(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】閉鎖系静脈内カテーテルによる静脈穿刺のためのデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20241219BHJP
A61M 25/06 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61M25/00 502
A61M25/06 500
(21)【出願番号】P 2021516444
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(86)【国際出願番号】 US2019053581
(87)【国際公開番号】W WO2020069395
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-07-11
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515249525
【氏名又は名称】ベラノ バスキュラー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】デブゴン,ピッタンバー
(72)【発明者】
【氏名】ファンク,ブライアン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンデンブリンク,エヴァン
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-516643(JP,A)
【文献】特開2018-047063(JP,A)
【文献】特開2017-012481(JP,A)
【文献】特表2002-525163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
近位端部分及び遠位端部分を有し、内部を通る管腔を規定するカテーテルと、
近位端部分及び遠位端部分を有し、前記カテーテルを移動可能に受容するように構成されている内部体積を規定するイントロデューサであって、前記イントロデューサの前記遠位端部分が、患者の体内に少なくとも部分的に配置された閉鎖系静脈ラインに前記イントロデューサを結合するように構成されているロックを有し、
前記ロックは、一組のアーム及び吻を含み、前記ロックが前記閉鎖系静脈ラインに結合されたときに、前記ロックが前記閉鎖系静脈ラインのシールを閉鎖状態から開放状態に移行させるように構成されて
おり、前記シールが前記開放状態にあるときに前記吻の外面が前記シールの一部分に係合しそれらの間に流体密シールを集合的に形成し、前記吻は前記吻の遠位端部分が前記閉鎖系静脈ラインの管腔内に配置されるように前記シールを通って延びる、イントロデューサと、
前記イントロデューサ内に少なくとも部分的に配置され、前記カテーテルの前記近位端部分に結合されたアクチュエータであって、前記イントロデューサが前記閉鎖系静脈ラインに結合されているときに、前記アクチュエータが、前記カテーテルが前記イントロデューサ内に配置されている第1位置と、前記カテーテルの遠位端面が前記閉鎖系静脈ラインより遠位に位置決めされているような、前記カテーテルが前記閉鎖系静脈ラインの前記シールを通って延びている第2位置との間で前記カテーテルを移動させるように構成されている、アクチュエータと、を含む、装置。
【請求項2】
前記カテーテルが、前記第1位置にあるとき、前記ロック内に少なくとも部分的に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記吻が管腔を規定
し、前記吻が前記シールを通って延びて、前記吻の前記管腔を、前記閉鎖系静脈ラインの
前記管腔と流体連通の状態に置くように構成されて
いる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ロックは、前記吻の一部分が前記シール内に配置されて前記シールを前記開放状態に置くように、前記イントロデューサを前記閉鎖系静脈ラインに結合するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記吻が前記シールの一部分を通って延びて、前記シールを前記開放状態に置
き、前記カテーテルが前記第1位置から前記第2位置に移動するときに前記カテーテル
は前記シールによって規定される開口を通って延び
る、請求項4に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2018年9月28日に出願された「Devices and Methods for Phlebotomy Through a Closed System Intravenous Catheter」という名称の米国仮特許出願第62/738,200号の優先権及び利益を主張するものであり、その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本出願はまた、2019年5月3日に出願された「Devices and Methods for Phlebotomy Through a Closed System Intravenous Catheter」という名称の米国仮特許出願第62/842,918号の優先権及び利益を主張するものであり、その開示内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
[0003] 本明細書に記載の実施形態は、概して、流体移送医療デバイスに関する。より具体的には、本明細書に記載の実施形態は、配置された末梢静脈内カテーテルを通して患者との間で流体を移送するためのデバイス及び方法に関する。
【0004】
[0004] 典型的な入院患者は、医師が臨床試験を指示するたびに針に遭遇する。採血の標準的な手順は、金属製の針(「翼状針」)を使用して、患者の腕や手の静脈を「刺す」ことを伴う。採血は手作業による労働集約的なプロセスであり、平均的な患者は典型的な入院中に何時間もの直接的な熟練労働を必要とする。この針刺しは、痛みを伴い、患者の不満の主な原因であるだけでなく、看護師又は専門の採血担当者(静脈穿刺専門家)は、患者の約10~25%で静脈を見つけるのが困難なことがよくあり(このような患者は、静脈アクセス困難(Difficult Intravenous Access、「DVA」)患者、又はより一般的には「針刺し困難(tough stick)」患者と呼ばれる)、結果的に複数回の痛い「針刺し」が試みられることとなる。これにより、材料費及び人件費が大幅に高くなり(針及びチュービングは毎回廃棄する必要がある)、患者の痛みとあざが増えてしまう。
【0005】
[0005] 採血の現在のプロセスは非効率的であり、平均して7~10分かかり、患者の10%では21分以上かかる。表在静脈が容易に見えない場合は、手首から肘までの腕をマッサージし、人差し指と中指で部位を軽く叩き、温かく湿らせたタオルを5分間部位に当てるか、又はベッドサイドで四肢を下げて静脈を満たすことで、静脈に血液を送り込むことができる。これらの方法は各々時間がかかり、そのためコストがかかる。
【0006】
[0006] 末梢IVカテーテル(PIV)は、入院中にほとんどの患者に挿入され、患者の体内で長期間維持することができる。ただし、PIVは概して、流体や薬剤の注入に使用され、採血手順用には設計されていない。PIVを1日以上挿入したままにすると、吸引の事故率は40~75%に達する可能性がある。PIVから採取された血液は、赤血球の破裂とその内容物の周囲の流体への放出と定義される溶血状態になることが多く、その結果、サンプルが廃棄され、採血を繰り返す必要が生じる。加えて、PIVから採取された血液は、例えば、適切な廃棄方法に従わなかった場合、又は部分的にしか従わなかった場合、生理食塩水又は他の注入液で希釈又は汚染されることがよくある。
【0007】
[0007] PIVを通して血液を採取することの欠点の一因となり得るいくつかの障壁がある。いくつかのそのような障壁は、例えば、吸引中のPIVカテーテルの狭窄又は崩壊、カテーテルの一部又は(特に、より長い留置時間)カテーテルが挿入される静脈又は血管の一部を閉塞する破片(例えば、フィブリン/血小板血餅)の蓄積、カテーテルを通して吸引することで生じる陰圧と、考えられる静脈の湾曲した経路により、カテーテルの先端が静脈の壁に付着する「吸盤」効果、静脈壁を破裂させるのに十分な静脈内の陰圧上昇(すなわち、「静脈の吹き飛ばし」)、PIVの一部分が静脈又は血管の一部分を閉塞しているため、PIV先端を通過する血流の減少、PIV及び/又は注入液の存在による機械的及び/又は化学的な刺激により、血管の痙攣又は血管壁の浮腫みが生じ、静脈又は血管内の血液の流れが不良又はゼロになること、及び/又は同様のものであり得る。
【0008】
[0008] いくつかの既知のデバイスは、留置(すなわち、置かれた)PIVを通して血液吸引を可能にするために開発された。ただし、一部のPIVは「閉鎖系」として配置されているため、採血デバイスがPIVを通して静脈にアクセスする際に問題が発生する可能性がある。例えば、いくつかの既知のPIVは、体の外側に維持され、体に少なくとも部分的に挿入される比較的柔らかいIVカテーテルに取り付けられるIVハブ又は本体を含む。さらに、いくつかの閉鎖系は、それが体内に挿入されるときにPIVカテーテルを通って延びる硬質の針又はトロカールを有するデバイスを含む。カテーテルが静脈内に配置されると、硬質の針又はトロカールが取り外され、カテーテルが通って延ばされたポートが再び封じられる。そのようなデバイスでは、流体及び/又は薬剤は、PIVの第2ポートを通して患者に送達することができる。しかしながら、そのような閉鎖系PIVの第2ポートは、概して、いくつかの既知のデバイス、及び/又は留置PIVを通した血液吸引に関連する欠点の少なくとも一部に対処する既知の方法で使用するようには構成されていない。
【0009】
[0009] したがって、「閉鎖系」末梢静脈内カテーテル及び/又は他の同様のデバイスを通した静脈穿刺のためのシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
[0010] 配置された末梢静脈内カテーテルを通して患者との間で流体を移送するためのデバイス及び方法が、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、装置は、カテーテル、イントロデューサ、及びアクチュエータを含む。カテーテルは、近位端部分及び遠位端部分を有し、内部を通る管腔を規定する。イントロデューサは、近位端部分及び遠位端部分を有し、カテーテルを移動可能に受容するように構成されている内部体積を規定する。イントロデューサの遠位端部分は、イントロデューサを、患者の体内に少なくとも部分的に配置された閉鎖系静脈ラインに結合するように構成されているロックを有する。ロックは、ロックが閉鎖系静脈ラインに結合されたときに、閉鎖系静脈ラインのシールを閉鎖状態から開放状態に移行するように構成されている。アクチュエータは、イントロデューサ内に少なくとも部分的に配置され、カテーテルの近位端部分に結合されている。アクチュエータは、カテーテルがイントロデューサ内に配置されている第1位置と、イントロデューサが閉鎖系静脈ラインに結合されているときに、カテーテルの遠位端面が閉鎖系静脈ラインより遠位に位置決めされているような、カテーテルが閉鎖系静脈ラインのシールを通って延びている第2位置との間でカテーテルを移動させるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態による第1構成の閉鎖系アクセスデバイスの概略図である。
【
図2】一実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスに結合された流体移送デバイスの概略図である。
【
図3】一実施形態による、第1構成における閉鎖系アクセスデバイス(「PIV」)の概略図である。
【
図4】一実施形態による、第2構成における閉鎖系アクセスデバイス(「PIV」)の概略図である。
【
図5】一実施形態による流体移送デバイスの斜視図である。
【
図6】
図3のPIVに結合され、第1構成において配置された流体移送デバイス又は
図5の上面図である。
【
図7】
図3のPIVに結合され、第2構成において配置された流体移送デバイス又は
図5の上面図である。
【
図8】一実施形態による、流体移送デバイスの一部分、閉鎖系アクセスデバイス(「PIV」)、及び流体移送デバイスをPIVに結合するように構成されているアダプタの上面図である。
【
図9】各々、異なる実施形態による、流体移送デバイスの一部分を受容する閉鎖系アクセスデバイスの一部分の概略図である。
【
図10】各々、異なる実施形態による、流体移送デバイスの一部分を受容する閉鎖系アクセスデバイスの一部分の概略図である。
【
図11】各々、異なる実施形態による、流体移送デバイスの一部分を受容する閉鎖系アクセスデバイスの一部分の概略図である。
【
図12】各々、異なる実施形態による、流体移送デバイスの一部分を受容する閉鎖系アクセスデバイスの一部分の概略図である。
【
図13】各々、異なる実施形態による、流体移送デバイスの一部分を受容する閉鎖系アクセスデバイスの一部分の概略図である。
【
図14】各々、異なる実施形態による、流体移送デバイスの一部分を受容する閉鎖系アクセスデバイスの一部分の概略図である。
【
図15】各々、様々な実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスの概略図である。
【
図16】各々、様々な実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスの概略図である。
【
図17】各々、様々な実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスの概略図である。
【
図18】一実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスに結合され、かつ/又は本来ならばそれとともに使用されているドレッシングの概略図である。
【
図19】一実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスのサイドポートに結合され、第1構成で示される流体移送デバイスの上面図である。
【
図20】一実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスのサイドポートに結合され、第2構成で示される流体移送デバイスの上面図である。
【
図21】異なる実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスのサイドポートに結合された流体移送デバイスの上面図である。
【
図22】異なる実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスのサイドポートに結合された流体移送デバイスの上面図である。
【
図23A】異なる実施形態による、流体移送デバイスに結合されるように構成されている近位部分を含むサイドポートを備えた閉鎖系アクセスデバイスの上面図である。
【
図23B】異なる実施形態による、流体移送デバイスに結合されるように構成されている近位部分を含むサイドポートを備えた閉鎖系アクセスデバイスの上面図である。
【
図23C】異なる実施形態による、流体移送デバイスに結合されるように構成されている近位部分を含むサイドポートを備えた閉鎖系アクセスデバイスの上面図である。
【
図24】一実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスのサイドポートに結合され、第2構成で配置された流体移送デバイスの上面図である。
【
図25A】様々な実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスの一部分を通るカテーテルの前進を助けるように適合された閉鎖系アクセスデバイスの概略図である。
【
図25B】様々な実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスの一部分を通るカテーテルの前進を助けるように適合された閉鎖系アクセスデバイスの概略図である。
【
図25C】様々な実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスの一部分を通るカテーテルの前進を助けるように適合された閉鎖系アクセスデバイスの概略図である。
【
図25D】様々な実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスの一部分を通るカテーテルの前進を助けるように適合された閉鎖系アクセスデバイスの概略図である。
【
図25E】様々な実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスの一部分を通るカテーテルの前進を助けるように適合された閉鎖系アクセスデバイスの概略図である。
【
図26】一実施形態による、チュービング上にポートを導入及び/又は形成するように適合されたポート配置デバイスの概略図である。
【
図27A】一実施形態による、チュービング上にポートを導入及び/又は形成するように適合されたポート配置デバイスの概略図である。
【
図28A】様々な実施形態による、ポート配置デバイスに含まれる貫通部材の側面概略図である。
【
図28B】様々な実施形態による、ポート配置デバイスに含まれる貫通部材の側面概略図である。
【
図28C】様々な実施形態による、ポート配置デバイスに含まれる貫通部材の側面概略図である。
【
図29】一実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスを備えた流体移送デバイスを使用する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0030] 本明細書に記載の実施形態は、末梢静脈ライン(PIV)などの留置血管アクセスデバイスを介して、患者から体液を吸引するためのシステム、デバイス、及び方法を示している。より具体的には、本明細書に記載の血管アクセスデバイスは、既知の「閉鎖系」又は「無血開始」アクセスデバイスと同様又は同じであり得る。いくつかのそのような「閉鎖系」アクセスデバイスは、患者の管腔(例えば、静脈及び/又は血管)に配置されるように構成されている比較的柔らかく、及び/又は柔軟なカテーテルを含む。比較的柔らかいカテーテルは、カテーテルが生体組織に合わせて曲がったり、屈曲することを許容するために所望の量の柔軟性を提供し、それによって解剖学的構造への損傷を減らし、患者の快適さを高める。
【0013】
[0031] しかしながら、そのようなデバイスのカテーテルは、静脈穿刺に必要な量の硬性を欠く可能性があり、したがって、アクセスデバイスは、典型的に、硬質針、トロカールなどの挿入デバイスと組み合わされ、結合され、及び/又は一体化される。挿入デバイスは、血管アクセスデバイス(カテーテルを含む)を通って延び、デバイスが体内に挿入されるときにカテーテルを支持する。カテーテルが静脈又は体内の他の好適な導管内の所望の位置にあると、挿入デバイスは、血管アクセスデバイスから引っ込められ、かつ/又は除去され得、それにより、静脈内に比較的柔軟なカテーテルを残す。いくつかのそのような血管アクセスデバイスは、例えば、硬質の針又はトロカールが挿入される近位ポートを含む。次に、血管アクセスデバイスの近位ポートは、シール、弁、及び/又は針又はトロカールがシール、弁、及び/又は制御デバイスを開放状態及び/又は構成に置くことを選択的に許容する他の好適な制御デバイスを含む。逆に、針又はトロカールが近位ポートから取り外されると(例えば、カテーテルを患者の体に挿入した後)、シール、弁、及び/又は制御デバイスは、閉鎖状態及び/又は構成に移行し、それによって、近位ポートは少なくとも一時的に封止されるか(例えば、流体的に封止される)か、又は閉じる。
【0014】
[0032] 本明細書に記載の実施形態及び/又はシステムでは、流体移送デバイスは、そのカテーテルが静脈内に位置決めされ、挿入デバイスの針(又はトロカール)が取り外された後、例えば、「閉鎖系」アクセスデバイスの近位ポートに結合することができる。デバイスは、流体移送デバイスのアクセスデバイスへの結合によってシールが開放構成に移行するように配置することができ、それにより、本明細書でさらに詳細に説明するように、流体移送デバイスが患者から大量の体液を引き出すことを許容する。
【0015】
[0033] いくつかの実施形態では、装置は、カテーテル、イントロデューサ、及びアクチュエータを含む。カテーテルは、近位端部分及び遠位端部分を有し、内部を通る管腔を規定する。イントロデューサは、近位端部分及び遠位端部分を有し、カテーテルを移動可能に受容するように構成されている内部体積を規定する。イントロデューサの遠位端部分は、イントロデューサを、患者の体内に少なくとも部分的に配置された閉鎖系静脈ラインに結合するように構成されているロックを有する。ロックは、ロックが閉鎖系静脈ラインに結合されたときに、閉鎖系静脈ラインのシールを閉鎖状態から開放状態に移行するように構成されている。アクチュエータは、イントロデューサ内に少なくとも部分的に配置され、カテーテルの近位端部分に結合されている。アクチュエータは、カテーテルがイントロデューサ内に配置されている第1位置と、イントロデューサが閉鎖系静脈ラインに結合されているときに、カテーテルの遠位端面が閉鎖系静脈ラインより遠位に位置決めされているような、カテーテルが閉鎖系静脈ラインのシールを通って延びている第2位置との間でカテーテルを移動させるように構成されている。
【0016】
[0034] いくつかの実施形態では、装置は、カテーテル(例えば、第1カテーテル)及びハブを含む。第1カテーテルは、体の一部分内に配置されるように構成されている。ハブは、近位端部分及び遠位端部分を有し、内部を通る中央管腔を規定する。ハブの遠位端部分は、第1カテーテルの管腔がハブの中央管腔と流体連通するように、第1カテーテルに結合されている。ハブの遠位端部分は、シール部材を規定する第1ポートを有する。シールは、第1カテーテルが体の部分内に配置された後、開放状態から閉鎖状態に移行するように構成される。ハブは、近位端部分と遠位端部分との間のハブに結合され、中央管腔と流体連通している第2ポートを有する。ハブは、中央管腔の少なくとも一部分を規定するガイドを有し、これは、第2ポートを通して挿入された第2カテーテルと係合して、第2カテーテルをハブの中央管腔を通して第1カテーテルの管腔内に導くように構成されている。
【0017】
[0035] いくつかの実施形態では、方法は、閉鎖系静脈ラインのカテーテルが患者の体内に位置決めされた後、流体移送デバイスのイントロデューサを閉鎖系静脈ラインのハブの近位ポートに結合することを含んでいる。ハブの近位ポートに含まれるシールは、イントロデューサがハブの近位ポートに結合された結果として、閉鎖状態から開放状態に移行される。シールは、ハブの中央管腔と流体連通している開放状態にあるとき、開口部を規定する。流体移送デバイスのアクチュエータは、第1状態から第2状態に移行し、流体移送デバイスのカテーテルは、カテーテルがイントロデューサ内に配置される第1位置から、カテーテルの遠位端面が閉鎖系静脈ラインのカテーテルより遠位にあるような、カテーテルがシールを通って延びている第2位置に前進させられる。
【0018】
[0036] いくつかの実施形態では、装置は、カテーテル、イントロデューサ、及びアクチュエータを含む。カテーテルは、近位端部分及び遠位端部分を有し、内部を通る管腔を規定する。イントロデューサは、近位端部分及び遠位端部分を有し、カテーテルを移動可能に受容するように構成されている内部体積を規定する。イントロデューサの遠位端部分は、イントロデューサを留置末梢静脈ラインに結合するように構成されているロックを有する。ロックの一部分は、ロックが留置末梢静脈ラインに結合されたときに、留置末梢静脈ラインのシールを閉鎖状態から開放状態に移行するように構成されている。アクチュエータは、イントロデューサ内に少なくとも部分的に配置され、カテーテルの近位端部分に結合されている。アクチュエータは、イントロデューサが閉鎖系静脈ラインに結合されているときに、カテーテルがイントロデューサ内に配置されている第1位置と、カテーテルの少なくとも一部分が留置末梢静脈ラインを通って延びるように、カテーテルの遠位端面が留置末梢静脈ラインのイントロデューサシールより遠位にある第2位置との間でカテーテルを移動させるために、イントロデューサに対して移動するように構成されている。
【0019】
[0037] 本明細書で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が他の場合を明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「部材」という用語は、単一の部材又は部材の組み合わせを意味することを意図し、「材料」は、1つ以上の材料又はそれらの組み合わせを意味することを意図している。
【0020】
[0038] 本明細書で使用されるように、「近位」及び「遠位」という用語は、デバイスを患者と接触させる位置に置くユーザに、それぞれ、近づく方向及び遠ざかる方向を指す。したがって、例えば、患者の身体に最初に触れるデバイスの端は遠位端であり、デバイスの反対側の端(例えば、ユーザによって操作されているデバイスの端)は、デバイスの近位端である。
【0021】
[0039] いくつかの例では、「近位」又は「遠位」という言葉は、相対的な用語を説明するときに使用でき、必ずしも普遍的に固定された位置又は方向を指すとは限らない。例えば、PIVカテーテルの遠位端部分は、患者の前腕の静脈に挿入することができ、一方、PIVカテーテルの近位端部分は、実質的に体の外側にあってよい。しかしながら、静脈は、酸素の少ない血液の流れを体の遠位部分から心臓に戻し、その結果、PIVカテーテルは、概して、PIVカテーテルの遠位先端が静脈内の挿入部より近位の位置に配置されるように静脈に挿入される(例えば、静脈に対して近位方向に延びる)。したがって、PIVカテーテルに対する遠位位置は、例えば、静脈に対する近位位置(例えば、心臓により近い)を指すことができる。
【0022】
[0040] 本明細書で使用される場合、「剛性」という用語は、印加された力によるたわみ、変形、及び/又は変位に対する物体の抵抗に関係する。剛性は、物体に印加される力の量、及び物体の第1部分が物体の第2部分に対して偏向、変形、及び/又は変位する結果として生じる距離に関して特徴付けることができる。物体の剛性を特徴付ける場合、たわみ距離は、力が直接印加される物体の部分とは異なる物体の部分のたわみとして測定することができる。別の言い方をすれば、いくつかの物体では、たわみの点は力が印加される点とは異なる。
【0023】
[0041] 剛性は、記述されている物体の広範な特性であり、したがって、物体が形成される材料、及び物体の特定の物理的特性(例えば、形状及び境界条件)に依存する。例えば、物体の剛性は、所望の弾性率、曲げ弾性率、及び/又は硬度を有する材料を物体に選択的に含めることによって増加又は減少させることができる。弾性係数は、構成材料の集約的な特性であり(つまり、固有である)、印加された力に応じて弾性的に(つまり、非永続的に)変形する物体の傾向を表す。弾性率が高い材料は、均等に印加された応力が存在する場合、弾性率が低い材料ほどたわむことはない。したがって、例えば、高い弾性率を有する材料を物体に導入したり、物体を構成したりすることで、物体の剛性を高めることができる。
【0024】
[0042] 同様に、材料の硬度は構成材料の集約的な特性であり、力が印加されたときの様々な種類の永久的な形状変化に対する材料の耐性の尺度を表す。カテーテルの硬度と剛性へのその後の影響を議論する際には、ショアデュロメータが一般的に使用される。デュロメータにはいくつかの尺度があり、プラスチック、ポリマー、エラストマー、及び/又はゴムの説明に一般的に使用される2つの尺度、すなわちタイプA及びタイプDがあり、タイプAは柔らかい材料に一般的に使用され、タイプDは硬い材料に一般的に使用される。材料のショアデュロメータは0~100の数字で示され、数字が大きいほど硬い材料を示し、その後に目盛りのタイプが続く。例えば、第1材料は、ショアデュロメータの40ショアAを有すると測定することができ、第2材料は、ショアデュロメータの20ショアDを有すると測定することができる。したがって、ショアデュロメータの尺度によれば、第2材料はより硬く、したがって、第1材料よりも剛性が高い。
【0025】
[0043] 本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は、概して、記載された値のプラスマイナス10%を意味する。例えば、約0.5は0.45及び0.55を含み、約10は9~11を含み、約1000は900~1100を含むなどである。値、形状、及び/又は幾何学的構造又は関係に関連して使用される場合の「実質的に」という用語は、そのように定義された値、形状、構造、及び/又は関係が、名目上、値、形状、構造、及び/又は関係であることを伝えることを意図している。一例として、「実質的に線形」であると説明される部材は、部材の線形性が望ましいが、「実質的に線形」の部材においていくらかの非線形性が生じ得ることを伝えることを意図している。そのような非線形性は、製造公差、又は他の実際的な考慮事項(例えば、部材に印加される圧力、及び/又は力など)に起因し得る。したがって、「実質的に」という用語によって修飾された幾何学的構造は、記載された幾何学的構造のプラスマイナス5%の許容範囲内のそのような幾何学的特性を含む。例えば、部材の「実質的に線形」の軸又は中心線は、線形であることのプラスマイナス5%以内であり得る。別の例として、「実質的に等しい」と説明される2つの値は、等しいことが望ましいが、2つの「実質的に等しい」値を等しくするときにいくらかの不等が生じる可能性があることを伝えることを意図している。したがって、2つの値は、それらの間の不等の量が許容範囲を下回っている場合(例えば、プラスマイナス5%)、「実質的に等しい」。
【0026】
[0044] 本明細書に記載の実施形態及び/又はその一部は、1つ以上の生体適合性材料で形成又は構築されることができる。いくつかの実施形態では、生体適合性材料は、例えば、剛性、靭性、デュロメータ、生体反応性などの、構成材料の1つ以上の特性に基づいて選択されることができる。好適な生体適合性材料の例には、金属、ガラス、セラミック、又はポリマーが含まれる。好適な金属の実例は、医薬品グレードのステンレス鋼、金、チタン、ニッケル、鉄、プラチナ、スズ、クロム、銅、及び/又はそれらの合金を含む。ポリマー材料は、生分解性又は非生分解性であり得る。好適な生分解性ポリマーの実例は、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリラクチド-コ-グリコリド(PLGA)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリウレタン、ならびに/又はそれらのブレンド及びコポリマーを含む。非生分解性ポリマーの実例は、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、エチレンビニルアセテート及び他のアシル置換セルロースアセテートのポリマー、非分解性ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホネートポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、ならびに/又はそれらのブレンド及びコポリマーを含む。
【0027】
[0045] 本明細書の実施形態は、概して、例えば、患者からある量の体液(例えば、血液)の吸引を容易にするために使用されるものとして説明されている。しかしながら、実施形態及び/又はデバイスは、そのような使用及び/又は手順に限定されないことを理解されたい。例えば、いくつかの例では、本実施形態及び/又はデバイスは、血液、脳脊髄液、尿、胆汁、リンパ液、唾液、滑液、漿液、胸膜液、羊水、粘液、硝子体、空気など、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない体液の吸引を促進することができる。他の例では、実施形態及び/又はデバイスを使用して、流体源から患者への1つ以上の流体の送達を容易にすることができる。さらに他の例では、実施形態及び/又はデバイスを使用して、体内の標的領域のカテーテル挿入を伴う任意の好適な手順などを容易にすることができる。さらに、実施形態及び/又はデバイスは、患者との間で流体を移送することに限定されず、例えば、任意の好適な目的のために身体の標的領域へのアクセスを得るプロセスを容易にするために使用することができる。少なくともいくつかのデバイスは、患者との間で流体を移送するためにPIVとともに使用される、及び/又はそれに結合されるものとして本明細書に記載されているが、そのような使用は、限定ではなく例としてのみ提示されることを理解されたい。さらに、「患者」への言及は、ヒトの患者に限定する必要はないことを理解されたい。例えば、本明細書に記載のデバイスのいずれも、動物に対して(例えば、獣医及び/又は同様のものによって)実施される任意の好適な手順で使用することができる。
【0028】
[0046]
図1及び
図2は、一実施形態による閉鎖系アクセスデバイス100の概略図である。閉鎖系アクセスデバイス100は、(
図1に示す)挿入デバイス190及び/又は(
図2に示す)流体移送デバイス110に結合することができるアクセスデバイス170を含む。
図1に示されるように、アクセスデバイス170及び挿入デバイス190は、集合的に「閉鎖系」アクセスデバイス100を形成することができる。閉鎖系アクセスデバイス100は、例えば、既知の閉鎖系アクセスデバイスと実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、アクセスデバイス170及び挿入デバイス190は、1つ以上の製造プロセス中に事前に組み立てられて滅菌され、統合された閉鎖系(すなわち、閉鎖系アクセスデバイス100)としてエンドユーザに提供され得る。
【0029】
[0047] この例では、アクセスデバイス170は、体の一部分内に少なくとも部分的に挿入又は配置されるように構成されている任意の好適なデバイスであり得る。例えば、アクセスデバイス170は、体の一部分に経皮的に挿入されるように構成されている既知の末梢静脈ライン(PIV)などであり得る。いくつかの例では、アクセスデバイス170(例えば、PIV)は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、静脈穿刺イベントなどを用いて患者の静脈内に少なくとも部分的に配置され得る。
【0030】
[0048] アクセスデバイス170は、ハブ171及びカテーテル172を含む。ハブ171は、カテーテル172の管腔へのアクセスを許容するように構成されている任意の好適なデバイス、機構、及び/又は部材であり得る。いくつかの実施形態では、アクセスデバイス170のハブ171は、カテーテル172へのアクセスを選択的に許容するように構成されているシール174を含む近位ポート173などを含むことができる。さらに、アクセスデバイスのハブ171は、患者との間で流体を移送するために使用できる任意の好適な構成で配置された1つ以上の追加のポート(例えば、
図1に示されていない近位ポート173以外のポート)を含むことができる。
【0031】
[0049] ハブ171内に配置された、及び/又はそれに結合されたシール174は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、シール174は、貫通可能部材、自己シール及び/又は自己修復部材、弁、膜、スプリットセプタム、及び/又は任意の他の好適な部材であり得る。いくつかの実施形態では、シール174は、無針コネクタの少なくとも一部であり得るか、かつ/又はそれを形成することができる。例えば、ハブ171の近位ポート173は、シール174が中に配置されているルアーロック(例えば、オス又はメスのルアーロック)などであり得る。そのような実施形態では、デバイスの対応するルアーロック又は他の結合機構が近位ポート173に結合されるとき、対応するルアーロック又は他の結合機構の一部分は、シール174と係合して、シール174を実質的に密閉又は閉鎖状態及び/又は構成から開放状態及び/又は構成に移行させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、近位ポート173及び/又はシール174は、任意の好適な市販の無針コネクタと同様の無針コネクタを形成することができる。
【0032】
[0050] アクセスデバイス170のカテーテル172は、ハブ171に物理的及び流体的に結合されている。カテーテル172は、カテーテル172が曲がる、屈曲する、かつ/又は本来ならば(例えば、弾性的又は非永久的に)再構成することを許容するように構成されている比較的柔らかい材料又は材料の組み合わせから形成される。いくつかの実施形態では、そのような配置は、その他の点で留置硬質デバイスに起因し得る患者への損傷の可能性を減少させる一方で、カテーテル172を患者の一部分(例えば、患者の静脈)に長期間配置することを許容することができる。しかしながら、上記のように、比較的柔らかく、かつ/又は柔軟なカテーテル172は、典型的に、追加の支持なしで患者へ経皮的に挿入するには好適ではない。
【0033】
[0051] したがって、アクセスデバイス170は、挿入デバイス190とともに事前に組み立てられている(それにより、集合的に、閉鎖系アクセスデバイスを形成する)。
図1に示すように、挿入デバイス190は、本体191と、硬質針、トロカールなどの挿入部材192と、を含む。挿入デバイス190の本体191は、挿入部材192がハブ171及びカテーテル172を通って延びるように、アクセスデバイス170(例えば、近位ポート173)に結合することができる。アクセスデバイス170と挿入デバイス190とが結合され、それにより、アクセスデバイス170のシール174が、それを通って延びる挿入部材192によって開放状態及び/又は構成に置かれる。言い換えれば、挿入デバイス190がアクセスデバイス170に結合されると、挿入部材192は、シール174を通って延び、及び/又は本来ならば、シール174を開放状態及び/又は構成に置く。本明細書でさらに詳細に説明するように、挿入デバイス190がアクセスデバイス170から取り外されると、シール174は、開放状態から閉鎖状態又は封止状態に移行するように構成することができる。
【0034】
[0052] アクセスデバイス170及び挿入デバイス190によって集合的に形成される閉鎖系アクセスデバイスは、例えば、閉鎖系IVなどの既知の閉鎖系アクセスデバイスと実質的に同様であり得る。したがって、ユーザは、閉鎖系アクセスデバイスを操作して、挿入部材192が患者の皮膚及び静脈の壁を貫通する静脈穿刺イベントを実施することができる。アクセスデバイス170のカテーテル172内に少なくとも部分的に配置された挿入部材192を用いて、挿入部材192を患者の静脈に挿入すると、カテーテル172の少なくとも一部分が同様に静脈に挿入される。カテーテル172の所望の部分が静脈内に位置決めされると、挿入デバイス190は、アクセスデバイス170(
図1の矢印AAによって示される)から引っ込められ、かつ/又は除去され得、比較的柔軟なカテーテル172が静脈内に残される。挿入デバイス190がアクセスデバイス170から取り外されると、アクセスデバイス170のハブ171内に配置されたシール174は、開放状態から閉鎖状態に移行することができ、それにより、ハブ171の一部分(例えば、近位ポート173)が封止される。アクセスデバイス170が患者内に配置され、シール174が閉鎖状態又は封止状態にあると、流体を、1つ以上の追加又は他のポートなど(例えば、
図1には示されていない、近位ポート173以外のポート)を用いて患者との間で移送することができる。したがって、アクセスデバイス170及び挿入デバイス190は、集合的に閉鎖系IVを形成することができ、これは、いくつかの既知の閉鎖系IVと実質的に同様であり得る。
【0035】
[0053]
図2は、アクセスデバイス170が患者に配置され、挿入デバイス190が取り外されると、アクセスデバイス170に結合するように構成されている流体移送デバイス110を示している。流体移送デバイス110は、配置又は留置されたアクセスデバイス170を用いて、患者との間で流体を移送するように構成されている任意の好適なデバイスであり得る。例えば、流体移送デバイス110は、特定の実施形態に関連して本明細書に記載されているもののいずれかと実質的に同様であり得る。
【0036】
[0054] 図示するように、流体移送デバイス110は、少なくともイントロデューサ115及びカテーテル130を含むことができる。イントロデューサ115は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、イントロデューサ115は、アクセスデバイス170のハブ171に結合し、ハブ171のシール174を閉鎖状態又は封止状態から開放状態に移行するように構成されている近位端部分を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、イントロデューサ115の近位端部分は、イントロデューサ115がアクセスデバイス170のハブ171に結合されたときにシール174と係合することができるロック、カプラ、係合部材、及び/又は同様のものを含むことができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、イントロデューサ115の近位端部分は、例えば、オス又はメスのルアーロック(例えば、スリップルアー又はロッキングルアー)として構成されているロックを含むことができる。他の実施形態では、イントロデューサ115の近位端部分は、特定の実施形態に関連して本明細書に記載されているもののいずれかと同様のロックを含むことができる。
【0037】
[0055] カテーテル130は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、カテーテル130は、カテーテル130がイントロデューサ115内に配置されている第1状態、構成、及び/又は位置から、カテーテル130の少なくとも一部分がイントロデューサ115より遠位に延びている第2状態、構成、及び/又は位置に移行及び/又は移動することができる。より具体的には、流体移送デバイス110がアクセスデバイス170に結合され、シール174がその開放状態及び/又は構成に置かれると、流体移送デバイス110のカテーテル130は、
図2の矢印BBによって示されるように、その第2状態、構成、及び/又は位置に移行及び/又は前進され得る。したがって、カテーテル130の少なくとも一部分は、イントロデューサ115より遠位に前進させることができ、アクセスデバイス170のシール174、ハブ171、及びカテーテル172を通って延びることができる。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテル130は、流体移送デバイス110のカテーテル130の遠位端部分がアクセスデバイス170のカテーテル172の遠位端部分に対して遠位であるように、その第2状態、構成、及び/又は位置に前進させることができ、したがって、患者の静脈内に配置される。他の実施形態では、流体移送デバイス130のカテーテル130は、アクセスデバイス170のカテーテル172を超えて延びる必要はない。
【0038】
[0056] いくつかの実施形態では、流体移送デバイス110は、挿入デバイス190と実質的に同様の方法でアクセスデバイス170に結合することができる。そのような構成は、流体移送デバイス110の一部分が、アクセスデバイス170のハブ171の一部分と選択的に係合して、シール174をその閉鎖状態からその開放状態に移行させることを許容することができる。次に、シール174の開放状態及び/又は構成への移行により、流体移送デバイス110のカテーテル130を、すでに患者の静脈内に配置されたアクセスデバイス170(すなわち、ハブ171及びカテーテル172)を通して前進させることができる。したがって、流体移送デバイス110は、例えば、いくつかの既知の閉鎖系アクセスデバイスとともに使用して、患者内に事前に置かれた閉鎖系アクセスデバイス(例えば、アクセスデバイス170)の少なくとも一部分を用いて、患者との間で流体を移送することができる。
【0039】
[0057]
図3及び
図4は、一実施形態による、第1構成及び第2構成における閉鎖系アクセスデバイス200の概略図である。閉鎖系アクセスデバイス200は、挿入デバイス290(
図3)に結合及び/又は統合することができるアクセスデバイス270を含む。
図3に示されるように、アクセスデバイス270及び挿入デバイス290は、集合的に「閉鎖系」アクセスデバイス200を形成することができる。閉鎖系アクセスデバイス200は、例えば、
図1及び
図2を参照して上記で説明した既知の閉鎖系アクセスデバイス及び/又は閉鎖系アクセスデバイス100と実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、アクセスデバイス270及び挿入デバイス290は、1つ以上の製造プロセス中に事前に組み立てられて滅菌され、統合された閉鎖系(すなわち、閉鎖系アクセスデバイス200)としてエンドユーザに提供され得る。
【0040】
[0058] この例では、アクセスデバイス270は、体の一部分内に少なくとも部分的に挿入又は配置されるように構成されている任意の好適なデバイスであり得る。例えば、アクセスデバイス270は、体の一部分に経皮的に挿入されるように構成されている既知の末梢静脈ライン(PIV)などであり得る。いくつかの例では、アクセスデバイス270(例えば、PIV)は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、静脈穿刺イベントなどを用いて患者の静脈内に少なくとも部分的に配置され得る。
【0041】
[0059] アクセスデバイス270は、ハブ271及びカテーテル272を含む。ハブ271は、カテーテル272の管腔へのアクセスを許容するように構成されている任意の好適なデバイス、機構、及び/又は部材であり得る。いくつかの実施形態では、アクセスデバイス270のハブ271は、近位ポート273など(例えば、
図4を参照)及びサイドポート276などを含むことができる。ハブ271は、カテーテル272と近位ポート273(
図4)との間の軸A
1の方向に沿って延びる、及び/又はその方向における管腔275を規定することができる。近位ポート273は、ハブ271によって規定された管腔275へのアクセスを選択的に許容するように構成されているシール274を含む。言い換えれば、シール274が開放構成又は状態にあるとき、ハブ271の管腔275は、近位ポート273を用いてアクセスすることができ、シール274が閉鎖構成及び/又は状態にあるとき、近位ポート273を用いたハブ271の管腔275へのアクセスは、遮断及び/又は防止される。
【0042】
[0060] ハブ271の近位ポート273内に配置されたシール274は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、シール274は、貫通可能部材、自己シール及び/又は自己修復部材、弁、スプリットセプタム、膜、無針コネクタ又は弁、及び/又は任意の他の好適な部材であり得る。いくつかの実施形態では、シール274は、
図1を参照して上記で説明したシール174と同様及び/又は実質的に同じであり得る。いくつかの実施形態では、シール274は、(例えば、いずれかの方向で)近位ポート273を通る流体の流れを実質的に防止する閉鎖状態又は構成にあるときに、実質的に流体密のシールを形成するように構成することができる。加えて、本明細書でさらに詳細に説明されるように、挿入デバイス290がアクセスデバイス270に結合されるとき、シール274は、例えば、ハブ271の内面(及び/又はシール274の内面)と、挿入デバイス290の一部分の外面との間に実質的に流体密のシールを形成するように構成され得る。
【0043】
[0061] いくつかの実施形態では、シール274は、任意の好適な圧力条件下で流体密シールを維持するように構成することができる。例えば、いくつかの例では、カテーテル272の配置及び挿入デバイス290の除去後、流体の高圧流を、アクセスデバイス270のサイドポート276を用いて患者に移送することができる(例えば、電力注入、及び/又は低出力又は低圧流体送達、高出力又は高圧流体送達、及び/又は同様のものなどの任意の他の流体送達中)。いくつかのそのような例では、シール274は、実質的に流体密のシールを維持するように構成することができ、及び/又は本来ならば、ハブ271の管腔275内の圧力(例えば、陽圧)が100ポンド/平方インチ(psi)、200psi、300psi、400psi、又はそれ以上に達したときに、実質的に封止又は閉鎖状態又は構成に留まることができる。いくつかの例では、シール274は、実質的に流体密のシールを維持するように構成することができ、及び/又は流体が(例えば、サイドポート276を用いて)患者との間で移送されるときに、実質的に封止又は閉鎖状態又は構成に留まることができる。いくつかの例では、シール274は、実質的に流体密のシールを維持するように構成することができ、及び/又は本来ならば、約325psiの業界標準圧力又はその近くで流体を電力注入する間、実質的に封止又は閉鎖状態又は構成に留まることができる。
【0044】
[0062]
図3及び
図4に示されるように、サイドポート276は、ハブ271の管腔275と流体連通している。概して、サイドポート276は、カテーテル272が体の一部分(例えば、静脈)内の所望の位置に配置された後、患者との間で流体を移送するために使用することができる。サイドポート276は、ハブ271に対して任意の好適な配向に配置することができる。例えば、
図4に示されるように、サイドポート276は、ハブ271の側面に結合及び/又はそこから延びることができ、それにより、サイドポート276によって規定された軸A
2は、管腔275によって規定された軸A
1との所望の角度B(例えば、鈍角などの非垂直角度)で配置され、及び/又は本来ならばそれを形成する。サイドポート276は、特に
図3及び
図4に示されているが、他の実施形態では、サイドポート276は、任意の好適な構成で配置することができる。
【0045】
[0063] アクセスデバイス270のカテーテル272は、ハブ271に結合されている。カテーテル272は、管腔275と流体連通している管腔を規定する。
図4に示されるように、カテーテル272の管腔及び管腔275は、同じ軸A
1を共有することができる(例えば、カテーテル272の管腔及びハブ271の管腔275は同軸である)。カテーテル272は、カテーテル272が曲がる、屈曲する、及び/又は本来ならば(例えば、弾性的又は非永久的に)再構成することを許容するように構成されている比較的柔らかい材料又は材料の組み合わせから形成される。いくつかの実施形態では、そのような配置は、その他の点で留置硬質デバイスに起因し得る患者への損傷の可能性を減少させる一方で、カテーテル272を患者の一部分(例えば、患者の静脈)に長期間配置することを許容することができる。しかしながら、上記のように、比較的柔らかく及び/又は柔軟なカテーテル272は、典型的に、追加の支持なしで患者へ経皮的に挿入するには好適ではない。
【0046】
[0064] したがって、アクセスデバイス270は、挿入デバイス290とともに事前に組み立てられている(それにより、集合的に、閉鎖系アクセスデバイス200を形成する)。
図3に示すように、挿入デバイス290は、本体291と、硬質針、トロカールなどの挿入部材292と、を含む。挿入デバイス290の本体291は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。この実施形態では、挿入デバイスの本体291は、挿入部材292がハブ271によって規定された管腔275を通って、かつカテーテル272を通って延びるように、アクセスデバイス270の近位ポート273に結合することができる。アクセスデバイス270と挿入デバイス290とが結合され、それにより、アクセスデバイス270のシール274が、それを通って延びる挿入部材292によって開放状態及び/又は構成に置かれる。言い換えれば、挿入デバイス290がアクセスデバイス270に結合されると、挿入部材292は、シール274を通って延び、それによって、シール274は開放状態及び/又は構成に置かれる(例えば、
図3を参照)。上記のように、シール274は、ハブ271の内面と、それらの間の流体の流れを防止するように動作可能な挿入部材292の外面との間に実質的に流体密のシールを形成するように構成することができる。本明細書でさらに詳細に説明するように、挿入デバイス290がアクセスデバイス270から取り外されると、シール274は、開放状態から閉鎖又は封止状態に移行するように構成することができる。
【0047】
[0065] アクセスデバイス270及び挿入デバイス290によって集合的に形成される閉鎖系アクセスデバイス200は、例えば、閉鎖系IVなどの既知の閉鎖系アクセスデバイスと実質的に同様であり得る。したがって、ユーザは、閉鎖系アクセスデバイスを操作して、挿入部材292が患者の皮膚及び静脈の壁を貫通する静脈穿刺イベントを実施することができる。いくつかの実施形態では、挿入部材292は、例えば、挿入デバイス290(図示せず)の本体291によって規定され、かつ/又はその中に含まれるリザーバと流体連通している中空針などであり得る。そのような実施形態では、体液の初期の流れ(一般に「フラッシュバック」と呼ばれる)が、挿入部材292を通って、挿入デバイス290の本体291によって規定され、かつ/又はその中に含まれるリザーバに流れ込むことができる。他の実施形態では、挿入デバイス290は、静脈穿刺イベントから生じる体液のフラッシュバックの流れを収集するように構成する必要はない。
【0048】
[0066] アクセスデバイス270のカテーテル272内に少なくとも部分的に配置された挿入部材292を用いて、挿入部材292を患者の静脈に挿入すると、カテーテル272の少なくとも一部分が同様に静脈に挿入される。カテーテル272の所望の部分が静脈内に位置決めされると、挿入デバイス290は、アクセスデバイス270(例えば、
図4を参照)から引っ込められ、かつ/又は除去され得、比較的柔軟なカテーテル272が静脈内に残される。挿入デバイス290がアクセスデバイス270から取り外されると、ハブ271の近位ポート273内に配置されたシール274は、挿入部材292がそれを通って延びる開放状態から、近位ポート273が流体封止される閉鎖状態に移行することができる。アクセスデバイス270を患者内に置き、シール274を閉鎖又は封止状態にした後、流体を、サイドポート276を用いて患者との間で移送することができる。さらに、シール274は、(例えば、静脈内の圧力に関連する比較的低い圧力から、325psi以上などの高圧流体送達に関連する比較的高い圧力まで)圧力の範囲全体にわたって実質的に流体密のシールを維持するように構成することができる。したがって、アクセスデバイス270及び挿入デバイス290は、集合的に閉鎖系アクセスデバイス200を形成することができ、これは、いくつかの既知の閉鎖系IVと形態及び/又は機能とが実質的に同様であり得る。
【0049】
[0067]
図1及び
図2を参照して上で説明したように、いくつかの実施形態では、流体移送デバイスを閉鎖系アクセスデバイス200とともに使用して、例えば、体液を患者から流体収集デバイス、容器、リザーバなどに移送することができる。そのような流体移送デバイスは、任意の好適な構成及び/又は配置を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、このような流体移送デバイスは、2014年8月26日に出願された「Systems and Methods for Phlebotomy Through a Peripheral IV Catheter」と題された米国特許第10,076,272号(’272特許と呼ばれる)、2016年2月3日に出願された「Devices and Methods for Fluid Transfer Through Placed Peripheral Intravenous Catheter」と題された米国特許第10,300,247号(’247特許と称する)、及び/又は2016年6月30日に出願された「Devices and Methods for Catheter Placement Within a Vein」と題された米国特許第9,744,344号(’344号特許と称する)に記載されるもののいずれかと実質的に同様であり得、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0050】
[0068] 一例として、
図5は、一実施形態による流体移送デバイス210の斜視図である。本明細書でさらに詳細に説明するように、流体移送デバイス210は、閉鎖系アクセスデバイス200とともに使用して、体液を患者から1つ以上の流体収集デバイス、容器、リザーバなどに移送することができる。より詳細には、いくつかの例では、アクセスデバイス270は、カテーテル272が静脈内に少なくとも部分的に配置されるように、患者に挿入することができる。そのような場合、流体移送デバイス210は、アクセスデバイス270とともに使用され(例えば、結合され)、操作されて、患者の静脈から1つ以上の流体収集デバイス、リザーバ、容器などにある量の血液を引き出すことができる。
【0051】
[0069]
図5~
図7に示すように、流体移送デバイス210は、少なくともイントロデューサ215、アクチュエータ220、及びカテーテル230を含む。いくつかの実施形態では、移送デバイス210は、その開示が上記に組み込まれている’247特許に記載されているもののいずれかと同様及び/又は実質的に同じであり得る。したがって、移送デバイス210のいくつかの態様は、本明細書では詳細に説明されておらず、特に明記しない限り、’247特許に記載されている移送デバイスのそのような態様と実質的に同様であると見なされるべきである。
【0052】
[0070] 移送デバイス210のイントロデューサ215は、任意の好適な構成であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、イントロデューサ215は、実質的に円形又は半円形の断面形状を有する細長い部材であり得る。図示されていないが、イントロデューサ215は、カテーテル230の少なくとも一部分及びアクチュエータ220の少なくとも一部分が移動可能に配置される内部体積を規定する。本明細書でさらに詳細に説明するように、使用前に、カテーテル230は、カテーテル230がイントロデューサ215の内部体積内に配置又は実質的に配置される第1位置、構成、及び/又は状態にあり得る。そのような配置は、例えば、カテーテル230を使用前に物理的に損傷することから保護し、かつ/又はカテーテル230を非滅菌環境によって汚染されることから保護することができる。使用中、カテーテル230は、カテーテル230の少なくとも一部分がイントロデューサ215より遠位及び外側にある第2位置、構成、及び/又は状態に移行することができる。
【0053】
[0071] イントロデューサ215は、近位端部分216及び遠位端部分217を含む。近位端部分216は、カテーテル230の一部分、及び/又は出口もしくは二次カテーテル245を移動可能に受容するように構成されている開口部又はポート(図示せず)を含むことができる。イントロデューサ215の遠位端部分217は、本明細書でさらに詳細に説明するように、イントロデューサ215を例えばアクセスデバイス270(例えば、PIVなど)に物理的及び流体的に結合するように構成されているロック240を含み、かつ/又はそれに結合される。
【0054】
[0072] 移送デバイス210のカテーテル230は、イントロデューサ215によって規定された内部体積内に移動可能に配置され、アクチュエータ220に結合されている。いくつかの実施形態では、カテーテル230を第1位置と第2位置との間で(例えば、アクチュエータ220の移動を用いて)移動させて、移送デバイス210をそれぞれ第1構成と第2構成との間で移行させることができる。より具体的には、本明細書でさらに詳細に説明するように、カテーテル230の少なくとも一部分は、カテーテル230が第1位置にあるときに内部体積及び/又はロック240内に配置され(
図5及び
図6)、カテーテル230の少なくとも一部分は、カテーテル230が第2位置にあるときに(
図7)、カテーテル230の遠位端をアクセスデバイス270内の位置又はアクセスデバイス270から遠位の位置に置くために、イントロデューサ215及びロック240を超えて延びる。
【0055】
[0073] カテーテル230は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、カテーテル230は、’247特許に詳細に記載されているカテーテルと実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、カテーテル230の少なくとも一部分は、ロック240の一部分によって規定された内径と実質的に同様であるか、又はそれよりわずかに小さい外径(例えば、16ゲージ~26ゲージ)を有することができる。このようにして、ロック240の一部分の内面は、カテーテル230が第1位置と第2位置との間で移動するときに、カテーテル230を誘導することができる。いくつかの実施形態では、そのような配置は、カテーテル230が第1位置と第2位置との間で移動するときに、カテーテル230の屈曲、変形、及び/又はねじれを制限し、かつ/又は実質的に防止することができる。いくつかの実施形態では、本明細書でさらに詳細に説明するように、カテーテル230は、カテーテル230が第2位置にあるときに、カテーテル230の遠位表面を、アクセスデバイス270(例えば、アクセスデバイス270のカテーテル272)の遠位表面に対して所望の位置に配置するのに十分な長さを有することができる。
【0056】
[0074] 移送デバイス210のアクチュエータ220は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ220は、’247特許に詳細に記載されているアクチュエータと実質的に同様であり得る。例えば、アクチュエータ220は、イントロデューサ215の内部体積内に移動可能に配置された第1部分と、内部体積の外側で移動可能に配置された第2部分と、を含むことができる。
図5~
図7には示されていないが、アクチュエータ220の第1部分(例えば、イントロデューサ215に配置された部分)は、カテーテル230の近位端部分に結合されている。アクチュエータ220の第1部分はまた、カテーテル230、及び出口又は二次カテーテル245が流体連通するように、出口又は二次カテーテル245に結合することができる。’247特許に詳細に記載されているように、出口又は二次カテーテル245は、イントロデューサ215の近位端部分によって規定された開口部及び/又はポートを通って延びるように構成されている。このようにして、カテーテル230の近位端部分、及び/又は出口もしくは二次カテーテル245を、カプラ246を用いて流体リザーバ、流体源、注射器、及び/又は同様のものに結合することができ、次にカテーテル230をそれと流体連通させる。
【0057】
[0075] 上記のように、アクチュエータ220の第2部分は、イントロデューサ215の外側に配置され、ユーザによって係合されて、アクチュエータ220をイントロデューサ215に対して移動させることができる。次に、アクチュエータ220をイントロデューサ215に対して移動させると、アクチュエータ220の第1部分に結合されたカテーテル230を第1位置と第2位置との間で移動させることができる。
【0058】
[0076] イントロデューサ215の遠位端部分217に含まれる、かつ/又はそれに結合されるロック240は、任意の好適な形状、サイズ、又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、ロック240は、’247特許に詳細に記載されているものと実質的に同様である。したがって、ロック240は、’247特許に記載されているように、アクセスデバイス270に選択的に係合及び/又は接触して、それにイントロデューサ215を結合することができる。
図5~
図7に示される実施形態では、ロック240は、アーム241のセット及び吻242を含む。アーム241のセットは、ロック240がそれに結合されたときに、アクセスデバイス270の近位ポート273の外面と係合するように構成することができる。アクセスデバイス270の近位ポート273に結合するために使用されるアーム241のセットを含むと説明されているが、他の実施形態では、ロック240は、移送デバイス210をアクセスデバイス270に結合又は取り付けるように構成されている任意の好適なカプラなどを含む、かつ/又は形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、移送デバイス210のロックは、’247特許に記載されているロックのいずれかと同様及び/又は実質的に同じであり得る。他の実施形態では、ロック240は、ねじ付きカプラ、スライド可能なカラー、1つ以上の係合部材、オス又はメスのルアーロック(例えば、スリップルアー又はロッキングルアー)、及び/又は任意の他の好適なカプラを含むことができ、かつ/又は、それらとして構成することができる。
【0059】
[0077]
図6に示されるように、ロック240の吻242は、ロック240から遠位方向に(例えば、イントロデューサ215から離れて)延びる。吻242は、ロック240が結合されたときに、吻242がアクセスデバイス270の近位ポート273に挿入されるように構成することができる。より具体的には、ロック240が近位ポート273に結合するとき、吻242は、近位ポート273に挿入され、近位ポート273に配置されたシール274と接触し、かつ/又は少なくとも部分的に貫通することができる。すなわち、吻242は、ロック240がアクセスデバイス270に結合されたときに、吻242がシール274を実質的閉鎖又は封止構成又は状態から開放構成又は状態に移行させることを可能にするサイズ、形状、及び/又は配置を有することができる。
図6に示すように、いくつかの実施形態では、吻242は、吻242の遠位端がシール274より遠位にあり、アクセスデバイス270の管腔275内に配置されるように、シール274全体を通って延びるのに十分な長さを有することができる。他の実施形態では、吻242は、シール274全体を通って延びる必要はない。そのような実施形態では、吻242は、シール274を閉鎖又は封止状態から開放状態又は実質的開放状態に移行させるのに十分な量で、シール274に部分的に挿入することができる。さらに他の実施形態では、吻242の遠位面は、吻242が近位ポート273に挿入されるときに、シール274の表面に係合及び/又は接触するように構成することができる。そのような実施形態では、吻242は、吻が所望の位置まで前進するときに、シール274を、移動、変形、偏向、再構成、及び/又は本来ならば封止又は閉鎖状態又は構成から、開放状態又は構成に移行させるように構成することができる。
【0060】
[0078] より詳細には、いくつかの実施形態では、シール274は、吻242(又は対応するロックデバイスの任意の好適な部分)との接触に応じて再構成することができる無針弁又はコネクタとして構成することができ、かつ/又はこれと同様であり得る。例えば、吻242の遠位面がシール274の表面に接触するように、吻242を近位ポート273に挿入することができる。ロック240が近位ポート273に固定されると、吻242は、シール274の一部分に力を加えることができ、かつ/又は本来ならばシール274の部分と係合することができ、次に、シール274を曲げ、屈曲、変形、偏向、再構成、及び/又は本来ならば、封止又は閉鎖状態から開放状態に移行させることができる。言い換えれば、いくつかの実施形態では、移送デバイス200のロック240を近位ポート273に結合すると、対応するルアーロックに結合されたときのいくつかの既知の無針コネクタのシール又は弁と実質的に同様の方法で、シール274を開放状態に移行させることができる。さらに、シール274が開放状態にあるとき、吻242によって規定された管腔をハブ271の管腔275と流体連通するように配置する流体流路を規定することができる。
【0061】
[0079]
図7に示すように、ロック240が移送デバイス210をアクセスデバイス270に結合すると、移送デバイス210は、第1状態から第2状態に移行して、例えば、患者からある量の体液を移送することができる。例えば、上記のように、ユーザ(例えば、医師、看護師、内科医、外科医、技術者、静脈穿刺専門家など)は、静脈穿刺を実施するために、閉鎖系アクセスデバイス200(例えば、
図3に示すように、挿入デバイス290に結合されたアクセスデバイス270)を操作することができる。したがって、挿入部材292(例えば、針)は、洗浄及び/又は実質的に滅菌された挿入部位で患者の皮膚を穿刺して、挿入部材292及びカテーテル272の少なくとも一部分を患者の静脈内に位置決めすることができる。カテーテル272が静脈内に配置されると、挿入デバイス290は、アクセスデバイス270から引き抜かれ(例えば、
図4を参照)、比較的柔軟なカテーテル272が静脈内に残される。
【0062】
[0080] カテーテル272が静脈内の所望の位置にある状態で、ユーザは、移送デバイス210を操作して、移送デバイス210をアクセスデバイス270に結合することができる。上記のように、いくつかの実施形態では、ロック240は、アクセスデバイス270の近位ポート273に結合されて、移送デバイス210をそれに結合することができる。
図6に示されるように、ロック240が近位ポート273に結合されるとき、アーム241のセット(又はロック240の任意の他の好適なカプラ又は結合部分)は、近位ポート273の外面と係合して、ロック240を近位ポート273に少なくとも一時的に固定することができる。加えて、ロック240の吻242は、近位ポート273及びシール274(又はその少なくとも一部分)を通って延びることができ、それにより、シール274を閉鎖状態及び/又は構成から開放状態及び/又は構成(又は少なくとも半開放状態及び/又は構成)に移行させることができる。いくつかの実施形態では、シール274は、アクセスデバイス270の内面(又はシール274の内面)と吻242の外面との間に実質的に流体密のシールを形成するように構成することができる。すなわち、シール274は、吻242の周囲で近位ポート273を封止、閉鎖、及び/又は閉塞して、吻242の外側の流体の流れが近位ポート273を通って流れることを制限及び/又は実質的に防止する。
【0063】
[0081] 移送デバイス210をアクセスデバイス270に結合した後、ユーザは、移送デバイス210を操作して、それを第1構成及び/又は状態から第2構成及び/又は状態に移行させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、アクチュエータ220に力を加えて、アクチュエータ220をイントロデューサ215に対して第1位置(例えば、
図6に示すように、イントロデューサ215の近位端部分216又はその近く)から、第2位置(例えば、
図7に示すように、イントロデューサ215の遠位端部分217又はその近く)へ移動させることができる。’247特許に詳細に記載されているように、カテーテル230は、アクチュエータ220が第1位置から第2位置に移動又は移行すると、アクチュエータ220とともに移動又は移行するように構成されている。より具体的には、アクチュエータ220が第1アクチュエータ位置(
図6)にあるとき、カテーテル230は、イントロデューサ215及び/又はロック240の一部分内、かつアクセスデバイス270の近位に配置することができる。アクチュエータ220が第2アクチュエータ位置(
図7)にあるとき、カテーテル230は、吻242、アクセスデバイス270の管腔275、及びカテーテル272を通って延び、移送デバイス210のカテーテル230の遠位端部分をアクセスデバイス270のカテーテル272の遠位端部分に対して遠位位置に配置する。言い換えれば、移送デバイス230のカテーテル230は、’247特許に記載されている方法と同様又は実質的に同じ方法で前進及び/又は移行することができる。さらに、いくつかの実施形態では、移送デバイス210のカテーテル230は、’344特許に詳細に記載されているように、アクセスデバイスのカテーテル272に対して所望の位置に配置することができる。
【0064】
[0082] カテーテル230を移行する前又は後に、ユーザは、流体リザーバ(図示せず)をカプラ246に結合することができる。例えば、いくつかの例では、カテーテル230は、流体リザーバ(図示せず)をカプラ246に結合する前に、その第2位置、構成、及び/又は状態に移行及び/又は配置することができる。いくつかの実施形態では、流体リザーバをカプラ246に結合することにより、カテーテル230を流体リザーバと流体連通するように配置することができ、これにより、体液は、カテーテル230及び二次又は出口カテーテル245を通って患者から液体リザーバに流れることが許容される。いくつかの実施形態では、体液は、流体リザーバをカプラ246に結合することによって生成及び/又は導入される陰圧に応じて、患者から流体リザーバに流れることができる(例えば、流体リザーバは、排気及び/又は操作されて、注射器の場合と同様に陰圧を作成する)。したがって、移送デバイス210は、ある量の体液を患者からそれに結合された流体リザーバに移送するために使用することができる。さらに、ロック240の配置は、アクセスデバイス(例えば、アクセスデバイス270)が患者に挿入され、挿入デバイス(例えば、挿入デバイス290)が取り外された後、移送デバイス210が、閉鎖系アクセスデバイス(例えば、アクセスデバイス270)とともに使用されることを可能にし得る。
【0065】
[0083] 移送デバイス210は、アクセスデバイス270の近位ポート273に結合されるものとして
図6及び
図7を参照して上述されているが、他の実施形態では、任意の好適なカプラ、アダプタ、延長部、ポートなどを、移送デバイスとアクセスデバイスとの間に結合することができる。例えば、
図8は、一実施形態による、アクセスデバイス370、流体移送デバイス310(本明細書では「移送デバイス」と呼ばれる)、及びアダプタ395を示す。アクセスデバイス370は、
図3~
図7を参照して上述した閉鎖系アクセスデバイス200と実質的に同様であり得る閉鎖系アクセスデバイス300(挿入デバイスは
図8には示されていない)の一部に含まれ得、かつ/又はそれを形成し得る。したがって、アクセスデバイス370は、本明細書ではさらに詳述されない。同様に、移送デバイス310は、
図5~
図7を参照して上述した移送デバイス210と実質的に同様であり得る。したがって、移送デバイス310及び/又はその一部分もしくは態様は、本明細書ではさらに詳述されていない。
【0066】
[0084] アダプタ395は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、アダプタ395は、いくつかの市販のアダプタ、コネクタ、カプラ、延長セット、及び/又は同様のものと同様であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、アダプタ395は、無針コネクタでの使用に好適ないくつかの市販のアダプタと少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様であり得る。他の実施形態では、アダプタ395は、既知の又は市販のアダプタ、コネクタ、カプラ、延長セットなどと同様である必要はない。
【0067】
[0085]
図8に示すように、アダプタ395は、近位端部分396及び遠位端部分397を有する。近位端部分396は、移送デバイス310のロック340に結合されるように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、移送デバイス310のロック340は、アダプタ395の近位端部分396の外面に選択的に係合して、それにアダプタ395を結合するように構成されているアーム341のセット(アーム241のセットと同様)を含むことができる。加えて、本明細書でさらに詳述するように、ロック340の吻342(吻242と同様)を、アダプタ395の近位端部分396に挿入することができる。
【0068】
[0086] アダプタ395の遠位端部分397は、アクセスデバイス370のハブ371に、より具体的には、ハブ371に含まれ、かつ/又はハブ371によって形成される近位ポート373に結合されるように構成されている。
図8に示すように、アダプタ395の遠位端部分397は、アダプタ395が近位ポート373に結合されたときにアクセスデバイス370の一部分と選択的に係合するように構成されている係合部材398を含む。いくつかの実施形態では、係合部材398は、例えば、金属皮下管、硬質プラスチック皮下管、環状又は中空ロッド、及び/又は同様のものなどの比較的硬質又は剛性のあるチューブであり得る。いくつかの実施形態では、係合部材398は、実質的に中空であり得、内部を通る移送デバイス310のカテーテルを受容するのに十分なサイズを有する管腔又は開口部を規定し得る。いくつかの実施形態では、係合部材398は、ロック340の吻342と同様及び/又は実質的に同じサイズ及び/又は形状を有することができる。他の実施形態では、係合部材398は、任意の好適なサイズ及び/又は形状を有することができる。
【0069】
[0087] 上記のように、アダプタ395の遠位端部分397は、アクセスデバイス370の近位ポート373に結合するように構成されている。いくつかの実施形態では、遠位端部分397は、近位ポート373に結合するように構成されているカプラなどを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、遠位端部分397は、ねじ付きカプラ(例えば、Luer Lok(商標)と同様)、スライド可能なカラー、1つ以上の係合部材、アームのセット(例えば、ロック340のアームのセット341と同様)、及び/又は任意の他の好適なカプラを含むことができる。さらに、アダプタ395の遠位端部分397がアクセスデバイス370の近位ポート373に結合されると、係合部材398は、近位ポート373を通って、近位ポート373に含まれ、かつ/又は本来ならばそれに配置されたシール374(例えば、
図3~
図7を参照して上述したシール274と同様又は同じ)を少なくとも部分的に通って延びることができる。ロック240の吻242を参照して上述したように、係合部材398は、シール374を係合して、シール374を実質的封止又は閉鎖状態又は構成から実質的開放状態又は構成に移行させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、係合部材398は、実質的にシール374を通って延びて、ハブ371の管腔375内に少なくとも部分的に配置され得る。他の実施形態では、係合部材398は、シール374全体を通って延びる必要はない。
【0070】
[0088] 上記のように、アダプタ395を使用して、移送デバイス310をアクセスデバイス370に結合することができ、次に、これを使用して、体液を流体リザーバに移送することができる。例えば、ユーザ(例えば、医師、看護師、内科医、外科医、技術者、静脈穿刺専門家など)は、静脈穿刺を実施するために、閉鎖系アクセスデバイス300(例えば、
図8に示すように、挿入デバイスに結合されたアクセスデバイス370)を操作することができる。したがって、挿入部材(例えば、針)は、洗浄及び/又は実質的に滅菌された挿入部位で患者の皮膚を穿刺して、アクセスデバイス370のカテーテル372の少なくとも一部分を患者の静脈内に位置決めすることができる。カテーテル372が静脈内に配置されると、挿入デバイスは、アクセスデバイス370から引き抜かれ、比較的柔軟なカテーテル372を静脈内に残すことができる。
【0071】
[0089] カテーテル372が静脈内の所望の位置にある状態で、ユーザは、アダプタ395を操作して、アダプタ395の遠位端部分397をアクセスデバイス370の近位ポート373に結合することができる。上記のように、アダプタ395の係合部材398は、近位ポート373及びシール374(又はその少なくとも一部分)を通って延びることができ、それにより、シール374を閉鎖状態及び/又は構成から開放状態及び/又は構成(又は少なくとも半開放状態及び/又は構成)に移行させることができる。上記のように、シール374は、係合部材398の周囲で近位ポート373を封止して、係合部材398の外側の流体の流れが近位ポート373を通って流れることを制限及び/又は実質的に防止するように構成することができる。
【0072】
[0090] アダプタ395をアクセスデバイス370に結合する前又は後に、ユーザは、移送デバイス310を操作して、移送デバイス310のロック340をアダプタ395の近位端部分396に結合することができる。上記のように、ロック340のアーム341のセットは、アダプタ395の外面に選択的に係合して、アダプタ395を移送デバイス310に少なくとも一時的に固定又は取り付けることができる。加えて、ロック340の吻342は、吻342が実質的に中空の係合部材398と流体連通して配置されるように、アダプタ395がロック340に結合されたときに、アダプタ395の近位端部分396に少なくとも部分的に挿入することができる。
【0073】
[0091] 移送デバイス310をアダプタ395に結合し、アダプタ395をアクセスデバイス370に結合した後、ユーザは、
図5~
図7に示す移送デバイス310を参照して上で詳細に説明したように、移送デバイス310を操作して、それを第1構成及び/又は状態から第2構成及び/又は状態に移行させることができる。したがって、移送デバイス310のカテーテル(図示せず)は、カテーテルがイントロデューサ315及び/又はロック340の一部分内に配置され、アダプタ395の近位に配置され得る第1位置から、カテーテルがロック340の吻342、アダプタ395(係合部材398を含む)、アクセスデバイス370の管腔375、及びアクセスデバイス370のカテーテル372を通って延びている第2位置に移動又は移行して、移送デバイス310のカテーテルの遠位端部分を、アクセスデバイス370のカテーテル372の遠位端部分に対して遠位位置に配置することができる。さらに、カテーテルを移行する前又は後に、ユーザは、流体リザーバ(図示せず)を移送デバイス310に結合することができる。したがって、移送デバイス310のカテーテルが第2状態、構成、及び/又は位置にあるとき、体液の流れは、移送デバイス210を参照して上に詳述したように、移送デバイス310を通して、患者から流体リザーバに移送され得る。
【0074】
[0092]
図8には示されていないが、いくつかの実施形態では、移送デバイス310のカテーテルは、カテーテルがアダプタ395及びアクセスデバイス370を通って前進することを許容するのに十分な長さのカテーテルとなるように構成することができる。いくつかの実施形態では、アダプタ395は、移送デバイス310のカテーテルの長さが、その第2状態、構成、及び/又は位置に移行すると、所望の位置に配置されるのに十分となるように、近位端部分396と遠位端部分397との間に比較的短い長さを有することができる。
【0075】
[0093] アダプタ395は
図8に具体的に示されているが、アダプタ395は単なる例として提示されており、限定ではないことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、アダプタ395は、アダプタ395が結合されるアクセスデバイスに少なくとも部分的に基づくサイズ、形状、及び/又は構成を有することができる。そのような実施形態では、アダプタ395は、任意の好適なアクセスデバイス370(例えば、任意の好適な市販のアクセスデバイス)に適合するサイズ及び/又は形状にすることができ、それによって、移送デバイス310を、その1つ以上の部分(例えば、ロック340又は任意の他の部分)を変更及び/又は改造することなく、そのようなアクセスデバイスに適合させる。例えば、いくつかの実施形態では、近位端部分396及び/又は遠位端部分397は、既知のオス又はメスのルアーロック又はコネクタと同様及び/又は実質的に同じであり得るカプラを含むことができる。そのような実施形態では、移送デバイス310のロック340は、上記参照により組み込まれた’574号公報に詳細に記載されているように、アダプタ395の近位端部分396に配置されたルアーロックに結合するように構成することができる。
【0076】
[0094] 他の実施形態では、転送デバイス310は、アダプタ及び/又はアクセスデバイスを収容及び/又は結合するために取り外し及び/又は交換することができる取り外し可能又は交換可能なロック又はカプラを含むことができる。例えば、いくつかの移送デバイス310は、アダプタ395の近位端部分396に配置された対応するルアーロックに結合するように構成することができるオス又はメスのルアーロックを含むことができる。いくつかの実施形態では、アダプタ395の近位端部分396及び/又は遠位端部分397にルアーロック又は他の既知のカプラ又はコネクタを含めることにより、デバイス(例えば、アクセスデバイス370、移送デバイス310、及び/又は任意の他の好適なデバイス)を改造する必要なしに、アダプタ395を既知の又は予測可能な方法で1つ以上のデバイスに結合することを許容することができる。
【0077】
[0095] 係合部材398は、少なくとも部分的にシール374を通って延びるように構成されている比較的硬質の皮下管又は中空ロッドであると上述したが、他の実施形態では、係合部材398は、例えば無針弁又はコネクタを封止又は閉鎖状態から開放状態に移行させるために、無針弁又はコネクタに係合又は接触するように構成されているルアーロックの一部分と同様又は実質的に同じものとすることができる。他の実施形態では、係合部材398は、少なくとも形態及び/又は機能において、吻342と実質的に同様であり得る。さらに他の実施形態では、係合部材398(及び/又は吻342)は、鈍端カニューレ及び/又は同様のものとして構成することができる。
【0078】
[0096] アクセスデバイス170、270、及び370を上で特に説明したが、他の実施形態では、アクセスデバイスは、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成を有することができ、移送デバイスのロックに結合及び/又は本来ならば受け入れるように構成されている、任意の好適なポートを含むことができる。例えば、
図9~
図14は各々、様々な実施形態による、「閉鎖系」に含まれるアクセスデバイスの近位ポートを示している。より具体的には、
図9は、アクセスデバイスのハブに含まれ、かつ/又はそれによって形成される近位ポート473を示す。いくつかの実施形態では、アクセスデバイス170、270、及び/又は370を参照して上述したように、近位ポート473は、例えば、アクセスデバイスのカテーテルが患者の静脈に配置され、挿入デバイスがアクセスデバイスから取り外された後、移送デバイス及び/又はアダプタの一部分を受容するように構成することができる。
【0079】
[0097]
図9に示される例では、(例えば、アクセスデバイス270及び移送デバイス210を参照して上述したように)近位ポート473は、移送デバイスの一部であり、かつ/又はそれに含まれるロックの吻442を受容するように構成され得る。しかしながら、他の実施形態では、近位ポート473は、アダプタ(例えば、アダプタ395)の一部分及び/又は任意の好適なデバイスの一部分を受容するように構成することができる。さらに他の実施形態では、近位ポート473は、ルアーロック及び/又は任意の他の好適なロック及び/又は結合機構の一部分を受容するように構成することができる。近位ポート473は、閉鎖構成及び/又は状態から開放構成及び/又は状態(又は実質的開放構成及び/又は状態)に移行することができるシール474を含む。
図9に示す実施形態では、シール474は、例えば、吻442が近位ポート473に挿入されたときに、実質的閉鎖状態又は構成から実質的開放状態又は構成に押され、かつ/又は本来ならば移行することができる単一のラッチ、フラップ、膜、ダイヤフラムなどであり得る。このように、吻442の所定及び/又は望ましい量又は部分が近位ポート473に挿入されたとき、吻442の遠位端部分又は表面は、シール473(例えば、ラッチ、フラップなど)を越えて延びることができ、及び/又は本来ならば、(例えば、実質的にねじれ、曲がり、及び/又は本来ならばシール474に引っ掛かることなく)移送デバイスのカテーテルが、吻442を通り、シール474を通過して前進できるように位置決めすることができる。
【0080】
[0098] 逆に、吻442が近位ポート473に挿入される前、及び/又は吻442が近位ポート473から取り除かれた後、シール474は、実質的閉鎖又は実質的に流体封止状態又は構成において配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、シール474は付勢することができ、かつ/又は、シール474を封止又は閉鎖状態及び/又は構成で付勢することができる付勢部材を含むことができる。他の実施形態では、アクセスデバイスの管腔内の陽圧は、シール474を封止及び/又は閉鎖状態又は構成に置くことができる。
図9には示されていないが、いくつかの実施形態では、シール474は、封止及び/又は閉鎖状態又は構成にあるときに、近位ポート473の内面(例えば、シール又は弁座など)に係合及び/又は接触するように構成することができる。したがって、シール474が封止又は閉鎖状態及び/又は構成にあるとき、シール474は、近位ポート473を封止して、内部を通る流体の流れを制限及び/又は実質的に防止するように構成することができる(例えば、シール474は、実質的な流体封止状態及び/又は構成にある)。
【0081】
[0099]
図10は、別の実施形態による、「閉鎖系」に含まれるアクセスデバイスの近位ポート573を示している。近位ポート573及び/又はその少なくとも一部分は、
図9を参照して上述した近位ポート473と少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様であり得る。したがって、近位ポート573は、閉鎖構成及び/又は状態から開放構成及び/又は状態(又は実質的な開放構成及び/又は状態)に移行することができるシール574を含む。しかしながら、
図10に示す例では、近位ポート573に含まれ、かつ/又は配置されるシール574は、例えば、移送デバイスの吻542が近位ポート573に挿入されたときに、実質的な閉鎖状態又は構成から実質的な開放状態又は構成に押され、かつ/又は本来ならば移行することができる、ラッチ、フラップ、膜、ダイヤフラムなどのセットであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、シール574は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上のラッチ、フラップ、膜、ダイヤフラムなどを含み得、かつ/又はそれらによって形成され得る。
【0082】
[0100] 図示するように、吻542の所定及び/又は所望の量又は部分が近位ポート573に挿入されたとき、吻542の遠位端部分又は表面は、シール574を越えて延びることができ、かつ/又は本来ならば、シール574のラッチ、フラップなどを少なくとも部分的に分離して、その間に開口部を形成することができ、それにより、(例えば、実質的にねじれ、曲がり、及び/又は本来ならばシール574に引っ掛かることなく)移送デバイスのカテーテルが吻542を通り、シール574を通過して前進することができる。シール474に関して上述したように、吻542が近位ポート573に挿入される前、及び/又は吻542が近位ポート573から取り外された後、シール574は、複数のラッチ、フラップなどがそれらの間に実質的な流体密シールを形成する、実質的な閉鎖又は封止状態又は構成において配置することができる。
【0083】
[0101]
図11は、別の実施形態による、「閉鎖系」に含まれるアクセスデバイスの近位ポート673を示している。近位ポート673及び/又はその少なくとも一部分は、それぞれ
図9及び
図10を参照して上述した近位ポート473及び/又は近位ポート573と少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様であり得る。したがって、近位ポート673は、閉鎖構成及び/又は状態から開放構成及び/又は状態(又は実質的な開放構成及び/又は状態)に移行することができるシール674を含む。シール574は、
図10では、吻642の所定及び/又は所望の量又は部分が近位ポート673に挿入されてその間に開口部を形成したときに、分離され、押され、かつ/又は本来ならば実質的な閉鎖状態又は構成から実質的な開放状態又は構成に移行される複数のシール(例えば、ラッチ、フラップなど)を含むものとして示されているが、
図11に示される例では、シール674は、半重複状態又は半閉鎖状態のままの複数のシール(例えば、ラッチ、フラップなど)を含む。
【0084】
[0102] この実施形態では、1つ以上のシール(例えば、ラッチ、フラップなど)は、シール674が開放構成に配置されたときに露出する切り欠き、切り抜き、輪郭、及び/又は同様のものを規定することができる。したがって、吻642がシール674を開放状態及び/又は構成に移行させるときに、シール674のラッチ、フラップなどがまだ少なくとも部分的に重なっている間、移送デバイスのカテーテルを、吻642を通して、かつ露出した切り欠き、切り抜き、輪郭、及び/又は同様のものを通して前進させることができる。シール474に関して上述したように、吻642が近位ポート673に挿入される前、及び/又は吻642が近位ポート673から取り外された後、シール674は、複数のラッチ、フラップなどがそれらの間に実質的な流体密シールを形成する、実質的な閉鎖又は封止状態又は構成において配置することができる(例えば、切り欠き、切り抜き、輪郭、及び/又は同様のものが実質的に塞がれている、閉塞されている、遮断されている、覆われているなど)。
【0085】
[0103]
図12は、別の実施形態による、「閉鎖系」に含まれるアクセスデバイスの近位ポート773を示している。近位ポート773及び/又はその少なくとも一部分は、
図9、
図10、及び
図11をそれぞれ参照して上記の近位ポート473、573、及び/又は673と少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様であり得る。したがって、近位ポート773は、(上述したように)移送デバイスの吻742の一部分が近位ポート773に挿入されていることに応じて、閉鎖構成及び/又は状態から開放構成及び/又は状態(又は実質的な開放構成及び/又は状態)に移行することができるシール774を含む。
【0086】
[0104] シール474、574、及び674は、1つ以上のラッチ、フラップ、膜、ダイヤフラムの形態であるとして上で説明されているが、他の実施形態では、シールは、任意の好適な構成であり得る。例えば、
図12に示される実施形態では、シール774は、所定の及び/又は規定された経路777に沿って移動するように構成されているボール(例えば、シール774)を含むボールシールなどである。したがって、吻742の所定及び/又は所望の量又は部分が近位ポート773に挿入されたとき、吻742の遠位端部分又は表面は、ボールシール774に接触することができ、ボールシール774が近位ポート773を封止する第1位置から、ボールシール774が開放状態又は構成である第2位置まで、規定された経路777内及び/又はそれに沿ってボールシール774を移動させることができる。
図12に示されるように、例えば、ボールシール774は、吻742が近位ポート773によって規定された管腔775にアクセスすることができる位置及び/又は構成に移動及び/又は移行することができる(例えば、アクセスデバイスのカテーテル等と流体連通している管腔)。したがって、移送デバイスのカテーテルは、吻742を通って、シール774を通過して、さらに管腔775を通って前進させることができる。シール474、574、及び/又は674を参照して上述したように、吻742が近位ポート773に挿入される前、及び/又は吻742が近位ポート773から取り外された後、シール774は、ボールシール774が管腔775及び/又は近位ポート773の少なくとも1つを閉塞し、塞ぎ、かつ/又は遮断する、実質的な閉鎖又は封止状態又は構成において配置される。
【0087】
[0105]
図13は、別の実施形態による、「閉鎖系」に含まれるアクセスデバイスの近位ポート873を示している。近位ポート873及び/又はその少なくとも一部分は、
図9、
図10、
図11、及び
図12をそれぞれ参照して上記の近位ポート473、573、673、及び/又は773と少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様であり得る。したがって、近位ポート873は、(上述したように)移送デバイスの吻842の一部分が近位ポート873に挿入されていることに応じて、閉鎖構成及び/又は状態から開放構成及び/又は状態(又は実質的な開放構成及び/又は状態)に移行することができるシール874を含む。
【0088】
[0106]
図13に示す実施形態では、シール874は、閉鎖状態及び/又は構成と開放状態及び/又は構成との間で移行することができる予め形成されたスリットなどを形成及び/又は規定するシール部材、グロメット、プラグ、閉塞部材、スプリットセプタム、プランジャなどであり得る。より具体的には、近位ポート873は、吻842が近位ポート873に挿入されるときに、吻842を受容する受容部分又は部材878を含む。いくつかの例では、吻842が近位ポート873に挿入されると、吻842は受容部分又は部材878に接触することができ、これは、次に、近位ポート873に挿入されるときに吻842とともに移動する。図示されているように、受容ポート又は部材878は、予め形成されたスリットに挿入してスリットを開くことができるロッド、皮下管、及び/又は同様のものなどの係合部材も含み、それによって、シール874を閉鎖構成から、移送デバイスのカテーテルが吻842を通って、受容部分及び/又は部材878の皮下管などを通って、シール874によって規定された今開いているスリットを通って、さらにアクセスデバイスを通って前進できる開放構成に移行させることができる。
【0089】
[0107] シール474、574、674、及び/又は774を参照して上記したように、吻842が近位ポート873に挿入される前、及び/又は吻842が近位ポート873から取り外された後、シール874は、受容部分及び/又は部材878の皮下管などが引き抜かれ、かつ/又は本来ならばシール874の予め形成されたスリットの外側にある、実質的な閉鎖又は封止状態又は構成において配置することができる。例えば、
図13に示されるように、近位ポート873は、(吻842によって本来ならば動かされない場合)受容部分及び/又は部材878を、皮下管などがシール874によって規定されたスリットから切り離されるか、又は引き出される付勢位置に配置することができる1つ以上のばね880、付勢部材、エネルギー貯蔵部材などを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、シール874は、アクセスデバイス内の陽圧に応じて、閉鎖又は封止状態にあるときに、接触又はシール表面879と接触して配置され得、それらの間に実質的に流体密なシールを規定する。したがって、近位ポート873は、吻842がその中に挿入されていない場合、封止又は閉鎖状態及び/又は構成にあり得る。
【0090】
[0108]
図14は、別の実施形態による、「閉鎖系」に含まれるアクセスデバイスの近位ポート973を示している。近位ポート973及び/又はその少なくとも一部分は、
図9、
図10、
図11、
図12、及び
図13をそれぞれ参照して上述した近位ポート473、573、673、773、及び/又は873と少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様であり得る。したがって、近位ポート973は、(上述したように)移送デバイスの吻942の一部分が近位ポート973に挿入されていることに応じて、閉鎖構成及び/又は状態から開放構成及び/又は状態(又は実質的な開放構成及び/又は状態)に移行することができるシール974を含む。
【0091】
[0109]
図14に示す実施形態では、シール874を参照して上述したように、シール974は、閉鎖状態及び/又は構成と開放状態及び/又は構成との間で移行することができる予め形成されたスリットなどを形成及び/又は規定するシール部材、グロメット、プラグ、閉塞部材、スプリットセプタム、プランジャなどであり得る。いくつかの実施形態では、近位ポート973の配置は、吻942が近位ポート973に挿入されると、吻942がシール974に接触し、その接触に応じて、シール974を変位及び/又は変形させることができるようなものであり得る。図示するように、近位ポート973は、接触又はシール表面979を含むことができ、これは、吻942によって係合されることに応じて、シール974が接触して配置される。さらに、接触又はシール表面979は、中空又は環状の隆起981、チューブ、柱、突起、円柱などを形成することができ、接触面又はシール面979と接触したときにシール974がその周囲で変形する。例えば、いくつかの実施形態では、シール974は、接触及び/又はシール表面979と接触して配置されたときに変位可能、かつ変形可能であり、それによって、中空又は環状の隆起981などが、シール974によって形成されたスリットを通して挿入される。言い換えれば、吻942は、シール974が環状の隆起981などの周囲又はその周りで変形するように、シール974を変位させることができる。したがって、シール974が環状の隆起981などの周囲又はその周りで変形するとき、移送デバイスのカテーテルは、吻942を通って、環状の隆起981などによって規定された開口部を通って、かつアクセスデバイスを通って前進することができる。
【0092】
[0110] シール474、574、674、774、及び/又は874を参照して上述したように、吻942が近位ポート973に挿入される前、及び/又は吻942が近位ポート973から取り外された後、シール974は、シール974によって規定されたスリットが実質的な閉鎖状態にある、実質的な閉鎖又は封止状態又は構成で配置され得る。すなわち、吻942が近位ポートに挿入されていない場合、シール974は、変形していない状態、及び/又は本来ならば封止状態にあることができる。
【0093】
[0111] 近位ポート473、573、673、773、873、及び/又は973は、
図9~
図14を参照して上記で具体的に説明されているが、これらの実施形態は、限定ではなく例としてのみ提示されていることを理解されたい。例えば、近位ポート473、573、673、773、873、及び/又は973は、それぞれ吻442、542、642、742、842、及び/又は942の一部分を受容するものとして上述したが、他の実施形態では、(例えば、上述したもののいずれかと同様又は実質的に同じ)近位ポートは、
図9~
図14を参照して上述したものと同様の吻を有していてもいなくてもよい、任意の好適なデバイス、アダプタ、構成要素などに結合することができ、かつ/又はそれを重用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、近位ポートは、
図8を参照して上記で説明したように、アダプタの一部分を受容するように構成することができる。他の実施形態では、近位ポートは、近位ポートに少なくとも部分的に挿入されて、そこに配置されたシールを実質的な封止又は閉鎖状態から開放状態に移行させて、カテーテルをそこから前進させることを許容するデバイスの任意の好適な部分を受容することができる。したがって、
図9~
図14は、それぞれ吻442、542、642、742、842、及び942を示しているが、これらは、限定ではなく例としてのみ提示されていることを理解されたい。
【0094】
[0112] シール474、574、674、774、874、及び/又は974は特に上述されているが、近位ポートは、任意の好適な構成を有するシール、及び/又は構成要素のいずれかの組み合わせから形成されるシールを含むことができることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、
図9に示される近位ポート474は、(上記のように)シール474を含むことができ、これは、複数部分、複数部、又は多相シールの第1部分であり得、かつ/又はそれを形成することができる。そのようなシールは、(例えば、1つ以上の構成要素、シール、弁などによって形成され、かつ/又はそれらから形成される)第1部分及び1つ以上の追加の部分を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、シールは、
図9に示すシール474として構成されている第1部分を含むことができ、例えば、(例えば、シール974と同様及び/又は実質的に同じ)シリコーン又はゴム製のスプリットセプタムシール又は弁として構成された第2部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2部分(例えば、スプリットセプタム)は、外側部分又は部材であり得、第1部分は、内側部分又は部材であり得る。そのような実施形態では、ユーザは、吻及び/又はデバイスの任意の他の好適な部分を、シールの第1部分及び第2部分を通して前進させて、シールを実質的な封止又は閉鎖状態又は構成から実質的な開放状態又は構成に移行させることができる。いくつかの実施形態では、複数部分、複数部、及び/又は多相シールを使用すると、例えば、シールに関連するより高い圧力定格をもたらす可能性がある。すなわち、いくつかの例では、複数部分シールは、本来ならば単一部分又は単一部シール(例えば、シール474)を実質的な封止又は閉鎖状態から開放状態に移行させるのに十分な圧力に晒されたときに、実質的な流体密シールを維持するように構成することができる。
【0095】
[0113] アクセスデバイス270の近位ポート273は、例えば、
図3及び
図4において、カテーテル272と実質的に同軸であるとして示されているが、他の実施形態では、本明細書に記載されるようなアクセスデバイスは、近位ポートが、アクセスデバイスのカテーテルに対してある角度で配置され、かつ/又は本来ならばカテーテルと非同軸となるように形成することができる。例えば、
図15は、一実施形態によるアクセスデバイス1070を示している。アクセスデバイス1070は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、アクセスデバイス1070及び/又はその少なくとも一部分は、本明細書に記載のアクセスデバイスのいずれかと少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様であり得る。
【0096】
[0114] 図示するように、アクセスデバイス1070は、ハブ1071及びカテーテル1072を含む。例えば、いくつかの実施形態では、アクセスデバイス1070のハブ1071は、近位部分1073及びサイドポート1076を有することができる。サイドポート1076は、例えば、上記のサイドポート276と実質的に同様であり得、したがって、本明細書ではさらに詳細には説明しない。いくつかの実施形態では、ハブ1071は、近位ポート1073が患者の挿入部位に対して所定の及び/又は所望の角度で配置されるように、実質的に湾曲した形状を有することができる。いくつかの実施形態では、所定及び/又は所望の角度は、約0°~約30°、及び/又はその度数のいずれかの端数である。例えば、いくつかの実施形態において、所定及び/又は所望の角度は、約1°、約2°、約3°、約4°、約5°、約6°、約7°、約8°、約9°、約10°、約11°、約12°、約13°、約14°、又は約15°であり得る。他の実施形態では、所定及び/又は所望の角度は、約15°~約25°であり得る。さらに他の実施形態では、所定及び/又は所望の角度は、30°超であってもよい。いくつかの実施形態では、ハブ1071は、比較的滑らかで、かつ/又は緩やかな曲線を形成して(例えば、比較的大きな曲率半径を有することができる)、近位ポート1073を所望の角度で配置することができる。
【0097】
[0115] 上記のように、アクセスデバイス1070のカテーテル1072は、(例えば、
図15の線Sによって示される所望の挿入部位において)患者の皮膚を通して挿入され、体内の標的導管(例、静脈)内に少なくとも部分的に配置されるように構成されている。いくつかの実施形態では、アクセスデバイス1070は、閉鎖系アクセスデバイス100及び/又は200に関して上述したように、挿入部位Sにおいて患者の皮膚を貫通するように構成され、次いでアクセスデバイス1070から取り除かれるように構成されている挿入部材1092を有する挿入デバイス(図示せず)に少なくとも一時的に結合することができる。上記のように、挿入部材1092は、患者の皮膚を貫通又は穿刺するように構成された比較的硬質の部材であり得る(例えば、針、トロカール、及び/又は同様のもの)。
図15に示される実施形態では、アクセスデバイス1070は、挿入部材1092を受容するように構成され得る開口部1082又はポートを規定することができる。開口部1082又はポートの配置(arrangement)及び/又は配置(placement)は、挿入部材1092がアクセスデバイス1070の一部分を通る比較的真っ直ぐな経路を通って延びるようにすることができる。したがって、上で詳細に説明したように、挿入部材1092は、カテーテル1072を患者の静脈に配置する間に使用することができ、その後アクセスデバイス1070から取り外すことができる。いくつかの実施形態では、開口部1082及び/又はポートは、挿入部材1092の取り外しに応じたときに、封止又は閉鎖するように構成することができる。
【0098】
[0116] いくつかの例では、アクセスデバイス1070を用いて患者からある量の体液を引き出すことが望ましい場合がある。いくつかのそのような例では、カテーテル1072が患者の静脈内の所望の位置に配置された後、ユーザは、例えば、アクセスデバイス270及び流体移送デバイス210を参照して上で詳細に説明したように、流体移送デバイスをアクセスデバイス1070の近位ポート1073に結合することができる。流体移送デバイスの近位ポート1073への結合は、例えば、近位ポート1073に配置されたシール、弁などを、(上記で詳細に説明したように)閉鎖又は封止状態及び/又は構成から、開放状態及び/又は構成に移行させることができる。したがって、流体移送デバイスを近位ポート1073に結合した後、ユーザは、流体移送デバイスを操作して、
図15に示されるように、アクセスデバイス1070の近位ポート1073を通してカテーテル1030を前進させることができる。いくつかの実施形態では、カテーテル1030は、カテーテル1030がアクセスデバイス1070によって規定された比較的湾曲し、かつ/又は蛇行した管腔を通って前進するときに、曲がり、屈曲し、かつ/又は本来ならば非永久的に再構成するのに十分な柔軟性を有し得る。したがって、アクセスデバイス1070は、上記のもののいずれかと実質的に同様の方法で機能することができる。
【0099】
[0117]
図16は、別の実施形態によるアクセスデバイス1170を示している。アクセスデバイス1170は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、アクセスデバイス1170及び/又はその少なくとも一部分は、本明細書に記載のアクセスデバイスのいずれかと少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様であり得る。図示するように、アクセスデバイス1170は、ハブ1171及びカテーテル1172を含む。アクセスデバイス1170のハブ1171は、近位部分1173及びサイドポート1176を有することができる。サイドポート1176は、例えば、上記のサイドポート276と実質的に同様であり得、したがって、本明細書ではさらに詳細には説明しない。いくつかの実施形態では、ハブ1171は、アクセスデバイス1070に関して上述したように、近位ポート1173が患者の挿入部位に対して所定及び/又は所望の角度で配置されるように、実質的に湾曲した形状を有することができる。上記のように、アクセスデバイス1170のカテーテル1172は、(例えば、
図16の線Sによって示される所望の挿入部位において)患者の皮膚を通して挿入され、体内の標的導管(例、静脈)内に少なくとも部分的に配置されるように構成されている。
【0100】
[0118] いくつかの実施形態では、アクセスデバイス1170は、閉鎖系アクセスデバイス100及び/又は200に関して上述したように、挿入部位Sにおいて患者の皮膚を貫通するように構成され、次いでアクセスデバイス1170から取り除かれるように構成されている挿入部材(図示せず)を有する挿入デバイス(図示せず)に少なくとも一時的に結合することができる。上記のように、挿入部材は、患者の皮膚を貫通又は穿刺するように構成された部材であり得る(例えば、針、トロカール、及び/又は同様のもの)。アクセスデバイス1070は、挿入部材を受容するように構成されている開口部1082又はポートを規定するものとして上で説明され、
図15に示されているが、他の実施形態では、アクセスデバイスは、挿入デバイスの一部分(例えば、挿入部材)を受容するように構成されている開口部又はポートを規定する必要はない。
【0101】
[0119] 例えば、いくつかの実施形態では、挿入部材(例えば、針)は、アクセスデバイス1170によって規定された比較的湾曲した、又は蛇行した管腔を通過するのに十分な柔軟性を有することができる。他の実施形態では、アクセスデバイス1170は、比較的硬質の挿入部材(例えば、針)がそこを通過することを許容するように十分にコンパクトであり得る(例えば、アクセスデバイス1170は、挿入部材が通過することができるデバイスを通る比較的真っ直ぐな管腔を規定することができる)。さらに他の実施形態では、アクセスデバイス1170は、挿入部材の存在に応じて変形及び/又は本来ならば再構成することができる比較的柔らかく、かつ/又は柔軟な材料から形成することができる。例えば、アクセスデバイス1170は、比較的湾曲した形状を有することができ、かつ/又はそれを形成することができ、内部を通る比較的湾曲し、かつ/又は蛇行した管腔を規定することができる。1つ以上の製造プロセス中に、挿入デバイス(例えば、本明細書に記載されるものなど)をアクセスデバイス1170に結合することができ、比較的硬質の挿入部材(例えば、針又はトロカー)をアクセスデバイス1170の管腔を通して挿入することができる。いくつかの例では、挿入部材が管腔を通って挿入されると、アクセスデバイス1170及び/又はその少なくとも一部分は、アクセスデバイス1170の管腔が実質的に真っ直ぐである状態及び/又は配置に、曲げ、屈曲し、たわみ、変形し、かつ/又は本来ならば再構成することができ、それにより、比較的硬質の挿入部材をそこ通って前進させることが許容される。
【0102】
[0120] 使用中、挿入部材が挿入部位Sを貫通し、アクセスデバイス1170のカテーテル1172を患者内の所望の位置(例えば、患者の静脈内の所望の位置)に置いた後、上記で詳細に説明したように、挿入デバイスをアクセスデバイス1170から取り外すことができる。いくつかの例では、挿入デバイスの取り外しにより、アクセスデバイス1170が、製造中に挿入部材を挿入することに関して説明したのとは実質的に反対の方法で、曲がり、屈曲し、たわみ、変形し、かつ/又は本来ならば再構成することを許容可能になる。したがって、カテーテル1172が患者の静脈内の所望の位置にあり、挿入デバイスがアクセスデバイス1170から取り外されている場合、近位ポート1173は、挿入部位Sに対して所定及び/又は所望の角度で配置することができる。
【0103】
[0121] いくつかの例では、アクセスデバイス1170を用いて患者からある量の体液を引き出すことが望ましい場合がある。いくつかのそのような例では、カテーテル1172が患者の静脈内の所望の位置に置かれた後、ユーザは、例えば、アクセスデバイス270及び流体移送デバイス210を参照して上で詳細に説明したように、流体移送デバイスをアクセスデバイス1170の近位ポート1173に結合することができる。流体移送デバイスの近位ポート1173への結合は、例えば、近位ポート1173に配置されたシール、弁などを、(上記で詳細に説明したように)閉鎖又は封止状態及び/又は構成から、開放状態及び/又は構成に移行させることができる。したがって、流体移送デバイスを近位ポート1173に結合した後、ユーザは、流体移送デバイスを操作して、
図16に示されるように、アクセスデバイス1170の近位ポート1173を通してカテーテル1130を前進させることができる。いくつかの実施形態では、カテーテル1130は、カテーテル1130がアクセスデバイス1170によって規定された比較的湾曲し、かつ/又は蛇行した管腔を通って前進するときに、曲がり、屈曲し、かつ/又はそうでなければ非永久的に再構成するのに十分な柔軟性を有し得る。したがって、アクセスデバイス1170は、上記のもののいずれかと実質的に同様の方法で機能することができる。
【0104】
[0122] いくつかの実施形態では、比較的柔軟な材料(上記の生体適合性材料のいずれか、及び/又はその混合物又は共重合体など)からアクセスデバイス1170を形成することにより、1つ以上の製造プロセスを容易化及び/又は単純化することができる。例えば、いくつかの実施形態では、アクセスデバイス1170を比較的柔軟な材料から形成することで、アクセスデバイス1170を(例えば、単一のワークピース及び/又は実質的に連続した材料から形成された、又はそれによって形成された)モノリシック又は単一的に形成された部分として製造することが許容可能となる。
【0105】
[0123] いくつかの実施形態では、アクセスデバイス1170を比較的柔軟な材料から形成することにより、製造時に単一のコアピンを使用することが許容可能となり、これは、例えばアクセスデバイスの成形中に管腔を形成及び/又は規定するために使用される。そのような実施形態では、成形後及びコアピンの除去時に材料が比較的湾曲した構成を形成するように、材料を付勢することができる。他の実施形態では、アクセスデバイス1170を成形及び/又は本来ならば形成することができ、コアピンを除去することができ、さらに比較的柔軟な材料を加工及び/又は再構成して、その中に形成された管腔を塞ぐ、又は閉塞することなく、アクセスデバイス1170の所望の形状及び/又は構成を形成することができる。
【0106】
[0124] (例えば、1つ以上の成形プロセスなどの間に)単一のコアピンを使用して形成されると説明されているが、他の実施形態では、アクセスデバイスは、マルチピースコアピンを使用して形成及び/又は製造することができる。例えば、
図17は、一実施形態による、マルチピースコアピン1285によって形成されているアクセスデバイス1270を示している。図示するように、アクセスデバイス1270は、少なくともハブ1271及びカテーテル1272を含み、本明細書に記載されているアクセスデバイスのいずれかと少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様となるように構成することができる(例えば、閉鎖系アクセスデバイスに含まれることができ、かつ/又は閉鎖系アクセスデバイスの一部を形成することができる)。アクセスデバイス1170に関して上で説明したように、コアピン1285は、例えば、1つ以上の成形プロセス中に、アクセスデバイス1270の管腔を形成及び/又は規定するために使用することができる。
図17に示される実施形態では、コアピン1285は、コアピン1285を形成するために結合、嵌合、当接、及び/又は本来ならば集合的に位置決めされる第1部材1286及び第2部材1287を含む。いくつかの例では、マルチピースコアピンを使用することで、アクセスデバイス1270からのコアピン1285の取り外しを容易にすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1部材1286は、アクセスデバイス1270のハブ1271において、又はその近くでアクセスされ、そこから取り出すことができ、一方、第2部材1287は、アクセスデバイス1270のカテーテル1272において、又はその近くでアクセスされ、そこから取り出すことができる。いくつかの実施形態では、そのような配置は、例えば、単一又はワンピース型のコアピンの使用に関連する加工及び/又は再構成の量と比較して、コアピン1285を取り除いた後のアクセスデバイス1270の加工及び/又は再構成を減少させ、かつ/又は簡略化することが許容可能となる。
【0107】
[0125]
図1~
図17には示されていないが、本明細書に記載されている実施形態のいずれも、アクセスデバイスを患者の皮膚に固定し、挿入部位の汚染を低減及び/又は制限するように構成されている任意の好適なドレッシングとともに使用することができる。例えば、
図18は、一実施形態による、閉鎖系アクセスデバイス1370に結合された、かつ/又は本来ならば使用されているドレッシング1301を示している。アクセスデバイス1370は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。例えば、
図18に示されるアクセスデバイス1370は、ハブ1371の近位端部分に配置及び/又は結合された近位ポート1373を有するハブ1371、及びハブ1371の遠位端部分に配置及び/又は結合されたカテーテル1372を含む。近位ポート1373は、上で詳述したように、任意の好適なデバイスに結合及び/又は係合することができる。カテーテル1372は、患者の挿入部位1302を通して挿入され、カテーテル1372を血管又は静脈内に置くことができる。いくつかの実施形態では、アクセスデバイス1370は、上記で詳細に説明したアクセスデバイス170、270、及び/又は370のいずれかと実質的に同様であり得る。したがって、アクセスデバイス1370は、本明細書ではさらに詳述されない。
【0108】
[0126] ドレッシング1301は、アクセスデバイス1370を患者の皮膚に固定し、挿入部位1302の汚染を低減及び/又は制限するように構成されている任意の好適なドレッシングであり得る。いくつかの実施形態では、ドレッシング1301は、例えば、Tegadermなどのいずれかの業界標準の透明ドレッシングであり得る。したがって、ドレッシング1301は、例えば、柔軟、弾力性があり、変形可能で、かつ/又は防水性又は本来ならば半透性であり得る比較的薄いフィルムのシートであり得る。さらに、ドレッシング1301の少なくとも一部分を形成するフィルムは、使用前に実質的に無菌の環境及び/又は包装に維持され、挿入部位1302を被覆及び/又はドレッシングするために患者の皮膚に接触した状態に置かれるように構成されている表面を有することができる。表面の少なくとも一部分は、ドレッシング1301を患者の皮膚に接着して挿入部位1302を被覆するように構成されている接着剤を含むことができ、かつ/又はそれに結合することができる。
【0109】
[0127]
図18に示されるように、いくつかの例では、ドレッシング1301は、ドレッシング1301が患者の皮膚に結合又は接着されると、アクセスデバイス1370の少なくとも一部分に適用することができ、かつ/又はそれを被覆することができる。いくつかの実施形態では、ドレッシング1301は、ハブ1371のサイドポート1376に結合された可撓性チュービングが、ドレッシング1301を越えて、かつ/又は外側に延びることを許容しながら、例えば近位ポート1373を含むアクセスデバイス1370のハブ1371に適用することができ、かつ/又はそれを被覆することができる(
図18を参照)。したがって、ドレッシング1301は、アクセスデバイス1370のハブ1371及び患者の挿入部位1302を被覆して、ハブ1371及び/又は挿入部位1302を実質的に無菌の環境に維持し、かつ/又は本来ならば患者の感染につながる可能性がある挿入部位1302の潜在的な汚染を低減及び/又は制限することができる。
【0110】
[0128] 上記のように、ドレッシング1301は、近位ポート1373がドレッシング1301によって被覆されるように、アクセスデバイス1370のハブ1371に適用することができる。いくつかの既知の例では、そのような配置は、ドレッシング1301の外側に配置されたデバイスによる近位ポート1373へのアクセスを阻害することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、ドレッシング1301の少なくとも一部分は、アクセスデバイス1370の近位ポート1373へのアクセスを選択的に許容することができる貫通可能、変形可能、及び/又は再構成可能な材料(簡素化するために「貫通可能材料」と呼ぶ)から形成することができる。いくつかの実施形態では、実質的にドレッシング1301全体は、貫通可能材料から形成することができる。他の実施形態では、ドレッシング1301の領域は、貫通可能材料から形成することができる。例えば、
図18に示されるように、ドレッシング1301は、近位ポート1373の少なくとも一部分と整列し、かつ/又は本来ならばそれを被覆している貫通可能材料から形成されている領域1303を少なくとも含むことができる。領域1303は、貫通可能材料から形成されていると説明されているが、いくつかの実施形態では、領域1303は、例えば、プレスリットセプタム及び/又は同様のものを含むことができる。
【0111】
[0129] いくつかの実施形態では、近位ポート1373に対するドレッシング1301の領域1303の配置は、患者の皮膚からドレッシング1301を取り除くことなく、デバイスがアクセスデバイス1370の近位ポート1373にアクセスすることを許容できる。例えば、
図18に示されるように、アダプタ1395を操作して、領域1303の貫通可能材料を貫通し、かつ/又は領域1303に含まれ、かつ/又はそれによって形成されるプレスリットセプタムを通って前進することができる。いくつかの実施形態では、アダプタ1395は、アダプタ395と実質的に同様であり得、例えば、アダプタ1395が近位ポート1373に結合されていることに応じて、近位ポート1373に挿入され得る係合部材1398を含むことができる。
【0112】
[0130] この実施形態では、アダプタ1395をアクセスデバイス1370の近位ポート1373に結合することにより、係合部材1398はドレッシング1301の領域1303を通って、近位ポート1373の中に貫通及び/又は本来ならば延びるようにすることができる。係合部材1398が近位ポート1373に挿入されると、係合部材1398の少なくとも一部分は、近位ポート1373に配置されたシール1374(例えば、シール、弁、無針接続、及び/又は上述したような任にの他のシール部材)を通って延びることができ、かつ/又は本来ならばそれに係合することができ、これにより、アダプタ395及びアクセスデバイス370を参照して上で詳述したように、アダプタ1395をハブ1371と流体連通した状態に置くために、シール1374を実質的な封止又は閉鎖状態から開放状態に移行させることができる。したがって、
図18のドレッシング1301の構成は、
図8に示すアダプタ395及びアクセスデバイス370を参照して上述したのと実質的に同じ方法で、アダプタ1395をアクセスデバイス1370の近位ポート1373に結合することを許容することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ドレッシング1301の少なくとも一部分は、アダプタ1395が近位ポート1373に結合されている場合、アダプタ1395の内面と近位ポート1373の外面との間に配置することができる。いくつかの例では、ドレッシング1301のこの部分は、近位ポート1373とアダプタ1395との間のガスケット又はシールとして形成及び/又は機能することができ、それにより、ドレッシング1301が挿入部位1302及びアクセスデバイス1370の少なくとも一部分の周囲の封止環境を維持することが許容される。
【0113】
[0131]
図8を参照して上述したように、いくつかの実施形態では、アダプタ1395をアクセスデバイス1370に結合する前又は後に、移送デバイス1310をアダプタ1395の近位端部分に結合することができる。移送デバイス1310は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、移送デバイス1310は、移送デバイス210及び/又は310と同様及び/又は実質的に同じであり得る。いくつかの実施形態では、移送デバイス1310は、’272特許、’247特許、及び/又は’344特許に記載されている移送デバイスのいずれかと同様及び/又は実質的に同じであり得る。したがって、移送デバイス1310は、アダプタ1395の近位端部分に結合するように構成されているロック1340(例えば、上記のロック240と同様のロック、スリップルアーロック、ロッキングルアーロック、及び/又は任意の他の好適なロック又はカプラ)を含むことができる。
【0114】
[0132] いくつかの実施形態では、(デバイス200及び/又は300を参照して上述したように)、アダプタ1395の近位端部分は、例えば、無針コネクタ又は弁、スプリットセプタム、及び/又は、ロック1340の一部分に接触及び/又は係合したことに応じて、封止又は閉鎖状態から開放状態へと移行することができる任意の好適なシール部材を含むことができる。したがって、アダプタ1395がアクセスデバイス1370の近位ポート1373に結合され、移送デバイス1310がアダプタ1395の近位端部分に結合されると、移送デバイス1310のカテーテル(
図18には図示せず)がアクセスデバイス1370の少なくとも一部分を通って前進することを許容できる管腔、流路、導管、通路などを規定することができる。
【0115】
[0133] アダプタ1395が
図18に示され、特に上に記載されているが、他の実施形態では、アダプタ1395は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、アダプタ1395は、無針コネクタ、オス又はメスのルアーロック、及び/又はいくつかの市販の無針コネクタと同様又は同じアダプタであり得る。他の実施形態では、アダプタ1395は、近位端部分及び/又は遠位端部分に配置されたカプラ、ロック、又はルアーを備えた、又は備えていない鈍端カニューレであり得る。
【0116】
[0134] アダプタ1395は、ドレッシング1301の一部分(例えば、領域1303)に結合され、及び/又は少なくとも部分的に挿入されると上で説明されているが、他の実施形態では、アダプタ1395は、1つ以上の製造プロセス中にドレッシング1301とともに少なくとも部分的に形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、アダプタ1395は、ドレッシング1301と一体的に形成することができるルアーロック、スプリットセプタムコネクタ、無針コネクタ、及び/又は同様のものであり得る。例として、ドレッシング1301は、製造中にアダプタ1395の一部分を受容するように構成されている開口部を規定することができる。いくつかの実施形態では、アダプタ1395は、開口部を取り囲み、かつ/又は少なくとも部分的に規定するドレッシング1301の表面と接触した状態に置くことができるフランジ又は他の好適な表面を含むことができる。ドレッシング1301の表面は、例えば、接着剤、超音波溶接、及び/又は任意の他の好適な結合方法を用いて、1つ以上の製造プロセス中に、フランジ又はアダプタ1395の他の好適な表面に結合することができる。したがって、統合されたドレッシング1301及びアダプタ1395は、滅菌され、包装され、販売され、かつ/又はドレッシング部分及びアダプタ部分を有する統合デバイスとして使用することができる。
【0117】
[0135] そのような実施形態では、アクセスデバイス1370のカテーテル1372が血管又は静脈に置かれた後、統合デバイスのアダプタ部分は、例えば、アクセスデバイス1370の近位ポート1373に結合され得る。加えて、統合デバイスのドレッシング部分は、ドレッシング1301を参照して上述したように、挿入部位1302及びアクセスデバイス1370の少なくとも一部分上に適用することができる。挿入部位1302及びアクセスデバイス1370に対して所望の位置になると、統合デバイスのドレッシング部分は、挿入部位1302及びアクセスデバイス1370の少なくとも一部分(例えば、少なくともハブ1371を含む部分及び患者の体外に配置されたカテーテル1372の部分)が統合デバイスのドレッシング部分によって被覆されるように、患者の皮膚に結合及び/又は付着させることができる。いくつかの実施形態では、このような配置により、さもなければ非統合構成から生じる可能性のある、ドレッシング又はドレッシング部分の曲げ、屈曲、伸張、及び/又は変形の量を減らすことができる。さらに、そのような配置では、移送デバイス(例えば、移送デバイス1310)は、統合デバイスのドレッシング部分を貫通及び/又は本来ならばそれを通って延びることなく、統合デバイスのアダプタ部分に結合することができ、ドレッシングの一部分を貫通する必要性を回避することができる。
【0118】
[0136] いくつかの実施形態では、アクセスデバイス1370は、アダプタ1395の方法と同様の方法で、1つ以上の製造プロセス中にドレッシング1301とともに少なくとも部分的に形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ドレッシング1301の一部分は、製造中にハブ1371の一部分に結合、固定、接着、溶接、及び/又は本来ならば結合することができる。そのような実施形態では、ドレッシング1301及びアクセスデバイス1370は、集合的に統合デバイスを形成することができる。さらに、統合デバイスの配置は、
図18に示すように、ドレッシング1301が挿入部位1302、体外に配置されたカテーテル1372の一部分、及びハブ1371の一部分を被覆するようにすることができる。しかしながら、ドレッシング1301及びアクセスデバイス1370によって形成される統合デバイスは、近位ポート1373がドレッシング1301の外側又は少なくとも部分的に外側に配置される(例えば、上にあるか、さもなければ被覆されていない)ように、ドレッシング1301がアクセスデバイス1370のハブ1371に結合及び/又は固定され得るという点で、
図18に示される構成とは異なり得る。他の実施形態では、ドレッシング1301は、近位ポート1373及びサイドポート1376が各々ドレッシング1301の外側に配置されるように、ハブ1371に結合及び/又は固定することができる。このように、ドレッシング1301は、アクセスデバイス1370を患者の皮膚に固定することができ、挿入部位1302を保護することができる一方で、アダプタ1395及び/又は移送デバイス1310が、ドレッシング1301の一部分を貫通するか、又はさもなければそれを通って延びる必要なく、近位ポート1373に結合及び/又はアクセスすることを許容する。
【0119】
[0137] アダプタ1395は、ドレッシング1301の一部分(例えば、貫通可能材料で形成され、かつ/又はプレスリットセプタムなどを規定する領域1303)を貫通及び/又は本来ならば挿入されるものとして上述したが、他の実施形態では、移送デバイス1310は、アダプタ1395を使用せずにアクセスデバイス1370の近位ポート1373に結合することができる。例えば、いくつかの実施形態では、移送デバイス1310は、
図6及び
図7を参照して上述したアクセスデバイス270への移送デバイス210の結合と実質的に同様の方法で、アクセスデバイス1370の近位ポート1373に結合することができる。しかしながら、
図18に示される実施形態では、ロック1340の吻1342は、近位ポート1373に挿入される前に、ドレッシング1301の一部分(例えば、領域1303)を通って挿入され得る。
【0120】
[0138] 閉鎖系アクセスデバイスのいくつかは、近位ポート(例えば、アクセスデバイス270の近位ポート273)を用いて流体移送デバイスに結合されるように構成されているものとして本明細書に記載されているが、他の実施形態では、閉鎖系アクセスデバイスは、アクセスデバイスのサイドポートを用いて流体移送デバイスに結合され得る。例えば、
図19及び
図20は、閉鎖系アクセスデバイス1470と、そのサイドポート1476を用いて閉鎖系アクセスデバイス1470に結合されるように構成されている流体移送デバイス1410と、を示している。本明細書に開示される他のアクセスデバイス(例えば、アクセスデバイス170、270、370など)に関して上述したように、閉鎖系アクセスデバイス1470(本明細書では「アクセスデバイス」とも呼ばれる)は、体の一部分内に少なくとも部分的に挿入又は配置されるように構成されている任意の好適なデバイスであり得る。例えば、アクセスデバイス1470は、体の一部分に経皮的に挿入されるように構成されている既知の末梢静脈ライン(PIV)などであり得る。いくつかの例では、アクセスデバイス1470(例えば、PIV)は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、静脈穿刺イベントなどを用いて患者の静脈内に少なくとも部分的に配置され得る。
【0121】
[0139] アクセスデバイス1470又はその少なくとも一部分は、構造及び/又は機能において、本明細書に記載のアクセスデバイス170、270、370、1070、1170、1270、及び/又は1370と実質的に同様であり得る。アクセスデバイス1470は、ハブ1471及びカテーテル1472を含む。アクセスデバイス1470のハブ1471は、管腔1475を規定し、近位ポート1473及びサイドポート1476を含む。他の実施形態を参照して本明細書に記載されているアクセスデバイスのいずれかの対応する部分と同様のアクセスデバイス1470の部分は、本明細書ではさらに詳細に説明されていない。
【0122】
[0140] サイドポート1476は、例えば、上記のサイドポート276、1076、1176と実質的に同様であり得る。サイドポート1476は、ハブ1471の管腔1475と流体連通している。いくつかの実施形態では、アクセスデバイス1470は、アクセスデバイス1470のサイドポート1476を用いて結合された流体移送デバイスによって前進させられたカテーテルを受容するように構成することができる。いくつかの実施形態では、サイドポート1476は、チュービング1451に結合することができ、チュービング1451によって規定された管腔1453と流体連通することができる。チュービング1451は、好適な長さのカテーテル1430に適合するように、いずれかの所定の長さであり得る。いくつかの実施形態では、
図19及び
図20に示すように、チュービング1451は、ねじ付きカプラ、スライド可能なカラー、1つ以上の係合部材、オス又はメスのルアーロック(例えば、スリップルアー又はロッキングルアー)、及び/又は任意の他の好適なカプラとして構成できる近位カプラ1454を含むように構成することができる。いくつかの実施形態では、チュービングブ1451又はチュービング1451の近位カプラ1454は、シール部材を含むことができる(
図19及び
図20には図示せず)。シール部材は、シール874を参照して上述したように、閉鎖状態及び/又は構成と開放状態及び/又は構成との間で移行することができるプラグ、閉塞部材、スプリットセプタム、プランジャ、無針コネクタなどであり得る。いくつかの実施形態では、シール部材(例えば、無針弁又はコネクタ)は、近位カプラ1454に統合することができる。他の実施形態では、シール部材は、別個の、独立した、かつ/又は本来ならば非統合のアダプタなどであり得る。さらに他の実施形態では、チュービングの近位カプラ1454は、シール又は任意の他の好適な流体制御デバイスを含む必要はない。
【0123】
[0141]
図19は、流体移送デバイス1410(例えば、流体移送デバイス1410の吻1442)と係合したチュービング1451の近位カプラ1454を備えたアクセスデバイス1470を示している。流体移送デバイス1410は、配置又は留置されたアクセスデバイス1470を用いて、患者との間で流体を移送するように構成されている任意の好適なデバイスであり得る。いくつかの例では、アクセスデバイス270を参照して上述したように、流体移送デバイス1410は、アクセスデバイス1470が患者内に置かれ、挿入デバイス(図示せず)が取り外されると、アクセスデバイス1470に結合するように構成することができる。例えば、流体移送デバイス1410は、流体移送デバイス110、210、及び/又は310など、特定の実施形態を参照して本明細書に記載される流体移送デバイスのいずれかと実質的に同様であり得る。したがって、移送デバイス1410のいくつかの態様は、本明細書では詳細に説明されておらず、特に明記しない限り、本明細書に記載されている移送デバイス110、210、及び/又は310のそのような態様と実質的に同様であると見なされるべきである。
【0124】
[0142] 流体移送デバイス1410は、少なくともイントロデューサ1415、アクチュエータ1420、ロック1440、吻1442、及びカテーテル1430を含むことができる。イントロデューサ1415は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。いくつかの実施形態では、イントロデューサ1415は、(例えば、アクセスデバイス1470の近位ポート1473又はサイドポート1476を用いて)アクセスデバイス1470のハブ1471に動作可能に結合されるように構成されている近位端部分を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、イントロデューサ1415の近位端部分は、近位カプラ1454と係合して、サイドポート1476及びチュービング1451を用いてイントロデューサ1415をアクセスデバイス1470のハブ1471に結合することができるロック、カプラ、係合部材、及び/又は同様のもの(例えば、ロック1440)を含むことができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、イントロデューサ1415の遠位端部分は、例えば、オス又はメスのルアーロック(例えば、スリップルアー又はロッキングルアー)として構成することができるロック1440を含むことができる。他の実施形態では、イントロデューサ1415の遠位端部分は、例えば、移送デバイス210のロック240など、本明細書に記載されているもののいずれかと同様のロックを含むことができる。
【0125】
[0143]
図19及び
図20に示されるように、ロック1440の吻1442は、ロック1440から遠位方向に(例えば、イントロデューサ1415から離れて)延びる。吻1442は、吻1442が、近位カプラ1454及び/又はアクセスデバイス1470のサイドポート1476と流体連通しているチュービング1451の一部分に挿入されるように構成することができる。さらに、ロック1440が近位カプラ1454に結合するとき、吻1442の管腔は、チュービング1451の管腔1453と流体連通した状態に置くことができる。いくつかの実施形態では、吻1442は、構造及び/又は機能において、本明細書に記載されている吻242と実質的に同様であり得、本明細書ではさらに詳細に記載されない。
【0126】
[0144] カテーテル1430は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成であり得る。カテーテル1430は、イントロデューサ1415によって規定された内部体積内に少なくとも一時的に配置され、アクチュエータ1420に結合される。カテーテル1430は、流体移送デバイス1410の部分(例えば、少なくともイントロデューサ1410、吻1442など)及びアクセスデバイス1470の部分(例えば、近位カプラ1454、チュービング1451、サイドポート1476、アクセスデバイス1470の管腔1475、アクセスデバイス1470のカテーテル1472など)を横断するのに好適な所定の長さを有するように選択することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル1430は、移送デバイス1410及びアクセスデバイス1470を通してカテーテル1430を前進させて、患者の静脈内の所望の位置(例えば、アクセスデバイス1470のカテーテル1472の遠位先端より遠位)に位置決めするのに十分な長さを有することができる。
【0127】
[0145] イントロデューサ1415は、カテーテル1430の少なくとも一部分及びアクチュエータ1420の少なくとも一部分が移動可能に配置される内部体積を規定することができる。本明細書でさらに詳細に説明するように、使用前に、カテーテル1430は、カテーテル1430がイントロデューサ1415の内部体積内に配置又は実質的に配置される第1位置、構成、及び/又は状態にあり得る。そのような配置は、例えば、カテーテル1430を使用前に物理的に損傷することから保護し、かつ/又はカテーテル1430を非滅菌環境によって汚染されることから保護することができる。
図19は、第1位置、構成、及び/又は状態にあるカテーテル1430を示している。
【0128】
[0146] アクチュエータ1420の第1部分(例えば、イントロデューサ1415内に配置された部分)は、カテーテル1430の近位端部分に結合されている。アクチュエータ1420の第1部分はまた、カテーテル1430、及び出口又は二次カテーテル1445が流体連通するように、出口又は二次カテーテル1445に結合することができる。’247特許に詳細に記載されているように、出口又は二次カテーテル1445は、イントロデューサ1415の近位端部分によって規定された開口部及び/又はポートを通って延びるように構成されている。このようにして、カテーテル1430の近位端部分及び/又は出口又は二次カテーテル1445を、カプラ1446を用いて流体リザーバ、流体源、注射器、及び/又は同様のものに結合することができ、次にカテーテル1430をそれと流体連通させる。
【0129】
[0147] 使用時に、流体移送デバイス1410を操作して、アクチュエータ1420をイントロデューサ1415に対して近位位置から遠位位置に移動させることができる。次に、アクチュエータ1420をイントロデューサ1415に対して移動させると、アクチュエータ1420の第1部分に結合されたカテーテル1430を第1位置と第2位置との間で移動させることができる。すなわち、アクチュエータ1420をイントロデューサ1415に対して移動させることにより、カテーテル1430は、
図20に示されるように、カテーテル1430の少なくとも一部分がイントロデューサ1415より遠位及び外部である第2位置、構成、及び/又は状態に移行することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル1430を第1位置と第2位置との間で(例えば、アクチュエータ1420の移動を用いて)移動させて、移送デバイス1410をそれぞれ第1構成及び/又は状態と第2構成及び/又は状態との間で移行させることができる。
【0130】
[0148] より具体的には、本明細書でさらに詳細に説明するように、カテーテル1430の少なくとも一部分は、カテーテル1430が第1位置(
図19)にあるときにイントロデューサ1415の内部体積及び/又はロック1440内に配置され、カテーテル1430の少なくとも一部分は、カテーテル1430が第2位置にあるときに(
図20)、カテーテル1430の遠位端をアクセスデバイス1470内の位置又はアクセスデバイス1470から遠位の位置に置くために、イントロデューサ1415及びロック1440を超えて延びる。流体移送デバイス1410がアクセスデバイス1470の近位カプラ1454に結合されるとき、流体移送デバイス1410のカテーテル1430は、その第2状態、構成、及び/又は位置に移行及び/又は前進され得る。したがって、カテーテル1430の少なくとも一部分は、イントロデューサ1415より遠位に前進することができ、近位カプラ1454、チュービング1451、サイドポート1476、ハブ1471、及びアクセスデバイス1470のカテーテル1472を通って延びることができる。
【0131】
[0149] 上述したように、カテーテル1430は、上記の部分を通って延びるのに十分な所定の長さのものであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテル1430は、流体移送デバイス1410のカテーテル1430の遠位端部分がアクセスデバイス1470カテーテル1472の遠位端部分に対して遠位であるように、その第2状態、構成、及び/又は位置に前進させることができ、したがって、患者の静脈内に配置される。他の実施形態では、流体移送デバイス1430のカテーテル1430は、アクセスデバイス1470のカテーテル1472を越えて延びる必要はない。例えば、いくつかの例では、カテーテル1430は、第2状態、構成、及び/又は位置に置くことができ、カテーテル1430の遠位端部分は、(例えば、アクセスデバイスのカテーテル1472の遠位先端に対して遠位に)アクセスデバイス1470のカテーテル1472内に留まることができる。
【0132】
[0150] チュービング1451の近位カプラ1454が
図19~
図20を参照して特に示され、説明されているが、他の実施形態では、サイドポート1476及び/又はチュービング1451の近位部分は、流体移送デバイス1410のロック1440に適合する任意の好適なロック、カプラ、係合部材、シール、ポート、コネクタ(例えば、無針コネクタ)などに結合されることができ、かつ/又はそれらを含むことができる。いくつかの例では、ユーザは、いずれかの数の異なるスタイル又はタイプのロック及び/又はカプラ(例えば、スリップルアーロック、ロッキングルアーロック、クリップ、カプラ、延長セット、アダプタ395のようなアダプタ、鈍端カニューレアダプタ、無針コネクタ、及び/又は任意の他の好適なデバイス)から所望のスタイルのロック又はカプラを選択することができる。
【0133】
[0151]
図20に示されるように、ロック1440が移送デバイス1410をアクセスデバイス1470に結合すると、移送デバイス1410は、例えば、ある量の体液を患者から移送するために、第1状態から第2状態に移行することができる。例えば、アクセスデバイス1470は、
図3及び
図4を参照して上述したデバイス200と同様の閉鎖系アクセスデバイスに含まれ得る。上記のように、ユーザ(例えば、医師、看護師、内科医、外科医、技術者、静脈穿刺専門家など)は、静脈穿刺を実施するために、閉鎖係アクセスデバイス200と実質的に同様に、そのような閉鎖係アクセスデバイスを操作することができる。
【0134】
[0152] カテーテル1472が静脈内の所望の位置にある場合、ユーザは、挿入デバイス(図示せず)を閉鎖係アクセスデバイスから取り外し、それにより、カテーテル1472を静脈内の所望の位置に残し、アクセスデバイス1470のハブ1471を患者の外側に配置することができる。次に、ユーザは、移送デバイス1410を操作して、移送デバイス1410を、サイドポート1476を用いてアクセスデバイス1470に結合することができる。上記のように、いくつかの実施形態では、ロック1440は、サイドポート1476に結合されたチュービング1451の近位カプラ1454に結合されて、移送デバイス1410をそれに結合することができる。移送デバイス1410をアクセスデバイス1470に結合した後、ユーザは、移送デバイス1410を操作して、それを第1構成及び/又は状態から第2構成及び/又は状態に、上記の移送デバイス210を操作するために説明したのと実質的に同様の方法で、移行させることができる。このようにして、本明細書に記載の流体移送デバイスのいずれかは、少なくともいくつかの市販のアクセスデバイス、PIV、アダプタ、拡張セット、及び/又は同様のものなどとともに使用され得、かつ/又はそれらに適合し得る。別の言い方をすると、いくつかの実装形態では、流体移送デバイス1410を閉鎖系アクセスデバイスのサイドポートに(例えば、チュービング、カプラ、ポート、コネクタ、アダプタなどを用いて直接的又は間接的に)結合することで、流体移送デバイス1410を、少なくともいくつかの市販のアクセスデバイス、PIV、アダプタ、拡張セット、及び/又は同様のものとともに使用することが許容可能となる。
【0135】
[0153] 閉鎖系アクセスデバイスのいくつかの実施形態では、アクセスデバイスは、サイドポートと流体連通しており、必要に応じて1つ以上の注入ライン、延長チュービング、アダプタなどの追加及び/又は使用を許容するように構成されているチュービングの近位部分(例えば、近位カプラ)を含むことができる。
図21及び
図22は、それぞれ、流体移送デバイス1510及び1610の上面図であり、それぞれ、閉鎖系アクセスデバイス1570及び1670の2つの異なる例に対して少なくとも間接的である。
【0136】
[0154]
図21に示されるように、アクセスデバイス1570は、所定の長さを有する一片のチュービング1551と流体連通するサイドポート1576を含む。近位カプラ1554は、チュービング1551の近位端部分に結合されている。
図21に示される実施形態では、近位カプラ1554は、分岐コネクタ(例えば、Yコネクタ又はTコネクタ)であるように構成されている。近位カプラ1554は、流体移送デバイス1510の遠位部分に結合されるように構成されている少なくとも1つのアーム(例えば、移送デバイス210及び/又は1410に関して上記で説明されたロック)を含むことができる。近位カプラ1554はまた、任意の好適なデバイス(例えば、注入デバイス、流体移送デバイス、アクセスデバイス、及び/又は同様のもの)に結合することができる1つ以上の追加のアームを含むことができる。いくつかの実施形態では、近位カプラ1554は、(例えば、単一のワークピース及び/又は実質的に連続した材料から形成されるか、又はそれよって形成された)モノリシック又は単一的に形成された一部として製造することができる。いくつかの他の実施形態では、近位カプラ1554は、個々の部分又はパーツを組み合わせることから形成することができる。例えば、そのような実施形態では、ユーザは、近位カプラ1554を形成するために、いずれかの数の異なるスタイル又はタイプのロック及び/又はカプラ(例えば、ロック240、スリップルアーロック、ロッキングルアーロック、クリップ、カプラ、延長セット、アダプタ395のようなアダプタ、鈍端カニューレアダプタ、無針コネクタ、及び/又は任意の他の好適なデバイス)から所望のスタイルのロック又はカプラを選択することができる。より具体的には、近位カプラ1554は、そのアーム、分岐、及び/又はポートが、本明細書に記載された結合デバイス、ロック、シール、セプタム、流体制御デバイス、無針コネクタ、及び/又は同様のもののいずれかを含むように構成することができる。
【0137】
[0155]
図22に示されるように、アクセスデバイス1670は、チュービング1651の近位端部分に結合及び/又は含まれる近位カプラ1654を有するチュービング1651の一部と流体連通するサイドポート1676を含む。
図22に示されるように、チュービング1651は、アクセスデバイス1570のチュービング1551の長さとは異なる所定の長さを有することができる。より具体的には、アクセスデバイス1570に結合されたチュービング1551は、アクセスデバイス1670に結合されたチュービング1651よりも実質的に長くすることができる。いくつかの実施形態では、例えば、チュービング1651は、アクセスデバイス1670のサイドポート1676を近位カプラ1654に結合することを許容するのに十分な長さであればよい。上記のように、近位カプラ1654は、分岐コネクタ(例えば、Yコネクタ又はTコネクタ)として構成することができる。近位カプラ1654は、流体移送デバイス1610の遠位部分に結合されるように構成されている少なくとも1つのアームを含むことができる。いくつかの実施形態では、近位カプラ1654はまた、近位カプラ1554を参照して上述したように、任意の好適なデバイスに結合することができる1つ以上の追加のアームを含むことができる。
【0138】
[0156] 具体的には、
図22に示される実施形態では、近位カプラ1654は、チュービング1655に結合されるように構成されている第2アームを有することができる。いくつかの実施形態では、チュービング1655は、第2カプラ1656を含むか、又はそれに結合するように構成することができる。いくつかの実施形態では、カプラ1656は、近位カプラ1554又は1654に関して上述されたものと同様の分岐コネクタであり得る。他の実施形態では、チュービング1655は、任意の好適なポート、カプラ、デバイス、及び/又は同様のものに結合することができる。近位カプラ1554及び/又は1654にそれぞれ結合された移送デバイス1510及び/又は1610は、第1構成及び/又は状態から第2構成及び/又は状態に移行して、
図19及び
図20に示される移送デバイス1410を参照して上記で説明されるように、カテーテルをそれぞれアクセスデバイス1570及び/又は1670の少なくとも一部分を通して前進させることができる。
【0139】
[0157]
図23A~
図23Cは、体液をアクセスデバイスのサイドポートを用いて患者から1つ以上の流体収集デバイス、容器、リザーバなどに移送するために、流体移送デバイスとともに使用及び/又は本来ならば結合することができる様々な閉鎖系アクセスデバイスの上面図である。
図23Aに示されるように、アクセスデバイス1770は、チュービング1751を含み、かつ/又はそれに結合するように構成されているサイドポート1776を含むことができる。チュービング1551及び/又は1651に関して上で説明したように、チュービング1751は、任意の好適な長さを有することができる。チュービング1751の近位端部分は、
図21及び
図22を参照して上述したように分岐コネクタとして構成されている近位カプラ1754を含むことができる。より具体的には、近位カプラ1754は、少なくとも第1アーム又はポート及び第2アーム又はポートを有するT字型コネクタとして構成することができる。
図23Aに示されるように、近位カプラ1754の第1アーム又はポートは、流体移送デバイス(例えば、流体移送デバイス110、210、及び/又は310)がそれに結合されることを許容するように構成されているポート、カプラ、ロック、アダプタ、無針コネクタなどを含む。第2アーム又はポートはチュービングの一部に結合し、かつ/又は本来ならばその中に延びている。
【0140】
[0158]
図23Bは、サイドポート1876、チュービング1851の一部、及びチュービング1851の近位端部分に含まれるか、又はそれに結合された近位カプラ1854を含むアクセスデバイス1870を示す。近位カプラ1854は、本明細書に記載されるように、流体移送デバイス(例えば、流体移送デバイス110、210、及び/又は310)に結合可能であるように構成されている。より具体的には、近位カプラ1554、1654、及び/又は1764は、少なくとも第1アーム又はポート、及び第2アーム又はポートを有する分岐カプラであるとして示され、説明されているが、
図23Bに示される実施形態では、近位カプラ1854は単一のポートカプラであり得る。いくつかの実施形態では、近位カプラ1854のポートは、流体制御デバイス、無針弁又はコネクタ、シール、ロック、セプタム、及び/又は同様のものを含むことができる。他の実施形態では、近位カプラ1854のポートは、実質的に開いたポートであり得る(例えば、
図19及び
図20を参照して上記で説明した近位カプラ1454と同様)。
【0141】
[0159]
図23Cは、サイドポート1976、チュービング1951の一部、及びチュービング1951の近位端部分に含まれるか、又はそれに結合された近位カプラ1954を備えたアクセスデバイス1970を示す。近位カプラ1954は、流体移送デバイス(例えば、流体移送デバイス110、210、及び/又は310)に結合されるように構成されている1つのアームと、チュービングの一部に結合され、かつ/又は本来ならばその中に延びる第2アームと、を有する分岐コネクタとして構成されていることが示されている。いくつかの実施形態では、近位カプラ1954は、少なくとも形態及び/又は機能において、上記の近位カプラ1754と同様であり得る。より具体的には、
図23Aに示される近位カプラ1754は、ルアーロック、スプリットセプタム、無針コネクタ、及び/又は同様のもののような、第1流体制御デバイスを有するポートを含むことができる。他方、
図23Cに示される近位カプラ1954は、無針コネクタ、弁、及び/又は同様のものなどのような、第2流体制御デバイスを含むポートを有することができる。
【0142】
[0160]
図23A~
図23Cに示される実施形態のいずれかにおいて、流体移送デバイスは、近位カプラ1754、1854、及び/又は1954に結合することができ、
図19及び
図20に示す流体移送デバイス1410を参照して上述したように、近位カプラ1754、1854、及び/又は1954、チュービング1751、1851、及び/又は1951、アクセスデバイス1770、1870、及び/又は1970の少なくとも一部を通して、流体移送デバイスのカテーテルを前進させるように操作することができる。例えば、
図24は、アクセスデバイス2070のサイドポート2076を用いて閉鎖系アクセスデバイス2070に結合されている流体移送デバイス21010を示している。アクセスデバイス2070は、記載されたアクセスデバイス1470、1570、1670、1770、1870、及び/又は1970のいずれかと実質的に同様であり得る。例えば、アクセスデバイス2070は、ハブ2071、サイドポート2076、及びカテーテル2072を含む。加えて、チュービング2051の一部がサイドポート2076に結合され、チュービング2051の近位端部分が近位ポート2054に結合され、かつ/又は本来ならばそれを含む。近位ポート2054は、上記の近位ポート1454、1554、1654、17554、1854、及び/又は1954のいずれかと実質的に同様であり得る。
【0143】
[0161] 流体移送デバイス2010は、イントロデューサ2015、アクチュエータ2020、カテーテル2030、及びロック2040を含む。上記のように、アクチュエータ2020は、カテーテル2030に結合され、イントロデューサ2015に対してカテーテル2030を遠位に移動させるように構成されている。例えば、アクチュエータ2020は、第1位置(例えば、イントロデューサ2015の近位端部分又はその近く)から第2位置(例えば、
図24に示すように、イントロデューサ2015の遠位端部分又はその近く)に移動することができる。アクチュエータ2020の移動に続いて、カテーテル2030は、イントロデューサ2015及び/又はロック2040の一部分内に配置され、アクセスデバイス2070の近位にある第1構成(
図24には図示せず)から、流体移送デバイス2010、近位カプラ2054、チュービング2051、サイドポート2076、アクセスデバイス2070の管腔、及びカテーテル2072を通って配置され、延びている第2構成(
図24に示す)に移動することができる。より具体的には、この例では、カテーテル2030は、移送デバイス2010のカテーテル2030の遠位端部分が、アクセスデバイス2070のカテーテル2072の遠位端部分に対して遠位位置にあるように置かれているものとして示されている。
【0144】
[0162] いくつかの実施形態では、上記のように、カテーテルは、患者の静脈内に置かれるように、留置アクセスデバイスのサイドポートを用いて前進させることができる。カテーテルは、ねじれることなく曲げることを許容し、アクセスデバイスのサイドポート及び/又は内面に沿って誘導されて、アクセスデバイスのカテーテルの近く、又はそれを過ぎて遠位方向に延びるように、十分に軟らかく柔軟であり得る。カテーテルはまた、流体移送デバイス、アクセスデバイスのサイドポートに結合されたいずれかのチュービング及びコネクタ、アクセスデバイスの管腔、及びアクセスデバイスのカテーテルを通って延びるのに十分な所定の長さであり得る。カテーテルは、流体移送デバイスのアクチュエータの動きによって前進又は移動するのに十分な剛性を有する一方で、アクセスデバイス及び/又はアクセスデバイスに結合された介在デバイスの1つ以上の折り返し、屈曲、湾曲、及び/又は経路を通って前進するのに十分な柔軟性を有するように選択することができる。
【0145】
[0163] いくつかの実施形態では、閉鎖系アクセスデバイスは、アクセスデバイスのサイドポートを用いて導入されたカテーテルの前進に対する潜在的な抵抗、障害、又は妨害を克服するために、サイドポートを用いてアクセスデバイスの管腔を通してカテーテルを導入及び/又は移動するように特に適合されたアクセスデバイスを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、アクセスデバイスは、カテーテルが流体移送デバイスのイントロデューサの内部体積内に配置されているか、実質的に配置されている第1構成及び/又は状態から、カテーテルの少なくとも一部分がイントロデューサより遠位及び外側にある第2位置、構成、及び/又は状態へのカテーテルの妨害されない移動を助けるために、1つ以上の構造的特徴(例えば、ガイド構造)を有するように構成及び/又は形成することができる。
【0146】
[0164]
図25A~
図25Eは、1つ以上のそのような特徴を含むアクセスデバイスの例を示している。例えば、
図25Aは、管腔2175を規定する内壁又は表面を有するハブ2171を含むアクセスデバイス2170を示している。ハブ2171は、ハブ2171によって規定された管腔2175と流体連通しているサイドポート2176をさらに含む。いくつかの実施形態では、サイドポート2176と対向するアクセスデバイス2170のハブ2171の壁は、本来ならば存在する可能性のある傾斜面の無い直線の壁部分を形成するように改造することができる(例えば、破線で示された改造していない傾斜面と比較して、
図25Aに実線で示されている)。
【0147】
[0165] 上で詳細に説明したように、アクセスデバイス2170は、サイドポート2176に少なくとも動作可能に結合された流体移送デバイスとともに使用するように構成することができる。次に、流体移送デバイスは、カテーテル2130を流体移送デバイスからアクセスデバイス2170内及び/又はそれを通って前進させるように構成されている。いくつかの例では、ハブ2171の傾斜面の配置を改造することにより、サイドポート2176を用いて導入されたカテーテル2130は、カテーテル2130の経路と本来なら一致する傾斜面に衝突することにより、前進中に妨げられることなく、改造された壁部分(例えば、壁の現在真っ直ぐな部分)に沿ってアクセスデバイス2170の遠位部分(例えば、アクセスデバイス2170のカテーテル)に向かってスライドさせることができる。したがって、ハブ2171の内壁は、カテーテル2130をアクセスデバイス2170の遠位部分に向かって誘導するように構成されているガイド構造を形成することができる。
【0148】
[0166]
図25Bは、管腔2275を規定する内壁又は表面を有するハブ2271を含むアクセスデバイス2270を示している。ハブ2271は、ハブ2271によって規定された管腔2275と流体連通するサイドポート2276をさらに含む。いくつかの実施形態では、サイドポート2276と対向するアクセスデバイス2270のハブ2271の壁は、改造されていない壁と比較して、比較的浅い角度を有する角のある壁部分を形成するように改造することができる(例えば、破線で示す改造されていない角のある表面と比較して、
図25Bに実線で示す)。
【0149】
[0167] 上で詳細に説明したように、アクセスデバイス2270は、サイドポート2276に少なくとも動作可能に結合された流体移送デバイスとともに使用するように構成することができる。次に、流体移送デバイスは、カテーテル2230を流体移送デバイスからアクセスデバイス2270内及び/又はそれを通って前進させるように構成されている。いくつかの例では、ハブ2271の傾斜面の角度を改造する(例えば、角度を小さくする、及び/又は角度を浅くする)ことにより、サイドポート2276を用いて導入されたカテーテル2230は、前進中に妨げられたり、遮られたり、及び/又はねじれたりすることなく、改造された壁部分(例えば、今、浅い角度を有する壁の部分)に沿って、アクセスデバイス2270の遠位部分(例えば、アクセスデバイス2270のカテーテル)に向かってスライドさせることができる。浅い角度は、本来ならカテーテル2230の潜在的なねじれにつながる可能性のあるカテーテル2230の前進経路に沿った急カーブを必要とせずに、カテーテル2230をアクセスデバイス2270の遠位部分に向けて誘導するのに十分浅くすることができる。したがって、比較的浅い角度を有するハブ2271の内壁は、カテーテル2230をアクセスデバイス2270の遠位部分に向かって誘導するように構成されているガイド構造を形成することができる。
【0150】
[0168]
図25Cは、管腔2375を規定する内壁又は表面を有するハブ2371を含むアクセスデバイス2370を示している。ハブ2371は、ハブ2371によって規定された管腔2375と各々流体連通しているサイドポート2376及びカテーテル2372をさらに含む。
図25Cに示される実施形態では、サイドポート2376は、アクセスデバイス2370のカテーテル2372に対して浅い鈍角になるように構成されている(例えば、破線で示す改造されていないサイドポートに関連する角度と比較して、
図25Cに実線で示される)。サイドポート2376の浅い鈍角は、サイドポート2376を用いて導入され、アクセスデバイス2370のカテーテル2372に向かって前進するときに、カテーテル2330の屈曲を低減するように好適に選択することができる。このようにして、(アクセスデバイス2370のカテーテル2372に対するその角度に少なくとも部分的に基づく)サイドポート2376は、カテーテル2330をアクセスデバイス2370の遠位部分に向けて誘導するように構成されているガイド構造を形成することができる。
【0151】
[0169]
図25D及び
図25Eは、それぞれ、サイドポートを用いて導入されたカテーテルの前進を誘導するために使用されるガイド(例えば、内部ガイド構造)を含むように改造されたハブを含むアクセスデバイス2470及び2570を示す。例えば、
図25Dは、管腔2475を規定する内壁又は表面を有するハブ2471を含むアクセスデバイス2470を示している。ハブ2471は、ハブ2471によって規定された管腔2475と流体連通するサイドポート2476をさらに含む。ハブ2471は、ハブ2471によって規定された管腔2475内に、かつ/又はそれを通って延びるガイド構造2457をさらに含む。ガイド構造2457は、サイドポート2476を用いて導入されたカテーテル2430が好適に曲がり、アクセスデバイス2470の遠位部分向かって前進するように誘導される(例えば、接触する、方向付けられる、及び/又は偏向される)ように、サイドポート2476を基準として好適な位置に置くことができる。
図25Dに示される実施形態では、ガイド構造2457は、例えば、円形の内部ガイド構造であり得る。
【0152】
[0170]
図25Eは、管腔2575を規定する内壁又は表面を有するハブ2571を含むアクセスデバイス2570を示している。ハブ2571は、ハブ2571によって規定された管腔2575と流体連通するサイドポート2576をさらに含む。
図25Eに示される実施形態では、ハブ2571は、ハブ2571の管腔2575内に好適に置かれ、かつ/又はそれを通って延び、サイドポート2576を通って導入されたカテーテル2530を誘導するガイド構造2557を含む。
図25Eに示される実施形態では、ガイド構造2557は、例えば、三角形の内部ガイド構造であり得る。
【0153】
[0171] いくつかの実施形態では、内部ガイド構造2457及び2557(例えば、アクセスデバイス2470の円形内部ガイド構造2457及びアクセスデバイス2570の三角形内部ガイド構造2557)は、製造中にそれぞれのアクセスデバイス2470及び2570にそれぞれ含まれ得る(例えば、アクセスデバイスのハブと一体的に又はモノリシックに形成することができる)。そのような実施形態では、内部構造2470及び/又は2570は、挿入部材をそれぞれアクセスデバイス2470及び/又は2570(例えば、挿入デバイス290と同様の挿入デバイス)内に移動可能に配置することを許容し得る開口部、穴、開き口などを規定することができる。そのような実施形態では、開口部、穴、開き口などによって規定された軸は、ハブ2471及び/又は2571の中央管腔によって規定された軸、及び/又はハブ2471及び/又は2571のカテーテルの管腔によって規定された軸と実質的に同軸であり得る。ガイド構造2457及び2557は、それぞれ円形及び三角形として示されているが、他の実施形態では、アクセスデバイスは、任意の好適な多角形、楕円形、円形、及び/又は不規則な形状を有するガイド構造を含むことができる。
【0154】
[0172] いくつかの他の実施形態では、内部構造2470及び/又は2570は、使用前に、ユーザによって、それぞれアクセスデバイス2470及び/又は2570に取り付けられ、かつ/又は挿入されるように構成され得る。さらに他の実施形態では、(例えば、アクセスデバイス270を参照して上述したように)内部構造体2457及び/又は2557は、アクセスデバイス2470及び/又は2570のカテーテルを患者の静脈内に置き、カテーテルの配置を容易にするように構成されている挿入部材を取り外した後に、それぞれアクセスデバイス2470及び/又は2570に取付け及び/又は挿入することができる。そのような実施形態では、ハブ2471及び/又は2571は、(例えば、ハブ2471及び/又は2571のカテーテルを置いて、挿入部材を取り外した後に)作動して、内部ガイド構造2457及び/又は2557を目的の位置に置くことができるアクチュエータなどを含み得る。いくつかの実施形態では、そのようなアクチュエータは、手動で(例えば、ユーザによって)作動させるか、又は自動的に(例えば、ばね及び/又は同様のものを用いて)作動させることができる。
【0155】
[0173] アクセスデバイス2170、2270、2370、2470、及び/又は2570は、それぞれ、カテーテル2130、2230、2330、2430、及び/又は2530の前進を容易にするように改造された1つ以上の特徴を有するものとして上述されているが、他の実施形態では、アクセスデバイスを改造する必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテルを偏向又は誘導するためのアクセスデバイスのなんらかの改造なしに、サイドポートを用いたカテーテルの進入及びアクセスデバイスの遠位部分に向けたカテーテルの前進を許容できるように、カテーテルは、移動及び/又は再構成するために、事前に成形され、事前に応力が加えられ、事前に曲げられ、及び/又は本来ならば事前に配置され得る。
【0156】
[0174] いくつかの例では、閉鎖系デバイスは、流体移送デバイスをアクセスデバイス(例えば、留置アクセスデバイス)又はアクセスデバイスから延びる注入チュービング(例えば、アクセスデバイスのサイドポート)に追加することによって使用することができる。そのような場合、ユーザは、チュービング上のいずれかの所望の位置又は場所にポートを配置及び/又は結合することができ、次いで、新たに置かれたポートを用いて、流体移送デバイスをアクセスデバイスに結合することができる。そのような例では、ユーザは、例えば、流体移送デバイスとの結合に適合し得る長さのチュービングなどにポートを導入及び/又は形成するように構成されている1つ以上のポート配置デバイスを使用することができる。いくつかの実施形態では、ポート配置デバイスを使用して、別個の取り付け可能なポートをチュービングに取付けるか、又はクリップで留めることができる。ポート配置デバイスを使用して、アクセスデバイスのサイドポート又はその近くにポートを置き、かつ/又は形成することができ、ここに、本明細書に記載の流体移送デバイスのいずれかを結合することができる。そのようなポートを配置すると、流体移送デバイスをポートに結合することができ、次に、アクセスデバイスのサイドポートに結合することができ、それにより、流体移送デバイスが患者との間で体液を移送することが許容される。ポート配置デバイスを使用して、任意の好適なタイプのポートを既存のチュービング又は延長ラインに導入することができる。ポートのタイプの例には、ねじ付きカプラ(例えば、Luer Lok(商標)と同様)、スライド可能なカラー、1つ以上の係合部材、及び/又は任意の他の好適なカプラが含まれ得る。
【0157】
[0175]
図26及び
図27A~
図27Cは、ポート2665及び2765をそれぞれ、1本以上のチュービング2662及び2762上のいずれかの所望の場所上に、その中に、及び/又はその内部へ導入するように構成されているポート配置デバイス2661及び2761の例を示す。例えば、チュービング2662及び/又は2762は、留置アクセスデバイス(
図26及び/又は
図27A~
図27Cには図示せず)のサイドポートから延びる1本のチュービングであり得る。
図26に示されるように、ポート配置デバイス2661は、シェル2664、貫通部材2663(例えば、針)、及びポート2665を含み得る。ポート配置デバイス2661は、流体移送デバイスへの結合に好適なチュービング2662上へのポート2665の配置を助けることができる。いくつかの実施形態では、ポート2665は、例えば、Luer Lok(商標)(例えば、メス型ルアー)、スプリットセプタム、無針コネクタ、及び/又は任意の他の好適なポートであり得、かつ/又はそれらを含むことができる。したがって、上で詳述したように、流体移送デバイスをポート2665に結合することができ、流体移送デバイスのカテーテルをポート2665及びチュービング2662を通して、アクセスデバイス(図示せず)のサイドポートを通して、アクセスデバイス(図示せず)のカテーテルに向かって及び/又はそれを超えて前進させるように操作することができる。
【0158】
[0176]
図27Aに示されるように、ポート配置デバイス2761は、シェル2764、貫通部材2763、及びポート2765を含むことができる。ポート2765は、任意の好適なポート又はカプラ(例えば、ロック、スリップルアー、ロッキングルアー、クリップ、カプラ、スプリットセプタム、延長セット、アダプタ395などのアダプタ、鈍端カニューレアダプタ、及び/又は任意の他の好適な結合グデバイス)であり得る。したがって、上で詳述したように、流体移送デバイスをポート2765に結合することができ、流体移送デバイスのカテーテルをポート2765及びチュービング2762を通して、チュービング2762が結合されていないアクセスデバイスのサイドポートを通して(図示せず)、アクセスデバイス(図示せず)のカテーテルに向かって及び/又はそれを超えて前進させるように操作することができる。
【0159】
[0177]
図27B及び
図27Cは、開放構成におけるポート配置デバイス2761を示している。上記のように、ポート配置デバイス2761は、ロック又は掛け留め機構2766を備えたシェル2764(例えば、クラムシェル)、及び貫通部材2763(例えば、針)を含むことができる。クラムシェル2764は、掛け留め機構2766が係合しておらず、貫通部材2763がチュービング2762に係合及び/又は挿入されていない開放構成(
図27B及び
図27C)から、掛け留め機構2766が係合されておらず、貫通部材2763がチュービング2762の壁に係合及び/又は挿入されていない閉鎖構成に移行して、チュービング2762の管腔とポート2765との間に流体連通を形成する(
図27A)ように構成することができる。ポート配置デバイス2761は、任意の好適なサイズとすることができ、かつ/又はポート配置デバイス2761がポート2765を置くように構成されているチュービングと好適に一致するように任意の好適な内周を有することができ、これにより、ポート配置デバイス2761は、閉鎖構成に移行したときに、ポート2765をチュービング2762上の場所にロックし、チュービング2762とポート2765との間の相対的な移動を防止又は低減する。
【0160】
[0178] ポート配置デバイスの貫通部材は、チュービング全体を通って延びることなく、1本のチュービングの壁と係合するように任意の好適な方法で構成することができる。したがって、貫通部材は、チュービングの壁を貫通して、チュービングの管腔とポート配置デバイスのポートとの間に流体連通流路を形成することができる。貫通部材は、任意の好適な貫通角度を有することができ、かつ/又はチュービングの貫通を支援して所望のポートをそれに対して置き、かつ/又は結合するように構成されている任意の好適なテーパ、長さ、先端構成、及び/又は同様のものを有することができる。
【0161】
[0179] 例えば、
図28A~
図28Cは、3つの異なる実施形態によるポート配置デバイスに含まれる貫通部材2863、2963、及び3063の側面図である。貫通部材2863は、入射角及びテーパ状の先端又は貫通点を有し、テーパが入射角に沿っているように
図28Aに示されている。貫通部材2963は、貫通の先端又は点にテーパがない入射角を有するように
図28Bに示されている。さらに、貫通部材2963は、貫通部材2863の長さよりも長い長さを有することができる。加えて、貫通部材2963は、貫通部材2863の直径よりも小さい直径を有することができる。いくつかの例では、貫通部材の長さ、直径、及び/又はテーパは、ポート配置デバイスが結合されているチューブに少なくとも部分的に基づくことができ、かつ/又は配置されているポートに結合するように構成されている流体移送デバイスに少なくとも部分的に基づくことができる。貫通部材3063は、
図28Cに示すように、貫通角度が、例えば、貫通されるチューブの表面に対して、垂線又は垂直である入射角を持たない。
【0162】
[0180] 本明細書に記載のポート配置デバイスのいずれかの構成要素又は部分は、その1つ以上の構成要素の所望の硬度、デュロメータ、及び/又は剛性をもたらすことができる任意の好適な材料から形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも貫通部材2663、2763、2863、2963、及び/又は3063は、金属又は硬質プラスチックなどの実質的に硬質の材料から形成することができる。他の実施形態では、ポート配置デバイス及び/又はその一部分は、比較的柔軟な材料で形成することができ、これは、人間工学の向上及び/又はデバイスの全体的なサイズの縮小をもたらし得る。例えば、クラムシェル部分は、貫通されるチュービングの表面に好適に成形及び/又は接着するために、柔軟な材料から形成することができる。
【0163】
[0181] 使用する場合、ユーザはチューブ上の所望の場所又は位置を選択してポートを置くことができる。場所を選択すると、ユーザは、開放構成のときに、選択した場所にポート配置デバイスを置いて、ポート配置デバイスを開放構成から閉鎖構成に移行することができる。開放構成から閉鎖構成へのポート配置デバイスの移行は、ポート配置デバイスの貫通部材(例えば、貫通部材2663、2763、2863、2963、及び/又は3063)が、チュービングの管腔とポート配置デバイスに含まれるポートの管腔との間で流体連通を確立することができる貫通流路を形成するために、チュービングに挿入され、かつ/又は本来ならばそれに係合して置かれるようにすることができる。いくつかの実施形態では、閉鎖構成でポート配置デバイスを移行した後、ユーザは、掛け留め又はロック機構(例えば、ポート配置デバイス2761の機構2766)を係合させて、ポート配置デバイスを閉鎖構成でロックすることができる。いくつかの例では、流体移送デバイスを、次に、ポートに結合して、アクセスデバイスを用いて患者との間で流体を移送することができる。他の例では、任意の好適なチュービング、アダプタ、カプラ、ポート、流体制御デバイス、及び/又は同様のものをポートに結合することができる。
【0164】
[0182] いくつかの例では、本明細書に記載のポート配置デバイスのいずれかを使用して、1本のチュービングに沿ったいずれかの所望の場所にポートを追加することで、患者の治療のどの時点でも、任意の好適なデバイスを例えば留置アクセスデバイスのサイドポートに結合することができるという適応性が高まる。いくつかの例では、本明細書に記載されているポート配置デバイスのいずれかを使用することで、不適合のリスクなしに、また必要のないときには追加の延長ライン及び/又は他の複雑なものを必要とせずに、アクセスデバイス及び/又は流体移送デバイスとともに任意の好適なチュービング、チュービングの組み合わせ、及び/又はポート(複数可)を使用する適応性も許容される。いくつかの例では、本明細書に記載のポート配置デバイスのいずれかを使用すると、ヘルスケアを管理する機関(例えば、病院、診療所、緊急医療施設など)での在庫調達及び管理の適応性及び/又は簡素さが増す可能性もある。
【0165】
[0183]
図29は、一実施形態による、閉鎖系アクセスデバイスを備えた流体移送デバイスを使用する方法10を示すフローチャートである。閉鎖系アクセスデバイスは、本明細書に記載のアクセスデバイスのいずれかと実質的に同様であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、閉鎖系アクセスデバイスは、
図3~
図7を参照して上述したアクセスデバイス270と同様であり得る。いくつかの実装形態では、閉鎖系アクセスデバイスは、閉鎖系静脈内ラインであり得る。流体移送デバイスは、本明細書に記載の流体移送デバイスのいずれかであり得る。例えば、いくつかの実装形態では、流体移送デバイスは、
図3~
図7を参照して上述した流体移送デバイス210と実質的に同様であり得る。いくつかの実装形態では、流体移送デバイスは、上記の参照により組み込まれた’272特許、’247特許、及び/又は’344特許に記載されている流体移送デバイスのいずれかと同様又は実質的に同じであり得る。したがって、いくつかの例では、流体移送デバイスは、以下に説明するように、閉鎖系アクセスデバイスを用いて患者の体にアクセスし、体との間で流体を移送するために使用することができる。
【0166】
[0184] 方法10は、11において、閉鎖系静脈ラインのカテーテルが患者の体内に位置決めされ、挿入部材が閉鎖系静脈ラインから取り外された後に、流体移送デバイスのイントロデューサを閉鎖系静脈ラインのハブの近位ポートに結合することを含む。挿入部材は、例えば、静脈穿刺中に、閉鎖系静脈ラインのカテーテルを患者の静脈内に置くために使用される硬質の針であり得る。例えば、アクセスデバイス270を参照して上述したように、挿入部材は、ハブの近位ポートに結合し、近位ポート内のシールを通って延びる。挿入部材が閉鎖系静脈ラインから取り外されると、近位ポート内のシールは閉鎖状態に移行する。
【0167】
[0185] イントロデューサがハブの近位ポートに結合された結果、12において、近位ポートに含まれるシールは、閉鎖状態から開放状態に移行する。シールは、特定の実施形態に関して上記で詳細に説明したように、ハブの中央管腔と流体連通している開放状態にあるときの開口部を規定する。13において、イントロデューサが近位ポートに結合された状態で、流体移送デバイスのアクチュエータは、第1状態から第2状態に移行する。例えば、いくつかの実施形態では、アクチュエータは、
図5~
図7を参照して上述したアクチュエータ220と同様又は実質的に同じであり得る。アクチュエータは、イントロデューサに移動可能に結合され、流体移送デバイスのカテーテルに結合され、それにより、アクチュエータをイントロデューサに対して移動させることで、カテーテルをイントロデューサに対して移動させるように動作することができる。
【0168】
[0186] 方法10は、14において、流体移送デバイスのカテーテルを、カテーテルがイントロデューサ内に配置されている第1位置から、カテーテルの遠位端面が閉鎖系静脈ラインのカテーテルより遠位にあるような、カテーテルがシールを通って延びている第2位置に前進させることをさらに含む。例えば、アクチュエータを第1状態から第2状態に移行させることにより、カテーテルを第1位置から第2位置に前進させることができる。いくつかの例では、カテーテルが第2位置にあるとき、カテーテルは、シールが開放状態にあるときにシールによって規定された開口部を通って、ハブの中央管腔を通って、流体移送デバイスのカテーテルの少なくとも遠位端面が閉鎖系静脈内ラインのカテーテルの遠位端面を超えて患者の静脈内に配置されるように、閉鎖系静脈内ラインのカテーテルを通って延びることができる。いくつかの例では、カテーテルが第2位置にあるとき、流体移送デバイスを使用して、上記で詳細に説明したように、患者との間で流体を移送することができる。
【0169】
[0187] 様々な実施形態を上述したが、それらは、限定的なものではなく、例としてのみ提示されていることを理解されたい。例えば、特定の流体移送デバイス及びアクセスデバイスが本明細書に記載されているが、本明細書に記載されている概念は、提示されている物理的実施形態に限定されることを意図していないことを理解されたい。いくつかの実施形態では、流体移送デバイスは、上記の参照により組み込まれた’272特許、’247特許、及び/又は’344特許に記載されているもののいずれかと同様及び/又は同じであり得る。いくつかの実施形態では、移送デバイスは、’272特許、’247特許、及び/又は’344特許に記載されているデバイスのいずれかの1つ以上の部分又は部分の組み合わせと同様の1つ以上の部分を含み得る。
【0170】
[0188] 他の実施形態では、流体移送デバイスは、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成を有し得る。いくつかの実施形態では、アクセスデバイスは、例えば、末梢静脈カテーテルデバイス(PIV)などの任意の好適な市販のアクセスデバイス、より詳細には、任意の好適な「閉鎖系」PIVと同様及び/又は同じであってもよい。他の実施形態では、好適なアクセスデバイス(又はPIV)は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成を有してもよい。同様に、いくつかの実施形態では、アダプタなどは、アクセスデバイス(又はPIV)と流体移送デバイスとの間に結合され得る。そのような実施形態では、アダプタは、任意の好適なアダプタ(例えば、単一ポートアダプタ、Yアダプタ、Tアダプタなど)、拡張セット、カプラ、ポートなどであり得る。他の実施形態では、アダプタは、少なくとも形態及び/又は機能において、
図8を参照して上述したアダプタ395と実質的に同様であり得る。アクセスデバイスの一部は、患者の静脈に少なくとも部分的に挿入されるように記載されているが(例えば、アクセスデバイスはPIVであるか、又はそれと同様である)、アクセスデバイスは、ヒト又はヒト以外の患者の任意の好適な部分へのアクセスを提供するように構成することができることを理解すべきである。
【0171】
[0189] 実施形態が特に示され記載されてきたが、形態及び詳細の様々な変更が行われ得ることが理解されるであろう。例えば、移送デバイス200は、ロック240を含むものとして示されているが、他の実施形態では、移送デバイス200は、任意の好適なロック240、カプラ、及び/又は結合機構又は手段を含むことができる。いくつかの実施形態では、移送デバイス200は、ロック(例えば、ロック240)とモノリシックに、かつ/又は一体的に形成することができる。他の実施形態では、移送デバイス200は、ロック(例えば、ロック240)に結合(例えば、取り外し可能に結合)することができる。そのような実施形態では、ユーザは、いずれかの数の異なるスタイル又はタイプのロック及び/又はカプラ(例えば、ロック240、スリップルアーロック、ロッキングルアーロック、クリップ、カプラ、延長セット、アダプタ395のようなアダプタ、鈍端カニューレアダプタ、無針コネクタ、及び/又は任意の他の好適なデバイス)から所望のスタイルのロック又はカプラを選択することができる。したがって、本明細書に記載の流体移送デバイスは、少なくともいくつかの市販のアクセスデバイス、PIV、アダプタ、拡張セット、及び/又は同様のものとともに使用され得、かつ/又はそれらに適合し得る。
【0172】
[0190] 上述の概略図及び/又は実施形態が特定の配向又は位置に配置された特定の構成要素を示す場合、構成要素の配置は、変更され得る。様々な実施形態が特定の機構及び/又は構成要素の組み合わせを有するものとして説明されたが、本明細書に記載された実施形態のいずれかからの任意の機構及び/又は構成要素の組み合わせを有する他の実施形態が可能である。例えば、近位ポート473、573、673、773、873、及び973は、それぞれシール474、574、674、774、874、及び/又は974を具体的に含むものとして上述してきたが、他の実施形態では、近位ポートは、シール474、574、674、774、874、及び/又は974の任意の好適な組み合わせ、及び/又はそれらの構成要素及び/又は態様の任意の好適な組み合わせから形成され、かつ/又はそれらを含む1つ以上のシールを含むことができる。さらに、シール474、574、674、774、874、及び/又は974のいずれも、スプリットセプタム、無針弁、及び/又は任意のその他の好適な弁、シール、及び/又はコネクタなどの追加のシール部材と一緒に使用することができ、かつ/又はそれを含むことができる。
【0173】
[0191] 様々な構成要素の特定の構成も、変更することができる。例えば、様々な構成要素のサイズ及び特定の形状は、本明細書に記載された機能を依然として提供しながら、示される実施形態とは異なることができる。より具体的には、様々な構成要素のサイズ及び形状は、所望の、又は意図された使用のために特に選択されることができる。したがって、実施形態及び/又はその構成要素のサイズ、形状、及び/又は配置は、文脈が他の場合を明確に述べていない限り、所与の用途に適合できることを理解されたい。
【0174】
[0192] 本明細書に示され、説明される実施形態の態様及び/又は特徴のいずれかは、その性能を促進及び/又は影響するように変更することができる。例えば、いくつかの例では、流体移送デバイスを、患者の皮膚の表面に対して所定の角度で位置決めすることが望ましい場合がある。そのような場合、本明細書に記載のアクセスデバイスのいずれかを形成して、ポート又はカプラを所望の位置に置き、流体移送デバイスがそれに結合されたときに所望の角度で置かれるようにすることができる。別の例として、移送デバイス及び/又はアクセスデバイスの構成要素のいずれかは、その構成要素の所望の硬度、デュロメータ、及び/又は剛性をもたらすことができる任意の好適な材料から形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ロック240の少なくとも吻242は、金属又は硬質プラスチックなどの実質的に硬質の材料から形成することができる。そのような実施形態では、実質的に硬質の材料から少なくとも吻242を形成することは、吻242がアクセスデバイス内に少なくとも部分的に配置されたときに、吻242によってアクセスデバイス(又は少なくともその所望のポート)に提供される構造的支持を増大させることができる。同様に、吻242は、カテーテル230がカテーテル230をそこ通って動かされるときに、カテーテル230に支持を提供することができ、かつ/又は本来ならばそれを誘導することができる。他の実施形態では、アクセスデバイス(例えば、PIVなど)及び/又はその一部分は、比較的柔軟な材料で形成することができ、これは、人間工学の向上及び/又はデバイスの全体的なサイズの縮小をもたらし得る。
【0175】
[0193] 吻242は、特定のサイズ及び/又は形状を有するものとして上に示され、説明されているが、他の実施形態では、ロックは、任意の好適な長さ(例えば、吻242より長い又は短い)、幅(例えば、吻242より吻242よりも広い又は狭い)、及び/又は形状(例えば、湾曲、テーパ、張り出しなど)を有する吻を含むことができる。いくつかの実施形態では、口吻は、1つ以上のねじ、フライト(例えば、オーガフライト)、リブ、溝、及び/又は同様のものなどの表面仕上げ又は特徴を有することができる。いくつかの実施形態では、吻242は、アクセスデバイス及び/又は吻が挿入されるその少なくともポートの1つ以上の内部寸法に関連し、かつ/又は少なくとも部分的に基づいた直径及び/又は長さを有することができる。いくつかの実施形態では、吻242は、アクセスデバイス内に配置され、移送デバイスが結合されているポートを本来ならば阻害、封止、及び/又は閉塞するシール、弁、及び/又は閉塞部材に関連するサイズ、形状、及び/又は構成を有することができる。したがって、吻242の配置は、移送デバイス200がアクセスデバイス(例えば、アクセスデバイス270)に結合されたときに、吻242がシール(例えば、シール274)を閉鎖状態又は封止状態から、移送デバイス200のカテーテル230をアクセスデバイスの管腔275内及び/又はそれを通って前進することを許容するように構成されている開放状態に移行させるようにすることができる。
【0176】
[0194] 図示されていないが、本明細書に記載されているいずれの閉鎖系アクセスデバイスも、例えば、最初の静脈穿刺イベントから生じる第1量の血液(例えば、血液のプレサンプル)を受容するように構成されているフラッシュチャンバなどを含み、かつ/又はそれに結合することができる。いくつかの実施形態では、フラッシュチャンバは、例えば、挿入デバイス290の本体291内に配置されて、第1量の血液を受容することができる。そのような実施形態では、第1量の血液は、例えば、スポンジシールなどの一方向シールを通ってフラッシュチャンバに流れることができる。シールの配置は、シールが(例えば、血液で)濡れると、第1量の血液の流れが停止するようにすることができる。
【0177】
[0195] 上記の方法及び/又は概略図が特定の順序で発生する特定のイベント及び/又はフローパターンを示す場合、特定のイベント及び/又はフローパターンの順序は変更され得る。追加的に、特定のイベントは、可能な場合は並行プロセスで同時に実施することも、順次実施することもできる。
【0178】
[0196] 本明細書に記載されている実施形態は、様々な設定(ER、入院患者など)で使用することができるが、例として、「閉鎖系」PIVを用いて患者からサンプル量の血液を引き出すという以下のシナリオは、例として提供される。いくつかの例では、例えば、本明細書に記載のPIV170及び/又は270などの末梢静脈ライン及び/又はカテーテル(PIV)が、標準的なガイドラインに従って患者の静脈に挿入され、カテーテルが静脈内に位置決めされると、挿入デバイス(例えば、硬質針、トロカール、及び/又は同様のもの)をPIVから引き抜くことができ、それにより、PIVカテーテルを静脈内に配置したままにすることができる。PIVは、長期間静脈内に留まることができ、患者への体液(例えば、生理食塩水、血液、薬物化合物など)の移送のために静脈へのアクセスを提供することができる。採血の時間になったら、ユーザ(例えば、看護師、医師、静脈穿刺専門家、及び/又は同様の者)は、体液を移送している場合は、患者への体液の移送を約1~5分間停止して、体液が採血部位から分散するのを許容することができる。血液サンプルを採取するために、ユーザは、移送デバイス(例えば、移送デバイス100及び/又は200)を、拡張セット及び/又はアダプタのポート及び/又は好適な部分に取り付ける。本明細書で詳細に説明するように、いくつかの例では、移送デバイスの一部分をPIV内及び/又はそれを通して前進させることを許容するために、PIVのシールなどを閉鎖状態から開放状態に移行させるように、移送デバイスのPIVへの結合を行うことができる。結合後、ユーザは、移送デバイスを第1構成(例えば、収納構成)から、移送デバイスに含まれるカテーテルの一部分が末梢IVを通って静脈内に延びている第2構成に移行させる。
【0179】
[0197] 上記の参照により組み込まれた’344特許に詳細に記載されているように、移送デバイスが第2構成にあるときに、カテーテルの端部をPIVのカテーテルの端又は端部から所定及び/又は所望の距離に配置して、カテーテルを、妨げられない、かつ/又は阻害されない血流を受容する静脈の部分と流体連通した状態に置くことができる。例えば、カテーテルの端部は、静脈との流体連通において、PIVの端部及び少なくとも1つの分枝血管、弁、及び/又は同様のものに対して遠位の位置にあり得る。カテーテルが所望の位置にあると、ユーザは、1つ以上の陰圧収集容器、チューブ、及び/又は注射器を移送デバイスに取り付けて、ある量の血液を抽出することができる。
【0180】
[0198] いくつかの例では、患者から抽出された血液量は、その後のサンプル血液量とは別に廃棄及び/又は少なくとも一時的に保管することができる第1血液量とすることができる(例えば、典型的には約1~3ミリリットル(mL)の量であるが、最大8~10mLの血液を「廃棄」又は「プレサンプル」量とすることができる)。場合によっては、廃棄物の量は、汚染物質、分散されていない残留流体、及び/又は同様のものを含み得る。廃棄物量の収集後、ユーザは、1つ以上の陰圧容器(例えば、サンプル容器)及び/又は注射器を移送デバイスに結合して、所望の血液サンプル量を収集することができる。サンプル量が収集されると、移送デバイスは、第2構成から第1構成及び/又は第3構成(例えば、「使用済み」構成)に移行することができる。次に、移送デバイスをPIV、拡張セット、及び/又はアダプタから切り離して、安全に廃棄することができる。いくつかの例では、サンプル量を収集した後、転送デバイスを第2構成から移行する前に、例えば、廃棄物又はプレサンプル量を静脈に再注入することができる。