(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B65H 7/06 20060101AFI20241219BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241219BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241219BHJP
H04N 1/12 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65H7/06
G03G15/00 450
G03G15/00 480
H04N1/00 L
H04N1/00 567K
H04N1/12
(21)【出願番号】P 2023061411
(22)【出願日】2023-04-05
(62)【分割の表示】P 2022507934の分割
【原出願日】2020-03-18
【審査請求日】2023-04-05
【審判番号】
【審判請求日】2024-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】下坂 喜一郎
(72)【発明者】
【氏名】筆安 祥子
(72)【発明者】
【氏名】扇子 悠
【合議体】
【審判長】川俣 洋史
【審判官】殿川 雅也
【審判官】山本 一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/186643(WO,A1)
【文献】特開2000-264445(JP,A)
【文献】特開2004-61733(JP,A)
【文献】特開平11-60053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00 - 1/30
G03G 15/00
H04N 1/00
H04N 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の媒体を順次搬送する搬送機構と、
媒体のサイズを検出する検出部と、
前記検出されたサイズに応じて、媒体の搬送速度を変更することなく且つ各媒体の搬送が完了してから次の媒体の搬送を開始するまでの時間である媒体の搬送間隔を設定するように前記搬送機構を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記検出されたサイズが第1サイズである場合の前記搬送間隔が、前記検出されたサイズが前記第1サイズより大きい第2サイズである場合の前記搬送間隔より小さくなり、且つ、前記検出されたサイズが
前記第1サイズである場合の媒体の排出速度が、前記検出されたサイズが
前記第2サイズである場合の前記排出速度より低くなるように前記搬送機構を制御する、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
載置台と、
媒体の幅方向を規制するサイドガイドと、をさらに有し、
前記検出部は、前記サイドガイドの配置位置に基づいて、媒体のサイズを検出する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
媒体が撮像された入力画像を生成する画像生成部をさらに有し、
前記検出部は、前記入力画像に基づいて、媒体のサイズを検出し、
前記制御部は、前記検出されたサイズに応じて、前記サイズが検出された媒体の搬送が完了してから次の媒体の搬送を開始するまでの時間である搬送間隔を設定するように前記搬送機構を制御する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する判定部をさらに有し、
前記制御部は、
前記検出されたサイズが第1サイズである場合に、前記検出されたサイズが前記第2サイズである場合より媒体の搬送異常が発生したと判定されやすいように、媒体の搬送異常の判定基準を変更する、請求項1~3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
複数の媒体を順次搬送する搬送機構を有する媒体搬送装置の制御方法であって、
媒体のサイズを検出し、
前記検出されたサイズに応じて、媒体の搬送速度を変更することなく且つ各媒体の搬送が完了してから次の媒体の搬送を開始するまでの時間である媒体の搬送間隔を設定するように前記搬送機構を制御することを含み、
前記制御において、
前記検出されたサイズが第1サイズである場合の前記搬送間隔が、前記検出されたサイズが前記第1サイズより大きい第2サイズである場合の前記搬送間隔より小さくなり、且つ、前記検出されたサイズが
前記第1サイズである場合の媒体の排出速度が、前記検出されたサイズが
前記第2サイズである場合の前記排出速度より低くなるように前記搬送機構を制御する、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
複数の媒体を順次搬送する搬送機構を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、
前記媒体搬送装置を、
媒体のサイズを検出
する検出部と、
前記検出されたサイズに応じて、媒体の搬送速度を変更することなく且つ各媒体の搬送が完了してから次の媒体の搬送を開始するまでの時間である媒体の搬送間隔を設定するように前記搬送機構を制御する
制御部として機能させ、
前記制御部は、前記検出されたサイズが第1サイズである場合の前記搬送間隔が、前記検出されたサイズが前記第1サイズより大きい第2サイズである場合の前記搬送間隔より小さくなり、且つ、前記検出されたサイズが
前記第1サイズである場合の媒体の排出速度が、前記検出されたサイズが
前記第2サイズである場合の前記排出速度より低くなるように前記搬送機構を制御する、
ことを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムに関し、特に、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
媒体を搬送しながら撮像するスキャナ装置等の媒体搬送装置では、媒体の搬送処理をより短時間に完了させることが要求されている。しかしながら、媒体搬送装置において、媒体の搬送速度を増大させすぎると、媒体のジャム、スリップ、重送又はスキュー等の搬送異常が発生しやすくなる可能性がある。
【0003】
原稿を移動させながら画像を読み取る自動原稿搬送装置が開示されている(特許文献1を参照)。この自動原稿搬送装置は、搬送を開始してから原稿が読取位置に少なくとも2回到達するまでに原稿サイズを検出し、その原稿サイズに応じた所定の搬送速度で画像読み取り時の原稿を搬送するように制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
媒体搬送装置では、媒体の搬送異常の発生を抑制しつつ、媒体の搬送にかかる時間をより低減させることが望まれている。
【0006】
媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムの目的は、媒体の搬送異常の発生を抑制しつつ、媒体の搬送にかかる時間をより低減させることを可能とすることにある。
【0007】
実施形態の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体を搬送する搬送機構と、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する判定部と、所定数の媒体を搬送させたときに媒体の搬送異常が発生しなかった場合、以降に搬送する媒体の搬送速度を増大させ、又は、以降に搬送する媒体の搬送間隔を低減させるように搬送機構を制御する制御部と、を有する。
【0008】
また、実施形態の一側面に係る制御方法は、媒体を搬送する搬送機構を有する媒体搬送装置の制御方法であって、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定し、所定数の媒体を搬送させたときに媒体の搬送異常が発生しなかった場合、以降に搬送する媒体の搬送速度を増大させ、又は、以降に搬送する媒体の搬送間隔を低減させるように搬送機構を制御する。
【0009】
また、実施形態の一側面に係る制御プログラムは、媒体を搬送する搬送機構を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定し、所定数の媒体を搬送させたときに媒体の搬送異常が発生しなかった場合、以降に搬送する媒体の搬送速度を増大させ、又は、以降に搬送する媒体の搬送間隔を低減させるように搬送機構を制御することを媒体搬送装置に実行させる。
【0010】
本実施形態によれば、媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムは、媒体の搬送異常の発生を抑制しつつ、媒体の搬送にかかる時間をより低減させることが可能となる。
【0011】
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に従った媒体搬送装置100を示す斜視図である。
【
図2A】サイドガイド107について説明するための模式図である。
【
図2B】サイドガイド107について説明するための模式図である。
【
図3】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【
図4】第1媒体センサ111について説明するための模式図である。
【
図5】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【
図6】記憶装置150及び処理回路160の概略構成を示す図である。
【
図7】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図8】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図9】ジャム判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図10】スリップ判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図11】重送判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図12】スキュー判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図13】ジャム判定処理の動作の他の例を示すフローチャートである。
【
図14B】音信号の絶対値を取った信号の例を示すグラフである。
【
図15】他の処理回路260の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の一側面に係る媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0014】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、カード又は冊子等である。冊子には、パスポート又は通帳等が含まれる。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
【0015】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。
図1において矢印A1は媒体搬送方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0016】
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
【0017】
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。載置台103は、媒体を載置する載置面103aを有する。載置面103a上には、第1サイドガイド107a及び第2サイドガイド107bが設けられている。以下では、第1、第2サイドガイド107a、bを総じてサイドガイド107と称する場合がある。各サイドガイド107は、載置台103の媒体搬送方向と直交する幅方向A2に移動可能に設けられる。各サイドガイド107は、高さ方向A3において所定の高さを有し、載置台103に載置された媒体の幅方向を規制する。排出台104は、排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。
【0018】
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0019】
図2A及び
図2Bは、サイドガイド107について説明するための模式図である。
図2A及び
図2Bは、下側筐体101から取り外した載置台103を下流側から見た側面図である。
【0020】
図2A及び
図2Bに示すように、載置台103の載置面103aには、それぞれ幅方向A2に延伸する第1、第2凹部103b、cが形成される。また、第1、第2凹部103b、cの上流側及び下流側の端部には、第1、第2案内部103d、eが形成される。第1、第2案内部103d、eは、幅方向A2に延伸するように形成されたレールである。一方、第1、第2サイドガイド107a、bの高さ方向A3における下端の上流側及び下流側の端部には、第1、第2突起部107c、dが形成される。各サイドガイド107は、第1、第2突起部107c、dを第1、第2案内部103d、eに沿って移動させることにより、載置台103上で幅方向A2にスライド移動する。
【0021】
また、載置台103は、第1サイドガイドセンサ108及び第2サイドガイドセンサ109を有する。第1サイドガイドセンサ108及び第2サイドガイドセンサ109は、それぞれ第1、第2凹部103b、c内部に、高さ方向A3において第1、第2サイドガイド107a、bの下側に設けられる。第1サイドガイドセンサ108は、アーム108a、支持部108b、遮蔽部108c、ねじりコイルばね108d、ストッパ108e及び光センサ108f等を有する。また、第2サイドガイドセンサ109は、アーム109a、支持部109b、遮蔽部109c、ねじりコイルばね109d、ストッパ109e及び光センサ109f等を有する。第1サイドガイドセンサ108及び第2サイドガイドセンサ109の構造及び動作は、同様であるため、以下では、代表して第1サイドガイドセンサ108の構造及び動作についてのみ説明する。
【0022】
アーム108aは、第1サイドガイド107aが所定位置の内側(中央側)に配置されている場合は第1サイドガイド107aと接触し、第1サイドガイド107aが所定位置より外側に配置された場合は第1サイドガイド107aと接触しないように設けられる。所定位置は、載置台103に載置された第1サイズの媒体に当接するように配置された第1サイドガイド107aの配置位置と、載置台103に載置された第2サイズの媒体に当接するように配置された第1サイドガイド107aの配置位置との間に設定される。例えば、第1サイズはA5の短辺のサイズであり、第2サイズはB6の短辺のサイズである。
【0023】
支持部108bは、載置台103に回転可能に取り付けられる。アーム108a及び遮蔽部108cは、支持部108bを回転軸として一体に揺動(回転)可能に支持部108bにより支持される。載置台103とアーム108aの間には、ねじりコイルばね108dが設けられる。ねじりコイルばね108dは、支持部108bの周りに、アーム108aに矢印A11の方向(高さ方向A3における上方)に力が加えられるように設けられる。また、載置台103には、遮蔽部108cを停止させるためのストッパ108eが設けられる。
【0024】
光センサ108fは、相互に対向して配置される発光器及び受光器を有する。発光器は、受光器に向けて光を照射する。受光器は、発光器により照射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である第1サイドガイド信号を生成して出力する。発光器と受光器の間に遮蔽部108cが存在する場合、発光器により照射された光は遮蔽部108cにより遮光される。そのため、第1サイドガイド信号の信号値は、遮蔽部108cの位置に応じて、即ち遮蔽部108cとともに移動するアーム108aの移動量に応じて変化する。
【0025】
図2Aに示すように、第1サイドガイド107aは、所定位置より外側に配置された場合、アーム108aに接触しない。この状態では、遮蔽部108cは、ねじりコイルばね108dによって上方に押圧されるアーム108aにより上方に押圧されてストッパ108eに当接して停止する。これにより、遮蔽部108cは、発光器と受光器の間に存在せず、第1サイドガイド信号の信号値は、第1サイドガイド107aが所定位置より外側に存在する状態を示す。一方、
図2Bに示すように、第1サイドガイド107aは、所定位置の内側に配置された場合、アーム108aに接触する。この状態では、アーム108aは第1サイドガイド107aによって矢印A11の反対方向に押し下げられ、遮蔽部108cはアーム108aにより下方に移動する。これにより、遮蔽部108cは、発光器と受光器の間に配置され、第1サイドガイド信号の信号値は、第1サイドガイド107aが所定位置の内側に存在する状態を示す。
【0026】
同様に、光センサ109fは、第2サイドガイド107bが所定位置の内側に存在するか所定位置より外側に存在するかを示す第2サイドガイド信号を生成して出力する。
【0027】
第1サイドガイドセンサ108及び第2サイドガイドセンサ109は、光センサを用いることにより、複雑な構造を有する特殊なセンサを用いることなく、サイドガイドの位置を適切に検知することができる。したがって、媒体搬送装置100は、装置コスト又は装置重量の増大を抑制しつつ、サイドガイド107の位置を適切に検知することができる。
【0028】
なお、第1サイドガイドセンサ108及び第2サイドガイドセンサ109は、載置台103でなく、下側筐体101内部に設けられてもよい。その場合、載置台103と下側筐体101の相互に対向する面には穴部が設けられ、サイドガイド107の高さ方向A3における下側の端部には、媒体搬送方向A1の下流側に向かって、その穴部を介して下側筐体101内部まで延伸する突起部が設けられる。アーム108a、109aは、各サイドガイド107が所定位置の内側に配置されている場合は各サイドガイド107の突起部と接触し、各サイドガイド107が所定位置より外側に配置された場合は各サイドガイド107の突起部と接触しないように設けられる。第1サイドガイドセンサ108及び第2サイドガイドセンサ109が下側筐体101内部に設けられることにより、載置台103は、光センサ108f、109fと後述する処理回路との間の電気的な配線を考慮することなく、下側筐体101から着脱可能となる。
【0029】
また、媒体搬送装置100は、光センサ108f、109fの代わりに押しボタンを用いて、サイドガイド107の位置を検知してもよい。各押しボタンは、各サイドガイド107が所定位置より外側に配置された状態で遮蔽部108c、109cと当接せず、各サイドガイド107が所定位置の内側に配置された状態で遮蔽部108c、109cと当接して押下されるように配置される。各押しボタンは、押下されたか否かにより信号値が異なるように、第1、第2サイドガイド信号を生成して出力する。
【0030】
また、媒体搬送装置100は、第1サイドガイドセンサ108及び第2サイドガイドセンサ109の代わりに、距離センサを用いて、サイドガイド107の配置位置を検出してもよい。その場合、複数の距離センサが、上側ガイド110bに、給送ローラ113及びブレーキローラ114に対して上流側に、且つ、幅方向A2において間隔を空けて並べて配置される。各距離センサは、赤外線近接距離センサであり、赤外線の照射から反射までの時間差から、対向する位置に存在する物体までの距離を測定する。各距離センサは、発光部及び受光部を含む。発光部は、載置台103の載置面103aに向けて光(赤外光)を照射する。一方、受光部は、対応する発光部により照射され、載置台103の載置面103a又はサイドガイド107により反射された光を受光し、受光した光に応じた電気信号を生成する。
【0031】
生成される信号は、発光部が光を照射してから受光部が光を受光するまでの時間及び受光部が受光した光の光量を示す。したがって、生成される信号は、発光部により照射された光が反射した位置が載置面103aであるかサイドガイド107であるかにより、即ち発光部と対向する位置にサイドガイド107が配置されているか否かにより変化する。したがって、媒体搬送装置100は、各距離センサが生成する電気信号に基づいて、サイドガイド107の配置位置を検出することができる。
【0032】
図3は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0033】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、第1媒体センサ111、第2媒体センサ112、給送ローラ113、ブレーキローラ114、第3媒体センサ115、マイクロフォン116、超音波発信器117a、超音波受信器117b、第1搬送ローラ118、第2搬送ローラ119、第4媒体センサ120、第1撮像装置121a、第2撮像装置121b、第3搬送ローラ122及び第4搬送ローラ123等を有している。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。以下では、第1撮像装置121a及び第2撮像装置121bを総じて撮像装置121と称する場合がある。
【0034】
下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド110aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド110bを形成する。
【0035】
第2媒体センサ112は、第1媒体センサ111より下流側且つ給送ローラ113及びブレーキローラ114より上流側に配置される。第2媒体センサ112は、接触検知センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。第2媒体センサ112は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第2媒体信号を生成して出力する。
【0036】
給送ローラ113は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に給送する。ブレーキローラ114は、上側筐体102に設けられ、給送ローラ113と対向して配置される。
【0037】
第3媒体センサ115は、給送ローラ113及びブレーキローラ114より下流側且つ第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ119より上流側に配置され、その位置に媒体が存在するか否かを検出する。第3媒体センサ115は、媒体の搬送路に対して一方の側に設けられた発光器及び受光器と、搬送路を挟んで発光器及び受光器と対向する位置に設けられたミラー等の反射部材とを含む。発光器は、搬送路に向けて光を照射する。一方、受光器は、発光器により照射され、反射部材により反射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である第3媒体信号を生成して出力する。第3媒体センサ115の位置に媒体が存在する場合、発光器により照射された光はその媒体により遮光されるため、第3媒体センサ115の位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで第3媒体信号の信号値は変化する。なお、発光器及び受光器は、搬送路を挟んで相互に対向する位置に設けられ、反射部材は省略されてもよい。
【0038】
マイクロフォン116は、媒体搬送路の近傍に設けられ、媒体が搬送中に発生する音(可聴音)を受信(集音)し、受信した音に応じたアナログの音信号を生成して出力する。マイクロフォン116は、給送ローラ113及びブレーキローラ114より下流側且つ第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ119より上流側に、上側筐体102内部のフレーム116aに固定されて配置される。媒体が搬送中に発生する音をより的確にマイクロフォン116が集音できるように、上側ガイド110bのマイクロフォン116に対向する位置には穴116bが設けられている。
【0039】
超音波発信器117a及び超音波受信器117bは、給送ローラ113及びブレーキローラ114より下流側且つ第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ119より上流側に配置される。超音波発信器117a及び超音波受信器117bは、媒体の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。超音波発信器117aは、超音波を出力可能である。一方、超音波受信器117bは、超音波発信器117aにより発信され、媒体を通過した超音波を受信し、受信した超音波に応じた電気信号である超音波信号を生成して出力する。以下では、超音波発信器117a及び超音波受信器117bを総じて超音波センサ117と称する場合がある。
【0040】
第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ119は、給送ローラ113及びブレーキローラ114より下流側且つ撮像装置121より上流側に配置される。
【0041】
第4媒体センサ120は、第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ119より下流側且つ撮像装置121より上流側に、幅方向A2の略中央部に配置され、その位置に媒体が存在するか否かを検出する。第4媒体センサ120は、媒体の搬送路に対して一方の側に設けられた発光器及び受光器と、搬送路を挟んで発光器及び受光器と対向する位置に設けられたミラー等の反射部材とを含む。発光器は、搬送路に向けて光を照射する。一方、受光器は、発光器により照射され、反射部材により反射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である第4媒体信号を生成して出力する。第4媒体センサ120の位置に媒体が存在する場合、発光器により照射された光はその媒体により遮光されるため、第4媒体センサ120の位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで第4媒体信号の信号値は変化する。なお、発光器及び受光器は、搬送路を挟んで相互に対向する位置に設けられ、反射部材は省略されてもよい。
【0042】
第1撮像装置121aは、第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ119より下流側に配置される。第1撮像装置121aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置121aは、搬送される媒体に向けて光を照射する光源と、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置121aは、一定間隔毎に、搬送されている媒体の表面のラインセンサと対向する領域を撮像してライン画像を順次生成し、出力する。即ち、ライン画像の垂直方向(副走査方向)の画素数は1であり、水平方向(主走査方向)の画素数は複数である。
【0043】
同様に、第2撮像装置121bは、第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ119より下流側に配置される。第2撮像装置121bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置121bは、搬送される媒体に向けて光を照射する光源と、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置121bは、一定間隔毎に、搬送されている媒体の裏面のラインセンサと対向する領域を撮像してライン画像を順次生成し、出力する。
【0044】
なお、媒体搬送装置100は、第1撮像装置121a及び第2撮像装置121bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0045】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ113が
図2の矢印A4の方向に回転することによって、下側ガイド110aと上側ガイド110bの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。ブレーキローラ114は、媒体搬送時、矢印A5の方向に回転する。給送ローラ113及びブレーキローラ114の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ113と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限されるように動作する(重送の防止)。給送ローラ113及びブレーキローラ114は、媒体を分離する分離機構として機能する。
【0046】
媒体は、下側ガイド110aと上側ガイド110bによりガイドされながら、第1搬送ローラ118と第2搬送ローラ119の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ119がそれぞれ矢印A6及び矢印A7の方向に回転することによって、第1撮像装置121aと第2撮像装置121bの間に送り込まれる。撮像装置121により読み取られた媒体は、第3搬送ローラ122及び第4搬送ローラ123がそれぞれ矢印A8及び矢印A9の方向に回転することによって排出台104上に排出される。給送ローラ113、ブレーキローラ114、第1搬送ローラ118、第2搬送ローラ119、第3搬送ローラ122及び第4搬送ローラ123は、媒体を搬送する搬送機構の一例である。
【0047】
図4は、第1媒体センサ111について説明するための模式図である。
図4は、媒体搬送装置100の上流側を側方から見た模式図である。
【0048】
第1媒体センサ111は、上側ガイド110bに、給送ローラ113及びブレーキローラ114より上流側に、且つ、幅方向A2において上側筐体102の中央部に配置される。第1媒体センサ111は、アーム111a、支持部111b、遮蔽部111c、ねじりコイルばね111d、ストッパ111e及び光センサ111f等を有する。
【0049】
アーム111aは、上側ガイド110bに、且つ、給送ローラ113及びブレーキローラ114より上流側に、給送される媒体に接触可能に設けられる。支持部111bは、上側筐体102に回転可能に取り付けられる。アーム111a及び遮蔽部111cは、支持部111bを回転軸として一体に揺動(回転)可能に支持部111bにより支持される。上側筐体102とアーム111aの間には、ねじりコイルばね111dが設けられる。ねじりコイルばね111dは、支持部111bの周りに、アーム111aに矢印A12の方向(高さ方向A3における下方)に力が加えられるように設けられる。ストッパ111eは、遮蔽部111cを停止させるように設けられる。
【0050】
光センサ111fは、相互に対向して配置される発光器及び受光器を有する。発光器は、受光器に向けて光を照射する。受光器は、発光器により照射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である第1媒体信号を生成して出力する。発光器と受光器の間に遮蔽部111cが存在する場合、発光器により照射された光は遮蔽部111cにより遮光される。そのため、第1媒体信号の信号値は、遮蔽部111cの位置に応じて、即ち遮蔽部111cとともに移動するアーム111aの移動量に応じて変化する。
【0051】
載置台103に載置された媒体がアーム111aに接触していない状態では、遮蔽部111cは、ねじりコイルばね111dによって下方に押圧されるアーム111aにより上方に押圧されてストッパ111eに当接して停止する。これにより、遮蔽部111cは、発光器と受光器の間に配置され、第1媒体信号の信号値は、アーム111aが
図4に示す初期位置に存在する状態を示す。一方、載置台103に載置された媒体が撓んでアーム111aに接触した場合、アーム111aは撓んだ媒体によって矢印A12の反対方向に押し上げられ、遮蔽部111cはアーム111aにより下方に移動する。これにより、遮蔽部111cは、発光器と受光器の間に存在しなくなり、第1媒体信号の信号値は、アーム111aが初期位置に存在しない状態を示す。
【0052】
図5は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0053】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、音信号生成回路130、モータ141、インタフェース装置142、記憶装置150及び処理回路160等をさらに有する。
【0054】
音信号生成回路130は、マイクロフォン116、フィルタ131、増幅器132及びA/D変換器133等を含んでいる。フィルタ131は、マイクロフォン116から出力されたアナログの音信号に対して、予め定められた周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタを適用し、増幅器132に出力する。増幅器132は、フィルタ131から出力された信号を増幅させてA/D変換器133に出力する。A/D変換器133は、増幅器132から出力された信号を所定間隔ごとにサンプリングしてデジタル変換したデジタルの音信号を生成し、処理回路160に出力する。なお、フィルタ131、増幅器132及び/又はA/D変換器133はマイクロフォン116に含まれ、マイクロフォン116がデジタルの音信号を出力してもよい。
【0055】
モータ141は、1つ又は複数のモータを含み、処理回路160からの制御信号によって、給送ローラ113、ブレーキローラ114、第1~第4搬送ローラ118、119、122及び123を回転させて媒体を搬送させる。
【0056】
インタフェース装置142は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置142の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
【0057】
記憶装置150は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置150には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置150にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0058】
処理回路160は、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路160は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路160として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0059】
処理回路160は、操作装置105、表示装置106、第1サイドガイドセンサ108、第2サイドガイドセンサ109、第1媒体センサ111、第2媒体センサ112、第3媒体センサ115、超音波センサ117、第4媒体センサ120、撮像装置121、音信号生成回路130、モータ141、インタフェース装置142及び記憶装置150等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路160は、モータ141の駆動制御、撮像装置121の撮像制御等を行い、入力画像を生成し、インタフェース装置142を介して情報処理装置に送信する。また、処理回路160は、各センサからの出力信号及び撮像装置121からのライン画像等に基づいて媒体の搬送異常が発生しているか否かを判定する。
【0060】
図6は、記憶装置150及び処理回路160の概略構成を示す図である。
【0061】
図6に示すように、記憶装置150には、制御プログラム151、サイドガイド検出プログラム152、判定プログラム153、画像生成プログラム154及びサイズ検出プログラム155等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路160は、記憶装置150に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、処理回路160は、制御部161、サイドガイド検出部162、判定部163、画像生成部164及びサイズ検出部165として機能する。
【0062】
図7及び
図8は、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0063】
以下、
図7及び
図8に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路160により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
図7及び
図8に示す動作のフローは、定期的に実行される。また、
図7及び
図8に示す動作のフローが実行される前に、搬送異常が発生することなく搬送された媒体の数を計数するためのカウンタ値が初期値に設定される。
【0064】
最初に、制御部161は、利用者により操作装置105を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置105から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0065】
次に、制御部161は、第2媒体センサ112から第2媒体信号を取得し、取得した第2媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。
【0066】
載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部161は、ステップS101へ処理を戻し、操作装置105から新たに操作信号を受信するまで待機する。
【0067】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、サイドガイド検出部162は、サイドガイド107の配置位置を検出する(ステップS103)。サイドガイド検出部162は、第1サイドガイドセンサ108から第1サイドガイド信号を取得し、取得した第1サイドガイド信号に基づいて、第1サイドガイド107aが所定位置の内側に存在するか所定位置より外側に存在するかを判定する。また、サイドガイド検出部162は、第2サイドガイドセンサ109から第2サイドガイド信号を取得し、取得した第2サイドガイド信号に基づいて、第2サイドガイド107bが所定位置の内側に存在するか所定位置より外側に存在するかを判定する。
【0068】
次に、制御部161は、サイドガイド検出部162により検出されたサイドガイド107の配置位置に応じて、媒体を搬送するための搬送モードを設定する(ステップS104)。サイドガイド107が所定位置より外側に存在する場合、制御部161は、搬送モードを、A5サイズ以上の通常サイズの媒体を搬送するための通常モードに設定する。一方、サイドガイド107が所定位置の内側に存在する場合、制御部161は、B6サイズ以下の小型媒体を搬送するための高速モードに設定する。
【0069】
搬送モードが有するパラメータには、媒体の搬送速度、媒体の搬送間隔、媒体の排出速度、及び/又は、判定部163による媒体の搬送異常の判定基準が含まれる。一般に、小型媒体を搬送する場合、通常サイズの媒体を搬送する場合と比較して、媒体の搬送異常が発生しにくい。そのため、小型媒体を搬送するための高速モードでは、通常サイズの媒体を搬送するための通常モードと比較して、高速に媒体を搬送できるように各パラメータが設定される。
【0070】
媒体の搬送速度は、給送ローラ113、ブレーキローラ114、第1~第4搬送ローラ118、119、122、123の回転速度である。高速モードにおける搬送速度は、通常モードにおける搬送速度より高い(速い)速度に設定される。媒体の搬送間隔は、現在の媒体の搬送が完了してから次の媒体の給送を開始するまでの時間である。高速モードにおける搬送間隔は、通常モードにおける搬送間隔より短い時間に設定される。媒体の排出速度は、媒体の排出直前の第3、第4搬送ローラ122、123の回転速度である。小型媒体は、通常サイズの媒体と比較して、排出時に散らばりやすい。排出時に小型媒体が散らばらないように、高速モードにおける搬送速度は、通常モードにおける搬送速度より低い(遅い)速度に設定される。
【0071】
媒体の搬送異常には、媒体のジャム、スリップ、重送及び/又はスキュー等が含まれる。高速モードでは媒体が高速に搬送されるため、媒体搬送装置100は、高速モードで媒体の搬送異常が発生した時に媒体が破損しないように、より早期に媒体の搬送を停止させることが望ましい。そのため、高速モードにおける媒体の搬送異常の判定基準は、通常モードにおける媒体の搬送異常の判定基準より、媒体の搬送異常が発生したと判定しやすくなるように設定される。
【0072】
例えば、通常モードにおける媒体のジャムの判定基準として、アーム111aが初期位置に存在しない状態が第1ジャム時間以上継続することが設定される。一方、高速モードにおける媒体のジャムの判定基準として、アーム111aが初期位置に存在しない状態が第1ジャム時間より短い第2ジャム時間以上継続することが設定される。第1ジャム時間及び第2ジャム時間は、様々な種類の媒体を搬送させる実験で、媒体のジャムが発生した時に媒体が撓み続けた時間に基づいて事前に設定される。一般に、媒体のサイズが小さい程、媒体のコシが弱い傾向にあり、媒体のジャムが発生しやすい。媒体搬送装置100は、コシが弱い小型媒体の搬送時に設定される高速モードにおける媒体のジャムの判定基準を、ジャムが発生したと判定されやすいように設定することにより、小型媒体が損傷することを抑制できる。
【0073】
また、通常モードにおける媒体のスリップの判定基準として、媒体の給送を開始してから第1スリップ時間が経過するまでに媒体の先端が第3媒体センサ115の位置を通過しないことが設定される。一方、高速モードにおける媒体のスリップの判定基準として、媒体の給送を開始してから第1スリップ時間より短い第2スリップ時間が経過するまでに媒体の先端が第3媒体センサ115の位置を通過しないことが設定される。第1スリップ時間及び第2スリップ時間は、様々な種類の媒体を搬送させる実験で、媒体の給送を開始してから媒体の先端が第3媒体センサ115の位置を通過するまでに経過した時間に基づいて事前に設定される。一般に、媒体のサイズが大きい程、搬送性が低く、媒体の搬送に時間がかかる。媒体搬送装置100は、サイズが大きい媒体の搬送時に設定される通常モードにおける媒体のスリップの判定基準を、スリップが発生したと判定されにくいように設定することにより、スリップが発生したと誤って判定することを抑制できる。
【0074】
媒体の重送の判定基準の判定基準については、高速モードと通常モードとで同じ基準が設定される。例えば、媒体の重送の判定基準として、超音波信号の信号値が第1重送閾値未満であることが設定される。なお、媒体のスキューの判定基準について、高速モードと通常モードとで異なる基準が設定されてもよい。その場合、通常モードにおける媒体の重送の判定基準として、上記の判定基準が設定される。一方、高速モードにおける媒体の重送の判定基準として、超音波信号の信号値が第1重送閾値より大きい第2重送閾値未満であることが設定される。第1重送閾値及び第2重送閾値は、一枚の用紙が搬送されているときの超音波信号の信号値と、用紙の重送が発生しているときの超音波信号の信号値との間の値に設定される。
【0075】
媒体のスキューの判定基準についても、高速モードと通常モードとで同じ基準が設定される。例えば、媒体のスキューの判定基準として、媒体の先端の何れかの端部が撮像位置に到達してから第1スキュー時間が経過した時に、媒体の先端の中央部が第4媒体センサ120の位置に到達していないことが設定される。なお、媒体のスキューの判定基準について、高速モードと通常モードとで異なる基準が設定されてもよい。その場合、通常モードにおける媒体のスキューの判定基準として、上記の判定基準が設定される。一方、高速モードにおける媒体のスキューの判定基準として、媒体の先端の何れかの端部が撮像位置に到達してから第1スキュー時間より短い第2スキュー時間が経過した時に媒体の先端の中央部が第4媒体センサ120の位置に到達していないことが設定される。第1スキュー時間及び第2スキュー時間は、様々な種類の媒体を搬送させる実験で、媒体の先端が撮像装置121の位置を通過してから第4媒体センサ120の位置を通過するまでに経過した時間に基づいて事前に設定される。
【0076】
なお、媒体のスキューの判定基準として、媒体の先端の複数の部分のそれぞれが撮像位置に到達した時刻の差が各スキュー時間以上であることが設定されてもよい。また、媒体搬送装置100の搬送路に複数の光センサが幅方向A2に間隔を空けて並べて配置され、媒体のスキューの判定基準として、媒体の先端が各光センサの位置に到達した時刻の差が各スキュー時間以上であることが設定されてもよい。
【0077】
このように、制御部161は、サイドガイド検出部162により検出されたサイドガイド107の配置位置に応じて、搬送モードを設定する。即ち、制御部161は、サイドガイド107の配置位置に応じて、載置台103に載置された媒体の内の最初に搬送する媒体の搬送速度、媒体の搬送間隔又は媒体の排出速度を設定するように搬送機構を制御し、又は、媒体の搬送異常の判定基準を設定する。通常、サイドガイド107は媒体の幅方向を規制するようにセットされるため、搬送される媒体のサイズは、二つのサイドガイド107の間の距離と同一である可能性が高い。制御部161は、サイドガイド107の配置位置に応じて搬送モードを設定することにより、搬送される媒体に適した搬送モードで媒体を搬送させることができる。その結果、制御部161は、媒体を良好に搬送させることが可能となる。
【0078】
なお、制御部161は、搬送モードが有するパラメータの内、媒体の搬送速度、媒体の搬送間隔、媒体の排出速度及び媒体の搬送異常の判定基準の内の少なくとも一つを設定すればよい。また、制御部161は、設定した動作モード又は搬送速度を表示装置106に表示することにより、利用者に通知してもよい。これにより、利用者は、現在設定されている動作モードを認識することができ、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0079】
次に、制御部161は、モータ141を駆動し、給送ローラ113、ブレーキローラ114、第1~第4搬送ローラ118、119、122、123を回転させて、媒体を搬送させる(ステップS105)。制御部161は、給送ローラ113及び第1~第4搬送ローラ118、119、122、123をそれぞれ矢印A4、A6、A7、A8、A9の方向(媒体給送方向又は媒体搬送方向)に回転させるようにモータ141を駆動する。また、制御部161は、ブレーキローラ114を矢印A5の方向(媒体給送方向の反対方向)に回転させるようにモータ141を駆動する。制御部161は、設定された搬送モードに従って媒体が搬送されるように、モータ141を制御する。
【0080】
次に、制御部161は、ジャムフラグ、スリップフラグ、重送フラグ及びスキューフラグをOFFに設定する(ステップS106)。ジャムフラグは、後述するジャム判定処理において、判定部163により、媒体のジャムが発生していると判定されたときにONに設定される。スリップフラグは、後述するスリップ判定処理において、判定部163により、媒体のスリップが発生していると判定されたときにONに設定される。重送フラグは、後述する重送判定処理において、判定部163により、媒体の重送が発生していると判定されたときにONに設定される。スキューフラグは、後述するスキュー判定処理において、判定部163により、媒体のスキューが発生していると判定されたときにONに設定される。
【0081】
次に、判定部163は、ジャムフラグ、スリップフラグ、重送フラグ及びスキューフラグの内の何れかのフラグがONであるか否かを判定する(ステップS107)。
【0082】
ジャムフラグ、スリップフラグ、重送フラグ及びスキューフラグの内の何れかのフラグがONである場合、判定部163は、媒体の搬送異常が発生したと判定する(ステップS108)。
【0083】
次に、制御部161は、モータ141を停止して、媒体の給送及び搬送を停止する(ステップS109)。制御部161は、媒体の搬送異常が発生している場合に、媒体の給送及び搬送を停止することにより、媒体が損傷することを抑制できる。また、制御部161は、異常が発生した旨を表示装置106に表示、又は、インタフェース装置142を介して情報処理装置に送信し、利用者に警告を通知する。
【0084】
次に、制御部161は、給送ローラ113及び第1~第4搬送ローラ118、119、122、123をそれぞれ矢印A4、A6、A7、A8、A9(媒体給送方向又は媒体搬送方向)の反対方向に回転させるようにモータ141を駆動する。また、制御部161は、ブレーキローラ114を矢印A5の方向(媒体給送方向の反対方向)に回転させるようにモータ141を駆動する。これにより、制御部161は、媒体を逆送させて、載置台103に一旦戻す(ステップS110)。
【0085】
次に、制御部161は、カウンタ値をリセットする(ステップS111)。
【0086】
次に、制御部161は、搬送モードをステップS104で設定したモードに再設定する(ステップS112)。搬送モードは、後述する処理において変更されている可能性があるため、制御部161は、搬送モードを最初に設定したモードに再設定する。
【0087】
次に、制御部161は、モータ141を再駆動し、給送ローラ113及び第1~第4搬送ローラ118、119、122、123を媒体給送方向又は媒体搬送方向に再回転させて、媒体を再給送及び再搬送させる(ステップS113)。次に、制御部161は、処理をステップS106へ戻す。
【0088】
一方、ステップS107において、ジャムフラグ、スリップフラグ、重送フラグ及びスキューフラグの全てのフラグがOFFであった場合、制御部161は、媒体全体が撮像装置121の撮像位置を通過したか否かを判定する(ステップS114)。制御部161は、第4媒体センサ120から定期的に第4媒体信号を取得し、取得した第4媒体信号に基づいて、第4媒体センサ120の位置に媒体が存在するか否かを判定する。制御部161は、第4媒体信号の信号値が、媒体が存在することを示す値から媒体が存在しないことを示す値に変化したときに、媒体の後端が第4媒体センサ120の位置を通過したと判定する。制御部161は、媒体の後端が第4媒体センサ120の位置を通過してから所定時間が経過した時に媒体全体が撮像位置を通過したと判定する。なお、制御部161は、予め定められた数のライン画像を撮像装置121から取得したときに、搬送された媒体全体が撮像位置を通過したと判定してもよい。まだ媒体全体が撮像位置を通過していない場合、制御部161は、処理をステップS107へ戻す。
【0089】
一方、媒体全体が撮像位置を通過した場合、判定部163は、媒体の搬送異常が発生しておらず、媒体が正常に搬送されたと判定する(ステップS115)。このように、判定部163は、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する。
【0090】
次に、制御部161は、カウンタ値をインクリメント(+1)する(ステップS116)。
【0091】
次に、画像生成部164は、撮像装置121から媒体搬送中に生成された各ライン画像を取得し、取得した全てのライン画像を合成して、媒体が撮像された入力画像を生成し、インタフェース装置142を介して情報処理装置へ送信する(ステップS117)。
【0092】
次に、制御部161は、モータ141を一旦停止して媒体に給送及び搬送を一旦停止する(ステップS118)。
【0093】
次に、制御部161は、第2媒体センサ112から取得する第2媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS119)。載置台103に媒体が残っていない場合、制御部161は、一連のステップを終了する。
【0094】
一方、載置台103に媒体が残っている場合、サイズ検出部165は、画像生成部164により生成された入力画像内に含まれる媒体のサイズを検出する(ステップS120)。
【0095】
例えば、サイズ検出部165は、入力画像に対してエッジ抽出処理を行い、周辺画素との階調値(輝度値又は色値)の差が所定値以上である画素、又は、階調値が閾値以上であり且つ周辺画素の階調値が閾値未満である画素をエッジ画素として抽出する。次に、サイズ検出部165は、最小二乗法又はハフ変換を用いて、抽出したエッジ画素から複数の直線を検出する。次に、サイズ検出部165は、原稿の左辺、右辺、上辺及び下辺にそれぞれ対応する四本の直線から構成される矩形の内、サイズが最も大きい矩形を媒体として検出する。次に、サイズ検出部165は、検出した媒体のサイズを算出する。なお、サイズ検出部165は、パターンマッチング等の他の公知の画像処理技術を利用して、入力画像から媒体のサイズを検出してもよい。
【0096】
なお、サイズ検出部165は、媒体センサから出力された媒体信号に基づいて、搬送された媒体のサイズを検出してもよい。その場合、複数の第4媒体センサ120が、幅方向A2に間隔を空けて並べて配置されるように設けられ、サイズ検出部165は、各第4媒体センサ120から定期的に第4媒体信号を取得する。サイズ検出部165は、信号値が媒体が存在することを示した第4媒体信号の数に基づいて、搬送された媒体の幅方向A2のサイズを検出する。また、サイズ検出部165は、信号値が媒体が存在することを示した第4媒体信号の信号値が、媒体が存在することを示していた期間に基づいて、搬送された媒体の媒体搬送方向A1のサイズを検出する。
【0097】
次に、制御部161は、サイズ検出部165により検出された媒体のサイズに応じて、搬送モードを変更する(ステップS121)。現在の搬送モードが高速モードであり且つ検出された媒体のサイズがA5サイズ以上である場合、制御部161は、搬送モードを通常モードに変更する。一方、現在の搬送モードが通常モードであり且つ検出された媒体のサイズがB6サイズ以下である場合、制御部161は、搬送モードを高速モードに変更する。
【0098】
即ち、制御部161は、検出された媒体のサイズに応じて、以降に搬送する媒体の搬送速度、媒体の搬送間隔又は媒体の排出速度を変更するように搬送機構を制御し、又は、媒体の搬送異常の判定基準を変更する。利用者によっては、媒体の幅方向を規制するようにサイドガイド107がセットされずに媒体の搬送が行われる場合がある。その場合、実際に搬送される媒体のサイズと、二つのサイドガイド107の間の距離とは一致しない。一方、複数の媒体が連続して搬送される場合、連続して搬送される複数の媒体のサイズは、同一である可能性が高い。制御部161は、直前に搬送された媒体のサイズに応じて搬送モードを変更することにより、以降に搬送される媒体に適した搬送モードで媒体を搬送する可能性を高めることができる。その結果、制御部161は、媒体を良好に搬送させることが可能となる。
【0099】
なお、制御部161は、搬送モードが有するパラメータの内、媒体の搬送速度、媒体の搬送間隔、媒体の排出速度及び媒体の搬送異常の判定基準の内の少なくとも一つを変更すればよい。また、制御部161は、動作モードを変更した場合、動作モードを変更した旨、変更後の動作モード又は搬送速度を表示装置106に表示することにより、利用者に通知してもよい。これにより、利用者は、動作モードが変更されたこと、又は、変更後の動作モードを認識することができ、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0100】
次に、制御部161は、カウンタ値が所定数以上であるか否かを判定する(ステップS122)。カウンタ値が所定数未満である場合、制御部161は、特に処理を実行せず、処理をステップS105へ戻す。
【0101】
一方、カウンタ値が所定数以上である場合、制御部161は、以降に搬送する媒体の搬送速度を増大させ(高速にし)、又は、以降に搬送する媒体の搬送間隔を低減させるように、搬送モードを変更する(ステップS123)。
【0102】
このように、制御部161は、所定数の媒体を搬送させたときに媒体の搬送異常が発生しなかった場合、以降に搬送する媒体の搬送速度を増大させ、又は、以降に搬送する媒体の搬送間隔を低減させるように搬送機構を制御する。これにより、制御部161は、媒体の搬送異常が発生しない範囲で、各媒体の搬送にかかる時間を低減させることが可能となり、媒体読取処理のトータル時間を低減させることが可能となる。
【0103】
なお、制御部161は、媒体の搬送速度及び搬送間隔の内の少なくとも一つを変更すればよい。また、制御部161は、媒体の搬送速度又は搬送間隔を変更した場合、搬送速度又は搬送間隔を変更した旨、変更後の搬送速度又は搬送間隔を表示装置106に表示することにより、利用者に通知してもよい。これにより、利用者は、搬送速度又は搬送間隔が変更されたこと、又は、変更後の搬送速度又は搬送間隔を認識することができ、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0104】
次に、制御部161は、媒体の搬送異常が発生したと判定しやすくなるように、判定部163による媒体の搬送異常の判定基準を変更し(ステップS124)、処理をステップS105へ戻す。例えば、制御部161は、媒体のジャムの判定基準を、アーム111aが初期位置に存在しない状態が、現在設定されているジャム時間より短いジャム時間以上継続することに設定する。また、制御部161は、媒体のスリップの判定基準を、媒体の給送を開始してから、現在設定されているスリップ時間より短いスリップ時間が経過するまでに媒体の先端が第3媒体センサ115の位置を通過しないことに設定する。
【0105】
制御部161は、媒体の重送の判定基準及び/又はスキューの判定基準については変更しない。なお、制御部161は、重送の判定基準又は及び/又はスキューの判定基準についても変更してもよい。その場合、制御部161は、重送の判定基準を、超音波信号の信号値が、現在設定されている重送閾値より大きい重送閾値未満であることに設定する。また、制御部161は、スキューの判定基準を、媒体の先端の何れかの端部が撮像位置に到達してから、現在設定されているスキュー時間より短いスキュー時間が経過した時に媒体の先端の中央部が第4媒体センサ120の位置に到達していないことに設定する。
【0106】
このように、制御部161は、媒体の搬送速度を増大又は媒体の搬送間隔を低減させるように搬送機構を制御した場合、媒体の搬送異常が発生したと判定しやすくなるように、媒体の搬送異常の判定基準を変更する。これにより、制御部161は、媒体の搬送処理に要する時間を低減させすぎた結果、媒体の搬送異常が発生してしまった場合でも、より早期に媒体の搬送を停止させて、媒体の破損の発生を防止することができる。
【0107】
なお、制御部161は、搬送モードとして、通常モードと高速モードの二つのモードの内の何れかを設定するのでなく、三つ以上のモードの内の何れかを設定してもよい。その場合も、各モードは、サイドガイド107の配置位置、及び/又は、媒体のサイズに対応して設定される。媒体搬送装置100には、第1サイドガイドセンサ108及び第2サイドガイドセンサ109が複数ずつ設けられ、サイドガイド検出部162は、サイドガイド107の配置位置が三つ以上の位置範囲の内の何れに含まれるかを判別する。制御部161は、搬送モードを、判別された位置範囲に対応するモードに設定する。また、サイズ検出部165は、媒体のサイズが三つ以上のサイズ範囲の内の何れに含まれるかを判別する。制御部161は、搬送モードを、判別されたサイズ範囲に対応するモードに変更する。
【0108】
また、ステップS103の処理が省略され、ステップS104において、制御部161は、サイドガイド107の配置位置でなく、他の情報に基づいて搬送モードを設定してもよい。例えば、制御部161は、操作装置105を用いて、又は、インタフェース装置142を介して不図示の情報処理装置から、利用者からのモードの設定を受け付けて記憶装置150に記憶しておく。ステップS104において、制御部161は、記憶装置150に記憶されたモードを搬送モードとして設定する。または、制御部161は、過去の所定期間の媒体読取処理における搬送結果(媒体の搬送異常が発生した回数又は割合)を記憶装置150に記憶しておき、ステップS104において、記憶装置150に記憶された搬送結果に基づいて搬送モードを設定してもよい。または、制御部161は、ステップS104において、予め定められた固定のモードを搬送モードとして設定してもよい。また、ステップS120及びS121の処理が省略され、制御部161は、搬送モードを変更しなくてもよい。
【0109】
また、ステップS109~S110、S112~S113の処理が省略され、制御部161は、媒体の搬送異常が発生した場合に、媒体の給送及び搬送を停止することなく、利用者に警告のみを通知してもよい。また、ステップS110~S113の処理が省略され、制御部161は、媒体の給送及び搬送を停止した場合、媒体の再給送を行わずに、一連のステップを終了してもよい。
【0110】
図9は、媒体搬送装置100のジャム判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0111】
以下、
図9に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100のジャム判定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路160により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
図9に示す動作のフローは、媒体搬送中に定期的に実行される。
【0112】
最初に、判定部163は、第1媒体センサ111から第1媒体信号を取得する(ステップS201)。次に、判定部163は、第1媒体信号に基づいて、アーム111aの位置を検出する(ステップS202)。次に、判定部163は、現在設定されている媒体のジャムの判定基準が満たされたか否かを判定する(ステップS203)。媒体のジャムの判定基準が満たされていない場合、判定部163は、媒体のジャムが発生していないと判定し(ステップS204)、一連のステップを終了する。一方、媒体のジャムの判定基準が満たされた場合、判定部163は、搬送される媒体が撓んでおり、媒体のジャムが発生していると判定する(ステップS205)。次に、判定部163は、ジャムフラグをONに設定し(ステップS206)、一連のステップを終了する。
【0113】
このように、判定部163は、第1媒体センサ111からの出力信号に基づいて、媒体の搬送異常として、媒体のジャムが発生したか否かを判定する。
【0114】
図10は、媒体搬送装置100のスリップ判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0115】
以下、
図10に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100のジャム判定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路160により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
図10に示す動作のフローは、媒体搬送中に定期的に実行される。
【0116】
最初に、判定部163は、第3媒体センサ115から第3媒体信号を取得する(ステップS301)。次に、判定部163は、第3媒体信号に基づいて、媒体の先端の位置を検出する(ステップS302)。判定部163は、定期的に取得した第3媒体信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、媒体の先端が第3媒体センサ115の位置に到達していると判定する。次に、判定部163は、現在設定されている媒体のスリップの判定基準が満たされたか否かを判定する(ステップS303)。媒体のスリップの判定基準が満たされていない場合、判定部163は、媒体のスリップが発生していないと判定し(ステップS304)、一連のステップを終了する。一方、媒体のスリップの判定基準が満たされた場合、判定部163は、給送ローラ113が媒体を十分につかむことができずに、媒体のスリップが発生していると判定する(ステップS305)。次に、判定部163は、スリップフラグをONに設定し(ステップS306)、一連のステップを終了する。
【0117】
なお、制御部161は、給送ローラ113を所定量ずつ回転させるようにモータ141を駆動してもよい。所定量は、媒体の先端を給送ローラ113の位置から第1、第2搬送ローラ118、119の位置まで給送可能な量に設定される。その場合、制御部161は、給送ローラ113を所定量だけ回転させるようにモータ141を駆動した後、第3媒体センサ115から第3媒体信号を取得し、第3媒体信号に基づいて媒体の先端が第3媒体センサ115の位置に到達しているか否かを判定する。媒体の先端が第3媒体センサ115の位置に到達していない場合、制御部161は、給送ローラ113を所定量だけ回転させるようにモータ141を再駆動する。
【0118】
この場合、通常モードにおける媒体のスリップの判定基準として、制御部161がモータ141を第1スリップ回数だけ再駆動させても媒体の先端が第3媒体センサ115の位置を通過しないことが設定される。一方、高速モードにおける媒体のスリップの判定基準として、制御部161がモータ141を第1スリップ回数より小さい第2スリップ回数だけ再駆動させても媒体の先端が第3媒体センサ115の位置を通過しないことが設定される。
【0119】
このように、判定部163は、第3媒体センサ115からの出力信号に基づいて、媒体の搬送異常として、媒体のスリップが発生したか否かを判定する。
【0120】
図11は、媒体搬送装置100の重送判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0121】
以下、
図11に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の重送判定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路160により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
図11に示す動作のフローは、媒体搬送中に定期的に実行される。
【0122】
最初に、判定部163は、超音波センサ117から超音波信号を取得する(ステップS401)。次に、判定部163は、現在設定されている媒体の重送の判定基準が満たされたか否かを判定する(ステップS402)。媒体の重送の判定基準が満たされていない場合、判定部163は、媒体の重送が発生していないと判定し(ステップS403)、一連のステップを終了する。一方、媒体の重送の判定基準が満たされた場合、判定部163は、媒体の重送が発生したと判定する(ステップS404)。次に、判定部163は、重送フラグをONに設定し(ステップS405)、一連のステップを終了する。
【0123】
このように、判定部163は、超音波センサ117からの出力信号に基づいて、媒体の搬送異常として、媒体の重送が発生したか否かを判定する。
【0124】
図12は、媒体搬送装置100のスキュー判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0125】
以下、
図12に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の重送判定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路160により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
図12に示す動作のフローは、媒体搬送中に定期的に実行される。
【0126】
最初に、判定部163は、第4媒体センサ120から第4媒体信号を取得し、撮像装置121からライン画像を取得する(ステップS501)。判定部163は、撮像装置121がライン画像を生成するたびに、撮像装置121からライン画像を取得する。
【0127】
次に、判定部163は、第4媒体信号及びライン画像に基づいて、媒体の先端の位置を検出する(ステップS502)。判定部163は、定期的に取得した第4媒体信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、媒体の先端の中央部が第4媒体センサ120の位置に到達したと判定する。また、判定部163は、最新のライン画像と、直前に取得したライン画像のそれぞれについて、ライン画像の両端から所定範囲にある各端部領域内の画素の階調値の平均値を算出する。判定部163は、最新のライン画像の各端部領域から算出した平均値と、直前のライン画像の各端部領域から算出した平均値との差の絶対値が階調閾値以上である場合、媒体の先端の各端部が撮像位置に到達したと判定する。一方、判定部163は、その差の絶対値が階調閾値未満である場合、媒体の先端の各端部が撮像位置にまだ到達していないと判定する。階調値は、輝度値又は色値(R値、G値又はB値)である。階調閾値は、例えば、人が画像上の輝度又は色の違いを目視により判別可能な階調値の差(例えば20)に設定される。
【0128】
次に、判定部163は、現在設定されている媒体のスキューの判定基準が満たされたか否かを判定する(ステップS503)。媒体のスキューの判定基準が満たされていない場合、判定部163は、媒体のスキューが発生していないと判定し(ステップS504)、一連のステップを終了する。一方、媒体のスキューの判定基準が満たされた場合、判定部163は、媒体のスキューが発生したと判定する(ステップS505)。次に、判定部163は、スキューフラグをONに設定し(ステップS506)、一連のステップを終了する。
【0129】
このように、判定部163は、撮像装置121からの出力画像及び/又は第4媒体センサ120からの出力信号に基づいて、媒体の搬送異常として、媒体のスキューが発生したか否かを判定する。
【0130】
なお、判定部163は、媒体の搬送異常として、媒体のジャム、スリップ、重送及びスキューの内の少なくとも一つが発生したか否かを判定すればよい。
【0131】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、所定数の媒体を搬送させたときに媒体の搬送異常が発生しなかった場合、即ち複数の媒体を安定して搬送している場合、以降に搬送する媒体の搬送速度を増大又は媒体の搬送間隔を低減させる。これにより、媒体搬送装置100は、媒体の搬送異常の発生を抑制しつつ、媒体の搬送にかかる時間をより低減させることが可能となった。
【0132】
特に、媒体搬送装置100は、相互にサイズが異なる複数の媒体、破れもしくは欠け等の破損を有する媒体又は汚れを有する媒体等についても、媒体の状態によらず、媒体の搬送異常の発生を抑制しつつ、媒体の搬送にかかる時間を低減させることが可能となった。利用者は、搬送させる媒体に応じて搬送モードを変更する必要がなくなり、媒体搬送装置100は、利用者の負荷を軽減し、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0133】
図13は、媒体搬送装置100のジャム判定処理の動作の他の例を示すフローチャートである。
図13に示すフローチャートは、
図9に示すフローチャートの代わりに、又は、
図9に示すフローチャートに加えて実行される。
【0134】
図13に示すフローチャートが実行される場合、
図7のステップS104及び
図8のステップS121において、通常モードにおける媒体のジャムの判定基準として、第1パラメータ群を用いて媒体のジャムが発生したと判定されることが設定される。一方、高速モードにおける媒体のジャムの判定基準として、第2パラメータ群を用いて媒体のジャムが発生したと判定されることが設定される。第1パラメータ群及び第2パラメータ群には、第1閾値、第2閾値、加算ポイント及び減算ポイントが含まれる。第1閾値は、音信号の信号値と比較するための閾値である。第2閾値は、音信号の信号値が第1閾値以上である回数に基づいて算出される評価値と比較するための閾値である。加算ポイントは、音信号の信号値が第1閾値以上である場合に評価値に加算するポイントである。減算ポイントは、音信号の信号値が第1閾値未満である場合に評価値から減算するポイントである。
【0135】
第2パラメータ群は、第1パラメータ群より、媒体のジャムが発生したと判定しやすくなるように設定される。第2パラメータ群に含まれる第1閾値、第2閾値及び減算ポイントは、第1パラメータ群に含まれる第1閾値、第2閾値及び減算ポイントより小さい値に設定される。一方、第2パラメータ群に含まれる加算ポイントは、第1パラメータ群に含まれる加算ポイントより大きい値に設定される。
【0136】
また、
図8のステップS124において、制御部161は、第1閾値、第2閾値及び減算ポイントを、現在設定されている第1閾値、第2閾値及び減算ポイントより小さい値に設定し、加算ポイントを、現在設定されている加算ポイントより大きい値に設定する。
【0137】
最初に、判定部163は、音信号生成回路130から音信号を取得する(ステップS601)。
【0138】
図14Aは、音信号の例を示すグラフである。
図14Aに示すグラフ1400は、音信号生成回路130から出力された音信号を表す。グラフ1400の横軸は時間を示し、縦軸は信号値を示す。
【0139】
次に、判定部163は、音信号生成回路130から出力された音信号について絶対値を取った信号を生成する(ステップS602)。
【0140】
図14Bは、音信号の絶対値を取った信号の例を示すグラフである。
図14Bに示すグラフ1410は、グラフ1400の音信号の絶対値を取った信号を表す。グラフ1410の横軸は時間を示し、縦軸は信号値の絶対値を示す。
【0141】
次に、判定部163は、音信号の絶対値を取った信号の外形を抽出した外形信号を生成する(ステップS603)。判定部163は、外形信号として包絡線を抽出する。
【0142】
図14Cは、外形信号の例を示すグラフである。
図14Cに示すグラフ1420は、グラフ1410の音信号の絶対値を取った信号の包絡線1421を表す。グラフ1420の横軸は時間を示し、縦軸は信号値の絶対値を示す。
【0143】
次に、判定部163は、外形信号に基づく評価値を算出する(ステップS604)。判定部163は、外形信号について、信号値が第1閾値以上である場合に増大させ、信号値が第1閾値未満である場合に減少させるように評価値を算出する。判定部163は、所定の時間間隔(例えばアナログデジタル変換のサンプリング間隔)ごとに、包絡線1421の値が第1閾値以上であるか否かを判定する。判定部163は、包絡線1421の値が第1閾値以上である場合、評価値に加算ポイントを加算し、第1閾値未満である場合、評価値から減算ポイントを減算する。
【0144】
図14Dは、評価値の例を示すグラフである。
図14Dに示すグラフ1430は、グラフ1420の包絡線1421について算出された評価値を表す。グラフ1420の横軸は時間を示し、縦軸はカウンタ値を示す。
【0145】
次に、判定部163は、評価値が第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップS605)。判定部163は、評価値が第2閾値未満である場合、媒体のジャムが発生していないと判定し(ステップS606)、一連のステップを終了する。一方、判定部163は、評価値が第2閾値以上である場合、媒体のジャムが発生したと判定する(ステップS607)。次に、判定部163は、ジャムフラグをONに設定し(ステップS608)、一連のステップを終了する。
【0146】
図14Cにおいて、包絡線1421は、時刻T1で第1閾値以上となり、その後、第1閾値未満となっていない。そのため、
図14Dに示すように、評価値は時刻T1から増大していき、時刻T2で第2閾値以上となり、判定部163は、媒体の搬送異常が発生したと判定する。
【0147】
このように、判定部163は、音信号生成回路130からの音信号に基づいて、媒体の搬送異常として、媒体のジャムが発生したか否かを判定する。特に、判定部163は、音信号と第1閾値の比較に基づいて、加算ポイントを加算又は減算ポイントを減算することにより評価値を算出し、評価値と第2閾値の比較に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定する。
【0148】
なお、ステップS603において、判定部163は、外形信号として、包絡線を求める代わりに、音信号の絶対値を取った信号を所定間隔ごとにピークホールドした信号を求めてもよい。また、判定部163は、外形信号として、音信号の絶対値を取った信号に公知の平滑化フィルタ、平均化フィルタ又はローパスフィルタを適用させた信号を求めてもよい。
【0149】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、音により媒体のジャムが発生したか否かを判定する場合にも、媒体の搬送異常の発生を抑制しつつ、媒体の搬送にかかる時間をより低減させることが可能となった。
【0150】
図15は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における処理回路260の概略構成を示す図である。処理回路260は、媒体搬送装置100の処理回路160の代わりに使用され、処理回路160の代わりに、媒体読取処理、ジャム判定処理、スリップ判定処理、重送判定処理及びスキュー判定処理を実行する。処理回路260は、制御回路261、サイドガイド検出回路262、判定回路263、画像生成回路264及びサイズ検出回路265等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0151】
制御回路261は、制御部の一例であり、制御部161と同様の機能を有する。制御回路261は、記憶装置150からジャムフラグ、スリップフラグ、重送フラグ、スキューフラグ、サイドガイドの配置位置、媒体のサイズ及び媒体の搬送異常の判定結果等を読み出す。制御回路261は、読み出した各情報に応じて動作モードを設定又は変更して記憶装置150に記憶する。また、制御回路261は、操作装置105から操作信号を、第2媒体センサ112から第2媒体信号を、第3媒体センサ115から第3媒体信号を受信し、記憶装置150から媒体の搬送異常の判定結果を読み出す。制御回路261は、受信した各信号及び読み出した情報に応じて、媒体の給送及び搬送を制御するようにモータ141に制御信号を出力する。
【0152】
サイドガイド検出回路262は、サイドガイド検出部の一例であり、サイドガイド検出部162と同様の機能を有する。サイドガイド検出回路262は、第1サイドガイドセンサ108から第1サイドガイド信号を、第2サイドガイドセンサ109から第2サイドガイド信号を受信し、サイドガイドの配置位置を検出し、検出結果を記憶装置150に記憶する。
【0153】
判定回路263は、判定部の一例であり、判定部163と同様の機能を有する。判定回路263は、第1媒体センサ111から第1媒体信号を受信し、又は、音信号生成回路130から音信号を受信する。また、判定回路263は、第3媒体センサ115から第3媒体信号を、第4媒体センサ120から第4媒体信号を、撮像装置121からライン画像を、超音波センサ117から超音波信号を受信する。判定回路263は、受信した各信号又は画像に基づいて、媒体の搬送異常が発生したか否かを判定し、判定結果を記憶装置150に記憶する。
【0154】
画像生成回路264は、画像生成部の一例であり、画像生成部164と同様の機能を有する。画像生成回路264は、撮像装置121からライン画像を受信して入力画像を生成し、記憶装置150に記憶し、インタフェース装置142を介して情報処理装置へ送信する。
【0155】
サイズ検出回路265は、サイズ検出部の一例であり、サイズ検出部165と同様の機能を有する。サイズ検出回路265は、記憶装置150から入力画像を読み出し、媒体のサイズを検出し、記憶装置150に記憶する。
【0156】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路260を用いる場合においても、媒体の搬送異常の発生を抑制しつつ、媒体の搬送にかかる時間をより低減させることが可能となった。
【符号の説明】
【0157】
100 媒体搬送装置、103 載置台、113 給送ローラ、114 ブレーキローラ、118 第1搬送ローラ、119 第2搬送ローラ、122 第3搬送ローラ、123 第4搬送ローラ、161 制御部、162 サイドガイド検出部、163 判定部、164 画像生成部、165 サイズ検出部