(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】送風機及び噴霧器アタッチメント
(51)【国際特許分類】
B05B 7/30 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
B05B7/30
(21)【出願番号】P 2021051103
(22)【出願日】2021-03-25
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沼田 文年
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/257186(WO,A1)
【文献】特開2014-207876(JP,A)
【文献】特開2013-090593(JP,A)
【文献】米国特許第04993639(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0303335(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00-3/18
B05B 7/00-9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吐出するように構成された電動式の送風機であって、
液体を収容可能な容器と、吐出口を有するノズルと、前記容器と前記ノズルとに連結され、前記液体を導く液体供給路とを備えた噴霧器アタッチメントを取り付け可能に構成された本体を備え、
前記本体は、前記噴霧器アタッチメントが前記本体に装着された状態で、前記噴霧器アタッチメントと一体的に持ち運び可能に構成されて
おり、
前記本体は、
前記容器を取り付け可能な複数の容器取付け部と、
前記ノズルを取り付け可能なノズル取付け部とを備え、
前記複数の容器取付け部は、前記本体の異なる位置に配置されていることを特徴とする送風機。
【請求項2】
空気を吐出するように構成された電動式の送風機であって、
液体を収容可能な容器と、吐出口を有するノズルと、前記容器と前記ノズルとに連結され、前記液体を導く液体供給路とを備えた噴霧器アタッチメントを取り付け可能に構成された本体と、
前記容器を取り外し可能に保持するように構成されたホルダであって、前記本体とは別個に形成されたホルダ
とを備え、
前記本体は、前記噴霧器アタッチメントが前記本体に装着された状態で、前記噴霧器アタッチメントと一体的に持ち運び可能に構成されており、
前記本体は、
前記容器を取り付け可能な少なくとも1つの容器取付け部と、
前記ノズルを取り付け可能なノズル取付け部とを備え、
前記ホルダは、前記少なくとも1つの容器取付け部に取り外し可能に固定されており、
前記少なくとも1つの容器取付け部は、前記ホルダを介して前記容器を取り外し可能に受けるように構成されていることを特徴とする送風機。
【請求項3】
請求項
2に記載の送風機であって、
前記ホルダは、
前記少なくとも1つの容器取付け部に取り外し可能に固定された固定部と、
前記容器を取り外し可能に保持するように構成され、前記固定部に対して移動可能に前記固定部に連結された可動部とを備えることを特徴とする送風機。
【請求項4】
請求項
3に記載の送風機であって、
前記可動部は、前記固定部に対して回動可能に連結されていることを特徴とする送風機。
【請求項5】
請求項
4に記載の送風機であって、
前記可動部は、前記可動部に保持された前記容器及び前記容器に収容された液体の重みによって、前記固定部に対して回動するように構成されていることを特徴とする送風機。
【請求項6】
請求項
2~5の何れか1つに記載の送風機であって、
前記少なくとも1つの容器取付け部は、前記本体の異なる位置に配置された複数の容器取付け部を含むことを特徴とする送風機。
【請求項7】
請求項
1又は6に記載の送風機であって、
前記ノズル取付け部は、第1の軸に沿って設けられており、
前記本体は、使用者によって把持されるように構成され、前記第1の軸に交差する第2の軸に沿って延在する把持部を含み、
前記複数の容器取付け部は、前記第1の軸及び前記第2の軸を含む平面の両側に配置された2つの容器取付け部を含み、
前記ノズル取付け部は、前記第1の軸周りの周方向において異なる2つのノズル取付け位置の一方に、前記ノズルを選択的に取付け可能に構成されていることを特徴とする送風機。
【請求項8】
空気を吐出するように構成された電動式の送風機であって、
液体を収容可能な容器と、吐出口を有するノズルと、前記容器と前記ノズルとに連結され、前記液体を導く液体供給路とを備えた噴霧器アタッチメントを取り付け可能に構成された本体と、
モータと、
前記モータによって回転され、前記本体に取り付けられた前記ノズルの前記吐出口から前記空気を吐出させるように構成されたファンと
を備え、
前記本体は、前記噴霧器アタッチメントが前記本体に装着された状態で、前記噴霧器アタッチメントと一体的に持ち運び可能に構成されており、
前記本体は、
前記容器を取り付け可能な少なくとも1つの容器取付け部と、
前記ノズルを取り付け可能なノズル取付け部と、
第1の軸に沿って延在し、前記モータと前記ファンとを収容する収容部と、
使用者によって把持されるように構成され、前記第1の軸に交差する第2の軸に沿って、前記収容部から突出する把持部と、
前記把持部の突出側の端部に連結され、前記モータに電力を供給するためのバッテリを取り付け可能なバッテリ取付け部とを含み、
前記少なくとも1つの容器取付け部は、前記バッテリ取付け部の側部に配置されていることを特徴とする送風機。
【請求項9】
請求項
8に記載の送風機であって、
前記少なくとも1つの容器取付け部は、前記本体の異なる位置に配置された複数の容器取付け部を含むことを特徴とする送風機。
【請求項10】
請求項
9に記載の送風機であって、
前記ノズル取付け部は、
前記第1の軸に沿って設けられており
、
前記複数の容器取付け部は、前記第1の軸及び前記第2の軸を含む平面の両側に配置された2つの容器取付け部を含み、
前記ノズル取付け部は、前記第1の軸周りの周方向において異なる2つのノズル取付け位置の一方に、前記ノズルを選択的に取付け可能に構成されていることを特徴とする送風機。
【請求項11】
空気を吐出するように構成された電動式の送風機に取付け可能な噴霧器アタッチメントであって、
液体を収容可能、且つ、前記送風機の本体に取付け可能な容器と、
吐出口を有し、前記送風機の前記本体に取付け可能なノズルと、
前記容器と前記ノズルとに連結された液体供給路とを備え
前記液体供給路の第1端部は、前記ノズルに着脱可能に構成された連結部を備え、
前記液体供給路の前記第1端部と反対側の端部である第2端部は、前記容器の内部に配置され、
前記容器は、前記ノズルから取り外された前記液体供給路の前記連結部を取り外し可能に保持するように構成された保持部を有することを特徴とする噴霧器アタッチメント。
【請求項12】
請求項
11に記載の噴霧器アタッチメントであって、
前記容器は、前記容器の内部と外部とを連通させる通気口を有し、
前記保持部は、前記容器のうち前記通気口の少なくとも一部を規定する部分であって、前記連結部を嵌め込み可能に構成されていることを特徴とする噴霧器アタッチメント。
【請求項13】
請求項
11又は12に記載の噴霧器アタッチメントであって、
前記容器は、補助的器具を用いることなく前記送風機の前記本体に取り付け及び取り外しが可能に構成されていることを特徴とする噴霧器アタッチメント。
【請求項14】
請求項
11~13の何れか1つに記載の噴霧器アタッチメントであって、
使用者による手動操作に応じて、前記液体供給路を開閉可能なバルブを更に備える噴霧器アタッチメント。
【請求項15】
空気を吐出するように構成された電動式の送風機であって、
本体と、
前記本体に取り外し可能に取り付けられた請求項
11~14の何れか1つに記載の噴霧器アタッチメントとを備えた送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動式の送風機、及び、送風機に取り付け可能な噴霧器アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
空気を吐出口から吐出可能な送風機に何らかのアタッチメントを装着することで、送風機に送風以外の機能を付加することが知られている。例えば、特許文献1は、チューブを介して容器から供給された水を噴霧可能な送風機を開示している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献に開示されている送風機を噴霧作業に使用する場合、使用者は送風機とは別個に容器を携帯する必要がある。このため、この送風機には、更なる改良の余地がある。
【0005】
本開示は、送風以外の機能を付加可能な送風機に関する改良を提供することを目的とする。また、本開示は、送風機に取り付け可能なアタッチメントに関する改良を提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、空気を吐出するように構成された電動式の送風機が提供される。送風機は、噴霧器アタッチメントを取り付け可能に構成された本体を備える。本体は、噴霧器アタッチメントが本体に装着された状態で、噴霧器アタッチメントと一体的に持ち運び可能に構成されている。なお、噴霧器アタッチメントは、容器と、ノズルと、液体供給路とを備える。容器は、液体を収容可能に構成されている。ノズルは吐出口を有する。液体供給路は、容器とノズルとに連結されている。
【0007】
本態様の電動式の送風機は、噴霧器アタッチメントが取り付けられることで、噴霧器として使用することが可能となる。よって、送風機の利便性が向上する。また、送風機の本体は、噴霧器アタッチメントが装着された状態で、噴霧器アタッチメントと一体的に持ち運び可能である。よって、噴霧器アタッチメントが取り付けられたときにも取り扱いが容易な送風機を実現することができる。
【0008】
本開示の別の一態様によれば、空気を吐出するように構成された電動式の送風機に取付け可能な噴霧器アタッチメントが提供される。噴霧器アタッチメントは、容器と、ノズルと、液体供給路とを備える。容器は、液体を収容可能、且つ、送風機の本体に取付け可能に構成されている。ノズルは、吐出口を有し、送風機の本体に取付け可能に構成されている。液体供給路は、容器とノズルとに連結されている。
【0009】
本態様の噴霧器アタッチメントは、電動式の送風機に取り付けられることで、送風機に噴霧器としての機能を付加することができる。また、容器及びノズルの両方が送風機に取り付け可能であるため、噴霧器アタッチメントは、送風機の本体に取り付けられた状態で、送風機と一体的に持ち運びが可能となる。よって、送風機に取り付けられたときにも取り扱いが容易な噴霧器アタッチメントを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】噴霧アタッチメントが取り付けられた状態のエアダスタの斜視図である。
【
図2】噴霧アタッチメントが取り付けられた状態のエアダスタの左側面図である。
【
図8】
図2のVIII-VIII線における断面図である。
【
図10】
図2のX-X線における断面図である(但し、エアダスタの図示は省略されている)。
【
図11】
図10に対応する図であって、容器の保持部にノズル連結部が保持されている状態を示す。
【
図12】噴霧アタッチメントが取り付けられた状態の別のエアダスタの左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、送風機の本体は、少なくとも1つの容器取付け部と、ノズル取付け部とを備えてもよい。少なくとも1つの容器取付け部は、噴霧器アタッチメントの容器を取り付け可能に構成されてもよい。ノズル取付け部は、噴霧器アタッチメントのノズルを取り付け可能に構成されてもよい。この構成によれば、噴霧器アタッチメントの容器及びノズルを送風機の本体に取り付けることができる。よって、送風機に対する噴霧器アタッチメントの安定した取り付けを実現することができる。
【0012】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、少なくとも1つの容器取付け部は、本体の異なる位置に配置された複数の容器取付け部を含んでもよい。この構成によれば、使用者は、作業環境(例えば、周囲のスペース)に応じて、複数の容器取付け部のうち適切な1つに、選択的に容器を取り付けることができる。よって、噴霧器アタッチメントが取り付けられた状態の送風機の操作性を向上させることができる。
【0013】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、ノズル取付け部は、第1の軸に沿って設けられていてもよい。本体は、使用者によって把持されるように構成され、第1の軸に交差する第2の軸に沿って延在する把持部を含んでもよい。複数の容器取付け部は、第1の軸及び第2の軸を含む平面の両側に配置された2つの容器取付け部を含んでもよい。ノズル取付け部は、第1の軸周りの周方向において異なる2つのノズル取付け位置の一方に、ノズルを選択的に取付け可能に構成されていてもよい。この構成によれば、使用者は、作業環境(例えば、周囲のスペース)に応じて、2つの容器取付け部のうち適切な一方に、選択的に容器を取り付けることができる。使用者は、更に、容器の取付け位置に応じて、2つのノズル取付け位置のうち適切な一方に、選択的にノズルを取り付けることができる。よって、噴霧器アタッチメントが取り付けられた状態の送風機の操作性を更に向上させることができる。
【0014】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、送風機は、モータと、モータによって回転され、本体に取り付けられたノズルの吐出口から空気を吐出させるように構成されたファンとを更に備えてもよい。本体は、収容部と、把持部と、バッテリ取付け部とを含んでもよい。収容部は、第1の軸に沿って延在し、モータとファンとを収容してもよい。把持部は、使用者によって把持されるように構成され、第1の軸に交差する第2の軸に沿って、収容部から突出してもよい。バッテリ取付け部は、把持部の突出側の端部に連結されていてもよい。バッテリ取付け部は、モータに電力を供給するためのバッテリを取り付け可能に構成されてもよい。少なくとも1つの容器取付け部は、バッテリ取付け部の側部に配置されていてもよい。この構成によれば、容器を、使用者の邪魔になりにくく、比較的安定して保持可能な位置に配置することができる。
【0015】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、送風機は、容器を取り外し可能に保持するように構成されたホルダを更に備えてもよい。ホルダは、本体とは別個に形成されていてもよい。ホルダは、少なくとも1つの容器取付け部に取り外し可能に固定されていてもよい。少なくとも1つの容器取付け部は、ホルダを介して容器を取り外し可能に受けるように構成されていてもよい。この構成によれば、必要な特性(例えば、形状、強度)を備えたホルダを、送風機の本体の制約を受けることなく、別個に製造することができる。なお、少なくとも1つの容器取付け部が複数の容器取付け部を含む場合には、ホルダは、複数の容器取付け部のうち1つに選択的に取り外し可能に固定されてもよい。
【0016】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、ホルダは、固定部と、可動部とを備えてもよい。固定部は、少なくとも1つの容器取付け部に取り外し可能に固定されていてもよい。可動部は、容器を取り外し可能に保持するように構成され、固定部に対して移動可能に固定部に連結されていてもよい。この構成によれば、固定部及び送風機に対する容器の向き(姿勢)を変更することが可能となる。よって、例えば、使用者は、作業環境(例えば、水平方向に対する送風機の向き)に応じて、送風機に対する容器の向きを変えることが可能となる。
【0017】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、可動部は、固定部に対して回動可能に連結されていてもよい。この構成によれば、固定部及び送風機に対する容器の向き(姿勢)を容易に変更可能なホルダを実現することができる。
【0018】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、可動部は、可動部に保持された容器及び容器に収容された液体の重みによって、固定部に対して回動するように構成されていてもよい。この構成によれば、使用者が可動部の向きを変更しなくても、可動部が固定部に対して回動し、可動部及び容器は重力方向に対する向きを維持することが可能となる。よって、容器から液体がこぼれる可能性を低減することができる。
【0019】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、噴霧器アタッチメントの容器は、補助的器具を用いることなく送風機の本体に取り付け及び取り外しが可能に構成されていてもよい。この構成によれば、送風機に対する噴霧器アタッチメント取付け及び取り外しが容易となる。
【0020】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、噴霧器アタッチメントは、使用者による手動操作に応じて、液体供給路を開閉可能なバルブを更に備えてもよい。この構成によれば、使用者は、噴霧器アタッチメントの不使用時にはバルブを閉じることで、液体供給路を通じて液体が漏れ出す可能性を低減することができる。
【0021】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、液体供給路の一端部は、ノズルに着脱可能に構成された連結部を備えていてもよい。この構成によれば、液体供給路をノズルから分離できるため、送風機の本体へのノズルの装着が容易となる。また、送風機及び噴霧器アタッチメントの不使用時の収納性を向上させることができる。
【0022】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、容器は、液体供給路の連結部を取り外し可能に保持するように構成された保持部を有してもよい。この構成によれば、送風機及び噴霧器アタッチメントの不使用時の収納性を更に向上させることができる。
【0023】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、容器は、容器の内部と外部とを連通させる通気口を有してもよい。保持部は、容器のうち通気口の少なくとも一部を規定する部分であって、連結部を嵌め込み可能に構成されていてもよい。この構成によれば、液体供給路内に残った液体を、吸気口を介して容器内に排出することが可能となる。
【0024】
以下、図面を参照して、本開示の代表的且つ非限定的な実施形態について、具体的に説明する。
【0025】
<第1実施形態>
まず、
図1~
図11を参照して、第1実施形態に係るエアダスタ1A及び噴霧器アタッチメント5について説明する。エアダスタ1Aは、空気を圧縮して吐出することで、塵埃等を吹き飛ばすことが可能な電動式の送風機の一例である。噴霧器アタッチメント5は、エアダスタ1Aに付加的に取り付けられるアタッチメントの一例であって、エアダスタ1Aが噴霧器として機能することを可能とする。
【0026】
まず、エアダスタ1Aの構成について説明する。
【0027】
図1~
図4に示すように、エアダスタ1Aの外郭は、本体10によって形成されている。本体10は、中空体であって、ハウジングとも称される。本体10は、収容部11と、ノズル部12と、把持部14と、コントローラ収容部15と、バッテリ取付け部17とを含む。
【0028】
収容部11には、モータ31と、ファン33とが収容されている。なお、本実施形態では、モータ31にはブラシレスDCモータが採用されている。ファン33には、遠心ファンが採用されている。モータ31の出力シャフト311とファン33は、軸A1周りに一体的に回転駆動される。収容部11は、軸A1に沿って延在している。収容部11の長軸方向(軸A1の延在方向)における一端部には、空気を収容部11内に吸い込むための開口(吸込み口)110が設けられている。
【0029】
ノズル部12は、全体としては先細りの漏斗状に形成され、収容部11の長軸方向における他端部から、軸A1に沿って延びている。ノズル部12の先端の開口は、本体10からの空気の吐出口120である。ノズル部12の先端部(突出端部)は円筒状に形成されいる。ノズル部12の先端部には、噴霧器アタッチメント5のノズル8を含む様々な種類のノズルを選択的に装着可能である。このことから、以下、ノズル部12の先端部を、ノズル取付け部121ともいう。使用者は、作業内容に応じて、ノズルを取り付けることなく、あるいは適切なノズルを取り付けた状態で、エアダスタ1Aを使用することができる。なお、本実施形態では、ノズル部12は、ノズルをエアダスタ1Aに対して所定の取付け位置でロックするように構成されたロック機構13を備える。ノズルは、ロック機構13を介してノズル取付け部121に取り付けられる。
【0030】
把持部14は、使用者によって把持されるように構成された長尺状の部分である。把持部14は、収容部11から、軸A1と交差する方向に突出している。つまり、把持部14の長軸は、収容部11の長軸(軸A1)に交差するように延びている。
【0031】
なお、以下の説明では、便宜上、軸A1の延在方向(収容部11の長軸方向)をエアダスタ1Aの前後方向と規定する。前後方向において、吸込み口110から吐出口120に向かう方向を前方向と規定し、反対方向(吐出口120から吸込み口110に向かう方向)を後ろ方向と規定する。軸A1に直交し、且つ、把持部14の延在方向(把持部14の長軸方向)に概ね対応する方向を上下方向と規定する。上下方向において、把持部14が収容部11から突出する方向(収容部11から把持部14の突出端に向かう方向)を下方向、反対方向(把持部14の突出端から収容部11へ向かう方向)を上方向と規定する。前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向と規定する。
【0032】
把持部14の上端部には、使用者による押圧操作が可能なトリガ141が設けられている。把持部14の内部には、トリガ141の押圧に応じてオンとされるスイッチ(図示略)が収容されている。コントローラ収容部15は、把持部14の下端部に連結されている。コントローラ収容部15は、矩形箱状に形成されている。コントローラ収容部15には、モータ31の駆動を制御するように構成されたコントローラ37が収容されている(
図5参照)。コントローラ37は、使用者によってトリガ141が押圧され、スイッチがオンとされている間、モータ31を駆動する。ファン33の回転によって、吸込み口110から収容部11内に空気が吸い込まれ、圧縮された空気が吐出口120から吐出される。なお、エアダスタ1Aにノズルが装着されている場合には、圧縮空気は、吐出口120からノズル内に流入し、ノズルの吐出口から吐出される。
【0033】
バッテリ取付け部17は、コントローラ収容部15の下側に設けられている。バッテリ取付け部17は、本体10の下端部を構成する。バッテリ取付け部17は、エアダスタ1Aの各部(モータ31、コントローラ37等)に電力を供給するためのバッテリ18を取り付け可能に構成されている。
【0034】
バッテリ18及びバッテリ取付け部17の構成は周知であるため、簡単に説明する。
図5に示すように、バッテリ18の左上端部及び右上端部には、夫々、概ね前後方向に延びる溝181が設けられている。バッテリ取付け部17は、左右一対の側壁部171(左壁部171L及び右壁部171R)と、左壁部171L及び右壁部171Rに夫々設けられたレール172とを含む。レール172は、左壁部171L及び右壁部171Rの内面から内側に突出しており、概ね前後方向に延びている。レール172は、バッテリ18の溝181にスライド係合可能である。また、詳細な図示は省略するが、バッテリ18の上端部には、上下方向に移動可能なフックが設けられる一方、バッテリ取付け部17には、フックが係合可能な凹部が設けられている。
【0035】
バッテリ18の取付け時には、バッテリ取付け部17のレール172及び凹部にバッテリ18の溝181及びフックが夫々係合し、バッテリ18がバッテリ取付け部17に対して所定位置に配置される。バッテリ18が所定位置に配置されるのに応じて、バッテリ取付け部17の端子とバッテリ18の端子とが電気的に接続され、エアダスタ1Aの各部に電力が供給される。
【0036】
更に、
図4及び
図5に示すように、本実施形態では、バッテリ取付け部17には、2つの容器取付け部21が設けられている。2つの容器取付け部21の各々は、噴霧器アタッチメント5の容器6(
図1参照)を取付け可能に構成されている。容器取付け部21は、エアダスタ1A(本体10、バッテリ取付け部17)の左右方向の中心を通り、上下方向に延在する仮想的な平面Pに対して対称に配置されている。平面Pは、軸A1(収容部11の長軸)及び把持部14の長軸を含む平面ともいえる。以下、2つの容器取付け部21を総称する場合、あるいは、何れかの容器取付け部21を区別せずに指す場合、単に容器取付け部21という。一方、平面Pに対して左側に位置する容器取付け部21を指す場合、左側取付け部21Lともいい、平面Pに対して右側に位置する容器取付け部21を指す場合、右側取付け部21Rともいう。
【0037】
本実施形態では、エアダスタ1Aの本体10は、容器ホルダ23Aを介して容器6を取り外し可能に受ける(保持する)ように構成されている。このため、各容器取付け部21は、容器ホルダ23Aを着脱可能に構成されている。より詳細には、各容器取付け部21は、バッテリ取付け部17の側壁部171に形成されたネジ穴211と係止溝213とを備える。ネジ穴211は、側壁部171の後部に配置されている。係止溝213は、側壁部171のネジ穴211の上方に形成されている。係止溝213は、概ね前後方向(詳細には、後方に向かって若干斜め上方へ)に直線状に延在する。
【0038】
使用者は、2つの容器取付け部21のうち一方に選択的に容器ホルダ23Aを取り付け、容器ホルダ23Aを介して、噴霧器アタッチメント5の容器6を本体10に取付けることができる。なお、本実施形態では、バッテリ取付け部17を含む本体10の大部分は合成樹脂製であるのに対し、容器ホルダ23Aは金属製(例えば、鉄合金製、アルミニウム合金製)である。
【0039】
以下、容器ホルダ23Aについて説明する。
図3、
図5及び
図6に示すように、容器ホルダ23Aは、ホルダ本体24Aと、係合部26とを含む。
【0040】
ホルダ本体24Aは、折り曲げ加工された単一の(継ぎ目のない)金属製の板状部材である。ホルダ本体24Aは、容器6を取り外し可能に保持するように構成されており、ベース部241と、2つの屈曲部245とを含む。
【0041】
ベース部241は、ホルダ本体24Aのうち、概ね長方形状の部分である。なお、容器ホルダ23Aがエアダスタ1Aに取り付けられると、ベース部241の長手方向及び短手方向がエアダスタ1Aの前後方向及び上下方向に概ね対応する。よって、以下では、ベース部241の長手方向、短手方向、厚み方向を、夫々、容器ホルダ23Aの前後方向、上下方向、左右方向ともいう。ベース部241の下中央部には、前後方向に離間して、ネジ28用の2つの貫通孔243が形成されている。
【0042】
2つの屈曲部245は、ベース部241の前後方向(長手方向)の2つの端部から屈曲して延びている。各屈曲部245は、断面略L字状であって、第1部分246と第2部分247とを含む。第1部分246は、ベース部241と概ね直角をなすように、ベース部241の端部から突出している。第2部分247は、ベース部241と概ね平行となるように、第1部分246の突出端から突出している。2つの屈曲部245の夫々の第2部分247は、互いに近づく方向に延びている。左右方向において、ベース部241と第2部分247とは、距離D1(
図5参照)だけ離間しており、ベース部241と第2部分247との間には、空間が形成されている。この空間に、容器6の一部(詳細には、係合部62)が配置される。なお、前後方向において、2つの第2部分247の突出端は離間しており、ベース部241の2つの貫通孔243は、第2部分247の突出端の間に位置する。
【0043】
係合部26は、ホルダ本体24Aとは別個に形成された金属製の板状部材である。係合部26は、ベース部241の2つの面のうち、屈曲部245が配置されている第1面と反対側の第2面(本体10への取付け時に側壁部171に対向する面)に、分離不能に固定されている。係合部26の下端部261及び上端部262は、夫々、折り曲げ加工によって、ベース部241から離れる方向に突出している。下端部261のベース部241からの突出長さは、上端部262のベース部241からの突出長さよりも大きい。下端部261は、貫通孔243よりも上方に配置されている。また、下端部261の中央部は、容器取付け部21の係止溝213に整合するように(係止溝213に嵌め込み可能に)構成されている。
【0044】
使用者は、以上の構成を有する容器ホルダ23Aを、ネジ28を用いて、左側取付け部21L又は右側取付け部21Rに選択的に取り付けることができる。より詳細には、使用者は、容器取付け部21(左側取付け部21L又は右側取付け部21R)の係止溝213に、容器ホルダ23Aの係合部26の下端部261の中央部を嵌め込む。これにより、容器ホルダ23Aは、容器取付け部21に対して適切な位置に配置され、左右方向において、2つの貫通孔243のうち後側に位置する一方と、容器取付け部21のネジ穴211とが対向する。使用者は、ネジ28を貫通孔243に通し、ネジ穴211に締め付けることで、容器ホルダ23Aを容器取付け部21に固定する。本実施形態では、係合部26の上端部262が、コントローラ収容部15の側壁部の上端部に当接することで、容器ホルダ23Aの固定状態をより安定化することができる。
【0045】
また、使用者は、ネジ28を外すことで、容器ホルダ23Aを容器取付け部21から容易に取り外すことができる。
【0046】
以下、噴霧器アタッチメント5の構成について説明する。
【0047】
図1及び
図2に示すように、噴霧器アタッチメント5は、容器6と、ノズル8と、容器6とノズル8とに連結された液体供給路7と、液体供給路7を開閉するように構成されたバルブ9とを備えている。以下、これらの構成について順に説明する。
【0048】
まず、容器6について説明する。容器6は、液体(例えば、水、薬液(例えば、消毒液、殺虫剤等)、塗料)を収容可能な中空体であって、タンクとも称される。本実施形態では、容器6は、一端が開口し、他端が閉塞された有底筒状の容器本体61と、容器本体61の開口を塞ぐように、容器本体61に取り外し可能に装着された蓋69とを備えている。なお、以下の説明では、容器本体61の底側が容器6の下側、容器本体61の開口側が容器6の上側と規定する。
【0049】
容器本体61は、底壁と、底壁の周縁から突出する筒状の周壁とで形成されており、液体を収容可能である。また、容器本体61は、上述の容器ホルダ23Aを介してエアダスタ1Aの本体10(詳細には、容器取付け部21)に取付け可能に構成されている。より詳細には、容器本体61には、容器ホルダ23Aに係合可能な係合部62が設けられている。本実施形態では、底壁、周壁、係合部62は、合成樹脂によって一体成形されている。
【0050】
図6及び
図7に示すように、係合部62は、容器本体61の周壁の外面から、容器本体61の外側方向に突出する突出部である。係合部62は、側面視略矩形状に形成されており、周壁の外面に接続する2つの側面と、2つの側面を繋ぐ矩形状の突出端面とを有する。
【0051】
係合部62の2つの側面には、夫々、係合溝621が形成されている。係合溝621は、係合部62の下端から、上方に延びている。係合溝621の上端は、係合部62の上端よりも下方に位置する。つまり、係合溝621の上端は閉塞されている。
【0052】
また、係合部62には、3つの突起623が設けられている。各突起623は、係合部62の突出端面から更に外側方向に突出している。3つの突起623の突出量は、略同一である。3つの突起623のうち2つは、係合部62の上端部に、上下方向において略同一、且つ、横方向において互いから離間した位置に配置されている。3つの突起623のうち残りの1つは、係合部62の下端部に配置されている。この突起623は、横方向において、他の2つの突起623とは異なる位置(詳細には、2つ突起623の間)に配置されている。
【0053】
使用者は、以上の構成を有する容器6を、容器ホルダ23Aに取り付けることができる。より詳細には、
図1及び
図6に示すように、使用者は、容器6の係合溝621を、容器ホルダ23Aの屈曲部245の第2部分247に位置合わせし、容器6を容器ホルダ23Aの上方から下方へ向かって移動させる。容器6の突起623の突出端が、ベース部241の面に沿って摺動し、容器ホルダ23Aの第2部分247が、容器6の係合溝621内を摺動する状態で、容器6は容器ホルダ23Aに対して下方へ移動する。容器ホルダ23Aの第2部分247が、容器6の係合溝621の上端に到達すると、容器ホルダ23A(ひいてはエアダスタ1Aの本体10)に対する容器6の取付けが完了する。また、使用者は、係合溝621が屈曲部245から外れるまで、容器6を上方に移動させることで、容器6を容器ホルダ23A(本体10)から取り外すことができる。
【0054】
このようにして、本実施形態では、使用者は、ファスナや補助的器具(ネジ回し、スパナ等)を用いることなく、本体10に対し、容器6を容易に着脱することができる。
【0055】
なお、本実施形態では、左右方向において、容器6の係合溝621と突起623の突出端との間の距離D2(
図7参照)は、容器ホルダ23Aのベース部241と第2部分247との間の距離D1(
図5参照)よりも僅かに大きく設定されている。また、ホルダ本体24Aは、金属製の単一部材であって、屈曲部245の若干の撓みが許容されている。よって、上述のように容器ホルダ23Aに容器6が取り付けられると、係合部62は容器ホルダ23Aに対して軽圧入される。これにより、容器6は、離間配置された3つの突起623の突出端がベース部241に当接する状態で、容器ホルダ23A、ひいては本体10によって、ガタなく安定して保持される。
【0056】
以上に説明したように、本実施形態では、容器6は、エアダスタ1Aの本体10とは別個に形成され、容器取付け部21に固定された容器ホルダ23Aによって保持される。よって、必要な特性(例えば、形状、強度)を備えた容器ホルダ23Aを、エアダスタ1Aの本体10の制約を受けることなく、別個に製造することができる。つまり、容器ホルダ23Aのみを、液体収容時の容器6を支持するのに必要な強度を有する素材(本実施形態では金属)によって、容器6と係合可能な形状に製造することができる。また、容器ホルダ23Aをネジ28で本体10に取り外し可能に固定することで、容器ホルダ23Aと本体10とを確実に一体化することができる。このように、容器ホルダ23Aを用いることで、製造の容易化と強度の確保が実現される。
【0057】
以下、ノズル8について説明する。
図1及び
図8に示すように、ノズル8は、全体としては筒状体であって、エアダスタ1Aの本体10のノズル取付け部121に取り付け可能に構成されている。本実施形態のノズル8は、同軸状に連結されたノズル本体81と取付け部86とを含む。なお、ノズル本体81と取付け部86とは、一体成形されている。
【0058】
ノズル本体81は、長尺の筒状体であって、基端の開口801から先端の開口802まで、ノズル8の軸に沿って延在する通路80を規定する。ノズル本体81は、開口801から開口802に向かうにつれて、通路80の径が小さくなるように形成されている。ノズル8が本体10(ノズル取付け部121)に取り付けられると、通路80は本体10の吐出口120と連通する。よって、本体10の吐出口120から吐出された圧縮空気は、通路80を通ってノズル8の開口802から吐出される。以下ではノズル8の開口802を吐出口802ともいう。
【0059】
また、ノズル本体81には、液体供給路7のノズル連結部77を取り外し可能に保持する保持部811が設けられている。保持部811は、吐出口802に隣接して、ノズル本体81の外周部の1箇所に設けられた突出部である。保持部811は、ノズル本体81の前端から前方に突出している。保持部811は、保持部811をノズル8の径方向に貫通する保持孔812を有する。保持孔812は、後述する液体供給路7のノズル連結部77の一部に整合する形状を有する。
【0060】
取付け部86は、ノズル本体81の基端部に連結されており、エアダスタ1Aの本体10に取り付け(連結)可能に構成されている。より詳細には、取付け部86は、ロック機構13を介してノズル取付け部121に取り付け可能である。なお、本実施形態の取付け部86及びロック機構13は、本願の出願人による別の出願である特願2020―128898(ここにその内容の全体が参照によって組み込まれる)に開示されているノズルの取付け部及びロック機構と実質的に同一の構成を有する。よって、以下では、取付け部86と、エアダスタ1Aのロック機構13との連結態様について簡単に説明する。
【0061】
図9に示すように、取付け部86は、2つの係止片861を有する。2つの係止片861は、ノズル8の軸を挟んで対称に配置され、同一の構成を有する。係止片861は、軸方向に延在しており、ノズル8の径方向に弾性変形する(撓む)ことが可能である。また、係止片861の先端部には、ノズル8の径方向内側に突出する爪が設けられている。
【0062】
図8に示すように、ロック機構13は、ノズル取付け部121に対して前後方向に移動可能に配置されたスライドスリーブ131と、スライドスリーブ131をノズル取付け部121に対して前方に付勢する付勢バネ133とを備えている。
図3に示すように、ノズル取付け部121の前端には、2つのガイド凹部122が設けられている。2つのガイド凹部122は、軸A1を挟んで対称に配置されている。また、図示は省略するが、2つのガイド凹部122の後側(スライドスリーブ131の内側)には、ノズル8の係止片861の爪が係止可能な係止溝が夫々形成されている。2つのガイド凹部122は同一の構成を有し、2つの係止溝も同一の構成を有する。
【0063】
ロック機構13は、使用者がノズル8をエアダスタ1Aに対して後方に移動させる操作に応じて作動し、ノズル8を、ノズル取付け部121に対して所定の取り付け位置でロックする。より詳細には、使用者は、2つの係止片861の先端を2つのガイド凹部122及び対応する係止溝に夫々位置合わせした状態で、ノズル8をエアダスタ1Aに対して後方に移動させる。係止片861は、ガイド凹部122に案内され、弾性変形しつつ移動して、スライドスリーブ131を後方に移動させる。係止片861が復元し、先端の爪が係止溝に係合するのに応じて、スライドスリーブ131は付勢バネ133によって付勢されて前方の初期位置へ戻り、係止片861が係止溝から外れるのを妨げる。これにより、ノズル8は取り付け位置でロックされる。なお、ここでいう「ロック」とは、ノズル8が軸A1に沿って前方へ移動するのを妨げることである。
【0064】
なお、上述のように、本実施形態では、同一構成を有する2つの係止片861と、同一構成を有する2組のガイド凹部122及び係止溝が、軸A1に対して対称に配置されている(つまり、対角に配置されている)。このような構成により、ノズル取付け部121に対するノズル8の取付け位置として、軸A1周りに180度異なる2つの位置が規定されている。第1の取付け位置は、ノズル8の保持部811が軸A1の左方に配置される位置である(
図8参照)。第2の取付け位置は、ノズル8の保持部811が軸A1の右方に配置される位置である(図示略)。使用者は、ノズル8を第1の取付け位置又は第2の取付け位置に選択的に取り付けることができる。
【0065】
また、ロック機構13は、使用者がノズル8をエアダスタ1Aに対して軸A1周りの所定方向に回動させるのに応じて、ノズル8のロックを解除する。使用者は、ノズル8を所定位置まで回動させた後、ノズル取付け部121から前方へ引くことで、ノズル8をエアダスタ1Aから取り外すことができる。
【0066】
以下、液体供給路7ついて説明する。
図1及び
図10に示すように、液体供給路7は、容器6とノズル8とに連結されている。液体供給路7は、容器6内に収容された液体を、ノズル8の吐出口802の近傍に導くように構成されている。本実施形態では、液体供給路7は、中間部72と、第1チューブ73と、第2チューブ75と、ノズル連結部77とによって形成されている。
【0067】
中間部72は、容器6の容器本体61の周壁の上端部に連結されている。なお、本実施形態では、中間部72は、第1部材711の一部と、第2部材716とによって形成されている。第1部材711及び第2部材716は何れも合成樹脂で形成されている。第1部材711は、容器本体61の周壁に形成された開口に嵌め込まれている。第1部材711の外周には、容器本体61の開口と第1部材711との間の隙間をシールする弾性部材が装着されている。第2部材716は、第1部材711に螺合によって固定されている。中間部72は、容器本体61の内部に突出する内側突出部721と、容器本体61の外部に突出する外側突出部723とを有する。中間部72の内部には、内側突出部721の先端から外側突出部723の先端まで延在する通路が形成されている。
【0068】
第1チューブ73及び第2チューブ75は、何れも可撓性チューブである。第1チューブ73の一端部は、内側突出部721の先端部(突出端部)に連結されている。詳細な図示は省略するが、第1チューブ73は、容器本体61の下端部まで延びている。第2チューブ75の第1端部は、外側突出部723の先端部(突出端部)に連結されている。
【0069】
図8に示すように、ノズル連結部77は、内部に通路を有する筒状部材である。ノズル連結部77の第1端部は、第2チューブ75の第2端部に連結されている。ノズル連結部77の第2端部は、ノズル8の保持部811に取り外し可能に嵌め込まれている。ノズル連結部77の第2端部の外周には、保持部811とノズル連結部77との間の隙間をシールする弾性部材(いわゆるOリング)が装着されている。なお、ノズル連結部77の第2端部の先端部(つまり、液体供給路7の終端部)は、ノズル8の吐出口802の前方で、吐出口802の中央部まで、保持部811からノズル8の径方向内側へ突出している。つまり、ノズル8の前方からみると、液体供給路7の終端部は、ノズル8の吐出口802と重なる位置にある。ノズル連結部77の第2端部の先端の開口は、ノズル8の吐出口802から吐出される空気流に液体を供給する液体供給口770として機能する。
【0070】
なお、
図10に示すように、本実施形態では、容器6には、液体供給路7(中間部72)に隣接して、容器本体61の内部と外部とを連通させる通気口611が形成されている。より詳細には、通気口611は、容器本体61に嵌め込まれた第1部材711に設けられている。更に、通気口611のうち、容器6の外面側の一部は、ノズル連結部77に整合する形状を有する。つまり、容器6(第1部材711)は、ノズル連結部77を嵌め込み可能な保持部613を有する。
【0071】
図11に示すように、使用者は、エアダスタ1A及び噴霧器アタッチメント5を使用しないときには、ノズル連結部77をノズル8の保持部811から取り外し、容器6の保持部613に取り付けることができる。これにより、持ち運び時や収納時に、液体供給路7(特に、第2チューブ75)が邪魔になったり何かに引っかかったりする可能性を低減することができる。また、保持部613は、ノズル連結部77が保持部613に嵌め込まれると、液体供給路7が通気口611と連通するように構成されている。よって、第2チューブ75内に液体が残っている場合でも、液体が容器6の外部に漏れ出るのを防止することができる。第2チューブ75内の液体を、通気口611を通じて容器6内に回収することも可能である。
【0072】
以下、バルブ9について説明する。
図1及び
図10に示すように、バルブ9は、作動部91と、摘み93とを備える。作動部91は、中間部72(詳細には、第2部材716)内の通路を横切るように配置され、中間部72(第2部材716)によって、回動可能に保持されている。摘み93は、作動部91の一端に連結され、中間部72の外部に配置されている。使用者は、摘み93を手で操作することで、バルブ9を閉位置(
図10に示す位置)と開位置(図示略)との間で、回動させることができる。バルブ9が閉位置にあるときには、作動部91が中間部72内の通路を塞ぐ。バルブ9が開位置にあるときには、作動部91が中間部72内の通路を開放する。使用者は、液体の噴霧作業を行うときにのみ、バルブ9を開位置に回動することで、意図しないときに、液体供給口770から液体が漏れ出す可能性を低減することができる。
【0073】
以下、噴霧器アタッチメント5と共にエアダスタ1Aが使用されるとき(つまり、エアダスタ1Aが噴霧器として使用されるとき)のエアダスタ1Aの動作について説明する。
【0074】
使用者はまず、容器6を左側取付け部21L及び右側取付け部21Rのどちらに取り付けるか決定する。使用者は、例えば、作業スペース(作業時のエアダスタ1Aの周囲のスペース)に応じて、容器6が邪魔にならない一方を選択する。使用者は、容器ホルダ23Aを介して、容器6を左側取付け部21L又は右側取付け部21Rに取り付ける。なお、使用者は、必要に応じて、容器ホルダ23Aを、左側取付け部21L及び右側取付け部21Rの一方から取り外し、他方に付け替える。
【0075】
使用者は、更に、容器6の配置に応じて、ノズル8を、第1取付け位置又は第2取付け位置に位置決めし、ノズル取付け部121に取り付ける。液体供給路7のノズル連結部77が容器6の保持部613に保持されていた場合には、使用者は、ノズル連結部77を、保持部613から取り外し、ノズル8の保持部811に取り付ける。
これにより、左右方向において、容器6、ノズル8、液体供給路7の第2チューブ75が、エアダスタ1Aの本体10に対し、全て同じ側に配置される。
【0076】
上述のように、噴霧器アタッチメント5がエアダスタ1Aに取り付けられると、エアダスタ1Aの本体10は、噴霧器アタッチメント5と一体的に持ち運び可能となる。つまり、使用者は、エアダスタ1Aを噴霧器として使用するときに、エアダスタ1Aの本体10を把持するだけでよい。このように、本実施形態では、噴霧器アタッチメント5が取り付けられたときにも取り扱いが容易なエアダスタ1Aが実現されている。特に、上述のように、容器6及びノズル8が、夫々、作業スペースに応じて2つの取付け位置の一方に選択的に取付け可能であるため、噴霧器アタッチメント5が取り付けられた状態のエアダスタ1Aは、操作性に優れている。
【0077】
使用者が把持部14を把持し、トリガ141を押圧すると、モータ31が駆動され、ファン33が回転される。ファン33の回転に応じて、吸込み口110から収容部11内に空気が吸い込まれる。ファン33を通過し、圧縮された空気は、吐出口120及びノズル8内の通路80を通って、ノズル8の吐出口802から吐出される。ノズル連結部77の先端部(液体供給路7の終端部)は、吐出口802の前方で、吐出口802から吐出される空気の流れ内に配置されている。吐出口802から吐出される空気は、中心部(軸A1)近傍において最も高速で流れる。このため、液体供給口770の近傍では圧力が低下し、容器6内の液体が、液体供給路7を通じて吸い上げられ、霧状となって吹き付けられる。
【0078】
<第2実施形態>
以下、
図12~
図16を参照して、第2実施形態に係るエアダスタ1B及び噴霧器アタッチメント5について説明する。
【0079】
図12に示すように、第2実施形態のエアダスタ1Bは、本体10の2つの容器取付け部21のうち一方に取り外し可能に固定された容器ホルダ23Bを備える。容器ホルダ23Bを除き、エアダスタ1Bは、エアダスタ1Aと実質的に同一の構成を有する。また、本実施形態では、第1実施形態と実質的に同一の噴霧器アタッチメント5が採用されている。よって、以下では、第1実施形態のエアダスタ1A及び噴霧器アタッチメント5と実質的に同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略又は簡略化し、異なる構成について、主に説明する。
【0080】
図13~
図16に示すように、容器ホルダ23Bは、固定部27と、固定部27によって、固定部27に対して回動可能に支持された可動部25とを備えている。
【0081】
固定部27は、係合部26と、ベース部271と、支持シャフト275とを含む。係合部26は、第1実施形態で説明したように、容器取付け部21の係止溝213に嵌め込み可能な下端部261と、コントローラ収容部15の側壁部に当接可能な上端部262とを有する。ベース部271は、略矩形状の板状部である。係合部26は、ベース部271の略中央部に交差するように配置され、ベース部271の第1面に、分離不能に固定されている。ベース部271のうち、係合部26よりも下方に突出する部分には、ネジ28用の貫通孔272が形成されている。支持シャフト275は、円柱状に形成されており、ベース部271の第1面と反対側の第2面から突出するように、ベース部271の上端部に分離不能に固定されている。なお、係合部26と同じく、ベース部271及び支持シャフト275は、金属製(例えば、鉄合金製、アルミニウム合金製)である。
【0082】
可動部25は、ホルダ本体24Bと、軸受保持部251と、軸受257とを含む。ホルダ本体24Bは、ベース部242と、屈曲部245とを含む。ベース部242は、第1実施形態のベース部241と実質的に同一形状(長方形状)の板状部であるが、ネジ28用の貫通孔243(
図3参照)を有しない。また、ベース部242は、略中央部に形成された貫通孔244を有する。なお、貫通孔244の径は、固定部27の支持シャフト275の径よりも大きい。軸受保持部251は、筒状部252と、2つの連結部255とを含む。筒状部252は、貫通孔253を有する円形の底壁と、底壁の周縁から突出する円筒状の周壁とを有する。周壁の内側には、軸受257(詳細には、玉軸受)の外輪が圧入されている。連結部255は、筒状部252の周壁の開口側の端部から、互いから離れる方向に延びている。
【0083】
各連結部255が、2つのボルト291及びナット292によって、ホルダ本体24Bに固定されることで、ホルダ本体24B、軸受保持部251、軸受257が一体化され、可動部25が形成されている。なお、ホルダ本体24B及び軸受保持部251も金属製(例えば、鉄合金製、アルミニウム合金製)である。
【0084】
固定部27の支持シャフト275は、筒状部252の底壁の貫通孔253に挿通され、筒状部252内の軸受257の内輪に嵌め込まれている。支持シャフト275の先端部は、ホルダ本体24Bのベース部242の貫通孔244に挿通されている。支持シャフト275の先端部には、環状の溝が形成されている。この溝には、止め輪276(いわゆるスナップリング、サークリップ)が係合している。止め輪276は、可動部25が支持シャフト275(固定部27)から外れるのを防止する。
【0085】
以上のような構成により、可動部25は、固定部27に対して、支持シャフト275の軸A2周りに回転可能である。
【0086】
詳細な図示は省略するが、本実施形態では、容器ホルダ23Bの固定部27が、左側取付け部21L又は右側取付け部21Rに、選択的に取り付けられる。より詳細には、第1実施形態の容器ホルダ23A(
図5参照)と同様、係合部26の下端部261の中央部が係止溝213に嵌め込まれ、ベース部271の貫通孔272に挿通されたネジ28が、ネジ穴211に締め付けられる。これにより、固定部27は、本体10に固定される。これにより、可動部25は、支持シャフト275の軸A2周りに、エアダスタ1Bに対して回動可能となる。なお、支持シャフト275の軸A2(つまり、可動部25の回動軸A2)は、本体10に対して略左右方向に延在する。
【0087】
以下、噴霧器アタッチメント5と共にエアダスタ1Bが使用されるとき(つまり、エアダスタ1Bが噴霧器として使用されるとき)のエアダスタ1Bの動作について説明する。
【0088】
使用者は、容器ホルダ23Bを介して左側取付け部21L又は右側取付け部21Rに容器6を選択的に取り付け、ノズル8を第1取付け位置又は第2取付け位置に取り付け、ノズル連結部77をノズル8に連結する。この点は、第1実施形態で説明したのと同様である。よって、本実施形態でも、噴霧器アタッチメント5がエアダスタ1Aに取り付けられると、エアダスタ1Aの本体10は、噴霧器アタッチメント5と一体的に持ち運び可能となる。また、モータ31の駆動に応じて容器6内の液体が液体供給路7を通じて吸い上げられ、ノズル8の吐出口802から吐出される空気流によって霧状となって吹き付けられる。
【0089】
上述のように、本実施形態では、容器ホルダ23Bが、エアダスタ1Bの本体10(容器取付け部21)にネジ28で固定された固定部27と、固定部27に対して回動可能に連結された可動部25とを備える。このため、作業時のエアダスタ1Bの向き(姿勢)に応じて、エアダスタ1Bに対する容器6の向き(姿勢)が変化可能である。例えば、
図12に示すように、使用者は、把持部14を把持し、ノズル8の先端を水平方向(重力の方向と直交する方向)に対して下方(又は上方)に向ける(つまり、軸A1が水平方向に対して下方(又は上方)に傾斜するようにエアダスタ1Bを配置する)場合がある。この場合、可動部25の回動軸A2は、概ね水平方向に延在するように維持されることが多い。よって、可動部25によって保持された容器6は、容器6全体の重み(容器6と液体の重み)で、容器6の上下方向が重力の方向と一致する向き(姿勢)で維持され、エアダスタ1Bの向き(姿勢)のみが変化する。
【0090】
なお、エアダスタ1Bの向きにかかわらず、重力方向に対する容器6の向きを維持するために、容器6の上下方向において、回動軸A2は、許容最大量の液体が収容された状態の容器6全体の重心Gよりも上方に配置されている。本実施形態では、エアダスタ1B(本体10)に対する容器6の配置の関係上、容器6における回動軸A2の配置可能領域には制約がある。そこで、合成樹脂製の容器本体61の底部に、金属製のウェイト65が埋め込まれている。ウェイト65の付加により、重心Gを、ウェイト65がない場合に比べて下方に設定することができる。よって、回動軸A2の配置に制約がある場合でも、回動軸A2を重心Gよりも上方に配置し、容器6全体の重みを利用して、容器6及び可動部25を、固定部27及びエアダスタ1Bに対して回動可能とすることができる。なお、ウェイト65は、容器本体61に比べて比重の大きい材料で形成されていれば、金属製でなくてもよい。また、回動軸A2を重心Gより上方に配置可能であれば、ウェイト65は省略されてよい。
【0091】
このように、本実施形態の容器ホルダ23Bによれば、水平方向及び重力方向に対する容器6の向きは変えずに、エアダスタ1Bの向きのみを変えることが可能となる。これにより、容器6から液体がこぼれる可能性を低減することができる。特に、固定部27と可動部25とは、軸受257を介して回動可能に連結されているため、使用者が水平方向に対するエアダスタ1Bの向きを変えるのに応じて、エアダスタ1Bに対する容器6の向きを容易且つスムーズに変化させることができる。
【0092】
上記実施形態の構成(特徴)と本開示の構成(特徴)との対応関係を以下に示す。但し、実施形態の構成(特徴)は単なる一例であって、本開示あるいは本発明の構成(特徴)を限定するものではない。
【0093】
エアダスタ1A、1Bの各々は、「電動式の送風機」の一例である。本体10は、「本体」の一例である。噴霧器アタッチメント5は、「噴霧器アタッチメント」の一例である。容器6は、「容器」の一例である。ノズル8、吐出口802(開口802)は、夫々、「ノズル」、「吐出口」の一例である。液体供給路7は、「液体供給路」の一例である。容器取付け部21の各々は、「容器取付け部」の一例である。ノズル取付け部121は、「ノズル取付け部」の一例である。把持部14は、「把持部」の一例である。モータ31、ファン33は、夫々、「モータ」、「ファン」の一例である。収容部11は、「収容部」の一例である。バッテリ取付け部17は、「バッテリ取付け部」の一例である。容器ホルダ23A、23Bは、夫々、「ホルダ」の一例である。容器ホルダ23Bの固定部27及び可動部25は、夫々、「固定部」及び「可動部」の一例である。バルブ9は、「バルブ」の一例である。ノズル連結部77は、「連結部」の一例である。保持部613は、「保持部」の一例である。通気口611は、「通気口」の一例である。
【0094】
なお、上記実施形態は単なる例示であり、本開示に係る電動式の送風機及び噴霧器アタッチメントは、上記実施形態に例示されたエアダスタ1A、1B及び噴霧器アタッチメント5に限定されるものではない。例えば、下記に例示される非限定的な変更を加えることができる。また、これらの変更のうち少なくとも1つが、エアダスタ1A、1B、噴霧器アタッチメント5、請求項に記載された構成(特徴)の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
【0095】
エアダスタ1A、1Bの本体10の構成(形状、構成要素、構成要素間の連結態様)は、上記実施形態の例示に限られず、適宜、変更されうる。例えば、吸込み口110、吐出口120の形状や配置は、適宜変更されうる。把持部14は、軸A1に直交する方向に延びていてもよいし、収容部11の後方に連結されていてもよい。コントローラ収容部15は省略され、把持部14の下端部にバッテリ取付け部17が連結されていてもよい。この場合、コントローラ37は、別の位置(例えば収容部11内)に配置されうる。また、例えば、エアダスタ1A、1Bの電源は、充電式のバッテリ18に限られるものではなく、使い捨ての電池であってもよい。エアダスタ1A、1Bに充電式のバッテリが内蔵されていてもよい。あるいは、エアダスタ1A、1Bの電源は、外部の交流電源であってもよい。
【0096】
モータ31は、ブラシを有するモータであってもよいし、ACモータであってもよい。ファン33の数は、複数であってもよい。つまり、エアダスタ1A、1Bは、多段式の遠心送風機として構成されてもよい。ファン33は、モータ31のステータと吸込み口110との間ではなく、モータ31のステータと吐出口120との間で、モータ31の出力シャフト311に固定されていてもよい。なお、ファン33には、遠心ファン(特に、後向きファン(ターボファンともいう))が採用されることが好ましいが、例えば、斜流ファンが採用されてもよい。あるいは、エアダスタ1A、1Bは、ファン33に代えて、モータ31によって駆動され、ピストンを用いて空気を圧縮するように構成された圧縮機構を備えてもよい。
【0097】
以下に、容器取付け部21及び容器ホルダ23A、23Bに採用可能な、非限定的な変更を例示する。
【0098】
本体10の容器取付け部21は、1つのみであってもよいし、3つ以上設けられてもよい。また、容器取付け部21の配置位置は、バッテリ取付け部17の側部に限られず、本体10の何れかの位置に設けられればよい。例えば、容器取付け部21は、収容部11に設けられていてもよい。
【0099】
また、容器ホルダ23A、23Bと容器取付け部21とは、係合部26の下端部261と係止溝213との係合及びネジ28による固定以外の如何なる態様で固定されてもよい。例えば、容器取付け部21に設けられた凸部と、容器ホルダ23A、23Bに設けられた凹部とが嵌合してもよいし、容器取付け部21に設けられたレール又は溝と、容器ホルダ23A、23Bに設けられた溝又はレールとがスライド係合してもよい。そして、容器ホルダ23A、23Bを所定位置で保持するロック部材が設けられてもよい。
【0100】
可動部25が固定部27に対して移動可能な限りにおいて、固定部27による可動部25の支持構造は、適宜変更されうる。可動部25は、固定部27に対して軸受257を介さずに回動可能に支持されていてもよい。可動部25は、固定部27に対して、直線状に移動可能であってもよい。また、固定部27に対する可動部25の位置は、使用者の手動操作に応じて、複数の位置の何れかに選択的に変更可能であってもよい。
【0101】
上記実施形態では、容器6は、容器取付け部21に取り外し可能に固定された容器ホルダ23A、23Bを介して本体10に取り付けられる。しかしながら、容器ホルダ23A、23Bは、本体10に取外し不能に固定され、容器取付け部21の一部を構成してもよい。あるいは、容器取付け部21は、容器6の係合部62の一対の係合溝621にスライド係合可能な一対のレールを備えてもよい。これらの変形例では、容器6は、容器取付け部21に直接的に取付け可能である。
【0102】
容器ホルダ23A、23B又は容器取付け部21と、容器6との連結態様も、適宜変更されうる。例えば、容器ホルダ23A、23B又は容器取付け部21は、容器本体61の底部を嵌め込み可能な凹部を有してもよいし、容器本体61の周囲に配置されて容器本体61を保持する環状部を有してもよい。容器6は、ネジ等のファスナを用いて容器ホルダ23A、23B又は容器取付け部21に取り付け可能であってもよい。
【0103】
以下に、噴霧器アタッチメント5に採用可能な、非限定的な変更を例示する。
【0104】
容器6は、液体を収容可能に構成されていればよく、例えば、容器本体61及び蓋69の形状、大きさ、容器本体61と蓋69との連結態様は、適宜変更されうる。また、エアダスタ1A、1Bとの係合構造(係合部62)は、上述の容器ホルダ23A、23B又は容器取付け部21の変更と合わせて変更されうる。
【0105】
ノズル8は、エアダスタ1A、1Bの本体10(ノズル取付け部121)に取り付けられ、吐出口802から空気を吐出可能であればよく、その形状、大きさ、本体10との連結態様は、適宜変更されうる。例えば、ノズル8は、ロック機構13を介して本体10に取り付けられる必要はない。例えば、ノズル8の基端部の内周に形成された雌ネジが、本体10(ノズル取付け部121)の外周に形成された雄ネジに係合可能であってもよい。あるいは、ノズル8は、ネジ等のファスナを用いて本体10に取り付け可能であってもよい。
【0106】
液体供給路7は、容器6に収容された液体を、ノズル8の吐出口802の近傍に導くことが可能である限り、その構成要素、構成要素間の連結態様、容器6及びノズル8との連結態様は、適宜変更されうる。例えば、液体供給路7は、単一の管(例えば、可撓性チューブ)で形成されていてもよい。例えば、単一の管の第1端部が、容器6内に配置され、第2端部がノズル8に連結されていてもよい。管は、容器6及びノズル8の少なくとも一方から取り外し可能であっても、取り外し不能であってもよい。
【0107】
また、ノズル8に対する液体供給口770の位置は、ノズル8の吐出口802の近傍において変更されてもよい。例えば、液体供給口770は、吐出口802の縁と概ね同じ位置に配置されていてもよい。しかしながら、効率的に液体を吸い上げるためには、液体供給路7の終端部(液体供給口770を有する一端部)が、モータ31の駆動時に吐出口802から吐出される空気の流れ内に配置されることが好ましい。言い換えると、液体供給路7の終端部が、ノズル8の前方からみて、ノズル8の吐出口802と重なる位置にあることが好ましい。なお、上記実施形態のように、液体供給口770が、吐出口802の中央部のすぐ前側に配置されることがより好ましい。
【0108】
バルブ9は、液体供給路7の別の位置に設けられてもよい。あるいは、バルブ9は省略されてもよい。
【0109】
更に、本発明、上記実施形態及びその変形例の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち少なくとも1つが、上述の実施形態及びその変形例、ならびに各請求項に記載された発明の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記本体は、空気を前記本体内に吸い込む第1開口と、空気が前記本体から吐出される第2開口とを有し、
前記ノズル取付け部は、前記本体の前記第2開口の周囲に設けられている。
本体10の吸込み口110及び吐出口120は、夫々、本態様の「第1開口」及び「第2開口」の一例である。
[態様2]
送風機は、
第1の軸周りに回転可能な出力シャフトを有するモータと、
前記出力シャフトと一体的に回転され、本体に取り付けられたノズルの吐出口から空気を吐出させるように構成されたファンとを更に備え
前記ノズル取付け部は、前記第1の軸に沿って設けられている。
[態様3]
前記少なくとも1つの容器取付け部は、複数の容器取付け部を含み、
前記ホルダは、前記複数の容器取付け部のうち1つに選択的に取り外し可能に固定されている。
[態様4]
前記ホルダは、金属製であって、ネジを用いて前記本体に取り外し可能に固定されている。
[態様5]
前記ホルダは、前記本体に設けられた第1凹部に係合する第1凸部、又は、前記本体に設けられた第2凸部に係合する第2凹部を有する。
本体10の係止溝213は、本態様の「第1凹部」の一例である。容器ホルダ23A、23Bの係合部26の下端部261は、「第1凸部」の一例である。
[態様6]
前記ノズル取付け部は、第1の軸に沿って設けられており、
前記本体は、使用者によって把持されるように構成され、前記第1の軸に交差する第2の軸に沿って延在する把持部を含み、
前記ホルダの前記可動部の回動軸は、前記第1の軸及び前記第2の軸に直交する方向に延びる。
[態様7]
前記可動部は、軸受を介して前記固定部に回動可能に支持されている。
[態様8]
前記噴霧器アタッチメントは、前記送風機の駆動に応じて、前記本体に取り付けられた前記ノズルの前記吐出口から吐出される空気の流れによって、前記液体供給路を通じて前記容器から前記液体が吸い上げられるように構成されている。
[態様9]
前記液体供給路の終端部は、前記ノズルの前記吐出口の近傍に配置されている。
[態様10]
前記液体供給路は、前記終端部が、前記送風機の駆動時に前記ノズルの前記吐出口から吐出される空気の流れ内に配置されるように構成されている。
[態様11]
液体供給路の少なくとも一部は可撓性のチューブで形成されている。
[態様12]
前記連結部は、前記可撓性チューブの一端に固定されている。
[態様13]
前記容器は、前記容器取付け部又は前記ホルダに取り外し可能に係合するように構成されている。
[態様14]
前記容器は、前記容器取付け部又は前記ホルダにスライド係合可能である。
[態様15]
前記容器の上下方向において、前記ホルダの前記可動部の回動軸は、前記容器に液体が最大限収容されたときの前記液体を含む前記容器の重心よりも上方に位置する。
[態様16]
前記容器の底部には、金属製のウェイトが配置されている。
【符号の説明】
【0110】
1A、1B:エアダスタ、10:本体、11:収容部、110:吸込み口、12:ノズル部、120:吐出口、121:ノズル取付け部、122:ガイド凹部、13:ロック機構、131:スライドスリーブ、133:付勢バネ、14:把持部、141:トリガ、15:コントローラ収容部、17:バッテリ取付け部、18:バッテリ、171:側壁部、171L:左壁部、171R:右壁部、172:レール、181:溝、21:容器取付け部、211:ネジ穴、213:係止溝、21L:左側取付け部、21R:右側取付け部、23A、23B:容器ホルダ、24A、24B:ホルダ本体、241:ベース部、242:ベース部、243:貫通孔、244:貫通孔、245:屈曲部、246:第1部分、247:第2部分、25:可動部、251:軸受保持部、252:筒状部、253:貫通孔、255:連結部、257:軸受、26:係合部、261:下端部、262:上端部、27:固定部、271:ベース部、272:貫通孔、275:支持シャフト、276:止め輪、28:ネジ、291:ボルト、292:ナット、31:モータ、311:出力シャフト、33:ファン、37:コントローラ、5:噴霧器アタッチメント、6:容器、61:容器本体、611:通気口、613:保持部、62:係合部、621:係合溝、623:突起、69:蓋、7:液体供給路、711:第1部材、716:第2部材、72:中間部、721:内側突出部、723:外側突出部、73:第1チューブ、75:第2チューブ、77:ノズル連結部、770:液体供給口、8:ノズル、80:通路、801:開口、802:開口(吐出口)、81:ノズル本体、811:保持部、812:保持孔、86:取付け部、861:係止片、9:バルブ、91:作動部、93:摘み