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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/02 20060101AFI20241219BHJP
   B65B 9/10 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65B61/02
B65B9/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023216035
(22)【出願日】2023-12-21
(62)【分割の表示】P 2020051673の分割
【原出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2024023791
(43)【公開日】2024-02-21
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
(72)【発明者】
【氏名】森平 透
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達夫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 良一
(72)【発明者】
【氏名】高森 和章
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-218141(JP,A)
【文献】特開平07-032680(JP,A)
【文献】特表2004-508974(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0005987(US,A1)
【文献】特開平02-055169(JP,A)
【文献】特開2000-229456(JP,A)
【文献】特開2016-124610(JP,A)
【文献】特開2017-159952(JP,A)
【文献】中国実用新案第205738208(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/02
B65B 9/10
B65C 9/00
B41F 16/00
F16H 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材を搬送しつつ、物品が包装された袋を前記包材から形成する製袋包装機であって、
前記袋が形成される前に前記包材に所定の情報を印字する印字部と、
前記包材の搬送を停止させることなく、搬送中の前記包材に印字するために用いられる第1受け部と、
前記包材の搬送が停止しているタイミングで、停止中の前記包材に印字するために用いられる第2受け部と、
前記第1受け部と前記印字部とが前記包材を挟んで対向する第1印字状態と、前記第2受け部と前記印字部とが前記包材を挟んで対向する第2印字状態とを切り替える切り替え部と、
を備え、
前記切り替え部は、前記第1受け部及び前記第2受け部を一体的に前記包材に沿って動かすことで、前記第1印字状態と前記第2印字状態とを切り替える、
製袋包装機。
【請求項2】
包材を搬送しつつ、物品が包装された袋を前記包材から形成する製袋包装機であって、
前記袋が形成される前に前記包材に所定の情報を印字する印字部と、
前記包材の搬送を停止させることなく、搬送中の前記包材に印字するために用いられる第1受け部と、
前記包材の搬送が停止しているタイミングで、停止中の前記包材に印字するために用いられる第2受け部と、
前記第1受け部と前記印字部とが前記包材を挟んで対向する第1印字状態と、前記第2受け部と前記印字部とが前記包材を挟んで対向する第2印字状態とを切り替える切り替え部と、
を備え、
前記切り替え部は、前記第1受け部及び前記第2受け部を別々に前記包材に沿って動かすことで、前記第1印字状態と前記第2印字状態とを切り替える、
製袋包装機。
【請求項3】
包材を搬送しつつ、物品が包装された袋を前記包材から形成する製袋包装機であって、
前記袋が形成される前に前記包材に所定の情報を印字する印字部と、
前記包材の搬送を停止させることなく、搬送中の前記包材に印字するために用いられる第1受け部と、
前記包材の搬送が停止しているタイミングで、停止中の前記包材に印字するために用いられる第2受け部と、
前記第1受け部と前記印字部とが前記包材を挟んで対向する第1印字状態と、前記第2受け部と前記印字部とが前記包材を挟んで対向する第2印字状態とを切り替える切り替え部と、
を備え、
前記切り替え部は、前記第1受け部及び前記第2受け部の少なくとも1つを動かし、
前記第1受け部と前記印字部との間、又は、前記第2受け部と前記印字部との間に前記包材を送るための搬送ローラをさらに備え、
前記切り替え部は、前記搬送ローラを動かすことで、前記第1印字状態と前記第2印字状態とを切り替える、
製袋包装機。
【請求項4】
前記切り替え部は、前記印字部を動かすことで、前記第1印字状態と前記第2印字状態とを切り替える、
請求項1~のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記切り替え部は、前記印字部を、前記包材に沿って動かす、
請求項のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記第1受け部は、円筒状の部材であり、
前記第2受け部は、平板状の部材である、
請求項1~のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2012-136270号公報)に開示されているように、筒状に成形した包材を横シールして物品が包装された袋を製造する製袋包装機が知られている。製袋包装機は、筒状に成形される前の包材に予め設定された情報を印字するための印字装置と、印字装置の印字ヘッドと対向するように配置されるプラテンとを備えている。
【0003】
製袋包装機は、主として、包材を連続的に搬送しながら横シールを行う連続式包装機と、包材を間欠的に搬送しながら横シールを行う間欠式包装機とに分類される。連続式包装機の印字装置は、包材の搬送を停止させることなく、搬送中の包材に印字する。間欠式包装機の印字装置は、包材の搬送が停止しているタイミングで、停止中の包材に印字する。
【0004】
連続式包装機は、間欠式包装機において包材の連続的な搬送を可能にした上位機種である。具体的には、連続式包装機の横シール機構は、間欠式包装機の横シール機構に対して上位互換性を有する。そのため、製袋包装機は、1つの横シール機構を用いて、包材を連続的に搬送しながら横シールを行う連続モードと、包材を間欠的に搬送しながら横シールを行う間欠モードとを切り替え可能なように構成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、連続式包装機及び間欠式包装機に同じ印字装置を用いることができるにも関わらず、連続式包装機で用いられるプラテンと、間欠式包装機で用いられるプラテンとでは、形状が互いに異なる。そのため、連続モードと間欠モードとを切り替え可能な製袋包装機には、例えば、連続式包装機で用いられる印字装置及びプラテンのセットと、間欠式包装機で用いられる印字装置及びプラテンのセットとの両方を搭載する必要がある。この場合、2つの同じ印字装置を設置するためのスペースを確保する必要があり、コストがかかる。そのため、1つの印字装置のみを備え、連続式包装機で用いられるプラテンと、間欠式包装機で用いられるプラテンとを容易に切り替え可能な製袋包装機が求められている。
【0006】
本発明の1つの目的は、動作モードを切り替え可能であって、各動作モードにおいて用いられるプラテンを容易に切り替え可能な製袋包装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1観点に係る製袋包装機は、包材を搬送しつつ、物品が包装された袋を包材から形成する。製袋包装機は、印字部と、第1受け部と、第2受け部と、保持部とを備える。印字部は、袋が形成される前に包材に所定の情報を印字する。第1受け部は、包材の搬送を停止させることなく、搬送中の包材に印字する第1印字モードの場合に用いられる。第2受け部は、包材の搬送が停止しているタイミングで、停止中の包材に印字する第2印字モードの場合に用いられる。保持部は、第1受け部及び第2受け部の少なくとも1つを保持する。保持部は、第1印字モードの場合に第1受け部と印字部とが包材を挟んで対向し、第2印字モードの場合に第2受け部と印字部とが包材を挟んで対向するように、第1受け部及び第2受け部の少なくとも1つを保持する。
【0008】
本発明の製袋包装機は、包材を連続的に搬送しながら袋を形成する連続モードの場合に第1受け部を用いて包材に印字し、包材を間欠的に搬送しながら袋を形成する間欠モードの場合に第2受け部を用いて包材に印字する。本発明の製袋包装機は、動作モードに応じて、包材への印字の際に用いられる受け部を容易に切り替えることができる。
【0009】
本発明の第2観点に係る製袋包装機は、包材を搬送しつつ、物品が包装された袋を包材から形成する。製袋包装機は、印字部と、第1受け部と、第2受け部と、切り替え部とを備える。印字部は、袋が形成される前に包材に所定の情報を印字する。第1受け部は、包材の搬送を停止させることなく、搬送中の包材に印字するために用いられる。第2受け部は、包材の搬送が停止しているタイミングで、停止中の包材に印字するために用いられる。切り替え部は、第1受け部と印字部とが包材を挟んで対向する第1印字状態と、第2受け部と印字部とが包材を挟んで対向する第2印字状態とを切り替える。
【0010】
本発明の製袋包装機は、包材を連続的に搬送しながら袋を形成する連続モードの場合に第1受け部を用いて包材に印字し、包材を間欠的に搬送しながら袋を形成する間欠モードの場合に第2受け部を用いて包材に印字する。本発明の製袋包装機は、動作モードに応じて、包材への印字の際に用いられる受け部を容易に切り替えることができる。
【0011】
本発明の第3観点に係る製袋包装機は、第2観点に係る製袋包装機であって、切り替え部は、第1受け部及び第2受け部の少なくとも1つを動かすことで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替える。
【0012】
本発明の第4観点に係る製袋包装機は、第3観点に係る製袋包装機であって、切り替え部は、第1受け部及び第2受け部を一体的に動かすことで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替える。
【0013】
本発明の第5観点に係る製袋包装機は、第3観点に係る製袋包装機であって、切り替え部は、第1受け部及び第2受け部を別々に動かすことで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替える。
【0014】
本発明の第6観点に係る製袋包装機は、第4又は第5観点に係る製袋包装機であって、切り替え部は、第1受け部及び第2受け部を、包材に沿って動かす。
【0015】
本発明の第7観点に係る製袋包装機は、第2乃至第6観点のいずれか1つに係る製袋包装機であって、切り替え部は、印字部を動かすことで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替える。
【0016】
本発明の第8観点に係る製袋包装機は、第7観点に係る製袋包装機であって、切り替え部は、印字部を、包材に沿って動かす。
【0017】
本発明の第9観点に係る製袋包装機は、第2乃至第8観点のいずれか1つに係る製袋包装機であって、第1受け部と印字部との間、又は、第2受け部と印字部との間に包材を送るための搬送ローラをさらに備える。切り替え部は、搬送ローラを動かすことで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替える。
【0018】
本発明の第10観点に係る製袋包装機は、第1乃至第9観点のいずれか1つに係る製袋包装機であって、第1受け部は、円筒状の部材であり、第2受け部は、平板状の部材である。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る製袋包装機は、動作モードに応じて、包材への印字の際に用いられる受け部を容易に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態に係る製袋包装機の斜視図である。
図2】製袋包装ユニットの概略的な構成を示す斜視図である。
図3】横シール機構を、図2の右側から見た概略的な側面図である。
図4】第1実施形態の連続モードにおけるフィルム供給ユニットの側面図である。
図5】第1実施形態の間欠モードにおけるフィルム供給ユニットの側面図である。
図6】第2実施形態の連続モードにおけるフィルム供給ユニットの側面図である。
図7】第2実施形態の間欠モードにおけるフィルム供給ユニットの側面図である。
図8】第2実施形態の連続モードにおけるフィルム供給ユニットの側面図である。
図9】第2実施形態の間欠モードにおけるフィルム供給ユニットの側面図である。
図10】変形例Aの連続モードにおけるフィルム供給ユニットの側面図である。
図11】変形例Aの間欠モードにおけるフィルム供給ユニットの側面図である。
図12】変形例Bの連続モードにおけるフィルム供給ユニットの側面図である。
図13】変形例Bの間欠モードにおけるフィルム供給ユニットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0022】
―第1実施形態―
(1)製袋包装機の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る製袋包装機1の斜視図である。製袋包装機1は、食品等の被包装物を袋詰めするための機械である。製袋包装機1は、主として、組合せ計量ユニット2と、製袋包装ユニット3と、フィルム供給ユニット4とから構成される。
【0023】
組合せ計量ユニット2は、製袋包装ユニット3の上方に配置される。組合せ計量ユニット2は、被包装物の重量を複数の計量ホッパで計量し、所定の合計重量になるように各計量ホッパで計量された重量の値を組み合わせる。組合せ計量ユニット2は、組み合わせた所定の合計重量の被包装物を下方に排出して、製袋包装ユニット3に供給する。
【0024】
製袋包装ユニット3は、組合せ計量ユニット2から被包装物が供給されるタイミングに合わせて、被包装物を袋の中に密封して包装する。製袋包装ユニット3の詳細な構成及び動作については後述する。
【0025】
フィルム供給ユニット4は、製袋包装ユニット3に隣接して設置され、袋に成形されるフィルムを製袋包装ユニット3に供給する。フィルム供給ユニット4は、フィルムが巻かれたフィルムロールがセットされている。フィルム供給ユニット4は、フィルムロールからフィルムを繰り出す。フィルム供給ユニット4の詳細な構成及び動作については後述する。
【0026】
製袋包装機1は、操作スイッチ5及び液晶ディスプレイ6を備える。操作スイッチ5及び液晶ディスプレイ6は、製袋包装機1本体の前面に取り付けられている。液晶ディスプレイ6は、操作スイッチ5の操作者が視認できる位置に配置されている、タッチパネル式のディスプレイである。操作スイッチ5及び液晶ディスプレイ6は、製袋包装機1に対する指示、及び、製袋包装機1に関する設定を受け付ける入力装置として機能する。液晶ディスプレイ6は、製袋包装機1に関する情報を表示する出力装置として機能する。
【0027】
製袋包装機1は、制御部(図示せず)を備える。制御部は、CPU、ROM及びRAM等から構成されるコンピュータである。制御部は、組合せ計量ユニット2、製袋包装ユニット3、フィルム供給ユニット4、操作スイッチ5及び液晶ディスプレイ6に接続されている。制御部は、操作スイッチ5及び液晶ディスプレイ6からの入力に基づいて、組合せ計量ユニット2、製袋包装ユニット3及びフィルム供給ユニット4を制御し、液晶ディスプレイ6に各種の情報を出力する。
【0028】
(2)製袋包装ユニットの構成
図2は、製袋包装ユニット3の概略的な構成を示す斜視図である。以下の説明において、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」及び「右」からなる6つの方向を、図2に示されるように定義する。
【0029】
製袋包装ユニット3は、主として、成形機構13と、プルダウンベルト機構14と、縦シール機構15と、横シール機構17とから構成される。成形機構13は、フィルム供給ユニット4から供給されるシート状のフィルムFを筒状に成形する。プルダウンベルト機構14は、筒状に成形されたフィルムFを下方に搬送する。縦シール機構15は、筒状に成形されたフィルムFの両端部の重なり部分を、搬送方向と平行な縦方向にシールして、筒状フィルムFcを形成する。横シール機構17は、筒状フィルムFcを、搬送方向と直交する横方向にシールして、上端部及び下端部が横シールされた袋Bを形成する。
【0030】
製袋包装機1は、フィルムFを連続的に搬送しながら袋Bを形成する連続モード、及び、フィルムFを間欠的に搬送しながら袋Bを形成する間欠モードの2つの動作モードを有する。連続モードは、フィルムFの搬送を停止することなく袋Bを形成する動作モードである。間欠モードは、所定のタイミングでフィルムFの搬送を一時的に停止しつつ袋Bを形成する動作モードである。
【0031】
連続モードでは、製袋包装ユニット3は、搬送中のフィルムFをシールする。間欠モードでは、製袋包装ユニット3は、フィルムFの搬送が停止しているタイミングで、停止中のフィルムFをシールする。製袋包装機1の制御部は、動作モードに応じて、製袋包装ユニット3を制御する。
【0032】
(2-1)成形機構
成形機構13は、チューブ13aとフォーマ13bとを有する。チューブ13aは、上端及び下端が開口している、円筒形状の部材である。チューブ13aの上端の開口には、組合せ計量ユニット2から供給される被包装物Cが投入される。フォーマ13bは、チューブ13aを取り囲むように配置されている。フィルム供給ユニット4のフィルムロールから繰り出されてきたフィルムFは、チューブ13aとフォーマ13bとの間の隙間を通過する際に、チューブ13aに巻き付いて筒状に成形される。チューブ13a及びフォーマ13bは、製造する袋Bの大きさに応じて取り替えることができる。
【0033】
(2-2)プルダウンベルト機構
プルダウンベルト機構14は、チューブ13aに巻き付いたフィルムFを吸着しながら下方に搬送する。プルダウンベルト機構14は、主として、駆動ローラ14a、従動ローラ14b及び一対のベルト14cを有する。一対のベルト14cは、図2に示されるように、チューブ13aの左右両側においてチューブ13aを挟むように配置され、筒状に成形されたフィルムFを吸着する機構を有する。プルダウンベルト機構14は、駆動ローラ14a及び従動ローラ14bによって一対のベルト14cが回転駆動することで、筒状に成形されたフィルムFを下方に搬送する。
【0034】
(2-3)縦シール機構
縦シール機構15は、筒状に成形されたフィルムFを縦方向(図2では、上下方向)にシールする。縦シール機構15は、チューブ13aの正面側に配置される。縦シール機構15は、駆動機構(図示せず)によって、チューブ13aに近づくように、あるいは、チューブ13aから遠ざかるように前後方向に移動する。
【0035】
縦シール機構15が駆動機構によってチューブ13aに近づくように駆動することで、チューブ13aに巻き付いたフィルムFの縦方向の重なり部分は、縦シール機構15とチューブ13aとの間に挟まれる。縦シール機構15は、駆動機構によってフィルムFの重なり部分を一定の圧力でチューブ13aに押し付けながら加熱することで、フィルムFの重なり部分を縦方向に熱シールして、筒状フィルムFcを形成する。縦シール機構15は、フィルムFの重なり部分を加熱するヒータ、及び、フィルムFの重なり部分と接触するヒータベルト等を有している。
【0036】
(2-4)横シール機構
横シール機構17は、筒状フィルムFcを横方向(図2では、左右方向)にシールする。横シール機構17は、成形機構13、プルダウンベルト機構14及び縦シール機構15の下方に配置される。
【0037】
図3は、横シール機構17を、図2の右側から見た概略的な側面図である。図3において、紙面に垂直な方向は、図2における左右方向である。横シール機構17は、主として、第1回転体50a及び第2回転体50bを備える。第1回転体50aは、筒状フィルムFcの前側に配置される。第2回転体50bは、筒状フィルムFcの後側に配置される。図3の紙面内では、第1回転体50aは、筒状フィルムFcの左側に位置し、第2回転体50bは、筒状フィルムFcの右側に位置している。
【0038】
第1回転体50aは、主として、第1回転軸53aと、第1シールジョー51aと、第2シールジョー52aとを備える。第2回転体50bは、主として、第2回転軸53bと、第1シールジョー51bと、第2シールジョー52bとを備える。第1回転体50aは、左右方向に沿って見た場合において、第1回転軸53aを回転軸として、第1回転軸53aの回転中心C1を中心に回転する。第2回転体50bは、左右方向に沿って見た場合において、第2回転軸53bを回転軸として、第2回転軸53bの回転中心C2を中心に回転する。横シール機構17を左右方向に沿って見た場合において、一対の第1シールジョー51a,51bは、互いに反対方向に同期回転し、一対の第2シールジョー52a,52bは、互いに反対方向に同期回転する。図3には、一対の第1シールジョー51a,51b、及び、一対の第2シールジョー52a,52bの軌跡が鎖線で示されている。
【0039】
横シール機構17は、一対の第1シールジョー51a,51b、又は、一対の第2シールジョー52a,52bによって、筒状フィルムFcを、筒状フィルムFcの搬送方向と交差する横方向(図2では、左右方向)に沿って挟み込む。一対の第1シールジョー51a,51b、又は、一対の第2シールジョー52a,52bは、筒状フィルムFcを挟み込みながら加熱することで、筒状フィルムFcを横方向に熱シールする。
【0040】
(3)フィルム供給ユニットの構成
図4,5は、本実施形態のフィルム供給ユニット4の概略的な構成を示す側面図である。図4,5の紙面内において、シート状のフィルムFは、右側(上流側)から左側(下流側)に向かって搬送される。図4,5では、フィルムFの搬送方向が矢印で示されている。図4は、連続モード時の構成を表す。図5は、間欠モード時の構成を表す。フィルム供給ユニット4は、フィルムロールFRからフィルムFを繰り出し、フィルムFの表面に所定の情報を印字し、製袋包装ユニット3の成形機構13にフィルムFを供給する。フィルム供給ユニット4は、主として、エアシャフト21と、複数のテンションローラ22と、印字装置23と、検査装置24と、フィードローラ25,26とを備える。
【0041】
連続モードでは、フィルム供給ユニット4は、フィルムロールFRからフィルムFを連続的に繰り出す。間欠モードでは、フィルム供給ユニット4は、フィルムロールFRからフィルムFを間欠的に繰り出す。製袋包装機1の制御部は、動作モードに応じて、フィルム供給ユニット4を制御する。
【0042】
(3-1)エアシャフト
エアシャフト21は、シート状のフィルムFが巻き付けられたフィルムロールFRがセットされるシャフトである。エアシャフト21は、フィルムロールFRを真空吸着して固定する。エアシャフト21は、シャフト駆動モータ(図示せず)によって回転駆動する。シャフト駆動モータがエアシャフト21を回転させることにより、フィルムロールFRに巻き付けられたシート状のフィルムFが繰り出される。
【0043】
フィルム供給ユニット4においてフィルムロールFRから繰り出されたフィルムFは、最終的に製袋包装ユニット3に送られる。製袋包装ユニット3では、フィルムFは、成形機構13によって筒状に成形され、プルダウンベルト機構14によって下方に搬送される。これにより、フィルム供給ユニット4において、フィルムロールFRから繰り出されたフィルムFは、繰り出された分だけ搬送される。制御部は、シャフト駆動モータを制御してエアシャフト21の回転数を変化させることにより、フィルムロールFRから繰り出されたフィルムFの搬送速度を調整することができる。
【0044】
(3-2)テンションローラ
テンションローラ22は、所定の位置に所定の距離間隔で配置されるローラである。テンションローラ22は、フィルムロールFRから繰り出されたフィルムFを屈曲させて搬送角度を変えながら、フィルムFを印字装置23へ案内する。テンションローラ22は、フィルムロールFRから繰り出されて搬送されるフィルムFに適度なテンションを与え、搬送されるフィルムFの緩み及び蛇行を防止する。テンションローラ22の数及び位置は、フィルムロールFRの位置、及び、フィルムFの寸法等に応じて、任意に設定可能である。
【0045】
テンションローラ22の少なくとも一部は、上下方向に移動可能であってもよい。テンションローラ22を移動させることで、テンションローラ22によって案内されるフィルムFにかかるテンションを調整することができる。この場合、制御部は、テンションローラ22の上下方向の変位量に基づいて、フィルムFのテンション状態を検出する。そして、制御部は、検出されたテンション状態に基づいて、フィルムFにかかるテンションが所定の範囲内になるように、シャフト駆動モータを制御してフィルムFの搬送速度を調整する。
【0046】
(3-3)印字装置
印字装置23は、主として、印字ヘッド23aと、保持部23bとを備える。印字ヘッド23aは、フィルムFの表面に所定の印字情報を印字する。印字情報は、フィルムFの表面の所定の被印字領域に印字される。印字情報は、例えば、被包装物Cが食品である場合、被包装物Cの製造年月日及び消費期限である。印字情報は、制御部から印字装置23に送信される。印字ヘッド23aは、印字情報を印字する際において、フィルムFに近付いたり、フィルムFから離れたりする方向に沿って移動可能である。
【0047】
保持部23bは、プラテン23c,23dを保持する。プラテン23c,23dとは、フィルムFを受けるための部材である。印字ヘッド23aがフィルムFの表面に印字情報を印字する際に、印字ヘッド23aは、フィルムFをプラテン23c,23dに向かって押し当てる。プラテン23c,23dは、例えば、ゴム等の弾性部材で成形されている。
【0048】
本実施形態では、プラテン23c,23dとして、プラテンローラ23c及びプラテンプレート23dが用いられる。連続モードでは、プラテンローラ23cが用いられる。間欠モードでは、プラテンプレート23dが用いられる。保持部23bは、プラテンローラ23c及びプラテンプレート23dの一方を保持する。図4では、保持部23bは、プラテンローラ23cを保持している。図5では、保持部23bは、プラテンプレート23dを保持している。
【0049】
保持部23bによって保持されているプラテン23c,23dは、印字ヘッド23aと共にフィルムFを挟む位置において、印字ヘッド23aに対向して配置される。フィルムロールFRから繰り出されて搬送されるフィルムFは、印字ヘッド23aとプラテン23c,23dとの間を通過して、製袋包装ユニット3に送られる。印字ヘッド23aがプラテン23c,23dに向かってフィルムFを押し当てている間、フィルムFは、印字ヘッド23aとプラテン23c,23dとによって挟み込まれている。
【0050】
保持部23bは、連続モード(第1印字モード)の場合にプラテンローラ23cと印字ヘッド23aとが対向し、間欠モード(第2印字モード)の場合にプラテンプレート23dと印字ヘッド23aとが対向するように、プラテンローラ23c及びプラテンプレート23dの少なくとも1つを保持する。
【0051】
(3-4)検査装置
検査装置24は、印字装置23の下流側の近傍に設置される。検査装置24は、フィルムFの被印字領域に印字情報が正確に印字されているか否かを検査する。検査装置24は、発光素子及び受光素子から構成される光センサである。搬送されるフィルムFは、発光素子と受光素子との間を通過する。発光素子は、フィルムFの被印字領域に光を照射する。受光素子は、被印字領域で反射した光を検知して、被印字領域に印字された印字情報の位置等を検出する。
【0052】
なお、検査装置24は、光学カメラであってもよい。この場合、検査装置24は、搬送されるフィルムFの被印字領域を撮像して取得した画像を解析することで、被印字領域に印字情報が正確に印字されているか否かを検査する。
【0053】
(3-5)フィードローラ
フィードローラ25,26は、フィルム供給ユニット4において搬送されるフィルムFを所定の方向に導くためのローラである。本実施形態では、フィードローラ25,26として、第1フィードローラ25及び第2フィードローラ26が用いられる。第1フィードローラ25は、フィルムFが搬送される経路において、テンションローラ22と印字装置23との間に配置され、印字装置23がある方向にフィルムFを導く。第1フィードローラ25は、印字ヘッド23aとプラテン23c,23dとの間にフィルムFを導く。第2フィードローラ26は、フィルムFが搬送される経路において、印字装置23と検査装置24との間に配置され、検査装置24がある方向にフィルムFを導く。
【0054】
図4,5に示されるように、連続モードにおけるフィードローラ25,26の位置は、間欠モードにおけるフィードローラ25,26の位置と異なる。フィードローラ25,26の位置は、エアシリンダー等の駆動機構(図示せず)によって制御される。制御部は、動作モードに応じて、フィードローラ25,26の位置を自動的に切り替える。
【0055】
フィードローラ25,26の数及び位置は、フィルム供給ユニット4の構成等に応じて、任意に設定可能である。フィルム供給ユニット4は、その構成によっては、フィードローラ25,26を備えていなくてもよい。
【0056】
(4)製袋包装機の動作
(4-1)全体的な動作
製袋包装機1が被包装物Cを袋Bに密封する動作の概略について説明する。フィルム供給ユニット4から製袋包装ユニット3に供給されたフィルムFは、チューブ13aに巻き付けられて筒状に成形され、プルダウンベルト機構14によって下方に搬送される。チューブ13aに巻き付けられた筒状のフィルムFは、上下方向に延びる両端部が重ね合わせられている。筒状に成形されたフィルムFの重なり部分は、縦シール機構15によって縦方向にシールされ、筒状フィルムFcが形成される。
【0057】
縦シールされた筒状フィルムFcは、チューブ13aから抜けて、横シール機構17まで下方に搬送される。横シール機構17は、一対の第1シールジョー51a,51b、又は、一対の第2シールジョー52a,52bによって、筒状フィルムFcを挟み込んで横シールする。このとき、筒状フィルムFcの横シールされた部分の下方では、被包装物Cが封入された袋Bが形成されている。一方、筒状フィルムFcの横シールされた部分の上方では、組合せ計量ユニット2によって計量された被包装物Cがチューブ13a内を落下して、筒状フィルムFcの中に投入される。
【0058】
また、筒状フィルムFcが横シールされるタイミングに合わせて、第1シールジョー51a又は第2シールジョー52aに内蔵されているカッター(図示せず)によって、筒状フィルムFcの横シールされた部分が横方向に切断される。これにより、被包装物Cが封入された袋Bは、後続の筒状フィルムFcから切り離される。
【0059】
以上のようにして、被包装物Cが封入された袋Bは、連続的に製造される。製造された袋Bは、その後、ベルトコンベア(図示せず)等によって、厚みチェッカー及び重さチェッカー等の装置に移送される。
【0060】
なお、製袋包装機1は、複数の袋Bが連なった連包の袋形態で製袋を行ってもよい。この場合、横シール機構17によって所定の数の袋Bが形成される度に、筒状フィルムFcの横シールされた部分が横方向に切断される。
【0061】
本実施形態の製袋包装機1は、連続モード及び間欠モードの一方の動作モードで動作する。連続モードでは、筒状フィルムFcの下方への搬送に合わせて横シール機構17が下方に移動しながら、横シール機構17が、搬送中の筒状フィルムFcを横シールする。間欠モードでは、筒状フィルムFcの搬送が一時的に停止しているタイミングで、横シール機構17が、停止中の筒状フィルムFcを横シールする。
【0062】
製袋包装機1は、連続モードと間欠モードとの間で動作モードを切り替えることができるように構成されている。製袋包装機1は、例えば、上述の連包の袋形態で製袋を行い、かつ、製造能力が高くなると、連続モードよりも間欠モードの方が、製造能力が高くなってしまう場合がある。そのため、連続モードと間欠モードとの間を切り替え可能とすることで、製袋包装機1の操作者は、状況に応じて適切な動作モードを選択することができる。
【0063】
(4-2)フィルム供給ユニットの動作
フィルム供給ユニット4は、エアシャフト21に固定されたフィルムロールFRからフィルムFを繰り出して搬送し、製袋包装ユニット3の成形機構13に供給する。最初に、フィルム供給ユニット4は、フィルムロールFRから繰り出されたフィルムFをテンションローラ22で導きながら搬送する。次に、フィルム供給ユニット4は、第1フィードローラ25でフィルムFを印字装置23の方向に導く。次に、フィルム供給ユニット4は、印字装置23によってフィルムFの被印字領域に印字情報を印字する。次に、フィルム供給ユニット4は、第2フィードローラ26でフィルムFを検査装置24の方向に導く。次に、フィルム供給ユニット4は、検査装置24によって、フィルムFの被印字領域に印字情報が正確に印字されているか否かを検査する。次に、フィルム供給ユニット4は、製袋包装ユニット3の成形機構13にフィルムFを送る。
【0064】
連続モード(第1印字モード)では、印字装置23がフィルムFの被印字領域に印字している間、フィルムFは搬送されており、かつ、フィルムFの搬送方向に沿って印字ヘッド23aは移動していない。一方、間欠モード(第2印字モード)では、印字装置23がフィルムFの被印字領域に印字している間、フィルムFの搬送は停止されており、かつ、フィルムFの搬送方向に沿って印字ヘッド23aは移動している。このように、連続モード及び間欠モードの両方において、フィルムFの搬送方向において、フィルムFに対して印字ヘッド23aが相対的に移動することで、フィルムFの被印字領域に印字情報が印字される。
【0065】
(5)保持部の構成
製袋包装機1は、連続モードと間欠モードとの間を切り替え可能である。製袋包装機1は、連続モード及び間欠モードの両方の動作モードで、共通の製袋包装ユニット3を使用することができる。しかし、フィルム供給ユニット4の印字装置23は、連続モードではプラテンローラ23cを使用し、間欠モードではプラテンプレート23dを使用する。そのため、製袋包装機1は、動作モードに応じて適切なプラテン23c,23dを使用できるようにするための保持部23bを有する。
【0066】
保持部23bは、製袋包装機1の動作モードに応じて、プラテンローラ23c又はプラテンプレート23dを適切な位置で保持できるように構成されている。連続モードの場合、保持部23bは、印字ヘッド23aとプラテンローラ23cとがフィルムFを挟んで対向するように、プラテンローラ23cを保持する。間欠モードの場合、保持部23bは、印字ヘッド23aとプラテンプレート23dとがフィルムFを挟んで対向するように、プラテンプレート23dを保持する。
【0067】
プラテンローラ23c及びプラテンプレート23dは、保持部23bに対して着脱可能に構成されている。これにより、製袋包装機1の操作者は、動作モードを切り替える際に、保持部23bに保持されているプラテン23c,23dを取り替えることができる。例えば、製袋包装機1の操作者は、連続モードから間欠モードに切り替える際に、保持部23bからプラテンローラ23cを取り外して、保持部23bにプラテンプレート23dを取り付けることができる。また、製袋包装機1の操作者は、間欠モードから連続モードに切り替える際に、保持部23bからプラテンプレート23dを取り外して、保持部23bにプラテンローラ23cを取り付けることができる。
【0068】
保持部23bは、フィルム供給ユニット4に固定されてもよく、また、フィルム供給ユニット4に対して着脱可能に構成されていてもよい。保持部23bがフィルム供給ユニット4に対して着脱可能である場合、製袋包装機1の操作者は、動作モードを切り替える際に、フィルム供給ユニット4から保持部23bを取り外した後に、保持部23bに保持されているプラテン23c,23dを取り替えることができる。
【0069】
(6)特徴
製袋包装機1は、動作モードに応じて、プラテンローラ23c又はプラテンプレート23dを適切な位置で保持することができる保持部23を有する。そのため、製袋包装機1の操作者は、動作モードに応じて、フィルムFへの印字の際に用いられるプラテン23c,23dを容易に取り替えることができる。
【0070】
また、製袋包装機1は、動作モードに関わらず、共通の印字ヘッド23aを用いることができる。そのため、製袋包装機1は、連続モード専用の印字装置と、間欠モード専用の印字装置との両方を備える必要がない。そのため、製袋包装機1は、連続モード及び間欠モードのそれぞれに対応する2つの印字装置を搭載するためのスペースを必要としないので、設置スペース及びコストを抑えることができる。
【0071】
―第2実施形態―
本発明の第2実施形態に係る製袋包装機1について、第1実施形態に係る製袋包装機1との相違点を中心に説明する。本実施形態の製袋包装機1は、印字装置123を備える。印字装置123以外の構成要素は、第1実施形態と同じである。
【0072】
図6,7は、図4,5と同様の図であって、本実施形態のフィルム供給ユニット4の概略的な構成を示す側面図である。図6は、連続モード時の構成を表す。図7は、間欠モード時の構成を表す。
【0073】
印字装置123は、主として、印字ヘッド123aと、切り替え部123bとを備える。印字ヘッド123aは、第1実施形態の印字ヘッド23aと同じである。切り替え部123bは、プラテンローラ123c及びプラテンプレート123dを保持している。プラテンローラ123c及びプラテンプレート123dは、それぞれ、第1実施形態のプラテンローラ23c及びプラテンプレート23dと同じである。切り替え部123bは、フィルム供給ユニット4に取り付けられている。
【0074】
切り替え部123bは、第1印字状態と第2印字状態とを切り替えることができるように構成されている。第1印字状態とは、図6に示されるように、プラテンローラ123cと印字ヘッド123aとがフィルムFを挟んで対向する連続モード時の状態である。第2印字状態とは、図7に示されるように、プラテンプレート123dと印字ヘッド123aとがフィルムFを挟んで対向する間欠モード時の状態である。
【0075】
本実施形態では、切り替え部123bは、プラテンローラ123c及びプラテンプレート123dの少なくとも1つを動かすことで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替える構成を有する。具体的には、製袋包装機1の操作者は、製袋包装機1の動作モードの切り替え時において、切り替え部123bを操作することで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替えることができる。切り替え部123bは、操作者が手動で移動可能なように構成されている。次に、図面を参照しながら切り替え部123bの構成の具体例について説明する。
【0076】
図6,7は、切り替え部123bの一例を示す。図6,7に示される切り替え部123bは、プラテンローラ123c及びプラテンプレート123dの両方を予め保持している。切り替え部123bにおいて、プラテンローラ123cが保持されている部分と、プラテンプレート123dが保持されている部分とは、互いに連結している。そのため、製袋包装機1の操作者は、切り替え部123b全体を移動させることで、プラテンローラ123c及びプラテンプレート123dの両方を一体的に動かすことができる。図6,7において、切り替え部123bは、矢印R1,R2に沿って点Pを中心に回転させることができる。これにより、切り替え部123bは、プラテンローラ123c及びプラテンプレート123dをフィルムFに沿って動かすことができるように構成されている。
【0077】
図6の連続モード時において、操作者は、図6に示される矢印R1に沿って切り替え部123bを移動させることで、動作モードを連続モードから間欠モードに切り替えることができる。図7の間欠モード時において、操作者は、図7に示される矢印R2に沿って切り替え部123bを移動させることで、動作モードを間欠モードから連続モードに切り替えることができる。これにより、操作者は、切り替え部123bを移動させることで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替えることができる。
【0078】
図8,9は、切り替え部123bの他の例を示す。図8,9は、図4,5と同様の図であって、本実施形態のフィルム供給ユニット4の概略的な構成を示す側面図である。図8は、連続モード時の構成を表す。図9は、間欠モード時の構成を表す。図8,9に示される切り替え部123bは、プラテンローラ123c及びプラテンプレート123dの両方を予め保持している。切り替え部123bにおいて、プラテンローラ123cが保持されている部分と、プラテンプレート123dが保持されている部分とは、連結されておらず、互いに独立している。そのため、製袋包装機1の操作者は、切り替え部123bの一部分のみを移動させることで、プラテンローラ123c及びプラテンプレート123dを別々に動かすことができる。図8,9の紙面内において、プラテンローラ123cが保持されている部分、及び、プラテンプレート123dが保持されている部分は、互いに独立して移動させることができる。これにより、切り替え部123bは、プラテンローラ123c及びプラテンプレート123dをフィルムFに沿って動かすことができるように構成されている。
【0079】
図8の連続モード時において、操作者は、プラテンローラ123cを印字ヘッド123aから離し、プラテンプレート123dを印字ヘッド123aに近付けることで、動作モードを連続モードから間欠モードに切り替えることができる。図9の間欠モード時において、操作者は、プラテンプレート123dを印字ヘッド123aから離し、プラテンローラ123cを印字ヘッド123aに近付けることで、動作モードを間欠モードから連続モードに切り替えることができる。これにより、操作者は、切り替え部123bを移動させることで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替えることができる。
【0080】
従って、本実施形態では、製袋包装機1の操作者は、動作モードの切り替え時において、プラテン123c,123dをフィルム供給ユニット4から着脱することなく、動作モードに応じてプラテン123c,123dの位置合わせを容易に行うことができる。
【0081】
―変形例―
(1)変形例A
第1実施形態では、保持部23bは、プラテンローラ23c及びプラテンプレート23dの一方を保持する。しかし、保持部23bは、プラテンローラ23c及びプラテンプレート23dの両方を保持してもよい。
【0082】
図10,11は、図4,5と同様の図であって、本変形例のフィルム供給ユニット4の概略的な構成を示す側面図である。図10は、連続モード時の構成を表す。図11は、間欠モード時の構成を表す。
【0083】
本変形例では、プラテンローラ23c及びプラテンプレート23dは、それぞれ、保持部23bの両端部に保持されている。保持部23bは、製袋包装機1の動作モードに応じて、プラテンローラ23c及びプラテンプレート23dが保持されている位置が変更可能なように構成されている。図10の連続モード時では、プラテンローラ23cは、印字ヘッド23aと対向している位置に保持され、プラテンプレート23dは、印字ヘッド23aから離れている位置に保持されている。図11の間欠モード時では、プラテンプレート23dは、印字ヘッド23aと対向している位置に保持され、プラテンローラ23cは、印字ヘッド23aから離れている位置に保持されている。製袋包装機1の操作者は、動作モードを切り替える際に、保持部23bからプラテンローラ23c及びプラテンプレート23dを取り外す。そして、操作者は、動作モードの切り替え前後において、プラテンローラ23c及びプラテンプレート23dが保持されている位置が交換されるように、保持部23bにプラテンローラ23c及びプラテンプレート23dを取り付ける。
【0084】
保持部23bは、フィルム供給ユニット4に固定されてもよく、また、フィルム供給ユニット4に対して着脱可能に構成されていてもよい。保持部23bがフィルム供給ユニット4に対して着脱可能である場合、製袋包装機1の操作者は、動作モードを切り替える際に、保持部23bの向きを入れ替えるだけでよい。この場合、製袋包装機1の操作者は、プラテンローラ23c及びプラテンプレート23dに触れることなく、プラテンローラ23c及びプラテンプレート23dが保持されている位置を入れ替えることができる。
【0085】
(2)変形例B
第2実施形態では、切り替え部123bは、プラテンローラ123c及びプラテンプレート123dの少なくとも1つを動かすことで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替える構成を有する。しかし、切り替え部123bは、プラテンローラ123c及びプラテンプレート123dを動かす代わりに、印字ヘッド123aを動かすことで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替える構成を有してもよい。次に、切り替え部123bの構成の具体例について説明する。
【0086】
図12,13は、図4,5と同様の図であって、本変形例のフィルム供給ユニット4の概略的な構成を示す側面図である。図12は、連続モード時の構成を表す。図13は、間欠モード時の構成を表す。
【0087】
本変形例では、図12,13に示されるように、切り替え部123bは、印字ヘッド123aを保持している部材である。プラテンローラ123c及びプラテンプレート123dの位置は固定されている。切り替え部123bは、図12に示される第1印字状態における印字ヘッド123aの位置と、図13に示される第2印字状態における印字ヘッド123aの位置との間を移動可能なように構成されている。製袋包装機1の操作者は、切り替え部123bを移動させて印字ヘッド123aをフィルムFに沿って動かすことで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替えることができる。
【0088】
(3)変形例C
第2実施形態では、切り替え部123bは、プラテンローラ123c及びプラテンプレート123dの少なくとも1つを動かすことで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替える構成を有する。しかし、切り替え部123bは、フィードローラ25,26をさらに動かすことで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替える構成を有してもよい。製袋包装機1の操作者は、動作モードの切り替え時において、切り替え部123bを操作することで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替えることができる。
【0089】
(4)変形例D
第2実施形態では、製袋包装機1の操作者は、動作モードの切り替え時において、切り替え部123bを手動で移動させることで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替えることができる。しかし、切り替え部123bは、エアシリンダー等の駆動機構によって移動可能なように構成されていてもよい。この場合、製袋包装機1は、切り替え部123bを手動で移動させることなく、第1印字状態と第2印字状態とを切り替えることができるように構成されていてもよい。具体的には、製袋包装機1は、操作者が操作スイッチ5又は液晶ディスプレイ6を操作することで、第1印字状態と第2印字状態とを切り替えることができるように構成されてもよい。この場合、例えば、操作スイッチ5は、製袋包装機1の動作モードの切り替え用のスイッチを含んでもよく、液晶ディスプレイ6は、製袋包装機1の動作モードの切り替え用の画面を表示するタッチパネルであってもよい。
【0090】
(5)変形例E
第1及び第2実施形態では、製袋包装機1は、プラテンローラ23c,123c及びプラテンプレート23d,123dの2種類のプラテンを使用する。しかし、本発明は、3種類以上のプラテンを使用する製袋包装機1にも適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
10 製袋包装機
23a 印字ヘッド(印字部)
23b 保持部
23c プラテンローラ(第1受け部)
23d プラテンプレート(第2受け部)
25 第1フィードローラ(搬送ローラ)
123a 印字ヘッド(印字部)
123b 切り替え部
123c プラテンローラ(第1受け部)
123d プラテンプレート(第2受け部)
B 袋
C 被包装物(物品)
F フィルム(包材)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【文献】特開2012-136270号公報
図1
図2
図3
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図5
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図10
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図13