(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】マンノースオリゴ糖を含む組成物、ならびに同組成物の製造方法及び同組成物の使用
(51)【国際特許分類】
A23L 33/125 20160101AFI20241219BHJP
A61K 31/702 20060101ALI20241219BHJP
A61K 31/7016 20060101ALI20241219BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20241219BHJP
A61P 1/14 20060101ALI20241219BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20241219BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20241219BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20241219BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20241219BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20241219BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20241219BHJP
A61Q 1/04 20060101ALI20241219BHJP
A23K 20/163 20160101ALI20241219BHJP
【FI】
A23L33/125
A61K31/702
A61K31/7016
A61P1/04
A61P1/14
A61P3/00
A61P31/04
A61K8/73
A61Q11/00
A61Q19/00
A61Q5/00
A61Q1/04
A23K20/163
(21)【出願番号】P 2023027580
(22)【出願日】2023-02-24
(62)【分割の表示】P 2019569703の分割
【原出願日】2018-06-14
【審査請求日】2023-03-08
(32)【優先日】2017-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397058666
【氏名又は名称】カーギル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ・フレデリック・ステンゲル
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・フランツ・クースタス
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-262827(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02433970(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 33/125
A61K 31/70-31/739
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性であることを特徴とするマンノースオリゴ糖組成物であって、20%以上の溶解度を有し、乾燥基準で
25~
30wt%のジマンノース含有率を有し、乾燥基準で
35~40wt
%の3以上の重合度(DP)を有するマンノースオリゴ糖を有し、前記組成物はベータ-グルカンを含ま
ず、および前記組成物は酵母または植物繊維由来のものでない、マンノースオリゴ糖組成物。
【請求項2】
乾燥基準で0.5~10wt%のフルクトース含有
率、乾燥基準で5~25wt%のマンノース含有
率、および乾燥基準で1~15wt%のグルコース含有率
からなる群より選択される少なくとも1つを有することをさらに特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の組成物と、更なる食物成分、動物飼料成分もしくはペットフード成分とを含む食料品、動物飼料製品またはペットフード製品。
【請求項4】
請求項1または2に記載の組成物が、1回以上の給仕で、ヒト、動物もしくはペットの体重1kg当たり0.01~0.02gの組成物を提供するのに十分な量で存在する、請求項3に記載の食料品、動物飼料製品またはペットフード製品。
【請求項5】
請求項1または2に記載の組成物が、前記食料品、動物飼料製品もしくはペットフード製品の重量を基準にして0.1~0.5wt
%の量で存在する、請求項3に記載の食料品、動物飼料製品またはペットフード製品。
【請求項6】
請求項1または2に記載の組成物が、前記食料品、動物飼料製品もしくはペットフード製品の重量を基準にして0.01~0.05wt
%の量で存在する、請求項3に記載の食料品、動物飼料製品またはペットフード製品。
【請求項7】
請求項1または2に記載のマンノースオリゴ
糖組成物の製造方法であって、以下のステップ:
a) 酸性化触媒の存在下、180℃~240
℃の温度でマンノースをマイクロリアクターに通して前記マンノースを重縮合することにより 、マンノオリゴ糖含有組成物を生成するステップと、
b) 任意に、前記マンノオリゴ糖組成物を中和及び/または脱色するステップと、
c) 前記マンノオリゴ糖組成物を収集するステップと、
を含み、
ステップa)の最中の前記マイクロリアクター内でのマンノースの滞留時間が5~20秒であることを特徴とする、前記方法。
【請求項8】
前記酸性化触媒が、クエン酸、硫酸またはリン酸である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ヒトまたは動物の治療のための、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項10】
ヒトもしくは動物における腸粘膜への細菌付着の低減もしくは防止、及び/または体重増加の改善、及び/または飼料摂取の改善、及び/または体重増加の改善、及び/または糞便の質の改善のための、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項11】
家禽、豚、反芻動物類、ウマ類
または魚の成長能力の改善のための、請求項1または2に記載の組成物の使用。
【請求項12】
請求項1または2に記載のマンノースオリゴ糖組成物を含む化粧品、パーソナルケア製品または医薬製
品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年6月14日に出願された欧州特許出願第17175981.4号の利益を主張するものであり、その全体は本明細書において参照により援用されている。
【0002】
本発明は、マンノースオリゴ糖を含む組成物、及びそのような組成物の製造工程に関する。本発明は更に、本発明の組成物を含む動物飼料に関する。本発明は更に、ヒトもしくは動物の治療、特に成長及び/または飼料利用の促進及び/またはヒト及び動物における細菌感染の低減に使用するための、本発明による組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒト、家畜、養殖魚及びペットにおける健康全般、特に腸の健康の改善を図るための栄養補給剤に対しては既存の需要が存在する。
【0004】
世界的な人口増大に伴い、ヒトが消費する動物性タンパク質の需要は増加の一途をたどっている。動物生産産業は、より多くの動物を繁殖させるための課題に直面している。この課題を遂行する手段が、動物の個体数増加だけでなく、動物の成長能力増強、及び動物の健康の全体的な改善である。動物農場経営を成功させるための主要因とされるのが、動物の健康及び動物の成長能力である。特に、動物の成長能力に関して不可欠な要素は、胃腸の健康及び胃腸の健全性であり、これを達成する目的に飼料添加物が使用される。重要な懸案事項としては、それ以外にも細菌汚染が挙げられ、その細菌汚染は特に家禽及び豚に当てはまる。細菌汚染への対抗を目的に動物農場経営において繁用されている方法は、例えば細菌の殺滅(抗生物質によって為されるような殺滅)を行う代わりに、有害な細菌が腸管表面に付着するのを防ぐ結合メカニズムを通して動物における所望されない細菌集団を激減させる物質を使用することである。
【0005】
また、食品安全性上の重要な懸案事項とされ、対処及び低減を要するものの代表例が、食品における細菌汚染である。特に、Salmonella及びE.coliによる汚染は、食物供給連鎖における重要な懸案事項となっている。
【0006】
マンノースオリゴ糖組成物は、健康全般、特に腸の健康を改善することで知られている。現在市販されている既存のマンノースオリゴ糖(またはマンノオリゴ糖もしくはMOS)組成物としては、例えば酵母エキス類(酵母細胞壁抽出物、生コーヒー豆抽出物、コンニャク抽出物がその大部分を占める)などのあらゆる抽出物が挙げられ、それらMOS組成物はいずれも、高純度の組成物ではなくしかも組成に一貫性がないという欠点が見られる。この欠点は酵母細胞壁抽出物に特に当てはまり、結果として、動物におけるそれらMOS組成物の作用は至極予測困難となっており、その効果はかなりの変動を生ずる。また、それらの組成物の大部分は水に不溶である。結果として、それらMOS組成物を液体飼料及び飲料水中に適用することは実用的ではなく、したがって制限的である。更に、そのようなマンノースオリゴ糖組成物の製造工程は、多くの廃水流を生ずることから、それによる環境影響は無視できない。
【0007】
WO2015/160818(A1)号は、可溶性酵母細胞壁MOSを含む濃縮酵母細胞壁組成物の生産に関する。
【0008】
それゆえ、高効率の飼料添加物を提供することに対するニーズが尚存在することは明らかである。また、環境により優しい方法で生産される飼料添加物を提供することに対するニーズもある。本発明はこれらのニーズに対処している。
【発明の概要】
【0009】
第1の態様において、本発明は、マンノースオリゴ糖を含む組成物(「本発明のマンノースオリゴ糖組成物」)で、しかも水溶性であることを特徴とする、前記組成物に関する。
【0010】
更なる態様において、本発明は、本発明のマンノースオリゴ糖組成物と更なる食物成分と動物飼料成分もしくはペットフード成分とを含む食料品、動物飼料製品、魚飼料製品またはペットフード製品に関する。
【0011】
更なる態様において、本発明は、本発明のマンノースオリゴ糖組成物と更なるパーソナルケア成分もしくは医薬成分とを含む、パーソナルケア組成物または医薬組成物に関する。
【0012】
更なる態様において、本発明は、本発明のマンノースオリゴ糖組成物を含む化粧品、パーソナルケア製品または医薬製品に関する。
【0013】
更なる態様において、本発明は、マンノースオリゴ糖を含む組成物を製造する工程であって、以下のステップ:
a) 酸性化触媒の存在下、180℃~240℃、好ましくは195℃~240℃の温度でマンノースをマイクロリアクターに通してマンノースを重縮合することにより、マンノオリゴ糖含有組成物を生成するステップと、
b) 任意に、マンノオリゴ糖組成物を中和及び/または脱色するステップと、
c) 任意に、マンノオリゴ糖組成物を精製するステップと、
d) マンノオリゴ糖組成物を収集するステップと、
を含むことを特徴とする工程に関する。
【0014】
更なる態様では、本発明は、ヒトもしくは動物の治療を用途とした本発明のマンノースオリゴ糖組成物の使用、またはヒトもしくは動物の治療に用いられるマンノースオリゴ糖組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は胃酸の状態に関係なく、本発明によるMOS組成物は飼料酵素では分解されないことを実証している。
【
図2】
図2は階層的クラスタリング分析の結果示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書中の様々な要素もしくは構成要素を説明するための「a」または「an」の使用は、あくまで便宜を図り、且つ本発明の一般的な意味を与えることを用途とするものにすぎない。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含み、単数形には複数形も含まれるが、そうでないことが明白な場合はその限りではないことと解釈すべきである。
【0017】
本説明において、マンノースオリゴ糖、マンノオリゴ糖、及びMOSという用語は、同一物を記述するために同義に用いられている。マンノースオリゴ糖は、DPが3以上であるマンノースのオリゴ糖として定義される。DPとは、重合度、すなわちオリゴ糖の中に存在するモノマーの数を指す。マンノースオリゴ糖中のモノマーは、マンノースである。本発明のマンノースオリゴ糖組成物は、DPが3以上であるマンノースオリゴ糖を含み、マンノース二糖の供給源であり、更にマンノース単糖を含み得ることを特徴とする。HPLC分析(ISO10504:1998-10)を実施することにより、DP1、DP2、DP3以上などの、マンノースオリゴ糖組成物中に存在する様々な糖の量及び種類を判別できる。
【0018】
本発明については、添付の特許請求の範囲に定義されている。本発明の少なくとも1つの態様は、既存のMOS組成物に比べて、本発明によるマンノースオリゴ糖を含む組成物(「本発明の組成物」または「本発明のマンノースオリゴ糖組成物」)がヒト及び動物に及ぼす効果には、改善が施されてきたという所見に基づく。本発明のMOS組成物は、とりわけ、ヒトにおける身体能力に対する効果の改善、動物における成長能力に対する効果の改善、更に消化器の健康に対する効果の改善、細菌/病原体負荷制御、特に細菌結合、免疫系に対する影響の改善、プレバイオティクス効果の改善、抗細菌効果の改善、抗微生物効果の改善など、現在公知のMOS組成物を凌駕する効果が認められる。
【0019】
本発明は、水溶性であることを特徴とする、マンノースオリゴ糖を含む組成物に関する。本発明の組成物は、溶解度が20%以上、より好ましくは30%以上、更により好ましくは40%以上、尚更により好ましくは50%以上、尚更により好ましくは60%以上である。それゆえ、本発明の組成物の溶解度は、20~90%、より好ましくは30~85%、尚更により好ましくは40~80%、尚更により好ましくは50~75%、最も好ましくは60~75%の範囲であり得る。溶解度は、本明細書中の下記試験Aに従って測定してもよい。
試験A
- 測定対象組成物の10wt%水溶液を用意し、40℃に加熱して、1時間40℃のままに保持する。
- その後、本組成物を孔径0.45μmのフィルターで濾過し、不溶物質を全て除去して、濾液を回収する。
- 続いて、濾液をHPLC分析(ISO 10504:1198-10)にかけて結果を記録する。
- 溶解度は%で表され、初期10wt%水溶液中の乾燥物質に対する濾液中の総糖類含有量に対応する。
【0020】
本発明によるMOS組成物は、水に容易に溶解することが可能であり、清澄な水溶液を生ずる。
【0021】
本発明のMOS組成物は、好ましくはβグルカン含有率が0.1wt%db未満、好ましくは0.01wt%db未満、より好ましくは0.001wt%db未満であり、最も好ましくは本発明のMOS組成物はβグルカン不含であることを更に特徴とする。先行技術のマンノースオリゴ糖は、典型的に、マンノースオリゴ糖:βグルカン1:1の比率で、大量のβグルカンを含有する。これらの組成物は、βグルカン含有率が高いことから、免疫系に影響を及ぼすものと考えられている。本発明の組成物は免疫系に対して効果を有するという驚くべき発見が為されてきた。この効果は、上記のように本発明の組成物のβグルカン含有率が極少量であるか不含である場合でさえも、先行技術の組成物を用いて得られる効果に匹敵し得る。
【0022】
更に、MOS組成物は、コンニャクもしくはコーヒー豆などの酵母または植物繊維由来のものでないことを特徴とする。
【0023】
好ましくは、本発明のMOS組成物は、マンノースオリゴ糖含有率が本組成物の乾燥基準(db)で30重量%(wt%)以上、好ましくは40wt%以上、より好ましくは50wt%以上、更により好ましくは60wt%以上、尚更により好ましくは65wt%以上、尚更により好ましくは70wt%以上、尚更により好ましくは80wt%以上であることを更に特徴とする。
【0024】
本発明のMOS組成物は、マンノース二糖(DP2)の供給源とされることが好ましい。ゆえに、本発明のMOS組成物は、好ましくはDP2含有率が10~35wt%db、好ましくは15~30wt%db、好ましくは20~25wt%dbである。DP2含有率が約30wt%dbの場合もあれば、DP2含有率が約31wt%dbの場合もあれば、DP2含有率が約32wt%dbの場合もあれば、DP2含有率が約33wt%dbの場合もあれば、DP2含有率が約34wt%dbの場合もあれば、DP2含有率が約35wt%dbの場合もある。
【0025】
更に、MOS組成物は、フルクトース含有量が最大で10wt%db、例えば0.5~10wt%db、好ましくは最大5wt%db、より好ましくは最大3wt%db、より好ましくは最大1wt%dbであり得る。
【0026】
更に、MOS組成物は、マンノース含有量が5~50wt%db、好ましくは5~25wt%dbであり得る。
【0027】
更に、MOS組成物は、グルコース含有量が1~15wt%db、好ましくは5~10wt%dbであり得る。
【0028】
MOS組成物の乾燥物質を、その用途のニーズに応ずるように適合させてもよい。乾燥物質は、少なくとも70wt%、好ましくは少なくとも75wt%、より好ましくは少なくとも80wt%、更により好ましくは少なくとも90wt%、尚更により好ましくは少なくとも95wt%、例えば95~99wt%であり得る。MOS組成物は、意図された使用目的に応じて粉末または液体のいずれかの形態で保存できる。本発明のMOS組成物は、粉末形態では安定した黄色がかった白色の自由流動性粉末である。
【0029】
更に、MOS組成物は、マンノースオリゴ糖がα-及びβ-1,6及びα-1,3型結合が大部分を占めることを特徴とし得る。好ましくは、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、更により好ましくは少なくとも80%の結合がα-及びβ-1、6及びα-1,3型結合である。糖類中に存在する可能性のある結合を測定する方法は、パルスアンペロメトリック検出による高性能陰イオン交換(HPAE-PAD)など様々な種類のものが、当該技術分野において周知である。
【0030】
本発明によるMOS組成物を動物に給餌した場合に前記組成物によって動物の成長能力が良好化される効果のあることが見出されてきた。動物の成長能力は、動物の体重増加及び飼料摂取であると理解されている。特に、本発明のMOS組成物は、DP2が25wt%db以上、例えば25~30wt%dbであり、動物の成長能力に対する効果に更に改善が施されていることを特徴とする。より具体的には、本発明のMOS組成物は、DP3+含有量が40wt%db以下、例えば35~40wt%dbであり、動物の成長性能に対する効果に更に改善が施されていることを特徴とする。
【0031】
更に、本発明によるMOS組成物は、免疫系を調節する能力、すなわち免疫細胞またはマクロファージの応答を調節する能力を有することも見出されてきた。それゆえ、本発明は更に、免疫細胞またはマクロファージの応答の調節に使用するための、本発明によるMOS組成物に関する。本発明は更に、免疫細胞またはマクロファージの応答を調節するための、本発明によるMOS組成物の使用に関する。
【0032】
更に、本発明によるMOS組成物が上皮細胞の増殖を増強させることも見出されてきた。MOS組成物は、腸細胞の増殖を刺激することにより、腸粘膜などの動物粘膜の病変を修復するのに有用である。それゆえ、本発明は更に、上皮細胞の増殖増強に用いるための、本発明によるMOS組成物に関する。本発明は更に、上皮細胞の増殖増強を目的とする、本発明によるMOS組成物の使用に関する。
【0033】
更に、本発明によるMOS組成物は、ヒトもしくは動物の体内または体表における病原体負荷、特に細菌もしくは微生物負荷、及び/または感染を低減するのに有用であることも見出されてきた。したがって、本発明は更に、ヒトもしくは動物の体内または体表における、特に動物もしくはヒトの胃腸管における病原体負荷、特に細菌もしくは微生物負荷、及び/または感染の低減に使用するための、本発明によるMOS組成物に関する。本発明は更に、ヒトもしくは動物の体内または体表における病原体負荷、特に細菌または微生物負荷、及び/または感染を低減させるための、本発明によるMOS組成物の使用に関する。
【0034】
本発明は更に、ヒトもしくは動物の体内または体表における抗菌処置に使用するための、本発明によるMOS組成物に関する。本発明はまた、ヒトもしくは動物の体内または体表における抗菌処置(治療的または非治療的)時の本発明のMOS組成物の使用に関する。そのような治療剤は、例えば、スキンケア製品もしくは医薬製品のような、化粧品またはパーソナルケア製品の形態であり得る。
【0035】
特に、DP2が約22wt%db、例えば15~25wt%dbであり、DP3+が約50wt%db、例えば45~60wt%dbであることを特徴とするMOS組成物、また特に、DP2含有率が10~20wt%dbであり、DP3+含有率が55~75wt%db、例えば60wt%db以上、60~70wt%db、好ましくは65~70wt%dbであることを特徴とするMOS組成物は、動物におけるE.coli感染及び/またはSalmonella感染の低減に有用である。
【0036】
本発明は更に、ヒトまたは動物を治療するための、本明細書に記載のMOS組成物の使用に関する。本発明は更に、ヒトまたは動物の治療に使用するための、本明細書に記載のMOS組成物に関する。それゆえ、本明細書に記載のMOS組成物はまた、ヒトまたは動物を治療するための薬剤中に/薬剤として使用しても差し支えない。
【0037】
本発明は更に、動物の成長能力改善を用途とするMOS組成物の非治療的使用をはじめとする、動物の成長能力改善を用途とする、本明細書に記載のMOS組成物の使用に関する。また、本明細書に記載のMOS組成物を、薬剤中に/薬剤として使用することによって、動物の成長能力改善を図ることが可能である。MOS組成物は飼料添加物として使用しても差し支えない。
【0038】
本発明は更に、ヒト及び動物における微生物もしくは細菌汚染の低減、あるいは感染の低減、好ましくはSalmonella及び/またはE.coli汚染の低減を用途とする、本発明のMOS組成物の使用に関する。それゆえ、本発明はまた、ヒトもしくは動物の体内または体表における微生物もしくは細菌汚染の低減に使用するための、または感染の低減に使用するための、好ましくはSalmonella及び/またはE.coli汚染の低減に使用するための、本明細書に記載のMOS組成物を対象とする。特に、約22%DP2及び50%DP3+(+/-1%)のMOS組成物が有用とされ、また、DP3+が60%を超えるMOS組成物も有用とされる。
【0039】
本発明は更に、ヒトもしくは動物の体重増加の改善、及び/または飼料摂取の改善、及び/または体重の改善、及び/または糞便の質の改善のための、本明細書に記載のMOS組成物に関し、これには、ヒトもしくは動物の体重増加の改善、及び/または飼料摂取の改善、及び/または体重の改善、及び/または糞便の質の改善におけるMOS組成物の治療的及び非治療的使用の両方が含まれる。
【0040】
本発明は更に、腸粘膜への細菌付着を低減または防止するための、本明細書に記載のMOS組成物に関し、これには、腸粘膜への細菌の付着を低減または防止するのに使用するための、本明細書に記載のMOS組成物が包含される。
【0041】
動物は、家禽(鶏、シチメンチョウ及びウズラなど)、豚、反芻動物類、ウマ類、水生動物類(例えばサケやマスのような魚、及びエビなど)、またはペットであることが好ましい。動物は、家禽または豚であることがより好ましい。下記実施例のセクションで例示するようなin vivo治験で明らかにされてきたように、本発明によるMOS組成物を摂取することは動物の胃腸の健康に有益であり、それにより動物の成長能力が増強される。
【0042】
本発明は更に、本発明のMOS組成物と更なる食物成分と動物飼料成分もしくはペットフード成分とを含む食料品、動物飼料製品またはペットフード製品に関する。
【0043】
本発明のMOS組成物を使用する利点は、容易に溶解することができ、取り扱い及び/または投与をより良好に行えるという点であり、このため、少なくとも1種の液体成分(飲料等の液状食品など)を使用する多くの用途、あるいは動物用飲料水等の液体飼料中に使用するのに極めて適している。MOS組成物は、乾燥混合物への取り込みも容易に行うことができる。
【0044】
食料品は、ビスケット、クッキー、シリアルバー、朝食用シリアル、クラッカー、ケーキ、パン、マフィン、ペストリー、揚げ菓子・焼き菓子及びそれらに類するものなどの焼成製品であり得る。
【0045】
食料品を、ソース、プリン、スープなどの便宜品としてもよい。
【0046】
食料品は、チョコレート、チョコレート様製品、ソフトキャンディ、ハードキャンディ、ハードボイルドキャンディ、プレスキャンディ、ガム、チューインガム、ゼリー、マシュマロ、ロゼンジ、タブレット、キャラメル、ヌガー、プラリネ、タフィー、ファッジ、フォンダン、マジパン及びそれらに類するものなどの菓子製品であり得る。
【0047】
食料品は飲料であり得る。飲料には、任意のシロップもしくは任意のアルコール及び非アルコール、炭酸及び非炭酸、または飲用に適した液剤、例えば、水、ビール、レモネード、コーディアル、アイスティー、フルーツジュースのほか、シリアルベースの飲料、アーモンドベースもしくは他のナッツベースの飲料、大豆ベースの飲料、米ベースの飲料及びそれらに類するものなどの野菜ベースの飲料が包含されるだけでなく、濃縮飲料及び粉末飲料もまた包含される。濃縮飲料とは、液体形態であるかまたは本質的に乾燥混合物形態であるかのいずれかの濃縮物を指す。濃縮飲料は通常、炭酸水もしくは非炭酸水のいずれかで構成または希釈したときに、飲用に適した飲料組成物または最終飲料を提供するように調合される。粉末飲料は、炭酸水もしくは非炭酸水または牛乳で最終飲料を構成するのに適している。
【0048】
食料品は、牛乳、ホエー、ヨーグルト、及びそれらを主原料とする飲料、ココアベースの乳製品飲料、発酵デザート(フレッシュチーズ調製物、飲料製品など)、アイスクリーム、ミルクシェーク、フローズンヨーグルト、中性乳製品デザート(プリン、フラン、クリームデザート、ホイップデザートなど)、及びフレーバーヨーグルト調製物(例えば果物不含のフルーツヨーグルト)、冷凍乳製品デザート及びそれらに類するものなどの乳製品であり得る。
【0049】
食料品は、離乳食、幼児食、及び栄養補給剤とされる場合もある。
【0050】
食料品はまた、高齢者のニーズに対応するように特別に設計された食品であり得る。
【0051】
動物飼料製品は、豚、好ましくは仔豚、もしくは鶏に給餌するために設計された飼料製品、例えばブロイラー鶏飼料もしくは産卵用鶏飼料、またはサケもしくはマスなどの魚用飼料であり得る。動物飼料はまた、ウマ用飼料とされる場合もある。前記豚用飼料、鶏用飼料、魚用飼料またはウマ用飼料は、本発明のMOS組成物に次いで、そのような動物用飼料に典型的もしくは具体的に使用される飼料成分を含む。典型的及び具体的な動物飼料組成物は、動物飼料を調製する当業者に認識されている。MOS組成物は、補足飼料として使用するのにも極めて好適であり、可溶性であることから、例えば飲料水にも難なく添加できる。飼料製品の更なる飼料成分は、他の炭水化物ならびに繊維、例えばグルカン、アラビノキシランオリゴ糖、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラル及びそれらに類するものであり得る。動物種に応じて飼料組成物が異なり、好適な飼料組成物を調合する方法は当業者に理解されている。
【0052】
MOS組成物は、好ましくは、1日1回以上の給仕でヒト、動物もしくはペットの体重1kg当たり0.01~20g、好ましくは0.01~10gのMOS組成物が供給されるような量で、食料品、動物飼料製品またはペットフード製品中に存在する。好ましくは、特に動物もしくはペット用のMOS組成物は、1日1回以上の給仕で動物の体重1kg当たりMOS組成物0.01~0.02gが供給されるような量で動物飼料製品またはペットフード製品中に存在する。特に、食物、動物飼料もしくはペットフードは、食料品、動物飼料製品またはペットフード製品の重量を基準にして本MOS組成物の0.02~0.6wt%を構成し得る。
【0053】
一態様において、食物、動物飼料もしくはペットフード、好ましくは豚飼料は、食料品、動物飼料製品もしくはペットフード製品の重量を基準にして0.1~0.5wt%、好ましくは0.1~0.4wt%、更により好ましくは0.1~0.3wt%、尚更により好ましくは0.1~0.2wt%の本発明のMOS組成物を含む。
【0054】
別の態様において、食物、動物飼料またはペットフード(家禽飼料であることが好ましい)は、食料品、動物飼料製品もしくはペットフード製品の重量を基準にして0.01~0.05wt%、好ましくは0.01~0.04wt%、更により好ましくは0.01~0.03wt%、尚更により好ましくは0.01~0.02wt%の本発明のMOS組成物を含む。
【0055】
更に、本発明は、特に抗菌特性を有する製品において、本発明のMOS組成物と更なる化粧品成分とを含む化粧品に関する。化粧品は、化粧クリーム、化粧ローション、口紅、及びそれらに類するものであり得る。好ましくは、化粧品は、化粧品の重量を基準にして0.01~30wt%、好ましくは0.01~20wt%、より好ましくは1~15wt%、更により好ましくは5~10wt%の本MOS組成物を含み得る。本発明はまた、化粧品におけるMOS組成物の使用にも関する。特に、本発明はまた、抗菌特性を有する化粧品におけるMOS組成物の使用にも関する。
【0056】
本発明はまた、特に抗菌特性を有する製品において、本発明のMOS組成物と更なるパーソナルケア製品成分とを含むパーソナルケア製品に関する。パーソナルケア製品は、ボディローション、オーラルケア製品(マウスウォッシュ、歯磨き粉、及びそれらに類するもの)、ヘアケア製品、衛生製品、例えばハンドジェル、ウェットハンドタオルまたはワイプ(ベビーワイプ、インティメイトワイプ、クレンジングメイクアップ除去ワイプ)及びそれらに類するものであり得る。また、パーソナルケア製品には、クレンジングローション、洗浄液、フェイスクリーム、ハンドクリーム、ボディローション、保湿液、にきび治療製品、デオドラント及びそれらに類するものなどの、スキンケア製品が包含される。パーソナルケア製品は、好ましくはパーソナルケア製品の重量を基準にして0.01~30wt%、好ましくは0.01~20wt%、より好ましくは1~15wt%、更により好ましくは5~10wt%の本MOS組成物を含み得る。本発明はまた、パーソナルケア製品における本発明によるMOS組成物の使用に関する。特に、本発明によるMOS組成物は、抗菌特性を有するパーソナルケア製品に有用である。
【0057】
本発明はまた、本発明のMOS組成物と更なる医薬成分とを含む医薬製品に関する。パーソナルケア製品をハンドクリームとしてもよい。医薬製品には、消毒剤、防腐剤バーム及びそれらに類するものが含まれる。
【0058】
好ましくは、医薬製品は、医薬製品の重量を基準にして0.01~20wt%の本MOS組成物を含み得る。
【0059】
本発明は更に、マンノオリゴ糖組成物の製造工程であって、以下のステップ:
a) 酸性化触媒の存在下、180℃~240℃、好ましくは195℃~240℃の温度でマンノースをマイクロリアクターに通してマンノースを重縮合することにより、マンノースオリゴ糖含有組成物を生成するステップと、
b) 任意に、マンノオリゴ糖組成物を中和及び/または脱色するステップと、
c) 任意に、マンノオリゴ糖組成物を精製するステップと、
d) マンノオリゴ糖組成物を収集するステップと、を含む、前記工程に関する。
【0060】
マンノースは、マンノース含有組成物、マンノース単離物、マンノース溶液またはこれらの混合物であり得る。マンノースは水性マンノース溶液とすることが好ましい。マンノース水溶液中のマンノース濃度は重要ではないが、マンノース水溶液を粘度要件と一致するようにできるだけ濃縮することが有利である。更に、マンノース水溶液は、乾燥物質を10~90wt%、好ましくは乾燥物質を15~80wt%、より好ましくは乾燥物質を40~70wt%、更に好ましくは乾燥物質を50~60wt%含むことが有利である。マンノース水溶液は、乾燥物質を75~90wt%含むことが最も好ましい。
【0061】
酸性化触媒の使用量は、好ましくはマンノース:酸性化触媒100:0.005~100:20、より好ましくは100:0.5~100:10、更により好ましくは100:1~100:5のマンノースに対する重量比である。
【0062】
酸性化触媒はクエン酸、硫酸及び/またはリン酸とすることが好ましい。
【0063】
酸性化触媒は、マンノースと混合してからマイクロリアクターに通すことが好ましい。
【0064】
ステップa)の温度は好ましくは180℃~230℃、より好ましくは195℃~230℃、より好ましくは195℃~220℃、更により好ましくは195℃~210℃であり、尚更により好ましくは195℃~200℃とされる。
【0065】
ステップa)の間にマンノース含有組成物がマイクロリアクター内に滞留する時間は、好ましくは5~20秒、より好ましくは10~15秒である。
【0066】
ステップa)の前に、マンノースを、酸性化触媒の存在下、上記のステップa)の温度よりも低い温度で第1のマイクロリアクターに通すことが好ましい。前記低い温度は、好ましくは100℃~180℃、より好ましくは120℃~175℃、更により好ましくは140℃~170℃、尚更により好ましくは150℃~165℃である。このステップの最中に何らかの重縮合が既に実行されている可能性がある。第1のマイクロリアクター内でのマンノース含有組成物の滞留時間は、好ましくは5秒以下、好ましくは4秒以下、より好ましくは3秒以下、更により好ましくは2秒以下、例えば0.5~2秒または0.5~1秒といったように極めて短い。
【0067】
第1のマイクロリアクター及びステップa)のマイクロリアクターは、同じ構成を有する場合もあれば、類似している場合もある。例えば、工程をバッチ式で実行する場合、マイクロリアクター同士が同一物である場合さえある。本発明の方法は、バッチ式、半連続式、パルス式または連続式で実行することが可能であり、連続式で実行するのが好ましい。
【0068】
ゆえに、本発明は好ましくは、
a0) 酸性化触媒の存在下100℃~180℃の温度でマイクロリアクターにマンノースを通すことにより、加熱されたマンノースを得るステップと、
a) 酸性化触媒の存在下、180℃~240℃、好ましくは195℃~240℃の温度で加熱マンノースをマイクロリアクターで重縮合させるステップと、
b) 任意に、マンノオリゴ糖組成物を中和及び/または脱色するステップと、
c) 任意に、マンノオリゴ糖組成物を精製するステップと、
d) マンノオリゴ糖組成物を収集するステップと、
を含み、酸性化触媒が、好ましくはクエン酸、硫酸及び/またはリン酸であることを特徴とする工程に関するものである。
【0069】
マンノオリゴ糖組成物を収集する前に、あるいはステップc)及び/またはd)の後に、必要に応じてマンノオリゴ糖組成物の温度を低下させるための冷却ステップを実行してもよい。
【0070】
マンノオリゴ糖組成物は中和されていることが好ましい。マンノオリゴ糖組成物がpH4~7に達するまで、本組成物の中和を実行してもよい。これにより、例えば経時的な加水分解が少なくなるので、製品の組成がほとんど変化しないかまたは無変化になり、結果として、製品の安定性を増強するうえで有利である。この場合、本製品はまた、酸または酸性条件に敏感な他の成分と併用するのが好適であるという利点もある。中和は、任意の好適なベースで実行できる。特にマンノオリゴ糖組成物を食物中に使用する必要のある場合、そしておそらく飼料中及びペットフード中にも使用する必要があると考えられる場合、苛性及び/または水酸化カリウムを塩基とするのが好ましい。
【0071】
マンノオリゴ糖組成物の中和、またはマンノオリゴ糖組成物の脱色のいずれかを実行するかあるいはその両方を実行することが可能であることに留意すべきである。
【0072】
マンノオリゴ糖組成物は精製されていることが好ましい。生成されたマンノオリゴ糖組成物の精製は、一連の陰イオン性及び陽イオン性樹脂、及び/または活性炭などの研磨機に通すことによって実行することも、及び/またはクロマトグラフィーによって実行することもできる。特に、精製の実行によって、組成物からマンノースの一部または全部を除去してもよい。この除去は、マンノオリゴ糖組成物を食品用途に用いる場合に特に有利である。
【0073】
本発明は更に、本発明の工程により得られるMOS組成物に関する。事実上、そのようなMOS組成物は、なかんずく、本明細書において考察されているように効果に改善が施されている。
【0074】
本発明については、下記の非限定的な実施例により例証する。
【実施例】
【0075】
実施例1:MOS組成物の生成
乾燥基準で90wt%+/-2%のマンノースを含むマンノース溶液(Cargill製C*TruSweet 016Ko)を、乾燥基準で100:3の重量比で固体クエン酸とブレンドする。結果として得られた溶液を、乾燥物質が85%+/-1%に達するまで薄膜蒸発器を介して蒸発させる。次に、溶液をマイクロ熱交換器(Kreuzxtrom-reaktormodul 1694-X-19.0,KIT,IMVT)にポンプ圧送し、全体的な滞留時間を2秒未満にして、一定流量15kg/時で溶液を165℃に加熱する。次に、材料を第2のマイクロ熱交換器(Kreuzxtrom-reaktormodul 2155-A-4.0,KIT,IWVT)を介して195℃の温度で11秒間ポンプ圧送し、そこで主要な重縮合反応を行う。
【0076】
結果として得られた重縮合生成物(マンノースオリゴ糖組成物)をアルカリ水で希釈して、固形分50wt%且つpH5+/-0.2の溶液を得る。次に、溶液を50℃に冷却する。HPLC分析(ISO 10504:1998-10)から明らかなように、マンノオリゴ糖、すなわちDP3+の含有量は40wt%である。
【0077】
実施例2:MOS組成物の生成
乾燥基準で90wt%+/-2%のマンノース含有マンノース溶液(Cargill製C*TruSweet 016Ko)を、乾燥基準で100:3の重量比で固体クエン酸とブレンドする。結果として得られた溶液を、乾燥物質が85%+/-1%に達するまで薄膜蒸発器で蒸発させる。次に、溶液をマイクロ熱交換器(Kreuzxtrom-reaktormodul 1694-X-19.0,KIT,IMVT)にポンプ圧送し、全体的な滞留時間を2秒未満にし、一定の流量15kg/時で溶液を170℃に加熱する。次に、この物質を200℃の温度で11秒間、第2のマイクロ熱交換器(Kreuzxtrom-reaktormodul 2155-A-4.0,KIT,IWVT)に、ポンプ圧送し、そこで主な重縮合反応を行う。
【0078】
結果として得られた重縮合生成物(マンノースオリゴ糖組成物)をアルカリ水で希釈して、固形分が50wt%でpHが5+/-0.2の溶液を得る。次に、溶液を50℃に冷却する。HPLC分析(ISO 10504:1998-10)から明らかなように、マンノオリゴ糖、つまりDP3+の含有量が50wt%である。
【0079】
実施例3:比較実施例
本発明によるMOS(それぞれ実施例1及び2に従って製造された組成物A及び組成物B)を、市場で入手可能なMOS組成物(試料C~試料I)で酵母由来のものと比較する。
【0080】
溶解度は上記の試験Aに従って定量化されている。
【0081】
結果から明らかなように、全ての市販の酵母由来試料の溶解度は4wt%未満であり、この値は本発明の製品の溶解度を優に下回っている。
【0082】
【0083】
酸及び飼料酵素に対する安定性
酵母から抽出された市販のMOS(BioMOS(登録商標))の試料、及び実施例1に従って製造された本発明のMOS組成物の試料を、胃酸を刺激する条件下(最初の30分間はpH2にて、次いでpH7にて)または中性pH7にて、飼料中に商業的に使用されている2種のキシラナーゼ使用及び不使用で、41℃(鶏の生理的内部温度)で2時間インキュベートする。緩衝液中の酵素の用量は、供給業者の飼料に関する推奨事項に基づいて調整され、同じ条件下、in vitroにてキシラン試料中で機能することが事前に立証済みである。
図1の結果が実証しているように、胃酸の状態に関係なく、本発明によるMOS組成物は飼料酵素では分解されない。BioMOS(登録商標)は不溶性のままであり、HPLCで分析できなかったため、その結果は得られなかった。
【0084】
実施例4:in vitro及びex-vivo試験
本発明によるマンナンオリゴ糖(MOS)の効果を、in vitroにて市販の酵母由来MOSの効果と比較した。
【0085】
最小阻害濃度(MIC)
第1のアッセイでは、病原細菌であるE.coli及びSalmonellaの成長に対し異なる濃度のMOSが及ぼした影響にアクセスし、各材料の最小阻害濃度(MIC)を定量化した。異なる希釈率の材料を、10×CFUの各病原細菌(E.coliまたはSalmonella)でスパイクされた96ウェルプレート上のウェルに添加した。プレートを48時間インキュベートし、コロニー形成単位(CFU)を各ウェルのプレート計数により定量化して、純粋培地の%として計算した。MICアッセイの結果は、表2及び表3に報告されている。
【0086】
【0087】
【0088】
これらの結果は、MOS組成物A及びBが溶液中に1%を超える濃度で添加されると、細菌の増殖が20%阻害され始めるときの、MICを示す。50%超の細菌阻害効果は、10%を上回る濃度でのみ達成された(表2及び表3)。これらの所見を根拠とすれば、本発明のMOS組成物は、E.coli及びSalmonellaを直接殺滅する能力が限られていることから、殺菌性ではないことを結論付けることができる。酵母由来のMOS試料、CELMANAX(商標)及びSafMannan(登録商標)では、本発明によるMOSと比較して同等な阻害能力は見受けられなかった。それらによる阻害は濃度が10%に達したときに限り見られた。一方、本発明のMOS組成物とは対照的に、それ未満の濃度ではE.coli及びSalmonellaに対する効果または成長刺激効果は見られなかった(表2)。
【0089】
バイオフィルム形成の阻害
本発明によるMOS組成物及びいくつかの市販の酵母由来MOSが非生物的表面上の細菌バイオフィルム形成に対して及ぼす効果を、in vitroで試験する。異なる希釈率(10%、1%、0.1%、及び0.01%)の化合物を、10×CFUの各病原細菌(E.coliまたはSalmonella)でスパイクされた96ウェルプレートのウェルに添加する。プレートを37℃で48時間インキュベートする。各ウェル上の液体を除去し、ウェルをPBS緩衝液で洗浄した後、プラスチック表面に付着されているバイオフィルム細胞をクリスタルバイオレットで染色し、エタノールで溶出させる。分光光度計で、色素の色強度を490波長における吸光度(OD)として測定する。この値を、ブランク対照(緩衝溶液、濃縮培地、及び接種済細菌)の%として計算する。これらの測定の結果は、表4で確認できる。
【0090】
【0091】
結果から明らかなように、本発明のMOS組成物は、バイオフィルム形成を用量依存的様式で阻害し得る。まず0.01%という低濃度では阻害率40%超、溶液濃度10%ではE.coliに対し阻害率79%、及びSalmonellaに対し阻害率92%が達成される。酵母由来のMOSが10%濃度では阻害効果が約70%だけに限られることが認められたのに対し、Salmonellaの場合、それ未満の濃度でバイオフィルム形成の刺激が高いことさえ見受けられた(表4)。
【0092】
ex-vivoでの腸表面に対する病原体付着の阻害
本発明によるMOS組成物、ならびに市販の酵母由来MOS(CELMANAX(商標)及びSafMannan(登録商標))が、E.coli及びSalmonellaの生腸細胞表面付着能力に対して与える干渉を、2通りの異なるアッセイを用いて評価した。このアッセイでは、実際の鳥から採取された盲腸組織を、Ussingチャンバー内に載置して使用した。上皮の内腔側を、E.coliまたはSalmonellaと特定濃度の試験品とを含有するリンゲルベースの緩衝液と共に、37℃でインキュベートした。90分間のインキュベート時間後に、表面の洗浄、均質化及び播種を行い、組織に付着された病原細菌を列挙する。これらのアッセイの結果を、表5~表8に示す。
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
表5に示す結果から明らかなように、腸上皮表面へのSalmonellaの付着は、いずれのMOS含有材料によっても低減することが可能である。MOS供給源によっては、他の供給源よりも高効率のものもあった。腸上皮細胞への病原体の付着をMOSが低減させる能力は、若鶏(ブロイラー)と成鶏(産卵用鶏)の両方において確証されたが、効果の度合いはブロイラー若鶏(表6)の方が明白であった。これらの結果は、以降の試験において本発明により提案されたMOS組成物に関して更に確証された(表7)。表8に示すように、この接着効果の低下は用量依存的である。それに基づき、in vivo治験用に最小用量0.02%が推奨された。
【0098】
実施例5:in vivoでの免疫調節治験
in vitroでのマクロファージ培養を使用してin vitroアッセイを実行する。本発明による2つのMOS組成物(組成物A及びB)に、マクロファージを曝露させる。細胞をプロトタイプと共に1時間インキュベートしてから、1μg/mlLPS(または培地偽対照)を添加し、ELISA試験キットを使用して18時間インキュベートした後でサイトカインを測定する。ELISAを2回繰り返す。LSP添加前後の実験結果を、それぞれ表9及び表10に示す。
【0099】
【0100】
【0101】
マクロファージサイトカインTNF-α、IL-8及びIL-10は、MOS組成物AまたはBへの曝露で増加したのに対し、これら両方のMOS組成物によって、IL-6生成は対照培地と比較して減少した(表9)。マクロファージがLPSに感作されると、MOSの存在下で全てのサイトカインが増加する(表10)。これらの結果は、本発明によるMOS組成物がin vitroで免疫系に対し直接的な効果を及ぼすことを示唆するものである。
【0102】
フォローアップ試験で、仔豚にMOS組成物Bを給餌し、この食餌中のMOS組成物B用量を漸増させていく(0~0.4%)。離乳後22日目に豚合計80頭を対象に、処置毎に豚8頭からヘパリン処理済血液を採取する。末梢血単核細胞は、フィコール勾配を使用して単離される。細胞を播種し、LPSで刺激して、免疫応答をTNFαのELISA(pg/ml)で測定する。これらの結果を、表11に示す。
【0103】
【0104】
MOS組成物Bが仔豚マクロファージの反応に及ぼす影響は、LPS感作なしでは少なかったが、LPS感作下では直線的増加が見られた。つまり、MOS組成物Bは、疾病に感作された仔豚の免疫応答を、TNF-α応答の調節によって増強させる。
【0105】
実施例6:in vivoでのGIの健康改善
本発明によるMOS組成物(組成物A及びB)が腸粘膜細胞に対して及ぼす直接的な影響を、管腔腸腸細胞表面を模倣したin vitro C2Be1細胞株培養モデルを用いて調査した。プレート上で増殖された細胞に粘膜様表面を形成させ、続いて、これらの細胞を、培地中に濃度0.2%で溶解された化合物と共にインキュベートした。血清制限条件下、細胞を製品で4~5日間処理した。
【0106】
BrdU ELISAを用いて増殖の量を測定し、増殖細胞に取り込まれたBrdUの量を測定する(増殖率が高いほど、細胞のDNA中に検出されるBrdU数が多くなる)。増殖のレベルは、試験ウェルのBrdU取り込みを培地のみを有する対照のBrdU取り込みで除算した比率として表される。1に等しい値は、培地単独の平均と等価であり、無応答を意味する。二度の別々の機会に、アッセイを3回繰り返す。上皮増殖因子(EGF)と呼ばれる細胞増殖に影響を及ぼすことで知られる化合物を、2通りの異なる濃度(10及び100)の陽性対照で使用する。結果は表12で確認できる。
【0107】
【0108】
腸の健康の評価は、酵母由来のMOSならびにMOS組成物A及びBが腸の微生物プロファイルに及ぼす効果を比較することによって行う。第1日目からMOSを給餌された17日齢のブロイラー鶏の盲腸から採取された試料を、選択された腸内微生物100個に対し16S DNAプローブを用いてプリントされたカスタムマイクロアレイを使用して分析した。2つの市販の酵母由来MOS製品を、食餌(BioMos(登録商標)及びCELMANAX(商標))の0.02%で給餌し、実施例1に従って製造された本発明による1つのMOSを、食餌(dbで35%DP2及び40%DP3+)の0.02%で給餌する(濃度に基づく結果を表8に示す)。これら3つのMOS供給源とMOS不含陰性対照の食餌とで有意に異なる細菌DNAの平均相対量を、ANOVAで分析しJMP Genomicsソフトウェアを用いてクラスター化した。階層的クラスタリング分析の結果を、
図2に示す。
【0109】
図2の結果に基づいて了解されるように、E.coli、Campylobacter及びSalmonellaなどの病原細菌を含有するクラスター1内の細菌は、全てのMOS製品によって所望される程度に低減される。ただし、この低減を達成するため、各MOS製品は、異なるクラスター(BioMOS(登録商標)のクラスター2、CELMANAX(商標)のクラスター4、及び本発明の実施例1のMOS組成物のクラスター3)から採取された細菌を同時的に増加させる。
【0110】
実施例7:in vivoでの成長能力の増強鶏
第1の研究(治験1)は、本発明の実施例1及び実施例2によるMOS組成物を市販の酵母由来MOSと比較する目的で設計されたものである。また、実施例1に記載の工程(デキストロース及びソルビトールを反応物として用いた工程)に類似する工程で生成されたポリデキストロースも添加することによって、これらの組成物がポリマンノースであることの重要性を明らかにした。実施例1及び実施例2のMOS組成物を、Salmonella enteritidisに感作されたブロイラー鶏の食餌中に2通りの極端な用量(0.02及び2%)で添加し、一方、酵母由来のMOS(CELMANAX(商標)及びBioMOS(登録商標))を、食餌中に推奨用量0.2%で添加した。盲腸の性能パラメータ及びSalmonellaレベルは、28日齢で測定された。結果は表13で確認できる。
【0111】
【0112】
20日齢ブロイラーの性能は0.02%の組成物Aによって最高に達し、その結果、対照と比較してEPI(死亡率を除く)、体重、体重増加、及び飼料摂取量が改善された。組成物Aは他の治療剤と比較して数値的に全ての鳥に対し優位であり、組成物A 2.00%、組成物B(任意の用量)、ポリデキストロース(任意の用量、ただしEPIは死亡率を除く)を与えられた鳥に対し統計的に優位であった。酵母由来のMOSと比較して、体重、体重増加または飼料摂取量が組成物Aと同様であったのは、CELMANAX(商標)だけに限られていた。飼料利用率における差異は、飼料摂取量における差異と相関していたことから、これら性能上の差異が事実上、飼料摂取量に起因するものと結論付けて差し支えない。MOS組成物A及びBならびにCELMANAX(商標)は、対照鳥と比較した場合に盲腸のSalmonella数への影響が少ないのに対し、酵母由来のBioMOS(登録商標)はSalmonellaの存在を増強させる(表13)。これらの結果は、MOS製品が殺菌性ではないにもかかわらず一部の酵母由来MOSは病原細菌の増殖を促進する可能性があるというin vitroでの観察と一致している(表2)。
【0113】
治験1の結果に基づいて、ブロイラー鶏の食餌に添加されるMOS組成物Aの最適用量が同定されるように設計されたのが、用量反応試験(治験2)である。試験された用量は、0.01~1.00%の範囲に及んだ。表14に示す結果から明らかなように、MOS組成物Aの効果は、体重、1日増体量、飼料摂取量及び飼料摂取量比に対して本質的に2次的であり、最適用量は0.02%とされる。これらの結果から、高純度のMOS供給源を給餌した場合に重要とされるのは用量であることが確証され、同定された用量はまたin vitroの結果(表8)、及び治験1の結果(表13)とも一致した。
【0114】
【0115】
2通りの追加の動物給餌試験を使用して、家禽の食餌中の組成物Aが推奨用量0.02%であることを確証する。第3の研究(治験3)では、抗生物質成長促進剤クロルテトラサイクリン(CTC)使用または不使用の組成物Aを、食餌中に給餌して試験する。メンドリ第4の研究(治験4)では、18~30週齢の産卵期間中に産卵用雌鶏に同じ製品及び用量を給餌して試験する。これらの研究の結果は、それぞれ表15及び表16で確認できる。
【0116】
【0117】
【0118】
治験3の結果(表15)から明らかなように、本発明で提示された抗生物質成長促進剤CTCとMOS組成物Aの両方(用量0.02%)によって、添加剤不使用の対照治療剤と比較してブロイラー鶏の性能全般が良好化された。更に、抗生物質増殖促進剤CTCとMOS組成物Aと併用した結果、個別に効果を発揮した場合と比較して性能が共生的に更に改善された(表15)。これらの結果に基づいて、本発明において提示されるMOS組成物Aを、抗生物質成長促進剤使用または不使用の食餌に配合することで、ブロイラー鶏の性能に有益な効果をもたらすものと結論付けることができる。
【0119】
治験4(表16)の結果から明らかなように、産卵用雌鶏の食餌に配合されたMOS組成物AもしくはBは、平均1日飼料摂取量またはほとんどの卵の特性(卵重量、卵白重量、卵黄重量、卵殻厚または死亡率)に影響を及ぼさない。この研究期間(18~10週齢)中に、卵殻厚は、MOS組成物Aによって大幅に減少したが、産卵用雌鶏の卵質に対するリスクにはならない。本発明に記載のMOSを産卵用雌鶏に給餌した場合に観察された主な効果は、産卵数が増加したこと、及び飼料から卵への転換率が改善されたことであった(表16)。この効果は、MOS組成物Aの方が組成物Bよりも明白であった。
【0120】
豚
仔豚の研究(治験5)を実施し、本発明(組成物A及びB)由来のマンナンオリゴ糖を市販の酵母由来製品BioMOS(登録商標)と共に給餌した場合の効果を比較した。この同じ治験を用いて、仔豚の食餌に添加されるMOS組成物AまたはBの最適用量を特定した。試験5の結果を表17に示す。
【0121】
【0122】
治験5の結果から明らかなように、酵母由来MOS(BioMOS(登録商標))またはMOS組成物Aが仔豚の性能に影響を及ぼさなかったのに対して、本発明のMOS組成物Bは体重、平均1日増体量及び平均飼料摂取量に2次的効果を及ぼした(表17)。仔豚の食餌に含まれるMOS組成物Bの最適用量は、0.2%である。
(態様1)
水溶性であることを特徴とするマンノースオリゴ糖組成物。
(態様2)
0.1wt%db未満のβグルカンを含むことを特徴とする、態様1に記載の組成物。
(態様3)
前記マンノースオリゴ糖含有率が30wt%db以上であることを更に特徴とする、先行態様のいずれか1項に記載の組成物。
(態様4)
ジマンノース(dimannose)含有率が10~35wt%dbであることを更に特徴とする、先行態様のいずれか1項に記載の組成物。
(態様5)
フルクトース含有率が0.5~10wt%dbであることを更に特徴とし、好ましくはマンノース含有率が5~25wt%dbであることを更に特徴とし、好ましくはグルコース含有率が1~15wt%dbであることを更に特徴とする、態様1~4に記載の組成物。
(態様6)
態様1~5のいずれか1項に記載の組成物と、更なる食物成分、動物飼料成分もしくはペットフード成分とを含む食料品、動物飼料製品またはペットフード製品。
(態様7)
態様1~5のいずれか1項に記載の組成物が、1回以上の給仕で、ヒト、動物もしくはペットの体重1kg当たり0.01~0.02gの組成物を提供するのに十分な量で存在する、態様6に記載の食料品、動物飼料製品またはペットフード製品。
(態様8)
態様1~5のいずれか1項に記載の組成物が、前記食料品、動物飼料製品もしくはペットフード製品の重量を基準にして0.1~0.5wt%、好ましくは0.1~0.4wt%、より好ましくは0.1~0.3wt%、更により好ましくは0.1~0.2wt%の量で存在する、態様6に記載の食料品、動物飼料製品またはペットフード製品。
(態様9)
態様1~5のいずれか1項に記載の組成物が、前記食料品、動物飼料製品もしくはペットフード製品の重量を基準にして0.01~0.05wt%、好ましくは0.01~0.03wt%、より好ましくは0.01~0.02wt%の量で存在する、態様6に記載の食料品、動物飼料製品またはペットフード製品。
(態様10)
マンノースオリゴ糖を含む組成物の製造方法であって、以下のステップ:
a) 酸性化触媒の存在下、180℃~240℃、好ましくは195℃~240℃の温度でマンノースをマイクロリアクターに通して前記マンノースを重縮合することにより、マンノオリゴ糖含有組成物を生成するステップと、
b) 任意に、前記マンノオリゴ糖組成物を中和及び/または脱色するステップと、
c) 前記マンノオリゴ糖組成物を収集するステップと、
を含み、前記酸性化触媒が、好ましくはクエン酸、硫酸またはリン酸であることを特徴とする、前記方法。
(態様11)
ステップa)の最中の前記マイクロリアクター内でのマンノースの滞留時間が5~20秒である、態様10に記載の方法。
(態様12)
ヒトまたは動物の治療のための、態様1~5のいずれか1項に記載の組成物。
(態様13)
ヒトもしくは動物における腸粘膜への細菌付着の低減もしくは防止、及び/または体重増加の改善、及び/または飼料摂取の改善、及び/または体重増加の改善、及び/または糞便の質の改善のための、態様1~5のいずれか1項に記載の組成物または動物。
(態様14)
動物の成長能力の改善のための、態様1~5のいずれか1項に記載の組成物の使用。
(態様15)
ヒトもしくは動物の体内または体表における微生物または細菌による汚染の低減、あるいは感染の低減、好ましくはSalmonella及び/またはE.coliによる汚染の低減のための、態様1~5のいずれか1項に記載の組成物の使用。
(態様16)
態様1~5のいずれか1項に記載のマンノースオリゴ糖組成物を含む化粧品、パーソナルケア製品または医薬製品であって、前記化粧品が好ましくは化粧クリーム、化粧ローションもしくは口紅であり、前記パーソナルケア製品が好ましくはオーラルケア製品、ヘアケア製品、スキンケア製品もしくは衛生製品であり、あるいは前記医薬製品が好ましくは消毒剤もしくは防腐剤バームである、前記化粧品、パーソナルケア製品または医薬製品。