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特許7606828人力駆動車用のアダプタ、人力駆動車用のブレーキ制御ユニット、および、人力駆動車用のブレーキシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】人力駆動車用のアダプタ、人力駆動車用のブレーキ制御ユニット、および、人力駆動車用のブレーキシステム
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/34 20060101AFI20241219BHJP
   B62J 11/00 20200101ALI20241219BHJP
   B62L 1/00 20060101ALI20241219BHJP
   F16D 65/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B60T8/34
B62J11/00
B62L1/00 A
F16D65/00 Z
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020123236
(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公開番号】P2022019418
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-07-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】桑山 和也
(72)【発明者】
【氏名】中倉 正裕
(72)【発明者】
【氏名】羽原 良輔
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-088880(JP,A)
【文献】特表2014-520023(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102019118949(DE,A1)
【文献】国際公開第2019/167787(WO,A1)
【文献】特開2005-138827(JP,A)
【文献】特開2006-001438(JP,A)
【文献】特開2013-122816(JP,A)
【文献】登録実用新案第3204600(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 8/00- 8/96
B62J 11/00-11/26
B62L 1/00
F16D 65/00
B60T 17/00-17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のアダプタであって、
前記人力駆動車のフレームの内部空間を形成する内壁部に取り付けられる取付部と、
前記人力駆動車のブレーキ制御装置の少なくとも一部が前記フレームの前記内部空間に配置されるように前記ブレーキ制御装置を保持する保持部と、を備え、
前記取付部は、全体が前記内部空間に配置されるように構成され
前記ブレーキ制御装置は、外周部を有する円筒状のハウジングを備え、
前記保持部は、前記外周部と接触するように構成される、アダプタ。
【請求項2】
記保持部は、前記外周部と接触することによって前記ブレーキ制御装置の移動を規制する第1規制部を備える、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記第1規制部は、前記フレームの延びる方向と異なる方向に沿って延びるアーム部を備える、請求項2に記載のアダプタ。
【請求項4】
人力駆動車用のアダプタであって、
前記人力駆動車のフレームの内部空間を形成する内壁部に取り付けられる取付部と、
前記人力駆動車のブレーキ制御装置の少なくとも一部が前記フレームの前記内部空間に配置されるように前記ブレーキ制御装置を保持する保持部と、を備え
前記ブレーキ制御装置は、外周部を備え、
前記保持部は、前記外周部と接触することによって前記ブレーキ制御装置の移動を規制する第1規制部を備え、
前記第1規制部は、前記フレームの延びる方向と異なる方向に沿って延びるアーム部を備える、アダプタ。
【請求項5】
前記フレームの延びる方向と異なる方向は、第1方向および前記第1方向とは反対の第2方向を含み、
前記アーム部は、前記取付部から前記第1方向に延びる第1アーム部と、前記取付部から前記第2方向に延びる第2アーム部と、を備える、請求項3または4に記載のアダプタ。
【請求項6】
前記アーム部は、弾性変形するように構成される、請求項3から5のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項7】
前記第1規制部は、複数の前記第1規制部を備え、
前記複数の第1規制部は、前記フレームの延びる方向において、それぞれ異なる位置に配置される、請求項2から6のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項8】
前記ブレーキ制御装置の前記外周部は、凹部を備え、
前記第1規制部は、前記第1規制部の少なくとも一部が前記凹部に配置されるように構成される、請求項2から7のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項9】
前記保持部は、前記第1方向および前記第2方向とは異なる方向である第3方向において前記ブレーキ制御装置の移動を規制する第2規制部を備える、請求項5に記載のアダプタ。
【請求項10】
前記第3方向は、前記フレームの延びる方向と平行する方向を含む、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項11】
前記ブレーキ制御装置は、前記第3方向において第1端部および第2端部を備え、
前記第1端部は、前記ブレーキ制御装置が前記フレームに取り付けられる状態において、前記第2端部よりも前記人力駆動車の下方に位置し、
前記第2規制部は、前記第1端部と接触するように構成される、請求項9または10に記載のアダプタ。
【請求項12】
前記第2規制部は、前記第3方向において弾性変形する弾性部を備える、請求項11に記載のアダプタ。
【請求項13】
前記保持部は、前記ブレーキ制御装置を着脱可能に保持する、請求項1から12のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項14】
前記アダプタは、全体が前記内部空間に配置されるように構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項15】
前記取付部は、前記ブレーキ制御装置が前記保持部に保持される状態において、前記ブレーキ制御装置と前記取付部との間に隙間を形成するように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項16】
前記取付部には、前記取付部と前記フレームとを取り付けるための固定部材が挿入される孔が形成される、請求項1から15のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項17】
人力駆動車用のブレーキ制御ユニットであって、
請求項1から16のいずれか一項に記載の人力駆動車用のアダプタと、
前記保持部に保持される人力駆動車用のブレーキ制御装置と、を備える、ブレーキ制御ユニット。
【請求項18】
前記ブレーキ制御装置は、前記人力駆動車のブレーキ操作装置と前記人力駆動車のブレーキ作動装置とを接続する流路の流体圧を制御し、
前記流路は、前記ブレーキ操作装置に接続される第1流路、および、前記ブレーキ作動装置に接続される第2流路を備え、
前記ブレーキ制御装置は、前記第1流路に接続される第1ポートと、前記第2流路に接続される第2ポートと、を備える、請求項17に記載のブレーキ制御ユニット。
【請求項19】
前記ブレーキ制御装置は、前記第1ポートと前記第2ポートとの間における流体の流通状態を変更するバルブを備える、請求項18に記載のブレーキ制御ユニット。
【請求項20】
前記ブレーキ制御装置は、前記バルブを駆動するアクチュエータを備える、請求項19に記載のブレーキ制御ユニット。
【請求項21】
人力駆動車用のブレーキシステムであって、
請求項17から20のいずれか一項に記載のブレーキ制御ユニットと、
前記ブレーキ制御ユニットが取り付けられる人力駆動車用のフレームと、を備える、ブレーキシステム。
【請求項22】
前記フレームは、前記アダプタの前記取付部が取り付けられるフレーム側取付部を備える、請求項21に記載のブレーキシステム。
【請求項23】
前記フレームは、フレーム本体と、前記フレーム本体に着脱可能なカバーと、を備え、
前記フレーム本体と前記カバーとによって前記内部空間が区画される、請求項21または22に記載のブレーキシステム。
【請求項24】
前記フレーム本体は、開口部を備える、請求項23に記載のブレーキシステム。
【請求項25】
前記開口部は前記フレームの延びる方向と直交する方向に開口する第1開口部を含み、
前記カバーは、前記第1開口部に取り付けられる、請求項24に記載のブレーキシステム。
【請求項26】
前記開口部は前記第1開口部とは異なる第2開口部を含み、
前記人力駆動車のブレーキ操作装置と前記人力駆動車のブレーキ作動装置とを接続する流路の少なくとも一部が前記第2開口部を通るように形成されている、請求項25に記載のブレーキシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車用のアダプタ、人力駆動車用のブレーキ制御ユニット、および、人力駆動車用のブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、人力駆動車用のブレーキ制御装置を開示する。特許文献1の人力駆動車用のブレーキ制御装置は、人力駆動車のフレームの内部空間に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102019118949号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の1つは、ブレーキ制御装置をフレームに好適に取り付けできる人力駆動車用のアダプタ、人力駆動車用のブレーキ制御ユニット、および、人力駆動車用のブレーキシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従うアダプタは、人力駆動車用のアダプタであって、前記人力駆動車のフレームの内部空間を形成する内壁部に取り付けられる取付部と、前記人力駆動車のブレーキ制御装置の少なくとも一部が前記フレームの前記内部空間に配置されるように前記ブレーキ制御装置を保持する保持部と、を備える。
上記第1側面のアダプタによれば、保持部および取付部を介してフレームの内部空間を形成する内壁部にブレーキ制御装置を取り付けできる。このため、ブレーキ制御装置をフレームに好適に取り付けできる。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面のアダプタにおいて、前記保持部は、前記ブレーキ制御装置を着脱可能に保持する。
上記第2側面のアダプタによれば、ブレーキ制御装置を簡便にフレームに取り付け、および、フレームから取り外しできる。
【0007】
前記第1または第2側面に従う第3側面のアダプタにおいて、前記ブレーキ制御装置は、外周部を備え、前記保持部は、前記外周部と接触することによって前記ブレーキ制御装置の移動を規制する第1規制部を備える。
上記第3側面のアダプタによれば、第1規制部がブレーキ制御装置の外周部と接触することによってブレーキ制御装置の移動を規制できる。
【0008】
前記第3側面に従う第4側面のアダプタにおいて、前記第1規制部は、前記フレームの延びる方向と異なる方向に沿って延びるアーム部を備える。
上記第4側面のアダプタによれば、アーム部によってブレーキ制御装置の移動を規制できる。
【0009】
前記第4側面に従う第5側面のアダプタにおいて、前記フレームの延びる方向と異なる方向は、第1方向および前記第1方向とは反対の第2方向を含み、前記アーム部は、前記取付部から前記第1方向に延びる第1アーム部と、前記取付部から前記第2方向に延びる第2アーム部と、を備える。
上記第5側面のアダプタによれば、取付部から第1方向に延びる第1アーム部と、取付部から第2方向に延びる第2アーム部とによって、ブレーキ制御装置を好適に保持できる。
【0010】
前記第4または第5側面に従う第6側面のアダプタにおいて、前記アーム部は、弾性変形するように構成される。
上記第6側面のアダプタによれば、アーム部が弾性変形することによってブレーキ制御装置を好適に保持できる。
【0011】
前記第3から第6側面のいずれか1つに従う第7側面のアダプタにおいて、前記第1規制部は、複数の前記第1規制部を備え、前記複数の第1規制部は、前記フレームの延びる方向において、それぞれ異なる位置に配置される。
上記第7側面のアダプタによれば、複数の第1規制部によってブレーキ制御装置を安定して保持できる。
【0012】
前記第3から第7側面のいずれか1つに従う第8側面のアダプタにおいて、前記ブレーキ制御装置の前記外周部は、凹部を備え、前記第1規制部は、前記第1規制部の少なくとも一部が前記凹部に配置されるように構成される。
上記第8側面のアダプタによれば、第1規制部の少なくとも一部が凹部に配置されるため、第1規制部と凹部とが接触することによってブレーキ制御装置の移動を規制できる。
【0013】
前記第5側面に従う第9側面のアダプタにおいて、前記保持部は、前記第1方向および前記第2方向とは異なる方向である第3方向において前記ブレーキ制御装置の移動を規制する第2規制部を備える。
上記第9側面のアダプタによれば、第2規制部によってブレーキ制御装置の第3方向への移動を規制できる。
【0014】
前記第9側面に従う第10側面のアダプタにおいて、前記第3方向は、前記フレームの延びる方向と平行する方向を含む。
上記第10側面のアダプタによれば、第2規制部によってブレーキ制御装置のフレームの延びる方向と平行する方向への移動を規制できる。
【0015】
前記第9または第10側面に従う第11側面のアダプタにおいて、前記ブレーキ制御装置は、前記第3方向において第1端部および第2端部を備え、前記第1端部は、前記ブレーキ制御装置が前記フレームに取り付けられる状態において、前記第2端部よりも前記人力駆動車の下方に位置し、前記第2規制部は、前記第1端部と接触するように構成される。
上記第11側面のアダプタによれば、第2規制部によってブレーキ制御装置の下方への移動を規制できる。
【0016】
前記第11側面に従う第12側面のアダプタにおいて、前記第2規制部は、前記第3方向において弾性変形する弾性部を備える。
上記第12側面のアダプタによれば、弾性部によってブレーキ制御装置を支持できる。
【0017】
前記第1から第12側面のいずれか1つに従う第13側面のアダプタにおいて、前記取付部は、前記ブレーキ制御装置が前記保持部に保持される状態において、前記ブレーキ制御装置と前記取付部との間に隙間を形成するように構成される。
上記第13側面のアダプタによれば、ブレーキ制御装置と取付部との間の隙間に固定部材などの部材を載置することができる。
【0018】
前記第1から第13側面のいずれか1つに従う第14側面のアダプタにおいて、前記取付部には、前記取付部と前記フレームとを取り付けるための固定部材が挿入される孔が形成される。
上記第14側面のアダプタによれば、孔に固定部材を挿入することによって取付部とフレームとを取り付けできる。
【0019】
本発明の第15側面に従うブレーキ制御ユニットは、人力駆動車用のブレーキ制御ユニットであって、1から14側面のいずれか一項に記載人力駆動車用のアダプタと、前記保持部に保持される人力駆動車用のブレーキ制御装置と、を備える。
上記第15側面のブレーキ制御ユニットによれば、アダプタによってブレーキ制御装置をフレームに好適に取り付けできる。
【0020】
前記第15側面に従う第16側面のブレーキ制御ユニットにおいて、前記ブレーキ制御装置は、前記人力駆動車のブレーキ操作装置と前記人力駆動車のブレーキ作動装置とを接続する流路の流体圧を制御し、前記流路は、前記ブレーキ操作装置に接続される第1流路、および、前記ブレーキ作動装置に接続される第2流路を備え、前記ブレーキ制御装置は、前記第1流路に接続される第1ポートと、前記第2流路に接続される第2ポートと、を備える。
上記第16側面のブレーキ制御ユニットによれば、人力駆動車のブレーキ操作装置と人力駆動車のブレーキ作動装置とを接続する流路の流体圧を制御するブレーキ制御装置をフレームに好適に取り付けできる。
【0021】
前記第16側面に従う第17側面のブレーキ制御ユニットにおいて、前記ブレーキ制御装置は、前記第1ポートと前記第2ポートとの間における流体の流通状態を変更するバルブを備える。
上記第17側面のブレーキ制御ユニットによれば、バルブによって第1ポートと第2ポートとの間における流体の流通状態を変更できる。
【0022】
前記第17側面に従う第18側面のブレーキ制御ユニットにおいて、前記ブレーキ制御装置は、前記バルブを駆動するアクチュエータを備える。
上記第18側面のブレーキ制御ユニットによれば、アクチュエータによってバルブを駆動できる。
【0023】
本発明の第19側面に従うブレーキシステムは、人力駆動車用のブレーキシステムであって、第15から第18側面のいずれか1つのブレーキ制御ユニットと、前記ブレーキ制御ユニットが取り付けられる人力駆動車用のフレームと、を備える。
上記第19側面のブレーキシステムによれば、ブレーキ制御装置をフレームに好適に取り付けできる。
【0024】
前記第19側面に従う第20側面のブレーキシステムにおいて、前記フレームは、前記アダプタの前記取付部が取り付けられるフレーム側取付部を備える。
上記第20側面のブレーキシステムによれば、ブレーキ制御装置をフレーム側取付部に好適に取り付けできる。
【0025】
前記第19または第20側面に従う第21側面のブレーキシステムにおいて、前記フレームは、フレーム本体と、前記フレーム本体に着脱可能なカバーと、を備え、前記フレーム本体と前記カバーとによって前記内部空間が区画される。
上記第21側面のブレーキシステムによれば、フレーム本体からカバーを取り外すことによって、ブレーキ制御装置を簡便にフレームに取り付けできる。
【0026】
前記第21側面に従う第22側面のブレーキシステムにおいて、前記フレーム本体は、開口部を備える。
上記第22側面のブレーキシステムによれば、開口部を通じてフレームの内部空間に部材を配置しやすい。
【0027】
前記第22側面に従う第23側面のブレーキシステムにおいて、前記開口部は前記フレームの延びる方向と直交する方向に開口する第1開口部を含み、前記カバーは、前記第1開口部に取り付けられる。
上記第23側面のブレーキシステムによれば、カバーによってフレームの延びる方向と直交する方向に開口する第1開口部を覆うことができる。
【0028】
前記第23側面に従う第24側面のブレーキシステムにおいて、前記開口部は前記第1開口部とは異なる第2開口部を含み、前記人力駆動車のブレーキ操作装置と前記人力駆動車のブレーキ作動装置とを接続する流路の少なくとも一部が前記第2開口部を通るように形成されている。
上記第24側面のブレーキシステムによれば、第2開口部に人力駆動車のブレーキ操作装置と人力駆動車のブレーキ作動装置とを接続する流路の少なくとも一部を配置できる。
【発明の効果】
【0029】
本開示の人力駆動車用のアダプタ、人力駆動車用のブレーキ制御ユニット、および、人力駆動車用のブレーキシステムは、ブレーキ制御装置をフレームに好適に取り付けできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】実施形態の人力駆動車用のアダプタ、人力駆動車用のブレーキ制御ユニット、および、人力駆動車用のブレーキシステムを含む人力駆動車の側面図。
図2】実施形態の人力駆動車用のブレーキシステムの構成を示す模式図。
図3図1の人力駆動車用のブレーキシステムのフレーム側取付部の周辺を拡大して示す側面図。
図4図1の人力駆動車用のブレーキシステムのフレーム側取付部の周辺を拡大して示す斜視図。
図5図1の人力駆動車用のブレーキ制御装置の斜視図。
図6図5の人力駆動車用のブレーキ制御装置の構成を示すブロック図。
図7図1の人力駆動車用のブレーキシステムのフレーム側取付部および人力駆動車用のブレーキ制御ユニットの分解斜視図。
図8図4のD8-D8断面に沿う部分断面図。
図9図7の人力駆動車用のアダプタの斜視図。
図10図7の人力駆動車用のアダプタの側面図。
図11図7の人力駆動車用のアダプタの正面図。
図12】実施形態の変形例の人力駆動車用のブレーキシステムのフレーム側取付部の周辺の部分断面図。
図13】実施形態の変形例の人力駆動車用のブレーキシステムの構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<実施形態>
図1から図11を参照して、実施形態の人力駆動車用のアダプタ70、人力駆動車用のブレーキ制御ユニット50、および、人力駆動車用のブレーキシステム20について説明する。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、ハンドバイク、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、自転車として説明する。
【0032】
本明細書において、以下の方向を示す用語「前(フロント)」、「後ろ(リア)」、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「横」、「上方」、および、「下方」、並びに任意の他の類似の方向を示す用語は、人力駆動車10におけるユーザ基準位置(例えば、サドルまたはシート上)でハンドルバーを向いたユーザ(すなわち、ライダ)を基準に決定されるそれらの方向を指す。
【0033】
人力駆動車10は、人力駆動車用のブレーキシステム20を備える。人力駆動車10は、車輪12を備える。人力駆動車用のブレーキシステム20は、ブレーキ制御ユニット50と、ブレーキ制御ユニット50が取り付けられる人力駆動車用のフレーム22と、を備える。好ましくは、ブレーキシステム20は、人力駆動車10のブレーキ操作装置24と、人力駆動車10のブレーキ作動装置26と、をさらに備える。ブレーキ操作装置24は、例えば、ハンドルバーに設けられる。ブレーキ作動装置26は、車輪12を制動するように構成される。ブレーキ作動装置26は、ディスクブレーキであってもよく、リムブレーキであってもよく、ローラブレーキであってもよい。本実施形態では、ブレーキ作動装置26は、ディスクブレーキである。ブレーキ作動装置26は、キャリパを備える。好ましくは、ブレーキシステム20は、流体によって作動するブレーキシステム20である。ブレーキシステム20は、ブレーキ操作装置24とブレーキ作動装置26とを接続する流路28をさらに備える。流路28の内部には流体が充填される。好ましくは、流体は作動油である。流路28は、例えば、ブレーキホースである。
【0034】
人力駆動車用のブレーキ制御ユニット50は、人力駆動車用のアダプタ70と、ブレーキ制御装置52と、を備える。好ましくは、フレーム22は、ダウンチューブ22A、シートチューブ22B、および、トップチューブ22Cを含む。フレーム22は、アダプタ70の取付部72が取り付けられるフレーム側取付部30を備える。好ましくは、フレーム側取付部30は、ダウンチューブ22A、シートチューブ22B、および、トップチューブ22Cの少なくとも1つに設けられる。本実施形態では、フレーム側取付部30は、トップチューブ22Cに設けられる。
【0035】
好ましくは、フレーム22は、フレーム本体32と、フレーム本体32に着脱可能なカバー34と、を備える。フレーム本体32とカバー34とによって内部空間22Sが区画される。好ましくは、フレーム本体32は、開口部36を備える。開口部36は、第1開口部38を含む。第1開口部38は、フレーム22の延びる方向と直交する方向に開口する。カバー34は、第1開口部38に取り付けられる。第1開口部38は、例えば、人力駆動車10の上方に向かって開口する。好ましくは、第1開口部38は、ブレーキ制御装置52を内部空間22Sの外部から内部空間22Sの内部に配置できる大きさを有する。
【0036】
好ましくは、開口部36は、第1開口部38とは異なる第2開口部40を含む。ブレーキ操作装置24とブレーキ作動装置26とを接続する流路28の少なくとも一部が第2開口部40を通るように形成されている。好ましくは、第2開口部40は、第1流路開口部40Aと第2流路開口部40Bとを備える。第1流路開口部40Aと、第2流路開口部40Bとは、フレーム22のうちの異なる方向に開口して設けられる。例えば、第1流路開口部40Aは、人力駆動車10の右方に開口し、第2流路開口部40Bは、人力駆動車10の左方に開口する。第1流路開口部40Aおよび第2流路開口部40Bの開口面積のそれぞれは、第1開口部38の開口面積よりも小さい。好ましくは、第1流路開口部40Aおよび第2流路開口部40Bの一方には、第1流路28Aが配置され、第1流路開口部40Aおよび第2流路開口部40Bの他方には、第2流路28Bが配置される。
【0037】
図2図5、および、図6を参照してブレーキ制御装置52について説明する。
ブレーキ制御装置52は、人力駆動車10のブレーキ操作装置24と人力駆動車10のブレーキ作動装置26とを接続する流路28の流体圧を制御する。流路28は、ブレーキ操作装置24に接続される第1流路28A、および、ブレーキ作動装置26に接続される第2流路28Bを備える。ブレーキ制御装置52は、第1流路28Aに接続される第1ポート54Aと、第2流路28Bに接続される第2ポート54Bと、を備える。好ましくは、ブレーキ制御装置52は、第1ポート54Aと第2ポート54Bとの間における流体の流通状態を変更するバルブ56を備える。ブレーキ制御装置52は、ABS(Anti-lock Braking System)の機能を有する。好ましくは、ブレーキ制御装置52は、バルブ56を駆動するアクチュエータ58を備える。アクチュエータ58は、例えば、電気モータである。アクチュエータ58は、例えば、ソレノイドでもよい。ブレーキ制御装置52は、ポンプ60、リザーバ62、および、制御装置64をさらに備えていてもよい。ポンプ60は、ブレーキ作動装置26のキャリパに流体圧を与える。好ましくは、ポンプ60は、ブレーキ制御装置52とは各別に設けられる駆動源によって駆動する。リザーバ62には、流体が溜められる。制御装置64は、アクチュエータ58を制御して、バルブ56を駆動させる。バルブ56は、キャリパに与えられる流体圧を調節する。バルブ56は、ブレーキ操作装置24とブレーキ作動装置26とを接続する流路28に配置される第1バルブ56Aと、ブレーキ作動装置26とリザーバ62とを接続する流路28に配置される第2バルブ56Bとを備えていてもよい。第1バルブ56Aと第2バルブ56Bとは一体に構成されていてもよい。第1バルブ56Aと第2バルブ56Bとは体に構成される場合、アクチュエータ58は、第1バルブ56Aを駆動するアクチュエータ58と、第2バルブ56Bを駆動するアクチュエータ58とを備えていてもよい。ブレーキ制御装置52は、ポンプ60を備えていなくてもよい。
【0038】
ブレーキ制御装置52は、ハウジング66を備える。バルブ56およびアクチュエータ58は、ハウジング66の内部に配置される。第1ポート54Aおよび第2ポート54Bは、ハウジング66の外部に設けられる。好ましくは、ハウジング66は、筒形状に形成される。ブレーキ制御装置52は、外周部68を備える。外周部68は、ハウジング66に設けられる。
【0039】
図7に示されるように、ブレーキ制御装置52は、アダプタ70によってフレーム22に取り付けられる。好ましくは、ブレーキ制御装置52は、アダプタ70によってフレーム22に着脱可能に取り付けられる。ブレーキ制御装置52は、アダプタ70の保持部74に保持される。
【0040】
図7から図11を参照して、アダプタ70について説明する。
人力駆動車用のアダプタ70は、取付部72と、保持部74と、を備える。取付部72は、人力駆動車10のフレーム22の内部空間22Sを形成する内壁部22Wに取り付けられる。保持部74は、人力駆動車10のブレーキ制御装置52の少なくとも一部がフレーム22の内部空間22Sに配置されるようにブレーキ制御装置52を保持する。好ましくは、アダプタ70は樹脂材料を含む。好ましくは、取付部72および保持部74は、一体形成される。
【0041】
好ましくは、取付部72は、板状に形成される。好ましくは、取付部72は、人力駆動車10のフレーム22の延びる方向Aに沿って延びる。取付部72には、取付部72とフレーム22とを取り付けるための固定部材90が挿入される孔72Aが形成される。好ましくは、孔72Aは、複数の孔72Aを備える。本実施形態では、孔72Aは、2つの孔72Aを備える。好ましくは、複数の孔72Aは、フレーム22の延びる方向Aにおいて、互いに異なる位置に設けられる。
【0042】
フレーム側取付部30は、固定部材90と係合する係合部30Aを備える。固定部材90は、例えば、雄ねじ部91を備える。係合部30Aは、固定部材90の雄ねじ部91がねじ込まれる雌ねじ部30Bを備える。係合部30Aは、凹部であってもよく、貫通孔であってもよい。係合部30Aは、雌ねじ部30Bを備えず、フレーム22の外面において固定部材90の雄ねじ部91にナットが取り付けられてもよい。
【0043】
好ましくは、取付部72は、ブレーキ制御装置52が保持部74に保持される状態において、ブレーキ制御装置52と取付部72との間に隙間を形成するように構成される。取付部72とブレーキ制御装置52との間の隙間には、固定部材90のボルトヘッド92が配置される。取付部72とブレーキ制御装置52との間の隙間は、孔72Aに対応する位置に設けられている。取付部72とブレーキ制御装置52との間の隙間は、後述する凹部68Aに対応する位置に設けられている。取付部72は、ブレーキ制御装置52が保持部74に保持される状態において、ブレーキ制御装置52と取付部72とが部分的に接触するように構成されてもよい。
【0044】
好ましくは、保持部74は、第1規制部76を備える。第1規制部76は、外周部68と接触することによってブレーキ制御装置52の移動を規制する。第1規制部76は、フレーム22に対するブレーキ制御装置52の移動を規制する。第1規制部76は、アダプタ70に対するブレーキ制御装置52の移動を規制する。好ましくは、第1規制部76は、複数の第1規制部76を備える。複数の第1規制部76は、フレーム22の延びる方向Aにおいて、それぞれ異なる位置に配置される。好ましくは、第1規制部76は、フレーム22の延びる方向Aと異なる方向Bに沿って延びるアーム部78を備える。
【0045】
フレーム22の延びる方向と異なる方向Bは、第1方向B1および第1方向B1とは反対の第2方向B2を含む。好ましくは、アーム部78は、取付部72から第1方向B1に延びる第1アーム部80と、取付部72から第2方向B2に延びる第2アーム部82と、を備える。好ましくは、第1アーム部80は、フレーム22の延びる方向Aと平行する方向から見た場合、湾曲形状を有する。好ましくは、第2アーム部82は、フレーム22の延びる方向Aと平行する方向から見た場合、湾曲形状を有する。第1アーム部80の延びる方向における第1アーム部80の長さと、第2アーム部82の延びる方向における第2アーム部82の長さとは異なっていてもよい。フレーム22の延びる方向Aと平行する方向から見た場合、第1アーム部80の形状と、第2アーム部82の形状とは左右対称でなくてもよい。好ましくは、第1アーム部80のうちの取付部72から遠い側の端部80A、および、第2アーム部82のうちの取付部72から遠い側の端部82Aのうちの少なくとも一方は、取付部72に向かって屈曲する屈曲部78Aを備える。
【0046】
ブレーキ制御装置52の外周部68は、凹部68Aを備える。第1規制部76は、第1規制部76の少なくとも一部が凹部68Aに配置されるように構成される。具体的には、第1アーム部80の少なくとも一部と、第2アーム部82の少なくとも一部とが、凹部68Aに配置される。好ましくは、凹部68Aの数は、アーム部78の数と対応する。第1アーム部80および第2アーム部82は、外周部68のうちの凹部68Aが形成される部分と対応する形状を有する。凹部68Aの段差部と、第1アーム部80または第2アーム部82とが接触することによって、ブレーキ制御装置52がフレーム22に対して第3方向Cへ移動することが規制される。第3方向Cは、第1方向B1および第2方向B2とは異なる方向である。
【0047】
好ましくは、フレーム22の延びる方向Aにおいて、アーム部78の幅HAは、凹部68Aの幅HBよりも短い。凹部68Aが複数の凹部68Aを含む場合、好ましくは、フレーム22の延びる方向Aにおいて、複数の凹部68Aのうちの1つの幅HB1は、複数の凹部68Aのうちの他の1つの幅HB2よりも短い。この場合、幅HB1を有する凹部68Aによってブレーキ制御装置52のフレーム22に対する移動を好適に規制できる。また、複数のアーム部78の幅HAが互いに等しいの場合、幅HB2を有する凹部68Aによって複数のアーム部78のそれぞれを、複数の凹部68Aのうちの対応する凹部68Aに好適に配置できる。
【0048】
好ましくは、第1アーム部80の高さTAは、第2アーム部82の高さTBよりも長い。高さTAは、フレーム22の延びる方向Aと直交し、かつ、第1方向B1および第2方向B2と直交する方向Xにおいて、取付部72から第1アーム部80の端部80Aまでの距離である。高さTBは、方向Xにおいて、取付部72から第2アーム部82の端部82Aまでの距離である。好ましくは、高さTAは、10mm以上かつ50mm以下である。好ましくは、高さTAは、20mm以上かつ40mm以下である。好ましくは、高さTAは、30mm以上かつ35mm以下である。
【0049】
好ましくは、保持部74は、ブレーキ制御装置52を着脱可能に保持する好ましくは、アーム部78は、弾性変形するように構成される。好ましくは、第1アーム部80の端部80Aから、第2アーム部82の端部82Aまでの距離LAは、ブレーキ制御装置52の凹部68Aが設けられる部分の外径よりも短い。ブレーキ制御装置52をアダプタ70に取り付ける場合、アーム部78が弾性変形することによって、距離LAが大きくなり、ブレーキ制御装置52が第1アーム部80および第2アーム部82に保持される。好ましくは、アーム部78は、ブレーキ制御装置52がアダプタ70に取り付けられた状態における距離LAが、30mm以上かつ60mm以下になるように構成される。好ましくは、アーム部78は、ブレーキ制御装置52がアダプタ70に取り付けられた状態における距離LAが、40mm以上かつ50mm以下になるように構成される。好ましくは、アーム部78は、ブレーキ制御装置52がアダプタ70に取り付けられた状態における距離LAが、44mm以上かつ47mm以下になるように構成される。好ましくは、ブレーキ制御装置52がアダプタ70に取り付けられた状態における距離LAは、ブレーキ制御装置52がアダプタ70に取り付けられていない状態における距離LAよりも大きい。ブレーキ制御装置52をアダプタ70に取り付けられた状態において、屈曲部78Aが外周部68に接触することによって、ブレーキ制御装置52の移動が規制される。
【0050】
好ましくは、保持部74は、第1方向B1および第2方向B2とは異なる方向である第3方向Cにおいてブレーキ制御装置52の移動を規制する第2規制部84を備える。好ましくは、第3方向Cは、フレーム22の延びる方向Aと平行する方向を含む。ブレーキ制御装置52は、第3方向Cにおいて第1端部52Aおよび第2端部52Bを備える。好ましくは、第1端部52Aは、ブレーキ制御装置52がフレーム22に取り付けられる状態において、第2端部52Bよりも人力駆動車10の下方に位置する。第2規制部84は、第1端部52Aと接触するように構成される。好ましくは、第2規制部84は、第3方向Cにおいて、取付部72の一方の端部と連続する。好ましくは、第2規制部84は、フレーム22の延びる方向において弾性変形する弾性部86を備える。
【0051】
好ましくは、フレーム22の延びる方向Aにおける取付部72の長さLXは、50mm以上かつ200mm以下である。好ましくは、長さLXは、70mm以上かつ150mm以下である。好ましくは、長さLXは、100mm以上かつ110mm以下である。長さLXは、例えば、105mmである。好ましくは、長さLXは、フレーム22の延びる方向Aにおけるアダプタ70の長さLYと実質的に等しい。
【0052】
<変形例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用のアダプタ、人力駆動車用のブレーキ制御ユニット、および、人力駆動車用のブレーキシステムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用のアダプタ、人力駆動車用のブレーキ制御ユニット、および、人力駆動車用のブレーキシステムは、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0053】
図12に示すように、アダプタ70の取付部72は、フック88を含んでいてもよい。好ましくは、フック88は、第3方向Cにおいて、取付部72のうちの第2規制部84が設けられる側とは反対側の端部に設けられる。フック88は、取付部72からブレーキ制御装置52とは反対側に延びる。フレーム側取付部30は、フック88が挿入されるフック係合部30Cが設けられる。アダプタ70は、フック88がフック係合部30Cに挿入されることによって、内壁部22Wに取り付けられる。図12のアダプタ70の取付部72は、フック88に加えて、固定部材90が取り付けられる係合部30Aをさらに備えていてもよい。フック係合部30Cと係合部30Aとの両方をトップチューブ22Cに有する場合、固定部材90が取り付けられる係合部30Aの方がフック係合部30Cよりもトップチューブ22Cとダウンチューブ22Aとの接続部分から遠い位置に設けられる。この場合、フレーム22の外部から固定部材90を容易に取り付けることができる。アダプタ70のフレーム22への取り付け方法は、実施形態および図12に示す変形例に限らず、適宜変更することができる。
【0054】
・取付部72には、固定部材90が挿入される雌ねじ部が形成されていてもよい。この場合、固定部材90のボルトヘッド92は、フレーム22の外部に配置される。
【0055】
・アーム部78は、取付部72に対して移動する可動部を備えていてもよい。ブレーキ制御装置52をアダプタ70に取り付ける場合、可動部を移動させることによって、ブレーキ制御装置52をアダプタ70に取り付ける。この場合、アーム部78は、弾性変形しなくてもよい。
【0056】
・ブレーキシステム20を図13に示す構成に変更してもよい。図13のブレーキシステム20は、ブレーキ操作装置24が操作される場合、流体が第1流路28Aおよび第2流路28Bを移動することによってブレーキ作動装置26を作動させる。ABSが動作する場合、アクチュエータ58によってバルブ56が移動し、流路28を閉鎖する。この場合、バルブ56の移動によって、バルブ56よりもブレーキ作動装置26側の流路28の容積が増加し、ブレーキ作動装置26内の流体圧が低下するため、車輪12のロックが抑制される。
【0057】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0058】
10…人力駆動車、20…人力駆動車用のブレーキシステム、22…フレーム、22S…内部空間、22W…内壁部、30…フレーム側取付部、32…フレーム本体、36…開口部、38…第1開口部、40…第2開口部、34…カバー、24…ブレーキ操作装置、26…ブレーキ作動装置、28…流路、28A…第1流路、28B…第2流路、50…人力駆動車用のブレーキ制御ユニット、52…ブレーキ制御装置、52A…第1端部、52B…第2端部、54A…第1ポート、54B…第2ポート、56…バルブ、58…アクチュエータ、68…外周部、68A…凹部、70…人力駆動車用のアダプタ、72…取付部、72A…孔、74…保持部、76…第1規制部、78…アーム部、80…第1アーム部、82…第2アーム部、84…第2規制部、86…弾性部、90…固定部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13