(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】CT撮像装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A61B6/03 523B
(21)【出願番号】P 2021571635
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(86)【国際出願番号】 FI2020050380
(87)【国際公開番号】W WO2020249858
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-05-31
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】591036309
【氏名又は名称】プランメカ オイ
【氏名又は名称原語表記】Planmeca Oy
【住所又は居所原語表記】Asentajankatu 6, 00880 Helsinki, Finland
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュルヤラ トンミ
(72)【発明者】
【氏名】ヨキネン ティモ
(72)【発明者】
【氏名】エロネン ティモ
(72)【発明者】
【氏名】ムーラー ティモ
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/111119(WO,A1)
【文献】特開2015-104600(JP,A)
【文献】特開2007-144136(JP,A)
【文献】特開平08-275940(JP,A)
【文献】特表2017-521220(JP,A)
【文献】特開2010-213729(JP,A)
【文献】特表2018-524112(JP,A)
【文献】特開2003-038471(JP,A)
【文献】特開2004-141656(JP,A)
【文献】特開昭58-094836(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0177473(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0058257(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0353143(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0172468(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0139215(US,A1)
【文献】国際公開第2019/056055(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102013215454(DE,A1)
【文献】国際公開第2012/008492(WO,A1)
【文献】特開2013-202294(JP,A)
【文献】実開昭48-074290(JP,U)
【文献】特開2014-166276(JP,A)
【文献】特開2010-273931(JP,A)
【文献】特開2011-087930(JP,A)
【文献】特開昭54-021186(JP,A)
【文献】特開2018-020098(JP,A)
【文献】特表2020-509899(JP,A)
【文献】特開2018-023869(JP,A)
【文献】特開2011-161032(JP,A)
【文献】特開2013-248083(JP,A)
【文献】特表2019-508110(JP,A)
【文献】特開2009-297273(JP,A)
【文献】特開2019-030651(JP,A)
【文献】特表2011-502567(JP,A)
【文献】特開平04-062492(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0079590(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0120487(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0025054(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0061679(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0163540(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0157811(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0022170(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0063517(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0048868(US,A1)
【文献】国際公開第2018/109127(WO,A1)
【文献】特表2018-509980(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0360397(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C17/00 -23/34 、29/00 、
A61B 6/00 - 6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用または医療用CT撮像装置であって、
-第1の方向に延び、第1の端部及び第2の端部を備える第1の細長いフレーム部分11と、
-前記第1の細長いフレーム部分11から前記第1の方向に直交する第2の方向に延びる支持構成12と、
-前記支持構成12に取り付けられ、まとめてX線撮像手段14、15を形成するX線源14及び画像検出器15と、
-前記X線撮像手段14、15を、物理的又は仮想的な回転軸13を中心に回転させるように配置された第1の駆動機構16と、
-前記第1の細長いフレーム部分11が延びる前記第1の方向と平行な方向に前記支持構成12を移動させるように配置された第2の駆動機構17と、
-患者支持体18と、
-制御システムと、を備え、
前記装置が、第3の端部及び第4の端部を備える第2の細長いフレーム部分21を備え、前記第1の細長いフレーム部分11の前記第1の端部の近傍に、前記第1の細長いフレーム部分11及び前記第2の細長いフレーム部分21を機械的に接続し、前記第2の細長いフレーム部分21に対して少なくとも1つの傾斜軸を中心に前記第1の細長いフレーム部分11の傾斜を可能にする関節式接続構成22が配置され、前記少なくとも1つの傾斜軸が、前記第1の方向及び前記第2の方向の両方に直交し、前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部の近傍及び前記第2の細長いフレーム部分21の前記第4の端部の近傍に、前記第1の細長いフレーム部分11及び前記第2の細長いフレーム部分21を、前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部の近傍及び前記第2の細長いフレーム部分21の前記第4の端部の近傍においてまとめて接続及び分離することを可能にするように構成されているロック機構24が配置されることを特徴とする、前記装置。
【請求項2】
前記ロック機構24が、前記第1の細長いフレーム部分11及び前記第2の細長いフレーム部分21が前記ロック機構24によって分離されたときに、前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部を、前記第2の細長いフレーム部分21の前記第4の端部から一定距離離すように移動させるか、または移動を容易にするように構成されている変位機構25を備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記変位機構25が、前記第2の細長いフレーム部分21の前記第4の端部から離れる方向に傾斜するランプ、及び/または前記第2の細長いフレーム部分21の前記第4の端部の近傍に、前記第2の細長いフレーム部分21が延びる方向に直交する方向に取り付けられた少なくとも1つの歯状バー31と、前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部の近傍に取り付けられ、前記歯状バー31と互換性があるように構成されている少なくとも1つの歯状ホイール32とを備えることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記関節式接続構成22との機械的接続において、前記第2の細長いフレーム部分21側に、前記第2の細長いフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで移動可能に配置された取り付け構造23が配置され、それによって、前記関節式接続構成22及び前記関節式接続構成22に機械的に接続された前記第1の細長いフレーム部分11の前記第1の端部に、前記第2の細長いフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで移動の自由度を提供し、
前記第2の細長いフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで前記取り付け構造23を駆動する第3の駆動機構27を備え、
前記制御システムは、前記第1の細長いフレーム部分11及び前記第2の細長いフレーム部分21が平行に延び、前記第1の細長いフレーム11及び前記第2の細長いフレーム21の互いの向きを変更する制御信号に応答して、第1に、前記変位機構25を動作させて、前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部を前記第2の細長いフレーム部分21の前記第4の端部から一定距離離すように移動させ、第2に、第3の駆動機構27を動作させて、前記第2の細長いフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで前記第2の細長いフレーム部分21の前記第4の端部に向かって前記取り付け構造23を駆動し、前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部を前記第2の細長いフレーム部分21の前記第4の端部からさらに一定距離離すように移動させるように構成されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記ロック機構24は、前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部が、前記第2の細長いフレーム部分21の前記第4の端部に向かって移動するときに、予め定義されたロック位置に達したときを検出するように構成されている感知要素29を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記ロック機構24がロックアクチュエータ28を備え、前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部が、前記第2の細長いフレーム部分21の前記第4の端部に向かって移動するときに、前記予め定義されたロック位置に到達したことの前記感知要素29からの制御信号に応答して、前記制御システムが、前記予め定義されたロック位置に前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部をロックする前記ロックアクチュエータ28に制御信号を送信するように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ロック機構24は、前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部が前記第2の細長いフレーム部分21の前記第4の端部に向かって移動し、近づくときに、前記ロック機構24上で前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部を真っ直ぐに案内するように構成されている案内構成を備え、
前記案内構成が、前記第2の細長いフレーム部分21の前記第4の端部の近傍に前記案内構成の第5の端部から取り付けられ、前記第2の細長いフレーム部分21が延びる方向に直交して延びて少なくとも1つのガイド通路を形成する少なくとも1つのガイドレール30を備え、又は前記少なくとも1つのガイドレールを備えないことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の細長いフレーム部分11が、前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部の近傍において、少なくとも1つのホイールもしくはローラ26、または表面上でスライドするように設計された構造を備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記取り付け構造23が、前記第1の細長いフレーム部分11の長さに対応する距離で、少なくとも前記第2の細長いフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで移動可能に配置され、
前記関節式接続構成22は、前記第1の細長いフレーム部分11及び前記第2の細長いフレーム部分21が平行に延びる向きと、前記第1の細長いフレーム部分11及び前記第2の細長いフレーム部分21が直交に延びる向きとの間で第1の細長いフレーム部分11が傾斜することを可能にするように配置されることを特徴とする、請求項
4に記載の装置。
【請求項10】
前記患者支持体18が、前記第1の細長いフレーム部分11に機械的に接続され、前記第1の方向において前記第1の細長いフレーム部分11と平行に延びる構造であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記患者支持体18が前記第1の細長いフレーム部分11と同じ長さであることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記患者支持体18が、少なくとも一部が少なくとも前記第1の方向において放射線透過性であることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記支持構成12を前記第1の方向と平行な方向に駆動することが、前記第1の細長いフレーム部分11の前記第1の端部と前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部との間の全長にわたって可能であるように配置されていることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の細長いフレーム部分21が、前記第1の細長いフレーム部分11と同じ長さであることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記ロック機構24が、前記第1の細長いフレーム部分
11の前記第2の端部が、前記第2の細長いフレーム部分21の前記第4の端部に移動して接近するとき、前記第1の細長いフレーム部分11の前記第2の端部をロック機構24上で真っ直ぐにガイドするガイド構成を備え、前記第1の細長いフレーム部分11は、前記第1の細長いフレーム部分
11の前記第2の端部の近傍に互いに第1の距離を隔てる2つの車輪または
ローラ26を備え、前記ガイド構成は、前記第1の距離を隔てて2つのガイド通路を形成する2つのガイドレール30を備え、前記2つのガイドレール30は、前記2つのガイドレール30の第6の端部においてベベリングを備えることにより、前記ガイドレールの前記第6の端部における前記ガイド通路間の距離を前記第1の距離よりも小さくする、ことを特徴とする、
請求項8に記載の装置。
【請求項16】
患者支持部18と、
前記患者支持部18を固定する第1フレーム部11と、
X線源14と検出器15とを備え、前記第1フレーム部11に移動可能に接続された支持部12と、
鉛直に設置された第2フレーム部21と、
及び
前記第1フレーム部11の第1端部に配置され、前記第2フレーム部21に対して動作可能に係合する接続部22と、
前記第1フレーム部11の第2端部及び前記第2フレーム部21の下端に配置され、前記第1フレーム部11及び前記第2フレーム部21を、接続及び分離可能なロック部24と、を有し、
前記ロック部24が前記第1フレーム部11及び前記第2フレーム部21を接続していると、前記第1フレーム部11を鉛直状態でロックする、
CT撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ断層撮影撮像装置に関する。具体的には、本発明による装置の特徴は、歯科用及び医療用コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)撮像装置のコンテクストでの使用に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ断層撮影(CT)は、撮像するボリュームを異なる方向から照射し、このようにして取得した画像情報から所望の二次元または三次元画像を再構成することができるX線撮像の一種である。
【0003】
従来のCT装置は、大きくて重く、それらは、典型的には、床に取り付けられる。患者は、典型的には、水平に延び、横方向に移動可能な検査プラットフォーム上で、装置の検査開口部内での撮像のために位置決めされる。
【0004】
例えば、撮像手段のより遅い回転速度が使用されるコーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)技術が開発されて以来、従来のCT装置よりも重量が少ない装置が開発されている。CBCT装置の中には、例えば、床に取り付けられるのではなく、可動性があるように構成されているものもある。また、垂直に延びるフレームと、撮像手段のための水平に延びる支持体とを備える構成が設計されている。
【0005】
一般に、医療用X線撮像装置を考慮すると、装置自体に患者支持体構成が全くない種類があり、患者支持体構成を備えるものは、典型的には、立っている患者、座っている患者、または横たわっている患者のいずれかの撮像を考慮して設計される。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的及びその好ましい実施形態は、汎用的な使用に適用可能であり、様々なやり方で解剖学的構造の様々な部分の撮像を可能にするCT装置、特にCBCT装置である。本発明の特徴は、請求項1に定義される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、その好ましい実施形態及び添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【
図1】本発明の一実施形態による装置の一部分の例としての特定の構成要素を例示する概略側面図である。
【
図2a】
図1の装置の細長いフレームのコンテクストでの使用に適用可能な構造的詳細を示す。
【
図2b】
図1の装置の細長いフレームのコンテクストでの使用に適用可能な構造的詳細を示す。
【
図3a】
図1に示されるような装置での使用に適用可能な患者支持体構成のいくつかの詳細を例として示す。
【
図3b】
図1に示されるような装置での使用に適用可能な患者支持体構成の断面の例を示す。
【
図4】本発明による装置の例としての実施形態の特定の構成要素を示す概略側面図である。
【
図5】傾斜した位置に駆動された構成の特定の構成要素を示す
図4の装置の概略側面図である。
【
図6】
図5に示されるような装置の機能に関する変位及びロック機構として使用することができる配置の構成要素を示す。
【
図7】本発明による装置の一部分の例としての特定の構成要素の別の実施形態を示す概略側面図である。
【
図8】本発明による装置の制御システムが制御するように構成され得る構成要素の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明による装置の一部分の例としての一実施形態の特定の構成要素の概略側面図を示す。
図1の歯科用または医療用CT撮像装置は、第1の方向に延び、第1の端部及び第2の端部を有する細長いフレーム部分11を備える。この細長いフレーム部分11からは、第1の方向に実質的に直交する第2の方向に、
図1にはそれ自体が見えないX線源14及び画像検出器15を支持する支持構成12が延びている。まとめてX線撮像手段14、15を形成するX線源14及び画像検出器15は、互いに本質的に反対側の支持構成12に取り付けられてもよいが、さらなる実施形態では、それらの相互位置は、調整可能であるように配置されてもよい。
【0009】
図1は、細長いフレーム部分11に機械的に接続され、細長いフレーム部分11と実質的に平行に延びる構造である患者支持体18をさらに示す
図1の実施形態では、患者支持体18は、細長いフレーム部分11と本質的に同じ長さである。
【0010】
一態様によれば、例えば、細長いフレーム部分11の長さは、240cm程度である。
【0011】
一態様によれば、例えば、細長いフレーム部分11の長さは、220cm~260cmである。
一態様によれば、例えば、患者支持体18の長さは、細長いフレーム部分11の長さの80~90%である。
【0012】
一態様によれば、例えば、患者支持体18は、第1の方向により長い寸法を有し、第1の方向に直交する第2の方向により短い寸法を有する。
【0013】
一態様によれば、例えば、患者支持体18は、少なくともその主要部分について、第1の方向にある。
【0014】
一態様によれば、例えば、患者支持体18の放射線透過性部分は、細長いフレーム部分11と本質的に同じ長さである。
【0015】
一態様によれば、例えば、患者支持体18は、第1の方向におけるその端部の少なくともいずれかで放射線透過性でないセクションを備える。
【0016】
一態様によれば、例えば、第1の方向における患者支持体18の放射線透過性部分の長さは、細長いフレーム部分11の長さの80~90%である。
【0017】
一態様によれば、例えば、X線撮像手段14、15を支持する支持構成12は、中心軸13を有する円形のガントリーである。ガントリーは、X線撮像手段14、15を部分的に囲む、または完全に収容してもよい。
【0018】
図1に直接見えない一態様によれば、例えば、装置は、回転軸を中心にX線撮像手段14、15を駆動するように配置された駆動機構16を備える。この回転軸は、ガントリーの形態で支持構成12の中心軸13と一致してもよく、それは、
図1の場合のように、物理的な軸、または仮想的な回転軸であってもよい。
【0019】
一態様によれば、例えば、ガントリーの中心軸13は、X線撮像手段14、15が湾曲した経路に沿って駆動されるときに、X線撮像手段14、15の回転中心/回転軸と一致する。
【0020】
一態様によれば、回転軸は、瞬間的な(仮想的な)回転軸であり、中心軸13に対する瞬間的な回転軸の場所は、変更されるように配置することができる。
【0021】
一態様によれば、線源14及び画像検出器15の構成要素の少なくともいずれかは、他の構成要素と正確に反対の場所から横方向に移動可能であるように配置される。
【0022】
一態様によれば、X線撮像手段14、15を支持する構造12は、中心軸を有するガントリーを備え、装置の構造は、X線源14を、それが生成する中心光線がガントリーの中心軸と一致する位置と、それが生成する中心光線がガントリーの中心軸と一致しない位置との間で横方向に移動させることと、画像検出器15を、画像検出器15の中心で検出器表面に垂直なベクトルがガントリーの中心軸と一致する位置と、画像検出器15の中心で検出器表面に垂直なベクトルがガントリーの中心軸と一致しない位置との間で横方向に移動させることと、のうちの少なくともいずれかを可能にする。X線撮像手段14、15の横方向の移動は、X線撮像手段14、15を、それらが互いに対面する位置に移動させることを含み得るが、一方で、X線源14が生成する中心光線は、ガントリーの中心軸と一致せず、画像検出器15の中心で検出器表面に垂直なベクトルは、ガントリーの中心軸と一致しない。
【0023】
別の態様によれば、別の駆動機構17は、細長いフレーム部分11が延びる方向と実質的に平行な方向に支持構成12を前後に動かすことを可能にするように装置に配置される。一態様によれば、その駆動機構17は、支持構成12を細長いフレーム部分11に沿ってまたはそれに並んで移動させるように構成されてもよい。
【0024】
図2aによる例では、上記に論じた支持構成12の駆動機構17は、モータ110と、プーリ112を回転させるように配置されたギア111とを備える。
図2aの一実施形態として示される構成では、モータ110及びプーリ112は、細長いフレーム部分11の第2の端部の近傍に位置するが、細長いフレーム部分11の第1の端部の近傍には他の別の他のプーリ112’があり、プーリ112、112’の周りには、ベルト113、またはチェーンのような対応して機能する構成要素が走っている。次いで、この機構は、支持構成12に機能的に接続され、それを細長いフレーム部分11に沿って駆動するようになっており、
図2bに例として示されるもののように、溝114が、細長いフレーム部分11に配置され、溝114に沿ってスライドするように適合するように突起部121が支持構成12に配置される。一実施形態では、摩擦を最小限に抑えるために、ローラタイプの直線案内ウェイが使用され、その場合、運動はスライドするのではなくローリングする。
【0025】
図のいずれにも示されていない一態様によれば、例えば、支持構成12を駆動するための駆動機構は、支持構成12自体に配置されたモータを備える。
【0026】
細長いフレーム部分11に沿って、またはそれに並んで支持構成12を駆動する駆動機構17の構造の詳細にかかわらず、一実施形態では、装置の構成は、支持構成12を、細長いフレーム部分11の第1の端部と第2の端部との間の本質的に全長で駆動することを可能にする。
【0027】
さらに別の態様によれば、
図1に示されるように、装置は、患者支持体18を細長いフレーム部分11に接続する接続構成19、20を備える。
【0028】
例が
図3aに示される別の態様によれば、装置は、患者支持体18を細長いフレーム部分11に機械的に接続する接続構成19、20を備える。
【0029】
接続構成19、20は、患者支持体18を細長いフレーム部分11からより近く、より遠くに変位させることを可能にするように構成された患者支持体調整機構19’、20’を備えてもよい。
【0030】
別の態様によれば、駆動機構19”、20”は、患者支持体調整機構19’、20’と機能的に接続されて配置される。
【0031】
別の態様によれば、患者支持体調整機構19’、20’は、駆動機構19”、20”に含まれる駆動機構19”と一緒に、細長いフレーム部分11の第1の端部に実質的に配置された第1の調整機構19’と、駆動機構19”、20”に含まれる駆動機構20”と一緒に、細長いフレーム部分11の第2の端部に実質的に配置された第2の調整機構20’とを備えてもよい。
【0032】
一態様によれば、例えば、患者支持体調整機構19’、20’は、装置の制御システムと機能的に接続されて配置され、制御システムは、調整機構19’、20’の駆動機構19”、20”を制御するように構成されている。
【0033】
一態様によれば、例えば、制御システムは、駆動機構19”とともに、細長いフレーム部分11の第1の端部に実質的に配置された第1の調整機構19’と、駆動機構20”とともに、細長いフレーム部分11の第2の端部に実質的に配置された第2の調整機構20’とを備える第1の接続構成19、20が、細長いフレーム部分11と患者支持体18との間の距離を調整するときに、細長いフレーム部分11の第1の端部及び第2の端部において、二者の間を同一距離に保つように制御するように構成されている。
【0034】
別の態様によれば、細長いフレーム部分11の端部と患者支持体18との間の距離は、異なるように調整することができる。一態様によれば、第1及び第2の調整機構19’、20’は、独立して制御されるように配置される。
【0035】
一態様によれば、
図3bに示されるように、上記に論じた患者支持体構成18の第1の方向を考慮すると、その主要部分についてのその断面は、患者支持体構成18の凹面に対して患者をより良好に支持するために湾曲している。
【0036】
他の一態様によれば、
図3bに示されるように、患者支持体構成18のその断面の縁181では、断面の形状は、反対方向に湾曲している。
【0037】
他の一態様によれば、また
図3bにさらに示されるように、患者支持体構成18の上記に論じた断面の縁の近くであって、その主要部分の凹面とは反対側に、保持構造182が配置される。保持構造182は、患者支持体構成18の凹面上またはその上方にわたるように設計されたストラップを受けて、患者にさらなる支持を提供し、撮像露光中に静止を維持するのに役立つように使用される、例えば、細長いハンドルまたは取り付け構造であってもよい。
【0038】
概略的な側面図として、本発明による装置の例としての実施形態の特定の構成要素を示す
図4を参照すると、上記で論じた第1の細長いフレーム部分11と呼ぶことができるものに加えて、第1の細長いフレーム部分11と本質的に同じ長さの第1の細長いフレーム部分11に機械的に接続された第2の細長いフレーム部分21がある。
【0039】
一態様によれば、依然として
図4を参照すると、第1の細長いフレーム部分11、12の第1の端部の近傍に、第1の細長いフレーム部分11及び第2の細長いフレーム部分21を機械的に接続し、かつ第2の細長いフレーム部分21に対して少なくとも1つの傾斜軸を中心に第1の細長いフレーム部分11を傾けることを可能にする関節式接続構成22が配置される。少なくとも1つの傾斜軸は、細長いフレーム部分11及び支持構成12が延びる上述の第1及び第2の方向の両方に直交する。または、言い換えれば、傾斜軸は、第1及び第2の細長いフレーム部分11、21が延びる方向、及びX線撮像アセンブリ14、15に対する支持構成12が、第1の長手方向に延びるフレーム部分11から垂直に延びる方向に直交する軸であってもよい。
【0040】
この出願において、図に示され、詳細に論じられる実施形態では、少なくとも1つの傾斜軸は水平である。これは、傾斜軸が水平である必要があると理解されるべきではない。
【0041】
別の態様によれば、第2の細長いフレーム部分21の側面に、
図4で直接見えない取り付け構造23が、関節式接続構成22と接続されて配置される。取り付け構造23は、第2の細長いフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで移動可能に配置される。
【0042】
別の態様によれば、例えば、第2の細長いフレーム部分21の第2の端部の近傍に、第1の細長いフレーム部分11及び第2の細長いフレーム部分21の接続及び分離を可能にするように構成されているロック機構24が配置される。特に、ロック機構24は、第1の細長いフレーム部分11及び第2の細長いフレーム部分21の第2の端部の近傍において配置され、ロック機構は、第1の細長いフレーム部分11及び第2の細長いフレーム部分21の第2の端部の近傍において、第1の細長いフレーム部分11及び第2の細長いフレーム部分21をまとめて接続及び分離することを可能にするように構成されている。
【0043】
第2の細長いフレーム部分21が安定して取り付けられ、ロック機構24が第1の細長いフレーム部分11及び第2の細長いフレーム部分21を接続していないとき、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部は横方向に自由に移動し、フレーム部分11、21間の関節式接続22は、第1の細長いフレーム部分11の第1の端部の近傍で、水平傾斜軸を中心に第1の細長いフレーム部分11を回転させることを可能にする。垂直開始位置の場合、上で論じたような移動可能に配置された取り付け構造は、第1の細長いフレーム部分11の第1の端部の下降及び上昇を可能にする。
【0044】
図5は、第1の細長いフレーム部分11の第1の端部が下方に移動し、第1の細長いフレーム部分11の第2の端が表面上で水平に移動した段階での、
図4による装置を示す。装置は、第1の細長いフレーム部分11の第1の端部を、第2の細長いフレーム部分21の第2の端部の近傍までずっと下降させることを可能にするように構成されてもよい。
【0045】
また別の態様によれば、
図4及び5に直接見えないが、第2の細長いフレーム部分21との機能的接続では、第2の細長いフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで取り付け構造23を駆動する駆動機構27が配置される。第1の細長いフレーム部分11と機械的に接続されているときに、その第1の端部の近傍で、駆動機構27は、第2の細長いフレーム部分21が延びる方向に第1の細長いフレーム部分11の第1の端部を移動させることができる。
【0046】
取り付け構造23を駆動する駆動機構27は、駆動機構17が、第1の細長いフレーム部分11に沿ってまたはそれに並んでX線撮像手段14、15の支持構成12を駆動するのと同様の構成であってもよい。
【0047】
一態様によれば、取り付け構造23を駆動する駆動機構27は、チェーン駆動を備える。
【0048】
上記に論じた特徴のいくつかを説明するために、換言すれば、実施形態において、関節式接続構成22との機械的接続において、第2の細長いフレーム部分21の側面上に、第2の細長いフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで移動可能に配置された取り付け構造23が配置され、そのような構成により、関節式接続構成23に対して、及び関節式接続構成23に機械的に接続された第1の細長いフレーム部分11の第1の端部に対して、第2のフレーム部分21に沿ったまたはそれに並んで移動の自由度を提供する。
【0049】
一実施形態では、取り付け構造23は、第2の細長いフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで少なくとも本質的に、第1の細長いフレーム部分11の長さに対応する距離で移動可能に配置され、関節式接続構成22が、第1の細長いフレーム部分11及び第2の細長いフレーム部分21が本質的に平行に延びる向きと、第1の細長いフレーム部分11及び第2の細長いフレーム部分21が本質的に直交して延びる向きとの間で第1の細長いフレーム部分11の傾斜を可能にするように配置されている。
【0050】
さらに別の態様によれば、ロック機構24は、これまでに論じられた図に直接見えない変位機構25であって、ロック機構24が第1及び第2の細長いフレーム部分11、21を分離するときに、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部を第2の細長いフレーム部分21から一定距離離すように移動させる変位機構25を備える。
【0051】
これまでに論じられた図に詳細に示されていない一態様によれば、ロック機構24は、電動構造の側面と、第1の細長いフレーム部分11とに嵌合要素をそれぞれ有するモータ駆動配置を備える。
【0052】
ロック機構24は、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部がロック機構24に向かって移動しているときに、ロック機構24上で第1の細長いフレーム部分11の第2の端部を真っ直ぐに案内するように構成された案内構造をさらに備えてもよい。または、言い換えれば、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部が、第2の細長いフレーム部分21の第2の端部に向かって移動し、近づくときである。
【0053】
さらに別の態様によれば、
図4及び5に例として示されるように、第1の細長いフレーム部分11は、その第2の端部の近傍に少なくとも1つのホイールまたはローラ26を備える。
【0054】
別の態様によれば、車輪またはローラの代わりに、表面上でスライドするように設計された構造が、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部に配置されてもよい。
【0055】
上記で論じたいくつかの特徴に関するより詳細な実施形態が、
図6に提示されており、全体的に、第1及び第2の細長いフレーム部分11、21の第2の端部を示しているが、それでもなお、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部のまさに端(very end)が、切断され、部分的に完全に切断され、部分的には、後壁11’と呼ぶことができるものが依然として見えるように、ただ1つの壁が切断されている。
【0056】
図6に示される実施形態は、変位機構25が、第2の細長いフレーム部分21の第2の端部の近傍に、第2の細長いフレーム部分21が延びる方向に本質的に直交する程度に取り付けられた2つの歯状バー31と、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部の近傍に取り付けられた2つの歯状ホイール32とを備える構造を含む。歯状ホイール32は、歯状バー31と互換性があるように構成されている。2つの歯状バー及びホイールが示されているが、それらの数はただ1つ、または2つ以上とする可能性がある。
【0057】
図6に示される実施形態は、歯状ホイール32と機能的に接続されて配置された変位モータ33を備える変位機構25をさらに含む。
【0058】
一実施形態によれば、変位機構25を動作させるために、装置の制御システムは、第1の細長いフレーム部分11及び第2の細長いフレーム部分21が本質的に平行に延び、第1の細長いフレーム部分11及び第2の細長いフレーム21の互いの向きを変更する制御信号に応答して、第1に、変位機構25を動作させて、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部を第2の細長いフレーム部分21の第2の端部から一定距離離すように移動させ、第2に、該第3の駆動機構27を動作させて、第2の細長いフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで第2の細長いフレーム部分21の第2の端部に向かって取り付け構造23を駆動し、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部を第2の細長いフレーム部分21の第2の端部からさらなる距離離すように移動させるように構成されてもよい。
【0059】
図6に示されるロック機構24は、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部が、第2の細長いフレーム部分21の第2の端部に向かって移動するときに、予め定義されたロック位置に達したときを検出するように構成されている感知要素29をさらに備える。
【0060】
図6に示されるロック機構24は、ロックアクチュエータ28をさらに備え、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部が、第2の細長いフレーム部分21の第2の端部に向かって移動するときに、予め定義されたロック位置に到達したことの感知要素29からの制御信号に応答して、装置の制御システムが、該予め定義されたロック位置に第1の細長いフレーム部分11の第2の端部をロックするロックアクチュエータ28に制御信号を送信するように構成されてもよい。
【0061】
一実施形態では、第1の細長いフレーム部分11及び第2の細長いフレーム部分21がロック機構24によって分離されたときに、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部を第2の細長いフレーム部分21の第2の端部から一定距離離すように積極的に移動させる構成を有する代わりに、またはそれに加えて、ロック機構24は、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部を第2の細長いフレーム部分21の第2の端部から一定距離離すように移動させることを容易にするように構成された変位機構25を備える。そのような場合、変位機構は、例えば、第2の細長いフレーム部分21の第2の端部から離れる方向に傾斜するランプであってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0062】
図6の実施形態による案内構成は、第2の細長いフレーム部分21の第2の端部の近傍にそれらの第1の端部から取り付けられ、第2の細長いフレーム部分21が延びる方向に本質的に直交して延びて2つのガイド通路を形成する2つのガイドレール30を備える。2つのガイドレール30が
図6に示されているが、レールの数もまた別のものである可能性がある。しかしながら、1つのレールのみを使用すると、本当に案内機能を有する通路を形成することは難しいことがある。
【0063】
図6に示されるのは、その第2の端部の近傍で、互いに第1の距離にある2つのホイールまたはローラ26を備える第1の細長いフレーム部分11と、互いに本質的に同じ第1の距離に2つのガイド通路を形成する2つのガイドレール30を備える案内構成であり、ガイドレール30は、それらの第2の端部において、ガイド通路間の距離を通路のその端部において第1の距離よりも小さくするためにベベリングをさらに備える。このような構成は、第1の細長いフレーム部分11の第2の端部を案内し、第2の細長いフレーム部分21に向かって移動させるように設計された通路を見つけるのに役立つ。
【0064】
一態様によれば、例えば、
図7に示すように、ガントリーの形態での撮像手段15、16のための支持構成12は、基本的に撮像手段14、15を完全に囲むのではなく、主にまたは単独で撮像手段14、15を保持するための支持構造として機能し、軸を中心に撮像手段14、15を駆動するガントリーに配置された構造として機能する。この種の解決策は、より重くなく、撮像手段14、15間のボリュームへのより良いアクセスを提供するガントリーを実現することを可能にし、物理的にも、そのボリュームに明確な視線がある可能性のある領域を考慮することを可能にする。
【0065】
図8は、本開示による装置での使用に適用可能な制御システムの構成要素の例をブロック図として示す。様々な実施形態では、これらの特徴のすべてが必ずしも装置の制御システムに存在するわけではない。
図8に記載の制御システムは、まず、X線源及び画像検出器の動作を制御することを可能にするように構成されている。X線源及び画像検出器の動作を制御する構成要素は、X線源及び/または画像検出器及び/または装置の他の場所に物理的に配置された構成要素を含むことができる。
【0066】
図8の制御システムは、支持構成、支持構成自体、及び患者支持体の調整機構によって支持された撮像手段を移動させるものなど、装置の様々な駆動手段をさらに制御する。制御システムはまた、例えば、上記に論じたように、取り付け構造の駆動を制御してもよい。さらに、第1及び第2の細長いフレーム部分を接続及び分離するための電動ロック機構を備える装置の場合、制御システムはまた、上記に論じた変位モータ及びロックアクチュエータなど、ロック機構の駆動手段を制御してもよい。全体的に、制御システムは、上記にすべての動作またはその任意の一部を制御するように配置されてもよい。制御システムへの入力は、リモート制御によって提供されてもよい。上記で論じた構造及び機能性は、患者の位置決め及び撮像のための様々な可能性を提供する。