(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】可搬式バッテリー装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/42 20060101AFI20241219BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20241219BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241219BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20241219BHJP
H01M 50/543 20210101ALI20241219BHJP
【FI】
H01M10/42 P
H01M50/20
H01M10/613
H01M10/6563
H01M50/543
(21)【出願番号】P 2021027580
(22)【出願日】2021-02-24
【審査請求日】2024-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 比呂子
(72)【発明者】
【氏名】稲山 諒
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3158491(JP,U)
【文献】特開2003-178733(JP,A)
【文献】特開平11-086914(JP,A)
【文献】特開2010-011634(JP,A)
【文献】特開平8-149703(JP,A)
【文献】特開平4-349346(JP,A)
【文献】特開2018-105563(JP,A)
【文献】特開2007-257916(JP,A)
【文献】特開2019-193326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42
H01M 50/20
H01M 10/613
H01M 10/6563
H01M 50/543
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーパックが格納されるバッテリーケースを備えた可搬式バッテリー装置において、
前記バッテリーケースは、前記バッテリーパックの格納部を開閉する開閉扉と、前記バッテリーパックに接続される端子部と、を備え、前記開閉扉と前記端子部とを連結し、前記開閉扉の閉動作に連動させて前記端子部を前記バッテリーパックに接続させるリンク機構を備えた
ことを特徴とする可搬式バッテリー装置。
【請求項2】
前記バッテリーケースにヒンジ連結され、前記バッテリーパックの格納時に前方に倒されて前記バッテリーパックの案内面を形成する前面開閉扉を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の可搬式バッテリー装置。
【請求項3】
前記バッテリーパックは雌型端子とガイド孔とを備え、前記端子部は前記雌型端子に接続される雄型端子と前記ガイド孔に嵌合するガイドピンとを備えた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の可搬式バッテリー装置。
【請求項4】
前記開閉扉の内面に弾性部材を備え、前記開閉扉を閉じたとき、前記弾性部材が前記バッテリーパックを押圧支持する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の可搬式バッテリー装置。
【請求項5】
前記バッテリーケースの底面にバッテリーパック案内用の一対のガイドレールを備えた
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の可搬式バッテリー装置。
【請求項6】
前記一対のガイドレールの間に冷却ファンを備え、前記バッテリーケースの下部に吸気口を備え、前記バッテリーケースの上部に排気口を備えた
ことを特徴とする請求項5に記載の可搬式バッテリー装置。
【請求項7】
前記バッテリーケースに移動用のキャスターを備えた
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の可搬式バッテリー装置。
【請求項8】
前記バッテリーケースに手持ち用のハンドルを備えた
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の可搬式バッテリー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬式バッテリー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発電機(外部設備機)に複数台の可搬式バッテリー装置を接続し、エンジンで発電機を駆動して発電電力を出力する発電運転モードと、可搬式バッテリー装置に充電された電力を出力するバッテリー運転モードと、を備えるハイブリッド型の発電システムが提案されている。
従来の可搬式バッテリー装置としては、バッテリーパックの質量が重い場合でも、バッテリーの可搬性が高められ、充電の際、バッテリー移動を容易にできるものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の可搬式バッテリー装置では、バッテリーケースに格納されたバッテリーパックに充電する際、作業が困難である。また、例えばエンジンで駆動する発電機(外部設備機)に接続する場合、外部設備機とバッテリーパックとを接続する作業が困難になる、という課題がある。
そこで、本発明の目的は、バッテリーケースに格納されたバッテリーパックに簡単に充電でき、バッテリーパックと外部設備機とを簡単に接続できる可搬式バッテリー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、バッテリーパックが格納されるバッテリーケースを備えた可搬式バッテリー装置において、前記バッテリーケースは、前記バッテリーパックの格納部を開閉する開閉扉と、前記バッテリーパックに接続される端子部と、を備え、前記開閉扉と前記端子部とを連結し、前記開閉扉の閉動作に連動させて前記端子部を前記バッテリーパックに接続させるリンク機構を備えた。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、開閉扉の閉動作に連動させて端子部をバッテリーパックに接続させるリンク機構を備えたため、バッテリーパックに簡単に充電でき、バッテリーパックと外部設備機とを簡単に接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る可搬式バッテリー装置を示す図である。
【
図2】ハイブリッド型の発電システムを示す図である。
【
図3】可搬式バッテリー装置の一実施形態を示す図であり、(A)は、リンク機構23の斜視図、(B)は、同側面図である。
【
図5】(A)~(F)は、バッテリーパックを格納する手順を示す図である。
【
図6】バッテリーケース内の冷却風の流れを示す図である。
【
図7】可搬式バッテリー装置の別実施形態を示す図である。
【
図8】(A)、(B)は、可搬式バッテリー装置の更に別実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、ハイブリッド型の発電システムを示す。符号1は、発電機(外部設備機)である。発電機1はエンジン(不図示)により駆動されて発電電力を出力する。発電機1には、ケーブル2を介して、複数台の可搬式バッテリー装置3が並列に接続されている。
この発電システムは、エンジンで発電機1を駆動して発電電力を出力する発電運転モードと、可搬式バッテリー装置3に充電された電力を出力するバッテリー運転モードと、を備える。この発電システムは、ハイブリッド型発電システムであり、本実施形態による可搬式バッテリー装置3の一応用例である。
【0009】
図2は、可搬式バッテリー装置3の一実施形態を示す図である。
可搬式バッテリー装置3は樹脂製のバッテリーケース10を備えている。バッテリーケース10の底部の4隅には移動用のキャスター5が設けられている。
バッテリーケース10には、バッテリーパック20が格納される2つの格納部11が形成されている。バッテリーケース10は、断面形状がE型の枠板19を備えている。E型の枠板19は、一対の側面板12と、背面板13と、底面板14と、仕切り板15とを備えている。バッテリーケース10は、2つの格納部11の上面を閉塞可能に、上面開閉扉17を備えている。バッテリーケース10は、2つの格納部11の前面を閉塞可能に、前面開閉扉18を備えている。2つの格納部11は横並びに設けられる。
【0010】
なお、上面開閉扉17および前面開閉扉18は、2つの格納部11毎に独立して、2枚ずつ配置してもよい。バッテリーケース10には1つの格納部11を設け、単一のバッテリーパック20を格納する形態としてもよく、3以上の格納部11を設けて、3以上のバッテリーパック20を格納する形態としてもよい。
【0011】
2つの格納部11の底面板14には、一対のガイドレール36が設けられている。バッテリーパック20の格納時には、バッテリーパック20がガイドレール36の上に載せられ、入口側から奥側へ押し込まれる。一対のガイドレール36は、バッテリーケース10の底面に設けられたバッテリーパック案内用のガイドレールであり、ガイドレール36によりバッテリーパック20が左右に位置決めされる。
一対のガイドレール36の間には冷却ファン40が配置されている。バッテリーケース10の下方位置には吸気口37が形成され、バッテリーケース10の上方位置には排気口38が形成されている。吸気口37にはルーバー37Aが配置され、排気口38にはルーバー38Aが配置されている。
【0012】
前面開閉扉18は、バッテリーケース10の前面の下端10Aにヒンジ連結され、図示のように、開いた状態で、上端が前方に倒される。前面開閉扉18が前方に倒されたとき、前面開閉扉18の上端が床面に設置され、前面開閉扉18が傾斜する。前面開閉扉18の傾斜面は、バッテリーパック格納時の案内面18Aを形成している。
【0013】
背面板13の裏面にはコントロールパネル44が配置されている。
コントロールパネル44には、図示は省略したがインバーター、充電回路、出力回路などが配置されている。バッテリーケース10の入口側の底部には、端子部21が設けられている。端子部21は、格納部11の入口側の底面板14に配置されている。端子部21は、バッテリーパック20に接続されている。端子部21は、コントロールパネル44に接続されている。端子部21を介して、バッテリーパック20に充電でき、バッテリーパック20から電力を出力できる。
【0014】
図3は、上面開閉扉(開閉扉)17と端子部21とを連結するリンク機構23を模式的に示す図である。
図3(A)は、リンク機構23の斜視図、
図3(B)は、同側面図である。
図3に示すように、リンク機構23は、左右一対で構成されている。
リンク機構23は、上面開閉扉17のアーム16に一端がピン連結された第1リンク24と、第1リンク24の他端に一端がピン連結された第2リンク25とを備えている。第1リンク24は上下動自在である。
上面開閉扉17のヒンジ軸17Aは第1回転中心軸M1である。第1回転中心軸M1は側面板12または仕切り板15に支持されている。
【0015】
第2リンク25は第2回転中心軸M2を備えている。第2回転中心軸M2は側面板12または仕切り板15に支持されている。第2リンク25の他端には第3リンク26の一端がピン連結され、第3リンク26の他端には連結子27が連結されている。第3リンク26と連結子27は、一体的に上下動自在である。
左右一対の連結子27は、上下動バー部材28により連結され、上下動バー部材28の中央部には、端子部21が配置されている。
リンク機構23は、上面開閉扉17と、上下動バー部材28とを連結し、上面開閉扉17の閉動作に連動させて、上下動バー部材28の中央部に配置された端子部21をバッテリーパック20に向けて突出させる。
【0016】
図4は、端子部21の構造を示す。
バッテリーパック20の下面には、雌型端子31が埋め込まれ、雌型端子31に隣接してガイド孔32が配置されている。端子部21は、雌型端子31に接続される雄型端子33と、ガイド孔32に嵌合するガイドピン34とを備えている。ガイド孔32の入口32Aは拡径されており、ガイドピン34を誘い込む。上面開閉扉17の閉動作に連動させて、端子部21がバッテリーパック20に向けて突出すると、最初にガイドピン34がガイド孔32に嵌合し、この嵌合に遅れてバッテリーパック20の雌型端子31に、端子部21の雄型端子33が接続される。
端子部21は、
図2に示すように、バッテリーケース10の背面板13に設けたコントロールパネル44に接続され、コントロールパネル44には、
図1に示すように、発電機(外部設備機)1が接続されている。
【0017】
図5(A)~
図5(F)は、バッテリーケース10にバッテリーパック20を格納する際の手順を示している。各図では可搬式バッテリー装置3を模式的に示している。
図5(A)は、バッテリーパック20の格納前の形態を示す。
この状態では、上記端子部21が上方位置に突出している。上面開閉扉17の内面にはゴム部材(弾性部材)41が貼着されている。ゴム部材41は、バッテリーケース10にバッテリーパック20を格納し、上面開閉扉17を閉じたときに、バッテリーパック20の上面に当接して、バッテリーパック20を押圧支持する。
【0018】
バッテリーパック20の格納時には、
図5(B)に示すように、まず、前面開閉扉18が開かれて、ついで、上面開閉扉17が開かれる。上面開閉扉17の上端には、ロック板42が配置されている。このロック板42は、
図5(A)に示すように、前面開閉扉18の上端をロックすることが可能である。
【0019】
前面開閉扉18が開かれて、
図5(B)に示すように、前方に倒されると、前面開閉扉18の傾斜面が、バッテリーパック格納時の案内面18Aを形成する。この案内面18Aの上には、バッテリーパック20が載せられる。
【0020】
上面開閉扉17が開かれると、
図3のリンク機構23を介して、端子部21が下方位置へ降下する。この状態で、案内面18Aに載せたバッテリーパック20を上方へ押し上げると、バッテリーパック20は、
図5(C)に示すように、案内面18Aに案内されて格納部11に進入する。格納部11では、一対のガイドレール36の上に載る。
図5(D)は、バッテリーパック20が最終位置に押し込まれた形態を示している。
図5(D)の最終位置では、バッテリーパック20が、バッテリーパック20の下面に設けた形状に基づいて、位置決めされている。
【0021】
バッテリーパック20が最終位置に押し込まれると、
図5(E)に示すように、前面開閉扉18が閉じられ、上面開閉扉17が閉じられる。
上面開閉扉17、前面開閉扉18の閉動作が完了したとき、
図5(F)に示すように、ロック板42を操作させて、前面開閉扉18の上端がロックされる。
【0022】
図5(E)に示すように、上面開閉扉17が閉動作するとき、
図3のリンク機構23を介して、端子部21が上方位置へ突出する。上面開閉扉17の閉動作において、端子部21は徐々に上昇する。
図4に示すように、最初にガイドピン34がガイド孔32に嵌合し、この嵌合に遅れてバッテリーパック20の雌型端子31に、端子部21の雄型端子33が接続され、バッテリーパック20と端子部21が接続される。
【0023】
図6は、バッテリーケース10内の冷却風の流れを示す。
バッテリーケース10の各格納部11にバッテリーパック20を格納し、前面開閉扉18を閉じて、上面開閉扉17を閉じ、ロック板42により前面開閉扉18の上端をロックし、冷却ファン40を駆動する。吸気口37から吸い込まれる外気は、一点鎖線で示すように、一対のガイドレール36の間を通って、バッテリーパック20の下面に達する。この外気は、バッテリーパック20の下面を冷却し、バッテリーケース10内を上昇して、バッテリーパック20の側面を冷却し、排気口38から排気される。
【0024】
以上説明したように、本実施形態によれば、バッテリーパック20が格納されるバッテリーケース10を備えた可搬式バッテリー装置3において、バッテリーケース10は、バッテリーパック20の格納部11を開閉する上面開閉扉(開閉扉)17と、バッテリーパック20に接続される端子部21と、を備え、上面開閉扉17と端子部21とを連結し、上面開閉扉17の閉動作に連動させて端子部21をバッテリーパック20に接続させるリンク機構23を備えた。
【0025】
これによれば、バッテリーケース10にバッテリーパック20を格納し、上面開閉扉17を閉じることで、端子部21とバッテリーパック20とが接続される。従って、
図1に示すように、ハイブリッド型の発電システムを構築する場合などに、発電機1の近くに複数台のバッテリーパック20を移動し、各バッテリーパック20と発電機1とを簡単に接続できる。
【0026】
また、本実施形態では、バッテリーケース10にヒンジ連結され、バッテリーパック20の格納時に前方に倒されてバッテリーパック20の案内面18Aを形成する前面開閉扉18を備えた。
【0027】
これによれば、前面開閉扉18を開くと、上端が前方に倒れてバッテリーパック格納時の案内面18Aが形成されるため、案内面18Aに沿ってバッテリーパック20を挿抜でき、バッテリーパック20の重量が重い場合でも、バッテリーケース10にバッテリーパック20を簡単に格納できる。
【0028】
また、本実施形態では、
図4に示すように、バッテリーパック20は雌型端子31とガイド孔32とを備え、端子部21は雌型端子31に接続される雄型端子33とガイド孔32に嵌合するガイドピン34とを備えて構成されている。
【0029】
これによれば、最初にガイドピン34がガイド孔32に嵌合するため、この嵌合に遅れて案内されて、バッテリーパック20の雌型端子31に、端子部21の雄型端子33が、正確に接続される。
【0030】
また、本実施形態では、
図5(A)に示すように、上面開閉扉17の内面にゴム部材(弾性部材)41が配置されている。
これによれば、上面開閉扉17が閉じられたとき、ゴム部材41がバッテリーパック20の上面に当接し、バッテリーパック20を押圧支持するため、バッテリーパック20が正確に位置決めされる。
【0031】
また、本実施形態では、
図2に示すように、バッテリーケース10の底面にバッテリーパック案内用の一対のガイドレール36が設けられている。
これによれば、バッテリーパック20を格納部11へ格納するときには、ガイドレール36の上に載せて、バッテリーパック20が入口側から奥側へ押し込まれる。従って、バッテリーパック20を格納部11内に正確に位置決めできる。
【0032】
また、本実施形態では、一対のガイドレール36の間に冷却ファン40を備え、バッテリーケース10の下部に吸気口37を備え、バッテリーケース10の上部に排気口38を備えて構成されている。
これによれば、吸気口37から吸い込まれる外気は、バッテリーパック20の下面及びバッテリーパック20の側面を冷却し、排気口38から排気されるため、バッテリーパック20が効率よく冷却される。
【0033】
本実施形態では、バッテリーケース10の底部に、移動用のキャスター5を備えて構成されている。これによれば、ハイブリッド型の発電システムを構築する場合などに、発電機1の近くにバッテリーパック20を簡単に移動できる。
【0034】
可搬式バッテリー装置3が、ハイブリッド型発電システムに適用された場合、複数台の充電済みの可搬式バッテリー装置3を準備しておくことで、発電機1に対し、ユーザーの用途に合わせ、可搬式バッテリー装置3を何台でも接続できる。
大出力の発電機1であって、発電機1単体では始動できないときにも、何台かの可搬式バッテリー装置3を並列接続させれば、発電機1を始動し運転できる。
運転時は必要な出力に合わせて、可搬式バッテリー装置3の接続を切り替えてもよい。また、何台かのうち1台の可搬式バッテリー装置3のバッテリーの残量が少なくなると、その可搬式バッテリー装置3が出力モードから充電モードに切り替わり、少ないバッテリー容合わせ発電機1の余力電力から少しずつ充電するようにしてもよい。
【0035】
例えば、災害時などに、
図1のハイブリッド型発電システムを適用すれば、必要に応じてガソリンとバッテリー電力を使い分けることで、最適運転モードによる長時間連続運転が可能になる。発電機1は動いているが、実際定格以下の電力しか使っていない場合、余った電気を充電が必要な可搬式バッテリー装置3に充電でき、常にバッテリーは満タンの状況となり、不測の事態に対応できる。
バッテリーを動力源とすることで、出力の大きさによってエンジンとバッテリーが並列運転を行い、CO2排出量を抑制できる。バッテリーは低騒音であり、環境に対する負荷低減が図れる。大出力の発電機1は、付属のバッテリーが大きく重くなる。可搬式バッテリー装置3と連動させることで、付属のバッテリーが不要となり、発電機1を小型、軽量化させることができる。
【0036】
また、バッテリーパック20は、例えば、車載バッテリーなどにも適用される。この場合、バッテリーパック20を充電するとなると、車両から離れた、充電設備が設置された場所まで、移動させなければならない。
本実施形態では、バッテリーケース10の格納部11に、バッテリーパック20を格納した状態で、充電設備まで移動でき、バッテリーパック20を格納した状態で、充電設備により充電できる。充電後には、バッテリーケース10の格納部11に、バッテリーパック20を格納した状態で、車両まで移動でき、バッテリーパック20をバッテリーケース10から取り出して車両に搭載できる。
【0037】
図7は、可搬式バッテリー装置3の別実施形態を示す図である。
可搬式バッテリー装置3は、樹脂製のバッテリーケース50を備えている。バッテリーケース50は、断面の形状がH型の枠板39を備え、2つの格納部51が背中合わせに構成されている。バッテリーケース50は各格納部51の上面をそれぞれ閉塞可能に、2枚の上面開閉扉57を備えている。また、バッテリーケース50は、各格納部51の前面をそれぞれ閉塞可能に、2枚の前面開閉扉58を備えている。
【0038】
また、前面開閉扉58は、上記実施形態と同様に前方に倒れたとき、前面開閉扉58の傾斜面が、バッテリーパック格納時の案内面58Aを形成する。上面開閉扉57は、図示は省略したが、
図3と同様のリンク機構を介して、端子部61に連結されている。端子部61の構成は、上記実施形態と同じである。
【0039】
図8(A)、
図8(B)は、可搬式バッテリー装置3の更に別実施形態を示す図である。可搬式バッテリー装置3は模式的に示している。可搬式バッテリー装置3は、キャリースタイルであり、それ以外の構成は上記実施形態と同じである。
上面開閉扉67のヒンジ部分側の、バッテリーケース60の背面には、引出し式又は折り畳み式の手持ち用のハンドル63が配置されている。バッテリーケース60の同背面の下方位置には、一対のキャスター65が配置されている。
可搬式バッテリー装置3は、手持ち用のハンドル63を掴んで、
図8(B)に示すように、一対のキャスター65を転動させて、床面を移動できる。
【0040】
上述した実施形態は、本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。例えば、上述のリンク機構23は、上面開閉扉17の閉動作に連動させて端子部21をバッテリーパック20に向けて突出させる機構であればよく、実施形態の構成に限定されない。また、ゴム部材41は、上面開閉扉17を閉じたときに、バッテリーパック20を押圧支持できればよく、例えばコイルスプリングなどの弾性部材であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 発電機
3 可搬式バッテリー装置
10、50、60 バッテリーケース
11 格納部
17、57、67 上面開閉扉(開閉扉)
18、58 前面開閉扉
20 バッテリーパック
21、61 端子部
23 リンク機構
36 ガイドレール
37 吸気口
38 排気口
40 冷却ファン