(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】連結式の積木ブロック、及び、ブロックセット
(51)【国際特許分類】
A63H 33/08 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A63H33/08 C
(21)【出願番号】P 2021133694
(22)【出願日】2021-07-09
【審査請求日】2021-09-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】719001314
【氏名又は名称】吉村 幸重
(74)【代理人】
【識別番号】100150153
【氏名又は名称】堀家 和博
(72)【発明者】
【氏名】吉村 幸重
【合議体】
【審判長】川俣 洋史
【審判官】道祖土 新吾
【審判官】殿川 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-31709(JP,A)
【文献】特開2011-87883(JP,A)
【文献】実開昭52-126996(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四面体の積木ブロックであって、
前記四面体における各面は、三辺の比が2:√3:√3
の二等辺三角形
であり、
前記各面において、比が2である辺の中点と、比が√3の辺と比が√3の辺の間の頂点を結ぶ線についての対称位置に、凸部と、孔部又は凹部が設けられ、
前記凸部は、前記各面から立設する三角形状の板体であり、
前記孔部又は凹部は、前記凸部と同じ形状である三角形状の板体が、挿入及び取外し自在な孔部又は凹部であることを特徴とす
る積木ブロック。
【請求項2】
八面体の積木ブロックであって、
当該八面体の積木ブロックは、四面体の積木ブロックにおける4つの角部が切り取られ、且つ、4つの六角形の面と、4つの三角形の面で構成されたブロックであり、
前記四面体の積木ブロックとは、前記四面体における各面は、三辺の比が2:√3:√3
の二等辺三角形
であり、前記各面において、比が2である辺の中点と、比が√3の辺と比が√3の辺の間の頂点を結ぶ線についての対称位置に、凸部と、孔部又は凹部が設けられ、前記孔部又は凹部は、前記凸部と同じ形状である部材が、挿入及び取外し自在な孔部又は凹部であり、
当該八面体の積木ブロックにおいて、前記4つの六角形の面のうち、ある面は、他の3つの六角形の面と、前記4つの三角形の面のうちの3つの面に囲まれ、
当該八面体の積木ブロックにおいて、前記4つの三角形の面における各面は、前記4つの六角形の面のうちの3つの面に囲まれていることを特徴とす
る積木ブロック。
【請求項3】
当該積木ブロックの内部に、補強板が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の積木ブロック。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の積木ブロックを複数有したブロックセットであって、
前記複数の積木ブロックのうち、ある積木ブロックと別の積木ブロックの間で、前記ある積木ブロックのある面における前記凸部が、前記別の積木ブロックのある面における前記孔部又は凹部に、挿入及び取外し自在であり、且つ、前記別の積木ブロックの前記ある面における前記凸部が、前記ある積木ブロックの前記ある面における前記孔部又は凹部に、挿入及び取外し自在であり、
前記ある積木ブロックの前記ある面における前記凸部及び前記孔部又は凹部と、前記別の積木ブロックの前記ある面における前記凸部及び前記孔部又は凹部が、前記ある積木ブロックと前記別の積木ブロックを連結自在とする連結部を構成していることを特徴とするブロックセット。
【請求項5】
前記ある積木ブロックの前記ある面と、前記別の積木ブロックの前記ある面は、前記ある積木ブロックと前記別の積木ブロックの間において、連結する面であり、
前記連結部における前記凸部は、前記連結する面同士が正対できない場合でも、前記連結する面同士が平行のままで移動方向を斜め45°にスライドさせて、前記連結部における前記孔部又は凹部と連結することを特徴とする請求項4に記載のブロックセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は連結する積木ブロック、及び、ブロックセットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
積木玩具のなかで、連結部を持つ積木ブロックは、作り手の意図した形で相応の強度のある作品を作ることができる。簡単に組立と解体を繰り返すことができて、作り手の創造力に応じて楽しめる利点があるので、年令を問わず実際に使用されている。実用の積木ブロックは、製造元から見本となる作品の絵や写真等が提示されていて、基本ブロックと共に提示作品を作る為に必要な役物ブロックがセットで提供されており、これらの積木ブロックを順序良く連結して作品を完成させることができる。又見本とは異形の作品も作り手が、前もって設計しておけば実用上充分であった。
【0003】
しかし実用の積木ブロックは、連結する仕組のないブロック面や、連結の仕組みを持つブロック面に、孔か凹型、凸型の機能の何れか一方しか持たないため、接触面同士の組合せによっては連結出来ない欠点がある。
【0004】
ブロックで造形をする用途においてこの欠点は、閃きや思いつきでデザインを変更したりすることや、連結の強度不足が生じることに関しては大きな障害である。具体的には、これら実用の積木ブロックの表面は、連結する仕組の孔か凹部のブロック面と凸部のブロック面そして平坦面のいずれかとなっており、孔か凹部ブロック面と凸部ブロック面の組合せ以外では連結できない。そして2個以上のブロックの間で連結するブロック面同士が正対し連結面に垂直に移動できなければ、連結できない問題があった。
【0005】
この改善策として、三辺の比が2:√3:√3の二等辺三角形二つが垂直に底辺でつながった二面形に、面のそれぞれの対称軸に、左右対称の位置に孔か凹部と凸部が共存する連結する仕組を設ける。この連結の仕組みは、二面形の連結させる面同士が正対できない場合でも連結する面同士が平行のままで移動方向を斜め45°にスライドさせて連結ができて、水平面と垂直面に2面同時に連結ができる。そしてこの二面形に形態維持の補強板と四面体ブロックへと合体する仕組を設け二面形ブロックを作り、そして二面形ブロック2個が合体した四面体ブロックとする方法がある。また二面形ブロックの頂点4カ所を切取りとった角切り二面形ブロックを作り、そして角切り2面形ブロックを2個が合体した角切り四面体ブロックを作る方法がある。実際に厚紙と木製丸棒で四面体ブロックと角切り四面体ブロックを製作する方法は部品毎に切り取り、接着剤で糊付けして二面形ブロックを作り、これを2個合体させ四面体ブロックにする。また合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型で製作する方法は二面形ブロックの射出成型金型を製作し射出成型器の一回射出で二面形ブロックを作り、これを2個合体させて四面体ブロックにする方法である。図1は、厚紙で製作の四面体ブロックの姿図である。図2は、厚紙で製作の二面形ブロックの姿図である。図3は、厚紙で製作した四面体ブロックの連結の実施方法を示した説明図である。図4は、厚紙と木製丸棒で製作の角切り四面体ブロックの姿図である。図7は、合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型で製作の四面体ブロックの姿図である。図10は、合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型で製作の角切り四面体ブロックの姿図である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-87883
【文献】実全昭52-126996
【文献】実全昭63-032592
【非特許文献】
【0007】
【文献】遠山 啓 著/数学の広場 第4巻3次元の世界 株式会社 日本 図書センター
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、実用の積木ブロックでは2個以上のブロックの間で接触するブロック面同士の組合せによっては連結出来ない点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、四面体ブロックや、角切り四面体ブロックの四面全てに2面同時に連結する仕組を設けることで、2個以上の四面体ブロックや角切り四面体ブロックの間で接触するブロック面同士は必ず連結することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の四面体ブロックと角切り四面体ブロックは、二等辺三角形と角切り二等辺三角形の底辺を軸にして一個ずつ4個まで順に連結することができ、また逆に1個ずつ取り外すこともできるので、閃きや思いついたデザインを、気儘に変更したりする事になっても連結をやり直しする必要が少なく、そのまま造形を続けられる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】厚紙で製作する四面体ブロックの姿図を示した説明図である。
【
図2】厚紙で製作する二面体ブロックの姿図を示した説明図である。
【
図3】厚紙で製作した四面体ブロックの連結の実施方法を示した説明図である。
【
図4】合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器で製作した二面ブロック2個が合体した四面体ブロックの姿図を示した説明図である。
【
図5】合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器での一回射出で製作した二面体ブロックの姿図である。
【
図6】合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器で製作の四面体ブロックの連結の実施方法を示した説明図である。
【
図7】厚紙と木製丸棒で製作する角切り四面体ブロックの姿図を示した説明図である。
【
図8】厚紙と木製丸棒で製作する角切り二面体ブロックの姿図を示した説明図である。
【
図9】厚紙と木製丸棒で製作した角切り四面体ブロックの連結の実施方法を示した説明図である。
【
図10】合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器での一回射出で製作した角切り二面ブロック2個が合体した角切り四面体ブロックの姿図を示した説明図である。
【
図11】合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器での一回射出で製作する角切り二面体ブロックの姿図である。
【
図12】合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器で製作の角切り四面体ブロックの連結の実施方法を示した説明図である
。
【発明を実施するための形態】
【0012】
四面体ブロックや角切り四面体ブロックを生産するという目的を、厚紙と木製丸棒で二面形ブロックや角切り二面ブロックを生産し、同型の2個を合体させることと、合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器の一回射出で二面形ブロックや角切り二面ブロックを生産し、同型の2個を合体させることで実現した。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明の厚紙で製作した四面体ブロックの実施例の姿図である。
【0014】
図2は本発明の厚紙で製作した二面形ブロックの実施例の姿図であって、1,4及び20は、
図1と同様である。
【0015】
図3は本発明の厚紙で製作した四面体ブロックの連結の実施方法を示した説明図であって、1,4及び20は、
図1と同様である。
【0016】
図4は本発明の厚紙と木製丸棒で製作した角切り四面体ブロックの実施例の姿図である。
【0017】
図6は本発明の厚紙と木製丸棒で製作した角切り四面体ブロックの連結の実施方法を示した説明図であって、11,14,15,16,17及び21,41は、
図4と同様である。
【0018】
図7は本発明の合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器による製作の四面体ブロックの実施例の姿図である。
【0019】
図8は本発明の合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器により製作した二面形ブロックの実施例の姿図であって、120は、
図7と同様である。
【0020】
図9は本発明の合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器により製作の四面体ブロックの連結の実施方法を示した説明図であって、140は、
図7と同様である。
【0021】
図10は本発明の合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器による製作の角切り四面体ブロックの実施例の姿図である。
【0022】
図12は本発明の合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器により製作の角切り四面体ブロックの連結の実施方法を示した説明図であって、141は
図10と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0023】
この四面体ブロックや角切り四面体ブロックは、四面が同形であるので上も下も右も左も無い。このブロックで造形することは、空中に浮かぶ作品をイメージしやすく、空間を理解する助けになる。
【符号の説明】
【0024】
1 厚紙製の二面形ブロックの部品1で三辺の比が2:√3:√3の二等辺三角形に、接着と合体する時に不要となる部位を切欠いた部材
2 厚紙製の二面形ブロックの部品2で形態維持の補強板の大
3 厚紙製の二面形ブロックの部品3で形態維持の補強板の小
4 厚紙製の二面形ブロックの部品4で四面体ブロックを連結する仕組の凸部
5 部品1に設けられた四面地ブロックを連結する仕組の孔の補強材
11 厚紙製の角切り二面形ブロックの部品11で三辺の比が2:√3:√3の二等辺三角形の頂点3カ所を切り取った角切り三角形に、接着や合体する時に不要となる部位を切欠いた部材
12 厚紙製の角切り二面形ブロックの部品12で形態維持の補強板の大
13 厚紙製の角切り二面形ブロックの部品13で形態維持の補強板の小
14 木製の丸棒で角切り二面形ブロックの部品14でブロックを連結する仕組の凸部となる部材
15 部品11に設けられた角切り四面体ブロックを連結する仕組の凹部
16 部品11に接着する部品16で角切り二面形ブロック2個で角切り四面体へと合体する仕組の挿入側の部材
17 部品11に接着する部品17で角切り二面形ブロック2個で角切り四面体へと合体する仕組の受入側の部材
20 厚紙製の二面形ブロック
21 厚紙と木製丸棒製の角切り二面形ブロック
120 合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器で製作された二面形ブロック
121 合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器で製作された角切り二面形ブロック
140 合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器で製作された二面形ブロック2個が、合体した四面体ブロック
141 合成樹脂の熱可塑性樹脂の射出成型器で製作された角切り二面形ブロック2個が、合体した角切り四面体ブロック