(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】積荷を持ち上げるための装置
(51)【国際特許分類】
B66F 7/28 20060101AFI20241219BHJP
B66F 7/02 20060101ALI20241219BHJP
B66F 7/04 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B66F7/28 C
B66F7/02 H
B66F7/04
(21)【出願番号】P 2021567922
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(86)【国際出願番号】 IB2020054578
(87)【国際公開番号】W WO2020230079
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】102019000006900
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】508095441
【氏名又は名称】オー.エムイー.アール.エス.ピー.エー.
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ロッサト,オリエッタ
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-044071(JP,A)
【文献】実開昭63-056190(JP,U)
【文献】特開2011-190094(JP,A)
【文献】特開昭58-022769(JP,A)
【文献】実開平06-061894(JP,U)
【文献】特開平07-196292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 7/00- 7/28
B66F 13/00-19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリッジ(8)を備えたコラム(2)であって、前記キャリッジ(8)は前記コラム(2)に沿って摺動する、コラム(2)と、
持ち上げられる積荷を支持するために、前記キャリッジ(8)に関連付けられた積荷支持構造(16)と、
前記コラム(2)に沿って前記キャリッジ(8)を移動させ、それによって前記積荷支持構造(16)を上昇させる、及び/又は下降させるための手段(6)と、
を含んでなるタイプの、積荷を持ち上げるための装置(50)であって、
該積荷が自動車を含み、
前記積荷支持構造(16)が、
単一の支持アーム(18)であって、その一端で前記キャリッジ(8)に関節接合されてなる、単一の支持アーム(18)と、
長手方向のアーム(22)であって、前記長手方向のアーム(22)が前記単一の支持アーム(18)の他端で、前記単一の支持アーム(18)に関して回転し得るように前記単一の支持アーム(18)に関連付けられ、前記長手方向のアーム(22)が、その二つの端部の一つで、又はその二つの端部の両方で、入れ子式にされてなる、長手方向のアーム(22)と、
前記長手方向のアーム(22)の一端に、又はその両端に設けられたアーム(26)であって、前記長手方向のアーム(22)に関して実質的に横方向、あるいは角度が付けられた方向に展開し、当該アーム(26)が、支持するための部材(28)によって係合されるように設けられる、及び/又は、持ち上げられる積荷を支持するように構成される、アーム(26)と、を含み、
前記長手方向のアーム(22)が、ブラケット(20)を介して前記単一の支持アーム(18)に関して回転自在に前記単一の支持アーム(18)に関連付けられ、前記ブラケット(20)が前記長手方向のアーム(22)と一体的であり、かつ前記ブラケット(20)に対して前記単一の支持アーム(18)の端部が関節接合され、
前記積荷支持構造(16)が、関節接合された平行四辺形構成を含み、その一方の側面が前記単一の支持アーム(18)によって画定され、
前記積荷支持構造(16)の関節接合された平行四辺形構成が、
前記単一の支持アーム(18)によって画定された第1の側面と、
前記第1の側面の一端で関節接合され、前記キャリッジ(8)の一部によって画定された弟2の側面と、
前記第1の側面の他端で関節接合され、前記長手方向のアーム(22)の一部によって画定された第3の側面と、
実質的な積荷支持機能を持たないように構成され、他の三つの側面と共に、前記積荷支持構造(16)の前記関節接合された平行四辺形構成を画定するよう構成された、第二アーム(24)からなる第4の側面と、を含んでなる、
ことを特徴とする、装置(50)。
【請求項2】
前記アーム(26)が前記長手方向のアーム(22)に対して実質的に横方向、又はそうでなければ角度が付けられた方向に移動自在に前記長手方向のアーム(22)の両端にマウントされることを特徴とする、請求項1に記載の装置(50)。
【請求項3】
前記単一の支持アーム(18)は、入れ子構造によって前記長手方向のアーム(22)の長手方向軸に沿って展開する前記長手方向のアーム(22)を、持ち上げられる積み荷、とりわけ自動車の長手方向の軸に、実質的に平行に維持するように構成されてなる、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置(50)。
【請求項4】
前記積荷支持構造(16)が、前記長手方向のアーム(22)、前記長手方向のアーム(22)にマウントされた前記アーム(26)、及び/又は持ち上げられる積荷、に対して実質的な支持機能を持たない前記第二アーム(24)をさらに含み、前記第二アーム(24)は前記長手方向のアーム(22)に関節接合され、及び前記キャリッジ(8)にも関節接合されてなることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項5】
前記第二アーム(24)がその長さの調整可能なタイプであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項6】
前記単一の支持アーム(18)が、実質的に単一ピースで作られる一方で、前記第二アーム(24)が取外し可能な及び/又は互いにねじ留めされる少なくとも2つの部品からなり、前記第二アーム(24)の長さを変化することができるように構成されてなる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項7】
前記単一の支持アーム(18)及び前記第二アーム(24)が、二つの異なる且つ互いに平行な関節軸の周りで前記キャリッジ(8)に対して関節接合される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項8】
前記単一の支持アーム(18)及び前記第二アーム(24)が、二つの異なる平行な関節軸の周りで、前記長手方向のアーム(22)に固着して接続されるか、或いは前記長手方向のアーム(22)の最後に直接接続される、前記ブラケット(20)に、関節接合されてなることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項9】
前記積荷支持構造(16)の前記関節接合された平行四辺形構成の配設が、動作状態において、前記長手方向のアーム(22)に関節接合された前記単一の支持アーム(18)の端部が、前記キャリッジ(8)に関節接合された前記単一の支持アーム(18)の端部より、自動車の前面部に対して、より接近しているように構成されてなる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項10】
前記長手方向のアーム(22)が第1の管状エレメント(22')を含み、当該第1の管状エレメント(22')は前記単一の支持アーム(18)と関節接合され、前記長手方向のアーム(22)は、更に少なくとも1つの第2のエレメント(22")を含み、当該第2のエレメント(22")は前記第1の管状エレメント(22')内部に部分的に収容され、前記第1の管状エレメント(22')から軸方向に取外し可能である、ことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項11】
前記長手方向のアーム(22)の入れ子式の伸び/縮みがモーター駆動される、ことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項12】
前記長手方向のアーム(22)には、その両端の対応箇所で、個々の挿入シート(29)が設けられ、当該挿入シート(29)内に対応する前記アーム(26)が挿入される、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項13】
個々前記の挿入シート(29)内の各前記アーム(26)の係合は、当該挿入シート(29)内の前記アーム(26)の軸方向の移動を保証するが、その軸方向の回転を防ぐ、ことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項14】
当該装置が持ち上げられる積荷の支持及び/又は保持するための前記部材(28)を含み、当該部材(28)は、前記アーム(26)で固定される、ことを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項15】
前記アーム(26)が穴(30)を含み、該穴(30)の内部に、持ち上げられる積荷の支持及び/又は保持のための少なくとも1つの前記部材(28)が取り外し可能に挿入することができる、という事実によって特徴付けられる、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項16】
- 少なくとも1つの取り外し可能な前記第2のエレメント(22")が入れ子式の前記長手方向のアーム(22)の一端に設けられ、外側の端部で、前記アーム(26)の拘束手段を提供し、
- 前記アーム(26)が前記コラム(2)に関して最も遠い端部において係合されるように設けられるか、或いは意図され、持ち上げられる自動車の車体用の前記部材(28)によって、前記アーム(26)は前記部材(28)を前記車体の下に位置づけるために軸方向に移動可能であり、軸方向に回転することが妨げられる、ことを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項17】
前記装置が、前記第1のエレメント(22')からの少なくとも1つの前記第2のエレメント(22")の完全な離脱を防ぐ制限係止手段を含み、ストロークの前記制限係止手段が、前記第2のエレメント(22")の内側端部に設けられ、前記第1の管状のエレメント(22')の内側に収容される、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項18】
端部係止のための前記手段が、
- 入れ子式の前記長手方向のアーム(22)の少なくとも1つの前記第2のエレメント(22")の内側端部に設けられた長手方向のスロット(36)であって、前記第1の管状エレメント(22'))の内側に伸びてなる長手方向のスロット(36)と、
- 前記第1の管状エレメント(22')に固定された横方向のピン(38)であって、前記長手方向のスロット(36)内で摺動自在に係合された横方向のピン(38)と、を含んでなることを特徴とする、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項19】
端部係止の前記手段が、
- 入れ子式の前記長手方向のアーム(22)の少なくとも1つの取り外し可能な前記第2のエレメント(22")の内側端部に設けられた横方向のピン(38)であって、前記第1の管状エレメント(22')の内側に収容された横方向のピン(38)と、
- 前記第1の管状エレメント(22')に固定された前記長手方向のスロット(36)であって、その内部で前記横方向のピン(38)が摺動自在に係合する前記長手方向のスロット(36)を含んでなる、ことを特徴とする、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の装置(50)。
【請求項20】
積荷を持ち上げるための装置(100)であって、当該積荷が自動車、特には電気自動車を含み、
前記装置(100)が、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の装置(50)を少なくとも一対含んでなる、ことを特徴とする装置(100)。
【請求項21】
前記一対の前記装置(50)の前記コラム(2)は、それらの間の距離が持ち上げられる積荷、とりわけ持ち上げられる自動車の幅と同じか、或いはその幅より大きくなるように互いに整列されている、ことを特徴とする、請求項20に記載の装置(100)。
【請求項22】
個々の前記装置(50)の前記長手方向のアーム(22)が、互いに対して平行に、且つ前記装置(50)の前記コラム(2)によって区切られた通路の長手方向に平行に、設置され、移動する、ことを特徴とする、請求項20又は21に記載の装置(100)。
【請求項23】
前記装置(100)が、2つの前記装置(50)のうちの1つに設けられた単一の制御ユニット(12)を含み、当該単一の制御ユニットは各前記装置(50)の前記キャリッジ(8)を移動させるためのアクチュエーター(6)とケーブル又は無線を介して接続されてなる、ことを特徴とする、請求項20乃至22のいずれか1項に記載の装置(100)。
【請求項24】
一対の前記装置(50)にはそれぞれ独自の制御ユニット(12)が設けられ、それぞれの前記制御ユニット(12)は、ケーブルまたは無線を介して他方の前記制御ユニット(12)に接続される、請求項20乃至23のいずれか1項に記載の装置(100)。
【請求項25】
前記装置(100)が、積荷の取り扱いの間、前記一対の前記装置(50)の個々の前記コラム(2)同士の間および/または個々の前記キャリッジ(8)同士の間の位置合せを制御するための、前記一対の前記装置(50)にマウントされた光学的機構を含む、ことを特徴とする、請求項20乃至24のいずれか1項に記載の装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積荷を持ち上げるための装置に関する、さらに詳しくは自動車を持ち上げるための装置に関する。
【0002】
積荷を持ち上げるための装置、とりわけ自動車を持ち上げるための装置が知られており、斯かる装置はオペレーターがメンテナンスおよび/または修理を行うため自動車の下部領域にアクセスすることを可能にするために、一般に機械工場内で使用される。
【背景技術】
【0003】
既知の自動車を持ち上げる設備の中で、2つ以上のコラム装置から成るものが存在し、当該コラム装置は機械工場の内部、あるいは別の空間若しくは構内で可動性があり、機械的に独立しているが、電子的に接続され、かつ有線又は無線で、当該コラム装置間で通信される。
【0004】
とくに各コラム装置は、垂直支持体コラムを含んでおり、当該垂直支持体コラムに沿って、持ち上げられる自動車の対応する領域との係合のために実質的に水平方向に、種々に形成されたアームが設けられたキャリッジを含む構造は、垂直方向に摺動する。適切には、持ち上げられる積荷と係合し、かつ接触するアームを備えたキャリッジは、持ち上げ装置内で、積荷を支持し、持ち上げ後に、つるされた状態に保つように設計された構造を画定する。
【0005】
コラムには更に、垂直支持体にもアームを備えたキャリッジを上げ/下げするための、例えば電気機械式或いは油圧式の作動手段、並びにオペレーターとインターフェースをとるための制御システムおよびディスプレイが設けられる。
【0006】
キャリッジをそれぞれのコラムに沿って移動させる作動手段の同期を確実にするために、接続部がアクチュエーター自体の間に設けられ、この接続部は、二つのコラムの基部、あるいはそれらの上方端に設けられ得る。
【0007】
より詳細には、各コラム装置のアームは、コラムに沿って摺動するキャリッジに片持梁式に設けられ、当該コラム装置のアームには、その自由端に支持部材および/または把持部材が設けられる。当該部材は、自動車の持ち上げのために、コラム装置のうちの2つの間に位置づけられた自動車の下に位置づけられ得る。
【0008】
都合のいいことに、各コラム装置の支持構造のアームは、それぞれ有利に入れ子式になりえ、その結果、その自由端に設けられた支持部材及び/又は把持部材は、地面上で持ち上げられる二つのコラムの間にすでに位置した自動車の車体の下の任意の位置に実際に達することができる。
【0009】
自動車持ち上げ用のこれらの既知のコラム装置の例は、例えばカナダ特許第2729021号公報、米国特許出願公開第2015/0232308号公報、英国特許第2536272号公報、米国特許第9637364号公報および米国特許出願公開第2016/145085号公報に記載されている。
【0010】
自動車持ち上げ用のこれらの既知のコラム装置の例は、例えばカナダ特許第2729021号公報、米国特許出願公開第2015/0232308号公報および英国特許第2536272号公報、米国特許第9637364号公報、米国特許出願公開第2016/145085号公報に記載されている。
【0011】
これらの既知の持ち上げ装置の使用でしばしば生じる欠点は、関節接合されたアームの自由端に、持ち上げのための支持体に対して意図された自動車の車体の複数の点に設けられたアームを正確に位置づける必要性に帰せられる。この正確な位置決めは非常にしばしば水平アームが到達しようとする運動によって困難になる。アームの角運動及び入れ子式の両方の運動それぞれが、それぞれの支持体の長手方向の移動及び横方向の移動の両方を決定するからである。
【0012】
別の欠点は、自動車が持ち上げられるときに、各コラム装置の2つのアームが、自動車を修理する人員がアームの側に沿って移動しなければならないという事実にある。
【0013】
別の欠点は、何度も、コラムが通常の仕事により障害も構成するという事実にある。このことは一般に、自動車、とくに電気自動車の保守作業で、しばしば要求され、客室の正面へのアクセスを可能にするために、人員が自動車の側部に沿って実行しなければならず、とくにドア、とりわけ正面のドアの完全な開放を妨げ得ることである。
【0014】
別の欠点は、バランスをとるために、自動車が2つの持ち上げ装置の間で長手方向の中心にある位置に置かれる必要があるという事実にある。また、自動車の側の人員の自由な運動の妨げの影響が、これらの運動を行なうための最も重要な位置で正確に生じる場合、コラム、およびコラムと関連づけられたアームの存在が前記欠点を助長することを意味する。
【0015】
別の欠点は、自動車が二つのコラム持ち上げ装置の間に位置する必要がある場合に、各コラムと関節接合された2つのアームが、持ち上げのために正確な位置での自動車自体の位置決めを妨げないように自動車の長手方向の軸と平行に配列される必要があり、この位置決め後にのみ、自由端の位置が車体の下に位置するようにアームを揺り動かす必要があるという事実にある。しかしながら、持ち上げられる自動車の最終位置に依存して、その寸法およびその形態、底部から突出する車体のホイール及び如何なる部品は、この揺れに対する障害であり得、それらが回転しなければならなくなるまで、最小の大きさを保つことがしばしば要求され、その後でないと、必要となる大きさになるまで、部品は伸びることができない。しかしながら、この引き延ばし操作は自動車の存在により不快で困難になり得る。
【0016】
日本国特開2016-044071号公報は、自動車を持ち上げるための装置について記載しており、各コラムには前記コラムに沿って垂直に移動可能なキャリッジが設けられている。それぞれのキャリッジには一対のアームが設けられ、両方のベアリングは、一方のアームが自動車の前方で作用する一方で、他のアームが自動車の後ろで作用するように配設される。自動車のタイヤを受け取るための手段が、前記一対の支持アームの各アームの端部にマウントされる。
【0017】
特開昭52-49544号公報は、二つのコラムを備えた持ち上げ装置について記載しており、当該二つのコラムは複数のアームから成る、関節要素によって互いに接続されている。
【0018】
米国特許第3582043号公報は、「L」字状の構造体を含み、4つの固定直立物から成る、上下枠から成る、持ち上げ装置について記載しており、当該「L」字状の構造体の基部から、二つのアームが、入れ子式に長さ調整可能に、かつ互いに分岐して突出し、そして第2の関節式に接続されたフレームが前記第1の関節式に接続されたフレームに関して突出し、油圧ピストンを備えたシリンダーを介して上方への移動によって操作可能である。第2のフレームは、持ち上げられる積荷の水平方向の支持基盤に対して強固に持ち上げられるようにされ、実質的に二重の「T」字状を呈している。
【0019】
米国特許第5984616号公報は、自動車のシャーシにマウントされた、牽引装置について記載しており、前記装置は、自動車にマウントされた第1のフレーム、および第2のフレームを特に含んでいて、当該装置は、第1のフレームに固定され、前記第1のフレームに隣接した引っ込んだ位置と、前記第1のフレームから一定間隔離間した延長位置との間を移動する。入れ子式の梁は第2のフレームから延び、キャリッジで終わり、牽引される自動車のホイールを支持するのに適している。
【0020】
本発明の目的は、積荷、とりわけ自動車を持ち上げるためのコラム装置を提案することであり、全体又は一部において、従来の解決策の欠点を除去する。
【0021】
本発明の他の目的は、自動車の車体の支持体の正確で、迅速で、容易な位置決めが、自動車メーカーによって提供される複数の点でもち上げられる自動車の車体の位置決めを可能にする装置を提案することである。
【0022】
本発明の別の目的は、持ち上げられた自動車の横で作業をしなければならないオペレーターのために制限された障害を含む装置を提案することである。
【0023】
本発明の他の目的は、ドア、特に自動車の正面のドアの容易で完全な開放を可能にし、特に電気自動車が、車内の前部で要求されるように、人員がアクセスすることを可能にする装置を提案することである。
【0024】
本発明の別の目的は、持ち上げられた自動車のホイールによって持ち上げアームの正確な位置決めのいかなる障害も含まない装置を提案することである。
【0025】
本発明の別の目的は、正面ドアの完全な開放に対して制限された障害が存在するようにコラムに関して前進した位置で自動車を引き上げておくことを可能にする装置を提案することである。
【0026】
本発明の別の目的は、代替及び/または、従来の解決策と比較して改善している装置を提案することである。
【0027】
本発明の別の目的は単純で、使いやすい装置を提案することである。
【0028】
本発明の別の目的は、様々な長さの自動車を持ち上げることを可能にする装置を提案することである。
【0029】
本発明の別の目的は、容易に、速く低価格で実行することができる装置を提案することである。
【0030】
これらすべての目的は、それらを個々に及びその任意の組合せの両方、並びに以下の記載に起因する他の目的を考慮して、請求項1に示された特徴を備えた装置により組み合わせて、あるいは別々に達成される。
【0031】
本発明は、その詳細のいくつかの点において以下に明確にされる。添付図面を参照し限定しない一例によって好ましい実施形態が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、地面上に個々のアームを備えた、互いにより広く離間された二つの持ち上げ装置を含む装置が静止状態にある本発明の装置の斜視図を示している。
【
図3】
図3は、自動車を持ち上げるために構成された、地面上にあるアームを備えた当該装置の斜視図を示し、前記アームは、互いに接近し、開放位置において車体用の支持部を備えている。
【
図5】
図5は、
図4に示された状態における本発明の装置の持ち上げアームの拡大した詳細の斜視図である。
【
図6】
図6は水平面によって部分的に区分された、異なる斜視図で当該装置を示しており、その内部の部品のいくつかを強調している。
【
図7】
図7は鉛直面によって部分的に区分された更に異なる斜視図で当該装置を示しており、その内部の部品を強調している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1-4において分かるように、装置100は積荷、好ましくは自動車、を持ち上げるための、本発明の2つの装置50を含む。
【0034】
都合のいいことに、以下に記載された装置100は1対の装置50を含んでいる。しかしながら、それは2対以上の装置50を含み得ることが理解される。
【0035】
各装置50は、有利には四角形の部分を備えたコラム構造2を含む。
【0036】
都合のいいことに、コラム2には床、例えば機械工場又は構内で、繋がれたプレートが底部に設けられうる。都合のいいことに、コラム2には、底部で、その作業室内で移動のためのに、手段、例えばホイールを備えた基部が設けられうる。
【0037】
装置50はキャリッジ8を含んでおり、当該キャリッジ8はコラム2に沿って移動する/擦動する。
【0038】
キャリッジ8は、積荷用の支持構造16に関連付けられている。都合のいいことに、支持構造16は、実質的に長手方向の長手方向の展開部をもつアーム22を含んでおり、前記長手方向のアーム22の各端部(少なくとも一端)において、アーム26が設けられている。とりわけ支持構造16は単一の長手方向のアーム22を含む。好ましくは、長手方向のアーム22は直線状であるが、1つ以上の曲線部を備えた長手方向の展開部を持つことができる。
【0039】
支持構造16は、またアーム26を含み、該アーム26は前記長手方向のアーム22の両端部に設けられ、該長手方向のアーム26は、前記長手方向のアーム22の軸に関して実質的に横断する方向、又は角度が付けられた如何なる方向に展開する。都合のいいことに、アーム26は、持ち上げられる積荷を支持する、及び/又は保持するために、部材28によって係合されるように設けられる、及び/又は構成される。
【0040】
特に、長手方向のアーム22は実質的に水平に配列される一方で、コラム2は垂直に展開する。好ましくは長手方向のアーム22は、実質的に水平面上にあり(あるいはコラム2の支持床と平行であり)、コラム2とキャリッジ8に関して移動する。
【0041】
各持ち上げ装置50には、前記コラム2に沿ってキャリッジ8を移動させるための手段が設けられている。特に、キャリッジ8の移動手段は、積荷支持構造16をコラム2に沿って移動するための電気機械式又は油圧式、空気式の少なくとも1つのアクチュエーター6を含む。
【0042】
好ましくは、アクチュエーター6はコラム2の内部に収容される。有利には、アクチュエーター6は水圧ジャッキによって構成され、同じコラムに固定されたシリンダーを備え、当該シリンダーの内部に摺動ピストンを備え、上方に突出するステムを有し、キャリッジ8に機械的に抑制されて、それにより、コラム2に沿ってピストンを摺動させることができる。
【0043】
有利には、装置100はまた少なくとも1つのコントロールユニットを含み、該コントロールユニットは、好ましくは、装置50に設けられたキャリッジ8及び/又は他のアクチュエーター要素を移動するための、アクチュエーター6を制御するために、コントロールユニット12によって画定することができる。適切には、装置50はそれぞれコントロールユニットを設けることができるか、あるいは、単一/単一制御ユニットは、装置100のすべての装置50のために設けられうる。適切には、コントロールユニットは装置50に搭載されるか、あるいは装置100のすべての装置50に搭載されうるか、又はコントロールユニットは、前記装置の装置50に関して外部に搭載することができる。
【0044】
有利には、それ自体及び/又は専用のコントロールユニットによって装置100の各持ち上げ装置50のアクチュエーターが制御されること、及び装置のコントロールユニットが互いにケーブル接続あるいは無線、好ましくはWi-Fiと接続されて、操作の同期を保証することが提供される。好ましくは、装置100の持ち上げ装置50の制御は、マスター-スレーブ形式になりえ、1つの装置はマスターとして作動するように設定されている一方で、他の装置(あるいは他方)は、スレーブ制御装置として作動するように設定されている。
【0045】
都合のいいことに、装置100は、装置自体の各装置50を制御及び命令するためにユーザーインターフェースを含む。適切には、単一(single)/unicユーザーインターフェースは、装置100のすべてのデバイスのために提供することができ、ユーザーインターフェースは、デバイスの1つ、あるいはデバイスのすべてに搭載されるか、或いはデバイスに関して外部になりうる。したがって、リモートコントロールとして実質的に作動する。都合のいいことに、持ち上げ装置50はそれぞれ、装置自体、あるいは他の装置の制御および命令用のそれ自身の専用ユーザーインターフェースを含むことができ、持ち上げ装置は他の装置と接続されて通信する。特にユーザーインターフェースは、表示装置、例えばスクリーン14、およびオペレーターによって動作可能に効果的に起動することができる入力手段を備えたコンフィギュレーション・パネルを含むことができる。例えば、ユーザーインターフェースはキーボード/押しボタン付きのパネルに関連づけられたタッチ・スクリーンおよび/または表示モニターを含み得る。
【0046】
有利には、持ち上げ装置50には、コラム2に関して積荷支持構造16の上下移動を永久的に阻む電気機械式の止め金具が設けられうる。
【0047】
有利には、必要に応じて、キャリッジ8は、コラム2に一端で固定されたチェーンの伝導プーリーに直接接続され得、キャリッジ8に他端で固定される。都合のいいことに、第1のケースでは、それぞれのコラム2に沿ったキャリッジ8のストロークは、ピストンの伸びと等しい一方で、第2のケースでは、それぞれのコラム2に沿ったキャリッジ8の移動は、ピストンの伸びに関して倍である。
【0048】
有利には、それぞれの持ち上げ装置50の面するコラム2のアクチュエーター6は、キャリッジ8がそれぞれのコラム2に沿って同一に移動するように互いに同期することができる。都合のいいことに、この同期は、適切なコントロールシステム、特に直列式のマスター・スレーブ油圧接続によって、地面に配された導管10により、そして導管10によって保護されたシステムによって従来の方法で得られ、当該導管10は持ち上げられる自動車の運搬、すなわち高い位置で配され、特別の空気連結構造に支持された自動車の運搬を妨げないように平らにされている。
【0049】
有利には、上述のとおり、装置50の二つのコラム2は床に対応して位置付けられた導管10によって互いに接続され得、導管の内側で、電気接続ケーブルが2つの装置の間および/または2つの装置の間の油圧源接続パイプの間に配される。都合のいいことに、電気接続ケーブルを含む導管10及び/又は油圧接続パイプは、二つのコラム2の上端/領域で取り付けることができる。
【0050】
有利には、示されない実施形態において、装置50の二つのコラム2は弾性をもつ補償エレメント-例えばスプリング-、によって互いに接続することができ、該スプリングは下端部/領域又は、好ましくは二つのコラムの上端部/領域で関連付けられる。有利には、補償の弾性エレメントは、2つの装置および/または前記2つの装置間の油圧接続パイプの間で電気接続ケーブルを含む、及び/又は支持する。適切には、衝撃の場合には、弾性エレメントは、装置及び/又はそれらの間に位置した積荷に損害をもたらさない。
【0051】
有利には、可能な実施形態において、コントロールユニット12は二つのコラム2のうちの1つに適用され、好ましくは、油タンクに関連づけられた油圧ポンプの駆動モーターに電子的に接続され、油タンクはアクチュエータージャッキに供給する。有利には、可能な実施形態において、様々な条件を示すためのコントロールユニット12およびインジケータ(例えば、ライトによって画定される)を操作するための一連のコントロールボタンは、コントロールユニット・ケーシングの上部に設けられ得、コントロールユニット12の上の位置で、コラム2に適用することができる可能なスクリーン14において適切に見える。
【0052】
有利には、可能な/代替の実施形態において、各コラム2のアクチュエーター6は、それ自体の電力が供給され制御することができ、2つのコントロールユニットは動作の同期を保証するために、好ましくはWi-Fiタイプで無線にて互いに接続される。
【0053】
都合のいいことに、上述のとおり、支持構造16は支持構造16と関連付けられて-とりわけ関節接合されて-有利に支持構造はキャリッジ8と関連付けられ、垂直方向、或いは実質的に垂直方向の関節接合の軸のまわりでキャリッジに対して回転することができる。
【0054】
支持構造16は単一の支持アーム18を含み、該単一の支持アーム18は長手方向のアーム22と関節接合され、キャリッジ8と関節接合される。都合のいいことに、支持アーム18は長手方向のアーム22へキャリッジ8と接続させ、とりわけ、長手方向の支持アーム22に固定されたブラケット20へと接続させる。
【0055】
都合のいいことに、積荷支持アーム18だけが各装置50のキャリッジ8とヒンジ結合される。
【0056】
都合のいいことに、支持アーム18はブラケット20によって長手方向のアーム22と関節接合され、該ブラケット20は長手方向のアーム22に固定/一体化される一方で支持アーム18と関節接合される。キャリッジ8との支持アーム18の関節軸および長手方向のアーム22との支持アーム18の関節軸は、互いに平行で、実質的に垂直に配向される。
【0057】
適切には、支持アーム18は堅固なアームとして構成され、長手方向のアーム22、長手方向のアーム22にマウントされたアーム26、および/または前記アーム22、26に静止して頼って持ち上げられる積荷を支持し/保持する。支持アーム18は、形状、寸法および/または材料の点から、長手方向のアーム22の重量、およびアーム26の重量、並びに持ち上げられる相対的な積荷の重量よって実質的に単独で支持する/保持するように構成される。
【0058】
都合のいいことに、支持構造16は第二アーム24を含み、当該第二アーム24は、長手方向のアーム22、長手方向のアーム22にマウントされたアーム26、および/または持ち上げられる積荷の運搬/支持機能を実質的に有していない。適切には、第二アーム24は長手方向のアーム22と関節接合され、キャリッジ8とも関節接合される。都合のいいことに、第二アーム24は支持アーム18に関して長手方向のアーム22の傾きを変えるために実質的に貢献しており、したがって、とりわけ、支持アーム18によって形成する長手方向のアーム22が支持アーム22と共に形成する角度を変えることを可能にする。
【0059】
有利には、第二アーム24の長手方向方向の展開はマニュアルによって、好ましくは第二アーム24にマウントされ及び/又は関連づけられた対応するアクチュエーターによって調整可能になりえ、したがって、長手方向のアーム22および支持アーム18の間で画定された角度を修正し、このように、適切に、対応する水平面上の長手方向のアーム22の傾きを変えることは可能であり、前記アームは、持ち上げられる積荷に関して好ましくは持ち上げられる積荷又は積荷の把持ポイントに関して適切に配向し/位置する、例えば、持ち上げられる自動車の側部に実質的に平行に積荷を整列するか、或いは配向又は配置するためにある。有利には、支持アーム18は単一ピースから形成されている一方で第二アーム24が入れ子式であることが好ましい。有利には、例えば、前記第二アーム24は、2つの部分で作ることができ、二つの部分はアーム自体の長さを変えるために互いに螺合し、それゆえ装置50、および/または装置100のセット・アップの間に平行四辺形構造を変形し、前者の如何なる設置の不規則性を補償するためにこれを変形する。
【0060】
特に第二アーム24は、関節の点/軸においてキャリッジ8に対して関節接合され、前記支持アーム18がキャリッジ8に対して関節接合しているのと異なっている。より詳細には、支持アーム18と二次アーム24は、二つの異なる関節軸の周りをキャリッジ8に対して関節接合され、当該関節軸は互いに平行であるが離間されている。
【0061】
特に、第二アーム24は、ブラケット20に設けられた対応する関節によって、長手方向アーム22と関節接合されるやりかた関連付けられ、ブラケット20は長手方向のアーム22と固定され/一体化される一方で、第二アーム24と関節接合される。都合のいいことに、支持アーム18および第二アーム24はブラケット20と二つの異なる関節軸の周りを関節接合され、当該ブラケット20は、長手方向のアーム22と一体化されるか又は長手方向のアーム22に直接関節接合され、二つの関節軸は平行であり、互いに離間される。
【0062】
好ましくは、支持構造16は関節接合された平行四辺形構成を含むことができる。有利には、第二アーム24は、種々の要素間の関節接合の点の適切な選択のおかげで、主アーム18、キャリッジ8、およびブラケット20によって、平行四辺形構造を画定する。都合のいいことに、前記構成要素の関節軸は、互いに平行であり、実質的に垂直に配向される。
【0063】
有利には、長手方向のアーム22は第1のエレメント22’、とりわけ実質的に矩形状の断面をもつ管状要素を含み、当該第1のエレメント22’は、中央の部分、とりわけ個々のブラケット20および支持アーム18-及び好ましくは第二アーム24によって-対応するキャリッジ8に対して抑制される。有利には、長手方向のアーム22は、1対の第2のエレメント22"を含むことができ、かつ管状で、第1のエレメント22’の両端から出るように構成され、アーム自体の全長を入れ子式に可変にするために摺動し、したがって、それを様々な特性の自動車に適応可能にする。
【0064】
適切には、長手方向のアーム22の入れ子式の伸び/縮みがモーター駆動され、この目的のために、有利には、第2のエレメント22"は適切な取り扱い手段と関連付けられ、当該取り扱い手段は、好ましくは第1のエレメント22’の内部に収容することができる。
【0065】
可能な代替実施形態において、図示されていないが、第1のエレメント22’は単一の第2のエレメント22"と関連付けられ、該単一の第2のエレメント22"は前記第1のエレメント22’の一端から軸方向に取外し可能であり、他端に対してアーム26を支持する。
【0066】
適切には、前記したように、長手方向のアーム22の各端部(あるいは少なくとも1端)において、好ましくは支持構造16の入れ子式のアーム26が関連付けられる。好ましくは、長手方向のアーム22-とりわけ第1のエレメント22’および/または少なくとも第2のエレメント22"-の自由端に、アーム26が適用される。有利には、アーム26の長手方向の展開軸は、長手方向のアーム22の軸に関して、実質的に直角か、あるいはいずれにしても角度がつけられる。
【0067】
都合のいいことに、各アーム26は、長手方向のアーム22に設けられた、対応する挿入シート29内で軸方向に移動可能である。
【0068】
都合のいいことに、各挿入シート29は、長手方向のアーム22の端部に溶接された管状部によって画定される。都合のいいことに、アーム26用の挿入シートあるいはシート29は、長手方向のアーム、好ましくは長手方向の軸、の長手方向の展開に関して直角に/横に展開する。前記長手方向の軸は前記挿入シート29を通り抜けるが、同じ水平面上にある(即ち、装置50のコラム2の上で静止している床に関して実質的に平行である)。有利には、可能な実施形態の図示されない変形例において、アーム26用の挿入シートあるいはシート29は長手方向のアーム22に関連付けられ、水平方向に関して、とりわけ水平面に関して、傾けられ。当該水平面上でアームは長手方向にあり、如何なる遊びおよび変形を補償する。
【0069】
有利には、各アーム26と個々の挿入シート29の間の結合は、その挿入シート29内でのアーム26の軸方向の運動を保証するが、その軸回転を防ぐ。適切には、これは、非円形部でアーム26を作ることによって好適に達成され、それを収容するシートの部分と相補的である。
【0070】
都合のいいことに、各アーム26のうちの一つが、コラム2から最も遠い内側端部、及びコラム2から最も近い外側端部と区別することができる。都合のいいことに、各アーム26は、持ち上げられる積荷を支持し、及び/又は保持するために従来の部材28に関連付けられている;好適には、前記部材28は支持部においてもち上げられ自動車の提供された車体部を受け入れるように構成され意図される。好適には、部材28は、コラム2から最も遠い各アーム26の端部にマウントされる。
【0071】
有利には、各アームは、構造的及び機能的観点から実質的にイタリア特許出願No.102020000006085号に記載され、示されたタイプであり得、その内容は、参照によって本明細書に組込まれるように意図される。
【0072】
好都合なことに、部材28は、永久にアーム26に固定することができるか、あるいは、種々の自動車間に相当な多様性が与えられ、自動車が持ち上げられるのに適した特性の別の支持部材28と取り替えられるためには、支持部材28が、個々のアーム26に取り外し自在にマウントされることは有利であり、これは、垂直軸を備えた穴を与える内側端部をもつ各アーム26と低いアペンデージ(appendage)を備えた支持部材28を作ることにより、非常に単純な方法で達成することができる。支持部材28は、前記穴部で取り外し自在に挿入することができる。
【0073】
有利には、長手方向のアーム22の端部でそのシートにおいて各アーム26の軸方向のストロークが、拡大の存在によって外方に制限され、スルーホール30が得られ(
図6参照)、拡大したヘッド32によって内部に向けられる。
【0074】
有利には、外側に向かう長手方向のアーム22の第2のエレメント22"の入れ子式の運動は、またそれらの完全な
引き抜きを回避するために制限止め具を持っている。好適には、この止め具は長方形のプレート34で得られ、対応する第2のエレメント22"の内側短部に適用され、第1のエレメント22’の内側に伸びている。それは長手方向のスロット36を与えており、そこで横断するピン38が固定され、エレメント22'の中央部にアーム22(
図6および7を参照)が固定される。
【0075】
適切には、本発明による各装置50の設置は以下に記載されるように行うことができる。予備的に、個々のコラム2が他の装置から所定距離で床に対してプレート4により繋ぐことが有利に規定され、そこから2つのキャリッジ8が突出して二つのコラムの垂直面が互いに平行ではないことが好ましい。しかし、一般に、この重心がその正面の方へ位置するので、持ち上げられる自動車の正面の方に配向されている。
【0076】
2つの持ち上げ装置50のコラム2が、持ち上げられるべき自動車の幅の範囲に設けられる距離で床に堅くつなぎ留められた後、個々の装置50の2つの長手方向のアーム22の長手方向の配向の微調整をする必要がある。適切には、設計段階で既に、長手方向のアーム22が互いに、および持ち上げられるべき自動車の位置を決めるために二つのコラム間で限界が定められた通路の長手方向に対して完全に平行であるように、種々の部品の配置が画定される、しかし、生じ得る設置の不正確の可能性を修正するために、2つの長手方向のアーム22の完全な配向を保証するように、高精度の2つの構造16の第二アーム24の長さを調節するができる。
【0077】
一旦、これらの調節が行われると、装置100は、本発明による2つの装置50を含んでいて、有利に作動する準備ができている。
【0078】
好都合なことに、静止状態(
図1および2)において、2つのキャリッジ8が地面上にあり、2つの長手方向のアーム22は個々のコラム2に接近しており、最小の伸びの状態であり、それらの端部に存在するアーム26は外部ストロークの終わりに配列される。自動車を持ち上げるために、2つの長手方向のアーム22の正確な位置決めに適した位置の二つのコラム2の間に位置しなければならない。
【0079】
自動車が正確に位置付けられた後、オペレーターは2つの長手方向のアーム22を自動車の側部近くに導き、各長手方向のアーム22のアーム26間の距離が、支持28が静止しなければならない車体の複数の点の間の距離に一致するまで、それらを入れ子式に拡張する。
【0080】
適切には、長手方向のアーム22が適切な移動部材を装備しているなら、この入れ子式の拡張は手で行なうことができるか、あるいは、モーター駆動ができ、また、もしコントロールユニットが、前記アーム22を受け取ったり、伸ばしたりするように構成されるなら、コントロールユニット12又は無線指令によって制御することができるので有利である。
【0081】
続いて、アーム26に支持された支持体が自動車を持ち上げるために設けられた自動車の車体の複数の点に位置するまで、オペレーターは長手方向のアーム22を、自動車の方に導く。その後、オペレーターは、軸方向に自動車の方へアーム自体を押し、その結果、それらの支持体28は複数の点の下に正確に位置づけられる。
【0082】
適切には、この場合、操作は手で行なうことができるか、あるいは、モーター駆動することができ、また、この場合、例えば、コントロールユニット12に関連付けられたボタン、或は無線制御によってコントロールユニットに関連付けられたコマンドインターフェースで制御することができる。
【0083】
一旦この位置決め操作が完了したら、自動車は持ち上げられる準備ができている。特に、コマンドインターフェースに作用することによって、対応する信号は制御装置に送られ、制御装置は支持体28が自動車の車体にて静止するまで、キャリッジ8を上昇させるアクチュエーター6を起動し、上向きのストロークを継続して、所望の高さまで自動車を持ち上げる。便利なことに、可能な実施形態において、例えば、適切なコマンドを与えることにより、コントロールユニット12は、アクチュエーター6のジャッキに油を導入するポンプを起動する、アクチュエーター6は、所望の高さまでストロークを継続して、支持体28が自動車の車体で静止するまで個々のコラム2に沿ってキャリッジ8を上昇させ、自動車を持ち上げる。
【0084】
装置100の2つの装置50のアクチュエーター6間の同期のおかげで、それらの同一の拡張が自動車のバランスのとれた上昇を維持するために保証される。
【0085】
有利には、自動車がもっぱら支持部材28に支持されていること、それゆえアーム26、および装置50の長手方向のアーム22に、自動車の重量がかかること、したがって、摩擦によって、個々の第1のエレメント22’に対する第2のエレメントのロックと、個々の第2のエレメント22"に対するアーム26のロックを保障することは注目されるべきである。
【0086】
有利には、個々のキャリッジ8との支持構造16の各支持アーム18の関節で、1つ以上のロードセルを設けることができ、それによって上昇した自動車の重量を制御することができる。
【0087】
有利には、装置100は、とくに積荷の上昇移動中に、個々のコラム2の間、および/または持ち上げ装置50のキャリッジ8の間の位置合せのチェックのために光学的機構を含む。
好適には、この光学的機構は、コラム2にマウントされた発光装置、および他のコラム2、にマウントされた光検出器(例えば、ホトセル)を含むか、あるいは同じコラムに発光装置がマウントされる。この場合、他のコラムにおいては、反射エレメントがマウントされる。
【0088】
有利には、光学的機構は前記持ち上げ装置50のキャリッジ8が所定の高さに達したときに、重力によって降下することにより自動的に起動するように構成される。特に適切には、発光装置/光検出器の対が、ブラケットにマウントされ、ブラケットは個々のコラムに沿って垂直に移動可能/摺動可能であり、また支持構造16に支持された積荷が垂直方向に移動するとき、キャリッジ8によって上昇するように構成される。
【0089】
言われてきたことであるが、本発明による持ち上げ装置は、以下の理由で、その後伝統的な持ち上げ装置よりもはるかに有利であることは明らかである。
- 長手方向のアーム22の入れ子式の拡張および各アーム26の軸方向移動の間で得られた独立性のおかげで、車体の複数の点の下に極めて正確に各支持体28の位置を決めることは可能である、持ち上げアームの揺れはホイール或いは下に突出する車体の部分と干渉することなく、自動車は上昇した状態で静止する。
- もち上げられたときの、自動車間とコラム2間の連結は、積荷支持構造16による支持アーム18によって構成され、自動車の側面の大部分から突出し、持ち上げられた自動車の横のオペレーターの運動を潜在的に回避し得る唯一のエレメントを実際上構成する。
- 単一の要素、即ち、支持アーム18の傾けられた配置のおかげで、-自動車がもち上げられた時の、自動車に対するコラム2の位置が後退する。これは、コラム自体が、もち上げられた自動車の対応する正面ドアの全開に対して、そして客室の正面へのオペレーターのアクセスに対して、邪魔にならないことを意味する。
- 長手方向のアームが自動車の大きさを超えているとき、したがって最大の有用性および精度の状態において、長手方向のアーム22の入れ子式の拡張操作が行なわれる。