IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベーアーエー・システムズ・ボフォース・アクチエボラグの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】弾頭
(51)【国際特許分類】
   F42B 12/24 20060101AFI20241219BHJP
   B22F 3/15 20060101ALI20241219BHJP
   B22F 5/00 20060101ALI20241219BHJP
   B30B 5/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
F42B12/24
B22F3/15 G
B22F5/00 Z
B30B5/02 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022551740
(86)(22)【出願日】2021-02-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 SE2021050072
(87)【国際公開番号】W WO2021173053
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-12-04
(31)【優先権主張番号】2000045-1
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】518357852
【氏名又は名称】ベーアーエー・システムズ・ボフォース・アクチエボラグ
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS BOFORS AB
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】トゥーマン,クリステル
(72)【発明者】
【氏名】ハムダン,ハムザー
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン,ビョルン
【審査官】近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04032335(US,A)
【文献】米国特許第08689669(US,B2)
【文献】特表2019-503470(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0073281(US,A1)
【文献】特開2011-075251(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103575169(CN,A)
【文献】米国特許第10712137(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F42B 12/24
B22F 3/15
B22F 5/00
B30B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾頭のための部品を生産する方法であって、
内殻をツール上に配置するステップ(i)と、
め成形された発射体を前記内殻上に配置してから、前記予め成形された発射体を保持するように網状構造体を配置するステップ(ii)と、
前記内殻、前記予め成形された発射体、および前記網状構造体を熱間等方圧加圧(Hot Isostatic Pressing、HIP)容器内に配置してから、前記予め成形された発射体を封入するように粉末を前記HIP容器内に配置するステップ(iii)と、
前記予め成形された発射体および前記内殻が結合し合うように、前記粉末を押し込むステップ(iv)と、
前記粉末、前記予め成形された発射体および前記内殻によって成形された部品から前記ツールを外すステップ(v)と、
を含む、
方法。
【請求項2】
前記粉末は、熱間等方圧加圧(Hot Isostatic Pressing、HIP)という高圧加熱手段によって押し込まれる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記内殻は榴弾ボディのためのケースである、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記内殻はスペーサ材である、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記網状構造体は、メッシュを有するように形成されており、前記内殻上に配置された前記予め成形された発射体の周りに前記網状構造体が配置されるときに、前記予め成形された発射体を保持する、
請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発射体などの弾頭を生産する方法に関し、当該方法は、粉末/火薬(powder)と、予め成形された発射体と、内殻とを結合させることを含み、好ましくは、熱間等方圧加圧(Hot Isostatic Pressing、HIP)を用いて生産する方法である。本発明は当該方法によって生産される発射体にも関する。
【背景技術】
【0002】
弾頭内に予め成形された破片(fragment)/細片(splinter)/発射体を配置することは、古くから知られている。利用する予め成形された発射体の種類を選択することによって、目標に合わせた効果が得られる。攻撃すべき目標の種類に基づいて、例えば、予め成形された発射体の数、予め成形された発射体のサイズ、予め成形された発射体の材料、および予め成形された発射体の形状のうちの1つを決定することができる。弾頭が破裂すると、予め成形された発射体または予め成形された破片は、所定のサイズおよび質量で分散される。また、予め成形された発射体が分散される方向に対して、影響を与えることも可能である。
【0003】
予め成形された発射体の配置のほか、当業者に知られた、所定のサイズおよび質量を有する発射体を形成する代替的な方法は、弾頭の制御される破片化構造(controlled fragmentation)を形成するための方法である。当該方法は、基本的には、弾頭の材料に溝を機械加工するなどによって弾頭に弱化点(weakened point)を形成することを含む。よって、破裂/爆発の時に、これらの弱化点に沿って、弾頭の分割がより容易に起こりやすい。
【0004】
同じ弾頭内で、予め成形された発射体の配置と制御される破片化構造との組み合わせも知られている。
【0005】
ゴム製固定具は、予め成形された発射体を配置するための生産プロセスの一部にわたってよく利用される。ゴム製固定具の生産自体は、費用および手間が比較的にかかるプロセスである。新しい形状および構造(geometries)が新しいゴム成形ツールを必要とするため、新しい製品の生産または既製品の適応/変更の柔軟性も同様に制限される。これは、長いリードタイムおよび開発作業、ひいて高いコストを必要とすることを意味する。したがって、弾頭材料に溝をミリング加工することによって、制御される破片化構造を形成することは、大抵、困難であって時間がかかる。
【0006】
予め成形された発射体を有する弾頭の生産方法の例示は、米国特許公開第3815504号明細書に記載されており、当該明細書には、弾頭/発射体の生産方法、および生産された弾頭/発射体が示されている。当該生産された弾頭/発射体は、含まれる細片/破片/ボールの直径に対応する間隔で同軸に配置された2つの管状体によって生産され、細片/破片/ボールは2つの管状体の間に配置される。アンビル(anvil)とともに外側に配置される場合、内側からの圧力によって、管状体が細片/破片/ボールの周りに形成される。
【0007】
予め成形された発射体を有する弾頭の生産方法の別例は、米国特許公開第4032335号明細書に記載されており、当該明細書には、複合材を生産するプロセスが示されている。当該複合材は、金属構造に対してともに配置された破片/予め成形された発射体を有する金属粉末からなる。複合材に対して等方圧加圧(isostatic compressing force)を行うことによって、金属粉末は周囲の金属に埋め込まれる。
【0008】
上記の先行技術の共通の特徴は、材料が気孔を有することと、破裂時の衝撃靭性(impact toughness)および伸度(elongation)が低いことであり、それによって、強度および気密性に関して問題を生じる可能性がある。また、上述した従来技術は、プロセスおよび/または切削加工などの加工方法のステップ数、ならびに材料消費等の生産上の問題を抱えている。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、より簡単で、より早い、かつ費用対効果がより高い、予め成形された発射体および/または制御される破片化構造を有する弾頭を生産する方法を提供することにある。
【0010】
本発明は、弾頭のための部品を生産する方法に関する。当該方法は、内殻をツール上に配置するステップ(i)と、予め成形された発射体を内殻上に配置するステップ(ii)と、予め成形された発射体を封入するように粉末を配置するステップ(iii)と、予め成形された発射体および内殻が結合し合うように、粉末を押し込むステップ(iv)と、粉末、予め成形された発射体および内殻によって成形された部品からツールを外すステップ(v)と、を含む。
【0011】
弾頭のための部品を生産する方法について、更なる態様は以下通りである。
【0012】
粉末は、熱間等方圧加圧(Hot Isostatic Pressing、HIP)という高圧加熱手段によって押し込まれる。
【0013】
粉末、予め成形された発射体および内殻は、適したHIP容器内にともに配置される。
【0014】
内殻は榴弾ボディ(grenade body)のためのケースである。
【0015】
内殻はスペーサ材(spacer material)である。
【0016】
予め成形された発射体は、封入網状構造体において配置される。
【0017】
網状構造体は、メッシュを有するように形成されており、内殻上に配置された予め成形された発射体の周りに網状構造体が配置されるときに、予め成形された発射体を保持する。
【0018】
本発明は、上述した方法によって生産される弾頭にさらに関連する。
【0019】
本発明は、発射体を含む弾頭にさらに関連する。
【0020】
(本発明の利点および効果)
熱間等方圧加圧(HIP)を用いて弾頭/発射体を生産することによって、弾頭は先行技術よりも性能よく生産され得る。気孔のない均質な弾頭に関して改善されるため、性能の制御が向上し、方法のステップが少なくなり、そして、このように生産される各弾頭に対して必要な機械加工が減少するため、生産コストが少なくなり、材料の消費が少なくなる。
【0021】
以下、添付図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1a】本発明の第1実施例において、本発明に基づく、ツールに配置された弾頭のための内殻の斜視図
図1b】本発明の第2実施例において、本発明に基づく、ツールに配置された弾頭および内殻のための内殻の斜視図
図2a】本発明の第1実施例において、封入網状構造体が配置されて予め成形された発射体が含まれた、図1aの内殻の斜視図
図2b】本発明の第2実施例において、封入網状構造体が配置されて予め成形された発射体が含まれた、図1bの内殻の斜視図
図3a】本発明の第1実施例において、HIP処理の前に粉末が配置された弾頭の斜視図
図3b】本発明の第2実施例において、HIP処理の前に粉末が配置された弾頭の斜視図
図4a】本発明の第1実施例において、プロセスのすべてのステップを経て、提案される方法に基づいて生産される弾頭を示す図
図4b】本発明の第2実施例において、プロセスのすべてのステップを経て、提案される方法に基づいて生産される弾頭を示す図
図5】本発明の1つの実施例において、弾頭を生産するときの熱間等方圧加圧(HIP)プロセスのステップを示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、熱間等方圧加圧の利用によって、発射体や榴弾(grenade)などの弾頭のための部品を生産する方法の実施例を示す。HIPとも知られた熱間等方圧加圧は、鋳造金属ピースまたはその他の材料の内部気孔を除去または減少させるように適用される生産プロセスである。HIPによって、金属、ポリマー、セラミック、および複合粉末は固体形態で充填されることが可能である。その利点は、生産方法によって生産された金属部品のすべての内部空洞の除去、および、耐疲労特性/疲労強度、靭性、可塑性、および衝撃強度などの機械的特性の改善を含む。また、HIPによって、金属、複合材料、ポリマー、またはセラミック粉末から、溶融することなく緊密な材料を形成することができる。
【0024】
HIPの利用によって、粉末/粉末成分が細かく均一な粒度(grain size)と等方性構造(isotropic structure)との優れた特性を持つ粉末から固体材料を形成することができる。また、HIPの利用によって、異なる材料は温度制限のある結合材を必要とせずに結合可能である。HIPを用いれば、単一のプロセスサイクルで複数の拡散接合(diffusion bond)が実行可能である。多くの金属合金、および多くの複合材料、ポリマー、セラミックはHIPによって処理され得る。HIPによって処理され得る材料は、特には、ニッケル、コバルト、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅および鉄の合金、酸化物セラミックおよび窒化物セラミック、ガラス、金属間化合物、ならびに、良質なプラスチック(premium plastic)を含む。
【0025】
図1aは、本発明の第1実施例に基づく弾頭のための内殻を示し、当該内殻は、ライナとも知られるスペーサ材として形成される。弾頭は、標的を攻撃するように構成されており、榴弾などの発射体から構成され得て、または、榴弾などの発射体内の部品として構成され得る。内殻1は、その中に爆薬が配置可能なように中空である。内殻1は、その前端2および後端3において鼻部(nose portion)および後部(aft portion)を受け入れるようにも構成されている。当該鼻部および後部は、弾頭の所望の特性に応じて様々な構成を有してもよいが、それらは本発明の一部ではないため、図面には示されていない。内殻1は、好ましくは当業者がその目的に適していると考える材料、一般的には金属材料から作られるが、プラスチックまたは複合材料から作られてもよく、材料の多くの例はすでに当技術分野で知られている。ツール10は、内殻1の内側に配置され、好ましくは均質な鋼で作られ、高圧および/または高温でも利用可能に構成されている。内殻1がスペーサ材である場合、スペーサ材は発射体のためのドライビングミラー(driving mirror)のように機能する。HIP容器の底板33も図面に示されている。
【0026】
図1bは、内殻1が榴弾ボディとして構成された代替的な実施例を示し、好ましくは、内殻1は、従来の旋盤加工または付加製造法(additive manufacturing method)によって機械加工された金属から作られる。発射体を配置すべき場所の指示は、内殻1に表示される。HIP容器の底板33も図面に示されている。
【0027】
図2aは、本発明に基づく弾頭4の生産における1つのステップを示す。予め成形された発射体20を含む網状構造体5は、内殻1の周りに配置され、好ましくは円周方向に内殻1を封入するように配置される。網状構造体5は、内殻1の一部に沿って軸方向に延びているが、好ましい実施例において、前端2および後端3を鼻部および後部にそれぞれに接続するために、前端2および後端3においては延びていない。示された実施例における網状構造体5は、予め成形された発射体20の形状に適したメッシュ7を有する。メッシュ7のサイズおよび形状は、軸方向に少し変化する半径を有する内殻1の形状に対応するために、弾頭4の軸方向に少し変化する。メッシュ7の形状は、そのサイズと同様に、ある制限内で変化してもよく、メッシュ7のサイズおよび形状は、予め成形された発射体20のサイズおよび形状に適している。予め成形された発射体20は、破片および/または細片とも呼ばれる。図2aに示される構成において、予め成形された発射体はボール状または球形である。網状構造体5は、メッシュ7の形状およびサイズが、発射体がメッシュ7を通ることを防止するように、発射体を意図的に保持するように設計される。予め成形された発射体20がボール状である場合、メッシュ7は、予め成形された発射体20が内殻1に対して配置されて網状構造体5によって封入されるときに、予め成形された発射体20を確実に保持するために、例えば、図2aの実施例に示されたように、完全なる円形または部分的な円形に構成され得る。網状構造体5の生産に利用される材料は、好ましくは金属であるが、熱特性または融点、熱処理後の脆性、他の金属と合金を形成する能力などの特性を有することで選ばれるプラスチックまたはセラミックであってもよい。網状構造体はプレートから作られ得て、当該プレートは、適切な構成を有するようにパンチングまたはその他の方法で機械加工される。網状構造体は、内殻1および予め成形された発射体20を封入する配置に適した形状に、曲げられたり加圧されたりしてもよい。
【0028】
網状構造体5に対して考えられる生産方法の1つは、プレートに所望のサイズの穴を形成する方法であり、当該穴は、打ち抜き、エッチング、レーザ切断、または当業者が適切と考える他の生産方法などによって生産される。示された網状構造体は、メッシュ7のサイズよりも少し大きい断面を有する予め成形された発射体を保持することに特に適している。弾頭内に多くの予め成形された発射体20を配置することは、網状構造体5の助力によって達成され、網状構造体5は、標準品であってもよく、比較的簡単で費用対効果の高い生産方法で生産可能な製品であってもよい。網状構造体5は、取り外される必要がなく、むしろ弾頭4と統合される部分を残してもよいため、生産プロセスが大幅に簡素化される。代替的な実施例において、網状構造体5によれば、弾頭の費用対効果の高い生産を可能にする方法で、弾頭4の制御される破片化構造に対しても役に立つ。HIP容器の底板33も図に示されている。
【0029】
図2bは、本発明の代替的な実施例である第2実施例に基づく弾頭4の生産のステップの1つを示し、当該実施例において、内殻1は榴弾ボディとして構成されている。網状構造体5は、内殻1の一部に沿って軸方向に延びているが、好ましい実施例において、前端2および後端3を鼻部および後部にそれぞれに接続するために、前端2および後端3においては延びていない。示された実施例における網状構造体5は、予め成形された発射体20の形状に適したメッシュ7を有する。メッシュ7のサイズおよび形状は、軸方向に少し変化する半径を有する内殻1の形状に対応するために、弾頭4の軸方向に少し変化する。メッシュ7の形状は、そのサイズと同様に、ある制限内で変化してもよく、メッシュ7のサイズおよび形状は、予め成形された発射体20のサイズおよび形状に適している。予め成形された発射体20は、破片および/または細片とも呼ばれる。図2bに示される構成において、予め成形された発射体はボール状または球形である。網状構造体5は、メッシュ7の形状およびサイズが、発射体がメッシュ7を通ることを防止するように、発射体を意図的に保持するように設計される。予め成形された発射体20がボール状である場合、メッシュ7は、予め成形された発射体20が内殻1に対して配置されて網状構造体5によって封入されるときに、予め成形された発射体20を確実に保持するために、例えば、図2bの実施例に示されたように、完全なる円形または部分的な円形に構成され得る。網状構造体5の生産に利用される材料は、好ましくは金属であるが、熱特性または融点、熱処理後の脆性、他の金属と合金を形成する能力などの特性を有することで選ばれるプラスチックまたはセラミックであってもよい。網状構造体はプレートから作られ得て、当該プレートは、適切な構成を有するようにパンチングまたはその他の方法で機械加工される。網状構造体は、内殻1および予め成形された発射体20を封入する配置に適した形状に、曲げられたり加圧されたりしてもよい。HIP容器の底板33も図に示されている。
【0030】
図3aは、本発明の第1実施例に基づく生産ステップにおける弾頭4を示す。適用される材料8は、図2aに示された内殻1と網状構造体5と予め成形された発射体20との頂部にすでに置かれている。図2aは、スペーサ材としての内殻1を示す。適用方法は、好ましくは、特定する種類の付加製造法であり、当該付加製造法において、当該材料は粉末の形態でHIP容器の内部に適用され得る。HIP容器30は、ツール10上に配置された内殻1を保持するように配置された包囲部品である。HIP容器30において、網状構造体5によって封入された予め成形された発射体20が配置されている。適用される材料8としての粉末は、内殻1、ツール10、予め成形された発射体20および網状構造体5を封入するHIP容器30において自由に配置される。HIPにしたがって継続的な処理によって、粉末は、弾頭4の生産に対して所望の場所に固定される。粉末を使用する製造方法は、供給される材料を小さな寸法の空間に入れなければならないという厳しい生産条件で有利である。適用される材料8に対して、HIPにしたがって適用可能な温度は、下にある網状構造体5内の材料にも影響する。網状構造体5内の材料と適用される材料8内の材料との両方について適切な材料を選択すると、網状構造体5内の材料は、拡散および/または部分的な溶融のために脆性が残るか、または適用される材料8とともに合金を形成する。HIP容器30は、接続装置31、32と底板33とともに配置され、当該接続装置31、32は、生産方法の過程の前におよび/または過程にわたって空気排出および真空引きのためのものである。
【0031】
1つの実施例において、網状構造体5内の材料と適用される材料または粉末8とは、以下のように選択され、すなわち、適用される材料8と網状構造体5とともに、材質変化がない、材質変化が制御されている、または材質変化が制限されているような均質な全体を形成ように、選択される。結果としての弾頭4の一部は、適用される材料8と網状構造体5とによって構成される。
【0032】
代替的な実施例において、網状構造体5と適用される材料8とは、適用される材料8の層が網状構造体5を構成する材料の頂部で薄くなる以外、互いに物理的特性に影響を与えない。
【0033】
さらなる代替的な実施例において、構成材料および材料適用にわたる温度は、材料の選択に応じて、適用される材料8と網状構造体5とがともに弱化領域(weakened area)を含む全体を形成するという結果を得るように、選択され、弱化領域は、網状構造体5が最初に配置された場所である。全体において適用される材料8および網状構造体5によって形成された弱化領域は、弾頭4の破裂時に、制御された破片化構造として機能する。代替的な実施例において、適用される材料8において網状構造体5のメッシュ7内に配置された部分は、発射体を形成する。好ましい実施例において、この態様は、この方法によって形成された発射体が適切な質量を有するように、適用される材料8の選択時に考慮される。また、好ましい実施例において、この態様は、この方法によって形成された発射体が適切なサイズおよび形状を有して、予め成形された発射体20と相互作用して最大の効果を達成できるように、メッシュのサイズおよび形状の選択時に考慮される。
【0034】
図3bは、本発明の代替的な実施例である第2実施例に基づく生産ステップにおける弾頭4を示す。適用される材料8は、図2bに示された内殻1と網状構造体5と予め成形された発射体20との頂部にすでに置かれている。図3bは、榴弾ボディとしての内殻1を示す。適用方法は、好ましくは、特定する種類の付加製造法であり、当該付加製造法において、当該材料は粉末の形態でHIP容器の内部に適用され得る。HIP容器30は、ツール10上に配置された内殻1を保持するように配置された包囲部品である。HIP容器30において、網状構造体5によって封入された予め成形された発射体20が配置されている。適用される材料8としての粉末は、内殻1、ツール10、予め成形された発射体20および網状構造体5を封入するHIP容器30において自由に配置される。HIPにしたがって継続的な処理によって、粉末は、弾頭4の生産に対して所望の場所に固定される。粉末を使用する製造方法は、供給される材料を小さな寸法の空間に入れなければならないという厳しい生産条件で有利である。適用される材料8に対して、HIPにしたがって適用可能な温度は、下にある網状構造体5内の材料にも影響する。網状構造体5内の材料と適用される材料8内の材料との両方について適切な材料を選択すると、網状構造体5内の材料は、拡散および/または部分的な溶融のために脆性が残るか、または適用される材料8とともに合金を形成する。HIP容器30は、接続装置31、32と底板33とともに配置され、当該接続装置31、32は、生産方法の過程の前におよび/または過程にわたって空気排出および真空引きのためのものである。
【0035】
1つの実施例において、網状構造体5内の材料と適用される材料または粉末8とは、以下のように選択され、すなわち、適用される材料8と網状構造体5とともに、材質変化が制御されていた、均質な全体を形成するように、選択される。結果としての弾頭4の一部は、適用される材料8と網状構造体5とによって構成される。
【0036】
代替的な実施例において、網状構造体5と適用される材料8とは、適用される材料8の層が網状構造体5を構成する材料の頂部で薄くなる以外、互いに物理的特性に影響を与えない。
【0037】
さらなる代替的な実施例において、構成材料および材料適用にわたる温度は、材料の選択に応じて、適用される材料8と網状構造体5とがともに弱化領域を含む全体を形成するという結果を得るように、選択され、弱化領域は、網状構造体5が最初に配置された場所である。全体において適用される材料8および網状構造体5によって形成された弱化領域は、弾頭4の破裂時に、制御された破片化構造として機能する。代替的な実施例において、適用される材料8において網状構造体5のメッシュ7内に配置された部分は、発射体を形成する。好ましい実施例において、この態様は、この方法によって形成された発射体が適切な質量を有するように、適用される材料8の選択時に考慮される。また、好ましい実施例において、この態様は、この方法によって形成された発射体が適切なサイズおよび形状を有して、予め成形された発射体20と相互作用して最大の効果を達成できるように、メッシュのサイズおよび形状の選択時に考慮される。
【0038】
図4aは、第1実施例に基づいて生産された弾頭4のためのケースを示し、当該弾頭4は、熱間等方圧加圧の生産ステップが行って、ツール10が内殻1から外されて、HIP容器が切削タイプの機械加工などの機械加工にされた後、生産されたものである。当該弾頭4は、HIPPEDボディと呼ばれて、完全なる弾頭4を形成するように仕上げられ得て、そして、榴弾などの発射体を生産するための部品として利用可能である。
【0039】
図4bは、第2実施例に基づいて生産された弾頭4のためのケースを示し、当該弾頭4は、熱間等方圧加圧の生産ステップが行って、ツール10が内殻1から外されて、HIP容器が切削タイプの機械加工などの機械加工にされた後、生産されたものである。当該弾頭4は、HIPPEDボディと呼ばれて、完全なる弾頭4を形成するように仕上げられ得て、そして、榴弾などの発射体を生産するための部品として利用可能である。
【0040】
図5は弾頭のための生産方法100を示す。弾頭4のためのケースは、ケースを設けるステップ101によって生産され、当該弾頭4は作用部分(active part)または榴弾ボディとして知られる。当該ケースは、例えば、旋盤加工などの切削タイプの機械加工によって、代替的に付加製造によって、または、加圧加工もしくは絞り加工(drawing)によって設けられる。ケースは、内殻1とも呼ばれ得て、スペーサ材によって構成され得る。ケースを設けたあと、ツールを配置するステップ102を行い、ツール10は、ケースがツールを封入するように、配置される。ツールの構造(geometries)は、内殻/ケースの内部の構造に対応しており、ひいて弾頭の内部の構造に対応している。好ましくは、当該構造は、生産方法100の実行後にツールが外せるように構成される。その後、予め成形された発射体を配置するステップ103において、予め成形された発射体をケースの周りに配置する。網状構造体5を配置するステップ104において、予め成形された発射体20は網状構造体5によって保持される。1つの実施例において、予め成形された発射体20および網状構造体5はともに内殻/ケースの周りに配置される。代わりに、予め成形された発射体20は、生産方法100の実行にわたって、弾頭4と一体化された網状構造によって保持される。HIP容器を配置するステップ105において、予め成形された発射体20と網状構造体5とともにある内殻1がHIP容器30の内部に配置される。HIP容器30は、粉末がその中に位置するように配置され、当該粉末は 高熱高圧を受けて変化してHIPPEDボディを形成する。予め成形された発射体20と網状構造体5と内殻1とをともにHIP容器30内に配置した後、HIP容器内に粉末を配置するステップ106において、HIP容器30内に粉末を配置する。粉末材料をHIP容器30内に配置した後、HIP容器に排気、振動、閉鎖の処理を行うステップ107において、HIP容器30に排気、振動、閉鎖の処理を行う。その後、HIP108が行われ、すなわち、気体は、HIP容器30内に配置された接続装置31、32に導入されることによって、HIP容器30内に等方圧加圧を生成するために用いられる。気体をHIP容器に導入する前に、HIP容器に真空引きをしてもよく、HIP容器内の気体を排出してもよく、または、排出の前にHIP容器30に気体/液体を充填してもよい。同時に、HIP容器30全体を加熱する。HIP容器を加工するステップ109において、HIP容器および任意の余剰物(surplus material)を機械加工する。HIPPEDボディを機械加工した後、ツールを外すステップ110において、ツールをケースから外してもよい。機械加工およびツールの外しを完成した後、当該ボディを熱処理するステップ111を行い、すなわち、組み立てたボディを加熱する。熱処理の後、材料は切削タイプの機械加工などの機械加工に適している。ツールを外した後、硬化するステップ112において、HIPPEDボディを硬化してもよい。
【0041】
<代替的実施例>
本発明は、説明した具体的な実施例に制限されることなく、特許請求の範囲において異なる方式で変化され得る。
【0042】
例えば、予め成形された発射体の数、材料の選択、幾何学的形状の選択、弾頭を構成する要素と部品は、武器システム、プラットフォーム、および、特定の例示における他の設計属性にしたがって適合されることが考えられる。
【0043】
また、発射体を含む榴弾、破片手榴弾、誘導ミサイル、ミサイル、ロケットなどのあらゆる形態の弾頭が含まれる。手榴弾やさまざまな種類の地雷などの他の形態の弾頭も含まれる。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5