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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 21/04 20060101AFI20241219BHJP
   A01D 51/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A01D21/04
A01D51/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021033907
(22)【出願日】2021-03-03
(65)【公開番号】P2022134645
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000126115
【氏名又は名称】エア・ウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 晃一
(72)【発明者】
【氏名】小倉 尚勝
(72)【発明者】
【氏名】窪田 祐貴
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-186805(JP,A)
【文献】米国特許第03678677(US,A)
【文献】特開昭48-039210(JP,A)
【文献】特開2000-255739(JP,A)
【文献】特開2012-244969(JP,A)
【文献】特開2018-046858(JP,A)
【文献】米国特許第04722175(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 21/04
A01D 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に栽培されている作物を当該作物を収容可能な収容部に向けて搬送する搬送部を備え、
前記搬送部は、
前記作物をその下方から支持しながら搬送する搬送コンベアと、
前記搬送コンベアの搬送方向における前記作物の後方から当該作物を支持しながら前記搬送コンベアとともに前記作物を搬送するロッドコンベアと、
前記搬送方向における前記搬送コンベアの下流側に配置され、前記搬送コンベアから受けた前記作物を前記搬送方向と交差する方向に搬送する交差コンベアと、
前記搬送コンベアと前記交差コンベアとの角部に設けられており、前記搬送コンベアから前記交差コンベアに向かう前記作物に接しながら回転するローラと、を有し、
前記搬送コンベアは、
前記搬送方向における上流側に配置された搬送側上流ローラと、
前記搬送方向における前記搬送側上流ローラの下流側でかつ前記搬送側上流ローラの上方に配置された搬送側下流ローラと、
前記搬送側上流ローラ及び前記搬送側下流ローラにかけ回された搬送ベルトと、を有し、
前記ロッドコンベアは、
前記搬送方向における上流側に配置されたロッド側上流ローラと、
前記搬送方向における前記ロッド側上流ローラの下流側でかつ前記ロッド側上流ローラの上方に配置されたロッド側下流ローラと、
前記ロッド側上流ローラ及び前記ロッド側下流ローラにかけ回されたロッドベルトと、
それぞれが前記搬送方向に互いに間隔を置いて配置されており、前記ロッドベルトに保持された複数のロッドと、を有し、
前記複数のロッドの各ロッド間の距離は、前記作物の通過を許容する大きさに設定されており、
前記各ロッドは、前記搬送ベルト上の前記作物を前記搬送方向における後方から支持する、収穫機。
【請求項2】
前記搬送側上流ローラの回転中心軸は、前記ロッドベルトの軌跡の下端部よりも上方でかつ前記ロッド側上流ローラの回転中心軸よりも下方に配置されている、請求項1に記載の収穫機。
【請求項3】
前記ロッドベルトは、前記交差コンベアの上方を通過するとともに、上下方向における前記ロッドと前記搬送コンベア又は前記交差コンベアと間の距離が前記作物の大きさ以上となる領域が形成されるように前記ロッド側上流ローラ及び前記ロッド側下流ローラにかけ回されている、請求項1又は2に記載の収穫機。
【請求項4】
前記搬送部は、
前記交差コンベアの搬送方向における当該交差コンベアの下流側に配置され、前記交差コンベアから受けた前記作物を前記交差コンベアの搬送方向と交差する方向に搬送する他の交差コンベアと、
前記交差コンベアと前記他の交差コンベアとの角部に設けられており、前記交差コンベアから前記他の交差コンベアに向かう前記作物に接しながら回転する他のローラと、をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の収穫機。
【請求項5】
前記搬送方向における前記搬送部の上流側に設けられており、圃場から前記作物を拾い上げるとともに当該作物を前記搬送部に送るピックアップ部をさらに備え、
前記ピックアップ部は、
前記作物をその下方から支持しながら前記搬送部に向けて搬送するピックアップコンベアと、
前記作物をその両側方から挟持しながら前記ピックアップコンベアとともに前記搬送部に送る挟持部と、を有し、
前記ピックアップコンベア及び前記挟持部は、前記搬送コンベアに近づくにしたがって次第に圃場から離間するように傾斜する姿勢である、請求項1からのいずれかに記載の収穫機。
【請求項6】
前記ロッドの移動軌跡は、
前記ロッド側上流ローラに沿う上流側円弧部と、
前記搬送ベルトの上方に位置し、前記上流側円弧部から前記ロッドの移動方向における下流側に向かって直線状に延びる上方直線部と、を有し、
前記ピックアップコンベアの下流側の端部は、前記ロッドの前記移動軌跡から離間し、かつ、前記ロッドの前記移動軌跡の外縁部のうち前記上流側円弧部と前記上方直線部と境界部よりも上方に位置している、請求項に記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場に栽培されている作物を収穫する収穫機が知られている。例えば、特開2017-175997号公報には、後上がり傾斜姿勢で配置された持ち上げ搬送装置と、拾上げ搬送装置と、作物収容部と、を備える作物拾上げ収穫機が開示されている。拾上げ搬送装置は、後方かつ上方に作物を搬送する。拾上げ搬送装置は、作物を載置して搬送する複数の搬送バーを有している。複数の搬送バーは、前後方向に所定間隔毎に配置されている。搬送バーは、作物の落下を防止する桟として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-175997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2017-175997号公報に記載された収穫機では、南瓜等の比較的大きな重量を有する作物を収穫する場合、搬送中における作物の落下を防止するために、搬送ベルトからの搬送バー(桟)の高さを大きくする必要がある。桟が高くなり、また、その桟で比較的大きな重量を有する作物を支持するため、桟を支える搬送ベルトに求められる強度(剛性)も大きくなる。このため、搬送ベルトの大型化(厚肉化等)が不可避となる。
【0005】
本発明の目的は、搬送ベルトの大型化を回避しつつ、比較的大きな重量を有する作物を搬送することが可能な収穫機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一局面に従った収穫機は、圃場に栽培されている作物を当該作物を収容可能な収容部に向けて搬送する搬送部を備え、前記搬送部は、前記作物をその下方から支持しながら搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアの搬送方向における前記作物の後方から当該作物を支持しながら前記搬送コンベアとともに前記作物を搬送するロッドコンベアと、を有し、前記搬送コンベアは、前記搬送方向における上流側に配置された搬送側上流ローラと、前記搬送方向における前記搬送側上流ローラの下流側でかつ前記搬送側上流ローラの上方に配置された搬送側下流ローラと、前記搬送側上流ローラ及び前記搬送側下流ローラにかけ回された搬送ベルトと、を有し、前記ロッドコンベアは、前記搬送方向における上流側に配置されたロッド側上流ローラと、前記搬送方向における前記ロッド側上流ローラの下流側でかつ前記ロッド側上流ローラの上方に配置されたロッド側下流ローラと、前記ロッド側上流ローラ及び前記ロッド側下流ローラにかけ回されたロッドベルトと、それぞれが前記搬送方向に互いに間隔を置いて配置されており、前記ロッドベルトに保持された複数のロッドと、を有し、前記複数のロッドの各ロッド間の距離は、前記作物の通過を許容する大きさに設定されており、前記各ロッドは、前記搬送ベルト上の前記作物を前記搬送方向における後方から支持する。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、搬送ベルトの大型化を回避しつつ、比較的大きな重量を有する作物を搬送することが可能な収穫機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の収穫機の斜視図である。
図2】ピックアップ部を概略的に示す平面図である。
図3】ピックアップ部を概略的に示す側面図である。
図4】ピックアップコンベアとロッドコンベアとの位置関係を説明するための側面図である。
図5】搬送部の拡大斜視図である。
図6図5に示される角度とは異なる角度における搬送部の拡大斜視図である。
図7】ロッドと搬送コンベア及び交差コンベアとの位置関係を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態の収穫機の斜視図である。この収穫機1は、圃場Fを走行しながら比較的大きな重量を有する作物(南瓜等)を収穫する機械である。
【0011】
図1に示されるように、収穫機1は、走行機100と、機体フレーム200と、ピックアップ部300と、搬送部400と、を備えている。
【0012】
走行機100は、圃場Fを走行可能な左右一対のクローラで構成されている。
【0013】
機体フレーム200は、走行機100上に搭載されている。機体フレーム200には、運転席210と、収容部230と、が設けられている。運転席210は、収穫機1の進行方向を向いたときにおける機体フレーム200の右側前方部に配置されている。運転席210の後方に作業台が配置されている。収容部230は、機体フレーム200の後部に設けられている。収容部230は、作物10(図7を参照)を収容可能である。機体フレーム200には、エンジンや燃料タンク等も搭載されている。
【0014】
ピックアップ部300は、機体フレーム200の前方に設けられている。ピックアップ部300は、圃場Fから作物10を拾い上げるとともに当該作物を搬送部400に送る。本実施形態では、ピックアップ部300は、拾い上げた作物10を後方に送る。図2及び図3に示されるように、ピックアップ部300は、ピックアップコンベア310と、挟持部320と、を有している。
【0015】
ピックアップコンベア310は、作物10をその下方から支持しながら搬送部400に向けて搬送する。ピックアップコンベア310は、第1ローラ311と、第1ローラ311の後方に配置された第2ローラ312と、第1ローラ311及び第2ローラ312にかけ回されたピックアップベルト313と、を有している。図3に示されるように、第2ローラ312は、第1ローラ311の後方かつ上方に配置されている。
【0016】
挟持部320は、作物10をその両側方から挟持しながらピックアップコンベア310とともに搬送部400に送る。挟持部320は、複数のガイドローラ321と、複数のガイドローラ321にかけ回された挟持ベルト322と、を有している。図2及び図3に示されるように、挟持部320は、ピックアップコンベア310よりも前方に突出している。
【0017】
図3に示されるように、ピックアップコンベア310及び挟持部320は、搬送部400に近づくにしたがって次第に圃場Fから離間するように傾斜する姿勢である。
【0018】
搬送部400は、圃場Fに栽培されている作物10を収容部230に向けて搬送する。搬送部400は、ピックアップ部300の後方に配置されている。つまり、搬送部400は、ピックアップ部300から受けた作物10を収容部230に向けて搬送する。搬送部400は、搬送コンベア410と、ロッドコンベア420と、交差コンベア430と、他の交差コンベア440と、ローラ451と、他のローラ452と、を有している。
【0019】
搬送コンベア410は、作物10をその下方から支持しながら搬送する。搬送コンベア410は、搬送側上流ローラ411と、搬送側下流ローラ412と、搬送ベルト413と、を有している。
【0020】
搬送側上流ローラ411は、作物10の搬送方向(本実施形態では後ろ向き)における上流側に配置されている。図7に示されるように、搬送側上流ローラ411は、第2ローラ312の後方かつ下方に配置されている。
【0021】
搬送側下流ローラ412は、搬送方向における搬送側上流ローラ411の下流側(後方)でかつ搬送側上流ローラ411の上方に配置されている。
【0022】
搬送ベルト413(図4を参照)は、搬送側上流ローラ411及び搬送側下流ローラ412にかけ回されている。なお、図1図5図7では、搬送ベルト413の図示は省略されている。
【0023】
ロッドコンベア420は、搬送コンベア410の搬送方向における作物10の後方から作物10を支持しながら搬送コンベア410とともに作物10を搬送する。ロッドコンベア420は、ロッド側上流ローラ421と、ロッド側下流ローラ422と、ロッドベルト423と、複数のロッド424と、を有している。
【0024】
ロッド側上流ローラ421は、搬送方向における上流側に配置されている。ロッド側上流ローラ421は、搬送側上流ローラ411の近傍に配置されている。ロッド側上流ローラ421の径は、搬送側上流ローラ411の径よりも大きい。
【0025】
ロッド側下流ローラ422は、搬送方向におけるロッド側上流ローラ421の下流側でかつロッド側上流ローラ421の上方に配置されている。
【0026】
ロッドベルト423は、ロッド側上流ローラ421及びロッド側下流ローラ422にかけ回されている。
【0027】
複数のロッド424は、それぞれが搬送方向に互いに間隔を置いて配置されており、ロッドベルト423に保持されている。各ロッド424間の距離は、作物10の通過を許容する大きさに設定されている。各ロッド424は、搬送ベルト413上の作物10を搬送方向における後方から支持する。図5及び図6に示されるように、各ロッド424は、ロッドベルト423に固定された支持軸424aと、支持軸424aに対して接着された弾性体424bと、を有している。
【0028】
ここで、図4を参照しながら、搬送側上流ローラ411とロッド側上流ローラ421との位置関係について説明する。
【0029】
図4に示されるように、ロッド側上流ローラ421の回転中心軸A2は、搬送側上流ローラ411の回転中心軸A1から離間している。より詳細には、搬送側上流ローラ411の回転中心軸A1は、ロッドベルト423の移動軌跡の下端部よりも上方でかつロッド側上流ローラ421の回転中心軸A2よりも下方に配置されている。つまり、搬送コンベア410の上流側においては、搬送ベルト413のうち搬送側上流ローラ411から離間する方向に進む部位とロッドベルト423のうちロッド側上流ローラ421から離間する方向に進む部位との間の距離は、搬送ベルト413のうち搬送側上流ローラ411に近づく方向に進む部位及びロッドベルト423のうちロッド側上流ローラ421に近づく方向に進む部位との間の距離よりも大きい。
【0030】
また、図4に示されるように、ロッド424の移動軌跡424Tは、ロッド側上流ローラ421に沿う上流側円弧部T1と、搬送ベルト413の上方に位置し、上流側円弧部T1からロッド424の移動方向における下流側に向かって直線状に延びる上方直線部T2と、を有している。ピックアップベルト313の下流側の端部313Rは、ロッド424の移動軌跡424Tから離間し、かつ、移動軌跡424Tの外縁部のうち上流側円弧部T1と上方直線部T2と境界部T3よりも上方に位置している。
【0031】
交差コンベア430は、搬送方向における搬送コンベア410の下流側に配置されている。交差コンベア430は、搬送コンベア410から受けた作物10を搬送方向と交差する方向(本実施形態では直交する方向)に搬送する。図7に示されるように、交差コンベア430は、搬送コンベア410の下流側の端部410Rよりも低い位置に配置されている。
【0032】
図5及び図6に示されるように、交差コンベア430の上流側の部位は、搬送側下流ローラ412とロッド側下流ローラ422との間で、かつ、ロッドベルト423の下方に配置されている。換言すれば、ロッドベルト423は、交差コンベア430の上方を通過している。
【0033】
図7に示されるように、ロッドベルト423は、上下方向におけるロッド424と搬送コンベア410又は交差コンベア430と間の距離Hが作物10の大きさ以上となる領域ARが形成されるようにロッド側上流ローラ421及びロッド側下流ローラ422にかけ回されている。
【0034】
図5図7に示されるように、搬送コンベア410と交差コンベア430との間には、傾斜板435が設けられている。傾斜板435は、搬送コンベア410の下流側の端部410Rから交差コンベア430の上流側の部位に向かうにしたがって次第に下方に向かうように傾斜する形状を有している。
【0035】
他の交差コンベア440は、交差コンベア430の搬送方向(本実施形態では右向き)における交差コンベアの下流側に配置されている。他の交差コンベア440は、交差コンベア430から受けた作物10を交差コンベア430の搬送方向と交差する方向(本実施形態では直交する方向)に搬送する。他の交差コンベア440は、作物10を収容部230に向けて搬送する。他の交差コンベア440は、作業台220に隣接している。このため、作業台220上の作業者は、他の交差コンベア440に搬送されている作物10に対する作業が可能である。
【0036】
ローラ451は、図5及び図6に示されるように、搬送コンベア410と交差コンベア430との角部に設けられている。ローラ451は、搬送コンベア410から交差コンベア430に向かう作物10に接しながら回転する。
【0037】
他のローラ452は、図5及び図6に示されるように、交差コンベア430と他の交差コンベア440との角部に設けられている。他のローラ452は、交差コンベア430から他の交差コンベア440に向かう作物10に接しながら回転する。
【0038】
次に、収穫機1による作物10の収穫の仕方について説明する。まず、ピックアップ部300は、圃場Fに栽培されている作物10を拾い上げるとともに、当該作物10を搬送部400に向けて送る。
【0039】
そうすると、作物10は、ピックアップコンベア310の後端部から搬送ベルト413上に落下する。本実施形態では、ピックアップベルト313の下流側の端部313Rは、ロッド424の移動軌跡424Tから離間し、かつ、移動軌跡424Tの外縁部における境界部T3よりも上方に位置しているため、ピックアップコンベア310から搬送ベルト413に向かう作物10がロッド424によって押し戻されることが抑制される。また、搬送側上流ローラ411の回転中心軸A1がロッド側上流ローラ421の回転中心軸A2よりも下方に配置されているため、搬送ベルト413によって作物10をより確実に受けられる。
【0040】
搬送コンベア410及びロッドコンベア420は、搬送ベルト413から受けた作物10を後方に搬送し、交差コンベア430に送る。本実施形態では、ロッドベルト423は、領域ARが形成されるようにロッド側上流ローラ421及びロッド側下流ローラ422にかけ回されているため、作物は、領域ARにおいて搬送コンベア410から交差コンベア430に受け渡される一方、作物10の蔓等は、領域ARにおいてロッド424によってロッドコンベア420の下流側(後方)に搬送される。よって、領域ARにおいて作物10と蔓等とが有効に分離される。
【0041】
また、搬送コンベア410と交差コンベア430との角部にローラ451が設けられているため、この角部への作物10の滞留が抑制される。
【0042】
交差コンベア430は、搬送コンベア410から受けた作物10を他の交差コンベア440向けて送る。交差コンベア430と他の交差コンベア440との角部には、他のローラ452が設けられているため、この角部への作物10の滞留が抑制される。
【0043】
他の交差コンベア440は、交差コンベア430から受けた作物10を収容部230に向けて送る。なお、領域ARにおいて除去されなかった蔓等は、他の交差コンベア440における作物10の搬送中に、作業台220で作業する作業者によって除去される。
【0044】
以上に説明したように、本実施形態の収穫機1では、搬送ベルト413とは別体で構成されたロッド424によって作物10が支持されるため、搬送ベルトの大型化を回避しつつ、比較的大きな重量の作物10を搬送することが可能となる。
【0045】
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0046】
上記実施形態の一局面に従う収穫機は、圃場に栽培されている作物を当該作物を収容可能な収容部に向けて搬送する搬送部を備え、前記搬送部は、前記作物をその下方から支持しながら搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアの搬送方向における前記作物の後方から当該作物を支持しながら前記搬送コンベアとともに前記作物を搬送するロッドコンベアと、を有し、前記搬送コンベアは、前記搬送方向における上流側に配置された搬送側上流ローラと、前記搬送方向における前記搬送側上流ローラの下流側でかつ前記搬送側上流ローラの上方に配置された搬送側下流ローラと、前記搬送側上流ローラ及び前記搬送側下流ローラにかけ回された搬送ベルトと、を有し、前記ロッドコンベアは、前記搬送方向における上流側に配置されたロッド側上流ローラと、前記搬送方向における前記ロッド側上流ローラの下流側でかつ前記ロッド側上流ローラの上方に配置されたロッド側下流ローラと、前記ロッド側上流ローラ及び前記ロッド側下流ローラにかけ回されたロッドベルトと、それぞれが前記搬送方向に互いに間隔を置いて配置されており、前記ロッドベルトに保持された複数のロッドと、を有し、前記複数のロッドの各ロッド間の距離は、前記作物の通過を許容する大きさに設定されており、前記各ロッドは、前記搬送ベルト上の前記作物を前記搬送方向における後方から支持する。
【0047】
この収穫機では、搬送ベルトとは別体で構成されたロッドによって作物が支持されるため、搬送ベルトの大型化を回避しつつ、比較的大きな重量の作物を搬送することが可能となる。
【0048】
また、前記搬送側上流ローラの回転中心軸は、前記ロッドベルトの軌跡の下端部よりも上方でかつ前記ロッド側上流ローラの回転中心軸よりも下方に配置されていることが好ましい。
【0049】
このようにすれば、ロッドコンベアの軌跡を圃場に近づくことなく、搬送ベルトの上流側の端部が圃場に近くなるため、搬送方向における上流側においてロッドと搬送ベルトとの距離が確保される。よって、搬送コンベアの上流側における作物の受入れ深さが確保される。
【0050】
また、前記搬送部は、前記搬送方向における前記搬送コンベアの下流側に配置され、前記搬送コンベアから受けた前記作物を前記搬送方向と交差する方向に搬送する交差コンベアをさらに備え、前記ロッドベルトは、前記交差コンベアの上方を通過するとともに、上下方向における前記ロッドと前記搬送コンベア又は前記交差コンベアと間の距離が前記作物の大きさ以上となる領域が形成されるように前記ロッド側上流ローラ及び前記ロッド側下流ローラにかけ回されていることが好ましい。
【0051】
この態様では、作物は搬送コンベアから交差コンベアに受け渡される一方、作物の蔓等は前記領域においてロッドによって当該ロッドコンベアの下流側に搬送されるため、作物と蔓等とが有効に分離される。
【0052】
また、前記搬送部は、前記搬送コンベアと前記交差コンベアとの角部に設けられており、前記搬送コンベアから前記交差コンベアに向かう前記作物に接しながら回転するローラをさらに備えることが好ましい。
【0053】
このようにすれば、搬送コンベアと交差コンベアとの角部への作物の滞留が抑制される。
【0054】
また、前記搬送部は、前記交差コンベアの搬送方向における当該交差コンベアの下流側に配置され、前記交差コンベアから受けた前記作物を前記交差コンベアの搬送方向と交差する方向に搬送する他の交差コンベアと、前記交差コンベアと前記他の交差コンベアとの角部に設けられており、前記交差コンベアから前記他の交差コンベアに向かう前記作物に接しながら回転する他のローラと、をさらに備えることが好ましい。
【0055】
このようにすれば、交差コンベアと他の交差コンベアとの角部への作物の滞留が抑制される。
【0056】
また、前記搬送方向における前記搬送部の上流側に設けられており、圃場から前記作物を拾い上げるとともに当該作物を前記搬送部に送るピックアップ部をさらに備え、前記ピックアップ部は、前記作物をその下方から支持しながら前記搬送部に向けて搬送するピックアップコンベアと、前記作物をその両側方から挟持しながら前記ピックアップコンベアとともに前記搬送部に送る挟持部と、を有し、前記ピックアップコンベア及び前記挟持部は、前記搬送コンベアに近づくにしたがって次第に圃場から離間するように傾斜する姿勢であることが好ましい。
【0057】
この場合において、前記ロッドの移動軌跡は、前記ロッド側上流ローラに沿う上流側円弧部と、前記搬送ベルトの上方に位置し、前記上流側円弧部から前記ロッドの移動方向における下流側に向かって直線状に延びる上方直線部と、を有し、前記ピックアップコンベアの下流側の端部は、前記ロッドの前記移動軌跡から離間し、かつ、前記ロッドの前記移動軌跡の外縁部のうち前記上流側円弧部と前記上方直線部と境界部よりも上方に位置していることが好ましい。
【0058】
このようにすれば、ピックアップコンベアから搬送ベルトに送られた作物がロッドによって押し戻されることが抑制される。
【0059】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1 収穫機、10 作物、100 走行機、200 機体フレーム、210 運転席、220 作業台、230 収容部、300 ピックアップ部、310 ピックアップコンベア、320 挟持部、400 搬送部、410 搬送コンベア、411 搬送側上流ローラ、412 搬送側下流ローラ、413 搬送ベルト、420 ロッドコンベア、421 ロッド側上流ローラ、422 ロッド側下流ローラ、423 ロッドベルト、424T 移動軌跡、424 ロッド、430 交差コンベア、435 傾斜板、440 他の交差コンベア、451 ローラ、452 他のローラ、AR 領域、T1 上流側円弧部、T2 上方直線部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7