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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】リーン車両
(51)【国際特許分類】
   B62K 5/10 20130101AFI20241219BHJP
   B62J 15/00 20060101ALI20241219BHJP
   B62J 25/00 20200101ALI20241219BHJP
   B62J 50/26 20200101ALI20241219BHJP
   B62K 5/05 20130101ALI20241219BHJP
【FI】
B62K5/10
B62J15/00 C
B62J25/00
B62J50/26
B62K5/05
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021529164
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(86)【国際出願番号】 JP2020025855
(87)【国際公開番号】W WO2021002391
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2021-12-20
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-06
(31)【優先権主張番号】P 2019123219
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(72)【発明者】
【氏名】倉掛 元仁
(72)【発明者】
【氏名】内山 克弘
【合議体】
【審判長】草野 顕子
【審判官】小岩 智明
【審判官】横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/216727(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/098284(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0176384(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0297493(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106394763(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 6/04, 6/20,15/00,25/00,50/26
B62K 5/05, 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームと、
前記車体フレームの左右方向において、前記車体フレームの左に位置する左前輪と、
前記車体フレームの左右方向において、前記車体フレームの右に位置する右前輪と、
前記車体フレームを前後方向に見て、前記左前輪及び前記右前輪の間に位置し、且つ、前記車体フレームの前後方向において、前記左前輪及び前記右前輪よりも後ろに位置する後輪と、
前記車体フレームの前部に支持され、前記車体フレームの左右方向において左及び右の傾斜を許容するリンク機構と、
運転者の左足が載置される左足載置面を有し、前記左前輪の後方に少なくとも一部が位置し、前記リンク機構の左部または右部の一方に荷重を伝達可能なように連結される左フートステップ部と、
前記運転者の右足が載置される右足載置面を有し、前記右前輪の後方に少なくとも一部が位置し、前記リンク機構の前記左部または前記右部の他方に荷重を伝達可能なように連結される右フートステップ部と、
を備え、
左に旋回する際には左に傾斜し、右に旋回する際には右に傾斜するリーン車両であって、
前記車体フレームの後部に支持され、前記後輪の上部の少なくとも一部を覆うリアフェンダーを含まない後部装備品をさらに備え、
前記後部装備品は、
前記リンク機構の前記左部または前記右部の前記一方に荷重を伝達可能なように連結される前記左フートステップ部の後端と前記後部装備品の前端との前後方向の距離が、前記左フートステップ部の前後方向の長さの半分よりも大きく、且つ、前記リンク機構の前記左部または前記右部の前記他方に荷重を伝達可能なように連結される前記右フートステップ部の後端と前記後部装備品の前端との前後方向の距離が、前記右フートステップ部の前後方向の長さの半分よりも大きくなるように位置し、
前記リンク機構の前記左部または前記右部の前記一方に荷重を伝達可能なように連結される前記左フートステップ部の左足載置面に対する前記後部装備品の上端の上下方向の高さが、地面に対する前記左フートステップ部の左足載置面の上下方向の高さよりも低く、且つ、前記リンク機構の前記左部または前記右部の前記他方に荷重を伝達可能なように連結される前記右フートステップ部の右足載置面に対する前記後部装備品の上端の上下方向の高さが、地面に対する前記右フートステップ部の右足載置面の上下方向の高さよりも低くなるように位置し、
前記リーン車両を後ろから見て、前記リンク機構の前記左部または前記右部の前記一方に荷重を伝達可能なように連結される前記左フートステップ部の左右方向中央と前記リンク機構の前記左部または前記右部の前記他方に荷重を伝達可能なように連結される前記右フートステップ部の左右方向中央との間に位置する、リーン車両。
【請求項2】
請求項1に記載のリーン車両において、
前記車体フレームに対して前記リアフェンダー及び前記後部装備品の少なくとも一方を支持するリア部材支持部をさらに備える、リーン車両。
【請求項3】
請求項2に記載のリーン車両において、
前記後部装備品の上端は、前記リアフェンダーの上端よりも低い、リーン車両。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載のリーン車両において、
前記後部装備品は、ライセンスプレートを支持するライセンスプレート支持ブラケット、反射部及び灯火器の少なくとも一つを含む、リーン車両。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載のリーン車両において、
作動状態では前記リンク機構の左及び右の傾斜を抑制し、且つ、非作動状態では前記リンク機構の左及び右の傾斜を抑制しないように、作動状態及び非作動状態を変更可能な傾斜抑制機構をさらに備える、リーン車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーン車両に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者が左フートステップ部に左足を載せるとともに右フートステップ部に右足を載せて乗車する立ち乗り型のリーン車両が知られている。このようなリーン車両として、例えば非特許文献1には、ライセンスプレート、テールランプ及び方向指示器が車両の後部中央に設けられた2輪車両が開示されている。
【0003】
前記非特許文献1の2輪車両では、左フートステップ部及び右フートステップ部は、ぞれぞれ、車両前後方向において前輪と後輪との間に位置し且つ車体フレームに固定されている。
【0004】
また、前記非特許文献1の2輪車両では、ライセンスプレート、テールランプ及び方向指示器は、リアフレームから上に向かって延びるフレームに取り付けられている。そのため、前記ライセンスプレート、前記テールランプ及び前記方向指示器は、後輪の車軸よりも上に位置する。
【0005】
特許文献1には、車体フレームと、左前輪及び右前輪と、前記左前輪及び前記右前輪よりも上に位置し、前記車体フレームに対する前記左前輪及び前記右前輪の相対位置を変更して前記車体フレームを前記車両の左または右に傾斜させるように構成されているリンク機構とを備えた車両が開示されている。前記リンク機構は、左右方向に延びる上クロス部材及び下クロス部材と、前記上クロス部材及び前記下クロス部材の右端部を回転可能に支持する右サイド部材と、前記上クロス部材及び前記下クロス部材の左端部を回転可能に支持する左サイド部材とを含んでいる。前記上クロス部材及び前記下クロス部材の中間部は、ステアリングシャフトの前で車体フレームに支持されている。
【0006】
前記上クロス部材及び前記下クロス部材は、車体フレームのほぼ前後方向に延びる軸線回りに回転可能に前記車体フレームに支持されている。前記上クロス部材及び前記下クロス部材は、前記車体フレームの傾斜に連動して、前記車体フレームに対して回転し、前記車体フレームの上下方向における2つの前輪の相対位置が変化する。前記上クロス部材及び前記下クロス部材は、前記車体フレームが直立状態において2つの前輪よりも車体フレームの上下方向の上方に設けられている。
【0007】
また、特許文献1に開示された車両は、車両に搭乗する運転者の左足が載置される左足置き面及び当該運転者の右足が載置される右足置き面を備えており、前記左足置き面及び前記右足置き面の一方を通じてリンク機構の左部に荷重を伝達可能に構成されており、且つ、前記左足置き面及び前記右足置き面の他方を通じて前記リンク機構の右部に荷重を伝達可能に構成されている荷重伝達機構を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開2018/216727号公報
【非特許文献】
【0009】
【文献】“glafit[プレスリリース]”、glafit株式会社、[令和2年6月12日検索]、インターネット(https://glafit.com/news/pr20200528)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、前記特許文献1に開示されている車両では、運転者は、左足載置部(左フートステップ部)上に左足を載せるとともに、右足載置部(右フートステップ部)上に右足を載せた状態で、車両の運転を開始する。
【0011】
したがって、左前輪及び右前輪を有する車両において、前記左フートステップ部上に左足を容易に載せられるとともに、前記右フートステップ部上に右足を容易に載せられる構成が求められている。
【0012】
本発明は、左前輪及び右前輪を有するリーン車両において、左フートステップ部上に左足を容易に載せられるとともに、右フートステップ部上に右足を容易に載せられる構成を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、左前輪及び右前輪を有するリーン車両において、左フートステップ部上に左足を容易に載せられるとともに、右フートステップ部上に右足を容易に載せられる構成について検討した。
【0014】
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下のような構成に想到した。
【0015】
本発明の一実施形態に係るリーン車両は、車体フレームと、前記車体フレームの左右方向において、前記車体フレームの左に位置する左前輪と、前記車体フレームの左右方向において、前記車体フレームの右に位置する右前輪と、前記車体フレームを前後方向に見て、前記左前輪及び前記右前輪の間に位置し、且つ、前記車体フレームの前後方向において、前記左前輪及び前記右前輪よりも後ろに位置する後輪と、前記車体フレームの前部に支持され、前記車体フレームの左右方向において左及び右の傾斜を許容するリンク機構と、運転者の左足が載置される左足載置面を有し、前記左前輪の後方に少なくとも一部が位置する左フートステップ部と、前記運転者の右足が載置される右足載置面を有し、前記右前輪の後方に少なくとも一部が位置する右フートステップ部と、を備え、左に旋回する際には左に傾斜し、右に旋回する際には右に傾斜するリーン車両である。このリーン車両は、前記車体フレームの後部に支持され、前記後輪の上部の少なくとも一部を覆うリアフェンダーを含まない後部装備品(Rear equipment)をさらに備える。前記後部装備品は、前記左フートステップ部の後端と前記後部装備品の前端との前後方向の距離が、前記左フートステップ部の前後方向の長さの半分よりも大きく、且つ、前記右フートステップ部の後端と前記後部装備品の前端との前後方向の距離が、前記右フートステップ部の前後方向の長さの半分よりも大きくなるように位置する。前記後部装備品は、前記左フートステップ部の左足載置面に対する前記後部装備品の上端の上下方向の高さが、地面に対する前記左フートステップ部の左足載置面の上下方向の高さよりも低く、且つ、前記右フートステップ部の右足載置面に対する前記後部装備品の上端の上下方向の高さが、地面に対する前記右フートステップ部の右足載置面の上下方向の高さよりも低くなるように位置する。前記後部装備品は、リーン車両を後ろから見て、前記左フートステップ部の左右方向中央と前記右フートステップ部の左右方向中央との間に位置する。
【0016】
上述のリーン車両に運転者が乗車する際には、運転者は、前記リーン車両に後ろから乗車する。運転者が前記リーン車両に後ろから乗車する際に、運転者は、前記リーン車両の後輪に対して左右の位置に、運転者の足を配置する必要がある。そのため、前記リーン車両の後輪に対して左右の位置に、運転者の足を配置可能なスペースを確保する必要がある。
【0017】
これに対し、上述の構成では、後部装備品は、左フートステップ部及び右フートステップ部に対して前後方向に離れた位置に位置し、且つ、前記リーン車両を後ろから見て、前記左フートステップ部の左右方向中央と前記右フートステップ部の左右方向中央との間に位置する。これにより、後輪に対して左右の位置に、運転者の足を配置するスペースを確保することができる。
【0018】
しかも、前記左フートステップ部の左足載置面に対する前記後部装備品の上端の上下方向の高さは、地面に対する前記左フートステップ部の左足載置面の上下方向の高さよりも低く、且つ、前記右フートステップ部の右足載置面に対する前記後部装備品の上端の上下方向の高さは、地面に対する前記右フートステップ部の右足載置面の上下方向の高さよりも低い。これにより、運転者が前記リーン車両に乗車する際に、前記後部装備品が邪魔するのを防止できる。
【0019】
したがって、左前輪及び右前輪を有するリーン車両において、左フートステップ部上に左足を容易に載せられるとともに、右フートステップ部上に右足を容易に載せられる構成を得ることができる。
【0020】
前記後部装備品は、例えば、ライセンスプレートを支持するライセンスプレート支持ブラケット、反射部、灯火器などのリーン車両の後部に設けられる部品を意味する。
【0021】
他の観点によれば、リーン車両は、以下の構成を含むことが好ましい。リーン車両は、前記車体フレームに対して前記リアフェンダー及び前記後部装備品の少なくとも一方を支持するリア部材支持部をさらに備える。
【0022】
これにより、車体フレームに対して、リアフェンダー及び後部装備品の少なくとも一方を支持することができる。よって、リーン車両の後部にリアフェンダー及び後部装備品が配置されている構成を容易に実現できる。
【0023】
他の観点によれば、リーン車両は、以下の構成を含むことが好ましい。前記後部装備品の上端は、前記リアフェンダーの上端よりも低い。
【0024】
これにより、運転者がリーン車両に乗車する際に、前記運転者の足が後部装備品に接触して該後部装備品が邪魔するのを防止できる。
【0025】
他の観点によれば、リーン車両は、以下の構成を含むことが好ましい。前記後部装備品は、ライセンスプレートを支持するライセンスプレート支持ブラケット、反射部及び灯火器の少なくとも一つを含む。
【0026】
これにより、車両後部にライセンスプレートを支持するライセンスプレート支持ブラケット、反射部及び方向指示器が配置されたリーン車両において、左フートステップ部上に左足を容易に載せられるとともに、右フートステップ部上に右足を容易に載せられる構成を得ることができる。
【0027】
他の観点によれば、リーン車両は、以下の構成を含むことが好ましい。リーン車両は、作動状態では前記リンク機構の左及び右の傾斜を抑制し、且つ、非作動状態では前記リンク機構の左及び右の傾斜を抑制しないように、作動状態及び非作動状態を変更可能な傾斜抑制機構をさらに備える。これにより、傾斜抑制機構の作動状態、すなわちリンク機構の傾斜を前記傾斜抑制機構によって抑制した状態で、運転者はリーン車両に乗車することができる。よって、運転者は、前記リーン車両に容易に乗車することができる。
【0028】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施例のみを定義する目的で使用されるのであって、前記専門用語によって発明を制限する意図はない。
【0029】
本明細書で使用される「及び/または」は、一つまたは複数の関連して列挙された構成物のすべての組み合わせを含む。
【0030】
本明細書において、「含む、備える(including)」、「含む、備える(comprising)」または「有する(having)」及びそれらの変形の使用は、記載された特徴、工程、要素、成分、及び/または、それらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/または、それらのグループのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0031】
本明細書において、「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」、及び/または、それらの等価物は、広義の意味で使用され、“直接的及び間接的な”取り付け、接続及び結合の両方を包含する。さらに、「接続された」及び「結合された」は、物理的または機械的な接続または結合に限定されず、直接的または間接的な接続または結合を含むことができる。
【0032】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0033】
一般的に使用される辞書に定義された用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0034】
本発明の説明においては、いくつもの技術及び工程が開示されていると理解される。これらの各々は、個別の利益を有し、他に開示された技術の1つ以上、または、場合によっては全てと共に使用することもできる。
【0035】
したがって、明確にするために、本発明の説明では、不要に個々のステップの可能な組み合わせをすべて繰り返すことを控える。しかしながら、本明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせがすべて本発明の範囲内であることを理解して読まれるべきである。
【0036】
本明細書では、本発明に係るリーン車両の実施形態について説明する。
【0037】
以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な例を述べる。しかしながら、当業者は、これらの具体的な例がなくても本発明を実施できることが明らかである。
【0038】
よって、以下の開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面または説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【0039】
[リーン車両]
本明細書において、リーン車両とは、傾斜姿勢で旋回する車両である。具体的には、リーン車両は、左に旋回する際に左に傾斜し、右に旋回する際に右に傾斜する車両である。リーン車両は、一人乗りの車両であってもよいし、複数人が乗車可能な車両であってもよい。
【0040】
[フートステップ部の後端と後部装備品の前端との前後方向の距離]
本明細書において、フートステップ部の後端と後部装備品の前端との前後方向の距離とは、リーン車両の前後方向において、左フートステップ部の前後方向の後端と前記後部装備品の前端との距離、または、右フートステップ部の前後方向の後端と前記後部装備品の前端との距離を意味する。前記フートステップ部の後端と前記後部装備品の前端との前後方向の距離は、運転者がリーン車両に乗車する際に、運転者が足を置くためのスペースを確保できる距離である。後部装備品の前端は、後部装備品が複数の部品を含む場合には、それらの部品のうち最も前に位置する部品の前端である。
【0041】
[フートステップ部の載置面に対する後部装備品の上端の上下方向の高さ]
本明細書において、フートステップ部の足載置面に対する後部装備品の上端の上下方向の高さは、リーン車両の上下方向において、左フートステップ部の左足載置面と前記後部装備品の上端との距離、または、右フートステップ部の右足載置面と前記後部装備品の上端との距離を意味する。後部装備品の上端は、後部装備品のうち、運転者がリーン車両に乗車する際に前記運転者の足が通過する領域の下に位置する部分の上端を意味する。なお、後部装備品が複数の部品を含む場合には、運転者がリーン車両に乗車する際に前記運転者の足が通過する領域の下に位置する部分で最も上に位置する部分の上端を意味する。
【0042】
[地面に対するフートステップ部の足載置面の上下方向の高さ]
本明細書において、地面に対するフートステップ部の足載置面の上下方向の高さは、リーン車両の上下方向において、リーン車両が位置する地面と左フートステップ部の左足載置面との距離、または、リーン車両が位置する地面と右フートステップ部の右足載置面との距離、を意味する。
【0043】
[後輪の上部]
本明細書において、後輪の上部は、後輪において、該後輪の回転中心である車輪軸よりも上の部分を意味する。
【0044】
[灯火器]
本明細書において、灯火器は、発光可能な装備品を意味する。灯火器は、ウィンカ、テールライト、ストップライト、ライセンスプレートライトなどを含む。灯火器は、リーン車両の後ろに位置する路面に画像を映し出すレーザー描写装置を含んでもよい。
【0045】
[反射部]
本明細書において、反射部は、光を反射可能な装備品を意味する。反射部は、リーン車両の後ろから入射される光を反射するリフレクタ、リーン車両の左または右から入射される光を反射するサイドリフレクタなどを含む。
【発明の効果】
【0046】
本発明の一実施形態によれば、左前輪及び右前輪を有するリーン車両において、左フートステップ部上に左足を容易に載せられるとともに、右フートステップ部上に右足を容易に載せられる構成が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1図1は、実施形態に係るリーン車両の全体構成の概略を示す左側面図である。
図2図2は、メインフレームカバーを外した状態のリーン車両の概略構成を示す左側面図である。
図3図3は、リーン車両を前から見た場合の車両前部の構成を示す正面図である。
図4図4は、リーン車両の概略構成を示す上面図である。
図5図5は、リーン車両の概略構成を示す背面図である。
図6図6は、左に傾斜した状態のリーン車両の概略構成を示す正面図である。
図7図7は、左に傾斜した状態のリーン車両の概略構成を示す背面図である。
図8図8は、右前から見たリーン車両の概略構成を示す斜視図である。
図9図9は、右後ろから見たリーン車両の概略構成を示す斜視図である。
図10図10は、リーン車両の背面図と上面図とを並べて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下で、実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同一部分には同一の符号を付して、その同一部分の説明は繰り返さない。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0049】
以下、図中の矢印Fは、リーン車両1の前方向を示す。図中の矢印Bは、リーン車両1の後方向を示す。図中の矢印Uは、リーン車両1の上方向を示す。図中の矢印Dは、リーン車両1の下方向を示す。図中の矢印Rは、リーン車両1の右方向を示す。図中の矢印Lは、リーン車両1の左方向を示す。また、リーン車両1の前後方向、左右方向及び上下方向は、それぞれ、リーン車両1を運転する運転者から見た場合に、リーン車両1を基準とした前後方向、左右方向及び上下方向を意味する。
【0050】
本実施形態のリーン車両1は、鉛直方向に対して車体フレームを左右方向に傾斜させて旋回する。そのため、上述の車両を基準とした方向に加え、車体フレームを基準とした方向を以下のように定める。図中の矢印FFは、車体フレームの前方向を示す。図中の矢印FBは、車体フレームの後方向を示す。図中の矢印FUは、車体フレームの上方向を示す。図中の矢印FDは、車体フレームの下方向を示す。図中の矢印FRは、車体フレームの右方向を示す。図中の矢印FLは、車体フレームの左方向を示す。また、車体フレームの前後方向、左右方向及び上下方向は、それぞれ、リーン車両を運転する乗員から見た場合に、車体フレームを基準とした前後方向、左右方向及び上下方向を意味する。
【0051】
(全体構成)
図1は、実施形態に係るリーン車両1の全体構成の概略を示す左側面図である。図2は、リーン車両1において、メインフレームカバー25を外した状態を示す左側面図である。リーン車両1は、車両本体2と、左右一対の前輪3と、後輪4と、リンク機構5と、操舵機構6と、傾斜抑制機構7と、荷重伝達機構8とを備えている。すなわち、この実施形態におけるリーン車両1は、左右一対の前輪3を有する3輪車である。また、リーン車両1は、左に旋回する際に左に傾斜し、右に旋回する際に右に傾斜する車両である。
【0052】
なお、リーン車両1には、運転者が着座するシートが設けられていない。すなわち、リーン車両1は、運転者が立った状態で乗車する、いわゆる立ち乗り車両である。また、リーン車両1には、後輪4を支持するリアアームが設けられていない。リーン車両1の後輪4は、後述の車体フレーム21によって支持されている。また、リーン車両1には、前輪3及び後輪4を変位可能に弾性支持する緩衝装置が設けられていない。リーン車両1の前輪3及び後輪4は、後述の車体フレーム21に対して緩衝装置を介さずに支持されている。
【0053】
車両本体2は、車体フレーム21と、パワーユニット22とを備えている。図1及び図2において、車体フレーム21は直立状態である。以下の説明において、図1または図2を参照する場合には、車体フレーム21は直立状態を前提としている。なお、車体フレーム21が直立状態とは、車体フレーム21の上下方向が鉛直方向と同じ状態を意味する。
【0054】
図2に示すように、車体フレーム21は、パワーユニット22等を支持している。車体フレーム21は、ヘッドパイプ211と、メインフレーム212とを備えている。
【0055】
ヘッドパイプ211は、リーン車両1の前部に位置する。リーン車両1を左から見て、ヘッドパイプ211の上部は、車体フレーム21の前後方向において、ヘッドパイプ211の下部よりも後ろに位置する。ヘッドパイプ211の周囲には、リンク機構5が配置されている。ヘッドパイプ211には、後述のステアリングシャフト652が回転可能に挿入されている。
【0056】
メインフレーム212は、ヘッドパイプ211に接続されている。メインフレーム212は、車体フレーム21の前後方向において、ヘッドパイプ211よりも後ろに位置する。メインフレーム212は、パワーユニット22を支持している。メインフレーム212の後端部は、後輪4を、車輪軸41を中心として回転可能に支持している。図1に示すように、メインフレーム212は、メインフレームカバー25によって覆われている。メインフレームカバー25は、メインフレーム212に支持されている。メインフレームカバー25は、樹脂製の部材である。
【0057】
図2に示すように、メインフレーム212は、アッパーフレーム213と、アンダーフレーム214とを備えている。
【0058】
アッパーフレーム213は、車体フレーム21を左から見て、ヘッドパイプ211から後輪4に向かって、車体フレーム21の前後方向における後ろ且つ車体フレーム21の上下方向における下に延びている。アッパーフレーム213の後端部は、後輪4の左右にそれぞれ位置するように2つに分岐されている。すなわち、アッパーフレーム213は、後輪4の左に位置するアッパーフレーム左後端部213a及び後輪4の右に位置するアッパーフレーム右後端部213bを有する。アッパーフレーム左後端部213a及びアッパーフレーム右後端部213bは、後述のアンダーフレーム左後端部214c及びアンダーフレーム右後端部214dとともに、後輪4を支持する。パワーユニット22は、アッパーフレーム213に支持されている。
【0059】
アンダーフレーム214は、アンダーフレーム前部214aと、アンダーフレーム後部214bとを有する。アンダーフレーム前部214aは、車体フレーム21を左から見て、ヘッドパイプ211から車体フレーム21の前後方向における後ろ且つ車体フレーム21の上下方向における下に延びている。アンダーフレーム前部214aの前端部は、ヘッドパイプ211に接続されている。
【0060】
アンダーフレーム後部214bは、車体フレーム21の前後方向において、アンダーフレーム前部214aの後端部から後ろに延びている。アンダーフレーム後部214bの後端部は、後輪4の左右にそれぞれ位置するように2つに分岐されている。すなわち、アンダーフレーム後部214bは、後輪4の左に位置するアンダーフレーム左後端部214c及び後輪4の右に位置するアンダーフレーム右後端部214dを有する。
【0061】
アンダーフレーム左後端部214cは、アッパーフレーム左後端部213aに接続されている。このようにアンダーフレーム左後端部214c及びアッパーフレーム左後端部213aが接続されることにより、メインフレーム左後端部212aが構成される。アンダーフレーム右後端部214dは、アッパーフレーム右後端部213bに接続されている。このようにアンダーフレーム右後端部214d及びアッパーフレーム右後端部213bが接続されることにより、メインフレーム右後端部212bが構成される。メインフレーム左後端部212a及びメインフレーム右後端部212bは、後輪4を支持する。
【0062】
このように、メインフレーム212がアッパーフレーム213及びアンダーフレーム214を有することにより、メインフレーム212の強度及び剛性を向上することができる。なお、メインフレームにおける車体フレームの上下方向の高さをより低くする場合には、メインフレームはアンダーフレームのみを有していてもよい。
【0063】
図3は、リーン車両1の前部を前から見た正面図である。図3において、車体フレーム21は、直立状態である。以下の説明において、図3を参照する場合には、車体フレーム21は直立状態を前提としている。
【0064】
図1から図3に示すように、左右一対の前輪3は、車体フレーム21の上下方向において、ヘッドパイプ211及びリンク機構5よりも下に位置する。図2に示すように、左右一対の前輪3は、後述する左懸架部61及び右懸架部62によって、支持されている。
【0065】
図1及び図2に示すように、後輪4は、車体フレーム21を前後方向に見て、左前輪31及び右前輪32の間に位置し、且つ、車体フレーム21の前後方向において、左前輪31及び右前輪32よりも後ろに位置する。
【0066】
パワーユニット22は、リーン車両1を走行させる駆動力を発生する。図2に示すように、パワーユニット22は、車体フレーム21の前後方向において、後輪4の車輪軸41よりも前に位置する。パワーユニット22は、車体フレーム21に固定されている。パワーユニット22は、図示しないモータ及びバッテリ221を含む。本実施形態では、前記モータは、後輪4のホイール4a内に配置されている。前記モータには、車体フレーム21のアッパーフレーム213に固定されたバッテリ221から電力が供給される。
【0067】
図3に示すように、左右一対の前輪3は、左前輪31と、右前輪32とを含む。左前輪31は、車体フレーム21の左右方向において、車体フレーム21の一部であるヘッドパイプ211よりも左に位置する。右前輪32は、車体フレーム21の左右方向において、ヘッドパイプ211よりも右に位置する。すなわち、左前輪31及び右前輪32は、車体フレーム21の左右方向に並んで位置する。
【0068】
図3に示すように、左前輪31は、左懸架部61に接続されている。詳しくは、左前輪31は、左懸架部61の下部に接続されている。左前輪31は、左懸架部61に、左車軸311を中心として回転可能に支持されている。左車軸311は、左懸架部61の下部に、車体フレーム21の左右方向に延びるように配置されている。
【0069】
右前輪32は、右懸架部62に接続されている。詳しくは、右前輪32は、右懸架部62の下部に接続されている。右前輪32は、右懸架部62に、右車軸321を中心として回転可能に支持されている。右車軸321は、右懸架部62の下部に、車体フレーム21の左右方向に延びるように配置されている。
【0070】
リンク機構5は、平行四節リンク(パラレログラムリンクとも呼ばれる)方式のリンク機構である。
【0071】
図1から図3に示すように、リンク機構5は、車体フレーム21の上下方向において、ハンドルバー651よりも下に位置する。リンク機構5は、車体フレーム21の上下方向において、左前輪31及び右前輪32よりも上に位置する。
【0072】
図1から図3に示すように、リンク機構5は、上クロス部51と、下クロス部52と、左サイド部53と、右サイド部54とを含む。リンク機構5は、ハンドルバー651の操作に伴うステアリングシャフト652の中間操舵軸線Zを中心とする回転に対して連動しない。すなわち、リンク機構5は、中間操舵軸線Zを中心として、車体フレーム21に対して回転しない。リンク機構5の構成は、国際公開2020/111254に開示されている構成と同様である。そのため、リンク機構5の詳しい説明を省略する。
【0073】
リンク機構5において左に位置する部分が左部である。例えば、前記左部は、左サイド部53を含む。リンク機構5において右に位置する部分が右部である。例えば、前記右部は、右サイド部54を含む。
【0074】
国際公開2020/111254に開示されているリンク機構と同様、本実施形態のリンク機構5においても、上クロス部51、下クロス部52、左サイド部53及び右サイド部54は、上クロス部51と下クロス部52とが相互に平行な姿勢を保ち、且つ、左サイド部53と右サイド部54とが相互に平行な姿勢を保つように、車体フレーム21に支持されている。
【0075】
図3に示すように、操舵機構6は、左懸架部61と、右懸架部62と、左ブラケット63と、右ブラケット64と、操舵部材65と、操舵力伝達機構66とを含む。なお、操舵機構6の構成は、国際公開2020/111254に開示されている操舵機構と同様の構成である。よって、操舵機構6の詳しい構成の説明は省略する。よって、操舵機構6を用いたリーン車両1の操舵動作も、国際公開2020/111254に開示されている操舵動作と同様であるため、詳しい説明を省略する。
【0076】
左懸架部61は、リンク機構5に対して左前輪31を支持する。左懸架部61は、中間操舵軸線Zが延びる方向に延びている。左懸架部61の下端部は、左前輪31を支持している。左懸架部61の上端部は、左ブラケット63に固定されている。
【0077】
右懸架部62は、リンク機構5に対して右前輪32を支持する。右懸架部62は、中間操舵軸線Zが延びる方向に延びている。右懸架部62の下端部は、右前輪32を支持している。右懸架部62の上端部は、右ブラケット64に固定されている。
【0078】
操舵部材65は、ハンドルバー651と、ステアリングシャフト652とを含む。
【0079】
ハンドルバー651は、ステアリングシャフト652の上部に接続されている。ステアリングシャフト652は、その一部がヘッドパイプ211に回転可能に支持されている。ステアリングシャフト652は、運転者によるハンドルバー651の操作に応じて、中間操舵軸線Zを中心として回転する。
【0080】
リーン車両1が左または右に傾斜する動作も、既述の国際公開2020/111254に開示されている傾斜動作と同様である。よって、リーン車両1が左または右に傾斜する動作の詳しい説明は省略する。
【0081】
図4は、車体フレーム21の上下方向において、リーン車両1を上から見た上面図である。図4において、車体フレーム21は直立状態である。以下の説明において、図4を参照する場合には、車体フレーム21は直立状態を前提としている。なお、図10にも、図4と同一の図を示す。
【0082】
図4及び図5に示すように、荷重伝達機構8は、左足荷重伝達部81と、右足荷重伝達部82と、左右連結部材83とを有する。
【0083】
左足荷重伝達部81は、左足載置部811(左フートステップ部)と、左連結部812とを有する。左足載置部811の少なくとも一部は、左前輪31の後方に位置する。
【0084】
左足載置部811は、起立した運転者の左足が載置される左足載置面811aを有する。左連結部812は、左足載置部811とリンク機構5の左サイド部53とを連結している。図1に示すように、左連結部812は、左サイド部53から車体フレーム21の前後方向における後ろ且つ車体フレーム21の上下方向における下に延びている。左連結部812の後端部は、左足載置部811に連結されている。左足荷重伝達部81は、左足載置部811を介して入力される運転者の荷重を、左サイド部53に伝達可能に構成されている。なお、左連結部は、左サイド部と一体でもよい。
【0085】
図4及び図5に示すように、右足荷重伝達部82は、右足載置部821(右フートステップ部)と、右連結部822とを有する。右足載置部821の少なくとも一部は、右前輪32の後方に位置する。
【0086】
右足載置部821は、起立した運転者の右足が載置される右足載置面821aを有する。右連結部822は、右足載置部821とリンク機構5の右サイド部54とを連結している。右連結部822は、右サイド部54から車体フレーム21の前後方向における後ろ且つ車体フレーム21の上下方向における下に延びている。右連結部822の後端部は、右足載置部821に連結されている。右足荷重伝達部82は、右足載置部821を通じて入力される運転者の荷重を、右サイド部54に伝達可能に構成されている。なお、右連結部は、右サイド部と一体でもよい。
【0087】
上述の構成により、運転者の左足を通じて左足載置部811に加えられる荷重と、当該運転者の右足を介して右足載置部821に加えられる荷重とを個別に調整することにより、車体フレーム21の傾斜を制御できる。
【0088】
例えば、図6及び図7に示すように車体フレーム21がリーン車両1の左に傾斜すると、車体フレーム21の上下方向において、左サイド部53は、右サイド部54よりも上に位置する。図6は、車体フレーム21が左に傾斜した状態におけるリーン車両1を、車体フレーム21の前から見た正面図である。図7は、車体フレーム21が左に傾斜した状態におけるリーン車両1を、車体フレーム21の後ろから見た背面図である。
【0089】
左足で左足載置部811を通じて左サイド部53に荷重を加えると、左サイド部53に対して車体フレーム21の下方向に変位させる力が作用する。これにより、リーン車両1の左右方向において、車体フレーム21が左へ傾斜するのを抑制できる。
【0090】
逆に、車体フレーム21がリーン車両1の右に傾斜すると、車体フレーム21の上下方向において、右サイド部54は、左サイド部53よりも上に位置する。右足で右足載置部821を通じて右サイド部54に荷重を加えると、右サイド部54に対して車体フレーム21の下方向に変位させる力が作用する。これにより、リーン車両1の左右方向において、車体フレーム21が右に傾斜するのを抑制できる。
【0091】
車体フレーム21が直立状態から左または右に傾斜すると、左足載置部811の載置面に対する法線方向及び右足載置部821の載置面に対する法線方向が変化する。しかしながら、ヘッドパイプ211が延びている方向(中間操舵軸線Zが延びている方向)と左足載置部811の載置面及び右足載置部821の載置面とがなす角度は変化しない。すなわち、左足載置部811の載置面に対する法線方向及び右足載置部821の載置面に対する法線方向は、車体フレーム21の上下方向と常に同じである。
【0092】
左右連結部材83は、左足載置部811と右足載置部821とを、車体フレーム21の下で車体フレーム21の左右方向に連結している。車体フレーム21の左右方向において、左右連結部材83の中央部は、車体フレーム21のアンダーフレーム214の下部に固定された回転支持部(図示省略)に、アンダーフレーム214を中心として回転可能に支持されている。よって、左右連結部材83は、車体フレーム21の上下方向において、左足載置部811及び右足載置部821の上下移動に応じて、上下方向に傾く。
【0093】
これにより、左足載置部811及び右足載置部821は、左足載置部811への左足の荷重入力または右足載置部821への右足の荷重入力に応じて、連動して上下動する。よって、上述のような左足載置部811への左足の荷重入力または右足載置部821への右足の荷重入力によって、車体フレーム21の左または右の傾斜を容易に抑制できる。
【0094】
傾斜抑制機構7は、リンク機構5の左及び右の傾斜を抑制する。傾斜抑制機構7は、傾斜抑制操作子71と、傾斜抑制ブレーキディスク72と、図示しないキャリパとを有する。傾斜抑制操作子71は、ステアリングシャフト652に取り付けられたレバー状の部材である。傾斜抑制ブレーキディスク72は、左右連結部材83に固定されたU字状の板状部材である。前記キャリパは、メインフレーム212のアンダーフレーム214に固定されている。前記キャリパは、傾斜抑制ブレーキディスク72を厚み方向に挟み込み可能に構成されている。
【0095】
傾斜抑制操作子71を回転操作することにより、傾斜抑制機構7は、作動状態と非作動状態とに切り替えられる。傾斜抑制機構7が作動状態になると、前記キャリパが駆動して、傾斜抑制ブレーキディスク72をその厚み方向に挟み込む。これにより、メインフレーム212のアンダーフレーム214に対する荷重伝達機構8の左右連結部材83の揺動が抑制される。既述のように、荷重伝達機構8の左連結部812は、リンク機構5の左サイド部53に連結され、荷重伝達機構8の右連結部822は、リンク機構5の右サイド部54に連結されている。よって、上述のように傾斜抑制機構7の傾斜抑制操作子71を操作して傾斜抑制機構7を作動状態にすることにより、メインフレーム212に対するリンク機構5の左及び右の傾斜を抑制することができる。
【0096】
リーン車両1が上述の傾斜抑制機構7を有することにより、運転者がリーン車両1に乗車する際に、リンク機構5の左及び右の傾斜を傾斜抑制機構7によって抑制することができる。よって、運転者は、リーン車両1の左足載置部811上に左足を容易に載せられるとともに、右足載置部821上に右足を容易に載せられる。
【0097】
図1から図3図6及び図8に示すように、リーン車両1は、左フロントフェンダー33及び右フロントフェンダー34を有する。左フロントフェンダー33は、車体フレーム21の上下方向において、左前輪31の上に位置する。左フロントフェンダー33を左前輪31の上に配置することで、リーン車両1の走行時に左前輪31によって跳ね上げられた水が、運転者の左足にかかるのを左フロントフェンダー33によって防止できる。
【0098】
図3及び図8に示すように、右フロントフェンダー34は、車体フレーム21の上下方向において、右前輪32の上に位置する。右フロントフェンダー34を右前輪32の上に配置することで、リーン車両1の走行時に右前輪32によって跳ね上げられた水が、運転者の左足にかかるのを右フロントフェンダー34によって防止できる。
【0099】
図1図5図7から図9に示すように、リーン車両1は、左フートガード84及び右フートガード85を有する。左フートガード84は、平面視で三角形の樹脂製板部材である。左フートガード84は、左足載置部811の右端部及び左連結部812に固定されている。右フートガード85は、平面視で三角形の樹脂製板部材である。右フートガード85は、右足載置部821の左端部及び右連結部822に固定されている。
【0100】
図5図8及び図9に示すように、リーン車両1は、左フロントガード86と、右フロントガード87とを有する。左フロントガード86は、平面視で長方形の樹脂製板部材である。左フロントガード86は、長手方向が左連結部812の延びる方向に沿うように、左連結部812に固定されている。右フロントガード87は、平面視で長方形の樹脂製板部材である。右フロントガード87は、長手方向が右連結部822の延びる方向に沿うように、右連結部822に固定されている。
【0101】
(リアフェンダー)
図1図2図4図5図8及び図9に示すように、リーン車両1は、リアフェンダー42を有する。リアフェンダー42は、車体フレーム21の上下方向において、後輪4の上に位置する。リアフェンダー42は、メインフレーム212から車体フレーム21の前後方向における後ろ且つ車体フレーム21の上下方向における上に延びている。リアフェンダー42は、樹脂製の部材である。
【0102】
リアフェンダー42は、前部及び後部で、それぞれメインフレーム212に支持されている。具体的には、リアフェンダー42の前部は、メインフレーム212に取り付けられたメインフレームカバー25にボルト等の締結部材によって固定されている。リアフェンダー42の後部は、メインフレーム左後端部212aに取り付けられたリアフェンダー左支持部43及びメインフレーム右後端部212bに取り付けられたリアフェンダー右支持部44に固定されている。
【0103】
リアフェンダー左支持部43及びリアフェンダー右支持部44は、リアフェンダー42のうち、メインフレーム212に取り付けられたメインフレームカバー25に固定される部分よりも、支持剛性が高い。
【0104】
なお、リアフェンダー左支持部43及びリアフェンダー右支持部44が、車体フレーム21に対してリアフェンダー42を支持するリア部材支持部40に対応するとともに、リアフェンダー後支持部42bに対応する。リアフェンダー42のうち、メインフレーム212に取り付けられたメインフレームカバー25に固定される部分が、リアフェンダー前支持部42aに対応する。
【0105】
リアフェンダー左支持部43及びリアフェンダー右支持部44は、それぞれ、金属製の板状部材であり、後輪4の径方向に延びている。リアフェンダー左支持部43及びリアフェンダー右支持部44は、上下方向に延びている。リアフェンダー左支持部43は、後輪4の左で、メインフレーム左後端部212a及びリアフェンダー42に接続されている。すなわち、リアフェンダー左支持部43の下端部は、メインフレーム左後端部212aに接続されている。リアフェンダー左支持部43の上端部は、リアフェンダー42の左部に接続されている。リアフェンダー右支持部44は、後輪4の右で、メインフレーム右後端部212bに接続されている。すなわち、リアフェンダー右支持部44の下端部は、メインフレーム右後端部212bに接続されている。リアフェンダー右支持部44の上端部は、リアフェンダー42の右部に接続されている。
【0106】
リアフェンダー42には、後述の後部装備品100を支持する一対の後部装備品支持部45が接続されている。一対の後部装備品支持部45は、金属製の板状部であり、前後方向に延びている。一対の後部装備品支持部45の前部は、リアフェンダー42とリアフェンダー左支持部43との接続部分及びリアフェンダー42とリアフェンダー右支持部44との接続部分に接続されている。すなわち、一対の後部装備品支持部45は、リアフェンダー左支持部43及びリアフェンダー右支持部44の上端部に接続されている。これにより、一対の後部装備品支持部45を、リアフェンダー左支持部43及びリアフェンダー右支持部44によって高い剛性で支持することができる。なお、一対の後部装備品支持部は、一体であってもよい。
【0107】
後述するように、一対の後部装備品支持部45の後部には、後部装備品100がボルト等の締結部によって固定されている。
【0108】
(後部装備品)
リーン車両1は、車体フレーム21の後端部によって支持され、リアフェンダー42を含まない後部装備品100を有する。後部装備品100は、リアフェンダー左支持部43及びリアフェンダー右支持部44によって、メインフレーム212に支持されている。後部装備品100は、例えば、ライセンスプレート支持ブラケット102、反射部101及び灯火器103を含む。
【0109】
なお、後部装備品100は、ライセンスプレート支持ブラケット102、反射部101及び灯火器103のうち少なくとも一つの部品を含んでいてもよいし、リーン車両1の後部に配置される他の部品を含んでいてもよい。また、後部装備品100は、複数の部品を含んでいてもよいし、一つの部品のみを含んでいてもよい。
【0110】
反射部101は、リーン車両1の後ろから入射される光を反射するリフレクタ、リーン車両1の左または右から入射される光を反射するサイドリフレクタなどを含む。本実施形態では、反射部101は、後輪4の回転中心よりも上で、一対の後部装備品支持部45によって支持されている。なお、反射部101は、表面に反射材が設けられた平板の部材である。反射部101は、反射材が設けられた面が後ろに位置するように、一対の後部装備品支持部45に取り付けられている。
【0111】
ライセンスプレート支持ブラケット102は、ライセンスプレートを支持する、例えば板状または枠状などの部材である。本実施形態では、ライセンスプレート支持ブラケット102は、後輪4の車輪軸41よりも上に位置し、一対の後部装備品支持部45によって支持されている。本実施形態では、反射部101は、ライセンスプレート支持ブラケット102よりも上に位置する。
【0112】
灯火器103は、ウィンカ、テールライト、ストップライト、ライセンスプレートライトなどのような発光可能な装備品である。なお、灯火器103は、リーン車両1の後ろに位置する路面に画像を映し出すレーザー描写装置を含んでもよい。
【0113】
本実施形態では、灯火器103は、反射部101に対して左右に位置する。灯火器103は、上下方向において、反射部101よりも上に位置していてもよいし、反射部101よりも下に位置していてもよい。灯火器103も、後輪4の車輪軸41よりも上に位置し、一対の後部装備品支持部45によって支持されている。
【0114】
なお、反射部101は、別の支持部材を介して、一対の後部装備品支持部45に支持されていてもよい。ライセンスプレート支持ブラケット102は、別の支持部材を介して、一対の後部装備品支持部45に支持されていてもよい。反射部101は、上下方向において、後輪4の車輪軸41と同じ高さに位置していてもよいし、後輪4の車輪軸41よりも下に位置していてもよい。ライセンスプレート支持ブラケット102は、上下方向において、後輪4の車輪軸41と同じ高さに位置していてもよいし、後輪4の車輪軸41よりも下に位置していてもよい。反射部101は、ライセンスプレート支持ブラケット102よりも下に位置していてもよい。灯火器103は、上下方向において、後輪4の車輪軸41と同じ高さの位置に位置していてもよいし、後輪4の車輪軸41よりも下に位置していてもよい。
【0115】
図4及び図5に示すように、後部装備品100は、リーン車両1を後ろから見て、左足載置部811の左右方向中央と右足載置部821の左右方向中央との間に位置する。これにより、後部装備品100を、リーン車両1の左右方向の中央に配置できる。よって、運転者がリーン車両1に対して乗降する際に、後部装備品100が邪魔するのを防止できる。なお、図4及び図5において、左足載置部811の左右方向中央を通って前後方向に延びる中央線をC1で示し、右足載置部821の左右方向中央を通って前後方向に延びる中央線をC2で示す。
【0116】
図4に示すように、後部装備品100は、リーン車両1を上から見て、リーン車両1の後部に位置する。具体的には、左足載置部811の後端と後部装備品100の前端との前後方向の距離L2は、左足載置部811の前後方向の長さの半分L1よりも大きく、且つ、右足載置部821の後端と後部装備品100の前端との前後方向の距離L4は、右足載置部821の前後方向の長さの半分L3よりも大きい。
【0117】
これにより、リーン車両1の後輪4の左右で、且つ、リーン車両1を左右方向から見て左足載置部811及び右足載置部821と後部装備品100との間に、スペースを確保するように、後部装備品100をリーン車両1の後部に配置することができる。
【0118】
ところで、運転者がリーン車両1に乗車する際には、運転者は、リーン車両1に後ろから乗車する。運転者がリーン車両1に後ろから乗車する際に、運転者は、リーン車両1の後輪4に対して左右の位置に、運転者の足を配置する必要がある。そのため、リーン車両1の後輪4に対して左右の位置に、運転者の足を配置可能なスペースを確保する必要がある。
【0119】
したがって、リーン車両1の後輪4の左右に、左足載置部811及び右足載置部821と後部装備品100との間のスペースを確保することにより、上述のように運転者がリーン車両1に乗車する際に、リーン車両1の後輪4の左右に、運転者の足を配置するスペースS(図4のクロスハッチ参照)を確保できる。よって、運転者がリーン車両1に乗車する際に、左足載置面811a上に左足を容易に載せられるとともに、右足載置面821a上に右足を容易に載せることができる。
【0120】
なお、左足載置部811の前後方向の長さの半分L1は、右足載置部821の前後方向の長さの半分L3と等しくてもよいし、右足載置部821の前後方向の長さの半分L3とは異なっていてもよい。左足載置部811の後端と後部装備品100の前端との前後方向の距離L2は、右足載置部821の後端と後部装備品100の前端との前後方向の距離L4と等しくてもよいし、右足載置部821の後端と後部装備品100の前端との前後方向の距離L4とは異なっていてもよい。
【0121】
図5に示すように、左足載置部811の左足載置面811aに対する、後部装備品100の上端の上下方向の高さH1は、地面に対する左足載置部811の左足載置面811aの上下方向の高さH2よりも低く、且つ、右足載置部821の右足載置面821aに対する、後部装備品100の上端の上下方向の高さH3は、地面に対する右足載置部821の右足載置面821aの上下方向の高さH4よりも低い。
【0122】
これにより、運転者がリーン車両1に乗車する際に、運転者が左足載置面811a及び右足載置面821aの一方に片足を載せた状態で、もう一方の足を左足載置面811a及び右足載置面821aの他方に容易に載せることができる。よって、運転者がリーン車両1に乗車する際に、左足載置面811a上に左足を容易に載せることができるとともに、右足載置面821a上に右足を容易に載せることができる。
【0123】
また、後部装備品100の上端は、リアフェンダー42の上端よりも下に位置する。これにより、運転者がリーン車両1に乗車する際に、後部装備品100が運転者の足に接触するのを防止できる。
【0124】
本実施形態において後部装備品100の上端とは、後部装備品100のうち、運転者がリーン車両1に乗車する際に前記運転者の足が通過する領域の下に位置する部分の上端を意味する。なお、後部装備品100が複数の部品を含む場合には、運転者がリーン車両1に乗車する際に前記運転者の足が通過する領域の下に位置する部分で最も上に位置する部分の上端を意味する。
【0125】
本実施形態のリーン車両1は、車体フレーム21と、車体フレーム21の左右方向において、車体フレーム21の左に配置された左前輪31と、車体フレーム21の左右方向において、車体フレーム21の右に配置された右前輪32と、左前輪31及び右前輪32よりも後ろに位置し、車体フレーム21の後部によって回転可能に支持される後輪4と、車体フレーム21の前部に支持され、車体フレーム21の左右方向において左及び右の傾斜を許容するリンク機構5と、運転者の左足が載置される左足載置面811aを有し、左前輪31と後輪4との間に位置する左足載置部811と、前記運転者の右足が載置される右足載置面821aを有し、右前輪32と後輪4との間に位置する右足載置部821と、を有し、左足載置部811を介してリンク機構5の左部に荷重を伝達可能であり且つ右足載置部821を介してリンク機構5の右部に荷重を伝達可能であり、または、右足載置部821を介してリンク機構5の左部に荷重を伝達可能であり且つ左足載置部811を介してリンク機構5の右部に荷重を伝達可能である、荷重伝達機構8と、車体フレーム21の後部に支持され、後輪4の上部の少なくとも一部を覆うリアフェンダーを含まない後部装備品100と、を備える。後部装備品100は、左足載置部811の後端と後部装備品100の前端との前後方向の距離L2が、左足載置部811の前後方向の長さの半分L1よりも大きく、且つ、右足載置部821の後端と後部装備品100の前端との前後方向の距離L4が、右足載置部821の前後方向の長さの半分L3よりも大きくなるように、リーン車両1の後部に位置する。後部装備品100は、左足載置部811の左足載置面811aに対する後部装備品100の上端の上下方向の高さH1が、地面に対する左足載置部811の左足載置面811aの上下方向の高さH2よりも低く、且つ、右足載置部821の右足載置面821aに対する後部装備品100の上端の上下方向の高さH3が、地面に対する右足載置部821の右足載置面821aの上下方向の高さH4よりも低くなるように、リーン車両1の後部に位置する。後部装備品100は、リーン車両1を後ろから見て、左足載置部811の左右方向中央と右足載置部821の左右方向中央との間に位置する。
【0126】
上述のリーン車両1に運転者が乗車する際には、運転者は、リーン車両1に後ろから乗車する。運転者がリーン車両1に後ろから乗車する際に、運転者は、リーン車両1の後輪4に対して左右の位置に、運転者の足を配置する必要がある。そのため、リーン車両1の後輪に対して左右の位置に、運転者の足を配置可能なスペースを確保する必要がある。
【0127】
これに対し、上述の構成では、後部装備品100は、左足載置部811及び右足載置部821に対して前後方向に離れた位置に位置し、リーン車両1を後ろから見て、左足載置部811の左右方向中央と右足載置部821の左右方向中央との間に位置する。これにより、後輪4に対して左右の位置に、運転者の足を配置するスペースSを確保することができる。
【0128】
しかも、左足載置部811の左足載置面811aに対する後部装備品100の上端の上下方向の高さH1は、地面に対する左足載置部811の左足載置面811aの上下方向の高さH2よりも低く、且つ、右足載置部821の右足載置面821aに対する後部装備品100の上端の上下方向の高さH3は、地面に対する右足載置部821の右足載置面821aの上下方向の高さH4よりも低い。これにより、運転者がリーン車両1に乗車する際に、後部装備品100が邪魔するのを防止できる。
【0129】
したがって、左前輪31及び右前輪32を有するリーン車両1において、荷重伝達機構8の左足載置部811上に左足を容易に載せられるとともに、荷重伝達機構8の右足載置部821上に右足を容易に載せられる構成を得ることができる。
【0130】
本実施形態のリーン車両1は、車体フレーム21に対してリアフェンダー42及び後部装備品100の少なくとも一方を支持するリアフェンダー左支持部43及びリアフェンダー右支持部44をさらに備える。
【0131】
これにより、車体フレーム21に対して、リアフェンダー42及び後部装備品100の少なくとも一方を支持することができる。よって、リーン車両1の後部にリアフェンダー42及び後部装備品100が配置されている構成を容易に実現できる。
【0132】
本実施形態のリーン車両1では、後部装備品100の上端は、リアフェンダー42の上端よりも低い。これにより、運転者がリーン車両1に乗車する際に、前記運転者の足が後部装備品100に接触して後部装備品100が邪魔するのを防止できる。
【0133】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0134】
前記実施形態では、荷重伝達機構8は、左足載置部811を介してリンク機構5の左サイド部53に荷重を伝達可能であり且つ右足載置部821を介してリンク機構5の右サイド部54に荷重を伝達可能である。しかしながら、荷重伝達機構は、右足載置部を介してリンク機構の左サイド部に荷重を伝達可能であり且つ左足載置部を介してリンク機構の右サイド部に荷重を伝達可能であってもよい。また、荷重伝達機構は、リンク機構の左に位置する部分であれば、左サイド部以外に荷重を伝達可能であってもよい。荷重伝達機構は、リンク機構の右に位置する部分であれば、右サイド部以外に荷重を伝達可能であってもよい。
【0135】
前記実施形態では、左足載置部811は、左連結部812によってリンク機構5の左サイド部53に連結され、右足載置部821は、右連結部822によってリンク機構5の右サイド部54に連結されている。しかしながら、左足載置部及び右足載置部の構成は、前記実施形態の構成に限定されず、例えば車体フレームに固定された構成であってもよい。
【0136】
前記実施形態では、リーン車両1は、左フートガード84及び右フートガード85を有する。しかしながら、リーン車両は、左フートガードを有していなくてもよい。リーン車両は、右フートガードを有していなくてもよい。
【0137】
前記実施形態では、左フロントガード86と左フートガード84とは別体である。右フロントガード87と右フートガード85とは別体である。しかしながら、左フロントガードと左フートガードとを一体にしてもよい。右フロントガードと右フートガードとを一体にしてもよい。
【0138】
前記実施形態では、下クロス部52において、前下クロス部521、後下クロス部522及び下クロス連結部523,524は、一体で形成されている。しかしながら、前下クロス部、後下クロス部及び下クロス連結部は、それぞれ、別の部材によって構成されていてもよい。前下クロス部及び下クロス連結部が一体で形成され、後下クロス部が、前下クロス部及び下クロス連結部とは別部材であってもよい。後下クロス部及び下クロス連結部が一体で形成され、前下クロス部が、後下クロス部及び下クロス連結部とは別部材であってもよい。
【0139】
前記実施形態では、リンク機構5は、ヘッドパイプ211よりも後ろに位置する上クロス部51を有する。しかしながら、リンク機構は、後上クロス部及びヘッドパイプの前に、前上クロス部を設けてもよい。
【0140】
前記実施形態では、リンク機構5は、車体フレーム21の左右方向において、中間部がヘッドパイプ211に回転可能に支持された上クロス部51及び下クロス部52を有する。しかしながら、リンク機構は、他の構成を有していてもよい。
【0141】
前記実施形態では、リーン車両1には、運転者が着座するシートが設けられていない。しかしながら、リーン車両は、シートを有していてもよい。
【0142】
前記実施形態では、リーン車両1には、後輪4を支持するリアアームが設けられていない。しかしながら、リーン車両は、後輪を支持するリアアームを有していてもよい。
【0143】
前記実施形態では、リーン車両1には、前輪3及び後輪4を変位可能に弾性支持する緩衝装置が設けられていない。しかしながら、リーン車両の前輪が、緩衝装置によって支持されていてもよい。リーン車両の後輪が、緩衝装置によって支持されていてもよい。
【0144】
前記実施形態では、傾斜抑制機構7は、傾斜抑制操作子71を手動で操作することにより、傾斜抑制機構7の作動状態と非作動状態とを変更する構成を有する。しかしながら、傾斜抑制機構は、リーン車両の状態の検出結果に応じて傾斜抑制機構の作動状態と非作動状態とを自動で変更する構成を有していてもよい。なお、リーン車両は、傾斜抑制機構を有していなくてもよい。
【0145】
前記実施形態では、リアフェンダー左支持部43及びリアフェンダー右支持部44が、リアフェンダー42及び後部装備品100を、車体フレーム21に対して支持している。しかしながら、リアフェンダー左支持部及びリアフェンダー右支持部が、リアフェンダー及び後部装備品の一方のみを、車体フレームに対して支持してもよい。また、リアフェンダー及び後部装備品の少なくとも一方が、リアフェンダー左支持部及びリアフェンダー右支持部の一方のみによって、車体フレームに対して支持されていてもよい。
【0146】
前記実施形態では、後部装備品100の上端は、リアフェンダー42の上端よりも低い。しかしながら、後部装備品の上端は、リアフェンダーの上端と同じ高さに位置していてもよいし、リアフェンダーの上端よりも高くてもよい。なお、リーン車両は、リアフェンダーを有していなくてもよい。
【符号の説明】
【0147】
1 リーン車両
2 車両本体
3 前輪
4 後輪
5 リンク機構
6 操舵機構
7 傾斜抑制機構
8 荷重伝達機構
21 車体フレーム
22 パワーユニット
211 ヘッドパイプ
212 メインフレーム
212a メインフレーム左後端部
212b メインフレーム右後端部
213 アッパーフレーム
213a アッパーフレーム左後端部
213b アッパーフレーム右後端部
214 アンダーフレーム
214a アンダーフレーム前部
214b アンダーフレーム後部
214c アンダーフレーム左後端部
214d アンダーフレーム右後端部
221 バッテリ
25 メインフレームカバー
31 左前輪
32 右前輪
33 左フロントフェンダー
34 右フロントフェンダー
40 リア部材支持部
41 車輪軸
42 リアフェンダー
42a リアフェンダー前支持部
42b リアフェンダー後支持部
43 リアフェンダー左支持部
44 リアフェンダー右支持部
45 後部装備品支持部
51 上クロス部
52 下クロス部
53 左サイド部
54 右サイド部
61 左懸架部
62 右懸架部
65 操舵部材
651 ハンドルバー
652 ステアリングシャフト
71 傾斜抑制操作子
72 傾斜抑制ブレーキディスク
66 操舵力伝達機構
81 左足荷重伝達部
811 左足載置部(左フートステップ部)
811a 左足載置面
812 左連結部
82 右足荷重伝達部
821 右足載置部(右フートステップ部)
821a 右足載置面
822 右連結部
83 左右連結部材
84 左フートガード
85 右フートガード
86 左フロントガード
87 右フロントガード
100 後部装備品
101 反射部
102 ライセンスプレート支持ブラケット
103 方向指示器
Z 中間操舵軸線
L1 左足載置部の前後方向の長さの半分
L2 左足載置部の後端と後部装備品の前端との前後方向の距離
L3 右足載置部の前後方向の長さの半分
L4 右足載置部の後端と後部装備品の前端との前後方向の距離
C1、C2 中央線
S スペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10