の挿通部431が連結孔320の係止端部332と係止しない構造(例えば、係止端部332との間に隙間を設けて当接しない構造)に変更して、フラップ300が自然に閉じる構成としてもよい。
【0046】
また、図11(b)及び図12(a)に示すように、フラップ300が開閉する際は、操作部400の軸部440が蓋本体部200の軸孔221内で回転するが、軸部440の抜止部442は軸孔221の外縁に常に係止している。そのため、フラップ300が開閉する際に、操作部400の軸部440が蓋本体部200の軸孔221から抜けないようになっており、操作部400が蓋体800から不用意に外れないのである。また、フラップ300が開閉する際は、操作部400の連結部430がフラップ300の連結孔320内で移動するが、連結部430の抜止部432は連結孔320の外縁に常に係止している。そのため、フラップ300が開閉する際に、操作部400の連結部430がフラップ300の連結孔320から抜けないようになっており、操作部400がフラップ300から不用意に外れないのである。
【0047】
また、図11(c)及び図12(b)に示すように、フラップ300が開閉する際は、操作部400の側辺部420の内側に設けられた固定用凸部450が、蓋枠100の側辺部120の外側に設けられた凸部127の下に潜り込んで、蓋体800が蓋枠100から浮いてしまうことを防止している。具体的には、蓋体800のフラップ300は連結部430によって操作部400と連結しているので、操作部400を下方へ回動させた際に操作部400が後方(図12(b)の矢印R4参照)にも押されると、蓋体800が蓋枠100から浮き上がる虞がある。そのため、操作部400を回動させてフラップ300を開閉する際に、操作部400の側辺部420の固定用凸部450が蓋枠100の側辺部120の凸部127の下に潜り込むようにすることで、操作部400が後方へ押されても、操作部400の固定用凸部450が蓋枠100の凸部127に当接して、蓋体800が蓋枠100から浮かないように固定されるのである。
【0048】
このように、本願発明のごみ容器900によれば、容器本体600の開口部640を覆う蓋体として、フラップ300を備えており、容器本体600の上端601側に配置された操作部400を回動させることで、操作部400に連結された蓋体であるフラップ300を外側へ開くように構成している。そして、ごみを投入する際、フラップ300の開閉を操作部400によって行うことから、フラップ300に指を挟むことを防止できる。さらに、フラップ300は外側へ開くことから、フラップ300によって投入したごみが容器本体600から飛び出ることを防止できる。また、操作部400は、容器本体600の上端601側に配置されているので、使用者が手で操作部400を操作しやすい。
【0049】
さらに、フラップ300は、蓋本体部200を備える蓋体800の一部を構成すると共に、蓋本体部200の一部に設けられた開口部240を開閉するように構成されている。そのため、比較的小さなごみを投入する際は、フラップ300よりも大きな蓋体800を開閉しなくても、フラップ300のみを開閉して開口部240からごみを容器本体600へ投入できるため、利便性が良いのである。また、操作部400を回動させることで、フラップ300が外側へ開くように構成されているので、ごみを投入する際、フラップ300に指を挟むことを防止できると共に、フラップ300によって投入したごみが容器本体600から飛び出ることを防止できる。別の使い方として、蓋体800を開けて容器本体600内に小物等を収容した場合に小物等を容器本体600から取り出す際は、蓋体800を開かなくても、フラップ300のみを開いて開口部240から容器本体600内に収容された収容物を取り出すこともできるので、利便性が良い。
【0050】
また、蓋の開閉機能を備えた部分、すなわち、操作部400及び蓋体800は、蓋枠100に取り付けられて集約されている。そのため、操作部400及び蓋体800が連結された蓋枠100を取り外して、他の容器本体へ取り付けさえすれば、簡単に容器本体の交換ができる。
【0051】
なお、図11及び図12に示すように、ごみ容器900は、操作部400を回動させることで開閉する蓋体としてフラップ300を備えると共に、フラップ300は蓋体800の一部として構成されているが、これに限定されず、ごみ容器900は、操作部400を回動させることで開閉する蓋体を備えていれば、その他の構成であってもよい。
【0052】
次に、図13及び図14(a)を参照して、図11(a)に示すフラップ300及び蓋体800が閉じられた状態から、蓋体800を開く方法について説明する。なお、図13(a)は、操作部400周辺を拡大した側面図、図13(b)は、図13(a)に示す状態から操作部400を上方へ回動させた状態の側面図、図13(c)は、図13(a)に示す状態から操作部400を上方へ回動させた状態の側面図であって、フラップ300の軸孔311周辺を拡大した側面図、図14(a)は、蓋体800が上方へ回動して開いた状態の斜視図である。
【0053】
図11(a)及び図13(a)に示すように、フラップ300及び蓋体800が閉じられた状態では、操作部400の軸部440の挿通部441は、蓋枠100の側辺部120の収容溝122に収容されており、挿通部441は収容溝122の傾斜面121の下端124に位置している。一方、操作部400の連結部430は、蓋枠100の側辺部120の収容凹部123に収容されており、挿通部431は収容凹部123の下端129に位置している。また、操作部400の連結部430は、フラップ300の連結孔320の可動孔部330内に位置している。
【0054】
そして、図13(b)に示すように、蓋体800を開く際は、使用者が操作部400の前側の指掛け部412に指をかけて、操作部400を上方へ持ち上げて回動させる。すると、操作部400の軸部440の挿通部441が、収容溝122の傾斜面121に沿って下端124から上端125へ向けて移動するので、操作部400は斜め上方(図13(b)の矢印R5参照)へ移動する、つまり、上方へ移動しつつ、後方へも移動するのである。
【0055】
一方、操作部400の後側の連結部430は、操作部400が後方へ移動したことに伴い、収容凹部123の下端129に沿って水平移動する。すると、連結部430は、連結孔320内を後方へ移動し、連結部430の挿通部431は、連結孔320の可動孔部330から後方の固定孔部340に入り込むのである。そして、挿通部431と固定孔部340の形状は一致しているため、挿通部431が固定孔部340に嵌まり、さらに、挿通部431の下面が固定孔部340の当接端部341と面接触するので、連結部430の連結孔320内での回動が規制されるのである。したがって、操作部400の連結部430がフラップ300の連結孔320内で回動しないように固定されることから、操作部400と連結孔320を介して連結されているフラップ300も、回動して開かないように固定されるのである。
【0056】
また、図13(c)に示すように、操作部400の連結部430が後方へ移動したことに伴い、連結部430の係止突起433は、フラップ300の軸孔311の下側に入り込み、軸孔311の外周に設けられた係止凸部314に当接している。そのため、フラップ300が、軸孔311と連結された蓋本体部200の軸部222を中心に上方へ回動しようとしても、フラップ300の係止凸部314が連結部430の係止突起433に係止するので、フラップ300は回動できず、開かないのである。
【0057】
そして、使用者が操作部400をさらに上方へ持ち上げると、操作部400の軸部440の挿通部441が、蓋本体部200の軸孔221内を上方へ移動して、軸孔221の上端223に係止する。そのため、操作部400を持ち上げると、操作部400と共に、蓋本体部200も上方へ持ち上げられるのである。そして、蓋体800の蓋本体部200が上方へ持ち上げられると、図14(a)に示すように、蓋体800の蓋本体部200は、蓋枠100の軸部131を中心に上方へ回動し、蓋体800が開いた状態となり、投入口140から容器本体600の開口部640へ、比較的大きなごみを投入できるのである。
【0058】
なお、蓋体800を開く際に、使用者が操作部400を上方へ持ち上げると、図13(b)に示すように、操作部400の固定用凸部450が蓋枠100の凸部127の上方へ移動して、固定用凸部450が凸部127に係止しない状態となる。そのため、操作部400は蓋枠100に固定されないので、操作部400と共に蓋体800を蓋枠100から離れるように上方へ回動させることが出来る。
【0059】
このように、本願発明のごみ容器900によれば、蓋体800を開く際に、操作部400を持ち上げて上方へ回動させれば、操作部400の連結部430がフラップ300の固定孔部340へ移動し、フラップ300が開かないように固定される。そのため、蓋体800を開閉しても、フラップ300は閉じた状態を維持できるため、フラップ300が勝手に開閉せず、蓋体800の開閉が行い易い。一方、操作部400を押圧して下方へ回動させれば、操作部400の連結部430がフラップ300の可動孔部330へ移動して、フラップ300が開くように構成されている。そのため、蓋体800は閉じたままで、フラップ300のみを開くことができ、比較的小さなごみを投入する際に利便性が良いのである。
【0060】
なお、図13(a)に示すように、操作部400には、操作部400の裏面側を補強するために、垂下リブ413が形成されている。そして、垂下リブ413と蓋体800との間には隙間414が形成されており、操作部400を回動させやすくなっている。なお、隙間414は任意で設けるものであり、隙間414を設けなくてもよい。また、操作部400には垂下リブ413が設けられているが、これに限定されず、垂下リブ413を無くして、押圧面411の裏面から前端面415の裏面へ延びる略三角形状のリブを設けてもよい。また、図13(a)に示すように、操作部400の上端面と、蓋枠100に取り付けられた蓋体800の上端面とが、面一となるように、操作部400の高さが揃えられているが、これに限定されず、操作部400の上端面が、蓋体800の上端面よりも低くなるように、操作部400の高さを低くしてもよい。また、図9から図13に示すように、操作部400側に連結部430が設けられ、フラップ側に連結孔320が設けられているが、これに限定されず、操作部400側に連結孔320を設け、フラップ300側に連結部430を設けてもよい。
【0061】
次に、図14(b)及び図14(c)を参照して、蓋体800の容器本体600内に袋を掛け止める方法について説明する。なお、図14(b)及び(c)は、容器本体600の開口部640周辺を拡大した斜視図である。
【0062】
図14(b)では、持手部のない比較的大きな袋B1を容器本体600内に掛け止めている。具体的には、袋止め部材500の軸部521は蓋枠100の軸孔126に連結されているので、図14(b)に示すように、袋止め部材500を上方へ回動させられる。そして、袋B1の端部B2を押し広げて、袋止め部材500の長辺部510の係止部511に係止させる。その状態で、袋止め部材500を下方へ回動させれば、袋B1が容器本体600内で掛け止められることになる。なお、袋止め部材500のコーナー部530には傾斜面531が設けられているので、掛け止められている袋B1の端部B2に応力が集中して破れることを防止している。
【0063】
また、図14(c)では、持手部B4を備えた比較的小さな袋B3を容器本体600内に2つ掛け止めている。各袋B3は両側に2つの持手部B4を備えている。そして、図14(c)に示すように、袋止め部材500を上方へ回動させて、袋B3の各持手部B4を押し広げて、蓋枠100の係止溝128と袋止め部材500のコーナー部530の凹部532に係止させる。その状態で、袋止め部材500を下方へ回動させれば、袋B3が容器本体600内で掛け止められることになる。
【0064】
なお、本願発明の容器として、上記実施例では、収容物としてのごみを収容するごみ容器900を例示したが、これに限定されず、本願発明の容器は、収容物としての小物を収容する小物入れや、その他、任意の収容物を収容する収容容器であってもよい。また、本願発明の容器を構成する蓋枠100、蓋本体部200、フラップ300、操作部400、袋止め部材500、及び容器本体600のそれぞれは、すべて同じ材料で成形されているが、これに限定されず、各部材ごとに任意の素材を用いて成形してもよい。
【0065】
なお、本願発明の容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。

図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14