(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】熱効率の高いLPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロ
(51)【国際特許分類】
F24C 15/22 20060101AFI20241219BHJP
F23D 14/06 20060101ALI20241219BHJP
F23D 14/64 20060101ALI20241219BHJP
F24C 3/02 20210101ALI20241219BHJP
F24C 3/08 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
F24C15/22 C
F23D14/06 B
F23D14/64
F24C3/02 J
F24C3/08 Q
(21)【出願番号】P 2022532073
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(86)【国際出願番号】 IB2020061220
(87)【国際公開番号】W WO2021105947
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2023-11-24
(31)【優先権主張番号】201921048627
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】522212664
【氏名又は名称】バハラ ペトロリアム コーポレーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BHARAT PETROLEUM CORPORATION LIMITED
【住所又は居所原語表記】Bharat Bhavan, 4 & 6 Currimbhoy Road, Ballard Estate, Mumbai, Maharashtra, India
(73)【特許権者】
【識別番号】522212675
【氏名又は名称】ペトロリアム コンサベーション リサーチ アソシエーション
【氏名又は名称原語表記】PETROLEUM CONSERVATION RESEARCH ASSOCIATION
【住所又は居所原語表記】Petroleum Conservation Research Association, Sanrakshan Bhavan, 10 - Bhikaiji Cama Place, New Delhi, India
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クルカルニ アニルッダ ディリップ
(72)【発明者】
【氏名】ガルグ ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】ヤダフ サティッシュ ダヤル
(72)【発明者】
【氏名】ムーンジェリー レニー アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヴーラパッリ ラヴィ クマール
(72)【発明者】
【氏名】バルガヴァ サンジェイ
(72)【発明者】
【氏名】プラタップ スレンドラ
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/121609(WO,A2)
【文献】特開平11-230550(JP,A)
【文献】実開昭59-120334(JP,U)
【文献】特開平11-37420(JP,A)
【文献】実開昭59-3126(JP,U)
【文献】特開2017-20756(JP,A)
【文献】登録実用新案第3004311(JP,U)
【文献】実開昭56-85127(JP,U)
【文献】実開昭59-29521(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第102913956(CN,A)
【文献】米国特許第6742514(US,B1)
【文献】韓国登録特許第10-0794668(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第109556144(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-1833950(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第108758726(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/22
F23D 14/06
F23D 14/64
F24C 3/02
F24C 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用調理コンロであって、
一次管と、1つ以上のノズルと、1つ以上のノブと、1つ以上の混合管と、1つ以上の燃焼器上部と、1つ以上の鍋支持体と、1つ以上の熱反射器と、複数の脚部とを取り付けるためのフレーム
を備え、
前記一次管が、燃料を受け取るために前記フレーム内に取り付けられ、
各ノズルが、前記燃料を受け取り、ノズルホルダーアセンブリを通してノズルに接続される各ノブを使用して、制御された速度で前記燃料を前記混合管に注入するために、前記一次管と流体連通し、
各混合管が、前記ノズルから前記注入された燃料を受け取るために各ノズルと流体連通し、前記混合管が、1つ以上の長穴開口部を通る一次空気連行を可能にし、前記一次空気を前記注入された燃料と混合し、前記混合管が、ベンチュリを通る空気燃料混合物の圧力勾配を調節し、前記空気燃料混合物が、前記燃焼器上部に向かって前記混合管のカップを通過し、
各燃焼器上部が、前記混合管の前記カップの上方に同軸で配置され、前記混合管と流体連通し、前記燃焼器上部が、前記混合管から前記空気燃料混合物を受け取るために、前記燃焼器上部の円周面に配置された内側ポートと外側ポートのセットを備え、前記受け取られた空気燃料混合物が、燃焼のために点火され、
各鍋支持体が、前記鍋支持体を前記燃焼器上部と同軸で整列させるために、ピンホールを介して前記フレームに固定され、前記鍋支持体が、加熱される容器の底面を支持する複数の金属の静止ストリップを有する円形の金属の要素を備え、
各熱反射器が、前記燃焼器上部に対して同軸に配置され、前記フレーム上に置かれ、前記熱反射器が、前記燃焼のための最適な二次空気連行に役立ち、熱損失を最小限に抑えるために、熱反射器の内周と前記燃焼器上部の外周との間の環状の隙間を削減し、前記熱反射器が、下方向での熱伝達を削減するために曲線状の向きを有し、容器下部に向かう熱伝達を増加させる渦を生成し、
前記脚部が前記家庭用調理コンロの前記フレームの下方に配置され、各脚部が、空気の連行のためにテーブル上部とフレーム底面との間に隙間を維持するために所定の高さを有する
前記家庭用調理コンロ。
【請求項2】
前記燃焼器上部が、前記内側ポートと前記外側ポートの最適な向き、前記内側ポートと前記外側ポートの数、前記内側ポートの第1の角度傾斜、前記外側ポートの第2の角度傾斜、及び前記内側ポートと前記外側ポートのそれぞれの直径で設計される、請求項1に記載の家庭用調理コンロ。
【請求項3】
前記鍋支持体が、前記燃焼器上部と前記容器の前記底面との間に、15mmと25mmの間の範囲内の装填高さを生じさせるように設計される、請求項1に記載の家庭用調理コンロ。
【請求項4】
前記鍋支持体の前記金属の静止ストリップが、前記燃焼器上部と前記容器の前記底面との間の最適な距離のために制御された高さで等距離の間隔で配置される、請求項1に記載の家庭用調理コンロ。
【請求項5】
前記ベンチュリが、
前記ノズル、入口開口部、及び前記入口開口部の後に配置される前記長穴開口部から受け取られる前記空気燃料混合物の速度を加速するための収束セクションと、
高速の空気燃料混合物を受け取るために前記収束セクションと流体連通するスロートセクションであって、前記スロートセクションが、前記空気燃料混合物の圧力を下げ、それが前記入口開口部を通るより多くの空気の移動を促進し、前記ベンチュリの発散セクションが前記スロートセクションと流体連通する、前記スロートセクションと、
前記発散セクションが、前記スロートセクションから受け取られた前記空気燃料混合物の前記圧力を取り戻し、高圧の空気燃料混合物が、前記混合管の真直ぐな混合ゾーンに移動される
を備える、請求項1に記載の家庭用調理コンロ。
【請求項6】
各脚部の前記所定の高さが、空気の最適な連行のために、前記テーブル上部と前記フレーム底面との間に隙間を維持するために16mmと24mmの間の範囲内にある、請求項1に記載の家庭用調理コンロ。
【請求項7】
前記熱反射器が、0.3mmと0.7mmの間の範囲内の所定の厚さを有する、請求項1に記載の家庭用調理コンロ。
【請求項8】
前記熱反射器が、前記熱反射器の内縁と前記燃焼器上部の外縁との間に、0mm~5mmの間の範囲内の隙間を確実にするために、BIS規格IS4246:2002に規定された容器5番の場合、75mm~85mmの内径、及び前記BIS規格IS4246:2002に規定された容器4番の場合、65mm~75mmの内径を有する、請求項1に記載の家庭用調理コンロ。
【請求項9】
73%と75%の間の範囲内の熱効率を有する、請求項1に記載の前記家庭用調理コンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、LPG、または家庭用調理コンロで使用される圧縮天然ガス(CNG)、パイプ式天然ガス(PNG)のような任意の他の気体燃料などの燃料の燃焼用の家庭用調理コンロに関する。より具体的には、本発明は、高い熱効率でLPG燃料の燃焼を促進するエネルギー効率の良い家庭用の液化石油ガス(LPG)調理コンロに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の状況では、化石燃料に対する莫大な需要がある。しかしながら、これらの燃料は急速に枯渇している。化石燃料を節約するために努力する必要がある。差し迫る燃料危機に対応するために、燃料節約及び代替燃料の分野で広範囲な研究が実施されている。液化石油ガス(LPG)は、家庭での使用にとって最も便利かつクリーンな燃料であり、昨今、非常に人気がある。LPGは、その起源、相対的な利点、及び用途のために例外的なエネルギー源である。
【0003】
LPGコンロの製造業界は約50年の歴史があり、おもに小規模な部門に集中している。調理用燃料としてのLPGは、クリーンな燃料である。家庭用の調理用途の場合、多くのLPGコンロ製造業者は、インド市場でインド規格局(BIS)認定のLPGコンロを供給している。家庭用ガスコンロのBIS規格IS4246:2002は、68%の最小熱効率を規定している。BISに従って熱効率の最小要件を制限しているインド市場には多くのBISが承認したコンロがある。
【0004】
LPG調理コンロには、一次空気連行、燃焼器ポートの向きとポートのサイズ、熱反射器及び鍋支持体の設計、及び燃焼器上部と容器下部との間の隙間など、その熱効率で重要な役割を果たす様々な特徴がある。現在利用可能なLPG燃焼器は、LPGとともに混合管に進入する一次空気の量のさらなる最適化をもたらすことができる改善の余地がある空気連行機構を有している。さらに、現在利用可能な燃焼器上部にも、例えばポート向き、ポート面積、ポートのサイズ、及びそれらの傾斜角度の最適化など、改善の余地がある。これらすべての態様は、最終的に家庭用調理コンロの熱効率に影響を及ぼす。
【0005】
このような急速な速度での化石燃料の枯渇、及び他の上述の問題を考慮すると、エネルギー節約へ向けたステップとして、燃料効率を高めてLPGの輸入を低減させる必要がある。その可用性及び環境上の利点により、より高い熱効率のLPG調理コンロを開発することが必要になっている。したがって、熱効率の改善がLPGコンロの機能で達成されるように、混合管、ポートのサイズに注目した燃焼器ポートの向き、ドリップトレイ、または熱反射器、及び燃焼器上部と容器下部との間の隙間を考慮した鍋支持体のいずれか1つ以上を修正する、長年にわたるが、未解決の必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
すべてのそのような特徴、及び利点は、本説明の中に含まれ、本発明の範囲内であり、添付の特許請求の範囲により保護されることが意図される。以下の発明の概要は、開示されている実施形態に固有の革新的な特徴のいくつかの理解を容易にするために提供されており、完全な説明となることを意図していない。本明細書に開示される実施形態の様々な態様の完全な理解は、明細書全体、特許請求の範囲、図面、及び要約書を全体として解釈することによって得ることができる。
【0007】
本明細書に開示される家庭用調理コンロは、高い熱効率を有する家庭での使用の用途のためのLPG燃料の燃焼用であり、燃焼器ポートの向き、ポートのサイズ、熱反射器及び鍋支持体の設計、混合管の設計、脚部の高さ、及び燃焼器上部と容器下部との間の装填高さにおける上述の修正の必要性に対処する。ここに開示される家庭用調理コンロは、LPG燃料の燃焼を改善し、熱損失を削減した、実験的かつ数値的な方法に関して研究されてきた。
【0008】
家庭用調理コンロは、一次管と、1つ以上のノズルと、1つ以上のノブと、1つ以上の混合管と、1つ以上の燃焼器上部と、1つ以上の鍋支持体と、1つ以上の熱反射器と、複数の脚部とを取り付けるフレームを含む。一次管は燃料を受け取るためにフレーム内に取り付けられ、各ノズルは燃料を受け取るために一次管と流体連通する。ノズルは、ノズルホルダーアセンブリを通してノズルに接続される各ノブを使用して、制御された速度で燃料を混合管に注入する。各混合管は、ノズルから注入された燃料を受け取るために各ノズルと流体連通する。混合管は、1つ以上の長穴開口部を通る一次空気連行を可能にし、一次空気を、注入された燃料と混合する。混合管は、ベンチュリを通る空気燃料混合物の圧力勾配を調節し、次に空気燃料混合物は、燃焼器上部に向かって混合管の混合カップ/ディフューザーカップを通過する。
【0009】
各燃焼器上部は、混合管の混合カップ/ディフューザーカップの上方に同軸に配置され、混合管と流体連通する。燃焼器上部は、混合管から空気燃料混合物を受け取るために、燃焼器上部の円周面に配置された内側ポートと外側ポートのセットを含み、受け取られた空気燃料混合物は、燃焼のために点火される。各鍋支持体は、鍋支持体を燃焼器上部と同軸で整列させるために、ピンホールを介してフレームに固定される。鍋支持体は、加熱される容器の底面を支持する複数の金属の静止ストリップを有する円形の金属の要素を含む。各熱反射器は、燃焼器上部に対して同軸に配置され、フレーム上に置かれている。
【0010】
熱反射器は、燃焼のために最適な二次空気連行に役立ち、熱損失を最小限に抑えるために、熱反射器の内周と燃焼器上部の外周との間の環状の隙間を削減するために支援する。熱反射器は、下方向での熱伝達を削減するために曲線状の向きを有し、熱の再循環を増加させ、容器下部に向かう熱伝達を増加させる渦を生成する。熱反射器の内周は、二次空気連行を制御するために形成される。脚部は、家庭用調理コンロのフレームの下方に配置され、空気の連行のためにテーブル上部とフレームとの間に隙間を維持するために所定の高さを有する。
【0011】
一実施形態では、燃焼器上部は、内側ポートと外側ポートの最適な向き、内側ポートと外側ポートの数、内側ポートの第1の角度傾斜、外側ポートの第2の角度傾斜、及び内側ポートと外側ポートのそれぞれの直径で設計される。一実施形態では、鍋支持体は、燃焼器上部と容器の底面との間に、15mmと25mmの間の範囲内の装填高さを生じさせるように設計される。一実施形態では、鍋支持体の金属の静止ストリップは、燃焼器上部と容器の底面との間の最適な距離のために制御された高さで等距離の間隔で配置される。
【0012】
一実施形態では、混合管は、収束セクション、スロートセクション、及び発散セクションを有するベンチュリから成る。収束セクションは、ノズル、入口開口部、及び入口開口部の後ろに配置された長穴開口部を通って受け取られる空気燃料混合物の速度を加速する。スロートセクションは、高速の空気燃料混合物を受け取るために収束セクションと流体連通する。スロートセクションは、入口開口部を通るより多くの空気の移動を促進する、空気燃料混合物の圧力を下げる。スロートセクションと流体連通するベンチュリの発散セクションは、混合管の真直ぐな混合ゾーンに移動される空気燃料混合物の圧力を取り戻す。
【0013】
一実施形態では、各脚部の所定の高さは、最適な空気の連行のために、テーブル上部とフレーム底面との間に隙間を維持するために16mmと24mmの間の範囲内にある。一実施形態では、熱反射器は、0.3mmと0.7mmの間の範囲内の所定の厚さを有する。一実施形態では、熱反射器は、熱反射器の内縁と燃焼器上部の外縁との間に、0mm~5mmの間の範囲内の隙間を確実にするために、BIS規格IS4246:2002に規定された容器5番の場合、75mm~85mmの内径、及びBIS規格IS4246:2002に規定された容器4番の場合、65mm~75mmの内径を有する。一実施形態では、家庭用調理コンロは、73%と75%の間の範囲内の熱効率を有する。
【0014】
本発明は、以下の図面を参照してより良く理解することができる。図面中の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本発明の原理を明確に図示することが重視されている。さらに、図面では、類似した参照番号は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】例示的な実施形態による、LPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロの分解組立図を示す。
【
図2】例示的な実施形態による、LPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロの混合管、燃焼器上部、熱反射器、及び鍋支持体の詳細図を示す。
【
図3A】例示的な実施形態による、LPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロの燃焼器上部の平面図を示す。
【
図3B】例示的な実施形態による、家庭用調理コンロの燃焼器上部の側断面図を示す。
【
図3C】例示的な実施形態による、家庭用調理コンロと関連付けられた燃焼器上部の内側ポート及び内側ポートの対応する第1の角度傾斜の詳細図を示す。
【
図3D】例示的な実施形態による、家庭用調理コンロと関連付けられた燃焼器上部の外側ポート及び外側ポートの対応する第2の角度傾斜の詳細図を示す。
【
図4】例示的な実施形態による、LPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロの混合管の断面図を示す。
【
図5A】例示的な実施形態による、3つの金属の静止ストリップを有する、LPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロの鍋支持体の平面図を示す。
【
図5B】例示的な実施形態による、
図5Aに示される家庭用調理コンロの鍋支持体の側面図を示す。
【
図6】例示的な実施形態による、家庭用調理コンロの脚部の側面図を示す。
【
図7A】例示的な実施形態による、LPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロの熱反射器の平面図を示す。
【
図7B】例示的な実施形態による、
図7Aに示される家庭用調理コンロの熱反射器の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、高い熱効率を有する家庭用の使用における用途のためのLPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロを対象とする。これに加えて、別の目的は、LPGの節約及びより良い性能の可能性をもった調理コンロを開発することである。本発明の上記目的は、LPG燃料の燃焼の改善、及び熱損失を削減することによる熱伝達の向上につながる実験的かつ数値的な方法に基づいた修正された設計を通して達成されている。
【0017】
図1は、例示的な実施形態による、LPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロ100の分解組立図である。ノズルホルダー102は、機械加工され、一次管104に取り付けられている。ライン圧力での気体燃料は、ノズル106の中に加速され、混合管108への噴流として放出される。混合管108の長穴開口部110を通して、大気からの空気(一次空気)は、セクション内の負圧のために混合管108の中に引き込まれ、さらに伝播する。吸引される空気の量は、各長穴開口部110の開口面積、ノズルガス流量(またはガス出口速度)に依存する。ノズル106から注入されるガスは、誘導された一次空気を加速し、ガスと空気の混合が発生する。ノズル106の設計のために、ガス噴霧がベンチュリスロートに近づくと、ガス噴霧は大気圧に比べてわずかに負圧で、上流の長穴開口部110内で生成される比較的に高速の混合物になる。この高速の混合物は次に、(混合カップ/ディフューザーカップ114に取り付けられた円筒パイプ112を有する)混合管108内で減速し、静圧の上昇につながる。
【0018】
混合管108の直管は、空気気体混合物の流れの外形を有する混合カップ/ディフューザーカップ114に流れ込む。混合管108の混合カップ/ディフューザーカップ114の排出時のガスは、わずかに正圧であり、次に空気気体混合物は燃焼器上部116に流入する。燃焼器上部116は、周辺部に複数のポート302及び304(
図3A~
図3Dに示される)を有する硬い後端キャップである。ポート302及び304は、所定の直径であり、定められたピッチで配置される。LPGコンロは家庭において調理のために使用されるので、燃焼中に熱を反射し、鍋支持体126上に配置された任意の調理鍋からこぼれた物質を収集するために、機能上ドリップトレイでもある熱反射器118が設けられる。脚部120は、フレーム122に支持を提供するために、及び清掃のための空間を提供するために、フレーム122の4つの角に設けられる。2つのノブ124が、位置を「シム(Sim)からフル」に調整できるフレーム122上に設けられ、ユーザーが調理の要件に従ってガス流量を制御できるようにする。
【0019】
図2は、例示的な実施形態による、LPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロ100の燃焼器上部116、混合管108、熱反射器118、及び鍋支持体126の詳細図を示す。
図1で前に示されたように、家庭用調理コンロ100は、一次管104と、1つ以上のノズル106と、1つ以上のノブ124と、1つ以上の混合管108と、1つ以上の燃焼器上部116と、1つ以上の鍋支持体126と、1つ以上の熱反射器118と、複数の脚部120とを取り付けるフレーム122を含む。一次管104は、燃料を受け取るためにフレーム122内に取り付けられ、各ノズル106は、燃料を受け取るために一次管104と流体連通して、ノズルホルダーアセンブリ128を通してノズル106に接続される各ノブ124を使用して、制御された速度で燃料を混合管108に注入する。各混合管108は、ノズル106から注入された燃料を受け取るために、各ノズル106と流体連通する。混合管108は、1つ以上の長穴開口部110を通る一次空気連通を可能にし、一次空気を、注入された燃料と混合する。混合管108は次に、ベンチュリ132を通して空気燃料混合物の圧力勾配を調節し、空気燃料混合物は、燃焼器上部116に向かって混合管108の混合カップ/ディフューザーカップ114を通過する。
【0020】
各燃焼器上部116は、
図2に示されるように、混合管108の混合カップ/ディフューザーカップ114の上方に同軸で配置され、混合管108と流体連通する。
図3Aに示されるように、燃焼器上部116は、混合管108から空気燃料混合物を受け取るために燃焼器上部116の円周面に配置される内側ポート302と外側ポート304を含み、受け取られた空気燃料混合物は燃焼のために点火される。各鍋支持体126は、鍋支持体126を燃焼器上部116と同軸で整列させるために、ピンホール122を介してフレーム122上に固定される。
図5A~
図5Bに示されるように、鍋支持体126は、加熱される容器の底面を支持する複数の金属の静止ストリップ504を有する円形の金属の要素502を含む。
【0021】
図2及び
図7A~
図7Bに示されるように、各熱反射器118は、燃焼器上部116に対して同軸で配置され、フレーム122の上に置かれる。熱反射器118は、燃焼のための最適な二次空気連行に役立ち、二次空気連行を最適化するために、熱反射器118の内周118aと燃焼器上部116の外周116aとの間の隙間130を削減する。熱反射器118は、下方向での熱伝達を削減するために曲線状の向きを有し、熱の再循環を増加させ、容器下部に向かう熱伝達を増加させる渦を生成する。熱反射器118の内周118aは、二次空気連行を制御するために形成される。
図1及び
図5Bに示されるように、脚部120は、家庭用調理コンロ100のフレーム122の下方に配置され、空気の連行のためにテーブル上部とフレーム底面122との間に隙間を維持するために所定の高さを有する。
【0022】
実験室で実施された試験中の家庭用調理コンロ100の熱効率を示す表を以下に示す。
【表1】
【0023】
家庭用調理コンロ100は、市場で入手可能である既存のスター1のBISにより承認された調理コンロと比較して、より高い熱効率を提供することが判明している。家庭用調理コンロ100は、74±1%の熱効率を提供する結果となった。最終的に、別の試験がBIS認定の実験室で実施され、BIS認定の実験室での試験中に得られた結果は、上述の熱効率の値とかなり一致していた。
【0024】
図3Aは、例示的な実施形態による、LPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロ100の燃焼器上部116の平面図を示す。燃焼器上部116は、内側ポート302と外側ポート304のセットを含む。一実施形態では、BIS規格IS4246:2002に指定される第1のタイプの燃焼器上部116は、
155mm2と325mm2の間の範囲の内側ポートと外側ポート302と304のそれぞれの総ポート面積と、
1.5mmと2.5mmの範囲の内側ポートと外側ポート302と304のそれぞれのポート直径と、
14と24の範囲の内側ポート302の数と、
14と24の範囲の外周面上の上列での外側ポート304の数と、
30と46の範囲の外周面上の下列での外側ポート304の数と
を含む。
【0025】
さらに、この燃焼器上部116は、61~65LPHのLPG流量の場合、19mmと34mmの範囲の内径、及び60mmと74mmの範囲の外径を有する。
【0026】
別の実施形態では、BIS規格IS4246:2002に規定される第2のタイプの燃焼器上部116は、
255mm2と485mm2の間の範囲の内側ポートと外側ポート302と304のそれぞれの総ポート面積と、
1.5mmと2.5mmの範囲の内側ポートと外側ポート304のそれぞれのポート直径と、
24と34の範囲の内側ポート302の数と、
24と34の範囲の外周面上の上列での外側ポート304の数と、
50と66の範囲の外周面上の下列での外側ポート304の数と
を含む。
【0027】
さらに、この燃焼器上部116は、71~75LPHのLPG流量の場合、23mmと37mmの範囲の内径、及び70mmと85mmの範囲の外径を有する。
【0028】
図3Bは、例示的な実施形態による、家庭用調理コンロ100の燃焼器上部116の側断面図を示す。
図3Bに示されるように、燃焼器上部116の内側ポート傾斜角度306は、30±10°であり、燃焼器上部116の外側ポート傾斜角度308は60±10°である。
図3Cは、内側ポート302、及び家庭用調理コンロ100と関連付けられた燃焼器上部116の内側ポート302の対応する第1の角度傾斜310の詳細図を示す。
図3Dは、外側ポート304、及び家庭用調理コンロ100と関連付けられた燃焼器上部116の外側ポート304の対応する第2の角度傾斜312の詳細図を示す。一実施形態では、燃焼器上部116は、家庭用調理コンロ100の性能が改善された場合、内側ポート302と外側ポート304の最適な向き、内側ポート302と外側ポート304の数、内側ポート302の第1の角度傾斜310、外側ポート304の第2の角度傾斜312、及び内側ポート302と外側ポート304のそれぞれの直径で設計される。
図3C及び
図3Dに示されるように、それぞれ内側ポート302と外側ポート304によって画定される第1の角度傾斜310及び第2の角度傾斜312は、燃焼器上部116の法線面で約45±20°度の傾きである。
【0029】
図4は、例示的な実施形態による、LPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロ100の混合管108を示す。混合管108は、ノズル106から燃料を受け取るため及び部分的な空気連行のための入口開口部402と、一次空気連行のための長穴開口部110と、空気燃料混合物の圧力勾配を調節するためのベンチュリ132と、空気燃料混合物の流れを円滑にするための混合カップ/ディフューザーカップ114とを含む。一実施形態では、ベンチュリ132は、収束セクション404、スロートセクション406、及び発散セクション408を含む。収束セクション404は、ノズル106、入口開口部402、及び入口開口部402の後ろに配置される長穴開口部110から受け取られる空気燃料混合物の速度を加速する。スロートセクション406は、高速の空気燃料混合物を受け取るために収束セクション404と流体連通する。スロートセクション406は、空気燃料混合物の圧力を下げ、これが、入口開口部402を通るより多くの空気の移動を促進する。スロートセクション406と流体連通するベンチュリ132の発散セクション408は、スロートセクション406から受け取られる空気燃料混合物の圧力を取り戻す。高圧空気燃料混合物は、次に混合管108の真直ぐな混合ゾーン410に移動される。
【0030】
例えば、混合管108は、長さが21mm±4mm、及び幅12±4mmを有する一次空気吸引のために設けられた2つの長穴開口部を有する。言い換えると、家庭用調理コンロ100の混合管108は、燃焼のためのLPGと空気のより良い混合物を生じさせることにつながる十分な一次空気連行、及びLPG燃料との接触を提供する。一実施形態では、ベンチュリ132による「ベンチュリ効果」は、混合管108の圧力勾配を制御し、LPG空気混合物の問題のない円滑な移動を確実にする。一次空気開口部として機能する長穴開口部110に隣接してベンチュリ132を配置することによって、LPGと空気のより良い混合が提供される。三角形のセクション412は、空気燃料の流れからの影響のために背圧を削減し、管側での流れを円滑にするために、混合管108の混合カップ/ディフューザーカップ114に設けられる。
【0031】
第1の実施形態では、第1のタイプの混合管108は、61~65LPHのLPG流量、対応する容器4番、及びBIS規格IS:4246を含み、第1のタイプの混合管108は、
長さが5.5mmと13.5mmの間の範囲であり、収束角度が65~75度の範囲内の入口開口部402と、
長さが97mmと107mmの間の範囲内であり、直径が17mmと27mmの間の範囲内の円筒パイプ112と、
長さが17mmと25mmの間の範囲内であり、幅が8mmと16mの間の範囲内の各長穴開口部110、
長さが30mmと38mmの間の範囲内のベンチュリ132であって、
長さが9.5mmと17.5mmの間の範囲内の収束セクション404と、
長さが3mmと11mmの間の範囲内であり、直径が11.5mmと20mmの間の範囲内のスロートセクション406と、
長さが9.5mmと18mmの間の範囲内の発散セクション408と
をさらに備えるベンチュリ132と、
長さが26mmと36mmの間の範囲内であり、直径が17mmと27mmの間の範囲内の混合ゾーン410と、
外径が、58.50mmと66.50mmの間の範囲内であり、内径が29mmと37.5mmの間の範囲である、混合カップ/ディフューザー114と
を含む。
【0032】
第2の実施形態では、第2のタイプの混合管108は、71~75LPHのLPG流量、対応する容器5番、及びBIS規格IS:4246を含み、第2のタイプの混合管108は、
長さが6.5mmと15.5mmの間の範囲内であり、収束角度が65度と75度の間の範囲内の入口開口部402と、
長さが100mmと111mmの間の範囲内であり、直径が18mmと28mmの間の範囲内の円柱菅112と、
長さが19.5mmと30.5mmの範囲内であり、幅が9mmと19mmの範囲内の各長穴開口部110と、
長さが30mmと40mmの間の範囲内のベンチュリ132であって、
長さが9mmと19mmの間の範囲内の収束セクション404と、
長さが2.5mmと11.5mmの間の範囲内であり、直径が11.7mmと21.7mmの間の範囲内のスロートセクションと、
長さが9mmと19mmとの間の範囲内の発散セクション408と
をさらに含むベンチュリ132と、
長さが27mmと37mmの範囲内であり、直径が18.5mmと28.5mmの範囲内である混合ゾーン410と、
外径が68.5mmと78.5mmの間の範囲内であり、内径が33.5mmと43.5mmの間の範囲内である混合カップ/ディフューザーカップ114と
を含む。
【0033】
図5A及び
図5Bは、鍋支持体126の異なる実施形態を示す。
図5A及び
図5Bは、例示的な実施形態による、円形の金属の要素502に配置された3つの金属の静止ストリップ504を有する、LPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロ100の鍋支持体126を示す。一実施形態では、鍋支持体126の金属の静止ストリップ504は、燃焼器上部116と容器の底面との間の最適な距離のために制御された高さで等距離の間隔で配置される。
【0034】
鍋支持体126の設計は、例えば、燃焼器上部116と平坦な下部容器基部との間に約21±7mmの装填高さを生じさせるように構築される。鍋支持体126の直径は、(BIS規格IS4246:2002に規定されるように)LPG流量71~75LPH及び対応する容器5番の燃焼器の場合、例えば215±25mmであり、(BIS規格IS4246:2002に規定されるように)LPG流量61~65LPH及び対応する容器4番の燃焼器の場合、例えば195±25mmである。金属の各静止ストリップ504の高さは、容器下部と燃焼器上部116との間の適切なスペーシングのために12±6mmである必要がある。金属突出部506のスペーシングは、燃焼器本体上での鍋支持体126の適切な据え付けのために等しくある必要がある。他のすべての寸法はあまり重要ではない。鍋支持体126を作るために使用される材料はMSであり、完成品を得るために、粉体塗装が実行される。鍋支持体126は、外部直径が、例えば178mm~297mmの範囲の容器サイズに適している。鍋支持体126の本実施形態は、ガス流量及び容器サイズの変化する条件下で改善された熱効率を示すことができる。
【0035】
図6は、脚部120の設計を示す。
図6に示されるように、各脚部120の所定の高さは、最適な空気の連行のためにテーブル上部と、フレーム底面122との間の隙間を維持するために、14mmと24mmの間に範囲内である。
【0036】
図7A及び
図7Bは、LPG燃料の燃焼用の家庭用調理コンロ100の熱反射器118を示す。熱反射器118の設計は、
図2に説明されるように、熱反射器118の内径118aと、燃焼器上部116の外周116aとの間の隙間130を削減することによって二次空気連行に基づく。熱反射器118の設計は、熱損失を最小限に抑える上で重要な役割を果たす。一実施形態では、熱反射器118は、0.3mmと0.7mmの間の範囲内で所定の厚さを有する。熱反射器118は、熱反射器118の内縁118aと燃焼器上部116の外縁116aとの間に、0mmと5mmの間の範囲内の隙間130を確実にするために、BIS規格IS4246:2002に指定される容器5番の場合、75mm~85mmの内径、及びBIS規格IS4246:2002に指定される容器4番の場合、65mm~75mmの内径を有する。
【0037】
したがって、
図1~
図7Bの詳細な説明に基づいて設計された家庭用調理コンロ100は、73%と75%の間の範囲の熱効率を有する。
【0038】
本発明は具体的な実施形態に関して説明されてきたが、本説明は限定的な意味で解釈されることを意図されていない。開示された実施形態の様々な修正、及び本発明の代替実施形態は、本発明の説明を参照すると、当業者に明らかになる。したがって、定められた本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、そのような修正を加えることができることが企図される。