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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】無線表示システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241219BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20241219BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G06Q30/0601
G06Q30/015
G07G1/00 331Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020213394
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022099563
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】寺田 清一
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-149539(JP,A)
【文献】特開2009-064316(JP,A)
【文献】特開2014-109868(JP,A)
【文献】特開2013-054539(JP,A)
【文献】特開2016-010612(JP,A)
【文献】特開2017-126872(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0014559(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品それぞれに対し、第1情報及び第2情報の内の少なくとも前記第1情報を記憶する、サーバと、
前記複数の物品の内の特定の物品に関連付けられ、関連付けられた前記特定の物品に対応する前記第1情報を表示し、関連付けられた前記特定の物品に対応する前記第2情報の属性情報を携帯端末に対して提供可能な、複数の無線表示器と、
を備え、
前記サーバは、前記特定の物品に対応する前記第2情報が記憶されている場合、前記特定の物品に関連付けられた前記無線表示器に対して、前記属性情報を送信し、
前記無線表示器は、前記サーバから前記属性情報を受信した場合、前記携帯端末から前記第2情報にアクセスさせるため、前記携帯端末のユーザに向けて、前記携帯端末による前記属性情報の読み取り行為を促す案内を表示
前記無線表示器は、近接する前記携帯端末と近距離無線通信が可能であり、
前記案内は、前記携帯端末と近距離無線通信が可能であることを示す図又は文字である、
無線表示システム。
【請求項2】
前記案内には、所定の言語で表現された前記第2情報の存在が示される、
請求項に記載の無線表示システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記第2情報を認証するための入力受付機能を有し、認証された前記第2情報のみについて、前記属性情報を前記無線表示器に送信する、
請求項1又は2に記載の無線表示システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記携帯端末から前記第2情報にアクセスしたログを分析する、
請求項1からのいずれか1つに記載の無線表示システム。
【請求項5】
前記無線表示器は、前記属性情報が近距離無線通信を用いて読み取られた回数をカウントして、前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記無線表示器から受信した前記回数を記憶する、
請求項1からのいずれか1つに記載の無線表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
無線表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許第5818973号)に示されているように、ドラッグストア等の店舗において、携帯端末を用いて、電子棚札から商品に関する情報を読み取るシステムがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のシステムでは、携帯端末を用いて、電子棚札から商品に関する情報を読み取れる旨の案内が、電子棚札に表示されない。そのため、店舗の利用者が、携帯端末を用いて、電子棚札から商品に関する情報を読み取れることに気づくことは困難である、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の無線表示システムは、サーバと、複数の無線表示器と、を備える。サーバは、複数の物品それぞれに対し、第1情報及び第2情報の内の少なくとも第1情報を記憶する。無線表示器は、複数の物品の内の特定の物品に関連付けられ、関連付けられた特定の物品に対応する第1情報を表示する。また、無線表示器は、関連付けられた特定の物品に対応する第2情報の属性情報を携帯端末に対して提供可能である。サーバは、特定の物品に対応する第2情報が記憶されている場合、特定の物品に関連付けられた無線表示器に対して、属性情報を送信する。無線表示器は、サーバから属性情報を受信した場合、携帯端末から第2情報にアクセスさせるため、携帯端末のユーザに向けて、携帯端末による属性情報の読み取り行為を促す案内を表示する。
【0005】
第1観点の無線表示システムでは、無線表示器は、サーバから属性情報を受信した場合、携帯端末から第2情報にアクセスさせるため、携帯端末のユーザに向けて、携帯端末による第2情報の属性情報の読み取り行為を促す案内を表示する。その結果、無線表示システムでは、店舗の利用者(ユーザ)は、携帯端末を用いて、電子棚札(無線表示器)から商品(物品)に関する情報を読み取れることに気づくことができる。
【0006】
第2観点の無線表示システムは、第1観点の無線表示システムであって、属性情報の読み取りには、1次元バーコード、2次元バーコード、又は、近距離無線通信が用いられる。
【0007】
このような構成を持つ第2観点の無線表示システムは、属性情報を読み取られる際の、無線表示器の消費電力を抑えることができる。
【0008】
第3観点の無線表示システムは、第1観点又は第2観点のいずれかの無線表示システムであって、案内には、1次元バーコード、2次元バーコード、又は、近距離無線通信が可能であることを示す図、が表示される。
【0009】
このように構成したことによって、第3観点の無線表示システムでは、店舗の利用者は、携帯端末を用いて、近距離無線通信等により、無線表示器から物品に関する情報を読み取れることに気づくことができる。
【0010】
第4観点の無線表示システムは、第1観点から第3観点のいずれかの無線表示システムであって、案内には、所定の言語で表現された第2情報の存在が示される。
【0011】
このように構成したことによって、第4観点の無線表示システムでは、店舗の利用者が無線表示器から物品に関する情報を読み取れることに気づいても、言語が不明であるため読み取りを断念する、という事象を防ぐことができる。
【0012】
第5観点の無線表示システムは、第1観点から第4観点のいずれかの無線表示システムであって、サーバは、第2情報を認証するための入力受付機能を有し、認証された第2情報のみについて、属性情報を無線表示器に送信する。
【0013】
第5観点の無線表示システムでは、管理者等が認証した第2情報のみについて、属性情報を無線表示器に送信する。その結果、無線表示システムは、不適切な第2情報についての属性情報が、無線表示器に送信される、という事象を防ぐことができる。
【0014】
第6観点の無線表示システムは、第1観点から第5観点のいずれかの無線表示システムであって、サーバは、携帯端末から第2情報にアクセスしたログを分析する。
【0015】
このように構成したことによって、第6観点の無線表示システムは、アクセスログを分析し、マーケティング等に役立てることができる。
【0016】
第7観点の無線表示システムは、第1観点から第6観点のいずれかの無線表示システムであって、無線表示器は、属性情報が近距離無線通信を用いて読み取られた回数をカウントして、サーバに送信する。サーバは、無線表示器から受信した回数を記憶する。
【0017】
このように構成したことによって、第7観点の無線表示システムは、近距離無線通信を用いて読み取られた回数を分析し、マーケティング等に役立てることができる。
【発明の効果】
【0018】
無線表示システムでは、店舗の利用者は、携帯端末を用いて、電子棚札から商品に関する情報を読み取れることに気づくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】無線表示システムの全体構成図である。
図2】電子棚札の設置例を示す図である。
図3】電子棚札の表示例を示す図である。
図4】管理サーバのブロック構成図である。
図5】商品情報テーブル及び電子棚札テーブルの項目例を示す図である。
図6】商品情報の例を示す図である。
図7】多言語サーバのブロック構成図である。
図8】商品説明情報の例を示す図である。
図9】属性情報の例を示す図である。
図10】電子棚札のブロック構成図である。
図11】携帯端末のディスプレイの表示例を示す図である。
図12】無線表示システムで行われる処理の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の実施形態は、例示に過ぎず、本発明に係る無線表示システムの内容を限定するものではない。以下の実施形態は、発明の趣旨と矛盾しない範囲で適宜変更可能である。
【0021】
(1)全体構成
無線表示システム100は、ドラッグストア、コンビニエンスストア、家電量販店等の店舗90において使用され、店舗90の利用者(ユーザ)に商品P(物品)に関する商品名50b、価格50c等の情報を提供する。
【0022】
図1は、無線表示システム100の全体構成図である。図1に示すように、無線表示システム100は、主として、サーバ10と、複数の電子棚札20(無線表示器)とを備える。
【0023】
サーバ10は、管理サーバ11と、多言語サーバ12とから構成される。
【0024】
管理サーバ11は、主として、商品Pに関する第1情報を管理する。本実施形態では、第1情報は、商品Pに関する商品名50b、価格50c等の商品情報50である(図5参照)。
【0025】
多言語サーバ12は、主として、商品Pに関する第2情報を管理する。第2情報は、所定の言語で表現された、商品Pに関する商品説明、商品宣伝等の情報である。本実施形態では、第2情報は、所定の言語で表現された、商品Pに関する商品説明情報70である(図7参照)。また、第2情報は、属性情報71を有する(図9参照)。本実施形態では、属性情報71は、商品説明情報70が表現されている言語の種類(言語種類71b)、商品説明情報70にアクセスするためのURL(商品説明URL71c)等の情報である。メーカー等の業者は、業者端末40を用いて、商品説明情報70を作成する。
【0026】
電子棚札20は、店舗90内に設置される商品棚に、商品Pと関連付けて取り付けられる。図2は、電子棚札20の設置例を示す図である。また、電子棚札20には、商品棚に陳列されている商品Pの商品情報50及び属性情報71が表示される。図3は、電子棚札20の表示例を示す図である。店舗90の利用者は、電子棚札20に表示された商品Pの商品情報50及び属性情報71を、視覚によって確認することができる。また、店舗90の利用者は、自身が携帯する携帯端末30を用いて、電子棚札20から商品Pの属性情報71を読み取ることができる。商品Pの属性情報71を読み取った利用者は、属性情報71の商品説明URL71cを基に、携帯端末30を用いて多言語サーバ12にアクセスし、商品Pの商品説明情報70を確認することができる。
【0027】
管理サーバ11と、複数の電子棚札20とは、複数のアクセスポイントAPを介して、ネットワークNW1及びネットワークNW2により、通信可能に接続されている。本実施形態では、ネットワークNW1は有線LANであり、ネットワークNW2は無線LANである。なお、電子棚札20やアクセスポイントAPの台数は、図1に描かれている台数に限定されない。
【0028】
管理サーバ11と、多言語サーバ12と、携帯端末30と、業者端末40とは、ネットワークNW3により、通信可能に接続されている。本実施形態では、ネットワークNW3は、インターネットである。ネットワークNW1と、ネットワークNW3とは、ゲートウェイGWを介して、接続されている。
【0029】
(2)詳細構成
(2-1)管理サーバ
管理サーバ11は、店舗90の管理室等に設置されるコンピュータである。図4は、管理サーバ11のブロック構成図である。管理サーバ11は、図4に示すように、主として、管理記憶部111と、管理入力部112と、管理表示部113と、管理通信部114と、管理制御部115とを備える。
【0030】
(2-1-1)管理記憶部
管理記憶部111は、RAM、ROM及びHDD(ハードディスクドライブ)等の記憶装置である。管理記憶部111は、管理制御部115が実行するプログラム、プログラムの実行に必要なデータ、及び、管理サーバ11が動作するOS(オペレーティングシステム)等を記憶している。管理記憶部111には、WEBブラウザや、メーラー等の一般的なアプリケーションがインストールされている。また、管理記憶部111は、商品情報テーブルTB50と、電子棚札テーブルTB60と、を記憶している。
【0031】
商品情報テーブルTB50は、店舗90で取り扱われる複数の商品Pそれぞれに対し、商品情報50を記憶している。図5は、商品情報テーブルTB50及び電子棚札テーブルTB60の項目例を示す図である。図5に示すように、商品情報50は、商品Pに関する商品ID50a、商品名50b、価格50c、製造者50d、原材料50e、アレルギー物質50f、及び、消費期限50gから構成される。言い換えると、商品情報テーブルTB50は、商品ID50aごとに、商品名50b、価格50c、製造者50d、原材料50e、アレルギー物質50f、及び、消費期限50gを記憶している。商品ID50aは、商品Pごとに、一意に付与される値である。原材料50e及びアレルギー物質50f等の一部の項目は、商品Pが食品である場合に値が格納される。このように、商品情報50は、商品Pのカテゴリーに応じて、異なる項目から構成されてもよい。また、図5は一例であり、商品情報50は、図5に示される項目以外の項目をさらに含んでもよい。図6は、商品Pが「冷凍コロッケ」である場合に、商品Pの商品情報50の例を示す図である。無線表示システム100の管理者や、店舗90のスタッフ等は、管理入力部112及び管理表示部113を用いて、商品情報テーブルTB50を管理する。
【0032】
電子棚札テーブルTB60は、図5に示されるように、棚札ID60a、棚ID60b、及び、棚商品ID60cから構成される。言い換えると、電子棚札テーブルTB60は、棚札ID60aごとに、棚ID60b及び棚商品ID60cを記憶している。棚札ID60aは、各電子棚札20に一意に付与される値である。棚ID60bは、店舗90に設置されている各商品棚に一意に付与される値である。棚商品ID60cは、対応する棚ID60bが付与されている商品棚に陳列される商品Pを特定するための情報である。棚商品ID60cには、商品情報テーブルTB50の商品ID50aと共通のIDが格納される。無線表示システム100の管理者や、店舗90のスタッフ等は、管理入力部112及び管理表示部113を用いて、電子棚札テーブルTB60を管理する。
【0033】
(2-1-2)管理入力部
管理入力部112は、キーボード及びマウスである。管理サーバ11に対する各種指令や各種情報は、管理入力部112を用いて入力することができる。
【0034】
(2-1-3)管理表示部
管理表示部113は、ディスプレイである。管理表示部113には、無線表示システム100に関する各種情報を、表示することができる。
【0035】
(2-1-4)管理通信部
管理通信部114は、ネットワークNW1を介して通信を行うためのネットワークインターフェイス機器である。
【0036】
(2-1-5)管理制御部
管理制御部115は、CPU等の演算処理装置である。管理制御部115は、管理記憶部111に記憶されているプログラムを読み込んで実行し、管理サーバ11の様々な機能を実現する。
【0037】
例えば、管理制御部115は、各電子棚札20に対して、関連付けられた商品Pの商品情報50を送信する。具体的には、管理制御部115は、電子棚札テーブルTB60の棚札ID60aに係る電子棚札20に対して、対応する棚商品ID60cに係る商品Pの商品情報50を送信する。棚商品ID60cに係る商品Pの商品情報50は、商品情報テーブルTB50から、棚商品ID60cの値と、商品ID50aの値とが一致するレコードを抽出する。
【0038】
また、管理制御部115は、電子棚札20に関連付けられた商品Pに対応する商品説明情報70が多言語サーバ12に記憶されている場合、当該電子棚札20に対して、さらに当該商品Pの属性情報71を送信する。棚商品ID60cに係る商品Pの属性情報71は、多言語サーバ12が記憶する商品説明情報70の属性情報71から、棚商品ID60cの値と、多言語商品ID71aの値とが一致するものを取得する。多言語サーバ12については、後述する。なお、本実施形態では、管理制御部115は、属性情報71の言語種類71bの値(英語、中国語等)を、当該言語を象徴する国旗の画像データに変換して、電子棚札20に送信する。例えば、言語種類71bの値が英語である場合、英国の国旗の画像データを、電子棚札20に送信する。
【0039】
(2-2)多言語サーバ
多言語サーバ12は、データセンタ等に設置されるコンピュータである。図7は、多言語サーバ12のブロック構成図である。多言語サーバ12は、図7に示すように、主として、多言語記憶部121と、多言語入力部122と、多言語表示部123と、多言語通信部124と、多言語制御部125とを備える。
【0040】
(2-2-1)多言語記憶部
多言語記憶部121は、RAM、ROM及びHDD等の記憶装置である。多言語記憶部121は、多言語制御部125が実行するプログラム、プログラムの実行に必要なデータ、及び、多言語サーバ12が動作するOS等を記憶している。多言語記憶部121には、WEBブラウザや、メーラー等の一般的なアプリケーションがインストールされている。また、多言語記憶部121は、商品説明情報70を記憶している。
【0041】
商品説明情報70は、所定の言語で表現された、商品Pに関する説明の情報である。商品説明情報70は、商品Pごと、言語ごとに存在し得る。商品説明情報70は、例えば、HTML形式のファイル群である。言語の種類は、例えば、英語、中国語、台湾語、韓国語、日本語等である。図8は、商品Pが「冷凍コロッケ」である場合に、英語で表現された商品説明情報70の例を示す図である。業者は、業者端末40を用いて、商品説明情報70を作成する。図8は、商品情報50の例である図6を英語で表現したものであるが、商品説明情報70の内容は商品情報50に限定されず、業者によって自由に作成される。
【0042】
商品説明情報70は、属性情報71を有する。属性情報71は、各商品説明情報70のファイルに対して1つ存在する。図9は、属性情報71の例を示す図である。図9に示すように、属性情報71は、多言語商品ID71aと、言語種類71bと、商品説明URL71cとから構成される。多言語商品ID71aは、商品説明情報70が説明している商品Pを特定するための情報である。多言語商品ID71aには、商品情報テーブルTB50の商品ID50aと共通のIDが格納される。言語種類71bは、商品説明情報70を表現している言語の種類である。商品説明URL71cは、商品説明情報70のファイルのURLである。
【0043】
(2-2-2)多言語入力部
多言語入力部122は、キーボード及びマウスである。多言語サーバ12に対する各種指令や各種情報は、多言語入力部122を用いて入力することができる。
【0044】
(2-2-3)多言語表示部
多言語表示部123は、ディスプレイである。多言語表示部123には、無線表示システム100に関する各種情報を、表示することができる。
【0045】
(2-2-4)多言語通信部
多言語通信部124は、ネットワークNW3を介して通信を行うためのネットワークインターフェイス機器である。
【0046】
(2-2-5)多言語制御部
多言語制御部125は、CPU等の演算処理装置である。多言語制御部125は、多言語記憶部121に記憶されているプログラムを読み込んで実行し、多言語サーバ12の様々な機能を実現する。
【0047】
例えば、多言語制御部125は、業者端末40からのアクセスを受け付け、業者に商品説明情報70を作成させる。
【0048】
また、多言語制御部125は、携帯端末30からのアクセスを受け付け、携帯端末30に商品説明情報70を送信する。
【0049】
また、多言語制御部125は、管理サーバ11からの要求に応じて、管理サーバ11に属性情報71を送信する。
【0050】
(2-3)電子棚札
電子棚札20は、店舗90で取り扱われる複数の商品Pの内、商品棚に陳列された特定の商品Pに関連付けられる。図10は、電子棚札20のブロック構成図である。電子棚札20は、図10に示すように、主として、記憶部21と、第1通信部22と、第2通信部23と、表示部24と、制御部25と、電池26とを備える。
【0051】
(2-3-1)記憶部
記憶部21は、RAM、ROM及びフラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部21は、制御部25が実行するプログラム、及び、プログラムの実行に必要なデータが格納されている。また、記憶部21には、管理サーバ11から第2通信部23を介して受信した、商品情報50及び属性情報71が記憶される。
【0052】
(2-3-2)第1通信部
第1通信部22は、携帯端末30から非接触電力伝送により電力の供給を受ける、パッシブ型のRFタグ(Radio Frequency Tag)である。第1通信部22は、携帯端末30と近距離無線通信(NFC、Near Field Communication)を行う。第1通信部22は、携帯端末30に対して、記憶部21に記憶されている属性情報71を送信するように構成されている。言い換えると、電子棚札20は、関連付けられた特定の商品Pに対応する属性情報71を、携帯端末30に対して提供可能である。
【0053】
第1通信部22は、図10に示すように、主として、アンテナ23aと、NFCチップ23bとを有する。アンテナ23aは、電波又は磁界を用いた信号の送受信に用いられるループアンテナ(コイルアンテナ)である。第1通信部22と、携帯端末30との通信可能距離は、数cm~数10cm程度である。NFCチップ23bは、第1通信部22の各種制御を行う集積回路である。携帯端末30が、電子棚札20に近づけられると、NFCチップ23bは、商品Pに関する属性情報71を記憶部21から読み出す。そして、NFCチップ23bは、アンテナ23aを介して携帯端末30に対し、商品Pに関する属性情報71を送信する。
【0054】
(2-3-3)第2通信部
第2通信部23は、ネットワークNW2を介して、アクセスポイントAPと通信を行うためのネットワークインターフェイス機器である。
【0055】
(2-3-4)表示部
表示部24は、電子棚札20に関連付けられた特定の商品Pに対応する、商品情報50及び属性情報71を表示するための画面である。表示部24には、例えば、電子ペーパーが用いられる。
【0056】
(2-3-5)制御部
制御部25は、CPU等の演算処理装置である。制御部25は、記憶部21に記憶されているプログラムを読み込んで実行し、電子棚札20の様々な機能を実現する。
【0057】
例えば、制御部25は、管理サーバ11から、商品情報50及び属性情報71を受信し、記憶部21に記憶する。
【0058】
また、制御部25は、記憶部21に記憶されている商品Pの商品情報50を、表示部24に表示する。図3では、表示部24に、「冷凍コロッケ 1パック 298円」という商品情報50が表示されている。このように、表示部24には、商品情報50の少なくとも一部が表示される。
【0059】
また、制御部25は、管理サーバ11から商品Pの属性情報71を受信した場合、携帯端末30から商品説明情報70にアクセスさせるため、店舗90の利用者に向けて、携帯端末30による属性情報71の読み取り行為を促す案内を、表示部24に表示する。制御部25は、当該案内として、所定の言語で表現された商品説明情報70の存在を、表示部24に表示する。具体的には、制御部25は、記憶部21に記憶された属性情報71を表示する。図3では、左から順に、英国、中国、台湾及び韓国の国旗の画像データに変換された、属性情報71の言語種類71bが表示されている。また、制御部25は、当該案内として、近距離無線通信が可能であることを示す図を、表示部24に表示する。図3では、NFCマーク29が表示されている。
【0060】
(2-3-6)電池
電池26は、電子棚札20の記憶部21、第2通信部23、表示部24、及び、制御部25に電力を供給するよう構成されている。第1通信部22は、携帯端末30から非接触電力伝送により電力の供給を受けるように構成されているため、電池26からは電力が供給されない。電池26は、例えばリチウム電池である。
【0061】
(2-4)携帯端末
携帯端末30は、店舗90の利用者が携帯する端末である。本実施形態では、携帯端末30は、スマートフォンである。しかし、これに限定されず、携帯端末30はタブレット等であってもよい。
【0062】
携帯端末30は、CPUや、RAM、ROM及びフラッシュメモリ等の記憶装置を有する。また、携帯端末30は、電子棚札20の第1通信部22と、近距離無線通信を行う第1通信部を有する。言い換えれば、携帯端末30は、電子棚札20の第1通信部22との近距離無線通信が可能なRFタグのリーダ/ライタである。また、携帯端末30は、情報の入出力部として、タッチパネル式のディスプレイを有する。また、携帯端末30は、ネットワークNW3に接続するための第2通信部を有する。また、携帯端末30には、WEBブラウザや、メーラー等の一般的なアプリケーションがインストールされている。
【0063】
携帯端末30は、近距離無線通信を用いて、電子棚札20から、関連付けられた商品Pの属性情報71を読み取ることができる。図11は、属性情報71を読み取った直後の、携帯端末30のディスプレイの表示例を示す図である。図11では、国旗の画像ごとに、商品説明情報70のURLが表示されている。なお、国旗の画像は、属性情報71の言語種類71bに基づいている。また、商品説明情報70のURLは、属性情報71の商品説明URL71cに基づいている。店舗90の利用者は、好みの言語(国旗)に対応するURLをタッチすることにより、WEBブラウザ等を用いて、好みの言語で表現された商品説明情報70にアクセスすることができる。
【0064】
(2-5)業者端末
業者端末40は、商品Pのメーカー等の業者が使用する端末である。本実施形態では、業者端末40は、一般的なパーソナルコンピュータである。
【0065】
業者端末40は、CPUや、RAM、ROM及びHDD等の記憶装置を有する。また、業者端末40は、ネットワークNW3に接続するための通信部を有する。また、業者端末40は、情報の入力部として、キーボード及びマウスを有する。また、業者端末40は、情報の表示部として、ディスプレイを有する。また、業者端末40には、WEBブラウザや、メーラー等の一般的なアプリケーションがインストールされている。
【0066】
業者は、業者端末40から、WEBブラウザ等を用いて、多言語サーバ12にアクセスし、商品Pの商品説明情報70を作成する。
【0067】
(3)処理
無線表示システム100で行われる処理の一例を、図12のフローチャートを用いて説明する。本フローの前提として、各電子棚札20には、関連付けられた商品Pの商品情報50及び属性情報71が記憶され、かつ、表示されていると仮定する。
【0068】
電子棚札20は、ステップS1に示すように、店舗90の利用者の携帯端末30と、近距離無線通信を行うか否かを判断する。近距離無線通信を行う場合、ステップS2に進む。近距離無線通信を行わない場合、ステップS3に進む。
【0069】
電子棚札20は、ステップS1からステップS2に進むと、ステップS2に示すように、近距離無線通信により、携帯端末30に対して、属性情報71を送信する。
【0070】
管理サーバ11は、ステップS1からステップS3に進むと、又は、ステップS2を終えると、ステップS3に示すように、電子棚札20の表示を更新するタイミングであるか否かを判断する。電子棚札20の表示を更新するタイミングは、例えば、現時刻が、事前に定められた時刻となるタイミングである。また、電子棚札20の表示を更新するタイミングは、例えば、無線表示システム100の管理者等が、電子棚札20の表示の更新を試みるタイミングである。電子棚札20の表示を更新するタイミングである場合、ステップS4に進む。電子棚札20の表示を更新するタイミングでない場合、ステップS1に戻り、電子棚札20は、再び携帯端末30と近距離無線通信を行う機会を伺う。
【0071】
管理サーバ11は、ステップS3からステップS4に進むと、ステップS4に示すように、各電子棚札20に対して送信する、商品情報50及び属性情報71を収集する。
【0072】
管理サーバ11は、ステップS4を終えると、ステップS5に示すように、各電子棚札20に対して、収集した商品情報50及び属性情報71を送信する。
【0073】
電子棚札20は、ステップS5を終えると、ステップS6に示すように、受信した商品情報50及び属性情報71を、表示部24に表示する。
【0074】
電子棚札20は、ステップS6を終えると、ステップS1に戻り、再び携帯端末30と近距離無線通信を行う機会を伺う。
【0075】
なお、本フローの間、随時、多言語サーバ12は、業者端末40からのアクセスを受け付け、商品説明情報70を作成させる。また、本フローの間、随時、多言語サーバ12は、携帯端末30からのアクセスを受け付け、携帯端末30に商品説明情報70を送信する。また、本フローの間、随時、管理サーバ11は、店舗90のスタッフ等による管理入力部112からの入力を受け付け、商品情報テーブルTB50を更新させる。
【0076】
また、本フローでは、無線表示システム100は、すべての電子棚札20の表示を一律に更新した。しかし、無線表示システム100は、特定の電子棚札20の表示のみを更新してもよい。
【0077】
(4)特徴
(4-1)
従来の無線表示システムでは、携帯端末を用いて、電子棚札から商品に関する情報を読み取れる旨の案内が、電子棚札に表示されなかった。そのため、店舗の利用者が、携帯端末を用いて、電子棚札から商品に関する情報を読み取れることに気づくことは困難である、という課題があった。また、案内を行うラベルを電子棚札に張り付ける方法も考えられるが、商品に関する情報の有無によって、貼り付け、剥がし取りを行う作業が発生し、大変手間がかかるという、課題があった。
【0078】
本実施形態の無線表示システム100では、電子棚札20は、管理サーバ11から属性情報71を受信した場合、携帯端末30から商品説明情報70にアクセスさせるため、店舗90の利用者に向けて、携帯端末30による商品説明情報70の属性情報71の読み取り行為を促す案内を表示する。その結果、店舗90の利用者は、携帯端末30を用いて、電子棚札20から商品Pに関する情報を読み取れることに気づくことができる。また、案内を行うラベルを電子棚札20に張り付けなくても、店舗90の利用者は、携帯端末30を用いて、電子棚札20から商品Pに関する情報を読み取れることに気づくことができる。
【0079】
(4-2)
本実施形態の無線表示システム100は、携帯端末30による属性情報71の読み取りに、近距離無線通信を用いる。その結果、無線表示システム100は、属性情報71を読み取られる際の、電子棚札20の消費電力を抑えることができる。
【0080】
(4-3)
本実施形態の無線表示システム100は、属性情報71の読み取り行為を促す案内として、電子棚札20の表示部24に、近距離無線通信が可能であることを示す図を表示する。その結果、店舗90の利用者は、携帯端末30を用いて、近距離無線通信により、電子棚札20から商品Pに関する情報を読み取れることに気づくことができる。
【0081】
(4-4)
本実施形態の無線表示システム100は、属性情報71の読み取り行為を促す案内として、電子棚札20の表示部24に、所定の言語で表現された商品説明情報70の存在を表示する。その結果、無線表示システム100は、店舗90の利用者が電子棚札20から商品Pに関する情報を読み取れることに気づいても、言語が不明であるため読み取りを断念する、という事象を防ぐことができる。
【0082】
(5)変形例
(5-1)変形例1A
本実施形態では、無線表示システム100は、属性情報71の読み取り行為を促す案内として、電子棚札20の表示部24に、近距離無線通信が可能であることを示す図を表示した。また、無線表示システム100は、属性情報71の読み取りに、近距離無線通信を用いた。
【0083】
しかし、無線表示システム100は、属性情報71の読み取り行為を促す案内として、電子棚札20の表示部24に、1次元バーコード又は2次元バーコードを表示してもよい。また、無線表示システム100は、属性情報71の読み取りに、1次元バーコード又は2次元バーコードを用いてもよい。その結果、店舗90の利用者は、携帯端末30を用いて、1次元バーコード又は2次元バーコードにより、電子棚札20から商品Pに関する情報を読み取れることに気づくことができる。また、無線表示システム100は、属性情報71を読み取られる際の、電子棚札20の消費電力を抑えることができる。
【0084】
この場合、例えば、管理制御部115は、商品Pに関する言語種類71b及び商品説明URL71cの情報を、1次元バーコード又は2次元バーコードに画像化し、当該画像データを電子棚札20に送信する。
【0085】
(5-2)変形例1B
本実施形態では、無線表示システム100は、電子棚札20の表示部24に、国旗の画像を表示した。しかし、無線表示システム100は、例えば、各言語表記の文字(「詳細」、「detail」、「細節」等)を画像化したものを表示してもよい。
【0086】
この場合、例えば、管理制御部115は、言語種類71bの言語で表記された文字を画像化し、電子棚札20に送信する。
【0087】
(5-3)変形例1C
本実施形態では、商品説明情報70は、業者によって自由に作成された。無線表示システム100は、その属性情報71を管理サーバ11に送信し、さらには電子棚札20に送信した。しかし、無線表示システム100は、無線表示システム100の管理者等が認証した商品説明情報70のみについて、属性情報71を電子棚札20に送信してもよい。その結果、無線表示システム100は、不適切な商品説明情報70についての属性情報71が、電子棚札20に送信される、という事象を防ぐことができる。
【0088】
この場合、例えば、多言語サーバ12は、商品説明情報70を認証するための入力受付機能を有するように構成される。多言語サーバ12は、認証された商品説明情報70のみについて、属性情報71を電子棚札20に送信する。具体的には、例えば、多言語サーバ12は、属性情報71に項目「認証済み/未認証」を設ける。業者が商品説明情報70を作成した段階では、項目「認証済み/未認証」には、「未認証」が格納される。業者が商品説明情報70の作成を終えると、多言語サーバ12は、管理サーバ11に対して、業者によって商品説明情報70が作成された旨と、その属性情報71の商品説明URL71cに格納されているURLを、メール等で通知する。管理サーバ11で当該メールを受信した無線表示システム100の管理者等は、受信したURLにWEBブラウザ等でアクセスし、商品説明情報70を確認する。無線表示システム100の管理者等は、商品説明情報70が適切な内容であれば、属性情報71の「認証済み/未認証」を、「認証済み」に変更する(入力受付機能)。多言語サーバ12は、電子棚札20の表示を更新する際、属性情報71の項目「認証済み/未認証」の値が、「認証済み」である属性情報71のみを、管理サーバ11に送信する。
【0089】
なお、無線表示システム100の管理者等が商品説明情報70を認証したタイミングは、無線表示システム100の管理者等が電子棚札20の表示の更新を試みるタイミングになり得る。
【0090】
(5-4)変形例1D
多言語サーバ12は、携帯端末30から商品説明情報70にアクセスしたログを分析するように構成されてもよい。その結果、無線表示システム100は、アクセスログを分析し、マーケティング等に役立てることができる。
【0091】
この場合、例えば、多言語サーバ12の多言語制御部125は、商品Pごと、言語ごとに、商品説明情報70にアクセスした回数を集計して分析する。
【0092】
(5-5)変形例1E
電子棚札20は、属性情報71が近距離無線通信を用いて読み取られた回数をカウントして、管理サーバ11に送信してもよい。管理サーバ11は、電子棚札20から受信した回数を記憶しておく。その結果、無線表示システム100は、近距離無線通信を用いて読み取られた回数を分析し、マーケティング等に役立てることができる。
【0093】
この場合、例えば、電子棚札20のNFCチップ23bは、属性情報71が近距離無線通信を用いて読み取られた回数をカウントして、記憶部21に記憶する。電子棚札20の制御部25は、所定のタイミングで、当該回数を管理サーバ11に送信する。
【0094】
(5-6)変形例1F
本実施形態では、多言語制御部125は、業者端末40からのアクセスを受け付け、業者に商品説明情報70を作成させた。しかし、多言語制御部125は、作成だけでなく、既存の商品説明情報70の編集や、削除を行わせてもよい。
【0095】
(5-7)変形例1G
本実施形態では、無線表示システム100は、1つの店舗90で使用された。しかし、無線表示システム100は、複数の店舗で使用されてもよい。
【0096】
この場合、例えば、商品情報テーブルTB50と、電子棚札テーブルTB60とは、別々のサーバに格納され、これらのサーバは、データセンタ等のクラウドに設置される。商品情報テーブルTB50は、すべての店舗の商品情報50を管理する。電子棚札テーブルTB60は、すべての店舗の電子棚札20を管理する。
【符号の説明】
【0097】
10 サーバ
11 管理サーバ
12 多言語サーバ
20 電子棚札
30 携帯端末
50 商品情報
70 商品説明情報
71 属性情報
100 無線表示システム
P 商品
【先行技術文献】
【特許文献】
【0098】
【文献】特許第5818973号
図1
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