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▶ オーロラ フライト サイエンシズ コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】適応検知・回避システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/04 20060101AFI20241219BHJP
   G05D 1/46 20240101ALI20241219BHJP
   B64C 13/20 20060101ALI20241219BHJP
   B64D 45/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G08G5/04 A
G05D1/46
B64C13/20 B
B64D45/00 A
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019181895
(22)【出願日】2019-10-02
(65)【公開番号】P2020098567
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】16/159,397
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500461860
【氏名又は名称】オーロラ フライト サイエンシズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン-タウンゼント, ティモシー
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-501475(JP,A)
【文献】特開2018-144772(JP,A)
【文献】特開平11-023711(JP,A)
【文献】特表2018-506700(JP,A)
【文献】国際公開第2017/013858(WO,A1)
【文献】特開2016-156973(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0032040(US,A1)
【文献】米国特許第05557278(US,A)
【文献】特表2009-515271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 5/04
G05D 1/46
B64C 13/20
B64D 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境内で航空輸送体(100)と共に使用される適応検知・回避システムであって、
飛行コントローラ(126)及びメモリデバイス(128)に動作可能に接続されたプロセッサ、
前記航空輸送体(100)に接続された複数のセンサ(110、140c、226)であって、それぞれが前記環境内で障害物の位置を反映したセンサデータを生成するように構成された、複数のセンサ(110、140c、226)、
前記プロセッサ及び前記複数のセンサ(110、140c、226)に動作可能に接続された障害物検出回路(202)であって、前記複数のセンサ(110、140c、226)のそれぞれからの前記センサデータを混合して、前記環境内の障害物を特定し、前記環境内の前記障害物の位置の最良の推定値を反映する障害物情報を生成するように構成された、障害物検出回路(202)、並びに
前記障害物検出回路(202)及び前記プロセッサに動作可能に接続された回避飛翔経路回路を備え、
前記障害物検出回路(202)が、
(i)前記航空輸送体(100)の現在の状態及び前記環境の条件に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のセンサ(110、140c、226)のそれぞれに対するセンサモードを設定し、
(ii)センサの種類、前記航空輸送体(100)の前記現在の状態、及び前記環境の前記条件に応じて、前記複数のセンサ(110、140c、226)のそれぞれからの前記センサデータに重みを割り当てるように構成され、協働する障害物センサからのセンサデータに第1の重みが割り当てられ、協働しない障害物センサからのセンサデータに第2の重みが割り当てられ、
前記障害物検出回路(202)が、
(i)前記障害物情報及び1以上のデータベース(108、224)からの情報に応じて、飛翔経路データを計算し、
(ii)前記飛翔経路データを前記飛行コントローラ(126)に通信するように構成されている、適応検知・回避システム。
【請求項2】
前記1以上のデータベース(108、224)が、(i)前記環境向けに画定された合法空域を反映した空域データの空域データベース(224a)、(ii)前記環境における環境要因を反映した環境データの環境データベース(224b)、及び(iii)前記環境の地形特性を反映した地形データの地形データベース(224c)を備える、請求項1に記載の適応検知・回避システム。
【請求項3】
前記障害物検出回路(202)が、前記空域データに応じて、前記第1の重み及び前記第2の重みを割り当てるように構成されている、請求項2に記載の適応検知・回避システム。
【請求項4】
記第1の重みが前記第2の重みより大きい、請求項2に記載の適応検知・回避システム。
【請求項5】
前記障害物検出回路(202)が、前記環境データに応じて、前記第1の重み及び前記第2の重みを割り当てるように構成されている、請求項2に記載の適応検知・回避システム。
【請求項6】
前記障害物検出回路(202)が、前記空域データ、前記環境データ、及び前記地形データのそれぞれに応じて、動的に障害物を特定するように構成されている、請求項2に記載の適応検知・回避システム。
【請求項7】
前記回避飛翔経路回路が、前記空域データ、前記環境データ、及び前記地形データのうちの少なくとも1つに応じて、動的に飛翔経路データを計算するように構成されている、請求項2から6のいずれか一項に記載の適応検知・回避システム。
【請求項8】
前記適応検知・回避システムが、前記適応検知・回避システムと人間のオペレータとの間の制御及び通信インターフェースを提供するために、人間機械インターフェースと通信可能に接続されている、請求項2から7のいずれか一項に記載の適応検知・回避システム。
【請求項9】
環境内で航空輸送体(100)をナビゲートするための方法であって、
飛行コントローラ(126)と1以上のデータベース(108、224)を有するメモリデバイス(128)とに動作可能に接続された、プロセッサによって、前記航空輸送体(100)及び前記環境の状態を特定すること、
前記環境内の障害物の位置を反映したセンサデータを生成するように構成された複数のセンサ(110、140c、226)のそれぞれに対して、前記航空輸送体(100)及び前記環境の前記状態に少なくとも部分的に基づいてセンサモードを設定すること、
前記プロセッサに動作可能に接続された障害物検出回路(202)によって、前記航空輸送体(100)及び前記環境の前記状態に応じて前記複数のセンサ(110、140c、226)のそれぞれからの前記センサデータに重みを割り当てることであって、協働する障害物センサからのセンサデータに第1の重みが割り当てられ、協働しない障害物センサからのセンサデータに第2の重みが割り当てられる、こと
前記障害物検出回路(202)によって、前記環境内の前記障害物の位置に対する最良の推定値を反映した障害物情報を生成すること、
前記プロセッサによって、前記航空輸送体(100)及び前記環境の前記状態をモニタすること、
前記航空輸送体(100)に課される任意の飛行の制約を特定するために、前記1以上のデータベース(108、224)に問い合わせること、
前記プロセッサに動作可能に接続された回避飛翔経路回路によって、前記障害物情報及び前記1以上のデータベース(108、224)に応じて前記航空輸送体(100)向けの飛翔経路命令を計算すること、並びに
前記飛翔経路命令を前記飛行コントローラ(126)に通信することを含む、方法。
【請求項10】
前記1以上のデータベース(108、224)が、(i)前記環境向けに画定された合法空域を反映した空域データの空域データベース(224a)、(ii)前記環境における環境要因を反映した環境データの環境データベース(224b)、及び(iii)前記環境の地形特性を反映した地形データの地形データベース(224c)を備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記割り当てるステップの間に、前記障害物検出回路(202)が、前記空域データに応じて、前記第1の重み及び前記第2の重みを割り当てる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
記第1の重みが前記第2の重みより大きい、請求項10から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記割り当てるステップの間に、前記障害物検出回路(202)が、前記環境データに応じて、前記第1の重み及び前記第2の重みを割り当てるように構成されている、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記障害物情報を生成するステップの間に、前記障害物検出回路(202)が、前記空域データ、前記環境データ、及び前記地形データのそれぞれに応じて、動的に障害物を特定するように構成されている、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記飛翔経路命令を計算するステップの間に、前記回避飛翔経路回路が、前記空域データ、前記環境データ、及び前記地形データのうちの少なくとも1つに応じて、動的に飛翔経路データを計算するように構成されている、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飛行制御システム、方法、及び装置の分野に関し、特に、他の飛行輸送体を含む障害物を検出し、かかる障害物の周りで輸送体を自動的にナビゲートするための、システム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無人航空輸送体(UAV)及び無人航空システム(UAS)の使用は、近年増えている。UAV及びSUASは、軍事及び民間の両方の用途を含む広く様々な用途で採用されている。したがって、UASの自律性を改善するために継続的な研究が行われている。しばしば、そのような研究努力は、とりわけ、(1)遠隔の人間による制御を支援するための所与の輸送体の自動的な飛行制御、(2)所与の輸送体又は輸送体の組に対して、どのように作業が命令され且つ/又は割り当てられるかを決定するための、最適化システム(及び関連した方法)、並びに(3)自動経路計画、着陸、及び他の動作の支援における、自動的なリアルタイムのデータ処理及び利用を含む、UAV/UAS動作の複数の態様に対処するものである。
【0003】
UAV技術を含む航空機の技術は、諜報、監視、偵察、及びペイロード搬送を含むミッションプロファイル用の貴重なツールである。動作の際に、航空機は、航空機の空域内で大きい及び小さい両方の障害物と遭遇し得る。それらの障害物は、固定されているかもしれないし移動しているかもしれず、それらの位置は予め知られていないことがある。航空機内での障害物の検出及び回避の従来の形態は、航空機が別の航空機などの障害物との衝突コースにないことを確認するために、航空機の外側を見るという極めて重要な作業を行うパイロットに依存している。操縦室から外を見る人間のパイロットがいないので、UAVは、人間によるか、無人か、又は天然の物体(例えば、木々や山々など)であるかにかかわらず、他の航空交通を検出し回避することを保証できない。全地球測位システム(「GPS」)によって提供される位置データと組み合わされる障害物データベースを含む、航空機が障害物に衝突することを防止するための既存の技術は、しばしば、不十分なものである。何故ならば、多くの障害物(殊に移動している障害物)はデータベースに含まれないことがあるからであり、GPSの精度性能は、高度や地形に依存して、環境にわたり広く変動するからである。
【0004】
しかし、民間航空機産業は、航空機衝突防止装置(「TCAS」)を衝突回避の標準として採用した。それは、協働する航空機が互いの位置を特定し衝突を回避することを可能にする。協働する航空機は、協働するセンサを用いて協働することができる航空機を指す。例えば、協働する航空機は、モードS若しくはモードCのトランスポンダ、自動従属監視‐放送(ADS-B)などの、TCAS(TCAS II又はより早い世代)が装備されてよく、又は代替的に、ADS-Bなどの他のエミッション及びスクイッターメッセージを使用し得る。TCASは、UAVに対する障害物を検出及び回避する問題に対する解決策を提供するが、TCASは、各UAVと障害物がトランスポンダを含む場合にのみ、この目的を達成することができる。言い換えると、協働する目標(target)は、無線を介して(例えば、ADS-B又は他の方法を使用して)他の航空機に、その位置及び機首方位(例えば、GPS位置及び速度ベクトル)を送るが、協働しない障害物は、他者(多回転翼航空機、一般の航空機、グライダー、鳥など)に位置及び機首方位の情報を送らない。更に、協働しない障害物を検出及び回避するように設計された現在の飛行制御システムは、邪魔な障害物を追跡するために高価なレーダーアレイを利用し、概して、大きなスケールの航空機においてのみ使用される。
【0005】
協働するシステムは、トランスポンダ(例えば、ADS-B)を有する航空交通を検出するのに有用であるが、トランスポンダがない協働しない交通を検出することは、非常に困難である。協働しない目標向けの小さいレーダー、カメラベースの視覚システム、及び他の検出センサを利用する試みが、行われ継続している。したがって、進歩している中でも、検知及び回避能力を有する既存の自律システムは改善され得る。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、飛行制御システム、方法、及び装置の分野に関し、特に、静止障害物及び/又は移動障害物を検出し、静止障害物及び/又は移動障害物の周りで自動的にナビゲートするためのシステム、方法、及び装置に関する。
【0007】
第1の態様によれば、環境内で航空輸送体と共に使用される適応検知・回避システムが、飛行コントローラ及びメモリデバイスに動作可能に接続されたプロセッサであって、メモリデバイスが、航空輸送体に課される飛行の制約を反映した1以上のデータベースを備える、プロセッサ、航空輸送体に接続された複数のセンサであって、それぞれが環境内で障害物の位置を反映したセンサデータを生成するように構成された、複数のセンサ、プロセッサ及び複数のセンサに動作可能に接続された障害物検出回路であって、複数のセンサのそれぞれからのセンサデータを混合して、環境内の障害物を特定し、環境内の障害物の位置の最良の推定値を反映する障害物情報を生成するように構成された、障害物検出回路、並びに障害物検出回路及びプロセッサに動作可能に接続された回避飛翔経路回路を備え、障害物検出回路が、(i)航空輸送体の現在の状態及び環境の条件に少なくとも部分的に基づいて、複数のセンサのそれぞれに対するセンサモードを設定し、(ii)センサの種類、航空輸送体の現在の状態、及び環境の条件に応じて、複数のセンサのそれぞれからのセンサデータに重みを割り当てるように構成され、障害物検出回路が、(i)障害物情報及び1以上のデータベースからの情報に応じて、飛翔経路データを計算し、(ii)飛翔経路データを飛行コントローラに通信するように構成されている。
【0008】
第2の態様によれば、環境内で航空輸送体をナビゲートするための方法が、飛行コントローラと1以上のデータベースを有するメモリデバイスとに動作可能に接続された、プロセッサによって、航空輸送体及び環境の状態を特定すること、環境内の障害物の位置を反映したセンサデータを生成するように構成された複数のセンサのそれぞれに対して、航空輸送体及び環境の状態に少なくとも部分的に基づいてセンサモードを設定すること、プロセッサに動作可能に接続された障害物検出回路によって、航空輸送体及び環境の状態に応じて複数のセンサのそれぞれからのセンサデータに重みを割り当てること、障害物検出回路によって、環境内の障害物の位置に対する最良の推定値を反映した障害物情報を生成すること、プロセッサによって、航空輸送体及び環境の状態をモニタすること、航空輸送体に課される任意の飛行の制約を特定するために、1以上のデータベースに問い合わせること、プロセッサに動作可能に接続された回避飛翔経路回路によって、障害物情報及び1以上のデータベースに応じて航空輸送体向けの飛翔経路命令を計算すること、並びに飛翔経路命令を飛行コントローラに通信することを含む。
【0009】
第3の態様によれば、航空輸送体が、飛行コントローラ、飛行コントローラ及びメモリデバイスに動作可能に接続されたプロセッサであって、メモリデバイスが、(i)環境向けに画定された合法空域を反映した空域データの空域データベース、(ii)環境における環境要因を反映した環境データの環境データベース、及び(iii)環境の地形特性を反映した地形データの地形データベースを備える、プロセッサ、環境内の障害物の位置を反映したセンサデータを生成するように構成された複数のセンサ、プロセッサ及び複数のセンサに動作可能に接続された障害物検出回路であって、複数のセンサのそれぞれからのセンサデータを混合して、環境内の障害物を特定し、環境内の障害物の位置の最良の推定値を反映する障害物情報を生成するように構成された、障害物回路、並びに障害物検出回路及びプロセッサに動作可能に接続された回避飛翔経路回路を備え、障害物回路が、(i)航空輸送体の現在の状態及び環境の条件に少なくとも部分的に基づいて、複数のセンサのそれぞれに対するセンサモードを設定し、(ii)センサの種類、航空輸送体の現在の状態、及び環境の条件に応じて、複数のセンサのそれぞれからのセンサデータに重みを割り当てるように構成され、障害物検出回路が、障害物情報及び1以上のデータベースからの情報に応じて、飛翔経路データを計算し、(ii)飛翔経路データを飛行コントローラに通信するように構成されている。
【0010】
特定の態様では、1以上のデータベースが、(i)環境向けに画定された合法空域を反映した空域データの空域データベース、(ii)環境における環境要因を反映した環境データの環境データベース、及び(iii)環境の地形特性を反映した地形データの地形データベースを備える。
【0011】
特定の態様では、障害物検出回路が、空域データに応じて、第1のセンサからのセンサデータに第1の重みを割り当て、第2のセンサからのセンサデータに第2の重みを割り当てるように構成されている。
【0012】
特定の態様では、障害物検出回路が、空域データに応じて、協働するセンサからのセンサデータに第1の重みを割り当て、協働しないセンサからのセンサデータに第2の重みを割り当てるように構成され、第1の重みが第2の重みより大きい。
【0013】
特定の態様では、障害物検出回路が、環境データに応じて、第1のセンサからのセンサデータに第1の重みを割り当て、第2のセンサからのセンサデータに第2の重みを割り当てるように構成されている。
【0014】
特定の態様では、障害物検出回路が、環境データが環境における不十分な視認性を反映するときに、視覚センサからのセンサデータにより低い重みを割り当てるように構成されている。
【0015】
特定の態様では、障害物検出回路が、空域データ、環境データ、及び地形データのそれぞれに応じて、動的に障害物を特定するように構成されている。
【0016】
特定の態様では、回避飛翔経路回路が、空域データ、環境データ、及び地形データのうちの少なくとも1つに応じて、動的に飛翔経路データを計算するように構成されている。
【0017】
特定の態様では、適応検知・回避システムが、適応検知・回避システムと人間のオペレータとの間の制御及び通信インターフェースを提供するために、人間機械(human-machine)インターフェースと通信可能に接続されている。
【0018】
特定の態様では、航空輸送体が多回転翼航空機である。
【0019】
特定の態様では、航空輸送体が固定翼航空機である。
【0020】
特定の態様では、複数のセンサが、少なくとも1つの協働するセンサ及び少なくとも1つの協働しないセンサを備える。
【0021】
特定の態様では、少なくとも1つの協働するセンサが、ADS-B、TCAS、又はTASプロトコルのうちの少なくとも1つを使用して通信するように構成された、無線周波数トランシーバーを備える。
【0022】
特定の態様では、少なくとも1つの協働しないセンサが、レーダーベースシステム、電気光学システム、赤外線システム、音響システム、又は視覚ベースシステムのうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
特定の態様では、少なくとも1つの協働しないセンサが、音響システム及び視覚ベースシステムを備える。
【0024】
特定の態様では、障害物情報が、障害物の速度又はアイデンティティーを反映する。
【0025】
本開示のこれらの利点及び他の利点は、以下の明細書と添付の図面を参照することによって、容易に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1a図1a及び図1bは、それぞれ、例示的な多回転翼航空機と例示的な固定翼航空機の図を示す。
図1b図1a及び図1bは、それぞれ、例示的な多回転翼航空機と例示的な固定翼航空機の図を示す。
図1c図1a及び/又は図1bの航空機向けの例示的な飛行制御システムのブロック図を示す。
図2a図2aから図2cは、障害物の自動的な検出及び回避向けの適応検知・回避(ASA)システムを示す。
図2b図2aから図2cは、障害物の自動的な検出及び回避向けの適応検知・回避(ASA)システムを示す。
図2c図2aから図2cは、障害物の自動的な検出及び回避向けの適応検知・回避(ASA)システムを示す。
図3】ASAシステムが装備された航空機を動作させるための例示的な航行方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の好適な実施形態が、添付の図面を参照しながら以下で説明されることとなる。図面における構成要素は必ずしも正確な縮尺で描かれておらず、むしろ、本発明の原理を明確に示すことに重点が置かれている。例えば、要素のサイズは、説明の明快さ及び利便性のために強調され得る。更に、可能な場合には、一実施形態の同じ又は類似の部品に言及するのに、図面全体を通して同じ参照番号を使用する。以下の記載では、周知の機能及び説明は詳細には記載されない。なぜならばそれらは、不必要な詳細によって本開示を不明確にし得るからである。明細書中の如何なる言葉も、実施形態の実施に必須である請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0028】
本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中の他のところで示されない限り、範囲内に入る任意の及び全ての値を個別に参照することを制限するものではなく、そのような範囲内の各個別の値は、本明細書で個別に挙げられているように本明細書の中に組み込まれる。「約」、「近似的に」などの用語は、数値に付随しているときに、意図された目的のために満足に動作すると当業者によって認められた偏差を示すものと解釈されるべきである。値及び/又は数値の範囲は、例示的なものとしてのみ本明細書で提供され、説明される実施形態の範囲の限定を構成しない。本明細書で提供される任意の実施例又は例示的な言語(「例えば」、「などの」など)の使用は、単に優れて実施形態を示すことを意図するのみであり、実施形態の範囲を限定するものではない。明細書中の如何なる言葉も、実施形態の実施に必須である請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0029】
以下の説明における、「第1(first)」「第2(second)」「上部(top)」、「底部(bottom)」、「側部(side)」、「前方(front)」、「前方の(frontal)」、「後方(back)」などといった語は、利便性のための語であり、限定のための語であると解釈すべきではない。本明細書で提供される様々なデータ値(例えば、ボルト、秒など)は、1以上の他の所定のデータ値によって代替され、したがって、限定的なものではなくむしろ例示的なものとして見られるべきである。本開示に対して、以下の用語と定義が適用される。
【0030】
「航空輸送体」及び「航空機」という用語は、限定しないが、固定翼航空機、無人航空機、可変翼機、及び垂直離着陸(VTOL)航空機を含む、飛行が可能な機械を指す。
【0031】
「及び/又は」という用語は、「及び/又は」によって接合されるリスト内の項目の任意の1以上を意味する。一実施例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x)、(y)、(x、y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えると、「x及び/又はy」は、「xとyのうちの一方又は両方」を意味する。別の一実施例として、「x、y、及び/又はz」は、7つの要素の組{(x)、(y)、(z)、(x、y)、(x、z)、(y、z)、(x、y、z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えると、「x、y、及び/又はy」は、「x、y、及びzのうちの1以上」を意味する。
【0032】
「回路」及び「電気回路」という用語は、物理的電子部品(すなわち、ハードウェア)、並びに、ハードウェアを構成し、ハードウェアによって実行され、且つ/又はさもなければハードウェアに関連し得る、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)を指す。本明細書で使用される際に、例えば、特定のプロセッサ及びメモリは、コードの1以上のラインの第1の組を実行するときに第1の「回路」を備え、コードの1以上のラインの第2の組を実行するときに第2の「回路」を備え得る。本明細書で使用される際に、(例えば、ユーザが構成可能な設定、工場での調整などによって)機能の実行が不可能であるか又は可能でないか否かに関わりなく、回路が機能を実行するために必要なハードウェア及び(もし必要ならば)コードを備えるときはいつでも、回路は、機能を実行するために「動作可能」である。
【0033】
「伝達する」及び「通信する」という用語は、(1)データを発信元から送付先へ送信若しくは他の方法で伝えること、並びに/又は、(2)データを送付先へ伝えるために、通信媒体、システム、チャネル、ネットワーク、装置、回線、ケーブル、ファイバー、回路、及び/若しくはリンクに送達することの、両方を意味する。
【0034】
本明細書で使用される際に、「に接続される」及び「と接続される」という用語は、各々、2以上のデバイス、装置、ファイル、要素、機能、動作、プロセス、プログラム、媒体、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、及び/又は手段の間の関係性を意味する。その関係性は、(i)直接的にか又は1以上の他のデバイス、装置、ファイル、回路、要素、機能、動作、プロセス、プログラム、媒体、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、又は手段を介してかに関わらず、接続、(ii)直接的にか又は1以上の他のデバイス、装置、ファイル、回路、要素、機能、動作、プロセス、プログラム、媒体、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、又は手段を介してかにかからわず、通信関係、並びに/又は(iii)任意の1以上のデバイス、装置、ファイル、要素、機能、動作、プロセス、プログラム、媒体、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、又は手段の動作が、全体的に又は部分的に、それらのうちの任意の他の1以上の動作に応じる、機能的な関係のうちの任意の1以上を構成する。
【0035】
本明細書で使用される際に「データ」という用語は、恒久的であるか又は一時的であるかに関わらず、視覚的、聴覚的、音響的、電気的、磁気的、電磁的、又はさもなければ明示されたかに関わらず、しるし、信号、マーク、シンボル、ドメイン、シンボルセット、表現、及び情報を表す任意の他の物理的形態(複数可)を意味する。「データ」という用語は、異なる物理的形態(複数可)を採る対応する情報の任意の及び全ての表現を包含する、1つの物理的形態を採る所定の情報を表すために使用され得る。
【0036】
本明細書で使用される際に「データベース」という用語は、データ又はデータの組織化された本体が表現されるやり方に関わりなく、関連するデータの組織化された本体を意味する。例えば、関連するデータの組織化された本体は、表、マップ、グリッド、パケット、データグラム、フレーム、ファイル、Eメール、メッセージ、文書、レポート、リスト、又は任意の他の形態のうちの1以上の形態を採り得る。
【0037】
「例示的な」という用語は、「実施例、事例、又は例示として働く」ことを意味する。本明細書で説明される実施形態は、限定的ではなく、むしろ例示的のみである。説明される実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好適であり又は有利であると解釈されないことが、理解されるべきである。更に、「本発明の実施形態」、「実施形態」、又は「発明」という用語は、本発明の全ての実施形態が、説明された特徴、利点、又は動作のモードを含むことを必要としない。
【0038】
「メモリデバイス」という用語は、プロセッサによって使用されるために情報を記憶するコンピュータハードウェア又は回路を意味する。メモリデバイスは、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CDROM)、電気光学メモリ、磁気光学メモリ、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、コンピュータ可読媒体などの、任意の適切な種類のコンピュータメモリ又は任意の他の種類の電子記憶媒体であり得る。
【0039】
本明細書で使用される際に、「ネットワーク」という用語は、インターネットを含む全ての種類のネットワークと相互間ネットワークの両方を含み、任意の特定のネットワーク又は相互間ネットワークに限定されない。
【0040】
「プロセッサ」という用語は、ハードウェアに実装されていてもソフトウェアに明白に具現化されていても又はそれらの両方でも、それがプログラム可能であってもそうではなくても、プロセッサデバイス、装置、プログラム、回路、構成要素、システム、及びサブシステムを意味する。「プロセッサ」という用語は、1以上のコンピュータデバイス、配線回路、信号修正デバイス及びシステム、システムを制御するためのデバイス及び機械、中央処理装置、プログラマブルデバイス及びシステム、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、チップ上のシステム、離散した要素及び/又は回路を備えたシステム、状態機械、仮想機械、データプロセッサ、処理設備、並びにそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されるものではない。例えば、プロセッサは、任意の種類の汎用マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ、デジタル信号処理(DSP)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)であり得る。プロセッサは、メモリデバイスに接続され又はメモリデバイスと統合され得る。
【0041】
本明細書で開示されるのは、静止している及び/又は移動している障害物を検出し、それらの周りで自動的にナビゲートするためのシステム、方法、及び装置である。UAV、殊に戦術の又はMALEクラスのUAVは、ミッションを実行するときに非常に異なる環境で飛行することができ、結果として、検知及び回避センサの種類と、種々の環境における理想的な挙動とに影響を与え得る。例えば、UAVは、ミッション又は天候要因に依存して、比較的高い高度(地上から15,000フィートの高さまで)を飛行し、又は比較的低い高度(地上から1,000フィートの高さまで)に下降することができる。殊により低い高さでは、次いで、近傍の地形が平坦であるか、丘陵に富んでいるか、又は山が多いかどうかに応じて、地形もより大きな役割を演じることがある。これらのUAVも、種々の種類の空域内で動作することができる。同じ種類の検知及び回避センシング及び反応は、異なる種類の空域に対して適切ではないことがある。例えば、レーダー監視の下での高高度空域内では、協働しない障害物の可能性は低くなるが、より低い高度では、これらの目標(target)が最も高い危険性を有するだろう。したがって、本開示の検知及び回避システムは、輸送体が航行している高度、地理的エリア、及び/又は空域に応じて、センサの融合(例えば、混合)を適応させる。先行のシステムを超える本開示の適応検知・回避システムの利点は、適応検知・回避システムが、種々の高度範囲、空域、及び他の文脈に対してUAVの動作を最適化し、それによって、誤警報などの逸脱を最小化しながら最高の安全性を提供することである。
【0042】
図1a及び図1bは、適応検知・回避システムと共に使用される例示的な航空輸送体100、すなわち、多回転翼航空輸送体100a及び固定翼航空輸送体100bの斜視図を示している。より具体的には、図1aが、垂直離着陸できる(クワッドコプターとして示されている)例示的な自律的多回転翼航空機100aを示し、一方で、図1bが、固定翼航空機100bを示している。何れの場合でも、航空輸送体100は、機体102(例えば、胴体若しくはシャーシ)、着陸装置104、飛行制御システム120(図1cでより良く示されている)、及び揚力又は推力を提供するための1以上の推力生成器106(例えば、プロペラに動作可能に連結されたタービン、モータ108、又はエンジン118など)を備えてよい。飛行制御システム120は、少なくとも部分的に電子モジュール内に収容されてよい。電子モジュールは、機体102に統合されてよく、分離したハウジング若しくはポッドを介して設けられてよく、又はそれらの組み合わせであってよい。多回転翼航空輸送体100aの場合では、推力生成器106が、複数のローターブーム112を介して機体102に連結されてよい。固定翼航空機100bの場合では、1以上の固定翼114が、機体102に連結されてよい。1以上の固定翼114は、機体102とは異なってもよいが、固定翼航空機100bは、代わりに、融合された翼又は全翼構成として構成されてよい。
【0043】
構成にかかわらず、航空輸送体100は、反響定位センサなどの1以上のセンサ110(例えば、諜報、監視、及び偵察(ISR)ペイロード140の部分として、又はそれから分離された)を備えてよい。反響定位センサは、概して、可聴周波数を環境の中に放出すること、及び、障害物から反響定位センサの近くに戻る可聴周波数の任意の反響を検出することによって機能する。反響の強度及び/又は反響戻りの方向を使用して、その反響は、障害物を見つける且つ/又は特定するために使用されてよい。今度は、(特定された)障害物が、1以上の障害物との衝突を避けるように航空輸送体に方向を変更させてよい。しかし、センサ110は、反響定位センサに限定されるものではなく、とりわけ、非限定的に、カメラ、レーダー、LIDARなどを含む、当該技術分野で知られている又は当該技術分野で知られることとなる、任意の視覚ベースセンサ又は音響センサを含んでよい。一態様では、カメラを使用して、オプティカルフロー(optical flow)などの3次元再構築技術を通じてより大きな物体を特定することができる。これが、自律的航行のための有用な情報を提供し得る一方で、光学撮像に関連した処理待ち時間、並びに様々な種類の物体の可視性に対する感度は、輸送体の飛行線内にある小さい急速に接近してくる物体を検出するための光学検知技術の利用性を制限し得る。したがって、反響定位を使用して、視覚検知システムを補足することができる。
【0044】
センサ110は、航空輸送体の移動の方向にある視野を得るように位置決めされ、それによって、航空輸送体100の経路内の潜在的な障害物を特定することができる。例えば、単一のセンサ110(又はセンサ110の単一の群)は、航空輸送体100の経路内の衝突の脅威(例えば、妨害物又は障害物)を検出するように、航空輸送体100の前部に設けられてよい。センサ110を飛行線に向けて方向付けることにより、音響検出は、光学的検出を補足し、輸送体による即応性のある操縦の実行を誘発するべき緊急の妨害物を検出するために使用されてよい。一例として音響検出が提供されているが、実質的にあらゆる種類のセンサからの相互作用を使用又は混合することができる。更に、自律的多回転翼航空輸送体100aによって示されているように、複数のセンサ110(又はセンサの複数の群)は、航空輸送体100の外周(並びに/又は上及び下)に位置決めされてよく、航空輸送体100の上下のみならず、航空輸送体100の飛行線に方向付けられた視野を提供し、それによって、複数のセンサは、航空輸送体100を取り囲む環境をカバーすることができる。したがって、複数のセンサ110は、航空輸送体100が、航空輸送体100の任意の側の衝突の脅威を検出し、効果的に、航空輸送体100の周りの360度の視野を提供することを可能にする。
【0045】
音響センサの1つの目的は、直接に飛行経路(又は他の移動線)内ある障害物、特に、視覚検出又は他の技術を使用して検出されないかもしれない障害物の即時の検出を提供することであることが理解されるだろう。それに応じて、センサ110の1つの目的は、特定の方向(例えば、航空輸送体の任意の方向)にある障害物、特に、視覚検出又は他の技術を使用して確実に検出されないかもしれない障害物の即時の検出を提供することであることを理解されたい。反響定位アレイが良く動作する一方で、追加的に又は代替的に、レーザーベースの技術、又は光学的、音響的、無線周波数、若しくは他の検知様式を使用する任意の他の適切な技術などの、他のセンサシステムも、障害物の急速で正確な検出のために適切に採用されてよい。自律的な輸送体内に実装されるのに適切であり且つ妨害物を正確に素早く特定することができる任意のそのような技術は、本明細書で考慮されるシステム及び方法において反響定位センサの代わりに(又は補足するために)使用されてよい。例えば、適応検知・回避システムは、レーダーベースの又はLIDARシステムのみならず、視覚ベースセンサと音響ベースセンサの組み合わせを採用してよい。
【0046】
図1cは、航空輸送体100向けの例示的な飛行制御システム120のブロック図を示している。飛行制御システム120は、航空輸送体100の様々な構成要素及び機能を制御するように構成されてよい。図示されているように、飛行制御システム120は、少なくとも1つのメモリデバイス128、飛行コントローラ126、無線トランシーバー130、及び航法システム142に通信可能に接続された、1以上の航空機プロセッサ124を含む。航空機プロセッサ124は、メモリデバイス128(例えば、ハードドライブ、フラッシュメモリなど)に記憶された指示命令(例えば、ソフトウェア)及び1以上のデータベースに少なくとも部分的に基づいて、1以上の動作を実行するように構成されてよい。航空機制御システムは、飛行制御システム120と、遠隔デバイス138(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータなどの、携帯用電子機器)又は他のコントローラ(例えば、基地局)との間でデータを通信するための、アンテナ132に接続された無線トランシーバー130などの、他の所望の設備を更に含んでいてよい。飛行制御システム120は、無線トランシーバー130を介して別の航空輸送体100とも通信し、それによって、例えば、協働する動作を促進することができる。
【0047】
特定の態様では、飛行制御システム120が、ネットワーク134を経由して、遠隔デバイス138及び/又は別の航空輸送体100とデータ(処理済みデータ、未処理データなど)を通信することができる。特定の態様では、無線トランシーバー130が、長距離リンク、Cバンド、Ku/Kaバンド、2.4から2.485GHzまでの工業、科学、及び医療(ISM)帯域の短波長超高周波数(UHF)電波、Wi-Fi(例えば、米国電気電子学会(IEEE)802.11標準)などの、1以上の無線標準を使用して通信するように構成されてよい。遠隔デバイス138は、飛行制御システム120並びにISRペイロード140を含むその(1以上の)ペイロードのモニタ及び/又は制御を促進することができる。
【0048】
遠隔デバイス138は、ユーザ向けの制御及び通信インターフェースを提供することができる。遠隔デバイス138は、ユーザが、ASAシステム200をモニタし、誘導し、制御することを可能にする、管理器として動作するように構成可能であってよい。遠隔デバイス138を使用して、ユーザが、作業、制約を入力し、作業割り当てリストを改訂し、ソフトウェア/ファームウェアを更新することなどを可能にすることができる。遠隔デバイス138は、タッチスクリーン・グラフィカルユーザインターフェース(「GUI」)及び/又は会話認識システムを含んでよい。遠隔デバイス138は、例えば、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、又はそれらの組み合わせを採用することができる。遠隔デバイス138は、パイロットとASAシステム200との間の通信の一次チャネルとして働き、ユーザが、必要に応じて、ASAシステム200に作業を命令し、ASAシステム200からフィードバック又は指示命令を受け取ることを可能にする。遠隔デバイス138は、視覚的又は聴覚的警報を与えて、パイロットの注意を特定の警報に向けることができる。
【0049】
航空機プロセッサ124は、オペレータ、自動操縦装置、航法システム142、又は他の高レベルシステムからの、無線トランシーバー130を介した命令に応答して、様々なアクチュエータ(例えば、可動な飛行操縦翼面などの任意の飛行表面の動き及び固定を制御するもの)、電子モータ108(例えば、電子速度コントローラ(ESC)116を介して)、及び/又はエンジン118(例えば、エンジンコントローラ122を介して)の動作を制御するために、飛行コントローラ126と動作可能に接続されていてよい。特定の態様では、航空機プロセッサ124及び飛行コントローラ126が、単一の構成要素又は回路の中に統合されてよい。動作の際に、飛行コントローラ126は、航空輸送体100のロール、ピッチ、又はヨーを制御するために、(例えば、(場合によっては)ESC116又はエンジンコントローラ122を介して)飛行の様々な段階の間に、1以上の可動な飛行操縦翼面及び/又は推力生成器106からの推力を、動的に(すなわち、リアルタイムで又はリアルタイムに近く)且つ個別に調整することができる。ローターブレード付きのローター(例えば、プロペラ)が使用されているときに、飛行コントローラ126は、ローターの分当たりの回転数(RPM)を変更し、且つ/又は必要に応じてローターブレードのピッチを変更することができる。例えば、電気モータ108が、ESC116を介して、電源(例えば、バッテリパック又はバッテリバンク)から各電気モータに供給される電力を調整することによって制御されてよい。
【0050】
航空機プロセッサ124は、INS142b及び/又はIMU142cに通信可能に接続されたGPS142aを含み得る、航法システム142に動作可能に接続されていてよい。INS142b及び/又はIMU142cは、1以上のジャイロスコープ及び加速度計を含んでよい。GPS142aによって、INSソリューションをリセットするのに使うことができるか又はカルマンフィルタ(Kalman Filter)といった数学的アルゴリズムを使ってINSソリューションと混合することができる、完全に偏流(drift)のない位置の値が与えられる。航法システム142は、とりわけ、航空機プロセッサ124に慣性安定化データを通信することができる。
【0051】
データを収集し且つ/又はエリアをモニタするために、飛行制御システム120には、例えば、1以上のカメラ140a(例えば、光検出測距(LiDAR)デバイスを含む、画像及び/動画を記録又はキャプチャするための光学機器)、音響デバイス140b(例えば、マイクロフォン、反響定位センサなど)、及びISR機能を促進しISRデータ(例えば、写真、ビデオ、音響、センサ測定値など)を提供するための他のセンサ140cを備えた、ISRペイロード140などの、更なるセンサ110が装備されてよい。ISRペイロード140は、ISRペイロード140と航空機プロセッサ124との間のISRデータ(センサデータ)の通信を促進するために、航空機プロセッサ124と動作可能に接続されている。ISRデータを使用して、航空輸送体100をナビゲートし且つ/又はさもなければ飛行制御システム120を制御することができる。特定の態様では、ISRペイロード140が、例えば、下方の且つ/又は地上の物体をモニタするために、ISRペイロード140がより容易に下方へ方向付けられることを可能にするように、ジンバルシステムを介して機体102(又はローターブーム112や主翼114などの別の1つの構造的構成要素)の下側表面と回転可能且つ旋回可能に連結されてよい。データは、飛行制御システム120から無線トランシーバー130を介してネットワーク134経由で遠隔デバイス138へ動的若しくは周期的に通信されてよく、又は後のアクセス若しくは処理用にメモリデバイス128に記憶されてよい。
【0052】
以下で説明されるASAシステム200は、例えば、航空機プロセッサ124、メモリデバイス128、飛行コントローラ126、及びセンサ110を含む、既存のハードウェアを使用するように、飛行制御システム120に統合されてよい。この実施例では、ASAシステム200の特徴及びプロセスは、(例えば、遠隔デバイス138を介したメモリデバイス128に対する)ソフトウェア及び/又はファームウェアの更新を通じて、航空機100内に実装されてよい。別の一実施例では、ASAシステム200は、(例えば、図1cで示されている航空機プロセッサ124を介して)飛行制御システム120に通信可能に接続されたモジュールとして、航空機100に接続されてよい。
【0053】
図2aから図2cは、航空機100上で利用され得る、障害物(例えば、他の航空交通、構造物、天然の自然形成、動物など)の自動的な検出及び回避向けの適応検知・回避(ASA)システム200を示している。ASAシステム200は、航空機100が飛行している高度、地理的エリア、及び/又は空域に応じて、(例えば、動的に、すなわちリアルタイムで又はリアルタイムに近く)センサを融合する。ASAシステム200は、UAV航空機100上の既存のデータリンクを通じて地上の任意のオペレータ又は管理者に(例えば、ネットワーク136を経由して遠隔デバイス138に)、警告警報及びステータスを渡すように構成されてよい。動作の際に、ASAシステム200は、協働する及び/又は協働しない障害物を検出し、障害物及び/又は他の障害物との衝突を回避するために、自動回避操作を命令するように努める。ASAシステム200は、複数の障害物センサを相互に関連付け且つ混合して、環境内の(1以上の)障害物の(1以上の)位置及び(1以上の)種類の最も正確な推定値を生み出す。
【0054】
ASAセンサ200は、幾つかの利点を提供する。例えば、高度、地理的エリア、及び/又は空域に加えて、ASAシステム200は、一日のうちの時間帯、現在の天候、及び一年のうちの季節に応じて、センサの融合を更に適応させることができる。ホスト航空機に対する障害物の位置を精緻化するための種々のセンサの重み付け、及び警戒又は回避操縦に対する任意の優先度割り当てなどの、融合の複数のエリアが存在してよい。例えば、現在の位置(空域の種類)に応じて、障害物検出レーダーは、障害物検出向けにより高い優先度を与えられてよく、一方、視覚センサは無視されてよい。別の一実施例では、空港のターミナルエリアの内側にあるときに、協働するセンサ(例えば、ADS-Bデータ)は、重み付けに対して最も高い優先度が与えられてよく、視覚センサにはより低い優先度が与えられてよい。別の一実施例では、夏の間の動作の際に、ハンググライダー又は他の協働しない障害物で人気があると知られているエリア内で、そのような障害物用のセンサ(視覚センサや小さいレーダーなど)に優先度が与えられることになる。鳥の活動が活発であると予測される、場所、一日のうちの時間帯、又は一年のうちの季節において動作するときに、危険な鳥の障害物を検出することができるセンサにも、より高い優先度が与えられてよい。
【0055】
ASAシステム200を使用して、航空機100は、局所的な地形状態を考慮した自動的な障害物回避操縦を実行することができる。そのような操縦は、障害物を回避しながら地形との潜在的な衝突を避けることができる。したがって、ASAシステム200は、可能な衝突回避飛翔経路を決定するために使用され得る、航空機性能のモデルを採用することができる。そのような経路は上手くいくだろう。ASAシステム200は、障害物回避操縦を計算するときに、天候状態も考慮に入れることができる。例えば、ASAシステム200は、最適な飛翔経路を決定し、直近の気象災害を回避するときに、周囲の風又は密度高度を考慮することができる。
【0056】
図2aを参照すると、ASAシステム200は、起こり得る障害物の脅威のリストを生成するために、概して、障害物検出回路202、回避操縦飛翔経路回路204、1以上のデータベース224、及び障害物センサ226(例えば、1以上のセンサ110)を備えてよい。ASAシステム200は、航空機100の飛行コントローラシステム120と動作可能に接続されて(又は統合されて)よい。したがって、障害物検出回路202及び/又は回避操縦飛翔経路回路204は、外部GPS又は統合された(内部)GPS(例えば、GPS142a)からの位置データ、及び/又は航空機データシステム228からの航空機状態データ(例えば、高度、速度、Δ高度など)を受け取ることができる。位置データに加えて、ASAシステム200は、航空機データシステム228から航空機状態情報(例えば、高度、クライム速度、ピッチ角、バンク角、ヨー角、横滑りなど)を受け取ることができる。航空機データシステム228は、(例えば、飛行制御システム120の部分として)航空機100に統合されてよい。航空機データシステム228は、例えば、ジャイロスコープ及び/又は他の状態センサを備えてよい。
【0057】
脅威(例えば、潜在的な衝突脅威又は他の障害物)が検出されたときに、ASAシステム200は、航空機100の搭載型飛行制御システム120に飛翔経路命令を発信することができる。その命令は、航空機100に、回避飛翔経路(又は飛行経路)を実行するようにさせ(又は指示命令し)てよい。回避飛翔経路は、センサ110やISRペイロード140などからのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、リアルタイムで計算されてよい。ASAシステム200は、例えば、ネットワーク136などの航空機100上の既存のデータリンクを通じて、地上の基地局(GCS)230における遠隔デバイス138を介して、任意の地上のオペレータ又は管理者に警告警報及び状態情報を渡すこともできる。より具体的には、障害物検出回路202が、障害物警報をGCS230に送ることができる一方で、回避操縦飛翔経路回路204は、回避操縦情報をGCS230に送ることができる。
【0058】
例えば、複数の障害物センサ226は、協働する障害物(例えば、協働する送信器やトランシーバーを有する別の航空機)を検出するための協働する障害物センサ226a、及び/又は協働しない障害物を検出するための協働しない障害物センサ226bを備えてよい。協働する障害物センサ226aは、例えば、ADS-B、TCAS、TASなどを含む、様々なプロトコルのうちの1以上を使用して通信するように構成された、無線周波数トランシーバーを使用して、障害物(例えば、他の航空交通)を検出することができる。協働しない障害物センサ226bは、例えば、レーダーベースシステム、電気光学システム(例えば、LIDAR)、赤外線システム、音響システム、視覚ベースシステムなどを使用して、障害物(例えば、他の航空交通)を検出することができる。ある場合では、障害物センサ226が、起こり得る障害物の脅威のうちの1以上(又は全部)に、脅威レベル(優先度レベル)を割り当ててよく、他の場合では、そうではなく、代わりに他の障害物の位置情報を提供するだけである。例えば、位置情報は、GPS座標又は角度及び距離を含んでよい。障害物センサ226からの障害物情報は、目標障害物の速度及び/又は障害物の種類若しくはアイデンティティー(例えば、航空機、テールナンバー、鳥、サイズなど)についての情報も含んでよい。障害物センサ226として使用されるセンサ110の種類は、考慮されている航空機100の種類及びサイズ、並びにその航空機100の動作環境に応じてよい。
【0059】
メモリデバイス128に記憶され得る1以上のデータベース224は、航空機100に課される任意の飛行の制約を特定するために使用されてよい。その目的で、例えば、1以上のデータベース224は、空域データベース224a、環境データベース224b、地形データベース224cなどを備えてよい。1以上のデータベース224は、航空機100の現在の動作に対して予期されたよりも大きなエリアをカバーしてよいが、1以上のデータベース224は、必要に応じて、特定のエリア/環境に限定されてよい。ASAシステム200は、障害物センサ226又は別のセンサ110によってキャプチャされ得る、利用可能な最新のデータを反映するように、動的に1以上のデータベース224を更新してよい。(障害物センサ226及び任意の他のセンサ110と組み合わされる)1以上のデータベース224は、障害物の脅威を計算するために障害物検出回路202を支援する。脅威が検出されると、1以上のデータベース224は、飛翔経路に影響を与える空域、地形、及び/又は環境要因についての情報を提供することによって、回避操縦飛翔経路回路204を支援する。
【0060】
空域データベース224aは、空域及び航空の特徴を反映した空域データを含んでよい。空域データベース224aは、非限定的に、制御区域、交通管理エリア、途上の空域、制限されたエリア、禁止されたエリア、一時的な飛行制限、軍事演習エリアなどを含む、動作のエリア内で画定された合法空域の全ての種類についての詳細なデータを保有する。更に、確立された定期航空路及びアプローチ手順を反映したデータも含まれてよい。環境データベース224bは、現在の及び予期される天候、一日のうちの時間帯又は一年のうちの季節の局所的な影響などを含む、環境要因を反映した環境データを含んでよい。環境データベース224bは、非限定的に、障害物データ、予期された気候データ、現在及びペンディングの天候データ、及び人間の活動のデータ(所与の時間内の所与のエリア内で予期されるイベント又は活動)を含んでよい。最後に、地形データベース224cは、例えば、山頂、アンテナ塔、建物などの、特定の人工又は天然の特徴を含む、対地高度を反映した地形データを含んでよい。地形データベース224cは、動作のエリア内の地形についての詳細なデータを保有する。地形データベース224cは、現在の動作に対して予期されるよりも大きなエリアをカバーしてよく、又は特定のエリアに対するデータが必要に応じてロードされてよい。地形データベース224cは、精度のために、利用可能な最新のデータで航空機100によって更新されてよい。
【0061】
障害物検出回路202は、センサからの入力を使用して、障害物の最良の推定値(例えば、種類、位置、飛翔経路など)を特定することができる。障害物検出回路202を使用して、(例えば、内部アルゴリズムを使用して)複数のセンサからのデータを相互に関連付けて、障害物の位置を精緻化し、検出された障害物の脅威レベルを決定することができる。例えば、図示されているように、障害物検出回路202は、協働する障害物センサ226a及び/又は協働しない障害物センサ226bからのセンサ状態及び障害物情報を受け取ることができる。障害物検出回路202は、協働する障害物センサ226a及び/又は協働しない障害物センサ226bに、モード命令208を通信するようにも構成されてよい。モード命令208は、協働する障害物センサ226a及び/又は協働しない障害物センサ226bに、その動作のモードを変更させ、又はさもなければ調整させることができる。更に、特定の態様では、1以上の機械学習技術を、採用し使用して、(例えば、天候、時間帯、位置、高度などの、様々な状況及び環境内の)航空輸送体100に関連付けられる歴史的性能データに少なくとも部分的に基づいて、種々の種類のセンサからのセンサデータを融合させることができる。例えば、特定のセンサシステムが、特定の環境内で理想的ではないかもしれないときに、歴史的データは、にもかかわらずそのようなセンサシステムが、特定の環境状態に晒され又は他の種類のセンサに接続されたときに、特定の領域内で好ましい又は使用可能であることを示してよい。
【0062】
障害物検出回路202は、航空機データシステム228からの輸送体の位置についての情報を使用し、地理的、空域、及び環境要因のうちの1以上のデータベース224と比較して、障害物検出回路202を介して協働する障害物センサ226a及び/又は協働しない障害物センサ226bの重み付けを設定する。例えば、障害物検出回路202は、空域データベース224aからの空域データを使用して、種々の種類の規制された空域に関する航空機100の位置に基づいて、検出アルゴリズムを精緻化することができる。別の一実施例では、障害物検出回路202が、環境データベース224bからの環境データを使用して、一年のうちの季節、一週間のうちの曜日、一日のうちの時間帯、気候及び天候状態などの、環境要因に基づいて、検出アルゴリズムを精緻化することができる。センサ及びデータベースからの様々な入力に基づいて、障害物検出回路202は、例えば障害物警報情報/データの形態を採る障害物の最良の推定値を、回避操縦飛翔経路回路204に出力することができる。
【0063】
回避操縦飛翔経路回路204は、内部アルゴリズムを使用して、回避操縦を計算し、障害物検出回路202からの障害物警報情報/データに少なくとも部分的に基づいて、検出された障害物及び地形を回避することができる。言い換えると、回避操縦飛翔経路回路204は、1以上のデータベース224からのデータに基づいて、局所的な地形、空域、及び環境要因を考慮しながら、障害物目標からの安全な分離を保証するための回避飛翔経路を生み出すように構成されている。例えば、回避操縦飛翔経路回路204は、地形データベース224cからの地形データを使用して、回避操縦が局所的な地形によって損なわれないことを保証することができる。特定の態様では、複数のセンサの種々のグルーピングが、航空輸送体100の現在の動作(すなわち、ミッションの目的)及び/又は環境に応じて、混合され且つ/又は選択されてよい。例えば、取り囲む環境に基づいて、自動で選択されるか又は手動で選択されるかにかかわらず、1以上のセンサのグルーピングが採用されてよい。1以上のデータベースは、特定の環境条件、航空輸送体の動作、航空輸送体の健全性若しくは状態、及び/又は航空輸送体100に課される飛行の制約の検出の際に、利用されるセンサの1以上の所定のグルーピングを記憶することができる。
【0064】
図2bは、障害物検出回路202向けの例示的なプロセスを示している。障害物検出回路202の部分作業(subtask)が、動的に動作して、潜在的な障害物の脅威に対して最速の応答を提供することができる。障害物検出回路202の部分作業は、現在の航空機の状態及び環境を確認すること206、センサのモードを設定すること208、障害物検出の重みを設定すること210、入って来る障害物データを評価すること212、及び障害物脅威情報を回避操縦飛翔経路計画器に送信すること213を含んでよい。
【0065】
現在の航空機の状態及び環境を確認する206ときに、障害物検出回路202は、航空機データシステム228からの航空機の状態及び環境を絶えずモニタする。例えば、例示的な航空機の状態は、現在の高度、対気速度、及びミッションの種類(例えば、通過(transiting)と徘徊(loitering))を含む。障害物検出回路202は、空域及び環境に対する現在の位置も確認する。例えば、画定された空域に対する航空機100の位置、地上の特徴(例えば、都市エリア及び田舎エリア)に対するその位置、並びに丘陵や山岳などの地形特徴に対するその位置である。
【0066】
障害物検出回路202は、必要に応じて任意のセンサモードも設定して208よい。そのモードは、現在の航空機の状態及び環境に応じてよい。互換性のあるセンサの場合、障害物検出回路202は、現在の航空機の状態及び環境に応じて特定のセンサモードを設定するために、障害物センサ226にモード命令を送ることができる。例えば、航空機100が通過ミッションにあるときには、障害物センサ226が、航空機の前のエリアを強調するモードに向けられ、一方、航空機が徘徊ミッションにある場合、航空機100の周りの360度を調べるセンサモードが選択されてよい。別の一実施例では、低い高さで動作する場合、レーダーセンサは、レーダー信号内のグランドクラッタ(ground clutter)をより拒絶するモードに命令されてよい。
【0067】
障害物検出回路202は、現在アクティブなセンサ226のみならず、現在の状態及び環境に基づいて、障害物検出重みを設定すること210もできる。上述の環境要因に基づいて、障害物検出回路202は、センサから来る障害物データを評価するために重み付け要因を設定する。例えば、現在の天候状態が不十分な視認性を含む場合、レーダーセンサからのデータは、視覚ベースセンサからのデータより大きな重みを与えられてよい。別の場合では、他の障害物に協働するシステムが装備されていると予測され得る制御された空域で飛行しているときに、そのような協働する障害物センサは、視覚システムのような協働しない障害物センサより高い重みが与えられてよい。重み付けの正確な程度又はレベルは、解析、シミュレーション、及び経験的データの収集を通じて決定されてよい。
【0068】
重み付けされたセンサデータを使用して、障害物検出回路202は、例えば、重み付けされたセンサ値を使用して、入って来る障害物データを評価すること212ができる。言い換えると、障害物検出重み付けが既に設定された状態で、障害物検出回路202は、入って来る障害物データを評価する。複数のセンサ226が同じ障害物を検出した場合、障害物検出回路202は、障害物検出重みを使用して、障害物の相対的な位置を照合し、精緻化することができる。例えば、レーダーセンサと視覚センサの両方が、障害物のようなものを検出したが、報告された相対的な位置がわずかにずれている場合、レーダーセンサが視覚センサより高い重み付けを有する場合、障害物の実際の位置は、レーダーセンサによって報告されたデータにより近いと想定されることになる。障害物検出重みは、変化する航空機及び環境要因に基づくので、障害物検出回路202の動作も、センサの間の重み付け要因が航空機及び環境要因に応じて変化する際に、変化するだろう。
【0069】
最後に、障害物検出回路202は、障害物の脅威情報(例えば、障害物の位置及び状態)を、回避操縦飛翔経路回路204に通信すること213ができる。障害物検出回路202は、回避操縦飛翔経路回路204と、障害物の脅威情報を動的に(例えば、リアルタイムで又はリアルタイムに近く)共有することができる。障害物検出回路202は、最も優先度が高い障害物目標だけでなく、他の検出された障害物も共有して、エリア内の(1以上の)の障害物の全体像を回避操縦飛翔経路回路204に提供するように構成されてよい。障害物検出回路202は、機械学習などの進化した論理を使用して、誤検出を最小化しながら障害物を検出するための能力を精緻化することができる。そのような機械学習は、以前の飛行で集められた情報のデータベースを構築し、次いで使用することができる。そのようなデータベースは、他の障害物(例えば、航空交通)がしばしば検出される地理的エリア又は時間的若しくは環境的要因のホットスポット、或いは逆に、環境又は他の理由で誤検出が生じる可能性のあるエリアを含んでよい。
【0070】
航空輸送体に関連付けられた情報をキャプチャするための機械学習/ディープラーニング技術を使用するシステムを採用すること、航空輸送体の状態を特定すること、及び/又は航空輸送体が環境に関与する際の反応を生成することによって、システムは、潜在的に危険な状況を回避することができる。例えば、様々なセンサから収集された情報は、歴史的傾向を含む記憶されたデータと照らし合わせて、全体として編集され解析されて、変数に対する航空輸送体の予期される且つ/又は一般的な反応の像を迅速かつ正確に構築することができる。言い換えると、システムは、様々なセンサ情報、又は、ほんの数例を挙げれば、光センサ、生理学的センサ、輸送体の状態センサなどの、異なる種類のセンサの中の間での「センサ融合」に、少なくとも部分的に基づいて、受け入れ、解析し、且つ/又は決定を行うように構成されてよい。したがって、データを収集し経時的にモデルを構築して将来の類似した状況を認識しそれに適応することができる、機械学習/ディープラーニング技術を使用して、ほんの数例を挙げれば、制限された視野、損傷した認識装置、ばらついた照明条件を克服する。同様に、機械学習技術は、様々な環境条件下で選択される群の効率を解析することによって、特定の環境条件下の様々なセンサの群の選択を決定する論理を更新するために利用されてよい。
【0071】
上述したように、回避操縦飛翔経路回路204は、障害物検出回路202によって報告された障害物の脅威を評価し、(1以上の)回避操縦を計画して、対立又は衝突を回避する。図2cは、回避操縦飛翔経路回路204の部分作業を示している。回避操縦飛翔経路回路204の部分作業は、航空機の位置及び状態をモニタすること214、データベースに問い合わせること216、飛翔経路を計算すること218、回避操縦を計算すること220、及び飛行制御システム120に命令を発信すること222を含んでよい。
【0072】
回避操縦飛翔経路回路204は、航空機の位置及び状態を動的にモニタする214。それらは、例えば、GPS142a及び/又は航空機データシステム228から受け取られてよい。次いで、回避操縦飛翔経路回路204は、1以上のデータベース224などのデータベースに問い合わせる216。より具体的には、航空機100の現在の位置及び状態に少なくとも部分的に基づいて、回避操縦飛翔経路回路204は、空域、地形、及び環境データベース224a、224b、224cに、現在の位置及び状態に関するデータを問い合わせる。
【0073】
回避操縦飛翔経路回路204は、飛翔経路を計算して218よい。より具体的には、回避操縦飛翔経路回路204は、交通障害物が存在しないとしても、地形をクリアし且つ空域及び他の要因を考慮した飛翔経路を継続的に計算することができる。これらのデフォルトの飛翔経路は、ASAシステム200が、航空機100が地形又は空域と対立しないことを分かっている、安全な区域を画定することができる。
【0074】
回避操縦飛翔経路回路204は、回避操縦も計算して220よい。すなわち、潜在的に危険な障害物についての情報が、障害物検出回路202から受け取られたときに、回避操縦飛翔経路回路204は、1以上のデータベース224からのデータに基づいて、他の近くの交通、地形、障害物、及び近くの空域も考慮しつつ、(1以上の)交通障害物を避けるための飛行経路軌道(飛翔経路)を直ちに計算することができる。例えば、ASAシステム200が、右であろうが左であろうが可能な回避飛翔経路を有するが、回避操縦飛翔経路回路204が、航空機100の右側に対立する地形又は制限された空域が存在することを示すデータを有する場合、回避操縦飛翔経路回路204は、代わりに左側に回避操縦飛翔経路を計画することになる。したがって、障害物検出回路202から障害物の脅威の報告が受け取られたときに、回避操縦飛翔経路回路204はまた、地形を回避し、空域を考慮し、航空機の性能エンベロープ内で動作しつつ、障害物を回避する飛翔経路を再計算することができる。
【0075】
回避操縦飛翔経路回路204は、飛行制御システム120に結果として生じた命令を発信して222、回避操縦を実行する。飛行制御システム120の種類に応じて、結果として生じた命令は、例えば、命令されたウェイポイント、又は速度、機首方位、高度命令であってよい。
【0076】
図3は、ASAシステム200が装備された航空機100を動作させるための例示的な航行方法300を示す。この実施例の目的で、航空機100が、山が多い地形を有する環境内で比較的低い高さで徘徊ミッションを実行することを想定する。ステップ302で開始すると、ASAシステム200は、ステップ304で、航空機100及び取り囲んでいる環境の状態を特定する。例えば、障害物検出回路202は、位置を評価して、山々を特定及び/又は位置特定する。障害物検出回路202は、例えば、位置(例えば、GPSデータを介して)及び内部カレンダーに基づいて、一年のうちの季節が夏であることを特定することもできる。その特定は、1以上のセンサ(例えば、温度計、光センサ、圧力計など)を使用して、補足/確認されてよい。1以上のセンサは、現在の天候を特定するためにも使用されてよい。
【0077】
航空機100及び取り囲んでいる環境の状態に基づいて、障害物検出回路202は、ステップ306で、障害物センサ226のそれぞれに対してセンサモードを設定してよい。航空機100が徘徊ミッションにあるときに、障害物検出回路202は、視覚ベースセンサとレーダーセンサの両方が、360度モードであるように命令し、それによって、航空機100の全ての側の障害物を探すことができる。ステップ308では、障害物検出回路202が、様々なセンサ110(例えば、障害物センサ226)に重みを割り当ててよい。例えば、天候がクリア(例えば、高い視認性)である場合、ASAシステム200は、これらの条件下では、パラグライダーなどの検出することが困難な協働しない障害物が予期されるので、視覚ベースの障害物センサからのセンサデータを好む、障害物検出重みを設定してよい。
【0078】
ステップ310では、ASAシステム200が、障害物センサ226からキャプチャされたセンサデータを評価する。重み付け要因が視覚ベースシステムを好む場合に、複数のセンサ(例えば、視覚及びレーダーセンサの両方)を使用して障害物を検出することができるが、視覚ベースシステムは、両方のセンサからのセンサデータを評価するときに、優先権(又は優先度)を与えられる。ステップ312では、障害物検出回路202が、脅威情報を生成し、検出された障害物を反映したデータを回避操縦飛翔経路回路204に報告する。ステップ314では、回避操縦飛翔経路回路204が、環境内の航空機100の位置及び状態を動的にモニタする。センサデータをモニタすることに加えて、回避操縦飛翔経路回路204は、ステップ316で、1以上のデータベース224に問い合わせる。1以上のデータベース224は、例えば、近くの山の多い地形や制限された空域などを特定することができる。センサデータ及びデータベース情報に少なくとも部分的に基づいて、ASAシステム200は、潜在的な回避操縦を評価し、航空機用の飛翔経路命令を計算する。ステップ320では、飛翔経路命令が、命令として航空機100の飛行制御システム120に通信されて、操縦を完了する。ミッションがステップ322で完了した場合、300は、ステップ324で終了してよい。そうでなければ、航行方法300は、ステップ304に戻り、プロセスを繰り返す。
【0079】
航行方法300は、複数のステップの特定の組み合わせを有する一実施例として図示されたが、当業者は、より少ない又は追加のステップが実施され得ることを理解するだろう。特定の態様では、1以上のステップが、並行に実行されてよい。更に、1以上のステップは、任意選択的であり、航行方法300から省略されてよく、又は個別に及び/若しくはオペレータからの要求に際して実行されてよい。ある態様では、1以上のステップが条件次第であり、したがって、1以上のステップが、所定の要件及び/又は条件に従ってよい。更に、ステップが繰り返される順序は、オペレータ又はシステムの必要に応じて、再構成されてよい。
【0080】
特定の特徴を有するASAシステム200が説明されたけれども、他の余剰の特徴が、任選択的に考えられてよく、ユーザの必要及び予算に応じて、ソフトウェアの更新の際に追加され又は差し引かれてよい。例えば、システムの調整は、一年のうちの季節又は一日のうちの時間帯に対する調整を含むことなしに、空域又は地形にのみ基づいてよい。これは、費用ベースの更新として追加されてよい。別の一変形例は、補足障害物検出システムとして、人間によって操縦される航空機内に設置されたシステムであってよく、それは未だ、人間のパイロットに対して障害物警報及び推奨される回避飛翔経路を与えるために、センサデータの状況に基づいた混合を使用する。更に別の一変形例では、回避飛翔経路回路204が、回避操縦と乗客の快適性及び安全性とのバランスを考慮した追加の論理を含み、乗客を運ぶパイロットがいない自律した航空機用に使用されるか、又は人間のパイロットによって操縦される航空機用の上述の変形例で使用されてもよい。この変形例は、障害物の脅威レベル及び障害物を回避するために必要とされる操縦を、加速度やジャーク(加速度の変化)などの、乗客の快適性要因とバランスさせてよい。ASAシステム200は、軍事、政府、及び民間の用途で採用されてよい。しかし、ASAシステム200は、特に、戦術の又はMALEクラスの航空機100などの、動作高度及び空域の種類の広い範囲を有する航空機100にとって有用である。
【0081】
上記で引用された特許及び特許文献は、全体として参照により本願に援用される。部品、特徴などの特定の配置を参照しながら、様々な実施形態が説明されてきたが、これらは、全ての可能な配置又は特徴を網羅することを意図するものではなく、実際、多くの他の実施形態、修正例、及び変形例が、当業者に究明可能であろう。ゆえに、本開示は、具体的に上述したものとは別様にも実践されうると、理解すべきである。
【0082】
本開示は、以下の条項で説明される主題を含む。
条項1.
環境内で航空輸送体(100)と共に使用される適応検知・回避システムであって、
飛行コントローラ(126)及びメモリデバイス(128)に動作可能に接続されたプロセッサ、
前記航空輸送体(100)に接続された複数のセンサ(110、140c、226)であって、それぞれが前記環境内で障害物の位置を反映したセンサデータを生成するように構成された、複数のセンサ(110、140c、226)、
前記プロセッサ及び前記複数のセンサ(110、140c、226)に動作可能に接続された障害物検出回路(202)であって、前記複数のセンサ(110、140c、226)のそれぞれからの前記センサデータを混合して、前記環境内の障害物を特定し、前記環境内の前記障害物の位置の最良の推定値を反映する障害物情報を生成するように構成された、障害物検出回路(202)、並びに
前記障害物検出回路(202)及び前記プロセッサに動作可能に接続された回避飛翔経路回路を備え、
前記障害物検出回路(202)が、
(i)前記航空輸送体(100)の現在の状態及び前記環境の条件に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のセンサ(110、140c、226)のそれぞれに対するセンサモードを設定し、
(ii)センサの種類、前記航空輸送体(100)の前記現在の状態、及び前記環境の前記条件に応じて、前記複数のセンサ(110、140c、226)のそれぞれからの前記センサデータに重みを割り当てるように構成され、
前記障害物検出回路(202)が、
(i)前記障害物情報及び前記1以上のデータベース(108、224)からの情報に応じて、飛翔経路データを計算し、
(ii)前記飛翔経路データを前記飛行コントローラ(126)に通信するように構成されている、適応検知・回避システム。
条項2.
前記1以上のデータベース(108、224)が、(i)前記環境向けに画定された合法空域を反映した空域データの空域データベース(224a)、(ii)前記環境における環境要因を反映した環境データの環境データベース(224a、224b、224c)、及び(iii)前記環境の地形特性を反映した地形データの地形データベース(224c)を備える、条項1に記載の適応検知・回避システム。
条項3.
前記障害物検出回路(202)が、前記空域データに応じて、第1のセンサからのセンサデータに第1の重みを割り当て、第2のセンサからのセンサデータに第2の重みを割り当てるように構成されている、条項2に記載の適応検知・回避システム。
条項4.
前記障害物検出回路(202)が、前記空域データに応じて、協働するセンサからのセンサデータに第1の重みを割り当て、協働しないセンサからのセンサデータに第2の重みを割り当てるように構成されており、前記第1の重みが前記第2の重みより大きい、条項2に記載の適応検知・回避システム。
条項5.
前記障害物検出回路(202)が、前記環境データに応じて、第1のセンサからのセンサデータに第1の重みを割り当て、第2のセンサからのセンサデータに第2の重みを割り当てるように構成されている、条項2に記載の適応検知・回避システム。
条項6.
前記障害物検出回路(202)が、前記環境データが前記環境における不十分な視認性を反映するときに、視覚センサ(110、140c、226)からのセンサデータにより低い重みを割り当てるように構成されている、条項5に記載の適応検知・回避システム。
条項7.
前記障害物検出回路(202)が、前記空域データ、前記環境データ、及び前記地形データのそれぞれに応じて、動的に障害物を特定するように構成されている、条項2に記載の適応検知・回避システム。
条項8.
前記回避飛翔経路回路が、前記空域データ、前記環境データ、及び前記地形データのうちの少なくとも1つに応じて、動的に飛翔経路データを計算するように構成されている、条項2から7のいずれか一項に記載の適応検知・回避システム。
条項9.
前記適応検知・回避システムが、前記適応検知・回避システムと人間のオペレータとの間の制御及び通信インターフェースを提供するために、人間機械インターフェースと通信可能に接続されている、条項2から7のいずれか一項に記載の適応検知・回避システム。
条項10.
環境内で航空輸送体(100)をナビゲートするための方法であって、
飛行コントローラ(126)と1以上のデータベース(108、224)を有するメモリデバイス(128)とに動作可能に接続された、プロセッサによって、前記航空輸送体(100)及び前記環境の状態を特定すること、
前記環境内の障害物の位置を反映したセンサデータを生成するように構成された複数のセンサ(110、140c、226)のそれぞれに対して、前記航空輸送体(100)及び前記環境の前記状態に少なくとも部分的に基づいてセンサモードを設定すること、
前記プロセッサに動作可能に接続された障害物検出回路(202)によって、前記航空輸送体(100)及び前記環境の前記状態に応じて前記複数のセンサ(110、140c、226)のそれぞれからの前記センサデータに重みを割り当てること、
前記障害物検出回路(202)によって、前記環境内の前記障害物の位置に対する最良の推定値を反映した障害物情報を生成すること、
前記プロセッサによって、前記航空輸送体(100)及び前記環境の前記状態をモニタすること、
前記航空輸送体(100)に課される任意の飛行の制約を特定するために、前記1以上のデータベース(108、224)に問い合わせること、
前記プロセッサに動作可能に接続された回避飛翔経路回路によって、前記障害物情報及び前記1以上のデータベース(108、224)に応じて前記航空輸送体(100)向けの飛翔経路命令を計算すること、並びに
前記飛翔経路命令を前記飛行コントローラ(126)に通信することを含む、方法。
条項11.
前記1以上のデータベース(108、224)が、(i)前記環境向けに画定された合法空域を反映した空域データの空域データベース(224a)、(ii)前記環境における環境要因を反映した環境データの環境データベース(224a、224b、224c)、及び(iii)前記環境の地形特性を反映した地形データの地形データベース(224c)を備える、条項10に記載の方法。
条項12.
前記割り当てるステップの間に、前記障害物検出回路(202)が、前記空域データに応じて、第1のセンサからのセンサデータに第1の重みを割り当て、第2のセンサからのセンサデータに第2の重みを割り当てる、条項10又は11に記載の方法。
条項13.
前記割り当てるステップの間に、前記障害物検出回路(202)が、前記空域データに応じて、協働するセンサからのセンサデータに第1の重みを割り当て、協働しないセンサからのセンサデータに第2の重みを割り当て、前記第1の重みが前記第2の重みより大きい、条項10から12のいずれか一項に記載の方法。
条項14.
前記割り当てるステップの間に、前記障害物検出回路(202)が、前記環境データに応じて、第1のセンサからのセンサデータに第1の重みを割り当て、第2のセンサからのセンサデータに第2の重みを割り当てる、条項10から12のいずれか一項に記載の方法。
条項15.
前記割り当てるステップの間に、前記障害物検出回路(202)が、前記環境データが前記環境における不十分な視認性を反映するときに、視覚センサ(110、140c、226)からのセンサデータにより低い重みを割り当てる、条項14に記載の方法。
条項16.
前記障害物情報を生成するステップの間に、前記障害物検出回路(202)が、前記空域データ、前記環境データ、及び前記地形データのそれぞれに応じて、動的に障害物を特定する、条項10から15のいずれか一項に記載の方法。
条項17.前記飛翔経路命令を計算するステップの間に、前記回避飛翔経路回路が、前記空域データ、前記環境データ、及び前記地形データのうちの少なくとも1つに応じて、動的に飛翔経路データを計算する、条項10から16のいずれか一項に記載の方法。
条項18.
航空輸送体(100)であって、
飛行コントローラ(126)、
前記飛行コントローラ(126)及びメモリデバイス(128)に動作可能に接続されたプロセッサであって、前記メモリデバイス(128)が、
(i)前記環境向けに画定された合法空域を反映した空域データの空域データベース(224a)、
(ii)前記環境における環境要因を反映した環境データの環境データベース(224a、224b、224c)、及び
(iii)前記環境の地形特性を反映した地形データの地形データベース(224c)を備えた、プロセッサ、
前記環境内で障害物の位置を反映したセンサデータを生成するように構成された複数のセンサ(110、140c、226)
前記プロセッサ及び前記複数のセンサ(110、140c、226)に動作可能に接続された障害物検出回路(202)であって、前記複数のセンサ(110、140c、226)のそれぞれからの前記センサデータを混合して、前記環境内の障害物を特定し、前記環境内の前記障害物の位置の最良の推定値を反映する障害物情報を生成するように構成された、障害物検出回路(202)、並びに
前記障害物検出回路(202)及び前記プロセッサに動作可能に接続された回避飛翔経路回路を備え、
前記障害物検出回路(202)が、
(i)前記航空輸送体(100)の現在の状態及び前記環境の条件に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のセンサ(110、140c、226)のそれぞれに対するセンサモードを設定し、
(ii)センサの種類、前記航空輸送体(100)の前記現在の状態、及び前記環境の前記条件に応じて、前記複数のセンサ(110、140c、226)のそれぞれからの前記センサデータに重みを割り当てるように構成され、
前記障害物検出回路(202)が、
(i)前記障害物情報及び前記1以上のデータベース(108、224)からの情報に応じて、飛翔経路データを計算し、
(ii)前記飛翔経路データを前記飛行コントローラ(126)に通信するように構成されている、航空輸送体(100)。
条項19.
前記障害物検出回路(202)が、前記環境データが前記環境における不十分な視認性を反映するときに、視覚センサ(110、140c、226)からのセンサデータにより低い重みを割り当てるように構成されている、条項18に記載の航空輸送体(100)。
条項20.
前記障害物検出回路(202)が、前記空域データに応じて、協働するセンサからのセンサデータに第1の重みを割り当て、協働しないセンサからのセンサデータに第2の重みを割り当てるように構成されており、前記第1の重みが前記第2の重みより大きい、条項18又は19に記載の航空輸送体(100)。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図3