(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20241219BHJP
【FI】
A24F40/42
(21)【出願番号】P 2021532231
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2020051677
(87)【国際公開番号】W WO2020152295
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-11-04
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】モロニー, パトリック
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/178092(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/129613(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/109611(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0055584(US,A1)
【文献】特表2020-511973(JP,A)
【文献】特表2019-510471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリであって、
本体と、
前記本体によって少なくとも部分的に画定された流路に沿って配置されたエアロゾル形成材料と、
第1の位置と第2の位置との間で動くことができる封止要素であり、
前記第1の位置では、前記封止要素が、前記流路の少なくとも一部分を閉鎖し前記エアロゾル形成材料と接触する大気を減少させるように構成され、
前記第2の位置では、前記封止要素が、大気が前記流路に沿って移動し前記エアロゾル形成材料と接触することができるように配置され、
前記封止要素が、前記第1の位置と前記第2の位置の両方において前記本体に取り付けられて
おり、前記封止要素が、前記本体と一体に形成されており、前記封止要素が、リビングヒンジによって前記本体に接合されている、前記封止要素と
を備え、
前記本体は、紙、または厚紙を含む、アセンブリ。
【請求項2】
前記封止要素と前記本体との間に配置された接着剤を備え、前記接着剤が、前記封止要素を前記第1の位置に保持するように構成されている、請求項
1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリであって、
本体と、
前記本体によって少なくとも部分的に画定された流路に沿って配置されたエアロゾル形成材料と、
第1の位置と第2の位置との間で動くことができる封止要素であり、
前記第1の位置では、前記封止要素が、前記流路を少なくとも部分的に封止し前記エアロゾル形成材料と接触する大気を減少させるように構成され、
前記第2の位置では、前記封止要素が、大気が前記流路に沿って移動し前記エアロゾル形成材料と接触することができるように配置される、
前記封止要素と
を備え、
前記アセンブリが、前記封止要素と前記本体との間に配置され前記封止要素を前記第1の位置に保持するように構成された接着剤を備える、
アセンブリ。
【請求項4】
前記接着剤が、感圧接着剤である、請求項
2又は
3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記接着剤が、構造接着剤である、請求項
2又は
3に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記接着剤と前記封止要素との間の第1の接着力が、前記接着剤と前記本体との間の第2の接着力より大きい、請求項
2~5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばエアロゾル供給デバイス用の消耗品である、エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリに関する。
【背景】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコなどの喫煙品は、使用中にタバコを燃焼させてタバコの煙を生じさせる。タバコを燃焼させるこれらの物品の代替品を、燃焼させることなく化合物を放出する製品を作り出すことによって提供しようとする試みがなされてきた。そのような製品の例は、材料を燃焼させるのではなく加熱することで化合物を放出する加熱デバイスである。材料は、例えば、タバコ又は他の非タバコ製品であってもよく、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。
【概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリが提供される。アセンブリは、本体と、本体によって少なくとも部分的に画定された流路に沿って配置されたエアロゾル形成材料と、封止要素とを備える。封止要素は、第1の位置と第2の位置との間で動くことができる。第1の位置では、封止要素は、流路の少なくとも一部分を閉鎖しエアロゾル形成材料と接触する大気を減少させるように構成される。第2の位置では、封止要素は、大気が流路に沿って移動しエアロゾル形成材料と接触することができるように配置される。封止要素は、第1の位置と第2の位置の両方において本体に取り付けられている。
【0004】
本開示の第2の態様によれば、エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリが提供される。アセンブリは、本体と、本体によって少なくとも部分的に画定された流路に沿って配置されたエアロゾル形成材料と、封止要素とを備える。封止要素は、第1の位置と第2の位置との間で動くことができる。第1の位置では、封止要素は、流路を少なくとも部分的に封止しエアロゾル形成材料と接触する大気を減少させるように構成される。第2の位置では、封止要素は、大気が流路に沿って移動しエアロゾル形成材料と接触することができるように配置される。アセンブリは、封止要素と本体との間に配置され封止要素を第1の位置に保持するように構成された接着剤を備える。
【0005】
本発明の第3の態様によれば、第1及び第2の態様のいずれかによるアセンブリと、アセンブリを受容するように構成されたエアロゾル供給デバイスとを備える、エアロゾル供給システムが提供される。エアロゾル供給デバイスは、動作中にエアロゾル形成材料からエアロゾルを生成する。
【0006】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照して、単なる一例として挙げられる本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】エアロゾル供給デバイスの一例の斜視図である。
【
図2】
図1の例示的なエアロゾル供給デバイスの上面図である。
【
図3】
図1の例示的なエアロゾル供給デバイスの断面図である。
【
図4】第1の例による、エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリの図である。
【
図5】第2の例による、エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリの図である。
【
図7】第3の例による、エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリの図である。
【
図8】第4の例による、エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリの図である。
【
図9】第5の例による、エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリの図である。
【
図10】第6の例による、エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリの図である。
【
図11】第7の例による、エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリの図である。
【
図12】第8の例による、エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリの図である。
【
図13】第9の例による、エアロゾル供給デバイスに挿入するためのアセンブリの図である。
【詳細な説明】
【0008】
本開示の第1の態様は、封止要素を有するアセンブリ(消耗品、物品、又は消耗物品などと称されることもある)を定義する。封止要素は、第1の位置と第2の位置との間で動くことができ、両方の位置において消耗品の本体に取り付けられている。消耗品は、エアロゾル供給デバイスに挿入可能であり、加熱(又は、より一般的には霧化)されると、ユーザによって後で吸入されるエアロゾルを生成する。アセンブリは、例えば、アセンブリを受容するようなサイズの加熱(又は霧化)チャンバに配置されるように構成された所定又は特定のサイズのものとすることができる。一例では、アセンブリは、実質的に管状であり、「タバコスティック」として知られている場合がある。例えば、アセンブリは、特定の形状に形成されてから紙又は箔などの1つ又は複数の他の材料で被覆又は巻かれたタバコを備えることができる。他の例では、アセンブリは、平坦な基板(substrate)とすることができ、基板の1つ又は複数の面にはエアロゾル形成材料が堆積されている。
【0009】
アセンブリは、エアロゾル形成材料の鮮度を保つように流路を封止する一体封止要素を有する。ユーザは、例えば、エアロゾルの加熱及び/又は吸入前に、封止要素を第1の位置から第2の位置に動かすことによって封止要素を移動させることができる。したがって、第1の位置は、閉位置であり、第2の位置は、開位置とすることができる。アセンブリの本体に常に取り付けられていることによって、アセンブリは単一品の状態のままであり、したがって封止要素は、アセンブリがエアロゾルの生成に使用される、及び封止要素が第2の位置にあるときなどに)、置き忘れられる可能性が低くなる。エアロゾルの吸入セッション後、アセンブリからなるエアロゾル形成材料は、完全には空にならない場合がある。残ったエアロゾル形成材料が長期間より新鮮なまま維持されることを確実にするため、ユーザは、封止要素を第2の位置から第1の位置へと動かすことによって流路を再び封止し、大気とエアロゾル形成材料の接触を低減させることができる。封止要素は、消耗品の本体にすでに取り付けられているので、アセンブリの再度の封止を必要とするときにユーザが封止要素を置き忘れる可能性が低くなる。その結果、ユーザが封止要素を紛失する可能性が低くなるので、エアロゾル形成材料の品質が、より長い期間にわたって可能な限り高いまま維持され得る。さらに、封止要素の配置に時間を費やさなくても済めば、ユーザがセッション後に封止要素を適用する傾向がより高くなる。さらに、ユーザがセッション終了後に比較的迅速に封止要素を適用する傾向がより高くなり、その結果、エアロゾル形成材料の品質が可能な限り高く保たれる。
【0010】
アセンブリの本体は、実質的に細長、円筒形、直方体、又は略平坦とすることができる。いくつかの例では、封止要素は、第1の封止要素であり、消耗品は、第2の封止要素を備え、第1及び第2の封止要素の両方が、第1の位置と第2の位置との間で動くことができる。例えば、第1の封止要素は、流路からの「出口」を封止し、第2の封止要素は、流路への「入口」を封止することができる。封止要素が別個であるが入口と出口の両方に取り付けられることによって、大気がエアロゾル形成材料と接触する可能性をさらに低減させるので、エアロゾル形成材料の鮮度をさらに向上させることができる。
【0011】
アセンブリは、封止要素を本体に取り付ける取付要素を備えてもよい。例えば、取付要素は、アセンブリの本体と封止要素との間に延在する、ある長さの材料などのコネクタとすることができる。取付要素は、一方端で本体に取り付けられ、他方端で封止要素に取り付けられ得る。取付要素は、流路を塞ぐ可能性が低くなるように、圧縮性材料、可撓性材料及び/又は弾性材料から構成され得る。例えば、ユーザは、アセンブリ要素がエアロゾル供給デバイスに挿入され封止要素が第2の位置にあるとき、取付要素を折り畳む、又は丸めることができる。
【0012】
封止要素は、本体と一体に形成されてもよい。例えば、封止要素とアセンブリの本体は、同じ材料からなり、一体に形成されてもよい。封止要素を一体形成することによって、別個の封止要素を製造しその別個の封止要素を本体に取り付けるのに必要な製造工程が少なくなるので、アセンブリが製造しやすくなる。加えて、一体型アセンブリは、不良となる個所がより少ないので、封止要素が本体から分離してしまう可能性が低いことを意味し得る。特定の一例では、封止要素は、リビングヒンジによって本体に接合される。
【0013】
本体は、流路の入口及び出口を画定してもよく、封止要素は、第1の部分と第2の部分を備え、第1の位置では、第1の部分は、出口を閉鎖するように構成され、第2の部分は、入口を封鎖するように構成される。したがって、別個になった第1及び第2の封止要素を有する先述の例とは異なり、この例のアセンブリは、入口と出口の両方を封止することができる一体型封止要素を備える。
【0014】
本体は、基板であってもよく、その基板の表面にエアロゾル形成材料が配置され、封止要素は、エアロゾル形成材料を覆うように構成される。例えば、基板は、厚紙、紙又はポリマーからなる略平坦基板とすることができる。しかし他の例では、基板は、平坦でなくてもよく、例えば、波形の外形を有してもよい。封止要素は、基板の全体又は一部分を覆ってもよく、エアロゾル形成材料は、基板上又は基板内に堆積される。特定の一例では、基板の表面に、ゲル状エアロゾル形成材料が堆積されてもよい。この構造は、安価で製造することができる。封止要素は、1つ又は複数の箇所で基板に取り付けることができる。
【0015】
本体が基板の場合、エアロゾル形成材料は、基板の表面によって画定されたくぼみに配置してもよく、封止要素は、くぼみを覆うように構成される。したがって、このタイプのアセンブリは、基板が、基板表面の材料が堆積される場所に増加した深さを有するので、基板表面に堆積されたエアロゾル形成材料を有する基板より実質的により均一な外形を提供することができる。したがって、アセンブリは、より簡単に包装し、保管することができる。加えて、封止要素は、エアロゾル形成材料の形状に合わせる必要がなく、基板の表面及びくぼみの上面と同一平面上にあり得るので、製造がより単純及び/又はより効果的になり得る。さらに、封止要素とエアロゾル形成材料との間の直接的な接触が望ましくない場合があり、したがって、くぼみはこの接触を回避する手段を提供する。
【0016】
封止要素は、蓋であってもよい。蓋は、第1の位置にあるときに本体に少なくとも部分的に受容されるように寸法設定され得る。この構造は、蓋が、第1の位置にある間中アセンブリの本体に挿入され得ることを意味する。これは、コンパクトなアセンブリを実現するのに有用であり得る。加えて、蓋が本体内にあるので、蓋を誤ってずらし、第2の位置へ動かす可能性が低くなる。蓋は、第1の位置にあるときに本体の少なくとも一部分を包囲するように寸法設定されてもよい。したがって、蓋が本体に受容される場合とは異なり、蓋は、本体の外周に重なり外周を包囲するように本体の一方端に適用される。この構造によって、ユーザの手による封止要素の取り付け、取り外し及び再取り付けがより簡単になり得る。加えて、本体の空間が蓋を収容しなくて済むので、エアロゾル形成材料のために本体のより大きな空間が利用可能になる。蓋は、本体の外周の上若しくは周りで伸ばされる、又は外周のリップ若しくは段と係合することができるように、弾性及び/又は伸縮性の材料からなってもよい。
【0017】
アセンブリは、封止要素と協働して封止要素を第1の位置に保持するように構成された締結具又は締結アセンブリをさらに備えてもよい。したがって、締結具は、封止要素を本体にしっかり締結し、さらに封止要素を第1の位置に保持する手段を提供する。したがって、この締結具によって、封止要素が第1の位置から第2の位置に誤って動かされる可能性が低くなる。
【0018】
締結具は、封止要素を所定位置に保持する、クリップ、スナップ嵌合締結具、プレス-スタッド(press-stud)締結具、又は吸着パッドとすることができる。締結具は、封止要素を所定位置に保持する感磁性材料と協働する磁石によって形成されてもよい。締結具は、本体若しくは封止要素に配置されてもよく、又は、1つの締結具が本体に配置され、対応する締結具が封止要素に配置されてもよい。締結具は、単一要素又は締結具アセンブリとすることができる。
【0019】
締結具は、ねじ山を備えてもよい。例えば、封止要素は螺合蓋とすることができ、螺合蓋はねじ山に螺合し、それによって蓋は所定位置に保持される。
【0020】
封止要素は、第1の係合面を備えてもよく、本体は、第2の係合面を備えてもよく、第1の係合面と第2の係合面は、第1の位置において摩擦嵌合などによって互いに係合して封止要素を第1の位置に保持するように構成される。したがって、いくつかの例では、2つの面は互いに接触し、面の間の摩擦力が封止要素を所定位置に保持する。この摩擦締結手段は、封止要素を所定位置に固定する単純で効果的な手段を提供する。さらに、この構造は、他の締結具と比べると製造しやすく、比較的安価である。加えて、摩擦嵌合によってアセンブリはよりコンパクトな設計及びより薄型を有することができるようになる。
【0021】
アセンブリは、封止要素と本体との間に配置された接着剤を備えてもよい。接着剤は、封止要素を第1の位置に保持するように構成される。接着剤は、薄型を実現することができ、流路を封止する効果的な方法である。接着剤は、感圧接着剤であってもよい。感圧接着剤は、封止要素が最初に剥がされた後の封止要素の再取り付けを可能にすることができる。
【0022】
本開示の第2の態様は、第1の位置と第2の位置との間で動くことができる封止要素を有するアセンブリ(消耗品、物品、消耗物品とも称される)を定義する。アセンブリは、封止要素と本体との間に配置された接着剤を備えることができる。接着剤は、封止要素を第1の位置に保持するように構成される。
【0023】
第2の態様では、アセンブリは、エアロゾル形成材料の鮮度を維持するように流路を封止する接着剤を用いた封止要素を有する。ユーザは、例えば、エアロゾルを加熱及び/又は吸入する前に、封止要素を第1の位置から第2の位置に動かすことによって封止要素を剥がすことができる。第1の態様とは異なり、封止要素は、消耗品に常に取り付けられていなくてもよい。上記で簡単に述べたように、接着剤は、エアロゾル形成材料を流路内で新鮮な状態で保つことを確実にするように封止要素をアセンブリの本体に固定する特に有利な手段である。したがって、封止要素は、空気からの水分がエアロゾル形成材料と接触すること、及び/又はエアロゾル形成材料からの水分が蒸発することを防ぐ。
【0024】
接着剤は、封止要素の再取り付けを可能にすることができる感圧接着剤であってもよい。感圧接着剤は、圧力が加えられると結合を形成する接着剤である。感圧接着剤によって、封止要素を、剥がし(すなわち、第1の位置から第2の位置に動かし)、少なくとも1回は再適用する(すなわち、第2の位置から第1の位置に動かす)ことが可能になり得る。したがって、感圧接着剤は、ユーザがエアロゾル形成材料の一部を消費し、鮮度を維持するために封止要素を再び封止し、後でエアロゾル形成材料の消費を続行するために封止要素を再び取り外すことができるようにするのに有用である。感圧接着剤は、アクリルなどのエラストマー、及びロジンエステルなどの粘着付与剤を含むことができる。
【0025】
接着剤は、多糖などの「構造」接着剤を含むことができる。本明細書中で使用する「多糖類」は、グリコシド結合によって結びつけられた単糖単位の長鎖で構成された高分子炭水化物分子及びそのような化合物の塩及び誘導体を包含する。好適にはそのような化合物の誘導体は、単糖単位にエステル、エーテル、酸、アミン、アミド、尿素、チオエーテル、チオエステル、チオカルボン酸又はチオアミド側基を有してもよい。多糖類の例としてはセルロース及びセルロース誘導体及びアルギン酸及びその塩などが挙げられる。いくつかの実施態様では、多糖はペクチンを含む。いくつかの実施形態では、多糖は、封止要素を消耗品のエアロゾル形成材料及び本体のどちらか又は両方に付着させることができる。
多糖類は良好な濡れ性を示し、これは封止要素を消耗品に接着させるのに役立つ。特にこれは、接着剤が、液体を含むことがあるエアロゾル形成材料に封止要素などの疎水性面を接着させる場合に当てはまる。
【0026】
いくつかの例では、接着剤は、食品医薬品局(the Food and Drug Administration)によって一般的に安全と認められている(GRAS:Generally Recognised As Safe)。例えば、接着剤は、食品に適用でき、任意選択で食用材料であってもよい。したがって、接着剤は、非毒性であり摂取しても安全であり得る。接着剤(又はその一部分)はユーザの口に接触することがある、又はエアロゾル化されてユーザが吸入する可能性があり得るので、これは有用である。
【0027】
いくつかの例では、接着剤と封止要素との間の第1の接着力は、接着剤と本体との間の第2の接着力より大きい。これは、封止要素の除去後に、接着剤のすべて又は大部分が、本体に移るのではなく封止要素に残ることを確実にすることができる。接着剤が消耗品側に少しでも残ると、エアロゾルの味に影響を及ぼす、及び/又は、加熱中のデバイスの動作を妨げることがある。
【0028】
図1を参照すると、エアロゾル供給デバイス100の一例が示されている。概略的に言えば、デバイス100は、デバイス100のユーザによって吸入されるエアロゾル又は他の吸入可能媒体を生成するように、アセンブリ(消耗品、又は物品、又は消耗物品とも称される)を加熱することに使用され得る。
図1は、消耗品が挿入されていないデバイス100を示している。
図2は、デバイス100の上面を示している。
【0029】
図1及び2では、この例のデバイス100は、ハウジング102を備える。ハウジング102は、一方端に、エアロゾル形成材料を備える消耗品を受容するように構成される開口部104を有する。エアロゾル形成材料は、例えば、タバコ又は他の非タバコ製品であってもよく、ニコチン及び/又は香味料を含んでも含まなくてもよい。
【0030】
本明細書中で使用する用語「香料」及び「香味料」は、当地の規則で許可される場合に、所望の風味又は香りを作り出すために成人消費者向けの製品に使用されてもよい材料を指す。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、蒸気、又はグリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン若しくはジエチレングリコールなどのエアロゾル生成剤又は保湿剤を含んでもよい。
【0031】
消耗品は、開口部104に全体的又は部分的に挿入され、ハウジング102のレセプタクル又はチャンバに受容され得る。使用中に、エアロゾル生成要素は、エアロゾル生成材料をエアロゾル化してユーザが吸入するエアロゾルを形成するように構成される。一例では、エアロゾル生成要素は、使用中に消耗品を加熱するように構成されるヒーターであるが、他の例において、エアロゾルを生成するように構成される他のエアロゾル生成要素を等しく使用することもできることを理解されたい。アセンブリは、所定位置に消耗品がないときに開口部104を覆うキャップ106をさらに備えることができる。
図1及び2では、キャップ106は開構成に示されているが、キャップ106は、消耗品を取り除いたときに閉構成へと摺動させることができる。
【0032】
デバイス100は、制御要素108をさらに備えることができる。制御要素108は、この例では、ボタン又はスイッチであり、ユーザが制御要素108を作動させるとデバイス100はオンに切り替わる。
【0033】
図3は、
図1に示されるデバイス100と取り替え可能な消耗品110を備える例示的なシステム200の断面図である。この例では、消耗品110は、デバイス100の開口部104に挿入されている。デバイス100は、使用中に加熱されることになる消耗品110を収容するレセプタクル又は加熱チャンバ112を有する。消耗品110は、挿入されるとレセプタクルに係合する。デバイス100は、取り替え可能な消耗品110がレセプタクル112に受容されたときに消耗品110を加熱するように構成される1つ又は複数のヒーター120を備える。したがって、消耗品110は、ヒーター120と相互作用し加熱されるとエアロゾルを生成するエアロゾル形成材料を備える。消耗品110は、包装材料及び/又は1つ若しくは複数のフィルターなど、1つ又は複数の他の要素をさらに備えてもよい。いくつかの例示的なシステム200では、消耗品は、エアロゾル形成材料の鮮度を向上させるように消耗品の流路を封止するように構成される1つ又は複数の封止要素を備える。封止要素は、以下により詳細に論じる。
【0034】
消耗品110は、この例では細長いが、あらゆる適当な形態を取ることができる。着脱可能な消耗品110の一端は、使用中に、ユーザが消耗品からエアロゾルを吸入することができるように、デバイス100からハウジング102の開口部104を通って突出している。他の例では、消耗品110は、デバイス100から突出しないように加熱チャンバ112に完全に受容される。そのような場合では、ユーザは、エアロゾルを開口部104から直接、又はハウジング102の開口部104の周りに連結され得るマウスピースにより吸入することができる。
【0035】
デバイス100は、この例では電気制御回路116及び電源118を収容する、電子機器/電力チャンバ114をさらに有する。電気制御回路116は、着脱可能な消耗品の加熱を制御するように構成され配置されるマイクロプロセッサ構成体などのコントローラを含むことができる。電気制御回路116は、制御要素108からの信号を受け、それに応答してヒーター120を作動させることができる。別法として、デバイス100は、ユーザがデバイス100を利用するとき、ヒーター120を自動的に作動させる信号を制御回路116に送る機能を備えてもよい。デバイス100の電子機器要素は、破線で示される1本又は複数のワイヤ124により電気的に接続されている。
【0036】
電源118は、バッテリーであってもよく、再充電可能なバッテリーでも再充電できないバッテリーでもよい。適当なバッテリーの例としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル電池(ニッケル-カドミウム電池など)、アルカリ電池及び/又は同様のものが挙げられる。バッテリー118は、消耗品110を加熱し以てエアロゾルを生成させる必要があるときに電力を供給するように、1つ又は複数のヒーター120に電気的に接続されている。
【0037】
ヒーター120は、例えば、ニクロム抵抗ヒーター、セラミックヒーターなどを含む電気抵抗ヒーターでもよい。ヒーター120は、(チャンバ112内のサセプタ、チャンバ112を形成するサセプタ、又は消耗品110内のサセプタの構成体を含む)誘導ヒーターとすることができる。他の加熱構成体を使用することもできる。
【0038】
図4Aは、デバイス100又は任意の他のエアロゾル供給デバイスで使用される例示的な消耗品アセンブリ(consumable assembly)400を示している。消耗品は、使用していないときにエアロゾル形成材料を新鮮に保つ助けとなる封止要素404を備える。消耗品400は、略円筒形形態の本体402を備え、第1の端部406と第2の端部408を有する。本体402内にはエアロゾル形成材料(図示せず)が配置され、使用中に、空気が本体402に引き込まれ、加熱されるエアロゾル形成材料と接触する。この例では、第1の端部406及び第2の端部408はそれぞれ出口及び入口を形成する。しかし他の例では、入口及び出口は、消耗品400に沿ってどこにでも配置することができる。空気は、第2の端部408の入口から消耗品へと引き込まれ、本体402によって画定された流路に沿って流れてエアロゾルと混ざり、ユーザによる吸入前に第1の端部406の出口から流出する。
【0039】
入口及び/又は出口が開放されていると、大気がエアロゾル形成材料と接触しその香料を徐々に劣化させることが分かっている。これを克服するために、エアロゾル形成材料の鮮度を維持するように入口、出口、又は入口と出口の両方を封止要素404で覆うことができる。
図4Aは、消耗品400の流路の出口を部分的に封止するのに使用される例示的な封止要素404を示している。類似の封止要素404を入口の封止に使用することもできる。封止要素は、プラスチック、紙、箔、厚紙、ゴムなどの任意の適当な材料からなり得る。
【0040】
例示的な封止要素404は、エアロゾル形成材料と接触する大気を減少させるために閉位置へと動かされ得る1つ又は複数の構成要素を備える。
図4Aは、大気が流路に沿って移動しエアロゾル形成材料と接触することを可能にする開位置にある封止要素404を示している。
図4Bは、閉位置に動かされた後の封止要素404を示している。封止要素404を閉位置に動かすには、ユーザは、封止要素404を矢印416の方向に動かせばよい。
【0041】
この例では、封止要素404は開位置と閉位置の両方において本体402に取り付けられており、したがって封止要素404が置き忘れられる可能性が低くなる。封止要素404は、あらゆる手段によって本体402に取り付けることができるが、この例では、封止要素が付いたままである状態を確実にするように、封止要素404と本体402との間に別個の取付要素410が延在する。
【0042】
閉位置での封止要素404の保持を確実にするために、消耗品400は、封止要素と本体との間に配置される締結具、接着剤を備えてもよく、又は、2つの係合面の係合による摩擦嵌合によって所定位置に保持され得る。
図4A及び4Bの例では、消耗品400は、対応する締結具414に係合するように構成される、この場合はプレス-スタッド締結具である締結具412を備える。したがって、締結具412及び対応する締結具414は、締結具アセンブリを形成することができる。他のタイプの締結具を使用することもでき、例えば、締結具(又は対応する締結具)は感磁性材料を含むことができ、対応する締結具(又は締結具)は磁石を備えることができ、又は、両方の締結具が、締結具が締結されたときに互いに反対の極性に構成された磁石であってもよい。
【0043】
図5は、デバイス100で使用される他の例示的な消耗品アセンブリ500を示している。消耗品500は、
図4A及び4Bに関して述べたものと類似しているが、この例では、消耗品500は2つの蓋封止要素504a、504bを備える。蓋封止要素504a、504bは、蓋504a、504bの螺合及び閉位置での保持を可能にするねじ付き構造を有する。蓋504a、504bは、閉位置にあるとき本体502aの少なくとも一部分を包囲するように寸法設定される。
【0044】
消耗品500は、略円筒形形態の本体502を備え、本体502の第1の端部506及び第2の端部508にそれぞれ位置する出口及び入口を有する。この例の消耗品は、出口を封止する第1の封止要素504aと、入口を封止する第2の封止要素504bを備える。第1の封止要素504a及び第2の封止要素504bは、この例では蓋の形態をしている。第1の封止要素504a及び第2の封止要素504bはともに、エアロゾル形成材料が使用されないときに新鮮なまま維持されることを確実にする。
図5では、第1の封止要素504aは開位置に示され、第2の封止要素504bは閉位置に示されている。各封止要素504a、504bは、封止要素504a、504bが本体502に取り付けられたままであることを確実にするように、封止要素504a、504bと本体502との間に延在する取付要素510を備える。
【0045】
閉位置での封止要素504a、504bの保持を確実にするために、消耗品500は、封止要素504a、504bと本体502との間に配置される締結具、粘着剤を備えることができる、又は、封止要素504a、504bが2つの係合面の係合による摩擦嵌合によって所定位置に保持され得る。しかし、
図5の例では、消耗品500は、本体502の外面に配置された雄ねじ512を備える締結具を有する。雄ねじ512は、第1の封止要素504aの内面に配置された対応する雌ねじ514と協働するように構成される。第2の封止要素504bも、本体502に配置された他の一組の雄ねじに係合するように構成される雌ねじを備えることができる。
【0046】
図6は、閉位置にある第1の封止要素504aの端面を示している。ユーザは、ピン518又は他の回転ジョイントによって画定される回転軸周りに蓋504aを(矢印516の方向に)回転させることができる。ピン518は、蓋504aと取付要素510を通って延びることによって蓋504aを取付要素510に連結する。したがって、この機構によって、ユーザが蓋504aを所定位置に螺合させ、蓋504aを閉位置に固定することが可能になる。
【0047】
図7は、デバイス100で使用される他の例示的な消耗品アセンブリ700を示している。消耗品700は、
図4A、4B及び5に関して述べたものと類似しているが、この例では、消耗品700は、直方体形であり、本体702に嵌合する形態を有する蓋封止要素704を備える。したがって、蓋封止要素704は、閉位置にあるときに本体702に少なくとも部分的に受容されるように寸法設定される。
【0048】
消耗品700は、略直方体形態の本体702を備え、本体702の第1の端部706及び第2の端部708にそれぞれ位置する出口及び入口を有する。この例の消耗品は、出口を封止する封止要素704と、入口を封止する第2の封止要素(
図7では見えない)を備える。封止要素704及び第2の封止要素は、この例では蓋の形態をしている。封止要素704及び第2の封止要素はともに、エアロゾル形成材料が使用されないときにエアロゾル形成材料を新鮮なまま維持することを確実にする。
図7では、封止要素704は開位置に示されている。封止要素704は、封止要素704と本体702との間に延在する別個の取付要素を備える。例えば、取付要素は、封止要素704の下面に配置することができ、したがって図面で見ることができない。或いは、蓋704及び本体704は、一体に形成されてもよく、例えばリビングヒンジによって接合されてもよい。
【0049】
閉位置での封止要素704の保持を確実にするため、消耗品700は、2つの係合面の係合による摩擦嵌合によって所定位置に保持される。
図7の例では、封止要素704は、少なくとも1つの第1の係合面712を備え、本体702は、少なくとも1つの第2の係合面714を備える。第1の係合面712及び第2の係合面714は、封止要素を摩擦力により閉位置に保持するように、閉位置で互いに係合するように構成される。例えば、本体702に挿入される蓋704は、本体702の内面の1つ又は複数の対応する部分714に当接する深さ、したがって1つ又は複数の面712を有する。この係合によって蓋704は所定位置に保持される。蓋704の面716は、閉位置にあるとき、エアロゾル形成材料に接触してもよく、又は隙間があってもよい。蓋704は、本体702に挿入されることで「引っかかって」誤って開位置へと動かされる可能性が低くなる。
【0050】
図8は、デバイス100で使用される他の例示的な消耗品アセンブリ800を示している。消耗品800は、
図7に関して述べたものと類似している。この例では、消耗品800は、本体802と一体に形成されリビングヒンジによって接合される封止要素804を備える。加えて、消耗品800は、封止要素804と本体802との間に配置される接着剤を備える。この接着剤は、封止要素804を閉位置に保持する。
【0051】
消耗品800は、略直方体形態の本体802を備え、本体802の第1の端部806及び第2の端部808にそれぞれ位置する出口及び入口を有する。この例の消耗品は、出口を封止する封止要素804と、入口を封止する第2の封止要素(
図8では見えない)を備える。封止要素は、この例ではフラップの形態をしている。
図8では、封止要素804は開位置に示されている。上述のように、封止要素804及び本体802は、一体に形成され、リビングヒンジが封止要素804と本体802との間に延在する。この構造によって、ユーザは封止要素804を本体802の外面の方に向けて矢印816の方向に折り返すことが可能になり得る。この位置では、フラップ804は、本体802の外面と実質的に同一平面となることができ、それによって消耗品800の第1の端部806を加熱チャンバにより簡単に挿入可能になり得る。
【0052】
閉位置での封止要素804の保持を確実にするため、封止要素804は、接着剤により所定位置に保持される。
図8の例では、封止要素804は、第1の面812を備え、本体802は、少なくとも1つの第2の外面814を備える。第1の面812及び第2の面814は、閉位置で互いに係合するように構成され、第1及び第2の面812、814のどちらか又は両方に配置される接着剤は、封止要素を閉位置に保持することができる。例えば、タブ812は第2の面814の一部分に係合することができる。特定の一例では、接着剤は、封止要素804の再取り付けを可能にする感圧接着剤である。
【0053】
図9は、デバイス100で使用される他の例示的な消耗品アセンブリ900を示している。この例の消耗品900は、第1の部分904aと第2の部分904bを備える単一の一体型封止要素904を備える。第1の部分904aは、閉位置において出口を閉鎖するように構成され、第2の部分904bは、閉位置において入口を閉鎖するように構成される。
【0054】
消耗品900は、略直方体形態の本体902を備え、本体902の第1の端部906及び第2の端部908にそれぞれ位置する出口及び入口を有する。上述のように、この例の消耗品は、出口906を封止する第1の部分904aと入口を封止する第2の部分904bを備える単一封止要素904を備える。単一要素が入口と出口の両方を閉鎖するように構成されることで、本体902への単一封止要素904の取り付けが可能な表面積がより大きくなるので、よりしっかりした封止要素904が作製され得る。加えて、不良となる個所がより少なくなり、消耗品900の製造がより簡単になる。
図9では、封止要素904は、例示のため、本体902とは別個に示されている。製造の間に封止要素904は本体に取り付けられる。例えば、本体の外面921は、封止要素904の内面914に係合することができる。一例では、外面912及び内面914は、構造接着剤によって接合されるが、あらゆる他の取付手段を使用することができる。
【0055】
閉位置での部分904a、904bの保持を確実にするため、消耗品900は、部分904a、904bと本体902との間に配置される締結具、接着剤を備えることができる、又は、部分904a、904bが2つの係合面の係合による摩擦嵌合によって所定位置に保持されてもよい。
【0056】
図10は、デバイス100で使用される他の例示的な消耗品アセンブリ1000を示している。この例の消耗品1000は、第1の部分1004aと第2の部分1004bとを備える封止要素1004を備える。第1の部分1004a及び第2の部分1004bは、閉位置において出口1006を閉鎖するように構成される。
【0057】
消耗品1000は、略直方体形態の本体1002を備え、本体1002の第1の端部1006及び第2の端部1008にそれぞれ位置する出口及び入口を有する。上述したように、この例の消耗品は、ともに出口の封止に使用される第1の部分1004aと第2の部分1004bを備える封止要素1004を備える。類似の封止要素を入口の封止のために設けることができる。
図10では、封止要素1004は開位置に示されている。閉位置での部分1004a、1004bの保持を確実にするため、消耗品1000は、締結具又は接着剤を備えることができる、又は、部分1004a、1004bが連動機構により所定位置に保持されてもよい。しかし、
図10の例では、感圧接着剤がフラップ1012及び/又は第1の部分1004aの外面に堆積されている。第1の部分1004aが最初に閉じられ、第2の部分1004bが二番目に閉じられ、それによって接着剤が封止要素1004を閉位置で固定する。第1及び第2の部分1004a、1004bは、リビングヒンジにより本体1002に取り付けられている。
【0058】
図11は、エアロゾル供給デバイスで使用される他の例示的な消耗品アセンブリ1100を示している。消耗品1100は、本体が基板であり、その基板の表面にタバコ又はゲルなどのエアロゾル形成材料が堆積されるという点で、先述の消耗品とは異なる。
【0059】
消耗品1100は、略平坦形態の基板1102を備えるが、他の形態を使用することもできる。エアロゾル形成材料1106は、基板1102の表面に堆積され、使用中に、空気は、ユーザによって吸入される前に基板1102を通じて引き込まれてエアロゾルを巻き込む。したがって、基板本体1102は、流路を部分的に画定する。この例の消耗品は、エアロゾル形成材料1106を覆う封止要素1104を備える。この例では、封止要素1104は、可撓性シートの形態を取り、1つ又は複数の場所で基板1102に取り付けられる。例えば、封止要素1104は、基板1102に付着され得る。しかし、他の例では、封止要素1104は、基板1102に開位置と閉位置の両方において取り付けられていなくてもよい。例えば、ユーザは、封止要素1104を完全に剥がして捨てることができる。
図11では、封止要素1104は、開位置に示されている。
【0060】
閉位置での封止要素1104の保持を確実にするため、封止要素1104は、感圧接着剤により所定位置に保持されるが、他の締結具を使用することもできる。例えば、封止要素1104及び/又は基板1102は、1つ又は複数の場所に堆積される接着剤を備えることができ、接触すると封止要素1104はエアロゾル形成材料1106を覆う閉位置に保持される。
【0061】
図12は、エアロゾル供給デバイスで使用される他の例示的な消耗品アセンブリ1200を示している。消耗品1200は、
図11に示されるものと実質的に類似しているが、封止要素1204の剛性がより高く、リビングヒンジによる接合によって基板1202と一体に形成されているという点が異なる。或いは、消耗品は、封止要素1204を基板1202に取り付ける他のタイプの取付要素を備えてもよい。
【0062】
図13は、エアロゾル供給デバイスで使用される他の例示的な消耗品アセンブリ1300を示している。消耗品1300は、
図11に示されるものと実質的に類似しているが、基板1302が、エアロゾル形成材料が堆積されるくぼみ1308を画定する点が異なる。したがって、封止要素1304は、閉位置においてくぼみ1308を覆うように構成される。
【0063】
上述の例では、封止要素は、閉位置と開位置の両方において本体に取り付けられているものとして述べられている。しかし、常にそうでなくてもよい。先述した例の変形形態では、封止要素(複数可)は、両方の位置において本体/基板に取り付けられていなくてもよい。例えば、ユーザは、封止要素(複数可)を開位置へと動かすことができ、封止要素(複数可)が取り外されてもよい。ユーザは、封止要素(複数可)を捨ててもよく、又はそれらを流路の封止のために後で再び取り付けるために保存しておいてもよい。
封止要素(複数可)は、本体/基板に両方の位置において取り付けられていなくてもよいが、接着剤を使用して封止要素を閉位置に保持することが有利である。したがって、先述の例のいずれかにおいて、取付要素及びリビングヒンジは処分されてもよく、封止要素を閉位置に保持することに接着剤が使用されてもよい。
【0064】
図4及び5の例の変形形態では、取付要素はなくてもよく、封止要素は、閉位置における封止要素の保持のために本体及び/又はエアロゾル形成材料に付着されてもよい。
図7の例の変形形態では、取付要素又はリビングヒンジはなくてもよく、封止要素は、閉位置における封止要素の保持のために本体の内面及び/又はエアロゾル形成材料に付着されてもよい。
図9の例の変形形態では、単一の封止要素は、接着剤を用いて本体の外面及び/又はエアロゾル形成材料に付着されてもよく、したがって使用前に本体から完全に分離されるように設計される。
図11~13の例の変形形態では、封止要素は、開位置にあるとき、基板に恒久的に取り付けられていなくてもよい。
【0065】
これらの変形形態において、接着剤は、封止要素の除去後に封止要素の再取り付けを可能にする感圧接着剤とすることができる。或いは、接着剤は、構造接着剤であってもよい。いくつかの例では、接着剤は、多糖を含む。
【0066】
上述の実施形態は、本発明の例示的な例として理解されるべきである。本発明のさらなる実施形態も考えられる。任意の1つの実施形態に関して説明された任意の特徴は、単独で使用してもよく、又は、説明された他の特徴と組み合わせて使用してもよく、実施形態のうちの任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせて使用してもよく、又は実施形態のうちの任意の他の実施形態の任意の組み合わせにおいて使用してもよいことを理解されたい。さらに、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく上記で説明していない均等物及び修正形態を使用することもできる。